説明

無線LANパケット伝送方法と装置

【課題】無線LANの伝送エラー発生時における再送処理を、ステーション(無線端末)STからの要求無しにアクセス・ポイントAP(無線基地局)が実行する。
【解決手段】IP網に接続された、多くのST間で無線LANにより交信するAPが、STから送信された識別子をパケットから分離し25、所定の周期毎に割込みをタイマ23は発生し、送信するパケットに一意な識別子を付加し21、送信するパケットを識別子を付して蓄積し22、蓄積したパケットを確認応答なしで各STにフレーム・バースト送信し31、フレーム・バースト送信した識別子と各STから受信したパケットの識別子を比較してパケット・エラーの検出をして再送し24、再送すべきパケットを所定のフレーム間隔かつ確認応答ありで送信する通常送信手段32とを含み、STからの再送要求なしに、再送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LANパケット伝送方法と装置に関する。具体的には、インターネット・プロトコル(IP)による通信網(以下、IP網という)に接続された、無線LANに関するIEEE802.11の規定に準拠して動作する無線LAN基地局(以下、アクセス・ポイントという)を設置し、無線LAN接続サービスの通信可能地域を広げることを可能とする新規な無線LANパケット伝送方法と装置を提供せんとするものである。ここでIEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineers の略である。
【背景技術】
【0002】
無線LANとは無線媒体を利用してLANを構築するための無線通信技術の総称であり、IEEE802.11と呼ばれる通信プロトコルが事実上標準化されている。IEEE802.11は競合型のアクセス方式であるため、無線端末(以下、ステーションという)はパケット送信前にキャリアセンスを行い、無線媒体がアイドルであれば送信を開始し、無線媒体がビジーであれば送信を延期して、他のステーションとの衝突を回避するためのランダム遅延を発生させるバックオフ動作を行う。また、IEEE802.11の通信においては、パケット送信毎に確認応答パケットを伴う到達確認動作が発生する。
【0003】
このように、IEEE802.11に準拠した無線LANは、パケット送信毎に送信タイミングを遅らせるバックオフ動作と到達確認動作が伴うため、特にデータ長の短いパケット伝送において、伝送時間に占める前記動作によるオーバヘッド(データ本文を送っていない時間)の割合が大きくなり、伝送効率が非常に小さくなる問題がある。近年、無線LAN機器の低価格化とIP電話の普及に伴い、無線LANを利用した構内IP電話システムが登場している。
【0004】
しかし、VoIP(IPを利用した音声パケット伝送)のデータ長は比較的短いため、前記に述べた理由で同時通話数が十分確保できないという問題がある。伝送効率を向上して同時通話数を十分確保するためには、VoIPパケットの生成周期を長くとり、1パケットのデータ長を増加する方法があるが、遅延時間とのトレードオフ(妥協)となり、有効ではない。
【0005】
図19は、従来例を示した要素構成図である。IP網1および公衆網2は、VoIPゲートウェイ4を介して、構内LAN3が接続されている。構内LAN3には、アクセス・ポイントAPが接続されて、多くのステーションST1,2,3,…との間で、無線交信している。このようなアクセス・ポイントAPおよびステーションSTは、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0006】
特許文献1に開示されている「無線LANにおけるパケット伝送方法及び装置」は、VoIPのようなデータ長の短いパケットを周期送信する双方向リアルタイム通信に着目し、遅延を増加させずに伝送効率を向上している。そこでは、特許文献1では、有線LANからステーション(無線端末)宛に送信されるパケットをアクセス・ポイント(無線基地局)にて所定の期間蓄積し、最小パケット間隔かつ到達確認動作なしでパケットを連続送信する(フレーム・バーストと呼ぶ)。フレーム・バースト中は無線媒体を占有しつづけるため、バックオフ(再送)動作はフレーム・バーストの開始時のみであり、フレーム・バースト中の個々のパケット間では発生しない。
【0007】
特許文献1では、フレーム・バーストに到達確認動作がないため、パケット到達の信頼性が低くなることを懸念し、フレーム・バーストの最後尾にフレーム・バースト・パケットに関する情報を含めた通知パケットを送信している。また、ステーションは通知パケットを受信すると、通知パケットに含まれる情報を見て、自分宛のパケットの有無を確認する。もし、通知パケットに自分宛のパケットが記述されているにも関わらず、フレーム・バースト・パケットを受信していなかった場合、ステーションから送信するパケットに独自の再送ヘッダを含めて送信し、アクセス・ポイントに当該パケットの再送を要求している。
【0008】
アクセス・ポイントは各ステーションに対するフレーム・バーストしたパケットを再送用に所定の期間保持しており、ステーションからの再送要求を契機に、バックオフ動作および到達確認動作ありで当該パケットを送信する。このように、特許文献1では、フレーム・バースト、ステーションによる送信、および再送要求されたパケット送信の一連の動作をVoIP周期の1周期以内で完結させることで、遅延増加を防ぎつつも伝送効率が向上するとしている。
【特許文献1】特開2006-54853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1において、フレーム・バースト中にパケットを生成するステーションは、通知パケットに対する再送要求の有無を即時反映させるために、通知パケットを受信するまでパケット送信を延期し、通知パケット受信後にパケットを生成して送信するための手段を必要としており、解決課題となっている。
【0010】
また、フレーム・バースト開始直前にパケットを生成するステーションは、次のフレーム・バーストの開始までにパケットの送信およびアクセス・ポイントによる再送パケット送信を完了することは困難である。このように、ステーションの生成タイミングによってはVoIPの1周期以内に完結することは困難である。従って、アクセス・ポイントはこのようなステーションも考慮して、再送制御を行わなければならない。また、アクセス・ポイントのメモリは有限であるため、再送が不要である場合にパケットを廃棄する手段も必要とされ、解決されねばならない課題である。
【0011】
また、特許文献1は、ステーションが通知パケットを受信成功することを前提としている。もし通知パケットを受信失敗した場合、通知パケットを待ち続ける問題を防ぐ手段が必要である。もし、通知パケットとフレーム・バースト・パケットの双方を受信失敗した場合、ステーションは自分宛のフレーム・バースト・パケットの有無を判定できないためパケットロスが発生するという解決課題がある。
【0012】
また、特許文献1は、無線媒体の輻輳を考慮していない。輻輳によってステーションの再送要求が著しく遅延した場合、アクセス・ポイントがこの再送要求を受諾して再送パケットを送信すると、輻輳を更に加速させることになり、望ましくない。また、VoIPのようなアプリケーションでは、ステーションはジッタ・バッファを持っていることが一般的であるが、前記のように著しく遅延して再送しても、既にジッタ・バッファの限界を超えている可能性が高く、輻輳を考慮した再送制御が必要とされていた。
【0013】
また、特許文献1では、アクセス・ポイントは、フレーム・バースト・パケットを再送用に保持するための、具体的な管理手段が示されておらず、解決課題となっていた。
