説明

熱媒供給システム

【課題】 吸収ヒートポンプに投入する排熱を最も有効に利用し、また使用先の負荷に応じて、吸収ヒートポンプと、並列に設置されたボイラ等の熱源機器との運転状態を制御することによって、熱源機器で消費される燃料使用量を最小にできる吸収ヒートポンプとボイラ等の熱源機器を組み合せた熱媒供給システムを提供すること。
【解決手段】 排熱で駆動される吸収ヒートポンプ32と、排熱で駆動される排ガスボイラ33、燃料焚きボイラ34を蒸気ヘッダに並列に接続し、吸収ヒートポンプ32、排ガスボイラ33、及び燃料焚きボイラ34から加熱された熱媒体(蒸気)を蒸気ヘッダ36に供給し、該蒸気ヘッダから加熱された熱媒体を使用先の負荷に供給するように構成し、圧力センサ38で検出した蒸気ヘッダ36内の蒸気圧(負荷量)応じて、吸収ヒートポンプ32、排ガスボイラ33、及び燃料焚きボイラ34の発停又は容量制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水などの排熱を熱源として駆動される第2種吸収ヒートポンプとボイラを組み合せて構成した熱媒供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンを用いたコージェネレーションでは、排ガスから熱回収して製造する蒸気は有効利用されるが、ジャケット温水は給湯以外に有効な使い道が少なく、冷却塔などで放熱する場合が多い。このような排温水或いは排蒸気等の低質の熱源から高温の熱を発生させる吸収ヒートポンプは、例えば特許文献1及び特許文献2によって既に公知である。
【0003】
上記の公知例は、全て吸収ヒートポンプの内部サイクルに関するものであって、吸収ヒートポンプと通常のボイラ等の機器を効果的に組み合せたシステムではなかった。そのため、吸収ヒートポンプ、排熱ボイラ、燃料焚きボイラを組み合せて熱媒供給システムを構成し、熱媒供給システム運転に際し、排熱を最も有効に利用し、且つ燃料使用量を最小にして二酸化炭素の排出量を最小にできるシステムにはなっていない。
【特許文献1】特公昭58−18574号公報
【特許文献2】特公昭58−18575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、吸収ヒートポンプに投入する排熱を最も有効に利用し、また使用先の負荷に応じて、吸収ヒートポンプと、並列に設置されたボイラ等の熱源機器との運転状態を制御することによって、熱源機器で消費される燃料使用量、即ち装置を運転する際の二酸化炭素排出量を最小にできる吸収ヒートポンプとボイラ等の熱源機器を組み合せた熱媒供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、排熱で駆動される1台又は複数台の吸収ヒートポンプと、排熱又は燃料で駆動される1台又は複数台の熱源機器とをヘッダに並列に接続し、該吸収ヒートポンプ及び熱源機器から加熱された熱媒体を前記ヘッダに供給し、該ヘッダから加熱された熱媒体を負荷に供給するように構成したことを特徴とする熱媒供給システムにある。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された熱媒供給システムにおいて、前記負荷の量を検出する負荷検出手段を設け、該負荷検出手段で検出した負荷量に応じて、前記吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停又は容量制御を行う運転制御手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載された熱媒供給システムにおいて、前記運転制御手段は前記吸収ヒートポンプを前記熱源機器に優先して運転する手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載された熱媒供給システムにおいて、前記負荷量に応じた前記吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停は、該吸収ヒートポンプ及び熱源機器の頻繁な発停が起らないように設定する手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱媒供給システムにおいて、前記熱源機器は排熱ボイラ及び燃料焚きボイラであり、前記運転制御手段は前記吸収ヒートポンプと前記排熱ボイラを前記燃料焚きボイラに優先して運転する手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の熱媒供給システムにおいて、前記熱媒は蒸気であって前記負荷検出手段は前記ヘッダの蒸気圧を検出する圧力センサであることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱媒供給システムにおいて、前記排熱を供給する排熱源に、排熱媒体の冷却を必要とする排熱源と排熱媒体の冷却