説明

照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物

【課題】本発明は、照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物を提供するためのものである。
【解決手段】本発明は、PS(Polystyrene)とHIPS(High Impact Polystyrene)とを混合して形成され、本発明によれば、光源からの光拡散性を優れるにし、耐衝撃性を向上させると共に、透過率及び遮蔽力を増大させる照明器具や看板などの拡散を効率的にすることで、コスト低減を実現することができる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明及び看板用拡散板及びこれを製造するための樹脂組成物に関し、より詳しくは、光源からの光拡散性を優れるにし、耐衝撃性を向上させると共に、透過率及び遮蔽力を増大させる照明器具や看板などの拡散を効率的にすることで、コスト低減を実現することができるPS(Polystyrene)樹脂を用いた照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、照明用拡散板はその用途が室外用看板、照明、室内用照明などの外部に位置して後端から照射される光を拡散させる役割をしている。
【0003】
また、使用処によって要求される機械的物性が変わるが、一例として、看板のように外部に直接露出した場合、外部自然環境にそのまま露出しているので、衝撃による強度及び太陽光、温度、湿度などによる変色乃至は変形などが少ないなどの耐候性が要求され、多くの看板の場合、板状の形態に製作されるので、成形加工性に対する要求は少ない方である。一方、室内照明用に使われる拡散板の場合、太陽光に直接露出せず、温度と湿度の変化の少ない室内に使われるので、耐候性に対する要求は少ない反面、デザイン及び審美的な観点で、多様な形態に作ることができるように成形性に優れなければならず、外形的に人に平穏性を感じることができるようにしなければならない。
【0004】
このような理由により、従来には外部看板の場合、耐衝撃性に優れるPC(Polycarbonate樹脂)を主に用いたし、室内用には成形性に優れるPMMA(Polymethylmetacrylate樹脂)を用いた拡散板が主に使われてきたものであり、現在には外部看板用にも耐衝撃性のために厚さをより増加させたPMMA樹脂を用いた拡散板が主流をなしている。
【0005】
このような拡散板2は、主に不透明なアクリルやPCを用いて図1に示すように、看板1での利用時には、シートに広告内容をプリントして表面に付着する方式により用いられて、図2に示すように、照明器具3などでは、光を照射する発光体(図示せず)を保護する蓋4またはケース4のような役割と拡散を同時に行なう役割を遂行している。
【0006】
また、光拡散板の重要な用途の1つであるディスプレイ(モニタ、TV等)などに用いられる拡散板の場合、現在PS(Polystyrene樹脂)を主に用いて板状の形態に製造して使われている。
【0007】
しかしながら、室内外照明及び看板に用いられるPCの場合、コストが高く、成形加工性がよくないで、多様な形態に作り難いという短所があり、アクリルの場合、値段は低いが、強度が弱く、光の透過率と拡散性がよくないで、光から一定間隔離れるように配置されなければならないので、大きさや空間を多く占めるようにする短所がある。
【0008】
また、PSの場合、透過率と拡散性は優れるが、衝撃強度がアクリルより弱いので、既存の照明器具や看板などに用いられることが適合しないという短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような問題点を解決するために案出したものであって、本発明の目的は、光源からの光拡散性を優れるにし、既存の樹脂より耐衝撃性を向上させると共に、透過率及び遮蔽力を増大させる照明器具や看板などの拡散を効率的にすることで、コスト低減を実現できる照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述した目的を達成するために、次のような構成を有する。
【0011】
本発明の照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物は、PS(Polystyrene)とHIPS(High Impact Polystyrene)とを混合して形成される。
【0012】
また、上記PSとHIPSは、各々PS 80%とHIPS 20%重量比で混合されるようにすることが好ましい。
【0013】
そして、上記PSとHIPSは、各々PS70%とHIPS30%重量比で混合されるようにすることが好ましい。
【0014】
一方、本発明の樹脂組成物には拡散剤を更に含み、上記拡散剤はアクリルビーズまたはシリコンビーズのうちから選択されたいずれか1つを用いたり、またはこれを全て含むことが好ましく、樹脂組成物には、UV吸収剤またはUV安定剤が更に含まれるようにすることが好ましく、蛍光増白剤が更に含まれるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光源からの光拡散性を優れるにし、耐衝撃性を向上させると共に、透過率及び遮蔽力を増大させる照明器具や看板などの拡散を効率的にすることで、コスト低減を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の一般的な看板を示す斜視図である。
【図2】従来の一般的な照明器具を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付した図面を参考にしてより詳細に説明する。本発明の実施形態は多様な形態に変形されることができ、本発明の範囲が後述する実施形態に限定されることと解析されてはならない。本実施形態は、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。したがって、図面に表れた各要素の形状は、より明らかな説明を強調するために誇張されることがある。
【0018】
本発明の照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物は、PS(Polystyrene)とHIPS(High Impact Polystyrene)とを混合して形成される。
【0019】
また、上記PSとHIPSは、各々PS 80%とHIPS 20%の重量比で混合されるようにすることが好ましい。
【0020】
そして、上記PSとHIPSは、各々PS 70%とHIPS 30%の重量比で混合されるようにすることが好ましい。
【0021】
一方、本発明の樹脂組成物には、拡散剤を更に含むようにし、上記拡散剤はアクリルビーズまたはシリコンビーズのうちから選択されたいずれか1つを用いたり、またはこれを全て含むことが好ましく、樹脂組成物には、UV吸収剤、UV安定剤、蛍光増白剤、耐光剤が更に含まれるようにすることが好ましい。
【0022】
<実験例>
下記の<表1>は、厚さ2.0Tを有する拡散板を各々の素材を用いて製作した後、これを用いて実験したものである。
【表1】

