説明

無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システム

【課題】 無線通信装置で制御信号を送信する際に、効率的に送信する。
【解決手段】 本発明は、第1の無線通信装置と、制御信号受信可能状態となり、制御信号受信後にデータが受信可能なデータ受信可能状態となる1又は複数の第2の無線通信装置とを有する無線通信システムに関する。そして、第1の無線通信装置は、第2の無線通信装置のそれぞれについて、制御信号受信可能状態となるタイミングを保持し、保持した内容に基づいて制御信号送信期間を決定する手段と、データを同報送信するタイミングを決定する手段と、決定した制御信号送信期間に制御信号の同報送信を繰り返す手段と、制御信号送信期間の経過後にデータの同報送信を行う手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムに関し、例えば、マルチホップ無線通信を行う無線通信装置を複数備える無線通信システムに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来、近距離無線規格であるZigBeeに関して規定したIEEE802.15.4e(非特許文献1参照)では、MAC層への様々な追加機能が規定されている。そのうちの1つの機能としてCSL(Coordinated Sampled Listening)という機能がある。CSLは端的にいえば送信元が送信先の間欠受信タイミングに同期してデータフレームを送信する省電力通信方法である。
【0003】
CSLを利用して同報通信(ブロードキャスト通信)を実施する場合、送信元ノードは周囲のすべてのノードの間欠受信タイミングにかかると思われる十分長い時間の間、Wakeupフレームを連続送信した後にデータフレームを送信する。なお、IEEE802.15.4eではブロードキャストの際のWakeupフレーム連続送信期間は、ユーザによってあらかじめ設定されたものを利用する。
【0004】
従来の無線通信装置による、CSL機能に基づいたブロードキャストのデータ送信の具体的な動作について、図9を用いて説明する。
【0005】
図9では、従来のCLS機能に対応した無線通信装置において、タイミングTB1の時点で、ブロードキャストによりデータフレームを送信する要求が発生(例えば、上位層のアプリケーション等により発生)した場合にブロードキャストによりデータフレームを送出する場合の動作について示している。そして、図9では、従来の無線通信装置が、タイミングTB1の後のタイミングTB2〜TB3の間(所定のWakeupフレーム送信期間が経過するまでの間)、Wakeupフレームを、周辺に連続送信する連続送信する。そのとき、従来の無線通信装置が送信するWakeupフレームには、「何秒後にブロードキャストフレームを送信するか」を示す情報が含まれている。そして、Wakeupフレームを受信した側の無線通信装置では、Wakeupフレームに含まれる情報に基づいたタイミングで、ブロードキャストのデータフレームの受信を可能とする準備を行う。
【0006】
そして、従来の無線通信装置は、タイミングTB3の時点で、Wakeupフレームの送信を終了すると、ブロードキャストによるデータフレームの送信を開始する。この時点で、上述の受信側の無線通信装置では、ブロードキャストのデータフレームを受信するための準備(例えば、受信可能状態とするように電力状態を制御する等)が完了しているため、正常に受信することができる。
【0007】
以上のような動作で、従来のCLSに対応した無線通信装置は、ブロードキャストのデータフレームの送信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1657852号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】IEEE編、「IEEE Std 802.15.4TM-2006 Wireless Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications for Low-Rate Wireless Personal Area Networks (WPANs)」、[Online]、INTERNET、[2011年9月18日検索],<URL: http://standards.ieee.org/getieee802/download/802.15.4-2006.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
IEEE802.15.4e(非特許文献1参照)で規定されている省電力無線通信方法は、通常受信側が間欠受信しており、送信側でブロードキャスト送信を実施したい場合は、受信側で間欠受信期間となるタイミングで、Wakeupフレームを連続送信する必要がある。すなわち、従来のCLSに対応したブロードキャストのデータフレームの送信側の無線通信装置では、所定のWakeupフレーム送信期間の間Wakeupフレームを送信し続けなければならいので、想定以上に多くの電力を消費したり、当該期間通信帯域を占有してしまうという問題点がある。
【0011】
マルチホップ通信等を行う従来の無線通信装置では、経路選択等のために、周囲の無線通信装置に自装置が保持するネットワーク情報(例えば、経路選択に係る情報等)を通知するため等にブロードキャストによるデータフレームの送信を多用する場合がある。
【0012】
無線通信装置ノードの消費電力を落とすためにはブロードキャストの回数を減らすことが有効であるが、効率の良いマルチホップネットワーク通信を実現するためにはブロードキャストを用いることが必要である。
【0013】
