生検サンプル保管組立体
【課題】生検装置の一部の中に離隔して連続的に複数の組織サンプルを保管できる生検装置が提供される。
【解決手段】複数の組織サンプルを採取して保管することができる生検装置が提供される。この生検装置は、カニューレの近位側に配置された回転部材、および、回転部材により取り外し可能に保持される複数の組織サンプルホルダーを備えている。各組織サンプルホルダーは、カッターにより切除された少なくとも1つの組織サンプルを受容するように構成され、各組織サンプルホルダーは、回転部材が生検装置に支持されている間に、回転部材から取り外し可能である。
【解決手段】複数の組織サンプルを採取して保管することができる生検装置が提供される。この生検装置は、カニューレの近位側に配置された回転部材、および、回転部材により取り外し可能に保持される複数の組織サンプルホルダーを備えている。各組織サンプルホルダーは、カッターにより切除された少なくとも1つの組織サンプルを受容するように構成され、各組織サンプルホルダーは、回転部材が生検装置に支持されている間に、回転部材から取り外し可能である。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔優先権〕
本願は、2006年12月13日に出願された米国仮特許出願第60/869,736号、および、2006年12月13日に出願された同第60/874,792号の優先権を主張するものであり、これらの特許出願を参照して本明細書に組み入れるものとする。
【0002】
〔背景〕
本発明のいくつかの実施形態は、全般的には、生検装置に関し、より詳細には、生検装置の一部の中に離隔して連続的に複数の組織サンプルを保管できる生検装置に関する。
【0003】
疑わしい組織塊が、検査、超音波、MRI、X線イメージング、または同種のものによって患者の乳房または他の部位で見つかった場合、その組織塊が癌性細胞を含むか否かを決定するために、その組織塊から1または複数の組織サンプルを採取するために生検を行う必要がある。生検は、開放法または経皮法によって行うことができる。後のサンプリングおよび/または検査のために組織サンプルを得るための医療装置は、生検分野で周知である。例えば、乳房生検サンプルを得るために用いられるMAMMOTOMEの商標名の生検器具が、エシコン・エンド・サージェリー・インコーポレイテッド(Ethicon Endo-Surgery, Inc.)によって市販されている。
【0004】
開放生検では、乳房に大きな切開部を形成して、組織塊全体を除去する(切除生検と呼ばれる)か、または組織塊の実質的部分を除去する(切開生検として知られている)。開放生検は、病院または外科センターで通院患者用の処置として一般的に行われる外科処置であり、高コストで患者の外傷が大きい。開放生検は、経皮生検よりも感染および出血のリスクが高く、開放生検によって起こり得る外傷による変形が、後の乳房X線像の検査を困難にすることがある。さらに、患者の美観を考慮すると、開放生検は、外傷による変形のリスクから魅力に欠ける。生検により、疑わしい組織塊が癌性でないことが示されることから、開放生検処置は、そのマイナス面により、場合によっては適切でない。
【0005】
経皮生検は、開放生検よりも侵襲性が低い。経皮生検は、微細針吸引(FNA)またはコア生検などで行うことができる。FNAでは、極めて細い針を用いて、疑わしい組織塊から流体や細胞を吸引吸することができる。この方法は、局所麻酔の方がFNA自体よりも痛みが大きい場合があるほど痛みが極めて少なく、局所麻酔を必ずしも行う必要がない。しかしながら、ある種のFNA処置では、1回の処置で少量の細胞しか採取できないため、疑わしい組織の分析や、サンプルが悪性と確認された場合の癌の進行の評価における有用性が比較的低い。
【0006】
ある種のコア生検では、小さな組織サンプルを採取して、見出されたあらゆる癌細胞の進行の評価を含め、組織の病理学的評価を行うことができる。
【0007】
MAMMOTOMEの商標名の生検器具が、エシコン・エンド・サージェリー・インコーポレイテッド(Ethicon Endo-Surgery, Inc.)によって販売されている。この生検器具は、通常は、乳房組織内への1回刺入で、吸引を利用して複数のコア生検サンプルを採取する。具体的には、カッターチューブがプローブ内を前進して、吸引によって側面開口内に引き込まれた組織を切断し、次にカッターが切除位置から完全に引き戻されてサンプルを回収する。
【0008】
カッターの移動距離が比較的長い装置では、サンプルの採取速度が、プローブの回転や再配置に要する時間だけではなく、カッターの移動に要する時間によっても制限される。比較的「ストロークの長い」生検装置の代わりとして、参照して開示内容を本明細書に組み入れる以下に示す自己の特許出願に「ストロークの短い」生検装置が開示されている。すなわち、・米国公開特許出願第2005/0215921号明細書として公開された、2003年9月30日出願のヒブナー(Hibner)等による米国特許出願第10/676,944号明細書(名称:内部サンプル収集機構を備えた生検器具「(Biopsy Instrument with Internal Specimen Collection Mechanism)」)
