無電解めっき装置

【課題】生産性の高いバッチ処理方式を採用しながら、比較的簡単な構成で、基板の表面の全域に亘ってめっき液がより均一に流れるようにして、膜厚や膜形状の面内均一性を高めためっき膜を形成できるようにする。
【解決手段】内部に上方に向かうめっき液の流れを形成しつつめっき液を保持するめっき槽80と、複数枚の基板Wを鉛直方向に並列に保持してめっき槽80内のめっき液に浸漬させる基板ホルダ84と、基板ホルダ84で保持してめっき液に浸漬させた各基板Wの周囲をそれぞれ囲繞して、各基板Wの外周部に基板表面に沿っためっき液の流れと連続するめっき液の流れを形成する複数枚のガイド板150,152を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無電解めっき装置に係り、特に生産性の高いバッチ処理方式を採用しながら、半導体ウェーハ等の基板の表面により均一な処理を安定して行うことができるようにした無電解めっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ間の電気的な接続を行う3次元実装として、例えば、図1に示すように、CPU10の所定位置に設けたマイクロバンプ12と、メモリ14の所定位置に設けたマイクロバンプ16を共に電極として用い、マイクロバンプ(電極)12,16を互いに接合することが提案されている。
【0003】
メモリ14に設けたマイクロバンプ16は、例えばCu−Snからなる。CPU10に設けたマイクロバンプ12は、例えばAlまたはCuからなるバンプパッド18の表面に、例えば2〜10μmのNiめっき膜20を成膜し、このNiめっき膜20の表面に、例えば50〜200nmのAuめっき膜22を成膜して形成される。Auめっき膜22は、マイクロバンプ12,16の接合時に、例えばCu−Snからなるマイクロバンプ16へ拡散する。そのため、Auめっき膜22自身は、接合に影響しないが、Niめっき膜20の表面の酸化を防止して接合強度を保つ役割を持つ。
【0004】
また、TSV(Through Silicon Via)配線接続においても、図2に示すように、TSV30の表面側にNiめっき膜32とAuめっき膜34とを順次積層して形成した表面バンプ36と、TSV30の裏面側に形成した裏面バンプ38とを互いに接合することが提案されている。
【0005】
上記のような、Niめっき膜20,32やAuめっき膜22,34を成膜する手法として、電解めっきに代わって、無電解めっきの採用が検討されている。また、NiやAuの他に、無電解めっき可能なCo,Pd,Pt,Cu,Sn,Ag,Rh,Ru等の単体材料および複合材料からなるめっき膜にあっても、電解めっきに代わって、無電解めっきの採用が検討されている。
【0006】
図1に示す、マイクロバンプ12の下地金属(バンプパッド18)には、AlやCu等が多く使われている。AlやCuは、Fe,Co,Ni,Pd,Pt等のような触媒金属ではない。このため、めっき前処理として、下地金属がAlの場合はジンケート処理が、下地金属がCuの場合はPd触媒付与処理(または初期通電)が一般に行われる。Al表面のジンケート処理では、一般に、置換めっきによってAl表面に亜鉛を付与する。無電解めっきに際して、亜鉛は、無電解めっき可能な触媒金属に置換される。
【0007】
無電解めっき装置は、一般に、基板を一枚ずつ処理する枚葉処理方式を採用した無電解めっき装置と、複数枚の基板を同時に保持して処理するバッチ処理方式を採用した無電解めっき装置に大別される。無電解めっきのめっきレートは、一般に1〜20μm/sで、電解めっきのめっきレートと比較して格段に遅い。このため、無電解めっきをバンプ形成等の多大な時間を要する処理に適用する場合には、枚葉処理方式よりバッチ処理方式を検討するのが一般的である。バッチ処理方式の無電解めっき装置は、同一フットプリントでのスループットが枚葉処理方式のものに比べて非常に高いという利点がある。
【0008】