以上のような問題点に鑑みて、効率的な制御信号(例えば、Wakeupフレーム等)の送信を行うことができる無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の本発明は、制御信号が受信可能な制御信号受信可能状態となり、制御信号を受信後にデータが受信可能なデータ受信可能状態となる1又は複数の第2の無線通信装置に対してデータを同報送信可能な第1の無線通信装置において、(1)直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のそれぞれについて、制御信号受信可能状態となるタイミングを保持するタイミング保持手段と、(2)上記タイミング保持手段が保持した、それぞれの上記第2の無線通信装置の制御信号受信可能状態となるタイミングに基づいて、制御信号の同報送信を繰り返す制御信号送信期間を決定する制御信号送出期間決定手段と、(3)上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の間、制御信号の同報送信を繰り返す制御信号送信手段と、(4)上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の経過後に、データの同報送信を行うデータ送信手段とを有することを特徴とする。
【0015】
制御信号送出期間決定手段は、タイミング保持手段が保持したタイミングに係る信頼性が低いと判断できる場合に、当該第1の無線通信装置と直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のうち、一部又は全部の上記第2の無線通信装置について、タイミング保持手段が保持したタイミングを利用せずに、制御信号送信期間として所定の期間を決定することを特徴とする。
【0016】
第2の本発明の無線通信プログラムは、(1)制御信号が受信可能な制御信号受信可能状態となり、制御信号を受信後にデータが受信可能なデータ受信可能状態となる1又は複数の第2の無線通信装置に対してデータを同報送信可能な第1の無線通信装置に搭載されたコンピュータを、(2)直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のそれぞれについて、制御信号受信可能状態となるタイミングを保持するタイミング保持手段と、(3)上記タイミング保持手段が保持した、それぞれの上記第2の無線通信装置の制御信号受信可能状態となるタイミングに基づいて、制御信号の同報送信を繰り返す制御信号送信期間を決定する制御信号送出期間決定手段と、(4)上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の間、制御信号の同報送信を繰り返す制御信号送信手段と、(5)上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の経過後に、データの同報送信を行うデータ送信手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
第3の本発明は、データを同報送信可能な第1の無線通信装置と、制御信号が受信可能な制御信号受信可能状態となり、制御信号を受信後にデータが受信可能なデータ受信可能状態となる1又は複数の第2の無線通信装置とを備える無線通信システムにおいて、上記第1の無線通信装置として、第1の本発明の無線通信装置を適用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、無線通信装置で制御信号を送信する際に、効率的に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係るブロードキャストデータフレームの送信側の無線通信装置の機能的構成について示したブロック図である。
【図2】実施形態に係るブロードキャストデータフレームの受信側の無線通信装置の機能的構成について示したブロック図である。
【図3】実施形態に係る無線通信システムの全体構成の例について示したブロック図である。
【図4】実施形態に係る送信側の無線通信装置で管理される受信タイミング管理テーブルの内容例について示した説明図である。
【図5】実施形態に係る送信側の無線通信装置で管理される受信タイミング管理テーブルの内容が遷移する場合の例について示した説明図である。
【図6】実施形態に係る無線通信システムの動作について示したタイミングチャートである。
【図7】実施形態の係る無線通信システムの第1の変形例の動作について示したタイミングチャート
【図8】実施形態の係る無線通信システムの第2の変形例の動作について示したタイミングチャート
【図9】従来のCLSに対応した無線通信装置で、ブロードキャストフレームを送信する場合の動作について示したタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0021】
(A−1)実施形態の構成
図3は、この実施形態の無線通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0022】
図3に示すように、無線通信システム1には、ブロードキャストデータフレームの送信側として機能する無線通信装置10と、ブロードキャストデータフレームの受信側として機能する3台の無線通信装置20(20−1〜20−3)が配置されている。なお、無線通信システム1において配置される無線通信装置10、無線通信装置20の台数は限定されないものである。また、ここでは、無線通信装置20−1〜20−3は、全て同じ構成であるものとして説明するが、異なる構成としてもよい。
【0023】
次に、無線通信装置20の内部構成について説明する。
【0024】
図2は、ブロードキャストデータフレームの受信側として機能する無線通信装置20−1〜20−3の機能的構成について示した説明図である。
【0025】
図2に示すように、無線通信装置20は、ブロードキャスト受信制御部201、ブロードキャストデータフレーム受信部202、及びWakeupフレーム受信部203を有している。図2では、無線通信装置20で、ブロードキャストデータフレームの受信に関係する構成のみを図示している。すなわち、線通信装置20では、ブロードキャストデータフレームの受信に関係する構成以外の部分については限定されないものである。
