説明

照明器具

【課題】小型化を実現しつつ電気的な絶縁を確実に確保し、なおかつ、簡単かつ低コストに電気回路基板を組み込むことができる照明器具を提供すること。
【解決手段】開口31を蓋体32で閉塞する電源収納部24を有し、光源点灯に係る電源回路基板41を前記電源収納部24に収めた器具本体10と、電気的絶縁性、及び可撓性を有する絶縁シートSから形成され、前記蓋体32の閉蓋によって押圧されて前記蓋体32と前記電源収納部24の基板支持体設置面57との間に撓んだ状態で保持される基板支持体42と、を有し、前記基板支持体42が前記電源回路基板41の両側縁41Aを支持し、前記電源回路基板41を前記蓋体32、及び前記基板支持体設置面57から離間した位置に保持する照明器具1を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路基板を内蔵した照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LEDの実用化に伴い、光源にLEDを採用した照明器具が知られている。この種の照明器具には、通常、LEDの電源回路や点灯回路等の各種の電気回路を実装した電気回路基板が内蔵されている。照明器具への電気回路基板の内蔵は、一般に、板金を加工して作成したケース体に電気回路基板を収め、当該ケース体を照明器具の中に固定することで行われている。しかしながら、板金製のケース体を用いると、電気回路基板とケース体との間に電気的な絶縁距離を大きく設ける必要があり、ケース体が大きくなると同時に内蔵させる器具本体も大型化する。そのため絶縁距離を必用最小の寸法に押さえるため、絶縁シートを基板と板金製のケース体の間に挟んで取り付けさせる方法が一般的に実施されている。また、板金製のケース体を用いる代わりに、電気回路基板を照明器具の設置面に絶縁シートを間に挟んで樹脂製のユニットケース蓋で取り付けるようにした照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−262714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、板金製のケース体を用いて電気回路基板を照明器具の設置面に取り付ける場合、電気回路基板の設置面側に電気部品を実装することができないため片面実装となり、電気回路基板が大型化するため、内蔵する器具本体も大型化する、という問題があった。また、電気回路基板を小型化するためにICチップやコンデンサ、抵抗などの部品を一枚の基板上にまとめて組み込みハイブリッド化することも可能ではあるが、コストアップにつながるため少量生産品には向かないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型化を実現しつつ電気的な絶縁を確実に確保し、なおかつ、簡単かつ低コストに電気回路基板を組み込むことができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、開口を蓋体で閉塞する基板収納部を有し、光源点灯に係る電気回路基板を前記基板収納部に収めた器具本体と、電気的絶縁性、及び可撓性を有する絶縁シートから形成され、前記蓋体の閉蓋によって押圧されて前記蓋体と前記基板収納部の基板支持体設置面との間に撓んだ状態で保持される基板支持体と、を有し、前記基板支持体が前記電気回路基板の両側縁を支持し、前記電気回路基板を前記蓋体、及び前記基板支持体設置面から離間した位置に保持する、ことを特徴とする照明器具を提供する。
【0007】
また本発明は、上記照明器具において、前記電気回路基板を包む筒状に前記絶縁シートを巻いて、或いは折り曲げて成る筒体部の側面に、前記電気回路基板の側縁が挿入されて支持するスリットを設けて前記基板支持体を構成した、ことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記照明器具において、前記絶縁シートの一端部を前記筒体部から延出させて、前記筒体部を前記基板支持体設置面に固定する固定片を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電気的絶縁性、及び可撓性を有する絶縁シートから形成され、蓋体の閉蓋によって押圧されて蓋体と基板収納部の基板支持体設置面との間に撓んだ状態で保持される基板支持体を備え、この基板支持体が電気回路基板の両側縁を支持し、前記電気回路基板を前記蓋体、及び前記基板支持体設置面の各々から離間した位置に保持する構成とした。
この構成によれば、電気回路基板が蓋体、及び基板支持体設置面の各々から離間した位置に保持されるため、電気回路基板の両面に回路部品を実装することができ、電気回路基板の大型化を防止できる。
これに加え、電気回路基板の両端側では基板収納部の間に基板支持体を構成する絶縁シートが介在することから、電気回路基板の両端側と基板収納部の間の距離を縮めることができ照明器具を小型化できる。
