説明

照明器具

【課題】 ユニバーサル組立に支持されたソケットに、光源を適正かつ容易に取付けることが可能な照明器具を提供する。
【解決手段】 照明器具1は、器具本体2と、ソケット11と、光源15と、ユニバーサル組立5を具備する。一端が開口された器具本体2内にソケット11を配設し、このソケットに光源15を回転操作により着脱可能に支持する。ユニバーサル組立5は、ソケット11を支持するソケットホルダ8、及び操作部6eを有していて、器具本体2内に配設される。ソケットホルダ8は、光源15の向きが調節される際に、器具本体2の中心軸線A回りに回転可能でかつ中心軸線Aに斜めに交差するように傾くことが可能である。操作部6eは器具本体2の外部から操作可能であり、ソケット11に光源15を取付ける際にソケットホルダ8が動かないように操作部6eで拘束可能としたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照射方向を調節可能な照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
照射方向を自由に変更させるために、ユニバーサル組立を備えた照明装置が、従来技術として知られている。
【0003】
この照明装置のユニバーサル組立は、第1の軸によって灯体(光源)を回動自在に保持し、この灯体の回動方向とは直交する方向に第1の保持部材を第2の軸によって固定部材に回動自在に保持して構成されている。
【0004】
ところで、光源はソケットに着脱可能に支持され、この光源の着脱に際しては光源が回転操作されることが一般的である。このことを実現するために光源が備える口金としてGX53型の口金やE26型の口金等が知られている。
【0005】
ユニバーサル組立を備える照明装置で、光源が回転操作されることでソケットに着脱される構成では、光源の回転操作に伴い光源の回転方向にユニバーサル組立が連れ回る場合が考えられる。
【0006】
このような事態は光源を取付け難くする。それだけではなく、既述の連れ回りがあると、ソケットに対して光源の口金が適正に支持されない恐れがある。こうした取付け不良があると、例えば光源が点灯(発光)しない等の不都合が考えられる。
【0007】
したがって、ユニバーサル組立を備えるとともに、このユニバーサル組立にソケットを取付け、このソケットに光源を回転操作することにより着脱可能とした構成の照明器具を開発するにあたっては、以上の不具合を改善することが要請されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3273267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
実施形態は、ユニバーサル組立に支持されたソケットに、光源を適正かつ容易に取付けることが可能な照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、実施形態の照明器具は、器具本体と、ソケットと、光源と、ユニバーサル組立を具備する。一端が開口された器具本体内にソケットを配設し、このソケットに光源を回転操作により着脱可能に支持する。ユニバーサル組立は、ソケットを支持するソケットホルダ、及び操作部を有していて、器具本体内に配設される。ソケットホルダは、光源の向きが調節される際に、器具本体の中心軸線回りに回転可能でかつ中心軸線に斜めに交差するように傾くことが可能である。操作部は器具本体の外部から操作可能であり、ソケットに光源を取付ける際にソケットホルダが動かないように操作部で拘束可能としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
実施形態の照明器具によれば、ユニバーサル組立に支持されたソケットに、光源を適正かつ容易に取付けることが可能である、という効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係るダウンライトを示す斜視図である。
【図2】図1のダウンライトを他の方向から見て示す斜視図である。
【図3】図1のダウンライトを示す正面図である。
【図4】図1のダウンライトを示す側面図である。
【図5】図1のダウンライトを示す断面図である。
【図6】図1のダウンライトをそのユニバーサル組立まわりを分解した状態で示す斜視図である。
【図7】図1のダウンライトをその光源を外した状態で示す斜視図である。
【図8】図1のダウンライトの光源とソケットとを分離した状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態1の照明器具は、一端が開口された器具本体と;この器具本体内に配設されたソケットと;このソケットに回転操作により着脱可能に支持された光源と;前記器具本体内に配設され、前記器具本体の外部から操作可能な操作部、及び前記ソケットを支持して前記器具本体の中心軸線回りに回転可能でかつ前記中心軸線に斜めに交差するように傾くことが可能なソケットホルダを有し、前記光源の向きが調節される際に可動するユニバーサル組立と;を具備することを特徴としている。
