説明

照射装置

【課題】簡単に照度を高めることができる照射装置を提供すること。
【解決手段】光を放射する装置光源4と、装置光源4の光を均一化して出力するインテグレータ光学系を構成するガラスロッド18と、ガラスロッド18の出射光を試験対象物に投射する光学素子であるレンズユニット20とを備えた照射装置において、レンズユニット20と試験対象物の間に、クローズアップレンズ81を設けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、均一な照度で照射する照射装置に係り、特に、高照度化を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光と略同じスペクトル特性を有した光(以下、「擬似太陽光」と言う)を照射する擬似太陽光装置が知られており、この擬似太陽光装置は、太陽電池の発電効率等の特性評価や各種装置等の耐光試験等に広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、太陽電池の分野では、太陽電池の一種として色素増感型太陽電池が知られている(例えば、B.O’Regan and M.gratzel:Nature353(1991)737参照)。色素増感型太陽電池は、Si太陽電池に比べて光電変換効率が低いものの、Si太陽電池で必要な半導体製造装置のような大掛かりな設備が要らないため安価に製造でき、また構造が単純で量産し易いことから、消費電力が小さな機器の電力源等に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−264991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、色素増感型太陽電池は、既存のシリコン太陽電池に比べて、室内光源下や低照度下では高い変換効率が得られるため、室内で使用される機器への適用が進められている。
したがって、この色素増感型太陽電池の特性評価や試験を行うために、色素増感型太陽電池に合わせた光量の光を照射する照射装置を構成すると、この照射装置では、室外の太陽光で発電するSi太陽電池を試験するには光量が低すぎる。そこで光量を増大させるには、光源となるランプを交換して出力を上げたりする必要があるが、それに伴い、照度ムラを無くすために、光学系の配置位置の再調整等の煩雑な作業が必要となる。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単に照度を高めることができる照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、光を放射する光源と、前記光源の光を均一化して出力するインテグレータ光学系と、前記インテグレータ光学系の出射光を試験対象物に投射する光学素子とを備えた照射装置において、前記光学素子と前記試験対象物の間に、クローズアップレンズを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インテグレータ光学系の出射光を試験対象物に投射する光学素子と試験対象物の間に、クローズアップレンズを設けたので、クローズアップレンズによって得られる高照度かつ照度ムラのない光を対象物に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る照射装置の概略構成を示す図である。
【図2】照射台を斜め上方から見た図である。
【図3】(A)は照度計の受光部を受光部ホルダーと共に示す斜視図、(B)はその側断面図である。
【図4】(A)は照射台に受光部を装着した状態を示す図、(B)はその側断面図である。
【図5】調光装置の正面側斜視図である。
【図6】調光装置の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は上面図、(D)は側面図である。
【図7】高照度用光学系を周辺構成と共に模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る照射装置1の概略構成を示す図である。
この照射装置1は、Si太陽電池、化合物太陽電池、有機薄膜太陽電池、及び色素増感型太陽電池の特性評価試験の光源に用いられる装置であり、評価対象がSi太陽電池の場合には擬似太陽光を照射し、また評価対象が色素増感型太陽電池の場合には照明光を照射する。この照明光は、室内照明灯具の光源の光を模した光である。本実施形態では、室内照明灯具の光源の照射光として、蛍光灯の光、白色LEDの光、及びハロゲンランプの光がそれぞれ選択的に照射可能に構成されている。なお、室内照明灯具の光源、或いは屋内照明光源として、上記以外の光源としても良く、また街路灯等の屋外照明灯具の光源の光を模した光を照明光としても良いことは勿論である。
