特殊制動支援方法およびその装置
【課題】 テストドライバーの技量差によるバラツキを排除し、複雑かつ特殊な制動を実施することができ、高い評価精度による少ない評価試験回数を実現して評価効率を格段に向上できる特殊制動支援方法およびその装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ブレーキペダル22に装着されたアクチュエータ10を操作して被試験車両のブレーキ性能の評価を行う制動支援方法において、アクチュエータ10にする各センサからの制御部2によるフィードバック信号に基づく制御に加えて、前記アクチュエータ10に対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部1により設定しておき、テストドライバーによるバラツキに影響されることなく、一定で安定した複雑かつ特殊な制動条件を取り入れた制御パターンを選択して実施でき、高い評価精度により評価効率を格段に向上できる。
【解決手段】 ブレーキペダル22に装着されたアクチュエータ10を操作して被試験車両のブレーキ性能の評価を行う制動支援方法において、アクチュエータ10にする各センサからの制御部2によるフィードバック信号に基づく制御に加えて、前記アクチュエータ10に対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部1により設定しておき、テストドライバーによるバラツキに影響されることなく、一定で安定した複雑かつ特殊な制動条件を取り入れた制御パターンを選択して実施でき、高い評価精度により評価効率を格段に向上できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両におけるブレーキ性能の評価に使用する支援装置として種々のものが提案されている。そして、ブレーキ性能の評価に関しても、制動器そのものの評価は無論のこと、制動時の鳴きや異音に関する評価試験・制動器の効力特性・制動時のフィーリング評価等、評価技術の高度化に伴い、今までとは異なる複雑で特殊な制動条件に基づく評価試験が要求されるようになってきている。そこで、被試験車両に搭乗して評価試験を行うテストドライバーが、ブレーキペダルを操作して各種の複雑で特殊な制動条件のもとに評価試験を行うことになる。ところが、テストドライバーが特殊な制動を実施するには、テストドライバーの技量や経験に個人差があって、一定で安定した適切な制動を実施するのは困難であった。そのようなことから、ブレーキ性能の評価に使用するいくつかの支援装置が提案された(例えば下記特許文献等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−142506号公報(公報要約書参照)
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Anthony Best Dynamics 「Brake Robot 」(2007.11.30 インターネットにて閲覧。http://www.abd.uk.com/参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された第1従来例の操作支援機能付き車両を図16を用いて簡単に説明すると、熟練オペレータと非熟練オペレータとの間に操作パターンの差があるために、この特有の操作パターンをオペレータ判定装置150で判定して、オペレータの熟練度を評価し、その結果を用いて、学習制御器134からの出力の重み付けを自動設定するようにしたものである。多様な熟練度のオペレータによる動作指令は各アクチュエータ毎に、操作レバー144からの操作信号145に乗算器151で係数k1を乗じたものと、学習制御器134の出力に乗算器152で係数k2を乗じたものを、加算器143で加算することによって、係数k1とk2との比率を変えることにより、操作信号と学習制御器出力の重み付けを変えることができ、多様な熟練度のオペレータの操作に関わらず、熟練したオペレータが操作したのと同等の作業を可能にした。
【0006】
次に、文献2に開示された第2従来例のABDブレーキロボットを図17を用いて簡単に説明する。このブレーキロボットでは、ブレーキペダルに装着したリンク部材と乗員シート部に設置したフレームに装着したリンク部材との接続軸支点にアクチュエータのロッド先端を軸支したものが開示されている。そして、アクチュエータを操作することによりブレーキペダルに装着したリンク部材がブレーキペダルを踏動して各種ブレーキ性能評価試験を行うことができる。
【0007】
ところが、これらの従来例にあって、前記図16の第1従来例の操作支援機能付き車両では、単に、非熟練オペレータ等の操作を熟練したオペレータが操作したのと同等の作業を可能にするためだけの操作支援装置に過ぎず、ブレーキ性能の評価試験のために、一定で安定した、適切で複雑かつ特殊で多様な制動条件を設定することは不可能であった。
また、前記図17の第2従来例のブレーキロボットでは、ブレーキ性能の評価試験のための支援装置としての機能は有するものの、その文献2中に記載されている試験データ表からも理解されるように、制御項目として、ブレーキペダル踏力、ブレーキペダルストロークおよび車両の加減速度計からのフィードバック制御が設定されているだけで、このブレーキロボットも前記第1従来例のものと同様に、予め特殊な制動条件を設定することは不可能であった。しかも、アクチュエータが直接ブレーキペダルを押圧する訳ではないので、迅速な応答性に問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、前記従来の制動支援装置における諸課題を解決して、テストドライバーの技量差によるバラツキを排除し、複雑かつ特殊な制動を実施することができ、高い評価精度による少ない評価試験回数を実現して評価効率を格段に向上できる特殊制動支援方法およびその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため本発明は、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法において、前記アクチュエータに対する力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づく制御部による制御に加えて、前記アクチュエータに対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部により設定しておくことを特徴とする。また本発明は、前記油圧による特殊制御が、一制動中に増圧・減圧および圧力保持の制御を適宜組み合わせてなされることを特徴とする。また本発明は、前記制御部にて得られた計測データが前記制御設定部等に保存・格納されることを特徴とする。また本発明は、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援装置において、アタッチメントを介してブレーキペダルに装着されるアクチュエータと、該アクチュエータを力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づいて制御を行う制御部と、該制御部にブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め設定する制御設定部とから構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記アクチュエータの基端部は乗員シートが載置されたベースフレームに取り付けられるとともに、ブレーキペダルに装着された該アクチュエータの先端部が直接に前記ブレーキペダルを押し引きするように構成されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法において、前記アクチュエータに対する力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からの制御部によるフィードバック信号に基づく制御に加えて、前記アクチュエータに対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部により設定しておくことにより、テストドライバーの技量差によるバラツキに影響されることなく、一定で安定した複雑かつ特殊な制動条件を取り入れた制御パターンを選択して実施することができ、高い評価精度による少ない評価試験回数を実現して評価効率を格段に向上できる。
