説明

物品を注文製作する方法及び膨張可能部材を含む装置

【課題】 グラフィック転写アッセンブリを提供する。
【解決手段】 グラフィック転写アッセンブリは、膨張することによって履物の内部を充填できる膨張可能部材を含む。グラフィック転写アッセンブリは、膨張可能部材を充填するための流体ポンプを含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を製造する方法に関し、詳細には、物品にグラフィックを施す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、履物を注文製作する方法が提案されてきた。アブラムズ等(米国特許第7,166,249号)は、インモールド装飾法に関する。アブラムズらは、グラフィックが印刷された成形品を形成するため、グラフィックが印刷されたシートを金型に適用する方法を教示する。アブラムズらは、深い寸法を持つ立体的な成形部品をインモールド法で装飾できる方法を教示している。
【0003】
アブラムズらは、あひるおとり成形品に画像を適用するための一実施例を教示している。先ず最初に、画像を設計領域内に圧縮するディストーション印刷を使用してあひるの左右の写真画像を形成する。次いで、スクリーン印刷技術を使用してシートをコーティングし、その後、印刷し且つコーティングを施したシートをあひるおとりの寸法に合わせて真空形成し、ディストーション印刷した領域を通常の色彩及び割合にする。真空形成した印刷シートを切断して左右のピースにし、これらを吹込み成形金型の適当なキャビティに配置し、ポリエチレンで型成形する。金型を開放したとき、写真品質の画像を備えたあひるおとりの二つの半部を取り出し、互いに合わせて完成したおとりにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,166,249号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、物品を注文製作する方法及び膨張可能部材を含む装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一態様では、グラフィックを物品に適用するための方法において、膨張可能部材を流体で充填する工程と、物品を膨張可能部材と関連する工程と、グラフィックを物品の表面と関連付ける工程と、変形可能メンブレンが表面と整合するように物品の一部に押し付ける工程と、変形可能メンブレンを加熱する工程と、これによってグラフィックを表面に転写する工程とを含む方法を提供する。
【0007】
別の態様では、本発明は、グラフィック転写アッセンブリを使用する方法において、膨張可能部材をグラフィック転写アッセンブリに取り付ける工程と、膨張可能部材を第1サイズまで膨張させる工程と、第1サイズの第1物品を膨張可能部材と関連する工程と、グラフィック転写アッセンブリを使用して第1グラフィックを第1物品の一部に転写する工程と、第1物品を膨張可能部材から取り外す工程と、膨張可能部材を第1サイズと異なる第2サイズまで膨張させる工程と、第2サイズの第2物品を膨張可能部材と関連する工程と、グラフィック転写アッセンブリを使用して第2グラフィックを第2物品の一部に転写する工程とを含む、方法を提供する。
【0008】
更に別の態様では、本発明は、グラフィック転写アッセンブリにおいて、グラフィック転写アッセンブリを支持するように構成された基部と、第1の変形可能メンブレンを含む第1の可動部及び第2の変形可能メンブレンを含む第2の可動部と、第1の可動部及び第2の可動部を開放位置と閉鎖位置との間で制御するように構成されたアクチュエータと、膨張可能部材を基部に取り付けるように構成された支持アッセンブリとを含み、支持アッセンブリは、膨張可能部材の内部チャンバを流体で充填するように構成された第1流体ポートを含み、支持アッセンブリは、更に、第1の変形可能メンブレンと第2の変形可能メンブレンとの間を減圧するように構成された第2流体ポートを含み、アクチュエータは、第1の可動部及び第2の可動部を制御するように構成されており、第1の変形可能メンブレン及び第2の変形可能メンブレンは、物品の一部と整合するように構成されており、これによってグラフィックを物品に転写する、グラフィック転写アッセンブリを提供する。
【0009】
本発明のこの他のシステム、方法、特徴、及び利点は、添付図面及び詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。このような追加のシステム、方法、特徴、及び利点は全て、この説明に含まれ、本発明の範囲内にあり、特許請求の範囲によって保護される。
【0010】
本発明は、添付図面を参照して以下の説明を読むことにより更によく理解されるであろう。添付図面に示す構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を例示するにあたり誇張がなされている。更に、これらの図面では、様々な図に亘り、対応する部分に同様の参照番号が付してある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、物品の一実施例の斜視図である。
【図2】図2は、関連したグラフィックを備えた物品の一実施例の斜視図である。
【図3】図3は、関連したグラフィックを備えた物品の一実施例の斜視図である。
【図4】図4は、関連したグラフィックを備えた物品の一実施例の斜視図である。
【図5】図5は、関連したグラフィックを備えた物品の一実施例の斜視図である。
【図6】図6は、グラフィック転写アッセンブリに取り付けられた靴型と関連した物品の一実施例の斜視図である。
【図7】図7は、変形可能メンブレンが、物品の部分に押し付けられるように構成された、グラフィック転写アッセンブリに配置された物品の一実施例の概略図である。
【図8】図8は、変形可能メンブレンが物品の湾曲部分を包囲した、グラフィック転写アッセンブリに配置された物品の一実施例の概略図である。
【図9】図9は、物品が変形可能メンブレン間に配置され、これらの変形可能メンブレンが物品の湾曲部分を包囲した実施例の側面図である。
【図10】図10は、変形可能メンブレンが物品の湾曲部分と整合した、グラフィック転写アッセンブリに配置された物品の一実施例の概略図である。
【図11】図11は、物品の湾曲部分と整合した変形可能メンブレン間に配置された、物品の一実施例の側面図である。
【図12】図12は、グラフィック転写アッセンブリの変形可能メンブレンの一実施例の、物品から遠ざけた状態の概略図である。
【図13】図13は、グラフィックが湾曲部分に適用された物品の一実施例の概略図である。
【図14】図14は、靴型と関連し、グラフィック転写アッセンブリに配置された物品の一実施例の概略図である。
【図15】図15は、物品を取り囲むグラフィック転写アッセンブリの変形可能メンブレンの一実施例の概略図である。
【図16】図16は、物品の湾曲部分と整合したグラフィック転写アッセンブリの変形可能メンブレンの一実施例の側面図である。
【図17】図17は、グラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の斜視図である。
【図18】図18は、グラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の斜視図である。
【図19】図19は、一組の靴型と関連させることができ、グラフィック転写アッセンブリの靴型アッセンブリに取り付けることができる一組の物品の一実施例の概略図である。
【図20】図20は、グラフィックを物品の湾曲部分に適用できるグラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の分解図である。
【図21】図21は、グラフィックを物品に適用しているグラフィック転写アッセンブリの一実施例の概略図である。
【図22】図22は、グラフィックを物品の湾曲部分に適用しているグラフィック転写アッセンブリの一実施例の断面図である。
【図23】図23は、二つのグラフィックを物品の二つの湾曲部分に適用するように構成されたグラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の断面図である。
【図24】図24は、二つのグラフィックを物品の二つの湾曲部分に適用しているグラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の断面図である。
【図25】図25は、グラフィックを変形可能メンブレンに取り付けるのを阻止するように構成されたグラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の分解図である。
【図26】図26は、グラフィックを物品の湾曲部分に適用する、グラフィック転写アッセンブリの一実施例の概略図である。
【図27】図27は、グラフィックを物品に適用した後のグラフィック転写アッセンブリの一実施例の概略図である。
【図28】図28は、二つのグラフィックを物品の二つの湾曲部分に適用するように構成されたグラフィック転写アッセンブリの一実施例の断面図である。
【図29】図29は、二つのグラフィックを物品の二つの湾曲部分に適用している、グラフィック転写アッセンブリの一実施例の断面図である。
【図30】図30は、履物及び保護部材の例示の実施例の分解斜視図である。
【図31】図31は、履物及び保護部材の例示の実施例の斜視図である。
【図32】図32は、グラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の斜視図である。
【図33】図33は、グラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の斜視図である。
【図34】図34は、グラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の斜視図である。
【図35】図35は、グラフィック転写アッセンブリの例示の実施例の断面図である。
【図36】図36は、膨張可能部材を含むグラフィック転写アッセンブリの一実施例の斜視図である。
【図37】図37は、膨張可能部材を含むグラフィック転写アッセンブリの一実施例の断面図である。
【図38】図38は、履物と関連した膨張可能部材の一実施例の概略図である。
【図39】図39は、履物を充填するための膨張中の膨張可能部材の一実施例の概略図である。
【図40】図40は、膨張して履物の内部を充填した膨張可能部材の一実施例の斜視図である。
【図41】図41は、物品の周囲で閉鎖したグラフィック転写アッセンブリの一実施例を示す斜視図である。
【図42】図42は、真空を物品の周囲に適用している実施例の断面図である。
【図43】図43は、真空を物品の周囲に適用している実施例の断面図である。
【図44】図44は、グラフィック転写アッセンブリの一実施例の斜視図である。
【図45】図45は、グラフィック転写アッセンブリの一部の一実施例の拡大図である。
【図46】図46は、グラフィック転写アッセンブリの一実施例の斜視図である。
【図47】図47は、グラフィック転写アッセンブリの一実施例の断面図である。
【図48】図48は、グラフィック転写アッセンブリと関連した物品の組の一実施例の概略概略図である。
【図49】図49は、剛性が異なる様々な部分を持つ膨張可能部材の一実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び図2は、着用されるように構成された物品100の一実施例の概略図である。この例示の実施例では、物品100は履物である。しかしながら、この詳細な説明全体に亘って教示した原理は、他の物品にも適用できるということは理解されるべきである。一般的には、これらの原理は、着用される任意の物品に適用できる。幾つかの実施例では、物品は、動くように構成された関節連結された一つ又は複数の部分を含む。他の場合では、物品は、着用者の部分と立体的に整合する形態を備えていてもよい。着用されるように構成された物品の例には、履物、手袋、シャツ、パンツ、靴下、スカーフ、帽子、上着、並びに他の物品が含まれるが、これらに限定されない。物品のこの他の例には、臑当て、膝当て、肘当て、肩パッド、並びに任意の他の種類の防具が含まれるが、これらに限定されない。更に、幾つかの実施例では、物品には、着用されるように構成されていない別の種類の物品が含まれる。このような物品には、ボール、バッグ、財布、バックパック、並びに着用されるようになっていない他の物品が含まれるが、これらに限定されない。
【0013】
一つの例示の実施例では、物品100は、ハイトップシューズであってもよい。しかしながら、他の実施例では、物品100は、ランニングシューズ、バスケットボールシューズ、ハイヒール、ブーツ、スリッポン、低トップシューズ、並びにこの他の種類の履物を含むが、これらに限定されない任意の種類の履物であってもよい。更に、本実施例では、履物の片方しか示してないが、この詳細な説明に教示したのと同じ原理を、履物のもう片方に適用してもよい。
【0014】
様々な実施例において、物品100は様々な部分を含んでいてもよい。この実施例では、物品100は、甲皮即ちアッパー102を含む。一般的には、アッパー102は任意の種類のアッパーであってもよい。詳細には、アッパー102には、任意のデザイン、形状、サイズ、及び/又は色のアッパーが含まれる。例えば、物品102がバスケットボールシューズである実施例では、物品102は、足首に高度の支持を提供するように形成されたハイトップアッパーを含んでいてもよい。物品102がランニングシューズである場合には、物品100は、ランニング中に可撓性を提供するように形成された低トップアッパーを含んでいてもよい。
【0015】
物品100は、着用者の足を受け入れるように構成されている。幾つかの実施例では、物品100は、着用者の足を受け入れるように構成されたスロート103を含む。一般に、スロート103を通して、足を物品100の内部分に挿入できる。
【0016】
物品100は、外側部分106を含んでいてもよい。更に、物品100は、外側部分106とは反対側に配置された内側部分107を含んでいてもよい。更に、外側部分106は、足の外側と関連していてもよい。同様に、内側部分107は足の内側と関連していてもよい。
【0017】
幾つかの実施例では、物品100は、靴底システム即ちソールシステムとも関連している。幾つかの場合では、物品100用のソールシステムは、アウトソール(地面と接触する靴底の一番外側の部分)を含む。他の場合には、ソールシステムは、ミッドソールを含む。更に他の場合では、ソールシステムはインソールを含む。一つの例示の実施例では、物品100は、ソールシステム105を含んでいてもよい。ソールシステム105は、ミッドソール及びアウトソールを含んでいてもよい。
【0018】
図1及び図2を参照すると、一つ又は複数のグラフィックが物品100の部分に適用されてもよい。「グラフィック」という用語は、この詳細な説明の全体に亘って、及び特許請求の範囲において使用されているように、任意の像、絵、テキスト、又は印に関する。幾つかの場合では、グラフィックは、装飾を目的として使用されてもよい。他の場合では、グラフィックは、様々な種類の情報を表示するのに使用されてもよい。別の場合では、グラフィックには、物品の一部又はほぼ全体への色の適用が含まれる。幾つかの場合では、単一の無地の色を物品の一部又はほぼ全体に適用してもよい。他の場合には、様々な色を様々な方法で物品の一部又はほぼ全体に適用してもよい。更に他の場合には、グラフィックには、像、色、及び他の種類のデザインの組み合わせが含まれる。例えば、この実施例では、グラフィック109は、物品100と関連していてもよい。
【0019】
一般的には、グラフィックは、任意のサイズ及び形状であってもよく、これらの形状には、正方形の形状、矩形の形状、楕円の形形状、三角形の形状、規則的な形状、不規則な形状、並びに他の種類の形状が含まれるが、これらの形状に限定されない。幾つかの場合ではグラフィックは立体的であってもよい。他の場合では、グラフィックは実質的に平面的であってもよい。一実施例では、グラフィック109は全体に矩形の形状を備えて構成されている。更に、グラフィック109は実質的に平面的である。換言すると、グラフィック109は比較的平らである。更に、一つの例示の実施例において、グラフィック109は、物品100を着用する運動選手のチーム番号を表示するのに使用してもよい。例えば、一実施例では、グラフィック109は、番号「18」を含んでいてもよい。
【0020】
様々な実施例において、グラフィックは、様々な方法を使用して適用されてもよい。一実施例では、アッパーの材料と適合するフィルムにグラフィックを印刷してもよい。詳細には、グラフィックのインクがアッパーの材料と接触するようにグラフィックを反転してフィルムに印刷してもよい。この構成では、インクはフィルムによって保護される。幾つかの場合ではフィルムはアッパーのポリウレタンコーティングと適合するフィルムであってもよい。しかしながら、他の実施例では、グラフィックを物品に適用する他の方法を使用してもよい。
【0021】
様々な実施例において、物品100の様々な部分に一つ又は複数のグラフィックを適用してもよい。例えば、この実施例では、グラフィック109を物品100の外側部分106に適用してもよい。幾つかの場合では、追加のグラフィックを物品100の他の部分に適用してもよい。
【0022】
幾つかの実施例では、グラフィックを物品の湾曲部分に適用してもよい。例えば、履物は、爪先部分、踵部分、紐編み部分、及び履物側部を含む湾曲部分を含んでいてもよいがこれらに限定されない。幾つかの実施例では、グラフィックを物品の実質的に平らな部分に適用してもよい。
【0023】
一実施例では、物品100は、アッパー102及びソールシステム105の部分を組み立てて物品100を形成することにより実質的に完成する。実質的に組み立てられた物品100では、外側部分106は、物品100の湾曲部分を形成する。詳細には、外側部分106は、物品100に挿入される足の一部と同一形態をとるように湾曲していてもよい。
【0024】
幾つかの実施例では、グラフィックを物品に適用する前にグラフィックと物品の一部とを関連付けてもよい。幾つかの場合では、グラフィックを物品に一時的に取り付け、グラフィックを物品と関連させてもよい。様々な実施例において、物品へのグラフィックの一時的取り付けは、テープを使用する方法、接着剤を使用する方法、及び当該技術分野で周知の任意の他の方法を含む様々な方法で行ってもよいがこれらの方法に限定されない。一実施例では、接着力が低い一時的テープを使用してグラフィックを物品に一時的に取り付ける。例えば、幾つかの場合では、フリスケット型接着剤を使用してもよい。一実施例では、マイラーテープを使用してもよい。
【0025】
図1を参照すると、外側部分106に適用されるグラフィック109の位置を示すため、グラフィック109と外側部分106とを関連付けてもよい。この実施例では、外側部分106は、物品100の湾曲部分であってもよい。しかしながら、他の実施例では、外側部分106は物品100の実質的に平らな部分であってもよい。例示の実施例では、グラフィック109は、グラフィック109を図2に示すように物品100に適用する前にテープ111に一時的に取り付けられていてもよい。グラフィック109と物品100とを関連付けた後、グラフィック転写アッセンブリを使用してグラフィック109を物品100に適用してもよい。
【0026】
幾つかの実施例では、グラフィックを物品の大きな部分に適用してもよい。幾つかの場合では、履物の一部又は全部に色を付けるため、グラフィックを使用してもよい。更に、履物の一部又は全部に所定のデザインを適用するため、グラフィックを使用してもよい。換言すると、グラフィックの使用は、物品の局所的領域に限定されない。
【0027】
図3〜図5に示されるグラフィックの様々な実施例においては、履物に適用される。図3を参照すると、グラフィック109及び着色グラフィック111を履物100に適用する。幾つかの場合では、着色グラフィック111は、外側部分106のほぼ全体に色を付けるため、物品100外側部分106に適用される。更に、グラフィック109を着色グラフィック111に直接適用してもよい。換言すると、幾つかの場合では多数のグラフィックを互いに組み合わせ、物品に注文製作のデザインを形成してもよい。
【0028】
様々な実施例において、着色グラフィック111は、履物100のほぼ全体を覆うように構成された任意の材料であってもよい。幾つかの場合では、例えば、着色グラフィックは、色付きフィルムであってもよい。他の場合には、着色グラフィックは、インクや染料の薄いコーティングであってもよく、これらは、別の方法で適用されてもよい。一実施例では、着色グラフィック111は、アッパー102の色を全体として変化するため、外側部分106に接合できる色付きフィルムであってもよい。
【0029】
図4及び図5を参照すると、グラフィック110は、二つの別個のフィルム部分を含む。詳細には、グラフィック110は、第1フィルム部分151及び第2フィルム部分152を含む。詳細には、第1フィルム部分151及び第2フィルム部分152は、物品用の着色剤として様々なインク又は他の染料が配置されたフィルムであってもよい。幾つかの場合では、フィルムは、グラフィック又はデザインに従って配置されたインク及び/又は染料を含んでいてもよい。この実施例では、第1フィルム部分151は、グラフィックの数字155を含む。更に、第1フィルム部分151は、複数のリングを含むグラフィックのデザイン部分157を含む。他の場合には、第1フィルム部分151は、形状、数字、文字、又は他の種類の像の任意の他の組み合わせを含んでいてもよい。幾つかの場合では、第2フィルム部分152もまた、同様のグラフィック及び/又はデザインを含んでいてもよい。この構成では、色彩並びに別個のデザイン及びパターンを、グラフィック110を使用して履物100に施すことができる。
【0030】
幾つかの場合では、注文製作のグラフィックを物品に適用できる。「注文製作のグラフィック」という用語は、一つ又は複数の物品に適用するために顧客が選択した又は創作した任意のグラフィックに関する。幾つかの場合には、顧客には、製造者と関連したウェブサイトを使用して注文製作のグラフィックを創作又は選択するための用意が提供される。他の場合には、顧客は、注文製作のグラフィックを選択又は創作するプロセスに関わるため、小売店やキオスクに足を運んでもよい。更に他の場合には、顧客は、注文製作のグラフィックをメールやeメールで製造者に提出してもよい。物品に適用できる注文製作のグラフィックの創作及び/又は選択を行うための注文製作プロセスの例は、現在は、2006年12月18日に出願された「履物製造方法」という表題の米国特許出願第11/612,320号である米国特許第______号に記載されている。出典を明示することにより、この出願に開示された全てが本願の参照となる。
【0031】
図6乃至図15は、グラフィック転写アッセンブリでグラフィックを物品に適用する方法の一実施例を示そうとするものである。例示の目的のため、図6乃至図15は、グラフィック110を物品100の外側部分106に適用する方法の一実施例を示す。しかしながら、この方法は、グラフィックを物品の任意の他の部分に適用するのにも使用できるということは理解されるべきである。例えば、物品が履物である実施例では、この方法は、アッパー、ソール、並びに物品の任意の他の部分にグラフィックを施すのにも使用できる。更に、この方法は、後に互いに組み立てられて完成した物品を形成する物品の個々の部分にグラフィックを適用するのに使用してもよい。
【0032】
幾つかの実施例では、物品にグラフィックを適用する前に物品を靴型と関連してもよい。図6を参照すると、靴型301を物品100に挿入してもよい。靴型301を物品100に挿入した状態で、物品100の使用中に物品100がとる形状と実質的に同じ形状に物品100を形成する。グラフィック110を物品100に適用する前に、靴型301をグラフィック転写アッセンブリ350と関連してもよい。グラフィック転写アッセンブリ350への靴型301の取り付けの詳細は、この詳細な説明中で、後に詳細に論じる。
【0033】
グラフィック転写アッセンブリは、グラフィックの形態が物品の湾曲部分と整合するようにグラフィックを物品の湾曲部分に施すための手段を備えていてもよい。換言すると、グラフィック転写アッセンブリは、物品の湾曲部分又はグラフィックに皺や曲げを生じることなく、グラフィックを物品の湾曲部分に施すように構成されていてもよい。これは、湾曲部分の様々な輪郭にグラフィックを押し込むことによって行われてもよい。幾つかの場合では、グラフィック転写アッセンブリは、物品の湾曲部分に押し付けることができる変形可能メンブレンを含んでいてもよい。変形可能メンブレンは、押し付けられて、物品の湾曲部分と整合する。
【0034】
物品の湾曲部分と同じ形態をとるため、変形可能メンブレンは、実質的に可撓性の材料から形成されていてもよい。可撓性材料の例には、天然ゴム、合成ゴム、シリコーン、シリコーンゴム等の他のエラストマー、並びに当該技術分野で周知の他の材料が含まれるが、これらの材料に限定されない。一実施例では、変形可能メンブレンは、布材料から形成されていてもよい。
【0035】
幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、一つ以上の変形可能メンブレンを含んでいてもよい。例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ350は、二枚の変形可能メンブレンを含む。詳細には、グラフィック転写アッセンブリ350は、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352を含む。
【0036】
一般的には、変形可能メンブレンは、任意のサイズ及び形状に形成されていてもよい。こうした形状の例には、矩形の形状、楕円形の形状、三角形の形状、規則的な形状、不規則な形状、並びに他の種類の形状が含まれるが、これらの形状に限定されない。幾つかの実施例では、変形可能メンブレンは、物品の一部のほぼ全体を覆うサイズ及び形状を備えて形成されていてもよい。例えば、変形可能メンブレンは、物品の内側部分を覆うサイズ及び形状持つように形成されていてもよい。一実施例では、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352は、楕円形の形状をなして形成されてもよい。
【0037】
幾つかの場合では、第1の変形可能メンブレン351は、図7に示すように、物品100の内側部分107と関連していてもよい。同様に、第2の変形可能メンブレン352は、物品100の外側部分106と関連していてもよい。他の場合では、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352は、物品100の他の部分と関連してもよい。例えば、第1の変形可能メンブレン351は、物品100の爪先部分と関連してもよい。同様に、第2の変形可能メンブレン352は、物品100の踵部分と関連してもよい。
【0038】
幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、変形可能メンブレンを物品の一部に押し付ける手段を備えていてもよい。幾つかの場合では、グラフィック転写アッセンブリは、物品を動かして変形可能メンブレンに押し付けてもよい。換言すると、変形可能メンブレンが定位置に固定され、物品を変形可能メンブレンに押し込んでもよい。他の場合では、グラフィック転写アッセンブリは、変形可能メンブレンを動かして物品に押し付けてもよい。換言すると、物品が定位置に固定され、変形可能メンブレンを物品に押し付けてもよい。例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、変形可能メンブレンを移動して物品の部分に押し付ける移動可能な部分を備えていてもよい。
【0039】
図7を参照すると、グラフィック転写アッセンブリ350は、第1の可動部361及び第2の可動部362を含む。第1の可動部361は、第1の変形可能メンブレン351と関連していてもよい。同様に、第2の可動部362は、第2の変形可能メンブレン352と関連していてもよい。
【0040】
一般的には、第1の可動部361及び第2の可動部362は、正方形の形状、矩形の形状、楕円形の形状、三角形の形状、規則的な形状、不規則な形状、並びに他の種類の形状を含むがこれらに限定されない任意の形状及びサイズを備えて形成されていてもよい。一実施例では、第1の可動部361及び第2の可動部362は、楕円形の形状をなして形成されていてもよい。
【0041】
一実施例では、第1の可動部361は、図7に示すように、第1外フレーム371を含んでいてもよい。幾つかの場合では、第1の可動部361の第1外フレーム371は、第1の変形可能メンブレン351の周囲に配置されていてもよい。詳細には、第1の変形可能メンブレン351は、第1外フレーム371のところで第1の可動部361に取り付けられていてもよい。
【0042】
同様に、第2の可動部362は、第2外フレーム372を含んでいてもよい。第2外フレーム372は、第2の変形可能メンブレン352の周囲に配置されていてもよい。詳細には、第2の変形可能メンブレン352は、第2外フレーム372のところで第2の可動部362に取り付けられていてもよい。
【0043】
第1の可動部361及び第2の可動部362は、更に、グラフィック転写アッセンブリ350の他の部分に取り付けられていてもよい。一実施例では、第1の可動部361の第1外フレーム371及び第2の変形可能メンブレン352の第2外フレーム372がグラフィック転写アッセンブリ350の基部310に取り付けられていてもよい。この構成では、基部310は、第1の可動部361及び第2の可動部362を支持する。
【0044】
幾つかの実施例では、第1外フレーム371及び第2外フレーム372は、第1の可動部361及び第2の可動部362を互いに接合する手段を含んでいてもよい。幾つかの実施例では、第1外フレーム371及び第2外フレーム372は、第1の可動部361及び第2の可動部362を接合するシールを含んでいてもよい。図6を参照すると、第1外フレーム371はシール381を含む。例えば、一実施例では、シール381はガスケットシールであってもよい。幾つかの場合では、第2外フレーム372は、対応するシールを備えていてもよい。他の場合ではシール381だけを使用してもよい。この構成では、第1の可動部361は、第2の可動部362に実質的に気密に接合されてもよい。
【0045】
幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリ350は、第1の可動部361及び第2の可動部362を制御するように構成されたアクチュエータと関連していてもよい。一実施例では、グラフィック転写アッセンブリ350はアクチュエータ320を含む。一般的には、アクチュエータ320は、第1の可動部361及び第2の可動部362を制御するため、当該技術分野で周知の様々な方法で構成されていてもよい。例示の実施例では、アクチュエータ320は、第1の可動部361を制御するための第1外側部分321を持つように構成されていてもよい。更に、アクチュエータ320は、第2の可動部362を制御するための第2外側部分322を備えていてもよい。
【0046】
幾つかの場合では、第1外側部分321は、第1の可動部361の第1外フレーム371に取り付けられていてもよい。詳細には、第1外側部分321の第1端部分331が第1外フレーム371に取り付けられていてもよい。同様に、第1外側部分321の第2端部分332がアクチュエータ320の中央部分323に取り付けられていてもよい。同様に、第2外側部分322は、第2の可動部362の第2外フレーム372に取り付けられていてもよい。詳細には、第2外側部分322の第1端部分333が第2外フレーム372に取り付けられていてもよい。更に、第2外側部分322の第2端部分334がアクチュエータ320の中央部分323に取り付けられていてもよい。
【0047】
第1外フレーム371及び第2外フレーム372が第1外側部分321及び第2外側部分322の夫々並びに基部310に取り付けられた場合には、アクチュエータ320は、第1の可動部361及び第2の可動部362を、二枚貝が殻を閉じるのと実質的に同様の方法で動くように構成されていてもよい。一実施例では、アクチュエータ320は、中央部分323を押し下げ、第1外側部分321の第2端部分332及び第2外側部分322の第2端部分334を下方に引っ張る。第2端部分332及び第2端部分334が下方に引っ張られるとき、第1端部分331及び第1端部分333が上方及び内方に引っ張られる。この構成は、第1の可動部361及び第2の可動部362を内方に引っ張る。この構成では、図8及び図9に示すように、第1の可動部361及び第2の可動部362を第1外フレーム371及び第2外フレーム372のところで互いに押し付けてもよい。幾つかの場合では、第1外フレーム371及び第2外フレーム372が互いに押し付けられるとき、第1シール381及び第2シール382を接合してもよい。
【0048】
第1の可動部361及び第2の可動部362が互いに押し付けられたとき、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352が物品100に押し付けられる。幾つかの実施例では、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352は、物品100のほぼ全体を形成しない物品100の幾つかの部分に押し付けられてもよい。他の実施例では、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352は、物品100のほぼ全体を形成する物品100の部分に押し付けられてもよい。
【0049】
幾つかの実施例では、変形可能メンブレンが物品の一部に比較的緩く押し付けられてもよい。換言すると、変形可能メンブレンは、変形可能メンブレンを物品に押し付けるとき、物品の湾曲部分と同じ形態をとらなくてもよい。例示の実施例では、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352は、図8及び図9に示すように、物品100の物品に比較的緩く押し付けられる。
【0050】
グラフィック転写アッセンブリには、変形可能メンブレンを物品の湾曲部分と整合させるのを補助する手段が設けられていてもよい。幾つかの実施例では、変形可能メンブレンを物品の一部に当てて締め付け、物品の湾曲部分と整合させる。幾つかの場合では変形可能メンブレン間の空気を排出させ、変形可能メンブレンを物品の湾曲部分と同じ形態にしてもよい。
【0051】
一実施例では、グラフィック転写アッセンブリ350は空気バルブ340を含んでいてもよい。一般的には、バルブ340は、空気バルブ340により、第1の変形可能メンブレン351と第2の変形可能メンブレン352との間から空気を放出できるように、グラフィック転写アッセンブリ350と関連していてもよい。一実施例では、図7及び図9に示すように、空気バルブ340は、第1の可動部361と第2の可動部362との間に配置されている。空気バルブ340は、更に、真空タンク(図示せず)に取り付けられていてもよい。この構成では、空気バルブ340は、第1シール381及び第2シール382が接合されたとき、第1の変形可能メンブレン351と第2の変形可能メンブレン352との間の空間から空気を放出できる。
【0052】
図10及び図11を参照すると、第1の変形可能メンブレン351と第2の変形可能メンブレン352との間の空間から空気が放出してある。これにより、第1の変形可能メンブレン351と第2の変形可能メンブレン352が、物品100の湾曲部分と整合する。詳細には、第1の変形可能メンブレン351は、物品100の内側部分107の湾曲部分と整合する。同様に、第2の変形可能メンブレン352は、物品100の外側部分106の湾曲部分と整合する。
【0053】
物品にグラフィックを適用するため、グラフィックを物品に取り付けるために熱を使用してもよい。幾つかの実施例では、変形可能メンブレンと隣接して配置された加熱エレメントによって熱を加えてもよい。他の実施例では、変形可能メンブレンから放射された熱によって熱を加えてもよい。幾つかの場合では、加熱ワイヤを変形可能メンブレンに埋設してもよい。他の場合では、変形可能メンブレンは、熱を物品に伝達するため、熱伝導性材料で形成されていてもよい。
【0054】
第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352が物品100の湾曲部分と整合した状態で、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352に熱を伝達し、グラフィック110を物品100に適用する。例示の実施例では、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352に埋設された加熱ワイヤを加熱し、グラフィック110を物品100に適用する。
【0055】
グラフィック110を物品100に熱転写した後、グラフィック110を物品100に適用してもよい。グラフィック110が物品100に適用された状態で、アクチュエータ320は、第1の可動部361及び第2の可動部362を、図12に示すように開放するように構成されていてもよい。第1の可動部361及び第2の可動部362がもはや物品100に押し付けられていない状態で、図6でわかるように、靴型301及びグラフィック転写アッセンブリ350から物品100を取り出すことができる。
【0056】
図13を参照すると、グラフィック110は、物品100の外側部分106に適用されている。この例示の実施例ではグラフィックが物品100に一つしか適用されていないが、グラフィック110を外側部分106に適用したのとほぼ同時に、追加のグラフィックを物品100に適用してもよいということは理解されるべきである。例えば、物品100の内側部分107と関連したグラフィックを、グラフィック110とほぼ同時に適用してもよい。換言すると、多数のグラフィックを物品100の部分にほぼ同時に適用する上で、この方法を使用してもよい。
【0057】
グラフィック転写アッセンブリ350を使用してグラフィックを様々な種類の物品に適用してもよい。詳細には、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352は、様々な種類の物品と関連した様々な湾曲部分と整合するように構成されていてもよい。例えば、図11、図12、及び図13は、低トップアッパーを持つ物品にグラフィックを適用する方法の一実施例を示す。
【0058】
図14を参照すると、物品1100と関連したグラフィックを、グラフィック転写アッセンブリ350によって物品1100に適用してもよい。一実施例では、物品1100は、低トップランニングシューズであってもよい。グラフィックを物品1100に適用するため、物品1100を靴型1101と関連してもよい。靴型1101は、グラフィック転写アッセンブリ350に取り付けられていてもよい。物品1100がグラフィック転写アッセンブリ350に配置された状態で、上述の実施例とほぼ同じ方法で、第1の可動部361及び第2の可動部362を移動し、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352を物品1100に押し付けてもよい。
【0059】
第1の可動部361及び第2の可動部362を接合した後、第1の変形可能メンブレン351と第2の変形可能メンブレン352との間の空間から空気を除去してもよい。これにより、図15及び図16に示すように、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352が物品1100の湾曲部分と整合する。この構成では、グラフィックを物品1100に適用するため、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352によって熱を伝達してもよい。
【0060】
グラフィック転写アッセンブリは、開閉を自動的に行うための手段を備えていてもよい。例えば、幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、グラフィック転写アッセンブリの一つ又は複数の移動可能な部分の開閉を行うための自動制御式アクチュエータを備えていてもよい。
【0061】
図17及び図18は、グラフィック転写アッセンブリの別の実施例を示す。図17及び図18を参照すると、グラフィック転写アッセンブリ1700は、基部1702を含む。幾つかの場合では、グラフィック転写アッセンブリ1700は、更に、第1の可動部1720及び第2の可動部1722を含んでいてもよい。更に、第1の可動部1720及び第2の可動部1722は、第1の変形可能メンブレン1732及び第2の変形可能メンブレン(図示せず)と関連していてもよい。
【0062】
幾つかの実施例では、第1の可動部1720は、第1枢動アタッチメント1742のところで基部1702に取り付けられていてもよい。同様に、第2の可動部1722は、第1枢動アタッチメント1742と隣接して配置された同様の枢動アタッチメントのところで基部1702に取り付けられていてもよい。この構成では、靴型及び/又は物品を挿入するため、第1の可動部1720及び第2の可動部1722を引き離すことができ、更に、上述した方法でグラフィックを物品に適用するため、互いに引き寄せることができる。
【0063】
この実施例では、グラフィック転写アッセンブリ1700は、更に、作動システム1750を含む。詳細には、作動システム1750は、第1アクチュエータアッセンブリ1752及び第2アクチュエータアッセンブリ1754を含む。幾つかの場合では、第1アクチュエータアッセンブリ1752は、第1部分1761、第2部分1762、及び第3部分1763を含む。第1部分1761は、第1作動デバイス1771に連結されていてもよい。更に、第2部分1762は、第1部分1761から第1の可動部1720まで延びていてもよい。同様に、第3部分1763は、第2部分1762から第2の可動部1722まで延びていてもよい。幾つかの場合では、第2部分1762及び第3部分1763は、枢動連結部1767のところで第1部分1761に関して枢動できる。この構成では、第1部分1761を垂直方向に移動させると、第2部分1762及び第3部分1763が第1の可動部1720及び第2の可動部1722に力を加える。詳細には、図17でわかるように、第1部分1761を上方に移動させると、第2部分1762及び第3部分1763が互いから遠ざかる方向に回転し、第1の可動部1720及び第2の可動部1722を押して離す。同様に、図18でわかるように、第1部分1761を下方に引っ張ると、第2部分1762及び第3部分1763が互いに近づく方向に回転し、第1の可動部1720及び第2の可動部1722を互いに引っ張る。
【0064】
例示の実施例では、第1部分1761の移動は、第1作動デバイス1771によって制御される。異なる実施例において、第1作動デバイス1771は任意の種類の作動デバイスであってもよい。幾つかの場合では、第1作動デバイス1771は空圧アクチュエータであってもよい。空圧式作動デバイスの例には、回転式アクチュエータ、タイロッドアクチュエータ、グリッパ、機械式リンクを持つロッドレスアクチュエータ、磁気リンクを持つロッドレスアクチュエータ、並びに任意の他の種類の空気圧アクチュエータが含まれるが、これらのアクチュエータに限定されない。更に別の場合には、第1作動デバイス1771は、別の種類の作動デバイスであってもよく、これには、電気アクチュエータ、モータ、液圧シリンダ、線型アクチュエータ、又は任意の他の種類のアクチュエータが含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
幾つかの実施例では、第2アクチュエータアッセンブリ1754は、第1アクチュエータアッセンブリ1752と同様に、第1の可動部1720及び第2の可動部1722の開閉を容易にするように構成されていてもよい。グラフィック転写アッセンブリ1700の両端に設けられた二つのアクチュエータアッセンブリを使用することにより、第1の可動部1720及び第2の可動部1722の開閉を容易に行うことができる。
【0066】
更に、本実施例は、グラフィック転写アッセンブリの開閉を行うために作動システムを使用するけれども、他の実施例では、種類が異なるシステムを使用してもよいということは理解されるべきである。例えば、一実施例では、グラフィック転写アッセンブリの第1の可動部及び第2の可動部は、これらの移動可能な部分を開位置と閉位置との間で持ち上げたり下げたりすることによって、手動で開閉を行ってもよい。別の例では、移動可能な部分の動きを制御するため、これらの移動可能な部分の一つ又は複数の枢動部分にモータを取り付けてもよい。
【0067】
他の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ350によってグラフィックを一組の様々な種類の物品に適用してもよい。図19は、グラフィック転写アッセンブリ350によって適用されてもよいグラフィックと関連した物品1400の組の例示の実施例を示す。一実施例では、物品の組1400は、第1物品1401、第2物品1402、第3物品1403、第4物品1404、及び第5物品1405を含む。物品の組1400は、種類が異なる少なくとも二種類の物品を含んでいてもよい。例えば、第1物品1401はブーツである。第2物品1402はバスケットボールシューズである。同様に、第3物品1403はランニングシューズである。更に、第4物品1404はバレーシューズである。最後に、第5物品1405はサンダルである。この形態では、物品の組1400は、種類が異なる少なくとも二種類の物品を含む。
【0068】
幾つかの実施例では、物品の組1400の物品は、様々な材料で形成されていてもよい。これらの様々な材料の例には、布、プラスチック、皮革、並びに物品に適した他の種類の材料が含まれるが、これらに限定されない。グラフィック転写アッセンブリ350は、様々な種類の材料で形成された物品にグラフィックを適用するように構成されていてもよい。詳細には、第1の変形可能メンブレン351及び第2の変形可能メンブレン352は、物品を形成する様々な種類の材料にグラフィックを適用するように構成されていてもよい。
【0069】
幾つかの実施例では、物品の組1400は、一組の靴型と関連していてもよい。一実施例では、靴型の組1410は、第1靴型1411、第2靴型1412、第3靴型1413、第4靴型1414、及び第5靴型1415を含む。靴型の組1410は、物品の組1400の物品のサイズ及び形状に従って、物品の組1400と関連していてもよい。例えば、第1靴型1411は第1物品1401と関連していてもよい。更に、第2靴型1412は第2物品1402と関連していてもよい。同様に、第3靴型1413は第3物品1403と関連していてもよい。同様に第4靴型1414は第4物品1404と関連していてもよい。最後に、第5靴型1415は第5物品1405と関連していてもよい。
【0070】
グラフィック転写アッセンブリは、様々な種類の物品へのグラフィックの適用を容易にするための手段を備えていてもよい。幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、様々な種類の物品へのグラフィックを施すのを容易にする靴型アッセンブリを含んでいてもよい。幾つかの場合では、靴型アッセンブリは、一組の靴型をグラフィック転写アッセンブリに取り付けるように構成された固定具を含んでいてもよい。靴型アッセンブリの固定具の例には、ボルトやねじ又は他の種類の当該技術分野で周知の固定具が含まれるがこれらに限定されない。この構成では、靴型アッセンブリは、様々な物品と関連した様々な靴型をグラフィック転写アッセンブリに取り付け可能にすることによって、グラフィック転写アッセンブリに対して互換性がある。
【0071】
例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ350は、靴型アッセンブリ1440を含む。靴型アッセンブリ1440は、靴型をグラフィック転写アッセンブリ350の基部310に取り付けるように構成されている。詳細には、靴型アッセンブリ1440は固定具1441を含む。幾つかの場合では、靴型を靴型アッセンブリ1440に取り付けるため、固定具1441を靴型の一部に挿入してもよい。この構成では、靴型アッセンブリ1440は、様々な物品と関連した様々な靴型をグラフィック転写アッセンブリ350に取り付け可能にすることによって、グラフィック転写アッセンブリ350に対して互換性を提供する。
【0072】
一実施例では、靴型の組1410の靴型には、固定具受け入れ穴1450が形成されている。固定具受け入れ穴1450は、靴型アッセンブリ1440の固定具1441を受け入れるように構成されている。例えば、第1靴型1411は、第1固定具受け入れ穴1451を含む。固定具1441を第1固定具受け入れ穴1451に挿入することによって、第1靴型1411及び関連した第1物品1401を靴型アッセンブリ1440と関連させてもよい。第1物品1401が靴型アッセンブリ1440と関連した後、図4乃至図9に関して論じたのとほぼ同じ方法でグラフィックを第1物品1401に適用してもよい。更に、物品の組1400の残りの物品を靴型の組1410の靴型と関連し、靴型アッセンブリ1440に同様の方法で取り付けてもよいということは理解されるべきである。この形体では、グラフィック転写アッセンブリ350は、物品の組1400の物品の湾曲部分へのグラフィックの転写を行う。
【0073】
図20は、グラフィック転写アッセンブリ1550の一つの例示の実施例の分解図である。グラフィック転写アッセンブリ1550は、変形可能メンブレン1560を含む。一実施例では、変形可能メンブレン1560は耐熱ゴムで形成されている。この形体により、変形可能メンブレン1560の形態を、変形可能メンブレン1560に押し付けられる物品の部分と整合させることができる。
【0074】
グラフィック転写アッセンブリは、グラフィックを物品の湾曲部分に転写するために加熱エレメントを使用するための手段を含んでいてもよい。幾つかの実施例では、これらの加熱エレメントは、グラフィックを物品の湾曲部分に適用するため、変形可能メンブレンに熱を伝達する。幾つかの場合では、変形可能メンブレンに熱を伝達するため、加熱エレメントには、オイル、水、又は他の物質が入っていてもよい。一実施例では、変形可能メンブレンに熱を加え、グラフィックを物品の湾曲部分に転写するため、加熱エレメントを使用してもよい。
【0075】
例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ1550は、加熱エレメント1520を含む。この加熱エレメント1520はオイル加熱エレメントである。他の実施例では、加熱エレメント1520は別の種類の加熱エレメントであってもよい。加熱エレメント1520は、熱を発生させ、この熱を変形可能メンブレン1560に伝達するように構成されている。幾つかの場合では、加熱エレメント1520の一部がグラフィック転写アッセンブリ1550のハウジング部分1530によって覆われていてもよい。この構成は、加熱エレメント1520が発生した熱を保存するのに役立つ。
【0076】
上述したように、グラフィック転写アッセンブリは、変形可能メンブレンを物品の湾曲部分と整合させるのを補助するための手段を備えていてもよい。例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ1550は、チャンバ1570を含む。幾つかの場合では、チャンバ1570は、ジアテルミーオイル室であってもよい。詳細には、チャンバ1570は、変形可能メンブレンと一つ又は複数の加熱エレメントとの間で熱の伝達を行うオイルで充填されていてもよい。チャンバ1570は変形可能メンブレン1560と隣接して配置されていてもよい。幾つかの場合では、チャンバ1570は切り欠き部1571を含んでいてもよい。変形可能メンブレン1560の外周が切り欠き部1571に取り付けられていてもよい。この構成では、チャンバ1570は、変形可能メンブレン1560が物品の一部と整合するのを補助するため、変形可能メンブレン1560に圧力を加えてもよい。
【0077】
幾つかの実施例では、変形可能メンブレン1560が物品の湾曲部分と整合するのを補助する手段は、変形可能メンブレン1560に熱を伝達するのを補助する。例えば、チャンバ1570は、物品へのグラフィックの転写を補助するため、加熱エレメント1520から変形可能メンブレン1560に熱を効率的に伝達するのを補助する。一実施例では、これは、チャンバ1570をハウジング部分1530に取り付けることによって行ってもよい。加熱エレメント1520がチャンバ1570と隣接して配置された状態で、チャンバ1570は、加熱エレメント1520から変形可能メンブレン1560に熱を伝達する。グラフィック転写アッセンブリ1550は、この構成を使用し、グラフィックを物品の一部に転写してもよい。
【0078】
一実施例では、グラフィック転写アッセンブリ1550は、グラフィック1510を物品1500に転写してもよい。グラフィック1510は、物品1500の外側部分1507と関連してもよい。グラフィック1510を外側部分1507に適用する前に、物品1500を靴型と関連してもよい。図21及び図22を参照すると、物品1500は靴型1501と関連していてもよい。更に、靴型1501が靴型アッセンブリ1540に取り付けられていてもよい。詳細には、靴型1501は、外側部分1507が変形可能メンブレン1560と隣接して配置されるように靴型アッセンブリ1540に取り付けられていてもよい。
【0079】
グラフィック転写アッセンブリ1550は、物品1500を変形可能メンブレン1560に押し付けてもよい。上述したように、これは様々な方法で行うことができる。一つの例示の実施例では、靴型アッセンブリ1540を移動し、物品1500の外側部分1507を変形可能メンブレン1560に押し付けてもよい。図22に示すように、外側部分1507が変形可能メンブレン1560に押し付けられた状態で、変形可能メンブレン1560が外側部分1507の湾曲部分と整合する。グラフィック転写アッセンブリ1550は、グラフィック1510及び外側部分1507に熱を加えることにより、グラフィック1510を物品1500の外側部分1507に転写する。
【0080】
多数のグラフィックを物品の様々な部分に適用する実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、物品の様々な部分にグラフィックをほぼ同時に適用するように構成されていてもよい。幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、グラフィックを物品の様々な部分に適用するため、一つ又は複数の変形可能メンブレンを持つように形成されていてもよい。例えば、上述の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ350は、物品の様々な部分にグラフィックを適用できる。他の実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、物品の様々な部分にグラフィックを適用するため、一つ以上のグラフィック転写アッセンブリで構成されていてもよい。
【0081】
図23及び図24を参照すると、グラフィック転写アッセンブリ1950は、第1グラフィック転写アッセンブリ1951及び第2グラフィック転写アッセンブリ1952を含む。一実施例では、第1グラフィック転写アッセンブリ1951及び第2グラフィック転写アッセンブリ1952はほぼ同様に形成されている。幾つかの場合では、第1グラフィック転写アッセンブリ1951及び第2グラフィック転写アッセンブリ1952は、上述の実施例のグラフィック転写アッセンブリ1550とほぼ同様に構成されていてもよい。
【0082】
詳細には、第1グラフィック転写アッセンブリ1951は、第1の変形可能メンブレン1961を含む。第1グラフィック転写アッセンブリ1951は、第1の変形可能メンブレン1961と隣接し且つこれを取り囲むように配置された第1チャンバ1971を含む。更に、第1グラフィック転写アッセンブリ1951は、加熱エレメント(明瞭化を図るために図示せず)を含む。
【0083】
同様に、第2グラフィック転写アッセンブリ1952は、第2の変形可能メンブレン1962を含む。更に、第2グラフィック転写アッセンブリ1952は、第2の変形可能メンブレン1962と隣接し且つこれを取り囲むように配置された第2チャンバ1972を含む。更に、第2グラフィック転写アッセンブリ1952は、加熱エレメント(明瞭化を図るために図示せず)を含む。
【0084】
例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ1950は、物品1900に第1グラフィック1911及び第2グラフィック1912を適用する。詳細には、第1グラフィック転写アッセンブリ1951が第1グラフィック1911を物品1900の外側部分1907に適用する。同様に、第2グラフィック転写アッセンブリ1952が第2グラフィック1912を物品1900の内側部分1906に適用する。内側部分1906及び外側部分1907は、物品1900に挿入される足の輪郭と整合する湾曲部分を備えて形成されている。この構成では、第1グラフィック1911及び第2グラフィック1912は、物品1900の湾曲部分と関連していてもよい。
【0085】
第1グラフィック1911及び第2グラフィック1912の適用前に、靴型1901を物品1900に挿入してもよい。更に、靴型1901は靴型アッセンブリ1940に取り付けられていてもよい。この構成では、物品1900は、第1グラフィック転写アッセンブリ1951と第2グラフィック転写アッセンブリ1952との間に配置されてもよい。詳細には、第1グラフィック転写アッセンブリ1951は、物品1900の外側部分1907と隣接して配置されていてもよい。同様に、第2グラフィック転写アッセンブリ1952は、物品1900の内側部分1906と隣接して配置されていてもよい。
【0086】
図23を参照すると、第1グラフィック転写アッセンブリ1951及び第2グラフィック転写アッセンブリ1952を物品1900の外側部分1907及び内側部分1906に夫々押し付けてもよい。第1グラフィック転写アッセンブリ1951及び第2グラフィック転写アッセンブリ1952を物品1900に押し付けることによって、第1の変形可能メンブレン1961及び第2の変形可能メンブレン1962を物品1900に押し付けてもよい。この構成では、図24に示すように、第1の変形可能メンブレン1961が外側部分1907と整合してもよい。同様に、第2の変形可能メンブレン1962が内側部分1906と整合してもよい。更に、第1の変形可能メンブレン1961及び第2の変形可能メンブレン1962が、物品1900のほぼ全体と整合してもよい。この構成を使用し、グラフィック転写アッセンブリ1950が第1グラフィック1911及び第2グラフィック1912を物品1900の湾曲部分にほぼ同時に転写してもよい。
【0087】
グラフィック転写アッセンブリと関連して真空を使用しない実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、変形可能メンブレンが物品の湾曲部分と整合するための追加の手段を備えていてもよい。幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリを感圧媒体とともに使用してもよい。感圧媒体は、物品の湾曲と整合し、変形可能メンブレンが物品の輪郭と整合するのを補助する。一つの例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリが一つ又は複数のグラフィックを物品に適用するとき、物品の表面と整合するように構成された、グラフィック転写アッセンブリの外部分とグラフィック転写アッセンブリの内部分との間に変形可能メンブレンを配置してもよい。
【0088】
図25は、グラフィック転写アッセンブリ2050の例示の実施例の分解図である。例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2050は変形可能メンブレン2060を含む。更に、グラフィック転写アッセンブリは、外部分2051を含む。外部分2051は、グラフィックを物品に適用するとき、変形可能メンブレン2060と物品との間に配置される。
【0089】
外部分2051は、正方形の形状、矩形の形状、楕円形の形状、三角形の形状、規則的な形状、不規則な形状、並びに他の種類の形状を含むがこれらに限定されない様々な大きさ及び形状を備えて形成されていてもよい。幾つかの実施例では、外部分2051は、変形可能メンブレン2060とほぼ同じ大きさ及び形状を備えて形成されていてもよい。一実施例では、外部分2051及び変形可能メンブレン2060は矩形の形状を備えていてもよい。
【0090】
幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、物品の一部への熱伝達を改善するための手段を備えていてもよい。例えば、変形可能メンブレンが物品の一部に熱を加える実施例では、物品の一部への熱伝達を改善するため、変形可能メンブレンと隣接して断熱部分が配置されていてもよい。一実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2050は、断熱部分2052を含む。幾つかの場合では、断熱部分2052は、変形可能メンブレン2060と隣接して配置されていてもよい。この構成では、断熱部分2052は、物品への熱伝達率を向上する。
【0091】
一般的には、断熱部分2052は、任意の大きさ及び形状を備えて形成されていてもよい。こうした形状の例には、正方形の形状、矩形の形状、楕円形の形状、三角形の形状、規則的な形状、不規則な形状、並びに他の種類の形状が含まれるが、これらの形状に限定されない。幾つかの場合では断熱部分2052は、変形可能メンブレン2060とほぼ同じ大きさ及び形状を備えて形成されていてもよい。例示の実施例では、断熱部分2052は矩形の形状を備えて形成されていてもよい。
【0092】
幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2050は、変形可能メンブレンが物品の湾曲部分と整合するのを補助するための追加の手段を備えていてもよい。幾つかの場合では、グラフィック転写アッセンブリ2050は内部分2053を含んでいてもよい。この内部分2053は、物品を外部分2051及び変形可能メンブレン2060に押し付けるとき、変形可能メンブレン2060に追加の圧力を提供できる。この構成では、内部分2053は、変形可能メンブレン2060が物品の湾曲部分と整合するのを補助する。
【0093】
別の実施例において、外部分2051及び内部分2053は、様々な適当な材料で形成されていてもよい。幾つかの場合では、外部分2051及び内部分2053に適した材料は、グラフィックを物品に適用するための熱を外部分2051が伝達するように、高い温度安定性を持ち且つ熱伝導性であってもよい。更に、外部分2051及び内部分2053は、物品の湾曲部分と整合する弾性材料で形成されていてもよい。外部分2051及び内部分2053に適した材料の例には、シリコーン、プラスチック、他のポリマー、並びに当該技術分野で周知の他の材料が含まれるが、これらの材料に限定されない。一実施例では、外部分2051は、ジロシリコーンで形成されていてもよい。更に、第3部分2053は、シリコーンで形成されていてもよい。
【0094】
一般的には、断熱部分2052について様々な材料を使用してもよい。適当な材料の例には、合成ポリマー、綿、他の天然植物材料、羊毛、他の動物由来の繊維、ガラスファイバ、他の鉱質ウール、並びに他の材料が含まれるが、これらの材料に限定されない。例示の実施例では、断熱部分2052は、合成ポリマーで形成されていてもよい。
【0095】
別の実施例において、グラフィック転写アッセンブリ2050の制御は、様々な方法で行われてもよい。幾つかの実施例では、物品を外部分2051に押し付けてグラフィックを物品に適用する。他の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2050は、グラフィック転写アッセンブリ2050の部分を物品に押し付けてグラフィックを物品に適用するアクチュエータを備えていてもよい。
【0096】
例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2050は、アクチュエータ2020を含む。このアクチュエータ2020は、内部分2053と隣接して配置されていてもよい。アクチュエータ2020は、内部分2053、断熱部分2052、変形可能メンブレン2060、及び外部分2051を物品に押し付けてグラフィックを物品に適用するように構成されていてもよい。
【0097】
図26及び図27は、グラフィック2110を物品2100の外側部分2106に適用するグラフィック転写アッセンブリ2050の例示の実施例を示す。外側部分2106は、この外側部分2106の内部に配置された足の外側部分の輪郭に従う形体の湾曲部分を含む。換言すると、グラフィック2110は物品2100の湾曲部分と関連していてもよい。
【0098】
一実施例では、物品2100と靴型を関連付けてもよい。更に、物品2100及び関連付けた靴型を靴型アッセンブリ2040に取り付けてもよい。詳細には、外側部分2106が外部分2051と隣接して配置されるように物品2100を靴型アッセンブリ2040に取り付けてもよい。
【0099】
物品2100を靴型アッセンブリ2040と関連した後、アクチュエータ2020が内部分2053、断熱部分2052、変形可能メンブレン2060、及び外部分2051を物品2100の外側部分2106に押し付けてもよい。この構成により、内部分2053、断熱部分2052、変形可能メンブレン2060、及び外部分2051を物品2100の外側部分2106と整合させることができる。外側部分2106と整合させることにより、外部分2051は、グラフィック2110を物品2100に施すために、変形可能メンブレン2060から熱を伝達できる。
【0100】
グラフィック2110を物品2100に適用した後、アクチュエータ2020が、内部分2053、断熱部分2052、変形可能メンブレン2060、及び外部分2051を物品2100から遠ざかる方向に引っ張ってもよい。物品2100を靴型から取り出してもよい。この構成では、グラフィック転写アッセンブリ2050は、グラフィック2110を物品2100に適用できる。
【0101】
幾つかの場合では、物品2100を外部分2051から取り外した後、外部分2051に窪み2109が形成される。外部分2051の窪み2109は、グラフィック転写アッセンブリ2050の外部分2051並びに他の部分が物品2100と整合したことを示す。窪み2109は、物品2100を取り外した後、所定の時間に亘って保持される。
【0102】
上述したように、グラフィック転写アッセンブリは、物品の様々な部分にグラフィックをほぼ同時に適用するため、一つ以上のグラフィック転写アッセンブリを含むように形成されていてもよい。図28及び図29を参照すると、グラフィック転写アッセンブリ2150は、第1グラフィック転写アッセンブリ2151及び第2グラフィック転写アッセンブリ2152を含む。
【0103】
例示の実施例では、第1グラフィック転写アッセンブリ2151及び第2グラフィック転写アッセンブリ2152は、ほぼ同様に形成されている。幾つかの場合では、第1グラフィック転写アッセンブリ2151及び第2グラフィック転写アッセンブリ2152は、上述の実施例のグラフィック転写アッセンブリ2050とほぼ同様に形成されていてもよい。例えば、第1グラフィック転写アッセンブリ2151は、第1の変形可能メンブレン2181と隣接して配置された第1外部分2161を含む。更に、第1グラフィック転写アッセンブリ2151は、第1の変形可能メンブレン2181と隣接して配置された第1断熱部分2191を含む。更に、第1グラフィック転写アッセンブリ2151は、第1断熱部分2191と第1アクチュエータ2121との間に配置された第1内部分2192を含む。
【0104】
同様に、第2グラフィック転写アッセンブリ2152は、第2の変形可能メンブレン2182と物品との間に配置された第2外部分2162を含む。更に、第2グラフィック転写アッセンブリ2152は、第2の変形可能メンブレン2182と隣接して配置された第2断熱部分2193を含む。更に、第2グラフィック転写アッセンブリ2152は、第2断熱部分2193と第2アクチュエータ2122との間に配置された第2内部分2194を含む。
【0105】
例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2150は、第1グラフィック2216及び第2グラフィック2217を物品2200に適用する。詳細には、第1グラフィック転写アッセンブリ2151は、第1グラフィック2216を物品2200の内側部分2206に適用してもよい。更に、第2グラフィック転写アッセンブリ2152は、第2グラフィック2217を物品2200の外側部分2207に適用してもよい。
【0106】
第1グラフィック2216及び第2グラフィック2217の適用前に靴型2100を物品2200に挿入してもよい。更に靴型を靴型アッセンブリ2340に取り付けてもよい。この構成では、物品2200を第1グラフィック転写アッセンブリ2151と第2グラフィック転写アッセンブリ2152との間に配置してもよい。詳細には、第1グラフィック転写アッセンブリ2151は、内側部分2206と隣接して配置されてもよい。同様に、第2グラフィック転写アッセンブリ2152は外側部分2207と隣接して配置されてもよい。
【0107】
図28を参照すると、第1アクチュエータ2121が第1内部分2192、第1断熱部分2191、第1の変形可能メンブレン2181、及び第1外部分2161を物品2200の内側部分2206に押し付けてもよい。同様に、第2アクチュエータ2122が第2内部分2194、第2断熱部分2193、第2の変形可能メンブレン2182、及び第2外部分2162を物品2200の外側部分2207に押し付けてもよい。この構成では、図29に示すように、第1内部分2192、第1断熱部分2191、第1の変形可能メンブレン2181、及び第1外部分2161が内側部分2206と整合してもよい。同様に、第2内部分2194、第2断熱部分2193、第2の変形可能メンブレン2182、及び第2外部分2162が外側部分2207と整合してもよい。この構成を使用し、グラフィック転写アッセンブリ2150により第1グラフィック2216及び第2グラフィック2217を物品2200に転写してもよい。
【0108】
別の実施例において、グラフィック転写アッセンブリの任意の層を使用し、一つ又は複数のグラフィックに熱を加えてもよい。幾つかの場合では、第1外部分2161及び第2外部分2162を熱源で直接加熱してもよい。他の場合には、第1の変形可能メンブレン2181及び第2の変形可能メンブレン2182を熱源で直接加熱してもよい。更に他の場合では、第1断熱部分2191及び第2断熱部分2192を熱源で直接加熱してもよい。更に他の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2150の他の部分を加熱してもよい。例示の実施例では、第1外部分2161及び第2外部分2162は、被加熱層であってもよい。更に、当該技術分野で周知の任意の方法を使用してこれらの層を加熱してもよい。例えば、幾つかの場合では、導線又は熱を発生させるように構成された他の導体を使用してこれらの層を加熱してもよい。加熱するこれらの導線は、層の表面に配置されていてもよいし、層内に埋設されていてもよい。
【0109】
この方法では、グラフィック転写アッセンブリは、グラフィックを様々な物品の湾曲部分に適用してもよい。詳細には、靴型アッセンブリにより、様々な種類の物品をグラフィック転写アッセンブリに取り付けることができるため、互換性がある。更に、グラフィック転写アッセンブリと関連した変形可能メンブレンは、様々な物品の湾曲部分と整合するようになっていてもよい。この形体では、グラフィックは、型成形プロセスなしで物品に施される。これにより、製造後の物品にグラフィックを施すことができる。
【0110】
グラフィック転写アッセンブリは、履物のソール又は飾り細工を保護するための手段を備えていてもよい。幾つかの場合では、転写プロセス中の加熱は、物品のソールの劣化又は変形の原因となる。例示の実施例では、望ましからぬソールの加熱を阻止するためにソールを覆うため、保護部材を使用してもよい。
【0111】
図30を参照すると、物品3300は、アッパー3302及びソール3304を含む。この時点で、第1グラフィック3310及び第2グラフィック3312(図31参照)がアッパー3302と関連していてもよい。物品3300をグラフィック転写アッセンブリと関連する前に、保護部材3320を使用してソール3304を覆ってもよい。一実施例では、保護部材3320は、ソール3304を受け入れるように構成されていてもよい。更に、保護部材3320は熱伝達率の低い材料で形成されていてもよい。
【0112】
図31を参照すると、第1グラフィック3310及び第2グラフィック3312を物品3300の一つ又は複数の湾曲部分に転写するため、物品3300をグラフィック転写アッセンブリ3350に露出させてもよい。幾つかの場合では、グラフィック転写アッセンブリ3350は、上述の実施例のグラフィック転写アッセンブリ3350とほぼ同様であってもよい。この時点で、グラフィック転写アッセンブリ3350の複数の層3360のうちの一つ又は複数の層の形状が物品3300と整合してもよい。更に、複数の層3360のうちの一つ又は複数の層を加熱し、第1グラフィック3310及び第2グラフィック3312の転写を容易にしてもよい。保護部材3320を使用することにより、転写プロセス中にグラフィック転写アッセンブリ3350が発生する熱からソール3304を保護してもよい。
【0113】
グラフィック転写アッセンブリは、グラフィック転写プロセスでの使用を容易にするための手段を備えていてもよい。図32乃至図35は、グラフィック転写アッセンブリの別の実施例を示す。図32を参照すると、物品2500は、外側部分2506に配置されたグラフィック2510を含む。幾つかの場合では、物品2500用のグラフィック転写アッセンブリは、基部2520を含んでいてもよい。一実施例では、基部2520は、テーブル又はカウンターであってもよい。
【0114】
基部2520は、物品2500を受け入れるための手段を備えていてもよい。幾つかの場合では、基部2520は、キャビティ2530を含んでいてもよい。別の実施例では、キャビティ2530は任意の形状を備えていてもよい。この例示の実施例では、キャビティ2530は、物品2500の内側部分2504を受け入れる形状を備えていてもよい。
【0115】
図33を参照すると、物品2500の内側部分2504がキャビティ2530に挿入してある。この構成は、全体に上方に向いたグラフィック2510を含む外側部分2506を露呈する。
【0116】
グラフィック転写アッセンブリ2500は、更に、可動部2550を含んでもよい。幾つかの場合では、可動部2550は幾つかの層を含んでいてもよい。一実施例では、可動部2550は、外層2552、内層2554、及び中間層2556を含んでいてもよい。更に、可動部2550は、剛性層2558を含んでいてもよい。最後に、幾つかの場合では、可動部2550は、作動部材2560を含んでいてもよい。幾つかの場合では、作動部材2560は、ロッドであってもよい。他の場合には、作動部材2560は、可動部2550の移動を容易にするように構成された任意の構造を備えていてもよい。
【0117】
幾つかの実施例では、外層2552は、物品2500の湾曲部分2570と整合するように構成されていてもよい。幾つかの場合では、外層2552は、軟質シリコーンを含む材料で形成されていてもよい。他の場合には、外層2552は、物品2500の湾曲部分2570に合わせて変形できる比較的軟質の別の材料で形成されていてもよい。更に、内層2554は、部分的に変形する材料で形成されていてもよい。幾つかの場合では、内層2554は、シリコーンを含む材料で形成されていてもよい。更に他の実施例では、内層2554は、変形する別の材料で形成されていてもよい。
【0118】
幾つかの実施例では、中間層2556は、変形可能メンブレンで形成されていてもよい。詳細には、中間層2556は、ゴム等の材料で形成されていてもよい。他の場合には、中間層2556は、上述した、又は当該技術分野で周知の他の任意の種類の変形可能メンブレンで形成されていてもよい。
【0119】
上文中に論じたように、可動部2550の任意の層に加熱手段が設けられていてもよい。幾つかの場合では、外層2552は加熱層であってもよい。他の場合には、内層2554が加熱層であってもよい。更に他の場合には、中間層2556が加熱層であってもよい。その他の場合には、これらの層のうちの一つ以上の層が加熱層であってもよい。
【0120】
図34及び図35を参照すると、作動部材2560を使用して可動部2550を基部2520に押し付けることができる。可動部2550を基部2520に押し付けると、可動部2550が物品2500の湾曲部分2530に圧力を加える。詳細には、外層2552、内層2554、及び中間層2556が、湾曲部分2530の輪郭に従って変形できる。この構成により、グラフィック2510を湾曲部分2530に施すことができる。詳細には、可動部2550の一つ又は複数の層が加熱されたとき、グラフィック2510が湾曲部分2530に上述したように転写される。
【0121】
幾つかの場合では、本明細書中に論じた実施例は、大規模な製造プロセスに容易に適合できる。詳細には、関連したグラフィックを含む履物を、テーブル、カウンター、又は他の作業用表面に予備成形されたキャビティに手早く挿入できる。更に、プレス型の構成を使用することにより、変形可能な層を履物の湾曲部分に手早く且つ容易に適用できる。
【0122】
図36乃至図43は、グラフィック転写アッセンブリでグラフィックを物品に施す方法の別の実施例を示す。例示の目的で、図36乃至図43は、グラフィックを物品の側部分に適用する方法の実施例を示す。しかしながら、この方法は、グラフィックを物品の任意の他の部分に適用するのにも使用できる。例えば、物品が履物である実施例では、この方法は、アッパー、ソール、並びに物品の任意の他の部分にグラフィックを施すのにも使用できる。更に、この方法は、後に互いに組み立てられて完成した物品を構成する物品の個々の部分にグラフィックを施すのに使用してもよい。
【0123】
例示の実施例は、履物の形態の物品に関するが、任意の他の種類の物品にグラフィックを適用するために他の実施例を使用してもよい。グラフィック転写アッセンブリで使用できる他の種類の物品の例には、シャツ、パンツ、帽子、手袋、靴下、任意のこの他の衣料、並びに任意の他の種類の物品が含まれるが、これらに限定されない。例えば、別の他の実施例ではグラフィック転写アッセンブリは、グラフィックを野球帽に適用するのに使用できる。詳細には、グラフィック転写アッセンブリで靴型を使用するのでなく、頭部に野球帽を被せるのと同様に、何らかの支持部材に野球帽を被せるのである。この構成では、上掲の実施例で論じた、グラフィックを履物に施すのに使用したグラフィック転写アッセンブリ法を使用してグラフィックを野球帽に施すことができる。
【0124】
図36は、グラフィック転写アッセンブリ2600の一実施例を示す。幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は上述の実施例で論じた任意のグラフィック転写アッセンブリと実質的に同じであってもよい。他の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は上述の実施例では使用されていない設備を備えていてもよい。更に他の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は、上述の実施例で使用された設備を備えていなくてもよい。
【0125】
図36を参照すると、グラフィック転写アッセンブリ2600は基部2602を含む。幾つかの場合では、グラフィック転写アッセンブリ2600は、更に、第1の可動部2620及び第2の可動部2622を含む。第1の可動部2620及び第2の可動部2622は、更に、第1の変形可能メンブレン2632及び第2の変形可能メンブレン2634と関連していてもよい。
【0126】
幾つかの実施例では、第1の可動部2620は、第1枢動アタッチメント2612のところで基部2602に取り付けられていてもよい。同様に、第2の可動部2622は、第1枢動アタッチメント2612と隣接して配置された同様の枢動アタッチメントのところで基部2602に取り付けられていてもよい。この構成では、靴型及び/又は物品を挿入するために、第1の可動部2620及び第2の可動部2622を引き離すことができ、更に、上述した方法でグラフィックを物品に施すために、互いに引き寄せることができる。
【0127】
この実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は、更に、作動システム2650を含む。詳細には、作動システム2650は、第1アクチュエータアッセンブリ2652及び第2アクチュエータアッセンブリ2654を含む。幾つかの場合では、第1アクチュエータアッセンブリ2652及び第2アクチュエータアッセンブリ2654は、第1の可動部2620及び第2の可動部2622を開閉するための手段を提供してもよい。例示の実施例では、第1アクチュエータアッセンブリ2652及び第2アクチュエータアッセンブリ2654は、図17及び図18を参照して上述したアクチュエータアッセンブリとほぼ同じであってもよい。
【0128】
更に、本実施例はグラフィック転写アッセンブリの開閉に作動システムを使用するが、他の実施例では、種類が異なるシステムを使用してもよいということは理解されるべきである。例えば、一実施例では、グラフィック転写アッセンブリの第1の可動部及び第2の可動部を開位置と閉位置との間で持ち上げたり下ろしたりすることによって、これらの移動可能な部分を手動で開閉してもよい。別の例では、これらの移動可能な部分の動きを制御するため、これらの移動可能な部分の一つ又は複数の枢動部分にモータを取り付けてもよい。
【0129】
例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は、支持アッセンブリ2640を含む。支持アッセンブリ2640は、グラフィック転写アッセンブリ2600の基部に靴型を取り付けるように構成されている。詳細には、支持アッセンブリ2640は靴型ポスト2641を含む。幾つかの場合では、靴型ポスト2641は、靴型を支持アッセンブリ2640に取り付けるため、靴型の一部内に挿入される一つ又は複数の固定具を含んでいてもよい。この構成では、支持アッセンブリ2640により、グラフィック転写アッセンブリ2600に互換性が提供される。これにより、様々な靴型をグラフィック転写アッセンブリ2600に取り付けることができる。
【0130】
グラフィックを物品に取り付ける方法は、グラフィック転写アッセンブリで使用される靴型の適合性を向上させるための設備を含んでいてもよい。幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリと膨張可能部材とを関連付けてもよい。この詳細な説明及び特許請求の範囲に亘って使用されている「膨張可能部材」という用語は、何らかの種類の流体で充填されたときにある程度膨張する任意の部材のことである。幾つかの場合では、膨張可能部材は、空気、水素、ヘリウム、又はこの他の任意の種類の気体を含む気体を受け入れるように構成できるがこれらに限定されない。他の場合には、膨張可能部材は、水又はこの他の任意の種類の液体等の液体を受け入れるように構成できる。例示の実施例では、膨張可能部材の充填に使用される流体は、圧縮性等の所望の特性に従って選択できる。
【0131】
一般的には、膨張可能部材は、任意の形状又は大きさを持つことができる。幾つかの実施例では、膨張可能部材は、グラフィックが施される物品の種類と対応する所定の形状を備えていてもよい。例えば、グラフィック転写アッセンブリを使用してグラフィックを履物に適用する実施例では、膨張可能部材は、靴型の形状の膨張可能な靴型であってもよい。グラフィック転写アッセンブリを使用してグラフィックを野球帽に施す実施例では、膨張可能部材は、頭部の一部の形状を備えていてもよい。換言すると、膨張可能部材は、履物を靴型に被せるのと同様の方法で野球帽を膨張可能部材に被せることができるように形成されていてもよい。グラフィック転写アッセンブリを使用してグラフィックをシャツの袖に施す実施例では、膨張可能部材は、腕の形状を備えていてもよい。換言すると、膨張可能部材は袖を膨張可能部材に被せることができるように構成されていてもよい。例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリと関連して膨張可能な靴型を使用してもよい。
【0132】
幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は、膨張可能部材2700と関連してもよい。幾つかの場合では、膨張可能部材2700は本体部分2710を含んでいてもよい。幾つかの場合では、本体部分2710は、実質的にモノリシックな部分として構成されていてもよい。他の場合では、本体部分2710は、多数の別個の部分を含んでいてもよい。本体部分2710は、外面2712を含む。更に、本体部分2710は、爪先部分2714、踵部分2716、及び爪先部分2714と踵部分2716との間に配置された中央部分2718を含んでいてもよい。更に、本体部分2710は、底部分2720及び上部分2722を含んでいてもよい。
【0133】
膨張可能部材2700は、内部チャンバ2730を含んでいてもよい。幾つかの場合では、内部チャンバ2730は、所定の容積の流体を受け入れるように構成されていてもよい。一般的には、内部チャンバ2730は、本体部分2710の境界内に嵌まる任意の大きさ及び形状を備えていてもよい。詳細には、内部チャンバ2730の大きさ及び形状は、本体部分2710に従って変化してもよい。本実施例は本体部分2710のほぼ全体に亘って延びる単一の内部チャンバを含むが、他の実施例では、二つ以上のチャンバを使用してもよい。幾つかの場合では、二つ以上のチャンバを使用した場合、これらのチャンバが流体連通していてもよい。他の場合では、二つ以上のチャンバを使用した場合、これらのチャンバが流体連通していなくてもよい。
【0134】
幾つかの実施例では、膨張可能部材2700は、内部チャンバ2730と流体連通した流体ポート2732を含んでいてもよい。一般的には、流体ポート2732は、二つの領域間の流体の流れを制御するための当該技術分野で周知の任意の種類のポートであってもよい。幾つかの実施例では、流体ポート2732と関連した一つ又は複数の空気バルブが設けられていてもよい。例えば、一実施例では、流体ポート2732は、流体が内部チャンバ2730から流出するのを阻止するが流入するのを許容する一方向バルブを含んでいてもよい。他の実施例では、膨張可能なデバイスへの流体の流入及び流出を制御する当該技術分野で周知の任意の他の設備を使用してもよい。
【0135】
幾つかの場合では、流体ポート2732は、本体部分2710の上部分2722と関連していてもよい。しかしながら、他の場合では、流体ポート2732を本体部分2710の他の部分に配置してもよい。更に、二つ又はそれ以上の別々の内部チャンバを使用する実施例では、二つ以上の対応する流体ポートを使用してもよい。この構成では、流体ポート2732を使用して流体を内部チャンバ2730に入れることや、出すことができる。
【0136】
例示の実施例では、膨張可能部材2700は、一杯に膨張した位置で人間の足の形状を備えていてもよい。詳細には、膨張可能部材2700は、木材又は他の固体材料で形成された従来の靴型が提供するのと同様の立体形状を備えていてもよい。この構成では、膨張可能部材2700は、従来の靴型と関連した任意の目的で使用できる。この目的には、物品を靴型の周囲で組み立てるという目的が含まれるが、これに限定されない。例示の実施例では、膨張可能部材2700は、更に、グラフィック転写アッセンブリを使用してグラフィックを物品に施すのに使用してもよい。
【0137】
一般的には、膨張可能部材は、どのような材料で形成されていてもよい。幾つかの実施例では膨張可能部材は、流体力の作用で変形するように構成された実質的に可撓性で弾性の材料で形成されていてもよい。幾つかの場合では、膨張可能部材は、プラスチック材料で形成されていてもよい。使用してもよいプラスチック材料の例には、高密度ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、熱可塑性材料、エラストマー材料、並びに様々な材料の組み合わせを含むこの他の任意の種類のプラスチック材料が含まれる。膨張可能部材に熱可塑性ポリマーを使用した実施例では、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルポリウレタン、及びポリエーテルポリウレタンを含む様々な熱可塑性ポリマー材料を膨張可能部材に使用してもよい。膨張可能部材の別の適当な材料は、ミッチェル等に賦与された米国特許第5,713,141号及び米国特許第5,952,065号に開示された、熱可塑性ポリウレタン及びエチレンビニルアルコールコポリマーの交互の層で形成されたフィルムである。出典を明示することにより、これらの特許に開示された全ての内容が本願の参照となる。膨張可能部材は、更に、ボンク等に賦与された米国特許第6,082,025号及び米国特許第6,127,026号に開示された、気体障壁材料及びエラストマー材料の交互の層を含む可撓性マイクロ層メンブレンで形成されていてもよい。出典を明示することにより、これらの特許に開示された全ての内容が本願の参照となる。更に、Dow Chemical社の製品であるPELLETHANE、BASF社の製品であるELASTOLLAN、B.F.Goodrich社の製品であるESTANE等の多くの熱可塑性ウレタンを使用してもよい。これらの製品は全て、エステル又はエーテルを基材としている。ポリエーテル、ポリカプロラクトン、及びポリカーボネートマクロゲルを基材としたこの他の熱可塑性ウレタンを使用してもよく、様々な窒素ブロック材料を使用してもよい。追加の適当な材料がルディー等に賦与された米国特許第4,183,156及び米国特許第4,219,945号に開示されている。出典を明示することにより、これらの特許に開示された全ての内容が本願の参照となる。この他の適当な材料には、ルディー等に賦与された米国特許第4,936,029及び米国特許第5,042,176号に開示された結晶質材料を含む熱可塑性フィルムが含まれる。出典を明示することにより、これらの特許に開示された全ての内容が本願の参照となる。更に、ボンク等に賦与された米国特許第6,013,340号、米国特許第6,203,868号、及び米国特許第6,321,465号に開示されたポリエステルポリオールを含むポリウレタンが含まれる。出典を明示することにより、これらの特許に開示された全ての内容が本願の参照となる。例示の実施例では、膨張可能部材は、一杯に膨張させたとき、履物に対して十分な剛性を提供する材料で形成されていてもよい。
【0138】
グラフィック転写アッセンブリの変形可能メンブレンは、上述したように、グラフィック転写プロセス中に物品に熱を加えるように構成できるため、膨張可能部材には、熱に耐えるための設備が設けられていてもよい。幾つかの実施例では膨張可能部材は、加熱時に劣化したり大きく変形したりしない材料で形成できる。他の実施例では、膨張可能部材には、一つ又は複数の耐熱性材料による処理が施されていてもよい。例示の実施例では、膨張可能部材は、グラフィック転写アッセンブリによって物品に与えられる温度と関連した所定の熱量に耐えることができる材料で形成できる。
【0139】
グラフィック転写アッセンブリ2600には、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間に真空を適用するための設備が設けられていてもよい。幾つかの実施例では、真空ポンプを使用できる。この実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は、真空ポンプ2750を含んでいてもよい。使用できる様々な種類び真空ポンプの例には、容量形ポンプ、運動量輸送式ポンプ、及び/又は封入ポンプが含まれるが、これらに限定されない。
【0140】
図36及び図37を参照すると、グラフィック転写アッセンブリ2600には、膨張可能部材を充填するための設備が設けられていてもよい。幾つかの実施例では、流体ポンプを使用してもよい。一実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は、流体ポンプを含んでいてもよい。使用できるポンプの種類の例には、容量形ポンプ、ルーツ形ポンプ、往復動形ポンプ、回転形ポンプ、並びにこの他の任意の種類のポンプが含まれるが、これに限定されない。
【0141】
幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリ2600は、一つ又は複数の流体ラインと関連していてもよい。一実施例では、第1流体ライン2761が、真空ポンプ2750から、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間の領域まで延びていてもよい。詳細には、第1流体ライン2761は、真空ポンプ2750と関連した第1流体ポート2771を含んでいてもよい。更に、第1流体ライン2761は、支持アッセンブリ2640に配置された流体ポート2770のセットを含んでいてもよい。幾つかの場合では、単一の流体ポートしか使用しなくてもよい。他の場合では二つ以上の流体ポートが流体ポート2770のセットを形成してもよい。例示の実施例では、流体ポート2770のセットは、複数の穴を含んでいてもよい。この構成では、移動自在の第1部分2620及び移動自在の第2部分2622が互いに閉じたとき、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間の領域が真空ポンプ2750と流体連通する。
【0142】
グラフィック転写アッセンブリ2600は、更に、流体ポンプ2752から、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間の領域まで延びる第2流体ライン2762と関連していてもよい。詳細には、第2流体ライン2762は、流体ポンプ2752と関連した第2流体ポート2772及び支持アッセンブリ2640に配置された第3流体ポート2773を含んでいてもよい。更に、第3流体ポート2773は、膨張可能部材2700の流体ポート2732内に挿入するように構成されていてもよい。この構成では、膨張可能部材は、流体ポンプ2752と流体連通していてもよい。
【0143】
様々な実施例において、第1流体ライン2761及び第2流体ライン2762の構成は異なっていてもよい。幾つかの実施例では、第1流体ライン2761は、第2流体ライン2762から分離されていてもよい。しかしながら、他の実施例では、第1流体ライン2761及び第2流体ライン2762は、互いに隣接して配置されていてもよい。例示の実施例では、第1流体ライン2761及び第2流体ライン2762の部分が実質的に同軸であってもよい。詳細には、この実施例では、第2流体ライン2762の一部が第1流体ライン2761の一部内に配置されていてもよい。この構成では、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間の漏れを減少すると同時に真空を適用するため、第1流体ライン2761及び第2流体ライン2762の両方に対して単一のシールを使用してもよい。
【0144】
例示の実施例では、第1流体ライン2761及び第2流体ライン2762は、靴型に対して取り付け点及び支持体を提供するようになった靴型ポスト2641と関連していてもよい。幾つかの場合では、靴型ポスト2641は、第2流体ライン2762の実質的に剛性の部分によって形成されていてもよい。他の場合では、靴型ポスト2641は、一つ又は複数の流体ラインを受け入れるための設備を含む、グラフィック転写アッセンブリ2600の別の部分であってもよい。
【0145】
一般的には、グラフィック転写アッセンブリ2600で任意の種類の流体ラインを使用してもよい。幾つかの場合では、一つ又は複数のパイプを使用してもよい。他の場合には、一つ又は複数のチューブを使用してもよい。更に、別の実施例では、一つ又は複数の流体ラインの剛性を変化してもよい。例えば、別の実施例では、一つ又は複数の流体ラインに実質的に可撓性のプラスチックチューブを使用してもよい。更に他の実施例では、流体ラインは、金属、プラスチック、ゴム、並びに流体の輸送に使用できる任意の他の材料を含む任意の材料で形成されていてもよいがこれらに限定されない。
【0146】
幾つかの実施例では、膨張可能部材2700は、最初、実質的に萎んだ状態で配置されていてもよい。この実質的に萎んだ状態では、膨張可能部材2700は、部分的に平らになった及び/又は部分的に変形した形状を備えていてもよい。膨張可能部材2700を充填するため、膨張可能部材2700をグラフィック転写アッセンブリ2600の靴型ポスト2641に取り付ける。詳細には、膨張可能部材2700の流体ポート2732を第2流体ライン2762の流体ポート2773と係合する。
【0147】
図38を参照すると、膨張可能部材2700を流体で充填してもよい。詳細には、第2流体ライン2762を使用して、流体を流体ポンプ2752から膨張可能部材2700に圧送してもよい。この場合、流体が内部チャンバ2730(図36及び図37参照)に流入すると、膨張可能部材2700が膨張する。
【0148】
幾つかの場合では、膨張可能部材2700が一杯に膨張する前に、物品を膨張可能部材2700と関連してもよい。この場合、履物2800はグラフィック2810を含む。詳細には、グラフィック2810は数字の「21」である。他の実施例では、任意の他の種類のグラフィックを使用できる。様々な種類のグラフィックの例は、上述した。例えば、別の実施例では、グラフィック2810は何らかの種類の形状を備えていてもよい。更に、幾つかの場合では、二つ又はそれ以上のグラフィックを履物2800に適用できる。
【0149】
図39及び図40を参照すると、履物2800を膨張可能部材2700に配置した後、膨張可能部材2700を膨張し続けてもよい。詳細には、履物2800が一杯になるまで膨張可能部材2700が膨張するまで、流体を膨張可能部材2700に流入し続ける。最終的には、図40に示すように、膨張可能部材2700を一杯に膨張させてもよい。この時点で、膨張可能部材2700は、足の形状とほぼ同じ実質的に平滑な外面2790を備えていてもよい。この時点で、移動自在の第1部分2620及び移動自在の第2部分2622(図36参照)を履物2800の周囲で閉じてもよい。
【0150】
図41、図42、及び図43を参照すると、履物2800は、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間に配置されている。この時点で、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間を減圧してもよい。詳細には、真空ポンプ2750に連結された第1流体ライン2761を使用し、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間の空気を排出する。
【0151】
図42を参照すると、第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間に捕捉された空気を、第1流体ライン2761の流体ポート2770のセットを通して真空ポンプ2750に向かって引き出す。最終的には、空気をほぼ完全に排出させると、図43に示すように、第1の変形可能メンブレン2632及び第2の変形可能メンブレン2634が履物2800の外面にぴったりと引き付けられる。詳細には、第1の変形可能メンブレン2632及び第2の変形可能メンブレン2634が履物2800の湾曲部分と整合する。更に、グラフィック2810が第2の変形可能メンブレン2634で履物2800の側部分に押し付けられる。
【0152】
図42及び図43に示すように、膨張可能部材2700は、外面2790に亘ってほぼ均等な圧力を提供する。詳細には、膨張可能部材2700の外面2790が、履物2800の内面2830に亘ってほぼ均等な圧力を加える。例示の実施例では、膨張可能部材2700によって履物2800の内面2830に沿って加えられる力及び第1の変形可能メンブレン2632及び第2の変形可能メンブレン2634によって履物2800の外面に加えられる力を調節できる。例えば、膨張可能部材2700の膨張圧力及び第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間に与えられる減圧を変化させることによって、内面2830及び外面2832に加えられる力を微調整し、グラフィック2810を履物2800の一部に最大の効率で転写する。
【0153】
グラフィックを物品に適用するため、熱を使用して物品にグラフィックを施してもよい。幾つかの実施例では、変形可能メンブレンと隣接して配置された加熱エレメントによって熱を加えてもよい。他の実施例では、変形可能メンブレンから放射された熱によって熱を加えてもよい。幾つかの場合では加熱ワイヤが変形可能メンブレンに埋め込まれていてもよい。他の場合では、変形可能メンブレンが、熱を物品に伝達する熱伝導性材料で形成されていてもよい。
【0154】
第1の変形可能メンブレン2632及び第2の変形可能メンブレン2634の形態が履物2800の部分と整合した状態で、第1の変形可能メンブレン2632及び第2の変形可能メンブレン2634を通して熱を伝達し、履物2800にグラフィック2810を施す。例示の実施例では、第1の変形可能メンブレン2632及び第2の変形可能メンブレン2634に埋め込んだ加熱ワイヤを加熱し、グラフィック2810を履物2800に適用してもよい。
【0155】
図42及び図43に示すように、膨張可能部材2700は、外面2790に亘ってほぼ均等な圧力を提供する。詳細には、膨張可能部材2700の外面2790は、履物2800の内面2830に亘ってほぼ均等な圧力を提供する。例示の実施例では、膨張可能部材2700によって履物2800の内面2830に沿って加えられる力、及び第1の変形可能メンブレン2632及び第2の変形可能メンブレン2634によって履物2800の外面2832に加えられる力を調節する。例えば、膨張可能部材2700の膨張圧力並びに第1の変形可能メンブレン2632と第2の変形可能メンブレン2634との間に与えられる減圧の大きさを変化させることによって、内面2830及び外面2832に加えられる力を微調整し、グラフィック2810を履物2800の一部に最大の効率で転写する。
【0156】
膨張可能部材は、グラフィックを物品に適用するための任意の方法で使用できる。更に、膨張可能部材の使用は、特定の種類のグラフィック転写アッセンブリでの使用に限定されない。幾つかの実施例では、膨張可能部材は、この詳細な説明で論じた様々な種類のグラフィック転写アッセンブリのうちの任意のアッセンブリで使用できる。
【0157】
図44は、グラフィック転写アッセンブリの別の実施例を示す。図44を参照すると、グラフィック転写アッセンブリ3000は、上述の実施例で論じた設備の多くを備えていてもよい。例えば、幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリ3000は、基部3002と関連していてもよい。幾つかの場合では、グラフィック転写アッセンブリ3000は、更に、移動自在の第1部分3020及び移動自在の第2部分3022を含んでいてもよい。更に、移動自在の第1部分3020及び移動自在の第2部分3022は、第1の変形可能メンブレン3032と第2の変形可能メンブレン3034と関連していてもよい。更に、グラフィック転写アッセンブリ3000は、移動自在の第1部分3020及び移動自在の第2部分3022の開閉を容易にする作動システムを含んでいてもよい。上述したシステムのうちの任意のシステムを含む任意の種類の作動システムを使用できる。
【0158】
グラフィック転写アッセンブリ3000は、第1の変形可能メンブレン3032と第2の変形可能メンブレン3034との間を減圧する設備を含んでいてもよい。幾つかの実施例では、真空ポンプを使用できる。この実施例では、グラフィック転写アッセンブリ3000は、真空ポンプ3050を含んでいてもよい。使用できる様々な種類の真空ポンプの例には、容量形ポンプ、運動量輸送式ポンプ、及び/又は封入ポンプが含まれるが、これらに限定されない。
【0159】
グラフィック転写アッセンブリ3000は、膨張可能部材を充填するための設備を備えていてもよい。幾つかの実施例では、流体ポンプを使用できる。一実施例では、グラフィック転写アッセンブリ3000は、流体ポンプを含んでいてもよい。使用できるポンプの種類の例には、容量形ポンプ、ルーツ形ポンプ、往復動形ポンプ、回転形ポンプ、並びにこの他の任意の種類のポンプが含まれるが、これらに限定されない。
【0160】
幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリ3000は、一つ又は複数の流体ラインと関連していてもよい。一実施例では、第1流体ライン3061が、真空ポンプ3050から、靴型ポスト3010まで延びていてもよい。更に、幾つかの実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、第2流体ライン3062と関連していてもよい。一実施例では、第2流体ライン3062は、流体ポンプ3052から靴型ポスト3010まで延びていてもよい。
【0161】
グラフィック転写アッセンブリ3000は、膨張可能な靴型3100と関連していてもよい。幾つかの実施例では、膨張可能部材3100は、本体部分3110を含んでいてもよい。幾つかの場合では、本体部分3110は、実質的にモノリシックな部分として構成されていてもよい。他の場合では、本体部分3110は、多数の別個の部分を含んでいてもよい。本体部分3110は、外面3112を含む。更に、本体部分3110は、爪先部分3114、踵部分3116、及び爪先部分3114と踵部分3116との間の中央部分3118を含んでいてもよい。更に、本体部分3110は、底部分3120及び上部分3122を含んでいてもよい。
【0162】
上述した実施例と同様に、膨張可能部材3100は、履物3200を受け入れるように構成されていてもよい。幾つかの実施例では、物品3200を膨張可能部材3100に装着し、物品3200の湾曲部分3212へのグラフィック3210の転写を容易にしてもよい。幾つかの場合では、膨張可能部材3100は、物品3200にグラフィック3210を施すときに実質的に一定の圧力を湾曲部分3212に加えるように構成されていてもよい。
【0163】
幾つかの実施例では、膨張可能な靴型には、グラフィック転写アッセンブリの効率を向上させるための設備が設けられていてもよい。幾つかの実施例では、膨張可能な靴型は、膨張を容易にし且つ膨張可能な靴型の構造的一体性を向上する構造的構成要素を含んでいてもよい。例示の実施例では、膨張可能な靴型は、膨張可能な靴型を効率的に膨張させるのを補助する流体送出ポートを備えて形成された内部支持部材を含んでいてもよい。
【0164】
図45は、靴型ポスト3110に取り付けられた位置にある膨張可能な靴型3100の一実施例の斜視図を示す。例示の目的で、膨張可能な靴型3100の本体部分3110は仮想線で示してある。従って、膨張可能な靴型3100の内部構成要素が見える。図45を参照すると、膨張可能部材3100は、膨張可能な靴型3100の内部チャンバ3190内に配置された支持部材3150を含んでいてもよい。幾つかの場合では、支持部材3150は、膨張可能部材3100の底部分3120及び上部分3122との間に延びていてもよい。換言すると、支持部材3150は、膨張可能部材3100を通ってほぼ垂直方向に延びていてもよい。しかしながら、他の実施例では、支持部材3150は、膨張可能部材3100を通って別の方向に延びていてもよい。
【0165】
一般的には、支持部材3150は、任意の形状で形成されていてもよい。例示の実施例では、支持部材3150は、実質的に矩形の断面形状を備えていてもよい。しかしながら、他の実施例では、支持部材3150は、円形、楕円形、多角形、規則的な形状、不規則な形状、並びに任意の他の種類の断面形状を含むがこれらに限定されない任意の他の断面形状を備えていてもよい。例えば、別の実施例では、支持部材3150は、円形の断面形状を持つ柱状の形状を備えて形成されていてもよい。
【0166】
一般的には、支持部材3150は、膨張可能部材3100に任意の方法で取り付けられていてもよい。幾つかの実施例では、支持部材3150は、膨張可能部材3100に固定的に取り付けられていてもよい。他の実施例では、支持部材3150は、膨張可能部材3100に取り外し自在に取り付けられていてもよい。例示の実施例では、支持部材3150は、支持プレートを使用して膨張可能部材3100に固定的に取り付けられていてもよい。
【0167】
幾つかの実施例では、膨張可能部材3100は、第1支持プレート3161及び第2支持プレート3162を含んでいてもよい。幾つかの場合では、第1支持プレート3161は、膨張可能部材3100の上部分3122の外面に配置されていてもよい。更に、第2支持プレート3162は、上部分3122の内面に配置されていてもよい。換言すると、第2支持プレート3162は、膨張可能部材3100の内部チャンバ3190内に配置されていてもよい。更に、第1支持プレート3161は、上部分3122を通して挿入された一つ又は複数の固定具を使用して第2支持プレート3162に接合されていてもよい。換言すると、上部分3122は、第1支持プレート3161と第2支持プレート3162との間に挟まれており、これによって、第1支持プレート3161及び第2支持プレート3162を上部分3122に関して固定できる。
【0168】
幾つかの実施例では、膨張可能部材3100は、第3支持プレート3163及び第4支持プレート3164を含んでいてもよい。幾つかの場合では、第3支持プレート3163は、膨張可能部材3100の底部分3120の外面に配置されていてもよい。更に、第4支持プレート3164は、底部分3120の内面に配置されていてもよい。換言すると、第4支持プレート3164は、膨張可能部材3100の内部チャンバ3190内に配置されていてもよい。更に、第3支持プレート3163は、底部分3120を通して挿入された一つ又は複数の固定具を使用して第4支持プレート3164に接合されていてもよい。換言すると、底部分3120は、第3支持プレート3163と第4支持プレート3164との間に挟まれており、これによって、第3支持プレート3163及び第4支持プレート3164を底部分3120に関して固定できる。
【0169】
例示の実施例では、支持部材3150は、上部分3122及び底部分3120の支持プレート間に延びている。詳細には、支持部材3150の第1端3151が第2支持プレート3162に接合されている。更に、支持プレート3150の第2端3152が第4支持プレート3164に接合されている。この構成では、支持部材3150は、上部分3122と底部分3120との間の所定の場所に固定的に保持される。
【0170】
様々な実施例において、一つ又は複数の支持プレートの形状が異なっていてもよい。一実施例では、第1支持プレート3161及び第2支持プレート3162は実質的に円形形状を備えていてもよい。幾つかの場合では、第1支持プレート3161及び第2支持プレート3162についての円形の形状は、上部分3122の形状とほぼ対応する。更に、一実施例では、第3支持プレート3163及び第4支持プレート3164は端部に丸みを付けた細長い形状を備えていてもよい。幾つかの場合では、第3支持プレート3163及び第4支持プレート3164の形状は、底部分3120の形状とほぼ対応してもよい。しかしながら、他の実施例では、各支持プレートはこの他の任意の形状を備えていてもよい。
【0171】
本実施例では4枚の支持プレートを使用したけれども、他の実施例では、これよりも多数の又は少数の支持プレートを使用してもよい。例えば、別の実施例では、第1支持プレートを膨張可能部材の底部分に配置してもよく、第2支持プレートを膨張可能部材の上部分に配置してもよい。幾つかの場合では、上述した挟み構成を使用するのでなく、第1支持プレートを底部分に直接取り付けることができ、第2支持プレートを上部分に直接取り付けることができる。更に、この変形例では、支持部材を第1支持プレート及び第2支持プレートに連結できる。更に、更に他の実施例では、追加の支持プレートを膨張可能部材の様々な部分に設けることができる。こうした部分には、外側部分及び/又は内側部分が含まれる。
【0172】
幾つかの実施例では、膨張可能部材3100は、グラフィック転写アッセンブリ3000と係合するための設備が設けられていてもよい。幾つかの実施例では、膨張可能部材3100は、靴型ポスト3010と係合するステム3130を含んでいてもよい。幾つかの場合では、ステム3130は、流体ポート3132と関連していてもよい。流体ポート3132は、膨張可能部材3100の内部チャンバ3190と流体連通している。しかしながら、他の実施例では、膨張可能部材3100はステムを含まなくてもよい。別の実施例では、例えば、流体ポートを第1支持プレート3161に配置してもよいし、上部分3122に直接設けてもよい。
【0173】
一般的には、ステム3130は、膨張可能部材3100に任意の方法で接合できる。幾つかの場合では、ステム3130は、接着剤を使用して膨張可能部材3100に接合されていてもよい。他の場合では、固定具を使用してステム3130を膨張可能部材3100に取り付けてもよい。他の実施例では、ステム3130を支持プレートと一体成形してもよい。例示の実施例では、膨張可能部材3100の第1支持プレート3161にステップ3130を一体に形成してもよい。
【0174】
幾つかの実施例では、ステム3130は、膨張可能部材3100の内部チャンバ3190と流体連通した流体ポート3132を含んでいてもよい。一般的には、流体ポート3132は、二つの領域間の流体の流れを制御するための当該技術分野で周知の任意の種類のポートであってもよい。幾つかの実施例では、流体ポート3132は一つ又は複数の空気バルブと関連していてもよい。例えば、一実施例では、流体ポート3132は、流体が内部チャンバ3190から出ないようにするが、空気を内部チャンバ3190に入れることができる一方向バルブを含んでいてもよい。一実施例では、膨張可能なデバイスに流入する、又はここから流出する流体の流れを制御するための当該技術分野で周知の任意の他の設備を使用できる。
【0175】
幾つかの実施例では、支持部材3150は、流体ポートセット(一式の流体ポート)3155を含んでいてもよい。一般的には、流体ポートセット3155は、任意の数の流体ポートを含んでいてもよい。幾つかの場合では、流体ポートセット3155は、少なくとも五つの流体ポートを含んでいてもよい。他の場合には、流体ポートセット3155は、五個以上の流体ポートを含んでいてもよい。更に他の場合には、流体ポートセット3155は、五個以下の流体ポートを含んでいてもよい。例示の実施例では、流体ポートセット3155は、支持部材3150の各側壁に配置された複数のポートを備えていてもよい。
【0176】
幾つかの場合では、流体ポートセット3155は、流体ポート3132と流体連通していてもよい。例示の構成を以下に詳細に論じる。しかしながら、その他の場合では、流体ポートセット3155は、流体ポート3132と流体連通していてもよい。
【0177】
幾つかの実施例では、膨張可能部材3100に連結するための設備が靴型ポスト3110に設けられていてもよい。幾つかの実施例では、靴型ポスト3110はソケット3012を含んでいてもよい。幾つかの場合では、ソケット3012は、流体流れを自動的に制御するように構成されたガス機器用ソケットであってもよい。ソケット3012は、第2流体ライン3062の中央チューブ3018と流体連通していてもよい。この構成では、膨張可能部材3100のステム3130をソケット3012に挿入し、流体ポンプ3052と膨張可能部材3100との間を流体連通させてもよい。
【0178】
靴型ステム3010は、第1の変形可能メンブレン3032と第2の変形可能メンブレン3034との間を減圧するための設備を備えていてもよい(図44参照)。幾つかの場合では、靴型ステム3010は、第1チューブ3014及び第2チューブ3016と関連していてもよい。第1チューブ3014及び第2チューブ3016は、流体ライン3061の別個の部分を含んでいてもよい。更に、第1チューブ3014及び第2チューブ3016は、更に、第1真空ポート3015及び第2真空ポート3017と夫々関連していてもよい。この構成では真空ポンプ3050を使用して、第1真空ポート3015及び第2真空ポート3017を介して、第1の変形可能メンブレン3032と第2の変形可能メンブレン3034との間を減圧することができる。
【0179】
第1流体ライン3061及び第2流体ライン3062についてこの実施例に示し且つ論じた構成は、単なる例示である。他の実施例では、流体を流体ポンプと膨張可能部材との間に流体を差し向けるため、並びに変形可能メンブレン間を減圧するため、この他の構成を提供できる。例えば、本実施例では、第1流体ライン3061は靴型ポスト3110の二つのチューブを含むけれども、他の実施例では、流体ライン3061のこの部分を二つ以上のチューブと関連してもよいし、単一のチューブだけと関連してもよい。同様に、第2流体ライン3062は、本実施例では、単一の中央チューブを含むが、他の実施例は、追加のチューブが関連していてもよい。
【0180】
図46及び図47を参照すると、履物3200が第1の変形可能メンブレン3032と第2の変形可能メンブレン3034との間に配置されている(図44参照)。例示の目的で、図47に示す断面図において、第2の変形可能メンブレン3034だけが断面で示してある。履物3200を膨張可能部材3100に適用した後、膨張可能部材3100を一杯に膨張させる。この場合、流体が流体ポンプ3052から中央チューブ3018に圧送され、次いで流体ポート3132に圧送される。流体は、流体ポート3132に入ったとき、支持部材3150の中央チャンネル3180を通って移動し、流体ポートセット3155を介して支持部材3150を出る。この構成では、流体は、膨張可能部材3100が所望の圧力に膨張するまで、内部チャンバ3190を充填する。幾つかの場合では、ソケット3012は、膨張可能部材3100が所望の圧力に膨張されたとき、流体ポート3132内への流体流れを遮断するように構成できる。他の場合では、追加の流体が膨張可能部材3100に進入しないように流体ポンプ3052を停止してもよい。
【0181】
本実施例で例示したように、ステム3130の幾つかの部分が第1支持プレート3161及び第2支持プレート3162を通って延びていてもよい。この構成により、流体ポート3132から支持部材3150の中央チャンネル3180内に空気が移動できる。しかしながら、他の実施例では、ステム3130が第1支持プレート3161及び/又は第2支持プレート3162を通って延びていなくてもよい。その代わり、ステム3130と中央チャンネル3180との間を流体連通させるため、例えば第1支持プレート3161及び/又は第2支持プレート3162に中央穴又はキャビティを形成してもよい。
【0182】
この時点で、第1の変形可能メンブレン3032と第2の変形可能メンブレン3034との間を減圧してもよい。詳細には、真空ポンプ3050に連結された第1流体ライン3061を使用し、第1の変形可能メンブレン3032と第2の変形可能メンブレン3034との間の空気を出させてもよい。詳細には、第1の変形可能メンブレン3032と第2の変形可能メンブレン3034との間に捕捉された空気を、第1真空ポート3015及び第2真空ポート3017を通して、第1流体ライン3061の第1チューブ3014及び第2チューブ3016の夫々に引き出す。最終的には、ほぼ全ての空気が排出されると、第1の変形可能メンブレン3032及び第2の変形可能メンブレン3034が履物3200の外面にきつく引き付けられる。詳細には、第1の変形可能メンブレン3032及び第2の変形可能メンブレン3034の形態が履物3200の湾曲部分と整合する。更に、グラフィック3210が、第2の変形可能メンブレン3034を使用して履物3200の湾曲部分3212に押し付けられる。
【0183】
