説明

物干し具

【課題】上横杆、下横杆、左縦杆及び右縦杆からなる略四角枠状の複数個の干枠体を、隣り合う干枠体の左縦杆間及び右縦杆間にそれぞれ配置され、二個の支持リンクを支軸により枢着してなるX状リンク及び干枠体の左縦杆及び右縦杆に摺動自在に設けられ、X状リンクの二個の支持リンクの各端部が連結ピンにより枢着連結された上下一対の摺動筒により折り畳み状態から展開状態に配置することができる。
【解決手段】干枠体1を複数個並列状に配置し、隣り合う干枠体の左縦杆間及び右縦杆間にそれぞれ二個の支持リンク2aを支軸2bにより枢着してなるX状リンク2を配置し、干枠体の左縦杆及び右縦杆に摺動筒3を摺動自在に設け、左縦杆及び右縦杆を伸縮調節自在に設け、上横杆に先端部を隣り合う上横杆上に載置可能な橋絡杆5の基部を回動自在に設け、橋絡杆に複数個の吊り具6を設けてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば一般家庭の庭先に設置して布団や洗濯物を干す際に用いられる物干し具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の物干し具として、上部横杆部、下部横杆部及び各外端部間に位置する縦杆部からなる略コ状の干し枠体と、干し枠体の上部横杆部及び下部横杆部の内端部間に配置され、該干し枠体を開閉自在に枢支する中央支柱体とからなる構造のものが知られている。
【特許文献1】特開昭55−24088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来構造の場合、布団を干す際、布団を二つ折りにして二つ折りになった布団の対向面間の通気性が悪くなって乾燥効率が低下することがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、上横杆、下横杆、左縦杆及び右縦杆からなる略四角枠状の干枠体を複数個並列状に配置し、該隣り合う干枠体の左縦杆間及び右縦杆間にそれぞれ二個の支持リンクを支軸により枢着してなるX状リンクを配置し、該干枠体の左縦杆及び右縦杆に上下一対の摺動筒を摺動自在に設け、該X状リンクの二個の支持リンクの各端部を上下一対の摺動筒にそれぞれ連結ピンにより枢着連結し、該左縦杆及び右縦杆を伸縮調節自在に設け、該上横杆に先端部を隣り合う上横杆上に載置可能な橋絡杆の基部を回動自在に設け、該橋絡杆に複数個の吊り具を設けてなることを特徴とする物干し具にある。
【0005】
又、請求項2記載の発明は、上記上横杆及び下横杆を伸縮調節自在に設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明にあっては、上記上横杆に上記橋絡杆の先端部を嵌脱可能な嵌脱部を設けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、上横杆、下横杆、左縦杆及び右縦杆からなる略四角枠状の複数個の干枠体を、隣り合う干枠体の左縦杆間及び右縦杆間にそれぞれ配置され、二個の支持リンクを支軸により枢着してなるX状リンク及び干枠体の左縦杆及び右縦杆に摺動自在に設けられ、X状リンクの二個の支持リンクの各端部が連結ピンにより枢着連結された上下一対の摺動筒により展開状態に配置すると共に左縦杆及び右縦杆を伸縮調節し、上横杆に回動自在に設けられた橋絡杆の先端部を隣り合う上横杆上に載置し、この展開状態において、一般家庭の庭先等に設置し、上横杆及び橋絡杆上に布団を広げた状態で載せて干すことができ、かつ、上記橋絡杆に設けられた複数個の吊り具によって洗濯物を干すこともでき、不使用時には、複数個の干枠体を上記X状リンク及び摺動筒の摺動により折畳状態で格納することができ、コンパクトに収納することができ、かつ、各干枠体の各左縦杆及び右縦杆を順次高くなるように伸縮調節することにより布団の表面が太陽に向くように斜めに載せた状態で干すことができ、乾燥効率を高めることができ、使用の利便性を高めることができる。
【0007】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記上横杆及び下横杆を伸縮調節自在に設けてなるから、布団のサイズに応じて上横杆及び下横杆を伸縮調節することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記上横杆に上記橋絡杆の先端部を嵌脱可能な嵌脱部を設けてなるから、上記橋絡杆の位置を確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1乃至図13は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図12は実施の第一形態例、図13は実施の第二形態例である。