【0011】
また、前記油圧による特殊制御が、一制動中に増圧・減圧および圧力保持の制御を適宜組み合わせてなされる場合は、フィードバック制御に加えて、予め設定されるより複雑かつ特殊で多様な制動条件に対して、油圧の変化制御のみにて対応させることができるので、多岐にわたる評価項目が必要な幅広いブレーキ評価試験に適応させることが可能となる。さらに、前記制御部にて得られた計測データが前記制御設定部等に保存・格納される場合は、被試験車両毎のブレーキ性能の評価の比較検討を容易にする他、後で行う同じ制動条件での評価試験の際の制動条件を容易に選択して実施することができる。
【0012】
さらにまた、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援装置において、アタッチメントを介してブレーキペダルに装着されるアクチュエータと、該アクチュエータを力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づいて制御を行う制御部と、該制御部にブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め設定する制御設定部とから構成されたことにより、各センサからのフィードバック制御を行う制御部をそのまま活用して、該制御部に対して制御設定部が、前記アクチュエータのブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め設定することが可能となり、装置自体をあまり複雑にすることなく、多岐にわたる評価項目が必要な幅広いブレーキ評価試験に適応させることが可能となる。
【0013】
また、前記アクチュエータの基端部は乗員シートが載置されたベースフレームに取り付けられるとともに、ブレーキペダルに装着された該アクチュエータの先端部が直接に前記ブレーキペダルを押し引きするように構成された場合は、アクチュエータの基端部を車体等に取り付けずに済むので、車体床面等に取付孔を穿設する必要がなく、ベースフレームを含む上側を制動支援装置として共通化することができる。その上、アクチュエータの先端部が直接に前記ブレーキペダルを押し引きするように構成されていることにより、分散することなく効率よくアクチュエータがブレーキペダルを操作することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の特殊制動支援装置のシステム概略図である。
【図2】同、特殊制動支援装置における概略制御フローチャートである。
【図3】本発明の特殊制動支援装置が採用された実施例1の運転席近傍の斜視図である。
【図4】同、縦断面図である。
【図5】同、運転席近傍の一部断面平面図である。
【図6】同、シート部を取り外したベースフレーム取付レール部材を示す斜視図である。
【図7】同、運転席近傍の正面図である。
【図8】同、一部断面のアクチュエータとブレーキペダル接続部との接続状態を示す要部断面図である。
【図9】本発明の特殊制動支援装置が採用されたの実施例2の運転席近傍の斜視図である。
【図10】同、図9の正面図である。
【図11】同、図9の一部断面平面図である。
【図12】同、縦断面図である。
【図13】同、制御パターン例である一定制御の試験結果図である。
【図14】同、制御パターン例である追込み制動の試験結果図である。
【図15】同、制御パターン例である段踏み制動の試験結果図である。
【図16】第1従来例の操作支援機能付き車両の説明図である。
【図17】第2従来例のブレーキロボットの説明写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る特殊制動支援方法およびその装置を実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の基本的な構成は、図1(A)に示すように、被試験車両のブレーキペダル22に装着されたアクチュエータ10を操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法において、前記アクチュエータ10に対する力センサ12、減速度センサ7、ペダルストロークセンサ11等からのフィードバック信号に基づく制御部2による制御に加えて、前記アクチュエータ10に対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部1により設定しておくことを特徴とする。
【0017】
本発明の特殊制動支援装置を取り付けない制動装置は、ブレーキペダル22の踏動によってペダルレバー21が支軸を中心に揺動し、ペダルレバー21に一端部が支持されたマスタシリンダ3の図示省略のピストンロッドの押動によって、マスタシリンダ3から出力管6を通じてブレーキ圧油が左右の制動器5、5に作用し、ディスクロータ4、4をそれぞれ挟圧して制動力を発生させる。出力管6内には液圧センサ9が、車両の適宜部位には車両の加減速度を検知する加速度センサ7が配設されている。そして、車輪にはエンコーダーからなる車輪速度センサ8が付設されている。
【0018】
このような制動装置に対して本発明の特殊制動支援装置が取り付けられる。ブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20が取り付けられ、該アタッチメント20に対して、電源により作動する電動アクチュエータ10等が取り付けられる。アクチュエータ10の基端部側は、乗員のシート部30におけるベースフレーム32に起立植設されたアーム部50の上端部に取り付けられる。前記アクチュエータ10は、特殊制動支援装置制御部(Special Brake Assist System :以下制御部あるいはSBASという)2により制御信号を受けて電動制御される。アクチュエータ10には、ブレーキペダル22の踏圧に相当する力センサ12、ブレーキペダル22のストロークに相当するストロークセンサ11が設置されている。制御部2は、前記力センサ12、ストロークセンサ11、液圧センサ9、車輪速度センサ8および加速度センサ7からの信号を得て、フィードバック制御を行う。加えて、制御部2には、パソコン等の制御設定部1からの制御指令が送出される。
【0019】
図1(B)に示すように、制御部2には、パソコン等1のCPUにおける制御パターン設定部1Aにて設定された多種の制御パターンを記録・選択する制御パターン選択部2Aと、選択された特定の制御パターンの制御を開始するスタートボタン2B、その特定の制御パターンについて各センサからのデータを入力しつつフィードバック制御を行う信号処理部2Cおよびその制御履歴記録部2Dを備える。該制御履歴記録部2Dのデータはパソコン等1のCPUにおけるデータ格納部1Bに記録される。
【0020】
制御設定部1において設定される制御指令は、以下に例示するような様々な態様が可能である。