バッチ処理方式を採用した基板処理装置として、出願人は、複数枚の基板を保持して処理槽内の処理液に浸漬させる基板ホルダを、複数枚の基板を保持したまま処理槽内の処理液中で回転させるようにしたものを提案している(特許文献1参照)。また、平板状の被めっき物表面に、均一な液流動を生じさせる無電解めっき槽として、被めっき物の両側に配置され同一方向に回転することにより被めっき物と案内板との間にめっき液の流れを形成する一対のインペラーを備え、このインペラーの回転方向を周期的に反転させるようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−57593号公報
【特許文献2】特開平5−311450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
無電解めっきでは、被めっき物としての基板の表面に沿っためっき液の流れの状態が、基板の表面に形成されるめっき膜の膜厚や膜形状に大きく影響することが知られている。
【0011】
従来のバッチ処理方式を採用した無電解めっき装置としては、図3に示すように、側板40に水平に設けた複数の支持棒42で複数枚の基板Wを下方から支持して鉛直方向に並列に保持する基板ホルダ44を備え、図示しないめっき槽内を上向きに流れるめっき液中に、基板ホルダ44で保持した複数枚の基板を同時に浸漬させるようにしたものが広く知られている。
【0012】
このように、上向きに流れるめっき液中に基板ホルダ44で鉛直方向に並列に保持した複数枚の基板Wを同時に浸漬させると、図4に示すように、基板Wの下部にあっては、基板Wとの衝突によって基板から離れる方向に向かうめっき液の流れが、基板Wの上部にあっては、めっき液の回り込みによって、互いに近づく方向に向かうめっき液の流れがそれぞれ生じる。このように、基板Wの外周部でめっき液の流れに乱れが生じると、基板Wの表面に形成されるめっき膜の膜厚や膜形状が基板の中心部と外周部で異なってしまう。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、生産性の高いバッチ処理方式を採用しながら、比較的簡単な構成で、基板の表面の全域に亘ってめっき液がより均一に流れるようにして、膜厚や膜形状の面内均一性を高めためっき膜を形成できるようにした無電解めっき装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、内部に上方に向かうめっき液の流れを形成しつつめっき液を保持するめっき槽と、複数枚の基板を鉛直方向に並列に保持して前記めっき槽内のめっき液に浸漬させる基板ホルダと、前記基板ホルダで保持しためっき液に浸漬させた各基板の外周部をそれぞれ囲繞して、各基板の外周部に基板表面に沿っためっき液の流れと連続するめっき液の流れを形成する複数枚のガイド板を有することを特徴とする無電解めっき装置である。
【0015】
このように、めっき液に浸漬させた基板の外周部に基板表面に沿っためっき液の流れと連続するめっき液の流れを形成することで、基板の外周部にめっき液の流れに乱れが生じることを防止して、基板の表面に、膜厚や膜形状のより面内均一性を高めためっき膜を形成することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記基板ホルダで保持される基板と該基板の周囲を囲繞する前記ガイド板との距離は、1〜10mmであることを特徴とする請求項1記載の無電解めっき装置である。
前記基板ホルダで保持される基板と該基板の周囲を囲繞する前記ガイド板との距離は、可能な限り狭いことが望ましいが、加工精度等を考慮すると、1〜10mmであることが好ましい。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記複数枚のガイド板は、互いに隣接するガイド板間に配置されて鉛直方向に直線状に延びる複数枚の連結板で互いに平面格子状に連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の無電解めっき装置である。