・米国公開特許出願第2004/0153003号明細書として公開された、2003年12月10日出願のシセナス(Cicenas)等による米国特許出願第10/732,843号明細書(名称:「サンプルチューブを備えた生検装置(Biopsy Device with Sample Tube)」)
カッターが、側面開口の距離に実質的に等しい距離または僅かに短い距離を移動するようにして、サンプル時間を短縮することができる。
【0009】
以下の特許文献は、さまざまな生検装置を開示しており、これら特許文献は、参照して開示内容の全てを本明細書に組み入れるものとする。
・2001年8月14日発行の米国特許第6,273,862号明細書
・2001年5月15日発行の米国特許第6,231,522号明細書
・2001年5月8日発行の米国特許第6,228,055号明細書
・2000年9月19日発行の米国特許第6,120,462号明細書
・2000年7月11日発行の米国特許第6,086,544号明細書
・2000年6月20日発行の米国特許第6,077,230号明細書
・2000年1月25日発行の米国特許第6,017,316号明細書
・1999年12月28日発行の米国特許第6,007,497号明細書
・1999年11月9日発行の米国特許第5,980,469号明細書
・1999年10月12日発行の米国特許第5,964,716号明細書
・1999年7月27日発行の米国特許第5,928,164号明細書
・1998年7月7日発行の米国特許第5,775,333号明細書
・1998年6月23日発行の米国特許第5,769,086号明細書
・1997年7月22日発行の米国特許第5,649,547号明細書
・1996年7月18日発行の米国特許第5,526,822号明細書
・2003年10月23日公開のヒブナー(Hibner)等による米国特許出願第2003/0199753号明細書 参照して開示内容を本明細書に組み入れる米国特許第5,526,822号明細書に、ベルト駆動式の回転サンプルカセットを含む組織サンプルカセットを開示されている。他の組織サンプル保管装置が、参照して開示内容を本明細書に組み入れる、公開特許出願第2006/0074343号明細書として公開された、2004年9月29日出願の米国特許出願第10/953,395号明細書(名称:「サンプル保管部を備えた生検装置(Biopsy Device with Sample Storage)」)および公開特許出願第2007/0032741号明細書として公開された、2005年8が8日出願の米国特許出願第11/198,558号明細書(名称:「交換可能なプローブを備えた、振動挿入支援および静止真空源サンプル積層回収部を含む生検装置(Biopsy Device with Replaceable Probe and Incorporating Vibration Insertion Assist and Static Vacuum Source Sample Stacking Retrieval)」)に開示されている。
【0010】
様々な生検装置が製造および使用され、様々な組織サンプル保管装置および技術が考案されてきたが、本発明の以前には、添付の特許請求の範囲に開示した生検システムは、製造または使用されていないと思われる。
【0011】
〔詳細な説明〕
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、かつ本発明を明確に請求する特許請求の範囲で完結しているが、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読めば本発明をより良く理解できるであろう。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に従った生検装置10を示している。この例の生検装置10は、一般に参照符号30として示されているハンドピースを含む。ハンドピース30は、片手で容易に保持することができ、片手で操作することが可能である。生検装置10は、ハンドピース30から遠位側に延びたカニューレ100などの組織刺入部を含むことができる。カニューレ100は、遠位組織刺入先端部110、およびこの先端部110から近位側に離隔した横組織受容開口114を含むことができる。カニューレ100は、サンプリングされる組織塊の中に挿入することができる。次に、開口114内に引き込まれた組織を、カニューレ100内を移動するチューブカッター120(図2)の遠位端部122によって切除することができる。
【0013】
この例の生検装置10は、カッター120の近位側のハンドピース30の近位端部に配置できる組織保管組立体2000も含む。組織保管組立体2000は、ほぼ透明なカバー2010を含むことができる。このカバー2010は、ハンドピース30の近位端部などで、生検装置10に取り外し可能に接続することができる。もちろん、カバー2010は、実質的に半透明、不透明、透明と不透明の組合せなどにすることができ、任意の他の適当な特性を有することができる。カバー210は、限定するものではないが、スナップ嵌め、差込み、およびネジ結合などを含む任意の適当な取り付け機構または機能構造によってハンドピース30の近位端部に取り外し可能に接続することができる。図1では、カバー2010は、フランジ2012を備えており、このフランジ2012により、ハンドピース30の近位端部との取り外し可能なスナップ嵌めが可能となっている。