【0010】
照射装置1は、図1に示すように、箱形の筐体2を備える。この筐体2には、装置光源4と、試験対象たる試料(本実施形態ではSi太陽電池、あるいは色素増感型太陽電池)14を載置する試料台6と、装置光源4の光を試料台6に導き試験対象物に照射する導光用光学系8とが内設されており、さらに、装置光源4と導光用光学系8との間に調光装置70が配置されるとともに、導光用光学系8と試料台6との間に高照度を得るための高照度用光学系80が配置されている。
この高照度用光学系80は、照射装置1から着脱可能に構成され、測定者が必要な時に外から設置し、不必要なときに外すことが可能である。また、筐体2外には、操作タッチパネル71が配置されている。この操作タッチパネル71は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)制御装置72を介して、当該装置1や装置光源4のランプ10のON/OFF、照度計設置時の照度表示、調光操作、減光率の表示、エラー表示等を行う。なお、後述の外部PC(パーソナルコンピュータ)75でも同じ操作が可能である。
装置光源4は、ランプ10と、ランプ10の放射光を集光する反射鏡12とを備え、上方(鉛直上向き方向)に向けて光を出力するように構成されている。ランプ10は、全波長域でブロードなスペクトル特性を有し、例えばキセノンランプやハロゲンランプが用いられ得るが、ハロゲンランプは短波長側(約400〜500nm以下の波長)でのスペクトル成分が他の波長域よりも小さいため、本実施形態ではキセノンランプを用いることとしている。
【0011】
ここで、本実施形態において、上記の全波長域が指す波長帯域は、照射装置1で行われる各種の試験のそれぞれで必要な各帯域を含む帯域である。例えば、太陽電池の特性評価にあっては、Si結晶系の太陽電池を試験対象とした場合、擬似太陽光として400nm〜1100nmの帯域の光が要求され、また、Siアモルファス系の太陽電池を試験対象とした場合には、擬似太陽光として350nm〜750nmの帯域の光が要求され、さらに、色素増感型太陽電池の場合は照射光として400nm〜900nmの帯域の光が要求される。したがって、これらの試験を照射装置1で行う場合には、350nm〜1100nmの波長帯域が全波長域に相当し、かかる全波長域にブロードなスペクトル特性の光を装置光源4が放出する。
【0012】
試料台6は、試料14を載置する平らな照射台6Aと、照射台6Aを柱部6Bを介して支える台座6Cとを有する。この試料台6の真上には、試料台6から最大約650mm離れた位置に光の出射開口16が設けられており、この出射開口16から順次拡がる光が試料台6に照射される。この試料台6は、昇降機構7によって出射開口16に向けて高さ位置を調整可能に支持されており、これにより試料台6での光照射の照射範囲を調整できるようになっている。
昇降機構7は、電動モータ等で構成される昇降駆動部7Aによって駆動され、試料台6の台座6Cを昇降させる。本実施形態では、この昇降駆動部7Aが、装置内部に設けられたPLC制御装置72を介して外部PC75によって制御される。また、この外部PC75には、出射開口16からの光の照度を測定する照度計(図1中、符号7Bは照度計の受光部を示し、符号7Cは照度計本体を示す)がPLC制御装置72を介して接続される。外部PC75は、試料14或いは試験内容に応じて目標照度を設定し、照度計の測定照度が目標照度になるように昇降駆動部7Aをフィードバック制御することにより、試料14の照度を目標照度に調整する。なお、操作タッチパネル71の操作で同じ操作(試料台6の昇降操作)を可能にしても良い。
また、照射台6Aは脱着可能に構成されている。これは、例えば、照射エリア内の照度分布を確認する場合、測定者が照度計の受光部7Bを容易に測定点(例えば面内25点)且つ測定高さが位置決めができる溝がついた専用台に交換可能にするためである。
【0013】
図2は照射台6Aを斜め上方から見た図であり、図3(A)は照度計の受光部7Bを受光部ホルダー5と共に示す斜視図であり、図3(B)はその側断面図である。また、図4(A)は照射台6Aに受光部7Bを装着した状態を示す図であり、図4(B)はその側断面図である。
