説明

照明装置用反射体、及び照明装置

【課題】外光の影響を少なくして発光素子の光を受光素子で検出すること。
【解決手段】複数の凹状反射面16を連接した面照明装置用反射体14を備え、前記凹状反射面16の各底部にLED10を配置した面照明装置1おいて、前記面照明装置用反射体14には、前記凹状反射面16が表面側で連なる連接箇所Pの裏面側に、少なくともいずれかの凹状反射面16と通じた凹部32を設け、当該凹部32に通じた凹状反射面16に配置された前記LED10の光Hを検出する受光素子30を前記凹部32に配置する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置用反射体、及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置や看板、誘導灯などの表示面を裏側から照らす、いわゆるバックライトや、液晶表示装置等に使用される比較的大型のガラス基板の欠陥検査に用いる検査光源等に面照明装置が広く用いられている。この種の面照明装置は、表示面の裏面に対向する対向面に、点状光源としての例えばLED等の発光素子を格子状に配置して光源部を構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
液晶表示装置などの表示面の表示品位を高品位に維持し、或いはガラス基板の欠陥検査精度を高精度に維持するためには、表示面などの被照射面における輝度むらを抑えることが重要である。このため、面照明装置においては、被照射面での輝度に応じて光源部の各点状光源の発光量を制御する必要があるものの、被照射面の上に受光素子を配置すると、受光素子が表示を阻害する、また、被照射面における輝度むらの原因ともなる。
【0004】
そこで近年では、被照射面に受光素子を配置するのではなく、発光ユニットと被照射面の間に透過部材を配置し、当該透過部材で裏面反射した反射光を受光素子で検出する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−134385号公報
【特許文献2】特開2009−289515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、発光素子の光の他にも外光が受光素子で検出されてしまい、受光素子の光量を正しく検出できない、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、外光の影響を少なくして発光素子の光を受光素子で検出することができる照射装置用反射鏡、及び照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、底部に発光素子が配置される複数の凹状反射面を連接した照明装置用反射体において、前記凹状反射面が表面側で連なる箇所の裏面側に、少なくともいずれかの凹状反射面と通じた凹部を設け、当該凹部に通じた凹状反射面に配置された発光素子の光を検出する受光素子を前記凹部に配置可能にしたことを特徴とする。
【0008】
また上記目的を達成するために、本発明は、複数の凹状反射面を連接した照明装置用反射体を備え、前記凹状反射面の各底部に発光素子を配置した照明装置おいて、前記照明装置用反射体には、前記凹状反射面が表面側で連なる箇所の裏面側に、少なくともいずれかの凹状反射面と通じた凹部を設け、当該凹部に通じた凹状反射面に配置された前記発光素子の光を検出する受光素子を前記凹部に配置したことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記照明装置おいて、前記発光素子の基板を備え、前記基板を前記照明装置用反射体の裏側に配置して前記裏面側の凹部を覆ったことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記照明装置において、前記凹部に2以上の凹状反射面を通じさせ、当該凹部に配置された受光素子が各凹状反射面の発光素子のそれぞれの光を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、凹状反射面が表面側で連なる箇所の裏面側に、少なくともいずれかの凹状反射面に通じた凹部を設け、当該凹部に通じた凹状反射面に配置された発光素子の光を検出する受光素子を前記凹部に配置可能にした。この凹部には表面側からの外光が届きにくいため、この凹部に受光素子を配置することで、外光の影響を抑えて発光素子の光を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る面照明装置の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図である。
【図2】発光部の断面図である。
【図3】面照明装置用反射体の斜視図であり、(A)は正面側の上方斜視図、(B)は背面側を上側に向けて示す上方斜視図である。
【図4】面照明装置用反射体の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は底面図、(D)は側面図である。
【図5】図2に矢印Aで指した部位の拡大図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るライン照明装置の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は断面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は本実施形態に係る面照明装置1の構成を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は底面図、図1(C)は左側面図、図1(D)は右側面図である。
面照明装置1は、図1に示すように、正面に矩形状の照射開口4を有した箱形の筐体3を有し、正面には発光部5、右面にはファン7、左側面には排気口9、信号入力コネクタ11、及び入力端子台13が設けられている。
【0014】