【0014】
本願発明は、特許文献1の上記の問題点を解決し、フレーム・バースト送信を行いつつもフレーム・バーストの終端を示すパケット(特許文献1における通知パケット)が不要であり、アクセス・ポイントが伝送エラーを検出し、エラーの発生したパケットを再送信する。ステーションのパケット生成タイミングに寄らずアクセス・ポイントが送信するフレーム・バーストを基準にステーションは動作するから、信頼性あるフレーム・バースト動作を提供可能であり、無線媒体の輻輳を考慮した再送制御が可能であり、アクセス・ポイントの再送用パケット管理方法を厳密に規定した、パケット伝送方法及び装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
多くのステーションとの間で無線LANにより交信するアクセス・ポイントが、
ステーションから通知された識別子を受信したパケットから分離するための識別子分離手段と、
所定の周期毎に割込みを発生するためのタイマと、
無線LANに送信するパケットに対してパケット毎に一意な識別子を付加する識別子付加手段と、
タイマが割込みを発生するまで無線で送信するパケットを識別子を付して蓄積するためのパケット蓄積手段と、
パケット蓄積手段によって蓄積されたパケットを最小フレーム間隔かつ確認応答なしで各ステーションに対して送信するためのフレーム・バースト送信手段と、
フレーム・バースト送信した識別子と各ステーションから受信したパケットの識別子をもとに、フレーム・バースト送信のパケット・エラーの検出によりエラー検出時のパケットを再送するための再送処理を行うための再送処理手段とを含み、
各ステーションは、
アクセス・ポイントから受信したパケットから識別子を分離する識別子分離手段と、
分離した識別子を次の送信パケット生成まで保持する識別子保持手段と、
保持された識別子をステーションが送信するパケットに付加する識別子付加手段と、
再送されてきたパケットを所定のフレーム間隔かつ確認応答ありで送信する通常送信手段とを含んでいる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の無線LANでは、IEEE802.11を独自に拡張し、アクセス・ポイントはステーション宛てのパケットを最小フレーム間隔かつ確認応答なしでフレーム・バースト送信することにより、伝送効率を大幅に向上させることができる。さらに、本発明の無線LANでは、アクセス・ポイントは確認応答を無しとして送信しても、独自のパケット・エラー検出機構を備えているため、必要な再送を行うことができる。
【0017】
本発明では、特許文献1における、通知パケットを受信するまでパケット送信を延期する必要もなくなった。ステーションの生成タイミングによってはVoIP1周期以内に完結することは困難であるという認識のもとに、たとえば、VoIP2周期以内に必要とするパケットの受信が完結するように、再送制御を行い、再送が不要である場合にパケットを廃棄するように制御している。たとえば、VoIPの2周期以内に完結することにより、パケットを受信失敗しても、待ち続ける必要もない。この再送制御により、輻輳を考慮した再送が可能となった。
【0018】
また、本発明のアクセス・ポイントは、フレーム・バースト・パケットを再送用に保持する手段を有し、 フレーム・バーストを行いつつもフレーム・バーストの終端を示すパケット(特許文献1における通知パケット)が不要で、ステーションのパケット生成タイミングによらず信頼性あるフレーム・バーストを提供可能で、無線媒体の輻輳を考慮した再送制御が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
多くのステーションとの間で無線LANにより交信するアクセス・ポイントが、
ステーションから通知された識別子を受信したパケットから分離するための識別子分離手段と、
所定の周期毎に割込みを発生するためのタイマと、
無線LANに送信するパケットに対してパケット毎に一意な識別子を付加する識別子付加手段と、
タイマが割込みを発生するまで無線で送信するパケットを識別子を付して蓄積するためのパケット蓄積手段と、
パケット蓄積手段によって蓄積されたパケットを最小フレーム間隔かつ確認応答なしで各ステーションに対して送信するためのフレーム・バースト送信手段と、
フレーム・バースト送信した識別子と各ステーションから受信したパケットの識別子をもとに、フレーム・バースト送信のパケット・エラーの検出によりエラー検出時のパケットを再送するための再送処理を行うための再送処理手段とを含んでいる。
各ステーションは、
アクセス・ポイントから受信したパケットから識別子を分離する識別子分離手段と、
分離した識別子を次の送信パケット生成まで保持する識別子保持手段と、
保持された識別子をステーションが送信するパケットに付加する識別子付加手段と、
再送すべきパケットを所定のフレーム間隔かつ確認応答ありで送信する通常送信手段とを含んでいる。
【実施例1】
【0020】
図1は、本願発明による無線LANパケット伝送装置のアクセス・ポイントAPの1実施例を示した内部機能構成図である。 従来のアクセス・ポイントと同様に、有線の構内LAN3における送受信のための有線LAN送受信部11と、有線の構内LAN3と無線LANのブリッジのためのブリッジ制御部12と、無線LANにおける送受信のための無線LAN送受信部30を備えており、無線LAN送受信部30は、フレーム・バースト送信部31と所定のフレーム間隔かつ確認応答ありで送信する通常送信手段32を備えている。
【0021】
さらに、本発明におけるアクセス・ポイントAPは、ブリッジ制御部12に制御されて、有線LAN送受信部11と無線LAN送受信部30との間をブリッジするブリッジ部20がある。このブリッジ部20には、識別子付加部21、パケット蓄積部22、タイマ23、再送処理部24および識別子分離部25が含まれている。
【0022】
無線LANへのパケット送信動作において識別子付加部21は、ブリッジ制御部12から転送されたパケットに対して、パケット毎にその送出元、宛先、何回目のVoIP周期であるかなど一意にパケットを特定できる後に詳述する識別子を付加している。タイマ23は、識別子付加部21に対して所定の周期毎に割込みを発生している。パケット蓄積部22は、前記識別子が付加されたパケットを蓄積している。フレーム・バースト送信部31は、パケット蓄積部22からタイマ23のVoIP周期(フレーム間隔)、たとえば、20ms周期で送られてくる、蓄積されたパケットを最小フレーム間隔(たとえば、10μs)かつ確認応答なしで送信する。
【0023】
再送処理部24は、送信したパケットの伝送エラー検出処理とエラー検出したパケットの再送処理を行う。パケット蓄積部22は、タイマ23の割込みに伴い、蓄積されたパケットをフレーム・バースト送信部31に転送している。フレーム・バースト送信部31は、送信したパケットをエラー発生時に、ステーションSTからの要請によらずアクセス・ポイントAP独自の判断で再送する独自再送に備えて保持し、再送時には再送処理部24に転送している。再送処理部24は、パケットの送信先ステーションSTを示すステーション識別子を読み取り、ステーションST毎にパケットを保持する。
【0024】
さらに、本発明におけるアクセス・ポイントAPは、無線LANからのパケット受信動作において、ステーションSTからのパケットを受信する図示を省略した通常受信部から、受信したパケットの識別子を分離する識別子分離部25を備えており、識別子分離部25は、分離したパケットをブリッジ制御部12に転送するとともに、分離した識別子およびパケットの送信元ステーションSTを示すステーション識別子を再送処理部24に転送している。
