説明

照明装置

【課題】什器回りの間接照明を実現しつつも、什器利用者に重苦しい感じを与えず、見栄えのよい照明装置を提供する。
【解決手段】テーブル200の上方に照明支柱201により支持されている照明取付部材6と、照明取付部材から上方に伸びるリフレクタ支持体51と、下面が反射面7aを成すリフレクタ8と、リフレクタをリフレクタ支持体に接続する接続部材60と、を備える。リフレクタ8は、反射面7aが外縁部の側から内側部の側に向かうに連れて徐々に下方に突出し、内側部にはリフレクタ支持体51の上部が挿通される挿通孔8aが形成されている。接続部材60は、一部がリフレクタの背面7bに取り付けられ、他の一部がリフレクタの挿通孔8aに挿通されたリフレクタ支持体51の上部に取り付けられ、照明取付部6から上方に離間した位置にリフレクタ6をリフレクタ支持体51に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器の上方に配置される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
机やテーブル等、天板を有する什器の上方に配置される照明装置としては、例えば、以下の特許文献1,2に記載されているものがある。
【0003】
特許文献1に記載の照明装置は、テーブルの横幅方向の両端部にそれぞれ立設されている40〜60cm程度の高さの支柱と、左右の支柱の上端に渡されているリフレクタと、各支柱に渡されてリフレクタの下側に配置されている照明取付具と、を有している。照明取付具の上部には、横幅方向に伸びる照明灯が取り付けられる。リフレクタには、テーブルに対向し、このテーブルに平行で平坦な反射面が形成されている。
【0004】
この照明装置では、照明灯からの光が、この照明灯の上方に配置されているリフレクタの平坦な反射面で反射され、テーブルの天板を照らす。すなわち、この照明装置は、天板の間接照明に利用される。
【0005】
特許文献2に記載の照明装置は、机の天板の後縁に接するよう配置されている180〜240cm程度の高さの仕切り壁と、仕切り壁の上部壁面に取り付けられている照明取付具と、仕切り壁の上部壁面に取り付けられ、照明取付具に取り付けられた照明灯の下方に配置されている第一リフレクタと、仕切り壁の上端面に取り付けられている第二リフレクタと、を有している。仕切り壁、照明取付具、第一リフレクタ、第二リフレクタは、いずれも、仕切り壁に沿って天板の横幅方向に伸びている。第一リフレクタには、仕切板の壁面に対して斜め下方に遠ざかる向きに凹む凹面形状の反射面が形成されている。また、第二リフレクタには、仕切り壁の壁面に対して斜め上方に近づく向きに凹む凹面形状の反射面が形成されている。この第二リフレクタは、その下端部がネジ等により仕切壁の上端面に固定されている。
【0006】
この照明装置では、第一リフレクタで反射されて、斜め上方に向かい、その後、第二リフレクタで反射されて斜め下方に向かって、机の天板を含む机回りを照らす。すなわち、この照明装置は、什器回りの間接照明に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−061563号公報
【特許文献2】特許第3940025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、什器回りの間接照明に利用される特許文献2に記載の照明装置では、照明取付具、第一リフレクタ及び第二リフレクタが、いずれも、仕切り壁の上部に取り付けられており、これらを支持する仕切り壁の剛性を確保するために、さらに、第二リフレクタをネジ等で仕切り壁の上端面に固定するために、仕切り壁の前後方向の幅が所定以上必要になり、第二リフレクタを支持する部材(仕切り壁)で、第二リフレクタの下端が接する部分が重厚になってしまう。
【0009】
しかも、特許文献2に記載の照明装置では、第二リフレクタを支持する部材(仕切り壁)の高さが比較的に高いため、比較的高い位置に重厚感が出てしまい、什器利用者に重苦しい感じを与えてしまうことがある。一方、特許文献1に記載の照明装置では、天板からの支柱の高さがあまり高くないため、支柱の上部にリフレクタ及び照明取付具を設けても、什器利用者に重苦しい感じを与えることはないものの、什器回りを間接照明できない。
【0010】
すなわち、従来技術では、什器回りを間接照明する場合、什器利用者に重苦しい感じを与えてしまうことがある、という問題点がある。
【0011】
そこで、本発明は、什器回りの間接照明を実現しつつも、什器利用者に重苦しい感じを与えず、見栄えのよい照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記問題点を解決するための発明に係る照明装置は、
照明灯が取り付けられ、什器の天板の上方に照明支持部材により支持されている照明取付部材と、
前記照明取付部材に支えられ、該照明取付部材から上方に伸びるリフレクタ支持部材と、
一方の面に反射面が形成され、該反射面が下方を向くよう配置されているリフレクタと、
前記リフレクタを前記リフレクタ支持部材に接続する接続部材と、を備え、
前記照明取付部材には、該照明取付部材に取り付けられた前記照明灯からの光を上方に導く開口が形成され、
前記リフレクタは、前記反射面が外縁部の側から内側部の側に向かうに連れて徐々に下方に突出し、該リフレクタの他方の面である背面が外縁部の側から内側部の側に向かうに連れて徐々に下方に凹んだ曲げ形状部を有し、該内側部には、該反射面から該背面へ前記リフレクタ支持部材の上部が挿通される挿通孔が形成され、
前記接続部材は、一部が前記リフレクタの背面に取り付けられ、他の一部が前記リフレクタの挿通孔に挿通された前記リフレクタ支持部の前記上部に取り付けられ、前記照明取付部から上方に離間した位置に該リフレクタを該リフレクタ支持部材に接続する、ことを特徴とする。
【0013】
当該照明装置では、照明取付部材に取り付けられた照明灯からの光が、この照明取付部材の開口から上方に向かい、照明取付部材の上方に配置されているリフレクタの反射面に至る。このリフレクタの反射面は、外縁部の側から内側部の側に向かうに連れて徐々に下方に突出しているので、反射面に至った光は、光の反射位置に応じて反射方向が変わり、拡散される。このため、什器の天板を含む什器回りが照らされる。
