照明付き電動歯ブラシ
【課題】口腔内で高レベルの熱を発生させると髄室を過熱する可能性があり、歯及び/又は他の口表面を損傷することなく、口腔内で安全に使用可能な照明付き電動歯ブラシを提供する。
【解決手段】照明付き電動歯ブラシ10は、ハンドル12、ヘッド、及びハンドル12及びヘッド間に延在するネック14であって、ハンドル12は中空の内側領域30を有し、ヘッドはヘッドに配置された毛を有し、電動歯ブラシ10は長手方向軸19を有する。さらに、ヘッドに配置され、電流によって電力供給される少なくとも1つの発光ダイオード75であって、発光温度が0.68cmの発光距離及び2分の発光時間で43℃未満である発光ダイオードと、ヘッドに配置され、上部に配置された複数の毛を有する1以上の可動毛ホルダー20と、中空の内側領域内に配置され、駆動軸44によって可動毛ホルダー20に動作可能に接続されるモータ32とを備える。
【解決手段】照明付き電動歯ブラシ10は、ハンドル12、ヘッド、及びハンドル12及びヘッド間に延在するネック14であって、ハンドル12は中空の内側領域30を有し、ヘッドはヘッドに配置された毛を有し、電動歯ブラシ10は長手方向軸19を有する。さらに、ヘッドに配置され、電流によって電力供給される少なくとも1つの発光ダイオード75であって、発光温度が0.68cmの発光距離及び2分の発光時間で43℃未満である発光ダイオードと、ヘッドに配置され、上部に配置された複数の毛を有する1以上の可動毛ホルダー20と、中空の内側領域内に配置され、駆動軸44によって可動毛ホルダー20に動作可能に接続されるモータ32とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード、特にブラッシング領域を照らす発光ダイオードを利用する照明付き電動歯ブラシに関する。より詳細には、本発明は、発光ダイオードの標準的な使用によって付与される光度又は束密度を超える、特定の光度又は束密度を有する光の供給に関する。
【背景技術】
【0002】
ライト付き歯ブラシは、伝統的には、歯ブラシのハンドルからヘッドまで光を搬送する光ファイバーを有する、歯ブラシのハンドル表面又は内部に配置されたライトを有する手動ブラシであった。しかしながら、光ファイバーによって伝送される光は、伝送される際にその光度及び/又は束密度が低下することが多い。故に、光ファイバー材料を必要とせずに光を伝送するように、歯ブラシのヘッド内又は上にライトを配置させることが所望された。更に、ライト付き電動歯ブラシを有することが所望された。
【0003】
歯ブラシ、特に電動歯ブラシのヘッド上にライトを配置するには、その大きさを最小にし、毛にとって十分な空間及び電動歯ブラシの機構にとって十分な空間を確保しなければならない。標準的な発光ダイオードは適切な大きさであり得るが、このようなデバイスは、十分な光度及び/又は束密度を有する光を供給し、口腔ケア効果を付与することができないこともある。高出力の非標準的な発光ダイオードは、所望の光度及び/又は束密度を付与することができることもある。しかしながら、高出力ダイオードは高い電流レベルを使用するので、高レベルの熱を発生させる。
【0004】
ここで、ブラシを有する歯ブラシ部と、歯ブラシ部を着脱させる駆動軸を有する電動歯ブラシ本体とから成る電動歯ブラシにおいて、近赤外線を照射して歯茎に温熱感を与えるための照射手段を備えたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、可視範囲内の広域吸収スペクトルを有する感光性口腔衛生組成物に関する可視範囲内の光源を使用する歯及び口の自浄方法も開示されえちる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−299454号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0059738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
口腔内で高レベルの熱を発生させると、髄室を過熱する可能性があり、その結果、歯髄炎又は口腔組織に対する他の損傷を招き得る。従って、少なくとも約7カンデラの光度及び/又は少なくとも約30mW/cm2の束密度を有する光を発光する発光ダイオードを具備し、歯及び/又は他の口表面を損傷することなく、口腔内で安全に使用可能な照明付き電動歯ブラシに対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
照明付き電動歯ブラシは、ハンドルと、ヘッドと、ハンドル及びヘッド間に延在するネックとを備える。ハンドルは、中空の内側領域を有すると共に長手方向軸を有する。ヘッドは、毛と、少なくとも1つの発光ダイオードとを備える。発光ダイオードは電流によって電力供給され、代表的な歯の表面におけるその束密度は、約0.68cmの検出器距離及び約0.46cm2の検出器開口面積で、約30mW/cm2超過である。更に、発光ダイオードは、約0.68cmの発光距離及び約2分の発光時間で、約43℃未満の発光温度を有する。照明付き電動歯ブラシは、ヘッドに配置された毛を含む1つ以上の可動毛ホルダーを有し、中空の内側領域内に配置されたモータは、駆動軸によって可動毛ホルダーに動作可能に接続される。
【0008】
一実施形態において、代表的な歯の表面での所望の束密度は、約35ミリアンペア超過の連続順方向電流を発光ダイオードに供給することによって達成される。
【0009】
別の実施形態において、発光特性を有する少なくとも2つの半導体基板と、1つの共通レンズとを含む発光ダイオードを照明付き電動歯ブラシのヘッドに配置することによって達成される。
【0010】
更に別の実施形態において、代表的な歯の表面レベルでの所望の束密度は、100mA超過のピークを有するパルス順方向電流を発光ダイオードに供給することによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】発光ダイオードの断面図。
【図2】1つ以上の発光体と、単一の光学出力とを有する発光ダイオードの断面図。
【図2a】1つ以上の発光体と、単一の光学出力とを有する発光ダイオードの断面図。
【図2b】1つ以上の発光体と、単一の光学出力とを有する発光ダイオードの断面図。
【図2c】1つ以上の発光体と、単一の光学出力とを有する発光ダイオードの断面図
【図3】本発明に従った照明付き電動歯ブラシの斜視図。
【図4】図3の電動歯ブラシの上平面図。
【図5】図3の電動歯ブラシの断面側面図。
【図6】電動歯ブラシのヘッドの断面側面図。
【図6a】電動歯ブラシのヘッドの断面側面図。
【図7】本発明による別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図8】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図9】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図10】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図11】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図12】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図13】本発明による照明付き電動歯ブラシの別の実施形態を示す斜視図であり、当該歯ブラシは、ハンドルから分離可能なヘッド及びネックを包含する。
【図14】図11の照明付き電動歯ブラシのハンドル又は本体部分上への、交換可能なヘッド及びネックの設置を例証する部分側面図。
【図15】図11の照明付き電動歯ブラシのハンドル又は本体部分上への、交換可能なヘッド及びネックの設置を例証する部分側面図。
【図16】本発明と共に使用するのに適する電気構成の概略図。
【図17】本発明と共に使用するのに適する発光ダイオードの多様な色に関する分光分布グラフ。
【図18】本発明と共に使用するのに適する、白色光を発光する発光ダイオードに関する分光分布グラフ。
【図19】本発明と共に使用するのに適する光発光パターンを例証するグラフ。
【図20】発光ダイオードと露光される表面との間の空隙の形状を例証するダイヤグラム。
【図21】特定の立体角内における光の平均強度を測定するための試験方法を例証するダイヤグラム。
【図22】照明付き電動歯ブラシが、歯の表面温度に与える影響を測定するための試験方法を例証するダイヤグラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、幾つかの部分及び部分の構成において物理的形態を取り得る。本発明の実施形態は本明細書において詳細に記載され、本明細書の一部を形成する添付図面において例証される。
【0013】
本明細書に示された全ての印刷刊行物、特許及び特許出願は全て、本明細書に参考として組み込む。一般に、本発明は、電動歯ブラシのヘッド上又は内に配置された1つ以上の発光ダイオード(「LED」)を有する電動歯ブラシに関する。より詳細には、電動歯ブラシは、LEDが歯及び/又は歯茎を含むブラッシング領域を照らす間、モータによる運動を用いて歯及び歯茎を洗浄するパーソナル衛生で使用される。更に、LEDは、ホワイトニングなどの口腔ケア効果を提供し得る。
【0014】
本明細書で使用する時、用語「光」は、可視光及び非可視光(例えば、紫外線及び赤外線)のスペクトルを包含することを意図する。光を測定するシステムには、発光測定法と測光法の2つがある。発光測定法は、3×1011〜3×1016Hzの周波数範囲内の電磁発光線の測定であり、測光法は、人間の目によって検出可能な電磁発光線の測定である。当該技術分野において既知であるように、発光測定単位としては、エネルギー(ニュートンメートル又はジュール)、時間に対するエネルギー流量である電力又は発光束(ジュール/秒又はワット)、単位面積あたりの電力である発光照度又は束密度(ワット/m2)、単位立体角あたりの電力である発光強度(ワット/ステラジアン)、及び単位立体角あたり、単位投影面積あたりの電力である発光輝度(ワット/m2−ステラジアン)が挙げられる。同等の測光単位としては、電力又は光束(ルーメン)及び光度(ルーメン/sr又はカンデラ)が挙げられる。論じられる光の別の特徴は、視角又は半角である。本明細書に記載されるように、半角は、ピークと、ビーム軸の一方側にある点との開先角度(度)の2倍であり、光度はビーム角の最大値の50パーセント又はその半分である。以下に論じられる更に別の特徴は、歯の表面でLEDにより生成される熱量又は発光温度(摂氏)に関する。更に、照明付き電動歯ブラシのヘッドに配置されたLEDが消費する総電力(「消費電力」)も特徴とされる。本明細書では簡潔にするために、単位は、発光測定単位又は測光単位のいずれかで論じられるが、発光測定単位が好ましい。強度は、カンデラ(又はルーメン/ステラジアン)で測定される光度、又はワット/メーター2で測定される束密度のいずれかであり得る。
【0015】
本明細書に記載される全ての試験方法は、ブラシがフル充電され、その電源が入ったときに装置を作動させるべく通常に供給される電流で照明付き電動歯ブラシが作動され、毛が動いており、LEDが光を照射するときに行われる。
【0016】
本発明のLEDの特徴は、以下により完全に論じられる。
【0017】
A.代表的な歯の表面における束密度(「FDRT」)
この試験は、歯の表面に投射される発光束密度をW/m2で表すことを意図する。ワットで較正された検出器は、約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50及び/又は若しくは0.46cm2未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46及び/若しくは0.50cm2超過の検出器開口面積と、少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.70、0.76、0.80、0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、1.15及び/若しくは1cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.00cm未満の検出器開口直径とを有し、検出器開口は、LEDの発光点から約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.0cm超過、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.0cm未満の距離(「検出器距離」)を有する。伝統的に、検出器は、所望の大きさの検出器開口面積を付与し得る絞りを備える。LEDは、検出器開口に面して配置されるべきであり、LEDの機械軸は、この検出器開口の中央を通るべきである。検出器は、検出器での発光束(ワット)を測定する。検出器は、検出器開口面積全体にわたる発光束を測定する。故に、結果として得られた数は、発光束の全体値である。FDRTは、キャップ1109(LEDと、露光される表面との間の幾何学的な関係を例証する図20に示される)の球状面積によって除算された発光束の全体値である。キャップの球状面積は、以下の式によって計算することができる。
【0018】
S=2πR(R−l)
式中、
【0019】
【数1】
S=キャップの球状面積
l=検出器距離
d=検出器開口面積の直径
FDRT=総発光束(ワット)/S
【0020】
この発光束(ワット)を、キャップの球状面積で除算すると、代表的な歯の表面における束密度(W/m2)が得られる。FDRTを測定するのに適する装置の例としては、オプトロニック・ラボラトリーズ社(Optronic Laboratories,Inc.)(フロリダ州オーランド)製のOL730CV発光計/光度計(OL 730CV Radiometer/Photometer)が挙げられる。図21に示すように、検出器距離「l」(1200で示される)は、LED1275の発光点1205と、検出器1203の入口開口1201との間の距離である。この検出器距離「l」(1200で示される)は、LED1275の発光点1205から検出器1203の検出器の入り口開口1201の平面までが測定される。
【0021】
本発明の照明付き電動歯ブラシのFDRTは、少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、70及び/若しくは100mW/cm2から、並びに/又は約300、250、200、150及び/若しくは100mW/cm2未満、又はこれらのいずれかの組み合わせである。上述のFDRTで個別に光を発光するLEDを備える歯ブラシは、口の中で単独に又は他の口腔ケア組成物と組み合わせて使用されるときにホワイトニング効果及び他の口腔ケア効果をもたらし得ると考えられている。これらの口腔ケア効果を達成するためには、歯ブラシヘッド上に配置されたLEDの少なくとも1つが、少なくとも約30mW/cm2のFDRTを有する光を発光しなければならない。より高いFDRTを有する光もホワイトニング効果又は他の口腔ケア効果をもたらすが、300mW/cm2を超えると、ユーザーは、口腔の損傷を防ぐ安全手段を講じる必要があり得る。
【0022】
B.立体角内での%総光束
電動歯ブラシのLEDの一実施形態において、LEDの総電力(ワット)の少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、100%は、少なくとも約0、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.9、0.95及び/若しくは1ステラジアン(「sr」)、並びに/又は約6.3、5.5、5、4.5、3.5、3、2.5、2、1.5、1.3、1.2、1.1及び/若しくは1sr未満の、LEDの中央に頂点を有する立体角内に含まれる。LEDの発光点に頂点を有する立体角は、以下の式を用いて計算することができる。
【0023】
α=S/R2=2πh/R,
式中、
h=R−a、及び
【0024】
【数2】
α=立体角(sr)
S=キャップの球状面積
a=軸距離
b=寸法面積の直径
【0025】
これらの計算は、FDRTを計算するために先程使用した計算と同様であり、軸距離及び寸法面積は検出器距離及び検出器面積と同様の値を有するが、検出器は、立体角の計算には存在しない。
【0026】
LEDが露光表面に向かって光を発光する空隙のダイヤグラムが図20に示されている。式の要素は図20に示されており、「α」はLED1175の発光点1113に頂点(1111で示されている)を有する立体角(1110で示されている)である。「a」(図20では1101で例証されている)は、LEDの発光表面と、LEDから発光する光に曝される表面との垂直距離であり、「b」(1103で示されている)は、LEDを含む円形領域の直径であり、「S」(1109で示されている)は、キャップの球状面積である。「h」(1105で示されている)は、R(1107で示されている)−「a」(1101で示されている)に等しい。「b」は、少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.65、0.70、0.76、0.80、0.90.0.95及び/若しくは1.00cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.00cm未満であり得る。「a」は、約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80.0.85、0.90及び/若しくは1.00cm超過、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/並びに1.00cm未満であり得る。
【0027】
立体角内における電力のパーセントを決定するには、最初に、LEDから発光される総電力を測定しなければならず、第2に、特定の立体角面積内における電力を測定しなければならない。最後に、特定の立体角内におけるパーセント電力を計算する。LEDから発光される総電力は、ゴニオ光度計方法及び/又は積分球方法のいずれかによって決定することができる。ゴニオ光度計方法では、総発光束がワット(ゴニオ光度計がワットで較正される場合)で測定される。ゴニオ光度計の回転検出器は、LEDを包囲する球状領域の表面を走査する。表面の各要素dΑに入射する部分束dΦは、総発光束を表す。
【0028】
【数3】
これを加重及び積分すると、総発光束Φの値が得られる。
【0029】
【数4】
LEDからの総発光束を測定する別の方法は、積分球(ワットで較正)を使用して、同様の空間及び分光出力分布を有する標準のLEDと、試験されるLEDを比較することである。完全に一致する標準品が入手できない場合、色に関する補正値を計算することはできるが、空間出力差に関する補正値は計算するのがより難しい。ほとんどの積分球は直径10cm以下である。故に、同じ種類の補助LEDを積分球に挿入し、試験LEDの自己吸収に適用される補正を許容すべきである。2つの入口及び1つの出口を有する球が作動しなければならない。これらの方法はいずれも「LEDの測定(Measurement of LEDs)」というタイトルのCIE127(1997)(国際照明委員会(the International Commission of Illumination)により出版)に記載されている。
