説明

無線通信システム及び無線モジュール障害診断方法

【課題】自動で無線モジュール障害の診断を行う無線通信システム、及び無線通信システムの無線モジュール障害診断方法を提供する。
【解決手段】接続確立要求診断部103が送信する接続確立要求信号を検査し、接続確立応答診断部105が受信する接続確立応答信号を検査し、認識診断部106が接続確立応答を認識したかを検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置と、当該ホスト装置に接続された無線中継装置と、無線中継装置を介して前記ホスト装置と無線通信を行う端末装置とを備える無線通信システム及び無線通信システムの無線モジュール障害診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスト装置と、当該ホスト装置に接続された無線中継装置と、無線中継装置を介して前記ホスト装置と無線通信を行う端末装置とを備える無線通信システムは、ホスト装置、無線中継装置、端末装置との間でさまざまな障害が発生する。障害が発生すると、端末装置とホスト装置との間で通信を行うことができなくなる。従来は、端末装置がホスト装置に接続確立要求を行った結果、ホスト装置から接続確立応答を受信できなかった場合に端末装置に無線障害があることを表示するものが一般的であった。
なお、通信回路の障害診断方法として特許文献1の技術が開示されている。
【特許文献1】特開平9−93308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の方法では異常であると判断した無線通信システムのホスト装置、無線中継装置、端末装置、またはホスト装置と無線中継装置との接続部の何処に異常があるのかを自動的に判断することはできなかった。また、何処に異常があるのかを判断するには専門的な知識が必要であるため、保守センター等の専門家が遠隔から使用者に指示をして異常個所の特定のための情報を取得する必要がある。しかし、異常個所の特定のための情報を取得するには情報取得のための操作が必要となり、各操作の指示を行う必要があるため、異常の修復のために迅速な対応をすることが困難だった。
特許文献1に記載の方法では、ホスト装置と無線中継装置との接続部の障害箇所を特定することができる。しかし、特許文献1に記載の方法だけでは、妨害波等による無線環境の異常や、ホスト装置、無線中継装置、端末装置の本体の故障を検知することができず、何処に異常があるのかを判断するために必要な情報を得るには不十分であった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動で無線モジュール障害の診断を行う無線通信システム、及び無線通信システムの無線モジュール障害診断方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ホスト装置と、当該ホスト装置に接続された無線中継装置と、前記無線中継装置を介して前記ホスト装置と無線通信を行う端末装置とを備える無線通信システムであって、前記ホスト装置は、接続確立要求の指示を受け付けた場合に当該無線中継装置に接続確立要求信号を送信する接続確立要求信号送信手段と、前記接続確立要求信号を取得し、当該接続確立要求信号の出力電圧に基づいて前記接続確立要求信号送信手段の障害の有無を判定し、当該障害を検出した場合、前記接続確立要求送信手段に異常があることを示す接続確立要求送信障害診断情報を出力する接続確立要求送信障害診断手段と、前記無線中継装置から前記接続確立要求信号に対する接続確立応答信号を受信する接続確立応答受信手段と、前記接続確立応答信号を取得し、当該接続確立応答信号の入力電圧に基づいて前記無線中継装置の障害及び前記無線中継装置との接続不良の有無を判定し、当該障害または接続不良を検出した場合、前記無線中継装置の障害または前記無線中継装置との接続不良があることを示す接続確立応答受信障害診断情報を出力する接続確立応答受信障害診断手段と、前記接続確立応答受信手段が受信した前記接続確立応答を認識し、前記無線中継装置を介した通信が可能であると判定し、接続確立応答認識通知を出力する接続確立応答認識手段と、前記接続確立応答認識通知が出力されず、当該接続確立応答認識通知が無い場合、前記接続確立応答認識手段の異常であることを示す接続確立応答認識障害診断情報を出力する接続確立応答認識障害診断手段と、前記接続確立要求送信障害診断情報と前記接続確立応答受信障害診断情報と前記接続確立応答認識障害診断情報とに基づいてホスト診断情報を生成するホスト診断情報生成手段と、前記ホスト診断情報を出力するホスト診断情報出力手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の前記無線中継装置は、前記ホスト装置と前記端末装置との無線通信を仲介する無線通信手段と、前記ホスト装置からの前記接続確立要求信号の受信に基づいて、前記ホスト装置との接続状態が良好であるか否かを示す無線中継装置状態情報を生成し、前記ホスト装置に前記接続確立要求信号に対する接続確立応答信号を送信する無線中継装置状態判定手段と、前記無線中継装置状態情報を出力する無線中継装置状態出力手段と、を備え、前記端末装置は、前記無線中継装置状態情報の入力を受け付ける無線中継装置状態入力手段と、前記ホスト診断情報の入力を受け付けるホスト診断情報入力手段と、通信に使用する周波数帯域で信号を送信することができないレベルの搬送波を所定の時間の間検出し、前記搬送波が常に存在する場合、無線環境異常であることを示す無線環境障害診断情報を出力する無線環境障害診断手段と、前記無線中継装置に前記無線通信の到達の可否を確認する到達確認要求を送信し、前記無線中継装置から前記到達確認要求に対する到達確認応答がない場合、前記端末装置または当該無線中継装置の無線不良であることを示す到達確認応答障害診断情報を出力する到達確認応答障害診断手段と、前記無線中継装置を介して前記ホスト装置に当該ホスト装置との通信の到達の可否を確認する接続確認要求を送信し、前記ホスト装置から前記接続確認要求に対する接続確認応答がない場合、前記ホスト装置の異常であることを示す接続確認応答診断情報を出力する接続確認応答障害診断手段と、前記入力された前記無線中継装置状態情報が、接続状態が良好でないことを示している場合、前記ホスト診断情報に基づいて前記端末装置における当該ホスト診断情報の表示に用いる第1の端末診断情報を生成し、前記入力された前記無線中継装置状態情報が、接続状態が良好であることを示している場合、前記無線環境診断情報と前記到達確認応答障害診断情報と前記接続確認応答障害診断情報に基づいて、前記端末装置の処理によって得られた診断情報を示す第2の端末診断情報を生成する端末診断情報生成手段と、前記第1の端末診断情報または前記第2の端末診断情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記ホスト装置と前記無線中継装置と前記端末装置とが予め当該無線通信システムを示すグループIDを記憶し、当該ホスト装置と当該無線中継装置と当該端末装置とが当該グループIDと同一の前記グループIDを記憶する装置とのみ無線通信を行う前記無線通信システムであって、前記端末装置は、前記無線中継装置に当該端末装置の前記グループIDを添付した前記到達確認要求を送信し、前記グループIDと同一のグループIDを記憶している前記無線中継装置からの前記到達確認要求に対する到達確認応答の有無を示すグループ到達確認応答判定情報を出力するグループ到達確認応答判定手段を備え、前記到達確認応答障害診断手段は、前記グループ到達確認応答判定情報が到達確認応答が無いことを示す場合、前記無線中継装置に前記グループIDを添付しない到達確認要求をブロードキャストで送信し、当該無線中継装置からの到達確認応答がないときは、前記端末装置または当該無線中継装置の無線不良であることを示す到達確認応答障害診断情報を出力し、1つ以上の到達確認応答があるときは、前記グループIDの登録ミスであることを示す到達確認応答診断情報を出力し、前記接続確認応答障害診断手段は、前記グループ到達確認応答判定情報が1つ以上の到達確認応答を受信したことを示す場合、前記ホスト装置に当該端末装置の前記グループIDを添付した接続確認要求を送信し、前記ホスト装置からの接続確認応答がないときは、前記