(1)後述する図13のような一定制御。
(2)後述する図14のような追込み制御。
(3)後述する図15のような段踏み制御。
(4)熟練者による上記(1)〜(3)等の各制御。
(5)初心者による上記(1)〜(3)等の各制御。
(6)特定のA氏による上記(1)〜(3)等の各制御。
(7)ノーズダイブ時にブレーキ鳴きを発生させる制御。
これらの制御のための設定を予め制御設定部1において設定しておくことによって、評価試験のために搭乗する乗員は、制御部2における制御パターン選択部2Aで制御パターンを選択し、始動のためのボタン2Bを押すだけの操作をすれば、各センサからの信号を入力値としたフィードバック制御に加えて、予め設定されるより複雑かつ特殊で多様な制動条件毎に、多岐にわたる評価項目が必要な幅広いブレーキ評価試験に適応させることが可能となる。その際、制御はバラツキのある乗員による制動制御を伴わないので、常に一定で安定した制御データが得られるので、高い評価精度による少ない評価試験回数を実現して評価効率を格段に向上できる。
【0021】
図2は本発明の特殊制動支援装置における概略制御フローチャートである。図1(B)を参照しつつ制御フローを説明すると、ステップS1にてパソコン等の制御設定部1を起動する。ステップS2において車速、液圧、減速度、ストロークの中からいずれを制御すべきか、制御対象を選択する。ステップS3において制御対象におけるパラメータの設定がなされ、ステップS4においてブレーキ性能評価試験のための制動条件に適した種々の制御パターン(前記段落0017に例示したようなパターン)の作成・設定がなされる。これらの設定された種々の制御パターンを制御設定部1あるいは制御部2内に設けられた適宜の記憶手段内にマップとして格納される。これらから行われるブレーキ性能評価試験に適した制御パターンが選択される。その選択は、制御部2内あるいはその外部に設けられた制御パターン選択部(ボタン等)2Aの選択押下等により行われる。制御パターンが選択されると、スタートボタン2B等の押下等によりブレーキ制御が開始される。
【0022】
ブレーキ制御が開始されると、ステップS5にて制御部2内の信号処理部2Cにて選択された制御パターンに基づく制御信号に応じて、電動モータ13等(図8参照)の回転駆動によりアクチュエータ10が駆動される。その際の制御は、各センサの検出値(対象、ストローク量等の現在値)を入力する。ステップS6にて目標値との差分を算出する。ステップS7にて、算出された差分から制御パラメータを算出する。ステップS8において制御アルゴリズムによりストローク制御目標値を算出する。ステップS9において、算出されたストローク制御目標値に基づきアクチュエータへストローク量を出力する。かくして、自動補正するフィードバック制御により、制御がパターン通りになされていれば、その制御履歴が制御部2内あるいはパソコン等の制御設定部1内の制御履歴記録部2Dに記録され、ステップS10にて範囲終了が確認されれば、制御設定部1にデータが格納されて、ステップS11にて制御終了動作がなされる。
【0023】
図3〜図8を用いて本発明の特殊制動支援装置の実施例1の取付形態を詳述する。図3は特殊制動支援装置が採用された運転席近傍の斜視図である。本実施例1では、ペダルレバー21の下端部のブレーキペダル22(図3の正面図である図7参照)の上下を挟持する形態にて接続板23が取り付けられる。図7はペダルレバー21の下端部におけるブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20の接続板23が取り付けられた状態を明瞭に理解することができる。図3に戻り、接続板23にはヒンジ部26を介してマグネット接合筒部27が取り付けられる。該マグネット接合筒部27内にはアクチュエータ10におけるピストンロッド15の先端の接続金具が挿入されて、後述する磁石により磁気接続される。
【0024】
アクチュエータ10の基端部側は、乗員(運転者)のシート31が載置されたベースフレーム32にボルト等の固定によって起立植設されたアーム部50を構成するアクチュエータ固定ブラケット54の上端部に接続される。アクチュエータ固定ブラケット54の上端部の接続部に軸支して接続されるクイックリリースピン18の動作・作用については後述する実施例2で詳述する。本実施例では、図4の運転席近傍の縦断面図に示すように、アクチュエータ固定ブラケット54は揺動することなく固定されているので、アクチュエータ固定ブラケット54の上端部とアクチュエータ10の基端部側が接続される接続部53との間に異なった厚さのシム(スペーサ)55を選択的に選択介設することにより、アクチュエータ10の基端部のベースフレーム32に対する高さ、すなわちアクチュエータ10のブレーキペダル22への作動角度を調整する。
【0025】
図7は運転席近傍の正面図である。この図からも明確に理解されるように、ペダルレバー21の下端部におけるブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20の接続板23が取り付けられており、マグネット接合筒部27を介してブレーキペダル接続部20に接続されたアクチュエータ10の両側に一対のアクチュエータ固定ブラケット54の上端部が接続されている。図5は運転席近傍の一部断面平面図である。これによると、アクチュエータ10の両側に一対のアクチュエータ固定ブラケット54が配設されていることが理解される。
【0026】
図6はシート部を取り外したベースフレーム取付レール部材を示す斜視図である。前記図4に示したベースフレーム32より上部のシート部30については、本発明の特殊制動支援装置の主要部を構成する専用の特定形状の要素として、任意の被試験車両のブレーキ性能試験に使い回すことが可能にされる。つまり、任意の被試験車両の床面の形状に適応させたベースフレーム取付レール部材40として、上部の取付部(共通取付面)41Aが前記ベースフレーム32と適合する形状に構成されたレール部材41を採用するものである。したがって、該レール部材41の下部は、その任意の被試験車両の床面への取付部(専用取付面)41Bが形成される。このような下部取付部41Bを任意の被試験車両の床面の形状に適応させたレール部材41を準備することにより、本発明の特殊制動支援装置の主要部を構成する専用の装置がシート部30とともに援用して使用することができて、任意の被試験車両毎に低廉にブレーキ性能評価試験を行うことができる。
【0027】
図8は一部断面のアクチュエータとブレーキペダル接続部との接続状態を示す要部断面図である。前記アタッチメント20に下端部がヒンジ部26にて軸支されたマグネット接合筒部27内の底部に設置された永久磁石(例えば22Kgfの磁気力)28に対して、アクチュエータ10のシリンダ14内に配設されたピストンロッド15の先端に固定された接続金具16が吸着されている。通常のブレーキ性能評価試験におけるブレーキ制御中は、制御部2からの制御信号に応じて電動モータ13等からの回転駆動に基づき、ピストンロッド15が進退し、アタッチメント20を介してブレーキペダル22を自動操作することになる。符号11はストロークセンサを示す。
【0028】
