説明

現像装置および画像形成装置

【課題】磁気記録回転体上に現像パターンを形成したものを版として用いることで安定した画質を得ることが可能な現像装置を提供する。
【解決手段】磁気書込ヘッド2は、画素単位のコイルを有しており、各コイルに電流を流して磁気書込ヘッド2の磁極先端部から漏洩磁束を生じさせることにより、磁気記録ローラ1の表面を磁化させる。これによって磁気記録ローラ1が回転方向に沿って回転するに従って磁気記録ローラ1の表面に磁気潜像が形成される。磁性粒子供給ローラ3aが磁性粒子保持部3b中の磁性粒子と接触することによって、磁性粒子供給ローラ3aの表面に磁性粒子が層となって付着する。中間転写ローラ6には、表面に磁性粒子を付着させることが可能な物質が担持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気潜像を保持できる磁気記録回転体上に磁性粒子を用いて現像パターンを形成したものを版として用いる現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現像されたパターンを紙などの記録用紙に画像として印刷する現像装置として様々な方式が挙げられる。高速で印刷することが実現できる方式としては、静電潜像を乾式トナーまたは湿式トナー等の着色粉体を用いて現像する電子写真方式(たとえば、特許文献1)、磁気潜像を磁性トナーを用いて現像するマグネトグラフィ方式(たとえば、特許文献2)、インクを微小液滴として吐出するインクジェット方式などが挙げられる。
【0003】
しかしながら、これらの方式では着色粉体や微小液滴を使っているため個々の着色粉体や液滴までは制御しきれず、安定して大量の画像を高画質で印刷することは難しい。
【0004】
また、電子写真方式では静電気という制御が難しい要素を使っていることが安定した画質を保つのをさらに難しくしている。マグネトグラフィ方式では磁性トナーを使っていることがカラー化を難しくしている。インクジェット方式では低粘度のインクしか吐出できないことで滲みやすくなったり、ヘッドの目詰まりによって画像欠損が発生したりしてしまう。
【0005】
安定して大量の画像を高画質で印刷できる方式として、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、グラビア印刷方式などが挙げられる。これらの印刷方式は同じ版を繰り返し使い、版に安定した量のインクを供給して印刷するので、高画質の画像を安定して大量に形成することができる。
【0006】
しかしながら、これらの版を使った方式は、同じ画像を大量に印刷することが前提となった画像形成方式であるので、1枚ずつ違った画像を印刷するような、いわゆるバリアブル印刷には対応できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−51119号公報
【特許文献2】特開2009−92941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電子写真方式、マグネトグラフィ方式、インクジェット方式などの印刷方式は、同じ版を繰り返し使うものではなくバリアブル印刷を得意としている。しかし、高画質の画像を安定して印刷することが難しい。
【0009】
現存する画像形成方式で、安定して大量の画像を高画質で印刷することと、バリアブル印刷を両立している印刷方式はない。そのため、たとえば、大部分が同じ画像で1部分だけが1枚1枚違うようなものを安定した画質で大量に印刷しようとしたときには同じ絵柄の部分と1枚1枚違う部分とで、違う画像形成装置を使って印刷しなければならない。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであって、磁気記録回転体上に現像パターンを形成したものを版として用いることで安定した画質を得ることが可能な現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある局面に従う現像装置は、表面に磁気潜像を保持できる磁気記録体と、磁気記録体に磁気潜像を書き込む磁気書込ヘッドと、磁気書込ヘッドに書き込まれた磁気潜像の上に磁性粒子を供給することによって現像する第1現像手段と、磁気記録体と接触させ、第1現像手段により磁気記録体の表面に現像された磁性粒子を保持できる物質を担持した中間転写ローラとを備える。
【0012】
好ましくは、中間転写ローラの表面に水を含む液体である湿し水を供給する湿し水供給手段をさらに備え、磁性粒子の表面は、中間転写ローラの表面よりも高い親水性を有し、中間転写ローラ上に付着した磁性粒子に湿し水を含ませることで、画像部と非画像部の親水性コントラストを形成する。
【0013】
好ましくは、磁気記録体の表面上の付着物を除去するための磁気記録体清掃手段と、磁気記録体に形成した磁気潜像を消去するための消磁手段とをさらに備える。
【0014】
好ましくは、中間転写ローラの表面には、転移温度以上で粘着力が発現する感温性粘着材料が担持されたものであり、中間転写ローラ上の感温性粘着材料を転移温度以上に加熱するための加熱装置をさらに備える。
【0015】
好ましくは、中間転写ローラ上に付着した磁性粒子を単層化するための単層化手段と、中間転写ローラ上の付着物を除去する清掃手段とをさらに備える。