さらに、蓋体を閉じることで基板支持体が基板収納部に保持、固定されるため、電気回路基板の照明器具への組み込み作業が容易となる。
かかる基板支持体を絶縁シートから形成しているため、板金を用いる構成に比べ、簡単かつ低コストに基板支持体を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る照明器具を下側から見た斜視図である。
【図2】照明器具の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図である。
【図3】照明器具の断面図である。
【図4】器具本体から蓋体を取り外した状態の底面図である。
【図5】基板支持体の構造を模式的に示す図であり、(A)は基板支持体を模式的に示す斜視図、(B)は基板支持体の展開図である。
【図6】基板支持体を器具本体の電源収納部に収めた状態を示す概略図である。
【図7】基板支持体の変形例を示す図であり、(A)は筒体部が三角柱状の場合を示し、(B)は筒体部が六角柱状の場合を示し、(C)は筒体部が円筒状の場合を示す。
【図8】基板支持体の他の変形例を示す図であり、(A)は基板支持体が一対の支持片を備える構成を示し、(B)は基板支持体の一対の支持片を上面で連結した構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、倉庫や工場の天井面に設置される照明器具を例示するが、本発明は、この種の照明器具に限定されるものではない。
【0012】
図1は本実施形態に係る照明器具1の設置状態を下側から見た斜視図である。図2は照明器具1の構成を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は正面図、図2(C)は底面図である。また図3は照明器具1の断面図である。
照明器具1は、図1に示すように、天井面に既設の端子ボックス2に取り付けて設置される。端子ボックス2は、照明器具1の取付ベースとして供されるとともに、商用電力を照明器具1に供給するものであり、薄型筒状のボックス本体3を備え、当該ボックス本体3の外側面に複数の固定脚4を設け、当該固定脚4を天井面にボルト等で照明器具1の荷重に耐え得るように強固に固定して設置されている。
【0013】
ボックス本体3の外周面には、商用電力の電力線を引き込むための開口5が設けられ、またボックス本体3の底面(床側の面)の略中央には、照明器具1の電力線をボックス本体3に引き込む開口(図視略)が設けられている。ボックス本体3の外周面の開口5、及び底面の開口から引き込まれた電力線がボックス本体3の中で結線され、照明器具1に商用電力が供給される。
なお、ボックス本体3の外周面には、4方向に開口5が設けられており、適宜の開口5から電力線を引き込み、また他の照明器具1への送り配線を引き出し可能に構成されており、使用しない開口5は例えばゴム材等で閉塞される。
【0014】
照明器具1は、図1、及び図2に示すように、天井面からの高さ方向に薄い円筒型の器具本体10を備え、天井面側が上記端子ボックス2に取り付けられ、また床側に面する底面には、透明板材としての平面視矩形のグローブ12が器具本体10に嵌め込み固定されている。グローブ12と器具本体10の間には防水用のパッキン14(図3)が挟み込まれることで気密にされ防湿が図られている。
【0015】
この器具本体10には、図3に示すように、端子ボックス2に取り付けるための引っ掛け軸70、及びラッチ機構75が設けられている。すなわち、図1、及び図2に示すように、端子ボックス2のボックス本体3の底面には、引っ掛け軸70を受ける軸受け52と、ラッチ機構75に係合するラッチ受け53を備えた取付金具50が設けられており、この取付金具50に、引っ掛け軸70を引っ掛けて、及びラッチ機構75を係合させることで、器具本体10が端子ボックス2に取り付けられる。
【0016】
器具本体10は、熱伝導性が高い金属材の一例たるアルミ合金を用いたアルミダイカストにより平面視円形に成型されている。すなわち、器具本体10は、図1、及び図2(C)に示すように、照射開口20を形成する円環枠部21を備える。この円環枠部21の裏側には、図3に示すように、略箱型の電源収納部24が中央に形成された胴体部23が設けられている。この胴体部23の外側面23Aには、全周に亘って、高さ方向(天井面側から床側方向)に延びる多数のフィン16が一体に形成されている。
【0017】
図3に示すように、胴体部23には、電源収納部24の照射開口20側を塞ぐように平板部30が一体に設けられている。図1に示すように、この平板部30の照射開口20側の面がLED基板載置面56として用いられ、このLED基板載置面56には光源たる多数のLED26が実装されたLED基板28がネジ止め固定されている。
また電源収納部24には、胴体部23の底面側に開口31が形成されており、この電源収納部24の開口31を塞ぐ板状の蓋体32が胴体部23の底面にネジ止め固定されている。