【0030】
第2に、特定の立体角内における電力を測定する。電力が測定される立体角を選択するには、前述の式を用いて、所望の立体角に関する軸距離及び寸法面積の直径を決定しなければならない。軸距離値は検出器距離値に対応し、寸法面積の直径値は検出器開口面積値に対応する。試験を行う際にこれらの値を選択することにより、所望の立体角内の電力が測定される。検出器がワットで較正された場合、これにより所望の立体角内における総発光束が得られる。
【0031】
LEDの(特定の立体角内における)総発光束の測定には、ワットで較正された検出器が関与し、この検出器は、約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50及び/若しくは0.46cm2未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46及び/若しくは0.50cm2超過の面積と、少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.70、0.76、0.80.0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、1.15及び/若しくは1cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.00cm未満の検出器開口直径とを有する円形の開口1201を有する。LEDは、LED1275の発光点1205から約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.00cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.00cm未満の検出器距離1200で、検出器の入り口開口1201に面して配置されるべきである。LEDの機械軸は、この検出器開口の中央を通るべきである。
【0032】
最後に、所望の立体角内における発光される光のパーセンテージは、以下の式によって計算される。
所望の立体角内における総発光束/総発光束=所望の立体角内における発光される光の%
【0033】
C.半角及び/又は視角
照明付き電動歯ブラシが所望の特徴を有する光を発光するかどうかを決定するための別の方法は、LEDの半角及び/又は視角を調査することである。本明細書に記載されるように、半角は、ピークと、ビーム軸の一方側にある点との開先角度(度)の2倍であり、光度は、ビーム角の最大値の50パーセント又はその半分である。これは視角とも呼ばれ得る。半角が小さい程、光はより集束する。LEDから発光する光が集束する程、所望の光度及び/又はFDRTを達成するのに必要とされる光は少なくなる。よりフォーカスされた光角を有することにより、好ましくない方向を照らす、即ち毛領域を照らすことで消費される光が少なくなる。光が好ましくない方向を照らす場合、所望の光度又はFDRTを達成するのにより多くの光が必要とされ、この結果、熱レベルが増大することが多い。照明付き電動歯ブラシからの熱発光が増大すると、口腔内の歯及び組織が損傷を受ける可能性がある。LEDの半角
【0034】
【数5】
は、約50°、49°、48°、47°、46°、45°、44°、43°、42°、41°、40°、38°、36°、34°、32°、30°及び/若しくは28°未満、並びに/又は約0°及び/又は5°超過であり得る。
【0035】
D.発光温度
歯ブラシのヘッド上でLEDを使用し、次いでこの歯ブラシを口腔内に入れて歯をブラッシング及び/又は処置すると、熱と同様に光をも口腔内に導入する場合がある。光は歯の表面に吸収され、これにより、更なる熱が歯の表面に生成する可能性がある。熱が口腔内で生成されると、歯の歯髄室が大きくなる可能性があり、これは、歯髄炎又は他の口腔の損傷を生じることがある。口腔内の損傷を引き起こさないために、歯の表面温度は、約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃及び/又は25℃未満のままであるべきである。歯の表面温度が上述の温度を超えると、歯の歯髄室が過熱され、歯髄炎を起こすことがある。故に、照明付き電動歯ブラシによって発光される光は、歯の表面温度を約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃及び/又は25℃よりも上昇する熱を生成してはならない。一実施形態では、標準のLEDを使用し、約200ミリアンペア(「mA」)未満の連続順方向電流を標準のLEDに与えることにより、歯の表面温度が約43℃未満に維持されている
【0036】
照明付き電動歯ブラシから発光される光への曝露によって歯の表面で生成される温度が「発光温度」である。熱電対1315(図22に示される)などの、当該技術分野において既知の装置によって、発光温度を測定することができる。本発明の試験方法において使用するのに適する1つの熱電対は、オメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)製のSC−GG−T−30−36熱電対である。LEDから発光する光に曝される歯の表面に、好ましくは接着剤を用いて熱電対を取り付けることができる。本試験方法において使用するのに適する1つの歯用接着剤は、デンツプライ(Dentsply)製のルシトーン199(Lucitone 199)である。あるいは、熱電対が歯に触れ、歯の露光が終了する約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1秒未満の試験時間内に温度の読取りが完了する限り、歯の表面温度を露光後に測定することができる。露光後に温度を測定する1つの方法は、標準の綿棒を使って、試験時間の持続時間中、歯の上に熱電対を当てて保持し、温度データを収集することである。更に、熱電対からのデータを度単位の温度に変換するユニット1317を使用することができる。オメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)製のハンドヘルド形ユニットHH5−08は、熱電対から受け取ったデータを度単位の温度に変換するべく、前述の熱電対と共に使用されるのに適している。この試験は、32℃に設定されたインキュベーター内で標準的に抽出されたヒト又はウシの歯1301のサンプル上にてインビトロで行われる。この試験は、口の中にある歯の通常の基本温度を再現するべく32℃に設定されたインキュベーター内で行われる。この試験に適するインキュベーターは、ジョアン・グループ・オブ・カンパニーズ(Jouan Group of Companies)から入手可能なTHELCO3DG、カタログ番号51221122(THELCO 3DG,catalog #51221122)である。歯を配置するために切除された空間を有する鋳造アルミニウム片を含む鋳造アルミニウムスタンド1319に歯を配置する。鋳造アルミニウムスタンド1319は、歯1301をヒートシンク1321に接続する。本試験方法において使用するのに適するヒートシンクとしては、アービッド・サーマロイ(Aavid Thermalloy)製のヒートシンク11−5602−48VIS#031608が挙げられる。電源(図示せず)をヒートシンクに設けることができる。「発光距離」は、LED1375の発光点1305から歯1301の表面までの距離1303である。発光距離1303は、歯の表面から約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50及び/若しくは0.46cm未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46及び/若しくは0.50cm超過であり得る。LED1375の発光点1305は、歯1301の表面から約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50及び/若しくは0.46cm未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46及び/若しくは0.50cm超過の発光距離で配置され、照明付き電動歯ブラシ1313の電源が入ると、LED1375が作動し、歯1301の表面を照らす。次いで、歯1301は、約15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1及び/又は0分未満の発光時間の間、LED1375から発光する光に曝され、歯1301の温度が標準の熱電対1315によって測定される。熱電対を別個のハンドヘルド形ユニット1317に取り付けて、熱電対1315からの読取値を温度の読取値に変換することができる。発光温度は、約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃及び/又は25℃を超えてはならない。
【0037】
E.消費電力
更に、過剰な熱生成による口腔の損傷を避けるために、照明付き電動歯ブラシのヘッド上に配置されたLEDにより消費される総電力(「消費電力」)は、約2、1.5、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1ワット(「W」)を超えてはならない。
【0038】
F.本発明の実施形態の例
製造業者が推奨するレベルを超えて順方向電流を増大させる(「過度の電力供給」)こと、及び/又はLEDから発光される光をパルスさせること、又はこれらの組み合わせにより、標準のLED(LED内の1つ以上の発光体を含む)を備える本発明の照明付き電動歯ブラシにおいて、少なくとも約7カンデラの光度及び/又は少なくとも約30mW/cm2のFDRTを達成することができる。LEDへの過度な電力供給は、LEDの寿命を縮める可能性がある。LEDの寿命量は、LEDに対して過度に電力供給するのに使用される電流レベル及びLEDの特徴に応じて縮められる。しかしながら、歯ブラシが使い捨て及び/又は交換可能な物品であるとき、この縮められた寿命は、それでもなお、歯ブラシで使用するのに必要とされる寿命を超える。一実施形態では、LEDは歯ブラシの交換可能な部分上に配置され、故に所望であれば交換可能である。
【0039】
本明細書で使用する時、用語「光」は、可視光及び非可視光(例えば、紫外線及び赤外線)のスペクトルを包含することを意図する。このスペクトルは、約10nmの主波長又はセントロイド波長を有する光(遠紫外線)から106nmのセントロイド波長を有する光(赤外線)に及ぶか、又はこのスペクトルは、約370nm〜約770nmのセントロイド波長を有する可視光を包含してもよい。更に、このスペクトルは、約370〜約500のセントロイド波長を有する可視光を包含してもよい。本明細書で使用する時、用語「セントロイド波長」は、光の知覚色を表す波長を指すことを意図する。これは、LEDの発光強度が最大の波長であるピーク波長とは異なるものであってもよい。LEDに関して、主波長又はセントロイド波長は、以下の式によって決定され得る。
【0040】
【数6】
連続スペクトルの場合、及び
【0041】
【数7】
離散スペクトルの場合。
【0042】
式中、Iは光度であり、λは波長である。
【0043】
これらの式は、「LEDの測定(Measurement of LEDs)」というタイトルのCIE127(1997)(国際照明委員会(the International Commission of Illumination)により出版)において更に記載されている。LEDのスペクトル特性(例えば、ピーク波長)、測光特性(例えば、光度)、発光測定特性(例えば、発光強度)及び非色分析特性(例えば、主波長)は、オプトロニック・ラボラトリーズ社(Optronic Laboratories,Inc.)(フロリダ州オーランド)製のOL730CV発光計/光度計(OL 730 CV Radiometer/Photometer)などの当該技術分野において既知の装置を用いて測定することができる。光には、主波長又はセントロイド波長(例えば、白色光)を有さないものもある。
【0044】
本発明の照明付き電動歯ブラシは、少なくとも約7、10、15、20、30及び/若しくは40カンデラ、並びに/又は約60、50、45及び/若しくは40カンデラ未満、又はこれらのいずれかの組み合わせの光度、又は少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、70及び/若しくは100mW/cm2、並びに/若しくは約300、250、200、150及び/若しくは100mW/cm2、又はこれらのいずれかの組み合わせのFDRTを有する光を発光するLEDを備える。
【0045】
照明付き電動歯ブラシの一実施形態は、図1に示すようなLEDを備える。図1は、LEDパッケージ11の断面図を示し、このLEDパッケージ11は、レンズ3と、単一の発光ダイス5と、ワイヤボンディング7と、正極リード21と、負極リード9と、長手方向軸Lとを備える。請求項に記載された発明のLEDにおいては、発光特性を有する様々な種類の半導体基板を使用することができる。発光特性を有する半導体基板の1つの種類は、ダイスである。ダイスは、発光特性を有する単一の半導体基板である。本発明の照明付き電動歯ブラシが、本明細書に記載される所望の特性を有する光を付与する限り、本発明の照明付き電動歯ブラシのヘッド上に配置されたLEDは、ダイスを含むがこれに限定されない、発光特性を有する半導体基板のいずれかの種類を含み得ることが想定される。LEDの直径は、少なくとも約0.5、1、2、3、4、5及び/若しくは6mm、並びに/又は約5、10、15及び/若しくは20mm未満であり得る。
【0046】
光は、LEDの発光点の多くの表面から発光し得る。しかしながら、以下、簡潔にするために、LEDの発光点及び/又は表面からの距離の全ての測定は、半導体基板の前面、例えばダイス5の前面について言う。LEDが複数のダイスを有し、故に半導体基板の複数の前面を有する場合、LEDの発光点からの距離は、半導体基板の前面からの距離の平均であるべきである。光はダイス表面から発光し、LEDのレンズ3へと指向される。故に、半導体基板の発光点からの距離を測定するために、半導体基板の発光素子の前面を識別しなければならない。照明電動歯ブラシの一実施形態では、LEDの発光素子の前面は、ダイス5(図1に示す)の表面である。故に、本実施形態の発光表面からの距離に関する全ての測定は、ダイス5の前面から開始する。
【0047】
LEDに対して過度に電力供給すると、所望の光度及び/又はFDRTが得られる。その理由は、順方向電流入力が増大するにつれ、LEDの光度及び/又はFDRTが制限内で増大するからである。故に、本発明の照明付き電動歯ブラシに望まれる光度及び/又はFDRTレベルは、製造業者が推奨するレベルを超えて、標準のLEDへの電流を増大させることによって達成可能である。製造業者が推奨する最大値の2倍に電流を増大させると、光度及び/又はFDRTはほぼ2倍となり、同時に、LEDの寿命は、照明付き電動歯ブラシでの使用において、なお許容可能である。標準のドライバを使用して選択された電流レベルを供給し、所望の光度及び/又はFDRTを達成することができる。本発明と共に使用するのに適する電圧又は電流ドライバは、ゼテックス・セミコンダクターズ(Zetex Semiconductors)(英国、オールダム)製のZXSC310単セル又は多セルLEDドライバ(ZXSC310 Single or Multi Cell LED Driver)である。所望の光度及び/又はFDRTを達成する最小電流は、連続動作させるために製造業者が推奨する最大電流よりも大きく、連続動作させるために製造業者が推奨する最大値の2倍であり、又はパルス動作させるために製造業者が推奨する最大値の3倍であり得る。最大で、LEDを即座に破損させるレベルまで電流を増大することができる。本発明の一実施形態は、約35mA、40mA、45mA、50mA、55mA、60mA、65mA、70mA、75mA、80mA、90mA、100mA、150mA及び/若しくは200mA超過、並びに/又は約700mA、600mA、500mA、400mA、300mA、250mA、200mA、150mA、100mA、90mA、80mA、75mA、70mA、65mA、60mA、55mA、50mA、45mA、40mA及び/若しくは35mA未満の連続順方向電流により、所望の光度及び/又はFDRTを供給する標準のLEDを備える。一実施形態において、最小の連続電流レベルは、連続動作のための最大の連続電流定格であり得、最大の連続電流レベルは、LEDを即座に破損させる電流程度であり得る。電流が増大するにつれ、光度及び/又はFDRTも増大するが、この相関関係が一様になり、更に電流が増大しても光度及び/又はFDRTが増大しない点がある。この正確な点は、LEDの特性及び設計に応じて異なる。更に、時間が進み、製造業者が推奨するレベルを超える電流にLEDが曝されると、光度及び/又はFDRTは低下し始める。所望の光度及び/又はFDRTを維持する1つの方法としては、同じ光度及び/又はFDRTを維持するべく更に電流を増加させることが挙げられるが、これに限定されない。所望の光度及び/又はFDRTを達成するために、標準LEDに対する電流が増大させられるが、使用される電流は高出力の非標準LEDに対して伝統的に使用される電流よりもまだ低い。故に、標準のLEDによって生成される熱は、歯の表面温度を約43℃以上に上昇させることはない。
【0048】
標準のドライバ設計においてLEDの電流を安定化させると、LEDが老朽化しても電流は同じままであるので、光度及び/又はFDRTは長期にわたって部分的に安定化する。しかしながら、LEDが老朽化するときに、同じレベルの光度及び/又はFDRTを維持するために電流を増加させなければならないこともある。LEDが老朽化するときに一定の光度及び/又はFDRTを維持する1つの方法は、LEDから発光される光度及び/又はFDRTを内蔵型センサーで測定し、測定値に従って電流を調節することである。LEDが老朽化するときに電流を調節すると、照明付き電動歯ブラシは、長期にわたって特定の光度及び/又はFDRTで光を供給し続ける。内蔵型センサーを含まずに、ほぼ同じ光度及び/又はFDRTを維持する別の方法は、LEDが老朽化するときに、長期にわたってLEDに対する電流を増大させるタイミング回路を包含することである。これは、更なる出費を最小限に抑え、単純な設計により、ほぼ安定した光度及び/又はFDRTを維持することができる。本発明と共に使用するのに適する電圧又は電流ドライバは、ゼテックス・セミコンダクターズ(Zetex Semiconductors)(英国、オールダム)製のZXSC310単セル又は多セルLEDドライバ(ZXSC310 Single or Multi Cell LED Driver)である。
