説明

牽引移動式の定量供給装置

【課題】牽引移動式の定量供給装置における飼料の定量供給出口の高さ位置を、トラクタによる牽引走行の際に、支障を生ぜしめずに、略2mの高さ位置になっている細断型コンビラップマシンBのホッパの上面側の開放口より高くし得るようにする。
【解決手段】床面にフロアコンベア40を装備せるボックス4を装架せしめて、トラクタTの牽引により自在に走行する機体wに、前記ボックス4に設けた排出口41から排出される飼料を搬送方向の始端側に受け継いで終端側の定量供給出口aに搬送する2段目のフロアコンベア50を、搬送方向が略水平な方向に沿う略水平な姿勢と、搬送方向の始端側から終端側に向けて傾斜上昇する傾斜姿勢とに、切り換え自在に装架せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機で収穫してダンプカーの荷台に収容して移送したデントコーンなどの飼料を、成形処理するベーラー・ラッピングマシン等の処理装置に、定量的に供給する定量供給装置に関する。
【0002】
さらに具体的にいえば、収穫機で収穫したデントコーンなどの飼料作物を、ベーラー・ラッピングマシン等の成形・梱包処理する処理装置に供給して行う処理作業において、ダンプカーの荷台に載架して、処理装置が置かれている作業場所に搬送してきた飼料作物を、処理装置に供給して処理作業を行うときの、飼料作物の処理装置に対する供給を定量的に行わすために、ダンプカーの荷台と処理装置との間に、中間的に存在するように配設しておいて、ダンプカーの荷台で搬送してきた飼料を受け入れ、その飼料が定量的に均らされて定量供給出口から放出されたところで、処理装置に供給されるように用いる牽引移動式の定量供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
収穫機で収穫したデントコーン等の飼料を、ダンプカーの荷台に受け入れて搬送し、その飼料を、ベーラー等の処理装置に供給して、ベール等の形態に成形処理するときに、ダンプカーの荷台から一たん中間的に飼料を受け入れ、その飼料を定量的に制御して処理装置に供給するダンプボックスと呼ばれる定量供給装置がある。
【0004】
この定量供給装置は、図1・図2に示しているように、機筐状に形成して走行輪10により移動自在としたボックス1内の床面に、フロアコンベア11を設け、そのコンベア11の搬送方向の終端側の上方に回転作動するビーター12を軸架し、床面のコンベア11の終端部の前方位置に飼料の排出口13を設け、その排出口13の下方に横送りコンベア14を設けて、その横送りコンベア14の終端を供給出口としている構成のもので、機筐状のボックス1の前面側に設けた牽引杆15をトラクタ(図示省略)に連結して、そのトラクタにより移動走行し、トラクタに装備せる油圧装置から油圧ホースで導く油圧により、フロアコンベア11及びビーター12を駆動して作動させるものである。
【0005】
このダンプボックスと呼ばれる定量供給装置Aは、圃場の所望の適宜場所に停止して設置される飼料作物を成形・梱包処理する細断型コンビラップマシンBの隣側位置に、図3・図4に示しているように位置させ、牽引してきたトラクタを外し、ボックス1の前端側が接地して下降し、後端側が上昇する傾斜姿勢とし、外したトラクタを近傍位置に配置して、油圧装置を油圧ホースによりボックス1内のフロアコンベア11及びビーター12の駆動軸に設けた油圧モータに接続して、それらコンベア11及びビーター12を作動させる状態としておく。そして、この状態のところに、荷台cに飼料を受け入れたダンプカーCを、図3・図4にあるように寄せてきて、荷台cをダンプさせて、飼料をボックス1内に投入し、その飼料をボックス1内のフロアコンベア11、及びビーター12の作動で、ボックス1の後端側の排出口13に向け定量的に搬送して、その排出口13から落下させて排出し、それを、ボックス1の後端側の下面に装架してある横送りコンベア14に受け継がせて横方向に移送し、その横送りコンベア14の終端部で形成する放出口をもって、定量供給出口aとし、ここから放出される飼料を、処理装置である細断型コンビラップマシンBの飼料の受け入れ用のホッパbに対し供給するように用いている。