【0014】
図示されている組織保管組立体2000は、取り外し可能なカバー2010内に配置された少なくとも1つの組織ホルダー2200も含む。このホルダー2200は、回転部材に取り外し可能に保持されている。この例では、この回転部材は、マニホールド2300(図7)の形態であるが、他の構造または構成を用いることもできる。マニホールド2300は、カバー2010内に少なくとも部分的に配置することができる。組織サンプルホルダー2200は、カッター120によって切除された複数の組織サンプル(一般に参照符号42で示されている)を連続して離隔させて保持できるように構成された形状または他の構造を有することができる。
【0015】
この例の回転式マニホールド2300および組織ホルダー2200は、後述するように、組織サンプル42が切除される度に所定角度の増分による回転位置の調節などによって自動的に回転させることができる。使用者が自動位置合せを望まない場合は、マニホールド2300および組織ホルダー2200を手動で回転できるように手動回転ノブ2020を設けることができる。組織保管組立体2000は、透明なカバー2010内の回転式マニホールド2300および組織ホルダー2200の回転位置合せの方向(時計回りまたは半時計回り)を選択するための制御レバー2040などのアクチュエータも含むことができる。もちろん、本明細書に開示する他の構成要素と同様に、ノブ2020およびレバー2040は、単なるオプションであり、変更、置換、補完、または除去を、所望に応じて行うことができる。
【0016】
図2〜図5に、本発明の一実施形態に従った組織保管組立体2000を利用した生検装置の一連の動作が示されている。図2〜図5では、組織保管組立体2000は、図示されているようにカバー2010が取り外されている。図6〜図8は、この例の組織保管組立体2000の詳細を例示している。
【0017】
ここで図2を参照すると、定位法に用いるのに適した例示的な生検装置10の内部構成要素が示されている。図2では、カニューレ100は、発射機構150によって組織内に案内されたカニューレ100に一致する「発射」位置に示されている。この例の発射組立体150は、発射のエネルギーが発射バネ158に蓄積された状態で、手動撃鉄装置または撃鉄モータ156などによって撃鉄を引くことができる発射フォーク152を含む。別法では、発射組立体150は、任意の他の適当な構造を有しても良いし、完全に省略しても良い。
【0018】
この例では、チューブカッター120が、カニューレ100のカッター内腔104内に配置されている。図2では、カッター120は、引き戻された位置に示されており、カッター120の遠位切断端部122(破線で示されている)が、カニューレ100の組織受容開口114のすぐ近位側に配置されている。カニューレ100が組織内に配置されると、カッター120は、例示的な動作モードで、図2に示されている位置まで引き戻される。
【0019】
ここで図2および図2Aを参照すると、カニューレ100は、カッター内腔104の下側に位置する真空内腔108を含むことができる。カニューレ100が組織内に配置されてカッター120が図2に示されている引戻し位置にある場合、この例の真空内腔108は、複数の通路107(図13)を介してポート開口114のすぐ下側のカッター内腔104に真空を供給して、ポート114内への組織の引込みを助ける。カッター120は、遠位切断端部122からカッター近位端部124まで延びている。カッター120は、遠位切除端部122と近位端部124との間の中間部が、カニューレ100のカッター内腔104を通過するカッター120、真空マニホールド300、生理食塩水/真空弁組立体4080、およびカッター歯車410を通過している。
【0020】
この例では、カッター120の近位端部124は、組織サンプル移送チューブ2030の遠位端部に連通している。サンプル移送チューブ2030は、このチューブ2030に対するカッター端部124の相対的な軸運動および回転を可能にする滑り継手2028または他の適当な連結によってカッター120の近位端部124に接続された可撓性チューブとすることができる。サンプル移送チューブ2030の近位端部は、組織保管組立体2000の近位カバー2050の組織サンプルポート2057に連通している。近位カバー2050は、組織保管組立体2000の近位端部を覆っている。近位カバー2050と、ほぼ透明なカバー2010は共に、マニホールド2300および組織ホルダー2200が少なくとも部分的に配置される組織保管室を提供する。マニホールド2300に真空を供給するためのポート2057および真空ポート2060は、カバー2050と一体形成することができる。しかしながら、本開示から、サンプル移送チューブ2030を、所望に応じて、変更、置換、補完、または省略することができ、カッター120と組織保管組立体2000との間の連通を得るために様々な他の構成要素または構造を用いることができることを理解できよう。