【0026】
無線通信装置20は、CPU、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクなどのプログラムの実行構成、及び、他の通信装置と無線通信をするためのインターフェースを有する装置に、実施形態の無線通信プログラム(ブロードキャストデータフレームの受信側に必要な構成に係る無線通信プログラム)等をインストールすることにより構築することが可能であり、その場合でも機能的には上述の図2のように示すことができる。
【0027】
ブロードキャスト受信制御部201は、無線通信装置10等(他のノード)からブロードキャストデータフレームを受信するための制御を行うものである。
【0028】
ブロードキャストデータフレーム受信部202は、無線通信装置10等から送信されたブロードキャストデータフレームを受信するものである。ブロードキャスト受信制御部201は、ブロードキャスト受信制御部201の制御に従った期間だけ、無線通信装置10等からのブロードキャストデータフレームを受信可能とする。以下では、ブロードキャスト受信制御部201でブロードキャストデータを受信可能な期間を、「BCDフレーム受信可能期間」と呼ぶ。また、以下では、Wakeupフレーム受信可能期間の開始タイミングを、「BCDフレーム受信可能期間開始タイミング」と呼ぶものとする。
【0029】
Wakeupフレーム受信部203は、無線通信装置10等から送信された制御信号としてのWakeupフレームを受信するものである。Wakeupフレーム受信部203は、ブロードキャスト受信制御部201の制御に従った期間だけ、無線通信装置10等からのWakeupフレームを受信可能とする。以下では、Wakeupフレーム受信部203でブロードキャストデータを受信可能な期間を、「Wakeupフレーム受信可能期間」と呼ぶ。この実施形態では、Wakeupフレーム受信部203に対して、間欠的にWakeupフレーム受信可能期間となる(一定時間、及び又は、不定期の間隔でWakeupフレーム受信可能期間となる場合を含む)ように設定されているものとする。
【0030】
Wakeupフレーム受信可能期間に、ブロードキャストデータフレーム受信部202がWakeupフレームを受信すると、ブロードキャストデータフレーム受信部202は、当該Wakeupフレームを、ブロードキャスト受信制御部201に引き渡す。そして、ブロードキャスト受信制御部201は、ブロードキャストデータフレーム受信部202に対して、取得したWakeupフレームの内容に基づいたタイミングで、ブロードキャストデータフレームが受信となるように制御する。
【0031】
そして、ブロードキャストデータフレーム受信部202は、ブロードキャストデータフレームを受信すると、そのブロードキャストデータフレームを、ブロードキャスト受信制御部201に引き渡す。そして、ブロードキャスト受信制御部201は、ブロードキャストデータフレームを取得すると、そのブロードキャストデータフレームのデータを、アプリケーション等の上位層に引き渡す。
【0032】
上述のように、無線通信装置20において、Wakeupフレームを受信してBCDフレーム受信可能期間となり、ブロードキャストデータフレームを受信するまでの動作については、例えば、既存のCLS機能によりブロードキャストデータフレームを受信する無線通信装置と同様の構成を適用することができる。
【0033】
次に、無線通信装置10の内部構成について説明する。
【0034】
図1は、無線通信装置10の機能的構成について示したブロック図である。
【0035】
図1に示すように、無線通信装置10は、ブロードキャスト送信制御部101、ブロードキャストデータフレーム送信部102、Wakeupフレーム送信部103、周辺装置受信タイミング推定部104、及びWakeupフレーム送信期間算出部105を有している。
【0036】
図1では、無線通信装置10で、ブロードキャストデータフレームの送出に関係する構成のみを図示している。すなわち、線通信装置10では、ブロードキャストデータフレームの送出に関係する構成以外の部分については限定されないものである。
【0037】
無線通信装置10は、CPU、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクなどのプログラムの実行構成、及び、他の通信装置と無線通信をするためのインターフェースを有する装置に、実施形態の無線通信プログラム(ブロードキャストデータフレームの送信側に必要な構成に係る無線通信プログラム)等をインストールすることにより構築することが可能であり、その場合でも機能的には上述の図1のように示すことができる。
【0038】
ブロードキャスト送信制御部101は、ブロードキャストデータフレームを送信する制御を行う機能を担っている。
【0039】
ブロードキャストデータフレーム送信部102は、ブロードキャスト送信制御部101の制御に従って、ブロードキャストによるデータフレームの送信を行うものである。なお、ブロードキャストデータフレーム送信部102がブロードキャストデータフレームを送信する構成自体については、既存の無線通信装置と同様の構成を適用することができる。
【0040】
Wakeupフレーム送信部103は、ブロードキャスト送信制御部101の制御に従って、Wakeupフレーム送信をするものである。なお、Wakeupフレーム送信部103が、Wakeupフレームを送信する構成自体については、既存の無線通信装置と同様の構成を適用することができる。
【0041】