【0025】
再送処理部24は、無線LANへのパケット送信動作において保持したパケットに付随する識別子および送信元ステーションSTを示すステーション識別子と、今回ステーションSTから受信したパケットから分離した識別子およびステーション識別子とを比較し、一致していれば伝送エラー無しと判断し、不一致ならば、フレーム・バースト送信の伝送エラーありを検出し、エラー検出したパケットを通常送信部32に転送することで再送する。
【0026】
なお、タイマ23の周期と、ステーションSTおよびVoIPゲートウェイ4のVoIPパケット生成周期は任意に設定することが可能ではあるが、本発明の一実施の形態においては、ビーコン周期とVoIP周期とタイマ23の周期を等しく設定しており、ビーコン送信に続いて蓄積されたパケット(たとえば、277μs)を最小フレーム間隔(たとえば、10μs)、かつ、確認応答なし、で送信する。
【0027】
図2は、本願発明の無線LANパケット伝送装置のステーションSTの内部機能構成図である。本発明に用いるステーションSTは、従来のステーションと同様に、周期的にVoIPパケットを生成するアプリケーション部51と、無線LANにおける送受信のための無線LAN送受信部56を備えており、無線LAN送受信部56は無線LANに送信するパケットを所定のフレーム間隔かつ確認応答ありで送信する通常送信部57を備えている。
【0028】
さらに、無線LANからのパケット受信動作において、アクセス・ポイントAPからのパケットを受信するための図示を省略した通常受信部からのパケットから識別子を分離する識別子分離部53と、受信した識別子を保持するための識別子保持部54を備えている。識別子分離部53は、識別子を分離したパケットをアプリケーション部51に転送するとともに、分離した識別子を識別子保持部54に転送し、識別子保持部54は次のパケット生成まで転送されてきた識別子を保持する。
【0029】
さらに、ステーションSTは、無線LANへのパケット送信動作において、アプリケーション部51が従来技術により生成するVoIPパケットに、識別子保持部54が保持しているアクセス・ポイントAPから送信されてきたパケットに付されていた識別子を付加する識別子付加部52を備えており、識別子付加部52は、識別子を付加したパケットを通常送信部57に転送し、これがアクセス・ポイントAP宛に応答パケットとして送出される。
【0030】
図3は、本発明のアクセス・ポイントAPとステーションSTの伝送エラー検出動作を示したタイムチャートである。同図(a)はアクセス・ポイントAPの、(b)はステーションST1の送信タイミングを表している。記号PAiNのPはVoIPパケットを、Aはアクセス・ポイントAPが送信したことを、iは宛先ステーションSTの識別番号を、Nはn回目の送信識別子を、それぞれ表している。
【0031】
同じく、記号PSiNのPはVoIPパケットを、SはステーションSTが送信したことを、iは送信したステーションSTの識別番号を、Nはn回目の送信識別子を、それぞれ表している。記号ACKiNのACKは確認応答パケットであることを、iは応答パケットを送信してきたステーションSTの識別番号を、Nはn回目の送信識別子を、それぞれ表している。記号Bは、j回目のバースト・フレームの先頭を表すバースト・ビーコン・パケット(以下、単にバーストという)であることを表している。同図では、i=1および2とし、ステーションST1の送信タイミングのみを表し、ステーションST2の送信タイミングの図示は省略している。
【0032】
アクセス・ポイントAPは、1回目のバーストB1を先頭にしたアクセス・ポイントAPからステーションST1およびST2宛のパケットPA1N1およびPA2N1を、確認応答なしでフレーム・バースト送信する(図3(a))。アクセス・ポイントAPは、送信したパケットを再送処理部24に転送する。再送処理部24は、転送されたパケットに付随する識別子に対して伝送エラー判定期間T(j+1,j+3)を設定する。ここでjは、j回目のバーストを表す。伝送エラー判定期間T(j+1,j+3)とは、送信識別子Nか、もしくは送信識別子Nn+1以降が含まれるステーションST送出の応答パケットがアクセス・ポイントAPに届くと見込まれる期間である。
【0033】
再送処理部24は、たとえば、伝送エラー判定期間T(j+1,j+3) の間、あるいは、その伝送エラー判定期間前に、ステーションST1からパケットPS1Nが通知されれば、伝送エラーなしと判定して再送処理部24内部に保持している送信識別子Nを有するパケットを再送に備えて蓄積する必要なしとして削除する。再送処理部24は、T(j+1,j+3) の間に届くパケットPS1に送信識別子Nが含まれておらず、かつ再送処理部24に送信識別子Nを有するパケットが削除されずに残っていれば、伝送エラーなしで送信されてはいないことを意味するから、伝送エラーありと判定して再送する。
【0034】
図3においては、時点t1sにおいて1回目のバーストB1が送出され、それに続いてステーションST1宛のパケットPA1N1と、さらに続けて、ステーションST2宛のパケットPA2N1がバースト状に送出される。このバースト状の最終パケットPA2N1の終端は、時点t1eである。この時点t1sから時点t1eまでがフレーム・バースト期間内である。
【0035】
フレーム・バースト期間外を経過した時点t2sにおいて2回目のバーストB2が送出され、それに続いてステーションST1宛のパケットPA1N2と、さらに続けて、ステーションST2宛のパケットPA2N2がバースト状に送出される。このバースト状の最終パケットPA2N2の終端は、時点t2eである。時点t1eから時点t2eまでがVoIP周期である。同様にして、時点t3s、t3e、時点t4s、時点t4eも決定される。図示されてはいない時点t0eから時点t2sまでがj=-1の伝送エラー判定期間T(0,2)、時点t1eから時点t3sまでがj=0の伝送エラー判定期間T(1,3)、時点t2eから時点t4sまでがj=1の伝送エラー判定期間T(2,4)である。
【0036】
図3において、ステーションST1宛のパケットPA1N1のフレーム・バースト送信中に伝送エラーが発生し、ステーションST1はパケットPA1N1を受信できていない。ステーションST1は、時点t1eの後に特許文献1に記載された方法でパケット生成(GS1)するときに、送信識別子を1つも受信していないため識別子「空」を付加してパケットPS1Vを送信する。アクセス・ポイントAPは、期間t1e〜t2sの間に、識別子「空」を有するパケットPS1Vが届き、かつ再送処理部24に識別子N1を有するパケットが残っているが、識別子N1に対する伝送エラー判定期間T(2,4)の開始前であるため、N1に対して伝送エラーが発生したとは判定しない。
【0037】
ただし、パケットPS1Vを受信した時点は識別子N-1の伝送エラー判定期間T(0,2)であるため、再送処理部にN-1を有するパケットが残っていれば、N-1に対して伝送エラーが発生したと判定して、図示してはいない再送信パケットRA1N-1を生成し、ステーションST1宛に確認応答ありで送信する。図3においてはパケットPA1N-1(図示せず)は期間t0s〜t0e(図示せず)において、ステーションST1から識別子N-1を有するパケットPS1N-1がアクセス・ポイントAPに届いているため、再送処理部24からは削除されており、再送信パケットRA1N-1を生成しない。
【0038】