*PMMAの物理的特性は、LGMMA HP202 Grade代表物性値である。
**PCの物理的特性は、第一毛織106U Grade代表物性値である。
***遮蔽力は、拡散板の一側から反対側に位置した光源模様の識別程度を表すものであって、光源の模様がよく見えないものが良いものである。
****照度は、蛍光灯を7cm間隔で離隔させた状態で光を照射した時、拡散板を透過した光の量を表すものである。
【0023】
上記のように、実験例から比較して見ると、本発明での樹脂混合物は純粋PSに比べて衝撃強度に優れることが分かる。
【0024】
即ち、純粋PSの短所が衝撃強度を増加させることができるようになる。
【0025】
但し、拡散透過率、平行透過率、照度などが微弱に相対的に小さい数値に表れてある。これは、照明器具または看板の拡散板に用いるための程度で有用に利用できるものであって、純粋PSの拡散性、透過率、照度、及び遮蔽力等に対する長所に衝撃強度を増加させて、室内外看板や照明器具の拡散板に利用できるようにすることで、純粋PSの長所を増大させることができる効果を通じて補完される程度と言える。
【0026】
一方、本発明の樹脂組成物に拡散性を向上させるために拡散剤を更に含め、上記拡散剤は1重量%〜3重量%が混合され、1.3重量%のものが好ましい。これは、拡散剤の混合比率によって、拡散性、照度、及び遮蔽力が変わることができるためである。上記拡散剤には、アクリルビーズまたはシリコンビーズのうちから選択されたいずれか1つを用いたり、またはこれを全て含むことが好ましい。
【0027】
また、本発明の樹脂組成物には、耐候性のためのUV吸収剤乃至はUV安定剤を更に含めることができる。上記UV遮断剤は、0.01重量%〜0.1重量%が混合され、0.03〜0.04重量%のものが好ましい。
【0028】
また、本発明の樹脂組成物には照度及び輝度を改善させるための蛍光増白剤を更に含めることができる。上記蛍光増白剤は、0.01重量%〜0.1重量%が混合され、0.03〜0.05重量%のものが好ましい。
【0029】
本発明は、前述した実施形態に限定されず、当業者により多様な変形及び変更が可能であり、これは特許請求範囲に定義される本発明の趣旨と範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PS(Polystyrene)とHIPS(High Impact Polystyrene)とを混合して形成されることを特徴とする、照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物。
【請求項2】
前記PSとHIPSは、各々PS 80%とHIPS 20%重量比で混合されるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物。
【請求項3】
前記PSとHIPSは、各々PS 70%とHIPS 30%重量比で混合されるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物。
【請求項4】
拡散剤を更に含むようにし、
前記拡散剤はアクリルビーズまたはシリコンビーズのうちから選択されたいずれか1つを用いたり、またはこれを全て含むことを特徴とする、請求項1乃至3のうち、いずれか1項に記載の照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物。
【請求項5】
UV吸収剤またはUV安定剤が更に含まれるようにすることを特徴とする、請求項1乃至3のうち、いずれか1項に記載の照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物。
【請求項6】
蛍光増白剤が更に含まれるようにすることを特徴とする、請求項1乃至3のうち、いずれか1項に記載の照明及び看板用拡散板を製造するための樹脂組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−88576(P2013−88576A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−228120(P2011−228120)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(511250644)サオン プレシジョン アンド インダストリアル、カンパニー、リミテッド (1)
【Fターム(参考)】