これにより、基板の側方を上方に向かって流れるめっき液の流れに乱れが生じること連結板で防止しつつ、ガイド板自体の強度及び安定性を増大させることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記ガイド板は、基板ホルダで保持してめっき槽内のめっき液に浸漬させた基板の下半分の周囲を囲繞する下側ガイド板と、基板の上半分の周囲を囲繞する上側ガイド板とからなり、前記下側ガイド板は前記基板ホルダに、前記上側ガイド板は前記めっき槽の上端開口部を開閉する蓋体の裏面にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無電解めっき装置である。
【0019】
請求項5に記載の発明は、前記ガイド板は、基板ホルダで保持してめっき槽内のめっき液に浸漬させた基板の下半分の周囲を囲繞する下側ガイド板と、基板の上半分の周囲を囲繞する上側ガイド板とからなり、前記下側ガイド板は前記めっき槽の内部に、前記上側ガイド板は前記めっき槽の上端開口部を開閉する蓋体の裏面にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無電解めっき装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の無電解めっき装置によれば、基板の外周部に基板表面に沿っためっき液の流れと連続するめっき液の流れを形成することで、基板の外周部にめっき液の流れに乱れが生じることを防止して、基板の表面に、膜厚や膜形状のより面内均一性を高めためっき膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】マイクロバンプの接合例を示す断面図である。
【図2】TSV配線の接続例を示す断面図である。
【図3】従来の無電解めっき装置に使用されている基板ホルダを示す斜視図である。
【図4】上向きに流れるめっき液中に、図3で示す基板ホルダで保持した複数枚の基板を同時に浸漬させた時のめっき液の流れを示す図である。
【図5】バンプパッドの表面にNiめっき膜及びAuめっき膜を無電解めっきで形成する例を工程順に示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態の無電解めっき装置を有する無電解めっきシステムの全体を示す縦断正面図である。
【図7】無電解Niめっき装置のNiめっき槽と基板ホルダを示す概略縦断正面図である。
【図8】無電解Niめっき装置のNiめっき槽と基板ホルダを示す概略側断面図である
【図9】Niめっき槽の上端開口部を開閉する蓋体を示す模式図である。
【図10】上向きに流れるめっき液中に、下側ガイド板及び上側ガイド板で周囲を囲繞した複数枚の基板を同時に浸漬させた時のめっき液の流れを示す図である。
【図11】図6に示す無電解めっきシステムによる一連の処理を示すブロック図である。
【図12】無電解Niめっき装置の他のNiめっき槽と基板ホルダを示す概略縦断正面図である。
【図13】無電解Niめっき装置の他のNiめっき槽と基板ホルダを示す概略側断面図である。
【図14】下側ガイド板の連結板で連結して構成した平面格子状の下側ガイド板構造体を示す斜視図である。
【図15】下側ガイド板構造体と上側ガイド板構造体で基板の周囲を囲繞した状態を示す正面図である。
【図16】図15のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の例において、同一または相当部材には、同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0023】
以下の例では、図5(a)に示すように、例えば直径Dが数μmのAlからなるバンプパッド50を設けた半導体ウェーハ等の基板Wを用意する。そして、図5(b)に示すように、この基板Wの表面に、めっき前処理としてのジンケート処理を行って、バンプパッド50の表面に置換めっきにより亜鉛めっき膜52を形成し、この亜鉛めっき膜52の表面に、無電解めっきによって、例えば1.6μmのNiめっき膜54を形成し、このNiめっき膜54の表面に、無電解めっき(置換めっき)によって、例えば0.1μmのAuめっき膜56を形成するようにしている。