【0016】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、着色剤を上記に記載の現像装置における中間転写ローラの表面上に供給する第2現像手段と、中間転写ローラと接触させ、第2現像手段によって中間転写ローラの表面上に付着した着色剤を転写して画像形成するためのブランケットとをさらに備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明のある局面に従う現像装置において、磁気書込ヘッドに書き込まれた磁気潜像の上に磁性粒子を供給することによって現像する第1現像手段と、磁気記録体と接触させ、第1現像手段により磁気記録体の表面に現像された磁性粒子を保持できる物質を担持した中間転写ローラとを設けることにより、中間転写ローラにおいて、磁性粒子の像を保っておいてそれを版として繰り返し使うことで安定した画質で画像形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に従う画像形成装置100について説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う現像装置20Aの主要部の構成について説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う画像形成ユニット100Aの構成について説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う磁気記録ローラ1に形成された磁気潜像を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う磁気記録ローラ1に形成された磁気潜像の顕像化について説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う中間転写ローラ6に付着した磁性粒子について説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う中間転写ローラ6に付着した磁性粒子に湿し水を付加した状態を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に従うインク供給器10により版にインクを供給した場合を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に従う記録用紙に転写する場合を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う単層化装置8の具体的構成について説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置20Bの構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に基づいた各実施の形態における現像装置および画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0020】
また、画像形成装置として、複数の画像形成ユニットを備えるフルカラー方式の画像形成装置100を図示しているが、本発明は、フルカラー方式にのみ限定されるものではなく、モノクロ画像のみを形成する1色(ブラック等)の画像形成ユニットを採用している画像形成装置への適用も可能である。また、本発明は、小型のプリンタ、オフィス用複合機、および商業印刷を用途とする高速・大量印刷可能な画像形成装置などへの適用が可能である。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置100について説明する図である。
画像形成装置100は、その上部側に、スキャナ53、フィーダ55が設けられている。フィーダ55は原稿をスキャナ53に送る。さらに、画像形成装置100の上面に操作部50が設けられている。
【0022】
画像形成装置100の下部側には、給紙部58が配置され、さらに画像形成装置100本体に付設するようにして大容量給紙部59が配置されている。画像形成装置100内部には、後述の画像形成ユニット100Aが、フルカラー画像を形成するための各色に対応して複数設けられている。給紙部58または大容量給紙部59から搬送された記録媒体としての用紙に画像形成ユニット100Aによって画像が形成される。
【0023】
画像形成装置100本体に付設して後処理装置56が設置されており、画像形成がなされた用紙に所望の後処理(ステープル、パンチなど)を行えるようになっている。画像形成がなされ、必要に応じて後処理がなされた用紙はトレイ57に排出される。
【0024】
画像形成ユニット100Aは、本発明の実施の形態に従う現像装置20Aを含んでいる。
【0025】
以下、現像装置20Aの構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に従う現像装置20Aの主要部の構成について説明する図である。
【0026】
図2を参照して、現像装置20Aは、磁気記録ローラ1と、この磁気記録ローラ1の周囲に、回転方向(図中R1方向)に沿って、磁気書込ヘッド2、磁性粒子供給装置3、中間転写ローラ6と、消磁器4と、磁気記録ローラ清掃器5とが順番に設けられている。
【0027】
