説明

照明制御装置

【課題】 真の居住者が近接した場合に容易に威嚇機能を解除することができ、使い勝手の良い照明制御装置を提供する。
【解決手段】 人間の接近を検知する人感センサ12と、人感センサ12の出力に基づいて人間に対し所定の威嚇を行うブザー18等と、所定の物体が所定のタイミングで近接し離隔したことを検知するセンサ32と、このセンサ32の出力に基づきブザー18等の動作を人感センサ12の出力に拘わらず停止させる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明制御装置に関し、より詳しくは侵入者を検知した場合に警報などで侵入者を威嚇する機能を備えた照明制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば玄関等に設置される外部照明器具においては、人が近づいたことを検知する人感センサを設け、この人感センサの検知出力に基づいて照明器具の点灯、消灯、調光を制御するものが既に広く知られている。また、照明の制御に加え、侵入者等を威嚇するため、人感センサの検知出力に基づいて、警報を鳴らしたりフラッシュランプを点滅させたりして侵入者を威嚇する機能を備えたものも知られている。
【0003】
しかし、侵入者と本当の居住者とを区別することが出来ないため、本当の居住者が照明器具に近づいた場合であっても警報を鳴らす等してしまう場合も生じ得る。この問題を解決するため、本当の居住者が帰宅時にリモコンや鍵等を操作し、この警報機能等を解除するようにした照明器具も提案されている。しかし、リモコンを常に持ち歩く必要があり、これは利用者に取って煩わしいという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、真の居住者が近接した場合に容易に威嚇機能を解除することができ、使い勝手の良い照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的達成のため、本発明に係る照明制御装置は、人間の接近を検知する人感センサと、前記人感センサの出力に基づいて前記人間に対し所定の威嚇を行う威嚇部と、所定の物体が所定のタイミングで近接し離隔したことを検知する近接センサと、前記近接センサの出力に基づき前記威嚇部の動作を前記人感センサの出力に拘わらず停止させる制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、真の居住者が近接した場合に容易に威嚇機能を解除することができ、使い勝手の良い照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施の形態に係る照明制御装置1の使用状態の一例を示す概観図である。図1に示すように、この照明制御装置1は、外部の照明器具2の点灯状態を制御するため、照明器具2に接続されている。照明制御装置1は、照明器具2の点灯状態を、内蔵する人感センサ、明暗センサ、タイマ等の出力に基づいて制御する一方、侵入者を検知するセキュリティモードが選択されている場合、人感センサの検知出力に基づいて、ブザーを鳴らす等の威嚇を行うものである。
【0009】
図2は、本実施の形態に係る照明制御装置1の外観図を示す。図1に示すように、この照明器具1は、筐体11に搭載された人感センサ12及び明暗センサ13を備えている。この人感センサ12は赤外線領域に感度を有し、人が近づいて来たことを検知するためのセンサである。明暗センサ13は、周囲の明るさを検知するためのセンサであり、周囲環境が所定以上の明るさである場合に照明器具2を点灯させないようにするために設けられている。
【0010】
また、筐体11の下部には、白色フラッシュLED14と、赤色LED16とが設けられている。白色フラッシュLED14は、セキュリティモードが選択され且つ侵入者の存在が人感センサ11により検知された場合、点滅制御されて侵入者を威嚇する威嚇部として機能するものである。赤色LED16は、セキュリティモードが選択されている場合、その選択を示すため点滅状態とされるものである。セキュリティモードが選択されていない場合には、赤色LED16は消灯される。
【0011】
ブザー18は、筐体11の内部に搭載され、侵入者の存在が人感センサ12により検知された場合に動作して音出力孔20から警報音を出力し、白色フラッシュLED14と共に威嚇部を構成するものである。
【0012】
また、筐体11の下部には、照明制御装置1の動作を切り替えるための各種スイッチ22、24、26、28、30が備えられている。セキュリティモード切替スイッチ22は、セキュリティモードを選択/非選択を切り替えるスイッチである。セキュリティモードを選択する場合、人感センサ12が侵入者の存在を検知してから何秒後(例:5秒、20秒)にブザー18等の動作を開始させるかの切替も、このセキュリティモード切替スイッチ22により行う。
【0013】
またモード切替スイッチ24は、照明器具2の点灯状態に関するモードを切り替えるためのスイッチであり、例えば「ON/OFFモード」、「調光モード」等が選択可能とされる。ここで「ON/OFFモード」とは、人の接近が検知されたら照明器具2を点灯させる一方人が離れたら例えば1分後に消灯するモードである。「調光モード」とは、通常は10%〜15%程度の明るさでほんのりと点灯し、人の接近が検知されたら100%の明るさで照明器具2を点灯させる一方、人が離れたら10〜15%の明るさの点灯に戻る、というモードである。
【0014】
センサ反応時間切替スイッチ26は、人感センサ12が反応するまでの時間を多段階に切り替えるためのスイッチである。また、明暗設定スイッチ28は、明暗センサ13により検知される周囲環境の明るさがどの程度になった場合に照明器具2を点灯可能状態にするかを切り替えるスイッチである。音量設定スイッチ30は、ブザー18の音量を切り替えるためのスイッチである。
【0015】
