説明

照明装置

【課題】非常点灯時間を長くした照明装置を提供する。
【解決手段】光源3と、商用電源1からの電力供給により光源3を点灯する点灯回路14と、商用電源1の電力を蓄電するバッテリ電源16と、商用電源1の電力供給が停止したときに、バッテリ電源16の蓄電電力により光源3を非常点灯する非常点灯回路18と、を備えた照明装置100において、圧電素子5により生成した電力を蓄電する補助バッテリ電源42を備え、光源3の非常点灯中に、バッテリ電源16及び補助バッテリ電源42のそれぞれの蓄電電力を光源3に供給して光源3を点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電源の電力により点灯する光源を、商用電源の電力供給が停止したときに、バッテリ電源の蓄電電力により点灯する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、密閉された筐体内に、ランプと、商用電源からの電力によりランプを点灯する点灯回路と、商用電源の停電時にランプに電力を供給するバッテリ電源とを収納した照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−8417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、商用電源の電力により点灯させているランプを非常時にはバッテリ電源に蓄えた電力により点灯するため、非常点灯時間が比較的短い。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、非常点灯時間を長くした照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、光源と、商用電源からの電力供給により前記光源を点灯する点灯回路と、前記商用電源の電力を蓄電するバッテリ電源と、前記商用電源の電力供給が停止したときに、前記バッテリ電源の蓄電電力により前記光源を非常点灯する非常点灯回路と、を備えた照明装置において、圧電素子により生成した電力を蓄電する補助バッテリ電源を備え、前記光源の非常点灯中に、前記バッテリ電源及び前記補助バッテリ電源のそれぞれの蓄電電力を前記光源に供給して前記光源を点灯させることを特徴とする。
【0006】
上記構成において、トンネル設置型に構成され、前記圧電素子は、トンネル内の車両の走行に伴う風圧及び音圧、またはその他の振動力による圧力を受けて電力を生成してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、圧電素子により生成した電力を蓄電する補助バッテリ電源を備え、光源の非常点灯中に、バッテリ電源及び補助バッテリ電源のそれぞれの蓄電電力を光源に供給して光源を点灯させるため、補助バッテリ電源の蓄電電力により、光源の非常点灯時間を長くできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るトンネル照明器具の構成を示す回路図である。
【図2】点灯動作を示すフローチャートである。
【図3】充電停止動作を示すフローチャートである。
【図4】放電停止動作を示すフローチャートである。
【図5】電力補助供給動作を示すフローチャートである。
【図6】トンネル照明器具の外観構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の変形例に係るトンネル照明器具の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、照明装置として、トンネル内に設けられて街路面を照明するトンネル照明器具について例示する。
図1は、本実施の形態に係るトンネル照明器具の構成を示す回路図である。
トンネル照明器具100は、交流の商用電源1に接続され、この商用電源1から電力が供給されると共に、この商用電源1の稼動が停止した場合には、バッテリ電源16から電力が供給される。商用電源1には、電源装置10及び光源3が接続される。電源装置10は、2つの入力端子T1,T2を備えている。光源3は、1又は複数(本実施の形態では、6つ)のLED4を備えている。
【0010】