を必要としない排熱源がある場合、排熱媒体の冷却を必要とする排熱源からの排熱を優先して使用する手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱媒供給システムにおいて、複数台の前記吸収ヒートポンプの間ではその運転優先順位は累積運転時間によって決める手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の熱媒供給システムにおいて、複数台の熱源機器を種類に応じて複数グループに区分し、同一グループに属する複数の熱源機器の間ではその運転優先順位は累積運転時間によって決める手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
各請求項に記載の発明によれば、熱媒供給システムを、排熱で駆動される1台又は複数台の吸収ヒートポンプと、排熱又は燃料で駆動される1台又は複数台の熱源機器とをヘッダに並列に接続し、ヘッダから加熱された熱媒体を負荷に供給するように構成したので、吸収ヒートポンプ及び各熱源機器の発停を熱媒使用先の負荷によって行い、その際の各機器の運転状態で排熱を最大限有効に利用することが可能となり、燃料使用量、即ち熱媒供給システムの二酸化炭素の排出量を最小限にすることが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、負荷検出手段で検出した負荷量に応じて、吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停又は容量制御を行う運転制御手段を設けたので、負荷量に応じて吸収ヒートポンプ及び熱源機器の運転状態で排熱が最大限有効に利用することが可能となり、燃料使用量を最小限にすることが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、吸収ヒートポンプを熱源機器に優先して運転する手段を備えているので、排熱を最大限有効に利用することが可能となり、燃料使用量を最小限にすることが可能となる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、吸収ヒートポンプ及び熱源機器の頻繁な発停が起らないように負荷量に応じた吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停を設定するので、頻繁な吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停による機器の劣化及び発停時のエネルギー損失を少なくすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、吸収ヒートポンプと排熱ボイラを燃料焚きボイラに優先して運転するので、排熱が最大限有効に利用され、燃料使用量を最小限にすることが可能となる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、負荷検出手段はヘッダの蒸気圧を検出する圧力センサであるので、簡単な構成で負荷量を検出することが可能となる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、排熱媒体の冷却を必要とする排熱源からの排熱を優先して使用するので、排熱媒体を冷却するための機器を駆動する動力を少なくすることが可能となる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、複数台の吸収ヒートポンプの間ではその運転優先順位は累積運転時間によって決めるので、吸収ヒートポンプの運転時間は略均等になる。
【0022】
請求項9に記載の発明によれば、複数台の熱源機器を種類に応じて複数グループに区分し、同一グループに属する複数の熱源機器の間ではその運転優先順位は累積運転時間によって決めるので、同一グループに属する熱源機器の運転時間は略均等になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
先ず、図1を参照しながら単段第2種吸収ヒートポンプについて説明する。図1は単段の第2種ヒートポンプの構成を示す図である。図示するように、単段の第2種ヒートポンプ1は、蒸発器E、吸収器A、再生器G、凝縮器C、溶液熱交換器10、溶液ポンプ11、濃溶液配管12、希溶液配管13、冷媒ポンプ14、冷媒配管15、熱源温水配管16、熱源温水配管17、冷却水配管18、給水ポンプ19、給水予熱伝熱管20、及び蒸気発生熱交換器21から構成されている。
【0024】
上記構成の単段第2種ヒートポンプ1において、再生器Gの濃溶液は、溶液ポンプ11により濃溶液配管12を通り、溶液熱交換器10の被加熱側を通って加熱された後、吸収器Aに送られ該溶液熱交換器10内に散布される。吸収器A内で散布された濃溶液は、蒸発器Eから流入する冷媒蒸気を吸収して吸収熱を発生し、その熱で蒸気発生熱交換器21の中を流れる被加熱媒体(水)を加熱する。冷媒蒸気を吸収して濃度が薄くなった希溶液は、希溶液配管13を通り溶液熱交換器10の加熱側を経由して濃溶液配管12を通る濃溶液を加熱し再生器Gに戻る。