【0006】
このとき、定量供給出口aとなる横送りコンベア14の終端部の高さ位置が、細断型コンビラップマシンBのホッパbの受け入れ口の高さ位置より低いことで、通常は、別に定置式コンベアDを用意しておき、これを、図3・図4にあるように、ボックス1下面に組み付けた横送りコンベア14の終端部と細断型コンビラップマシンBのホッパbとを継なぐように設置し、ボックス1の定量供給出口aとなる横送りコンベア14の終端から放出される飼料を、定置式コンベアDに送り込み、その定置式コンベアDで細断型コンビラップマシンBのホッパbに供給するようにしている。
【0007】
このように用いるダンプボックスと呼ばれる定量供給装置Aは、トラクタ等により牽引走行させることで移動が容易であるが、定量供給を行うための定量供給出口aとなる横送りコンベア14の高さ位置が低いことで、受入口となる上面側の開口部の高さ位置が、通常2m程度となっている細断型コンビラップマシンBの荷箱(ホッパ)bに飼料を供給する場合には、揚程を高くした定置式コンベアDか、飼料吹上ブロワーが別に必要となる。そして、作業場所の移動の際、この別に用意する定置式コンベアDを移動させるために、これを搭載して移動させるトラックが別に必要となることで、作業員を多くする問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明において解決しようとする課題は、牽引移動式の定量供給装置における飼料の定量供給出口の高さ位置を、トラクタによる牽引走行の際に、支障を生ぜしめずに、略2mの高さ位置になっている細断型コンビラップマシンBのホッパの上面側の開放口より高くし得るようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するための手段として、図5、図6にあるように床面にフロアコンベア40を装備せるボックス4を装架せしめて、トラクタTの牽引により自在に走行する機体wに、前記ボックス4に設けた排出口41から排出される飼料を搬送方向の始端側に受け継いで終端側の定量供給出口aに搬送する2段目のフロアコンベア50を、搬送方向が略水平な方向に沿う略水平な姿勢と、搬送方向の始端側から終端側に向けて傾斜上昇する傾斜姿勢とに、切り換え自在に装架せしめたことを特徴とする牽引移動式の定量供給装置を提起するものである。
また、これに併せて、トラクタTの牽引により走行自在とした車体フレーム2に、機体フレーム3を、支点軸P中心に前傾回動可能に支架し、その機体フレーム3の上部側に、床面にフロアコンベア40を装備せしめたボックス4を装架し、下部側には、前記ボックス4に形成した排出口41から排出される飼料を搬送方向の始端側に受け継いで終端側の定量供給出口aに搬送する2段目のフロアコンベア50を、常態においては、搬送方向が略水平な方向に沿う略水平な姿勢に保持され、機体フレーム3の支点軸P中心とする前傾回動により、搬送方向の始端側から終端側に向け傾斜上昇する傾斜姿勢に変換して定量供給出口aを形成する終端部の高さ位置を上昇せしめるように組み付け支架せしめたことを特徴とする牽引移動式の定量供給装置を提起し、
さらに、上述の牽引移動式の定量供給装置において、機体フレーム3の前傾回動により圃場面GLに前端下縁部が当接してくるボックス4の前面の圃場面GLに、ダンプカーCの後輪92に踏み付けさせる平板状の踏み台90を敷設し、その踏み台90を、機体フレーム3の前傾回動により前端側の下部を圃場面GLに当接させたボックス4に対し一体的に連結せしめて、ダンプカーCの重量により傾斜させたボックス4を圃場面に据え付け固定するようにした牽引移動式の定量供給装置を提起し、