【0021】
カッター120によって切除された組織サンプル42を、カッター120およびサンプル移送チューブ2030を介して移送し、組織保管組立体2000の組織保管室内に配置することができる。真空源からカバー2050の真空ポート2060を介して、または他の方法で組織保管組立体2000に真空を供給することができる。この例では、カバー2050のポート2057を介して組織保管室内に進入する組織サンプル42が、組織ホルダー2200に配置される。
【0022】
近位カバー2050は、図6に示されているように、アクセス開口2052も含むことができる。マニホールド回転歯車2350の歯2354が、開口2052を介して位置合せ爪2362に係合することができる。マニホールド回転歯車2350は、この歯車2350の回転によりマニホールド2300が回転するように、スプライン結合または他の適当な結合によってマニホールド2300に結合することができる。
【0023】
この例では、近位カバー2050は、このカバー2050が組織保管組立体2000の長手方向軸2055(図6)の中心軸を中心に回転できるように、生検装置10の本体の結合する半体と半体(不図示)との間に保持できるフランジ2056を含む。レバー2040を用いて、カバー2050(およびアクセス開口2052)を1時の位置から2時の位置に周方向に回転させることができる。レバー2040が図面(例えば、図1および図6)に示されている位置にある場合、爪2362は、開口2052を介して歯2354に係合する。レバー2040が、生検装置(図1)の外側カバーのスロット62の他端に再配置されると、カバー2050およびアクセス開口2052が回転して、爪2364が歯2354に係合する。爪2362が、軸2055を中心とした一方向におけるマニホールド2300の位置合わせ回転を可能にし、爪2364が、軸2055を中心とした反対方向におけるマニホールド2300の位置合わせ回転を可能にする。
【0024】
レバー2040の位置を変更することにより、この例では、組織サンプル42の組織保管組立体2000内への進入点も変更される。レバー2040の位置が変更されると、ポート2057の位置が周方向に移動し、移送チューブ2030がこの運動に対応する。組織サンプルの進入点は、図示されている実施形態では、12時の位置(真上)からずれている。レバー2040を用いて、約2時の位置または約10時の位置のいずれかに組織進入点を選択し、定位環境で生検装置10を用いる操作者が、サンプルの組織保管組立体2000内への進入をこの組立体2000の透明なカバー2010を介して見ることができる。この際、生検装置10の上部は、定位台の下面に近接して配置することができる。
【0025】
ポート2057を再配置するために、レバー2040の代わりまたはこれに加えて、任意の他の適当な構造または装置を用いることができることを理解されたい。例えば、1または複数のモータまたはトランスミッションを用いて、ポート2057を選択的に再配置することができる。別法では、周方向すなわち角度位置ポート2057を実質的に固定(例えば、12時の位置など)することができる。同様に、所望に応じて、爪2362、2364を変更、置換、補完、または省略することができる。
【0026】
ここで図2を再び参照すると、カッターモータ500によって回転されるカッター親ネジ510が生検装置10に支持されている。親ネジ510の回転により、その回転方向に応じて、カッターキャリッジナット520がネジ510に対して前進または後退する。ナット520は、カッターキャリッジ530に取り付けるか、または一体にすることができる。カッター120は、この例では、カッターキャリッジがカッター120を移動させる時に歯車410によって回転されるように、キャリッジ530に回転可能に支持されている。ネジ510に対するナット520の移動により、キャリッジ530およびカッター120が、モータ500およびネジ510の回転方向に応じて近位側(引戻し)または遠位側(前進)のいずれかの軸方向に移動する。カッター120は、カッター回転歯車410が駆動歯車512に係合すると、このカッター回転歯車410によってその軸を中心に回転する。駆動歯車512の回転は、モータ500によって行うこともできる。したがって、カッター120は、モータ500の作動によって同時に回転および移動することができる。図2では、カッターキャリッジナット520が、開口114のすぐ近位側に配置されているカッター120の遠位端部122に一致する近位側(引戻し)位置に示されている。
【0027】