【0025】
再生器Gに戻った希溶液は、熱源温水配管17の中を流れる熱源温水101によって加熱され、冷媒蒸気を発生して濃縮され濃溶液となり、溶液サイクルを一巡する。再生器Gで発生した冷媒蒸気は凝縮器Cに導かれ、冷却水配管18の中を流れる冷却水102により冷却され凝縮し、冷媒液となる。この冷媒液は冷媒ポンプ14により冷媒配管15を通って蒸発器Eに送られ該蒸発器E内に散布され、熱源温水配管16の中を流れる熱源温水103により加熱されて蒸発し、吸収器Aに導かれる。以上が冷媒と溶液のサイクルである。
【0026】
一方、被加熱媒体(水)104は、給水ポンプ19で加圧され給水予熱伝熱管20に導かれる。この給水予熱伝熱管20で被加熱媒体(水)104は、蒸発器Eで発生した冷媒蒸気が凝縮することにより加熱され、続いて吸収器A内の蒸気発生熱交換器21で溶液の吸収熱によって加熱されて水蒸気になる。
【0027】
このように、吸収ヒートポンプ1に熱源媒体(熱源温水101、103)と冷却媒体(冷却水102)を供給することによって、吸収器Aで高温の熱を発生させることができる。なお、給水予熱伝熱管20は、本実施形態例のように蒸発器内部に設置するに限らず、溶液循環系からの熱回収(配管13と熱交換)や、熱源温水による直接加熱(温水101、103と熱交換)、凝縮器Cの凝縮熱(凝縮器Cの缶胴内に伝熱管を設置)などが利用できる場所が考えられる。また、これらを組み合せても良い。また、冷媒配管15に熱交換器を設置し、蒸発器Eに供給する冷媒を予熱してもよい。予熱することによって、蒸気製造効率を向上させることができる。
【0028】
図2は本発明に係る吸収ヒートポンプとボイラを組み合せた熱媒供給システムをエンジンを用いたコージェネレーションに適用した例を示す図である。エンジン30に燃料105を供給して発電機31を駆動し発電を行うと同時に、エンジン30から発生するジャケット温水106を吸収ヒートポンプ32に供給し、このジャケット温水106の熱で吸収ヒートポンプ32を駆動して蒸気107を発生させる。また、エンジン30から発生する排ガス108を排ガスボイラ33に供給し、この排ガス108の熱で蒸気109を発生させる。蒸気ヘッダ36に並列に接続されたボイラ34−1、ボイラ34−2は燃料110が供給された蒸気111、蒸気111を発生する通常の燃料焚きボイラである。
【0029】
吸収ヒートポンプ32、排ガスボイラ33、ボイラ34−1、及びボイラ34−2で発生した蒸気107、109、111、111はいったん蒸気ヘッダ36に集合させてから使用先37に供給される。蒸気ヘッダ36には圧力センサ38が取り付けられており該圧力センサ38で検出した蒸気圧力値によって蒸気の過不足を検知する。蒸気ヘッダ36の圧力センサ38で蒸気の過不足を検知することで、安価、簡易に負荷を検知することができる。また、熱源機器である吸収ヒートポンプ32、排ガスボイラ33、ボイラ34−1、及びボイラ34−2と蒸気ヘッダ36を結ぶ配管には逆止弁V1、V2、V3−1、V3−2が取り付けられており、蒸気ヘッダ36から各熱源機器に蒸気が逆流するのを防いでいる。
【0030】
上記システムにおいて、吸収ヒートポンプ32、排ガスボイラ33、ボイラ34−1、及びボイラ34−2の各熱源機器は台数制御される。この台数制御について図3を用いて説明する。台数制御は蒸気ヘッダ36の蒸気圧力値について複数の圧力区分を設定し、予め圧力区分ごとに各熱源機器の運転状態を決めておいて、圧力センサ38で検出した蒸気ヘッダ36の蒸気圧力値がどの圧力区分に該当するかによって、各熱源機器の発停を行うものである。
【0031】
図3はON−OFFの2位置で制御する吸収ヒートポンプ32、排ガスボイラ33、ボイラ34−1、及びボイラ34−2の各熱源機器を計4台、図2に示すように設置した場合の稼働優先順位ごとの圧力設定値と運転状態の例を示している。縦軸は稼働(運転)優先順位を横軸は蒸気ヘッダ圧力を示す。稼働優先順位は吸収ヒートポンプ32が第1位、排ガスボイラ33が第2位、ボイラ34−2が第3位、ボイラ34−1が第4位となっている。排熱を有効に利用するため、吸収ヒートポンプ32と排ガスボイラ33が優先して運転される。このうち、吸収ヒートポンプ32は温水排熱を熱源としているため順位が1位、排ガスボイラが2位とする。
【0032】
稼働優先順位第1位の吸収ヒートポンプ32は圧力センサ38で検出した蒸気ヘッダ36の蒸気圧力検出値が0.80MPa以下になると運転し、0.82MPaを超えると停止する。運転/停止の各圧力設定値に0.02MPaの幅を設けたのは、頻繁な発停を防止するためである。同様に稼働優先順位第2位の排ガスボイラ33は、圧力センサ38で検出した蒸気ヘッダ36の蒸気圧力検出値が0.78MPa以下になると運転し、0.80MPaを超えると停止する。
