説明

照明装置及びその製造方法

【課題】照明装置の小型化・光出力増大
【解決手段】照明装置は、複数の発光ダイオードチップをXY方向に整列搭載する領域と、各チップの第1または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1及び第2の電極パッドと、第1及び第2の電極パッドに電気的にそれぞれ接続される1乃至複数の第1及び第2の外部電極端子とを有する配線基板と、配線基板に固定され、かつ所定の第1及び前記第2の電極パッドに第1及び第2の電極が電気的にそれぞれ接続される複数の前記チップと、前記チップを1乃至複数囲むように配線基板に設けられる無端状体からなる反射体と、反射体の内側に充填されてチップを覆う絶縁体で透明な樹脂からなる樹脂体とを有し、前記XY方向のうちの少なくともX方向のチップの並びにおいて隣接する反射体同士は一筆書き樹脂塗布によって接触して配置され、反射体の内側の周面はチップから発光される光を反射する反射面になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板(配線基板)の一面に複数の発光ダイオード(LED)を搭載した照明装置及びその製造方法に係わり、特に、バックライト用の照明装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、使用する化合物半導体の違いにより所望の色を発光させることができる。発光ダイオードを用いて白色光を得る方法としては、光の3原色であるB(青)、G(緑)、R(赤)の各発光ダイオードチップをバランスよく配置して白色光を得る方法、青色光を発光する発光ダイオードチップ(青色チップ)または紫色光を発光する発光ダイオードチップ(紫色チップ)と蛍光体材料を組み合わせて白色光を得る方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
また、照明用として、一枚の配線基板に多数のLEDを搭載した構造も知られている(例えば、非特許文献2)。この文献には、メタルベースのコンポジット多層基板上にLEDをフリップチップ実装した厚さ3mmのモジュールが開示されている。このモジュールは、2cm×2cmの基板に64個のLEDをフリップチップ実装した構造になっている。基板の上面には反射板が接着されている。この反射板には逆円錐台状の孔が64個設けられ、各孔の底に露出する基板上にLEDが搭載されている。各孔内の各LEDチップは蛍光体を含む樹脂で覆われている。また、各孔部分には樹脂によってレンズが形成されている。逆円錐台状の孔の内周面は傾斜した反射面を形成している。この結果、反射面とレンズの効果によって、LEDから発光された光は前方へ効率良く案内される。
【0004】
他方、LCD(液晶)−TV(テレビジョン)、LCDモニタのバックライトにLEDを用いるものでは、高出力LEDを一枚の基板に多数配列することから、バックライト用照明装置は大型となる(例えば、非特許文献3)。高出力LEDは、非特許文献1にも記載されているが、パッケージの外側にリードを突出させる素子構造となっている。
【0005】
【非特許文献1】日経BP社発行「日経エレクトロニクス」2005年4月25日号、80頁乃至93頁
【非特許文献2】総合技研株式会社発行「2004年版 白色LEDの現状と将来性」2004年 1月29日発刊、77頁及び78頁
【非特許文献3】株式会社電子ジャーナル発行「2005高輝度LEDガイドブック」2005年 6月 3日発刊、46頁及び51頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶テレビジョンの画面の大型化に伴い、バックライト用の照明装置の基板も大型化し、かつ製造コストも高くなる傾向にある。基板に高出力LEDを搭載する構造では、高出力LEDはパッケージの外側にリードを突出させる製造となることから実装面積が大きくなり、バックライト用照明装置の小型化が妨げられる。また、高出力LEDは製造コストが高いことから、バックライト用照明装置のコストも高くなる。
【0007】
基板に反射板を接着する構造では、反射板に逆円錐台の孔を形成して反射面を形成するため、反射面形成コストが高くなる。反射板は、信頼性を高めるため、耐熱性に優れたポリイミド樹脂やポリアミド樹脂で形成するが、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂はコストが高い。また、基板に反射板を接着する接着剤はポリオリフェインフィルムが使用される。この、ポリオリフェインフィルムは耐熱性が優れるが、コストが高い。この結果、基板に反射板を接着する構造は製造コストが高くなる。
【0008】
そこで、本出願人は製造コストの低減が達成できる白色光を放射する照明装置及びその製造方法を提案(特願2006−210480)している。図25及び図26は本出願人の提案による照明装置70に係わる図である。図25は照明装置70を示す模式的斜視図であり、図26は照明装置70の一部を示す模式的拡大断面図である。
【0009】
照明装置70は、図25に示すように、配線基板71の第1の面71aに複数のLED発光部72が整列配置形成されている。LED発光部72は、図26に示すように、配線基板71の第1の面71aに設けられる環状体(ドーナツ状)からなる反射体73と、この反射体73の中心に位置して配置されるLEDチップ74とを有している。LEDチップ74は赤色光を発光するチップ、緑色光を発光するチップ、青色光を発光するチップが使用され、全体で白色光となるように配置されている。
【0010】
LEDチップ74は配線基板71の第1の面71aに設けられる支持パッド75上に固定されている。固定されないLEDチップ74の上面は光を放射する発光面となるとともに、2つの電極(アノード電極,カソード電極)を有している。
【0011】
また、支持パッド75の周囲には、配線76の一部で形成される第1の電極パッド77及び第2の電極パッド78が配置されている。これら第1の電極パッド77及び第2の電極パッド78はLEDチップ74の電極に導電性のワイヤ79を介してそれぞれ接続されている。反射体73の内側には透明な絶縁体からなる樹脂体80が設けられている。樹脂体80はLEDチップ74及びワイヤ79を覆っている。図26に示すように、配線基板71の第1の面71a及び内部には配線76が設けられている。また、配線基板71の第1の面71aの所定部分は絶縁膜81で覆われている。
【0012】
反射体73は、配線基板71の第1の面71aに樹脂を環状(無端状)に塗布し、その後樹脂を硬化させることによって形成される。反射体73の断面は半円形または半楕円形となっている。従って、LEDチップ74に所定の電圧が印加されると発光面から光82を発光する。光82は樹脂体80内を通過して樹脂体80の表面から配線基板71の第1の面71aの前方に放射される。LEDチップ74の側方に放射される光82は反射体73の表面で反射されて配線基板71の第1の面71aの前方に放射される。LEDチップ74の側方に放射される光82は反射体73によって照明装置70の前方に導かれることから照明装置70の光出力が増大する。また、LED発光部72は配線基板71の第1の面71aに複数整列配置されていることから、照明装置70は均一な光を放射する。
【0013】
しかし、このような照明装置70は、LED発光部72がそれぞれ離れて独立した配置構成になっていることから、隣接するLED発光部72間の間隔は使用されない無駄な領域(デッドスペース)となる。デッドスペースは照明装置の小型化を妨げることになる。また、デッドスペースを少なくすることによってより多くのLED発光部を配置することが可能になり、照明装置の出力増大が可能になる。
【0014】
本発明の目的は照明装置の小型化が達成できる照明装置の製造技術を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は照明装置の出力向上が達成できる照明装置の製造技術を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は照明装置の製造コストを低減できる照明装置の製造技術を提供することにある。
【0017】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0019】
(1)照明装置は、
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、複数の発光ダイオードチップをそれぞれXY方向に整列配置搭載する領域と、前記各発光ダイオードチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子と、前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子とを有する配線基板と、
前記配線基板の前記第1の面に固定され、かつ所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドにそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極が電気的に接続される複数の発光ダイオードチップと、
前記発光ダイオードチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に設けられる無端状体(例えば、環状体)からなる反射体と、
前記反射体の内側に充填されて前記発光ダイオードチップを覆う透明でかつ絶縁体からなる樹脂で形成される樹脂体とを有し、
前記配線基板の前記XY方向のうちの少なくともX方向の前記発光ダイオードチップの並びにおいて隣接する前記反射体同士は接触して配置され、
前記反射体の内側の周面は前記発光ダイオードチップから発光される光を反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くような反射面になっていることを特徴とする。
【0020】
また、前記複数の発光ダイオードチップは、赤色を発光する赤色発光ダイオードチップと、緑色を発光する緑色発光ダイオードチップと、青色を発光する青色発光ダイオードチップとを含み、前記反射体の内側には1乃至複数個の前記発光ダイオードチップが配置され、前記配線基板の前記第1の面の前方に向けて放射される光は全体として白色光となっている。また、前記発光ダイオードチップの第1の面には前記第1の電極及び前記第2の電極が設けられ、前記第1の電極が前記第1の電極パッドに導電性のワイヤを介して接続され、前記第2の電極が前記第2の電極パッドに導電性のワイヤを介して接続されている。さらに、前記反射体は樹脂によって形成される複数の無端状体を重ねて形成した構造となり、前記複数の無端状体によって形成される前記反射体の内側の周面は反射鏡面を構成している。
【0021】
このような照明装置は、
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、複数の発光ダイオードチップをそれぞれXY方向に整列配置搭載する領域と、前記各発光ダイオードチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ対応しかつ電気的に接続される第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子と、前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子とを有する配線基板を準備する工程、
(b)発光波長が異なる複数群の前記発光ダイオードチップを準備する工程、
(c)前記各群の前記各発光ダイオードチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の領域に搭載するとともに前記各発光ダイオードチップの前記第1の電極及び前記第2の電極とこれに対応する前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドを接続手段によって電気的に接続する工程、