発光部5は、照射開口4の開口一杯に配置され、例えば液晶表示装置のバックライトとして用いられるときには表示面の背面、ガラス基板等の欠陥検査の照明光として用いられるときには検査対象面の背面に対向して配置され、表示面検査対象面の全域に対して光りを照射可能な広さを有している。
【0015】
図2は、発光部5の断面図である。
発光部5は、発光素子たる多数のLED10が実装されたLED基板12と、当該LED基板12を覆うように設けた面照明装置用反射体14とを備え、LED基板12には、図1に示すように、LED10が千鳥状に配列されている。面照明装置用反射体14には、LED10ごとに凹状反射面16が設けられている。なお、発光部5の光源素子には、LED10の代わりに有機EL等の自発光素子(OLED)を用いることもできる。また、LED10の配列を千鳥状に代えて格子状としても良い。
【0016】
図3は面照明装置用反射体14の斜視図であり、図3(A)は正面側の上方斜視図、図3(B)は背面側を上側に向けて示す上方斜視図である。また図4は面照明装置用反射体14の構成を示す図であり、図4(A)は正面図、図4(B)は背面図、図4(C)は底面図、図4(D)は側面図である。
面照明装置用反射体14は、略矩形板状の基体18の正面側の表面に多数の凹状反射面16を連接して設けられている。より具体的には、凹状反射面16は、それぞれ切頂(切頭)回転放物反射面、回転楕円反射面、或いは回転双曲反射面であり、各凹状反射面16の底部開口20の略中央にLED10が配置されている。
また各凹状反射面16にあっては、隣接する凹状反射面16同士で上端開口21の縁部がオーバーラップすることで、各凹状反射面16には、例えば図2に示すように、側面視凹状の切欠部22が形成される。各凹状反射面16では、放射する光が切欠部22を通じて隣の凹状反射面16に入り込む方向にも光が放射されることから、被照射面では、各凹状反射面16の境界部分に対応して発生する光量低下を抑制し、照度ムラを抑えることができる。
【0017】
図3(B)に示すように、面照明装置用反射体14の背面には、LED基板12との間に隙間を確保する多数のスペーサ26が設けられており、当該スペーサ26によって、図2に示すように、LED10のチップの高さ(発光面10A)に合わせて凹状反射面16の底部開口20が配置される。スペーサ26の幾つかには、LED基板12と面照明装置用反射体14とをネジ27(図1)で止めするためのネジ挿通孔28が設けられている。
【0018】
また、発光部5のLED基板12上には、図2に示すように、LED10の光量を検出するための複数の受光素子30が設けられている。本実施形態では、複数個のLED10を電気的に直列接続して1つのグループG(図4(A)参照)とし、グループGごとにLED10の駆動電流を可変して光量を調整可能なLED駆動回路(図示略)が設けられている。上記受光素子30は、グループGごとに設けられ検出値を、各LED駆動回路の駆動電流をフィードバック制御するフィードバック制御回路(図示略)に出力する。フィードバック制御回路は、各グループGの受光素子30の検出値に基づいて、各グループGのLED10の光量を、グループGの同士の間でLED10の光量が等しくなるように制御し、被照射面での照度ムラを防止する。
上記グループGは、LED基板12の上で直線上に一列に並ぶLED10ごとに構成されており、本実施形態では、図1に示すように、斜方向に一列に並ぶLED10同士で1つのグループGを構成することとしている。
【0019】
図5は図2に矢印Aで指した部位の拡大図であり、図5(A)は断面視図、図5(B)は斜視図である。
受光素子30は、同図に示すように、隣接する2つの凹状反射面16が表面側で連接する連接箇所Pの裏面側に設けられている。
具体的には、面照明装置用反射体14の基体18の上記連接箇所Pに対応する裏面側の位置には、表面側に凹む凹部32が設けられており、この凹部32の中に上記受光素子30が配置されている。凹部32は、同じグループGに属する2つの凹状反射面16の間に設けられており、両隣の凹状反射面16とは開口36を通じて連通している。
【0020】
したがって、図5(A)に示すように、両隣の凹状反射面16のLED10の光Hが開口36を通じて凹部32に取り入れられる。受光素子30の受光面30Aは、凹部32の底部である天面34に対向配置されており、開口36を通じて凹部32に取り入れられ天面34で反射した光が受光素子30の受光面30Aに入射して検出される。
このとき、受光素子30の受光面30Aと天面34との間の距離δは、天面34へのLED10の光Hを遮蔽しない範囲で、当該天面34での反射光を十分に検出できる程度に狭められている。
【0021】
このように、面照明装置用反射体14の裏面側に設けた凹部32に受光素子30を配置してLED10の光量を検出することで、正面側からの外光の影響を受けずにLED10の光量を検出することができる。
特に、面照明装置用反射体14がLED基板12の上に配置されているため、面照明装置用反射体14の裏面側の凹部32がLED基板12で覆われることとなり、凹部32への裏面側からの外光も防止できる。
【0022】
また、同一のLED駆動回路で駆動されるグループG内の2つの凹状反射面16の間に凹部32を設け、この凹部32を両隣の凹状反射面16と開口36を通じて連通させて各凹状反射面16のLED10のそれぞれの光Hを凹部32に取り込み受光素子30で検出する構成としたため、グループG内の1つのLED10の光Hだけを検出する場合に比べて、グループGのLED10の光量を、より正確にフィードバック制御できる。勿論、凹部32をいずれか1つの凹状反射面16に通じさせてLED10の光Hを検出しても良い。
なお、隣接する各グループGの凹状反射面16の間(例えば、図4に示すように、4つの凹状反射面16が表面側で連なる箇所αの裏面側)に上記凹部32を設け、当該凹部32に受光素子30を配置して、各グループGのLED10の光を検出する構成としても良い。これにより、受光素子30の数を減らすことができる。
【0023】
以上説明したように、本実施形態によれば、凹状反射面16が表面側で連なる連接箇所Pの裏面側に、2つの凹状反射面16に通じる凹部32を設け、当該凹部32に通じた凹状反射面16に配置されたLED10の光Hを検出する受光素子30を凹部32に配置する構成とした。
