説明

照明器具

【課題】
連結作業における渡り線の接続作業が短時間に行える照明器具を提供する。
【解決手段】
照明器具1は、箱状に形成され、互いに連結される複数個の器具本体2と、器具本体2に配設された光源3と、外部電源に接続されて外部電源を光源3側に供給する電源線4と、出力端子23の端子数が入力端子22に接続される電線の電線数の2倍以上を有し、器具本体2の長手方向の一端部2gに設けられた送り機能を有する端子台5と、一端側6aが端子台5の出力端子23に接続され、他端側6bが電線を接続していない入力端子22に電気接続された出力端子23に接続されて器具本体2内に収容され、器具本体2に他の器具本体2Nを連結したときに他端側6bを当該他の器具本体2Nの入力端子22に接続可能な全長を有してなる接続線6を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、ライン状に連結可能な照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
舞台やスタジオ等においては、照明器具をライン状に連設して、ライン照明が行われている。照明器具は、例えば天井側に設けられたバトン(棒)に所定の間隔で配設され、照明器具同士は、例えば両端面側に設けられた電源ケーブルにより電気接続されている(例えば特許文献1参照。)。また、照明器具は、その長手方向で切れ間なくライン照明するために、その端部同士が連結具により接続固定されている(例えば特許文献2参照。)。
【0003】
従来、照明器具同士は、渡り線により電気接続されている。すなわち、照明器具の端部に配設した端子台同士を電源線により接続している。また、コネクタ同士をケーブルにより電気接続することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−228529号公報(第6−7頁、第3図)
【特許文献2】特許第4315042号公報(第6頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
照明器具の連結において、端子台同士を電源線により接続する場合、電源線の端末加工に手間を要し、電気接続に多大な作業時間を要するという問題がある。また、コネクタによる接続は、専用のコネクタ付きケーブルにより、照明器具をコストアップさせるという欠点を有する。
【0006】
また、照明器具の連結作業に対して、コネクタ付きケーブルおよび連結具を準備するそれらの管理は、煩わしいという欠点を有する。
【0007】
本発明の実施形態は、連結作業における渡り線の接続作業が短時間に行える照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の照明器具は、器具本体、光源、電源線、送り機能を有する端子台および接続線を有して構成される。
【0009】
器具本体は、互いに連結される複数個からなり、それぞれ箱状に形成されて、光源を配設する。
【0010】
電源線は、外部電源に接続されて外部電源を光源側に供給するものであり、器具本体内に配線される。
【0011】
送り機能を有する端子台は、器具本体の長手方向の少なくとも一端部に設けられ、電源線を含む電線が接続される入力端子およびこの入力端子にそれぞれ電気接続された出力端子を備える。そして、出力端子の端子数は、入力端子に接続される電線の電線数の2倍以上を有している。
【0012】
接続線は、一端側が端子台の出力端子に接続され、他端側が当該出力端子以外であって当該出力端子に電気接続されている入力端子と同電位の出力端子または電線が接続されていない入力端子に電気接続された出力端子のいずれかに接続されて、器具本体内に収容される。そして、接続線は、器具本体に他の器具本体を連結したときに、他端側を当該他の器具本体の入力端子に接続可能に一端側から他端側に亘る全長を有している。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態の照明器具によれば、器具本体に他の器具本体を連結したときに、接続線の他端側を端子台の出力端子から取り外して他の器具本体の入力端子に接続することにより、連結した器具本体同士の電線の電気接続が行えるので、連結作業における渡り線の接続作業を短時間に行えることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示す照明器具の概略正面図である。