【0033】
本台数制御では、ボイラ34−1とボイラ34−2の稼働優先順位は、各々の累積運転時間を比較して決定する。ここでは、ボイラ34−1の累積運転時間の方が短かった場合を示していて、この場合、稼働優先順位はボイラ34−2が第3位、ボイラ34−1が第4位となり、それぞれ圧力センサ38で検出した蒸気ヘッダ36の蒸気圧力検出値が0.76/0.74MPa以下になると運転し、0.78/0.76MPaを超えると停止する。蒸気ヘッダ36の圧力が0.82MPaを超えた状態では全ての熱源機器が停止し、エンジン30のジャケット温水106は冷却塔やラジエータ(図示せず)等に供給して大気に放熱する。
【0034】
上記のような台数制御を行うことによって、エンジン30から発生するジャケット温水106を最優先に、排ガス108を次に優先して利用することができるので、コージェネレーション排熱の有効利用を促進し、システムの熱利用効率を高めることで、蒸気発生のための化石燃料消費量を削減し、炭酸ガス排出量を抑制することができる。また、本実施形態例の台数制御では、吸収ヒートポンプ及び熱源機器の頻繁な発停が起らないように負荷量に応じた吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停を行うので、頻繁な吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停による機器の劣化及び発停時のエネルギー損失を少なくすることができる。ここで、ジャケット温水106が排ガス108より優先して利用される理由は、上述のようにジャケット温水106は利用しない場合、冷却塔などによって放熱させる必要がある(そのためポンプやファン等を運転する必要がある)が、排ガス108は利用しない場合は排ガスボイラ33をバイパスして排気するだけで良いためである。
【0035】
本実施形態では、吸収ヒートポンプ32と排ガスボイラ33を1台ずつ設けた場合について述べたが、これらは複数台でも良く、発停の優先順位は上述のボイラ34−1、ボイラ34−2と同様に累積運転時間によって決定すると良い。また、当然ながら、エンジンが停止している場合はジャケット温水106も排ガス108も発生しないので、吸収ヒートポンプ32と排ガスボイラ33は停止し、ボイラ34−1、ボイラ34−2のみで蒸気を発生させて負荷に対応する。
【0036】
本実施形態の台数制御は、蒸気ヘッダ36の蒸気圧力値が所定の値より高い状態が一定時間継続した場合には、運転中の熱源機器を1台停止し、逆に所定の値より低い状態が一定時間継続した場合には、停止中の熱源機器を1台運転するようにしたものである。
【0037】
図4は図2と同じ機器構成、即ち吸収ヒートポンプ32(図4では「吸収ヒートポンプ」記す)、排ガスボイラ33(図4では「排ガスボイラ」と記す)、ボイラ34−1(図4では「ボイラ1」と記す)、及びボイラ34−2(図4では「ボイラ2」と記す)から成る構成のシステムに、本実施形態の台数制御を適用した場合の運転フローを示す図である。圧力センサ38で検出した蒸気ヘッダ36の検出蒸気圧力をP、設定圧力をPd、ディファレンシャルをΔとした場合、熱源機器の運転台数減少は、P>Pd+Δの状態が設定時間継続した場合に実行される(ステップST1、ST2)。
【0038】
停止の優先順位は、第1位がボイラ34−1とボイラ34−2のうち累積運転時間の長い方、第2位がボイラ34−1とボイラ34−2のうち累積運転時間の短い方、第3位が排ガスボイラ、第4位が吸収ヒートポンプとなっている。そこでボイラ34−1とボイラ34−2の運転時間を比較し(ステップST3)、ボイラ34−1の運転時間>ボイラ34−2の運転時間の場合、ボイラ34−1が運転中かを判断し(ステップST4)、運転中であったらボイラ34−1を停止し(ステップST5)、STARTに戻る。また、ステップST3でボイラ34−2の運転時間>ボイラ34−1の運転時間の場合とステップST4でボイラ34−1が運転中でない場合、ボイラ34−2が運転中かを判断し(ステップST6)、運転中であったらボイラ34−2を停止し(ステップST7)、STARTに戻る。
【0039】
前記ステップST6において、ボイラ34−2が運転中でなかったら、ボイラ34−1が運転中かを判断し(ステップST8)、運転中であったらステップST5に移行し、運転中でなかったら排ガスボイラ33が運転中かを判断し、運転中であったら排ガスボイラ33を停止し(ステップST10)、STARTに戻る。前記ステップST9で排ガスボイラ33が運転中でなかったら、吸収ヒートポンプ32が運転中かを判断し(ステップST11)、運転中であったら吸収ヒートポンプ32を停止し(ステップST12)、STARTに戻る。また、吸収ヒートポンプ32が運転中でなかったら警報を発する(ステップST13)。
【0040】