周辺装置受信タイミング推定部104は、ブロードキャスト送信制御部101とWakeupフレーム送信期間算出部105とに接続されている。そして、周辺装置受信タイミング推定部104は、自装置と無線通信によりブロードキャスト通信が可能な周囲の無線通信装置20が、Wakeupフレーム受信可能期間となるタイミングを推定(管理)して保持する処理と、ブロードキャスト送信制御部101からの制御に応じて、推定した結果を、Wakeupフレーム送信期間算出部105へ提供する処理を行う。なお、周辺装置受信タイミング推定部104が推定する「Wakeupフレーム受信可能期間となるタイミング」とは、Wakeupフレーム受信可能期間が開始してから終了するまでの期間に関するタイミングであれば、瞬間的な時刻(例えば、Wakeupフレーム受信可能期間の開始タイミングや終了タイミング等)であっても良いし、幅のある期間(例えば、Wakeupフレーム受信可能期間の一部又は全部の期間の始期と終期)であっても良い。この実施形態では、周辺装置受信タイミング推定部104は、Wakeupフレーム受信可能期間が開始してから終了するまでの期間に関する情報を、「Wakeupフレーム受信可能期間となるタイミング」として推定するものとする。
【0042】
周辺装置受信タイミング推定部104は、周辺の無線通信装置20ごとに、Wakeupフレーム受信可能期間となるタイミングに関する情報を、管理するための受信タイミング管理テーブル104aを備えている。
【0043】
図4は、受信タイミング管理テーブル104aの内容例について示した説明図である。
【0044】
図4に示す、受信タイミング管理テーブル104aでは、1行で1つの無線通信装置20に関する情報を管理している。
【0045】
図4に示すように、受信タイミング管理テーブル104aでは、無線通信装置20ごとに、「アドレス」、「受信継続時間」、「受信タイミング発生間隔」、及び「次回受信開始時刻」の項目情報を管理している。
【0046】
「アドレス」は、当該無線通信装置20を識別する識別情報を示す項目である。図4では、無線通信システム1上で当該無線通信装置20にアクセスするためのネットワークアドレス(アドレスの形式は限定されないものである)を、識別情報として用いた例について示している。
【0047】
「受信継続時間」は、当該無線通信装置20で、Wakeupフレーム受信可能期間が開始してから終了するまでの時間を示している。図4では、無線通信装置20−1〜20−3に係る受信継続時間を、それぞれTR1〜TR3と表している。例えば、無線通信装置20−1の受信継続時間は、TR1である。
【0048】
「受信タイミング発生間隔」は、当該無線通信装置20で、Wakeupフレーム受信可能期間開始タイミングとなるタイミングの間隔を示している。図4では、無線通信装置20−1〜20−3に係る受信継続時間を、それぞれTRd1〜TRd3と表している。例えば、無線通信装置20−1の受信タイミング発生間隔は、TRd1である。
【0049】
「次回受信開始時刻」は、当該無線通信装置20で、次にWakeupフレーム受信可能期間が開始するタイミング(Wakeupフレーム受信可能期間開始タイミング)を示す項目である。図4では、無線通信装置20−1〜20−3に係る次回受信開始時刻を、それぞれTx1〜Tx3と表している。例えば、無線通信装置20−1の次回受信開始時刻は、Tx1である。
【0050】
上述のように、周辺装置受信タイミング推定部104では、受信タイミング管理テーブル104aを用いて、周辺の無線通信装置20ごとに、Wakeupフレーム受信可能期間となるタイミングに関する情報管理している。
【0051】
周辺装置受信タイミング推定部104が、無線通信装置20ごとに次回受信開始時刻を推定する方法については限定されないものであるが、この実施形態では、周辺装置受信タイミング推定部104は、予め無線通信装置20ごとの次回受信開始時刻を取得しておき、当該次回受信開始時刻が経過するごとに、次のWakeupフレーム受信可能期間開始タイミングを推定して、その推定結果に基づいて次回受信開始時刻を更新する処理を行う。周辺装置受信タイミング推定部104は、例えば、当該無線通信装置20の受信継続時間及び受信タイミング発生間隔の情報を利用して、次回受信開始時刻を更新する処理を行う。例えば、無線通信装置20−1の次回受信開始時刻がTx1、受信継続時間がTR1、受信タイミング発生間隔がTRd1の状態で、Tx1の時刻を経過した場合、周辺装置受信タイミング推定部104は、次回受信開始時刻をTx1+TRd1と推定して更新するようにしても良い。また、この場合、無線通信装置10では、無線通信装置20−1の次のWakeupフレーム受信可能期間は、Tx1+TRd1のタイミングから、Tx1+TRd1+TR1までの期間であることが把握できる。
【0052】
上述のように、周辺装置受信タイミング推定部104は、各無線通信装置20のWakeupフレーム受信可能期間のタイミングに係る同期情報として、次回受信開始時刻、受信継続時間、及び受信タイミング発生間隔の情報を保持する。なお、上述の同期情報の構成は、当該無線通信装置20のWakeupフレーム受信可能期間が推定できれば、その具体的な内容は限定されないものである。また、周辺装置受信タイミング推定部104が、上述の同期情報を保持する方法は限定されないものであり、例えば、予めユーザにより設定するようにしても良いし、それぞれの無線通信装置20と通信して取得するようにしても良い。その場合、無線通信装置20側では、無線通信装置10に対して、上述の同期情報を通知する構成を備える必要がある。
【0053】
例えば、無線通信装置10では、周辺に新たな無線通信装置20が存在することを検知すると、当該無線通信装置20に関する上述の同期情報を保持して、受信タイミング管理テーブル104aに追加登録する処理を行うようにしても良い。無線通信装置10が周辺(直接無線通信可能な範囲)の無線通信装置20を検知する方法としては限定されないものであるが、例えば、予めユーザにより設定されたリストを用いるようにしても良いし、当該無線通信装置20が送出する無線信号(例えば、ビーコン等の制御信号や、データ送信に伴う無線信号)を捕捉して検知するようにしても良い。
【0054】