【図2】同じく、照明器具の概略側面図である。
【図3】同じく、光源および点灯装置の概略斜視図である。
【図4】同じく、器具本体の一端部における概略上面図である。
【図5】同じく、電源端子台における配線図である。
【図6】同じく、調光端子台における配線図である。
【図7】同じく、器具本体が連結された状態の一端部における概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の照明器具1は、図1ないし図7に示すように構成される。図2および図4において、照明器具1は、器具本体2、光源としての光源ユニット3、電源線4、送り機能を有する端子台としての電源端子台5および接続線として渡り電源線6を有して形成されている。
【0016】
器具本体2は、例えば鋼板により形成され、図1に示すように、長形の箱形に形成されている。そして、その高さ方向(長手方向と直交する方向)の下側に下カバー7を、同じく上側に上カバー8をそれぞれねじ止めして取り付けている。また、器具本体2は、図2に示すように、左右の側面2a,2bのそれぞれの高さ寸法が異なるように形成され、下面開口2c側が所定の傾斜角度で正面側(側面側2a)を向くように形成されている。器具本体2は、その下面開口2c側に光源ユニット3を前記所定の傾斜角度で取り付けている。そして、器具本体2の上面側は、長手方向に亘る長形の平面部2dに形成されている。
【0017】
器具本体2の両側面2a,2bおよび長手方向の両側に設けられた両端板2e,2f(図2において、一方のみを示す。)は、メッシュ構造に形成されている。そして、両側面2a,2bには、略コ字形の支持アーム9が複数個のボルト10により取り付けられている。支持アーム9は、図1に示すように、器具本体2の長手方向の両端部2g,2h側にそれぞれ取り付けられている。支持アーム9,9は、器具本体2を図示しないはバトン(棒)やフレーム等を介して天井に吊り下げる。
【0018】
下カバー7には、光源ユニット3に正対するように、円形状の照射開口11が形成されている。照射開口11は、器具本体2の一端部2gから他端部2hに亘って等間隔に複数個形成されている。すなわち、器具本体2内には、複数個の光源ユニット3が配設されている。
【0019】
そして、上カバー8には、その上面に配線箱12を設けている。この配線箱12には、外部電源からの図示しない電源線および調光装置又はコントルクスからの図示しない調光線が引き込まれている。当該電源線および調光線は、器具本体2内に配線されている。そして、上カバー8は、器具本体2の一端部2g側および他端部2h側がそれぞれ残余の部位から分離可能なカバー部8a,8bに形成されている。すなわち、カバー部8aは、器具本体2の一端部2g側において、器具本体2に着脱可能であり、カバー部8bは、器具本体2の他端部2h側において、器具本体2に着脱可能となっている。
【0020】
光源ユニット3は、図3に示すように、放熱フィン13および環状のフランジ部14を有するユニット体15と、このユニット体15に配設された発光ダイオード16とを有する既知の構造に形成されている。そして、発光ダイオード16は、光源ユニット3において、例えば電球色の色光を放射するものが用いられている。そして、下カバー7の照射開口11に赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の色光を透過するカラーフィルタ11aが設けられている。すなわち、下カバー7の照射開口11には、器具本体3の一端部3gから他端部3hに向かって、赤色光、緑色光および青色光を透過するカラーフィルタ11aが順次配設されている。
【0021】
なお、発光ダイオード16は、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の色光を放射するものが用いられ、下カバー7の照射開口11には、透明フィルタを設けるようにしてもよい。すなわち、器具本体3は、一端部3gから他端部3hに向かって、赤色光、緑色光および青色光を放射する各光源ユニット3を順次配設するようにしてもよい。