ホスト装置の異常であることを示す接続確認応答障害診断情報を出力し、前記グループIDと同一のグループIDを記憶している1つ以上の前記ホスト装置からの接続確認応答があるときは、前記ホスト装置のプログラム不良であることを示す接続確認応答障害診断情報を出力する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の前記無線中継装置は予め当該無線中継装置に接続された前記ホスト装置を特定する情報を記憶し、前記端末装置に前記到達確認応答または前記接続確認応答を送信する際、前記到達確認応答または前記接続確認応答に前記ホスト装置を特定する情報を添付するホスト装置特定情報添付手段、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の前記ホスト装置と前記端末装置は前記無線通信の通信方式と異なる通信方式により通信を行う第2の通信手段を備え、前記端末装置は、前記第2の通信手段を用いて、前記無線環境障害診断情報、前記到達確認応答障害診断情報、前記接続確認応答障害診断情報を前記ホスト装置に送信する診断情報送信手段を備え、前記ホスト装置は、前記第2の通信方法を用いて前記端末装置から情報を受信する診断情報受信手段と、前記受信した情報と、前記接続確立要求送信障害診断情報、前記接続確立応答受信障害診断情報、前記接続確立応答認識障害診断情報を出力する診断ログ出力手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
前記端末装置は、外食産業向けオーダーエントリーシステムにおいて、利用者から注文の入力を受け付け、当該入力の終了後、当該注文の内容を示す注文情報を送信する注文入力端末に実装され、前記無線中継装置は、外食産業向けオーダーエントリーシステムにおいて、前記端末装置と無線通信をする無線中継機に実装され、前記ホスト装置は、外食産業向けオーダーエントリーシステムにおいて、前記無線中継装置と接続し、当該無線中継機を介して前記注文情報を受信するデータ処理装置に実装される、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、ホスト装置と、当該ホスト装置に接続された無線中継装置と、前記無線中継装置を介して前記ホスト装置と無線通信を行う端末装置とを備える無線通信システムにおける無線モジュール障害診断方法であって、前記ホスト装置の接続確立要求信号送信手段は、接続確立要求の指示を受け付けた場合に当該無線中継装置に接続確立要求信号を送信し、前記ホスト装置の接続確立要求送信障害診断手段は、前記接続確立要求信号を取得し、当該接続確立要求信号の出力電圧に基づいて前記接続確立要求信号送信手段の障害の有無を判定し、当該障害を検出した場合、前記接続確立要求送信手段に異常があることを示す接続確立要求送信障害診断情報を出力し、前記ホスト装置の接続確立応答受信手段は、前記無線中継装置から前記接続確立要求信号に対する接続確立応答信号を受信し、前記ホスト装置の接続確立応答受信障害診断手段は、前記接続確立応答信号を取得し、当該接続確立応答信号の入力電圧に基づいて前記無線中継装置の障害及び前記無線中継装置との接続不良の有無を判定し、当該障害または接続不良を検出した場合、前記無線中継装置の障害または前記無線中継装置との接続不良があることを示す接続確立応答受信障害診断情報を出力し、前記ホスト装置の接続確立応答認識手段は、前記接続確立応答受信手段が受信した前記接続確立応答を認識し、前記無線中継装置を介した通信が可能であると判定し、接続確立応答認識通知を出力し、前記ホスト装置の接続確立応答認識障害診断手段は、前記接続確立応答認識通知が出力されず、当該接続確立応答認識通知が無い場合、前記接続確立応答認識手段の異常であることを示す接続確立応答認識障害診断情報を出力し、前記ホスト装置のホスト診断情報生成手段は、前記接続確立要求送信障害診断情報と前記接続確立応答受信障害診断情報と前記接続確立応答認識障害診断情報とに基づいてホスト診断情報を生成し、前記ホスト装置のホスト診断情報出力手段前記ホスト診断情報を出力する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明における前記無線中継装置の無線通信手段は、前記ホスト装置と前記端末装置との無線通信を仲介し、前記無線中継装置の無線中継装置状態判定手段は、前記ホスト装置からの前記接続確立要求信号の受信に基づいて、前記ホスト装置との接続状態が良好であるか否かを示す無線中継装置状態情報を生成し、前記ホスト装置に前記接続確立要求信号に対する接続確立応答信号を送信し、前記無線中継装置の無線中継装置状態出力手段は、前記無線中継装置状態情報を出力し、前記端末装置の無線中継装置状態入力手段は、前記無線中継装置状態情報の入力を受け付け、前記端末装置のホスト診断情報入力手段は、前記ホスト診断情報の入力を受け付け、前記端末装置の無線環境障害診断手段は、通信に使用する周波数帯域で信号を送信することができないレベルの搬送波を所定の時間の間検出し、前記搬送波が常に存在する場合、無線環境異常であることを示す無線環境障害診断情報を出力し、前記端末装置の到達確認応答障害診断手段は、前記無線中継装置に前記無線通信の到達の可否を確認する到達確認要求を送信し、前記無線中継装置から前記到達確認要求に対する到達確認応答がない場合、前記端末装置または当該無線中継装置の無線不良であることを示す到達確認応答障害診断情報を出力し、前記端末装置の接続確認応答障害診断手段は、前記無線中継装置を介して前記ホスト装置に当該ホスト装置との通信の到達の可否を確認する接続確認要求を送信し、前記ホスト装置から前記接続確認要求に対する接続確認応答がない場合、前記ホスト装置の異常であることを示す接続確認応答診断情報を出力し、前記端末装置の端末診断情報生成手段は、前記入力された前記無線中継装置状態情報が、接続状態が良好でないことを示している場合、前記ホスト診断情報に基づいて前記端末装置における当該ホスト診断情報の表示に用いる第1の端末診断情報を生成し、前記入力された前記無線中継装置状態情報が、接続状態が良好であることを示している場合、前記無線環境診断情報と前記到達確認応答障害診断情報と前記接続確認応答障害診断情報に基づいて、前記端末装置の処理によって得られた診断情報を示す第2の端末診断情報を生成し、前記端末装置の表示手段は、前記第1の端末診断情報または前記第2の端末診断情報を表示する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記ホスト装置と前記無線中継装置と前記端末装置とが予め当該無線通信システムを示すグループIDを記憶し、当該ホスト装置と当該無線中継装置と当該端末装置とが当該グループIDと同一の前記グループIDを記憶する装置とのみ無線通信を行う無線通信システムにおける無線モジュール障害診断方法であって、前記端末装置のグループ到達確認応答判定手段は、前記無線中継装置に当該端末装置の前記グループIDを添付した前記到達確認要求を送信し、前記グループIDと同一のグループIDを記憶している前記無線中継装置からの前記到達確認要求に対する到達確認応答の有無を示すグループ到達確認応答判定情報を出力し、前記到達確認応答障害診断手段は、前記グループ到達確認応答判定情報が到達確認応答が無いことを示す場合、前記無線中継装置に前記グループIDを添付しない到達確認要求をブロードキャストで送信し、当該無線中継装置からの到達確認応答がないときは、前記端末装置または当該無線中継装置の無線不良であることを示す到達確認応答障害診断情報を出力し、1つ以上の到達確認応答があるときは、前記グループIDの登録ミスであることを示す到達確認応答診断情報を出力し、前記接続確認応答障害診断手段は、前記グループ到達確認応答判定情報が1つ以上の到達確認応答を受信したことを示す場合、前記ホスト装置に当該端末装置の前記グループIDを添付した接続確認要求を送信し、前記ホスト装置からの接続確認応答がないときは、前記ホスト装置の異常であることを示す接続確認応答障害診断情報を出力し、前記グループIDと同一のグループIDを記憶している1つ以上の前記ホスト装置からの接続確認応答があるときは、前記ホスト装置のプログラム不良であることを示す接続確認応答障害診断情報を出力する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、送信する接続確立要求信号と、受信する接続確立応答信号を検査することによってホスト装置と無線中継装置との接続部の障害を診断するので、電源の起動時に自動処理によって障害がある箇所を特定することができるため、特別な操作を行わずに障害診断情報を取得することができる。