図2に示されているように、爪2362が爪スレッド2360に回転可能に取り付けられている。図2では、爪スレッド2360は、その最も近位側の位置に示されている。爪スレッド2360は、キャリッジナット520のタブ延長部522によって近位側に押されている。スレッド2360の近位側への移動により、スレッドバネ2361が圧縮される。圧縮されたスレッドバネ2361を用いて、ナット520およびタブ延長部522が親ネジ510に対して遠位側に前進する際にスレッド2360を遠位側に付勢することができる(スレッドの前進)。もちろん、所望に応じて、バネ2361を省いたり、変更することができる。
【0028】
図2に示されている位置では、生検装置10は、組織サンプル42を採取する準備ができている。真空制御モジュール5000(図15)は、組織を開口114内に引き込むために真空を真空内腔108に供給することができる。図3を参照すると、カッター120は、組織サンプル42を切除するためにその最遠位の位置まで前進し、図示されているように、カニューレ100の開口114に亘って延在してこの開口114を閉じている。カッター120が、図2の位置から図3の位置に前進する際に、カッター120は、駆動歯車512によって回転されるカッター回転歯車410の作動で回転もする。図3では、キャリッジ530およびカッター120が、ネジ510に対するナット520の移動によって前進している。ナット520が遠位側に移動する際に、タブ延長部522も遠位側に移動し、爪スレッド2360が、バネ2361の伸長によって遠位側に押される。カッター120が、図2に示されている位置から図3に示されている位置まで遠位側に移動すると、爪2362は、マニホールド歯車2350の歯2354から係合解除され、この上を移動する。
【0029】
ここで図4を参照すると、切除された組織サンプル42が、サンプル移送チューブ2030を介して組織ホルダー2200に配置されている。切除された組織サンプル42をカニューレ100から組織保管組立体2000に移送する際には、カッター120がその最遠位の位置で組織受容開口114を覆っている状態で、真空内腔108の真空をオフにして、真空制御弁を用いて大気圧を真空内腔108に供給する。これに加えてまたは別法では、生理食塩水を供給することもできる。弁の構成を用いて、生理食塩水を、カニューレ100の真空内腔108を介して、1または複数の孔すなわち通路107まで遠位側に供給し、カニューレ100の遠位端部でカッター内腔104と真空内腔108との間で流体を連通させることができる。生理食塩水の流れ、および/または大気圧は、カッター120によって切除された組織サンプルに対して近位側への力を加えるため、カッター120の遠位部分に配置された切除された組織サンプルが近位側に押される。
【0030】
加えて、真空ポート2060に真空を供給する組織保管真空源を設けることができる。ポート2060に供給される真空は、組織保管組立体2000を通り、サンプル移送チューブ2030を介してカッター120に供給される。したがって、ポート2060に供給された真空により、カッター120内の切除された組織サンプルに対して近位側に引く力がかかる。切除された組織サンプルに対する近位側への押す力と引く力との組合せにより、組織サンプル42が、カッター120(カッター遠位端部122からカッター近位端部124まで)およびサンプル移送チューブ2030(図8に示されているようにカバー2050の開口を介して延在することができる)を介して組織保管組立体2000内に移送され、サンプル移送チューブ2030に整合した組織ホルダー2200の部分(凹部または区画など)に配置される。組織サンプル42は、図4の組織ホルダー2200に配置されて示されている。真空ポート2060に供給される真空は、真空圧力が常に中空カッター120内に存在するように、サンプル切除サイクルの間、オンの状態に維持することができる。別法では、真空ポート2060に供給される真空は、所定のスケジュールに従ってオン・オフすることができる。用いることができる構造および装置、ならびに流体連通パラメータを含め、組織サンプル42をカッター遠位端部122から組織ホルダー2200に移送できる他の方法も、本開示を読めば、当業者には明らかであろう。
【0031】
図5を参照すると、マニホールド2300および組織ホルダー2200は、カッター120の引戻しの際に、回転位置を合わせることができる(矢印Rによって示されている)。モータ500によって、親ネジ510が回転し、ナット520、カッターキャリッジ530、およびカッター120を近位側に移動して、カニューレ100の組織開口114が開く。ナット520が近位側に移動する際に、タブ延長部522が、爪スレッド2360を近位方向に押し、これにより爪2362が歯2354に係合して、この歯2354を押し上げるため、マニホールド歯車2350(およびマニホールド2300も)が図5に示されている方向「R」に回転する。組織ホルダー2200は、マニホールド2300と共に回転し、空の凹部すなわち区画がポート2057およびサンプル移送チューブ2030に整合するように配置される。
【0032】