ブレーキ性能評価試験中に、何らかの原因により緊急ブレーキを操作する必要が生じた場合には、乗員がアタッチメント20の接続板23上に設置された基板24を強い力で踏動することによって、前記マグネット接合筒部27内の底部の永久磁石28とピストンロッド15の先端の接続金具16との間の吸着を分離する。接続金具16がマグネット接合筒部27内を例えば20mmスライドすると、アクチュエータ10が脱落する。これにより、車両はアクチュエータ10によるブレーキ制御から開放される。アクチュエータ10のリセットは、基板24の充分に深い踏動により、ピストンロッド15の先端の接続金具16を前記マグネット接合筒部27内に挿入復帰させることによりなされる。また、アクチュエータ10が固着した場合には、アクチュエータ10の基端部におけるロッドエンドベアリング17を、アクチュエータ固定リンク51の上端部に接続される接続部53に軸支して接続しているクイックリリースピン18を引き抜いてアクチュエータ10の基端部を取り外した後、前記ピストンロッド15の先端の接続金具16を前記マグネット接合筒部27から取り外すことで、アクチュエータ10の修理ないし交換を行う。
【実施例2】
【0029】
図9〜図12を用いて本発明の特殊制動支援装置の実施例2の取付形態を詳述する。図9に示すように、ペダルレバー21の下端部のブレーキペダル22(図9の正面図である図10参照)の上下を挟持する形態にて接続板23が取り付けられる。図10はペダルレバー21の下端部におけるブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20の接続板23が取り付けられた状態を明瞭に理解することができる。図9に戻り、接続板23にはヒンジ部26を介してマグネット接合筒部27が取り付けられる。該マグネット接合筒部27内にはアクチュエータ10におけるピストンロッド15の先端の接続金具が挿入されて、磁石により磁気接続される。前記アクチュエータ10の基端部側は、乗員(運転者)のシート31が載置されたベースフレーム32に起立植設されたアーム部50を構成するアクチュエータ固定リンク51の上端部に接続される接続部53に支軸によって接続される。アクチュエータ固定リンク51の中間の適宜部位とベースフレーム32との間にはアジャスタ機構52が介設され、アジャスタ機構52の調整によってアクチュエータ固定リンク51の傾きを調整することで、ブレーキペダル22とアクチュエータ10を介したベースフレーム32との位置関係を微調整することができる。
【0030】
図12に示すように、前記アクチュエータ固定リンク51の下端部およびアジャスタ機構52の下端部はベースフレーム32に傾動自在に軸支されている。ベースフレーム32は、車体の床に取り付けられたベースフレーム取付レール部材40におけるレール部材41に取り付けられる。前記ベースフレーム32上に取り付けられたシートレール33に、スライド自在にシート31の下部に固定されたシート台座34が把持される。図11に示すように、前記シート台座34とシートレール33との間の位置決めロック・解除はシートスライドレバー35の係脱によってなされる。前記ブレーキペダル22を挟持して取り付けられる接続板23には、アクチュエータ10の軸と偏位した位置に踏力計を構成する基板24が形成され、該基板24の表面にはセンサ25が設置される。
【0031】
図13は選択された制御パターン例の1つの一定制御の試験結果図である。線分A〜Dは1回目の試験の結果値で、線分E〜Hは2回目の試験の結果値を表している。線分C、Gは1回目と2回目の車輪速(Km/h)の変化を表し、線分D、Hは1回目と2回目の減速度(m/s2 )の変化を表し、線分B、Fは1回目と2回目の液圧の変化(Mpa)を表し、線分A、Eは1回目と2回目のペダルストローク(mm)の変化を表す。この図から理解されるのは、線分B、Fに示されるように液圧2.0Mpaでの液圧制御のとき、一様に車輪速C、Gが減少し、ペダルストロークA、Eも減速度D、Hも2回のデータ収集で線分がほぼ重なっており、本願装置(SBAS)の制御により高精度の制御がなされていることが理解される。
【0032】
図14は選択された制御パターン例の1つの追込み制動の試験結果図である。制動条件は、車両速度100Km/hから制動を開始して、開始直後から減速度を毎秒1.5m/s2 ずつ増加させながら車両停止までペダルを踏み込んでいく。線分Aが本願装置(SBAS)による減速度(m/s2 )の変化を表し、線分Bが熟練上級者による減速度(m/s2 )の変化を表し、線分Cが初心者による減速度(m/s2 )の変化を表す。本願装置(SBAS)による線分Aがほぼ直線状に変化し、目標レートに正確に追従していると言える。
【0033】
図15は選択された制御パターン例の1つの段踏み制動の試験結果図である。制動条件は、車両速度100Km/hから減速度3m/s2 で制動を行い、次に6m/s2 まで減速度を増加させ、そして再度3m/s2 まで減速度を低下させるものである。線分Bが熟練上級者による減速度(m/s2 )の変化を表し、線分Aが本願装置(SBAS)による減速度(m/s2 )の変化を表す。本願装置(SBAS)による線分Aの方が、制動条件に対して正確に追従していることが理解される。
【0034】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、被試験車両の形状、形式、ブレーキペダルの形状、形式、アクチュエータの形状、形式、力センサの形状、形式、減速度センサの形状、形式、ペダルストロークセンサの形状、形式、フィードバック信号に基づく制御形態、制御部の形状、形式、ブレーキ性能の評価項目の種類、制御パターンの種類、制御設定部の形状、形式、液圧による特殊制御の形態(増圧・減圧および圧力保持の制御の組合せ形態)、制御部にて得られた計測データの制御設定部における保存・格納形態、ブレーキペダルに装着されるアタッチメントの形状、形式およびそのブレーキペダルへの装着形態、アクチュエータの乗員シートにおけるベースフレームへの取付け形態等については適宜選択できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【符号の説明】
【0035】
1 制御設定部(パソコン等)
2 特殊制動支援装置(SBAS)制御部
3 マスターシリンダー
4 ディスクロータ
5 制動器
6 出力管
7 加速度センサ
8 車輪速度センサ
9 液圧センサ
10 アクチュエータ(電動アクチュエータ等)
11 ストロークセンサ
12 力センサ
20 ブレーキペダル接続部(アタッチメント)
22 ブレーキペダル
30 シート部
32 ベースフレーム
50 アーム部
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両におけるブレーキ性能の評価に使用する支援装置として種々のものが提案されている。そして、ブレーキ性能の評価に関しても、制動器そのものの評価は無論のこと、制動時の鳴きや異音に関する評価試験・制動器の効力特性・制動時のフィーリング評価等、評価技術の高度化に伴い、今までとは異なる複雑で特殊な制動条件に基づく評価試験が要求されるようになってきている。そこで、被試験車両に搭乗して評価試験を行うテストドライバーが、ブレーキペダルを操作して各種の複雑で特殊な制動条件のもとに評価試験を行うことになる。ところが、テストドライバーが特殊な制動を実施するには、テストドライバーの技量や経験に個人差があって、一定で安定した適切な制動を実施するのは困難であった。そのようなことから、ブレーキ性能の評価に使用するいくつかの支援装置が提案された(例えば下記特許文献等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−142506号公報(公報要約書参照)