Wakeupフレーム送信期間算出部105は周辺装置受信タイミング推定部104およびWakeupフレーム送信部103に接続されている。そして、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、周辺装置受信タイミング推定部104の受信タイミング管理テーブル104aの内容に基づいて、Wakeupフレーム送信部103による次回のWakeupフレーム送信期間のタイミングを決定する。以下では、Wakeupフレーム送信期間算出部105が決定する次回のWakeupフレーム送信期間の開始タイミングを、「Wakeupフレーム送信開始時刻」と呼び、Wakeupフレームの送信を停止する時刻(Wakeupフレーム送信期間が終了する時刻)を「Wakeupフレーム送信停止時刻」と呼ぶものとする。
【0055】
ブロードキャスト送信制御部101は、当該無線通信装置10から周辺の無線通信装置20へ送信するブロードキャストデータフレームが発生した場合には、Wakeupフレーム送信期間算出部105を制御して、Wakeupフレーム送信部103による次回のWakeupフレーム送信期間のタイミングを決定させる。この実施形態では例として、ブロードキャスト送信制御部101は、次のWakeupフレーム送信期間のタイミングを示すWakeupフレーム送信開始時刻、及び、Wakeupフレーム送信停止時刻を決定する。
【0056】
そして、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、次のWakeupフレーム送信期間のタイミング(Wakeupフレーム送信開始時刻、及び、Wakeupフレーム送信停止時刻)を決定すると、その決定に従って、Wakeupフレーム送信部103がWakeupフレームを送信するように設定する。
【0057】
また、Wakeupフレーム送信期間算出部105により次回のWakeupフレーム送信期間のタイミングが決定すると、ブロードキャスト送信制御部101は、今回送信しようとしているブロードキャストデータフレームの送信を行うタイミングを示す「BCDフレーム送信時刻」を決定する。具体的には、ブロードキャスト送信制御部101は、決定したWakeupフレーム送信停止時刻以後のタイミングとなるように、BCDフレーム送信時刻を決定する。そして、ブロードキャスト送信制御部101は、決定したBCDフレーム送信時刻を、Wakeupフレーム送信部103に通知する。
【0058】
そして、Wakeupフレーム送信部103は、Wakeupフレーム送信期間算出部105から設定されたWakeupフレーム送信開始時刻になると、BCDフレーム送信時刻の情報を含むWakeupフレームを、所定の間隔で繰り返し送信する処理を、Wakeupフレーム送信停止時刻まで継続して行うものとする。
【0059】
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の無線通信システム1の動作について図6を用いて説明する。
【0060】
図6は、無線通信装置10がブロードキャストデータフレームを送信場合の動作について示したタイミングチャートである。
【0061】
図6では、まずタイミングT11の時点で、無線通信装置10のブロードキャスト送信制御部101において、ブロードキャストによるデータ送信の要求が発生(例えば、上位層のアプリケーション等でブロードキャストデータフレーム送信要求が発生)し、当該データを挿入したブロードキャストデータフレームを送信する準備が開始されたものとする。
【0062】
そして、ブロードキャスト送信制御部101は、Wakeupフレーム送信期間算出部105に対して、Wakeupフレーム送信期間の算出を指示する。そして、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、受信タイミング管理テーブル104aの内容に基づいて、Wakeupフレーム送信期間の算出を行う。この時点で、受信タイミング管理テーブル104aの内容は、図5のような状態であったものとする。
【0063】
この場合、Wakeupフレーム送信期間算出部105では、受信タイミング管理テーブル104aの内容の内容から、無線通信装置20−1の次回のWakeupフレーム受信可能期間は、タイミングT11(次回受信開始時刻)から、タイミングT12(T11+TR1)と把握できる。また、受信タイミング管理テーブル104aの内容では、無線通信装置20−2の次回のWakeupフレーム受信可能期間は、タイミングT13(次回受信開始時刻)から、タイミングT14(T13+TR2)と把握できる。無線通信装置20−3の次回のWakeupフレーム受信可能期間は、タイミングT15(次回受信開始時刻)から、タイミングT16(T15+TR3)までと把握できる。
【0064】
そして、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、受信タイミング管理テーブル104aで管理された全ての無線通信装置20について、次回のWakeupフレーム受信可能期間を含むような、Wakeupフレーム送信期間を決定する。
【0065】
この実施形態では、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、最初にWakeupフレーム受信可能期間が始まる無線通信装置20−1のWakeupフレーム送信開始時刻のタイミング(タイミングT11)から、最も遅くWakeupフレーム受信可能期間が始まる無線通信装置20−3でWakeupフレーム受信可能期間が終了するタイミング(タイミングT16)までの間を、Wakeupフレーム送信期間として算出するものとする。したがって、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、Wakeupフレーム送信開始時刻としてタイミングT11を算出し、Wakeupフレーム送信停止時刻としてタイミングT16を算出し、算出した結果をWakeupフレーム送信部103に供給する。
【0066】
一方、ブロードキャスト送信制御部101では、BCDフレーム送信時刻として、Wakeupフレーム送信停止時刻(タイミングT16)以後のタイミングT17が決定され、Wakeupフレーム送信部103に通知される。また、ブロードキャスト送信制御部101は、BCDフレーム受信可能期間開始タイミング(タイミングT17)の時点からブロードキャストデータフレームの送信を開始するように、ブロードキャストデータフレーム送信部102に設定する。