【0014】
この実施形態1で、回転操作によりソケットに着脱可能に支持される光源とは、例えばGX53型口金又はE型口金を有した光源を指しており、GX53型口金を有した光源の場合、例えば90°以下の角度で回転されることによりソケットに着脱可能であり、E型口金を有した光源の場合、360°以上でかつ数回転されることによりソケットに着脱可能である。更に、光源が有する発光要素にはLED(発光ダイオード)を好適に使用でき、LEDを有した光源をLED光源と称することができ、従って、LED光源でかつGX53型口金を有した光源は、GX53型LED光源と称することができる。又、ソケットには光源が有した口金の種類に適合した構成のソケットが使用される。
【0015】
この実施形態1で、ユニバーサル組立は、そのソケットホルダを、器具本体の中心軸線回りに回転可能でかつ中心軸線に斜めに交差するように傾くことが可能な構成であれば、如何なる構成でも差し支えない。
【0016】
この実施形態1で、ユニバーサル組立の操作部は、ユニバーサル組立をなす部材と別体で取付けられていてもよいが、前記部材と一体であることが好ましい。又、操作部の形状は特に限定されない。更に、操作部は、器具本体の開口から外方に突出されていることが好ましいが、器具本体の周壁部とユニバーサル組立との間に、操作者の指が十分に入る程度の隙間がある場合には、器具本体の開口内側すなわち器具本体外の内部に配置されていても差し支えない。操作部が操作方向に対して折れ曲がっていない場合には、操作部が目立ち難いので、器具の体裁上好ましい。操作部が操作方向に対して所定の角度で折れ曲がっている場合には、指を掛け易い点で好ましい。
【0017】
この実施形態1は、例えばダウンライトとして好適に適用できる他、スポットライト等にも適用可能である。
【0018】
実施形態1では、ユニバーサル組立に器具本体の外部から操作可能な操作部を設けたので、この操作部を操作者の指で保持することにより、ユニバーサル組立の不用意な可動によるソケットホルダ及びこれに支持されたソケットの回転を抑制可能である。こうした状態で、器具本体内にその開口を通して挿入された光源を回転操作してソケットに支持させる場合、光源の回転にソケットが連れ回りし難い。これにより、光源をソケットに容易に取付けることが可能となるとともに、適正に取付けることが可能である。
【0019】
実施形態2の照明器具は、実施形態1において、前記ユニバーサル組立が、前記器具本体に支持されて前記中心軸線回りに回転可能な回転部材と、この回転部材が有する一対のアームに前記中心軸線に斜めに交差するように傾くことが可能に支持された前記ソケットホルダとを有していて、前記一対のアームのうちの少なくとも一方の先端部が、前記操作部として前記器具本体の開口より外部に突出されていることを特徴としている。
【0020】
この実施形態2では、実施形態1において、更に、操作部が器具本体の開口より外部に突出されているので、器具本体の周壁部とユニバーサル組立との隙間に操作部が設けられた場合に比較して、前記隙間に指を挿入する面倒がなく簡単に操作部を保持できるとともに、前記隙間が狭い設計とすることが可能であるので、その場合には器具本体の外径を小さくできる利点がある。加えて、操作部が回転部材の一部で形成されているので、簡単な構成とすることが可能である。又、実施形態2で、一対のアームの夫々の先端部を操作部とした場合には、照明器具の操作者の利き手に拘らず、この利き手ではない方の片手で操作部に添えてユニバーサル組立の不用意な可動を抑制しつつ、利き手を用いて光源を取付けることが可能となるので、より作業性を向上させる上で好ましい。
【実施例1】
【0021】
以下、実施例1の照明器具について、図1〜図8を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1から図5中符号1は設置箇所例えば屋内の天井等に埋め込んで設置される照明器具例えばダウンライトを示している。このダウンライト1は、器具本体2と、ユニバーサル組立5と、ソケット11と、光源15と、端子台収容箱25と、一対の取付けばね31を具備している。
【0023】
器具本体2は例えば金属製具体的にはアルミニウム合金の深絞り製品からなる。アルミニウム合金製の器具本体2の内面は、金属地肌からなる光反射面である。そのため、器具本体2は反射体として用いられている。
【0024】
この器具本体2は、周壁部2aと、フランジ部2bと、端壁部2cを有している。器具本体2の一端は開口されている。この開口に向けて周壁部2aの径は次第に広がっている。フランジ部2bは、前記開口を囲んで周壁部2aの一端に連続して外側に張り出している。端壁部2cは、周壁部2aの他端に連続して設けられていて、前記開口に向かい合っている。
【0025】