【0022】
発光ダイオード16は、点灯装置17によって点灯される。点灯装置17は、光源ユニット3に対応して9個が器具本体3の平面部2dに設けられている。点灯装置17には、器具本体2内に配線された図示しない電源線4(図4に示す。)および図示しない調光線18(図4に示す。)が入力側に接続されている。そして、図示しない出力コード17a(図4に示す。)が光源ユニット3に接続されている。
【0023】
電源線4は、上カバー8に配設された配線箱12において外部電源に接続されているとともに各点灯装置17に渡り配線されていて、外部電源を各点灯装置17に供給する。また、調光線18は、同じ色光を下カバー7の照射開口11から出射する光源ユニット3に対応する点灯装置17毎に渡り配線され、調光装置又はコントルクスからの調光信号を点灯装置17に入力する。点灯装置17は、調光信号に応じて、発光ダイオード16に供給する電流を調整して、発光ダイオード16を調光点灯させる既知の構成により形成されている。

電源線4は、上述したように、外部電源に接続されて点灯装置17に渡り配線されて、器具本体2内に配線されている。そして、点灯装置17に渡り配線された電源線4および調光線18は、図4に示すように、器具本体2の平面部2dの長手方向の一端部2da(器具本体2の長手方向の一端部2g)に設けられた電源端子台5および送り機能を有する端子台としての調光端子台19にそれぞれ電気接続されている。
【0024】
電源端子台5および調光端子台19は、器具本体2の平面部2dの長手方向の一端部2daにそれぞれ設けられている。そして、この電源端子台5および調光端子台19とそれぞれ同等の電源端子台20および調光端子台21が平面部2dの長手方向の他端部2db(器具本体2の長手方向の他端部2h)にそれぞれ設けられている。電源端子台20においても、電源端子台5に電気接続された電源線4が電源端子台5と同様にして接続され、調光端子台21においても、調光端子台19に電気接続された調光線18が調光端子台19と同様にして接続されている。
【0025】
図4においては、他の器具本体2Nの平面部2dの他端部2dbに設けられた電源端子台20および調光端子台21を示している。器具本体2,2N同士は、器具本体2の一端部2g側および他の器具本体2Nの他端部2h側において互いに連結される。そして、器具本体2の一端部2g側に設けられた電源端子台5および調光端子台19と、他の器具本体2Nの他端部2h側に設けられた電源端子台20および調光端子台21は、それぞれ互いに略正対するように配設されている。
【0026】
なお、器具本体2に設けられている配線箱12は、器具本体2に順次連結される他の器具本体2Nには設けなくてもよいものである。他の器具本体2Nにおいては、電源端子台5,20間において、電源線4が点灯装置17,17間に渡り配線される。また、調光端子台19,21間において、調光線18が点灯装置17,17間に渡り配線される。
【0027】
そして、電源端子台5は、図5に示すように、6個の入力端子22およびこの入力端子22にそれぞれ接続された6個の出力端子23を備えている。入力端子22および出力端子23は、それぞれSL端子(ネジ無し端子)であり、先端側の被覆を剥ぎ取った電源線4を含む電線(以下、電源線4等という。)および接続線としての渡り電源線6がそれぞれ差し込まれることにより、電源線4等および渡り電源線6をそれぞれ電気接続する。
【0028】
入力端子22および出力端子23にそれぞれ接続された電源線4等および渡り電源線6は、それぞれ図示しない鎖錠機構により固定される。そして、その鎖錠機構は、鎖錠釦24,25を押圧することによって解除され、この解除によって電源線4等および渡り電源線6を入力端子22および出力端子23からそれぞれ取り外すことができる。
【0029】
入力端子22は、入力端子22a1,22a2、入力端子22b1,22b2および入力端子22c1,22c2をそれぞれ1組として、それぞれ鎖錠釦24a,24b,24cにより電源線4等の固定が解除される。また、出力端子23は、出力端子23a1,23a2、出力端子23b1,23b2および出力端子23c1,23c2をそれぞれ1組として、それぞれ鎖錠釦25a,25b,25cにより渡り電源線6の固定が解除される。