【0018】
図4は、器具本体10から蓋体32を取り外した状態の底面図である。
電源収納部24には、LED基板28に電源を供給して点灯する電源回路40(図3)が実装された電源回路基板41が基板支持体42に包まれて平板部30の基板支持体設置面57に固定されている。
電源収納部24に面する平板部30の面内には、図3に示すように、配線引出孔30Aが設けられており、この配線引出孔30Aを通じて、電源回路基板41から延びる配線が電源収納部24から引き出されてLED基板28に接続される。
また、蓋体32は、図3に示すように、防水用のパッキン36を間に挟んで電源収納部24の開口31を閉塞し、また蓋体32の略中央には電力線用開口37が設けられ、この電力線用開口37に樹脂製のブッシュ38が嵌め込まれている。これらパッキン36、及びブッシュ38により電源収納部24の気密性が確保されている。
電力線用開口37からは、上記端子ボックス2から延びる電力線が電源収納部24に引き込まれて電源回路基板41に接続される。
この電源回路基板41は、平面視略矩形状に形成され、上記平板部30、及び蓋体32のそれぞれから離間し、かつそれぞれに対して略平行な状態でケース状に構成した基板支持体42によって電源収納部24の中に保持されている。
【0019】
かかる基板支持体42について以下に詳述する。
図5は基板支持体42の構造を模式的に示す図であり、図5(A)は基板支持体42を模式的に示す斜視図、図5(B)は基板支持体42の展開図である。
基板支持体42は、図5(B)に示すように、電気的絶縁性、及び可撓性を有する樹脂製の帯状の絶縁シートSから形成されており、図5(A)に示すように、絶縁シートSを折り曲げて成る略四角柱状の筒体部43を備え、この筒体部43の内部に、電源回路基板41が支持されている。
電源回路基板41の支持構造について詳述すると、筒体部43の左右両側の側面44には、それぞれスリット55が形成されており、それぞれのスリット55に電源回路基板41の左右両側の側縁41Aを挿入することで、電源回路基板41が筒体部43の中で支持される。このとき、電源回路基板41は、筒体部43の上面45、及び下面46のそれぞれとの間に、電源回路40(図5には図示せず)が間に収まるだけの隙間δ1、δ2をあけた位置で支持する位置に上記スリット55が設けられている。これにより、電源回路基板41の両面を有効に使って電源回路40や他の回路の回路部品を配置できる。
【0020】
絶縁シートSは、左右両側の側面44で電源回路基板41を支持することから、当該電源回路基板41を支えるのに十分な剛性を有したものが用いられている。ただし、絶縁シートSは、1枚に限らず、複数枚の絶縁シートSが重ねられたものを折り曲げて基板支持体42を構成しても良い。
【0021】
図6は、基板支持体42を器具本体10の電源収納部24に収めた状態を示す概略図である。
同図に示すように、基板支持体42の筒体部43の高さLaは、電源収納部24の高さLb(すなわち、電源収納部24の基板支持体設置面57から蓋体32までの距離)よりも大きく形成されている。したがって、基板支持体42を電源収納部24の基板支持体設置面57の上に載置し、蓋体32で電源収納部24の開口31を閉塞したときには、蓋体32によって、基板支持体42が高さ方向に押圧される。これにより、筒体部43の左右両側の側面44が押し潰されて撓むこととなり、この撓みによって生じる側面44の突っ張りによって筒体部43が電源収納部24内に保持、固定される。
【0022】
したがって、電源回路基板41を支持した基板支持体42を電源収納部24の中に置き、蓋体32を閉じるだけで、電源収納部24の中に基板支持体42を固定することができる。このとき、電源回路基板41は、筒体部43の中で支持されていることから、電源収納部24の平板部30、蓋体32、及び左右両側面と、電源回路基板41との間には絶縁シートSが介在することとなり、電源回路基板41と電源収納部24との間の電気的な絶縁が確実に図られる。換言すれば絶縁シートSで電気的な絶縁が得られることから、電源回路基板41と電源収納部24との距離を短縮することができ、電源収納部24の高さLbを抑えて薄型、及び小型な器具本体10を構成できる。
特に、器具本体10の厚みを薄くすることで、器具本体10の天井面からの出幅を抑えることができるため、フォークリフト等の作業車が往来し、フォークリフトで持ち上げられた荷物が天井面の器具に接触し易い倉庫の照明にも照明器具1を好適に用いることができる。
【0023】
また、基板支持体設置面57から電源回路基板41までの高さH(図3)を絶縁シートSのスリット55の加工位置(Laに対してのδ1、δ2との比)を変えることで任意に設定できるため、例えばLED基板載置面56の裏面となる基板支持体設置面57から電源回路基板41までの距離Hを多く離し、相互間の熱の影響を少なくすることも可能である。これに加え、また器具本体10の電源収納部24が幅方向(水平方向)に余裕がある場合、電源回路基板41に片面実装基板を用いてより高さを抑える構成とすることも可能となる。