周壁部2aの直径は屋内の天井に開口された例えば直径125mmの器具取付け孔より小さく、フランジ部2bは器具取付け開口の直径より大径である。これにより、器具本体2は、そのフランジ部2bが屋内の天井に接するまで、フランジ部2bを除いて前記器具取付け開口にその下側から上向きに挿入可能である。図4及び図5に示すようにフランジ部2bは、その内周から外周に行くにしたがって次第に高くなるように傾斜されている。
【0026】
器具本体2内に配設されるユニバーサル組立5は、図5〜図7に示すように例えば回転部材6とこれに対して傾き動くことが可能なソケットホルダ8とを有している。
【0027】
回転部材6は、器具本体2に支持されてこの器具本体2の中心軸線A(図5参照)回りに回転可能に器具本体2内に支持されている。即ち、回転部材6は、例えば金属の帯板を折り曲げて形成されていて、部材ベース部6a及びこの両端から折り曲げられた一対のアーム6b,6cを有して,側面視略コの字形状をなしている。
【0028】
回転部材6は、その部材ベース部6aの中央部を端壁部2cの中心部に枢支部材例えば鳩目金具(図5及び図7参照)7を用いて、端壁部2cに取付けられている。鳩目金具7は、図6に示すように部材ベース部6aの連結孔6d及び端壁部2cの連結孔2dを貫通し、その両端部をかしめて広がるように変形させることによって設けられている。回転部材6は鳩目金具7を中心に回転可能である。これとともに、回転部材6に外力が加えられない限り、この回転部材6を静止状態に保持する摩擦力が、鳩目金具7により端壁部2cと部材ベース6aとの間に与えられている。
【0029】
一方のアーム6bは、周壁部2aとは非接触でかつこの周壁部2aに沿うように折れ曲がっていて、その先端部は器具本体2の開口近傍に達している。他方のアーム6cは、周壁部2aとは非接触でかつこの周壁部2aに沿うように折れ曲がっていて、その先端部は、ユニバーサル組立5の操作部6eとして用いられている。
【0030】
好ましい例として操作部6eは器具本体2の開口を通って器具本体2外に突出されている。しかも、操作部6eはフランジ部2bに向けて折れ曲がっている。これにより、操作部6eに操作者の指をよりかけ易くしてあるとともに、操作部6eの端面に操作者の指が接することを抑制できるようにしてある。加えて、図3に示すように操作部6eは正面から見て角部が生じないように縁が面取りされていて、それにより、操作部6eの端面に操作者の指が接することをより一層抑制できるようにしてある。操作部6eとフランジ部2bとは非接触である。
【0031】
ソケットホルダ8は、金属を絞り加工して得た部品であって、図5及び図7に示すように上下両端が開口された円筒部8aの一端部に、縮径されたソケット取付け部8bを設けて形成されている。このソケットホルダ8は、一対のアーム6b,6cに支持されており、器具本体2の中心軸線Aに斜めに交差するように傾くことが可能である。
【0032】
このようなソケットホルダ8の傾き(tilt)調節は以下の構成で実現されている。即ち、図7に示すようにアーム6b,6cの先端側部位にこれらを貫通するリベットのような枢軸9により円筒部8aが回動可能に連結されている。この連結により、ソケットホルダ8に外力が加えられない限り、ソケットホルダ8を静止状態に保持する摩擦力が、円筒部8aを径方向に挟んだアーム6b,6cと円筒部8aとの間に与えられている。
【0033】
更に、枢軸9の近傍に位置してピン10がアーム6b,6cの夫々に突設されていて、これらのピン10が円筒部8aの周方向に180°離れて形成された長孔8cに夫々挿入されている。そのため、ソケットホルダ8は、枢軸9を中心とする回転により器具本体2に対して傾くことが可能であり、その傾きの範囲は、長孔8cの端がピン10に当たることにより規定されるようになっている。
【0034】
以上のように構成されたユニバーサル組立5を備えたダウンライト1は、鳩目金具7を中心としてユニバーサル組立5全体が鉛直軸線(中心軸線A)回りに回転可能であるとともに、枢軸9を中心としてユニバーサル組立5のソケットホルダ8が上下方向に回転して傾くことが可能である。又、ソケットホルダ8を支持した一対のアーム6b,6cは、ソケットホルダ8と器具本体2の周壁部2aとの間に配置されている。
【0035】
ソケット11はソケットホルダ8内に位置してソケット取付け部8bにねじ止め等により取付けられている。このソケット11には例えばGX53型口金が着脱可能である。ソケット(ランプソケット)11は、図6〜図8に示すように円形の中央通孔12の周りに180°離れて保持孔13を設けるとともに、これら保持孔13に接近する接片14を裏面に取付けて形成されている。保持孔13は、広幅孔部と狭幅孔部とが連続してなる略だるま形状に形成されている。
【0036】
図5に示すように光源15は、発光部16、この厚み方向一端に連結された例えばGX53型の口金17、及び透光性のグローブ18等を備えたランプである。
【0037】