また、本発明によれば、端末装置において自動で無線環境の診断を行い、ホスト装置で診断したホスト装置と無線中継装置との接続部の障害の診断結果と併せた診断結果を表示することができる。これにより、ホスト装置、無線中継装置、端末装置、ホスト装置と無線中継装置との接続部の何処に異常があるのかを自動的に判断することができる。さらに、自動的に異常個所の特定のための情報を取得できるため、保守センター等の専門家に当該情報を通知することで、異常の修復のために迅速な対応をすることができる。
また、本発明に寄ればホスト装置、無線中継装置及び端末装置を有する外食産業向けのオーダーエントリーシステムに本発明による無線通信システムを採用する。これにより、オーダーエントリーシステム内で何らかの障害が発生した場合、外食店舗の従業員等の装置等に関する専門的な知識を有しない使用者が、簡単な操作でオーダーエントリーシステム内の異常個所の特定のための情報を取得することができ、迅速に保守センター等の専門家に情報を通知することができる。そのため、接客から調理、配膳、料理提供、会計処理といった外食店舗における一連の業務が、オーダーエントリーシステム内の障害によって混乱し、結果、客へのサービスの低下を招く、といった外食産業にとって極めて重大な事態を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による無線通信システムの構成を示す概略ブロック図である。無線通信システム1は、ホスト装置100、無線中継装置200、端末装置300を備える。無線通信システム1は、例えば飲食店等で利用されるオーダリングシステムであり、ホスト装置100は厨房等に設置される注文情報出力装置、端末装置300は接客係が注文の入力を行う注文入力端末、無線中継装置200は注文情報出力装置と注文入力端末との無線通信を仲介する送受信機である。無線中継装置200は、ホスト装置100にケーブル等によって接続されている。端末装置300は、無線中継装置200を介してホスト装置100と無線通信を行う。
【0016】
ホスト装置100は、ホスト制御部101(接続確立応答認識手段)、送信部102(接続確立要求信号送信手段)、接続確立要求診断部103(接続確立要求送信障害診断手段)、受信部104(接続確立応答受信手段)、接続確立応答診断部105(接続確立応答受信障害診断手段)、認識診断部106(接続確立応答認識障害診断手段)、診断情報生成部107(ホスト診断情報生成手段)、ホスト出力部108(ホスト診断情報出力手段)を備える。
ホスト制御部101は、データの送受信の管理を行う。送信部102は、無線中継装置200にデータの送信を行う。接続確立要求診断部103は、送信部102が送信する接続確立要求信号を取得し、送信部102の障害診断を行う。受信部104は、無線中継装置200からデータの受信を行う。接続確立応答診断部104は、受信部104が受信した確認応答信号を取得し、受信部104の障害診断を行う。認識診断部106は、ホスト制御部101が確認応答信号を認識したかの情報を取得し、ホスト制御部101の障害診断を行う。診断情報生成部107は、接続確立要求診断部103、接続確立応答診断部105、認識診断部106の診断結果に基づいてホスト診断情報を生成する。ホスト出力部108は、診断情報生成部107が生成したホスト診断情報を出力する。
【0017】
無線中継装置200は、中継制御部201(無線通信手段、無線中継装置状態判定手段)、無線部202(無線通信手段、ホスト装置特定情報添付手段)、中継アンテナ203、中継状態出力部204(無線中継装置状態出力手段)を備える。
中継制御部201は、データの送受信の管理を行う。無線部202は、中継アンテナ203を介して端末装置300と無線通信を行う。中継状態出力部204は、中継制御部201とホスト装置100との接続状態を出力する。
【0018】
端末装置300は、端末入力部301(無線中継装置状態入力手段、ホスト診断情報入力手段)、端末アンテナ302、無線部303、端末制御部304、診断部305(無線中継装置動作判定手段、無線環境障害診断手段、到達確認応答障害診断手段、接続確認応答障害診断手段、端末診断情報生成手段)、表示部306(表示手段)を備える。
端末入力部301は、ホスト装置100のホスト診断情報、無線中継装置200の接続状態の入力を受け付ける。無線部303は、端末アンテナ302を介して無線中継装置200無線通信を行う。端末制御部304は、データの送受信の管理を行う。診断部305は、端末制御部304から無線環境の診断に必要な情報を得て、当該情報と、端末入力部301に入力されたホスト診断情報と接続状態とに基づいて端末診断情報(第1の端末診断情報、第2の端末診断情報)を生成する。表示部306は、診断部305が生成した端末診断情報を表示する。
【0019】
以下に、図1で示される無線中継装置200をホスト装置100に接続したときの動作を説明する。ホスト装置100は予め、送信部102が短絡されていると判定する送信信号の電圧閾値VTmaxと、ホスト制御部101が入力信号を接続確立応答信号であると判定することができる入力信号の電圧閾値VRminを登録しておく。
図2はホスト装置と無線中継装置の接続時の動作を表すフローチャートである。
ホスト装置100と無線中継装置200とをケーブルで接続する、またはケーブルで接続されたホスト装置100と無線中継装置200の電源を起動すると、ホスト装置100のホスト制御部101は、無線中継装置200との接続を確立するために、接続確立要求信号を生成する。ホスト制御部101生成した接続確立要求信号を送信部102が無線中継装置200に送信する(ステップS1)。送信部102が接続確立要求信号を送信すると、接続確立要求診断部103は、送信部102が出力した接続確立要求信号を取得し、接続確立要求信号の信号電圧Vを測定する(ステップS2)。信号電圧Vが0である場合、接続確立要求診断部103は送信部102が断線されていることを示す接続確立要求診断情報を出力する(ステップS3)。信号電圧Vが閾値電圧VTmax以上である場合、接続確立要求診断部103は送信部102が短絡されていることを示す接続確立要求診断情報を出力する(ステップS4)。信号電圧Vが閾値電圧VTmax未満かつ0を超える場合、接続確立要求診断部103は送信部102が正常であることを示す接続確立要求診断情報を出力する(ステップS5)。
【0020】
次に、無線中継装置200の中継制御部201は、ホスト装置100から接続確立要求信号を受信する(ステップS6)。中継制御部201は、接続確立要求信号を受信すると、接続確立応答信号を送信する(ステップS7)。接続確立要求信号受信後、中継制御部201は、接続確立要求信号を正しく受信したことから、ホスト装置100及びホスト装置100との接続部に異常が無いと判断し、ホスト装置100との接続状態(無線中継装置状態情報)を良好と判定する。中継制御部201が接続状態を良好と判定すると、中継状態出力部204は接続状態を良好として画面やLEDで表示、または赤外線通信などによって出力する(ステップS8)。
【0021】
次に、ホスト装置100の受信部104は、ステップS7によって無線中継装置から送信された接続確立応答信号を受信し、受信した接続確立応答信号をホスト制御部101に出力する(ステップS9)。受信部104が出力した接続確立応答信号を接続確立応答診断部105が取得し、接続確立応答信号の信号電圧Vを測定する(ステップS10)。信号電圧Vが0である場合、接続確立応答診断部105は受信部104が断線されている、または無線中継装置200に異常があることを示す接続確立応答診断情報を出力する(ステップS11)。信号電圧Vが閾値電圧VRmin未満かつ0を超える場合、接続確立応答診断部105は受信部104が接続不良であることを示す接続確立応答診断情報を出力する(ステップS12)。信号電圧Vが閾値電圧VRmin以上である場合、接続確立応答診断部105は無線中継装置200及び受信部104が正常であることを示す接続確立応答診断情報を出力する(ステップS13)。