消磁器4および磁気記録ローラ清掃器5の順番は逆でも良いが、その場合清掃器の粒子を剥離する力が、磁気記録ローラ1が粒子を拘束する力より大きな力を持つことが必要である。
【0028】
磁気記録ローラ1は、撥水性(親油性)表面を有し、現像装置20Aに対して回転可能な状態で保持されている。磁気記録ローラ1の磁気記録機能については、従来のマグネトグラフィで提案されている磁気ローラと同様の構成により実現することができる。
【0029】
たとえば、アルミニウムなどの金属でできたドラムにNi、Ni−Pなどの下地層をおよそ1〜30μm形成し、この上にCo−Ni、Co−P、Co−Ni−P、Co−Zn−P、Co−Ni−Zn−Pなどの磁気記録層をおよそ0.1〜10μm形成すればよい。また、更にNi、Ni−Pなどの保護層をおよそ0.1〜5μm形成してもよい。
【0030】
磁気記録ローラ1の構成については、ここに例示したものに限られず、磁気記録機能を実現するための様々な公知技術を適用することができる。
【0031】
磁気書込ヘッド2は、画素単位のコイルを有しており、各コイルに電流を流して磁気書込ヘッド2の磁極先端部から漏洩磁束を生じさせることにより、磁気記録ローラ1の表面を磁化させる。これによって磁気記録ローラ1が回転方向(図中R1方向)に沿って回転するに従って磁気記録ローラ1の表面に磁気潜像が形成される。
【0032】
磁気書込ヘッド2は、磁気記録ローラ1から離間状態にできる離間機構(図示しない)を設けている。
【0033】
同じ画像を繰り返し印刷する場合には、新たな磁気潜像を形成する必要がないので、磁気書込ヘッド2を離間状態としておくものとする。
【0034】
離間状態とすることにより、磁気記録ローラ1に付着させた磁性粒子の顕像を磁気書込ヘッド2との接触によって乱すことを防ぐことが可能である。
【0035】
磁性粒子供給装置3は、磁性粒子供給ローラ3aと、磁性粒子保持部3bと、磁性粒子規制ブレード3cとから構成されている。
【0036】
磁性粒子供給ローラ3aは、マグネットローラであり、複数のN極S極が周方向に交互に並んだ磁気パターンを持っており、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。
【0037】
磁性粒子保持部3bの中には磁性粒子供給ローラ3aと十分に接触する量の磁性粒子(平均粒子径5μm〜30μm(より好ましくは5μm〜10μm)で、表面が親水性(純水接触角0度〜20度(より好ましくは0度〜10度)))が保持されていて、図示しない磁性粒子補充器から適宜補充される。
【0038】
磁性粒子131として、たとえば、スチレン重合体などの樹脂を結着材として、400エルステッド以上の保持力を持つ物質(例えば、γ‐Fe2O3など)を重量割合30%を含んだ粒子に対して、有機シラン化合物(例えば、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン)をコートしたものを用いることができる。
【0039】
磁性粒子供給ローラ3aが磁性粒子保持部3b中の磁性粒子と接触することによって、磁性粒子供給ローラ3aの表面に磁性粒子が層となって付着する。
【0040】
磁性粒子供給ローラ3aには、磁性粒子規制ブレード3cが当接されている。
磁性粒子供給ローラ3aの表面に付着した磁性粒子層は、磁性粒子供給ローラ3aが回転方向(矢印方向)に沿って回転するに従って、磁性粒子規制ブレード3cとの当接部で適切な高さ(5μm〜50μm(より好ましくは10μm〜20μm))に均される。この適切な高さで保持された磁性粒子層が、磁気記録ローラ1と磁性粒子供給ローラ3aとのニップ部において磁気記録ローラ1表面に形成された磁気潜像に沿って付着することにより、磁気潜像が顕像化される。
【0041】
なお、磁性粒子供給ローラ3aは、マグネットローラでなくとも、表面に磁性粒子を層状に保持できるような付着力を持たせられれば他のものを用いることも可能である。
【0042】
この時点で磁気記録ローラ1表面において、磁性粒子が付着した部分が非画像部となるように磁気潜像を作るものとする。
【0043】
磁性粒子供給装置3は、磁気記録ローラ1から離間状態にできる離間機構(図示しない)を設けている。同じ画像を繰り返し印刷する場合には、新たな磁気潜像を形成する必要がないので、磁性粒子供給装置3を離間状態としておくものとする。
【0044】
離間状態とすることにより、磁気記録ローラ1に付着させた磁性粒子の顕像を磁性粒子供給装置3との接触によって乱すことを防ぐことが可能である。
【0045】
磁気記録ローラ1に当接する中間転写ローラ6には、回転方向に沿って、単層化装置8と、湿し水供給装置9と、中間転写ローラ清掃器11とが順番に設けられている。
【0046】
中間転写ローラ6には、表面に磁性粒子を付着させることが可能な物質が担持されている。
【0047】
具体的には、補給された磁性粒子を、付着漏れなく確実に表面に付着させ、中間転写ローラ6の回転で発生する機内風や遠心力によって付着させた磁性粒子を脱落させるようなことがなければよく、表面に微細形状を設けてアンカー効果を付与して付着力を高めたものや、表面材料に表面エネルギーの高い材料を用いることで付着力を高めたものでもよい。
【0048】
より好ましくは表面一層に強力な保持力を付与できる粘着性材料等を用いることが可能である。
【0049】