図2に示すように、照射台6Aの照射部中心には、上下に貫通する貫通穴部H1が設けられており、この貫通穴部H1は、直線状に延びる長溝H2と、長溝H2の長手方向中央に設けられる円形穴部H3とを有する。照度計の受光部7Bは、専用の受光部ホルダー5(図3(A)(B)参照)に固定される。図3(A)(B)に示すように、受光部ホルダー5は、受光部7Bの周囲を囲う円筒部材5Aと、円筒部材5A内の受光部7Bを下方から抑える押さえ部材5Bとを有し、この受光部ホルダー5の側部からは受光部7Bにつながる照度計ケーブル5Cが引き出される。
【0014】
この受光部ホルダー5の外形状は、照射台6Aの円形穴部H3に嵌る形状とされ、これによって、受光部7Bは、受光部ホルダー5を介して試料台6の照射部中心表面(照射台6Aの照射部中心表面)に埋没するように嵌る。この構成により、受光部7Bの上面に設けられたセンサ面が試料台6の表面と略同じ高さとなり、試料台6表面の照度を精度良く検出することができる。
この場合、受光部ホルダー5から側方に引き出される照度計ケーブル5Cは、貫通穴部H1の長溝H2を通ることによって試料台6から容易に外に引き出される。また、受光部ホルダー5の円筒部材5Aの外周には、環状のシール部材5Dが装着されていて、このシール部材5Dによって受光部ホルダー5と照射台6Aとの間の隙間が閉塞されると共に受光部ホルダー5が抜け止めされる。なお、照度計の受光部7Bを完全に埋没する構成に限らず、センサ面が試料台6に載置された試料14の表面と略同じ高さとなるように一部を試料台6から突出させても良い。この場合、照度計によって、試料14の表面の照度を精度良く検出することができる。照度計の受光部7Bが固定された受光部ホルダー5は、照射台6Aから着脱自在に構成され、中心照度を測定したい時のみ使用することができる。
【0015】
また、この照射装置1は、試料14である太陽電池に触針して電気的に接続されるプローブPを具備している。このプローブPは、試料台6下方に設けられた電気計測器76からケーブル配線穴77を通って延び、照射台6Aの裏側に位置する台座6Cにある小径の穴部6Dを通った後に照射測定空間内に向けて進入する。この場合、このプローブPは、台座6Cの穴部6Dを通った後に照射台6Aの周囲を通るように引き回され、照射台6Aの表側に位置する試料14にコンタクトする可動プローブとして構成されている。この小径の穴部6Dは、照射台6Aの裏側に位置し、且つ、プローブPを通す必要最小限の大きさに形成される。このように照射台6A裏側にある必要最小限の穴部6DからプローブPを進入させることで、試料14である太陽電池のセルに装置外光が影響しないようにしている。
【0016】
導光用光学系8は、装置光源4の光の照度分布及び色分布を均一にして、照射面での照度ムラ及び色ムラの発生を抑制するものであり、インテグレータ光学素子の一つであるガラスロッド(ロッドインテグレータ)18と、レンズユニット20とを備え、これらが同一の光軸上に配置されている。装置光源4の光軸K1上には、装置光源4の光の進行方向を水平方向に変えるミラー22が配置されており、当該ミラー22での反射光がガラスロッド18の入射端面18Aに入射される。
ガラスロッド18は、装置光源4の光を均一化して出力するインテグレータ光学系を構成し、出射端面18Bから照度ムラの無い光を出力してレンズユニット20に入射させる。レンズユニット20は、ガラスロッド18の出射面での均一な照度分布の出射光を試験対象物である試料14に投射する光学素子を構成し、また入射光線のビーム径を拡大して出力する。このレンズユニット20は、投影レンズ位置調整機構43に担持されており、投影レンズ位置調整機構43は、光軸K2に沿って延びるレールを介してレンズユニット20を光軸K2方向に可動して位置を調整する。
当該レンズユニット20の出射端20Aの光軸K2上には、レンズユニット20の光の進行方向を直下方向に変えるミラー24が配置されている。このミラー24の反射光の光軸K3上には上記試料台6が位置し、これにより、ミラー24の直下に設置された試料台6に光が導かれて照射される。調光装置70及び高照度用光学系80については後述する。
【0017】
次いで、筐体2の構造について説明すると、筐体2の内部は、大別して、装置光源4を点灯する電気回路などの各種の電気回路を収めた電気部品室30と、装置光源4を収めた光源室32と、導光用光学系8を収めた光学系室34と、試料台6を収めた試料設置室36と、PLC制御装置72、電気計測器76及び照度計本体7Cを収めた機器室37とに仕切られている。