【0022】
他方、ステップS9で受信部104が接続確立応答信号を出力すると、ホスト制御部101は接続確立応答信号を認識し、前記無線中継装置200を介して端末装置300と無線通信が可能であると判定する(ステップS14)。ホスト制御部101は接続確立応答信号を認識すると、認識診断部106へ接続確立応答の認識を通知する(ステップS15)。接続確立応答の認識が通知された場合、認識診断部106はホスト制御部101に正常であることを示す認識診断情報を出力する(ステップS16)。接続確立応答信号を受信した上で接続確立応答の認識が通知されない場合、または接続確立応答を未認識であることを示す通知を取得した場合、または接続確立応答の認識の通知に異常な値が含まれる場合、認識診断部106はホスト制御部101が異常であることを示す認識診断情報を出力する(ステップS17)。
接続確立要求診断部103、接続確立応答診断部105、認識診断部106が診断を終了すると、診断情報生成部107は、接続確立要求診断情報、接続確立応答診断情報、認識診断情報に基づいてホスト診断情報を生成する(ステップS18)。診断情報生成部107がホスト診断情報を生成すると、ホスト出力部108はホスト診断情報を画面やLEDで表示、紙などの媒体に印刷、または赤外線通信などによって出力する(ステップS19)。
【0023】
以下に、上記ステップS18で行うホスト診断情報の生成動作の説明を行う。
図3は診断情報生成部の動作を表すフローチャートである。
まず、診断情報生成部107は、認識診断情報を判定する(ステップS101)。ステップS16によって認識診断情報が、ホスト制御部101に異常があることを示す場合、ホスト診断情報としてホスト制御部101に異常があることを示す情報を生成する(ステップS102)。ステップS17によって認識診断情報が、ホスト制御部101が正常であることを示す場合、接続確立要求診断情報を判定する(ステップS103)。
また、ステップS4によって接続確立要求診断情報が、送信部102が短絡していることを示す場合、ホスト診断情報として送信部102が短絡していることを示す情報を生成する(ステップS104)。ステップS3によって接続確立要求診断情報が、送信部102が断線していることを示す場合、ホスト診断情報として送信部102が断線していることを示す情報を生成する(ステップS105)。ステップS5によって接続確立要求診断情報が、送信部102が正常であることを示す場合、接続確立応答診断情報を判定する(ステップS106)。
ステップS12によって接続確立応答診断情報が、受信部104の接続不良を示す場合、ホスト診断情報として受信部104が接続不良であることを示す情報を生成する(ステップS107)。ステップS11によって接続確立応答診断情報が、受信部104が断線している、または無線中継装置200に異常があることを示す場合、ホスト診断情報として受信部104が断線している、または無線中継装置200に異常がある、ということを示す情報を生成する(ステップS108)。ステップS13によって接続確立応答診断情報が、無線中継装置200及び受信部104が正常であることを示す場合、ホスト診断情報としてホスト装置100及び無線中継装置200に異常が無いことを示す情報を生成する(ステップS109)。
ホスト出力部108は上記手順によって生成されたホスト診断情報を、ステップS19によって画面やLEDで表示、紙などの媒体に印刷、または赤外線通信などによって出力する。
これにより、ホスト出力部108から出力されるホスト診断情報を参照することで、ホスト装置100と無線中継装置200の接続部の障害箇所を特定することができる。
【0024】
以下に、図1で示される端末装置300が行う無線環境の診断の動作を説明する。
無線中継装置200は、予め接続されているホスト装置100を特定する情報を登録しておく。
図4は端末装置の無線環境診断の動作を表すフローチャートである。
端末装置300とホスト装置100との間で通信を行うことができなくなった場合、使用者は無線通信システム1の障害診断を行う必要がある。使用者は端末装置300に備えられた障害診断開始ボタン(図示せず)等によって、端末装置300に障害診断の開始を通知する。端末装置300が障害診断の開始の通知を取得すると、端末入力部301は、ステップS8で無線中継装置200の中継状態出力部204が画面やLEDで表示、または赤外線通信などによって出力する、中継制御部201とホスト装置100との接続状態の入力を受け付ける(ステップS201)。端末入力部301が接続状態の入力を受け付けると、診断部305は、入力された接続状態が良好であることを示していれば、接続状態が良好であると判定する(ステップS202)。接続状態が良好で無い場合、その原因がホスト装置100、無線中継装置200、またはホスト装置100と無線中継装置200の接続部の何処にあるのかを特定する必要がある。そこで、端末入力部301はホスト装置100のホスト出力部108が出力するホスト診断情報の入力を受け付ける(ステップS203)。ホスト診断情報の入力を受け付けると、診断部305は、端末入力部301にホスト診断情報に基づいて端末診断情報を生成する(ステップS204)。
【0025】
ステップS202において接続状態が良好である場合、ホスト装置100と無線中継装置200の間の通信に問題が無いため、ホスト装置100と無線中継装置200の間の通信以外の障害の原因を探す必要が有る。そこで、障害の原因が無線環境にあるかを判定するため、診断部305は端末制御部304に、制御チャネルのキャリアセンス(搬送波の検出)命令を発行する。制御チャネルとは、ホスト装置100に接続要求信号を送信する際に用いる周波数のことである。診断部305が制御チャネルのキャリアセンス命令を発行すると、端末制御部304は無線部303を介して所定の時間、制御チャネルのキャリアセンスを実行する(ステップS205)。ここで、所定の時間は端末装置300、無線中継装置200が信号を送信する時間よりも十分に長いものとする。キャリアセンスを終了すると、端末制御部304はキャリアセンスの実行中、信号を送信することができないレベルの搬送波が常に検出される等、異常な搬送波が検出されたかを判定する(ステップS206)。制御チャネルに異常な搬送波が検出された場合、診断部305は、無線環境に異常があると診断する(ステップS207)。
【0026】
制御チャネルに異常な搬送波が検出されなかった場合、診断部305は端末制御部304に、データチャネルのキャリアセンス命令を発行する。データチャネルとは、ホスト装置100にデータを送信する際に用いることができる複数の周波数のことである。診断部305がデータチャネルのキャリアセンス命令を発行すると、端末制御部304は無線部303を介して所定の時間、全てのデータチャネルのキャリアセンスを実行する(ステップS208)。全てのデータチャネルのキャリアセンスを終了すると、端末制御部304は全てのデータチャネルでキャリアセンスの実行中、信号を送信することができないレベルの搬送波が常に検出される等、異常な搬送波が検出されたかを判定する(ステップS209)。全てのデータチャネルで異常な搬送波が検出された場合、診断部305は、無線環境に異常があると診断する(ステップS210)。
【0027】
異常な搬送波が検出されないデータチャネルが1つ以上ある場合、すなわち使用可能なデータチャネルが1つ以上ある場合、診断部305は端末制御部304に、無線中継装置200へのPING送信命令を発行する。診断部305がPING送信命令を発行すると、端末制御部304は無線部303を介して制御チャネルを用いてブロードキャストで全ての無線中継装置200にPING(到達確認要求)を送信する(ステップS211)。
無線部303が端末アンテナ302を介してPINGを送信すると、無線中継装置200の無線部202は中継アンテナ203を介してPINGを受信する。無線部202はPINGを受信すると、端末装置300に中継アンテナ203を介してPING応答を送信する。このとき、PING応答に、ホスト装置100を特定する情報、例えばホスト装置100の製造番号等を添付する。無線アドレスは無線通信システム1の内部で設定されるアドレスであるため、使用者は無線アドレスによって装置を特定することができない。そこで、PING応答にホスト装置100の製造番号等を添付することで、使用者は製造番号によってホスト装置100を特定することができ、ホスト装置100に接続されている無線中継装置200を特定することができる。
