説明

特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル

【課題】フレキシブル性と簡便な接続性という従来のフレキシブルフラットケーブルの利点を失うことなく、特性インピーダンスが目的の値に整合されているシールドフレキシブルフラットケーブルを提供する。
【解決手段】片面に熱融着性接着層を有し、両端末の導体を所定長露出させて接続端末部(端末導体露出部)(t)を設ける長さ分のみ片方のフィルム長さを短くした2枚の絶縁フィルム(1a,1b)を、接着層面を互いに内側にし、この間に複数本の平角導体(2)を所定間隔に並列配置して接着したフレキシブルフラットケーブル体(5)の片面に、金属箔フィルム除去部(a)が、繰り返しパターン状配列を持つ穴配列で必要数量空けられた穴空き金属箔フィルム(6)を熱接着して、特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル(10)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルフラットケーブルに関し、更に詳しくは特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルフラットケーブル(以下、フラットケーブルともいう)は配線材の省スペース性と簡便な接続により、電子機器類のプリント基盤、内部配線材、或は自動車の内部配線材として多用されている。従来のフラットケーブルは、2枚の絶縁フィルム間に複数本の導体を該導体の両端部を露出させて平行に配列させた構造をしており、このフラットケーブルと挿入型コネクターを組み合わせた配線方式が普及している。従来のフラットケーブルの一例について、図5を用いて説明する。
片面に熱融着性接着層(図示せず)を有する2枚の絶縁フィルム(1、1)を、接着層面を互いに内側にして、この間に複数本の平角導体(2)を所定間隔(ピッチ)(p)に並列配列し、両端部の導体(2)を所定長露出させて、接続端末部(端末導体露出部)(t)を設けて加熱融着させ、好ましくは該接続端末部(t)に補強テープ(h)を貼り付けフラットケーブル(5’)としている。この従来のフラットケーブルについては下記特許文献1に記載されている。また、図示はしないが、このフラットケーブルの片面もしくは両面に、アルミPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの金属箔フィルムを接着させてシールド層を設けたシールドフレキシブルフラットケーブルも下記特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2001−43743
【特許文献2】特開平5−242736
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年電子機器において高速伝送ケーブルが多用されているが、フレキシブルフラットケーブルも液晶、フラットTVの画像インターフェース、内部配線材などに高速伝送ケーブルとして使用されてきている。なおフラットケーブルを高速伝送ケーブルとして使用するためには特性インピーダンスを目的の値に整合させる事が重要となり、特性インピーダンスの値として90Ω、100Ωを求められることが多い。通常はフラットケーブルの片面若しくは両面をアルミPETフィルム等の金属箔フィルムでほぼ全面積に渡って覆った構造のシールドフレキシブルフラットケーブル(以下、シールドフラットケーブルともいう)としており、金属箔フィルムで覆うことにより特性インピーダンスの値は低下する。
従来のシールドフラットケーブルでは特性インピーダンスの値が目的の値より小さくなった場合、特性インピーダンスを目的の値に整合させるために、通常は、このフラットケーブルの平角導体と金属箔フィルム間の絶縁フィルムを厚くして両者の距離を稼ぐ方法、若しくは平角導体の幅を小さくする方法が取られていた。然しながら、平角導体の幅を小さくした場合は、コネクターとの勘合の為の導体幅精度およびピッチ精度が厳しくなり、またコネクターの寸法精度も厳しくなるという問題点があった。また、平角導体と金属箔フィルム間の絶縁フィルムを厚くした場合は、ケーブル自体が厚くなるためフラットケーブルが硬くなってしまい、フレキシブル性というフラットケーブルの利点が薄れてしまうという問題点があった。つまりフレキシブル性が劣り、かつ導体幅が狭いためコネクターとの勘合精度が厳しいシールドフラットケーブルが多数見受けられるという問題点があった。
