説明

物干し器

【課題】 物干し器のフレームに捩れやタルミが生じ、或いはヒンジの破損によりフレームが落下することを防止する。
【解決手段】 多数のピンチ(13)を支持するフレーム(11)を吊下紐(15)を介してフック(17)より吊り下げ、該フレームを中央部にて折り畳み自在となした物干し器において、該フレームは一対のフレーム構成部材(11a)(11b)を少なくとも3個のヒンジ(21)を介して折り畳み自在に連結してなることを特徴とする物干し器。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、物干し器に関するものであり、特に、多数のピンチ(洗濯挟み)を支持するフレームを吊下紐を介してフックより吊り下げ、該フレームを中央部にて折り畳み自在となした物干し器における当該フレームに係るものである。実用新案登録請求の範囲を含む本明細書において「吊下紐」とは、フレームをフックに連結する紐状体をいうものとし、吊下紐には例えば被覆鉄線、チェーン等が含まれる。
【0002】
【従来の技術】
多数のピンチを支持するフレームを吊下紐を介してフックより吊り下げ、該フレームを中央部にて折り畳み自在となした物干し器は既に広く使用されている。
物干し器のフレームを中央部にて折り畳み自在となすために、図5に示すように、従来の物干し器におけるフレーム1は、それぞれ多数のピンチを支持する一対のフレーム構成部材1a、1bを側縁の2個のヒンジ3、3を介して折り畳み自在に連結している。なお、図5における符号5に示すものは吊下紐、符号7はフックである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の物干し器におけるフレームは一対のフレーム構成部材をわずか2個の側縁のヒンジを介して折り畳み自在に連結しているため、各フレーム構成部材は僅か2点で相互に支持されることになると共に各ヒンジに大きな荷重が掛かり、ヒンジに緩み、損傷等が生ずることになる。その結果、フレームに捩れやタルミが生ずるのみならず、ヒンジの破損によりフレームが落下するおそれもある。蓋し、フレームにピンチを介して吊り下げられる洗濯物は特に濡れているときには極めて重いからである。
本考案は、従来の物干し器におけるこのような問題を解決しようとしてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案はフレームに少なくとも3個のヒンジ(即ち、3個又は4個以上のヒンジ)を備えさせることにより上記課題を解決するものである。即ち、本考案は、多数のピンチを支持するフレームを吊下紐を介してフックより吊り下げ、該フレームを中央部にて折り畳み自在となした物干し器において、該フレームは一対のフレーム構成部材を少なくとも3個のヒンジを介して折り畳み自在に連結してなることを特徴とする物干し器、を提供するものである。
【0005】
【作用】
本考案による物干し器においては、フレームは一対のフレーム構成部材を少なくとも3個のヒンジを介して折り畳み自在に連結してなるものであるため、各フレーム構成部材は少なくとも3点で相互に支持されることになる。また、ヒンジに掛かる洗濯物の荷重は少なくとも3個のヒンジに分散され、各ヒンジに掛かる荷重はフレーム構成部材をわずか2個のヒンジを介して連結する場合に比べて減少し、ヒンジの緩み、損傷等が防止される。従って、フレームに捩れやタルミが生じ、或いはヒンジの破損によりフレームが落下するおそれは解消する。
【0006】
【考案の実施の形態】
次に、本考案の実施の形態を添付図面の図1〜図4に従って説明する。
符号11に示すものは物干し器のフレームである。フレーム11は一対のフレーム構成部材11a、11bを中央部にて折り畳み自在に連結してなるものである。各フレーム構成部材11a、11bはそれぞれ多数のピンチ13、13・・・を吊下支持している。フレーム構成部材11a、11bは吊下紐15、15を介してフック17に吊り下げられている。符号19に示すものはフック台である。
【0007】
しかして、本考案においては、フレーム11は一対のフレーム構成部材11a、11bを少なくとも3個のヒンジ21、21・・・を介して折り畳み自在に連結してなるものである。図2に示す事例においては、フレーム構成部材11a、11bは4個のヒンジ21、21、21、21を介して折り畳み自在に相互に連結されている。即ち、各フレーム構成部材11a、11bにそれぞれ4本のヒンジ取付アーム23a、23bを相対向させた状態で突設し、各ヒンジ取付アーム23a、23bを相互にヒンジ21を介して折り畳み自在(回動自在)に連結している。なお、ヒンジ21の数は4個に限られるものではなく、3個又は5個以上であっても差し支えない。また、フレーム構成部材11a、11bは図1においては下方に折り畳まれるのであるが、フレーム構成部材11a、11bを上方に折り畳むようにしても差し支えない。
【0008】
ヒンジ21はフレーム構成部材11a、11bを折り畳み自在(回動自在)に相互に連結し得るものであればいかなるものであってもよいが、図3、図4にヒンジ21の一例を示す。図3、図4に示すヒンジ21は、一方のフレーム構成部材11bにおけるヒンジ取付アーム23bの先端に凸状ヒンジ構成部材25を突設し、該凸状ヒンジ構成部材25の両側面に回動軸25aを突設し、他方のフレーム構成部材11aにおけるヒンジ取付アーム23aの先端に凸状ヒンジ構成部材25に対応する凹状ヒンジ構成部材27を突設し、該凹状ヒンジ構成部材27には凸状ヒンジ構成部材25の回動軸25aに対応する受け孔27aを形成し、凸状ヒンジ構成部材25の回動軸25aを凹状ヒンジ構成部材27の受け孔27aに支承させた状態で凸状ヒンジ構成部材25を凹状ヒンジ構成部材27内に嵌め付けてなるものである。この事例においては、フレーム構成部材11a、11bはヒンジ21の回動軸25aを回動中心として回動する。
【0009】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案による物干し器においては、フレームは一対のフレーム構成部材を少なくとも3個のヒンジを介して折り畳み自在に連結してなるものであるため、各フレーム構成部材は少なくとも3点で相互に支持されることになる。また、ヒンジに掛かる洗濯物の荷重は少なくとも3個のヒンジに分散され、各ヒンジに掛かる荷重はフレーム構成部材をわずか2個のヒンジを介して連結する場合に比べて減少し、ヒンジの緩み、損傷等が防止される。従って、フレームに捩れやタルミが生じ、或いはヒンジの破損によりフレームが落下するおそれが解消するという優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による物干し器の一例を示す正面図である。
【図2】同上物干し器における一対のフレーム構成部材を示す平面図である。
【図3】ヒンジの一例を示す斜視図である。
【図4】同上ヒンジを分解して示す平面図である。
【図5】従来の物干し器を示す平面図である。
【符号の説明】
1 フレーム
1a フレーム構成部材
1b フレーム構成部材
3 ヒンジ
5 吊下紐
7 フック
11 フレーム
11a フレーム構成部材
11b フレーム構成部材
13 ピンチ
15 吊下紐
17 フック
19 フック台
21 ヒンジ
23a ヒンジ取付アーム
23b ヒンジ取付アーム
25 凸状ヒンジ構成部材
25a 回動軸
27 凹状ヒンジ構成部材
27a 受け孔

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 多数のピンチを支持するフレームを吊下紐を介してフックより吊り下げ、該フレームを中央部にて折り畳み自在となした物干し器において、該フレームは一対のフレーム構成部材を少なくとも3個のヒンジを介して折り畳み自在に連結してなることを特徴とする物干し器。

【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【登録番号】第3042740号
【登録日】平成9年(1997)8月13日
【発行日】平成9年(1997)10月31日
【考案の名称】物干し器
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−3714
【出願日】平成9年(1997)4月21日
【出願人】(000110756)ニシダ株式会社 (5)