(d)前記配線基板に搭載された全ての前記発光ダイオードチップにおいて、前記発光ダイオードチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に無端状に樹脂を盛り上がるように塗布し、かつ硬化させて無端状体(例えば、環状体)からなる反射体を形成する工程、
(e)前記各反射体の内側に透明でかつ絶縁体からなる樹脂を充填し、かつ硬化させて前記発光ダイオードチップを覆う樹脂体を形成する工程とを有し、
前記反射体は前記配線基板の前記XY方向におけるX方向及びY方向に沿ってそれぞれ並ぶように整列配置形成し、かつ少なくとも前記X方向に沿ってそれぞれ並ぶ各反射体列において隣接する前記反射体同士は接触点を介して接触するように形成し、
前記接触点を介して接触する前記反射体列の形成は、
前記配線基板の第1の面上の所定位置を塗布開始位置とした後、前記塗布開始位置上に樹脂供給工具のノズルを位置させ、その後前記ノズルの下端から樹脂を吐出させながら前記反射体列パターンに沿って前記ノズルを移動させながら前記塗布開始位置に戻る一筆書きによる樹脂塗布工程と、
前記樹脂を硬化処理する工程と、によって形成することを特徴とする。
【0022】
前記工程(b)では赤色を発光する赤色発光ダイオードチップと、緑色を発光する緑色発光ダイオードチップと、青色を発光する青色発光ダイオードチップがそれぞれ複数準備する。
【0023】
前記工程(c)では、前記配線基板の前記第1の面の前方に向けて放射される光が全体として白色光となるように、前記各群の前記各発光ダイオードチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の領域に搭載する工程と、前記各発光ダイオードチップの前記第1の電極と前記第1の電極パッドを導電性のワイヤで接続するとともに、前記各発光ダイオードチップの前記第2の電極と前記第2の電極パッドを導電性のワイヤで接続する工程とを有する。
【0024】
前記工程(d)における、前記XY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1番からm番の前記反射体による前記反射体列の形成における前記樹脂の塗布作業は、
無端状体である前記反射体の反射体パターンに沿って移動する前記ノズルの移動を前記無端状体の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とした場合、
a)前記1番から前記m番のうちのいずれかの反射体の前記反射体パターンの所定位置を前記ノズルの塗布開始位置とし、
b)前記塗布開始位置から前記ノズルを右回り移動または左回り移動させて+X側または−X側のうちの一方の移動方向側の隣接する反射体パターンとの前記接触点まで移動させ、または前記接触点を前記塗布開始位置とした場合はそのままの位置とさせ、
c)つぎに前記接触点からつぎに隣接する前記反射体パターンとの前記接触点まで前記ノズルを前回の右回り移動または左回り移動とは逆の回転移動方向で移動させ、または前記ノズルの移動開始位置が前記接触点上である場合は前記ノズルを右回り移動または左回り移動によって隣接する前記接触点まで移動させ、
d)前記ノズルに前記c)の動作を繰り返して行わせて前記ノズルを前記塗布開始位置に移動させる、ことによって樹脂の塗布を終了することを特徴とする。
【0025】
また、前記工程(d)では、前記ノズルを塗布開始位置から樹脂を吐出させながら移動させて再び前記塗布開始位置に移動する樹脂塗布方法によって形成した前記反射体の上に、前記塗布開始位置から前記塗布開始位置まで移動する前記ノズルの動作を繰り返して1乃至複数回行って多段積層構造の反射体を形成することを特徴とする。
【0026】
(2)上記(1)の手段において、前記配線基板の前記XY方向のうちのX方向及びY方向の前記発光ダイオードチップの並びにおいて隣接する前記反射体同士は接触して配置されていることを特徴とする。
【0027】
このような照明装置は、上記(1)の手段において、前記(d)の工程では、前記反射体は、前記配線基板の前記XY方向におけるX方向及びY方向に沿ってそれぞれ並ぶように整列配置形成し、かつ前記X方向及び前記Y方向に沿ってそれぞれ並ぶ各反射体列において隣接する前記反射体同士は接触点を介して接触するように形成することを特徴とする。
【0028】
そして、前記XY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1行からm行の反射体と、+Y方向から−Y方向に向かって並ぶ1列からn列の反射体とによって形成されるn列m行の反射体群の形成における前記ノズルの前記一筆書きによる軌跡は、
無端状体である前記反射体の反射体パターンに沿って移動する前記ノズルの移動を前記無端状体の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とした場合、
前記ノズルが、
(イ)1列1行の反射体パターンと1列2行の反射体パターンによる前記接触点から、前記右回り移動しながら+X方向に移動しかつ列方向の前記接触点に到達するごとに前記右回り移動と+X方向への起動を繰り返して(m−1)行の反射体パターンとm行の反射体パターンによる前記接触点まで進み、その後前記(m−1)行の反射体パターンと前記m行の反射体パターンによる前記接触点から前記右回り移動によって前記(m−1)行の反射体パターンと前記m行の反射体パターンによる前記接触点に戻り、前記(m−1)行の反射体パターンと前記m行の反射体パターンによる前記接触点から、前記右回り移動しながら−X方向に移動しかつ列方向の前記接触点に到達するごとに前記右回り移動と−X方向への移動を繰り返して前記1列1行の反射体パターンと前記1列2行の反射体パターンによる前記接触点に進み、
(ロ)前記1列1行の反射体パターンと前記1列2行の反射体パターンによる前記接触点から45度右回り移動して前記1列1行の反射体パターンと2列1行の反射体パターンとの前記接触点に移動し、その後45度右回り移動して前記2列1行の反射体パターンと2列2行の反射体パターンによる前記接触点に進み、
(ハ)前記2列1行の反射体パターンと前記2列2行の反射体パターンによる前記接触点から前記(イ)及び前記(ロ)と同様な動きによって次の列の1行の反射体パターンと2行の反射体パターンによる前記接触点に進み、
(ニ)前記(ハ)の動作を繰り返して行ってn列1行の反射体パターンとn列2行の反射体パターンによる前記接触点に進み、
(ホ)前記n列1行の反射体パターンと前記n列2行の反射体パターンによる前記接触点から、前記(イ)と同様な動きによってn列1行の反射体パターンとn列2行の反射体パターンによる前記接触点に戻り、
(ヘ)前記n列1行の反射体パターンと前記n列2行の反射体パターンによる前記接触点から、前記右回り移動しながら+Y方向に移動しかつ行方向の前記接触点に到達するごとに前記右回り移動と+Y方向への移動を繰り返して前記1列1行の反射体パターンと前記1列2行の反射体パターンによる前記接触点に戻ることによって形成され、
前記ノズルによる前記一筆書きにおいては、前記軌跡上の所望の位置を前記塗布開始位置とし、その後前記塗布開始位置から前記ノズルを前記軌跡を形成するノズルの移動方向に一致するように前記軌跡に沿って移動し、または前記軌跡を形成するノズルの移動方向と反対となる方向に前記軌跡に沿って移動して前記塗布開始位置に戻ることによって前記樹脂の塗布作業を終了することを特徴とする。
【0029】
(3)上記(1)の手段において、
前記配線基板は前記XY方向にそれぞれ複数列並ぶ前記反射体を前記Y方向に沿っては1としてX方向に沿って前記反射体が一列に並ぶ大きさの細長の四角形体とし、
前記配線基板の前記第1の面の各前記反射体の内側には前記発光ダイオードチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される第1の電極パッド及び第2の電極パッドが位置し、
前記配線基板の前記第1の面の前記四角形体の長手方向に沿う一方の側部には各前記第1の電極パッド及び第2の電極パッドにそれぞれ電気的に接続される第1の外部電極端子及び第2の外部電極端子が設けられ、
各前記反射体内には赤色、緑色、青色のうちのいずれかの色の光を発光する発光ダイオードチップが固定され、
前記配線基板の前記第1の面の前方に放射される光は全体として白色光となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0031】
前記(1)の手段によれば、(a)配線基板の第1の面にはXY方向に反射体が整列配置され、各反射体内には赤色、緑色、青色のうちのいずれかの色の光を発光する発光ダイオードチップが固定されていることから配線基板の第1の面の前方に白色光を放射する照明装置となる。照明装置は、配線基板の第1の面において、XY方向に並ぶ反射体列のうち、少なくともX方向の反射体列は隣接する反射体同士が接触する構造となるため、X方向に沿う反射体間に使用しないスペースが存在しなくなり、照明装置の小型化が達成できる。
【0032】
(b)前記(a)により、配線基板の第1の面において、少なくともX方向に沿う反射体間に使用しないスペースが存在しなくなることから、所定の大きさの照明装置の場合、従来に比較してより多くの反射体を配置することができ、照明装置の出力向上を図ることができる。
【0033】
(c)配線基板の第1の面において、少なくともX方向に沿う反射体列の形成は、樹脂を塗布するノズルを塗布開始位置から始まって最終的に前記塗布開始位置まで移動する、一筆書きの手法で行うことから、短時間に形成することができ、照明装置の製造コストの低減が可能になる。
【0034】
(d)一筆書きで形成した反射体列の上に、再び塗布開始位置から始まって最終的に塗布開始位置までノズルを移動させる一筆書きを1乃至複数回繰り返して行うことによって背の高い多段積層構造の反射体を形成することができる。この結果、反射体内に形成するレンズ作用を期待する樹脂体を厚くすることができる。
【0035】
前記(2)の手段によれば、前記(1)の手段による効果に加えて下記の効果を有する。即ち、(a)配線基板の第1の面におけるXY方向の反射体列において、X方向の反射体列において隣接する反射体同士を接触させるとともに、Y方向の反射体列においても隣接する反射体同士を接触させる構成になっている。この結果、X方向に沿う反射体間に使用しないスペースが存在しなくなるとともに、Y方向に沿う反射体間にも使用しないスペースが存在しなくなり、前記(1)の手段による照明装置に比較してさらに照明装置の小型化が達成できる。
【0036】
(b)前記(a)により、配線基板の第1の面において、XY方向に沿う反射体間に使用しないスペースが存在しなくなることから、所定の大きさの照明装置の場合、前記(1)の手段による照明装置に比較してさらに多くの反射体を配置することができ、照明装置の出力向上をさらに高めることができる。
【0037】
(c)配線基板の第1の面において、XY方向に沿う複数の反射体列の形成は、樹脂を塗布するノズルを塗布開始位置から前記塗布開始位置まで移動する、一筆書きの手法で行うことから、短時間に形成することができ、照明装置の製造コストの低減がさらに可能になる。
【0038】
前記(3)の手段による照明装置は、前記(1)の手段による照明装置において、X方向に一列反射体列を有する構造の照明装置である。そして、この一列の反射体列も前記(1)の手段によって形成されるものである。従って、前記(1)の手段による効果、即ち、照明装置の小型化、または照明装置の出力向上、照明装置の製造コスト低減及び多段積層構造の反射体による樹脂体の厚さ増大の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0040】
図1乃至図11は本発明の実施例1である照明装置に係わる図である。図1乃至図4は照明装置の構造に係わる図であり、図5乃至図11は照明装置の製造方法に係わる図である。
【0041】