本発明は、上記従来技術が有する各種問題点を解決するためになされたものであり、フレキシブル性と簡便な接続性という従来のフラットケーブルの利点を失うことなく、導体幅精度およびピッチ精度が通常のレベルで良く、またコネクターの寸法精度も通常のレベルで良く、特性インピーダンスが目的の値に整合されているシールドフレキシブルフラットケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点として本発明は、片面に熱融着性接着層を有し、両端末の導体を所定長露出させて接続端末部(端末導体露出部)を設ける長さ分のみ片方のフィルム長さを短くした2枚の絶縁フィルムを、接着層面を互いに内側にし、この間に複数本の平角導体を所定間隔に並列配置して加熱融着したフレキシブルフラットケーブル体の片面もしくは両面に、金属箔ラミネートフィルムを接着してシールド層を設けてなるシールドフレキシブルフラットケーブルであって、前記金属箔ラミネートフィルムを、該フィルム面に任意の形状の穴が、任意の配列で必要数量空けられた穴空き金属箔ラミネートフィルム(以下、穴空き金属箔フィルムと略記する)とし、絶縁フィルム面を被覆する金属箔ラミネートフィルム(以下、金属箔フィルムと略記する)の面積が減じられることを要因として特性インピーダンスが目的の値に整合されていることを特徴とする特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル(以下、シールドフラットケーブルともいう)にある。
前記シールドフラットケーブルを構成するフラットケーブル体は、平角導体の種類,サイズ,本数、また絶縁フィルムの種類等、該ケーブル体を成す構成材を必要に応じて自由に選択することができる。また、前記接続端末部に補強テープを貼り付けたフラットケーブル体としてもよい。
また前記金属箔フィルムはシールド部材として用いられ、アルミPETフィルム、銅PETフィルム等が挙げられるが、フィルム状の導電性材料であれば、その材質、構造構成によって制限されない。また金属箔フィルムに熱融着性の接着剤、または熱融着性の導電性接着剤を設けると好ましい。なお前記導電性接着剤の場合は、複数本の平角導体のうちの、例えば1本をシールド層に折り返し、金属箔フィルムの間に挟み込んでグランドする場合に好適である。
また前記金属箔フィルムに任意の形状の穴を、任意の配列で必要数量空ける方法としては、例えばパンチングにより穴を打ち抜く、若しくは金属箔をエッチングするなどしてシールド部材を部分的に取り除く方法が挙げられる。そして、通常のシールドフラットケーブルと同様、接着剤若しくは熱融着により前記穴空き金属箔フィルムをフラットケーブル体の片面もしくは両面に接着させることにより、本発明のシールドフラットケーブルが得られる。
上記第1観点のフラットケーブルでは、前記穴空き金属箔フィルムをシールド部材として用い、絶縁フィルム面を被覆する金属箔フィルムの面積が減じられることを要因として特性インピーダンスを目的の値に整合させることができる。なお、特性インピーダンスを更に微調整する場合には、絶縁フィルムの厚さを調整すればよい。
【0005】
第2の観点として本発明は、前記任意の形状の穴が、打ち抜き加工、若しくはエッチング加工により、金属箔を除去することによって成されていることを特徴とする特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブルにある。
上記第2観点のシールドフラットケーブルでは、前記任意の形状の穴を打ち抜き加工、若しくはエッチング加工により、好適に金属箔を除去することができる。
【0006】
第3の観点として本発明は、前記金属箔を除去する形状が、直径が0.3mm〜2.0mmの丸穴、若しくは多角形の穴であることを特徴とする請求項2記載の特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブルにある。
上記第3観点のシールドフラットケーブルでは、前記金属箔を除去する形状として、直径が0.3mm〜2.0mmの丸穴、若しくは多角形の穴を好ましく用いることができる。なお、直径が0.3mm未満では、丸穴の直径が小さくなり過ぎ、穴空け加工が困難になるので好ましくなく、また直径が2.0mmを超えると、丸穴の直径が平角導体の幅に比べて大きくなり過ぎ、フラットケーブルを成す複数の導体に対して均一に特性インピーダンスの値を整合させることが困難になってしまうので好ましくない。また前記丸穴を楕円形穴、長円形穴としても良い。また前記多角形の穴としては四角形、六角形等の穴が挙げられ、また穴の大きさは、前記直径が0.3mm〜2.0mmの丸穴と同程度が好ましい。