識別子N1に対するエラー判定は、図3においては、伝送エラー判定期間T(2,4)の期間t2e〜t4sの間にステーションST1から届くパケットPS1N2によって行われる。パケットPS1N2はパケットPS1N1の後に送られてくると期待していたのに、パケットPS1N2の受信前にはパケットPS1N1の受信が無かったのである。すなわち、再送処理部24に識別子N1を有するパケットが残っており、かつ、識別子N1に対する伝送エラー判定期間T(2,4)の間で、パケットPS1N2の受信前にステーションST1から届くパケットに識別子N1が含まれないため、アクセス・ポイントAPは識別子N1を有するパケットPA1N1の送信にエラーが発生したと判定し、再送信パケットRA1N1を生成して、ステーションST1宛に確認応答ありで送信する。
【0039】
ステーションST1は再送信パケットRA1N1を受信後、確認応答パケットACK1N1を識別子を付さずにアクセス・ポイントAPに送信する。ここで、確認応答パケットACK1N1に識別子を付さずに送っても、再送信パケットRA1N1の送信直後にアクセス・ポイントAPは、確認応答パケットACK1N1を受信することから、再送信パケットRA1N1をステーションST1が受信したことを確認することができるから識別子の添付を省略しているのである。アクセス・ポイントAPおよびステーションSTの送信は、無線伝送路が占有されていないことをキャリアセンスして実行される。
【0040】
図4および図5は、アクセス・ポイントAPとステーションSTの伝送エラー判定動作を示したタイムチャートである。同図では、1台のアクセス・ポイントAPと3台のステーションST1,2,3との無線区間のパケット伝送を示している。アクセス・ポイントAPは各ステーションST1,2,3に対して4回のフレーム・バースト送信を行っている。アクセス・ポイントAPは1回目のバーストB1を含むフレーム・バーストで、ステーションST1に対してパケットPA1N1を、ステーションST2に対してパケットPA2N1を、ステーションST3に対してパケットPA3N1を送信する。このとき、ステーションST1が応答パケットPS1N1を、ステーションST2が応答パケットPS2N1を生成すると見込まれる期間は、時点t1eからt2eまでの1VoIP周期内である。
【0041】
ステーションST1は、時点t1eからt2sまでのフレーム・バースト期間外に、パケットPA1N1に応答するパケットを生成(GS1N1)する。フレーム・バースト期間外(t1e〜t2s)にて生成したステーションST1の応答パケットは、2回目のフレーム・バースト開始(t2s)までに他のステーションSTが送信していない期間である公知の技術(キャリアセンス)による送信権(ステーションST1の送信が可能となる期間)を獲得する可能性が高い。この送信権を獲得すると、パケットPS1N1をアクセス・ポイントAP宛に送信する。
【0042】
これを受信したアクセス・ポイントAPは、パケットPA1N1に応答するパケットであることを送信識別子N1の一致から知ることができるから、エラーなく受信したことを示す識別子を添付しない確認応答ACK1N1をステーションST1宛に送信する。これにより、ステーションST1はエラー無くパケットPS1N1をアクセス・ポイントAPが受信したことを確認する。
【0043】
同様にしてステーションST1は、時点t2eからt3sまでのフレーム・バースト期間外に、パケットPA1N2に応答するパケットを生成(GS1N2)し、送信権を獲得してパケットPS1N2をアクセス・ポイントAP宛に送信する。これを受信したアクセス・ポイントAPは、パケットPA1N2に応答するパケットであることを送信識別子N2の一致から知ることができるから、エラーなく受信したことを示す識別子を添付しない確認応答ACK1N2をステーションST1宛に送信する。これにより、ステーションST1はエラー無くパケットPS1N2をアクセス・ポイントAPが受信したことを確認する。
【0044】
おなじく、ステーションST1は、時点t3eからt4s(図5)までのフレーム・バースト期間外に、パケットPA1N3に応答するパケットを生成(GS1N3)し、送信権を獲得してパケットPS1N3をアクセス・ポイントAP宛に送信する。これを受信したアクセス・ポイントAPは、パケットPA1N3に応答するパケットであることを送信識別子N3の一致から知ることができるから、エラーなく受信したことを示す識別子を添付しない確認応答ACK1N3をステーションST1宛に送信する。これにより、ステーションST1はエラー無くパケットPS1N3をアクセス・ポイントAPが受信したことを確認する。
【0045】
ステーションST2は、ステーションST2宛のパケットPA2N1が送信される以前の時点t1-1(図4)においてパケット生成(GS2)を開始しており、この時点t1-1では、パケットPA2N1の送信識別子N1を受け取ってはいないから、パケット生成(GS2)により、送信識別子が空(V)のパケットPS2Vを送信権を獲得した時点でアクセス・ポイントAPに送信する。パケットPS2Vの送信時点は、パケットPA2N1の送信時点の後ではあるが、送信識別子は空(V)のままとなる。すなわち、パケット生成(GS2)開始時点t1-1において取得している送信識別子を付加しているからである。
【0046】
ステーションST2は2回目のフレーム・バースト期間内(t2s〜t2e)の時点t2-1に応答パケットを生成(GS2N1)する。フレーム・バースト期間内(t2s〜t2e)にて生成したステーションST2の応答パケットは、3回目のフレーム・バースト開始(t3s)までに他のステーションSTが送信していない期間において送信権を獲得する可能性が高い。また、2回目のフレーム・バースト期間内(t2s〜t2e)にて生成したステーションST2の応答パケットPS2N1は、2回目のフレーム・バーストが時点t2eで終了してから3回目のフレーム・バースト開始の時点t3sまでに送信権を獲得する可能性が高い。
【0047】
いずれにしても、2回目のフレーム・バーストの終了(t2e)以降は、1回目のフレーム・バースト送信に対する応答パケットが届くか、あるいは既に届いていると見込まれる。従って、パケットPA1N1およびPA2N1に対する伝送エラー判定期間Tは、2回目のフレーム・バースト終了(t2e)後から3回目のフレーム・バースト開始(t3s)までのフレーム・バースト期間外とすることもできる。
【0048】
しかしながら、パケットPA2N2に応答するステーションST2のパケット生成(GS2N2)は、3回目のフレーム・バースト期間内(t3s〜t3e)で、ステーションST2のパケットPA2N3の発生時点より以前の時点t3-1において実行開始となり、その送信は、フレーム・バースト期間外(t3e〜t4s)となっている。このような場合には、伝送エラー判定期間Tを2つのVoIP周期にまたがる時点t2e〜t4sの間の伝送エラー判定期間T(2,4)とするならば、パケットPS2N2は、エラー無くアクセス・ポイントAPに送信できる(図5)。
【0049】
フレーム・バースト期間外(たとえば、t2e〜t3s)の期間でステーションST3から必ず応答パケットが届くとは限らない場合を、図4及び図5の(d)のステーションST3により説明する。ステーションST3のパケット生成(GS3N1)とパケットPS3N1の送信は、フレーム・バースト期間外(t1e〜t2s)において発生し、エラー無くアクセス・ポイントAPで受信され、識別子を添付しない確認応答ACK3N1が送信されている。
【0050】