【0014】
また、当該照明装置では、照明取付部材に支えられているリフレクタ支持部材が、照明取付部材に対して上方に離間した位置でリフレクタを支持しているので、リフレクタを比較的高い位置に配置することになる一方で、照明取付部材を比較的に低い位置に配置することができる。また、リフレクタ支持部材は、リフレクタ及び接続部材の他に、照明取付部材や照明灯までも支える剛性を確保する必要がなく、このリフレクタ支持部材を重厚に作らなくてもよい。その上、当該照明装置では、リフレクタ支持部材の上端部とリフレクタの背面とを接続部材で接続して、リフレクタを支えているので、前述した特許文献2に記載の照明装置のように、リフレクタ支持部材の上端でリフレクタの下からこのリフレクタを支える場合よりも、リフレクタ支持部材中で、下方から見えるリフレクタとの接触部分の断面積を、小さくすることができる。よって、当該照明装置によれば、照明装置における上方部分の重厚感を軽減することができる。
【0015】
このため、当該照明装置によれば、什器の利用者に対して、重苦しさを与えることはない。
【0016】
また、当該照明装置では、リフレクタ支持部材の上部をリフレクタの挿通孔に挿通させ、このリフレクタ支持部材の上部とリフレクタの背面とを接続部材で接続しているので、リフレクタ支持部材とリフレクタとの接続構造を下方から見ることができない。よって、当該照明装置では、見栄えを良くすることができる。
【0017】
ここで、前記照明装置において、
前記リフレクタは、板材を曲げ加工して形成され、
前記接続部材は、前記リフレクタの前記背面の面形状に合った形状に加工されていると共に、前記リフレクタ支持部材の前記上部が挿通されるサポート板挿通孔が形成され、該サポート板挿通孔が前記リフレクタの挿通孔と連通するよう該背面に接合されている変形サポート板と、該変形サポート板と前記リフレクタ支持部材の前記上部とを連結する連結部材と、有していてもよい。
【0018】
当該照明装置では、板材を曲げ加工してリフレクタを形成しているので、リフレクタの軽量化、及びこれに伴うリフレクタ支持部材の軽量化を図ることができる。
【0019】
また、前記照明装置において、
前記リフレクタは、該リフレクタの前記反射面が、前記天板の前縁から後縁に向かう奥行き方向の両外縁部の側から、該奥行き方向の内側部の側に向かうに連れて徐々に下方に突出する前記曲げ形状部を有し、
前記変形サポート板は、前記奥行き方向に伸び、該奥行き方向の中央部に前記サポート板挿通孔が形成され、該奥行き方向の一方の端部から他方の端部にかけて前記リフレクタの前記背面に接合されている接合部と、前記接合部の両端部から立ち上がっている立設部と、各立設部から前記奥行き方向における前記内側部の側に向かって折り返されている折返し部と、を有し、
前記連結部材は、前記奥行き方向に伸びている連結板を有し、
前記連結板の前記奥行き方向の両端部と前記変形サポート板の各折返し部とが接続され、該連結板の該奥行き方向の中央部と、前記リフレクタの前記挿通孔及び前記変形サポート板の前記サポート板挿通孔に挿通された前記リフレクタ支持部材の前記上部中の上端部とが接続合されていてもよい。
【0020】
また、前記照明装置において、
前記変形サポート板の前記各折返し部と、前記連結板の前記両端部とのうちの一方に、前記奥行き方向に長い貫通孔、又は該奥行き方向に並んでいる複数の貫通孔が形成され、
前記連結部材は、前記変形サポート板の前記各折返し部と前記連結板の前記両端部とのうちの前記一方の前記貫通孔に貫通して、他方を該一方に接続する接続具を有してもよい。
【0021】
当該照明装置では、変形サポート板の各折返し部と、連結板の両端部とのうちの一方に形成された奥行き方向に長い貫通孔、又は奥行き方向に並んでいる複数の貫通孔に対して、一方と他方とを接続する接続具の挿通位置を調整することで、変形サポート板の一対の折返し部間の距離が調節される。この結果、当該照明装置では、変形サポート板が接合されているリフレクタの曲がり量を変えることができる。
【0022】
また、前記照明装置において、
前記リフレクタの前記挿通孔に挿通された前記リフレクタ支持部材の上部中の最上端の位置は、該リフレクタの最上位置の部分よりも低くてもよい。
【0023】
当該照明装置では、リフレクタの背面とリフレクタ支持部材の最上端との間に配置される接続部材が、リフレクタの存在により、下方からのみならず、奥行き方向からも見えなくなる。よって、当該照明装置では、より見栄えを良くすることができる。
【0024】
また、前記照明装置において、
前記照明取付部材は、前記天板の横幅方向に伸び、上方に前記照明灯が取付可能な主板部と、該主板部の前記奥行き方向における両縁から上下に突出する一対の側板部とを有し、該一対の側板部の各上縁の相互間が前記開口を成し、
前記リフレクタ支持部材は、前記照明取付部材の前記一対の側板部の内面にそれぞれ当接する当接部と、各当接部がそれぞれ当接する該内面に向かって、各当接部を付勢する付勢部と、を有し、
前記照明取付部材の前記一対の側板部には、前記各当接部に接して、該各当接部の下方への相対移動を規制する係止部が形成されていてもよい。
【0025】
当該照明装置では、リフレクタ支持部材の一対の当接部を、照明取付部材の一対の側面部に接触させると共に、一対の係止部に接触させることで、リフレクタ支持部材を照明取付部材に取り付けることができる。さらに、リフレクタ支持部材の一対の当接部を付勢部による付勢力に抗して、互いに接近する方向に移動させることで、工具等を用いることなく、簡単に、照明取付部材からリフレクタ支持部材を外すことができる。
【0026】
また、前記照明装置において、
前記照明取付部材の前記一対の側板部、及び該一対の側板部の前記係止部は、前記横幅方向に伸びていてもよい。
【0027】
当該照明装置では、照明取付部材に対してリフレクタ支持体を横幅方向にスライドさせることができる。このため、当該照明装置によれば、横幅方向におけるリフレクタの位置を簡単に変えることができる。
【0028】
また、前記照明装置において、
前記リフレクタ支持部材は、前記照明取付部材の前記一対の側板部の内面にそれぞれ当接した前記当接部が、互いに接近する向きへ移動するのを防止する移動防止部材を有していてもよい。