【0024】
ここで、器具本体10に対して左右方向(水平方向)への揺れや振動が加わると、筒体部43が電源収納部24内でスライド移動してしまうことがある。このようなスライド移動が生じると、スライド移動時の基板支持体42と電源収納部24との間の摩擦や、電源回路基板41から延びる配線の引っ張り等により、筒体部43の折り曲げが解けて絶縁シートSが帯状に拡がってしまい、電源回路基板41と電源収納部24との間の電気的な絶縁が維持されなくなる虞がある。
そこで本実施形態では、図5、及び図6に示すように、基板支持体42の筒体部43を電源収納部24の基板支持体設置面57にネジ止め固定するための固定片47を筒体部43に設けることで、器具本体10に衝撃が加わった場合でも、電源収納部24内での基板支持体42の移動を防止することとしている。
【0025】
この固定片47は、次のようにして筒体部43に一体に設けられている。すなわち、筒体部43は、上述の通り、帯状の絶縁シートSを筒状に折り曲げて構成されるが、この絶縁シートSの一端部には、図5(B)に示すように、固定片47が予め形成されており、更に、絶縁シートSの筒体部43の一方の側面44を構成する箇所には、固定片47が差し込み可能な差込スリット48が予め形成されている。そして、かかる絶縁シートSを折り曲げて筒体部43を構成する際に、端部の固定片47を差込スリット48に差し込んで筒体部43から外側に延ばすことで、固定片47が筒体部43と一体に構成される。
かかる構成においては、筒状に巻いた絶縁シートSの端部を延ばして成る固定片47が電源収納部24の基板支持体設置面57にネジ止めされているため、器具本体10に衝撃が加わったとしても、固定片47に引っ張られて筒状の筒体部43が絞られるか、或いは、筒体部43の側面44が固定片47側に移動して固定片47で係止されるかのいずれかであるから、筒体部43が解かれて帯状に拡がる(展開される)ことがなく、電源回路基板41を筒体部43の中に確実に収めておくことができる。
【0026】
なお、本実施形態の基板支持体42にあっては、図5、及び図6では図示を省略したが、図4に示すように、筒体部43の両端にも、当該筒体部43の両端の開口を覆う覆い片49A、49Bが筒体部43と一体に設けられており、これにより、電源回路基板41を収める箱型のケース状に構成されている。したがって、筒体部43の軸方向においては、これらの覆い片49A、49Bにより、電源回路基板41と電源収納部24との間の電気的な絶縁が図られることから、これら電源回路基板41と電源収納部24との間の距離を短縮して器具本体10の小型化を図ることができる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態によれば、蓋体32の閉蓋によって押圧されて蓋体32と電源収納部24の基板支持体設置面57との間に撓んだ状態で保持される基板支持体42を、電気的絶縁性、及び可撓性を有する絶縁シートSから形成し、この基板支持体42が電源回路基板41の両側縁41Aを支持し、電源回路基板41を蓋体32、及び基板支持体設置面57から離間した位置に保持する構成した。
この構成により、電源回路基板41が蓋体32、及び基板支持体設置面57の各々から離間した位置に保持されるため、電源回路基板41の両面を有効に使って回路部品を実装することができ、電源回路基板41の大型化を防止できる。
これに加え、電源回路基板41の両側の側縁41Aには、電源収納部24の間に基板支持体42を構成する絶縁シートSが介在することから、電源回路基板41の両側の側縁41Aと電源収納部24の間の距離を縮めることができ器具本体10を小型化できる。
さらに、蓋体32を閉じることで基板支持体42が電源収納部24に保持、固定されるため、電源回路基板41の器具本体10への組み込み作業が容易となる。
また基板支持体42を絶縁シートSから形成しているため、板金を用いる構成に比べ、簡単かつ低コストに基板支持体42を構成できる。
【0028】
また本実施形態によれば、電源回路基板41を包む四角柱状に絶縁シートSを折り曲げて成る筒体部43の側面44に、電源回路基板41の側縁41Aが挿入されて支持するスリット55を設けて基板支持体42を構成した。
これにより、1或いは複数枚を積層した絶縁シートSを折り曲げるだけで、簡単に基板支持体42を作成することができる。
これに加え、基板支持体設置面57から電源回路基板41までの高さHを絶縁シートSのスリット55の加工位置を変えることで任意に設定できるため、例えばLED基板載置面56の裏面となる基板支持体設置面57から電源回路基板41までの距離Hを多く離し、相互間の熱の影響を少なくすることも可能である。
【0029】
また本実施形態によれば、絶縁シートSの一端部を筒体部43から延出させて、筒体部43を平板部30に固定する固定片47を設ける構成とした。