【0067】
そして、Wakeupフレーム送信部103は、通知されたBCDフレーム送信時刻の情報を含むWakeupフレームを、周辺の無線通信装置20(20−1〜20−3)に送出する。
【0068】
そして、図6に示すように、タイミングT11からタイミングT16の期間では、無線通信装置20−1〜20−3の全てで、Wakeupフレーム受信可能期間が含まれるので、無線通信装置20−1〜20−3の全てでWakeupフレームが受信され、BCDフレーム受信可能期間開始タイミング(タイミングT17)までの間にブロードキャストデータフレームの受信準備が行われる。
【0069】
そして、その後BCDフレーム受信可能期間開始タイミング(タイミングT17)の時点で、ブロードキャストデータフレームの送信を開始し、無線通信装置20−1〜20−3で受信されることになる。
【0070】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0071】
無線通信装置10では、周辺装置受信タイミング推定部104により、各無線通信装置20のWakeupフレーム受信可能期間のタイミングを推定し、各無線通信装置20のWakeupフレーム受信可能期間が含まれるように、Wakeupフレーム送信期間を設定している。従来のCSL機能をそのまま採用した無線通信装置では、ブロードキャストデータ送信時に長時間のWakeupフレーム連続送信を必要としていた。しかし、この実施形態の無線通信装置10では、各無線通信装置20のWakeupフレーム受信可能期間と同期したタイミングで、Wakeupフレーム送信期間を設定しているので、消費電力の低減や、無駄な帯域占有を防止する等、効率的なWakeupフレームの送信制御を実現することができる。
【0072】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0073】
(B−1)上記の実施形態では、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、図6に示すように、Wakeupフレーム送信期間として一つの期間(図6ではタイミングT11〜T16の期間)を指定しているが、全ての無線通信装置20でWakeupフレーム受信可能期間となっていない期間を除外した期間とするようにしてもよい。言い換えると、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、それぞれの無線通信装置20でWakeupフレーム受信可能期間となっている期間に同期させて、それぞれの無線通信装置20に対して、Wakeupフレーム送信期間を設定するようにしてもよい。
【0074】
例えば、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、図7に示すように、それぞれの無線通信装置20−1〜20−3でWakeupフレーム受信可能期間となっている期間に同期させて、それぞれのWakeupフレーム受信可能期間に対応する期間を、Wakeupフレーム送信期間として設定してもよい。図7では、無線通信装置20−1のWakeupフレーム受信可能期間(タイミングT11〜T12)、無線通信装置20−2のWakeupフレーム受信可能期間(タイミングT13〜T14)、無線通信装置20−3のWakeupフレーム受信可能期間(タイミングT15〜T16)と一致する期間を、Wakeupフレーム送信期間としている。
【0075】
また、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、図7のようにそれぞれの無線通信装置20に対してWakeupフレーム送信期間を設ける際に、例えば、時系列的に隣接する2つのWakeupフレーム受信可能期間の間隔が所定以下となる場合には、2つの無線通信装置20に対して1つのWakeupフレーム送信期間を設定するようにしてもよい。図7では、無線通信装置20−1と、無線通信装置20−2に対しては別個のWakeupフレーム送信期間を設定しているが、2つのWakeupフレーム受信可能期間の間(タイミングT12〜T13の間)が所定の閾値以下であった場合に、この2つのWakeupフレーム受信可能期間に対応するWakeupフレーム送信期間を結合して、図8に示すように1つのWakeupフレーム送信期間(タイミングT11〜T14)とするようにしてもよい。なお、図8では、2つのWakeupフレーム送信期間を結合する例について説明したが、3つ以上のWakeupフレーム送信期間について結合するようにしてもよい。
【0076】
(B−2)上記の実施形態では、無線通信装置10はブロードキャストデータフレームの送信側として動作し、無線通信装置20はブロードキャストデータフレームの受信側として機能するものとして説明したが、無線通信装置10、20について、送信及び受信の両方として機能するように構築してもよい。例えば、無線通信装置10について無線通信装置20と同様にブロードキャストデータフレームを受信する構成をさらに追加するようにしてもよい。また、一部又は全部の無線通信装置20に、無線通信装置10と同様にブロードキャストデータフレームを送信する構成をさらに追加するようにしてもよい。
【0077】
(B−3)上記の実施形態では、Wakeupフレーム送信期間算出部105は、各無線通信装置20のWakeupフレーム受信可能期間のタイミングを推定した結果に基づいてWakeupフレーム送信期間を算出しているが、所定の条件に該当する場合(例えば、推定結果の信頼性が低い等の場合)には、一部又は全部の無線通信装置20については、推定処理を行わずに、予め設定されたタイミング(例えば、現在時点から所定時間後のタイミング)を、Wakeupフレーム受信可能期間開始タイミング(次回受信開始時刻)として適用するようにしても良い。