電気部品室30及び光源室32は上下に積層配置され、それらと横並びに隣接して試料設置室36が配置され、また、光源室32及び試料設置室36の上には、これら光源室32から試料設置室36に亘って光学系室34が設けられている。かかる構成においては、装置光源4、導光用光学系8、及び試料台6が門型(下方開放のコ字状)に配置されるため、照射装置1の幅寸法を抑えた小型な装置となる。
電気部品室30、光源室32及び光学系室34のそれぞれには、メンテナンス用の開閉扉40A〜40Cが設置されている。また、電気部品室30には内部冷却用のプロペラファン50が設けられ、光学系室34には、ランプ冷却用ファン52と、フィルタ冷却用ファン53とが設けられ、試料設置室36にはフード内排気ファン54が設けられている。なお、ランプ冷却用ファン52の冷却風は、装置内部に設けられた不図示のチューブとノズルを介して最も冷却が必要なランプ10の陰極口金部に向けて供給される。
【0018】
光源室32には、装置光源4を光軸K1に沿って昇降し、また光軸K1に対して垂直方向に移動して位置決め自在にするXYZ可動調整ステージ42が設けられている。また、光源室32の直上には、ランプ位置出し用のモニター部56が配置されている。ランプ位置出し用のモニター部56は、目視観測により、或いは、照度計等を用いた方法によりランプ位置出しを行うためのものである。ランプ10の交換時などには、XYZ可動調整ステージ42により装置光源4の位置を調整することで、装置光源4の光軸K1が所定の位置に合わせられる。
【0019】
図5は調光装置70の正面側斜視図である。また図6は調光装置70の構成を示す図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は背面図、図6(C)は上面図、図6(D)は側面図である。
調光装置70は、光軸K2上に配置され、入射する光を調光するものであり、本実施形態では、更に、スペクトル特性を変更する機能も備えている。すなわち、調光装置70は、図5及び図6に示すように、光軸K2に沿う照射光が通過する切り欠き187A(図6(B)参照)を有する装置基板187を備え、この装置基板187に、1枚の金属調光板164と、複数枚(図示例では3枚)のフィルタホルダ162とが上記光軸K2に沿って積層配置されている。
【0020】
金属調光板164は、スリット182(図6(A)参照)を有し、このスリット182により当該金属調光板164を通過する光量を絞る。フィルタホルダ162は、光学フィルタを担持する部材であり、本実施形態では、透過率を調整するNDフィルタ(減光板)62を担持する複数枚(2枚)のNDフィルタホルダ162Aと、スペクトル特性を調整するスペクトル補正フィルタ64を担持した一枚の補正フィルタホルダ162Bとを有している。
図6(A)に示すように、装置基板187には、横方向(左右方向)に延びるレール186が上下方向に間隔を空けて並列配置され、各レール186に可動支持片188がスライド移動自在に取り付けられる。各レール186の可動支持片188は、金属調光板164及びフィルタホルダ162A,162Bの各々を保持し、これによって、金属調光板164及びフィルタホルダ162A,162Bを独立してレール186の延びる方向(左右方向)にスライドすることができる。
【0021】
図6(A)に示すように、金属調光板164のスリット182は、レール186の延びる方向に沿って縦方向の開口幅が変化するスリット形状(図示例では涙滴型スリット)に形成されており、金属調光板164がスライドすることによって絞り量を可変する。
NDフィルタホルダ162Aには、透過率が異なる複数枚のNDフィルタ62がレール186の延びる方向に間隔を空けて配置されており、NDフィルタホルダ162Aがスライド移動することによって透過率を可変する。
また、補正フィルタホルダ162Bには、スペクトル特性が異なる複数枚のスペクトル補正フィルタ64がレール186の延びる方向に間隔を空けて配置されており、補正フィルタホルダ162Bがスライド移動することによってスペクトル特性を可変する。
【0022】
一方、装置基板187の背面側には、可動支持片188ごとに、駆動モータ189、プーリー191、及び駆動モータ189とプーリー191に掛け渡されるタイミングベルト190が設けられている。タイミングベルト190には可動支持片188の背面側に突出した背面側突出片188A(図6(B)参照)が連結されており、駆動モータ189によるタイミングベルト190の駆動によって可動支持片188がスライド移動される。すなわち、これら可動支持片188、レール186、駆動モータ189、プーリー191及びタイミングベルト190を備えてスライド移動機構192が構成されている。
【0023】
