説明

物品搬送仕分装置

【課題】仕分搬送コンベヤ機構の工程を充分に確保するとともに、簡素で軽量な搬送台車を備えて効率良く稼働する物品搬送仕分装置を提供すること。
【解決手段】前記搬送台車110が両側上部に配設される一対の搬送ベルト支持ローラ1に無端状に卷回される搬送ベルト131とを備える仕分搬送コンベヤ機構120と、両側下部に配設される一対の駆動ベルト支持プーリ142とに無端状に卷回される駆動ベルト141と駆動ベルト141の搬送ライン側に固設したスライダ143とを備えたコンベヤ駆動機構140と、これら仕分搬送コンベヤ機構120とコンベヤ駆動機構140との間に介設されて駆動速度を増速して仕分搬送コンベヤ機構120に伝達するコンベヤ増速機構140とを備え、搬送ライン160が搬出機構の位置に搬送台車110の走行に伴いスライダ143を駆動するスライダ駆動機構170を備えている物品搬送仕分装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ラインに沿って走行する搬送台車に搬送物品を搭載して搬送し、搬出機構に対して搬送物品を仕分搬出する物品搬送仕分装置に関するものであって、特に、搬送台車の走行方向、すなわち物品の搬送方向と直交する方向に移動自在な仕分搬送コンベヤを備えて、仕分搬送コンベヤに搭載した搬送物品を搬送台車の走行方向と直交する方向に搬出する搬送台車を有する物品搬送仕分装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、搬入機構から搬送ラインに投入された搬送物品を搬送台車の仕分コンベヤに搭載して搬送し、搬出位置において搬送仕分コンベヤを駆動して、搬送方向と直交する、左右いずれかの方向に仕分搬出する物品搬送仕分装置が知られている。
【0003】
このような従来の物品搬送仕分装置に使用される搬送台車として、例えば、図8(a)、(b)に示されるように、搬送台車510の下部に搬送台車の走行方向と直交する方向に移動可能なスライダ543を設け、この搬送台車510の両側部にそれぞれ定ローラ522を配設するとともに、スライダ543に2つの動ローラ546を配設し、搬送台車510の上部に走行方向と直交する方向に搬送可能な仕分搬送ベルト521の中間部を配設し、仕分搬送ベルト521の両側部を、それぞれ搬送台車510の定ローラ522とスライダ543の動ローラ546とに交互に折り返して卷回した後、搬送台車510の両端部547に固定し、スライダ543の下部に係合部544を設けたようなものが知られていて、搬送台車510の係合部544を、搬送ラインに配設した作動手段(図示せず)により搬送台車510の移動に伴って走行方向と直交する方向に移動するようにして、仕分搬送ベルト521上に搭載された搬送物品Wを搬送台車510の走行方向と直交する方向に搬出するものであった。
このような搬送台車510では、仕分搬送ベルト521を、前述したように搬送台車510の定ローラ522、スライダ543の動ローラ546及び搬送台車510の端部547に固定するように卷回することにより、スライダ543が工程Sだけ移動する間に仕分搬送ベルト521をその2倍の工程2Sだけ駆動して、搭載された搬送物品Wを仕分搬送ベルト521上に残留することなく確実に搬出できるようにしている。
【0004】
また、従来の物品搬送仕分装置に使用される搬送台車として、図9(a)、(b)に示されるように、搬送台車610に、前述した搬送台車510と同様のスライダ643、定ローラ622、動ローラ646、係合部644などを備えるとともに、さらに定ローラ622’を配設し、仕分搬送ベルト621をこれら定ローラ622、622’、動ローラ646に折り返して卷回するとともに端部をスライダ643に固定したものが知られていて、前述した搬送台車510と同様に搬送ラインに配設された作動手段により仕分搬送ベルト621を駆動して搬送物品Wを搬送台車610の走行方向と直交する方向に搬出するものであった。
このような搬送台車610の場合には、スライダ643が工程Sだけ移動する間に仕分搬送ベルト621をその3倍の工程3Sだけ駆動することが可能であり、搭載された搬送物品をより一層確実に搬出するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平7−21628号のCD−ROM公報(全文、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の物品搬送仕分装置に使用される前者の搬送台車510では、スライダ543の移動工程Sに対して仕分搬送ベルト521の移動工程を充分大きくとることができないので、左右いずれか一方向への搬出しかできないものであり、搬送ラインにおいて搬出機構を一方の側にしか配置できず使い勝手が悪いという問題があった。
【0007】
また、後者の搬送台車610を使用した場合、仕分搬送ベルト621の工程は3Sと大きくとれるため、搬送物品Wを左右何れの側へも搬出可能である点利便性が大きいものであるが、スライダ643に2つの動ローラ646を、また、搬送台車610に2対の定ローラ622、622’をそれぞれ配設したり、仕分搬送ベルト621を複雑に卷回する必要があったりと、その構造が複雑であるため搬送台車610全体の重量が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】
さらに、何れの搬送台車510、610の場合にも、仕分搬送ベルト521、621が複雑に卷回されているためベルトを駆動する際に大きな駆動力が必要となるので、スライダの強度及び搬送台車510、610の強度を大きくする必要があって、さらに重量が増加してしまうとともに、スライダ543、643の係合部を駆動する作動手段も、高出力のものを使用する必要があり、物品搬送仕分装置の稼働のために大きなエネルギーロスを伴い、稼働効率が悪いという問題があった。
しかも、前述したように多数のローラに仕分搬送ベルトを卷回するため、搬送台車自体の高さが高くなって搬送物品Wの重心が高くなり、搬送中の搬送物品Wが不安定となるという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、仕分搬送コンベヤ機構の工程を充分に確保するとともに、簡素で軽量な搬送台車を備えて効率高く稼働する物品搬送仕分装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本請求項1に係る発明は、搬送物品の搬入機構及び/又は搬出機構に沿って延設される搬送ラインと該搬送ライン上を走行して搭載した搬送物品を搬送台車の走行方向と直交する方向に搬出する搬送台車とを有して前記搬送物品を搬送ラインに沿って搬送及び仕分搬出する物品搬送仕分装置において、前記搬送台車が、該搬送台車の両側上部に配設される一対の搬送ベルト支持ローラと該搬送ベルト支持ローラに無端状に卷回されて前記搬送物品を上面に搭載する搬送ベルトとを備えた仕分搬送コンベヤ機構と、前記搬送台車の両側下部に配設される一対の駆動ベルト支持プーリと該駆動ベルト支持プーリに無端状に卷回されるコンベヤ駆動ベルトと該コンベヤ駆動ベルトの搬送ライン側に固設したスライダとを備えたコンベヤ駆動機構と、前記仕分搬送コンベヤ機構とコンベヤ駆動機構との間に介設されてコンベヤ駆動機構の駆動速度を増速して仕分搬送コンベヤに伝達するコンベヤ増速機構とを備え、前記搬送ラインが、前記搬出機構及び/又は搬入機構の配設された位置に前記搬送台車の走行に伴い前記スライダを駆動するスライダ駆動機構を備えていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0011】
本請求項2に係る発明の物品搬送仕分装置は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記コンベヤ増速機構が、前記搬送ベルト支持ローラの一方又は双方に同軸に固設した小径被動プーリと、前記駆動ベルト支持プーリの一方又は双方に同軸に固設した大径駆動プーリと、該大径駆動プーリと小径被動プーリとの間に卷回した中継ベルトとで構成されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0012】
本請求項3に係る発明の物品搬送仕分装置は、請求項1又は請求項2に係る発明の構成に加えて、前記スライダが搬送ライン側に突出する駆動ロッドを備え、前記スライダ駆動機構が、前記駆動ロッドと係合する係合位置と駆動ロッドと係合しない待機位置とに移動自在である切替レールと、該切替レールに連設されて前記駆動ロッドと係合して前記駆動ロッドを搬送台車の走行方向と直交する方向に駆動する仕分レールと、前記切替レールを係合位置と待機位置との間で移動させる切替部とを備えることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0013】
本請求項4に係る発明の物品搬送仕分装置は、請求項1又は請求項2に係る発明の構成に加えて、前記スライダがリニアモータの走行子をなす二次導体を備え、前記スライダ駆動機構がリニアモータをなす固定磁極を備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0014】
本請求項5に係る発明の物品搬送仕分装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明の構成に加えて、前記搬送ラインが無端状に連続して形成され、該搬送ライン上に前記搬送台車が多数連結して載置されるとともに前記搬送ラインに配設された搬送台車駆動機構で一部の搬送台車を駆動することにより多数連結された搬送台車を搬送ラインに沿って走行させることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0015】
本請求項6に係る発明の物品搬送仕分装置は、請求項5に係る発明の構成に加えて、前記搬送台車駆動機構が、前記搬送台車の底部に配設したリニアモータの走行子をなす搬送台車二次導体と前記搬送ラインに配設したリニアモータをなす固定磁極とで構成されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0016】
本請求項7に係る発明の物品搬送仕分装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに係る発明の構成に加えて、前記仕分搬送コンベヤ機構が搬送台車の走行方向と直交する何れの方向にも搬出自在であることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る本発明によれば、搬送物品の搬入機構及び/又は搬出機構に沿って延設される搬送ラインとこの搬送ライン上を走行して搭載した搬送物品を搬送台車の走行方向と直交する方向に搬出する搬送台車とを有して搬送物品を搬送ラインに沿って搬送及び仕分搬出する物品搬送仕分装置において、搬送台車が、その両側上部に配設される一対の搬送ベルト支持ローラと搬送ベルト支持ローラに無端状に卷回されて前記搬送物品を上面に搭載する搬送ベルトとを備えた仕分搬送コンベヤ機構と、搬送台車の両側下部に配設される一対の駆動ベルト支持プーリと駆動ベルト支持プーリに無端状に卷回される駆動ベルトとこの駆動ベルトの搬送ライン側に固設したスライダとを備えたコンベヤ駆動機構と、仕分搬送コンベヤ機構とコンベヤ駆動機構との間に介設されてコンベヤ駆動機構の駆動速度を増速して仕分搬送コンベヤ機構に伝達するコンベヤ増速機構とを備え、搬送ラインが、搬出機構及び/又は搬入機構の配設される位置に搬送台車の走行に伴いスライダを駆動するスライダ駆動機構を備えていることにより、従前のように搬送台車に配設された搬送ベルトを複雑に張り巡らすことがなく、仕分搬送コンベヤ機構やコンベヤ駆動機構の構造を簡素かつ軽量のものとするため、材料や部品点数を節減することができるとともに、製作工程をも簡素化することができる。
【0018】
また、搬送ベルトや駆動ベルトを簡素化したことにより、従来の複雑にベルトを卷回した機構と比べてこれらの機構を駆動する駆動力を大きく軽減することができて、これらの機構及びこれらの機構を支持する部分などを特に強度を要とすることのない構造とするため、搬送台車及び搬送ラインに設けたスライダ起動機構などを、一層軽量で簡素なものとして、より一層材料の節減、稼働コストの低減を図ることができる。
さらに、これら各機構を簡素化したユニットとして構成したことにより、搬送台車の組立作業が簡便化したため、物品搬送仕分装置を製作する際の作業性や、部品交換等のメンテナンス時の作業性を大きく向上させることができる。
加えて、仕分搬送コンベヤ機構とコンベヤ駆動機構とに間に介在させるコンベヤ増速機構において、任意の比率で増速比を設定するため、搬送物品の形態、搬出機構の設置態様などに応じて適宜に仕分搬送コンベヤ機構の工程を設定できて、物品搬送仕分装置の適用分野を大幅に拡張することができる。
【0019】
請求項2に係る発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項1に記載された物品搬送仕分装置が奏する効果に加えて、コンベヤ増速機構が搬送ベルト支持ローラの一方又は双方に同軸に固設した小径被動プーリと駆動ベルト支持プーリの一方又は双方に同軸に固設した大径駆動プーリと大径駆動プーリと小径被動プーリとの間に卷回した中継ベルトとで構成されていることにより、コンベヤ増速機構を簡便な構造のものとしたため、搬送台車全体の構造を簡素なものとできるとともに、コンベヤ増速機構を高さの必要しない構造として搬送台車における搬送物品搭載部である搬送ベルトの高さを低く抑えたため、搬送物品を低い位置で安定して搬送することができる。
【0020】
請求項3に係る発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項1又は請求項2に記載された物品搬送仕分装置の奏する効果に加えて、スライダが搬送ライン側に突出する駆動ロッドを備え、スライダ駆動機構が駆動ロッドと係合する係合位置と駆動ロッドと係合しない待機位置とに移動自在である切替レールと切替レールに連設されて駆動ロッドと係合して当該駆動ロッドを搬送台車の走行方向と直交する方向に駆動する仕分レールと切替レールを係合位置と待機位置との間で移動させる切替部とを備えることにより、搬送台車にモータのような重量のある駆動機構を設置する必要がなくなるため、搬送台車を軽量な構造とすることができるとともに、切替部により切替レールの位置を係合位置、待機位置に切り替えることにより、搬送物品を所望の搬出機構に搬出することができるため、物品搬送仕分装置を、搬出位置を任意に変更することが可能な使い勝手の良いものとすることができる。
【0021】
請求項4に係る発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項1又は請求項2に記載された物品搬送仕分装置の奏する効果に加えて、スライダがリニアモータの走行子をなす二次導体を備えてスライダ駆動機構がリニアモータをなす固定磁極を備えていることにより、スライダ駆動機構をスライダと非接触のリニアモータ機構としたため、搬送ライン側に切替レール、仕分レールなどの構造物を設ける必要がなくなり、スライダ駆動機構など、物品搬送仕分装置の構造を簡便なものとすることができる。
また、搬送台車のスライダと搬送ラインのスライダ駆動機構とが非接触となって搬送台車がスライダ機構から物理的に拘束されることがなくなるため、搬送台車の走行を妨げるものが少なくなり、搬送台車を円滑に走行させることができる。
【0022】
請求項5に係る発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の物品搬送仕分装置の奏する効果に加えて、搬送ラインが無端状に連続して形成され、搬送ライン上に搬送台車が多数連結して載置されるとともに搬送ラインに配設された搬送台車駆動機構で一部の搬送台車を駆動することにより多数連結された搬送台車が一緒に搬送ラインに沿って走行することになり、多数連結された搬送台車のそれぞれにモータ等の駆動機構を設ける必要がなくなるため、物品搬送仕分装置全体の構造を簡素なものできるとともに、装置を稼働する際の駆動エネルギーのロスを低減して稼働効率を一層改善することができる。
【0023】
請求項6に係る発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項5に記載の物品搬送仕分装置の奏する効果に加えて、搬送台車駆動機構が搬送台車の底部に配設したリニアモータの走行子をなす搬送台車二次導体と搬送ラインに配設したリニアモータをなす固定磁極とで構成されていることにより、搬送台車の駆動にリニアモータ機構を導入して、従来のようにスプロケットにチェーンを張設して張設したチェーンにそれぞれの搬送台車を係合させる、というような煩雑な作業を要する駆動機構を不要とするため、物品搬送仕分装置の設置作業、メンテナンス作業を著しく簡便なものとできる。
【0024】
請求項7に係る本発明の物品搬送仕分装置によれば、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の物品搬送仕分装置の奏する効果に加えて、仕分搬送コンベヤ機構が、搬送台車の走行方向と直交するいずれの方向にも搬出自在であることにより、搬送物品を搬送ラインの両側のいずれの側へも任意に搬出させるため、搬出機構及び/又は搬入機構を設置する位置に関する自由度が広がって物品搬送仕分装置の使用利便性を一層改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例である物品搬送仕分装置について、搬送台車の前側板の左半部をカットした正面図。
【図2】図1に示す物品搬送仕分装置に使用される搬送台車の側面図。
【図3】図2に示す搬送台車の要部を断面として斜め上方からみた斜視図。
【図4】図2に示す搬送台車を斜め側方やや下方からみた斜視図。
【図5】図1に示す物品搬送仕分装置において駆動ロッドが左方に移動した作動態様図。
【図6】図1に示す物品搬送仕分装置を斜め上方からみた斜視図。
【図7】図1に示す物品搬送仕分装置に使用される搬送ラインの斜め上方からみた斜視図。
【図8】(a)第1従来技術の搬送台車の待機位置における側面概略図、(b)同作動位置における側面概略図。
【図9】(a)第2従来技術の搬送台車の待機位置における側面概略図、(b)同作動位置における側面概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、搬送物品の搬入機構及び/又は搬出機構に沿って延設される搬送ラインと搬送ライン上を走行して搭載した搬送物品を搬送台車の走行方向と直交する方向に搬出する搬送台車とを有して搬送物品を搬送ラインに沿って搬送及び仕分搬出する物品搬送仕分装置において、搬送台車が、搬送台車の両側上部に配設される一対の搬送ベルト支持ローラと搬送ベルト支持ローラに無端状に卷回されて搬送物品を上面に搭載する搬送ベルトとを備えた仕分搬送コンベヤ機構と、搬送台車の両側下部に配設される一対の駆動ベルト支持プーリと駆動ベルト支持プーリに無端状に卷回されるコンベヤ駆動ベルトとコンベヤ駆動ベルトの搬送ライン側に固設したスライダとを備えたコンベヤ駆動機構と、仕分搬送コンベヤ機構とコンベヤ駆動機構との間に介設されてコンベヤ駆動機構の駆動速度を増速して仕分搬送コンベヤ機構に伝達するコンベヤ増速機構とを備え、搬送ラインが、搬出機構及び/又は搬入機構の配設される位置に搬送台車の走行に伴いスライダを駆動するスライダ駆動機構を備えていて、仕分搬送コンベヤ機構の工程を充分に確保するとともに簡素で軽量な搬送台車を備えて効率高く稼働するものであれば、その具体的な態様はいかなるものであっても何ら構わない。
【0027】
すなわち、本発明の搬送台車に使用されるコンベヤ増速機構は、大径駆動プーリと小径被動プーリと中継ベルトとより構成されるベルト伝動機構に限定されることはなく、ワイヤ伝動機構や、スプロケットにチェーンを卷回したチェーン伝動機構、あるいは大径歯車と小径歯車とで構成されるような歯車伝動機構であってもよい。
また、ベルト伝動を採用した場合の中継ベルトは、歯付ベルト、平ベルトいずれでも構わないが、被動側が小径でありある程度強い回転駆動力が要求されることを考慮すると、歯付ベルトであることが好ましい。
【0028】
また、搬送台車を走行させる搬送台車駆動機構としては、リニアモータ機構に限定されるものではなく、従前使用されていたような、搬送ラインに張設したチェーンにそれぞれの搬送台車を取り付けて駆動するような機構を採用しても構わない。
また、搬送台車を無端状に連結させて走行するようにしてもよいし、搬送台車を個々に走行させるようにしてもよい。
【0029】
駆動ベルト支持プーリと搬送ベルト支持ローラとの間に介設されるコンベヤ増速機構は、両側のいずれか一方にのみ配設してもよいが、両側にそれぞれ配置してもよく、この場合仕分搬送コンベヤ機構を駆動する駆動力をより強力に伝達することができる。
【0030】
搬送物品を搭載、搬出する搬送ベルトは、従前物品の搬送に使用される素材であれば、ウレタンベルト、ゴム引き布ベルト他、どのような材料でも使用することができ、形状も平ベルトでも歯付ベルトでもいずれでも構わない。ただ、搬送台車の天板の上を滑らせて移動するようにする場合には、搬送ベルト裏面を摩擦係数の小さい材料で形成することが適切である。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の一実施例である物品搬送仕分装置100について、図1乃至図7を参照して以下に説明する。
図1は、本発明の実施例である物品搬送仕分装置100について、搬送台車110の前側板111の左半部をカットした正面図であり、図2は、図1に示す物品搬送仕分装置100に使用される搬送台車110の側面図であり、図3は、図2に示す搬送台車110の要部を断面として斜め上方からみた斜視図であり、図4は、図2に示す搬送台車110を斜め側方やや下方からみた斜視図であり、図5は、図1に示す物品搬送仕分装置100の駆動ロッド144が左方に移動した作動態様を示す図であり、図6は、図1に示す物品搬送仕分装置100を斜め上方からみた斜視図であり、図7は、図1に示す物品搬送仕分装置100に使用される搬送ライン160を斜め上からみた斜視図である。
【0032】
まず、本発明の実施例である物品搬送仕分装置100は、図1に示すように、物品を搭載する搬送台車110と、この搬送台車110が走行する水平な搬送ライン160とからなっている。
搬送台車110は、図1乃至図4に示されるように、前方側板111、後方側板112、天板113及び底板114から構成されるほぼ直方体形状をしていて、その両側上部に前方側板111及び後方側板112との間に搬送ベルト支持ローラ122が配設されていて、両側に配設された搬送ベルト支持ローラ122の間に搬送ベルト121が回動自在に卷回されて、仕分搬送コンベヤ機構120を構成している。
この搬送ベルト121は、従前の搬送コンベヤに使用されているようなウレタン等の樹脂性ベルト、ゴム引き布ベルトなどが使用可能であり、また平ベルト、歯付ベルトいずれも使用できる。
【0033】
搬送台車110の下部には、本実施例では前方側の両側下方に、駆動ベルト支持プーリ142が配設されていて、この駆動ベルト支持プーリにコンベヤ駆動ベルト141が卷回されている。
コンベヤ駆動ベルト141の下方にはスライダ143の一端が固設されていて、当該スライダ143の他端には駆動ロッド144が固定され、この駆動ロッド144は搬送台車110の底板に形成されたスリット117から搬送ライン160側に延出している。
なお、駆動ロッド144の上方側には、前方側板111と後方側板112との間にさし渡して設けられた矩形枠体151に固定して、搬送台車110のコンベヤ駆動ベルト141の張設方向と平行に、横長四角柱状のスライドガイド156が配設されていて、当該スライドガイド156にスライダの上部が嵌入、支持されていることで、スライダ143が当該スライドガイド156に沿って滑らかに安定して移動するようになっている。
したがって、駆動ロッド144が左右に移動すると、これにあわせてスライダ143及び駆動ベルト141が作動し、両側にある駆動ベルト支持プーリ142が回転される。
なお、これら駆動ベルト支持プーリ142は、一端を前側板111に、他端を矩形枠体151に固定した軸支持プレート152に、それぞれ回動自在に装着されている。
これら、コンベヤ駆動ベルト141、駆動ベルト支持プーリ142、スライダ143、駆動ロッド144により、コンベヤ駆動機構140が構成されている。
【0034】
また、本実施例では、図1において左方の搬送ベルト支持ローラ122と駆動ベルト支持プーリ142との間に、コンベヤ増速機構130が設置されている。
コンベヤ増速機構130は、搬送ベルト支持ローラ122の端部に固定された小径被動プーリ131と、駆動ベルト支持プーリ142の端部に固定された大径駆動プーリ133と、これら小径被動プーリ131と大径駆動プーリ133とに卷回された中継ベルト132とから構成されていて、大径駆動プーリ133と小径被動プーリ131との径比に応じて回転速度が増速される。
【0035】
上述したように、搬送台車110の仕分搬送コンベヤ機構120、コンベヤ駆動機構140、コンベヤ増速機構130を構成したことにより、駆動ロッド144を両側方向の一方に駆動すると、当該駆動力によりコンベヤ駆動ベルト141が右回りあるいは左回りに回動されて駆動ベルト支持プーリ142及び大径駆動プーリ133を回転駆動する。
回転駆動される大径駆動プーリ133は中継ベルト132を介して小径被動プーリ131を回転させて、小径被動プーリ131は、同軸に固定された搬送ベルト支持ローラ122を回転させて搬送ベルト121を駆動し、搬送ベルト121に搭載されている搬送物品Wを側方へ搬出する。
【0036】
このとき、大径駆動プーリ133と小径被動プーリ131との直径の比(増速比、aとする。)に応じて増速されるので、駆動ロッド144は、高々コンベヤ駆動ベルト141の中央から端部の駆動ベルト支持プーリ142までの工程S程度しか移動できなくとも、搬送ベルトは工程Sに増速比aを乗じただけの工程aSだけ移動するので、駆動ベルト141よりはるかに大きな工程だけ搬送物品を送り出すことができる。
しかも、搬送物品Wを搬出する工程は当該コンベヤ増速機構130における増速比、より直接的には小径被動プーリ131と大径駆動プーリ133との直径比、により、適宜に定めることができるので、搬送物品Wの特性に応じて搬出工程を自由に設定することができる。
また、このように搬出工程を大きくするために、従前のように複雑にベルトを卷回する必要がなくなって搬送台車110の構造が簡略化されるため、部品コストや、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
【0037】
なお、本実施例では、搬送コンベヤ121の上面側のすぐ裏側に搬送台車110の天板113を位置させて、搬送コンベヤ121上に搭載される搬送物品Wの荷重を天板113により支持するようにしているので、搬送ベルト支持ローラ122によって搭載物品の重量を支持する必要がなくなり、搬送ベルト支持ローラ122の支持軸等、駆動部品の軽量化を図っている。
その他、搬送台車110の底部には、搬送ライン160を走行する走行輪154と、搬送台車110の側方への振れを制限する側方案内輪155とが設けられていて、搬送台車110を搬送ライン160側の走行レール161及びガイドレール162の上を円滑に走行することを担保している。
さらに、搬送台車110の前後には、搬送台車110を相互に連結する機構として、前側に連結ロッド115、後側に連結孔116がそれぞれ設けられていて、先行する搬送台車110の連結孔116に後続する搬送台車110の連結ロッド115を嵌入して連結される。
これにより、全ての搬送台車110が駆動されずとも、連結された搬送台車110の一部が駆動されれば連結された全ての搬送台車110を走行させることができる。
【0038】
また、搬送台車110の底板の裏側には、リニアモータにおける走行体を構成する二次導体153が配設されていて、後述する搬送ライン160側に設けた固定磁極180と相俟ってリニアモータを構成している。
【0039】
上述したような搬送台車110を走行させ、また駆動ロッド144を駆動するスライダ駆動機構170を備える水平な搬送ライン160について以下に説明する。
搬送ライン160には、両側に走行レール161と、走行レール161の外側に垂直のガイドレール162とが形成されていて、それぞれの上を、搬送台車110に設けられた走行輪154及び側方案内輪155とが走行する。
また、走行レール161の間で、走行する搬送台車110の下方に位置させて、搬送ライン160の側方に配置された搬出機構に沿った箇所に、それぞれ、切替レール171と、当該切替レール171に連続してその下流側に仕分レール173が設けられている。
切替レール171には、これを上下動させる切替部である切替アクチュエータ172が設けられていて、切替レール171を、搬送台車110に設けられた駆動ロッド144と係合する係合位置と、駆動ロッド144と係合せずに搬送台車110を通過させる待機位置とにその位置が切り替え自在とされている。
【0040】
切替レール171の傾斜の延長上に仕分レール173が設けられ、仕分レール173は、走行レール161付近まで斜めに延設された側面を備えている。
これら切替位置にある切替レール171と仕分レール173とにより、搬送ライン160を走行している搬送台車110に設けられた駆動ロッド144が、搬送台車の中央位置からいずれかの側方に向けて、以下のように駆動される。
【0041】
当初、駆動ロッド144は、搬送台車110のほぼ中央に位置している(第1図参照)。
図7に示すような搬送ライン160において、走行方向で前方側、図7において左側、の切替レール171が係合位置に位置するならば、当該搬送ライン160を走行してきた搬送台車110の下方に設けられた駆動ロッド144が切替レール171の側面に当接し、駆動ロッド144は、傾斜して設置された切替レール171の側面に沿って側方へ駆動される。
搬送台車110が走行して前進するにつれて、切替レール171の側面により駆動ロッド144はさらに側方に移動し、仕分レール173の位置に到達する。
搬送台車110がさらに前進すれば、駆動ロッド144は仕分レール173の側面に沿って搬送ライン160の側方端部まで移動することになる。
【0042】
これにより、切替レール171に当接するまでは搬送台車110の中央付近に存在していた駆動ロッド144が、切替レール171、仕分レール173に案内されて搬送台車110の一方の側部にまで移動することになる(図7参照)。
以上のように、切替レール171、仕分レール173により駆動ロッド144が中央部から側方まで駆動されると、搬送台車110では、前述したようにコンベヤ駆動ベルト141が回動され、コンベヤ増速機構130を介して仕分搬送コンベヤ機構120が回動されるので、搬送ベルト121に搭載されていた搬送物品Wが側方(左方)に搬出されることになる。
また、図7において、右方の切替レール171を係合位置に切り替えると、上述したと同様のプロセスを経て、搬送物品Wが逆の側方(右方)に搬出される。
【0043】
なお、図には切替レール171、仕分レール173のみを示しているが、搬出機構の後段の適宜の箇所に、側方に移動した駆動ロッドを中央側のもとの位置に戻すための復帰レールを装着し、搬送台車110を図1に示す状態に戻すようにするようにしている。
ただし、搬出機構の後に搬入機構を設置している場合などは、搬入動作に伴って搬送ベルト121を先の搬出時と逆方向に動作させる際に、駆動ロッド144を原位置に戻すようにしてもよい。
この、搬送ライン160のどの位置で何れの方向に搬出動作を実行し、どの位置で駆動ロッド144の原位置復帰動作を実行させるようにするかは、搬送ライン160における搬出機構、搬入機構のレイアウトとともに、設計上適宜に設定すればよい。
【0044】
なお、本実施例では切替レール171及び仕分レール173を、左右両方向に向けて2組設置し、いずれか一方の切替レール171を係合位置に移動するようにしているが、特にこのような形態に拘束されるものではなく、搬出機構を搬送ライン160の一方の側にのみ複数設けて、切替レール171(及び仕分レール173)を当該搬出機構に対応してそれぞれ一組だけ設置するようにしてもよい。そして、搭載した搬送物品Wの搬出位置に該当する切替レール171を係合位置に切り替えるようにすれば、搬送物品Wを適切に搬送、仕分することができる。
【0045】
以上説明した実施例では、駆動ロッド144を備えたスライダ143を、搬送ライン160に設置した切替レール171、仕分レール173により駆動しているが、当該スライダ143の駆動についても、リニアモータ機構を採用することも可能である。
例えば、スライダ143に両側方向に走行可能な二次導体を設け、搬送ライン160側には、切替レール171及び仕分レール173に類似の態様で固定磁極を配設して、当該固定磁極を搬送台車110の走行と同期して励起するようにする、というような手段を講ずれば、搬送台車110に設けたスライダ143を無接触で駆動することができる。
【0046】
以上のようにして得られた本実施例の物品搬送仕分装置100は、搬送台車110が、その両側上部に配設された一対の搬送ベルト支持ローラ122と搬送ベルト支持ローラ122に無端状に卷回されて搬送物品Wを上面に搭載する搬送ベルト121とを備えた仕分搬送コンベヤ機構120と、搬送台車110の両側下部に配設された一対の駆動ベルト支持プーリ142と駆動ベルト支持プーリ142に無端状に卷回される駆動ベルト141と駆動ベルト141の搬送ライン160側に固設したスライダ143とを備えたコンベヤ駆動機構140と、搬送ベルト支持ローラ122の一方又は双方に同軸に固設した小径被動プーリ131と駆動ベルト支持プーリ142の一方又は双方に同軸に固設した大径駆動プーリ133と大径駆動プーリ133と小径被動プーリ131との間に卷回した中継ベルト132とで構成されて仕分搬送コンベヤ機構120とコンベヤ駆動機構140との間に介設されてコンベヤ駆動機構140の駆動速度を増速して搬送コンベヤ機構121に伝達するコンベヤ増速機構130とを備え、搬送ライン160が搬出機構及び/又は搬入機構の配設された位置に搬送台車110の走行に伴いスライダ機構134を駆動するスライダ駆動機構170を備えているとともに、スライダ143が搬送ライン160側に突出する駆動ロッド144を備え、スライダ駆動機構140が駆動ロッド144と係合する係合位置と駆動ロッド144と係合しない待機位置とに移動自在である切替レール171と切替レール171に連設されて駆動ロッド144と係合して駆動ロッド144を搬送台車の走行方向と直交する方向に駆動する仕分レール173と、切替レール171を係合位置と待機位置との間で移動させる切替アクチュエータ172とを備えていることにより、仕分搬送コンベヤ機構120の工程を充分に確保するとともに、複雑に卷回した搬送ベルト121を備えることなく簡素で軽量な搬送台車110を備えて高効率で稼働することができるとともに、仕分搬送コンベヤ機構120の搬出工程を自由に設定可能であって、搬送ライン160の設計上の自由度が高く利便性の高い物品搬送仕分装置100を提供することができる。
【0047】
特に、仕分搬送コンベヤ機構120、コンベヤ駆動機構140、などを簡略な構成としたことにより、コンベヤ駆動機構140を駆動する駆動力を低減した結果、スライダ起動機構170を大出力とすることもなく簡便な構造としたので、搬送台車110を軽量化したこととあわせて、物品搬送仕分装置100を全体として軽量化し、これら諸機構の材量を節減して製造コストをも軽減できるとともに、搬送台車110の駆動に要するエネルギーを軽減して効率高く稼働させることができる。 また、搬送台車110を、仕分搬送コンベヤ機構120、コンベヤ増速機構130、コンベヤ駆動機構140などの簡単な機構を備えたユニットの結合として、各ユニットの製作を簡便化したこと、及び、これらのユニットをアセンブリして搬送台車110を組み立てるようにしたことで搬送台車110の製作工程が整理・簡便化されたこと、により製作効率も向上するなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0048】
物品搬送仕分装置 ・・・ 100
搬送台車 ・・・ 110
前方側板 ・・・ 111
後方側板 ・・・ 112
天板 ・・・ 113
底板 ・・・ 114
連結ロッド ・・・ 115
連結孔 ・・・ 116
スリット ・・・ 117
仕分搬送コンベヤ機構 ・・・ 120
搬送ベルト ・・・ 121
搬送ベルト支持ローラ ・・・ 122
コンベヤ増速機構 ・・・ 130
小径被動プーリ ・・・ 131
中継ベルト ・・・ 132
大径駆動プーリ ・・・ 133
コンベヤ駆動機構 ・・・ 140
コンベヤ駆動ベルト ・・・ 141
駆動ベルト支持プーリ ・・・ 142
スライダ ・・・ 143
駆動ロッド ・・・ 144
矩形枠体 ・・・ 151
軸支持プレート ・・・ 152
二次導体 ・・・ 153
走行輪 ・・・ 154
側方案内輪 ・・・ 155
スライドガイド ・・・ 156
搬送ライン ・・・ 160
走行レール ・・・ 161
ガイドレール ・・・ 162
固定磁極 ・・・ 180
スライダ駆動機構 ・・・ 170
切替レール ・・・ 171
切替アクチュエータ ・・・ 172
仕分レール ・・・ 173
搬送台車 ・・・ 510、610
仕分搬送ベルト ・・・ 521、621
定ローラ ・・・ 522、622、622’
スライダ ・・・ 543、643
係合部 ・・・ 544、644
動ローラ ・・・ 546、646
搬送物品 ・・・ W


【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物品の搬入機構及び/又は搬出機構に沿って延設される搬送ラインと該搬送ライン上を走行して搭載した搬送物品を搬送台車の走行方向と直交する方向に搬出する搬送台車とを有して前記搬送物品を搬送ラインに沿って搬送及び仕分搬出する物品搬送仕分装置において、
前記搬送台車が、
該搬送台車の両側上部に配設される一対の搬送ベルト支持ローラと該搬送ベルト支持ローラに無端状に卷回されて前記搬送物品を上面に搭載する搬送ベルトとを備えた仕分搬送コンベヤ機構と、
前記搬送台車の両側下部に配設される一対の駆動ベルト支持プーリと該駆動ベルト支持プーリに無端状に卷回されるコンベヤ駆動ベルトと該コンベヤ駆動ベルトの搬送ライン側に固設したスライダとを備えたコンベヤ駆動機構と、
前記仕分搬送コンベヤ機構とコンベヤ駆動機構との間に介設されてコンベヤ駆動機構の駆動速度を増速して仕分搬送コンベヤ機構に伝達するコンベヤ増速機構とを備え、
前記搬送ラインが、
前記搬出機構及び/又は搬入機構の配設される位置に、前記搬送台車の走行に伴い前記スライダを駆動するスライダ駆動機構を備えていることを特徴とする物品搬送仕分装置。
【請求項2】
前記コンベヤ増速機構が、前記搬送ベルト支持ローラの一方又は双方に同軸に固設した小径被動プーリと、前記駆動ベルト支持プーリの一方又は双方に同軸に固設した大径駆動プーリと、該大径駆動プーリと小径被動プーリとの間に卷回した中継ベルトとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送仕分装置。
【請求項3】
前記スライダが搬送ライン側に突出する駆動ロッドを備え、
前記スライダ駆動機構が、前記駆動ロッドと係合する係合位置と駆動ロッドと係合しない待機位置とに移動自在である切替レールと、該切替レールに連設されて前記駆動ロッドと係合して該駆動ロッドを搬送台車の走行方向と直交する方向に駆動する仕分レールと、
前記切替レールを係合位置と待機位置との間で移動させる切替部とを備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の物品搬送仕分装置。
【請求項4】
前記スライダがリニアモータの走行子をなす二次導体を備え、
前記スライダ駆動機構がリニアモータをなす固定磁極を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物品搬送仕分装置。
【請求項5】
前記搬送ラインが無端状に連続して形成されて、該搬送ライン上に前記搬送台車が多数連結して載置されるとともに、前記搬送ラインに配設される搬送台車駆動機構で一部の搬送台車を駆動することにより多数連結される搬送台車が搬送ラインに沿って走行することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の物品搬送仕分装置。
【請求項6】
前記搬送台車駆動機構が、前記搬送台車の底部に配設したリニアモータの走行子をなす搬送台車二次導体と、前記搬送ラインに配設したリニアモータをなす固定磁極とで構成されていることを特徴とする請求項5記載の物品搬送仕分装置。
【請求項7】
前記仕分搬送コンベヤ機構が、搬送台車の走行方向と直交する何れの方向にも搬出自在であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の物品搬送仕分装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−153490(P2012−153490A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14340(P2011−14340)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】