当該中間転写ローラ6は磁気記録ローラ1と当接し、非画像部の磁性粒子を付着する。
一方で、中間転写ローラ6を通過した磁気記録ローラ1表面に形成された磁気潜像は、消磁器4に運ばれる。
【0050】
消磁器4は、磁気記録ローラ1に近接若しくは当接して保持されている。消磁器4が接触式の方式である場合は、磁気記録ローラ1との接触状態と非接触状態を切り替えるのが可能な状態で保持する。印刷する画像を切り替える場合には、消磁器4を動作させて(消磁器4が接触式ならば磁気記録ローラ1に接触させて)、磁気記録ローラ1表面に形成された磁気潜像を消去する。そうすれば再び磁気記録ローラ1上に画像を形成できる状態となる。
【0051】
また、磁気記録ローラ1には、磁気記録ローラ清掃器5が設けられており、磁気記録ローラ清掃器5は、磁気記録ローラ1の表面に付着した磁性体を除去する。なお、図示しないが磁気記録ローラ1から除去した磁性粒子を磁性粒子保持部3bへと搬送する手段を設けるようにしてもよい。当該手段によって磁性粒子をリサイクルにより繰り返し使うことができ、消耗品を減らすことができる。この場合には、磁気記録ローラ清掃器5の中で、磁性粒子除去手段とその他の物を除去する手段と設けて、除去した磁性粒子のみを磁性粒子保持部3bへと搬送するようにすることも可能である。
【0052】
次に、中間転写ローラ6に付着した磁性粒子について説明する。
中間転写ローラ6に付着した磁性粒子は、上記付着力により中間転写ローラ6に担持されるが、実際には粒子間に作用する凝集力などにより、多層状態で担持される場合が多い。
【0053】
後述するが、2層目以上の磁性粒子が残留し、部分的に多層部があると、画像形成装置内で中間転写ローラ6の版面に接触して配置される接触部材に粒子が巻き込まれ、接触部材の劣化に繋がることがあるため、確実に2層目以上の磁性粒子を除去できる手段が設けられていることが好ましく、本例においては、単層化装置8が設けられている。
【0054】
多層粒子層は中間転写ローラ6の回転下流側で単層化装置8により、中間転写ローラ6に直接付着力で担持された最下層粒子を残して2層目以上の磁性粒子を除去され、単層粒子層となる。
【0055】
なお、図示しないが、単層化装置8で除去された磁性粒子は装置内の廃棄容器などに回収して廃棄してしまうよりも、スクリュー部材や空気圧を利用した搬送部材を用いることにより、磁性粒子保持部3b内に戻す構成としてリサイクルすることにより、廃棄される磁性粒子を少なくすることが可能である。
【0056】
湿し水供給装置9は、湿し水供給ローラ9aと、湿し水保持部9bと、湿し水供給ローラ清掃器9cとから構成されている。
【0057】
湿し水供給ローラ9aは、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。
湿し水保持部9bの中には、湿し水供給ローラ9aと十分接触する量の湿し水(オフセット印刷で使われるいわゆる湿し水とほぼ同様のもの)が保持されていて、図示しない湿し水補充器から適宜補充される。
【0058】
湿し水供給ローラ9aの表面は、表面に湿し水を保持できる程度の親水性となっていて、図の矢印の向きに回転に伴って、湿し水保持部9b中の湿し水を表面に保持した後、中間転写ローラ6と湿し水供給ローラ9aのニップ部において中間転写ローラ6表面に付着した磁性粒子に湿し水を含ませる。
【0059】
湿し水供給ローラ清掃器9cは、中間転写ローラ6と湿し水供給ローラ9aとのニップ部よりも、湿し水供給ローラ9aの回転方向の下流側に設けられており、湿し水供給ローラ9a表面の付着物(インクなど)を取り除くために設けられている。
【0060】
上記の機構により、中間転写ローラ6上に転写された磁性粒子に湿し水が供給され、画像部と非画像部の親水性コントラストが形成された版を作成することが可能である。
【0061】
中間転写ローラ清掃器11は、超音波振動部11bと、洗浄液保持部11aと、図示しない超音波制御装置と超音波電源とからなる。洗浄液保持部11aの中には中間転写ローラ6と十分接触する量の洗浄液(液体であり装置の劣化を促進するようなものでなければ特に限定されないが、本例においては、一例として湿し水を使用する)が保持されていて、図示しない洗浄液補充器から適宜補充される。
【0062】
超音波振動部11bは洗浄液保持部11aに貯留された洗浄液を介して近接する中間転写ローラ6表面に超音波を発振し、超音波洗浄装置の洗浄原理により中間転写ローラ6に固定担持された磁性粒子を洗浄除去する。図示しない超音波電源は図示しない超音波制御装置に電力を供給し、超音波制御装置は中間転写ローラ6の清掃動作時に超音波振動部11bに超音波振動を促す信号を発信する制御装置である。
【0063】
中間転写ローラ清掃器11は中間転写ローラ6に近接して、中間転写ローラ6との接触状態と非接触状態(離間状態)とを切り替えるのが可能な状態で保持されている。同じ画像を繰り返し印刷する場合には、中間転写ローラ清掃器11を中間転写ローラ6に接触させず、そのまま中間転写ローラ6を回転させる。
【0064】
非接触状態(離間状態)とすることにより、中間転写ローラ6上に付着した磁性粒子が保持されたままとなり、そのまま同じ画像を印刷し続けることが可能である。一方で、印刷する画像を切り替える場合には、中間転写ローラ清掃器11を中間転写ローラ6に接触させて、中間転写ローラ6の表面の付着物(磁性粒子、湿し水、インクなど)を除去する。そうすれば中間転写ローラ6上に新たな画像を形成することが可能な状態となる。
【0065】
なお、中間転写ローラ清掃器11によって中間転写ローラ6から除去した磁性粒子を磁性粒子保持部3bへと搬送する手段(図示せず)を設けてもよい。当該手段によって磁性粒子をリサイクルして繰り返し使うことができ、消耗品を減らすことができる。この場合には、中間転写ローラ清掃器11の中で、磁性粒子除去手段とその他の物を除去する手段とを設けて、磁性粒子のみを搬送する構成とすることが可能である。
【0066】
当該現像装置20Aの構成により、磁性粒子が付着することにより磁気記録ローラ1表面で形成された磁気潜像が顕像化され、当該磁性粒子が中間転写ローラ6に転写される。中間転写ローラ6には、強力な保持力を有する粘着性材料が設けられているため非画像部を構成する当該磁性粒子の堅牢性は高く、インク付与や繰り返し使用のストレスにも耐えうる強固な版を作製することが可能である。
【0067】
次に、当該版にインクを付与して画像を形成する場合について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に従う画像形成ユニット100Aの構成について説明する図である。
【0068】
図3を参照して、本発明の実施の形態に従う画像形成ユニット100Aは、図2の構成と比較して、湿し水供給装置9よりも回転方向下流側に、インク供給器10と、中間転写ローラ6表面に形成された版を利用して画像形成された画像を転写するブランケット12とを設けた点が異なる。また、ブランケットの回転方向の周辺には、押圧ローラ15と、ブランケット清掃器13とが設けられる。
【0069】
インク供給器10は、インク供給ローラ10aと、インク保持部10bと、インク規制ブレード10cとから構成されている。インク供給ローラ10aは、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。
【0070】
インク保持部10bの中にはインク供給ローラ10aと十分接触する量のインクが保持されていて、図示しないインク補充器から適宜補充される。
【0071】
インクは油性インクなど湿し水と混ざらない(湿し水を撥く)性質のインクを用いる。
インク供給ローラ10aが図の矢印の方向に回転するに従って、インク保持部10b中のインクを表面に保持した後、インク供給ローラ10aに当接するインク規制ブレード10cによって適切な厚さ(2μm〜50μm(より好ましくは4μm〜10μm))のインク層がインク供給ローラ10a表面上に形成される。このようにインク層を形成することによって、中間転写ローラ6とインク供給ローラ10aとのニップ部において、インクが中間転写ローラ6表面上に適切量付着する。このとき、中間転写ローラ6表面の磁性粒子が付着した部分(非画像部)には湿し水が含まれているので、インクが付着することはなく、磁性粒子が付着していない部分(画像部)にのみインクが付着することになる。
【0072】
一方、ブランケット12は、撥水性表面を持ち、中間転写ローラ6と接触して、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。
【0073】
中間転写ローラ6が図の矢印方向に回転するに従って、ブランケット12とのニップ部で、中間転写ローラ6に付着したインクが中間転写ローラ6からブランケット12へと転写される。このとき、ブランケット12は撥水性であるので湿し水はほとんど転写されない。
【0074】
押圧ローラ15は、印刷時に用紙供給装置(図示しない)から供給される記録用紙14を、ブランケット12と押圧ローラ15の間に挟むような位置で、装置本体に対して回転可能な状態で保持されている。これにより、中間転写ローラ6上に付着したインクが記録用紙14に転写される。このようにして印刷物を得ることができる。
【0075】
ブランケット清掃器13は、ブランケット12に接触して保持されており、ブランケット12の表面の付着物(記録用紙14に転写されずに残ったインクなど)を除去する。ブランケット清掃器13がなければ、ブランケット12に残ったインクが記録用紙14に転写されてしまい画像不良の不具合が発生してしまう。
【0076】
中間転写ローラ6とブランケット12の周長および周速度が共に等しい場合は、ブランケット清掃器13を、ブランケット12との接触状態と非接触状態とを切り替えるのが可能な状態で保持する。この場合は、中間転写ローラ6のインク付着部分とブランケット12のインク付着部分が一致するので、ブランケット12上にインクが残っていても、上記の不具合が発生することはない。
【0077】
よって、同じ画像を繰り返し印刷する場合には、ブランケット清掃器13をブランケット12に接触させず、そのままブランケット12を回転させることができる。印刷する画像を切り替える場合には、ブランケット清掃器13をブランケット12に接触させてブランケット12の表面の付着物(記録用紙14に転写されずに残ったインクなど)を除去する。
【0078】
図4は、本発明の実施の形態に従う磁気記録ローラ1に形成された磁気潜像を説明する図である。
【0079】
図4を参照して、上述したように磁気書込ヘッド2により、磁気記録ローラ1の表面の所定領域を磁化させる。これによって、磁気記録ローラ1の表面に磁気潜像101aが形成される。
【0080】
図5は、本発明の実施の形態に従う磁気記録ローラ1に形成された磁気潜像の顕像化について説明する図である。
【0081】
図5を参照して、上述したように磁性粒子供給装置3により、磁気記録ローラ1の表面に形成された磁気潜像101aに沿って磁性粒子131を供給し、磁気潜像を顕像化する。この時点で、磁気記録ローラ1の表面において、磁性粒子131が付着した部分が非画像部となるように磁気潜像101aが形成される。
【0082】
図6は、本発明の実施の形態に従う中間転写ローラ6に付着した磁性粒子について説明する図である。
【0083】
図6を参照して、中間転写ローラ6には、一例として、表面に磁性粒子を付着させることが可能な、強力な保持力を付与できる粘着性材料が設けられている。当該粘着性材料により磁気記録ローラ1の表面に形成された磁気潜像101aが中間転写ローラ6に転写される。
【0084】
図7は、本発明の実施の形態に従う中間転写ローラ6に付着した磁性粒子に湿し水を付加した状態を説明する図である。
【0085】
図7を参照して、上述したように湿し水供給装置9を用いて、中間転写ローラ6の表面に付着した磁性粒子131に湿し水を含ませて、湿し水を含んだ磁性粒子131wとする。中間転写ローラ6の磁性粒子131が付着していない部分は、表面の親水性が磁性粒子の表面より十分低いため、湿し水141はほとんど付着しない、もしくはインク付着時に押しのけられる。
【0086】
図8は、本発明の実施の形態に従うインク供給器10により版にインクを供給した場合を説明する図である。
【0087】
図8を参照して、上述したインク供給器10により、インク151を中間転写ローラ6の表面上に適切量付着させる。このとき、中間転写ローラ6の表面の磁性粒子131wが付着した部分(非画像部)には湿し水が含まれているので、インク151が付着することはなく、磁性粒子131wが付着していない部分(画像部)にインク151が付着することになる。
【0088】
図9は、本発明の実施の形態に従う記録用紙に転写する場合を説明する図である。
図9を参照して、中間転写ローラ6の表面で版により形成されたインク151(画像部)がブランケット12を介して記録用紙14に転写される。このようにして印刷物を得ることができる。
【0089】
以上、本実施の形態における現像装置20Aおよび画像形成ユニット100Aによれば、中間転写ローラ6上に付着した磁性粒子131に湿し水141を含ませることで、中間転写ローラ6上の磁性粒子131が付着していない部分にのみインク151を付着させている。このように、中間転写ローラ6上の磁性粒子が付着していない部分(画像部)にインク151を付着させることで、磁性粒子(非画像部)が形成された現像パターンを版として用いることが可能となり、印刷において安定した画質を得ることが可能となる。
【0090】
そして、本実施の形態における中間転写ローラ6は、強力な保持力を有する粘着性材料が設けられているため非画像部を構成する当該磁性粒子の堅牢性は高く、インク付与や繰り返し使用のストレスにも耐えうる強固な版を作製することが可能である。
【0091】
また、磁気記録ローラ1上の磁性粒子を取り除き、新たな現像パターンに応じた磁気潜像を磁気記録ローラ1上に形成することで、異なる現像パターンを瞬時に形成することができることから、いわゆるバリアブル印刷も容易に実現することが可能となる。
【0092】
また、中間転写ローラ6上で磁性粒子を保持する力は表面一層における粘着力および粒子が食い込むことによるアンカー効果であるため、版が強固で大部数の印刷が可能であり、粒子がインクローラ表面に付着してインクが劣化することも防ぐことが可能である。
【0093】
以上のように、本発明の実施の形態に従う画像形成装置は、従来のオフセットなどの製版装置に比べ簡単なプロセスで短時間に製版可能であり、版交換作業も不要であり、より短時間で画像形成が可能な画像形成装置を実現できる。また、一枚ごとに画像の書き換えを行えばバリアブル印刷機として使用することも可能である。
【0094】
(単層化装置)
以下に、上記で説明した単層化装置8の具体例について説明する。
【0095】
図10は、本発明の実施の形態に従う単層化装置8の具体的構成について説明する図である。
【0096】
図10(A)を参照して、ここでは、単層化装置8aの構成が示されている。
具体的には、単層化装置8aは、中間転写ローラ6の磁性粒子への付着力よりも弱く、磁性粒子間の凝集力よりも強い粘着力を有し、中間転写ローラ6に接触して従動する複数の粘着ロール8a1と、各粘着ロール8a1に除去回収された磁性粒子を掻きとるブレード材8a2と、各ブレード材8a2に掻き取られた磁性粒子を回収する回収槽8a3とで構成されている。
【0097】
なお、本例においては、粘着ロール8a1を2個設けた例について説明しているが、粘着ロール8a1の数はこれに限るものではなく、粘着ロール8a1が多いほど部分的に2層目以上の磁性粒子が残留することを抑制することが可能であり、より確実に単層化することが可能である。
【0098】
粘着ロール8a1は、多層粒子層の最上層の粒子群に接触するが、この時粘着ロール8a1の粘着力は磁性粒子間の凝集力よりも強いため、中間転写ローラ6と粘着ロール8a1との間のニップ部の下流側で上層の粒子群は粘着力により粘着ロール8a1に除去回収される。
【0099】
一方、粘着ロール8a1の粘着力は、粘着ロール8a1の表面と接触した磁性粒子にしか作用しないため、中間転写ローラ6上の下層の磁性粒子はニップ突入前よりも薄い粒子層となって通過する。以上の作用を粘着ロール8a1の数だけ複数回繰り返すことにより、多層粒子層は薄層化されていき単層になる。中間転写ローラ6上の単層粒子層に粘着ロール8a1が接触して粘着力が作用しても、粘着ロール8a1の粘着力は中間転写ローラ6の磁性粒子への付着力よりも弱いため、単層粒子層の磁性粒子は粘着ロール8a1に除去回収されることなくニップを通過できる。以上の作用により多層粒子層は単層粒子層に単層化される。
【0100】
図10(B)を参照して、ここでは、別の単層化装置8bの構成が示されている。
具体的には、単層化装置8bは、空気流を利用した単層化装置であり、中間転写ローラ6表面に近接した筒などの中空の形状をしたダクト吸引部8b1と、ダクト吸引部8b1に接続されたフィルタ8b2と、フィルタ8b2を介してダクト吸引部8b1から吸引する気流を発生させる気流発生装置8b3とで構成されている。
【0101】
気流発生装置8b3は、例えば電力により回転駆動するファンなどで構成され、ダクト吸引部8b1から空気を吸引し例えば機外に放出する気流を発生させる。ダクト吸引部8b1の近傍では上記気流によりダクト吸引部8b1に向かって吸引力が発生し、多層粒子層の2層目以上の磁性粒子はダクト吸引部8b1に吸引される。吸引された磁性粒子は接続されたフィルタ8b2にて回収されることで、気流発生装置8b3に到達して気流発生装置8b3の故障の原因になったり、気流発生装置8b3を通過して機外等に放出されることがない。
【0102】
中間転写ローラ6の表面で磁性粒子に作用する気流による吸引力としては、磁性粒子間の凝集力より大きく中間転写ローラ6の磁性粒子との付着力より小さければよく、ダクト形状や装置構成に従って気流発生装置8b3で発生させる気流の強度を調整すればよい。例えば電力により回転駆動するファンであれば、ファンの回転翼のサイズや形状、回転速度などを適切に設定することにより可能である。以上の作用により多層粒子層は単層粒子層に単層化される。
【0103】
図10(C)を参照して、ここでは、さらに別の単層化装置8cの構成が示されている。
【0104】
具体的には、単層化装置8cは、振動を利用した単層化装置であり、中間転写ローラ6に当接し超音波振動することで多層粒子層を除去する振動ブレード8c1と、振動ブレード8c1を振動させる超音波振動を発生させる超音波振動装置8c3と、超音波振動装置8c3に電力を供給する電源8c4と、振動ブレード8c1によって除去された磁性粒子を回収する回収槽8c2とで構成されている。
【0105】
多層粒子層を形成する磁性粒子は振動ブレード8c1により超音波振動を印加されることにより振動し、接触して凝集力で付着していた粒子同士が振動により瞬間的に離間することで付着力を失うことを利用して2層目以上の磁性粒子を除去する。最下層の磁性粒子は、粒子間の凝集力よりも強い付着力で中間転写ローラ6に接触して担持されているため、振動を印加されても瞬間的な離間が発生せず除去されない。
【0106】
以上の作用により多層粒子は単層化されるが、多層粒子層に超音波振動を印加する接触部材は必ずしもブレード形状である必要はなく、発生した超音波振動を効率よく粒子群に伝達できるものであれば特に限定されない。以上のような単層化装置8により多層粒子層を単層化して単層粒子層にすることが可能であり、単層粒子層は中間転写ローラ6上において粘着力等により強固に保持される。
【0107】
中間転写ローラ6に形成された版(磁性粒子のパターン)が多層で形成されている場合、中間転写ローラ6に接触する湿し水供給装置9の湿し水供給ローラ9a、インク供給器10のインク供給ローラ10aに2層目以上の磁性粒子が付着して取り込まれると、各ローラの劣化や湿し水保持部9b、インク保持部10bの汚染が発生する不具合が生じる可能性があるが、本発明の実施の形態に従う単層化装置を用いることにより、中間転写ローラ6で磁性粒子は単層化され、粘着力及びアンカー効果にて強固に保持されるためこれらの不具合は生じず、安定した版の生成が可能である。
【0108】
(変形例)
図11は、本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置20Bの構成について説明する図である。
【0109】
図11を参照して、本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置20Bは、図2で説明した現像装置20Aと比較して、加熱装置7をさらに設けるとともに、中間転写ローラ6の表面の粘着性材料を親水性磁性粒子よりも親水性が十分低く、かつ温度によって硬度と粘着力を変化させる材料を用いる点で異なる。具体的には中間転写ローラ6の表面材料は転移温度以上で軟化し、かつ粘着性を発現し、転移温度以下で硬化し粘着性を消失する樹脂(インテリマー(登録商標)クールオフタイプ)を用いる。その他の点については基本的に図2で説明した構成と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0110】
中間転写ローラ6は、磁気記録ローラ1とのニップ部を通過する前に加熱装置7により転移温度以上に加熱され軟化・粘着力を発揮する。この加熱装置は中間転写ローラ6の表面全体を加熱するヒータを用いるようにしても良いし、サーマルヘッド等の画像に応じた局所加熱を実行するようにしても良い。局所加熱を実行する場合には、画像に応じた加熱を行い非画像部のみの粘着性を発現させることにより、画像部への不要物の付着を防ぐことが可能であり、より高精細な版を作製することが可能である。
【0111】
当該粘着性を発揮した状態となった中間転写ローラ6は、磁気記録ローラ1と当接するニップ部において、非画像部の磁性粒子を付着する。付着した表面一層の磁性粒子は、インテリマーが転移温度を下回り結晶化し、粒子が食い込むアンカー効果により強固に保持される。
【0112】
したがって、本発明の実施の形態の変形例に従う現像装置20Bの構成によりインク付与や繰り返し使用のストレスにも耐える強固な版を作製することが可能である。
【0113】
なお、上記各実施の形態では、磁性粒子表面の親和性と上記中間転写ローラ表面の親和性とを異ならせ、インクを磁性粒子の表面に付着させず、インクを磁性粒子が設けられていない磁気記録ローラ表面に付着させる構成について説明しているが、インクを磁性粒子の表面に付着させ、インクを磁性粒子が設けられていない磁気記録ローラ表面に付着させない構成を採用することも可能である。
【0114】
なお、本実施の形態における純水接触角は、従来の接触角測定装置により測定できる値であり、たとえば、測定対象物を構成する材料を用いて平板形状物を作製し、これに対し常温常湿(例えば、20℃、50%RH)で接触角計測定装置「接触角計CA−V(協和界面科学株式会社製)」を用い、5回測定し、その平均値から求めることができる。
【0115】
測定対象物Aに対する測定対象物Bおよび測定対象物Cの親和性の大小関係を求める場合、純水接触角の値が近いか離れているかに基づいて判断することができる。また、測定対象物Aが固体であって、測定対象物Bおよび測定対象物Cが液体であった場合、固体の測定対象物を構成する材料を用いて平板形状物を作製し、これに対し測定対象物Bおよび測定対象物Cそれぞれの測定対象物を滴下して接触角を測定し、これらの接触角を用いて親和性の大小関係を判断してもよい。なお、接触角が90℃以上であれば、平板形状物は滴下した液体を撥いていると言うことができる。
【0116】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0117】
1 磁気記録ローラ、2 磁気書込ヘッド、3 磁性粒子供給装置、4 消磁器、5 磁気記録ローラ清掃器、6 中間転写ローラ、7 加熱装置、8,8a,8b,8c 単層化装置、9 湿し水供給装置、10 インク供給器、11 中間転写ローラ清掃器、12 ブランケット、13 ブランケット清掃器、14 記録用紙、15 押圧ローラ、20A,20B 現像装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に磁気潜像を保持できる磁気記録体と、
前記磁気記録体に前記磁気潜像を書き込む磁気書込ヘッドと、
前記磁気書込ヘッドに書き込まれた前記磁気潜像の上に磁性粒子を供給することによって現像する第1現像手段と、
前記磁気記録体と接触させ、前記第1現像手段により前記磁気記録体の表面に現像された磁性粒子を保持できる物質を担持した中間転写体とを備える、現像装置。
【請求項2】
前記中間転写体の表面に水を含む液体である湿し水を供給する湿し水供給手段をさらに備え、
前記磁性粒子の表面は、前記中間転写体の表面よりも高い親水性を有し、
前記中間転写体上に付着した磁性粒子に湿し水を含ませることで、画像部と非画像部の親水性コントラストを形成する、請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記磁気記録体の表面上の付着物を除去するための磁気記録体清掃手段と、
前記磁気記録体に形成した磁気潜像を消去するための消磁手段とをさらに備える、請求項1または2記載の現像装置。
【請求項4】
前記中間転写体の表面には、転移温度以上で粘着力が発現する感温性粘着材料が担持されたものであり、
前記中間転写体上の感温性粘着材料を転移温度以上に加熱するための加熱装置をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記中間転写体上に付着した磁性粒子を単層化するための単層化手段と、
前記中間転写体上の付着物を除去する清掃手段とをさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
着色剤を請求項1〜5のいずれかに記載の現像装置における前記中間転写体の表面上に供給する第2現像手段と、
前記中間転写体と接触させ、前記第2現像手段によって前記中間転写体の表面上に付着した着色剤を転写して画像形成するためのブランケットとをさらに備える、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−131061(P2012−131061A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283304(P2010−283304)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】