他方、ステップS211によって無線部303がPINGを送信すると、端末制御部304はPING応答の有無を判定する(ステップS212)。全ての無線中継装置200からPING応答がない場合、診断部305は、無線部303または無線中継装置の無線部202に異常があると診断する(ステップS213)。
【0028】
1つ以上の無線中継装置200からPING応答がある場合、診断部305は端末制御部304に、ホスト装置100への接続確認要求送信命令を発行する。端末制御部304は、診断部305から接続確認要求送信命令を受信すると、無線部303を介して制御チャネルを用いてブロードキャストで全てのホスト装置100に接続確認要求を送信する(ステップS214)。
無線部303が端末アンテナ302を介して接続確認要求を送信すると、無線中継装置200の無線部202は中継アンテナ203を介して無線部303から接続確認要求を受信すると、中継制御部201はホスト装置100に接続確認要求を送信する。ホスト装置100のホスト制御部101は、受信部104を介して接続確認要求を受信すると、送信部102を介して無線中継装置200に接続確認応答を送信する。無線中継装置200の中継制御部201がホスト装置100から接続確認応答を受信すると、無線部202は端末装置300に中継アンテナ203を介して接続確認応答を送信する。このとき、接続確認応答に、ホスト装置100を特定する情報を添付する。
他方、ステップS214によって無線部303が接続確認命令を送信すると、端末制御部304は接続確認応答の有無を判定する(ステップS215)。全てのホスト装置100から無線確認応答がない場合、診断部305は、ホスト装置100に異常があると診断する(ステップS216)。1つ以上のホスト装置100から無線確認応答がある場合、診断部305は、ホスト装置100のプログラムに異常があると診断する(ステップS217)。
ステップS204またはS207またはS210またはS213またはS216またはS217で診断部305が診断を行うと、表示部306は診断部305が診断した端末診断結果を表示する(ステップS218)。
【0029】
図5は、端末診断結果を表示する表示部の画面例を表す図である。
図5は、ステップS216によってホスト装置異常と判定された場合の例である。図5に示されるように、表示部306には端末診断結果に加え、各ステップで得られた情報も表示される。
これによって、ホスト装置100、無線中継装置200、端末装置300、ホスト装置100と無線中継装置200との接続部の何処に異常があるのかを自動的に判断することができる。また、各ステップで得られた情報を保守センター等の専門家に通知することで、より詳細な診断を行うことができる。
【0030】
このように、第1の実施形態によれば、送信する接続確立要求信号と、受信する接続確立応答信号を検査することによって電源の起動時にホスト装置100と無線中継装置200との接続部の障害を自動で診断する。これにより、特別な操作を行わずに自動処理によって障害がある箇所を特定することができる。
また、本発明によれば、端末装置300において自動で無線環境の診断を行い、ホスト装置100で診断したホスト装置100と無線中継装置200との接続部の障害の診断結果と併せた診断結果を表示することができる。これにより、ホスト装置100、無線中継装置200、端末装置300、ホスト装置100と無線中継装置200との接続部の何処に異常があるのかを自動的に判断することができる。さらに、自動的に異常個所の特定のための情報を取得できるため、保守センター等の専門家に当該情報を通知することで、異常の修復のために迅速な対応をすることができる。
また、本発明によれば、無線中継装置200が送信するPING応答に、ホスト装置100を特定する情報を添付する。これにより、端末装置300はPING応答があった無線アドレスに、無線中継装置200が接続されているホスト装置100の情報を関連付けることができるため、PING応答があった無線中継装置200を見つけることが容易になる。
【0031】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。第2の実施形態による無線通信システムは、無線信号の送受信が可能な範囲内に異なる無線通信システムが存在する場合に異なる無線通信システムとの通信の混同が起こらないようにするものである。ホスト装置と無線中継装置と端末装置は予め所属する無線通信システムを示すグループIDを記憶し、各装置はグループIDが同一の装置とのみ無線通信を行う。
第2の実施形態による無線通信システム1では診断部305(無線中継装置動作判定手段、無線中継装置障害診断手段、無線環境障害診断手段、到達確認応答障害診断手段、接続確認応答障害診断手段、端末診断情報生成手段、グループ到達確認応答判定手段)でグループIDを用いた診断を行うため、動作が第1の実施形態による無線通信システム1と異なる。なお、無線通信システム1の構成は第1の実施形態の無線通信システム1と同じであるため、同一の符号を用いて説明する。
【0032】
図6は第2の実施形態による端末装置の無線環境診断の動作を表すフローチャートである。第1の実施形態と同一の処理を行うステップは同一の符号を用いて説明する。
使用者は無線通信システム1の障害診断を行う必要がある。使用者は端末装置300に備えられた障害診断開始ボタン(図示せず)等によって、端末装置300に障害診断の開始を通知する。端末装置300が障害診断の開始の通知を取得すると、端末入力部301は、ステップS8で無線中継装置200の中継状態出力部204が画面やLEDで表示、または赤外線通信などによって出力する、中継制御部201とホスト装置100との接続状態の入力を受け付ける(ステップS201)。端末入力部301が接続状態の入力を受け付けると、診断部305は、接続状態が良好であるかを判定する(ステップS202)。接続状態が良好で無い場合、その原因がホスト装置100、無線中継装置200、またはホスト装置100と無線中継装置200の接続部の何処にあるのかを特定する必要がある。そこで、端末入力部301はホスト装置100のホスト出力部108が出力するホスト診断情報の入力を受け付ける(ステップS203)。ホスト診断情報の入力を受け付けると、診断部305は、端末入力部301にホスト診断情報に基づいて端末診断情報を生成する(ステップS204)。
【0033】
ステップS202において接続状態が良好である場合、診断部305は端末制御部304に、制御チャネルのキャリアセンス命令を発行する。診断部305が制御チャネルのキャリアセンス命令を発行すると、端末制御部304は無線部303を介して所定の時間、制御チャネルのキャリアセンスを実行する(ステップS205)。ここで、所定の時間は端末装置300、無線中継装置200が信号を送信する時間よりも十分に長いものとする。キャリアセンスを終了すると、端末制御部304はキャリアセンスの実行中、信号を送信することができないレベルの搬送波が常に検出される等、異常な搬送波が検出されたかを判定する(ステップS206)。制御チャネルに異常な搬送波が検出された場合、診断部305は、無線環境に異常があると診断する(ステップS207)。
【0034】
制御チャネルに異常な搬送波が検出されなかった場合、診断部305は端末制御部304に、データチャネルのキャリアセンス命令を発行する。診断部305がデータチャネルのキャリアセンス命令を発行すると、端末制御部304は無線部303を介して所定の時間、全てのデータチャネルのキャリアセンスを実行する(ステップS208)。全てのデータチャネルのキャリアセンスを終了すると、端末制御部304は全てのデータチャネルでキャリアセンスの実行中、信号を送信することができないレベルの搬送波が常に検出される等、異常な搬送波が検出されたかを判定する(ステップS209)。全てのデータチャネルで異常な搬送波が検出された場合、診断部305は、無線環境に異常があると診断する(ステップS210)。
【0035】