代替の実施形態では、マニホールド2300の角度位置を合せるために爪機構を用いるのではなく、組織受容開口114の回転位置に基づいてマニホールド2300および組織ホルダー2200を回転させることができる。例えば、カニューレ100は、生検装置に対して回転することができ、サムホイールなどを用いて所望の時計位置に開口114を配置することができる。参照して開示内容を本明細書に組み入れる米国特許第6,602,203号明細書に、組織受容開口を回転させるためのサムホイールが開示されている。所望に応じて、組織のサンプリングの際に、組織ホルダー2200における各組織保持凹部すなわち区画が開口114の特定の時計位置に一致するように、マニホールド2300および組織ホルダー2200を開口114と同時に回転するように構成することができる。別の代替の実施形態では、モータ500または別のモータを設けて、組織ホルダー2200およびマニホールド2300を回転させることができる。別法では、マニホールド2300は、任意の他の適当な構成要素、機能構造、装置、または技術を用いて回転させることができる。
【0033】
これに加えてまたは別法として、組織ホルダー2200が、カッター120が前進または引き戻される時のカッター120の移動時に所定角度回転し、カッター120の各ストロークで、回転式マニホールド2300が、このマニホールド2300に支持された組織ホルダー2200を再配置して、組織ホルダー2200が、カッター120のストロークの際に切断される組織サンプル42を受容する時計位置に合わせる。一実施形態では、スイッチまたはレバー(例えば、レバー2040)を用いて、回転式マニホールドの回転方向を時計回りまたは反時計回りの方向に選択することができる。レバーを切り替えることにより、組織サンプルの組織保管組立体への進入点を変更することができる。例えば、組織サンプルの進入点を、12時の位置(真上)からずらすことができる。一実施形態では、レバーを用いて、組織進入点を約2時の位置または約10時の位置に選択し、生検装置10が定位台の下面または他の部分に近接して配置できる定位環境で生検装置10を使用する使用者が、組織保管組立体2000の透明なカバー2010を介してサンプルの保管組立体内への進入を観察できるようにする。
【0034】
図6は、この例の組織保管組立体2000の拡大図である。図7は、組織保管組立体2000の構成要素の組立分解図である。図8は、組織保管組立体2000の構成要素の断面図である。図9は、径方向に延びたフィン2320およびこれらの近接するフィンの間に真空を供給するための真空ポート2324を有するマニホールド2300の模式図である。
【0035】
ここで図6〜図8を参照すると、この例の組織保管組立体2000は、複数の組織ホルダー2200を含むことができる。図7では、組織保管組立体は、3つのサンプルホルダー2200A、2200B、および2200Cを含む。組織ホルダー2200A〜2200Cは、マニホールド2300によって取り外し可能に保持されている。各組織ホルダー2200は、カバー2010を取り外して、組織サンプル42が組織ホルダー2200に保持された状態で組織ホルダー2200をマニホールド2300から持ち上げてスライドさせ、生検装置10から取り外すことができる。
【0036】
図6〜図8に示されている実施形態では、各組織ホルダー2200A〜2200Cは、マニホールド2300の外周面に約120度に亘って延在することができる。別法では、組織ホルダー2200A〜2200Cは、任意の他の適当な範囲(例えば、約90度、約180度、約360度など)に亘って延在することができる。この例の各組織ホルダー2200A〜2200Cは、複数の組織サンプル42を離間して順番に受容および保持できるように成形または他の方法で形成されている。図7では、各組織ホルダー2200A〜2200Cは、可撓性組織サンプルストリップの形態であり、各組織サンプルストリップは、対応する組織サンプル42を受容する複数の凹部2204を含む。
【0037】
ここで図6〜図9を参照すると、マニホールド2300は、径方向に延びたフィン2320などの径方向に延びた複数の突出部を含むことができる。組織ホルダー2200A〜2200Cは、フィン2320に係合して、フィン2320が、マニホールド2300に対するホルダー2200A〜2200Cの周方向の運動を防止し、かつ3つの組織ホルダー2200A〜2200Cをマニホールド2300の所定の位置に維持するように成形または他の方法で形成することができる。組織ホルダー2200A〜2200Cが、マニホールド2300に配置されている場合、各凹部2204は、マニホールド2300の近接する2つのフィン2320の間に配置することができる。別法では、フィン2320以外の径方向などに延びる任意の適当な構造または機能構造をマニホールド2300に設けることができる。
【0038】