商用電源1の活性側は電源装置10の入力端子T1に接続され、商用電源1の接地側は電源装置10の入力端子T2へ接続される。なお、図1中、符号G1、G2は接地である。
電源装置10の入力端子T1,T2には、商用電源1の電源電圧からノイズを除去するとともに突入電流を抑制する入力回路11、ノイズが除去された電源電圧を直流電圧に整流して出力する整流平滑部12、直流電圧を4回路出力するスイッチング電源13が接続される。入力回路11と入力端子T1の間には、商用電源1からの過度の電流入力から回路を保護する保護回路としてのヒューズ71が介挿されている。
スイッチング電源13の出力側には、商用電源1からの電力を光源3に供給して光源3を点灯(常時点灯)する点灯回路14が接続されている。点灯回路14は、逆電流を防止するためのダイオード72を介して光源3に接続されるとともに、後述の非常点灯回路18の出力端に接続されている。
【0011】
また、スイッチング電源13の出力側には、スイッチング電源13から出力された直流電圧をバッテリ電源16に印加してバッテリ電源16を充電する充電回路17が接続される。充電回路17には、充電状態をモニタリングするために、LED73が設けられている。スイッチング電源13からの出力電圧がLED73の駆動閾値をこえている間、すなわち、バッテリ電源16が充電されている間、LED73が点灯し、充電が行われていることを報知する。充電回路17は、逆電流を防止するためのダイオード74を介してバッテリ電源16に接続される。
バッテリ電源16は、商用電源1から光源3への電力供給が停止したときに光源3を点灯させる電力を蓄電する。このバッテリ電源16には、例えばニッケル・カドミウムバッテリやニッケル水素バッテリ等が好適に用いられる。
【0012】
バッテリ電源16には、バッテリ電源16の電力を光源3に供給して光源3を点灯(非常点灯)する非常点灯回路18と、バッテリ電源16の電圧を検出(監視)するバッテリ電圧検出回路20とが接続されている。バッテリ電圧検出回路20は、バッテリ電源16の電圧が所定の過充電保護電圧以上になると、充電回路17を停止することにより、バッテリ電源16への電力の供給を停止する。この過充電保護電圧は、バッテリ電源16の種類に応じた満充電電圧よりも低い値に設定された電圧である。すなわち、バッテリ電圧検出回路20は、バッテリ電源16の過充電を防止する過充電防止手段として機能する。
【0013】
具体的には、バッテリ電圧検出回路20は、フォトカプラを構成するフォトダイオード23,24と、トランジスタ(スイッチ素子)25と、定電圧ダイオード26と、抵抗27〜29とを備えている。トランジスタ25のエミッタ端子はグランドに接続され、コレクタ端子はフォトダイオード23,24に接続され、ベース端子は定電圧ダイオード26に接続される。定電圧ダイオード26はバッテリ電源16に並列に接続される。
従って、バッテリ電源16の電圧が過充電保護電圧以上になり、定電圧ダイオード26に掛かる電圧がそのツェナー電圧を上回ると、トランジスタ25がオンになり、フォトダイオード23,24がオンとなる。フォトダイオード23がオンになると、バッテリ電圧検出回路20は、後述する接続回路60に信号を出力する。
また、フォトダイオード24がオンになると、バッテリ電圧検出回路20は、充電回路17に信号を出力して充電回路17を停止し、これにより、バッテリ電源16への電力の供給が停止される。
【0014】
電源装置10は、切替制御部19と、この切替制御部19の指示に基づいて、商用電源1とバッテリ電源16との間で選択的に電源を切り替える切替回路30とを備えている。切替制御部19は、整流平滑部12の出力側に接続され、当該整流平滑部12の出力電圧を監視し、この出力電圧に基づいて、切替回路30に電源の切り替えを指示する。より詳細には、整流平滑部12の出力電圧が所定値以上である間、切替制御部19は、切替回路30に信号を出力し、切替回路30を停止することで、切替回路30に電源として商用電源1を選択するよう指示する。一方、整流平滑部12の出力電圧が所定値を下回った場合、すなわち、商用電源1からの電力供給が停止等した場合、切替制御部19は、切替回路30への信号の出力を停止し、切替制御部19は切替回路30を作動することで、切替回路30に電源としてバッテリ電源16を選択するよう指示する。