搬送波が検出されないデータチャネルが1つ以上ある場合、診断部305は端末制御部304に、同一グループの無線中継装置200へのPING送信命令を発行する。診断部305がPING送信命令を発行すると、端末制御部304は無線部303を介して制御チャネルを用いてブロードキャストで同一グループの無線中継装置200にPINGを送信する(ステップS301)。
無線部303が端末アンテナ302を介してPINGを送信すると、端末装置100と同一グループの無線中継装置200の無線部202は中継アンテナ203を介してPINGを受信する。無線部202はPINGを受信すると、端末装置300に中継アンテナ203を介してPING応答を送信する。このとき、PING応答に、ホスト装置100を特定する情報を添付する。
他方、ステップS301によって無線部303がPINGを送信すると、端末制御部304はPING応答の有無を判定する(ステップS302)。
【0036】
1つ以上の無線中継装置200からPING応答がある場合、診断部305は端末制御部304に、同一グループのホスト装置100への接続確認要求送信命令を発行する。診断部305が接続確認要求送信命令を発行すると、端末制御部304は無線部303を介して制御チャネルを用いてブロードキャストで同一グループのホスト装置100に接続確認要求を送信する(ステップS303)。
無線部303が端末アンテナ302を介して接続確認要求を送信すると、同一グループの無線中継装置200の無線部202は中継アンテナ203を介して接続確認要求を受信する。無線部202が接続確認要求を受信すると、中継制御部201はホスト装置100に接続確認要求を送信する。ホスト装置100のホスト制御部101は、受信部104を介して接続確認要求を受信すると、送信部102を介して無線中継装置200に接続確認応答を送信する。無線中継装置200の中継制御部201がホスト装置100から接続確認応答を受信すると、無線部202は端末装置300に中継アンテナ203を介して接続確認応答を送信する。このとき、接続確認応答に、ホスト装置100を特定する情報を添付する。
他方、ステップS303によって無線部303が接続確認命令を送信すると、端末制御部304は接続確認応答の有無を判定する(ステップS304)。1つ以上のホスト装置100から無線確認応答がある場合、診断部305は、ホスト装置100のプログラムに異常があると診断する(ステップS305)。同一グループの全てのホスト装置100から無線確認応答がない場合、診断部305は、ホスト装置100に異常があると診断する(ステップS306)。
【0037】
ステップS302において同一グループの全ての無線中継装置200からPING応答がない場合、診断部305は端末制御部304に、全ての無線中継装置200へのPING送信命令を発行する。診断部305がPING送信命令を発行すると、端末制御部304は無線部303を介して制御チャネルを用いてブロードキャストで全ての無線中継装置200にPINGを送信する(ステップS307)。
無線部303が端末アンテナ302を介してPINGを送信すると、無線中継装置200の無線部202は中継アンテナ203を介してPINGを受信する。無線部202はPINGを受信すると、端末装置300に中継アンテナ203を介してPING応答を送信する。このとき、PING応答に、ホスト装置100を特定する情報を添付する。
他方、ステップS307によって無線部303がPINGを送信すると、端末制御部304はPING応答の有無を判定する(ステップS308)。1つ以上の無線中継装置200からPING応答がある場合、診断部305は、機器のグループIDの設定ミスであると診断する(ステップS309)。全ての無線中継装置200からPING応答がない場合、診断部305は、無線部303または無線中継装置の無線部202に異常があると診断する(ステップS310)。
【0038】
ステップS204またはS207またはS210またはS305またはS306またはS309またはS310で診断部305が診断を行うと、表示部306は診断部305が診断した端末診断結果を表示する(ステップS311)。
これによって、ホスト装置100、無線中継装置200、端末装置300、ホスト装置100と無線中継装置200との接続部の何処に異常があるのかを自動的に判断することができる。
【0039】
このように、第2の実施形態によれば、グループIDの設定ミスによって無線通信が行えない場合も診断を行うことができる。これによって、ホスト装置100、無線中継装置200、端末装置300、ホスト装置100と無線中継装置200との接続部の何処に異常があるのかを自動的に判断することができる。
【0040】
(第3の実施形態)
次に、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態による無線通信システムの構成を示すシステム構成図である。
本発明の第3の実施形態は、本発明の第1の実施形態または第2の実施形態において説明した無線通信システム1を、外食産業向けのオーダーエントリーシステムに採用したものである。
【0041】
オーダーエントリーシステム2は、複数のマルチプリンタ400−1〜400−M(データ処理装置)と、各マルチプリンタ400−1〜400−Mに接続された無線中継機500−1〜500−Mと、複数の注文入力装置600−1〜600−Nと、POS(販売時点情報管理:Point of sale)装置700を有する。オーダーエントリーシステム2は、外食産業店舗において客からの注文入力から精算までの処理を管理する。注文入力装置600−1〜600−Nは、利用者からの注文の入力を受け付け、当該注文を示す注文情報を送信する。注文入力装置600−1〜600−Nは、端末装置300の仕組みを実装する。無線中継機500−1〜500−Mはそれぞれマルチプリンタ400−1〜400−Mと接続し、注文入力装置600−1〜600−Nと無線通信を行う。無線中継機500−1〜500−Mは、無線中継装置200の仕組みを実装する。マルチプリンタ400−1〜400−Mは、無線中継装置500−1〜500−Mを介して注文情報を受信し、調理指示、配膳指示、会計等に関する伝票を出力する。マルチプリンタ400−1〜400−Mは、ホスト装置100の仕組みを実装する。POS装置700は、伝票に基づいて会計処理を行い、売り上げの管理を行う。
【0042】
図7で示すように、外食産業の店舗は大型になると、注文入力装置600−1〜600−N、無線中継装置500−1〜500−M、マルチプリンタ400−1〜400−Mを同一店舗内に複数設置する場合がある。このようなオーダーエントリーシステム2において、オーダーエントリーシステム2を構築する装置のどこかで障害が発生すると、注文受付、調理、配膳、料理提供、会計処理といった外食店舗における一連の業務において各装置間でやり取りされる様々な情報が、どこかの装置で滞ってしまい、場合によっては紛失してしまう恐れがある。従って、オーダーエントリーシステム内で障害が発生した場合、迅速に復旧し、オーダーエントリーシステムの非稼動による店舗の混乱を最小限に防ぐ必要がある。
本発明の第3の実施形態によれば、オーダーエントリーシステム2内で障害が発生した場合、外食店舗の従業員が携帯する注文入力装置600−1〜600−Nが障害診断開始ボタン(図示せず)の押下等によって障害診断を実施し、診断結果を表示する。これにより、外食店舗の従業員は、障害診断開始ボタンを押下するという簡単な動作で診断結果を取得することができ、迅速に保守センター等に情報を通知することができる。そのため、接客から調理、配膳、料理提供、会計処理といった外食店舗における一連の業務がオーダーエントリーシステム2内の障害によって混乱し、結果、客へのサービスの低下を招く、という外食産業にとって極めて重大な事態を回避することができる。
【0043】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0044】
なお、本実施形態では端末装置300の表示部306に端末診断結果を表示する場合を説明したが、これに限られず、例えば以下の方法でホスト装置100から端末診断結果を出力してもよい。
ホスト装置100と前記端末装置300は無線部202、303を用いる無線通信の通信方式と異なる通信方式を有する第2の通信方法を備える。第2の通信方法は、例えば赤外線通信や無線LAN(構内通信網:Local Area Network)などがある。ホスト装置100はさらに無線通信システム1の障害診断に用いる診断ログを出力する診断ログ出力手段を備える。