組織サンプルホルダー2200A〜2200Cは、薄いポリマーシートストックから、または他の材料、構造、および技術を用いて形成することができる。所望に応じて、組織サンプルホルダー2200A〜2200Cは、概ね放射線透過性(概ねX線透過性)である材料から形成することができる。一実施形態では、サンプルホルダー2200A〜2200Cは、約0.015インチ(0.381mm)または任意の他の適当な厚みのポリプロピレンから形成することができる。サンプルホルダー2200A〜2200Cは、径方向内側に面した表面2203および径方向外側に面した表面2205(図8)を含むことができる。サンプルホルダー2200A〜2200Cは、ストリップの径方向外側に面した表面2205に組織受容凹部2204を備えるように、例えば、成形、真空成形、または圧迫法などで形成することができる。各凹部2204は、フロア2205、径方向外側に延びた側壁2206、および近位後壁2208を有する。各凹部2204は、サンプルホルダー2200A〜2200Cがマニホールド2300に配置された時に、近接する2つのマニホールドフィン2320の間に位置することができる。各サンプルホルダー2200A〜2200Cは、遠位側に延びたリップ2260も含むことができる。
【0039】
別法では、サンプルホルダー2200A〜2200Cは、これらのサンプルホルダー2200A〜2200Cの径方向内側に面した表面2203に組織サンプルを受容するように形成するか、または任意の他の適当な方法で形成することができる。
【0040】
真空をマニホールド2300からサンプルホルダー2200A〜2200Cを介して凹部2204に供給するため、および組織サンプル42をサンプル移送チューブ2030から凹部2204に移送するために、孔やスロットなどの形態の真空開口2212、2214をサンプルホルダー2200A〜2200Cに設けることができる。例えば、真空開口2214は、側壁2206を通って延びることができ、真空開口2212は、フロア2205を通って延びることができる。別法では、任意の適当な位置の任意の他の構造を用いて、サンプルホルダー2200A〜2200C内に連通させることができる。
【0041】
ここで図8および図9を参照すると、マニホールド2300は、概ね円盤型の遠位端部プレート2310から延びたフィン2320を含むことができる。遠位端部プレート2310の遠位面は、マニホールド歯車2350の相補的な凹部(不図示)に係合するスプライン構造2314を含む。端部プレート2310は、この端部プレート2310を通って延びている複数の真空ポート2324も含み、各ポート2324は、近接する2つのフィン2320の間に真空を供給するように配置されている。
【0042】
真空源(例えば、後述する真空ポンプ4010など)から近位カバー2050の真空ポート2060に供給される真空を、カバー2050を通って歯車2350を通って延びる複数の通路2352の1つに供給する。マニホールド歯車2350を通って延びる各通路2352は、スプライン構造2314がマニホールド歯車2350に係合すると、マニホールド端部プレート2310の関連する真空ポート2324に整合することができる。したがって、ポート2060に供給される真空は、カバー2050を通って歯車2350の通路に送られ、次いでマニホールド2300の真空ポート2324を通って近接する2つのフィン2320の間に送られる。サンプル保管組立体への真空の供給によって得られる気流の方向は、図8の矢印によって例示されている。
【0043】
上記した実施形態では、組織ホルダー2200は、複数のサンプルホルダー2200A〜2200Cを含む。別法では、組織ホルダー2200は、マニホールド2300の周りを360度に亘って延在する連続的なリングまたはマニホールドの周りを実質的に360度に亘って延在する単一ストリップの形態などの単一部品とすることができる。別法では、任意の他の適当な構造、機能構造、または装置を用いて、組織サンプル42を保持することができる。
【0044】
図10は、組織サンプルホルダー2200の代替の実施形態を例示している。図10では、サンプルホルダー2200は、4つのセグメント2201A〜2201Dを含む単一ストリップを含む。近接するセグメント2201A〜2201Dは、可撓性蝶番2203によって互いに接続されている。各セグメント2201A〜2201Dは、約90度に亘る概ね弧状の形状を有することができ、概ね凸状の外面が、組織を保持するための複数の凹部を有する。
【0045】
この例のホルダー2200は、放射線不透過性または他の特性を有することができ、組織サンプル42が離間して順番に組織ホルダー2200に配置された状態で、組織保管組立体2000から取り外すことができる。サンプル42は、ホルダー2200から取り外さずに、サンプルの42の順序を乱さず、および/または個々のサンプル42に接触することなく、サンプル42およびホルダー2200を任意の適当な試験器具に配置して、または適当な調製液の中に入れるなどして、試験および/または試験の準備を行うことができる。
【0046】
例えば、患者が微小石灰化について検査される場合、サンプル42を組織ホルダー2200に配置した状態で、サンプル42に対して放射線写真を撮ることができる。得られた放射線写真を微小石灰化について検査する。所望に応じて、微小石灰化を示す組織ホルダー2200のサンプル42を、組織ホルダー2200から取り外すことができる。組織ホルダー2200、この組織ホルダー2200に残っている全ての組織サンプル42、および微小石灰化を含む全ての組織サンプル42を共にホルマリン液に浸漬して、病理学のためのサンプルを用意することができる。別法では、組織ホルダー2200とこの組織ホルダー2200に保持された組織サンプル42を共に、生理食塩水または適当な液体調製剤に浸漬することができる。もちろん、組織サンプル42は、組織ホルダー2200に配置された状態または他の状態で、任意の他の適当な処理を行うことができる。