これにより、表面側からの外光が届きにくい裏面側の凹部32でLED10の光Hを検出するため、外光の影響を抑えてLED10の光Hを検出することができる。
【0024】
また本実施形態によれば、LED基板12を面照明装置用反射体14の裏側に配置して凹部32を覆う構成としたため、凹部32への裏面側からの外光も防止できる。
【0025】
また本実施形態によれば、凹部32に2つの凹状反射面16を通じさせ、当該凹部32に配置された受光素子30が各凹状反射面16のLED10の光Hを検出する構成とした。
これにより、各LED10の光量を制御する際に、1つのLED10の光Hだけを検出して制御する場合に比べて、それぞれのLED10の光量を、より正確に制御できる。
【0026】
<第2実施形態>
上述した実施形態では、LED基板12の上にLED10を千鳥状に配置して面状に光を照射する面照明装置1を例示した。これに対して、本実施形態では、ライン状(直線状)に光を照射するライン照明装置について説明する。
図6は、本実施形態に係るライン照明装置100の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は断面視図である。なお、同図において、第1実施形態と同一の部材については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0027】
同図に示すように、ライン照明装置100は、LED10をライン状に並べて発光部105を構成し、ライン状に光を照射する。具体的には、発光部105は、棒状の複数の発光ユニット140を直線状に並べて構成されている。各発光ユニット140は、複数のLED10を一列に並べて実装した正面視長方形のLED基板112と、このLED基板112の上に設けられたライン照明装置用反射体114とを備えている。各発光ユニット140は、上記グループGを構成し、それぞれが異なるLED駆動回路で駆動され、各発光ユニット140ごとに上記受光素子30が設けられている。
【0028】
すなわち、ライン照明装置用反射体114は、四角柱状の基体118の正面側の表面に、一列に連接した複数(図示例では5つ)の凹状反射面16が設けられており、各凹状反射面16の底部にLED10が配置されている。そして、第1実施形態と同様に、凹状反射面16が表面側で連なる連接箇所Pの裏面側には、両隣の2つの凹状反射面16に通じる凹部32が設けられており、この凹部32には、当該凹部32に通じた各凹状反射面16に配置されたLED10の光を検出する受光素子30がLED基板112に実装されて配置されている。
これにより、第1実施形態と同様に、表面側からの外光が届きにくい裏面側の凹部32でLED10の光を検出するため、外光の影響を抑えてLED10の光を検出することができる。
また凹部32は、第1実施形態と同様に、LED基板112により裏側から覆われることで、裏側からの外光の影響も抑えられる。
【0029】
なお、上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形、及び応用が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 面照明装置(照明装置)
4 照射開口
5、105 発光部
10 LED(発光素子)
10A 発光面
12、112 LED基板(基板)
14 面照明装置用反射体(照明装置用反射体)
16 凹状反射面
20 底部開口
30 受光素子
30A 受光面
32 凹部
34 天面
36 開口
100 ライン照明装置(照明装置)
114 ライン照明装置用反射体(照明装置用反射体)
140 発光ユニット
H 光
P 連接箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に発光素子が配置される複数の凹状反射面を連接した照明装置用反射体において、
前記凹状反射面が表面側で連なる箇所の裏面側に、少なくともいずれかの凹状反射面と通じた凹部を設け、当該凹部に通じた凹状反射面に配置された発光素子の光を検出する受光素子を前記凹部に配置可能にした
ことを特徴とする照明装置用反射体。
【請求項2】
複数の凹状反射面を連接した照明装置用反射体を備え、前記凹状反射面の各底部に発光素子を配置した照明装置おいて、
前記照明装置用反射体には、前記凹状反射面が表面側で連なる箇所の裏面側に、少なくともいずれかの凹状反射面と通じた凹部を設け、
当該凹部に通じた凹状反射面に配置された前記発光素子の光を検出する受光素子を前記凹部に配置した
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記発光素子の基板を備え、前記基板を前記照明装置用反射体の裏側に配置して前記裏面側の凹部を覆ったことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記凹部に2以上の凹状反射面を通じさせ、当該凹部に配置された受光素子が各凹状反射面の発光素子のそれぞれの光を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−204237(P2012−204237A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69308(P2011−69308)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 〔発明を掲載したホームページのアドレス〕 http://www.iwasaki.co.jp/product/light_source_info/led−lamp/uv−led.html http://www.iwasaki.co.jp/whatsnew/release/2011/uv−led/ 〔掲載年月日〕 平成23年3月2日
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】