【0049】
図2は、複数のダイスなどの2つ以上の発光体を包含することによって、本発明の照明付き電動歯ブラシにおける光度及び/又はFDRTのレベルを達成するための別の手段を示している。以下の実施形態は、光を発光する2つの半導体基板、例えばダイスを有するLEDを例証しているが、LEDは3つ以上のダイスを具備し得ることも想定される。本発明のこの実施形態15は、単一の光出力であるレンズ3と、1つの正極リード21及び1つの負極リード9とを有する。しかしながら、この単一の標準LEDパッケージは、2つ以上の発光体と、2つ以上の半導体基板とを含有し、3つ以上のリードを有し得る。発光源からの全ての光が組み合わされて、LEDパッケージ15のレンズ3で単一の光出力になる。単一のLEDパッケージ15は、複数の発光ダイス5及び17と、ワイヤボンディング7及び117とを有する。実施形態15は、ダイス117間の接続を示している。この接続は、並列接続又は直列接続のいずれかであり得る。図2aは、直列接続された複数のダイスを例証している。本発明のこの実施形態15aは、単一の光出力であるレンズ3と、1つの正極リード9及び1つの負極リード27とを有する。しかしながら、この単一の標準LEDパッケージは、2つ以上のダイス5及び17を含有し、各々のダイスは個別の受け台37及び39を有する。ダイスは直列接続を有し、ワイヤボンディング111はダイス5の頂部をダイス17の底部に接続し、ワイヤボンディング113はダイス17の頂部を負極リード27に接続する。発光源からの全ての光が組み合わされて、LEDパッケージ15aのレンズ3で単一の光出力になる。図2bは、平行に接続された複数のダイスを例証している。本発明のこの実施形態15bは、単一の光出力であるレンズ3と、1つの正極リード9及び1つの負極リード27とを有する。ダイスは並列接続を有し、ワイヤボンディング117はダイス5の頂部をダイス17の頂部に接続し、ワイヤボンディング7はダイス17の頂部を共通の負極リード27の頂部に接続する。発光源からの全ての光が組み合わされて、LEDパッケージ15bのレンズ3で単一の光出力となる。この多ダイスLEDの(図2cに示すような)別の実施形態15cでは、LEDは、レンズ3と、2つの半導体基板と、並列接続されたダイス5及び17と、ワイヤボンディング119及び121と、1つの正極リード33と、2つの負極リード31及び35とを備える。このLEDも単一の光出力であるレンズ3から光を発光する。各ダイスは、個別の受け台37及び39を有する。LEDが2つの正極リードと、1つの負極リードとを具備し得、更にLEDのこの実施形態が直列接続可能であることも想定される。更に、LEDは、発光特性を有する3つ以上の半導体基板を備えることができ、LEDは3つ以上のリードを備えることができる。LEDは共通又は共有のリードを有するか、又は発光特性を有する各半導体基板用の個別のリードを有することができる。更に、発光特性を有する各半導体基板は、バッテリーなどの別個の電源によって個別に電力供給され得る。
【0050】
これらのダイスは、電気的に並列接続又は直列接続され得る。それらダイスが直列接続されているとき、全ての電流に関する考慮事項は、単一ダイスの場合と同じである。総電圧はおよそnxVi(式中、n=ダイス数、Vi=単一ダイスの順電圧)である。ダイスが並列接続されている場合、総電流はおよそnxIiであり、総電圧は単一ダイスのそれと同程度である。直列接続はダイス間の差異を調節する理由から、良好な働きをする。ダイスが直列接続されているとき、ダイスはそれらの順電圧を自動的に調節し、それらの光度及び/又はFDRTは非常に近くなる。いずれかの構成において、2つのダイスを有するLEDは、およそ1.6xPi(式中、Piは単一ダイスの光度及び/又はFDRTである)の光度及び/又はFDRTを有する。3つのダイスを有するLEDは、約2.26xPiの光度及び/又はFDRTを有するようになる。(ダイス間の干渉は、光度及び/又はFDRTの計算値が、ダイス数を掛ける数であることを防止し得る。)これらのダイスは同色の光を供給するか、又は異なった色の光を有することができる。しかしながら、各個別の発光体が同じ光を発光する場合、その単一LEDからの色光の光度及び/又はFDRTは、一色の光を発光する単一の標準LEDよりも大きい。各個別の発光体は、約440nm〜約480nmの波長を有する光を発光することができる。単一のLEDはまた、異なった色の光を発光する2つのダイスを含有することができ、例えば、波長は約370、380、390、400、425、440、450、475、480ナノメートル超過、及び/又は約500ナノメートル未満の範囲から選択される。ダイスが同じ色範囲内で異なる波長の光を発光するようにダイスを選択することもでき、例えば、ダイスは、結果的に青色になる様々な波長を有する光を発光し得る。更に、LEDの単一の光学出力(レンズ)にて異なる光の波長を組み合わせることにより、口腔ケア効果をもたらす特定の色の組み合わせが得られる。例えば、2つの異なる組成物を歯に適用することができ、各組成物は、異なる光の波長に反応する。更に、光の波長が異なることにより、口腔内に異なる反応が生じることもある。細菌を死滅させ得る光の波長もあれば、歯をホワイトニングし得る光の波長もある。単一の光の波長によって幾つかの色を達成するのは困難であり、本発明はこれら独特の色の1つを発する光を生成するために使用することができる。故に、単一の光学出力で異なる色を組み合わせることにより、1つのダイスだけでは達成できない色を生じることができる。故に、異なる色を用いることにより、単一色を有する単一波長が達成できない1つ以上の口腔ケア効果を得ることができる。
【0051】
本発明の照明付き電動歯ブラシの光度及び/又はFDRTを達成するための更に別の手段としては、非連続電流又はパルス電流をLEDに付与し、パルス光又は非連続光を生じさせることが挙げられる。本発明のこの実施形態は、約100mA、125mA、150mA、175mA、200mA、225mA、250mA、275mA、300mA、325mA、350mA及び/若しくは375mAよりも大きく、並びに/又は約900mA、800mA、700mA、600mA、500mA、400mA、375mA、350mA、325mA、300mA、275mA、250mA、225mA、200mA、175mA、150mA、125mA及び/若しくは100mA未満のパルス順方向電流によって所望の光度及び/又はFDRTレベルを付与する標準LEDを含む。一実施形態では、パルス順方向電流は、パルス動作のための最大電流定格程度よりも大きく、LEDを即座に破損させる電流程度よりも小さい。光パルスの最小光度及び/又はFDRTは連続光のそれであり得、最大光度及び/又はFDRTはPc/Q(式中、Pcは連続光の光度及び/又はFDRTであり、Qはサイクル比である)である。サイクル比は、パルス間の時間期間によって除算されたパルスの持続時間に等しい。本発明のサイクル比は、約0.01、0.10、0.25、0.40及び/又は0.50〜約0.50、0.60、0.75、0.80及び/又は0.99である。光パルスの周波数は、約0.01Hz、1Hz、10Hz、100Hz、500Hz又は1MHz〜約1MHz、10MHz、100MHz、500MHz、1GHz又は10GHzであり得る。LEDのパルス作動に関する電流振幅は、約Imaxp〜約10Imaxp(式中、Imaxpはパルス動作のための絶対最大電流定格である)であるか、又は約Imax〜約20Imap(式中、Imaxは連続動作のための最大電流定格である)であり得る。LEDへ電流をパルスすることにより、LEDの消費電力が低下し、故にバッテリーの寿命が長くなり、同様に、光の輝度、並びに/又は光度及び/若しくはFDRTが増大する。バッテリー寿命の向上及び輝度の増加は、LEDの特性及び設計に応じて変化し得る。
【0052】
一実施形態において、照明付き電動歯ブラシは、細長い本体部分又はハンドルと、ヘッドと、ヘッド及びハンドル間に延在するネックとを包含する。1つ以上のLEDが、ヘッドに、好ましくは、それに複数の毛を有する1つ以上の静止又は可動毛ホルダーに隣接して、その上及び/又は中に設けられる。毛は、1つ以上のタフト群を成すように形成されてもよい。
【0053】
ヘッドは、長手方向軸と、1つ以上の可動毛ホルダーと、任意には1つ以上の静止又は固定毛ホルダーとを包含する。可動毛ホルダーは、回転、スイベル、旋回、揺動、線状往復運動するか、又はこれら運動のいずれかの組み合わせを受けてもよい。本発明の電動歯ブラシが付与する運動の種類はきわめて様々であり得る。静止毛ホルダー及び該ホルダーに配置された静止毛の配置もきわめて様々であり得る。例えば、静止毛は、移動毛を部分的又は全体的に包囲してもよく、又は可動毛ホルダー間の間隙に配置されていてもよい。幾つかの毛ホルダーの運動及び本発明と共に使用するのに適する毛構成の例がUS20030126699、US20030084525、US20030084524、US20030084526、及びPCT国際公開WO03/063723及びWO03/063722に記載されている。ポリエチレンなどの従来の非エラストマー材料から毛を作成することができ、又は天然若しくは合成ゴム、ポリオレフィン類、ポリエーテルアミド類、ポリエステル類、スチレンポリマー類、ポリウレタン類など、又はこれら材料の組み合わせなどのエラストマー材料から作成することができる。
【0054】
ハンドルは、その中にモータが配置された中空部分を有し、このモータは可動毛ホルダーに対して動作可能に接続されている。モータによるある動作が可動毛ホルダーにおいて何らかの反応を引き起こすとき、モータは可動毛ホルダーに対して動作可能に接続されている。シャフトは、モータからネックを通って、少なくともヘッドの一部まで延在していてもよい。シャフトは、モータによって駆動されると、回転、揺動、直線往復運動、旋回、震動又は軌道周回して、可動毛ホルダーに1つ以上の運動を付与してもよい。モータとシャフトの間、又はシャフトと可動毛ホルダーの間にギア構成を設けて、それに運動を付与することができる。代表的なシャフト及び/又はギアリング構成は、米国特許第6,360,395号及び同第5,617,601号、並びに本明細書において参照される他の特許及び特許刊行物に示されている。また、ハンドルは、モータ及びLEDに電力供給するべくその中に配置された電源、例えば1つ以上のバッテリーを有する。あるいは、電動歯ブラシは、モータに電力供給するための外部電源に接続されてもよい。モータ及び/又はLEDを作動させるためのスイッチがハンドル上に配置されている。モータが作動されているときはいつでも、LEDに通電することができる。しかしながら、歯ブラシはLED及び/又は可動毛ホルダーを作動させる2つ以上のスイッチを有することもできる。
【0055】
図3は、本発明による照明付き電動歯ブラシ10を示している。歯及び歯茎をブラッシングするなど、パーソナル衛生のために電動歯ブラシを使用することができる。図3に示すように、電動歯ブラシは、ハンドル12と、つかみ部70と、ハンドル12に取り付けられたネック14とを包含する。ヘッド16はネック14に取り付けられる。典型的には、ヘッドはネック14よりも大きく、また典型的にはハンドル12よりも小さい。
【0056】
図4を参照すると、歯ブラシ10は、ヘッド16と、長手方向軸19と、ハンドル12と、ネック14と、つかみ領域72と、スイッチ52と、可動毛ホルダー20と、それに毛26が配置された静止毛ホルダー22とを備える。静止毛ホルダー22は、可動毛ホルダー20の両側に位置する。可動毛ホルダー20は、ヘッド16の中央に位置する。可動毛ホルダーは、好ましくはヘッド16の長手方向軸19にほぼ垂直な軸の周りを揺動するが、前述のような他の運動を行ってもよい。図5に示すように、ハンドル12は、モータ32を収容する中空部分30を更に包含する。モータ32は、回転可能なシャフト44を通して可動毛ホルダー20に電力供給する。ギアリング構成は、シャフト44とモータ32の間に動作可能に相互接続される。ギアリング構成は、ウォームギア40と、一対のステップギア42,43とを包含する。モータ32は、ウォームギア40に動作可能に接続される。ステップギア42は、ステップギア43及びウォームギア40に動作可能に接続される。LED75は、可動毛ホルダー20の内側に配置されて提供される。LED75は可動毛ホルダー20に据置又は固定されており、故に、LED75は可動毛ホルダー20と共に移動する。図6に示すように、可動毛ホルダー20の下側に沿って画定された専用の接触部分に滑動可能に接触する一対の電気接点76及び77を用いることによって、LED75に電力が提供される。電源からLEDまで導電するために、スイッチ及び電源から接点76及び77まで電線(図示せず)を引いてもよい。電線は、ハンドル12からネック14を通ってヘッド16まで延びていてもよい。好ましくは、電線は、それらがシャフト44の運動を妨げないように、ネック14の内壁に隣接して配置される。あるいは、電線をネック14内に埋め込んでもよい。
【0057】
可動毛ホルダー20の外側に沿って、円形の導電性接触領域80及び82を設けることができ、これらの領域が、ヘッド内部に設けられた一対の固定接点76及び77と電気的に連通していることが想定される。導電性接触領域80及び82は、非導電材料によって互いに絶縁されている。電気リード84及び86は、導電性接触領域からLEDまで設けることができる。図4は、可動毛ホルダー20上又はその中に配置されたLED75を例証している。この実施形態では、LEDは可動毛ホルダー20に固定的に取り付けられており、故に毛ホルダーと共に移動する。好ましくは、LEDの先端は、可動毛ホルダー20の上面23と同一平面を成すが、所望であれば、上面23よりも上に延在していてもよい。静止毛ホルダー22内又はその上に更なるLEDを設けることができる。図6aは、歯ブラシの93でヘッド95に固定されているピラー91に接続される固定LED75を示している。可動毛ホルダー97は、固定LEDの周りを揺動又は回転する。正極リード87及び負極リード89は、LED75からピラー91を通り、次いで、歯ブラシのヘッド95の長さを下って電源(図示せず)まで延在することができる。
【0058】
別の実施形態では、LED75は、図7に示す実施形態300において最良に見られるように、可動毛ホルダー320を貫通して延びる開口又は孔88内に配置され、それにより、LEDが固定され、可動毛ホルダー320はLED75の周りを揺動又は回転する。この実施形態では、LED75はヘッド316に固定されている。LED75は、孔88を部分的に通って延在してもよく、又は、完全にヘッド316内に含有されるように、可動毛ホルダー320の下面の下に配置されてもよい。LED75の中心軸はまた、可動毛ホルダー320の回転又は揺動軸でもあり得る。ネック314は、ヘッド316及びハンドル(図示せず)間に延在する。ヘッド316は更に静止毛322を備える。
【0059】
上述の実施形態のそれぞれでは、LEDは可動毛ホルダー及び/又は静止毛ホルダー内、上、下、直近に配置されており、故に、光は可能な限り効率よくブラッシング領域上に指向される。更に、LEDは、光発光の主な方向が毛ホルダーの上面に概ね垂直であり、及び/又は毛ホルダーの毛の方向に概ね平行であるように配置されるのが好ましい。換言すれば、LEDは、図6に最良に示されるように、LEDの中心線90がヘッド及び/又は毛ホルダーの上面に概ね垂直であるように配置されるのが好ましい。中心線90は、典型的には、LEDのレンズ92又は開口を通る。LEDが可動毛ホルダー及び/又は静止毛ホルダー内、上又は下に配置されるとき、LEDの中心線90を中心とした円筒形領域又は容量には、実質的には毛がない可能性がある。実質的に毛がない領域は、歯ブラシヘッドの大きさ、及び/又はLEDを包囲する領域において除去された毛の数に応じて大きく、及び/又は小さくなり得る。実質的に毛がない領域は、約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.0cmよりも大きく、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.0cm未満であり得る。しかしながら、可動毛ホルダーは、図7に例として示されるように、LEDを包囲する少なくとも1つの毛の輪を有するのが好ましい。しかしながら、更なる毛タフト又は毛タフトの内輪を設けてもよい。
【0060】
再び図5を参照すると、照明付き電動歯ブラシの動作を制御するために、スイッチ50が設けられており、このスイッチは、モータ32に動作可能に接続されている。スイッチ50はまた、歯ブラシの1つ以上のLEDを作動させるべく構成されている。かかる作動は、瞬間的又は連続的であり得る。スイッチ50が閉鎖されると、ハンドル12の中空部分30内に設けられた標準のバッテリー60と、モータ及びLED75との間に、ワイヤ54を含む回路が完成する。
【0061】
歯ブラシ400の実施形態では、明確にするために毛が削除された図8に例として示すように、LED75が1つ以上の静止毛ホルダー422及び可動毛ホルダー420の間に存在し、可動毛ホルダーの回転/揺動軸と整列しないように、LED75をヘッド416上に配置することができる。ヘッド416はネック414によってハンドル(図示せず)に接続される。
【0062】
図9〜図12は、照明付き電動歯ブラシの他のヘッド、毛ホルダー及び毛構成を例証しており、これらは全て1つ以上のLEDを含有する。図9は、ヘッド516及びネック514を例証している。ネック514が、歯ブラシのヘッド516及びハンドル(図示せず)間に延在することが理解される。ヘッド516上に配置されるのは、該ヘッドに複数の毛タフト532が配置された単一の可動毛ホルダー520である。第2の毛ホルダー522上に配置されるのは、LED575である。図10は、本発明に従った別のヘッド616を示しており、該ヘッド616には複数の毛632が配置されている。ヘッド616は、その中にLED675が配置された単一の毛ホルダー620を備える。ネック614は、ヘッド616及びハンドル(図示せず)間に延在する。図11は、単一の毛ホルダー720を有する更に別のヘッド716を示しており、その単一の毛ホルダー720には毛732が配置されている。LED775は、ヘッド716上で、毛ホルダー720に隣接して配置されている。しかしながら、LED775は、毛ホルダー上には配置されていない。図12は、移動する第1の毛ホルダー820と、固定されている又は静止している第2の毛ホルダー822とを有する更に別のヘッド816を示している。毛ホルダーはいずれも、該ホルダーに配置されたLED875を有する。第1毛ホルダー820は、該ホルダーに配置されたLED875を包囲する複数の毛タフト832を有し、第2の毛ホルダー822は、該ホルダーに配置されたLED875を包囲する複数の毛タフト834を有する。ネック814は、ヘッド816及びハンドル(図示せず)間に延在する。
【0063】