【0007】
第4の観点として本発明は、前記任意の配列が、等ピッチ間隔で穴が一列に並んでいる直列穴配列を基本単位とし、この基本単位が並列に複数列配列されており、n列目(但し、nは1以上)の基本単位に対してn+1列目の基本単位が、穴配列方向に所定の値ずらされて配列されて成る繰り返しパターン状配列、若しくは前記基本単位が複数列組み合わされた基本組単位が繰り返されて配列されて成る繰り返しパターン状配列であることを特徴とする特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブルにある。
上記第4観点のシールドフラットケーブルでは、前記任意の配列として、上記繰り返しパターン状配列を好ましく用いることができる。このパターン状配列としては、縦と横の配列が並列に配列されている格子状並列配列、n列目の直列穴配列に対してn+1列目の直列穴配列が、穴間隔の1/2ピッチ分ずらして配列されている千鳥格子状配列(別名:蜂の巣状配列)等が挙げられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシールドフレキシブルフラットケーブルは、シールド層の穴空き金属箔フィルムの穴を、例えば丸穴とし、その大きさ、配列、数量を適宜選択する事によって目的の特性インピーダンスに整合することができるようになった。また、穴空き金属箔フィルムにより特性インピーダンスを整合する事が可能なため、シールドフラットケーブルを構成する絶縁フィルムを、ケーブルのフレキシブル性を損なうほど厚くして特性インピーダンスを整合させる必要がなくなり、フレキシブル性というフラットケーブルの利点を保持したまま特性インピーダンスを整合することができるようになった。従って、本発明は産業に寄与する効果が極めて大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の内容を、図に示す実施の形態により更に詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明のシールドフラットケーブルを構成するフラットケーブル体の一例を示す斜視図である。図2は、本発明のシールドフラットケーブルの一例を示す平面図である。図3は、図2のシールドフラットケーブルのc−c部の断面図である。また図4は、繰り返しパターン状配列の丸穴を設けた穴空きアルミPETフィルムの一例を示す平面図である。
これらの図において、1a,1bは絶縁フィルム(熱融着性接着層付き絶縁フィルム)、2は平角導体(錫めっき平角銅線)、5はフラットケーブル体、6,6’は穴空き金属箔フィルム(穴空き熱融着導電性接着剤付きアルミPETフィルム、金属箔フィルム)、6aはPET(ポリエチレンテレフタレート)、6bはアルミ、6cは熱融着導電性接着剤、10はシールドフラットケーブル(特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル)、aは丸穴(金属箔フィルム除去部)、またtは接続端末部(端末導体露出部)である。
【実施例1】
【0010】
本発明のシールドフラットケーブルの第1実施形態について図1〜3を用いて説明する。
先ず、図1に示すように、片面に熱融着性接着層(図示せず)を有する厚さ0.075mm×幅10mmの2枚の絶縁フィルム(上方のフィルム(1a)が全長110mm、下方のフィルム(1b)が全長120mm)を、接着層面を互いに内側にして、この間に平角導体(2)として、厚さ0.035mm×幅0.3mmの錫めっき平角銅線を用い、この平角銅線(2)の19本(図では3本のみ示す)をピッチ0.5mmで並列配列し、両端部の導体(2)を各5mm長露出させて接続端末部(端末導体露出部)(t)を設け、140℃の熱ロールによって加熱融着させてフラットケーブル体(5)とした。
次に、幅10mm×長さ100mmで、金属箔のアルミ(6b)厚さが0.001mm、PET(6a)厚さが0.012mm、また接着剤(6c)厚さが0.040mmの熱融着導電性接着剤付きアルミPETフィルム(以下、接着剤付きアルミPETフィルムともいう)をパンチング加工により直径約0.5mmの丸穴(金属箔フィルム除去部)(a)を千鳥格子状配列に50個/cm空けて、図2に示すような穴空き接着剤付きアルミPETフィルム(6)とし、このフィルム(6)を前記フラットケーブル体(5)の上方の絶縁フィルム(1a)面に、140℃の熱ロールによって加熱融着して図2、図3に示すようなシールドフラットケーブル(10)を製造した。なお、前記接着剤付きアルミPETフィルムをパンチング加工する替わりに、金属箔のアルミをエッチングして丸穴を設けても良い。