端末装置300は第2の通信方法を用いて、診断部305が取得した情報をホスト装置100に送信する。ホスト装置100は第2の通信方法を用いて端末装置300から情報を受信する。診断ログ出力手段は、受信した情報と、接続確立要求診断部103と接続確立応答診断部105と認識診断部106が取得した情報を出力する。
これにより、ホスト装置100は無線通信システム1の障害診断に用いる診断ログを出力することができる。このため、出力した診断ログをファクシミリやインターネット等を介して保守センターなどの専門家に送信することで、専門家は直接無線通信システム1を調べずに詳細な無線障害の原因や解決方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態による無線通信システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】ホスト装置と無線中継装置の接続時の動作を表すフローチャートである。
【図3】診断情報生成部の動作を表すフローチャートである。
【図4】端末装置の無線環境診断の動作を表すフローチャートである。
【図5】端末診断結果を表示する表示部の画面例を表す図である。
【図6】第2の実施形態による端末装置の無線環境診断の動作を表すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態による無線通信システムの構成を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0046】
1…無線通信システム 100…ホスト装置 101…ホスト制御部 102…送信部 103…接続確立要求診断部 104…受信部 105…接続確立応答診断部 106…認識診断部 107…診断情報生成部 108…ホスト出力部 200…無線中継装置 201…中継制御部 202…無線部 203…中継アンテナ 204…中継状態出力部 300…端末装置 301…端末入力部 302…端末アンテナ 303…無線部 304…端末制御部 305…診断部 306…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置と、当該ホスト装置に接続された無線中継装置と、前記無線中継装置を介して前記ホスト装置と無線通信を行う端末装置とを備える無線通信システムであって、
前記ホスト装置は、
接続確立要求の指示を受け付けた場合に当該無線中継装置に接続確立要求信号を送信する接続確立要求信号送信手段と、
前記接続確立要求信号を取得し、当該接続確立要求信号の出力電圧に基づいて前記接続確立要求信号送信手段の障害の有無を判定し、当該障害を検出した場合、前記接続確立要求送信手段に異常があることを示す接続確立要求送信障害診断情報を出力する接続確立要求送信障害診断手段と、
前記無線中継装置から前記接続確立要求信号に対する接続確立応答信号を受信する接続確立応答受信手段と、
前記接続確立応答信号を取得し、当該接続確立応答信号の入力電圧に基づいて前記無線中継装置の障害及び前記無線中継装置との接続不良の有無を判定し、当該障害または接続不良を検出した場合、前記無線中継装置の障害または前記無線中継装置との接続不良があることを示す接続確立応答受信障害診断情報を出力する接続確立応答受信障害診断手段と、
前記接続確立応答受信手段が受信した前記接続確立応答を認識し、前記無線中継装置を介した通信が可能であると判定し、接続確立応答認識通知を出力する接続確立応答認識手段と、
前記接続確立応答認識通知が出力されず、当該接続確立応答認識通知が無い場合、前記接続確立応答認識手段の異常であることを示す接続確立応答認識障害診断情報を出力する接続確立応答認識障害診断手段と、
前記接続確立要求送信障害診断情報と前記接続確立応答受信障害診断情報と前記接続確立応答認識障害診断情報とに基づいてホスト診断情報を生成するホスト診断情報生成手段と、
前記ホスト診断情報を出力するホスト診断情報出力手段と、を備える、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記無線中継装置は、
前記ホスト装置と前記端末装置との無線通信を仲介する無線通信手段と、
前記ホスト装置からの前記接続確立要求信号の受信に基づいて、前記ホスト装置との接続状態が良好であるか否かを示す無線中継装置状態情報を生成し、前記ホスト装置に前記接続確立要求信号に対する接続確立応答信号を送信する無線中継装置状態判定手段と、
前記無線中継装置状態情報を出力する無線中継装置状態出力手段と、を備え、
前記端末装置は、
前記無線中継装置状態情報の入力を受け付ける無線中継装置状態入力手段と、
前記ホスト診断情報の入力を受け付けるホスト診断情報入力手段と、
通信に使用する周波数帯域で信号を送信することができないレベルの搬送波を所定の時間の間検出し、前記搬送波が常に存在する場合、無線環境異常であることを示す無線環境障害診断情報を出力する無線環境障害診断手段と、
前記無線中継装置に前記無線通信の到達の可否を確認する到達確認要求を送信し、前記無線中継装置から前記到達確認要求に対する到達確認応答がない場合、前記端末装置または当該無線中継装置の無線不良であることを示す到達確認応答障害診断情報を出力する到達確認応答障害診断手段と、
前記無線中継装置を介して前記ホスト装置に当該ホスト装置との通信の到達の可否を確認する接続確認要求を送信し、前記ホスト装置から前記接続確認要求に対する接続確認応答がない場合、前記ホスト装置の異常であることを示す接続確認応答診断情報を出力する接続確認応答障害診断手段と、
前記入力された前記無線中継装置状態情報が、接続状態が良好でないことを示している場合、前記ホスト診断情報に基づいて前記端末装置における当該ホスト診断情報の表示に用いる第1の端末診断情報を生成し、前記入力された前記無線中継装置状態情報が、接続状態が良好であることを示している場合、前記無線環境診断情報と前記到達確認応答障害診断情報と前記接続確認応答障害診断情報に基づいて、前記端末装置の処理によって得られた診断情報を示す第2の端末診断情報を生成する端末診断情報生成手段と、
前記第1の端末診断情報または前記第2の端末診断情報を表示する表示手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記ホスト装置と前記無線中継装置と前記端末装置とが予め当該無線通信システムを示すグループIDを記憶し、当該ホスト装置と当該無線中継装置と当該端末装置とが当該グループIDと同一の前記グループIDを記憶する装置とのみ無線通信を行う前記無線通信システムであって、
前記端末装置は、
前記無線中継装置に当該端末装置の前記グループIDを添付した前記到達確認要求を送信し、前記グループIDと同一のグループIDを記憶している前記無線中継装置からの前記到達確認要求に対する到達確認応答の有無を示すグループ到達確認応答判定情報を出力するグループ到達確認応答判定手段を備え、
前記到達確認応答障害診断手段は、前記グループ到達確認応答判定情報が、到達確認応答が無いことを示す場合、前記無線中継装置に前記グループIDを添付しない到達確認要求をブロードキャストで送信し、当該無線中継装置からの到達確認応答がないときは、前記端末装置または当該無線中継装置の無線不良であることを示す到達確認応答障害診断情報を出力し、1つ以上の到達確認応答があるときは、前記グループIDの登録ミスであることを示す到達確認応答診断情報を出力し、
前記接続確認応答障害診断手段は、前記グループ到達確認応答判定情報が1つ以上の到達確認応答を受信したことを示す場合、前記ホスト装置に当該端末装置の前記グループIDを添付した接続確認要求を送信し、前記ホスト装置からの接続確認応答がないときは、前記ホスト装置の異常であることを示す接続確認応答障害診断情報を出力し、前記グループIDと同一のグループIDを記憶している1つ以上の前記ホスト装置からの接続確認応答があるときは、前記ホスト装置のプログラム不良であることを示す接続確認応答障害診断情報を出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記無線中継装置は予め当該無線中継装置に接続された前記ホスト装置を特定する情報を記憶し、