発光部16は、モジュール基板19に複数の発光体例えばLED20を実装してなる。これにより、発光部16はLED発光モジュールをなしているので、これを備えた光源15はLED光源である。なお、LED20には、例えば電極が設けられたベース上にLEDチップを実装するとともに、このLEDチップを収容する円錐台状の凹部を有した反射体を接着し、凹部に蛍光体入りの透光性封止樹脂を充填してなるLEDパッケージが用いられている。このLEDパッケージにおいて、青色発光をするLEDチップを用いているので、照明光を白色にするために黄色の蛍光体が用いられている。発光部16はグローブ18で覆われている。
【0038】
なお、LEDの発光は、半導体のp−n接合に順方向電流を流すことで実現されるので、LEDは電気エネルギーを直接光に変換する固体素子である。こうした発光原理で発光する半導体発光素子は、通電によりフィラメントを高温に白熱させて、その熱放射により可視光を放射させる白熱電球と比較して、省エネルギー効果を有するものである。
【0039】
発光中の発光部16の熱が伝導される口金17は、前記中央通孔12に挿入される短い円柱状の中央凸部21、及びこの周囲に設けられた一対の口金ピン(ランプピン)22を有している。これら口金ピン22は、互いの中心間距離が光源15の径方向に53mm離れているとともに、周方向に180°離れて配設されている。口金ピン22の先端部は大径であり、その直径は、保持孔13の広幅孔部の幅より小さいとともに保持孔13の狭幅孔部の幅より大きい。更に、口金ピン22の先端部に連続した軸部は、前記先端部より小径であるとともに、保持孔13の広幅孔部及び狭幅孔部の幅より小径である。
【0040】
光源(ランプ)15の最大径は例えば90mmである。この光源15は、回転操作によりソケット11に着脱可能に支持されている。
【0041】
即ち、一対の口金ピン22の大径な先端部を、一対の保持孔13の広幅孔部に挿入した上で、口金ピン22が保持孔13の狭幅孔部に進むように光源15を回転させるに伴い、ソケット11の裏側で、保持孔13の狭幅孔部の相対向する孔縁部にわたって口金ピン22の先端部を引掛けることによって、ソケット11に光源15を支持できる。又、この支持状態から、口金ピン22が保持孔13の狭幅孔部から広幅孔部に進むように光源15を回転させ、この後に光源15をソケット11から離れるように引き動かして、口金ピン22の大径な先端部を保持孔13の広幅孔部から抜くことによって、光源15をソケット11から離脱させることができる。
【0042】
ソケット11に光源15が支持された状態で、口金ピン22の先端部の周面は接片14を撓ませてこれに密接されている。それにより、口金17と光源15とが電気的に接続されるようになっている。又、ソケット11に光源15が支持された状態で、発光部16を覆ったグローブ18の先端部は、図4及び図5に示すように器具本体2の開口を通って外部に突出されている。更に、器具本体2外に位置されたグローブ18の先端部に対して操作部6eは器具本体2の開口に寄せて配置されており、したがって、図4及び図5ではグローブ18の下面より上側に配置されている。
【0043】
端子台収容箱25は、不燃材である金属製の箱ベース26に箱カバー27をねじ止めして形成されている。箱ベース26は器具本体2の端壁部2cの外面にねじ止めされている。この箱ベース26の上面にねじ止めされ、この端子台収容箱25に端子台28が内蔵されている。この端子台28には、天井裏に配線されて箱カバー27を貫通する図示しない電源線が接続されるとともに、箱ベース26及び端壁部2cを通ってソケット11の接片14に至る絶縁被覆電線が接続される。
【0044】
一対の取付けばね31は端子台収容箱25の外面に固定されている。これら取付けばね31は、金属ばね板を折り曲げてなり、第1曲げ部32を境に根元板部31aと押さえ板部31bを有しているとともに、押さえ板部31bに第2曲げ部33が形成されている。
【0045】
屋内の天井にダウンライト1を埋め込んだ状態に設置する場合、押さえ板部31bが根元板部31aに近付くように取付けばね31を弾性変形させた状態で、端子台収容箱25を先頭にして天井の器具取付け開口にダウンライト1を上向きに挿入すればよい。この挿入の完了に伴い取付けばね31は元の状態に復元しようとする。それにより、天井板がフランジ部2bと第1曲げ部32とで上下から挟まれるとともに、第2曲げ部33が天井板の裏面(上面)に更に接して、ダウンライト1が天井に埋め込み設置される。
【0046】
以上のように天井にダウンライト1が設置された状態で、ソケット11に光源15を取付けるには、まず、器具本体2外に突出されている操作部6eに操作者の片手を添える。具体的には操作部6eを押さえる。次に、この状態で、光源15を、ユニバーサル組立5のソケットホルダ8内に挿入するとともに、既に説明した手順により所定角度回転操作して、この光源15の口金17をソケット11に取付ける。
【0047】
この場合、光源15の回転操作に伴い、ソケット11を介してこれが取付けられたユニバーサル組立5に器具本体2の中心軸線A回りの回転力が波及する。しかし、操作部6eが人為的に押えられていることにより、ユニバーサル組立5が光源15の回転操作に伴い連れ回りすることが抑制され、ユニバーサル組立5及びソケット11が不用意に動かないように保持される。