図13に示すように、照明付き電動歯ブラシ1010の実施形態は、ヘッド1016と、ネック1014と、ハンドル1012とを有する。ヘッド1016上に配置されているのは、LED1075である。ネック及びハンドルは、1015で取外し可能に接続され、それらの物理的係合のため、及びLEDと電源との間の電気的連通のための対応構造を含有する。ここで図14及び図15を参照すると、ヘッド1016は、可動毛ホルダー1020と、静止毛ホルダー1022とを更に包含する。静止毛ホルダー1022上に配置されるのは、LED1075である。
【0064】
ネック1017は、接合部1015でハンドル1012から分離する。ネック1017は、ネック端部1032内部に位置する2つの小さいピン又は突起1036(仮想線)を有する。小さい突起は、ハンドル1012の噛合端部1040上に見られるL字型スロット1042内に嵌合するように寸法付けされている。L字スロット1042の幅は、小さい突起の幅よりも僅かに広く、これにより、L字スロットは小さい突起を受容することができる。L字スロットの深さは、小さい突起の高さに実質的に等しく、故に、L字スロットは小さい突起を受容することができる。
【0065】
ヘッド及びネックをハンドルに接続するために、ユーザーは小さな突起をL字型スロットの上面1044とそろえる。ユーザーは、ヘッド1016を下方へ押し込むか、又は押しやることにより、小さい突起がL字型スロット1042の底面1046と接触する。小さい突起がL字型スロットの底面1046と接触したら、ユーザーは、次いで、図14及び図15に見られるように、ヘッド1016及び/又はネック1017をハンドル1012に対しておよそ90°回転させてヘッドを適所に固定する。各突起の上面は、各L字型スロット1042の上面の下に固定された状態になる。故に、ユーザーは協動するピン及び案内スロットに対してプレス・アンド・ツイスト動作を行って、ハンドル上の完全な取付位置へとヘッドを押し込み、2つの間の固定係合を実現する。
それらの間に解放可能な電気接続を付与すべく、ネック及びハンドルの噛合領域に沿って1つ以上の電気接点が設けられる。
【0066】
図16は、本発明の電気的な構成の概略図を例証している。この構成において、LED75及びモータ32は、スイッチ50及びバッテリー60によって互いに同時に電力供給されるか、又は作動される。LEDが含まれ、バッテリーによって付与される電力がLEDに所望されるものを超過し得るという事実に起因して、特に、バッテリーからの電圧又は電流出力が経時的に低下する傾向があるとき、入力電圧又は電流に対する変化に関わらず、一定の電圧又は電流出力をLEDに付与することができる標準の電圧又は電流ドライバ94を包含することが望ましい場合もある。図16に示す概略図は1つの実施形態であるが、他の構成を提供することもできる。例えば、LED及びモータを別個に作動させるべく、別個のスイッチを設けてもよい。2つ以上のLEDを設けてもよい。単一の電動歯ブラシで複数回使用することを可能とするべく、異なるスペクトル特性、測光特性、発光測定特性及び比色分析特性(異なる主波長、ピーク波長、発光パワー(radiometric power)など)を有するLEDを設けてもよい。また、これは複数のダイスを有するLEDを使用して達成することもできる(図2−2bを参照)。
【0067】
図17及び図18は、本明細書に記載される電動歯ブラシで使用される市販のLED発光ユニットの多様な色に関する分光分布を例証している。これらの分光分布グラフは、ルクセオン(Luxeon)(商標)1ワットエミッターLEDに関してであるが、これらの分布パターンは、他の発光ユニットでも達成され得る。具体的には、図17は、LEDの多様な色に関する相対的な分光出力分布のグラフである。図17は、ロイヤルブルー、青、シアン、緑、琥珀、赤−橙及び赤の色を例証している。図18は、白色LEDに関する相対的な分光分布である。
【0068】
歯の漂白と同様、他の用途に関しても、それぞれの歯が、歯の表面全体でほぼ同じ量の発光パワーを受容するべく、概ね又は実質的に均一な発光パワー分布を付与するLEDを利用することが望ましい場合が多い。故に、本発明の歯ブラシの実施形態は、図19に例として示されるような、ランバートパターン又は釣鐘型のパターンを有する光発光パターンを含む。コウモリ翼状パターンなどの他の発光パターンを利用してもよい。しかしながら、上述のように、LEDは、本発明に従って広範な光発光パターンを付与し得る。
【0069】
LEDから発光される光との干渉を最小に抑えるように毛ホルダーの毛を配置することができる。毛の高さは、少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9及び/若しくは1.0cm、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1及び/若しくは1.0cm未満であり得る。しかしながら、本発明の歯ブラシは、LEDから発光される光と相互反応する毛構成又は材料を利用可能であることが想定される。例えば、毛及び/又はLEDの直近に位置する毛ホルダーの上面には、ヘッドから離れて歯の表面に向かって光を指向するのを支援する、ニッケル又はクロムなどの反射コーティングが含まれ得る。あるいは、ブラッシング領域への光の伝達を更に促進すべく、LED近傍の毛を透明材料又は半透明材料から形成することができる。また、LEDによって発光される光の色に概ね一致させるべく、毛を着色、彩色又は染色してもよい。このように、毛は、LEDによって発光される光を吸収しないが、反射する。更に、LEDの周り又はその近傍に位置する歯又は歯茎の表面に向かって光を指向するのを支援する反射シールドを使用してもよい。
【0070】
本明細書中で先に述べたように、歯をホワイトニングするため、特にホワイトニング組成物の適用前、中又は後のいずれかにブラッシング領域を照射することによって当該組成物のホワイトニング効果を高める又は促進するためのホワイトニング組成物と組み合わせて、LEDを有する実施形態の歯ブラシを使用してもよい。照明付き電動歯ブラシと、過酸化物を含む組成物とを含むキットを提供することができる。
【0071】
通常、有機化合物の色は、π電子移動を受け得る不飽和基である発色団に起因する。光は、(電子移動を受ける)ステイン発色団を活性化し、活性化エネルギーバリアを減少させ、漂白によって、それらステイン発色団を攻撃に対してより敏感にすることができる。換言すれば、光による色体の活性化は、過酸化物による漂白を向上させることがある。同様に、ステイン発色団は、光処理が原因で磨耗ホワイトニングに対してより敏感になり、結果として、より速く、より良好にホワイトニングされる。漂白剤はエナメル及び象牙質の孔の中に浸透し、故に外因性及び内因性の色ステインが分解され、除去され得る。
【0072】
本明細書に記載される電動歯ブラシと組み合わせて、広範な歯用ホワイトニング組成物を使用してもよい。歯用ホワイトニング組成物は、漂白剤、研磨剤、pH調節剤、又は、機械的若しくは化学的作用によって歯の発色団と作用するいずれかの他の薬剤、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。歯用ホワイトニング組成物は、溶液、ペースト、ゲル、粘液、固体、又は他の適した形状で提供可能である。例証される漂白剤としては、酸素ラジカル又は水素ラジカル生成化合物、例えば金属イオンを含有しない過酸化物類、有機過酸化物及び金属イオン含有過酸化物などが挙げられる。漂白剤の特定的な非限定例としては、過酸化物類、亜塩素酸金属類、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類、ペルオキシ酸類、過硫酸塩類、前述の化合物をその場で形成する化合物類、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。適した過酸化化合物には、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、漂白剤は過酸化カルバミドである。適した亜塩素酸金属類としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる漂白剤としては、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素なども挙げられる。一実施形態において、漂白剤は、亜塩素酸ナトリウム、過酸化物、過炭酸ナトリウム、オキソン類、及びこれらの混合物から成る群から選択される。出発漂白剤は、水性物質又は固体物質であり得る。
【0073】
ホワイトニング又は漂白組成物中の漂白剤の量は変化してもよい。例えば、漂白剤は、歯用ホワイトニング組成物の総量を基準として、約0.5〜約60重量パーセントの量で存在し得る。過酸化水素が漂白剤である場合、1つの特定実施形態によれば、それは、歯用ホワイトニング組成物の総量を基準として、約0.5〜約40重量パーセント、特に約7〜約15重量パーセント存在し得る。過酸化カルバミドが漂白剤の場合、1つの特定実施形態によれば、それは、歯用ホワイトニング組成物の総量を基準として、約10〜約60重量パーセント存在し得る。典型的には、LEDからの発光エネルギーは、組成物が歯と接触している間に適用されるが、歯用ホワイトニング組成物の適用前又は後に適用されてもよい。
【0074】
照明付き電動歯ブラシは、LEDを含有する1つ以上の交換可能なヘッドを含むキットとして包装され得る。ハンドルは、好ましくはバッテリーから電力供給されるものとして論じられているが、本発明はまた、コンセント接続用のコード及び充電式バッテリーなどの他の周知の電源と、結合されるブラシホルダー/充電器(図示せず)とを包含する。
【0075】
上述のように、照明付き電動歯ブラシの多様な実施形態を、ホワイトニング組成物と組み合わせて使用してもよい。代表的な歯のホワイトニング方法は以下の通りである。照明付き歯ブラシ及び組成物を得た後、組成物を歯の表面、即ち歯に適用し、ホワイトニングする。好ましくは、かかる適用は、歯ブラシの毛ホルダー上に有効量の組成物を付着させ、次いで当該組成物を所望の表面に適用してホワイトニングすることによって行われる。一般に、この後者の工程は、歯をブラッシングするのと同様の様式で行われる。あるいは、歯用ホワイトニング組成物を歯にブラシで塗る(brushed)、塗布する(painted)及びアプリケータストリップで適用してもよい。次いで、歯ブラシの発光ユニットを作動させ、そこから発光された光を適用組成物の方へ指向させる。本発明の多様なホワイトニング技術には、歯の表面に組成物を適用する前、中及び後に光が歯の表面へ指向される変形方法が含まれることが理解される。好ましくは、次いで、光が目的の歯表面に適用された組成物を照射し続ける間にブラッシング作業が行われる。
【0076】
このホワイトニングプロセスは単なる例示である。本発明は広範なホワイトニング技術を包含する。更に、ホワイトニング作業の前、中又は後に従来のブラッシング作業を行ってもよいことが想定される。
【0077】
本発明は、複数の実施形態に関して記載してきた。本明細書を読んで理解すれば、変形及び変更が頭に浮かぶのは明白であろう。例えば、1つ以上のLEDと共に、いかなる数の毛ホルダー及び毛パターンも本発明で利用することができる。かかる全ての変形及び変更は、添付の特許請求の範囲又はそれに等しい範囲内にある限り包含されると意図する。
なお、原出願の特許請求の範囲に記載された請求項を、念のため、下記に記しておく。
(1) 照明付き電動歯ブラシ(10,400,1010)であって、
(a)ハンドル(12,1012)、ヘッド(16,316,416,516,616,716,816,1016)、及び前記ハンドル及び前記ヘッド間に延在するネック(14,314,414,514,814,1014)であって、前記ハンドルは中空の内側領域(30)を有し、前記ヘッドは該ヘッドに配置された毛(632,732,832,834)を有し、該電動歯ブラシは長手方向軸(19)を有するハンドル、ヘッド及びネックと、
(b)前記ヘッドに配置され、電流によって電力供給される少なくとも1つの発光ダイオード(75,575,675,775,875,1075)と、
(c)前記ヘッドに配置され、上部に配置された複数の毛を有する1以上の可動毛ホルダー(20,320,420,520,820,1020)と、
(d)前記中空の内側領域内に配置され、駆動軸(44)によって前記可動毛ホルダーに動作可能に接続されるモータ(32)と、を備える照明付き電動歯ブラシ。
(2) 前記束密度は、0.68cmの検出器距離(1200)及び0.46cm2の検出器開口面積(1201)で30mW/cm2〜300mW/cm2であり、前記発光ダイオードは、0.68cmの発光距離(1303)及び2分の発光時間で43℃未満の発光温度を有する、前記(1)に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(3) 前記発光ダイオードは、1ワット未満の消費電力を有する、前記(1)又は(2)に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(4) 1つの発光ダイオードは、50°未満の半角を有する光を放射する、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(5) 前記発光ダイオードに対して35mA超過の電流を供給する電流ドライバ(94)を更に具備し、前記モータ、前記ドライバ、前記バッテリー及び前記発光ダイオードは電気回路の一部である、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(6) 前記電流は、35mA超過の連続順方向電流である、前記(1)に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(7) 前記電流は、100mA超過のピークを有するパルス順方向電流である、前記(1)に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(8) 前記発光ダイオードは、1つの毛の輪によって実質的に包囲されている、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(9) 前記発光ダイオードは、発光特性を有する少なくとも2つの半導体基板(5,17)と、1つの共通レンズ(3)とを具備する、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(10) 前記発光ダイオードは、440nm〜480nmの波長を有する光を放射する、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【符号の説明】
【0078】
3 レンズ、5 発光ダイス、7 ワイヤボンディング、9 負極リード、10 電動歯ブラシ、11 LEDパッケージ、12 ハンドル、14 ネック、16 ヘッド、17 ダイス、19 長手方向軸、20 可動毛ホルダー、22 静止毛ホルダー、26 毛、30 中空部分、32 モータ、44 シャフト、50 スイッチ、52 スイッチ、60 バッテリー、75 LED。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード、特にブラッシング領域を照らす発光ダイオードを利用する照明付き電動歯ブラシに関する。より詳細には、本発明は、発光ダイオードの標準的な使用によって付与される光度又は束密度を超える、特定の光度又は束密度を有する光の供給に関する。
【背景技術】
【0002】
ライト付き歯ブラシは、伝統的には、歯ブラシのハンドルからヘッドまで光を搬送する光ファイバーを有する、歯ブラシのハンドル表面又は内部に配置されたライトを有する手動ブラシであった。しかしながら、光ファイバーによって伝送される光は、伝送される際にその光度及び/又は束密度が低下することが多い。故に、光ファイバー材料を必要とせずに光を伝送するように、歯ブラシのヘッド内又は上にライトを配置させることが所望された。更に、ライト付き電動歯ブラシを有することが所望された。
【0003】
歯ブラシ、特に電動歯ブラシのヘッド上にライトを配置するには、その大きさを最小にし、毛にとって十分な空間及び電動歯ブラシの機構にとって十分な空間を確保しなければならない。標準的な発光ダイオードは適切な大きさであり得るが、このようなデバイスは、十分な光度及び/又は束密度を有する光を供給し、口腔ケア効果を付与することができないこともある。高出力の非標準的な発光ダイオードは、所望の光度及び/又は束密度を付与することができることもある。しかしながら、高出力ダイオードは高い電流レベルを使用するので、高レベルの熱を発生させる。
【0004】
ここで、ブラシを有する歯ブラシ部と、歯ブラシ部を着脱させる駆動軸を有する電動歯ブラシ本体とから成る電動歯ブラシにおいて、近赤外線を照射して歯茎に温熱感を与えるための照射手段を備えたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、可視範囲内の広域吸収スペクトルを有する感光性口腔衛生組成物に関する可視範囲内の光源を使用する歯及び口の自浄方法も開示されえちる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−299454号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0059738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
口腔内で高レベルの熱を発生させると、髄室を過熱する可能性があり、その結果、歯髄炎又は口腔組織に対する他の損傷を招き得る。従って、少なくとも約7カンデラの光度及び/又は少なくとも約30mW/cm2の束密度を有する光を発光する発光ダイオードを具備し、歯及び/又は他の口表面を損傷することなく、口腔内で安全に使用可能な照明付き電動歯ブラシに対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
照明付き電動歯ブラシは、ハンドルと、ヘッドと、ハンドル及びヘッド間に延在するネックとを備える。ハンドルは、中空の内側領域を有すると共に長手方向軸を有する。ヘッドは、毛と、少なくとも1つの発光ダイオードとを備える。発光ダイオードは電流によって電力供給され、代表的な歯の表面におけるその束密度は、約0.68cmの検出器距離及び約0.46cm2の検出器開口面積で、約30mW/cm2超過である。更に、発光ダイオードは、約0.68cmの発光距離及び約2分の発光時間で、約43℃未満の発光温度を有する。照明付き電動歯ブラシは、ヘッドに配置された毛を含む1つ以上の可動毛ホルダーを有し、中空の内側領域内に配置されたモータは、駆動軸によって可動毛ホルダーに動作可能に接続される。
【0008】
一実施形態において、代表的な歯の表面での所望の束密度は、約35ミリアンペア超過の連続順方向電流を発光ダイオードに供給することによって達成される。
【0009】
別の実施形態において、発光特性を有する少なくとも2つの半導体基板と、1つの共通レンズとを含む発光ダイオードを照明付き電動歯ブラシのヘッドに配置することによって達成される。