【0078】
Wakeupフレーム送信期間算出部105は、例えば、以下のような条件の具体例に該当する場合には、一部又は全部の無線通信装置20について、上述のような予め設定されたタイミングを、Wakeupフレーム受信可能期間開始タイミング(次回受信開始時刻)として適用するようにしても良い。
【0079】
第1の条件としては、例えば、周辺に存在する無線通信装置20の数が所定数以下の場合があげられる。その場合には、無線通信装置10では、受信タイミング管理テーブル104aで管理された全ての無線通信装置20について、推定処理を行わずに、予め設定されたタイミングを、Wakeupフレーム受信可能期間開始タイミング(次回受信開始時刻)として適用するようにしても良い。
【0080】
また、第2の条件としては、ある期間(例えば、現時点から過去の所定期間内)において、無線通信装置10の周辺の無線通信装置20の数が所定数以上増えている場合(特に、CSL同期通信が実施可能な装置の数が増えている場合)が挙げられる。無線通信装置10の周辺の無線通信装置20の数が増えている場合とは、例えば、受信タイミング管理テーブル104aで管理する対象となる無線通信装置20の数が増加した場合である。その場合には、無線通信装置10では、受信タイミング管理テーブル104aで管理された全ての無線通信装置20について、推定処理を行わずに、予め設定されたタイミングを、Wakeupフレーム受信可能期間開始タイミング(次回受信開始時刻)として適用するようにしても良い。
【0081】
第3の条件としては、例えば、周辺装置受信タイミング推定部104が推定した、各無線通信装置20のWakeupフレーム受信可能期間のタイミングについて、推定精度が低いと判断できる場合があげられる。周辺装置受信タイミング推定部104の推定結果の精度が低いと判断できる場合とは、例えば「推定にかけた時間が短すぎる(所定時間よりも短い)」、「推定した装置数が少なすぎる(所定数よりも少ない)」、「推定したタイミングが想定のものと著しく違う(所定値から所定以上の差異がある)」といった場合が挙げられる。
【0082】
(B−4)無線通信装置10が、周辺の各無線通信装置20について受信タイミング管理テーブル104aを完成させた際に、各無線通信装置20のWakeupフレーム受信可能期間のタイミング(例えば、次回受信開始時刻)が著しく離れている場合等には、各無線通信装置20へ依頼して、Wakeupフレーム受信可能期間のタイミングを近づけるように制御するようにしてもよい。
【0083】
各無線通信装置20に対して、Wakeupフレーム受信可能期間のタイミングを調整する方式については限定されないものであるが例えば、以下のような方式を適用するようにしてもよい。
【0084】
例えば、無線通信装置10が、各無線通信装置20に対して所定のタイミング(例えば、現時点から所定時間経過後のタイミング)を、次回のWakeupフレーム受信可能期間開始タイミングとして設定するように依頼するようにしてもよい。その際、各無線通信装置20に対して依頼するWakeupフレーム受信可能期間開始タイミングについて、同一のタイミングで複数一致しないように所定の間隔をあけたタイミングとするようにしてもよい。そして、無線通信装置10では、その依頼内容と一致するように、受信タイミング管理テーブル104aの内容を更新する。なお、無線通信装置10が、各無線通信装置20に対して依頼する「次回のWakeupフレーム受信可能期間開始タイミング」を決定する際には、例えば、無線通信装置10も無線通信装置20と同様にブロードキャストデータフレームを受信する構成を備えている場合、自装置で設定されている次のWakeupフレーム受信可能期間開始タイミングを基準として決定もよい。
【0085】
また、例えば、無線通信装置10の周辺の無線通信装置20の1つが、無線通信装置10と同様にブロードキャストデータフレームを送信する構成も備えていた場合に、無線通信装置10は、自装置で管理している無線通信装置の数と、上述の無線通信装置20で管理している無線通信装置の数とを比較する。そして、その比較結果に応じて、いずれかの無線通信装置がWakeupフレーム受信可能期間開始タイミングの決定に係る基準タイミング(任意のタイミングとしてもよい)を主導するかを決定(例えば、管理する無線通信装置が多い方を主導的な役割を担うと決定)し、決定した無線通信装置の側で設定した基準タイミングの周辺のタイミング(例えば、基準タイミングの前後一定期間内)で、それぞれの無線通信装置のブロードキャストデータフレームの送信先となる無線通信装置に依頼するWakeupフレーム受信可能期間開始タイミングを決定するようにしてもよい。なお、無線通信装置10が、上述のブロードキャストデータフレームを送信する構成も備える無線通信装置20と、管理する無線通信装置の数を比較した結果、その数が同数だった場合、どちらの基準タイミングを採用するかは、ランダムに決定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…無線通信システム、10…無線通信装置、101…ブロードキャスト送信制御部、102…ブロードキャストデータフレーム送信部、103…Wakeupフレーム送信部、104…周辺装置受信タイミング推定部、104a…受信タイミング管理テーブル、105…Wakeupフレーム送信期間算出部、20、20−1〜20−3…無線通信装置、201…ブロードキャスト受信制御部、202…ブロードキャストデータフレーム受信部、203…Wakeupフレーム受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号が受信可能な制御信号受信可能状態となり、制御信号を受信後にデータが受信可能なデータ受信可能状態となる1又は複数の第2の無線通信装置に対してデータを同報送信可能な第1の無線通信装置において、
直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のそれぞれについて、制御信号受信可能状態となるタイミングを保持するタイミング保持手段と、