【0048】
このため、天井側での高所作業であるにも拘らず、ソケット11に対して光源15を容易に取付けることができる。これとともに、ソケット11に対して光源15が適正に回転されるに伴い、口金ピン22の先端部が接片14を確実に弾性変形させてこれに接した状態に光源15を取付けることが可能である。即ち、光源15の取付け不良が抑制されて、光源15をソケット11に適正に装着可能であるため、光源15の取付け不良に起因する発光不良や取付け操作後に作用する振動等で光源15が落下する恐れがないように光源15をソケット11に支持することが可能である。
【0049】
同様に、器具本体2外に光源15を取出す場合にも、操作部6eに手を添えてユニバーサル組立5及びソケット11が不用意に動かないように保持した状態で、光源15を外す方向に回転操作できるので、容易に光源15をソケット11から外して器具本体2外に取出すことが可能である。
【0050】
ダウンライト1は、ユニバーサル組立5に光源15を支持しているので、器具本体2の中心軸線A回りに光源15を回転させることができる。これとともに、光源15の周部を押込んで押上げることにより、光源15を中心軸線Aに交叉するように傾けることができる。それにより、光の照射方向等を調節可能である。
【0051】
ところで、前記構成のダウンライト1において、器具本体2の内周と光源15の外周との間の隙間が、そこに操作者の指を差し入れて光源15の周面を掴んでこの光源15を回転させる程度に広くない場合には、中心軸線A回りに光源15を回転させる際、器具本体2外に突出された光源15の先端部を掴んで操作することになる。このとき、光源15の回転操作方向が、保持孔13の狭幅孔部から広幅孔部に向かう方向に一致する場合、口金17とソケット11との接続が解除されて光源15が外れる恐れが考えられる。
【0052】
しかし、ユニバーサル組立5は器具本体2の外に突出された操作部6eを有しているので、この操作部6eを器具本体2の周方向に押すことによって、ユニバーサル組立5を中心軸線A回りに動かすことができる。これにより、ソケット11とこれに支持された光源との相対位置を変えることなく、光源15を中心軸線A回りに回転させることができる。したがって、こうした光源15の回転調節に伴い、口金17とソケット11との接続が解除されて光源15が外れないようにすることが可能である。
【0053】
なお、実施例1においてアーム6b,6cの夫々先端部を操作部6eとして実施することも可能である。
【0054】
更に、実施形態は、GX53型口金に代えてE型口金を備えた光源を用いるとともに、GX53型口金用のソケットに代えてE型口金用のソケットを用いた照明器具とすることもできる。この場合、E型口金がE型口金用のソケットにねじ込まれるので、既述のようにユニバーサル組立の操作部でこのユニバーサル組立の不用意な可動を抑えた状態で、光源をソケットにねじ込み或いはねじ戻して、光源を着脱することが可能である。したがって、光源の着脱操作が容易であるとともに、口金とソケットとの間での接点不良を生じることなく確実に光源をソケットに取付けることが可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…ダウンライト(照明器具)、2…器具本体、5…ユニバーサル組立、6…回転部材、6b,6c…アーム、6d…操作部、A…中心軸線、8…ソケットホルダ、11…ソケット、15…光源、17…口金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口された器具本体と;
この器具本体内に配設されたソケットと;
このソケットに回転操作により着脱可能に支持された光源と;
前記器具本体内に配設され、前記器具本体の外部から操作可能な操作部、及び前記ソケットを支持して前記器具本体の中心軸線回りに回転可能でかつ前記中心軸線に斜めに交差するように傾くことが可能なソケットホルダを有し、前記光源の向きが調節される際に可動するユニバーサル組立と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記ユニバーサル組立が、前記器具本体に支持されて前記中心軸線回りに回転可能な回転部材と、この回転部材が有する一対のアームに前記中心軸線に斜めに交差するように傾くことが可能に支持された前記ソケットホルダとを有していて、前記一対のアームのうちの少なくとも一方の先端部が、前記操作部として前記器具本体の開口より外部に突出されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−124058(P2012−124058A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274768(P2010−274768)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】