熱源機器の運転台数増加は、P<Pd−Δの状態がある設定時間継続した場合に実行され、その優先順位は、第1位が吸収ヒートポンプ、第2位が排ガスボイラ、第3位がボイラ34−1とボイラ34−2のうち運転時間の短い方、第4位がボイラ34−1とボイラ34−2のうち運転時間の長い方となっている。そこで前記ステップST1において、P>Pd+Δでなく、且つP<Pd−Δの状態が設定時間経過し(ステップST14、ST15)、吸収ヒートポンプ32が停止中かを判断し(ステップST16)、停止中であったら吸収ヒートポンプ32を運転し(ステップST17)、STARTに戻る。
【0041】
前記ステップST16において、吸収ヒートポンプ停止中でなかったら、続いて排ガスボイラ33が停止中かを判断し(ステップST18)、停止中であったら排ガスボイラ33を運転し(ステップST19)、STARTに戻る。前記ステップST18において、排ガスボイラ33が停止中でなかったら、続いてボイラ34−1の運転時間<ボイラ34−2の運転時間かを判断し(ステップST20)、ボイラ34−1の運転時間<ボイラ34−2の運転時間であったらボイラ34−1が停止中かを判断し(ステップST21)、停止中であったらボイラ34−1を運転し(ステップST22)、STARTに戻る。
【0042】
前記ステップST20でボイラ34−2の運転時間<ボイラ34−1の運転時間であった場合と前記ステップST21でボイラ34−1が停止中でなかった場合、ボイラ34−2が停止中かを判断し(ステップST23)、停止中であったらボイラ34−2を運転し(ステップST24)、STARTに戻る。前記ステップST23でボイラ34−2が停止中でなかった場合はボイラ34−1が停止中かを判断し(ステップST25)、停止中であったら前記ステップST22に移行し、停止中で無かったら警報を発する(ステップST13)。
【0043】
上記のように台数制御を行うことによって、図2の例と同様に、エンジン30から発生するジャケット温水106を最優先に、排ガス108をその次に優先して利用することができるので、コージェネレーション排熱の有効利用を促進し、システムの熱利用効率を高めることで、蒸気発生のための化石燃料消費量を削減し、炭酸ガス排出量を抑制することができる。また、蒸気ヘッダ36の圧力を略一定になるように制御できるため、図2の実施形態に比べて、負荷変動に伴う蒸気ヘッダの圧力変動を小さくすることができる。さらに、各熱源機器の頻繁な発停が起らないように負荷量に応じて発停を行うので、頻繁な機器の発停による機器の劣化及び発停時のエネルギー損失を少なくすることができる。
【0044】
本発明に係る台数制御を行うシステムの別の構成例として、複数台の吸収ヒートポンプ32−1〜32−3、複数台の排ガスボイラ33−1〜33−3、複数台のボイラ34−1〜34−3を設置した場合について、図5を用いて説明する。
【0045】
図5は図2の機器構成を複数台拡張したものであり、温水排熱によって駆動され蒸気を発生させる吸収ヒートポンプ32−1〜32−3と、排ガスによって駆動され蒸気を発生させる排ガスボイラ33−1〜33−3と、燃料を燃焼させて蒸気を発生する通常の燃料焚きボイラ34−1〜34−3の各熱源機器を、逆止弁V1−1〜V1−3、V2−1〜V2−3、V3−1〜V3−3を介して蒸気ヘッダ36に並列に接続したものである。これらの各熱源機器から発生した蒸気はいったん蒸気ヘッダ36に集合させてから使用先37に供給され、蒸気ヘッダ36に取り付けられた圧力センサ38で検出した検出圧力値によって使用先37の負荷状況を検知する点は図2の例と同様である。
【0046】
図5に示すシステムの台数制御の1例を図6を用いて説明する。図3の場合と同様に、本台数制御では蒸気ヘッダ36の圧力値を0.01MPa毎に区分し、各々の区分ごとに各熱源機器の運転状態を予め設定しておいて、圧力センサ38で検出した蒸気ヘッダ36の蒸気圧力値に応じて各熱源機器の発停を行うものである。各熱源機器は種類毎に、吸収ヒートポンプ32−1〜32−3、排ガスボイラ33−1〜33−3、ボイラ34−1〜34−3の3グループに分けられ、この順に優先して運転されるものとする。同じ熱源機器グループ内の各々の熱源機器については、各熱源機器の累積運転時間が短いものから優先して運転するように予め順位を決めておく。
【0047】
図6はON−OFFの2位置で制御する吸収ヒートポンプ32−1〜32−3、排ガスボイラ33−1〜33−3、ボイラ34−1〜34−3の各熱源機器を計9台設置した場合の蒸気圧力設定値と運転状態のテーブルの一例を示している。最初に、各熱源機器グループ(吸収ヒートポンプ32−1〜32−3のグループ、排ガスボイラ33−1〜33−3のグループ、ボイラ34−1〜34−3のグループ)内において、各熱源機器のうち、累積運転時間の短いものから順に“A”、“B”、“C”と順位を割当てておき、先ず吸収ヒートポンプ32−1〜32−3のグループ内の優先順位の高い機器から運転を開始する。吸収ヒートポンプ32−1〜32−3のグループ内の機器を全て運転した場合、次に排ガスボイラ33−1〜33−3のグループ内の優先順位に従って同様に運転を行い、排ガスボイラ33−1〜33−3のグループの機器を全て運転した場合、次に燃料焚きのボイラ34−1〜34−3クループの優先順位に従って同様に運転を行い、最終的に全ての熱源機器が運転した状態に至る。
