説明

照明装置

【課題】光源において発生した熱が装置本体に収納された蓄電池や電子回路等の部品に及ぼす影響を小さくし、動作不良や劣化の早期化を防止する。
【解決手段】本体1の前面11を被覆する反射板2に凹部21を形成し、凹部21の底面210に放熱シート51を介してLED基板52を配置した。凹部21は、底面210が本体1に収納された蓄電池3等の部品から離間するように形成した。LDE基板52に実装されたLEDから生じた熱が、蓄電池3等の部品に直接伝導することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、避難口の所在を表示する誘導灯装置等に用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
施設に設置されて避難口の所在を表示する誘導灯装置のように、透光性の表示パネルの背面側に配置した照明装置から表示パネルに光を照射するものがある。照明装置は、光源の光を前面側に反射する反射板を備え、光源の光を直接、及び反射板で反射して前面側に位置する表示パネルに照射する(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
従来の照明装置では、光源を蓄電池や電子回路等を収納した装置本体に固定している。光源として複数のLEDを備えた照明装置では、複数のLEDを実装したLED基板が装置本体に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−94087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の照明装置では、光源を装置本体に固定していたため、光源が発生する熱が装置本体に収納された蓄電池や電子回路等の部品に伝導し易く、動作不良や劣化の早期化を招く問題があった。
【0006】
この発明の目的は、蓄電池や電源回路等の部品を収納した装置本体に対して着脱自在に取り付けられる反射板に光源を配置することにより、光源で発生した熱が装置本体に収納された蓄電池や電子回路等の部品に及ぼす影響を小さくし、動作不良や劣化の早期化を防止できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の照明装置は、装置本体、反射板、光源ユニットを備えている。装置本体は、前面が開放した筐体であり、内部に電源回路を含む部品を収納する。光源ユニットは、電源回路を介して電源の供給を受ける。反射板は、前面を被覆するように装置本体に着脱自在に取り付けられ、光源ユニットを部品から離間した状態で保持する。
【0008】
この構成によれば、光源ユニットで発生した熱が、装置本体に収納された部品に直接伝導することがない。
【0009】
この構成において、反射板は、光源ユニットが前面側から挿入される有底の凹部を備えることが好ましい。光源ユニットと部品との間が凹部の底面で遮蔽され、光源ユニットから発生した熱が部品に伝播することを防止できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、光源で発生した熱が装置本体に収納された蓄電池や電子回路等の部品に及ぼす影響を小さくすることができ、動作不良や劣化の早期化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施形態に係る照明装置の外観図である。
【図2】同照明装置を構成する反射板の組立図である。
【図3】(A)〜(C)は、同反射板の正面図、平面図及び側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、この発明の実施形態に係る照明装置について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、この発明の実施形態に係る照明装置10は、本体1及び反射板2を備え、一例として表示パネル20の背面に配置される。照明装置10は、表示パネル20に向けて光を照射する。例えば、誘導灯装置では、表示パネル20に避難口の所在が不透明の塗料等で表記されている。表示パネル20は、照明装置10の光が背面から照射されることにより、避難口の所在を明暗によって表示する。
【0014】
本体1は、前面11が開放した略直方体形状の筐体であり、内部に蓄電池3、回路基板4等の部品を収納している。反射板2は、金属平板のプレス加工により、左右端に傾斜面22を有する平板状に形成されている。反射板2は、前面11を閉塞するように本体1にネジ止めされる。本体1には、上面にスリット12が形成されている。スリット12に係止部201が嵌入されることにより、表示パネル20が本体1の前面11に保持される。
【0015】
図2に示すように、反射板2の中央部には、プレス加工によって凹部21が形成されている。凹部21内には、放熱シート51、LED基板52、反射カバー53、透光性パネル54、パッキン55がこの順に収納される。凹部21の周縁部は、枠体56で被覆される。凹部21の深さは、放熱シート51、LED基板52、反射カバー53、透光性パネル54及びパッキン55の厚さの総和より小さい。