操作タッチパネル71や外部PC75は、光量の増減を指示する操作子、並びにスペクトル特性の変更を指示する操作子(共に図示略)を備え、光量の増減指示に基づいて、調光装置70の駆動モータ189を駆動し、金属調光板164の透過割合とNDフィルタホルダ162AのNDフィルタ62との組み合わせを自動で可変することで光の透過率を変えて調光制御するとともに、スペクトル特性の変更指示に基づいて、駆動モータ189を駆動し、補正フィルタホルダ162Bのスペクトル補正フィルタ64を自動で変えてスペクトル特性を変更する。
このようにして本実施形態では、装置光源4と導光用光学系8との間において、金属調光板164と、互いに透過率が異なる複数のNDフィルタ62を有するNDフィルタホルダ162Aと、互いにスペクトル特性が異なるスペクトル補正フィルタ64を有する補正フィルタホルダ162Bとを位置調整することによって、様々な光量及びスペクトル特性に細かく調整することができる。
【0024】
また互いに平行に延びる複数のレール186のそれぞれに、金属調光板164及びフィルタホルダ162A,162Bを保持し、これらを独立してレール186に沿ってスライドさせることで、光量及びスペクトル特性を調整する構成としたため、金属調光板164及びフィルタホルダ162A,162Bが光軸K2に対して上下方向にズレることはなく、スライド方向の位置合わせだけで、金属調光板164及びフィルタホルダ162A,162Bそれぞれを光軸K2に簡単に合わせることができる。
【0025】
次に高照度用光学系80を説明する。
図7は、高照度用光学系80を周辺構成と共に模式的に示す図である。
高照度用光学系80は、レンズユニット20の出射光を折り返すミラー24と試料台6との間で光軸K3(図1参照)上に設けられるクローズアップレンズ81を備えている。クローズアップレンズ81は、共通の筐体83に収容されており、この筐体83が照射装置1から着脱自在であり、測定者が必要な時に設置し、不必要なときに外すことができる。この筐体83は重いため、当該筐体83をスライドさせるスライド機構を介して取り付けられており、筐体83を容易に移動可能で、かつ、設置時は筐体83を位置決め固定ができるように構成されている。
クローズアップレンズ81は、従来の撮影用カメラにおいて、一般のレンズに装着することによって、レンズ単体の場合よりも近距離の撮影を可能にする光学レンズとして使用されている。本実施形態では、インテグレータ光学素子であるガラスロッド18で均一化され、レンズユニット20でビーム径が拡大された光L1を、クローズアップレンズ81を介して試料台6に向けて投射することによって、クローズアップレンズ81の焦点位置S0で高照度を得ることが可能になっている。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によれば、レンズユニット20と試料14を載置する試料台6との間にクローズアップレンズ81を設けたので、クローズアップレンズ81によって得られる高照度かつ照度ムラのない光を試料14に照射することができる。
【0027】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態において、ランプ10を交換したり、試料14の位置を微調整したりして、特性評価等の試験に際し照射すべき適切な光源が異なるデバイスに応じた照明光を照射し、各デバイスの試験を行うこともできる。
【符号の説明】
【0028】
1 照射装置
4 装置光源(光源)
6 試料台
8 導光用光学系
14 試料(試験対象物)
18 ガラスロッド(インテグレータ光学素子)
20 レンズユニット(光学素子)
70 調光装置
75 外部PC
80 高照度用光学系
81 クローズアップレンズ
K1〜K3 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放射する光源と、前記光源の光を均一化して出力するインテグレータ光学系と、前記インテグレータ光学系の出射光を試験対象物に投射する光学素子とを備えた照射装置において、
前記光学素子と前記試験対象物の間に、クローズアップレンズを設けたことを特徴とする照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−25080(P2013−25080A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159714(P2011−159714)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】