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Anthony Best Dynamics 「Brake Robot 」(2007.11.30 インターネットにて閲覧。http://www.abd.uk.com/参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された第1従来例の操作支援機能付き車両を図16を用いて簡単に説明すると、熟練オペレータと非熟練オペレータとの間に操作パターンの差があるために、この特有の操作パターンをオペレータ判定装置150で判定して、オペレータの熟練度を評価し、その結果を用いて、学習制御器134からの出力の重み付けを自動設定するようにしたものである。多様な熟練度のオペレータによる動作指令は各アクチュエータ毎に、操作レバー144からの操作信号145に乗算器151で係数k1を乗じたものと、学習制御器134の出力に乗算器152で係数k2を乗じたものを、加算器143で加算することによって、係数k1とk2との比率を変えることにより、操作信号と学習制御器出力の重み付けを変えることができ、多様な熟練度のオペレータの操作に関わらず、熟練したオペレータが操作したのと同等の作業を可能にした。
【0006】
次に、文献2に開示された第2従来例のABDブレーキロボットを図17を用いて簡単に説明する。このブレーキロボットでは、ブレーキペダルに装着したリンク部材と乗員シート部に設置したフレームに装着したリンク部材との接続軸支点にアクチュエータのロッド先端を軸支したものが開示されている。そして、アクチュエータを操作することによりブレーキペダルに装着したリンク部材がブレーキペダルを踏動して各種ブレーキ性能評価試験を行うことができる。
【0007】
ところが、これらの従来例にあって、前記図16の第1従来例の操作支援機能付き車両では、単に、非熟練オペレータ等の操作を熟練したオペレータが操作したのと同等の作業を可能にするためだけの操作支援装置に過ぎず、ブレーキ性能の評価試験のために、一定で安定した、適切で複雑かつ特殊で多様な制動条件を設定することは不可能であった。
また、前記図17の第2従来例のブレーキロボットでは、ブレーキ性能の評価試験のための支援装置としての機能は有するものの、その文献2中に記載されている試験データ表からも理解されるように、制御項目として、ブレーキペダル踏力、ブレーキペダルストロークおよび車両の加減速度計からのフィードバック制御が設定されているだけで、このブレーキロボットも前記第1従来例のものと同様に、予め特殊な制動条件を設定することは不可能であった。しかも、アクチュエータが直接ブレーキペダルを押圧する訳ではないので、迅速な応答性に問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、前記従来の制動支援装置における諸課題を解決して、テストドライバーの技量差によるバラツキを排除し、複雑かつ特殊な制動を実施することができ、高い評価精度による少ない評価試験回数を実現して評価効率を格段に向上できる特殊制動支援方法およびその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため本発明は、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法において、前記アクチュエータに対する力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づく制御部による制御に加えて、前記アクチュエータに対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部により設定しておくことを特徴とする。また本発明は、前記油圧による特殊制御が、一制動中に増圧・減圧および圧力保持の制御を適宜組み合わせてなされることを特徴とする。また本発明は、前記制御部にて得られた計測データが前記制御設定部等に保存・格納されることを特徴とする。また本発明は、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援装置において、アタッチメントを介してブレーキペダルに装着されるアクチュエータと、該アクチュエータを力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づいて制御を行う制御部と、該制御部にブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め設定する制御設定部とから構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記アクチュエータの基端部は乗員シートが載置されたベースフレームに取り付けられるとともに、ブレーキペダルに装着された該アクチュエータの先端部が直接に前記ブレーキペダルを押し引きするように構成されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法において、前記アクチュエータに対する力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からの制御部によるフィードバック信号に基づく制御に加えて、前記アクチュエータに対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部により設定しておくことにより、テストドライバーの技量差によるバラツキに影響されることなく、一定で安定した複雑かつ特殊な制動条件を取り入れた制御パターンを選択して実施することができ、高い評価精度による少ない評価試験回数を実現して評価効率を格段に向上できる。
【0011】
また、前記油圧による特殊制御が、一制動中に増圧・減圧および圧力保持の制御を適宜組み合わせてなされる場合は、フィードバック制御に加えて、予め設定されるより複雑かつ特殊で多様な制動条件に対して、油圧の変化制御のみにて対応させることができるので、多岐にわたる評価項目が必要な幅広いブレーキ評価試験に適応させることが可能となる。さらに、前記制御部にて得られた計測データが前記制御設定部等に保存・格納される場合は、被試験車両毎のブレーキ性能の評価の比較検討を容易にする他、後で行う同じ制動条件での評価試験の際の制動条件を容易に選択して実施することができる。
【0012】
さらにまた、被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援装置において、アタッチメントを介してブレーキペダルに装着されるアクチュエータと、該アクチュエータを力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づいて制御を行う制御部と、該制御部にブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め設定する制御設定部とから構成されたことにより、各センサからのフィードバック制御を行う制御部をそのまま活用して、該制御部に対して制御設定部が、前記アクチュエータのブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め設定することが可能となり、装置自体をあまり複雑にすることなく、多岐にわたる評価項目が必要な幅広いブレーキ評価試験に適応させることが可能となる。
【0013】
また、前記アクチュエータの基端部は乗員シートが載置されたベースフレームに取り付けられるとともに、ブレーキペダルに装着された該アクチュエータの先端部が直接に前記ブレーキペダルを押し引きするように構成された場合は、アクチュエータの基端部を車体等に取り付けずに済むので、車体床面等に取付孔を穿設する必要がなく、ベースフレームを含む上側を制動支援装置として共通化することができる。その上、アクチュエータの先端部が直接に前記ブレーキペダルを押し引きするように構成されていることにより、分散することなく効率よくアクチュエータがブレーキペダルを操作することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の特殊制動支援装置のシステム概略図である。