【実施例2】
【0011】
本発明のシールドフラットケーブルの第2実施形態について図1〜3を用いて説明する。
先ず、図1に示すように、片面に熱融着性接着層(図示せず)を有する厚さ0.075mm×幅10mmの2枚の絶縁フィルム(上方のフィルム(1a)が全長110mm、下方のフィルム(1b)が全長120mm)を、接着層面を互いに内側にして、この間に平角導体(2)として、厚さ0.035mm×幅0.3mmの錫めっき平角銅線を用い、この平角銅線(2)の19本(図では3本のみ示す)をピッチ0.5mmで並列配列し、両端部の導体(2)を各5mm長露出させて接続端末部(端末導体露出部)(t)を設け、140℃の熱ロールによって加熱融着させてフラットケーブル体(5)とした。
次に、幅10mm×長さ100mmで、アルミ(6b)厚さが0.001mm、PET(6a)厚さが0.012mm、また接着剤(6c)厚さが0.040mmの熱融着導電性接着剤付きアルミPETフィルムをパンチング加工により直径約0.5mmの丸穴(金属箔フィルム除去部)(a)を千鳥格子状配列に100個/cm空けて、図2に示すような穴空き接着剤付きアルミPETフィルム(6)とし、このフィルム(6)を前記フラットケーブル体(5)の上方の絶縁フィルム(1a)面に、140℃の熱ロールによって加熱融着して図2、図3に示すようなシールドフラットケーブル(10)を製造した。
【実施例3】
【0012】
本発明のシールドフラットケーブルの第3実施形態について図1〜4を用いて説明する。なお、図2、図3に示した穴空きアルミPETフィルム(6)の替わりに図4に示す穴空きアルミPETフィルム(6’)を用いている。
先ず、図1に示すように、片面に熱融着性接着層(図示せず)を有する厚さ0.075mm×幅10mmの2枚の絶縁フィルム(上方のフィルム(1a)が全長110mm、下方のフィルム(1b)が全長120mm)を、接着層面を互いに内側にして、この間に平角導体(2)として、厚さ0.035mm×幅0.3mmの錫めっき平角銅線を用い、この平角銅線(2)の19本(図では3本のみ示す)をピッチ0.5mmで並列配列し、両端部の導体(2)を各5mm長露出させて接続端末部(端末導体露出部)(t)を設け、140℃の熱ロールによって加熱融着させてフラットケーブル体(5)とした。
次に、幅10mm×長さ100mmで、アルミ(6b)厚さが0.001mm、PET(6a)厚さが0.012mm、また接着剤(6c)厚さが0.040mmの熱融着導電性接着剤付きアルミPETフィルムをパンチング加工により、直径約1.0mmの丸穴(金属箔フィルム除去部)(a)が等ピッチ(例えば2.0mm)間隔で一列に並んでいる直列穴配列を基本単位として設け、この基本単位を並列に複数列配列させる際に、穴配列方向に、1列目の基本単位の穴ピッチに対して5分の1ピッチ分ずらして1列目と同様の2列目の基本単位を配置し、また2列目の基本単位に対して3列目の基本単位を5分の1ピッチ分ずらすというように、n列目の基本単位に対してn+1列目の基本単位を所定の値ずらすという繰り返しパターン状配列に50個/cm空けて、図4に示すような穴空き接着剤付きアルミPETフィルム(6’)とし、このフィルム(6’)を前記フラットケーブル体(5)の上方の絶縁フィルム(1a)面に、140℃の熱ロールによって加熱融着して図2、図3に示したシールドフラットケーブル(10)と同様なシールドフラットケーブルを製造した。
【0013】
(比較例1)
特に図示はしないが、上記実施例1のフラットケーブル体(5)を用い、次に幅10mm×長さ100mmで、アルミ厚さが0.001mm、PET厚さが0.012mm、また接着剤厚さが0.040mmの熱融着導電性接着剤付きアルミPETフィルムを、パンチング加工せずに、前記フラットケーブル体(5)の上方の絶縁フィルム(1a)面に、140℃の熱ロールによって加熱融着してシールドフラットケーブルを製造した。
【0014】
―特性インピーダンスの測定―