また筐体11の左端には、所定の物体、例えば接近者の手が所定のタイミングで筐体11に対し近接及び離隔したことを検知するためのセンサ部32が備えられている。センサ部32は、赤外LED321と、赤外センサ322を備えている。センサ部32に接近者の手が近づいた場合、赤外LED321から発した赤外光は手で反射して赤外センサ322に入射する。接近者の手が離隔した場合には、赤外光は赤外センサ322には入射しない。この照明制御装置1は、この光信号が検知されるタイミングが所定のタイミングに一致しているか否かを判定し、一致していると判定される場合に、ブザー18等の威嚇動作の開始を人感センサ12の出力に拘わらず所定時間禁止する制御を行う。この「所定のタイミング」は、例えば(1)センサ部32の前を手が一瞬、1回だけ通過する、(2)センサ部32の前を手が1秒程度かざされて、その後離隔する、など、予め設定されているものであり、接近者即ち居住者は、このこのタイミングを覚えておき、照明制御装置1に接近したときにその動作を行うことで威嚇機能を解除する。すなわちこの「所定のタイミング」は、照明制御装置1と居住者との間における暗号として機能するものである。また、「所定のタイミング」すなわち暗号は複数種類用意され、任意の1つを暗号セレクトスイッチ34で選択することができる。
【0016】
図3はこの暗号セレクトスイッチ34の拡大図であり、ここでは(1)〜(7)の7種類の暗号が用意され、任意のものが選択可能とされている。図3において、「・」はセンサ部32に一瞬手をかざすことを意味し、「−」はセンサ部32に1秒程度手をかざすことを意味する。なお、筐体11の下部は、透明材料からなるカバー36により覆われる。
【0017】
図4は、照明制御装置1の制御系の構成を示すブロック図である。この照明制御装置1は、装置全体の制御を司る制御回路100を備えており、前述した各種スイッチ22、24、26、28、30、34の選択信号は、インタフェース22A、24A、26A、28A、30A、34Aを介して制御回路100に入力される。制御回路100は、白色フラッシュLED14、赤色LED16、赤外LED321及び外部の照明器具2を発光制御するための発光制御回路14C、16C、321C、及び2Cに接続されている。また、制御回路100には、人感センサ12及び赤外センサ322の検出信号がA/D変換器12A及び322Aを介して入力されている。制御回路100は、各種スイッチからの選択信号、及び各種センサの検出信号に基づき、発光制御回路14C、16C、321C、2Cに制御信号を出力して白色フラッシュLED14、赤色LED16、赤外LED321及び外部の照明器具2の点灯状態を制御する。
【0018】
次に、この照明制御装置1の動作を説明する。居住者は最初に、セキュリティモード切替スイッチ22によりセキュリティモードを選択し、更に暗号セレクトスイッチ34により、例えば暗号(1)、すなわちセンサ部32の前に一瞬、1回だけ手をかざす暗号を選択する。
【0019】
この状態において、居住者以外の侵入者が照明制御装置1に近づくと、その侵入者は暗号を知らないので、人感センサ12により検知され、ブザー18や白色フラッシュLED14の明るい点滅による威嚇を受ける。侵入者が退散した後は、ブザー18等の威嚇機能は停止し白色フラッシュLED14はほんのりと暗く点滅を継続し、その後帰宅した居住者に侵入者の接近があったことを報知する。
【0020】
一方、居住者自身が照明制御装置1に近づいても、人感センサ12によりその存在は検知されるが、センサ反応時間切替スイッチ26により設定された時間内に、センサ部32に設定した暗号(1)の通りに手をかざせば、ブザー18等による威嚇機能の発動は所定時間停止される。制御回路100は、暗号(1)が示すタイミングと、赤外センサ322により検知されたタイミングとの一致度に基づき判定を行い、一致度が高ければ威嚇機能の発動を停止する。このように、本実施の形態の照明制御装置1によれば、リモコン等によらず、簡単に威嚇機能の動作の解除を行うことができ、居住者に煩わしい思いをさせることがない。なお、居住者が暗号を間違えた場合などにおいては、威嚇機能が動作するが、その際は一端照明制御装置1から離れれば威嚇機能は停止する。その後、改めて正しい暗号を入力することにより、威嚇機能を解除することができる。なお、威嚇機能の解除後、居住者が家の中に入った後例えば30秒後程度後に、威嚇機能の作動が許容され、再び侵入者の接近の検知を開始する。
【0021】
また、設定された時間内に正しい暗号の再入力があった場合には、威嚇機能を解除することが可能なよう、制御回路100のプログラムを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明制御装置1の使用状態の一例を示す概観図である。
【図2】本実施の形態に係る照明制御装置1の外観図を示す。
【図3】暗号セレクトスイッチ34の拡大図である。
【図4】照明制御装置1の制御系を示すブロック図である。
【図5】照明制御装置1の動作を示す概念図である。
【符号の説明】
【0023】
1・・・照明制御装置、 11・・・筐体、 12・・・人感センサ、 13・・・明暗センサ、 14・・・白色フラッシュLED、 16・・・赤色LED、 18・・・ブザー、 20・・・音出力孔、 22・・・セキュリティモード切替スイッチ、 24・・・モード切替スイッチ、 26・・・センサ反応時間切替スイッチ、 28・・・明暗設定スイッチ、 30・・・音量設定スイッチ、 32・・・センサ部32、321・・・赤外LED、 322・・・赤外センサ、 34・・・暗号セレクトスイッチ、 36・・・カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の接近を検知する人感センサと、
前記人感センサの出力に基づいて前記人間に対し所定の威嚇を行う威嚇部と、
所定の物体が所定のタイミングで近接し離隔したことを検知する近接センサと、
前記近接センサの出力パターンに基づき前記威嚇部の動作を前記人感センサの出力に拘わらず停止させる制御部と
を備えたことを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】
前記所定のタイミングを選択するタイミング選択手段を備え、
前記制御部は、前記タイミング選択手段により選択された所定のタイミングと、前記近接センサにより検知されたタイミングとの一致度に基づき制御を行うことを特徴とする請求項1記載の照明制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−338973(P2006−338973A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160745(P2005−160745)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000103633)オーデリック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】