【0016】
放熱シート51は、円盤状を呈する熱電導性の高い弾性体であり、少なくとも前面及び背面に粘着性を備え、背面が凹部21の底面に密着する。LED基板52は、前面に複数のLEDを実装しており、背面を放熱シート51の前面に密着させて凹部21内に位置決めされる。
【0017】
反射カバー53は、一例として白色樹脂で構成されており、LED基板52における各LEDに対向する孔部531が複数形成されている。反射カバー53は、凹部21の底面210に形成された孔部211を反射板2の背面側から貫通するビス212を介して凹部21内に固定される。LED基板52に実装された複数のLEDは、それぞれ複数の孔部531内に収納される。
【0018】
透光性パネル54は、前面に環状のパッキン55が貼着される。枠体56は、薄板からなる環状体であり、背面からネジ部561を突出させている。ネジ部561は、反射板2における凹部21の縁部に形成された孔部213を反射板2の前面側から貫通し、反射板2の背面側に露出する。反射板2の背面側に露出したネジ部561にナット214を螺合させることにより、枠体56が背面を反射板2の前面における凹部21の周縁部に当接させた状態で固定される。枠体56を反射板2に固定すると、パッキン55が枠体56の背面及び透光性パネル54の前面との間に挟持され、透光性パネル54の背面が反射カバー53の前面に圧接する。
【0019】
凹部21の底面には、貫通孔215が形成されている。LED基板52から延出したリード線に接続されたコネクタ57が、貫通孔215を凹部21内から反射板2の背面側に貫通し、図1に示した電源回路4に接続される。
【0020】
上記の構成において、LED基板52、反射カバー53及び透光性パネル54が、この発明の光源ユニット5に相当する。光源ユニット5は、LED基板52、凹部21内で、ともに弾性変形する放熱シート51とパッキン54とを挟んで、枠体56の背面と凹部21の底面210との間に挟持され、確実に位置決めされる。
【0021】
図3(A)〜(C)に示すように、反射板2の前面の中央部で枠体56の内側から露出した透光性パネル54を経由してLED基板52に実装されているLEDの光が前面側に配光される。
【0022】
反射板2において、LED基板52の背面側には、放熱シート51、凹部21の底面210が位置する。本体1の奥行きは、内部に収納した蓄電池3等の部品の奥行きと凹部21の深さとの和より大きくされている。反射板2を本体1の前面11に取り付けた際には、底面210の背面と本体1内に収納された蓄電池3等の部品との間に、間隙が形成される。
【0023】
このため、LED基板52に実装された複数のLEDが発生した熱は、凹部21の底面から反射板2の全体に伝導した後に反射板2の全面から放熱されるため、本体1内に収納された蓄電池3や回路基板4等の部品には直接伝導することがない。LED基板52において発生した熱が本体1に収納された蓄電池3や回路基板4等の部品に及ぼす影響を小さくすることができ、動作不良や劣化の早期化を防止できる。
【0024】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0025】
1−本体
2−反射板
3−蓄電池
4−回路基板
5−光源ユニット
21−凹部
51−放熱シート
52−LED基板
53−反射カバー
54−透光性パネル
55−パッキン
56−枠体
210−背面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開放した筐体であり、内部に電源回路を含む部品を収納する装置本体と、
前記電源回路を介して電源の供給を受ける光源ユニットと、
前記前面を被覆するように前記装置本体に着脱自在に取り付けられ、前記光源ユニットを前記部品から離間した状態で保持する反射板と、
を備えた照明装置。
【請求項2】
前記反射板は、前記光源ユニットが前面側から挿入される有底の凹部を備えた請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記凹部の底面と前記光源ユニットとの間に配置され、柔軟性を有する放熱シートを備えた請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源ユニットは、複数のLEDを実装したLED基板を含む請求項1乃至3の何れかに記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−54875(P2013−54875A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191367(P2011−191367)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001074)クロイ電機株式会社 (49)
【Fターム(参考)】