この構成により、器具本体10に衝撃が加わった場合でも、電源収納部24内での基板支持体42の移動を防止することができる。また、器具本体10に衝撃が加わったとしても、固定片47に引っ張られて筒状の筒体部43が絞られるか、或いは、筒体部43の側面44が固定片47側に移動して固定片47で係止されるかのいずれかであるから、筒体部43が解かれて帯状に拡がる(展開される)ことがなく、電源回路基板41を筒体部43の中に確実に収めておくことができる。
【0030】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【0031】
例えば、上述した実施形態では、基板支持体42の筒体部43の形状が四角柱状である場合を説明したが、筒体部43の断面形状は四角形に限らない。すなわち、図7(A)に示すように、三角柱状の筒体部143を備えた基板支持体142としても良く、また図7(B)に示すように、六角柱状の筒体部243を備えた基板支持体242としても良い。すなわち、筒体部43としては任意の多角柱状を用いることができる。
さらに、多角柱に限らず、図7(C)に示すように、円筒状の筒体部343を備えた基板支持体342としても良い。円筒状の筒体部343は、絶縁シートSで電源回路基板41の周囲を一巻きするだけで構成できるため、基板支持体342を、より簡単に構成することができる。
【0032】
また、上述した実施形態では、基板支持体42として、電源回路基板41を包囲する筒体部43を備える構成を例示したが、これに限らない。
例えば、図8(A)に示すように、電源回路基板41の両側縁41Aが挿入されるスリット55が形成されるとともに、蓋体32の閉蓋によって押圧されて蓋体32と電源収納部24の基板支持体設置面57との間に撓んだ状態で保持される一対の支持片444を備えて基板支持体442を構成しても良い。この構成において、支持片444の上下の端部のそれぞれが外側に向けて折り曲げられることで、蓋体32、及び平板部30に接触して押圧力を受ける接触片444Aが設けられており、各接触片444Aが蓋体32、及び平板部30に密着することで、基板支持体442が電源収納部24に保持、固定される。また図8(B)に示すように、一対の支持片544を矩形の上面545で連結し、当該上面545が蓋体32の閉蓋時に押圧される構成としても良い。
【0033】
上述した実施形態では、基板支持体42が電源回路基板41を支持する場合を例示したが、電源回路に限らず、点灯回路や制御回路、或いは、これらの回路が混在した各種の電気回路が実装された電気回路基板の支持に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 照明器具
10 器具本体
24 電源収納部
26 LED(光源)
28 LED基板
30 平板部
31 開口
32 蓋体
40 電源回路(電気回路)
41 電源回路基板(電気回路基板)
41A 側縁
42、142、242、342、442、542 基板支持体
43、143、243、343 筒体部
44 側面
47 固定片
48 差込スリット
49A、49B 覆い片
55 スリット
57 基板支持体設置面
444、544 支持片
444A 接触片
544 支持片
La、Lb 高さ
S 絶縁シート
δ1、δ2 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を蓋体で閉塞する基板収納部を有し、光源点灯に係る電気回路基板を前記基板収納部に収めた器具本体と、
電気的絶縁性、及び可撓性を有する絶縁シートから形成され、前記蓋体の閉蓋によって押圧されて前記蓋体と前記基板収納部の基板支持体設置面との間に撓んだ状態で保持される基板支持体と、を有し、
前記基板支持体が前記電気回路基板の両側縁を支持し、前記電気回路基板を前記蓋体、及び前記基板支持体設置面から離間した位置に保持する、ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記電気回路基板を包む筒状に前記絶縁シートを巻いて、或いは折り曲げて成る筒体部の側面に、前記電気回路基板の側縁が挿入されて支持するスリットを設けて前記基板支持体を構成した、ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記絶縁シートの一端部を前記筒体部から延出させて、前記筒体部を前記基板支持体設置面に固定する固定片を設けたことを特徴とする請求項2に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−33689(P2013−33689A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169979(P2011−169979)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】