さらにまた、上述の牽引移動式の定量供給装置において、床面にフロアコンベア40を装備せるボックス4の内部で、排出口41の上方で、前記フロアコンベア40の搬送方向の終端部の上方に位置する部位に、該ボックス4の内部を左右に横切る規制パイプ42を装設した牽引移動式の定量供給装置を提起するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明による牽引移動式の定量供給装置は、ボックス4に設けた排出口41から排出される飼料を搬送方向の始端側に受け継いで終端側の定量供給出口aに搬送する2段目のフロアコンベア50を、搬送方向が略水平な方向に沿う略水平な姿勢と、搬送方向の始端側から終端側に向け傾斜上昇する傾斜姿勢とに切り換わるように機体に組み付け支架してあって、略水平な姿勢とすることで、トラクタによる移動走行に支障を生ぜしめないようになり、傾斜姿勢とすることで、定量供給出口aを形成する終端部の高さ位置を高くするようにしているのだから、従来定量供給装置と別に用意しておいた揚程の高い定置式コンベアDを、2段目のフロアコンベアとして、移動に支障を生ぜしめない形態で、機体に組み込んだことになり、トラクタによる牽引走行を容易にして、定量供給出口の高さ位置を高くし得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従前の牽引移動式の定量供給装置の、作業状態時における一部縦断した側面図である。
【図2】同上定量供給装置の作業状態時における縦断後面図である。
【図3】同上定量供給装置の、細断型コンビラップマシンに飼料を供給する作業状態時における一部縦断した側面図である。
【図4】同上定量供給装置の、同上作業状態時における平面図である。
【図5】本発明を実施せる牽引移動式の定量供給装置の、トラクタにより牽引して走行している状態時の一部縦断した側面図である。
【図6】同上定量供給装置の、2段目のフロアコンベアを傾斜姿勢に切り換えて、定量供給出口を形成する終端部を上昇させた状態として、細断型コンビラップマシンのホッパに飼料を供給している状態時の一部縦断した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に実施の形態を実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0013】
図5・図6は本発明を実施せる牽引移動式定量供給装置を示し、図5は同上牽引移動式定量供給装置の、トラクタに牽引させて移動する状態時の一部縦断した側面図、図6は同上装置の、ダンプカーの荷台から放出される飼料を受け入れて細断型コンビラップマシンに定量供給している供給作業時の縦断側面図である。
【0014】
図5において、Wは牽引移動式定量供給装置の全体を示し、wは、車体フレーム2とこれに支点軸Pを介し前後に傾斜回動自在に支架せる機体フレーム3とで構成する機体を示す。4はその機体wの上部側に装架せしめた荷箱状のボックス、40はそのボックス4の床面に装架した1段目のフロアコンベア、5は機体wの下部側に装架せる樋状の枠体、50はその枠体5の床面に装架した2段目のフロアコンベアを示す。
【0015】
車体フレーム2は、左右の桁杆と前後の枠杆とで平面視において四角な囲い枠状に形成してあり、前端側には、連結器20を備えた牽引杆21が、図5にあるよう前方に突出する状態と、図6にあるよう車体フレーム2内に引き込まれた状態とに切り換わるよう伸縮自在に設けられ、また、後端側には左右に走行輪22が軸支してあって、これにより、前端側の連結器20をトラクタTの後部ヒッチに連結することで、トラクタTの運転走行により、牽引されて自在に走行移動し得るようにしてある。
【0016】
機体フレーム3は、前記車体フレーム2の、左右の桁杆の前後の中間部位に渡架するように軸支した支点軸Pにより車体フレーム2に対し前後に回動自在に軸架してあり、この支点軸Pと、機体フレーム3の前端側で上下の中間部位に設けた連結部と車体フレーム2の前端部との間に渡架した油圧シリンダ6とにより、車体フレーム2に対し所定の姿勢を保持して支持されるよう支架してあり、その油圧シリンダ6を伸長作動させることで、図6にあるように、機体フレーム3が略垂直な姿勢となり、また、油圧シリンダ6を収縮作動させることで、図6にあるよう前方に向け起立回動して傾斜姿勢となるようにしてある。
【0017】