【0048】
また、停止する順位は運転優先順位の逆になり、先ず燃料焚きのボイラ34−1〜34−3の運転優先順位の低いボイラから順に停止する。燃料焚きのボイラ34−1〜34−3グループ内のボイラの全てが停止した場合、次は排ガスボイラ33−1〜33−3グループの運転優先順位の低いボイラから順に停止し、排ガスボイラ33−1〜33−3グループのボイラの全てが停止した場合、次は吸収ヒートポンプ32−1〜32−3グループ内の運転優先順位の低い機器から順に停止、最終的に全ての熱源機器を停止した状態になる。
【0049】
こうすることによって各々の熱源機器グループ内の各機器の総運転時間の偏りを小さくすることができる。例えば吸収ヒートポンプ32−1、32−2、32−3の累積運転時間がそれぞれ150時間、100時間、180時間であったとすると、稼働優先順位が第1位A=吸収ヒートポンプ32−2、第2位B=吸収ヒートポンプ32−1、第3位C=吸収ヒートポンプ32−3と割当てられる。同様に排ガスボイラ33−1、33−2、33−3にその累積運転時間により、グループ内で第1位A、第2位B、第3位Cが割当てられ、燃料焚きのボイラ34−1、34−2、34−3にもその累積運転時間により、グループ内で第1位A、第2位B、第3位Cが割当てられる。
【0050】
稼働優先順位が第1位Aの吸収ヒートポンプ32−2は、圧力センサ38の蒸気ヘッダ36の検出蒸気圧が0.81MPa以下になると運転し、0.82MPaを超えると停止する。運転/停止の各圧力設定値に0.01MPaの幅を設けたのは、頻繁な発停を防止するためである。同様に稼働優先順位が第2位Bの吸収ヒートポンプ32−1は、圧力センサ38の蒸気ヘッダ36の検出蒸気圧が0.80MPa以下になると運転し、0.81MPaを超えると停止する。稼働優先順位が第3位Cの吸収ヒートポンプ32−3は、圧力センサ38の蒸気ヘッダ36の検出蒸気圧が0.79MPa以下になると運転し、0.80MPaを超えると停止する。
【0051】
以下同様に、排ガスボイラ33−1〜33−3のグループ内の第1位Aの排ガスボイラが稼働優先順位第4位、第2位Bの排ガスボイラが稼働優先順位第5位、第3位Cの排ガスボイラが稼働優先順位第6位、燃料焚きのボイラ34−1〜34−3のグループの第1位Aの燃料焚きのボイラが稼働優先順位第7位、第2位Bの燃料焚きのボイラが稼働優先順位第8位、第3位Cの燃料焚きのボイラが稼働優先順位第9位となり、圧力センサ38で検出される蒸気ヘッダ36の検出蒸気圧値を基に発停を行うようになっている。
【0052】
そして蒸気ヘッダ36が0.73MPa以下で全ての熱源機器が運転され、また蒸気ヘッダ36の圧力が0.82MPaを超えた状態では全ての熱源機器は停止する。
【0053】
上記のような台数制御を行うことによって、熱源機器を使用しない場合は冷却塔などで冷却する必要がある温水排熱を最優先に、排ガスをその次に優先して利用することができるので、コージェネレーションシステムからの熱を最も効率良く、且つ経済的に利用することができる。また、各熱源機器の累積運転時間を踏まえて各熱源機器の運転優先順位を決定しているため、各熱源機器の運転時間が略均等になり、メンテナンスサイクルを長くすることができる。さらに、各熱源機器の頻繁な発停が起こらないように負荷量に応じて発停を行うので、頻繁な機器の発停による機器の劣化及び発停時のエネルギー損失を少なくすることができる。
【0054】
本実施形態では台数制御を吸収ヒートポンプ32−1〜32−3のグループ、排ガスボイラ33−1〜33−3のグループ、燃料焚きのボイラ34−1〜34−3のグループと、各グループ内の優先順位“A”、“B”、“C”の割当てを累積運転時間によって行ったが、より簡単に、例えば1週間毎に運転優先順位のローテーションを行うなどの方法でも、各熱源機器の運転時間の均一化という目的は十分達することができる。
【0055】
また、本実施形態の台数制御では、蒸気ヘッダ36の蒸気圧力による運転テーブルに従って各熱源機器の発停を行うようにしたが、図4と同様、蒸気ヘッダ36の圧力設定値と比較しながら、簡単なシーケンスにしたがって各熱源機器の発停を制御する方法を採用してもよい。
【0056】
以上の実施形態は単段の吸収ヒートポンプを組み合せた場合について述べたが、多段のヒートポンプで構成してもよい。図7を参照しながら、2段吸収ヒートポンプについて説明する。
【0057】