【0010】
更に別の実施形態において、代表的な歯の表面レベルでの所望の束密度は、100mA超過のピークを有するパルス順方向電流を発光ダイオードに供給することによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】発光ダイオードの断面図。
【図2】1つ以上の発光体と、単一の光学出力とを有する発光ダイオードの断面図。
【図2a】1つ以上の発光体と、単一の光学出力とを有する発光ダイオードの断面図。
【図2b】1つ以上の発光体と、単一の光学出力とを有する発光ダイオードの断面図。
【図2c】1つ以上の発光体と、単一の光学出力とを有する発光ダイオードの断面図
【図3】本発明に従った照明付き電動歯ブラシの斜視図。
【図4】図3の電動歯ブラシの上平面図。
【図5】図3の電動歯ブラシの断面側面図。
【図6】電動歯ブラシのヘッドの断面側面図。
【図6a】電動歯ブラシのヘッドの断面側面図。
【図7】本発明による別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図8】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図9】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図10】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図11】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図12】本発明による更に別の実施形態のヘッド及びネックを示す部分正面図。
【図13】本発明による照明付き電動歯ブラシの別の実施形態を示す斜視図であり、当該歯ブラシは、ハンドルから分離可能なヘッド及びネックを包含する。
【図14】図11の照明付き電動歯ブラシのハンドル又は本体部分上への、交換可能なヘッド及びネックの設置を例証する部分側面図。
【図15】図11の照明付き電動歯ブラシのハンドル又は本体部分上への、交換可能なヘッド及びネックの設置を例証する部分側面図。
【図16】本発明と共に使用するのに適する電気構成の概略図。
【図17】本発明と共に使用するのに適する発光ダイオードの多様な色に関する分光分布グラフ。
【図18】本発明と共に使用するのに適する、白色光を発光する発光ダイオードに関する分光分布グラフ。
【図19】本発明と共に使用するのに適する光発光パターンを例証するグラフ。
【図20】発光ダイオードと露光される表面との間の空隙の形状を例証するダイヤグラム。
【図21】特定の立体角内における光の平均強度を測定するための試験方法を例証するダイヤグラム。
【図22】照明付き電動歯ブラシが、歯の表面温度に与える影響を測定するための試験方法を例証するダイヤグラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、幾つかの部分及び部分の構成において物理的形態を取り得る。本発明の実施形態は本明細書において詳細に記載され、本明細書の一部を形成する添付図面において例証される。
【0013】
本明細書に示された全ての印刷刊行物、特許及び特許出願は全て、本明細書に参考として組み込む。一般に、本発明は、電動歯ブラシのヘッド上又は内に配置された1つ以上の発光ダイオード(「LED」)を有する電動歯ブラシに関する。より詳細には、電動歯ブラシは、LEDが歯及び/又は歯茎を含むブラッシング領域を照らす間、モータによる運動を用いて歯及び歯茎を洗浄するパーソナル衛生で使用される。更に、LEDは、ホワイトニングなどの口腔ケア効果を提供し得る。
【0014】
本明細書で使用する時、用語「光」は、可視光及び非可視光(例えば、紫外線及び赤外線)のスペクトルを包含することを意図する。光を測定するシステムには、発光測定法と測光法の2つがある。発光測定法は、3×1011〜3×1016Hzの周波数範囲内の電磁発光線の測定であり、測光法は、人間の目によって検出可能な電磁発光線の測定である。当該技術分野において既知であるように、発光測定単位としては、エネルギー(ニュートンメートル又はジュール)、時間に対するエネルギー流量である電力又は発光束(ジュール/秒又はワット)、単位面積あたりの電力である発光照度又は束密度(ワット/m2)、単位立体角あたりの電力である発光強度(ワット/ステラジアン)、及び単位立体角あたり、単位投影面積あたりの電力である発光輝度(ワット/m2−ステラジアン)が挙げられる。同等の測光単位としては、電力又は光束(ルーメン)及び光度(ルーメン/sr又はカンデラ)が挙げられる。論じられる光の別の特徴は、視角又は半角である。本明細書に記載されるように、半角は、ピークと、ビーム軸の一方側にある点との開先角度(度)の2倍であり、光度はビーム角の最大値の50パーセント又はその半分である。以下に論じられる更に別の特徴は、歯の表面でLEDにより生成される熱量又は発光温度(摂氏)に関する。更に、照明付き電動歯ブラシのヘッドに配置されたLEDが消費する総電力(「消費電力」)も特徴とされる。本明細書では簡潔にするために、単位は、発光測定単位又は測光単位のいずれかで論じられるが、発光測定単位が好ましい。強度は、カンデラ(又はルーメン/ステラジアン)で測定される光度、又はワット/メーター2で測定される束密度のいずれかであり得る。
【0015】
本明細書に記載される全ての試験方法は、ブラシがフル充電され、その電源が入ったときに装置を作動させるべく通常に供給される電流で照明付き電動歯ブラシが作動され、毛が動いており、LEDが光を照射するときに行われる。
【0016】
本発明のLEDの特徴は、以下により完全に論じられる。
【0017】
A.代表的な歯の表面における束密度(「FDRT」)
この試験は、歯の表面に投射される発光束密度をW/m2で表すことを意図する。ワットで較正された検出器は、約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50及び/又は若しくは0.46cm2未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46及び/若しくは0.50cm2超過の検出器開口面積と、少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.70、0.76、0.80、0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、1.15及び/若しくは1cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.00cm未満の検出器開口直径とを有し、検出器開口は、LEDの発光点から約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.0cm超過、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.0cm未満の距離(「検出器距離」)を有する。伝統的に、検出器は、所望の大きさの検出器開口面積を付与し得る絞りを備える。LEDは、検出器開口に面して配置されるべきであり、LEDの機械軸は、この検出器開口の中央を通るべきである。検出器は、検出器での発光束(ワット)を測定する。検出器は、検出器開口面積全体にわたる発光束を測定する。故に、結果として得られた数は、発光束の全体値である。FDRTは、キャップ1109(LEDと、露光される表面との間の幾何学的な関係を例証する図20に示される)の球状面積によって除算された発光束の全体値である。キャップの球状面積は、以下の式によって計算することができる。
【0018】
S=2πR(R−l)
式中、
【0019】
【数1】
S=キャップの球状面積
l=検出器距離
d=検出器開口面積の直径
FDRT=総発光束(ワット)/S
【0020】
この発光束(ワット)を、キャップの球状面積で除算すると、代表的な歯の表面における束密度(W/m2)が得られる。FDRTを測定するのに適する装置の例としては、オプトロニック・ラボラトリーズ社(Optronic Laboratories,Inc.)(フロリダ州オーランド)製のOL730CV発光計/光度計(OL 730CV Radiometer/Photometer)が挙げられる。図21に示すように、検出器距離「l」(1200で示される)は、LED1275の発光点1205と、検出器1203の入口開口1201との間の距離である。この検出器距離「l」(1200で示される)は、LED1275の発光点1205から検出器1203の検出器の入り口開口1201の平面までが測定される。
【0021】
本発明の照明付き電動歯ブラシのFDRTは、少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、70及び/若しくは100mW/cm2から、並びに/又は約300、250、200、150及び/若しくは100mW/cm2未満、又はこれらのいずれかの組み合わせである。上述のFDRTで個別に光を発光するLEDを備える歯ブラシは、口の中で単独に又は他の口腔ケア組成物と組み合わせて使用されるときにホワイトニング効果及び他の口腔ケア効果をもたらし得ると考えられている。これらの口腔ケア効果を達成するためには、歯ブラシヘッド上に配置されたLEDの少なくとも1つが、少なくとも約30mW/cm2のFDRTを有する光を発光しなければならない。より高いFDRTを有する光もホワイトニング効果又は他の口腔ケア効果をもたらすが、300mW/cm2を超えると、ユーザーは、口腔の損傷を防ぐ安全手段を講じる必要があり得る。
【0022】
B.立体角内での%総光束
電動歯ブラシのLEDの一実施形態において、LEDの総電力(ワット)の少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、100%は、少なくとも約0、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.9、0.95及び/若しくは1ステラジアン(「sr」)、並びに/又は約6.3、5.5、5、4.5、3.5、3、2.5、2、1.5、1.3、1.2、1.1及び/若しくは1sr未満の、LEDの中央に頂点を有する立体角内に含まれる。LEDの発光点に頂点を有する立体角は、以下の式を用いて計算することができる。
【0023】
α=S/R2=2πh/R,
式中、
h=R−a、及び
【0024】
【数2】
α=立体角(sr)
S=キャップの球状面積
a=軸距離
b=寸法面積の直径
【0025】
これらの計算は、FDRTを計算するために先程使用した計算と同様であり、軸距離及び寸法面積は検出器距離及び検出器面積と同様の値を有するが、検出器は、立体角の計算には存在しない。
【0026】
LEDが露光表面に向かって光を発光する空隙のダイヤグラムが図20に示されている。式の要素は図20に示されており、「α」はLED1175の発光点1113に頂点(1111で示されている)を有する立体角(1110で示されている)である。「a」(図20では1101で例証されている)は、LEDの発光表面と、LEDから発光する光に曝される表面との垂直距離であり、「b」(1103で示されている)は、LEDを含む円形領域の直径であり、「S」(1109で示されている)は、キャップの球状面積である。「h」(1105で示されている)は、R(1107で示されている)−「a」(1101で示されている)に等しい。「b」は、少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.65、0.70、0.76、0.80、0.90.0.95及び/若しくは1.00cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.00cm未満であり得る。「a」は、約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80.0.85、0.90及び/若しくは1.00cm超過、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/並びに1.00cm未満であり得る。
【0027】
立体角内における電力のパーセントを決定するには、最初に、LEDから発光される総電力を測定しなければならず、第2に、特定の立体角面積内における電力を測定しなければならない。最後に、特定の立体角内におけるパーセント電力を計算する。LEDから発光される総電力は、ゴニオ光度計方法及び/又は積分球方法のいずれかによって決定することができる。ゴニオ光度計方法では、総発光束がワット(ゴニオ光度計がワットで較正される場合)で測定される。ゴニオ光度計の回転検出器は、LEDを包囲する球状領域の表面を走査する。表面の各要素dΑに入射する部分束dΦは、総発光束を表す。
【0028】
【数3】
これを加重及び積分すると、総発光束Φの値が得られる。
【0029】
【数4】
LEDからの総発光束を測定する別の方法は、積分球(ワットで較正)を使用して、同様の空間及び分光出力分布を有する標準のLEDと、試験されるLEDを比較することである。完全に一致する標準品が入手できない場合、色に関する補正値を計算することはできるが、空間出力差に関する補正値は計算するのがより難しい。ほとんどの積分球は直径10cm以下である。故に、同じ種類の補助LEDを積分球に挿入し、試験LEDの自己吸収に適用される補正を許容すべきである。2つの入口及び1つの出口を有する球が作動しなければならない。これらの方法はいずれも「LEDの測定(Measurement of LEDs)」というタイトルのCIE127(1997)(国際照明委員会(the International Commission of Illumination)により出版)に記載されている。
【0030】
第2に、特定の立体角内における電力を測定する。電力が測定される立体角を選択するには、前述の式を用いて、所望の立体角に関する軸距離及び寸法面積の直径を決定しなければならない。軸距離値は検出器距離値に対応し、寸法面積の直径値は検出器開口面積値に対応する。試験を行う際にこれらの値を選択することにより、所望の立体角内の電力が測定される。検出器がワットで較正された場合、これにより所望の立体角内における総発光束が得られる。
【0031】
LEDの(特定の立体角内における)総発光束の測定には、ワットで較正された検出器が関与し、この検出器は、約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50及び/若しくは0.46cm2未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46及び/若しくは0.50cm2超過の面積と、少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.70、0.76、0.80.0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、1.15及び/若しくは1cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.00cm未満の検出器開口直径とを有する円形の開口1201を有する。LEDは、LED1275の発光点1205から約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.00cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.00cm未満の検出器距離1200で、検出器の入り口開口1201に面して配置されるべきである。LEDの機械軸は、この検出器開口の中央を通るべきである。
【0032】
最後に、所望の立体角内における発光される光のパーセンテージは、以下の式によって計算される。
所望の立体角内における総発光束/総発光束=所望の立体角内における発光される光の%
【0033】
C.半角及び/又は視角
照明付き電動歯ブラシが所望の特徴を有する光を発光するかどうかを決定するための別の方法は、LEDの半角及び/又は視角を調査することである。本明細書に記載されるように、半角は、ピークと、ビーム軸の一方側にある点との開先角度(度)の2倍であり、光度は、ビーム角の最大値の50パーセント又はその半分である。これは視角とも呼ばれ得る。半角が小さい程、光はより集束する。LEDから発光する光が集束する程、所望の光度及び/又はFDRTを達成するのに必要とされる光は少なくなる。よりフォーカスされた光角を有することにより、好ましくない方向を照らす、即ち毛領域を照らすことで消費される光が少なくなる。光が好ましくない方向を照らす場合、所望の光度又はFDRTを達成するのにより多くの光が必要とされ、この結果、熱レベルが増大することが多い。照明付き電動歯ブラシからの熱発光が増大すると、口腔内の歯及び組織が損傷を受ける可能性がある。LEDの半角
【0034】
【数5】
は、約50°、49°、48°、47°、46°、45°、44°、43°、42°、41°、40°、38°、36°、34°、32°、30°及び/若しくは28°未満、並びに/又は約0°及び/又は5°超過であり得る。
【0035】
D.発光温度
歯ブラシのヘッド上でLEDを使用し、次いでこの歯ブラシを口腔内に入れて歯をブラッシング及び/又は処置すると、熱と同様に光をも口腔内に導入する場合がある。光は歯の表面に吸収され、これにより、更なる熱が歯の表面に生成する可能性がある。熱が口腔内で生成されると、歯の歯髄室が大きくなる可能性があり、これは、歯髄炎又は他の口腔の損傷を生じることがある。口腔内の損傷を引き起こさないために、歯の表面温度は、約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃及び/又は25℃未満のままであるべきである。歯の表面温度が上述の温度を超えると、歯の歯髄室が過熱され、歯髄炎を起こすことがある。故に、照明付き電動歯ブラシによって発光される光は、歯の表面温度を約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃及び/又は25℃よりも上昇する熱を生成してはならない。一実施形態では、標準のLEDを使用し、約200ミリアンペア(「mA」)未満の連続順方向電流を標準のLEDに与えることにより、歯の表面温度が約43℃未満に維持されている
【0036】