【図2】同、特殊制動支援装置における概略制御フローチャートである。
【図3】本発明の特殊制動支援装置が採用された実施例1の運転席近傍の斜視図である。
【図4】同、縦断面図である。
【図5】同、運転席近傍の一部断面平面図である。
【図6】同、シート部を取り外したベースフレーム取付レール部材を示す斜視図である。
【図7】同、運転席近傍の正面図である。
【図8】同、一部断面のアクチュエータとブレーキペダル接続部との接続状態を示す要部断面図である。
【図9】本発明の特殊制動支援装置が採用されたの実施例2の運転席近傍の斜視図である。
【図10】同、図9の正面図である。
【図11】同、図9の一部断面平面図である。
【図12】同、縦断面図である。
【図13】同、制御パターン例である一定制御の試験結果図である。
【図14】同、制御パターン例である追込み制動の試験結果図である。
【図15】同、制御パターン例である段踏み制動の試験結果図である。
【図16】第1従来例の操作支援機能付き車両の説明図である。
【図17】第2従来例のブレーキロボットの説明写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る特殊制動支援方法およびその装置を実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の基本的な構成は、図1(A)に示すように、被試験車両のブレーキペダル22に装着されたアクチュエータ10を操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法において、前記アクチュエータ10に対する力センサ12、減速度センサ7、ペダルストロークセンサ11等からのフィードバック信号に基づく制御部2による制御に加えて、前記アクチュエータ10に対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部1により設定しておくことを特徴とする。
【0017】
本発明の特殊制動支援装置を取り付けない制動装置は、ブレーキペダル22の踏動によってペダルレバー21が支軸を中心に揺動し、ペダルレバー21に一端部が支持されたマスタシリンダ3の図示省略のピストンロッドの押動によって、マスタシリンダ3から出力管6を通じてブレーキ圧油が左右の制動器5、5に作用し、ディスクロータ4、4をそれぞれ挟圧して制動力を発生させる。出力管6内には液圧センサ9が、車両の適宜部位には車両の加減速度を検知する加速度センサ7が配設されている。そして、車輪にはエンコーダーからなる車輪速度センサ8が付設されている。
【0018】
このような制動装置に対して本発明の特殊制動支援装置が取り付けられる。ブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20が取り付けられ、該アタッチメント20に対して、電源により作動する電動アクチュエータ10等が取り付けられる。アクチュエータ10の基端部側は、乗員のシート部30におけるベースフレーム32に起立植設されたアーム部50の上端部に取り付けられる。前記アクチュエータ10は、特殊制動支援装置制御部(Special Brake Assist System :以下制御部あるいはSBASという)2により制御信号を受けて電動制御される。アクチュエータ10には、ブレーキペダル22の踏圧に相当する力センサ12、ブレーキペダル22のストロークに相当するストロークセンサ11が設置されている。制御部2は、前記力センサ12、ストロークセンサ11、液圧センサ9、車輪速度センサ8および加速度センサ7からの信号を得て、フィードバック制御を行う。加えて、制御部2には、パソコン等の制御設定部1からの制御指令が送出される。
【0019】
図1(B)に示すように、制御部2には、パソコン等1のCPUにおける制御パターン設定部1Aにて設定された多種の制御パターンを記録・選択する制御パターン選択部2Aと、選択された特定の制御パターンの制御を開始するスタートボタン2B、その特定の制御パターンについて各センサからのデータを入力しつつフィードバック制御を行う信号処理部2Cおよびその制御履歴記録部2Dを備える。該制御履歴記録部2Dのデータはパソコン等1のCPUにおけるデータ格納部1Bに記録される。
【0020】
制御設定部1において設定される制御指令は、以下に例示するような様々な態様が可能である。
(1)後述する図13のような一定制御。
(2)後述する図14のような追込み制御。
(3)後述する図15のような段踏み制御。
(4)熟練者による上記(1)〜(3)等の各制御。
(5)初心者による上記(1)〜(3)等の各制御。
(6)特定のA氏による上記(1)〜(3)等の各制御。
(7)ノーズダイブ時にブレーキ鳴きを発生させる制御。
これらの制御のための設定を予め制御設定部1において設定しておくことによって、評価試験のために搭乗する乗員は、制御部2における制御パターン選択部2Aで制御パターンを選択し、始動のためのボタン2Bを押すだけの操作をすれば、各センサからの信号を入力値としたフィードバック制御に加えて、予め設定されるより複雑かつ特殊で多様な制動条件毎に、多岐にわたる評価項目が必要な幅広いブレーキ評価試験に適応させることが可能となる。その際、制御はバラツキのある乗員による制動制御を伴わないので、常に一定で安定した制御データが得られるので、高い評価精度による少ない評価試験回数を実現して評価効率を格段に向上できる。
【0021】
図2は本発明の特殊制動支援装置における概略制御フローチャートである。図1(B)を参照しつつ制御フローを説明すると、ステップS1にてパソコン等の制御設定部1を起動する。ステップS2において車速、液圧、減速度、ストロークの中からいずれを制御すべきか、制御対象を選択する。ステップS3において制御対象におけるパラメータの設定がなされ、ステップS4においてブレーキ性能評価試験のための制動条件に適した種々の制御パターン(前記段落0017に例示したようなパターン)の作成・設定がなされる。これらの設定された種々の制御パターンを制御設定部1あるいは制御部2内に設けられた適宜の記憶手段内にマップとして格納される。これらから行われるブレーキ性能評価試験に適した制御パターンが選択される。その選択は、制御部2内あるいはその外部に設けられた制御パターン選択部(ボタン等)2Aの選択押下等により行われる。制御パターンが選択されると、スタートボタン2B等の押下等によりブレーキ制御が開始される。
【0022】
ブレーキ制御が開始されると、ステップS5にて制御部2内の信号処理部2Cにて選択された制御パターンに基づく制御信号に応じて、電動モータ13等(図8参照)の回転駆動によりアクチュエータ10が駆動される。その際の制御は、各センサの検出値(対象、ストローク量等の現在値)を入力する。ステップS6にて目標値との差分を算出する。ステップS7にて、算出された差分から制御パラメータを算出する。ステップS8において制御アルゴリズムによりストローク制御目標値を算出する。ステップS9において、算出されたストローク制御目標値に基づきアクチュエータへストローク量を出力する。かくして、自動補正するフィードバック制御により、制御がパターン通りになされていれば、その制御履歴が制御部2内あるいはパソコン等の制御設定部1内の制御履歴記録部2Dに記録され、ステップS10にて範囲終了が確認されれば、制御設定部1にデータが格納されて、ステップS11にて制御終了動作がなされる。
【0023】