様々な実施例では、膨張可能部材の様々な部分に使用される材料が異なっていてもよい。幾つかの場合では、膨張等で弾性的に変形する本体部分は、実質的に弾性の材料又は上文中に開示した材料等の任意の他の種類の材料で構成できる。更に、支持部材は、任意の材料で形成されていてもよい。幾つかの場合では、支持部材は、金属、剛性プラスチック、木材、並びに任意の他の実質的に剛性の材料を含む実質的に剛性の材料で形成されていてもよいがこれに限定されない。他の場合には、支持部材は、実質的に弾性であり、膨張可能部材とともに変形できる材料で形成されていてもよい。更に、膨張可能部材で使用される支持プレートは、任意の剛性の材料で形成されていてもよい。幾つかの場合では、支持プレートは、金属、プラスチック、木材、又は他の剛性の材料を含む実質的に剛性の材料で形成されていてもよいがこれに限定されない。しかしながら、他の場合では、支持プレートは、この他の種類の任意の材料で形成されていてもよい。例示の実施例では、膨張可能部材で使用される支持部材及び一つ又は複数の支持プレートは、膨張可能部材に対して実質的に剛性のフレームを提供するため、金属を含む材料等の実質的に剛性の材料で形成されていてもよい。更に、実質的に剛性の材料を使用することによって、支持部材及び/又は支持プレートの丈夫さを向上でき、その結果、膨張可能部材を交換前に長期間に亘って使用できる。これは、多数のサイズの履物の形成で膨張可能部材を使用することによって生じる早期磨耗が生じないように保護するのを補助でき、これにより、一つのサイズの履物の形成に使用された従来の靴型よりも使用時間が延びる。
【0184】
グラフィック転写アッセンブリは、様々なサイズの物品にグラフィックを施すのに必要な靴型の数を減少するための設備を備えていてもよい。幾つかの場合では、グラフィック転写アッセンブリは、様々なサイズの靴型と関連していてもよい。例示の実施例では、グラフィック転写アッセンブリは、様々な寸法の膨張可能部材と関連していてもよい。
【0185】
図48を参照すると、様々なサイズの一組の物品にグラフィックを施してもよい。一実施例では、物品2900の組は、グラフィック転写アッセンブリ2600によって適用されるグラフィックと関連していてもよい。一実施例では、物品2900の組は、第1物品2901、第2物品2902、及び第3物品2903を含む。物品2900の組は、サイズが異なる少なくとも二つの物品を含んでいてもよい。例示の実施例では、物品2900の組は、三つの異なるサイズの物品を含んでいてもよい。例えば、第1物品2901はサイズ10の物品であってもよい。第2物品2902は、サイズ9・1/2の物品であってもよい。同様に、第3物品2903は、サイズ9の物品であってもよい。
【0186】
幾つかの実施例では、物品の組の各物品は、同じサイズの対応する靴型と関連していてもよい。他の実施例では、二つ以上の異なるサイズの物品に対して単一の靴型を使用してもよい。例示の実施例では、物品2900の組は、膨張可能部材2920と関連してもよい。詳細には、膨張可能部材2920は、所定のサイズの物品にフィットする様々なサイズまで膨張するように構成されていてもよい。例えば、この実施例では、膨張可能部材2920は、第3物品2903にフィットする第1サイズ2922まで膨張するように構成されていてもよい。更に、膨張可能部材2920は、第2物品2902にフィットする第2サイズ2924まで膨張するように構成されていてもよい。更に、膨張可能部材2920は、第1物品2901にフィットする第3サイズ2926まで膨張するように構成されていてもよい。この構成では、物品にグラフィックを施す目的で、単一の膨張可能部材を使用して様々なサイズの物品を支持できる。
【0187】
様々な実施例において、膨張可能部材を、様々な範囲の靴のサイズと関連させることができるということは理解されよう。例えば、一実施例では、サイズ7乃至サイズ8の範囲のサイズの任意の物品に合うように膨張可能部材を構成できる。別の実施例では、サイズ7乃至サイズ9の範囲のサイズの任意の物品に合うように膨張可能部材を構成できる。更に他の実施例では、サイズ5乃至サイズ9の範囲のサイズの任意の物品に合うように膨張可能部材を構成できる。ここで論じた範囲は単なる例であり、様々な実施例において、任意の標準的なサイズ又は非標準的サイズの物品に膨張可能部材を使用できる。
【0188】
幾つかの場合では、膨張可能部材を形成する材料は、様々な伸長の度合いに対処するように変化できる。例えば、膨張可能部材を広い範囲のサイズで使用する場合には、膨張可能部材は、物品の幾つかのサイズに亘って膨張できる実質的に伸縮性の材料で形成されていてもよい。しかしながら、膨張可能部材を狭い範囲のサイズでしか使用しない場合には、膨張可能部材は、僅かな膨張をするだけでよいので伸縮性が低い材料で形成されていてもよい。
【0189】
様々なサイズの物品に単一の膨張可能部材を使用することにより、別個の物品の大きさの各々に対して別個の靴型を使用する必要があるシステムよりも製造費を低減できる。一例として、所定の全体の大きさと次の半サイズとの間で変化するように構成された膨張可能部材を使用する実施例においては、グラフィック転写アッセンブリを作動するのに必要な靴型の総数を、ほぼ半分に減少できる。詳細には、従来の靴型システムは、5(男性用靴約23cm、女性用靴約22.5cm)、5・1/2(男性用靴約23.5cm、女性用靴約23cm)、6(男性用靴約24cm、女性用靴約23.5cm)、6・1/2(男性用靴約24.5cm、女性用靴約24cm)、7(男性用靴約25cm、女性用靴約24.5cm)、7・1/2(男性用靴約25.5cm、女性用靴約25cm)、8(男性用靴約26cm、女性用靴約25.5cm)、8・1/2(男性用靴約26.5cm、女性用靴約26cm)、9(男性用靴約27cm、女性用靴約26.5cm)、9・1/2(男性用靴約27.5cm、女性用靴約27cm)、10(男性用靴約28cm、女性用靴約27.5cm)、10・1/2(男性用靴約28.5cm、女性用靴約28cm)のサイズに対して別個の、全部で12個の靴型を必要とするが、半サイズ膨張できる膨張可能部材を使用することにより、各全体の大きさ及び次の半サイズを単一の膨張可能部材で関連させることができるため、使用される靴型の数を6個に減らすことができる。更に、膨張可能部材を比較的広い範囲のサイズに亘って膨張できる実施例では、グラフィック転写アッセンブリを作動する上で必要な靴型の数を更に減らせる。
【0190】
グラフィック転写アッセンブリを作動する上で必要な靴型の数を減らすことによって製造費を減少することに加え、膨張可能部材を使用することにより、グラフィック転写アッセンブリの効率を向上させることによって製造費を更に抑えることができる。詳細には、幾つかの場合では、膨張可能部材のサイズは、特定のサイズの一つの靴型を取り外し、別のサイズの別の靴型を取り付けるのに必要な時間よりも短時間で変化できる。この構成により、様々なサイズの物品にグラフィックを施すのに必要な時間を短縮できる。
【0191】
グラフィック転写アッセンブリで使用される膨張可能部材は、様々な種類の剛性を提供する設備を含んでいてもよい。幾つかの場合では膨張可能部材は、第1剛性を持つ第1部分及び第1剛性と異なる第2剛性を持つ第2部分を含んでいてもよい。
【0192】
図49は、膨張可能部材2950の一実施例を示す。この実施例では、膨張可能部材2950は、第1側部分2952、第2側部分2954、及び第1側部分2952と第2側部分2954との間に配置された中間部分2956を含む。幾つかの場合では、第1側部分2952は第1剛性と関連していてもよい。更に、中間部分2956は、第2剛性と関連していてもよい。第2側部分2954もまた、第1剛性と関連していてもよい。一実施例では、第1剛性及び第2剛性は実質的に同じであってもよい。別の実施例では、第1剛性は第2剛性と大幅に異なっていてもよい。例示の実施例では、第1剛性は第2剛性よりも大幅に高くてもよい。換言すると、一実施例では、中間部分2956の剛性が、第1側部分2952及び第2側部分2954よりも低くてもよい。
【0193】
幾つかの場合では、膨張可能部材2950を部分的に萎ませた状態で物品2980に挿入できる。中間部分2956の剛性が第1側部分2952及び第2側部分2954よりも低いため、第1側部分2952及び第2側部分2954が互いに近付いた状態で配置される。これは、中間部分2956が伸縮自在に圧縮されるためである。この構成により、膨張可能部材2950を物品2980に更に容易に挿入できる。
【0194】
膨張可能部材2950を物品2980に一杯に挿入した後、膨張可能部材2950を一杯に膨張させてもよい。詳細には、中間部分2956が伸縮自在に膨張することにより、第1側部分2952及び第2側部分2954を物品2980の内側壁に沿ってプレスできる。この構成により、第1側部分2952及び第2側部分2954は、グラフィック転写アッセンブリを使用して物品2980の側部に任意のグラフィックを施すための実質的に剛性の支持体を提供する。
【0195】
本発明の様々な実施例を説明したが、以上の説明は、限定でなく例示を目的としたものであり、本発明の範疇で他の多くの実施例が可能であるということは当業者には理解されるべきである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその等価物による以外では制限されるものではない。更に、添付の特許請求の範囲内で様々な変形及び変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0196】
2600 グラフィック転写アッセンブリ
2602 基部
2612 第1枢動アタッチメント
2620 第1の可動部
2622 第2の可動部
2632 第1の変形可能メンブレン
2634 第2の変形可能メンブレン
2650 作動システム
2652 第1アクチュエータアッセンブリ
2654 第2アクチュエータアッセンブリ
2640 支持アッセンブリ
2641 靴型ポスト
2700 膨張可能部材
2710 本体部分
2712 外面
2714 爪先部分
2716 踵部分
2718 中央部分
2720 底部分
2722 上部分
2730 内部チャンバ
2732 流体ポート



【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品にグラフィックを施す方法であって、
膨張可能部材を流体で充填する工程と、
前記物品と前記膨張可能部材とを関連付ける工程と、
前記グラフィックと前記物品の表面とを関連付ける工程と、
変形可能メンブレンが前記表面と整合するように該変形可能メンブレンを前記物品の一部に押し付ける工程と、
前記変形可能メンブレンを加熱する工程と、
これによって前記グラフィックを前記表面に転写する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記膨張可能部材は実質的に可撓性である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変形可能メンブレンを押し付ける工程は、前記変形可能メンブレンと前記物品の部分との間を減圧する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記膨張可能部材を充填する工程は、流体ポンプを使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記膨張可能部材は耐熱性がある、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記物品の前記表面の一部は湾曲している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記物品と前記膨張可能部材とを関連付ける工程に続いて、前記膨張可能部材を流体で充填する工程を行う、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記膨張可能部材は、様々なサイズまで膨張できる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
グラフィック転写アッセンブリを使用する方法において、
膨張可能部材を前記グラフィック転写アッセンブリに取り付ける工程と、
前記膨張可能部材を第1サイズまで膨張させる工程と、
前記第1サイズの第1物品と前記膨張可能部材とを関連付ける工程と、
前記グラフィック転写アッセンブリを使用して第1グラフィックを前記第1物品の一部に転写する工程と、
前記膨張可能部材から前記第1物品を取り外す工程と、
前記膨張可能部材を前記第1サイズとは異なる第2サイズまで膨張させる工程と、
前記第2サイズの第2物品と前記膨張可能部材とを関連付ける工程と、
前記グラフィック転写アッセンブリを使用して第2グラフィックを前記第2物品の一部に転写する工程と、
を含む、方法。
【請求項10】
前記膨張可能部材は、少なくとも三つの別個のサイズまで膨張するように構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記膨張可能部材は、四つ以上のサイズまで膨張するように構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1グラフィックを転写する前記工程は、前記第1グラフィックを加熱する工程を含み、前記第2グラフィックを転写する工程は、前記第2グラフィックを加熱する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
グラフィック転写アッセンブリであって、
該グラフィック転写アッセンブリを支持するように構成された基部と、
第1の変形可能メンブレンを含む第1の可動部及び第2の変形可能メンブレンを含む第2の可動部と、
前記第1の可動部及び前記第2の可動部を開位置と閉位置との間で制御するように構成されたアクチュエータと、
膨張可能部材を前記基部に取り付けるように構成された支持アッセンブリと、
を備え、
前記支持アッセンブリは、前記膨張可能部材の内部チャンバを流体で充填するように構成された第1流体ポートを含み、
前記支持アッセンブリは、更に、前記第1の変形可能メンブレンと前記第2の変形可能メンブレンとの間を減圧するように構成された第2流体ポートを含み、
前記アクチュエータは、前記第1の可動部及び前記第2の可動部を制御するように構成されており、
前記第1の変形可能メンブレン及び前記第2の変形可能メンブレンは、物品の一部と整合するように構成されており、これによってグラフィックを前記物品に転写する、グラフィック転写アッセンブリ。
【請求項14】
前記第2流体ポートは、真空ポンプと流体連通している、請求項13に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項15】
前記第1流体ポートは、流体ポンプと流体連通している、請求項14に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項16】
前記第1流体ポートは、前記支持アッセンブリのポストに配置されている、請求項13に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項17】
前記第2流体ポートは、前記支持アッセンブリのポストに配置されている、請求項13に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項18】
前記第2流体ポートは、一式の流体ポートと関連しており、前記一式の流体ポートは、真空ポンプと流体連通した少なくとも二つの流体ポートを含む、請求項17に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項19】
前記膨張可能部材は、第1剛性を持つ第1部分及び第2剛性を持つ第2部分を含み、前記第1剛性は前記第2剛性とは異なる、請求項13に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項20】
前記第1部分は前記膨張可能部材の側部分であり、前記第2部分は前記膨張可能部材の中間部分である、請求項19に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項21】
前記膨張可能部材は、前記内部チャンバ内に配置された支持部材を含み、前記支持部材は、前記膨張可能部材の上部分と底部分との間に延びる、請求項13に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項22】
前記支持部材は、前記膨張可能部材が前記グラフィック転写アッセンブリに連結されたとき前記第1流体ポートと流体連通する一式の流体ポートを含む、請求項21に記載のグラフィック転写アッセンブリ。
【請求項23】
前記膨張可能部材の前記底部分は第1支持プレートと関連し、前記膨張可能部材の前記上部分は第2支持プレートと関連し、前記支持部材は、前記第1支持プレートと前記第2支持プレートとの間に延びる、請求項21に記載のグラフィック転写アッセンブリ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公表番号】特表2012−531261(P2012−531261A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517621(P2012−517621)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/039306
【国際公開番号】WO2011/005471
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】