照明付き電動歯ブラシから発光される光への曝露によって歯の表面で生成される温度が「発光温度」である。熱電対1315(図22に示される)などの、当該技術分野において既知の装置によって、発光温度を測定することができる。本発明の試験方法において使用するのに適する1つの熱電対は、オメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)製のSC−GG−T−30−36熱電対である。LEDから発光する光に曝される歯の表面に、好ましくは接着剤を用いて熱電対を取り付けることができる。本試験方法において使用するのに適する1つの歯用接着剤は、デンツプライ(Dentsply)製のルシトーン199(Lucitone 199)である。あるいは、熱電対が歯に触れ、歯の露光が終了する約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1秒未満の試験時間内に温度の読取りが完了する限り、歯の表面温度を露光後に測定することができる。露光後に温度を測定する1つの方法は、標準の綿棒を使って、試験時間の持続時間中、歯の上に熱電対を当てて保持し、温度データを収集することである。更に、熱電対からのデータを度単位の温度に変換するユニット1317を使用することができる。オメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)製のハンドヘルド形ユニットHH5−08は、熱電対から受け取ったデータを度単位の温度に変換するべく、前述の熱電対と共に使用されるのに適している。この試験は、32℃に設定されたインキュベーター内で標準的に抽出されたヒト又はウシの歯1301のサンプル上にてインビトロで行われる。この試験は、口の中にある歯の通常の基本温度を再現するべく32℃に設定されたインキュベーター内で行われる。この試験に適するインキュベーターは、ジョアン・グループ・オブ・カンパニーズ(Jouan Group of Companies)から入手可能なTHELCO3DG、カタログ番号51221122(THELCO 3DG,catalog #51221122)である。歯を配置するために切除された空間を有する鋳造アルミニウム片を含む鋳造アルミニウムスタンド1319に歯を配置する。鋳造アルミニウムスタンド1319は、歯1301をヒートシンク1321に接続する。本試験方法において使用するのに適するヒートシンクとしては、アービッド・サーマロイ(Aavid Thermalloy)製のヒートシンク11−5602−48VIS#031608が挙げられる。電源(図示せず)をヒートシンクに設けることができる。「発光距離」は、LED1375の発光点1305から歯1301の表面までの距離1303である。発光距離1303は、歯の表面から約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50及び/若しくは0.46cm未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46及び/若しくは0.50cm超過であり得る。LED1375の発光点1305は、歯1301の表面から約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50及び/若しくは0.46cm未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46及び/若しくは0.50cm超過の発光距離で配置され、照明付き電動歯ブラシ1313の電源が入ると、LED1375が作動し、歯1301の表面を照らす。次いで、歯1301は、約15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1及び/又は0分未満の発光時間の間、LED1375から発光する光に曝され、歯1301の温度が標準の熱電対1315によって測定される。熱電対を別個のハンドヘルド形ユニット1317に取り付けて、熱電対1315からの読取値を温度の読取値に変換することができる。発光温度は、約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃及び/又は25℃を超えてはならない。
【0037】
E.消費電力
更に、過剰な熱生成による口腔の損傷を避けるために、照明付き電動歯ブラシのヘッド上に配置されたLEDにより消費される総電力(「消費電力」)は、約2、1.5、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1ワット(「W」)を超えてはならない。
【0038】
F.本発明の実施形態の例
製造業者が推奨するレベルを超えて順方向電流を増大させる(「過度の電力供給」)こと、及び/又はLEDから発光される光をパルスさせること、又はこれらの組み合わせにより、標準のLED(LED内の1つ以上の発光体を含む)を備える本発明の照明付き電動歯ブラシにおいて、少なくとも約7カンデラの光度及び/又は少なくとも約30mW/cm2のFDRTを達成することができる。LEDへの過度な電力供給は、LEDの寿命を縮める可能性がある。LEDの寿命量は、LEDに対して過度に電力供給するのに使用される電流レベル及びLEDの特徴に応じて縮められる。しかしながら、歯ブラシが使い捨て及び/又は交換可能な物品であるとき、この縮められた寿命は、それでもなお、歯ブラシで使用するのに必要とされる寿命を超える。一実施形態では、LEDは歯ブラシの交換可能な部分上に配置され、故に所望であれば交換可能である。
【0039】
本明細書で使用する時、用語「光」は、可視光及び非可視光(例えば、紫外線及び赤外線)のスペクトルを包含することを意図する。このスペクトルは、約10nmの主波長又はセントロイド波長を有する光(遠紫外線)から106nmのセントロイド波長を有する光(赤外線)に及ぶか、又はこのスペクトルは、約370nm〜約770nmのセントロイド波長を有する可視光を包含してもよい。更に、このスペクトルは、約370〜約500のセントロイド波長を有する可視光を包含してもよい。本明細書で使用する時、用語「セントロイド波長」は、光の知覚色を表す波長を指すことを意図する。これは、LEDの発光強度が最大の波長であるピーク波長とは異なるものであってもよい。LEDに関して、主波長又はセントロイド波長は、以下の式によって決定され得る。
【0040】
【数6】
連続スペクトルの場合、及び
【0041】
【数7】
離散スペクトルの場合。
【0042】
式中、Iは光度であり、λは波長である。
【0043】
これらの式は、「LEDの測定(Measurement of LEDs)」というタイトルのCIE127(1997)(国際照明委員会(the International Commission of Illumination)により出版)において更に記載されている。LEDのスペクトル特性(例えば、ピーク波長)、測光特性(例えば、光度)、発光測定特性(例えば、発光強度)及び非色分析特性(例えば、主波長)は、オプトロニック・ラボラトリーズ社(Optronic Laboratories,Inc.)(フロリダ州オーランド)製のOL730CV発光計/光度計(OL 730 CV Radiometer/Photometer)などの当該技術分野において既知の装置を用いて測定することができる。光には、主波長又はセントロイド波長(例えば、白色光)を有さないものもある。
【0044】
本発明の照明付き電動歯ブラシは、少なくとも約7、10、15、20、30及び/若しくは40カンデラ、並びに/又は約60、50、45及び/若しくは40カンデラ未満、又はこれらのいずれかの組み合わせの光度、又は少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、70及び/若しくは100mW/cm2、並びに/若しくは約300、250、200、150及び/若しくは100mW/cm2、又はこれらのいずれかの組み合わせのFDRTを有する光を発光するLEDを備える。
【0045】
照明付き電動歯ブラシの一実施形態は、図1に示すようなLEDを備える。図1は、LEDパッケージ11の断面図を示し、このLEDパッケージ11は、レンズ3と、単一の発光ダイス5と、ワイヤボンディング7と、正極リード21と、負極リード9と、長手方向軸Lとを備える。請求項に記載された発明のLEDにおいては、発光特性を有する様々な種類の半導体基板を使用することができる。発光特性を有する半導体基板の1つの種類は、ダイスである。ダイスは、発光特性を有する単一の半導体基板である。本発明の照明付き電動歯ブラシが、本明細書に記載される所望の特性を有する光を付与する限り、本発明の照明付き電動歯ブラシのヘッド上に配置されたLEDは、ダイスを含むがこれに限定されない、発光特性を有する半導体基板のいずれかの種類を含み得ることが想定される。LEDの直径は、少なくとも約0.5、1、2、3、4、5及び/若しくは6mm、並びに/又は約5、10、15及び/若しくは20mm未満であり得る。
【0046】
光は、LEDの発光点の多くの表面から発光し得る。しかしながら、以下、簡潔にするために、LEDの発光点及び/又は表面からの距離の全ての測定は、半導体基板の前面、例えばダイス5の前面について言う。LEDが複数のダイスを有し、故に半導体基板の複数の前面を有する場合、LEDの発光点からの距離は、半導体基板の前面からの距離の平均であるべきである。光はダイス表面から発光し、LEDのレンズ3へと指向される。故に、半導体基板の発光点からの距離を測定するために、半導体基板の発光素子の前面を識別しなければならない。照明電動歯ブラシの一実施形態では、LEDの発光素子の前面は、ダイス5(図1に示す)の表面である。故に、本実施形態の発光表面からの距離に関する全ての測定は、ダイス5の前面から開始する。
【0047】
LEDに対して過度に電力供給すると、所望の光度及び/又はFDRTが得られる。その理由は、順方向電流入力が増大するにつれ、LEDの光度及び/又はFDRTが制限内で増大するからである。故に、本発明の照明付き電動歯ブラシに望まれる光度及び/又はFDRTレベルは、製造業者が推奨するレベルを超えて、標準のLEDへの電流を増大させることによって達成可能である。製造業者が推奨する最大値の2倍に電流を増大させると、光度及び/又はFDRTはほぼ2倍となり、同時に、LEDの寿命は、照明付き電動歯ブラシでの使用において、なお許容可能である。標準のドライバを使用して選択された電流レベルを供給し、所望の光度及び/又はFDRTを達成することができる。本発明と共に使用するのに適する電圧又は電流ドライバは、ゼテックス・セミコンダクターズ(Zetex Semiconductors)(英国、オールダム)製のZXSC310単セル又は多セルLEDドライバ(ZXSC310 Single or Multi Cell LED Driver)である。所望の光度及び/又はFDRTを達成する最小電流は、連続動作させるために製造業者が推奨する最大電流よりも大きく、連続動作させるために製造業者が推奨する最大値の2倍であり、又はパルス動作させるために製造業者が推奨する最大値の3倍であり得る。最大で、LEDを即座に破損させるレベルまで電流を増大することができる。本発明の一実施形態は、約35mA、40mA、45mA、50mA、55mA、60mA、65mA、70mA、75mA、80mA、90mA、100mA、150mA及び/若しくは200mA超過、並びに/又は約700mA、600mA、500mA、400mA、300mA、250mA、200mA、150mA、100mA、90mA、80mA、75mA、70mA、65mA、60mA、55mA、50mA、45mA、40mA及び/若しくは35mA未満の連続順方向電流により、所望の光度及び/又はFDRTを供給する標準のLEDを備える。一実施形態において、最小の連続電流レベルは、連続動作のための最大の連続電流定格であり得、最大の連続電流レベルは、LEDを即座に破損させる電流程度であり得る。電流が増大するにつれ、光度及び/又はFDRTも増大するが、この相関関係が一様になり、更に電流が増大しても光度及び/又はFDRTが増大しない点がある。この正確な点は、LEDの特性及び設計に応じて異なる。更に、時間が進み、製造業者が推奨するレベルを超える電流にLEDが曝されると、光度及び/又はFDRTは低下し始める。所望の光度及び/又はFDRTを維持する1つの方法としては、同じ光度及び/又はFDRTを維持するべく更に電流を増加させることが挙げられるが、これに限定されない。所望の光度及び/又はFDRTを達成するために、標準LEDに対する電流が増大させられるが、使用される電流は高出力の非標準LEDに対して伝統的に使用される電流よりもまだ低い。故に、標準のLEDによって生成される熱は、歯の表面温度を約43℃以上に上昇させることはない。
【0048】
標準のドライバ設計においてLEDの電流を安定化させると、LEDが老朽化しても電流は同じままであるので、光度及び/又はFDRTは長期にわたって部分的に安定化する。しかしながら、LEDが老朽化するときに、同じレベルの光度及び/又はFDRTを維持するために電流を増加させなければならないこともある。LEDが老朽化するときに一定の光度及び/又はFDRTを維持する1つの方法は、LEDから発光される光度及び/又はFDRTを内蔵型センサーで測定し、測定値に従って電流を調節することである。LEDが老朽化するときに電流を調節すると、照明付き電動歯ブラシは、長期にわたって特定の光度及び/又はFDRTで光を供給し続ける。内蔵型センサーを含まずに、ほぼ同じ光度及び/又はFDRTを維持する別の方法は、LEDが老朽化するときに、長期にわたってLEDに対する電流を増大させるタイミング回路を包含することである。これは、更なる出費を最小限に抑え、単純な設計により、ほぼ安定した光度及び/又はFDRTを維持することができる。本発明と共に使用するのに適する電圧又は電流ドライバは、ゼテックス・セミコンダクターズ(Zetex Semiconductors)(英国、オールダム)製のZXSC310単セル又は多セルLEDドライバ(ZXSC310 Single or Multi Cell LED Driver)である。
【0049】
図2は、複数のダイスなどの2つ以上の発光体を包含することによって、本発明の照明付き電動歯ブラシにおける光度及び/又はFDRTのレベルを達成するための別の手段を示している。以下の実施形態は、光を発光する2つの半導体基板、例えばダイスを有するLEDを例証しているが、LEDは3つ以上のダイスを具備し得ることも想定される。本発明のこの実施形態15は、単一の光出力であるレンズ3と、1つの正極リード21及び1つの負極リード9とを有する。しかしながら、この単一の標準LEDパッケージは、2つ以上の発光体と、2つ以上の半導体基板とを含有し、3つ以上のリードを有し得る。発光源からの全ての光が組み合わされて、LEDパッケージ15のレンズ3で単一の光出力になる。単一のLEDパッケージ15は、複数の発光ダイス5及び17と、ワイヤボンディング7及び117とを有する。実施形態15は、ダイス117間の接続を示している。この接続は、並列接続又は直列接続のいずれかであり得る。図2aは、直列接続された複数のダイスを例証している。本発明のこの実施形態15aは、単一の光出力であるレンズ3と、1つの正極リード9及び1つの負極リード27とを有する。しかしながら、この単一の標準LEDパッケージは、2つ以上のダイス5及び17を含有し、各々のダイスは個別の受け台37及び39を有する。ダイスは直列接続を有し、ワイヤボンディング111はダイス5の頂部をダイス17の底部に接続し、ワイヤボンディング113はダイス17の頂部を負極リード27に接続する。発光源からの全ての光が組み合わされて、LEDパッケージ15aのレンズ3で単一の光出力になる。図2bは、平行に接続された複数のダイスを例証している。本発明のこの実施形態15bは、単一の光出力であるレンズ3と、1つの正極リード9及び1つの負極リード27とを有する。ダイスは並列接続を有し、ワイヤボンディング117はダイス5の頂部をダイス17の頂部に接続し、ワイヤボンディング7はダイス17の頂部を共通の負極リード27の頂部に接続する。発光源からの全ての光が組み合わされて、LEDパッケージ15bのレンズ3で単一の光出力となる。この多ダイスLEDの(図2cに示すような)別の実施形態15cでは、LEDは、レンズ3と、2つの半導体基板と、並列接続されたダイス5及び17と、ワイヤボンディング119及び121と、1つの正極リード33と、2つの負極リード31及び35とを備える。このLEDも単一の光出力であるレンズ3から光を発光する。各ダイスは、個別の受け台37及び39を有する。LEDが2つの正極リードと、1つの負極リードとを具備し得、更にLEDのこの実施形態が直列接続可能であることも想定される。更に、LEDは、発光特性を有する3つ以上の半導体基板を備えることができ、LEDは3つ以上のリードを備えることができる。LEDは共通又は共有のリードを有するか、又は発光特性を有する各半導体基板用の個別のリードを有することができる。更に、発光特性を有する各半導体基板は、バッテリーなどの別個の電源によって個別に電力供給され得る。
【0050】
これらのダイスは、電気的に並列接続又は直列接続され得る。それらダイスが直列接続されているとき、全ての電流に関する考慮事項は、単一ダイスの場合と同じである。総電圧はおよそnxVi(式中、n=ダイス数、Vi=単一ダイスの順電圧)である。ダイスが並列接続されている場合、総電流はおよそnxIiであり、総電圧は単一ダイスのそれと同程度である。直列接続はダイス間の差異を調節する理由から、良好な働きをする。ダイスが直列接続されているとき、ダイスはそれらの順電圧を自動的に調節し、それらの光度及び/又はFDRTは非常に近くなる。いずれかの構成において、2つのダイスを有するLEDは、およそ1.6xPi(式中、Piは単一ダイスの光度及び/又はFDRTである)の光度及び/又はFDRTを有する。3つのダイスを有するLEDは、約2.26xPiの光度及び/又はFDRTを有するようになる。(ダイス間の干渉は、光度及び/又はFDRTの計算値が、ダイス数を掛ける数であることを防止し得る。)これらのダイスは同色の光を供給するか、又は異なった色の光を有することができる。しかしながら、各個別の発光体が同じ光を発光する場合、その単一LEDからの色光の光度及び/又はFDRTは、一色の光を発光する単一の標準LEDよりも大きい。各個別の発光体は、約440nm〜約480nmの波長を有する光を発光することができる。単一のLEDはまた、異なった色の光を発光する2つのダイスを含有することができ、例えば、波長は約370、380、390、400、425、440、450、475、480ナノメートル超過、及び/又は約500ナノメートル未満の範囲から選択される。ダイスが同じ色範囲内で異なる波長の光を発光するようにダイスを選択することもでき、例えば、ダイスは、結果的に青色になる様々な波長を有する光を発光し得る。更に、LEDの単一の光学出力(レンズ)にて異なる光の波長を組み合わせることにより、口腔ケア効果をもたらす特定の色の組み合わせが得られる。例えば、2つの異なる組成物を歯に適用することができ、各組成物は、異なる光の波長に反応する。更に、光の波長が異なることにより、口腔内に異なる反応が生じることもある。細菌を死滅させ得る光の波長もあれば、歯をホワイトニングし得る光の波長もある。単一の光の波長によって幾つかの色を達成するのは困難であり、本発明はこれら独特の色の1つを発する光を生成するために使用することができる。故に、単一の光学出力で異なる色を組み合わせることにより、1つのダイスだけでは達成できない色を生じることができる。故に、異なる色を用いることにより、単一色を有する単一波長が達成できない1つ以上の口腔ケア効果を得ることができる。