【0009】
図1乃至図12の実施の第一形態例において、1は干枠体であって、この場合、上横杆1a、下横杆1b、左縦杆1c及び右縦杆1dからなり、上横杆1aと左縦杆1c及び上横杆1aと右縦杆1dとをエルボ状の接続管Eにより接続し、下横杆1bと左縦杆1c及び下横杆1bと右縦杆1dとをT状の接続管Dにより接続して全体として略四角枠状に形成され、この干枠体1を複数個、この場合三個並列状に配置している。
【0010】
2はX状リンクであって、この場合、二個の支持リンク2a・2aを支軸2bにより枢着してなり、このX状リンク2を隣り合う干枠体1・1の左縦杆1c・1c間及び右縦杆1d・1d間にそれぞれ配置している。
【0011】
3は上下一対の摺動筒であって、上記干枠体1の左縦杆1c及び右縦杆1dに摺動自在に設けている。
【0012】
そして、このX状リンク2の二個の支持リンク2a・2aの各端部を上下一対の摺動筒3・3にそれぞれ連結ピン4により枢着連結している。
【0013】
しかして、図1、図9の展開状態において、干枠体1・1・1を相互に近接移動させると、各X状リンク2の二個の支持リンク2a・2aは支軸2bを中心に閉回動すると共に摺動筒3は左縦杆1c及び右縦杆1d上を上方に摺動し、これにより、図10の如く、折り畳み状態にすることができる。
【0014】
この場合、上記左縦杆1c及び右縦杆1dは調節具Kにより伸縮調節自在に設けられ、即ち、図2の如く、この左縦杆1c及び右縦杆1dを相互に挿通可能な一対の分割杆F・Gにより形成し、一方の分割杆Fに調節具Kの基部筒K1を固着し、基部筒K1に数個のスリットK2が形成され、基部筒K1にナット筒K3を螺着し、ナット筒K3を弛緩回動した状態で、一方の分割杆Fと他方の分割杆Gとの挿通摺動により伸縮調節した後、ナット筒K3を締付回動して左縦杆1c及び右縦杆1dを伸縮調節自在に構成している。
【0015】
5は橋絡杆であって、この場合、図1、図3、図7、図8の如く、上記上横杆1aにT状の接続管Dを回動自在に挿通し、接続管Dに橋絡杆5の基部を挿通固定し、橋絡杆5の長さを先端部が隣り合う上横杆1a上に載置可能な長さに形成し、橋絡杆5に複数個の吊り具6を取り付け、しかして、上横杆1aに先端部を隣り合う上横杆1a上に載置可能な橋絡杆5の基部を回動自在に設けて構成している。
【0016】
又、この場合、上記上横杆1a及び下横杆1bは伸縮調節自在に設けられ、即ち、図1、図6、図12の如く、上横杆1a及び下横杆1bを相互に挿通可能な一対の分割杆L・Mにより形成し、一方の分割杆Lの一方端部を上横杆1aにあってはエルボ状の接続管Eに、下横杆1bにあってはT状の接続管Dに固定し、他方の分割杆Mの一方端部を同じく上横杆1aにあってはエルボ状の接続管Eに、下横杆1bにあってはT状の接続管Dに固定し、他方の分割杆Mの他方端部にスライド筒Nを固定し、スライド筒Nに分割杆Lを挿通し、しかして、一方の分割杆Lと他方の分割杆Mとの挿通摺動により上横杆1a及び下横杆1bを伸縮調節自在に構成している。
【0017】
7は嵌脱部であって、この場合、合成樹脂製により形成され、上記上横杆1aに固定され、上記橋絡杆5の先端部を嵌脱可能に構成されている。
【0018】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、図1の如く、この場合、上横杆1a、下横杆1b、左縦杆1c及び右縦杆1dからなる略四角枠状の複数個の干枠体1・1・1を、隣り合う干枠体1・1・1の左縦杆1c間及び右縦杆1d間にそれぞれ配置され、二個の支持リンク2a・2aを支軸2bにより枢着してなるX状リンク2及び干枠体の左縦杆及び右縦杆に摺動自在に設けられ、X状リンク2の二個の支持リンク2a・2aの各端部が連結ピン4により枢着連結された上下一対の摺動筒3・3により展開状態に配置すると共に左縦杆1c及び右縦杆1dを伸縮調節し、上横杆1aに回動自在に設けられた橋絡杆5の先端部を隣り合う上横杆1a上に載置し、この展開状態において、一般家庭の庭先等に設置し、上横杆1a及び橋絡杆5上に布団Wを広げた状態で載せて干すことができ、かつ、上記橋絡杆5に設けられた複数個の吊り具6によって洗濯物を干すこともでき、不使用時には、図8、図10の如く、複数個の干枠体1・1・1を上記X状リンク2及び摺動筒3の摺動により折畳状態で格納することができ、コンパクトに収納することができ、かつ、図2、図12の如く、各干枠体1・1・1の各左縦杆1c及び右縦杆1dを順次高くなるように伸縮調節することにより布団の表面が太陽に向くように斜めに載せた状態で干すことができ、乾燥効率を高めることができ、使用の利便性を高めることができる。