図7に示すように、2段第2種吸収ヒートポンプは、低圧蒸発器EL、高圧蒸発器EH、低圧吸収器AL、高圧吸収器AH、再生器G、凝縮器C、溶液熱交換器40L、溶液熱交換器40H、溶液ポンプ41、濃溶液配管42、希溶液配管43、希溶液配管44、冷媒ポンプ45、冷媒配管46、熱源温水配管47、熱源温水配管48、冷却水配管49、熱媒配管50、給水ポンプ51、給水予熱伝熱管52、給水予熱伝熱管53、及び蒸気発生伝熱管54から構成される。
【0058】
上記構成の第2種2段吸収ヒートポンプ3において、再生器Gの濃溶液は、溶液ポンプ41により、濃溶液配管42を通り、溶液熱交換器40Lを通り、溶液熱交換器40Lの被加熱側を通り加熱された後、分岐して一方は低圧吸収器ALに送られ該低圧吸収器AL内に散布され、もう一方は溶液熱交換器40Hの被加熱側を通り加熱された後、高圧吸収器AHに送られ該高圧吸収器AH内に散布される。低圧吸収器AL内に散布された濃溶液は、低圧蒸発器ELから流入する冷媒蒸気を吸収し吸収熱を発生し、その熱で熱媒配管46の中に流れる熱媒を加熱する。
【0059】
上記冷媒蒸気を吸収し濃度が薄くなった希溶液は、溶液熱交換器40Lの加熱側を経由して再生器Gに戻る。一方、高圧吸収器AHに散布された濃溶液は、高圧蒸発器EHから流入する冷媒蒸気を吸収して吸収熱を発生し、その熱で蒸気発生伝熱管54の中を流れる被加熱媒体を加熱する。冷媒蒸気を吸収して濃度が薄くなった希溶液は、希溶液配管43を通り溶液熱交換器40Hの加熱側を経由して低圧吸収器ALから希溶液配管44を通って流入する希溶液と合流し、再生器Gに戻り、再生器G内に散布される。該再生器G内で散布された希溶液は、熱源温水配管48の中を流れる熱源温水101によって加熱され、冷媒蒸気を発生して濃縮され濃溶液となり、溶液サイクルを一巡する。
【0060】
再生器Gで発生した冷媒蒸気は凝縮器Cに導かれ、冷却水配管49の中を流れる冷却水102によって冷却されて凝縮し、冷媒液となる。この冷媒液は冷媒ポンプ45により冷媒配管46を通って低圧蒸発器EL及び高圧蒸発器EHに送られ、低圧蒸発器EL及び高圧蒸発器EH内にそれぞれ散布される。散布された冷媒液は低圧蒸発器ELでは熱源温水配管47の中を流れる熱源温水103によって加熱され蒸発し、低圧吸収器ALに導かれる。同様に、高圧蒸発器EHでは熱媒配管50を流れる熱媒によって加熱されて蒸発し、高圧吸収器AHに導かれる。以上が溶液のサイクルである。
【0061】
一方、被加熱媒体(水)104は、給水ポンプ51で加圧されて給水予熱伝熱管52に導かれる。給水予熱伝熱管52では、再生器Gで発生した冷媒蒸気が凝縮することで、被加熱媒体(水)104が加熱され、続いて給水予熱伝熱管53では、高圧蒸発器EHで発生した冷媒蒸気が凝縮することで、被加熱媒体(水)104がさらに加熱される。最後に被加熱媒体(水)104は高圧吸収器AH内の蒸気発生伝熱管54で溶液の吸収熱によって加熱されて水蒸気となる。このように、吸収ヒートポンプのサイクルを多段とすることによって同じ温度の熱源からより高温の熱を作り出すことができる。
【0062】
なお、給水予熱伝熱管53の設置場所としては、溶液循環系からの熱回収や、熱源温水による直接加熱などが利用でき、これらの組み合せでも良い。また、高圧蒸発器EHに供給される冷媒液を温水などで予熱することで、効率を上げることもできる。
【0063】
上記実施形態例では、排熱の形態をエンジン30のジャケット温水106や排ガス108としたが、工場排熱なども同様に適用できる。また、温水や排ガスに限らず他の熱媒でも構わない。
【0064】
被加熱媒体は相変化せず、高温水のまま取り出してもよい。その場合は圧力センサの代りに温度センサに加えて流量計を用いることになる。また、被加熱媒体は水に限らず他の熱媒でもよい。
【0065】
吸収ヒートポンプ、排ガスボイラ、燃料焚きボイラ等の熱源機器の台数には制約がない。1台でも複数台でもよい。また、排熱ボイラ又は燃料焚きのボイラがなくとも成立する。また、燃料焚きボイラは、電気エネルギーを熱に変換して蒸気を発生する電気ボイラでも良い。排熱ボイラに追い焚き機能が付いている場合は、それを「排熱ボイラ+燃料焚きボイラ」みなすこともできる。
【0066】
吸収ヒートポンプは、単段、多段など、特に指定はない。また、上記実施形態例では、各熱源機器をON/OFFの2位置制御としたが、多位置制御(HI,LO,OFF等)や比例制御に拡張することができる。その際の制御方法は多缶ボイラシステムで公知の様々なものを採用できる。
【0067】
また、他の公知の多缶ボイラシステムと同様の台数制御(負荷予測、スケジュール運転等)を適用することができる。特に吸収ヒートポンプは、通常のボイラに比べて起動時間が長くかかるため、負荷予測によって頻繁な発停を防ぐことは非常に有効である。例えば、使用先の負荷が減少した場合でも、吸収ヒートポンプを停止せず待機状態としておくことによって、再び負荷が増加した場合に遅延することなく負荷に追従することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】単段第2種吸収ヒートポンプの構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る熱媒供給システムをエンジンを用いたコージェネレーションに適用した例を示す図である。