この機体フレーム3の上部側に支架したボックス4は、ダンプカーCの荷台cから放出される飼料を受け入れて、フロアコンベア40により排出口41から定量的に排出させて、細断型コンビラップマシンBに供給する定量供給装置を構成するものであり、従前のダンプボックスと呼ばれる定量供給装置のボックスと同様に機筐状に形成され、内部の床面には、駆動軸に設けた油圧モータを圧油の送給で作動させることで、前後方向にエンドレスに回動するフロアコンベア40が装架してある。そして、このボックス4は、床面に設けたフロアコンベア40が、略水平な姿勢となった状態で、略垂直な姿勢に保持された機体フレーム3に支架されるように、その機体フレーム3の上部側に支持されている。また、このボックス4の床面の後端側で、前記フロアコンベア40の搬送方向の終端部の後方部位に、排出口41が開設してあり、この排出口41の上方で、前述のフロアコンベア40の終端部の上方に位置する部位には、前記コンベア40で排出口41に向け搬出される飼料の上層部に接触して、飼料の堆積高さを制限し、排出量を制御・規制する規制パイプ42が、ボックス4の左右の側壁間に渡架されるように装設してある。
【0018】
機体フレーム3の下部側に装架せる樋状の枠体5は、前述のボックス4の床面の後端側に開設した排出口41から落下してくる飼料を受けて搬送する2段目のフロアコンベア50を支架せしめるための支持機枠である。この2段目のフロアコンベア50は、前述の1段目のフロアコンベア40と同様に、駆動軸に設けた油圧モータを圧油の送給で作動させることで、前後方向にエンドレスに回動して、ボックス4内のフロアコンベア40の流端部から放出される飼料を受け継いで搬送するよう作動するコンベアであり、図1・図2に示している従前のダンプボックスと呼ばれる定量供給装置Aの、横送りコンベア14に対応するコンベアであって、該フロアコンベア40の終端部で形成する放出口が、定量供給出口aとなるコンベアである。
【0019】
このボックス4のフロアコンベア40の終端部から放出される飼料を受け継いで搬送する2段目のフロアコンベア50は、従前手段にあっては、横送りコンベアとして、搬送方向をボックス1内の床面に設けたフロアコンベア11の搬送方向と直交する方向としているが、本発明手段の実施例においては、搬送方向を、ボックス4内に設ける1段目のフロアコンベア40の搬送方向と同じ方向とし、かつ、図5にあるように、機体フレーム3の上端側に支架したボックス4内のフロアコンベア40の下方において、そのフロアコンベア40と平行して水平な姿勢で後方に向け突出する状態に装架せしめるようにしている。
【0020】
このため、この2段目のフロアコンベア50の支持機枠である樋状の枠体5は、樋状をなす左右の側板5a及び床板5bが前後方向に長く連続する前後に長い形態のものに形成してあり、かつ、前述のボックス4と平行して水平な姿勢をもって機体フレーム3の後面側から後方に向け突出するように機体フレーム3に装架してある。
【0021】
そして、この支持機枠となる樋状の枠体5内に装架する前述の2段目のフロアコンベア50は、それの搬送方向の始端側が、機体フレーム3を前後に傾斜回動自在に軸支する支点軸Pの後方で、その支点軸Pの近傍位置を占め、終端部が枠体5の後端側に形成した開放口の手前に位置するように配位して装架してある。
【0022】
この2段目のフロアコンベア50は、機体フレーム3を、油圧シリンダ6の収縮作動により支点軸P中心に前方に回動させたとき、機体フレーム3と一緒に回動し、支点軸Pの近傍に位置する始端部を略回動中心として、図6において左まわりに起立回動し、始端側を基点として終端側が斜め後方上方に向かう傾斜姿勢となり、これにより、終端部が始端側よりも高い位置を占める状態となって、処理装置Bに対し飼料を供給する定量供給出口aとなるこの終端部の高さ位置が上昇してくるようにしている。
【0023】
そして、2段目のフロアコンベア50は、この機体フレーム3の傾斜回動に追従して行われる傾斜姿勢への変換によって上昇してくる終端部が、処理装置Bのホッパbの上面側の開放口に対し飼料を供給し得る高さ位置となるように、回動支点軸Pから終端部までの搬送方向の長さを設定している。
【0024】