【0051】
本発明の照明付き電動歯ブラシの光度及び/又はFDRTを達成するための更に別の手段としては、非連続電流又はパルス電流をLEDに付与し、パルス光又は非連続光を生じさせることが挙げられる。本発明のこの実施形態は、約100mA、125mA、150mA、175mA、200mA、225mA、250mA、275mA、300mA、325mA、350mA及び/若しくは375mAよりも大きく、並びに/又は約900mA、800mA、700mA、600mA、500mA、400mA、375mA、350mA、325mA、300mA、275mA、250mA、225mA、200mA、175mA、150mA、125mA及び/若しくは100mA未満のパルス順方向電流によって所望の光度及び/又はFDRTレベルを付与する標準LEDを含む。一実施形態では、パルス順方向電流は、パルス動作のための最大電流定格程度よりも大きく、LEDを即座に破損させる電流程度よりも小さい。光パルスの最小光度及び/又はFDRTは連続光のそれであり得、最大光度及び/又はFDRTはPc/Q(式中、Pcは連続光の光度及び/又はFDRTであり、Qはサイクル比である)である。サイクル比は、パルス間の時間期間によって除算されたパルスの持続時間に等しい。本発明のサイクル比は、約0.01、0.10、0.25、0.40及び/又は0.50〜約0.50、0.60、0.75、0.80及び/又は0.99である。光パルスの周波数は、約0.01Hz、1Hz、10Hz、100Hz、500Hz又は1MHz〜約1MHz、10MHz、100MHz、500MHz、1GHz又は10GHzであり得る。LEDのパルス作動に関する電流振幅は、約Imaxp〜約10Imaxp(式中、Imaxpはパルス動作のための絶対最大電流定格である)であるか、又は約Imax〜約20Imap(式中、Imaxは連続動作のための最大電流定格である)であり得る。LEDへ電流をパルスすることにより、LEDの消費電力が低下し、故にバッテリーの寿命が長くなり、同様に、光の輝度、並びに/又は光度及び/若しくはFDRTが増大する。バッテリー寿命の向上及び輝度の増加は、LEDの特性及び設計に応じて変化し得る。
【0052】
一実施形態において、照明付き電動歯ブラシは、細長い本体部分又はハンドルと、ヘッドと、ヘッド及びハンドル間に延在するネックとを包含する。1つ以上のLEDが、ヘッドに、好ましくは、それに複数の毛を有する1つ以上の静止又は可動毛ホルダーに隣接して、その上及び/又は中に設けられる。毛は、1つ以上のタフト群を成すように形成されてもよい。
【0053】
ヘッドは、長手方向軸と、1つ以上の可動毛ホルダーと、任意には1つ以上の静止又は固定毛ホルダーとを包含する。可動毛ホルダーは、回転、スイベル、旋回、揺動、線状往復運動するか、又はこれら運動のいずれかの組み合わせを受けてもよい。本発明の電動歯ブラシが付与する運動の種類はきわめて様々であり得る。静止毛ホルダー及び該ホルダーに配置された静止毛の配置もきわめて様々であり得る。例えば、静止毛は、移動毛を部分的又は全体的に包囲してもよく、又は可動毛ホルダー間の間隙に配置されていてもよい。幾つかの毛ホルダーの運動及び本発明と共に使用するのに適する毛構成の例がUS20030126699、US20030084525、US20030084524、US20030084526、及びPCT国際公開WO03/063723及びWO03/063722に記載されている。ポリエチレンなどの従来の非エラストマー材料から毛を作成することができ、又は天然若しくは合成ゴム、ポリオレフィン類、ポリエーテルアミド類、ポリエステル類、スチレンポリマー類、ポリウレタン類など、又はこれら材料の組み合わせなどのエラストマー材料から作成することができる。
【0054】
ハンドルは、その中にモータが配置された中空部分を有し、このモータは可動毛ホルダーに対して動作可能に接続されている。モータによるある動作が可動毛ホルダーにおいて何らかの反応を引き起こすとき、モータは可動毛ホルダーに対して動作可能に接続されている。シャフトは、モータからネックを通って、少なくともヘッドの一部まで延在していてもよい。シャフトは、モータによって駆動されると、回転、揺動、直線往復運動、旋回、震動又は軌道周回して、可動毛ホルダーに1つ以上の運動を付与してもよい。モータとシャフトの間、又はシャフトと可動毛ホルダーの間にギア構成を設けて、それに運動を付与することができる。代表的なシャフト及び/又はギアリング構成は、米国特許第6,360,395号及び同第5,617,601号、並びに本明細書において参照される他の特許及び特許刊行物に示されている。また、ハンドルは、モータ及びLEDに電力供給するべくその中に配置された電源、例えば1つ以上のバッテリーを有する。あるいは、電動歯ブラシは、モータに電力供給するための外部電源に接続されてもよい。モータ及び/又はLEDを作動させるためのスイッチがハンドル上に配置されている。モータが作動されているときはいつでも、LEDに通電することができる。しかしながら、歯ブラシはLED及び/又は可動毛ホルダーを作動させる2つ以上のスイッチを有することもできる。
【0055】
図3は、本発明による照明付き電動歯ブラシ10を示している。歯及び歯茎をブラッシングするなど、パーソナル衛生のために電動歯ブラシを使用することができる。図3に示すように、電動歯ブラシは、ハンドル12と、つかみ部70と、ハンドル12に取り付けられたネック14とを包含する。ヘッド16はネック14に取り付けられる。典型的には、ヘッドはネック14よりも大きく、また典型的にはハンドル12よりも小さい。
【0056】
図4を参照すると、歯ブラシ10は、ヘッド16と、長手方向軸19と、ハンドル12と、ネック14と、つかみ領域72と、スイッチ52と、可動毛ホルダー20と、それに毛26が配置された静止毛ホルダー22とを備える。静止毛ホルダー22は、可動毛ホルダー20の両側に位置する。可動毛ホルダー20は、ヘッド16の中央に位置する。可動毛ホルダーは、好ましくはヘッド16の長手方向軸19にほぼ垂直な軸の周りを揺動するが、前述のような他の運動を行ってもよい。図5に示すように、ハンドル12は、モータ32を収容する中空部分30を更に包含する。モータ32は、回転可能なシャフト44を通して可動毛ホルダー20に電力供給する。ギアリング構成は、シャフト44とモータ32の間に動作可能に相互接続される。ギアリング構成は、ウォームギア40と、一対のステップギア42,43とを包含する。モータ32は、ウォームギア40に動作可能に接続される。ステップギア42は、ステップギア43及びウォームギア40に動作可能に接続される。LED75は、可動毛ホルダー20の内側に配置されて提供される。LED75は可動毛ホルダー20に据置又は固定されており、故に、LED75は可動毛ホルダー20と共に移動する。図6に示すように、可動毛ホルダー20の下側に沿って画定された専用の接触部分に滑動可能に接触する一対の電気接点76及び77を用いることによって、LED75に電力が提供される。電源からLEDまで導電するために、スイッチ及び電源から接点76及び77まで電線(図示せず)を引いてもよい。電線は、ハンドル12からネック14を通ってヘッド16まで延びていてもよい。好ましくは、電線は、それらがシャフト44の運動を妨げないように、ネック14の内壁に隣接して配置される。あるいは、電線をネック14内に埋め込んでもよい。
【0057】
可動毛ホルダー20の外側に沿って、円形の導電性接触領域80及び82を設けることができ、これらの領域が、ヘッド内部に設けられた一対の固定接点76及び77と電気的に連通していることが想定される。導電性接触領域80及び82は、非導電材料によって互いに絶縁されている。電気リード84及び86は、導電性接触領域からLEDまで設けることができる。図4は、可動毛ホルダー20上又はその中に配置されたLED75を例証している。この実施形態では、LEDは可動毛ホルダー20に固定的に取り付けられており、故に毛ホルダーと共に移動する。好ましくは、LEDの先端は、可動毛ホルダー20の上面23と同一平面を成すが、所望であれば、上面23よりも上に延在していてもよい。静止毛ホルダー22内又はその上に更なるLEDを設けることができる。図6aは、歯ブラシの93でヘッド95に固定されているピラー91に接続される固定LED75を示している。可動毛ホルダー97は、固定LEDの周りを揺動又は回転する。正極リード87及び負極リード89は、LED75からピラー91を通り、次いで、歯ブラシのヘッド95の長さを下って電源(図示せず)まで延在することができる。
【0058】
別の実施形態では、LED75は、図7に示す実施形態300において最良に見られるように、可動毛ホルダー320を貫通して延びる開口又は孔88内に配置され、それにより、LEDが固定され、可動毛ホルダー320はLED75の周りを揺動又は回転する。この実施形態では、LED75はヘッド316に固定されている。LED75は、孔88を部分的に通って延在してもよく、又は、完全にヘッド316内に含有されるように、可動毛ホルダー320の下面の下に配置されてもよい。LED75の中心軸はまた、可動毛ホルダー320の回転又は揺動軸でもあり得る。ネック314は、ヘッド316及びハンドル(図示せず)間に延在する。ヘッド316は更に静止毛322を備える。
【0059】
上述の実施形態のそれぞれでは、LEDは可動毛ホルダー及び/又は静止毛ホルダー内、上、下、直近に配置されており、故に、光は可能な限り効率よくブラッシング領域上に指向される。更に、LEDは、光発光の主な方向が毛ホルダーの上面に概ね垂直であり、及び/又は毛ホルダーの毛の方向に概ね平行であるように配置されるのが好ましい。換言すれば、LEDは、図6に最良に示されるように、LEDの中心線90がヘッド及び/又は毛ホルダーの上面に概ね垂直であるように配置されるのが好ましい。中心線90は、典型的には、LEDのレンズ92又は開口を通る。LEDが可動毛ホルダー及び/又は静止毛ホルダー内、上又は下に配置されるとき、LEDの中心線90を中心とした円筒形領域又は容量には、実質的には毛がない可能性がある。実質的に毛がない領域は、歯ブラシヘッドの大きさ、及び/又はLEDを包囲する領域において除去された毛の数に応じて大きく、及び/又は小さくなり得る。実質的に毛がない領域は、約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.0cmよりも大きく、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.0cm未満であり得る。しかしながら、可動毛ホルダーは、図7に例として示されるように、LEDを包囲する少なくとも1つの毛の輪を有するのが好ましい。しかしながら、更なる毛タフト又は毛タフトの内輪を設けてもよい。
【0060】
再び図5を参照すると、照明付き電動歯ブラシの動作を制御するために、スイッチ50が設けられており、このスイッチは、モータ32に動作可能に接続されている。スイッチ50はまた、歯ブラシの1つ以上のLEDを作動させるべく構成されている。かかる作動は、瞬間的又は連続的であり得る。スイッチ50が閉鎖されると、ハンドル12の中空部分30内に設けられた標準のバッテリー60と、モータ及びLED75との間に、ワイヤ54を含む回路が完成する。
【0061】
歯ブラシ400の実施形態では、明確にするために毛が削除された図8に例として示すように、LED75が1つ以上の静止毛ホルダー422及び可動毛ホルダー420の間に存在し、可動毛ホルダーの回転/揺動軸と整列しないように、LED75をヘッド416上に配置することができる。ヘッド416はネック414によってハンドル(図示せず)に接続される。
【0062】
図9〜図12は、照明付き電動歯ブラシの他のヘッド、毛ホルダー及び毛構成を例証しており、これらは全て1つ以上のLEDを含有する。図9は、ヘッド516及びネック514を例証している。ネック514が、歯ブラシのヘッド516及びハンドル(図示せず)間に延在することが理解される。ヘッド516上に配置されるのは、該ヘッドに複数の毛タフト532が配置された単一の可動毛ホルダー520である。第2の毛ホルダー522上に配置されるのは、LED575である。図10は、本発明に従った別のヘッド616を示しており、該ヘッド616には複数の毛632が配置されている。ヘッド616は、その中にLED675が配置された単一の毛ホルダー620を備える。ネック614は、ヘッド616及びハンドル(図示せず)間に延在する。図11は、単一の毛ホルダー720を有する更に別のヘッド716を示しており、その単一の毛ホルダー720には毛732が配置されている。LED775は、ヘッド716上で、毛ホルダー720に隣接して配置されている。しかしながら、LED775は、毛ホルダー上には配置されていない。図12は、移動する第1の毛ホルダー820と、固定されている又は静止している第2の毛ホルダー822とを有する更に別のヘッド816を示している。毛ホルダーはいずれも、該ホルダーに配置されたLED875を有する。第1毛ホルダー820は、該ホルダーに配置されたLED875を包囲する複数の毛タフト832を有し、第2の毛ホルダー822は、該ホルダーに配置されたLED875を包囲する複数の毛タフト834を有する。ネック814は、ヘッド816及びハンドル(図示せず)間に延在する。
【0063】
図13に示すように、照明付き電動歯ブラシ1010の実施形態は、ヘッド1016と、ネック1014と、ハンドル1012とを有する。ヘッド1016上に配置されているのは、LED1075である。ネック及びハンドルは、1015で取外し可能に接続され、それらの物理的係合のため、及びLEDと電源との間の電気的連通のための対応構造を含有する。ここで図14及び図15を参照すると、ヘッド1016は、可動毛ホルダー1020と、静止毛ホルダー1022とを更に包含する。静止毛ホルダー1022上に配置されるのは、LED1075である。
【0064】
ネック1017は、接合部1015でハンドル1012から分離する。ネック1017は、ネック端部1032内部に位置する2つの小さいピン又は突起1036(仮想線)を有する。小さい突起は、ハンドル1012の噛合端部1040上に見られるL字型スロット1042内に嵌合するように寸法付けされている。L字スロット1042の幅は、小さい突起の幅よりも僅かに広く、これにより、L字スロットは小さい突起を受容することができる。L字スロットの深さは、小さい突起の高さに実質的に等しく、故に、L字スロットは小さい突起を受容することができる。
【0065】
ヘッド及びネックをハンドルに接続するために、ユーザーは小さな突起をL字型スロットの上面1044とそろえる。ユーザーは、ヘッド1016を下方へ押し込むか、又は押しやることにより、小さい突起がL字型スロット1042の底面1046と接触する。小さい突起がL字型スロットの底面1046と接触したら、ユーザーは、次いで、図14及び図15に見られるように、ヘッド1016及び/又はネック1017をハンドル1012に対しておよそ90°回転させてヘッドを適所に固定する。各突起の上面は、各L字型スロット1042の上面の下に固定された状態になる。故に、ユーザーは協動するピン及び案内スロットに対してプレス・アンド・ツイスト動作を行って、ハンドル上の完全な取付位置へとヘッドを押し込み、2つの間の固定係合を実現する。
それらの間に解放可能な電気接続を付与すべく、ネック及びハンドルの噛合領域に沿って1つ以上の電気接点が設けられる。
【0066】
図16は、本発明の電気的な構成の概略図を例証している。この構成において、LED75及びモータ32は、スイッチ50及びバッテリー60によって互いに同時に電力供給されるか、又は作動される。LEDが含まれ、バッテリーによって付与される電力がLEDに所望されるものを超過し得るという事実に起因して、特に、バッテリーからの電圧又は電流出力が経時的に低下する傾向があるとき、入力電圧又は電流に対する変化に関わらず、一定の電圧又は電流出力をLEDに付与することができる標準の電圧又は電流ドライバ94を包含することが望ましい場合もある。図16に示す概略図は1つの実施形態であるが、他の構成を提供することもできる。例えば、LED及びモータを別個に作動させるべく、別個のスイッチを設けてもよい。2つ以上のLEDを設けてもよい。単一の電動歯ブラシで複数回使用することを可能とするべく、異なるスペクトル特性、測光特性、発光測定特性及び比色分析特性(異なる主波長、ピーク波長、発光パワー(radiometric power)など)を有するLEDを設けてもよい。また、これは複数のダイスを有するLEDを使用して達成することもできる(図2−2bを参照)。
【0067】
図17及び図18は、本明細書に記載される電動歯ブラシで使用される市販のLED発光ユニットの多様な色に関する分光分布を例証している。これらの分光分布グラフは、ルクセオン(Luxeon)(商標)1ワットエミッターLEDに関してであるが、これらの分布パターンは、他の発光ユニットでも達成され得る。具体的には、図17は、LEDの多様な色に関する相対的な分光出力分布のグラフである。図17は、ロイヤルブルー、青、シアン、緑、琥珀、赤−橙及び赤の色を例証している。図18は、白色LEDに関する相対的な分光分布である。
【0068】
歯の漂白と同様、他の用途に関しても、それぞれの歯が、歯の表面全体でほぼ同じ量の発光パワーを受容するべく、概ね又は実質的に均一な発光パワー分布を付与するLEDを利用することが望ましい場合が多い。故に、本発明の歯ブラシの実施形態は、図19に例として示されるような、ランバートパターン又は釣鐘型のパターンを有する光発光パターンを含む。コウモリ翼状パターンなどの他の発光パターンを利用してもよい。しかしながら、上述のように、LEDは、本発明に従って広範な光発光パターンを付与し得る。
【0069】
LEDから発光される光との干渉を最小に抑えるように毛ホルダーの毛を配置することができる。毛の高さは、少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9及び/若しくは1.0cm、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1及び/若しくは1.0cm未満であり得る。しかしながら、本発明の歯ブラシは、LEDから発光される光と相互反応する毛構成又は材料を利用可能であることが想定される。例えば、毛及び/又はLEDの直近に位置する毛ホルダーの上面には、ヘッドから離れて歯の表面に向かって光を指向するのを支援する、ニッケル又はクロムなどの反射コーティングが含まれ得る。あるいは、ブラッシング領域への光の伝達を更に促進すべく、LED近傍の毛を透明材料又は半透明材料から形成することができる。また、LEDによって発光される光の色に概ね一致させるべく、毛を着色、彩色又は染色してもよい。このように、毛は、LEDによって発光される光を吸収しないが、反射する。更に、LEDの周り又はその近傍に位置する歯又は歯茎の表面に向かって光を指向するのを支援する反射シールドを使用してもよい。
【0070】
本明細書中で先に述べたように、歯をホワイトニングするため、特にホワイトニング組成物の適用前、中又は後のいずれかにブラッシング領域を照射することによって当該組成物のホワイトニング効果を高める又は促進するためのホワイトニング組成物と組み合わせて、LEDを有する実施形態の歯ブラシを使用してもよい。照明付き電動歯ブラシと、過酸化物を含む組成物とを含むキットを提供することができる。
【0071】
通常、有機化合物の色は、π電子移動を受け得る不飽和基である発色団に起因する。光は、(電子移動を受ける)ステイン発色団を活性化し、活性化エネルギーバリアを減少させ、漂白によって、それらステイン発色団を攻撃に対してより敏感にすることができる。換言すれば、光による色体の活性化は、過酸化物による漂白を向上させることがある。同様に、ステイン発色団は、光処理が原因で磨耗ホワイトニングに対してより敏感になり、結果として、より速く、より良好にホワイトニングされる。漂白剤はエナメル及び象牙質の孔の中に浸透し、故に外因性及び内因性の色ステインが分解され、除去され得る。
【0072】
本明細書に記載される電動歯ブラシと組み合わせて、広範な歯用ホワイトニング組成物を使用してもよい。歯用ホワイトニング組成物は、漂白剤、研磨剤、pH調節剤、又は、機械的若しくは化学的作用によって歯の発色団と作用するいずれかの他の薬剤、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。歯用ホワイトニング組成物は、溶液、ペースト、ゲル、粘液、固体、又は他の適した形状で提供可能である。例証される漂白剤としては、酸素ラジカル又は水素ラジカル生成化合物、例えば金属イオンを含有しない過酸化物類、有機過酸化物及び金属イオン含有過酸化物などが挙げられる。漂白剤の特定的な非限定例としては、過酸化物類、亜塩素酸金属類、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類、ペルオキシ酸類、過硫酸塩類、前述の化合物をその場で形成する化合物類、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。適した過酸化化合物には、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、漂白剤は過酸化カルバミドである。適した亜塩素酸金属類としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる漂白剤としては、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素なども挙げられる。一実施形態において、漂白剤は、亜塩素酸ナトリウム、過酸化物、過炭酸ナトリウム、オキソン類、及びこれらの混合物から成る群から選択される。出発漂白剤は、水性物質又は固体物質であり得る。
【0073】
ホワイトニング又は漂白組成物中の漂白剤の量は変化してもよい。例えば、漂白剤は、歯用ホワイトニング組成物の総量を基準として、約0.5〜約60重量パーセントの量で存在し得る。過酸化水素が漂白剤である場合、1つの特定実施形態によれば、それは、歯用ホワイトニング組成物の総量を基準として、約0.5〜約40重量パーセント、特に約7〜約15重量パーセント存在し得る。過酸化カルバミドが漂白剤の場合、1つの特定実施形態によれば、それは、歯用ホワイトニング組成物の総量を基準として、約10〜約60重量パーセント存在し得る。典型的には、LEDからの発光エネルギーは、組成物が歯と接触している間に適用されるが、歯用ホワイトニング組成物の適用前又は後に適用されてもよい。
【0074】
照明付き電動歯ブラシは、LEDを含有する1つ以上の交換可能なヘッドを含むキットとして包装され得る。ハンドルは、好ましくはバッテリーから電力供給されるものとして論じられているが、本発明はまた、コンセント接続用のコード及び充電式バッテリーなどの他の周知の電源と、結合されるブラシホルダー/充電器(図示せず)とを包含する。
【0075】
上述のように、照明付き電動歯ブラシの多様な実施形態を、ホワイトニング組成物と組み合わせて使用してもよい。代表的な歯のホワイトニング方法は以下の通りである。照明付き歯ブラシ及び組成物を得た後、組成物を歯の表面、即ち歯に適用し、ホワイトニングする。好ましくは、かかる適用は、歯ブラシの毛ホルダー上に有効量の組成物を付着させ、次いで当該組成物を所望の表面に適用してホワイトニングすることによって行われる。一般に、この後者の工程は、歯をブラッシングするのと同様の様式で行われる。あるいは、歯用ホワイトニング組成物を歯にブラシで塗る(brushed)、塗布する(painted)及びアプリケータストリップで適用してもよい。次いで、歯ブラシの発光ユニットを作動させ、そこから発光された光を適用組成物の方へ指向させる。本発明の多様なホワイトニング技術には、歯の表面に組成物を適用する前、中及び後に光が歯の表面へ指向される変形方法が含まれることが理解される。好ましくは、次いで、光が目的の歯表面に適用された組成物を照射し続ける間にブラッシング作業が行われる。
【0076】
このホワイトニングプロセスは単なる例示である。本発明は広範なホワイトニング技術を包含する。更に、ホワイトニング作業の前、中又は後に従来のブラッシング作業を行ってもよいことが想定される。
【0077】
本発明は、複数の実施形態に関して記載してきた。本明細書を読んで理解すれば、変形及び変更が頭に浮かぶのは明白であろう。例えば、1つ以上のLEDと共に、いかなる数の毛ホルダー及び毛パターンも本発明で利用することができる。かかる全ての変形及び変更は、添付の特許請求の範囲又はそれに等しい範囲内にある限り包含されると意図する。
なお、原出願の特許請求の範囲に記載された請求項を、念のため、下記に記しておく。
(1) 照明付き電動歯ブラシ(10,400,1010)であって、
(a)ハンドル(12,1012)、ヘッド(16,316,416,516,616,716,816,1016)、及び前記ハンドル及び前記ヘッド間に延在するネック(14,314,414,514,814,1014)であって、前記ハンドルは中空の内側領域(30)を有し、前記ヘッドは該ヘッドに配置された毛(632,732,832,834)を有し、該電動歯ブラシは長手方向軸(19)を有するハンドル、ヘッド及びネックと、
(b)前記ヘッドに配置され、電流によって電力供給される少なくとも1つの発光ダイオード(75,575,675,775,875,1075)と、
(c)前記ヘッドに配置され、上部に配置された複数の毛を有する1以上の可動毛ホルダー(20,320,420,520,820,1020)と、
(d)前記中空の内側領域内に配置され、駆動軸(44)によって前記可動毛ホルダーに動作可能に接続されるモータ(32)と、を備える照明付き電動歯ブラシ。
(2) 前記束密度は、0.68cmの検出器距離(1200)及び0.46cm2の検出器開口面積(1201)で30mW/cm2〜300mW/cm2であり、前記発光ダイオードは、0.68cmの発光距離(1303)及び2分の発光時間で43℃未満の発光温度を有する、前記(1)に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(3) 前記発光ダイオードは、1ワット未満の消費電力を有する、前記(1)又は(2)に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(4) 1つの発光ダイオードは、50°未満の半角を有する光を放射する、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(5) 前記発光ダイオードに対して35mA超過の電流を供給する電流ドライバ(94)を更に具備し、前記モータ、前記ドライバ、前記バッテリー及び前記発光ダイオードは電気回路の一部である、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(6) 前記電流は、35mA超過の連続順方向電流である、前記(1)に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(7) 前記電流は、100mA超過のピークを有するパルス順方向電流である、前記(1)に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(8) 前記発光ダイオードは、1つの毛の輪によって実質的に包囲されている、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(9) 前記発光ダイオードは、発光特性を有する少なくとも2つの半導体基板(5,17)と、1つの共通レンズ(3)とを具備する、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
(10) 前記発光ダイオードは、440nm〜480nmの波長を有する光を放射する、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【符号の説明】
【0078】
3 レンズ、5 発光ダイス、7 ワイヤボンディング、9 負極リード、10 電動歯ブラシ、11 LEDパッケージ、12 ハンドル、14 ネック、16 ヘッド、17 ダイス、19 長手方向軸、20 可動毛ホルダー、22 静止毛ホルダー、26 毛、30 中空部分、32 モータ、44 シャフト、50 スイッチ、52 スイッチ、60 バッテリー、75 LED。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明付き電動歯ブラシであって、
(a)ハンドル、ヘッド、及び前記ハンドル及び前記ヘッド間に延在するネックであって、前記ハンドルは中空の内側領域を有し、前記ヘッドは該ヘッドに配置された毛を有し、該電動歯ブラシは長手方向軸を有するハンドル、ヘッド及びネックと、
(b)前記ヘッドに配置され、電流によって電力供給される少なくとも1つの発光ダイオードであって、束密度が0.68cmの検出器距離及び0.46cm2の検出器開口面積で30mW/cm2以上であり、発光温度が0.68cmの発光距離及び2分の発光時間で43℃未満である、該発光ダイオードと、
(c)前記ヘッドに配置され、上部に配置された複数の毛を有する1以上の可動毛ホルダーと、
(d)前記中空の内側領域内に配置され、駆動軸によって前記可動毛ホルダーに動作可能に接続されるモータと、を備える照明付き電動歯ブラシ。
【請求項2】
前記束密度は、30mW/cm2〜300mW/cm2である、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項3】
前記電流は、35mA超過の連続順方向電流である、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項4】
前記電流は、100mA超過のピークを有するパルス順方向電流である、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項5】
前記発光ダイオードは、1ワット未満の消費電力を有する、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項6】
前記発光ダイオードは、発光特性を有する少なくとも2つの半導体基板と、1つの共通レンズとを具備する、請求項1のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項7】
発光特性を有する前記半導体基板の各々は、440nm〜480nmの波長を有する光を放射する、請求項6に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項8】
前記発光ダイオードは、さらに、2つのリードを備える、請求項6に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項9】
前記発光ダイオードは、さらに、3つのリードを備える、請求項6に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項10】
前記発光ダイオードは、50°未満の半角を有し、且つ0.68cmの検出器距離及び0.46cm2の検出器開口面積で30mW/cm2〜300mW/cm2である束密度を有する光を放射する、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項11】
前記複数の毛は、約0.5cm〜2cmの高さの毛を備える、請求項10に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項12】
前記発光ダイオードは、1つの毛の輪によって実質的に包囲されている、請求項10に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項13】
前記発光ダイオードは、約0.5mm〜10mmの直径を有する、請求項10に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項14】
前記発光ダイオードは、約0.28cm2〜3.14cm2の円形領域内に配設されると共に、該円形領域には、実質的に毛が存在しない、請求項13に記載の証明付き電動歯ブラシ。
【請求項15】
前記電流は、約0.01Hz〜10GHzのパルス周波数を有する、請求項4に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項16】
前記発光ダイオードは、1ワット未満の消費電力を有する、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項1】
照明付き電動歯ブラシであって、
(a)ハンドル、ヘッド、及び前記ハンドル及び前記ヘッド間に延在するネックであって、前記ハンドルは中空の内側領域を有し、前記ヘッドは該ヘッドに配置された毛を有し、該電動歯ブラシは長手方向軸を有するハンドル、ヘッド及びネックと、
(b)前記ヘッドに配置され、電流によって電力供給される少なくとも1つの発光ダイオードであって、束密度が0.68cmの検出器距離及び0.46cm2の検出器開口面積で30mW/cm2以上であり、発光温度が0.68cmの発光距離及び2分の発光時間で43℃未満である、該発光ダイオードと、
(c)前記ヘッドに配置され、上部に配置された複数の毛を有する1以上の可動毛ホルダーと、
(d)前記中空の内側領域内に配置され、駆動軸によって前記可動毛ホルダーに動作可能に接続されるモータと、を備える照明付き電動歯ブラシ。
【請求項2】
前記束密度は、30mW/cm2〜300mW/cm2である、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項3】
前記電流は、35mA超過の連続順方向電流である、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項4】
前記電流は、100mA超過のピークを有するパルス順方向電流である、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項5】
前記発光ダイオードは、1ワット未満の消費電力を有する、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項6】
前記発光ダイオードは、発光特性を有する少なくとも2つの半導体基板と、1つの共通レンズとを具備する、請求項1のいずれか一項に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項7】
発光特性を有する前記半導体基板の各々は、440nm〜480nmの波長を有する光を放射する、請求項6に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項8】
前記発光ダイオードは、さらに、2つのリードを備える、請求項6に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項9】
前記発光ダイオードは、さらに、3つのリードを備える、請求項6に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項10】
前記発光ダイオードは、50°未満の半角を有し、且つ0.68cmの検出器距離及び0.46cm2の検出器開口面積で30mW/cm2〜300mW/cm2である束密度を有する光を放射する、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項11】
前記複数の毛は、約0.5cm〜2cmの高さの毛を備える、請求項10に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項12】
前記発光ダイオードは、1つの毛の輪によって実質的に包囲されている、請求項10に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項13】
前記発光ダイオードは、約0.5mm〜10mmの直径を有する、請求項10に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項14】
前記発光ダイオードは、約0.28cm2〜3.14cm2の円形領域内に配設されると共に、該円形領域には、実質的に毛が存在しない、請求項13に記載の証明付き電動歯ブラシ。
【請求項15】
前記電流は、約0.01Hz〜10GHzのパルス周波数を有する、請求項4に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【請求項16】
前記発光ダイオードは、1ワット未満の消費電力を有する、請求項1に記載の照明付き電動歯ブラシ。
【図1】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6a】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6a】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−213908(P2009−213908A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122357(P2009−122357)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【分割の表示】特願2006−524962(P2006−524962)の分割
【原出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【分割の表示】特願2006−524962(P2006−524962)の分割
【原出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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