【図3】本発明に係る熱媒供給システムの台数制御を説明するための図である。
【図4】本発明に係る熱媒供給システムの台数制御のフローを示す図である。
【図5】本発明に係る熱媒供給システムの構成例を示す図である。
【図6】本発明に係る熱媒供給システムの蒸気圧力設定値と各熱源機器の運転状態を示す図である。
【図7】2段第2種吸収ヒートポンプの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 単段第2種吸収ヒートポンプ
3 2段第2種吸収ヒートポンプ
E 蒸発器
A 吸収器
G 再生器
C 凝縮器
EH 高圧蒸発器
EL 低圧蒸発器
AH 高圧吸収器
AL 低圧吸収器
V1 逆止弁
V2 逆止弁
V3 逆止弁
11 溶液ポンプ
12 濃溶液配管
13 希溶液配管
14 冷媒ポンプ
15 冷媒配管
16 熱源温水配管
17 熱源温水配管
18 冷却水配管
19 給水ポンプ
20 給水予熱伝熱管
21 蒸気発生熱交換器
30 エンジン
31 発電機
32 吸収ヒートポンプ
33 排ガスボイラ
34 ボイラ
36 蒸気ヘッダ
37 使用先
40L 溶液熱交換器
40H 溶液熱交換器
41 溶液ポンプ
42 濃溶液配管
43 希溶液配管
44 希溶液配管
45 冷媒ポンプ
46 冷媒配管
47 熱源温水配管
48 熱源温水配管
49 冷却水配管
50 熱媒配管
51 給水ポンプ
52 給水予熱伝熱管
53 給水予熱伝熱管
54 蒸気発生伝熱管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排熱で駆動される1台又は複数台の吸収ヒートポンプと、排熱又は燃料で駆動される1台又は複数台の熱源機器とをヘッダに並列に接続し、該吸収ヒートポンプ及び熱源機器から加熱された熱媒体を前記ヘッダに供給し、該ヘッダから加熱された熱媒体を負荷に供給するように構成したことを特徴とする熱媒供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載された熱媒供給システムにおいて、
前記負荷の量を検出する負荷検出手段を設け、該負荷検出手段で検出した負荷量に応じて、前記吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停又は容量制御を行う運転制御手段を設けたことを特徴とする熱媒供給システム。
【請求項3】
請求項2に記載された熱媒供給システムにおいて、
前記運転制御手段は前記吸収ヒートポンプを前記熱源機器に優先して運転する手段を備えていることを特徴とする熱媒供給システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載された熱媒供給システムにおいて、
前記負荷量に応じた前記吸収ヒートポンプ及び熱源機器の発停は、該吸収ヒートポンプ及び熱源機器の頻繁な発停が起らないように設定する手段を設けていることを特徴とする熱媒供給システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱媒供給システムにおいて、
前記熱源機器は排熱ボイラ及び燃料焚きボイラであり、
前記運転制御手段は前記吸収ヒートポンプと前記排熱ボイラを前記燃料焚きボイラに優先して運転する手段を備えていることを特徴とする熱媒供給システム。
【請求項6】
請求項5に記載の熱媒供給システムにおいて、
熱媒は蒸気であって前記負荷検出手段は前記ヘッダの蒸気圧を検出する圧力センサであることを特徴とする熱媒供給システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱媒供給システムにおいて、
前記排熱を供給する排熱源に、排熱媒体の冷却を必要とする排熱源と排熱媒体の冷却を必要としない排熱源がある場合、排熱媒体の冷却を必要とする排熱源からの排熱を優先して使用する手段を備えていることを特徴とする熱媒供給システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱媒供給システムにおいて、
複数台の前記吸収ヒートポンプの間ではその運転優先順位は累積運転時間によって決める手段を備えていることを特徴とする熱媒供給システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の熱媒供給システムにおいて、
複数台の熱源機器を種類に応じて複数グループに区分し、同一グループに属する複数の熱源機器の間ではその運転優先順位は累積運転時間によって決める手段を備えていることを特徴とする熱媒供給システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate