説明

物体検知装置

ワイドエリア、ナローエリアのみならず、これらの中間的エリアのスポットエリアについても装置の設置環境に応じて検知エリアを十分調整できる物体検知装置を提供するために、検知波を検知エリアに放射するとともに、物体からの反射波を受信するアンテナATと、このアンテナATの前面を覆って前記検知エリアの形状を調整する調整カバー6,7とを備え、前記調整カバー6,7として、検知エリアを相異なる複数の形状に調整する複数の調整カバー6,7の一つを選択的に取り付ける。このとき、検知エリアは、検知波のサイドローブを抑制する一対の切欠部63,63が形成された調整カバー6を選択して用いることで、不要な検知エリアのない状態で形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、自動ドアや防犯監視用などに用いられるマイクロ波のような検知波を利用した物体検知装置に関し、詳しくは、人体などの物体の検知エリアを装置の設置環境に応じて適切に調整できる物体検知装置に関する。
【背景技術】
自動ドア用や防犯監視用の物体検知装置は、例えばマイクロ波よりなる検知波を人体のような物体の検知エリアに向けて放射し、この物体に当たって反射した検知波を受信してドップラー効果による周波数変化から前記物体を検知できるようになっている。このような物体検知装置の検知エリア形成を行うアンテナとして、従来、主にホーンアンテナが使用されていたが、この場合、ホーンアンテナのユニットがラッパ状の形をしていて嵩高となるため、装置自体が大型化し、施工時の取扱性が良くない。また、装置の設置環境に応じ、幅広ドアに装置を設置した場合には幅広のエリア(以下、ワイドエリアという)に、幅狭ドアに装置を設置した場合には幅狭のエリア(以下、ナローエリアという)にそれぞれ検知エリアを設定変更するが、この設定変更はホーンアンテナの左右の壁に設けられた幅調節用の調節壁を動かしたり、あるいは幅調節用の調節壁を所定位置に設定した後、ユニット全体を90°回転させることで操作しているが、検知エリアの調整が面倒である。
このような不具合を解決し、装置の小型化および検知エリア調整のしやすさをはかった物体検知装置として、前記ホーンアンテナに替えて金属箔よりなるパッチアンテナを使用し、このアンテナの前面に90°回転させることにより凸レンズもしくは凹レンズとなりうる誘導体レンズを回転自在に配設したものがある(例えば、特開平7−110375号公報参照)。この装置は、誘導体レンズを90°回転することで検知エリア(ワイドエリアもしくはナローエリア)の調整を行うことができ、その操作も容易である。
しかしながら、前記誘導レンズを回転自在に設けた物体検知装置でも、一つのレンズを回転させるだけであるから、検知ヱリアの変更幅に限度があり、十分な調整を行えない場合がある。また、物体検知装置の場合、マイクロ波の放射ビームのうち、中央の主ビームの側方にサイドローブといわれる小さなビームが生じることがある。このサイドローブが生じると、主ビームの出力がサイドローブに取られるため、主ビームの出力が低下し、主ビームにより形成される検知エリア以外に本来形成されるべきでない不要な検知エリアが同時に形成される。このように、不要な検知エリアが形成されると、例えばこの装置を自動ドア開閉の検知センサとして用いた場合、この不要な検知エリアでも人や物体を検知してしまい、開閉動作すべきでないときでも開閉動作が行われる誤作動を誘発する可能性がある。さらに、得られる検知エリアの形状もワイドエリアもしくはナローエリアの2種類であって、これらの中間的エリアについては形成することができず、多様な設置環境に応じた検知エリアの形成という点で十分に満足できるものでなかった。
【発明の開示】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたもので、検知エリアの十分な調整が可能な物体検知装置を提供することを第1の目的とする。本発明の第2の目的は、誤作動の原因となるサイドローブを生じることがなく、しかも検知エリアの形状も装置の設置環境に応じて3種類から選択できる物体検知装置を提供することである。
前記第1の目的を達成するために、本発明の物体検知装置は、検知波を検知エリアに放射するとともに、物体からの反射波を受信するアンテナと、前記アンテナの前面を覆って前記検知エリアの形状を調整する調整カバーとを備え、前記調整カバーとして、検知エリアを相異なる複数の形状に調整する複数の調整カバーの一つが選択的に取り付けられる。
この構成によれば、検知エリアの形状の調整がアンテナの前面を覆う調整カバーによって行える。したがって、検知エリアを相異なる複数の形状に調整する複数の調整カバーのうちから所望の一つを選択してアンテナ前面を覆うことで、十分に調整された所望の検知エリアを必要に応じて容易に設定できる。また、アンテナ自体も調整カバーによって保護されるので、アンテナの向きが意に反してずれたり、損傷するおそれもなく、アンテナの機能を低下させることもない。
本発明の実施形態では、前記調整カバーの一つは、円板状の前壁と、この前壁の周縁から後方に延びる周壁とを有し、相対向する両側部に、放射される検知波のサイドローブを抑制する一対の切欠部が、径方向内側へ凹入して形成されている。
この構成によれば、幅の広い検知エリア(ワイドエリア)を設定することができる。しかも、放射された検知波の放射ビームのうち、中央の主ビームの側方に生じやすいサイドローブの発生を切欠部によって強制的に抑制できる。したがって、主ビームの出力を低下させることがなく、主ビームにより形成される検知エリア以外に本来形成されるべきでない不要な検知エリアも形成されない。このように、主ビームの出力の低下がないので、検知エリアにおける検知精度が優れ、前記不要な検知エリアが形成されないことで、同装置を例えば自動ドア開閉用の検知センサとして用いた場合、この不要な検知エリアに人や物体があってもこれを検知することがなく、開閉動作すべきでないときに、開閉動作が行われるような誤作動を誘発することがない。
また、本発明の実施形態では、前記調整カバーの他の一つは、円板状の前壁と、この前壁の周縁から後方に延びる周壁とを有し、前記前壁は周縁部から中央部に向かって厚さが増大する凸レンズ部を有している。
この構成によれば、凸レンズ部の存在によって通過する検知波の指向性が狭まれる結果、幅も奥行きも小さいスポット状の検知エリア(スポットエリア)を形成することができる。このことにより、検知エリアの大きな変更が可能となる。
さらに、本発明の実施形態では、前記アンテナは、センサ本体に対し回動自在に取り付けられた保持部材に保持されており、この保持部材に前記調整カバーが装着されている。
この構成によれば、保持部材を介してアンテナと調整カバーとが固定されることになるので、前記調整カバーを回動させると、アンテナも同時に回動して検知エリアの形状が変更される。したがって、前記切欠部付きの調整カバーを用いた場合、アンテナおよび調整カバーを90°回転させることにより、検知エリアを、ナローエリアに形成されるように縦向きに、あるいはワイドエリアに形成されるように横向きに位置させることができる。このように、ワイドエリアもしくはナローエリアの切替選択を必要なエリア形成のための専用アンテナを用いることなく、一つのアンテナの向きを変えるだけで達成でき、部品点数の削減および構造の簡素化がはかれる。また、凸レンズ部を有する調整カバーとの交換により、スポットエリア、ワイドエリア、これらの中間の大きさのナローエリアの3つに調整することができる。
【0000】
本発明の好ましい実施形態では、さらに、支持台と、前記支持台に第1軸心の回りに回動自在に支持された第1ホルダと、前記第1ホルダに前記第1軸心と直交する第2軸心の回りに回動自在に支持された第2ホルダと、前記アンテナを保持し、前記第2ホルダに前記第2軸心と直交する第3軸心の回りに回動自在に支持されたアンテナモジュールとを備えている。
この構成によれば、第1ホルダを第1軸心の回りに回動させることにより、左右方向の検知エリア調整が行える。また、第2ホルダを第2軸心の回りに回動させることにより、前後方向の検知エリア調整が行える。さらに、アンテナモジュールを第3軸心の回りに回動させることにより、アンテナの向きを変えることができて、検知エリアの形状を、例えばワイドエリアまたはナローエリアに切替調整できる。このように、3軸方向の検知エリアの調整が容易であるから、装置取付現場での取付施工が容易かつ迅速に行える。
【図面の簡単な説明】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は同等部分を示す。
図1は、本発明の一実施形態にかかる物体検知装置を示す断面図で、図2の矢印I方向から見た図である。
図2は、同物体検知装置の正面図である。
図3は、同物体検知装置の第1ホルダを示す斜視図である。
図4は、同物体検知装置の第2ホルダを示す斜視図である。
図5A〜図5Dは、第1の調整カバーの正面図および一部断面した側面図である。
図6A〜図6Cは、それぞれワイドエリアの形状を示す図である。
図7A〜図7Cは、それぞれナローエリアおよびスポットエリアの形状を示す図である。
図8は、第2の調整カバーを装着した物体検知装置を示す断面図で、図9の矢印VIII方向から見た図である。
図9は、同物体検知装置の正面図である。
図10Aおよび図10Bは、第2の調整カバーの正面図および一部断面した側面図である
図11は、同物体検知装置を用いた物体検知システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる物体検知装置を示す断面図で、図2の矢印方向Iから見た側面図である。図2は同じく物体検知装置の正面図である。
図1において、本発明にかかる物体検知装置Dは、支持台1と、この支持台1の底面と直交する第1軸心R1の回りに回動自在に支持された第1ホルダ2(図3)と、この第1ホルダ2に前記第1軸心R1と直交する第2軸心R2の回りに回動自在に支持された第2ホルダ3(図4)と、検知波を送受信するアンテナATを保持し、前記第2ホルダ3に前記第2軸心R2と直交する第3軸心R3の回りに回動自在に支持されたアンテナモジュール4とを備えている。
前記支持台1は、電子部品E1を組み込んだ基板13を収容し、自動ドアの上方の無目や天井のような外部の部材に取り付けられるベース11と、このベース11上を覆うインナーカバー12とを有している。また、前記第1ホルダ2は、図3に示すように、具体的には半球形をしており、その下端外周部2aがベース11とインナーカバー12との間に挟持されて支持され、前記ベース11とインナーカバー12とは、例えば図2に示す5ヶ所のねじ止め9で取り付けられている。
また、この第1ホルダ2内に前記第1軸心R1と直交する第2軸心R2の回りに回動自在に支持された第2ホルダ3(図4)も半球形となっており、前記第1ホルダ2内に第2ホルダ3を支持する手段は、図4に示す第2ホルダ3の第2軸心R2に相当する位置にある突出部31,31を、図3の第1ホルダ2の軸心R2に相当する位置にある孔22,22にそれぞれ弾発的に嵌め込むことにより行う。
前記したように、図1に示す前記第2ホルダ3の頂部には、検知波の一例であるマイクロ波を送受信するアンテナモジュール4が、前記第2軸心R2と直交する第3軸心R3の回りに回動自在となるように支持されている。このアンテナモジュール4は、アンテナATを保持する保持部材41と第2ホルダ3の裏板42とが、その間で第2ホルダ3の頂部取付部32を挟持した状態で、2ヵ所のビス止め44によって固定されている。また、前記第2ホルダ3の裏板42の裏面側には、電子部品E2を収容した基板43が装着されており、前記アンテナATは、図2に示すように、ジグザク状の2次元形状のワイヤで構成されている。アンテナモジュール4は、第2ホルダ3の回動により、前記第1ホルダ2の開口部21内を図1の実線で示す位置P1から想像線で示す位置P2まで前後動できるようになっている。
前記支持台1は、その上方から合成樹脂製のドーム状の外部カバー5で覆われ、前記第1ホルダ2、第2ホルダ3およびアンテナモジュール4が保護されている。
前記保持部材41の上には、アンテナATの前面を覆うように樹脂製の誘電体で形成された第1の調整カバー6が装着され、この調整カバー6によって検知エリアの形状を調整するようになっている。
前記第1の調整カバー6を図5に示す形状である。図5Bにおいて、調整カバー6は、円板状の前壁61と、この前壁61の周縁から後方へ延びる周壁62とを有したキャップ形状となっており、前壁61の相対向する両側部に径方向内方に凹入した一対の切欠部63,63(図5(A))が形成されている。この調整カバー6を図1に示すように、保持部材41に保持したアンテナATを覆うように装着した場合には、前記切欠部63,63によって放射される検知波のサイドローブが抑制される。調整カバー6は型成形されたもので、その装着手段は、図5Dに示すように、保持部材41の外周の突部41aの下縁41aaに、調整カバー6の下端の4ヵ所に一体形成した係止爪60を係止する構造になっている。調整カバー6の前壁61には、図5A,Cに示すように、前記係止爪60を成形するための型抜き用の孔64が係止爪60の軸方向に対応する位置に設けられている。