【0030】
そして、入力端子22a1に電源線4の一方が接続され、入力端子22c1に電源線4の他方が接続されている。そして、入力端子22b1に電源線4と一体に配線されるアース線26が接続されている。
【0031】
また、3本の渡り電源線6は、それらの一端側6aおよび他端側6bが出力端子23a1,23a2、出力端子23b1,23b2および出力端子23c1,23c2にそれぞれ接続されている。渡り電源線6のうち、出力端子23b1,23b2に接続されている渡り電源線6は、アース線となっている。
【0032】
そして、渡り電源線6は、図7に示すように、器具本体2に他の器具本体2Nを連結したときに、他端側6bが他の器具本体2Nの電源端子台20の出力端子27に接続可能に、その一端側6aから他端側6bに亘る全長が設定されている。渡り電源線6は、電源端子台20の出力端子27を介して電源端子台20の入力端子28に接続され、他の器具本体2N内に配線されている電源線4に電気接続される。
【0033】
図5において、3本の渡り電源線6の他端側6bは、それぞれ出力端子23a2,23b2,23c2に接続されている。この出力端子23a2,23b2,23c2にそれぞれ電気接続している入力端子22a2,22b2,22c2には、電源線4およびアース線26が接続されていない。したがって、渡り電源線6が電源端子台5の出力端子23に電気接続されている状態で電源線4が給電されても、電源端子台5において、短絡や地絡などの電気事故等の不具合が実用上発生しないものである。
【0034】
なお、本実施形態において、電源端子台5は、入力端子22a1,22a2、入力端子22b1,22b2および入力端子22c1,22c2がそれぞれ1組毎に同電位に形成されていてもよく、または同電位となるように接続されていてもよい。この場合であっても、渡り電源線6は、入力端子22a1,22a2、入力端子22b1,22b2および入力端子22c1,22c2とそれぞれ同電位となるので、電源端子台5における不具合は、実用上発生しないものである。
【0035】
上述したように、電源端子台5には、入力端子22および出力端子23がそれぞれ6個設けられ、各渡り電源線6の両端側6a,6bが出力端子23に接続されている。入力端子22に接続される3本の電源線4等に対して、出力端子23の端子数が6個であるので、各渡り電源線6の両端側6a,6bを電源線4等に短絡や地絡などさせることなく、出力端子23に接続させることができる。このように、電源端子台5は、出力端子23の端子数が入力端子22に接続される電源線4等の電線数の2倍以上を有していればよく、これにより、電源端子台5において不具合を発生させることなく、各渡り電源線6の両端側6a,6bを出力端子23に接続させることができる。
【0036】
なお、電源端子台5の出力端子23側の平面部2dには、渡り電源線6の接続位置を示す表示板29が設けられている。この表示板29は、図4および図7においては省略している。
【0037】
そして、調光端子台19においても、電源端子台5と同様である。図6において、調光端子台19は、それぞれ16個の入力端子30および出力端子31を備えている。入力端子30および出力端子31は、それぞれSL端子(ねじ無し端子)であり、互いに正対する入力端子30および出力端子31が電気接続されている。
【0038】
入力端子30は、隣接する2個を1組として8組に設けられている。そして、各組の1個の入力端子30に1本の調光線18が接続されている。この調光線18は、2本を1組として、下カバー7の照射開口11から出射される赤色光、緑色光および青色光に対応する光源ユニット3をそれぞれ制御する調光信号を伝送する。そして、入力端子30の隣接する2組毎に、1組の2本の調光線18がそれぞれ接続されている。調光線18は、3組の6本が入力端子30に接続されている。
【0039】
出力端子31は、隣接する2個を1組として8組に設けられている。そして、各組の2個の出力端子31に1本の接続線としての渡り調光線32の一端側32aおよび他端側32bが接続されている。ここで、調光線32の一端側32aは、調光線18が接続された入力端子30に電気接続されている出力端子31に電気接続され、他端側32bは、調光線18が接続されていない入力端子30に電気接続されている出力端子31に電気接続されている。
【0040】
そして、渡り調光線32は、8本からなり、8組の2個の入力端子31にそれぞれ1本の渡り調光線32が上記のようにして接続されている。なお、本実施形態では、調光線18は、6本であるので、調光線18が接続されていない入力端子30に接続されている出力端子31は、渡り調光線32を接続しなくてもよいものである。なお、調光端子台19の出力端子31側の平面部2dには、渡り調光線32の接続位置を示す図示しない表示板が設けられている。
【0041】
そして、渡り調光線32は、図7に示すように、器具本体2に他の器具本体2Nを連結したときに、他端側32bが他の器具本体2Nの調光端子台21の出力端子33に接続可能に、その一端側32aから他端側32bに亘る全長が設定されている。渡り調光線32は、調光端子台21の出力端子33を介して調光端子台21の入力端子34に接続され、他の器具本体2N内に配線されている調光線18に電気接続される。
【0042】
このように、調光端子台19は、図6に示すように、その入力端子30に調光線18を接続し、その出力端子31に渡り調光線32を接続している。そして、調光端子台19は、入力端子30の1組毎に、調光線18の固定を解除する解除釦35が設けられ、出力端子31の1組毎に、渡り調光線32の固定を解除する解除釦36が設けられている。
【0043】
上述したように、器具本体2の平面部2dの長手方向の一端部2daには、送り機能を有する端子台としての電源端子台5および調光端子台19が設けられている。また、平面部2dの長手方向の他端部2dbには、送り機能を有する端子台としての電源端子台20および調光端子台21が設けられている。そして、平面部2dの長手方向の一端部2daには、図4に示すように、器具本体2に他の器具本体2Nを長手方向で連結し固定する連結部材37が設けられている。
【0044】
連結部材37は、例えば鋼板からなり、器具本体2の長手方向と直交する方向に長手方向を有する正面視長方形に形成されている。連結部材37は、その肉厚が例えば1〜2mmであり、長手方向の両端側には、両端側の厚さを大きくする補強板38,38が設けられている。また、連結部材37は、その長手方向において、2列にそれぞれ3個の取付け孔39が形成されている。各列の3個の取付け孔39は、直線上に等間隔で形成されている。また、取付け孔39の2列間は、所定の間隔となっている。
【0045】
器具本体2の平面部2dにおいて、電源端子台5および調光端子台19よりもさらに端部側(最端2dc側)には、連結部材37の各列の取付け孔39に対応して、図示しない挿通孔40(図7に示す。)が形成されている。この挿通孔40および連結部材37の取付け孔39を位置的に合わせて、最端2dc側の3個の取付け孔39および挿通孔40にねじ41が挿通されている。そして、平面部2dの背面側において、ねじ41に螺着された図示しないナットおよびねじ41により、平面部2dおよび連結部材37が共締めされている。こうして、連結部材37は、平面部2dの長手方向の一端部2daに取り付けられている。この連結部材37は、器具本体2に連結される他の器具本体2Nの平面部2dの一端部2daにも設けられている。平面部2dおよび連結部材37を共締めしているねじ41および図示しないナットは、連結部材37の取付け部材となっている。
【0046】
そして、器具本体2および他の器具本体2Nのそれぞれの平面部2dの他端部2dbには、一端部2daに形成された挿通孔40と同様の図示しない挿通孔が形成されている。この挿通孔には、ねじ42が挿通されている。このねじ42には、平面部2dの背面側において、図示しないナットが螺着されている。そして、ねじ42および図示しないナットにより、平面部2dが締め付けられている。これにより、平面部2dの他端部2dbにも、連結部材37の取付け部材が設けられている。
【0047】
なお、互いに連結された複数個の器具本体2,2Nにおいて、一方の最端側の器具本体2(2N)の一端部2g側には、電源端子台5、調光端子台19および連結部材37を設けなくてもよく、他方の最端側の器具本体2N(2)の他端部2h側には、電源端子台20および調光端子台21を設けなくてもよいものである。
【0048】
次に、本実施形態の作用について述べる。
【0049】
器具本体2の長手方向の一端部2g側に他の器具本体2Nを連結するには、器具本体2の一端部2g側の端板2eを取り外すとともに、他の器具本体2Nの他端部2h側の端板2fを取り外す。また、器具本体2の上カバー8のカバー部8aを取り外すとともに、他の器具本体2Nの上カバー8のカバー部8bを取り外す。カバー部8aおよびカバー部8bは、ねじ止めを解除することにより、それぞれ器具本体2および他の器具本体2Nから容易に取り外れる。これにより、図4に示すように、器具本体2の平面部2dの一端部2da側および他の器具本体2Nの平面部2dの他端部2db側がそれぞれ外部空間に露出する。
【0050】
そして、器具本体2の平面部2dの一端部2daにおいて、ねじ41からナットを取り外し、ねじ41を平面部2dの挿通孔40および連結部材37の取付け孔39から取り外す。これにより、取付部材37は、器具本体2の平面部2dを移動可能となる。また、他の器具本体2Nの平面部2dの他端部2dbにおいて、ねじ42からナットを取り外し、ねじ42を平面部2dの挿通孔40から取り外す。
【0051】
そして、器具本体2および他の器具本体2Nのそれぞれの平面部2d,2dの最端2dc,2dc同士を接触させて、連結部材37の6個の取付け孔39を器具本体2の平面部2dの挿通孔40および他の器具本体2Nの平面部2dの挿通孔40に位置合わせする。この位置合わせをした状態で、器具本体2および他の器具本体2Nからそれぞれ取り外した6個のねじ41,42を連結部材37の取付け孔39から挿通孔40に挿通する。
【0052】
そして、器具本体2および他の器具本体2Nのそれぞれの平面部2d,2dの背面側において、ねじ41,42にナットを螺着して、ねじ41,42およびナットにより、器具本体2および他の器具本体2Nのそれぞれの平面部2d,2dおよび連結部材37を完全に共締めする。これにより、図7に示すように、器具本体2の長手方向の一端側2gおよび他の器具本体2Nの他端側2hは、連結部材37により連結されて固定される。すなわち、器具本体2および他の器具本体2Nは、それらの長手方向で連結される。
【0053】
この連結後、器具本体2の一端部2g側に設けられている電源端子台5の渡り電源線6を他の器具本体2Nの他端部2h側に設けられている電源端子台20に接続し、同じく調光端子台19の渡り調光線32を調光端子台21に接続させる。
【0054】
図5において、電源端子台5の解除釦25a,25b,25cに順次例えばプラスドライバーを押し当てて、3本の渡り電源線6の他端側6bを出力端子23a2,23b2,23c2からそれぞれ引き抜く。そして、3本の渡り電源線6の他端側6bを順次他の器具本体2Nの電源端子台20の出力端子27に接続する。この接続は、渡り電源線6の他端側6bを電源端子台20の出力端子27に差し込むのみで行えるので、迅速に行える。これにより、器具本体2内および他の器具本体2N内にそれぞれ配線された電源線4,4が渡り電源線6を介して電気接続され、他の器具本体2Nの点灯装置17に外部電源が供給される。
【0055】
また、図6において、調光端子台19の解除釦36に順次例えばドライバーを押し当てて、6本の渡り調光線32の他端側32bを出力端子31から引き抜く。そして、6本の渡り調光線32の他端側32bを順次他の器具本体2Nの調光端子台21の出力端子33に接続する。この接続は、渡り調光線32の他端側32bを調光端子台21の出力端子33に差し込むのみで行えるので、迅速に行える。これにより、器具本体2内および他の器具本体2N内にそれぞれ配線された調光線18,18が渡り調光線32を介して電気接続され、他の器具本体2Nの点灯装置17に調光信号が入力される。
【0056】
こうして、図7に示すように、器具本体2の一端部2g側に他の器具本体2Nが連結部材37により連結され、渡り電源線6および渡り調光線32により、他の器具本体2Nの点灯装置17に外部電源および調光信号が入力可能となる。
【0057】
そして、渡り電源線6および渡り調光線32の接続後に、器具本体2に上カバー8のカバー部8aが取り付けられ、他の器具本体2Nに上カバー8のカバー部8bが取り付けられる。
【0058】
そして、器具本体2の他端部2h側に、他の器具本体2Nの一端部2g側を連結する場合も、上述と同様である。このとき、渡り電源線6および渡り調光線32は、他の器具本体2Nの電源端子台5および調光端子台19から器具本体2の電源端子台20および調光端子台21にそれぞれ接続される。
【0059】
本実施形態の照明器具1によれば、器具本体2は、平面部2dの電源端子台5および調光端子台19よりもさらに長手方向の端部側(最端2dc側)に、他の器具本体2Nを長手方向で連結可能な連結部材37を設けているので、器具本体2に他の器具本体2Nを連結するときに、別途の連結部材を準備する必要がなく、省力化を図ることができるという効果を有する。
【0060】
また、器具本体2に長手方向で他の器具本体2Nを連結したときに、渡り電源線6の他端側6bを電源端子台5の出力端子23から取り外して他の器具本体2Nの電源端子台20の出力端子27(入力端子28)に接続し、渡り調光線32の他端側32bを調光端子台19の出力端子31から取り外して他の器具本体2Nの調光端子台21の出力端子33(入力端子34)に接続することにより、連結した器具本体2,2N同士の電源線4および調光線18の電気接続が行えるので、連結作業における渡り電源線6および渡り調光線32の接続作業を短時間に行うことができるという効果を有する。
【0061】
また、器具本体2は、電源端子台5および調光端子台19が設けられている長手方向の一端部2g側に、着脱可能な上カバー8のカバー部8aが取り付けられ、電源端子台20および調光端子台21が設けられている長手方向の他端部2h側に、着脱可能な上カバー8のカバー部8bが取り付けられているので、器具本体2に他の器具本体2Nを連結するときに、上カバー8全体を取り外すことなく、カバー部8a,8bを取り外すのみで連結作業が行うことができて、これにより、連結作業の作業負担を軽減できるという効果を有する。
【符号の説明】
【0062】
1…照明器具、 2…器具本体、 3…光源としての光源ユニット、 4…電源線、 5…送り機能を有する端子台としての電源端子台、 6…接続線としての渡り電源線、 8a,8b…カバー部、 19…送り機能を有する端子台としての調光端子台、 26…電源線のアース線、 32…接続線としての渡り調光線、 37…連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状に形成され、互いに連結される複数個の器具本体と;
この器具本体に配設された光源と;
前記器具本体内に配線されるとともに、外部電源に接続されて当該外部電源を前記光源側に供給する電源線と;
この電源線を含む電線が接続される入力端子およびこの入力端子にそれぞれ電気接続された出力端子を備え、出力端子の端子数が前記入力端子に接続される前記電線の電線数の2倍以上を有してなり、前記器具本体の長手方向の少なくとも一端部に設けられた送り機能を有する端子台と;
一端側が前記端子台の出力端子に接続され、他端側が当該出力端子以外であって当該出力端子に電気接続されている入力端子と同電位の出力端子または前記電線が接続されていない入力端子に電気接続された出力端子のいずれかに接続されて前記器具本体内に収容され、前記器具本体に他の器具本体を連結したときに他端側を当該他の器具本体の入力端子に接続可能に一端側から他端側に亘る全長を有してなる接続線と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記器具本体は、長形の平面部を有して形成され、当該平面部の長手方向の少なくとも一端部に前記端子台を設けているとともに前記端子台よりもさらに端部側に他の器具本体を長手方向で連結可能な連結部材を設けていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記器具本体は、その長手方向の少なくとも一端部側が着脱可能なカバー部を有していることを特徴とする請求項1または2記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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