照明装置1は、図1に示すように、四角形体からなる配線基板2と、配線基板2の第1の面2aに整列配置形成されたLED発光部3とを有している。LED発光部3はn列m行配置される。実施例1では、説明の便宜上LED発光部3は4列9行配置されている。即ち、図1に示すように、LED発光部3は、配線基板2の第1の面2aにおいて、配線基板2の長さ方向(X方向)に沿って9個、幅方向(Y方向)に沿って4個配列されている。この結果、配線基板2は長方形となる。LED発光部3は、図1において太い線で描かれた円及びその円の内側の各部品等によって形成されている。
【0042】
図3はLED発光部3を拡大して示す図である。また、図4は図3のA−A線に沿う断面図である。LED発光部3は、概略するならば、円形の環状体からなる反射体4と、この反射体4の略中央に固定される発光ダイオードチップ(LEDチップ)5と、LEDチップ5の第1の電極(例えば、アノード電極)及び第2の電極(例えば、カソード電極)にそれぞれ接続されるワイヤ6、LEDチップ5及びワイヤ6を覆う前記反射体4内に充填される透明な樹脂体7によって形成されている。
【0043】
実施例1ではLEDチップ5の第1の電極及び第2の電極が設けられる露出面が発光面となって外部に光8が発光される。図4に示すように、光8はLEDチップ5の発光面から樹脂体7を通過して配線基板2の第1の面2aの前方に放射される。また、LEDチップ5から放射されて反射体4の内周壁に当たった光8は反射体4の表面で反射されて配線基板2の第1の面2aの前方に放射される。また、反射した光を効率良く外部に導くため、反射体4を多段構造としてその背の高さを高くしてある。反射体4の厚さが高くなることから、樹脂体7の厚さも厚くでき、光8を効率よく外部に導くことができる。
【0044】
LEDチップ5は、実施例1では赤色光(R)を発光するLEDチップ5、緑色光(G)を発光するLEDチップ5、青色光(B)を発光するLEDチップ5が使用されている。これら各LEDチップ5は、図1にR,G,Bで示してあるように混在配置されている。図において反射体4の内側あるいは外側に表示するR,G,Bは、反射体4内に固定されるLEDチップ5の発光色を示すものであり、説明の便宜上示したものである。これによって、照明装置1から放射される光は白色光となる。
【0045】
配線基板2は、例えば、ガラス・エポキシ樹脂板等の絶縁板で形成され、表面及び内部に所定のパターンの導体層を有している。配線基板2の第1の面2aに設けられる導体層の多くは絶縁膜10で覆われている(図4参照)。
【0046】
LED発光部3において、図3及び図4に示すように、絶縁膜10は長方形状に開口されている。そして、この開口された開口部11の中央に四角形の支持パッド12が設けられている。この支持パッド12はLEDチップ5を固定するための台座であり、LEDチップ5よりも大きく形成されている。また、支持パッド12の両端から外れた開口部内には前記ワイヤ6が接続される第1の電極パッド13及び第2の電極パッド14が設けられている。これら支持パッド12、第1の電極パッド13及び第2の電極パッド14は前記導体層で形成されている。
【0047】
また、配線基板2の第1の面2aの周縁部分には、各LED発光部3に電力を供給するための外部電極端子群が1乃至複数組設けられている。実施例1では外部電極端子群は2組設けられ、図1及び図2に示すように、長方形の配線基板2のそれぞれ短辺側に一組ずつ設けられている。外部電極端子群は、図2に示すように、外部電極端子15R,15G,15Bと共通外部電極端子15Zとからなっている。
【0048】
外部電極端子15R,15G,15Bは、図2においてR,G,Bと示す各LED発光部3の第1の電極パッド13にそれぞれ配線16R,16G,16Bを介して電気的に接続されている。共通外部電極端子15Zは各LED発光部3の第2の電極パッド14にそれぞれ配線16Z(図4参照)を介して電気的に接続されている。外部電極端子15R,15G,15B、共通外部電極端子15Z、配線16R,16G,16B,16Zも前記導体層で形成されている。図2は各LED発光部の各電極と外部電極端子との配線状態を示す模式図である。そして、図2において、共通外部電極端子15Z及び第2の電極パッド14は黒く塗り潰して示してある。図2において配線16Zは省略してあるが、配線16Zは、図4に示すように、配線基板2の内部に設けられている。この配線16Zは、例えば、X方向に並ぶ反射体列の中心に沿って延在する幹線となる配線と、この幹線となる配線と各LED発光部3の第2の電極パッド14とを接続する支線となる配線とからなり、反射体列から外れた幹線となる配線は屈曲して所定の共通外部電極端子15Zに繋がる構造になっている。
【0049】
従って、共通外部電極端子15Zと所望の外部電極端子15R,15G,15Bとの間に所定の電圧を印加することによってR,G,Bの3種類のLED発光部3のうちの所定のLED発光部3を発光させることができる。R,G,Bの3種類のうちの全てのLED発光部3を発光させることによって照明装置1は白色光を放射するようになる。
【0050】
なお、実施例1では、外部電極端子群を配線基板2の第1の面2aに設けたが、第1の面2aの反射体となる第2の面2bに設ける構造としてもよく、さらに両面に設ける構造としてもよい。
【0051】
実施例1の照明装置1では、LEDチップ5及びワイヤ6を覆う樹脂体7を厚くするために、樹脂を注入した際樹脂の流出を停止させる突堤となる反射体4の厚さ(高さ)も高く形成してある。反射体4の背の高さを高くするために複数回の樹脂の塗布によって樹脂体7を厚く形成する。図4では樹脂を2回塗布して形成した反射体4を示す。反射体4は、配線基板2の第1の面2a上に樹脂を環状に塗布した後樹脂を硬化させて形成する一段反射体4aと、この一段反射体4a上に樹脂を重ねて塗布した後樹脂を硬化させて形成する二段反射体4bとからなっている。二段構造の反射体4は厚くなることから、反射体4の内側に厚く樹脂を注入することができ、従って、樹脂体7を厚くすることができる。樹脂体7を厚くすることから、反射体4の内周面に到達する光8の量が多くなり、この結果反射光として配線基板2の第1の面2aの前方に放射される光の量を増大させることができる。
【0052】
また、図1及び図3に示すように、反射体4はX方向に延在する各列の隣接する反射体同士が接触する構造になっている。これにより、X方向では反射体4と反射体4との間に隙間がなくなるため反射体列をより短くできる。この結果、照明装置1をX方向において短くすることができる。また、配線基板2の寸法を一定とした場合には、隣接する反射体同士を接触させることによって空いた領域が発生するため、この空いた領域にさらにLED発光部3を配置できるため、照明装置1の光出力の増大を図ることができる。
【0053】
つぎに、照明装置1の製造方法について、図5乃至図11を参照しながら説明する。
【0054】
最初に配線基板2及び発光波長が異なる複数群のLEDチップを準備する。実施例では赤色光、緑色光及び青色光を発光する3群のLEDチップ5をそれぞれ複数(所定数)準備する。
【0055】
配線基板2は既に説明した構造のものを準備する。図5は配線基板2の第1の面2aを示すものである。長方形の配線基板2の第1の面2aには、図5に示すように、点々で示すように絶縁膜10が選択的に設けられている。図5の配線基板部分では、特に限定はされないが、絶縁膜10を開口して形成した開口部11が配線基板2のX方向に9個(9行)、Y方向に4個(4列)設けられている。
【0056】
開口部11は配線基板2の第1の面2aに均一に整列配置されている。開口部11は長方形となり、その中央にはLEDチップ5を固定するための四角形の支持パッド12が設けられている。LEDチップ5を固定する領域はこの支持パッド12部分となる。この結果LEDチップ5は配線基板2の第1の面2aに均一に整列配置されることになる。図5においては、説明の便宜上開口部11の上縁側にR,G,Bと文字を印してある。このR,G,Bは開口部11内の支持パッド12に固定されるLEDチップ5の発光色を示すものである。このR,G,Bの配置は図1及び図2と同じである。
【0057】
支持パッド12は四角形のLEDチップ5よりも僅かに大きくなっている。開口部11の短辺側には四角形の第1の電極パッド13及び第2の電極パッド14が設けられている。これら支持パッド12、第1の電極パッド13及び第2の電極パッド14は前述のように導体層で形成されている。なお、図5においても第2の電極パッド14は黒く塗り潰して示してある。また、既に説明したように第1の電極パッド13は配線16R,16G,16Bを介していずれかの外部電極端子15R,15G,15Bに電気的に接続され、第2の電極パッド14は配線16Zを介して共通外部電極端子15Zに電気的に接続されている。
【0058】
つぎに、図6及び図7に示すように、各開口部11の支持パッド12上に所定のLEDチップ5を図示しない接合材で固定する。図6は開口部11を含む部分を拡大して示す図であり、図7は図6のB−B線に沿う断面図である。LEDチップ5の露出する上面が第1の面となり発光面となる。この発光面には、図示しない第1の電極(アノード電極)及び第2の電極(カソード電極)が設けられている。各支持パッド12には、赤色光(R)を発光するLEDチップ5、緑色光(G)を発光するLEDチップ5、青色光(B)を発光するLEDチップ5のうちのいずれかのチップが固定される。R,G,Bの配置は図5の配置に従うものである。
【0059】
つぎに、図6及び図7に示すように、LEDチップ5の第1の電極(アノード電極)と第1の電極パッド13を導電性のワイヤ6で接続するとともに、第2の電極(カソード電極)と第2の電極パッド14を導電性のワイヤ6で接続する。
【0060】
つぎに、図8及び図9に示すように、各開口部11を囲むように反射体4を形成する。図8はLEDチップ5を搭載し、LEDチップ5の電極と配線基板2の電極パッドをワイヤ6で接続した状態を示す拡大平面図であり、図9は図8のC−C線に沿う断面において樹脂を塗布する状態を示す模式的断面図である。
【0061】
反射体4の形成は、環状に樹脂を配線基板2に形成する樹脂塗布工程と、その樹脂を硬化処理して硬化体とする硬化処理工程とによって形成される。例えば、図9に示すように、配線基板2の第1の面2aの塗布開始位置上に樹脂を供給する樹脂供給工具(例えば、ディスペンサー)のノズル20を位置させる。その後、ノズル20の下端から樹脂21を吐出させながら無端状体となる反射体のパターンに沿ってノズル20を移動させて塗布開始位置に戻る。これにより、樹脂によって反射体を形成する無端状体が形成できる。その後、樹脂を硬化処理して硬化させて反射体を形成する。
【0062】
実施例1では、樹脂を2回塗布して反射体を形成する。即ち、配線基板2の第1の面2a上にノズルを環状に移動させて配線基板2の第1の面2aの所定箇所に環状に樹脂を塗布した後、樹脂を硬化させて一段反射体4aを形成する。その後、一段反射体4a上に、図9に示すように、ノズル20によって樹脂21を重ねて塗布して一段反射体4a上に樹脂層21aを形成する。樹脂層21aの形成の後、樹脂層21aを硬化処理して二段反射体4bを形成し、反射体4を形成する。
【0063】
この例では、2度の樹脂の硬化処理を行ったが、一段反射体4aを形成するための樹脂層を形成し、ついで二段反射体4bを形成するための樹脂層を形成し、その後一回の硬化処理で両樹脂層を硬化させる方法でもよい。この場合、硬化処理が一回となることから、作業時間の短縮を図ることができる。
【0064】
また、樹脂21は所定の粘度の樹脂を使用することにより、図9に示すように、反射体の断面は半円弧断面となり、反射体4の内周面はLEDチップ5で発生した光8を反射して配線基板2の第1の面2aの前方に案内することができる反射面を構成することになる。
【0065】
実施例1では、反射体4は、配線基板2のXY方向におけるX方向及びY方向に沿ってそれぞれ並ぶように整列配置形成する。そして、X方向に沿ってそれぞれ並ぶ各反射体4の反射体列において隣接する反射体4同士を接触点を介して接触するように形成する。従って、樹脂塗布工程におけるノズル20の移動は、配線基板2の第1の面2a上の塗布開始位置上にノズル20を位置させた後、ノズル20の下端から樹脂を吐出させながら反射体列のパターンに沿ってノズル20を移動させながら塗布開始位置に戻る一筆書きによる樹脂の塗布を行い、ついで樹脂を硬化処理する樹脂の硬化処理を行う工程となる。
【0066】
ここで−X方向から+X方向に向かって接触点を介して隣接する反射体が接触する反射体列におけるノズルによる一筆書きによる樹脂の塗布作業について説明する。ここでは、X方向に沿って反射体がm個(m行)並ぶものとする。
【0067】
ノズルによる樹脂の塗布作業は、無端状体である反射体の反射体パターン(円形の環状体)に沿って移動するノズルの移動を無端状体(環状体)の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とした場合、最初に、a)前記1番から前記m番のうちのいずれかの反射体の前記反射体パターンの所定位置を前記ノズルの塗布開始位置とする。
【0068】
つぎに、b)前記塗布開始位置から前記ノズルを右回り移動または左回り移動させて+X側または−X側のうちの一方の移動方向側の隣接する反射体パターンとの前記接触点まで移動させ、または前記接触点を前記塗布開始位置とした場合はそのままの位置とさせる。
【0069】
つぎに、c)前記接触点からつぎに隣接する前記反射体パターンとの前記接触点まで前記ノズルを前回の右回り移動または左回り移動とは逆の回転移動方向で移動させ、または前記ノズルの移動開始位置が前記接触点上である場合は前記ノズルを右回り移動または左回り移動によって隣接する前記接触点まで移動させる。
【0070】
つぎに、d)前記ノズルに前記c)の動作を繰り返して行わせて前記ノズルを前記塗布開始位置に移動させる。
これにより、ノズルによる樹脂の塗布作業が終了する。
【0071】
つぎに、図10を参照しながら、反射体4がX方向に9個形成される具体的な例でノズル20による樹脂の塗布作業について説明する。図10には、配線基板2の第1の面2aのXY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1番(1行)から9番(9行)の反射体4が並ぶ図を示してある。反射体列の中心線24と隣接する反射体4同士の接触点25との交点に−X方向から+X方向に亘ってaからhと符号を付してある。
【0072】
ノズル20の塗布開始位置26を−X端とした後、ノズル20を樹脂21を吐出させながら点線矢印で示すように右回り移動させてa接触点25に移動させる。右回り移動して来たノズル20はa接触点25を越えると点線矢印で示すように左回り移動に変わりb接触点25に向かって移動する。b接触点25を越えると点線矢印で示すように右回り移動に変わりc接触点25に向かって移動する。このようにノズル20を+X方向に移動させつつ、各接触点25に到達するごとにノズル20の回転移動方向を接触点25に到達前の回転移動方向と逆の回転移動方向に変える。そしてh接触点25と進んだ後も、h接触点25で左回り移動から右回り移動に変わり、再びh接触点25に戻ると右回り移動から左回り移動となって−X方向のg接触点25に進む。このように各接触点25ごとにノズル20の回転移動方向を変えることによって、ノズル20は最終的に塗布開始位置26に移動して戻る。即ち、このノズル20の動きは各接触点25で既に塗布した樹脂に重なるが、既に塗布した樹脂に沿って重なって樹脂を塗布することがなく、いわゆる一筆書きによる樹脂の塗布となる。
【0073】
この実施例で一筆書きと呼称する動作は、ノズル20の先端を配線基板2の第1の面2aの所定高さに位置させ、かつノズル20の先端から樹脂21を吐出させながら連続移動させて、塗布開始位置26から出発して途中で停止することなく塗布開始位置26に戻る動作を云う。
【0074】
また、ノズル20の移動を図10で説明した動きに逆行するように移動することによっても一筆書きによる樹脂の塗布が可能である。即ち、図10で説明したノズル20の塗布開始位置26からノズル20を左回り移動させてa接触点25に移動させ、その後はノズル20を右回り移動及び左回り移動を繰り返して塗布開始位置26に戻る方法でも一筆書きによって樹脂を塗布することができる。塗布開始位置はいずれの反射体4の反射体パターン部分でもよい。
【0075】
樹脂21を塗布した後、樹脂21を硬化処理する。例えば、樹脂21としてシリコーン樹脂を使用した場合は、150℃の温度下で300分ベークして樹脂21を硬化させる。
【0076】
実施例1では、1回目の樹脂塗布及び硬化処理後、2回目の樹脂塗布及び硬化処理を行って反射体4を形成する。2回の樹脂塗布及び硬化処理によって形成される反射体4の内側の周面は反射鏡面を構成する。
【0077】
反射体4の形成において、例えば、樹脂の塗布幅(線幅)が0.4mmとなるノズル20を使用することによって、外形が2.0mm、内径が1.2mmの反射体4を形成することができる。1回目の樹脂塗布及び硬化処理によって反射体4の厚さは0.12mm程度となり、2回目の樹脂塗布及び硬化処理によって反射体4の厚さは0.24mm程度となる。また、各反射体4の中央には一辺が0.4mm前後の正方形からなるLEDチップ5が固定される。
【0078】
なお、ノズル20から吐出させる樹脂の量を制御して前記各接触点25で少なくし、2回の塗布で他の箇所の塗布厚さと同じ厚さとするようにしてもよい。
【0079】
つぎに、LEDチップ5及びワイヤ6等を覆うように、各反射体4の内側に絶縁性でかつ透明な樹脂を充填し、かつこの樹脂を硬化処理して樹脂体7を形成することによって、図11に示すようなLED発光部3を形成する。樹脂体7はレンズを構成する。樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂を使用する。以上の工程によって、図1に示す照明装置1を製造することができる。
【0080】
図12は実施例1の変形例である。この変形例は、実施例1のLED発光部3において、反射体4の内側のLEDチップ5を覆う樹脂体7は反射体4の中心に向かうにつれて徐々に厚くなり、樹脂体7の表面は曲面となっている。レンズとなる樹脂体7はその表面が半球状になることから、光を集光させて配線基板2の第1の面2aの前方に放射することができる。
【0081】
また、この変形例では、LEDチップ5の第1及び第2の電極と第1及び第2の電極パッド13,14との接続手段をフリップ・チップ接続とするものである。即ち、図12に示すように、LEDチップ5の第1の面には第1の電極30及び第2の電極31が設けられ、第1の電極30が第1の電極パッド13に重ねて接続され、第2の電極31が第2の電極パッド14に重ねて接続されている。ワイヤ接続構造はLEDチップ5の第1及び第2の電極に一端を接続したワイヤ6がその他端をLEDチップ5の外側に位置する第1及び第2の電極パッド13,14にまで延在する。従って、ワイヤ接続構造に比較してフリップ・チップ接続構造は接続手段のための面積が小さくなり、照明装置1の小型化が達成できる。
【0082】
本発明の実施例1によれば以下の効果を有する。
(1)配線基板2の第1の面2aにはXY方向に反射体4が整列配置され、各反射体4内には赤色、緑色、青色のうちのいずれかの色の光を発光する発光ダイオードチップ5が固定されていることから配線基板2の第1の面2aの前方に白色光を放射する照明装置1となる。照明装置1は、配線基板2の第1の面2aにおいて、XY方向に並ぶ反射体列のうち、少なくともX方向の反射体列は隣接する反射体同士が接触する構造となるため、X方向に沿う反射体間に使用しないスペースが存在しなくなり、照明装置1の小型化が達成できる。
【0083】
(2)前記(1)により、配線基板2の第1の面2aにおいて、少なくともX方向に沿う反射体間に使用しないスペースが存在しなくなることから、所定の大きさの照明装置1の場合、従来に比較してより多くの反射体4を配置することができ、照明装置1の出力向上を図ることができる。
【0084】
(3)配線基板2の第1の面2aにおいて、少なくともX方向に沿う反射体列の形成は、樹脂21を塗布するノズル20を塗布開始位置から始まって最終的に前記塗布開始位置まで移動する、一筆書きの手法で行うことから、短時間に形成することができ、照明装置1の製造コストの低減が可能になる。
【0085】
(4)一筆書きで形成した反射体列の上に、再び塗布開始位置から始まって最終的に塗布開始位置までノズルを移動させる一筆書きを1乃至複数回繰り返して行うことによって背の高い多段積層構造の反射体4を形成することができる。この結果、反射体4内に形成するレンズ作用を期待する樹脂体7を厚くすることができる。
【実施例2】
【0086】
図13は本発明の実施例2である照明装置における一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。即ち、実施例1の一筆書きの他の例である。図13では反射体列は3個の反射体4を並べた図としてあるが、実施例1と同様にX方向に沿って反射体がm個(m行)並ぶものとする。
【0087】
ノズルによる樹脂の塗布作業は、無端状体である反射体の反射体パターン(円形の環状体)に沿って移動するノズルの移動を無端状体(環状体)の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とした場合、最初に、a:前記1番から前記m番のうちのいずれかの反射体の前記反射体パターンの所定位置を前記ノズルの塗布開始位置とする。
【0088】
つぎに、b:前記塗布開始位置から前記ノズルを右回り移動または左回り移動させて+X側または−X側のうちの一方の移動方向側の隣接する反射体パターンとの前記接触点まで移動させ、または前記接触点を前記塗布開始位置とした場合はそのままの位置とさせる。
【0089】
つぎに、c:前記接触点からつぎに隣接する前記反射体パターンとの前記接触点まで前記ノズルを前回の右回り移動または左回り移動と同じ回転移動方向で移動させ、または前記ノズルの移動開始位置が前記接触点上である場合は前記ノズルを右回り移動または左回り移動によって隣接する前記接触点まで移動させる。
【0090】
つぎに、d:前記ノズルに前記c:の動作を繰り返して行わせて前記ノズルを前記塗布開始位置に移動させる。
これにより、ノズルによる樹脂の塗布作業が終了する。
【0091】
つぎに、図13を参照しながら、反射体4がX方向に3個形成される具体的な例でノズル20による樹脂の塗布作業について説明する。図13には、配線基板2の第1の面2aのXY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1番(1行)から3番(3行)の反射体4が並ぶ図を示してある。反射体列の中心線24と隣接する反射体4同士の接触点25との交点に−X方向から+X方向に亘ってa,bと符号を付してある。
【0092】
ノズル20の塗布開始位置26を−X端とした後、ノズル20を樹脂21を吐出させながら実線矢印で示すように右回り移動させてa接触点25に移動させる。右回り移動して来たノズル20はa接触点25を越えても実線矢印で示すように右回り移動してb接触点25に向かって移動する。b接触点25を越えても実線矢印で示すようにノズル20は右回り移動してb接触点25に戻る。その後、ノズル20は−X方向に右回り移動しつつ、b接触点25,a接触点25を通過して最初の塗布開始位置26に戻る。実施例2では、ノズル20の+X方向及び−X方向に向かっての移動時、ノズル20は常に同じ回転方向の移動、即ち、右回り移動となる。図13では反射体パターンを3個としたが、さらに多数にしても同様である。
【0093】
実施例2においても実施例1と同様に接触点25での樹脂21の塗布量を少なくして、各位置での樹脂21の塗布厚さを同じにするようにしてもよい。
【0094】
実施例2の方法によっても反射体列を一筆書きで書くことができる。
【実施例3】
【0095】
図14は本発明の実施例3である照明装置における反射体列の配置状態及び一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。図14(a)はX方向に一列に延在する反射体列の配置状態を示す模式図である。また、図14(b)は一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【0096】
実施例3による一筆書きは、ノズル20をX方向に沿って移動させて反射体パターンを形成する際、実施例2と同様にノズル20を常に右回り移動させながら移動させる。実施例3では、無端状体からなる反射体4は、四角形体となっている。四角形体からなる反射体パターンを、説明の便宜上、図14において四角形体の左上頂点をa、右上頂点をb、右下頂点をc、左下頂点をdとする。図14(a)に示すように、隣接する反射体パターンにおいて隣接する辺の略中央が突出して隣接する反射体パターンとの間の接触点25となる。接触点25を挟んで対峙する反射体パターンを構成する辺の樹脂の厚さを他の辺と同様とする場合には、図14(a)に示すように、対峙する各辺は接触しないようにすることが望ましい。接触点25を形成する場合、ノズルは、図14(b)に示すように、辺bc間の途中の進路変更点である位置eで+X方向に進み、隣接する反射体パターンの辺ad間の途中の進路変更点である位置hに移る。また、ノズル20が−X方向に進むときは辺ad間の途中の進路変更点である位置gで−X方向に進み、隣接する反射体パターンの辺bc間の途中の進路変更点である位置fに移る。
【0097】
図14(a)に示すような反射体列を形成するためのノズルによる一筆書きによる樹脂の塗布は、図14(b)のようになる。即ち、ノズル20の塗布開始位置26を−X端の1番目の反射体パターンの頂点aとした場合、ノズル20を樹脂21を吐出させながら実線矢印で示すように右回り移動させてa,b,eと回転移動し、eから+X側の隣接する次(2番目)の反射体パターンのhに移る。hからはノズル20は右回り移動して2番目の反射体パターンのa,bを通ってeに進み、再び+X側の隣接する次(3番目)の反射体パターンのhに移る。つぎに、3番目の反射体パターンのhからは、ノズル20は右回り移動して3番目の反射体パターンのa,bを通ってeに進み、再び+X側の隣接する次(4番目)の反射体パターンのhに移る。つぎに、4番目の反射体パターンのhからは、ノズル20は右回り移動して4番目の反射体パターンのa,b,c,dを通って4番目の反射体パターンのgに移る。
【0098】
その後、ノズル20は−X方向に右回り移動しつつ、各反射体パターンのgに到達する毎に−X方向に隣接する反射体パターンのfに移る。そして、1番目の反射体パターンのfに移った後は、ノズル20は右回り移動して反射体パターンのc,dを通って塗布開始位置26であるaに戻り、樹脂の塗布作業を終了する。
【0099】
ノズル20によって図示しない配線基板2に塗布された樹脂21は一部は両側に流れるため、ノズルの樹脂吐出口の幅よりも広くなる。従って、ef間及びhg間は狭く設定することによってeh及びfgの樹脂21が相互に接触し、無端状体の反射体4を形成することができる。なお、デッドスペースを少なくするため、eh間の長さ及びfg間の長さはできるだけ短くする。
【0100】
実施例3による反射体列を有する照明装置1及びその製造方法においても実施例1と同様な効果を得ることができる。
【0101】
図15(a),(b)は実施例3の変形例である。図15(a)はX方向に一列に延在する反射体列の配置状態を示す模式図である。また、図15(b)は一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【0102】
この変形例では、図15(b)に示すように、隣接する反射体4を接続する接触点25を形成する部分ではノズル20による樹脂21の塗布時は、実施例3と同様なノズル動作とする。しかし、ehの長さ、fgの長さ、ef間の距離及びhg間の距離をそれぞれ零または零に近い長さ(距離)とする。
【0103】
このようなノズル20の移動では、be部分及びha部分は樹脂が重ねて塗布され2度塗りとなり、樹脂21の量が多くなって反射体パターンの一部が幅広くかつ厚くなる。また、dg部分及びfc部分も重ねて塗布され2度塗りとなり、樹脂21の量が多くなって反射体パターンの一部が幅広くかつ厚くなる。
【0104】
そこで、変形例では、2度塗りとならないように点線矢印部分で示すように、ha部分及びfc部分ではノズル20の樹脂吐出動作を停止(off)させる。これにより、図15(a)に示すように、無端状体となる四角形の反射体4が連続する反射体列を形成することができる。前記樹脂吐出動作停止(off)に代えて、ノズル20が2度塗り箇所を通過するとき、1回目と2回目の樹脂の吐出量をそれぞれ少なくすることでもよい。
【0105】
実施例3の変形例による反射体列を有する照明装置1及びその製造方法においても実施例1と同様な効果を得ることができる。
【0106】
実施例3の変形例ではノズル20の移動時、樹脂の吐出を停止することもあるが、ノズル20は塗布開始位置26から出発して途中で停止することなく連続的に移動して塗布開始位置26に戻ることから一筆書きによる塗布動作となる。
【実施例4】
【0107】
図16は本発明の実施例4である照明装置における一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。図16(a)はX方向に一列に延在する反射体列の配置状態を示す模式図である。また、図16(b)は一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【0108】
実施例4による一筆書きは、ノズル20をX方向に沿って移動させて反射体列パターンを形成する際、実施例1と同様にノズル20を接触点25を通過する毎に右回り移動または左回り移動と交互に変化させて反射体列パターンを形成するものである。
【0109】
実施例4では、無端状体からなる反射体4は、六角形体となっている。六角形体からなる反射体パターンを、説明の便宜上、図16において六角形体の左端頂点をa、左上頂点をb、右上頂点をc、右端頂点をd、右下頂点をe、左下頂点をfとする。また、隣接する反射体4同士の接触点25を−X方向から+X方向に向かってp,q,rとする。p,q,rは頂点(左端頂点)aでもありかつまた頂点(右端頂点)dともなる。
【0110】
図16(a)に示すような反射体列を形成するためのノズルによる一筆書きによる樹脂の塗布は、図16(b)のようになる。即ち、ノズル20の塗布開始位置26を−X端の1番目の反射体パターンの左端頂点aとした場合、ノズル20を樹脂21を吐出させながら実線矢印で示すように右回り移動させて各頂点a,b,c,dと回転移動させる。これによってノズル20はp接触点25に位置することになる。p接触点25からはノズル20は左回り移動して2番目の反射体パターン上を各頂点a,f,e,dと進み、q接触点25に位置する。q接触点25からはノズル20は右回り移動して3番目の反射体パターン上を各頂点a,b,c,dと進み、r接触点25に位置し、反射体列の最も+X方向側に位置する反射体パターンに入る。
【0111】
反射体列の最も+X方向側に位置する反射体パターン、即ち、最後の反射体パターンではノズル20はr接触点25から左回り移動し、つぎの接触点25が現れるまで左回り移動する。この左回り移動は最後の反射体パターン上を各頂点a,f,e,d,c,b,aと移動し、再びr接触点25に戻る。
【0112】
その後、ノズル20はr接触点25から点線矢印で示すように−X方向に移動する。この移動はr接触点25から各頂点d,e,f,aと右回り移動してq接触点25に位置し、q接触点25から各頂点d,c,b,aと左回り移動してp接触点25に位置し、p接触点25から各頂点d,e,f,aと右回り移動して塗布開始位置26に戻る。これにより、ノズル20による樹脂の塗布作業が終了する。
【0113】
実施例4においても接触点25となる箇所ではノズル20から吐出する樹脂21の量を少なくして他の部分と同じ量の樹脂が塗布されるようにしてもよい。
【0114】
実施例4による反射体列を有する照明装置1及びその製造方法においても実施例1と同様な効果を得ることができる。
【実施例5】
【0115】
図17は本発明の実施例5である照明装置における複数列複数行に相互に接触して整列配置される反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。図17は図示しない配線基板の第1の面にLED発光部を4列4行配置する構造の照明装置を製造する場合の反射体群を一筆書きで形成する方法を示す図である。そして、反射体群における各反射体列、即ち、列方向(例えば、X方向)及び行方向(例えば、Y方向)の各反射体列では隣接する反射体同士は接触点25で接触(繋がる)構成になっている。図17は説明の便宜上4列4行としてあるが、実施例ではn列m行とする。
【0116】
以下に図17を参照しながらn列m行に反射体を配置形成する一筆書き方法を説明する。図17において、太い線で描いた円(環状体)の群れはノズル20の軌跡である。説明の便宜上、太い線で描いた円(環状体)を反射体4とも、また反射体パターンとも呼称する。各反射体4の内側の円は反射体4の内径となる樹脂21の周縁であり、各反射体4の外側の円は反射体4の外形となる樹脂21の周縁を示すものである。
【0117】
隣接する反射体パターン同士の接触点25を1列目では左から右に向けて、即ち、1行から4行に向けて、O,P,Qと符号を付けて示す。同様に2列目では接触点25はR,S,Tとなり、3列目では接触点25はU,V,Wとなり、4列目ではX,Y,Zとなる。また、ノズルによる軌跡の説明では、1行目の接触点25を使用することから、1行目の上から下に向けて、即ち、1列から4列に向けて各接触点25にA,B,Cと符号を付けて示す。
【0118】
また、無端状体である反射体4の反射体パターンに沿って移動するノズルの移動を無端状体の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動と規定する。接触点25で隣接する一方の反射体4から他方の反射体4に移動する移動については+X方向への移動、−X方向への移動、+Y方向への移動、−Y方向への移動と呼称する。
【0119】
最初にノズル20の移動によって形成される軌跡について説明する。図17では4列4行に反射体4が配置されているが、説明においてはn列m行に反射体4が配列されている反射体群の軌跡について説明する。
【0120】
軌跡の形成におけるノズル20の起点、換言するならば、塗布開始位置26を、例えば、1列1行の反射体パターンと1列2行の反射体パターンとの接触点25であるO接触点25とする例について説明する。
【0121】
軌跡は以下の動作を行うノズルによって形成される。
(イ)ノズル20はO接触点25から、矢印bに示すように、右回り移動しながら+X方向に移動しかつ列方向の各接触点に到達するごとに右回り移動と+X方向への移動を繰り返して(m−1)行の反射体パターンとm行の反射体パターンによる接触点まで進む。図17では各行は4行であることから、ノズル20は矢印bに示すように、3行の反射体パターンと4行の反射体パターンとの接触点であるQ接触点25まで進む。
【0122】
(ロ)その後、ノズル20は(m−1)行の反射体パターンとm行の反射体パターンによる接触点から右回り移動によって(m−1)行の反射体パターンとm行の反射体パターンによる接触点に進む。即ち、ノズル20は矢印cで示すようにQ接触点25から右回り移動してQ接触点25に戻る。
【0123】
(ハ)つぎに、ノズル20は、(m−1)行の反射体パターンとm行の反射体パターンによる接触点から、矢印dに示すように、右回り移動しながら−X方向に移動しかつ列方向の接触点に到達するごとに右回り移動と−X方向への移動を繰り返して1列1行の反射体パターンと1列2行の反射体パターンによる接触点に進む。即ち、ノズル20はQ接触点25から、右回り移動と−X方向への移動によってP接触点25を通過してO接触点25に戻る。
【0124】
(ニ)つぎに、ノズル20は、矢印dに示すように、1列1行の反射体パターンと1列2行の反射体パターンによる接触点(O接触点25)から45度右回り移動して1列1行の反射体パターンと2列1行の反射体パターンとの接触点(A接触点25)に移動する。即ち、ノズル20は一方の反射体列から隣接する他方の反射体列における1行目同士の反射体4の接触点25に移動する。
【0125】
(ホ)つぎに、ノズル20は、矢印eに示すように、45度右回り移動して2列1行の反射体パターンと2列2行の反射体パターンによる接触点(R接触点25)に進む。
【0126】
(ヘ)つぎに、ノズル20は2列1行の反射体パターンと2列2行の反射体パターンによる接触点(R接触点25)から、矢印e,f,gに示すように、前記(イ)乃至前記(ロ)と同様な動きによって次の列の1行の反射体パターンと2行の反射体パターンによる接触点(U接触点25)に進む。
【0127】
(ト)つぎに、ノズル20は前記(へ)の動作を繰り返して行ってn列1行の反射体パターンとn列2行の反射体パターンによる接触点に進む。実施例はn列は4列であることから、ノズル20は、矢印h,i,j,kに示すように、前記(へ)の動作を繰り返して行ってX接触点25に進む。
【0128】
(チ)つぎに、ノズル20はn列1行の反射体パターンとn列2行の反射体パターンによる接触点から、前記(イ)乃至(ハ)と同様な動きによってn列1行の反射体パターンとn列2行の反射体パターンによる接触点に進む。即ち、ノズル20は、矢印k,l,mに示すように、X接触点25に戻る。
【0129】
(リ)つぎに、ノズル20はn列1行の反射体パターンとn列2行の反射体パターンによる接触点、即ち、X接触点25から、右回り移動しながら+Y方向に移動しかつ行方向の接触点に到達するごとに右回り移動と−Y方向への移動を繰り返して1列1行の反射体パターンと1列2行の反射体パターンによる接触点に戻ることによって軌跡を形成する。即ち、実施例ではn列は4列であることから、ノズル20はX接触点25から、矢印n,o,pに示すように、右回り移動しながら+Y方向に移動しかつ行方向の接触点(C接触点25,B接触点25,A接触点25)に到達するごとに右回り移動と+Y方向への移動を繰り返して1列1行の反射体パターンと1列2行の反射体パターンによるO接触点25に戻ることによって軌跡は完成する。この軌跡の形成ではO接触点25を塗布開始位置26としたが、塗布開始位置として前記軌跡上の所望の位置を選択することができる。
【0130】
そして、実際に行うノズル20による一筆書きにおいては、前記軌跡上の所望の位置を塗布開始位置26として選択することができる。選択後は、ノズル20を、塗布開始位置26から前記軌跡を形成するノズルの移動方向に一致するように前記軌跡に沿って移動し、または前記軌跡を形成するノズルの移動方向と反対となる方向に前記軌跡に沿って移動して塗布開始位置26に戻ることによって樹脂の塗布作業を終了する。
【0131】
実施例5によれば、実施例1による効果に加えて下記の効果を有する。即ち、(1)配線基板2の第1の面2aにおけるXY方向の反射体列において、X方向の反射体列において隣接する反射体同士を接触させるとともに、Y方向の反射体列においても隣接する反射体同士を接触させる構成になっている。この結果、X方向に沿う反射体間に使用しないスペース(デッドスペース)が存在しなくなるとともに、Y方向に沿う反射体間にも使用しないスペース(デッドスペース)が存在しなくなり、実施例1の照明装置1に比較してさらに照明装置の小型化が達成できる。
【0132】
(2)前記(1)により、配線基板2の第1の面2aにおいて、XY方向に沿う反射体間に使用しないスペース(デッドスペース)が存在しなくなることから、所定の大きさの照明装置の場合、実施例1の照明装置1に比較してさらに多くの反射体を配置することができ、照明装置の出力向上をさらに高めることができる。
【0133】
(3)配線基板2の第1の面2aにおいて、XY方向に沿う複数の反射体列の形成は、樹脂21を塗布するノズル20を塗布開始位置から塗布開始位置まで移動する、一筆書きの手法で行うことから、短時間に形成することができ、照明装置の製造コストの低減がさらに可能になる。
【実施例6】
【0134】
図18及び図19は本発明の実施例6である照明装置に係わる図である。図18は照明装置における2列2行に相互に接触して整列配置される反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【0135】
図18は2列2行に反射体4を形成するノズルの一筆書きの説明図である。即ち、図示しない配線基板の第1の面のXY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1番(行)及び2番(行)の反射体4と、+Y方向から−Y方向に向かって並ぶ1列から2列の反射体4とによって形成される反射体群40における一筆書きの例である。ここで、図18に示すように、1列目1番の反射体4と2列目1番の反射体4との接触点25をNとし、1列目1番の反射体4と1列目2番の反射体4との接触点25をOとし、2列目1番の反射体4と2列目2番の反射体4との接触点25をPとする。
【0136】
また、無端状体である反射体の反射体パターンに沿って移動するノズルの移動を無端状体の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とする。
【0137】
図18において、太い線で描いた円(環状体)の群れはノズル20の軌跡である。説明の便宜上、太い線で描いた円(環状体)を反射体4とも、また反射体パターンとも呼称する。各反射体4の内側の円は反射体4の内径となる樹脂21の周縁であり、各反射体4の外側の円は反射体4の外形となる樹脂21の周縁を示すものである。
【0138】
最初にノズル20の移動によって形成される軌跡について説明する。
軌跡の形成におけるノズル20の起点、換言するならば、塗布開始位置26を、例えば、1列1行の反射体パターンと2列1行の反射体パターンとの接触点25であるN接触点25とする例について説明する。
【0139】
軌跡は以下の動作を行うノズルによって形成される。
イ:ノズル20はN接触点25を起点とし、N接触点25から前記右回り移動して1列1行の反射体4と1列2行の接触点25であるO接触点25に進む。
【0140】
ロ:ノズル20はO接触点25から1列2行の反射体4を形成するように+X方向に向けて移動するとともに左回り移動してO接触点25に戻る。
【0141】
ハ:ノズル20はO接触点25から1列1行の反射体4の残部を形成するように−X方向に向かうとともに90度右回り移動してN接触点25に進む。
【0142】
ニ:ノズル20はN接触点25から2列1行の反射体4を形成するように−Y方向に向かうとともに左回り移動してP接触点25に進む。
【0143】
ホ:ノズル20はP接触点25から2列2行の反射体4を形成するように+X方向に向かうとともに右回り移動して再びP接触点25に戻る。
【0144】
ヘ:ノズル20はP接触点25から2列1行の反射体4の残部を形成するように右回り移動してN接触点25に戻る。これによって軌跡が形成される。
【0145】
そして、実際に行うノズル20による一筆書きにおいては、前記軌跡上の所望の位置を塗布開始位置26として選択することができる。選択後は、ノズル20を、塗布開始位置26から前記軌跡を形成するノズルの移動方向に一致するように前記軌跡に沿って移動し、または前記軌跡を形成するノズルの移動方向と反対となる方向に前記軌跡に沿って移動して塗布開始位置26に戻ることによって樹脂の塗布作業を終了する。
【0146】
実施例6においては2列2行の反射体群を一筆書きで形成することができ、実施例1と同様な効果を得ることができる。
【0147】
また、図19は前記2列2行に整列配置される反射体群40を一枚の配線基板2の第1の面2aに複数箇所配置した照明装置1の模式的平面図である。実施例6の照明装置1は、配線パターンは異なるが、配線構造は実施例1の照明装置1と同様となる配線基板2である。図19の照明装置1では反射体群40が2列3行、合計で6個配置されている。太い円が反射体4である。そして、各反射体4内には、R,G,Bで示される5個のLEDチップ5が配置されている。配線基板2の右端には、外部電極端子15R,15G,15Bと共通外部電極端子15Zとからなる外部電極端子群が4個配列されている。各外部電極端子群と各反射体4の各LEDチップ5との電気的接続状態は、図19において点線で示してある。外部電極端子15R,15G,15Bと一列の各反射体内の各LEDチップ5との接続状態は、図19に示すように、4列目の反射体列に示してある。なお、共通外部電極端子15ZとLEDチップ5との電気的接続状態は実施例1の場合と同様であり、図19では省略してある。
【0148】
実施例6の照明装置1では、1枚の配線基板2の第1の面2aにそれぞれ領域を分けて反射体群40からなる発光部を配置でき、種々の照明器具として使用できる。例えば、車のヘッドライト、テールランプ、液晶ディスプレイ光源、アーティクル照明に使用することができる。また、各領域の反射体群40の数は一部で異なる数であってもよい。
【実施例7】
【0149】
図20乃至図24は本発明の実施例7である照明装置に係わる図である。図20は実施例7の照明装置の平面図である。図21乃至図24は実施例7の照明装置の製造方法に係わる図である。
【0150】
実施例1の照明装置1は配線基板2の第1の面2aのXY方向にそれぞれ複数列の反射体を配置した構造になっている。これに対して、実施例7の照明装置1は実施例1の照明装置1において、図20及び図21に示すように反射体4をY方向に沿っては1としてX方向に沿って反射体4、換言するならば、LED発光部3が一列に並ぶ構造になっている。このため、配線基板2は細長の四角形体、即ち、長方形板構造となっている。実施例7では反射体4は楕円形のリングとなり、その長径側の端が接触点25となって隣接する反射体4に接続されている。
【0151】
各反射体4の中央には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうちのいずれかの色の光を発光するLEDチップ5が固定され、全体で白色光を放射する構造となっている。表示してないが、例えば、R、G、B、R、G、Bと繰り返すようにLEDチップ5が配列されている。反射体4の内側に実施例6のように複数のLEDチップ5を配置する構造も可能である。
【0152】
楕円形の反射体4の内側領域に配置され、かつLEDチップ5の周囲である部分には第1の電極パッド13及び第2の電極パッド14が配置されている。第1の電極パッド13とLEDチップ5の図示しない第1の電極は導電性のワイヤ6で接続されている。また、第2の電極パッド14とLEDチップ5の図示しない第2の電極は導電性のワイヤ6で接続されている。第1の電極パッド13は楕円形の反射体4の長径側の一方の端側に配置され、第2の電極パッド14は他方の端側に配置されている。図19では第1の電極パッド13はLEDチップ5の左側に配置され、第2の電極パッド14はLEDチップ5の右側に配置されている。
【0153】
第1の電極パッド13からは配線16aが延在して配線基板2の長手方向に沿う一方の側部縁まで延在している。また、同様に第2の電極パッド14からは配線16bが延在して配線基板2の長手方向に沿う一方の側部縁まで延在している。配線16a及び配線16bの先端は配線基板2の第1の面2aに設けられた絶縁膜10から露出してそれぞれ第1の外部電極端子45、第2の外部電極端子46となる。
【0154】
配線基板2は、図21及び図22に示すように、第1の面2a側に導体層及び絶縁膜10を有している。図21は実施例7の照明装置の製造方法に用いる配線基板の平面図、図22は図21のD−D線に沿う拡大断面図である。一つの導体層は第1の電極パッド13、配線16a及び第1の外部電極端子45を形成し、一つの導体層は第2の電極パッド14、配線16b及び第2の外部電極端子46を形成する。また、一つの導体層はLEDチップ5を固定するための台座となる支持パッド12を構成する。絶縁膜10は、図21において点々を施した領域に設けられている。例えば、図21に示すように、各支持パッド12とその両側の第1の電極パッド13及び第2の電極パッド14が絶縁膜10から露出するように四角形の開口部47が設けられている。また、配線16a,16bの先端に対応する部分にも開口部48が設けられている。そして、開口部48に位置する露出する配線16a,16bの部分が第1の外部電極端子45及び第2の外部電極端子46を形成するようになる。
【0155】
反射体4の内側部分には、実施例1と同様にLEDチップ5及びワイヤ6を覆う透明な樹脂体7が設けられている。
【0156】
このような実施例7の照明装置1では、各LED発光部3の第1の外部電極端子45及び第2の外部電極端子46間に所定の電圧を印加することによって、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうちのいずれかの色の光を発光し、配線基板2の第1の面2aの前方に全体として白色光を放射するようになる。
【0157】
実施例7の照明装置1のLED発光部3の寸法の一例を挙げると、各部の寸法は以下のとおりである。楕円形の反射体4の外形はX方向が2.7mm、Y方向が2.0mmであり、内径の外形はX方向が1.9mm、Y方向が1.2mmである。反射体4の線幅(樹脂幅)は0.4mmである。反射体4のX方向のピッチは2.3mmである。また、反射体4を2回の樹脂の重ね塗りの場合、反射体4の厚さ(高さ)は0.24mm程度である。
【0158】
実施例7の照明装置1は、例えば、液晶用バックライト用光源として使用することができる。即ち、液晶装置を組み込んだ電子装置の配線基板上に、第1の外部電極端子45及び第2の外部電極端子46の端(配線16a,16bの先端面)が重なるように照明装置1を搭載した場合、側方に光を発光する側方発光型の照明装置(エッジライトと呼称する)となる。従って、このエッジライトを液晶装置の一端側に配置すれば、液晶用バックライトとして使用できることになる。
【0159】
つぎに、図21乃至図24を参照しながら実施例7の照明装置1の製造方法について説明する。最初に図21及び図22に示す配線基板2を準備する。
【0160】
つぎに、図23に示すように、各開口部47の支持パッド12上にLEDチップ5を発光面及び図示しない第1及び第2の電極が上面となるようにして接合材を介して固定する。
【0161】
つぎに、図23に示すように、LEDチップ5,第1の電極パッド13,第2の電極パッド14及びワイヤ6を囲むように楕円形の反射体4を既に説明したノズルによる一筆書きの繰り返しによって塗布しかつ樹脂の硬化処理によって反射体列を形成する。
【0162】
つぎに、図示はしないが、各反射体4の内側にLEDチップ5,ワイヤ6等を覆うよう透明な樹脂を充填し、かつ樹脂を硬化処理して樹脂体7を形成することによって、図19に示すような照明装置1を製造することができる。なお、LEDチップ5はフリップ・チップ接続によって配線基板2に搭載するようにしてもよい。
【0163】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない、例えば、実施例では反射体4の形状は円及び楕円を含む環状体、四角形、六角形としたが、例えば、八角形等他の多角形体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明の実施例1である照明装置の平面図である。
【図2】実施例1の照明装置における各LED発光部の各電極と外部電極端子との配線状態を示す模式図である。
【図3】実施例1の照明装置のLED発光部を示す拡大平面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】実施例1の照明装置の製造方法に用いる配線基板の平面図である。
【図6】前記配線基板の開口部を含む部分を示す拡大平面図である。
【図7】図6のB−B線に沿う断面図である。
【図8】実施例1の照明装置の製造方法において、LEDチップを搭載し、LEDチップの電極と配線基板の電極パッドをワイヤで接続した状態を示す拡大平面図である。
【図9】図8のC−C線に沿う断面において樹脂を塗布する状態を示す模式的断面図である。
【図10】実施例1の照明装置の製造方法において、X方向に一列に並ぶ反射体列を形成するための一筆書きによる樹脂塗布方法を示す模式図である。
【図11】実施例1の照明装置の製造方法において、環状体からなる反射体の内側に樹脂体を形成した状態を示す一部の断面図である。
【図12】実施例1の照明装置の変形例を示す一部の断面図である。
【図13】本発明の実施例2である照明装置における一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【図14】本発明の実施例3である照明装置における反射体列の配置状態及び一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【図15】本発明の実施例3の変形例である照明装置における反射体列の配置状態及び一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【図16】本発明の実施例4である照明装置における反射体列の配置状態及び一列の反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【図17】本発明の実施例5である照明装置における複数列複数行に相互に接触して整列配置される反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【図18】本発明の実施例6である照明装置における2列2行に相互に接触して整列配置される反射体列の形成のために一筆書きで樹脂を配線基板に塗布する方法を示す模式図である。
【図19】前記2列2行に整列配置される反射体列を一枚の配線基板の第1の面に複数箇所配置した照明装置の模式的平面図である。
【図20】本発明の実施例7である照明装置の平面図である。
【図21】実施例7の照明装置の製造方法に用いる配線基板の平面図である。
【図22】図21のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図23】実施例7の照明装置の製造方法において、LEDチップを搭載し、LEDチップの電極と配線基板の電極パッドをワイヤで接続した状態を示す平面図である。
【図24】実施例7の照明装置の製造方法において、一筆書きによる樹脂の塗布によってX方向に一列に反射体列を形成した状態を示す平面図である。
【図25】本出願人の提案による照明装置の斜視図である。
【図26】前記本出願人の提案による照明装置の一部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0165】
1…照明装置、2…配線基板、2a…第1の面、2b…第2の面、3…LED発光部、4…反射体、5…発光ダイオードチップ(LEDチップ)、6…ワイヤ、7…樹脂体、8…光、10…絶縁膜、11…開口部、12…支持パッド、13…第1の電極パッド、14…第2の電極パッド、15R,15G,15B…外部電極端子、15Z…共通外部電極端子、16R,16G,16B,16Z…配線、20…ノズル、21…樹脂、24…中心線、25…接触点、26…塗布開始位置、30…第1の電極、31…第2の電極、40…反射体群、45…第1の外部電極端子、46…第2の外部電極端子、47,48…開口部、70…照明装置、71…配線基板、71a…第1の面、71b…第2の面、72…LED発光部、73…反射体、74…LEDチップ、75…支持パッド、76…配線、77…第1の電極パッド、78…第2の電極パッド、79…ワイヤ、80…樹脂体、81…絶縁膜、82…光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、複数の発光ダイオードチップをそれぞれXY方向に整列配置搭載する領域と、前記各発光ダイオードチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子と、前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子とを有する配線基板と、
前記配線基板の前記第1の面に固定され、かつ所定の前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドにそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極が電気的に接続される複数の発光ダイオードチップと、
前記発光ダイオードチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に設けられる無端状体からなる反射体と、
前記反射体の内側に充填されて前記発光ダイオードチップを覆う透明でかつ絶縁体からなる樹脂で形成される樹脂体とを有し、
前記配線基板の前記XY方向のうちの少なくともX方向の前記発光ダイオードチップの並びにおいて隣接する前記反射体同士は接触して配置され、
前記反射体の内側の周面は前記発光ダイオードチップから発光される光を反射して前記配線基板の前記第1の面の前方に導くような反射面になっていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記配線基板の前記XY方向のうちのX方向及びY方向の前記発光ダイオードチップの並びにおいて隣接する前記反射体同士は接触して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記複数の発光ダイオードチップは、赤色を発光する赤色発光ダイオードチップと、緑色を発光する緑色発光ダイオードチップと、青色を発光する青色発光ダイオードチップとを含み、
前記反射体の内側には1乃至複数個の前記発光ダイオードチップが配置され、
前記配線基板の前記第1の面の前方に向けて放射される光は全体として白色光となっていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
無端状の前記反射体は円及び楕円を含む環状体、多角形体のうちのいずれかの形状になっていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記反射体の内側の前記発光ダイオードチップを覆う樹脂体は前記反射体の中心に向かうにつれて徐々に厚くなり、前記樹脂体の表面は曲面となっていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記複数の発光ダイオードチップをそれぞれXY方向に整列配置搭載する領域は、前記配線基板に複数設けられ、
各前記複数の発光ダイオードチップをそれぞれXY方向に整列配置搭載する領域にあって、前記XY方向のうちの両方の方向の前記発光ダイオードチップの並びにおいて隣接する前記反射体同士は接触して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記発光ダイオードチップの第1の面には前記第1の電極及び前記第2の電極が設けられ、前記第1の電極が前記第1の電極パッドに導電性のワイヤを介して接続され、前記第2の電極が前記第2の電極パッドに導電性のワイヤを介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記発光ダイオードチップの第1の面には前記第1の電極及び前記第2の電極が設けられ、前記第1の電極が前記第1の電極パッドに重ねて接続され、前記第2の電極が前記第2の電極パッドに重ねて接続されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
前記反射体は樹脂によって形成される複数の無端状体を重ねて形成した構造となり、前記複数の無端状体によって形成される前記反射体の内側の周面は反射鏡面を構成していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記配線基板は前記XY方向にそれぞれ複数列並ぶ前記反射体を前記Y方向に沿っては1としてX方向に沿って前記反射体が一列に並ぶ大きさの細長の四角形体とし、
前記配線基板の前記第1の面の各前記反射体の内側には前記発光ダイオードチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ電気的に接続される第1の電極パッド及び第2の電極パッドが位置し、
前記配線基板の前記第1の面の前記四角形体の長手方向に沿う一方の側部には各前記第1の電極パッド及び第2の電極パッドにそれぞれ電気的に接続される第1の外部電極端子及び第2の外部電極端子が設けられ、
各前記反射体内には赤色、緑色、青色のうちのいずれかの色の光を発光する発光ダイオードチップが固定され、
前記配線基板の前記第1の面の前方に放射される光は全体として白色光となっていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
前記反射体内には第1の電極パッド及び第2の電極パッドが複数配置され、前記反射体内には複数の前記発光ダイオードチップが固定されていることを特徴とする請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
(a)第1の面及び前記第1の面の反対面となる第2の面を有し、前記第1の面には、複数の発光ダイオードチップをそれぞれXY方向に整列配置搭載する領域と、前記各発光ダイオードチップの第1の電極または第2の電極にそれぞれ対応しかつ電気的に接続される第1の電極パッド及び第2の電極パッドと、前記第1の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第1の外部電極端子と、前記第2の電極パッドに電気的に接続される1乃至複数の第2の外部電極端子とを有する配線基板を準備する工程、
(b)発光波長が異なる複数群の前記発光ダイオードチップを準備する工程、
(c)前記各群の前記各発光ダイオードチップを前記配線基板の前記第1の面の所定の領域に搭載するとともに前記各発光ダイオードチップの前記第1の電極及び前記第2の電極とこれに対応する前記第1の電極パッド及び前記第2の電極パッドを接続手段によって電気的に接続する工程、
(d)前記配線基板に搭載された全ての前記発光ダイオードチップにおいて、前記発光ダイオードチップを1乃至複数囲むように前記配線基板の前記第1の面に無端状に樹脂を盛り上がるように塗布し、かつ硬化させて無端状体からなる反射体を形成する工程、
(e)前記各反射体の内側に透明でかつ絶縁体からなる樹脂を充填し、かつ硬化させて前記発光ダイオードチップを覆う樹脂体を形成する工程とを有し、
前記反射体は前記配線基板の前記XY方向におけるX方向及びY方向に沿ってそれぞれ並ぶように整列配置形成し、かつ少なくとも前記X方向に沿ってそれぞれ並ぶ各反射体列において隣接する前記反射体同士は接触点を介して接触するように形成し、
前記接触点を介して接触する前記反射体列の形成は、
前記配線基板の第1の面上の所定位置を塗布開始位置とした後、前記塗布開始位置上に樹脂供給工具のノズルを位置させ、その後前記ノズルの下端から樹脂を吐出させながら前記反射体列パターンに沿って前記ノズルを移動させながら前記塗布開始位置に戻る一筆書きによる樹脂塗布工程と、
前記樹脂を硬化処理する工程と、
によって形成することを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項13】
前記XY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1番からm番の前記反射体による前記反射体列の形成における前記樹脂の塗布作業は、
無端状体である前記反射体の反射体パターンに沿って移動する前記ノズルの移動を前記無端状体の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とした場合、
a)前記1番から前記m番のうちのいずれかの反射体の前記反射体パターンの所定位置を前記ノズルの塗布開始位置とし、
b)前記塗布開始位置から前記ノズルを右回り移動または左回り移動させて+X側または−X側のうちの一方の移動方向側の隣接する反射体パターンとの前記接触点まで移動させ、または前記接触点を前記塗布開始位置とした場合はそのままの位置とさせ、
c)つぎに前記接触点からつぎに隣接する前記反射体パターンとの前記接触点まで前記ノズルを前回の右回り移動または左回り移動とは逆の回転移動方向で移動させ、または前記ノズルの移動開始位置が前記接触点上である場合は前記ノズルを右回り移動または左回り移動によって隣接する前記接触点まで移動させ、
d)前記ノズルに前記c)の動作を繰り返して行わせて前記ノズルを前記塗布開始位置に移動させることを特徴とする請求項12に記載の照明装置の製造方法。
【請求項14】
前記XY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1番からm番の前記反射体による前記反射体列の形成における前記樹脂の塗布作業は、
無端状体である前記反射体の反射体パターンに沿って移動する前記ノズルの移動を前記無端状体の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とした場合、
a:前記1番から前記m番のうちのいずれかの反射体の前記反射体パターンの所定位置を前記ノズルの塗布開始位置とし、
b:前記塗布開始位置から前記ノズルを右回り移動または左回り移動させて+X側または−X側のうちの一方の移動方向側の隣接する反射体パターンとの前記接触点まで移動させ、または前記接触点を前記塗布開始位置とした場合はそのままの位置とさせ、
c:つぎに前記接触点からつぎに隣接する前記反射体パターンとの前記接触点まで前記ノズルを前回の右回り移動または左回り移動と同じ回転移動方向で移動させ、または前記ノズルの移動開始位置が前記接触点上である場合は前記ノズルを右回り移動または左回り移動によって隣接する前記接触点まで移動させ、
d:前記ノズルに前記c:の動作を繰り返して行わせて前記ノズルを前記塗布開始位置に移動させることを特徴とする請求項12に記載の照明装置の製造方法。
【請求項15】
前記反射体は前記配線基板の前記XY方向におけるX方向及びY方向に沿ってそれぞれ並ぶように整列配置形成し、かつ前記X方向及び前記Y方向に沿ってそれぞれ並ぶ各反射体列において隣接する前記反射体同士は接触点を介して接触するように形成することを特徴とする請求項12に記載の照明装置の製造方法。
【請求項16】
前記XY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1行からm行の反射体と、+Y方向から−Y方向に向かって並ぶ1列からn列の反射体とによって形成されるn列m行の反射体群の形成における前記ノズルの前記一筆書きによる軌跡は、
無端状体である前記反射体の反射体パターンに沿って移動する前記ノズルの移動を前記無端状体の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とした場合、
前記ノズルが、
(イ)1列1行の反射体パターンと1列2行の反射体パターンによる前記接触点から、前記右回り移動しながら+X方向に移動しかつ列方向の前記接触点に到達するごとに前記右回り移動と+X方向への起動を繰り返して(m−1)行の反射体パターンとm行の反射体パターンによる前記接触点まで進み、その後前記(m−1)行の反射体パターンと前記m行の反射体パターンによる前記接触点から前記右回り移動によって前記(m−1)行の反射体パターンと前記m行の反射体パターンによる前記接触点に戻り、前記(m−1)行の反射体パターンと前記m行の反射体パターンによる前記接触点から、前記右回り移動しながら−X方向に移動しかつ列方向の前記接触点に到達するごとに前記右回り移動と−X方向への移動を繰り返して前記1列1行の反射体パターンと前記1列2行の反射体パターンによる前記接触点に進み、
(ロ)前記1列1行の反射体パターンと前記1列2行の反射体パターンによる前記接触点から45度右回り移動して前記1列1行の反射体パターンと2列1行の反射体パターンとの前記接触点に移動し、その後45度右回り移動して前記2列1行の反射体パターンと2列2行の反射体パターンによる前記接触点に進み、
(ハ)前記2列1行の反射体パターンと前記2列2行の反射体パターンによる前記接触点から前記(イ)及び前記(ロ)と同様な動きによって次の列の1行の反射体パターンと2行の反射体パターンによる前記接触点に進み、
(ニ)前記(ハ)の動作を繰り返して行ってn列1行の反射体パターンとn列2行の反射体パターンによる前記接触点に進み、
(ホ)前記n列1行の反射体パターンと前記n列2行の反射体パターンによる前記接触点から、前記(イ)と同様な動きによってn列1行の反射体パターンとn列2行の反射体パターンによる前記接触点に戻り、
(ヘ)前記n列1行の反射体パターンと前記n列2行の反射体パターンによる前記接触点から、前記右回り移動しながら+Y方向に移動しかつ行方向の前記接触点に到達するごとに前記右回り移動と+Y方向への移動を繰り返して前記1列1行の反射体パターンと前記1列2行の反射体パターンによる前記接触点に戻ることによって形成され、
前記ノズルによる前記一筆書きにおいては、前記軌跡上の所望の位置を前記塗布開始位置とし、その後前記塗布開始位置から前記ノズルを前記軌跡を形成するノズルの移動方向に一致するように前記軌跡に沿って移動し、または前記軌跡を形成するノズルの移動方向と反対となる方向に前記軌跡に沿って移動して前記塗布開始位置に戻ることによって前記樹脂の塗布作業を終了することを特徴とする請求項15に記載の照明装置の製造方法。
【請求項17】
前記配線基板の第1の面の前記XY方向において−X方向から+X方向に向かって並ぶ1番及び2番の反射体と、+Y方向から−Y方向に向かって並ぶ1列から2列の反射体とによって形成される2列2行の反射体群の形成における前記ノズルの前記一筆書きによる軌跡は、
1列目1番の反射体と2列目1番の反射体との接触点をNとし、1列目1番の反射体と1列目2番の反射体との接触点をOとし、1列目1番の反射体と2列目2番の反射体との接触点をPとし、
無端状体である前記反射体の反射体パターンに沿って移動する前記ノズルの移動を前記無端状体の中心を中心とする回転方向の右回り移動または左回り移動とした場合、
前記ノズルが、
イ:前記N接触点を起点とし、前記N接触点から前記右回り移動して前記O接触点に進み、
ロ:前記O接触点からは1列2行の反射体を形成するように左回り移動して前記O接触点に戻り、
ハ:前記O接触点からは1列1行の反射体の残部を形成するように90度右回り移動してN接触点に進み、
ニ:前記N接触点からは2列1行の反射体を形成するように左回り移動してP接触点に進み、
ホ:前記P接触点からは2列2行の反射体を形成するように右回り移動して再びP接触点に戻り、
ヘ:前記P接触点からは2列1行の反射体の残部を形成するように右回り移動して前記N接触点に戻ることによって形成され、
前記ノズルによる前記一筆書きにおいては、前記軌跡上の所望の位置を前記塗布開始位置とし、その後前記塗布開始位置から前記ノズルを前記軌跡を形成するノズルの移動方向に一致するように前記軌跡に沿って移動し、または前記軌跡を形成するノズルの移動方向と反対となる方向に前記軌跡に沿って移動して前記塗布開始位置に戻ることによって前記樹脂の塗布作業を終了することを特徴とする請求項15に記載の照明装置の製造方法。
【請求項18】
無端状の前記反射体は円及び楕円を含む環状体、多角形体のうちのいずれかの形状であることを特徴とする請求項12に記載の照明装置の製造方法。
【請求項19】
前記ノズルを塗布開始位置から樹脂を吐出させながら移動させて再び前記塗布開始位置に移動する樹脂塗布方法によって形成した前記反射体の上に、前記塗布開始位置から前記塗布開始位置まで移動する前記ノズルの動作を繰り返して1乃至複数回行って多段積層構造の反射体を形成することを特徴とする請求項12に記載の照明装置の製造方法。
【請求項20】
前記ノズルが先に塗布した樹脂部分上を交差したり、または重複して移動する際、前記ノズルから吐出する前記樹脂を停止または少なくすることを特徴とする請求項12に記載の照明装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−282754(P2008−282754A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127809(P2007−127809)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000100997)株式会社アキタ電子システムズ (41)
【Fターム(参考)】