このように構成される物体検知装置の検知エリアの設定は、次のようにして行う。すなわち、左右方向の検知エリア設定は、図1の支持台1に対して第1ホルダ2を第1軸心R1の回りに、図2に示す矢印A方向に回動させることで行う。次に、前後方向の検知エリア設定は、第1ホルダ2に対して第2ホルダ3を第2軸心R2の回りに、図1に示す矢印B方向に回動(前後動)させることで行う。続いて、ワイドエリアまたはナローエリアの設定は、図2に示すように、第2ホルダ3に対して、調整カバー6が装着されたアンテナモジュール4を第3軸心R3の回りに矢印C方向に回動させてアンテナATの向きを変えることにより行う。
例えば、物体検知装置Dは、図6の正面図に示すように、スライド式の自動ドア81の上方の無目82に取り付ける。アンテナモジュール4を回動させて調整カバー6および前記アンテナATの向きを、図5Aに示すように、縦向き(この場合、切欠部63,63は上下方向に位置する)にすれば、図6に示す装置設置面の前方に幅が広くなったワイドエリアWを設定することができる。このワイドエリアWからなる検知エリアは、正面から見て、床83上における幅がW1(図6A)、上から見たエリア形状は横長の長楕円形状(図6B)となり、側方から見たエリア形状は奥行き長さがL1(図6C)と比較的短めになっている。また、前記調整カバー6に切欠部63,63を設けなかった場合に発生するサイドローブが抑制され、斜線で示すエリアWの外側に不要な検知エリアが形成されない。このように検知エリアをワイドエリアWに設定すると、両開きになった自動ドア81に適した物体検知装置となる。
図2のアンテナモジュール4を回動させて調整カバー6および前記アンテナATの向きを、図5Cに示すように、横向き(この場合、切欠部63,63は左右方向に位置する)にすれば、装置設置面の前方に幅が狭くなったナローエリアNを設定することができる。このナローエリアNからなる検知エリアは、正面から見て、床83上における幅がW1よりも小さいW2(図7A)、上から見たエリア形状は縦長の長楕円形状(図7B)となり、側方から見たエリア形状は奥行き長さがL1よりも大きいL2(図7C)となっている。このように検知エリアをナローエリアNに設定すると、片引きドアやスウイング式の自動ドア81Aに適した物体検知装置となる。
本発明の第2調整カバーを図8に示す。この調整カバー7も前記図5に示した調整カバー6と同様、樹脂などからなる誘電体で形成され、図10から明らかなように、円板状の前壁71と、この前壁71の周縁から後方へ延びる周壁72とを有したキャップ形状となっている(図10A)。前壁71は周縁部よりも若干中心寄りの位置から中央部に向かって厚さが増大する凸レンズ部73(図10B)を有している。なお、この第2の調整カバー7の装着にあたっても、前記第1の調整カバー6と同様、係止爪60によって、図8のアンテナモジュール4の保持部材41に係止される。
この調整カバー7をアンテナモジュール4の保持部材41に装着した場合、放射されたマイクロ波は前記凸レンズ部73を通過するとき、そのレンズ作用によって広がりが抑制され、ナローエリアNよりもさらに狭い検知エリアであるスポットエリアSが形成される。すなわち、図7Aに示すように、正面から見た検知エリアの幅W3は、ナローエリアの幅W2と同様であり、上から見たエリア形状はナローエリアNでは縦長の長楕円形状であったのに対し、ほぼ正円形状のスポットエリアSとなる(図7B)。さらに、側方から見たエリア形状はナローエリアNの場合の奥行き長さL2に比べ、より奥行き長さが短いL3となっている(図7C)。このように、第1と第2の調整カバー6,7を選択的に使用することにより、ワイドエリアW、ナローエリアNおよびスポットエリアSの3つの検知エリアを得ることができる。
この物体検知装置を図11に示す自動ドアシステム50に用いた場合、アンテナモジュール4に設けた送受信回路25の作動により、アンテナモジュール4のアンテナATから、マイクロ波よりなる検知波が検知エリアに向けて放射され、移動する人体などの物体で反射した検知波がアンテナATから、送受信回路25に送られる。この送受信回路Bで受信した反射波にドップラー効果による周波数の変化があったとき、検出回路26にて検出される。この検出結果は図2の接続端子8に接続された回線を介して外部のドア制御回路27に送られて、自動ドアを制御する。
このとき、第1の調整カバー6を装着したアンテナモジュール4を図1の第3軸心R3の回りに回動して、アンテナATおよび調整カバー6の切欠部63,63の向きを予め図5Aのように位置させておくと、検知エリアをワイドエリアW(図6)に設定できる。またアンテナATおよび切欠部63,63の向きを図5Cのように位置させておくと、検知エリアをナローエリアN(図7)に設定できる。さらに、第1の調整カバー6に替えて図10に示す第2の調整カバー7を用いた場合には、検知エリアをスポットエリアS(図7)に設定できる。したがって、前記自動ドアの制御は、装置の設置環境を考慮して、両開きドア81(図6)の場合にはワイドエリアWに、片引きドア81A(図7)の場合にはナローエリアNまたはさらに狭いスポットエリアSに検知エリアをそれぞれ設定できる。
上記構成によれば、検知エリアの調整が左右方向および前後方向に加えて、装置Dの設置環境に応じ、図6のワイドエリアW、図7のナローエリアNおよびスポットエリアSの設定も、装置取付の施工現場で簡便かつ迅速に行える。特に、ワイドエリアWまたはナローエリアNの設定は、図2のアンテナモジュール4の回転によって容易に行えるので、従来のようにワイドエリアまたはナローエリア用の2種類の専用アンテナを必要とすることなく、部品点数の削減を実現することができる。これにより、コンパクトで取扱性に優れた物体検知装置Dを低コストで製作できる。また、調整カバー6,7によってアンテナATが保護される。
さらに、第1ホルダ2を第1軸心R1の回りに回動させることにより、左右方向の検知エリア調整が行える。また、第2ホルダ3を第2軸心R2の回りに回動させることにより、前後方向の検知エリア調整が行える。さらに、アンテナモジュール4を第3軸心R3の回りに回動させることにより、アンテナATの向きを変えることができて、検知エリアの形状をワイドエリアWまたはナローエリアNに切替調整できる。このように、3軸方向の検知エリアの調整が容易であるから、装置取付現場での取付施工が容易かつ迅速に行える。
なお、前記実施形態では、R1〜R3の3つの軸心回りに検知エリアを調整できる3軸調整型の物体検知装置への適用例として説明したが、必すしも3軸調整型に限らず、2軸調整型または1軸調整型にも同様に適用できる。また、アンテナは前記実施形態のワイヤ状のほか、金属箔からなるパッチアンテナであってもよい。さらに本発明の物体検知装置は、自動ドア用に限らず、不法侵入者を検知して警報信号を出力する防犯検知センサにも使用できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】




【図8】

【図9】


【図11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知波を検知エリアに放射するとともに、物体からの反射波を受信するアンテナと、
前記アンテナの前面を覆って前記検知エリアの形状を調整する調整カバーとを備え、
前記調整カバーとして、検知エリアを相異なる複数の形状に調整する複数の調整カバーの一つが選択的に取り付けられる物体検知装置。
【請求項2】
請求項1において、前記調整カバーの一つは、円板状の前壁と、この前壁の周縁から後方に延びる周壁とを有し、相対向する両側部に、放射される検知波のサイドローブを抑制する一対の切欠部が、径方向内側へ凹入して形成されている物体検知装置。
【請求項3】
請求項2において、前記調整カバーの他の一つは、円板状の前壁と、この前壁の周縁から後方に延びる周壁とを有し、前記前壁は周縁部から中央部に向かって厚さが増大する凸レンズ部を有している物体検知装置。
【請求項4】
請求項1において、前記アンテナは、センサ本体に対し回動自在に取り付けられた保持部材に保持されており、この保持部材に前記調整カバーが装着されている物体検知装置。
【請求項5】
請求項1において、さらに、
支持台と、
前記支持台に第1軸心の回りに回動自在に支持された第1ホルダと、
前記第1ホルダに前記第1軸心と直交する第2軸心の回りに回動自在に支持された第2ホルダと、
前記アンテナを保持し、前記第2ホルダに前記第2軸心と直交する第3軸心の回りに回動自在に支持されたアンテナモジュールと、
を備えた物体検知装置

【国際公開番号】WO2004/081609
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【発行日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503516(P2005−503516)
【国際出願番号】PCT/JP2004/002994
【国際出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【出願人】(000103736)オプテックス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】