【0024】
図6は、本発明の実施形態の無電解めっき装置を有する無電解めっきシステムの全体を示す縦断正面図である。図6に示すように、この無電解めっきシステムは、前洗浄槽60、水洗槽62及び基板ホルダ64を有する前洗浄装置66と、ジンケート処理槽70、水洗槽72及び基板ホルダ74を有するジンケート処理装置76と、Niめっき槽80、水洗槽82及び基板ホルダ84を有する、本発明の実施形態の無電解Niめっき装置86と、Auめっき槽90、水洗槽92及び基板ホルダ94を有する、本発明の他の実施形態の無電解Auめっき装置96と、乾燥ユニット100及び基板ホルダ102を有する乾燥装置104を備えている。
【0025】
更に、これらの基板ホルダ64,74,84,94,104と平行に、ガイド106に沿って走行自在な基板保持具108を有し、複数枚の基板を同時に搬送して各基板ホルダ64,74,84,94,104との間で複数枚の基板の受け渡しを行う装置間基板搬送装置110が配置されている。
【0026】
図7は、無電解Niめっき装置86のNiめっき槽80と基板ホルダ84を示す概略縦断正面図で、図8は、同じく概略側断面図である。図7及び図8に示すように、Niめっき槽80は、処理液としてのNiめっき液を内部に保持する、内槽120と外槽122とを有しており、内槽120と外槽122との間にオーバフロー槽124が形成されている。Niめっき槽80のオーバフロー槽124の底部には、ポンプ126、温度調整器128及びフィルタ130を介装しためっき液循環ライン132の一端が接続され、このめっき液循環ライン132の他端は、内槽120の底部に接続されている。更に、内槽120の底部には、めっき液の流れを整える整流板134が配置されている。
【0027】
これによって、Niめっき槽80内のNiめっき液(処理液)は、ポンプ126の駆動に伴って、フィルタ130でフィルタリングされ、温度調整器128で、例えば80℃に温度が調整されながら、内槽120の内部を上方に向かって流れ、オーバフロー槽124内に流入して循環するようになっている。
【0028】
Auめっき槽90は、処理液としてAuめっき液を使用し、Auめっき液(処理液)の温度を、例えば75℃に調整する以外は、Niめっき槽80とほぼ同様な構成を有している。前洗浄槽60は、処理液として、例えば一般に温度を調整する必要がない(常温で使用される)硝酸(前洗浄液)を使用し、温度調整器128を省略している点以外は、Niめっき槽80とほぼ同様な構成を有している。ジンケート処理槽70は、処理液として、例えば水酸化ナトリウムベースの酸化亜鉛含有液からなるジンケート液を使用し、ジンケート液(処理液)の温度を、例えば50℃に調整する以外は、Niめっき槽80とほぼ同様な構成を有している。
【0029】
Niめっき槽80の上端には、Niめっき槽80の上端開口部を閉塞して、内部に保持したNiめっき液の蒸発を防止する蓋体136がヒンジ138(図9参照)を介して開閉自在に設けられている。このことは、Auめっき槽90にあっても同様である。
【0030】
図7及び図8に示すように、無電解Niめっき装置86の基板ホルダ84は、側板140と、側板140に一端を取り付けて水平方向に延び、複数枚の基板Wを下方から支持する複数の支持棒142を有している。これにより、基板ホルダ84は、基板Wを支持棒142で下方から支持して、複数枚(例えば50枚)の基板Wを並列に保持するようになっている。
【0031】
支持棒142で下部を支持して基板ホルダ84で保持される基板Wの下半分の周囲を囲繞する位置には、下側ガイド板150が支持棒に142に固定して配置されている。下側ガイド板150の厚さは、基板Wの厚さと同じ厚さに設定され、これによって、基板ホルダ84で保持される基板Wの表面及び裏面と該基板Wの下半分の周囲を囲繞する下側ガイド150の表面及び裏面は、共に同一平面をなすようになっている。
【0032】
また、基板ホルダ84で保持される基板Wと該基板Wの下半分の周囲を囲繞する下側ガイド板150との距離は、1〜10mmに設定されている。この基板ホルダ84で保持される基板Wと該基板Wの下半分の周囲を囲繞する下側ガイド板150との距離は、可能な限り狭いことが望ましいが、加工精度等を考慮すると、1〜10mmであることが好ましい。
【0033】
一方、Niめっき槽80の上端開口部を開閉する蓋体136の裏面には、図9に模式図で示すように、蓋体136を閉めた時に、基板ホルダ84で保持される基板Wの上半分の周囲を囲繞する位置に位置して、上側ガイド板152が取り付けられている。この上側ガイド板152の厚さは、下側ガイド板150と同様に、基板Wの厚さと同じ厚さに設定され、また基板ホルダ84で保持される基板Wと該基板Wの上半分の周囲を囲繞する上側ガイド板152との距離は、1〜10mmに設定されている。このことは、Auめっき槽90にあっても同様である。
【0034】
これによって、基板ホルダ84で保持した複数枚の基板WをNiめっき槽80内のめっき液に浸漬させて、蓋体136を閉じた時に、基板ホルダ84で保持した各基板Wは、下側ガイド板150と上側ガイド板152で、そのほぼ全周囲を囲繞されるようになっている。
【0035】
このように、基板ホルダ84で保持した各基板Wのほぼ全周囲を下側ガイド板150と上側ガイド板152で囲繞した状態で、Niめっき槽80の内部にめっき液の上向きの流れを形成すると、図10に示すように、各基板Wの外周部に基板Wの表面に沿っためっき液の流れと連続するめっき液の流れが形成される。つまり、下側ガイド板150の下部にあっては、下側ガイド板150との衝突によって基板から離れる方向に向かうめっき液の流れが、上側ガイド板152の上部にあっては、めっき液の回り込みによって、互いに近づく方向に向かうめっき液の流れがそれぞれ生じるが、これらのめっき液の流れは、基板Wの外周部に沿って流れるめっき液の流れに影響を与えることはない。
【0036】
このように、基板Wの外周部に基板Wの表面に沿っためっき液の流れと連続するめっき液の流れを形成することで、基板の外周部にめっき液の流れに乱れが生じることを防止して、基板Wの表面に、膜厚や膜形状のより面内均一性を高めためっき膜を形成することができる。
【0037】
なお、無電解Auめっき装置96の基板ホルダ94も、上記無電解Niめっき装置86の基板ホルダ84と同様な構成を有している。前洗浄装置66の基板ホルダ64、ジンケート処理装置76の基板ホルダ74、及び乾燥装置104の基板ホルダ102は、上記無電解Niめっき装置86の基板ホルダ84の下側ガイド板150を除いた構成を有している。
【0038】
次に、この例の無電解めっきシステムによる、一連の処理を、図11を参照して説明する。
【0039】
先ず、前洗浄装置66の基板ホルダ64は、装置間基板搬送装置110の基板保持部108から複数枚の基板Wを同時に受け取って鉛直方向に保持する。そして、基板ホルダ64を下降させて、基板ホルダ64で保持した複数枚の基板Wを、前洗浄槽60内の処理液(硝酸)に、例えば1分間浸漬させ、これによって、基板Wの表面の酸化膜を除去する。
【0040】
次に、基板ホルダ64で保持した複数枚の基板Wを、前洗浄槽60内の処理液(硝酸)から引き上げ、水洗槽62の直上方に移動させる。そして、基板ホルダ64を下降させて、基板ホルダ64で保持した複数枚の基板Wを、水洗槽60内の処理液(純水)に、例えば5分間浸漬させ、これによって、基板Wの表面を水洗する。しかる後、基板ホルダ64で保持した複数枚の基板Wを、水洗槽60内の処理液(純水)から引き上げる。
【0041】
次に、基板ホルダ64で鉛直方向に保持した複数枚の基板Wを、装置間基板搬送装置110の基板保持具108を経由して、ジンケート処理装置76の基板ホルダ74に受け渡す。そして、基板ホルダ74を下降させて、基板ホルダ74で保持した複数枚の基板Wを、ジンケート処理槽70内の処理液(ジンケート液)に、例えば30秒浸漬させ、これによって、Alからなるバンプパッド50(図5参照)の表面の1回目のジンケート処理を行う。そして、基板ホルダ74で保持した複数枚の基板Wを、ジンケート処理槽70内の処理液(ジンケート液)から引き上げる。
【0042】
次に、前述とほぼ同様に、基板ホルダ74で保持した複数枚の基板Wを、水洗槽72の直上方に移動させる。そして、基板ホルダ74を下降させて、基板ホルダ74で保持した複数枚の基板Wを、水洗槽72内の処理液(純水)に、例えば1分間浸漬させ、これによって、基板Wの表面を水洗する。しかる後、基板ホルダ74で保持した複数枚の基板Wを水洗槽72内の処理液(純水)から引き上げる。
【0043】
上記基板の硝酸中への浸漬及びその後の水洗、ジンケート液中への浸漬及びその後の水洗を1サイクルとして、このサイクルを2回繰返し、これによって、いわゆるダブルジンケート処理を行う。このように、ダブルジンケート処理を行うことで、Alからなるバンプパッド50(図5参照)の表面に、1回目のジンケート処理で粗く付与された亜鉛(亜鉛めっき膜)を硝酸で除去し、しかる後、バンプパッド50の表面を、2回目のジンケート処理で細かく亜鉛に置換することができる。これによって、図5(b)に示す亜鉛めっき膜52を形成する。
【0044】
次に、ダブルジンケート処置後の基板を、装置間基板搬送装置110の基板保持具108を経由して、無電解Niめっき装置86の基板ホルダ84に受け渡す。そして、前述のジンケート処理とほぼ同様にして、基板ホルダ84で鉛直方向に保持した複数枚の基板を、Niめっき槽80内の、例えば液温が80℃のNiめっき液に、例えば50分間浸漬させ、これによって、図5(b)に示すNiめっき膜54を形成する。
【0045】
このめっき時に、ポンプ126を駆動することで、めっき液循環ライン132を通して、図10に示すように、Niめっき槽80の内部に上向きのめっき液の流れを形成する。すると、基板ホルダ84で保持した各基板は、前述のように、下側ガイド板150と上側ガイド板152でほぼ全周囲を囲繞された状態で、Niめっき槽80の内部にめっき液に浸漬されているため、各基板の外周部に基板の表面に沿っためっき液の流れと連続するめっき液の流れが形成される。これによって、基板の表面に、膜厚や膜形状のより面内均一性を高めたNiめっき膜54が形成される。このことは、下記のAuめっき膜にあっても同様である。しかる後、Niめっき後の基板を、水洗槽82内の処理液(純水)に、例えば5分間浸漬させて水洗する。
【0046】
次に、Niめっき後の基板を、装置間基板搬送装置110の基板保持具108を経由して、無電解Auめっき装置96の基板ホルダ94に受け渡す。そして、前述のジンケート処理とほぼ同様にして、基板ホルダ94で鉛直方向に保持した複数枚の基板を、Auめっき槽90内の、例えば液温が75℃のAuめっき液に、例えば10分間浸漬させ、これによって、図5(b)に示すAuめっき膜56を形成する。しかる後、Auめっき後の基板を、水洗槽92内の処理液(純水)に、例えば5分間浸漬させて水洗する。
【0047】
次に、Auめっき後の基板を、装置間基板搬送装置110の基板保持具108で保持して乾燥装置104の基板ホルダ102に受け渡す。そして、乾燥ユニット100で、例えばエアブローまたはIPA(イソプロピルアルコール)蒸気を使用した乾燥方法で基板ホルダ102で保持した基板を乾燥させる。
【0048】
そして、乾燥後の基板を装置間基板搬送装置110の基板保持具108で受け渡って次工程に搬送する。これにより、一連の無電解めっき処理を終了する。
【0049】
なお、図12及び図13に示すように、下側ガイド板150を、Niめっき槽80の内槽120の下部内周面に固定して、基板ホルダ84で保持した基板WをNiめっき槽80内のめっき液に浸漬させた時に、基板Wの周囲の下半分をNiめっき槽80の内槽120に固定した下側ガイド板150で囲繞するようにしてもよい。このことは、Auめっき槽90にあっても同様である。
【0050】
また、図14及び図15に示すように、互いに隣り合う下側ガイド板150の間に位置して鉛直方向に直線状に延びる複数枚の連結板154で下側ガイド板150を連結して構成した平面格子状の下側ガイド板構造体156と、互いに隣り合う上側ガイド板152の間に位置して鉛直方向に直線状に延びる複数枚の連結板(図示せず)で下側ガイド板152を連結して構成した平面格子状の上側ガイド板構造体158で、支持棒142で下方を支持し基板ホルダ84で保持してNiめっき槽80内のめっき液に浸漬させた各基板Wの周囲を包囲するようにしてもよい。
【0051】
このように、平面格子状の下側ガイド板構造体156及び上側ガイド板構造体158でNiめっき槽80内のめっき液に浸漬させた各基板Wの周囲を包囲することで、図16に示すように、基板Wの側方に格子状の流路を形成して、基板Wの側方を上方に向かって流れるめっき液の流れに乱れが生じることを連結板156で防止することができる。しかも、下側ガイド板構造体156にあっては、下側ガイド板150を連結板156で補強して、下側ガイド板150自体の強度及び安定性を増大させることができる。このことは、上側ガイド板構造体158にあっても同様である。
【0052】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
50 バンプパッド
52 亜鉛めっき膜
54 Niめっき膜
56 Auめっき膜
60 前洗浄槽
62,72,82,92 水洗槽
64,74,84,94,102 基板ホルダ
66 前洗浄装置
70 ジンケート処理槽
76 ジンケート処理装置
80 Niめっき槽
86 無電解Niめっき装置
90 Auめっき槽
96 無電解Auめっき装置
100 乾燥ユニット
104 乾燥装置
108 基板保持具
110 装置間基板搬送装置
128 温度調節器
130 フィルタ
132 めっき液循環ライン
136 蓋体
140 側板
142 支持棒
150 下側ガイド板
152 上側ガイド板
154 連結板
156 上側ガイド板構造体
158 下側ガイド板構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に上方に向かうめっき液の流れを形成しつつめっき液を保持するめっき槽と、
複数枚の基板を鉛直方向に並列に保持して前記めっき槽内のめっき液に浸漬させる基板ホルダと、
前記基板ホルダで保持してめっき液に浸漬させた各基板の周囲をそれぞれ囲繞して、各基板の外周部に基板表面に沿っためっき液の流れと連続するめっき液の流れを形成する複数枚のガイド板を有することを特徴とする無電解めっき装置。
【請求項2】
前記基板ホルダで保持される基板と該基板の周囲を囲繞する前記ガイド板との距離は、1〜10mmであることを特徴とする請求項1記載の無電解めっき装置。
【請求項3】
前記複数枚のガイド板は、互いに隣接するガイド板間に配置されて鉛直方向に直線状に延びる複数枚の連結板で互いに平面格子状に連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の無電解めっき装置。
【請求項4】
前記ガイド板は、基板ホルダで保持してめっき槽内のめっき液に浸漬させた基板の下半分の周囲を囲繞する下側ガイド板と、基板の上半分の周囲を囲繞する上側ガイド板とからなり、
前記下側ガイド板は前記基板ホルダに、前記上側ガイド板は前記めっき槽の上端開口部を開閉する蓋体の裏面にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無電解めっき装置。
【請求項5】
前記ガイド板は、基板ホルダで保持してめっき槽内のめっき液に浸漬させた基板の下半分の周囲を囲繞する下側ガイド板と、基板の上半分の周囲を囲繞する上側ガイド板とからなり、
前記下側ガイド板は前記めっき槽の内部に、前記上側ガイド板は前記めっき槽の上端開口部を開閉する蓋体の裏面にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無電解めっき装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−104120(P2013−104120A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250435(P2011−250435)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】