前記端末装置に前記到達確認応答または前記接続確認応答を送信する際、前記到達確認応答または前記接続確認応答に前記ホスト装置を特定する情報を添付するホスト装置特定情報添付手段、を備える
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記ホスト装置と前記端末装置は前記無線通信の通信方式と異なる通信方式により通信を行う第2の通信手段を備え、
前記端末装置は、前記第2の通信手段を用いて、前記無線環境障害診断情報、前記到達確認応答障害診断情報、前記接続確認応答障害診断情報を前記ホスト装置に送信する診断情報送信手段を備え、
前記ホスト装置は、前記第2の通信方法を用いて前記端末装置から情報を受信する診断情報受信手段と、
前記受信した情報と、前記接続確立要求送信障害診断情報、前記接続確立応答受信障害診断情報、前記接続確立応答認識障害診断情報を出力する診断ログ出力手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記端末装置は、外食産業向けオーダーエントリーシステムにおいて、利用者から注文の入力を受け付け、当該入力の終了後、当該注文の内容を示す注文情報を送信する注文入力端末に実装され、
前記無線中継装置は、外食産業向けオーダーエントリーシステムにおいて、前記端末装置と無線通信をする無線中継機に実装され、
前記ホスト装置は、外食産業向けオーダーエントリーシステムにおいて、前記無線中継装置と接続し、当該無線中継機を介して前記注文情報を受信するデータ処理装置に実装される、
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項7】
ホスト装置と、当該ホスト装置に接続された無線中継装置と、前記無線中継装置を介して前記ホスト装置と無線通信を行う端末装置とを備える無線通信システムにおける無線モジュール障害診断方法であって、
前記ホスト装置の接続確立要求信号送信手段は、接続確立要求の指示を受け付けた場合に当該無線中継装置に接続確立要求信号を送信し、
前記ホスト装置の接続確立要求送信障害診断手段は、前記接続確立要求信号を取得し、当該接続確立要求信号の出力電圧に基づいて前記接続確立要求信号送信手段の障害の有無を判定し、当該障害を検出した場合、前記接続確立要求送信手段に異常があることを示す接続確立要求送信障害診断情報を出力し、
前記ホスト装置の接続確立応答受信手段は、前記無線中継装置から前記接続確立要求信号に対する接続確立応答信号を受信し、
前記ホスト装置の接続確立応答受信障害診断手段は、前記接続確立応答信号を取得し、当該接続確立応答信号の入力電圧に基づいて前記無線中継装置の障害及び前記無線中継装置との接続不良の有無を判定し、当該障害または接続不良を検出した場合、前記無線中継装置の障害または前記無線中継装置との接続不良があることを示す接続確立応答受信障害診断情報を出力し、
前記ホスト装置の接続確立応答認識手段は、前記接続確立応答受信手段が受信した前記接続確立応答を認識し、前記無線中継装置を介した通信が可能であると判定し、接続確立応答認識通知を出力し、
前記ホスト装置の接続確立応答認識障害診断手段は、前記接続確立応答認識通知が出力されず、当該接続確立応答認識通知が無い場合、前記接続確立応答認識手段の異常であることを示す接続確立応答認識障害診断情報を出力し、
前記ホスト装置のホスト診断情報生成手段は、前記接続確立要求送信障害診断情報と前記接続確立応答受信障害診断情報と前記接続確立応答認識障害診断情報とに基づいてホスト診断情報を生成し、
前記ホスト装置のホスト診断情報出力手段前記ホスト診断情報を出力する、
ことを特徴とする無線モジュール障害診断方法。
【請求項8】
前記無線中継装置の無線通信手段は、前記ホスト装置と前記端末装置との無線通信を仲介し、
前記無線中継装置の無線中継装置状態判定手段は、前記ホスト装置からの前記接続確立要求信号の受信に基づいて、前記ホスト装置との接続状態が良好であるか否かを示す無線中継装置状態情報を生成し、前記ホスト装置に前記接続確立要求信号に対する接続確立応答信号を送信し、
前記無線中継装置の無線中継装置状態出力手段は、前記無線中継装置状態情報を出力し、
前記端末装置の無線中継装置状態入力手段は、前記無線中継装置状態情報の入力を受け付け、
前記端末装置のホスト診断情報入力手段は、前記ホスト診断情報の入力を受け付け、
前記端末装置の無線環境障害診断手段は、通信に使用する周波数帯域で信号を送信することができないレベルの搬送波を所定の時間の間検出し、前記搬送波が常に存在する場合、無線環境異常であることを示す無線環境障害診断情報を出力し、
前記端末装置の到達確認応答障害診断手段は、前記無線中継装置に前記無線通信の到達の可否を確認する到達確認要求を送信し、前記無線中継装置から前記到達確認要求に対する到達確認応答がない場合、前記端末装置または当該無線中継装置の無線不良であることを示す到達確認応答障害診断情報を出力し、
前記端末装置の接続確認応答障害診断手段は、前記無線中継装置を介して前記ホスト装置に当該ホスト装置との通信の到達の可否を確認する接続確認要求を送信し、前記ホスト装置から前記接続確認要求に対する接続確認応答がない場合、前記ホスト装置の異常であることを示す接続確認応答診断情報を出力し、
前記端末装置の端末診断情報生成手段は、前記入力された前記無線中継装置状態情報が、接続状態が良好でないことを示している場合、前記ホスト診断情報に基づいて前記端末装置における当該ホスト診断情報の表示に用いる第1の端末診断情報を生成し、前記入力された前記無線中継装置状態情報が、接続状態が良好であることを示している場合、前記無線環境診断情報と前記到達確認応答障害診断情報と前記接続確認応答障害診断情報に基づいて、前記端末装置の処理によって得られた診断情報を示す第2の端末診断情報を生成し、
前記端末装置の表示手段は、前記第1の端末診断情報または前記第2の端末診断情報を表示する、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線モジュール障害診断方法。
【請求項9】
前記ホスト装置と前記無線中継装置と前記端末装置とが予め当該無線通信システムを示すグループIDを記憶し、当該ホスト装置と当該無線中継装置と当該端末装置とが当該グループIDと同一の前記グループIDを記憶する装置とのみ無線通信を行う前記無線通信システムにおける前記無線モジュール障害診断方法であって、
前記端末装置のグループ到達確認応答判定手段は、前記無線中継装置に当該端末装置の前記グループIDを添付した前記到達確認要求を送信し、前記グループIDと同一のグループIDを記憶している前記無線中継装置からの前記到達確認要求に対する到達確認応答の有無を示すグループ到達確認応答判定情報を出力し、
前記到達確認応答障害診断手段は、前記グループ到達確認応答判定情報が、到達確認応答が無いことを示す場合、前記無線中継装置に前記グループIDを添付しない到達確認要求をブロードキャストで送信し、当該無線中継装置からの到達確認応答がないときは、前記端末装置または当該無線中継装置の無線不良であることを示す到達確認応答障害診断情報を出力し、1つ以上の到達確認応答があるときは、前記グループIDの登録ミスであることを示す到達確認応答診断情報を出力し、
前記接続確認応答障害診断手段は、前記グループ到達確認応答判定情報が1つ以上の到達確認応答を受信したことを示す場合、前記ホスト装置に当該端末装置の前記グループIDを添付した接続確認要求を送信し、前記ホスト装置からの接続確認応答がないときは、前記ホスト装置の異常であることを示す接続確認応答障害診断情報を出力し、前記グループIDと同一のグループIDを記憶している1つ以上の前記ホスト装置からの接続確認応答があるときは、前記ホスト装置のプログラム不良であることを示す接続確認応答障害診断情報を出力する、
ことを特徴とする請求項8に記載の無線モジュール障害診断方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−21842(P2010−21842A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181355(P2008−181355)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)
【Fターム(参考)】