図3〜図8を用いて本発明の特殊制動支援装置の実施例1の取付形態を詳述する。図3は特殊制動支援装置が採用された運転席近傍の斜視図である。本実施例1では、ペダルレバー21の下端部のブレーキペダル22(図3の正面図である図7参照)の上下を挟持する形態にて接続板23が取り付けられる。図7はペダルレバー21の下端部におけるブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20の接続板23が取り付けられた状態を明瞭に理解することができる。図3に戻り、接続板23にはヒンジ部26を介してマグネット接合筒部27が取り付けられる。該マグネット接合筒部27内にはアクチュエータ10におけるピストンロッド15の先端の接続金具が挿入されて、後述する磁石により磁気接続される。
【0024】
アクチュエータ10の基端部側は、乗員(運転者)のシート31が載置されたベースフレーム32にボルト等の固定によって起立植設されたアーム部50を構成するアクチュエータ固定ブラケット54の上端部に接続される。アクチュエータ固定ブラケット54の上端部の接続部に軸支して接続されるクイックリリースピン18の動作・作用については後述する実施例2で詳述する。本実施例では、図4の運転席近傍の縦断面図に示すように、アクチュエータ固定ブラケット54は揺動することなく固定されているので、アクチュエータ固定ブラケット54の上端部とアクチュエータ10の基端部側が接続される接続部53との間に異なった厚さのシム(スペーサ)55を選択的に選択介設することにより、アクチュエータ10の基端部のベースフレーム32に対する高さ、すなわちアクチュエータ10のブレーキペダル22への作動角度を調整する。
【0025】
図7は運転席近傍の正面図である。この図からも明確に理解されるように、ペダルレバー21の下端部におけるブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20の接続板23が取り付けられており、マグネット接合筒部27を介してブレーキペダル接続部20に接続されたアクチュエータ10の両側に一対のアクチュエータ固定ブラケット54の上端部が接続されている。図5は運転席近傍の一部断面平面図である。これによると、アクチュエータ10の両側に一対のアクチュエータ固定ブラケット54が配設されていることが理解される。
【0026】
図6はシート部を取り外したベースフレーム取付レール部材を示す斜視図である。前記図4に示したベースフレーム32より上部のシート部30については、本発明の特殊制動支援装置の主要部を構成する専用の特定形状の要素として、任意の被試験車両のブレーキ性能試験に使い回すことが可能にされる。つまり、任意の被試験車両の床面の形状に適応させたベースフレーム取付レール部材40として、上部の取付部(共通取付面)41Aが前記ベースフレーム32と適合する形状に構成されたレール部材41を採用するものである。したがって、該レール部材41の下部は、その任意の被試験車両の床面への取付部(専用取付面)41Bが形成される。このような下部取付部41Bを任意の被試験車両の床面の形状に適応させたレール部材41を準備することにより、本発明の特殊制動支援装置の主要部を構成する専用の装置がシート部30とともに援用して使用することができて、任意の被試験車両毎に低廉にブレーキ性能評価試験を行うことができる。
【0027】
図8は一部断面のアクチュエータとブレーキペダル接続部との接続状態を示す要部断面図である。前記アタッチメント20に下端部がヒンジ部26にて軸支されたマグネット接合筒部27内の底部に設置された永久磁石(例えば22Kgfの磁気力)28に対して、アクチュエータ10のシリンダ14内に配設されたピストンロッド15の先端に固定された接続金具16が吸着されている。通常のブレーキ性能評価試験におけるブレーキ制御中は、制御部2からの制御信号に応じて電動モータ13等からの回転駆動に基づき、ピストンロッド15が進退し、アタッチメント20を介してブレーキペダル22を自動操作することになる。符号11はストロークセンサを示す。
【0028】
ブレーキ性能評価試験中に、何らかの原因により緊急ブレーキを操作する必要が生じた場合には、乗員がアタッチメント20の接続板23上に設置された基板24を強い力で踏動することによって、前記マグネット接合筒部27内の底部の永久磁石28とピストンロッド15の先端の接続金具16との間の吸着を分離する。接続金具16がマグネット接合筒部27内を例えば20mmスライドすると、アクチュエータ10が脱落する。これにより、車両はアクチュエータ10によるブレーキ制御から開放される。アクチュエータ10のリセットは、基板24の充分に深い踏動により、ピストンロッド15の先端の接続金具16を前記マグネット接合筒部27内に挿入復帰させることによりなされる。また、アクチュエータ10が固着した場合には、アクチュエータ10の基端部におけるロッドエンドベアリング17を、アクチュエータ固定リンク51の上端部に接続される接続部53に軸支して接続しているクイックリリースピン18を引き抜いてアクチュエータ10の基端部を取り外した後、前記ピストンロッド15の先端の接続金具16を前記マグネット接合筒部27から取り外すことで、アクチュエータ10の修理ないし交換を行う。
【実施例2】
【0029】
図9〜図12を用いて本発明の特殊制動支援装置の実施例2の取付形態を詳述する。図9に示すように、ペダルレバー21の下端部のブレーキペダル22(図9の正面図である図10参照)の上下を挟持する形態にて接続板23が取り付けられる。図10はペダルレバー21の下端部におけるブレーキペダル22を上下から挟持してブレーキペダル接続部(アタッチメント)20の接続板23が取り付けられた状態を明瞭に理解することができる。図9に戻り、接続板23にはヒンジ部26を介してマグネット接合筒部27が取り付けられる。該マグネット接合筒部27内にはアクチュエータ10におけるピストンロッド15の先端の接続金具が挿入されて、磁石により磁気接続される。前記アクチュエータ10の基端部側は、乗員(運転者)のシート31が載置されたベースフレーム32に起立植設されたアーム部50を構成するアクチュエータ固定リンク51の上端部に接続される接続部53に支軸によって接続される。アクチュエータ固定リンク51の中間の適宜部位とベースフレーム32との間にはアジャスタ機構52が介設され、アジャスタ機構52の調整によってアクチュエータ固定リンク51の傾きを調整することで、ブレーキペダル22とアクチュエータ10を介したベースフレーム32との位置関係を微調整することができる。
【0030】
図12に示すように、前記アクチュエータ固定リンク51の下端部およびアジャスタ機構52の下端部はベースフレーム32に傾動自在に軸支されている。ベースフレーム32は、車体の床に取り付けられたベースフレーム取付レール部材40におけるレール部材41に取り付けられる。前記ベースフレーム32上に取り付けられたシートレール33に、スライド自在にシート31の下部に固定されたシート台座34が把持される。図11に示すように、前記シート台座34とシートレール33との間の位置決めロック・解除はシートスライドレバー35の係脱によってなされる。前記ブレーキペダル22を挟持して取り付けられる接続板23には、アクチュエータ10の軸と偏位した位置に踏力計を構成する基板24が形成され、該基板24の表面にはセンサ25が設置される。
【0031】