上記タイミング保持手段が保持した、それぞれの上記第2の無線通信装置の制御信号受信可能状態となるタイミングに基づいて、制御信号の同報送信を繰り返す制御信号送信期間を決定する制御信号送出期間決定手段と、
上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の間、制御信号の同報送信を繰り返す制御信号送信手段と、
上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の経過後に、データの同報送信を行うデータ送信手段と
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
当該第1の無線通信装置がデータを同報送信するタイミングを決定するデータ送信タイミング決定手段をさらに備え、
上記制御信号送信手段は、上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の間、上記データ送信タイミング決定手段が決定した同報送信タイミングの情報を含む制御信号の同報送信を繰り返し、
上記データ送信手段は、上記データ送信タイミング決定手段が決定した同報送信タイミングで、データの同報送信を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
上記制御信号送出期間決定手段は、当該第1の無線通信装置が直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置の全てについて、次の制御信号受信可能状態となるタイミングが含まれるように、制御信号送信期間を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
上記タイミング保持手段は、直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のそれぞれと通信して、制御信号受信可能状態となるタイミングに関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、それぞれの上記第2の無線通信装置の制御信号受信可能状態となるタイミングを推定して保持することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項5】
当該第1の無線通信装置と直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のうち、制御信号受信可能状態となるタイミングに関する情報を取得できなかった上記第2の無線通信装置については、制御信号受信可能状態となるタイミングを推定せずに、所定のタイミングを適用することを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
制御信号送出期間決定手段は、所定の条件が成立する場合、当該第1の無線通信装置と直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のうち、一部又は全部の上記第2の無線通信装置について、タイミング保持手段が保持したタイミングを利用せずに、制御信号送信期間として所定の期間を決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項7】
制御信号送出期間決定手段は、タイミング保持手段が保持したタイミングに係る信頼性が低いと判断できる場合に、当該第1の無線通信装置と直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のうち、一部又は全部の上記第2の無線通信装置について、タイミング保持手段が保持したタイミングを利用せずに、制御信号送信期間として所定の期間を決定することを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
制御信号が受信可能な制御信号受信可能状態となり、制御信号を受信後にデータが受信可能なデータ受信可能状態となる1又は複数の第2の無線通信装置に対してデータを同報送信可能な第1の無線通信装置に搭載されたコンピュータを、
直接無線通信可能な上記第2の無線通信装置のそれぞれについて、制御信号受信可能状態となるタイミングを保持するタイミング保持手段と、
上記タイミング保持手段が保持した、それぞれの上記第2の無線通信装置の制御信号受信可能状態となるタイミングに基づいて、制御信号の同報送信を繰り返す制御信号送信期間を決定する制御信号送出期間決定手段と、
上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の間、制御信号の同報送信を繰り返す制御信号送信手段と、
上記制御信号送出期間決定手段が決定した制御信号送出期間の経過後に、データの同報送信を行うデータ送信手段と
して機能させることを特徴とする無線通信装置。
【請求項9】
データを同報送信可能な第1の無線通信装置と、制御信号が受信可能な制御信号受信可能状態となり、制御信号を受信後にデータが受信可能なデータ受信可能状態となる1又は複数の第2の無線通信装置とを備える無線通信システムにおいて、
上記第1の無線通信装置として、請求項1〜7のいずれかに記載の無線通信装置を適用したこと
を特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−78009(P2013−78009A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217118(P2011−217118)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成23年度総務省「最先端のグリーンクラウド基盤構築に向けた研究開発(省電力アクセスネットワーク制御技術)」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】