即ち、図6にあるように、フロアコンベア50が支点軸P中心に起立回動したときに、それにより上昇する定量供給出口aを形成する終端部が、通常約2mの高さとなっている処理装置Bのホッパbの上面の開放口より、上方に越した高さ位置を占めるようになるまで上昇してくるように、支点軸Pから該フロアコンベア50の終端部までの長さを設定している。
【0025】
傾斜角度を大きくすれば、フロアコンベア50は搬送方向の長さを短く設定してよく、また、フロアコンベア50の搬送方向の長さを長くすれば、傾斜角度は小さく設定してよい。
【0026】
図示する実施例では、機体フレーム3を、油圧シリンダ6の収縮作動により支点軸P中心に前方に回動させて、その機体フレーム3の上部側に支架してあるボックス4の前端部が圃場面GLに当接して回動が阻止される限度まで回動させたときの略45度の角度を基準とし、この角度に傾斜回動させたときに、終端部が約2mの高さ位置に上昇してくるようにフロアコンベア50の長さを設定している。
【0027】
また、この2段目のフロアコンベア50を支持する樋状の枠体5の左右の側板と、ボックス4の後端側における左右の側板との間には、ボックス4の排出口41から落下する飼料を、枠体5内のフロアコンベア50の始端側の部位に向け巾寄せするように誘導案内するすべり板7が、機体フレーム3を補強するように渡架連結してあり、さらに、ボックス4の下面側には、排出口41より前方に寄る部位から枠体5の内腔の始端側に向けて垂下するすべり板8が、ボックス4の下面と枠体5の上面との間の空間を前後に仕切るように垂設してある。
【0028】
9は、機体フレーム3の前傾回動で、支架せるボックス4の前端側が圃場面GLに当接するまで前方に傾斜回動させて、枠体5に支架せる2段目のフロアコンベア50の終端部の高さ位置を、図6にあるように、処理装置Bのホッパbの上面側の開放口の上方に位置する所定の高さ位置に上昇させ、この状態において、ダンプカーCの荷台cに搭載してきた飼料をボックス4内に受け入れて、処理装置Bに対し定量供給する作業を行う場合において、寄せてきたダンプカーCが荷台cをダンプ回動させて飼料を牽引移動式の定量供給装置Wのボックス4内に投入するときに、定量供給装置Wが荷台cから投入される飼料で押されて動くことのないよう、定量供給装置Wを固定する固定支持手段を示す。
【0029】
固定支持手段9は、この例においては、圃場面GLに平らに設置される前後に長い平板状に形成した踏み台90と、それの基端側となる後端側に、ボックス4の前端側の下縁部に装設される連結器43に対して装脱自在に連結するよう設けられる連結部材91とで構成している。
【0030】
この固定支持手段9は、傾斜回動させて接地状態としたボックス4の前面側の圃場面に、踏み台90を敷き込むように配置し、基端側の連結部材91をボックス4に設けた連結器43に組み付け連結し、先端側がボックス4の前面において前方に長く突出する状態として、ボックス4に対し一体的に連結しておき、荷台cに飼料を載架したダンプカーCが、ボックス4の前面側に寄せられてきたときに、そのダンプカーCの後輪92が、踏み台90の上にのり上がって踏圧するようにしてダンプカーCの重量によりボックス4を動かないように据え付け固定する。
【0031】
このように構成しているこの実施例の定量供給装置Wは、ボックス4の床面に設けたフロアコンベア40で搬送されて、排出口41から定量的に制御されて落下する飼料を受け継いで、定量供給出口aに送り出すフロアコンベア50が、2段目のフロアコンベアとして、機体フレーム3に、ボックス4の床面のフロアコンベア40と平行して前後方向に沿う姿勢として支架してあるのだから、車体フレーム2の前端に設けた牽引杆20をトラクタTに連結して定量供給装置Wを走行移動させるときに、移動の邪魔になることがなく、定量供給装置Wの移動を容易なものとする。
【0032】
そして、ダンプカーCで運ばれてきた飼料を、定量供給装置Wで、供給量を定量的に制御して処理装置Bに供給するときは、機体フレーム3を前傾させることで、この2段目のフロアコンベア50が起立回動して、定量供給出口aを形成する終端部が処理装置Bのホッパbの上面開放口より高い位置を占めるまでに上昇して、従前の別おきに用いる、終端部の定量供給出口aの位置を高くした定置式コンベアDとして機能するものに切り換わってくる。
【0033】
従って、この本発明による牽引移動式の定量供給装置Wは、従来、別に用意しておいた揚程の高い定置式コンベアDを、2段目のフロアコンベア50として、移動に支障のない形態で機体に組み込んだことになり、トラクタTによる牽引移動を容易にして、定量供給出口aの高さ位置を高くした定量供給装置を構成するようになる。
【符号の説明】
【0034】
A 定量供給装置
B 細断型コンビラップマシン(処理装置)
C ダンプカー
D 定置式コンベア
GL 圃場面
P 支点軸
T トラクタ
W 牽引移動式定量供給装置
a 定量供給出口
b ホッパ
c 荷台
w 機体
1 ボックス
10 走行輪
11 フロアコンベア
12 ビーター
13 排出口
14 横送りコンベア
15 牽引杆
2 車体フレーム
20 連結器
21 牽引杆
22 走行輪
3 機体フレーム
4 ボックス
40 1段目のフロアコンベア
41 排出口
42 規制パイプ
43 連結器
5 枠体
5a 側板
5b 床板
50 2段目のフロアコンベア
6 油圧シリンダ
7 8 すべり板
9 固定支持手段
90 踏み台
91 連結部材
92 後輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面にフロアコンベア(40)を装備せるボックス(4)を装架せしめて、トラクタ(T)の牽引により自在に走行する機体(w)に、前記ボックス(4)に設けた排出口(41)から排出される飼料を搬送方向の始端側に受け継いで終端側の定量供給出口(a)に搬送する2段目のフロアコンベア(50)を、搬送方向が略水平な方向に沿う略水平な姿勢と、搬送方向の始端側から終端側に向けて傾斜上昇する傾斜姿勢とに、切り換え自在に装架せしめたことを特徴とする牽引移動式の定量供給装置。
【請求項2】
トラクタ(T)の牽引により走行自在とした車体フレーム(2)に、機体フレーム(3)を、支点軸(P)中心に前傾回動可能に支架し、その機体フレーム(3)の上部側に、床面にフロアコンベア(40)を装備せしめたボックス(4)を装架し、下部側には、前記ボックス(4)に形成した排出口(41)から排出される飼料を搬送方向の始端側に受け継いで終端側の定量供給出口(a)に搬送する2段目のフロアコンベア(50)を、常態においては、搬送方向が略水平な方向に沿う略水平な姿勢に保持され、機体フレーム(3)の支点軸(P)中心とする前傾回動により、搬送方向の始端側から終端側に向け傾斜上昇する傾斜姿勢に変換して定量供給出口(a)を形成する終端部の高さ位置を上昇せしめるように組み付け支架せしめたことを特徴とする牽引移動式の定量供給装置。
【請求項3】
機体フレーム(3)の前傾回動により圃場面(GL)に前端下縁部が当接してくるボックス(4)の前面の圃場面(GL)に、ダンプカー(C)の後輪(92)に踏み付けさせる平板状の踏み台(90)を敷設し、その踏み台(90)を、機体フレーム(3)の前傾回動により前端側の下部を圃場面(GL)に当接させたボックス(4)に対し一体的に連結せしめて、ダンプカー(C)の重量により傾斜させたボックス(4)を圃場面に据え付け固定するようにしたことを特徴とする請求項2記載の牽引移動式の定量供給装置。
【請求項4】
床面にフロアコンベア(40)を装備せるボックス(4)の内部で、排出口(41)の上方で、前記フロアコンベア(40)の搬送方向の終端部の上方に位置する部位に、該ボックス(4)の内部を左右に横切る規制パイプ(42)を装設したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の牽引移動式の定量供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−26086(P2011−26086A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175397(P2009−175397)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000132909)株式会社タカキタ (34)
【Fターム(参考)】