図13は選択された制御パターン例の1つの一定制御の試験結果図である。線分A〜Dは1回目の試験の結果値で、線分E〜Hは2回目の試験の結果値を表している。線分C、Gは1回目と2回目の車輪速(Km/h)の変化を表し、線分D、Hは1回目と2回目の減速度(m/s2 )の変化を表し、線分B、Fは1回目と2回目の液圧の変化(Mpa)を表し、線分A、Eは1回目と2回目のペダルストローク(mm)の変化を表す。この図から理解されるのは、線分B、Fに示されるように液圧2.0Mpaでの液圧制御のとき、一様に車輪速C、Gが減少し、ペダルストロークA、Eも減速度D、Hも2回のデータ収集で線分がほぼ重なっており、本願装置(SBAS)の制御により高精度の制御がなされていることが理解される。
【0032】
図14は選択された制御パターン例の1つの追込み制動の試験結果図である。制動条件は、車両速度100Km/hから制動を開始して、開始直後から減速度を毎秒1.5m/s2 ずつ増加させながら車両停止までペダルを踏み込んでいく。線分Aが本願装置(SBAS)による減速度(m/s2 )の変化を表し、線分Bが熟練上級者による減速度(m/s2 )の変化を表し、線分Cが初心者による減速度(m/s2 )の変化を表す。本願装置(SBAS)による線分Aがほぼ直線状に変化し、目標レートに正確に追従していると言える。
【0033】
図15は選択された制御パターン例の1つの段踏み制動の試験結果図である。制動条件は、車両速度100Km/hから減速度3m/s2 で制動を行い、次に6m/s2 まで減速度を増加させ、そして再度3m/s2 まで減速度を低下させるものである。線分Bが熟練上級者による減速度(m/s2 )の変化を表し、線分Aが本願装置(SBAS)による減速度(m/s2 )の変化を表す。本願装置(SBAS)による線分Aの方が、制動条件に対して正確に追従していることが理解される。
【0034】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、被試験車両の形状、形式、ブレーキペダルの形状、形式、アクチュエータの形状、形式、力センサの形状、形式、減速度センサの形状、形式、ペダルストロークセンサの形状、形式、フィードバック信号に基づく制御形態、制御部の形状、形式、ブレーキ性能の評価項目の種類、制御パターンの種類、制御設定部の形状、形式、液圧による特殊制御の形態(増圧・減圧および圧力保持の制御の組合せ形態)、制御部にて得られた計測データの制御設定部における保存・格納形態、ブレーキペダルに装着されるアタッチメントの形状、形式およびそのブレーキペダルへの装着形態、アクチュエータの乗員シートにおけるベースフレームへの取付け形態等については適宜選択できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【符号の説明】
【0035】
1 制御設定部(パソコン等)
2 特殊制動支援装置(SBAS)制御部
3 マスターシリンダー
4 ディスクロータ
5 制動器
6 出力管
7 加速度センサ
8 車輪速度センサ
9 液圧センサ
10 アクチュエータ(電動アクチュエータ等)
11 ストロークセンサ
12 力センサ
20 ブレーキペダル接続部(アタッチメント)
22 ブレーキペダル
30 シート部
32 ベースフレーム
50 アーム部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法において、前記アクチュエータに対する力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づく制御部による制御に加えて、前記アクチュエータに対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部により設定しておくことを特徴とする特殊制動支援方法。
【請求項2】
前記油圧による特殊制御が、一制動中に増圧・減圧および圧力保持の制御を適宜組み合わせてなされることを特徴とする請求項1に記載の特殊制動支援方法。
【請求項3】
前記制御部にて得られた計測データが前記制御設定部等に保存・格納されることを特徴とする請求項1または2に記載の特殊制動支援方法。
【請求項4】
被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援装置において、アタッチメントを介してブレーキペダルに装着されるアクチュエータと、該アクチュエータを力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づいて制御を行う制御部と、該制御部にブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め設定する制御設定部とから構成されたことを特徴とする特殊制動支援装置。
【請求項5】
前記アクチュエータの基端部は乗員シートが載置されたベースフレームに取り付けられるとともに、ブレーキペダルに装着された該アクチュエータの先端部が直接に前記ブレーキペダルを押し引きするように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の特殊制動支援装置。
【請求項1】
被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援方法において、前記アクチュエータに対する力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づく制御部による制御に加えて、前記アクチュエータに対して前記ブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め制御設定部により設定しておくことを特徴とする特殊制動支援方法。
【請求項2】
前記油圧による特殊制御が、一制動中に増圧・減圧および圧力保持の制御を適宜組み合わせてなされることを特徴とする請求項1に記載の特殊制動支援方法。
【請求項3】
前記制御部にて得られた計測データが前記制御設定部等に保存・格納されることを特徴とする請求項1または2に記載の特殊制動支援方法。
【請求項4】
被試験車両のブレーキペダルに装着されたアクチュエータを操作して前記被試験車両のブレーキ性能の評価を行うための制動支援装置において、アタッチメントを介してブレーキペダルに装着されるアクチュエータと、該アクチュエータを力センサ、減速度センサ、ペダルストロークセンサ等からのフィードバック信号に基づいて制御を行う制御部と、該制御部にブレーキ性能の評価項目に対応した油圧による複雑な特殊制御を可能にする制御パターンを予め設定する制御設定部とから構成されたことを特徴とする特殊制動支援装置。
【請求項5】
前記アクチュエータの基端部は乗員シートが載置されたベースフレームに取り付けられるとともに、ブレーキペダルに装着された該アクチュエータの先端部が直接に前記ブレーキペダルを押し引きするように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の特殊制動支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−164308(P2010−164308A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4245(P2009−4245)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【出願人】(591210600)川田工業株式会社 (57)
【出願人】(509012832)株式会社計測技研 (1)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【出願人】(591210600)川田工業株式会社 (57)
【出願人】(509012832)株式会社計測技研 (1)
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