【0015】
切替回路30は、切替制御部19からの信号出力の有無に応じて停止/作動するものであり、作動時に、非常点灯回路18を作動させて光源3を非常点灯する。また、切替回路30は、光源3の非常点灯によりバッテリ電源16の放電が進み、バッテリ電源16の電圧が所定の放電遮断電圧以下になると、停止する。これにより、非常点灯回路18が停止してバッテリ電源16の放電が停止する。放電遮断電圧は、バッテリ電源16が終止電圧を下回って放電する状態、いわゆる過放電状態に至るのを防止する電圧であり、終止電圧をより高い電圧値に設定されている。すなわち、切替回路30は、バッテリ電源16の過放電を防止する過放電防止手段として機能する。
【0016】
具体的には、切替回路30は、定電圧ダイオード31と、抵抗32と、サイリスタ33と、フォトカプラを構成するフォトトランジスタ34と、コンデンサ35と、を備えている。サイリスタ33のカソード端子はグランドに接続され、アノード端子は抵抗32を介して定電圧ダイオード31に接続され、ゲート端子はフォトトランジスタ34に接続される。コンデンサ35はバッテリ電源16に並列に接続される。
従って、商用電源1からの電力供給が停止して、切替制御部19からの切替回路30への信号の出力が停止すると、フォトトランジスタ34がオフとなるため、サイリスタ33のゲート端子に電圧が加わる。これにより、非常点灯回路18が作動してバッテリ電源16の電圧が光源3に加わり非常点灯する。
バッテリ電源16の電圧が過放電保護電圧以下になり、定電圧ダイオード31に掛かる電圧がそのツェナー電圧を下回ると、非常点灯回路18が停止する。これにより、バッテリ電源16から光源3への電力の供給が停止される。
【0017】
また、電源装置10は、一又は複数(本実施の形態では、1つ)の圧電素子5が生成した電力をバッテリ電源16、或いは、光源3及びバッテリ電源16に供給する機能を実現するための回路を備えている。この回路は、圧電素子5が出力した交流電圧を直流電圧に変換する変換回路40と、直流電圧を昇圧する昇圧回路50と、変換回路40と昇圧回路50とを接続する接続回路60とを備えて構成されている。
変換回路40は、4つのショットキーダイオードを備えたブリッジダイオード41と、電気二重層キャパシタ(補助バッテリ電源)42と、定電圧ダイオード43と、電解キャパシタ44とを備えている。圧電素子5はブリッジダイオード41の入力側に接続され、ブリッジダイオード41の出力側には、電気二重層キャパシタ42と、定電圧ダイオード43と、電解キャパシタ44とが並列に接続される。
【0018】
従って、圧電素子5が外部(例えば、トンネル内を走行する自動車や鉄道車両等)から音圧または風圧による圧力変動を受けて生成した交流電力は、ブリッジダイオード41によって直流電力に整流され、電気二重層キャパシタ42に蓄えられる。電気二重層キャパシタ42の蓄電が進み、定電圧ダイオード43により定められる閾値電圧(ツェナー電圧)を上回ると、電気二重層キャパシタ42の電圧が降下し、電気二重層キャパシタ42の過充電が防止される。
【0019】
昇圧回路50は、昇圧型DC−DCコンバータ51と、インダクタ52と、キャパシタ53,54と、電解キャパシタ55と、を備えている。昇圧型DC−DCコンバータ51は、インダクタ52を介して接続回路60に接続されるとともに、キャパシタ53を介してグランドに接続される。昇圧型DC−DCコンバータ51とバッテリ電源16との間には、キャパシタ54及び電解キャパシタ55が並列に設けられている。電解キャパシタ55は、逆電流を防止するためのダイオード75を介してバッテリ電源16に接続される。
【0020】
接続回路60は、バッテリ電圧検出回路20から出力される信号に応じて、変換回路40と昇圧回路50とを接続するものであり、トランジスタ(スイッチ素子)61と、抵抗62,63と、トランジスタ(スイッチ素子)64と、上記フォトダイオード23とともにフォトカプラを構成してバッテリ電圧検出回路20からの信号出力の有無に応じてオン/オフするフォトトランジスタ65と、抵抗66,67とを備えている。トランジスタ61のエミッタ端子は変換回路40に接続され、コレクタ端子は昇圧回路50に接続される。また、トランジスタ61のエミッタ端子は、抵抗62を介してベース端子に接続される。トランジスタ61のベース端子は、抵抗63を介してトランジスタ64のコレクタ端子に接続される。そして、トランジスタ64のエミッタ端子はグランドに接続され、ベース端子はフォトトランジスタ65を介してグランドに接続される。フォトトランジスタ65には抵抗67が並列に接続され、フォトトランジスタ65及び抵抗67は、抵抗66を介して変換回路40との接続端に接続される。
【0021】
従って、バッテリ電源16の電圧が所定電圧(過充電保護電圧)未満の間、すなわち、バッテリ電圧検出回路20からの信号出力が停止中の間は、フォトトランジスタ65がオフになり、トランジスタ64,61が共にオンになる。これにより、変換回路40と昇圧回路50とが接続され、電気二重層キャパシタ42に蓄電された電力がバッテリ電源16、或いは、光源3及びバッテリ電源16に供給される。すなわち、変換回路40及び昇圧回路50は、本実施の形態の補助電力供給部を構成している。
一方、バッテリ電源16の電圧が所定電圧(過充電保護電圧)以上となり、バッテリ電圧検出回路20から信号が出力されると、フォトトランジスタ65がオンになり、トランジスタ64,61が共にオフになる。これにより、変換回路40と昇圧回路50との接続が切断され、電気二重層キャパシタ42からバッテリ電源16、或いは、光源3及びバッテリ電源16への電力供給が停止する。
【0022】
図2は、点灯動作を示すフローチャートである。
トンネル照明器具100は、電源投入に伴って商用電源1から商用電力が入力されると(ステップS1)、この商用電力によりバッテリ電源16の充電を開始する(ステップS2)。電源投入後は、切替制御部19により商用電力の電圧が監視され、当該電圧に基づいて商用電源1が正常か否かが判定される(ステップS3)。
商用電源1が正常である場合(ステップS3:Yes)、トンネル照明器具100は、点灯回路14を介して光源3に電力を供給し、当該光源3を点灯させる(常時点灯)(ステップS4)。
一方、災害発生等で商用電源1の電力供給に異常が検出され、商用電源1が停電になると(ステップS3:No)、トンネル照明器具100は、切替回路30が光源3への電力供給を非常点灯回路18に切り替え、バッテリ電源16に蓄電された電力で光源3を点灯させる(非常点灯)(ステップS5)。
【0023】
図3は、充電停止動作を示すフローチャートである。
トンネル照明器具100は、電源投入に伴って商用電源1から商用電力が入力されると(ステップS21)、この商用電力によりバッテリ電源16の充電を開始する(ステップS22)。そして、バッテリ電圧検出回路20によりバッテリ電源16の電圧が監視され、当該電圧に基づいてバッテリ電源16が過充電か否かが判定される(ステップS23)。
バッテリ電圧検出回路20は、バッテリ電源16が過充電になるまで待機し(ステップS23:No)、バッテリ電源16が過充電になると(ステップS23:Yes)、充電回路17を停止し、バッテリ電源16の充電を停止する(ステップS24)。このように、バッテリ電源16の過充電を防止するため、バッテリ電源16の寿命が長くなり、バッテリ電源16のメンテナンス及びランニングコストが低減する。
【0024】
図4は、放電停止動作を示すフローチャートである。
商用電源1の電源が遮断され(停電)(ステップS31)、非常点灯回路18の動作によりバッテリ電源16の電力が光源3に供給されてバッテリ電源16の放電が開始すると(ステップS32)、切替回路30によりバッテリ電源16の電圧が監視され、当該電圧に基づいてバッテリ電源16が過放電か否かが判定される(ステップS33)。
切替回路30は、バッテリ電源16が過放電になるまで待機し(ステップS33:No)、バッテリ電源16が過放電になると(ステップS33:Yes)、非常点灯回路18を停止してバッテリ電源16の放電を停止する(ステップS34)。このように、バッテリ電源16の過放電を防止するため、バッテリ電源16の寿命が長くなり、バッテリ電源16のメンテナンス及びランニングコストが低減する。
【0025】
図5は、電力補助供給動作を示すフローチャートである。
まず、圧電素子5により発電が開始されると(ステップS41)、圧電素子5により生成された電力は電気二重層キャパシタ42に蓄電される(ステップS42)。
商用電源1が正常である場合(ステップS43:Yes)、かつ、バッテリ電源16が過充電である場合(ステップS44:Yes)、ステップS42の処理のように、圧電素子5により生成された電力は電気二重層キャパシタ42に蓄電される。
【0026】
バッテリ電源16が過充電でない場合には(ステップS44:No)、電気二重層キャパシタ42と昇圧回路50とが接続され、電気二重層キャパシタ42に蓄電された電力が昇圧されて補助的に供給されることとなる。このとき、商用電源1が正常であり、非常点灯回路18が停止されているため、電気二重層キャパシタ42に蓄電された電力はバッテリ電源16のみに供給され(ステップS45)、ステップS43の処理に戻り、商用電源1の電圧が引き続き監視される。
【0027】
一方、商用電源1が正常でない場合(ステップS43:No)、非常点灯回路18が作動しているため、電気二重層キャパシタ42に蓄電された電力は光源3及びバッテリ電源16に供給される(ステップS46)。
また、上述したように、バッテリ電源16の電圧は切替回路30により監視されており(ステップ47)、バッテリ電源16が過放電でない場合(ステップS47:No)、ステップS43の処理に戻り、商用電源1の電圧が引き続き監視される。
バッテリ電源16が過放電になると(ステップS47:Yes)、非常点灯回路18が停止されるため、ステップS45の処理のように、電気二重層キャパシタ42に蓄電された電力はバッテリ電源16のみに供給される。
【0028】
このように、光源3をバッテリ電源16の電力により非常点灯する場合、電気二重層キャパシタ42の蓄電電力も光源3に供給されるため、電気二重層キャパシタ42の蓄電電力を光源3に供給しない場合に比べ、光源3の非常点灯時間を長くできる。また、電気二重層キャパシタ42の蓄電電力は、バッテリ電源16の電圧が過充電保護電圧以上の場合には放電されないため、バッテリ電源16の過充電を確実に防止できる。すなわち、光源3の非常点灯時には、バッテリ電源16の電圧が過充電保護電圧未満となってから、電気二重層キャパシタ42の蓄電電力が光源3及びバッテリ電源16に供給され、電気二重層キャパシタ42から光源3への電力の供給は、バッテリ電源16の電圧が放電遮断電圧に至るまで継続されることとなる。
【0029】
しかも、変換回路40(電気二重層キャパシタ42)を、接続回路60を介して昇圧回路50に接続したため、バッテリ電源16の電圧が過充電保護電圧以上の場合に、変換回路40と昇圧回路50との接続を切断することで、昇圧回路50の消費電力を節約できる。
【0030】
図6は、トンネル照明器具100の外観構成の一例を示す図である。
トンネル照明器具100は、車両(例えば、自動車や鉄道車両等)が走行するトンネル6の壁面6Aに取り付けられるものであり、光源3と電源装置10を収納する筐体80を備えている。筐体80は、前面が開口した器具本体81と、この器具本体81の前面に開閉自在に取り付けられる蓋体82とを備えて薄い箱型に構成されている。蓋体82の前面には略矩形にくり貫かれてなる窓枠82Aが形成され、その窓枠82Aには透光性のカバーガラスとしての平板状のフラットガラス83が嵌め込まれている。器具本体81には、蓋体82と接触する箇所(開口縁)に、防水用のゴムパッキン(不図示)が設けられ、内部への水等の浸入を防止する構成となっている。
【0031】
ところで、密閉された筐体内に、ランプ及びバッテリ電源を収納する従来の構成において、ランプを点灯するとともにバッテリ電源を充電すると、密閉された筐体内の温度が上昇し、その結果、電力消費が増大するとともに、熱の影響によりバッテリ電源の性能が低下するという問題がある。
本実施の形態では、光源3が消費電力の少ないLED4(図1)を備えるため、光源3の点灯とバッテリ電源16の充電を並行して行っても、筐体内の温度が過度に上昇することを防止できる。また、LED4を用いることで、寿命が長くなるため、光源3のメンテナンス及びランニングコストを抑えることができる。また、光源3は、寿命(光源3の光量がトンネル用照明装置に適合する所定値以下)となっても不点灯とならないので、商用電源1の停電時に暗闇となることを防止できる。さらに、ランプを光源とし、ランプを覆う反射板を備えた従来の防犯灯に比べて、小型・軽量化が可能になる。
【0032】
筐体80の背面には振動力発電装置5A(圧電素子5)が取り付けられており、筐体80は振動力発電装置5Aを介してトンネル6の壁面6Aに固定されている。したがって、筐体80が、トンネル6内の車両の走行に伴う風圧を受けることにより、振動力発電装置5Aが発電する。
また、筐体80の下部には、トンネル6内の車両の走行に伴う音を電力に変換する音力発電装置5B(圧電素子5)が取り付けられている。
これら振動力発電装置5A及び音力発電装置5Bが生成した電力が電気二重層キャパシタ42(図1)に蓄電され、この蓄電電力が光源3、或いは、光源3及びバッテリ電源16に補助的に供給されることとなる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態によれば、圧電素子5により生成した電力を蓄電する電気二重層キャパシタ42を備え、光源3の非常点灯中に、バッテリ電源16及び電気二重層キャパシタ42のそれぞれの蓄電電力を光源3に供給して光源3を点灯させる構成とした。このため、電気二重層キャパシタ42の蓄電電力により、光源3の非常点灯時間を長くできる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、トンネル設置型に構成され、圧電素子5は、トンネル6内の車両の走行に伴う風圧及び音圧、またはその他の振動力による圧力を受けて電力を生成する構成とした。このため、車両の走行に伴う風圧及び音圧を変換して生成された電力により、光源3の非常点灯時間を長くできる。
【0035】
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、複数の圧電素子5を備える場合、複数の圧電素子5に一のブリッジダイオード41、電気二重層キャパシタ42、昇圧型DC−DCコンバータ51等を接続する構成としていたが、図7に示すように、各圧電素子5にブリッジダイオード41、電気二重層キャパシタ42、昇圧型DC−DCコンバータ51等を接続してもよい。
【0036】
また、上記実施の形態では、補助バッテリ電源を電気二重層キャパシタとして説明したが、補助バッテリ電源は、これに限定されず、例えばバッテリ等のその他の蓄電体であってもよい。
また、上記実施の形態では、照明装置としてトンネル照明器具を例示したが、本発明は、これに限らず、各種の照明装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 商用電源
3 光源
5 圧電素子
13 点灯回路
16 バッテリ電源
18 非常点灯回路
42 電気二重層キャパシタ(補助バッテリ電源)
50 昇圧回路(補助電力供給部)
60 接続回路(補助電力供給部)
100 トンネル照明器具(照明装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
商用電源からの電力供給により前記光源を点灯する点灯回路と、
前記商用電源の電力を蓄電するバッテリ電源と、
前記商用電源の電力供給が停止したときに、前記バッテリ電源の蓄電電力により前記光源を非常点灯する非常点灯回路と、を備えた照明装置において、
圧電素子により生成した電力を蓄電する補助バッテリ電源を備え、
前記光源の非常点灯中に、前記バッテリ電源及び前記補助バッテリ電源のそれぞれの蓄電電力を前記光源に供給して前記光源を点灯させることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
トンネル設置型に構成され、
前記圧電素子は、トンネル内の車両の走行に伴う風圧及び音圧、またはその他の振動力による圧力を受けて電力を生成することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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