【0019】
又、この場合、上記上横杆1a及び下横杆1bを伸縮調節自在に設けてなるから、図12の如く、布団のサイズに応じて上横杆1a及び下横杆1bを伸縮調節することができ、又、この場合、上記上横杆1aに上記橋絡杆5の先端部を嵌脱可能な嵌脱部7を設けてなるから、上記橋絡杆5の位置を確実に固定することができる。
【0020】
図13の実施の第二形態例は別例構造を示し、この場合、上記第一形態例においては、干枠体1を三個配置しているが、この第二形態例にあっては、干枠体1を二個配置して構成している。
【0021】
この第二形態例にあっても、上記第一形態例と同様な作用効果を得ることができる。
【0022】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、干枠体1、X状リンク2の数や吊り具6、嵌脱部7の数や形態、構造等は適宜設計して変更される。
【0023】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の第一形態例の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施の第一形態例の部分断面図である。
【図3】本発明の実施の第一形態例の部分断面図である。
【図4】本発明の実施の第一形態例の部分側断面図である。
【図5】本発明の実施の第一形態例の部分側断面図である。
【図6】本発明の実施の第一形態例の部分断面図である。
【図7】本発明の実施の第一形態例の部分斜視図である。
【図8】本発明の実施の第一形態例の全体斜視図である。
【図9】本発明の実施の第一形態例の展開状態の側面図である。
【図10】本発明の実施の第一形態例の折畳状態の側面図である。
【図11】本発明の実施の第一形態例の展開状態の側面図である。
【図12】本発明の実施の第一形態例の展開状態の前面図である。
【図13】本発明の実施の第二形態例の全体斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
W 布団
1 干枠体
1a 上横杆
1b 下横杆
1c 左縦杆
1d 右縦杆
2 X状リンク
2a 支持リンク
2b 支軸
3 摺動筒
4 連結ピン
5 橋絡杆
6 吊り具
7 嵌脱部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上横杆、下横杆、左縦杆及び右縦杆からなる略四角枠状の干枠体を複数個並列状に配置し、該隣り合う干枠体の左縦杆間及び右縦杆間にそれぞれ二個の支持リンクを支軸により枢着してなるX状リンクを配置し、該干枠体の左縦杆及び右縦杆に上下一対の摺動筒を摺動自在に設け、該X状リンクの二個の支持リンクの各端部を上下一対の摺動筒にそれぞれ連結ピンにより枢着連結し、該左縦杆及び右縦杆を伸縮調節自在に設け、該上横杆に先端部を隣り合う上横杆上に載置可能な橋絡杆の基部を回動自在に設け、該橋絡杆に複数個の吊り具を設けてなることを特徴とする物干し具。
【請求項2】
上記上横杆及び下横杆を伸縮調節自在に設けてなることを特徴とする請求項1記載の物干し具。
【請求項3】
上記上横杆に上記橋絡杆の先端部を嵌脱可能な嵌脱部を設けてなることを特徴とする請求項1又は2記載の物干し具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−279199(P2008−279199A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128356(P2007−128356)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(301066947)株式会社ルーペック (2)