ところが、ステーションST3の2回目の応答パケットの生成(GS3N2)は、フレーム・バースト期間外(t2e〜t3s)に実行されたが、何等かの理由で送信権の獲得が遅れて、パケットPS3N2の送信は、次のフレーム・バースト期間外(t3e〜t4s)において発生している。送信が遅延し、次のフレーム・バーストの開始(t3s)までに送信権を獲得できていない。このとき、フレーム・バースト期間外(t2e〜t3s)においてはアクセス・ポイントAPはステーション3宛の確認応答ACK3を送信してはいないことから、ステーション3からの応答パケットを1つも受信していないことがわかる。
【0051】
このようなステーションST3側の送信権獲得のゆらぎを吸収するために、1つのフレーム・バースト期間外(たとえば、t2e〜t3s)の期間を伝送エラー判定期間とするのではなくて、2つのフレーム・バースト期間外(たとえば、t2e〜t3s、t3e〜t4s)を含む期間(t2e〜t4s)を伝送エラー判定期間T(2,4)とする。この伝送エラー判定期間T(2,4) の間に、ステーションST3から応答パケットPS3N2が送信されてくると、確認応答ACK3N2を送信し、伝送エラーなしと判定して、アクセス・ポイントAPは再送処理部24内部に保持している送信識別子N2を有するパケットを削除する。ステーションST3はフレーム・バースト期間外(t3e〜t4s)の間にパケット生成GS3N3をし、応答パケットPS3N3を送信し、アクセス・ポイントAPは確認応答ACK3N3を送信している。
【0052】
再送処理部24は、伝送エラー判定期間T(j,j+2)
の間に届くパケットPSiNに送信識別子Nが含まれておらず、かつ再送処理部24に送信識別子Nを有するパケットが削除されずに残っていれば、伝送エラーありと判定して再送する。再送処理部24に送信識別子Nを有するパケットが削除されずに残っていることは、パケットPAiNとしてステーションSTiに送信したことに対する応答パケットPSiNをステーションSTiから受け取っていないことを意味するからである。
【0053】
このようにして、伝送エラーなどの発生によるステーションSTiからの再送要求無しに、ステーションSTiは、伝送エラーや無線路の輻輳などによる送信権獲得の遅れにより脱落したパケットを次のフレーム・バースト期間外において送信することができる。この伝送エラー判定期間T(j,j+2) は、2つのフレーム・バースト期間外を含む場合で説明したが、さらに、3つのあるいは4つのフレーム・バースト期間外を含む期間を伝送エラー判定期間T(j,j+3)あるいはT(j,j+4)としてフレーム・バースト期間数を設定することも可能である。このような場合には当然のことながら、フレーム・バースト期間数の増大とともにVoIPパケットの遅延も大きくなるから、それとの兼ね合いで期間数の設定は決められる。
【0054】
図6は、本発明の無線区間における輻輳対策動作1を示したタイムチャートである。フレーム・バースト期間外(t2e〜t3s)において無線区間の輻輳が発生した場合を説明している。時点t1-6においてパケット生成GS1N1が実行され、同じフレーム・バースト期間外(t1e〜t2s)にパケットPS1N1を送信しようとしたが、送信権の獲得ができず、次のフレーム・バースト期間外(t2e〜t3s)にパケットPS1N1を再び送信しようとしたが、無線区間に輻輳が発生し、送信権の獲得ができず、さらに3番目のフレーム・バースト期間外(t3e〜t4s)にパケットPS1N1を送信できた。
【0055】
伝送エラー判定期間T(2,4)とT(3,5)との重複区間(t3e〜t4s)において応答パケットPS1N1が届く場合、未受信の応答パケットPS1N2は後に続いて届く可能性が高いため、パケットPS1N1の送信識別子N1のみを再送処理部24から削除し、応答パケットPS1N2の送信識別子N2に対しては削除も再送もしないで、その受信を待つ。
【0056】
また、伝送エラー判定期間T(2,4)とT(3,5)との重複区間(t3e〜t4s)において応答パケット「空」(V)が届いた場合には、伝送エラー判定期間T(2,4)に対するステーションST1からの通知である可能性が高いため、アクセス・ポイントAPはパケットPS1N1のみを再送し、パケットPA1N2に対しては再送も削除も行わない。フレーム・バースト期間外(t4e〜t5s)の間の時点t4-6およびt4-7でパケット生成(GS1N3およびGS1N4)があった場合、輻輳も無いために送信権を獲得して、エラー無く送信し、これを受信したアクセス・ポイントAPは、確認応答ACK1N3およびACK1N4を送信する。
【0057】
図7は、無線区間における輻輳が図6の場合よりもさらに長く続いた場合の輻輳対策動作2を示したタイムチャートである。時点t2eからt4sまでの間輻輳状態が続いている。そのために、ステーションST1からの応答パケットPS1N1が届くであろうと期待されている伝送エラー判定期間T(2,4)の間にステーションST1からの応答パケットが1つも届かない場合、アクセス・ポイントAPは、VoIP通信が破綻しているとみなして、破綻を加速させないためにもステーションST1に対する再送機能を時点t4sにおいて停止(オフ)する。
【0058】
送信した送信識別子N1を付したパケットPA1N1に応答する応答パケットPS1N1が伝送エラー判定期間T(2,4)の終了後である伝送エラー判定期間T(3,5)の間の時点t4r1に遅延して届いた場合には、識別子を添付しない確認応答ACK1N1は送信するが、パケットPA1N1に対する伝送エラー判定期間T(2,4)を過ぎてしまっているから、ステーションST1に対する再送機能は停止(オフ)のまま変化しない。応答パケットPS1N1の受信が期待される伝送エラー判定期間T(2,4)が時点t4sで終了した後、再送機能はオフにされたままとなっている。
【0059】
その後、応答パケットPS1Nn(n>1)が伝送エラー判定期間T(n+1,n+3)の間に届いた場合、識別子を添付しない確認応答ACK1Nnを送信し、パケットの再送機能をオンにする。図7においては、応答パケットPS1N1が送信された同じフレーム・バースト期間外(t4e〜t5s)の時点t4r2において、応答パケットPS1N2も送信され、それを受けたアクセス・ポイントAPは、識別子を添付しない確認応答ACK1N2を送信する。期間t4e〜t5sは識別子N2の伝送エラー判定期間T(3,5)内であるため、輻輳が解消されたと判断し、ステーションST1に対する再送機能をオンにする。
【0060】
図8は、図1のアクセス・ポイントAPのパケット送信動作の流れを示したフローチャートである。アクセス・ポイントAPにおいて、識別子付加部21は、ブリッジ制御部12から有線LAN送信部11からのVoIPパケットを受信すると(S1Y)、パケット毎に、送信元、宛先ステーション番号、何回目の送信バケットかなどにより、そのパケットを一意に特定することのできる、後に詳述する、送信識別子を生成し、付加する(S2)。
【0061】
送信識別子を付加されたパケットは、パケット蓄積部22 に送られて、蓄積される(S3)。タイマ23は、定期的に割り込みを発生している(S4)。パケット蓄積部22 は、タイマ23からの割込みを受けると(S4Y)、蓄積している全てのパケットをフレーム・バースト送信部31に転送する(S5)。フレーム・バースト送信部31は、最小フレーム間隔、かつ、確認応答なしで通常送信部32を介して、ステーションSTに対して送信し、送信したパケットをエラー発生時の再送に備えて、再送処理部24へ転送する(S6)。
【0062】
再送処理部24は、送信したパケットの送信先(宛先)ステーションSTを示す識別子(ステーションSTの番号)を読取り、ステーションST毎にパケットを保持する(S7)。保持されたパケットは、送信エラーが発生した場合の再送に使用される。送信エラーが発生しなかった場合には、確認応答ACKを送信して、保持していた送信済みパケットを消去する。このようにして、アクセス
・ポイントAPからステーションST宛のパケット送信動作を終了する。
【0063】
図9は、アクセス・ポイントAPのパケット受信動作の流れを示したフローチャートである。
アクセス・ポイントAPは、無線LANからのパケット受信動作において、ステーションSTからパケットを受信する(S11)。受信したパケットから識別子を分離する識別子分離部25は、受信したパケットから分離したパケットをブリッジ制御部12に転送し、同時に、分離した識別子およびパケットの送信元ステーションSTを示すステーション識別子を再送処理部24に転送する(S12)。
【0064】
そこで再送処理部24は、ステップS7(図8)のパケット送信動作において保持したパケットに付随する識別子およびステーション識別子と、ステップS12の受信動作において分離した識別子およびステーション識別子をもとに両者を比較して、一致すれば伝送エラーなしとして動作を終了する(S14N)。不一致ならば、フレーム・バースト送信の伝送エラーを検出し(S14Y)、エラー検出したパケットを通常送信部32に転送することで再送をし、アクセス ・ポイントAPのパケット受信動作は終了する(S15)。
【0065】
なお、タイマ23の周期と、ステーションSTおよびVoIPゲートウェイのVoIPパケット生成周期は任意であるが、本発明の一実施の形態においては、ビーコン周期とVoIPパケット生成周期とタイマ23の周期を等しく設定したとして説明しており、バーストBのビーコン送信に続いてパケット蓄積部22から転送を受けたフレーム・バースト送信部31は、通常送信部32を介してパケット蓄積部22に蓄積されたパケットを最小フレーム間隔で連続(バースト)送信する。このバースト送信に対しては、ステーションSTからの確認応答は不要である。
【0066】
図10は、図2のステーションSTのパケット送信動作の流れを示したフローチャートである。ステーションSTにおいて、識別子付加部52は、アプリケーション部51からVoIPパケットを受信すると(S21)、識別子保持部54に直前にアクセス ・ポイントAPから送られてきたパケットに添付され保持していた全ての識別子を応答パケットに付加して通常送信部57に転送する(S22)。通常送信部57はこの応答パケットをアクセス
・ポイントAPに確認応答ありで送信し、これを受けたアクセス ・ポイントAPは、確認応答ACKをステーションSTに対して送信し、ステーションSTのパケット送信動作は終了する(S23)。
【0067】
図11は、図2のステーションSTのパケット受信動作の流れを示したフローチャートである。ステーションSTの識別子分離部53は、無線LAN送受信部56に含まれた図示を省略した通常受信部からパケットを受信する(S31)。識別子分離部53は、VoIPパケットと識別子を分離し、VoIPパケットをアプリケーション部51に転送して、そこで音声信号を得る。それと同時に、識別子分離部53は、分離した識別子を識別子保持部54に通知する(S32)。識別子保持部54は、通知された識別子を保持してパケット受信動作を終了する(S33)。
【0068】
図12および図13は、図1のアクセス・ポイントAPの再送処理部24における識別子管理情報のデータ構造図である。識別子管理情報(図12)はステーション(ST)情報リストから構成される。ステーション情報リストは任意の数のステーション情報を持ち、各ステーション情報はステーション識別子(MACアドレス)、再送機能の開始あるいは停止を示す再送機能状態、送信情報リストから構成される。ステーション識別子とは、ステーションを他のステーションと区別するための識別子であり、MACアドレス、IPアドレス、IEEE802.11のアソシエーションIDなどを利用してもよい。
【0069】
送信情報リスト(図13(a))は、任意の数の送信情報から構成され、1つの送信情報は1回のフレーム・バーストに対応している。すなわち、フレーム・バースト毎に送信情報リストに送信情報が1つ追加される。送信情報は、伝送エラー判定期間Tと識別子情報リストから構成される。これらの識別子情報リスト(図13(b))のそれぞれは任意の数の識別子情報から構成される。識別子情報は、識別子と、識別子に付随するパケットから構成される。
【0070】
伝送エラー判定期間は、送信情報を新たに追加するとき2にセットされ、以後、フレーム・バースト送信毎に1ずつ減算して最終は0とする。伝送エラー判定期間T(j,j+2)、たとえば、j=2では、T(2,4)は図6に説明したように、2回目のフレーム・バースト終了後の時点t2eから4回目のフレーム・バースト開始の時点t4sまでである。j=0のとき、伝送エラー判定期間T(0,2)であり、2回目のフレーム・バースト開始の時点t2sまでである(図3参照)。すなわち、j=0のとき、伝送エラー判定期間T(0,2)の判定対象となるパケットは、古いものである。
【0071】
アクセス・ポイントAPは、ステーションSTから応答パケットを受信したとき、識別子情報リスト(図13(b))から受信した識別子と一致する識別子およびパケットを削除するとともに、伝送エラー判定期間(図13(a))がj=2または1である送信情報が残っていれば再送する。j=0になっていれば最も古いパケットに関するものであるから再送せず、その送信情報を削除する。
【0072】
ただし、伝送エラー判定期間T(j,j+2)のj=2とj=3の重複区間(図6のt3e〜t4s)において応答パケットを受信し、送信情報の送信識別子N1とN2の両方とも残っている状態で、送信情報に含まれる識別子N1と一致する応答パケットPS1N1をアクセス・ポイントAPが受信した場合は、伝送エラー判定期間がj=1であるN1に関する送信情報は再送せず、確認応答ACK1N1を送信すると同時に削除して、再送の対象からはずす。
【0073】
また、受信が期待される伝送エラー判定期間T(j,j+2)の終了までに1つも応答パケットを受信していない場合、すなわち、フレーム・バースト毎に伝送エラー判定期間のjを1減算したときに0または負の値となる送信情報が残っていた場合、当該送信情報は古くなっているから削除するとともに、再送機能状態を停止して再送を止める。また、伝送エラー判定期間T(j,j+2)の終了後にj=0または負の値となる古い送信情報を付した応答パケットが届く場合も再送機能状態を停止にして再送を止める(図7のt4s)。伝送エラー判定期間の間に送信した識別子と一致する応答パケットが来た場合に再送機能状態を開始(オン)にセットして再送を再開する(図7のACK1N1送信時)。
【0074】
図12および13に示した識別子の内容は、アクセス・ポイントAPの送信する各パケット、確認応答およびステーションSTの送信する各応答パケットを一意に特定する内容であり、この識別子を欠くパケット(図3のGS1V,PS1V,ACK1V、図4のGS2V,PS2V,ACK2V)は、正しく送信されたパケットとしては、扱われない。
【0075】
図14および図15は、図1のアクセス・ポイントAPに含まれた再送処理部24における送信済みパケット受信後の動作の流れを示したフローチャートである。再送処理部24は、アクセス・ポイントAPのパケット送信動作において送信済みパケットをフレーム・バースト送信部31から受信したとき(図14、S41)、識別子管理情報(図12,13)に存在するすべての伝送エラー判定期間T(j,j+1)のjを1減算し(S42)、0または負のjの値となる伝送エラー判定期間が存在する場合は(S43Y)、そのステーション(ST)情報の再送機能状態を「停止」(図7のt4s参照)に変更するとともに(S44)、ステーション情報の送信情報リスト(図12、13)に存在するすべての送信情報を削除する(S45)。
【0076】
再送処理部24は、転送された送信済みパケットを1個取得し(S46)、その送信先のステーション情報に含まれたステーション識別子を読み取り、すでに全送信済みパケットを取得していれば、伝送エラー無く送信されたとして、再送処理は終了する(S47Y)。ステーション情報を検索して、まだ全送信済みパケットを取得していなければ(S47N)、転送された送信済みパケットに対して添付されているステーション識別子と一致するステーション情報(図12参照)を検索する(S48、図15)。一致するステーション情報を発見しなかった場合は(S49N)、転送された送信済みパケットに添付されているステーション情報を新たに追加して、ステーション識別子を登録し、再送機能状態を「開始」に初期化する(S50)。
【0077】
次に、再送処理部24は、検索によって取得した、あるいは新規に追加したステーション情報の再送機能状態を調べ、再送を開始すべきか、停止すべきかを判断する(S51)。再送を「開始」すべきであれば(S52開)、送信情報リスト(図12、13)に新しい送信情報を追加して、伝送エラー判定期間をj=2に初期化(セット)してステップS46へ戻る(S53)。ステップS49で一致するステーション情報を発見した場合は(S49Y)、ステップS51へ進む。ステップS52で「停止」であれば、ステップS46へ戻る。
【0078】
図16、図17および図18は、図1のアクセス・ポイントAPに含まれた再送処理部24における識別子受信後の動作の流れを示したフローチャートである。アクセス・ポイントAPの再送処理部24は、識別子分離部25からステーションSTからの応答パケットに添付された識別子Iと、ステーション(ST)識別子ISを含むステーション情報(図12,13参照)を受け取り、ステーション情報リストを検索する(S61、図16)。
【0079】
ステーション情報リストの中に、ステーション識別子ISに一致するステーション識別子を含むステーション情報を発見することができなければ、本再生処理動作は終了する(S62N)。ステーション識別子ISに一致するステーション識別子を含むステーション情報を発見することができた場合は(S62Y)、つぎに、識別子Iに一致する識別子を含むステーション情報を発見することができた場合は(S63Y)、ステーションSTから正常に応答パケットを受信したことを意味するから、ステップS63Yで発見したステーション情報は再送の必要がなくなり、これをステーション情報リストから削除する(S64)。
【0080】
そこで、ステップS61のステーション情報の再送機能状態を「開始」に変更する(S65)。ステップS64で削除した識別子情報の属する識別子情報リストに、他に識別子情報がないか検索する(S67)。ステップS63で一致する識別子を含むステーション情報を発見することができなかった場合も(S63N)、ステップS61のステーション情報の再送機能状態を「停止」に変更して(S66)、ステップS67へ進む。ステップS67の検索で他に識別子情報が無かった場合は(S68Y)、ステップS64で削除した識別子情報の属する送信情報(図13参照)を削除する(S69)。
【0081】
なお、識別子情報リストの識別子情報数が0になった場合は、識別子情報リストが属する送信情報を削除する。ステップS63で発見したステーション情報から、伝送エラー判定期間が“1”(j=1)または“0”(j=0)である送信情報を検索する(S70、図17)。ステップS68Nの場合も、ステップS70へと進む。ステップS70における検索で、検索情報を発見できなかった場合は、再送すべきパケットが残っていないから、本再送処理は終了する(S71N)。検索情報を発見した場合は(S71Y)、ステップS63で発見したステーション情報の再送機能状態を調べ、再送を開始すべきか、停止すべきか、を判断する(S72)。
【0082】
再送機能状態が「開始」すべきである場合は(S73開)、ステップS71で発見した送信情報の伝送エラー判定期間に、j=0と1が両方とも存在するかを検索する(S74)。j=0及び1である伝送エラー判定期間を持つ送信情報が両方とも存在する場合(S75Y、図18)、ステップS71で発見した送信情報のうち、古くなった伝送エラー判定期間がj=0である送信情報のみを伝送エラーありとし(S76)、片方のみ存在する場合は(S75N)、取得した送信情報すべてを伝送エラーありと判定する(S77)。
【0083】
再送処理部24は、ステップS76とS77で伝送エラーありとした送信情報に含まれる全てのパケットを通常送信部32に転送して再送信を行うとともに、再送信した送信情報をすべて削除して(S78)、本再送処理を終了する。ステップS73で再送信を停止するとした場合には(S73停)、再送の必要なしとして、ステップS71で発見した送信情報を再送せずに、全て削除して(S79)、本再送処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の無線LANパケット伝送装置のアクセス・ポイントの実施例を示した内部機能構成図である。(実施例1)
【図2】本発明の無線LANパケット伝送装置のステーションの内部機能構成図である。
【図3】本発明のアクセス・ポイントとステーションの伝送エラー検出動作を示したタイムチャートである。
【図4】本発明のアクセス・ポイントとステーションの伝送エラー判定1の動作を示したタイムチャートである。
【図5】図4とともに、本発明のアクセス・ポイントとステーションの伝送エラー判定2の動作を示したタイムチャートである。
【図6】本発明の無線区間における輻輳対策1の動作を示したタイムチャートである。
【図7】本発明の無線区間における輻輳対策2の動作を示したタイムチャートである。
【図8】図1のアクセス・ポイントのパケット送信動作の流れを示したフローチャートである。
【図9】図1のアクセス・ポイントのパケット受信動作の流れを示したフローチャートである。
【図10】図2のステーションのパケット送信動作の流れを示したフローチャートである。
【図11】図2のステーションのパケット受信動作の流れを示したフローチャートである。
【図12】図1のアクセス・ポイントの識別子管理情報のデータ構造図である。
【図13】図12とともに、図1のアクセス・ポイントの識別子管理情報のデータ構造図である。
【図14】図1のアクセス・ポイントに含まれた再送処理部における送信済みパケット受信後の再送処理動作の流れを示したフローチャートである。
【図15】図14とともに、図1のアクセス・ポイントに含まれた再送処理部における送信済みパケット受信後の再送処理動作の流れを示したフローチャートである。
【図16】図1のアクセス・ポイントに含まれた再送処理部における識別子受信後の動作の流れを示したフローチャートである。
【図17】図16とともに、図1のアクセス・ポイントに含まれた再送処理部における識別子受信後の動作の流れを示したフローチャートである。
【図18】図16および図17とともに、図1のアクセス・ポイントに含まれた再送処理部における識別子受信後の動作の流れを示したフローチャートである。
【図19】従来例を示した無線LANを利用した構内IP電話網構成図である。
【符号の説明】
【0085】
1 IP網
2 公衆網
3 構内LAN
4 VoIPゲートウェイ
11 有線LAN送受信部
12 ブリッジ制御部
20 ブリッジ部
21 識別子付加部
22 パケット蓄積部
23 タイマ
24 再送処理部
25 識別子分離部
30 無線LAN送受信部
31 フレーム・バースト送信部
32 通常送信部
51 アプリケーション部
52 識別子付加部
53 識別子分離部
54 識別子保持部
56 無線LAN送受信部
57 通常送信部
AP アクセス ・ポイント
ACK 確認応答
B バースト
G パケット生成
P パケット
ST ステーション
T 伝送エラー判定期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステーション(ST)との間で無線LANにより交信するアクセス・ポイント(AP)が、
前記各ステーション(ST)から受信したパケットから受信パケット識別子を分離するための受信識別子分離処理(25)をし、
所定の周期毎に割込みを発生するためのタイマ処理(23)をし、
前記無線LANに送信するパケットに対してパケット毎に一意な送信パケット識別子を付加する送信識別子付加処理(21)をし、
前記タイマ処理(23)において割込みを発生するまで無線で送信するパケットを送信識別子を付して蓄積するためのパケット蓄積処理(22)をし、
前記パケット蓄積処理(22)によって蓄積されたパケットを最小フレーム間隔かつ確認応答なしで前記各ステーション(ST)に対してフレーム・バースト送信するためのフレーム・バースト送信処理(31)をし、
前記フレーム・バースト送信したパケットを一意に特定する前記パケットに付した送信識別子と前記各ステーション(ST)から受信したパケットの受信識別子をもとに、前記フレーム・バースト送信のパケット・エラーを所定の伝送エラー判定期間にわたり検出することによりエラー検出時のパケットを再送すべきパケットとして再送するための再送処理(24)をし、
前記各ステーション(ST)は、
前記アクセス・ポイント(AP)から送信されてきたパケットから送信識別子を分離する送信識別子分離処理(53)をし、
前記分離した送信識別子を次の送信パケット生成まで保持する識別子保持処理(54)をし、
前記保持された送信識別子を、前記アクセス・ポイント(AP)が受信した場合の前記受信識別子として、前記各ステーション(ST)が送信するパケットに付加する受信識別子付加処理(52)をし、
前記再送されてきた識別子を付した応答パケットを所定のフレーム間隔かつ確認応答ありで送信するステーション通常送信処理(57)をする、
無線LANパケット伝送方法。
【請求項2】
前記再送処理(24)において、
前記フレーム・バースト送信したパケットを一意に特定する前記パケットに付した送信識別子を、前記送信したパケットに送信エラーが発生しなかったことを確認するまで蓄積するための送信識別子蓄積処理をする
請求項1の無線LANパケット伝送方法。
【請求項3】
前記再送処理(24)における前記送信識別子の構造が、
識別子管理情報に含まれたステーション情報リストと、前記ステーション情報リストに含まれた少なくとも1つのステーション情報とを含み、前記各ステーション情報は、前記各ステーションを識別するためのアドレスと、前記各ステーション(ST)における再送機能状態と、前記各ステーション(ST)に対する送信情報リストとを含み、前記送信情報リストは、少なくとも1つの送信情報を含み、前記送信情報は伝送エラー判定期間と識別子情報リストを含み、前記識別子情報リストは少なくとも1つの送信識別子情報と、何回目の送信パケットであるかを示すパケット情報とを含んでいる
請求項2の無線LANパケット伝送方法。
【請求項4】
前記再送処理(24)における前記所定の伝送エラー判定期間が、
すくなくとも2つのフレーム期間外を含んでいる
請求項1の無線LANパケット伝送方法。
【請求項5】
前記再送処理(24)において、
前記送信識別子と前記受信識別子とが一致し、パケット・エラーを検出しなかった場合には、前記送信識別子と同じ送信識別子を付したパケットは送信しないようにする
請求項1の無線LANパケット伝送方法。
【請求項6】
複数のステーション(ST)との間で無線LANにより交信するアクセス・ポイント(AP)が、
前記各ステーション(ST)から受信したパケットから受信パケット識別子を分離するための受信識別子分離手段(25)と、
所定の周期毎に割込みを発生するためのタイマ手段(23)と、
前記無線LANに送信するパケットに対してパケット毎に一意な送信パケット識別子を付加する送信識別子付加手段(21)と、
前記タイマ手段(23)において割込みを発生するまで無線で送信するパケットを送信識別子を付して蓄積するためのパケット蓄積手段(22)と、
前記パケット蓄積手段(22)において蓄積されたパケットを最小フレーム間隔かつ確認応答なしで前記各ステーション(ST)に対してフレーム・バースト送信するためのフレーム・バースト送信手段(31)と、
前記フレーム・バースト送信したパケットを一意に特定する前記パケットに付した送信識別子と前記各ステーション(ST)から受信したパケットの受信識別子をもとに、前記フレーム・バースト送信のパケット・エラーを所定の伝送エラー判定期間にわたり検出することによりエラー検出時のパケットを再送すべきパケットとして再送するための再送手段(24)とを含み、
前記各ステーション(ST)は、
前記アクセス・ポイント(AP)から送信されてきたパケットから送信識別子を分離する送信識別子分離手段(53)と、
前記分離した送信識別子を次の送信パケット生成まで保持する識別子保持手段(54)と、
前記保持された送信識別子を、前記アクセス・ポイント(AP)が受信した場合の前記受信識別子として、前記各ステーション(ST)が送信するパケットに付加する受信識別子付加手段(52)と、
前記再送されてきた識別子を付した応答パケットを所定のフレーム間隔かつ確認応答ありで送信するステーション通常送信手段(57)とを含んでいる、
無線LANパケット伝送装置。
【請求項7】
前記再送手段(24)において、
前記フレーム・バースト送信したパケットを一意に特定する前記パケットに付した送信識別子を、前記送信したパケットに送信エラーが発生しなかったことを確認するまで蓄積するための送信識別子蓄積処理をする
請求項6の無線LANパケット伝送装置。
【請求項8】
前記再送手段(24)における前記送信識別子の構造が、
識別子管理情報に含まれたステーション情報リストと、前記ステーション情報リストに含まれた少なくとも1つのステーション情報とを含み、前記各ステーション情報は、前記各ステーションを識別するためのアドレスと、前記各ステーション(ST)における再送機能状態と、前記各ステーション(ST)に対する送信情報リストとを含み、前記送信情報リストは、少なくとも1つの送信情報を含み、前記送信情報は伝送エラー判定期間と識別子情報リストを含み、前記識別子情報リストは少なくとも1つの送信識別子情報と、何回目の送信パケットであるかを示すパケット情報とを含んでいる
請求項7の無線LANパケット伝送装置。
【請求項9】
前記再送手段(24)における前記所定の伝送エラー判定期間が、
すくなくとも2つのフレーム期間外を含んでいる
請求項6の無線LANパケット伝送装置。
【請求項10】
前記再送手段(24)において、
前記送信識別子と前記受信識別子とが一致し、パケット・エラーを検出しなかった場合には、前記送信識別子と同じ送信識別子を付したパケットは送信しないようにする
請求項6の無線LANパケット伝送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2008−187305(P2008−187305A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17216(P2007−17216)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000000181)岩崎通信機株式会社 (133)
【Fターム(参考)】