【0029】
当該照明装置では、リフレクタ支持部材の一対の当接部が、照明取付部材の一対の側面部に接している状態を維持することができるので、リフレクタ支持部材が照明取付部材から外れるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、什器回りの間接照明を実現しつつも、什器利用者に重苦しい感じを与えず、見栄えをよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る一実施形態における照明装置の全体斜視図である。
【図2】本発明に係る一実施形態における照明装置の要部切欠斜視図である。
【図3】図2中のIII−III線断面図である。
【図4】図2中のIV−IV線での照明取付部材の断面図である。
【図5】図4中のV−V線断面図である。
【図6】本発明に係る一実施形態における照明装置に取付け可能な照明灯の斜視図である。
【図7】図2中のIII−III線での照明取付部材の断面図である。
【図8】本発明に係る一実施形態におけるリフレクタ支持体の斜視図である。
【図9】本発明に係る一実施形態における接続部材の分解斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態における照明装置の第一変形例の断面図である。
【図11】本発明の一実施形態における照明装置の第二変形例の断面図である。
【図12】本発明の一実施形態における接続部材の変形例の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る照明装置の一実施形態及びその変形例について説明する。
【0033】
「実施形態」
まず、本発明に係る照明装置の一実施形態について、図1〜図9を参照しながら説明する。
【0034】
図1に示すように、本実施形態の照明装置1は、テーブル(什器)200の上方となる位置に延設されている。この照明装置1は、照明灯3を取付可能な照明取付部材6と、この照明取付部材6に接続され、この照明取付部材6に対向配置される反射面7aを有する反射機構9と、を備えている。
【0035】
テーブル200は、平面視矩形状の天板200aと、この天板200aを支える脚200bと、天板200aから上方に向けて延在する複数の照明支柱201と、を備えている。なお、以下の説明の都合上、天板200aで、テーブル200を利用している利用者に対向し、この利用者に最も近い側の縁を前縁とし、この利用者に最も遠い側の縁を後縁とする。また、前縁から後縁に向かう方向を奥行き方向Yとし、この奥行き方向Y及び上下方向Zに垂直な方向を横幅方向Xとする。
【0036】
本実施形態において、複数の照明支柱201は、横幅方向Xに並んでいる。また、照明取付部材6が延設される延設方向は、この横幅方向Xである。また、本実施形態において、複数の照明取付部材6が、横幅方向Xに直線的に並んでいる。複数の照明取付部材6は、連結キャップ80により、相互に連結されている。また、照明取付部材6の横幅方向Xの端部で、他の照明取付部6と連結キャップ80を介して連結されていない端部には、エンドキャップ81が取り付けられている。
【0037】
テーブル200の照明支柱201には、図5に示すように、上下方向Zに延びる配線空間202が形成されている。照明支柱201は、上下方向Zに延びる配線溝203が形成されている支柱本体204と、支柱本体204の配線溝203の開口に着脱可能に装着される配線カバー205と、を備えている。なお、上記配線空間202は、支柱本体204の配線溝203と、配線カバー205により囲まれた空間である。支柱本体204は、上下方向Zに断面視して奥行き方向Yに長い楕円形状を成しており、配線溝203は、支柱本体204の側面で、横幅方向Xを向く側面に上下方向Zの全長に渡って形成されている。
【0038】
図4及び図5に示すように、支柱本体204の上端部には、上下方向Zに延びるねじ孔207が形成されている。本実施形態では、ねじ孔207は、楕円形状断面の支柱本体204において、長径方向の両側端側に対を成して設けられている。配線カバー205の上端は、開口しており、この開口が照明取付部材6の内部空間17と連通する配線窓205aを形成している。
【0039】
照明取付部材6は、図4に示すように、上方に照明灯が取付可能な主板部4と、主板部4の奥行き方向Yの両縁から上下方向Hに突出する一対の側板部5と、を有している。主板部4は、テーブルの天板と平行で上面側に照明灯を取付け可能な板本体20と、この板本体20の上面に接触配置されている補強板21と、を有している。板本体20の横幅方向Xの長さは、照明取付部材6の横幅方向Xの長さと一致している。一方、補強板21は、この板本体20の横幅方向Xの全体に渡っては存在せず、照明支柱201が存在する部分及びその近傍にのみ存在する。この主板部4中、板本体20と補強板21とが重なり合っている部分であって、奥行き方向Yの中央部が、照明支柱201に固定される固定部分20aである。
【0040】
板本体20の固定部分20aの下面には、下方に向けて突出すると共に下端面が照明支柱201の上端面に当接するリブ20bが形成されている。本実施形態では、リブ20bは、奥行き方向Yに間隔をあけて2つ形成されている。さらに、この固定部分20aの下面には、照明支柱201の上端部の側面に当接する上補助片23が、下方に向けて延設されている。上補助片23は、照明支柱201の上端部の側面に両側板部5側、つまり奥行き方向Yの外側から当接するように一対設けられている。
【0041】
また、板本体20の側端部20cの上面には、後述する補強板21の基片25の外側縁に近接するガイド突条24が上方に向かって突設されている。このガイド突条24は、横幅方向Xに沿って板本体20の全長に渡って延びている。
【0042】
補強板21は、板本体20の固定部分20aおよび側端部20c上に配置された基片25と、基片25の外側縁に立設された起立片27とを備えており、一枚の板部材で一体形成されている。基片25には、図示しない第1貫通孔が横幅方向Xに間隔をあけて形成され、板本体20の側端部20cには、上下両方向に開口する第1雌ねじ(不図示)が横幅方向Xに間隔をあけて形成されている。そして、補強板21は、第1貫通孔に上側から差し込まれると共に、第1雌ねじに螺着された第1ねじ(不図示)によって、板本体20の上面に固定されている。
【0043】
さらに、補強板21の基片25及び板本体20の固定部分20aには、それぞれ、奥行き方向Yに間隔をあけて2つの第2貫通孔30,31が形成されている。そして、これらの第2貫通孔30,31には、主板部4を照明支柱201の上端面に固定する第2ねじ29が上側から差し込まれている。第2ねじ29の軸部29bは、照明支柱201のねじ孔207に螺着され、これにより、主板部4は、第2ねじ29の頭部29aと照明支柱201の上端面との間で挟持され、照明支柱201の上端面に固定される。
【0044】
一対の側板部5は、それぞれの下端部が照明支柱201の上端部の側面に当接することで照明支柱201に外嵌するとともに、それぞれの下端から主板部4との連結部分5aに向かうに従い互いに離間している。一対の側板部5の横幅方向Xの長さは、主板部4の板本体20と同様、照明取付部材6の横幅方向Xの長さと一致している。また、一対の側板部5は、連結部分5aから上下両端に向かうに従い互いに近接するように湾曲形成されており、それぞれの曲率中心が共通とされた円弧形状を成している。
【0045】
側板部5の下端には、照明支柱201の上端部の側面に当接する下補助片32が上方に向けて延設されている。下補助片32は、各側板部5にそれぞれの全長に渡って設けられている。
【0046】
側板部5において、連結部分5aよりも上側に位置する部分の内面5bには、先端部が補強板21の起立片27の上端に近接するガイド片33が突設されている。ガイド片33は、板本体20と平行に延びるとともに先端部が下方に向かうように屈曲されている。一対の側板部5の内面5bであってガイド片33の上方には、円弧状に湾曲形成された係止部34がそれぞれ設けられている。一対の係止部34は、自身の上部に開口34aを形成するとともに、横幅方向Xに延設されている。
【0047】
図6に示すように、照明灯3は、横幅方向Xに長い棒状を成している。照明灯3は、奥行き方向Yに2つ並べられ、コ字ブラケット37により両側から挟むようにして固定されている。
【0048】
図6及び図7に示すように、コ字ブラケット37は、上面に両照明灯3が配置された主面部38と、主面部38の両側端縁から上方に向けて延在して両照明灯3を奥行き方向Yに挟み込む一対の側面部39と、を備えている。主面部38には、奥行き方向Yの両側部分に、上下方向Zに貫通する挿通孔38aが形成されている。
【0049】
図7に示すように、板本体20には、その奥行き方向Yの中央部に、上下に連通する連通路22が形成されていると共に、この連通路22を基準として奥行き方向Yの両側に、第3貫通孔42が形成されている。この第3貫通孔は、横幅方向Xに間隔をあけて複数形成されている。
【0050】
板本体20の下面側には、横幅方向Xに延在するL字ブラケット43が、奥行き方向Yに2つ並べて配設されている。L字ブラケット43における板本体20の下面に当接する面には、上下方向Zに貫通する挿通孔43aが形成されている。
【0051】
そして、前述のコ字ブラケット37の主面部38に形成された挿通孔38a、板本体20の第3貫通孔42、及び板本体20の下面側に取り付けられたL字ブラケット43の挿通孔43aに、第3ねじ44の軸部が挿通され、この軸部がL字ブラケット43の下面側に配設されたナット45に螺着されている。これにより、コ字ブラケット37の主面部38、板本体20の側端部20cおよびL字ブラケット43が、第3ねじ44の頭部とナット45との間に上下方向Zに挟持され、主板部4の上面に照明灯3が取り付けられることとなる。
【0052】
なお、コ字ブラケット37、L字ブラケット43、コ字ブラケット37に取り付けられる照明灯3は、横幅方向Xにおいて、主板部4の補強板21(図4参照)が存在する位置、つまり、照明支柱21が存在する部分及びその近傍を避けた位置に配置されている。
【0053】
以上のように構成された照明取付部材6は、例えば、アルミニウムの押出し成形により一体形成されている。
【0054】
図4を用いて前述したように、一対の側板部5の下端には、それぞれ下補助片32が設けられている。一対の下補助片32の相互間は、開口している。この開口中、横幅方向Xで照明支柱201が存在する部分は、この照明支柱201で塞がれている。また、この開口中、横幅方向Xで照明支柱201が存在しない部分は、図7に示すように、カバー体47で塞がれている。
【0055】
カバー体47は、一対の下補助片32の相互間の開口を閉塞する略板状の閉塞板部48と、閉塞板部48の両側端縁から立設されるとともに下補助片32間に嵌合された一対の嵌合片部49とを備えている。閉塞板部48は、両嵌合片部49間で湾曲形成されており、照明取付部材6に装着された状態での曲率中心が、側板部5の曲率中心と共通となっている。そして閉塞板部48の外面は、このカバー体40が照明取付部材6に装着された状態で、一対の側板部5の下端に滑らかに連なる。
【0056】
照明取付部材6内には、コ字ブラケット37に取り付けられた照明灯3に電力を供給する給電装置(不図示)が設けられている。この給電装置には、照明支柱201の配線空間202(図4)や板本体20の連通路22等に通された配線が接続されている。
【0057】
反射機構9は、図2及び図3に示すように、照明取付部材6に支えられている。この反射機構9は、この照明取付部材6から上方に伸びる2つのリフレクタ支持体51と、照明灯3からの光の反射面7aが形成されているリフレクタ8と、リフレクタ8を2つのリフレクタ支持体51に接続する2つの接続部材60と、を備えている。
【0058】
リフレクタ8は、矩形状の平板を、その短手方向の中間部が突出するよう、湾曲加工して形成されている。リフレクタ8で、突出する側の面が前述の反射面7aを成し、この反射面7aに対向する面が背面7bを成す。このリフレクタ8は、反射面7aが下を向き、その長辺が横幅方向Xを向き、その短辺が奥行き方向Yを向くよう配置される。
【0059】
リフレクタ8の奥行き方向Yの中央部には、上下方向Zに貫通する挿通孔8aが奥行き方向Yに間隔をあけて一対形成されている。リフレクタ8には、一対の挿通孔8aが横幅方向Xに所定距離離間して2組、すなわち、全部で4つの挿通孔8aが形成されている。
【0060】
リフレクタ支持体51は、図3及び図8に示すように、互いに対向する一対の支持杆52と、一対の支持杆52を連結する連結杆59とを有している。一対の支持杆52は、奥行き方向Yに並び、連結杆59は、奥行き方向Yに伸びている。支持杆52は、上下方向Zに伸びる上支持杆部56と、上支持杆部56の下端から下方に向かうに従って他方の支持杆52から遠ざかる方向に伸びる下支持杆部57と、下支持杆57の下端から横幅方向Xの一方に延びる当接部58とを有している。
【0061】
上支持杆部56には、その上端部に雄ねじ56aが形成され、その下端部であって、他方の上支持杆部56側に、溝56bが形成されている。
【0062】
連結杆59は、一対の支持杆52の各上支持杆部56が互いに平行で、互いの相互間隔がリフレクタ8の一対の挿通孔8aの間隔と同じ間隔になるよう、各上支持杆部56の上下方向Zのほぼ中間部を連結している。
【0063】
各支持杆52は、いずれも、中実または中空の棒状部材を折り曲げることにより形成されている。また、各支持杆52及び連結杆59は、いずれも、弾性を有する鉄等で形成され、支持杆52と連結杆59とは、溶接等で接合されている。
【0064】
本実施形態では、一対の上支持杆部56で連結杆59から下の部分、及び一対の下支持杆部57を弾性変形させることで、一対の当接部58の相互間隔を変えることができる。なお、ここでは、一対の上支持杆部56で連結杆59から下の部分、及び一対の下支持杆部57を付勢部53とし、この付勢部53を弾性変形させていない自然状態では、一対の当接部58の相互間隔がL2であるとする。
【0065】
接続部材60は、図3及び図9に示すように、奥行き方向Yに伸び、リフレクタ8の背面7bの面形状に合った形状に加工されている変形サポート板61と、奥行き方向Yに伸び、変形サポート板61とリフレクタ支持体51の上部とを連結する連結板65と、変形サポート板61と連結板65とを接続する接続具としての第4ねじ66と、連結板65をリフレクタ支持体51の上端部に固定するための第1ナット68及び第2ナット69と、を有している。
【0066】
変形サポート板61は、奥行き方向Yに伸び、リフレクタ8の背面7bの形状に沿うように奥行き方向Yの中央部が下方に突出する形状に湾曲加工された接合部62と、この接合部62の両端部のそれぞれから上方に立ち上がっている立設部63と、各立設部63から他方の立設部63に向かって伸びている折返し部64と、を有している。この変形サポート板61の接合部62には、その奥行き方向Yの中央部に、奥行き方向Yに並び、相互間隔がリフレクタ8の一対の挿通孔8aの相互間隔と同じ一対の挿通孔62aが形成されている。また、各折返し部64には、上下方向Zに貫通し、奥行き方向Yに長い長孔64aが形成されている。
【0067】
この変形サポート板61の接合部62は、この接合部62の挿通孔62aとリフレクタ8の挿通孔8aとが連通するよう、リフレクタ8の背面7bに、接着剤で接合されている。このように、変形サポート板61は、リフレクタ8と一体的になることで、リフレクタ8の湾曲状態の維持強化の役目を担っている。なお、ここでは、変形サポート板61とリフレクタ8とを接着剤で接合しているが、溶接で接合してもよい。但し、溶接の場合、リフレクタ8の反射面7aが熱変形するおそれがあるため、リフレクタ8に対する入熱量をできる限り少なくすることが好ましい。
【0068】
連結板65は、その奥行き方向Yの長さが変形サポート板61の奥行き方向Yの長さとほぼ同じである。この連結板65の奥行き方向Yの中央部に、奥行き方向Yに並び、相互間隔がリフレクタ8の一対の挿通孔8aの相互間隔と同じ一対の挿通孔65bが形成されている。また、連結板65の奥行き方向Yの両端部には、それぞれねじ孔65aが形成されている。
【0069】
変形サポート板61の挿通孔62a及び連結板65の挿通孔65bは、いずれも、リフレクタ支持体51の支持杆52を挿通させることができる孔径になっている。また、変形サポート板61の長孔64aは、第4ねじ66の軸部を挿通させることができる孔径になっている。また、連結板65のねじ孔65aには、第4ねじ66が螺合可能な雌ねじが形成されている。第一ナット68及び第二ナット69には、支持杆52の上端部に形成されている雄ねじ56aに螺合可能な雌ねじが形成されている。
【0070】
変形サポート板61及び連結板65、さらに前述のリフレクタ8は、いずれも、例えば、アルミニウムの板材で形成されている。
【0071】
反射機構9は、図3及び図8に示すように、さらに、リフレクタ支持体51の一対の当接部58が、それぞれ他方の当接部58に接近する向きへ移動するのを防止するストッパー(移動防止部材)70を有している。このストッパー70は、奥行き方向Yの伸び、その両端部に、リフレクタ支持体51の溝部56bに係合する凹部70aが形成されている。このストッパー70は、例えば、樹脂で形成されている。
【0072】
次に、以上で説明した反射機構9の組立て手順、及びこの反射機構8の照明取付部6への取付手順について説明する。
【0073】
まず、接続部材60により、リフレクタ8をリフレクタ支持体51に接続する。具体的には、まず、リフレクタ8の挿通孔8a、及びこの挿通孔8aに連通している変形サポート板61の挿通孔62aに、リフレクタ支持体51の一対の支持杆52の上部を挿通させる。この際、支持杆52の上部とリフレクタ8の挿通孔8aとの間に、リング状のブッシュ71を介在させる。このブッシュ71は、例えば、シリコンゴムで形成されている。なお、このブッシュ71は、リフレクタ8の挿通孔8aに沿って、予め設けておいてもよい。
【0074】
次に、リフレクタ8の挿通孔8a及び変形サポート板61の挿通孔62aに挿通した支持杆52の雄ねじ56aに、第2ナット69を螺合させる。続いて、連結板65の挿通孔65bに、支持杆52の雄ねじ56aを挿通させてから、この雄ねじ56aに第1ナット68を螺合させて、第1ナット68と第2ナット69との間で連結板65を挟み込み、連結板65を支持杆53の上端部に固定する。
【0075】
次に、第4ねじ66を変形サポート板61の長孔64aに挿通させてから、この第4ねじ66を連結板65のねじ孔65aに捩じ込み、変形サポート板61の端部と連結板65の端部とを接続する。この際、長孔64a内での第4ねじ66の奥行き方向Yの位置を調節することで、変形サポート板61の一対の折返し部64間の距離が調節され、結果として、この変形サポート板61が接合されているリフレクタ8の湾曲の曲率半径を変化させることができる。なお、図9では、変形サポート板61の折返し部61の上方に、連結板65を描いているが、変形サポート板61と連結板65との接続時には、図3に示すように、連結板65の上方に、変形サポート板61の折返し部64が位置することになる。
【0076】
以上で、反射機構9の組立てが完了する。
【0077】
次に、反射機構9のリフレクタ支持体51を照明取付部6に取り付ける。具体的には、まず、リフレクタ支持体51の一対の当接部58又は一対の付勢部53に外力を加え、一対の付勢部53を弾性変形させて、一対の当接部58の相互間隔を縮め、一対の当接部58の相互間隔を、照明取付部材6の一対の側板部5の上端の相互間隔よりも小さくする。続いて、一対の側板部5の上端の相互間である開口から、一対の当接部58を照明取付部6内に入れる。そして、一対の当接部58の上下方向Zの位置が、一対の側板部5の内面5bに形成されている係止部34の位置とほぼ一致すると、一対の付勢部53に加えている外力を開放する。すると、図7に示すように、一対の当接部58の相互間隔が広がり、一対の当接部58は、それぞれ、側板部5の内面5bに接すると共に、側板部5の係止部34に接する。
【0078】
この際、一対の当接部58の相互間隔は、一対の付勢部53が自然状態の際の相互間隔L2より狭い間隔L1である。このため、当接部58は、当該当接部58に接続されている付勢部53により、当該当接部58が接する側板部5の内面5bに向かって付勢されていることになる。
【0079】
この結果、一対の当接部58は、それぞれ、係止部34により下方への移動が規制されると共に、一方の当接部58が、一方の側板部5の内面5bにより、奥行き方向Yにおける一方の向きへの移動が規制され、他方の当接部58が、他方の側板部5の内面5bにより、奥行き方向Yにおける他方の向きへの移動が規制される。
【0080】
次に、図3及び図8に示すように、一対の支持杆52の溝56bの相互間にストッパー70を入れる。一対の支持杆52の溝56bの相互間にストッパー70が入ると、このストッパー70により、一対の当接部58は、それぞれ、奥行き方向Yであって、他方の当接部58に近づく向きへの移動が規制される。従って、一対の当接部58は、それぞれ、側板部5の内面5bとストッパー70により、奥行き方向Yの両向きの移動が規制される。
【0081】
よって、リフレクタ支持体51は、上下方向Z及び奥行き方向Yに移動不能に拘束される。
【0082】
以上で、リフレクタ支持体51の照明取付部6への取り付けが完了する。この際、リフレクタ支持体51は、横幅方向Xへの移動は拘束されていない。しかしながら、リフレクタ支持体51の一対の当接部58は、それぞれ、側板部5の内面5bに接すると共に、側板部5の係止部34に接して、これらから摩擦力を受けるため、リフレクタ支持体51は、横幅方向Xへ自由に移動することはできない。このため、リフレクタ8及びリフレクタ支持体51を含む反射機構9は、照明取付部6に対して実質的に固定されたことになる。
【0083】
この状態で、照明取付部材6に取り付けた照明灯3を点灯させると、照明灯3からの光は、一部が、照明取付部材6の一対の側板部5の上端の相互間隔である上部開口から上方へ直接向かい、残りの一部が、照明取付部材6の一対の側板部5の内面5aや主板部4等で反射してから、上部開口から上方に向かう。
【0084】
照明取付部材6の上部開口から上方に向かった光は、照明取付部材6の上部に設置されているリフレクタ8の反射面7aで反射する。この反射面7aは、前述したように、奥行き方向Yの中間部が突出するよう湾曲しているため、この反射面7aに至った光は、この反射面7a中の反射位置に応じて、異なる方向に進み、奥行き方向Yに分散される。この結果、テーブル200、及びその周辺が照らされる。
【0085】
仮に、テーブル200回りの環境や、利用者のテーブル200の利用態様が変わり、この利用者がリフレクタ8による間接照明領域を変えたくなった場合には、リフレクタ支持体51の当接部58と側板部5の内面5b及び側板部5の係止部34との間に働く摩擦力に抗して、リフレクタ支持体51を横幅方向Xに移動させる。または、リフレクタ支持体51に取り付けたストッパー70を外してから、リフレクタ支持体51の一対の当接部58の相互間を狭めて、当接部58と側板部5の内面5b及び側板部5の係止部34とを非接触状態にした後、リフレクタ支持体51を横幅方向Xに移動させる。
【0086】
この結果、リフレクタ支持体51の横幅方向Xへの移動に伴って、リフレクタ8が横幅方向Xに移動し、このリフレクタ8による間接照明領域が変わる。
【0087】
また、本実施形態では、変形サポート板61と連結板65とを接続する際、前述したように、この接続に用いる第4ねじ66に関して、変形サーポート板61の長孔64a内での奥行き方向Yの位置を調節することで、この変形サポート板61が接合されているリフレクタ8の湾曲の曲率半径を変化させることができる。このため、この観点からも、リフレクタ8による間接照明領域を変えることができる。
【0088】
また、仮に、テーブル200回りの環境変化等で、利用者がリフレクタ8による間接照明を止めたくなった場合には、リフレクタ支持体51に取り付けたストッパー70を外してから、リフレクタ支持体51の一対の当接部58の相互間を狭めて、リフレクタ支持体51及びリフレクタ8を含む反射機構9を照明取付部材6から外す。
【0089】
この反射機構9が外れている状態で、照明取付部材6に取り付けた照明灯3を点灯させると、照明灯3から上方に向かった光は、一部が天井を照らし、一部が天井で反射して、テーブル200及びその周辺を照らす。すなわち、この場合も、反射機構9が照明取付部材6に取り付けられているときと同様、テーブル200及びその周辺が照らされる。但し、この場合、照明灯3からの光を反射する部材が、リフレクタ8よりも照明灯3からの距離が大きい天井であるため、テーブル200及びその周辺の照度は、反射機構9が照明取付部材6に取り付けられているときよりも下がる。
【0090】
以上のように、本実施形態では、テーブル200及びその周辺を間接的に照らすことができる。さらに、本実施形態では、テーブル200回りの環境変化等があった場合に、リフレクタ8による間接照明領域を変えることができる上に、工具を用いずに、簡単に、反射機構9の移動や取り外しを行うことができる。
【0091】
また、本実施形態では、図3に示すように、リフレクタ支持体51の上端は、リフレクタ8の最上位置の部分、つまり、リフレクタ8の奥行き方向Yの両端部よりも低い位置にある。その上、本実施形態では、リフレクタ支持体51の上端とリフレクタ8の背面7bとの間に、リフレクタ支持体51とリフレクタ8とを接続する接続部材60が存在する。このため、本実施形態では、リフレクタ8の下方から、リフレクタ8の奥行き方向Yから、リフレクタ支持体51とリフレクタ8との接続構造を見ることができない。よって、本実施形態では、照明装置1の見栄えを良くすることができる。
【0092】
また、本実施形態では、照明取付部材6に取り付けたリフレクタ支持体51が、照明取付部材6に対して上方に離間した位置でリフレクタ8を支持しているので、リフレクタ8を比較的高い位置に配置することになる一方で、照明取付部材6を比較的に低い位置に配置することができる。また、リフレクタ8を支持するリフレクタ支持体51は、リフレクタ8及び接続部材60の他に、照明取付部材6や照明灯3までも支える剛性を確保する必要がなく、このリフレクタ支持体51を重厚に作らなくてもよい。その上、本実施形態では、リフレクタ支持体51の上端部とリフレクタ8の背面7bとを接続部材60で接続して、リフレクタ8を支えているので、前述した特許文献2に記載の照明装置のように、リフレクタ支持体の上端でリフレクタの下からこのリフレクタを支える場合よりも、リフレクタ支持体51中で、下方から見えるリフレクタ8との接触部分の断面積を、小さくすることができる。よって、本実施形態では、照明装置1における上方部分の重厚感を軽減することができる。さらに、本実施形態では、横幅方向Xに間隔を開けた一対のリフレクタ支持体51でリフレクタ8を支持しているので、照明取付部材6とリフレクタ8との間であって、一対のリフレクタ支持体51の相互間は、開放空間となる。
【0093】
このため、テーブル200の利用者に対して、重苦しさを与えることはない。
【0094】
「変形例」
次に、以上で説明した照明装置1の構成部材に関する各種変形例について説明する。
【0095】
まず、図10を用いて、リフレクタの第一変形例について説明する。
【0096】
本変形例のリフレクタ8Aは、平板を、奥行き方向Yの中央部が突出するよう、V字形に折り曲げ加工したものである。この関係で、変形サポート板61Aの接合部62Aは、このリフレクタ8Aの背面7bの形状に沿うようV字形を成している。このように、リフレクタ8AをV字形にしても、照明灯3からの光は、このリフレクタ8Aの下面を成す反射面7a中の反射位置に応じて、異なる方向に反射され、奥行き方向Yに分散される。よって、本変形例でも、テーブル200上のみならず、テーブル200回りの広い範囲を照らすことができる。
【0097】
次に、図11を用いて、リフレクタの第二変形例について説明する。
【0098】
本変形例のリフレクタ8Bは、平板を、奥行き方向Yの中央部が突出するよう、V字形に折り曲げ加工した後、奥行き方向Yの両端部を下方に折り曲げ加工したもの、つまり、平板をM字形に折り曲げ加工したものである。この関係で、変形サポート板61Bの接合部62Bは、このリフレクタ8BのM字形の背面7bのうち、内側よりのV字形部分の面形状に沿うようV字形を成している。このように、リフレクタ8BをM字形にしても、照明灯3からの光は、このリフレクタ8Bの下面を成すM字形の反射面7a中、内側よりのV字形部分により、奥行き方向Yに分散される。よって、本変形例でも、テーブル200上のみならず、テーブル200回りの広い範囲を照らすことができる。
【0099】
なお、上記実施形態及び上記第一変形例では、リフレクタ8,8Aの全体が、反射面7aが外縁部から内側部に向かうに連れて徐々に下方に突出し、これらリフレクタ8,8Aの他方の面である背面7bが外縁部から内側部に向かうに連れて徐々に下方に凹んだ曲げ形状部を成しているが、本変形例では、M字形のリフレクタ8Bのうち、内側のV字形の部分が曲げ形状部を成している。以上のように、本発明のリフレクタは、一部に曲げ形状部を有しておればよく、全体が曲げ形状部を成している必要はない。
【0100】
次に、図12を用いて、変形サポート板と連結板との接続構造の変形例について説明する。
【0101】
上記実施形態では、リフレクタ8の曲げ量を調整するために、変形サポート板61の折返し部64に、奥行き方向Yに長い長孔64aを形成し、この長孔64aに第4ねじ66を挿通させて、変形サポート板61と連結板65とを接続している。
【0102】
本変形例では、リフレクタ8の曲げ量を調整するために、変形サポート板61の折返し部64に、奥行き方向Yに並ぶ複数の複数の貫通孔64bを形成し、複数の貫通孔64bのうち、いずれかの貫通孔64bに第4ねじ66を挿通させて、変形サポート板61と連結板65とを接続する。このように、奥行き方向Yに並ぶ複数の複数の貫通孔64bのうち、第4ねじ66を挿通させる貫通孔64bを適宜選択することでも、変形サポート板61の一対の折返し部64間の距離が調節され、結果として、この変形サポート板61が接合されているリフレクタ8の曲げ量を調整することができる。
【0103】
なお、上記実施形態及び本変形例では、リフレクタ8の曲げ量を調整するために、第4ねじ66が挿通する孔64a,64bを変形サポート板61に形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結板65に上記実施形態のような長孔や本変形例のような複数の貫通孔を形成してもよい。
【0104】
次に、照明取付部材の変形例について説明する。
上記実施形態の照明取付部材は、主板部4の上側にのみ照明灯3を取り付けることができるが、主板部4の下側にも照明灯を取り付けられるようにしてもよい。この場合、主板部4の下側に取り付けた照明灯からの光が下方に向かうよう、図7に示すカバー体47を取り外すことになる。なお、この変形例において、主板部4の上側の照明灯3は、テーブル200を含むテーブル回りの間接照明用の光源となり、主板部4の下側の照明灯は、テーブル200の天板200aの直接照明用の光源となる。
【符号の説明】
【0105】
1:照明装置、3:照明灯、4:主板部、5:側板部、5b:内面、6:照明取付部材、7a:反射面、7b:背面、8,8A,8B:リフレクタ、8a:挿通孔、9:反射機構、51:リフレクタ支持体、52:支持杆、53:付勢部、58:当接部、59:連結杆、60:接続部材、61,61A,61B:変形サポート板、62,62A,62B:接合部、63:立設部、64:折返し部、65:連結板、70:ストッパー、200:テーブル、200a:天板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明灯が取り付けられ、什器の天板の上方に照明支持部材により支持されている照明取付部材と、
前記照明取付部材に支えられ、該照明取付部材から上方に伸びるリフレクタ支持部材と、
一方の面に反射面が形成され、該反射面が下方を向くよう配置されているリフレクタと、
前記リフレクタを前記リフレクタ支持部材に接続する接続部材と、
を備え、
前記照明取付部材には、該照明取付部材に取り付けられた前記照明灯からの光を上方に導く開口が形成され、
前記リフレクタは、前記反射面が外縁部の側から内側部の側に向かうに連れて徐々に下方に突出し、該リフレクタの他方の面である背面が外縁部の側から内側部の側に向かうに連れて徐々に下方に凹んだ曲げ形状部を有し、該内側部には、該反射面から該背面へ前記リフレクタ支持部材の上部が挿通される挿通孔が形成され、
前記接続部材は、一部が前記リフレクタの背面に取り付けられ、他の一部が前記リフレクタの挿通孔に挿通された前記リフレクタ支持部の前記上部に取り付けられ、前記照明取付部から上方に離間した位置に該リフレクタを該リフレクタ支持部材に接続する、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記リフレクタは、板材を曲げ加工して形成され、
前記接続部材は、前記リフレクタの前記背面の面形状に合った形状に加工されていると共に、前記リフレクタ支持部材の前記上部が挿通されるサポート板挿通孔が形成され、該サポート板挿通孔が前記リフレクタの挿通孔と連通するよう該背面に接合されている変形サポート板と、該変形サポート板と前記リフレクタ支持部材の前記上部とを連結する連結部材と、有する、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置において、
前記リフレクタは、該リフレクタの前記反射面が、前記天板の前縁から後縁に向かう奥行き方向の両外縁部の側から、該奥行き方向の内側部の側に向かうに連れて徐々に下方に突出する前記曲げ形状部を有し、
前記変形サポート板は、前記奥行き方向に伸び、該奥行き方向の中央部に前記サポート板挿通孔が形成され、該奥行き方向の一方の端部から他方の端部にかけて前記リフレクタの前記背面に接合されている接合部と、前記接合部の両端部から立ち上がっている立設部と、各立設部から前記奥行き方向における前記内側部の側に向かって折り返されている折返し部と、を有し、
前記連結部材は、前記奥行き方向に伸びている連結板を有し、
前記連結板の前記奥行き方向の両端部と前記変形サポート板の各折返し部とが接続され、該連結板の該奥行き方向の中央部と、前記リフレクタの前記挿通孔及び前記変形サポート板の前記サポート板挿通孔に挿通された前記リフレクタ支持部材の前記上部中の上端部とが接続合されている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項3に記載の照明装置において、
前記変形サポート板の前記各折返し部と、前記連結板の前記両端部とのうちの一方に、前記奥行き方向に長い貫通孔、又は該奥行き方向に並んでいる複数の貫通孔が形成され、
前記連結部材は、前記変形サポート板の前記各折返し部と前記連結板の前記両端部とのうちの前記一方の前記貫通孔に貫通して、他方を該一方に接続する接続具を有する、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置において、
前記リフレクタの前記挿通孔に挿通された前記リフレクタ支持部材の上部中の最上端の位置は、該リフレクタの最上位置の部分よりも低い、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の照明装置において、
前記照明取付部材は、前記天板の横幅方向に伸び、上方に前記照明灯が取付可能な主板部と、該主板部の前記奥行き方向における両縁から上下に突出する一対の側板部とを有し、該一対の側板部の各上縁の相互間が前記開口を成し、
前記リフレクタ支持部材は、前記照明取付部材の前記一対の側板部の内面にそれぞれ当接する当接部と、各当接部がそれぞれ当接する該内面に向かって、各当接部を付勢する付勢部と、を有し、
前記照明取付部材の前記一対の側板部には、前記各当接部に接して、該各当接部の下方への相対移動を規制する係止部が形成されている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置において、
前記照明取付部材の前記一対の側板部、及び該一対の側板部の前記係止部は、前記横幅方向に伸びている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の照明装置において、
前記リフレクタ支持部材は、前記照明取付部材の前記一対の側板部の内面にそれぞれ当接した前記当接部が、互いに接近する向きへ移動するのを防止する移動防止部材を有する、
ことを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−54064(P2012−54064A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194804(P2010−194804)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】