上記実施例1〜3および比較例1により得られたシールドフラットケーブルについて、TDR測定器を用い、シールド層をグランドに落とし、また信号配列をG(グランド線)−S(信号線)−S−Gとして特性インピーダンスを測定した結果、実施例1、2、3のシールドフラットケーブルの特性インピーダンスは、それぞれ、およそ90Ω、およそ100Ω、およそ100Ωで目的の値に整合されていた。一方、比較例1のシールドフラットケーブルの特性インピーダンスは84Ωで目的の値に整合されていなかった。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明のシールドフラットケーブルは、シールド層を、金属箔フィルム面に任意の形状の穴が、任意の配列で必要数量空けられた穴空き金属箔フィルムとし、金属箔フィルムの被覆面積が減じられることにより特性インピーダンスを目的の値に整合させることができるので、高速伝送ケーブルとして使用するのに好適となり、液晶、フラットTVの画像インターフェース、内部配線材などに利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のシールドフラットケーブルを構成するフラットケーブル体の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明のシールドフラットケーブルの一例を示す平面図である。
【図3】図2のシールドフラットケーブルのc−c部の断面図である。
【図4】繰り返しパターン状配列の丸穴を設けた穴空きアルミPETフィルムの一例を示す平面図である。
【図5】従来のフラットケーブルを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1a,1b 絶縁フィルム(熱融着性接着層付き絶縁フィルム)
2 平角導体(錫めっき平角銅線)
5 フラットケーブル体
6,6’ 穴空き金属箔フィルム(穴空き熱融着導電性接着剤付きアルミPETフィルム、金属箔フィルム)
6a PET(ポリエチレンテレフタレート)
6b アルミ
6c 熱融着導電性接着剤
10 シールドフラットケーブル(特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル)
a 丸穴(金属箔フィルム除去部)
t 接続端末部(端末導体露出部)























【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に熱融着性接着層を有し、両端末の導体を所定長露出させて接続端末部(端末導体露出部)を設ける長さ分のみ片方のフィルム長さを短くした2枚の絶縁フィルムを、接着層面を互いに内側にし、この間に複数本の平角導体を所定間隔に並列配置して加熱融着したフレキシブルフラットケーブル体の片面もしくは両面に、金属箔ラミネートフィルムを接着してシールド層を設けてなるシールドフレキシブルフラットケーブルであって、
前記金属箔ラミネートフィルムを、該フィルム面に任意の形状の穴が、任意の配列で必要数量空けられた穴空き金属箔ラミネートフィルムとし、絶縁フィルム面を被覆する金属箔ラミネートフィルムの面積が減じられることを要因として特性インピーダンスが目的の値に整合されていることを特徴とする特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル。
【請求項2】
前記任意の形状の穴が、打ち抜き加工、若しくはエッチング加工により、金属箔を除去することによって成されていることを特徴とする、請求項1記載の特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル。
【請求項3】
前記金属箔を除去する形状が、直径が0.3mm〜2.0mmの丸穴、若しくは多角形の穴であることを特徴とする請求項2記載の特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル。
【請求項4】
前記任意の配列が、等ピッチ間隔で穴が一列に並んでいる直列穴配列を基本単位とし、この基本単位が並列に複数列配列されており、n列目(但し、nは1以上)の基本単位に対してn+1列目の基本単位が、穴配列方向に所定の値ずらされて配列されて成る繰り返しパターン状配列、若しくは前記基本単位が複数列組み合わされた基本組単位が繰り返されて配列されて成る繰り返しパターン状配列であることを特徴とする請求項1、2または3記載の特性インピーダンスの整合が可能なシールドフレキシブルフラットケーブル。













【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−200747(P2007−200747A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18692(P2006−18692)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【Fターム(参考)】