【0047】
図11および図11Aは、組織サンプルホルダー2200の別の実施形態を例示している。図11では、サンプルホルダー2200は、ハブ2270から径方向に延びた複数のアーム2272を含む。ハブ2270は、概ね円形とし、マニホールド2300の端部を受容できる大きさにすることができる。アーム2272は、マニホールド2300の近接する2つのフィン2320の間に適合する大きさおよび間隔にすることができる。各アーム2272は、組織受容区画2274を含むことができる。組織受容区画2274は、アーム2272と一体形成しても良いし、別個の部品としてアーム2272に結合しても良い。組織受容区画2274は、この例では、カップまたは凹状の構造にすることができるが、他の構造を用いることもできる。各アーム2272は、真空をマニホールド2300から組織受容区画2274に供給するための1または複数の真空開口を含むことができる。
【0048】
各アーム2272は、蝶番2275でハブに接続することができる。各蝶番2275は、例えば、アーム2272を形成する材料からなる薄い可撓性ストリップから形成される可撓性「一体」蝶番とすることができる。別法では、他の構造を用いることもできる。この例の可撓性蝶番2275により、ホルダー2200が組織保管組立体2000内に配置された時にハブ2270の長手方向軸2271に概ね平行に延在するように、径方向内側にアーム2272を折り畳むことができる。ホルダー2200が、組織保管組立体2000から取り外されると、この例の可撓性蝶番2275により、図11Aに示されているように、アーム2272が径方向外側に開いて平坦な構造になる。
【0049】
組織ホルダー2200は、視認でき、および/または放射線透過性である表示(例えば、文字、数字、記号など)を含むことができる。例えば、この表示を用いて、組織ホルダー2200上の個々の組織保持凹部すなわち区画2274を識別することができる。各凹部すなわち区画2274は、固有の番号または関連する記号を有することができ、このような番号または記号は、裸眼で視認することができ、および/または放射線透過性であるホルダー2200に形成または印刷される。したがって、組織ホルダー2200が生検装置10から引き戻されると、個々の組織サンプル42を、ホルダー2200の上で、視覚および/またはX線の両方で一意的に識別することができる。
【0050】
所望に応じて、生検装置10は、この生検装置10が動作している時に切除された組織サンプル42の数を示すためのディスプレイ(不図示)を含むことができる。例えば、生検装置10または制御ユニット5000は、切除され保管された組織サンプル42の数を示すLEDディスプレイなどのディスプレイを含むことができる。加えて、LEDディスプレイは、基準に対して各サンプル42が採取される位置を示す図表ディスプレイを含むことができる。例えば、このディスプレイは、組織開口114の初めの12時の位置(真上)に対して各サンプル42が採取される時計位置を示すことができる。別法では、LEDディスプレイは、組織ホルダー2200上の各区画すなわち凹部2274の位置を示すと同時に、組織サンプル42が特定の区画すなわち凹部2274または組織ホルダー2200の周方向の特定の位置に配置されているか否かも示すことができる。別法では、ディスプレイは、任意の他の適当な方法および位置で生検装置10に含めることができ、あらゆる所望の情報を表示することができる。
【0051】
図12は、各組織サンプルの端部が連続して配置するように組織サンプル42を保持するために用いることができる代替の組織保管装置2700を例示している。図12Aは、線12A‐12Aに沿って見た断面図である。図12Bは、保管装置2700の一部の長さに沿って見た断面図である。この例の保管装置2700は、押出しチューブなどの薄肉可撓性チューブから形成できる可撓性の螺旋組織サンプルホルダー2710を含む。組織サンプルホルダー2710は、この長さに沿って互いに平行に延びた3つの内腔2712、2714、2716を含む。
【0052】
この例のサンプルホルダー2710は、各組織サンプルの端部が連続して配置されるように組織サンプル42を受容するための組織サンプル内腔2712、真空供給内腔2714、および内腔2712と内腔2714に沿ってその間に延在する真空制御内腔2716を含む。細長い可撓性制御部材2718が、制御内腔2716内に配置されている。細長い制御部材2718が制御内腔2716内に完全に挿入されると、制御部材2718は、真空制御内腔2716の長さに沿って離間して配置された一連の横流ポート2719をブロックする役割を果たす。横流ポート2719は、真空制御内腔2716の長さに沿って離隔させることができる。この離隔距離は、生検装置10のカッター120によって切除される組織サンプル42の最大長さにほぼ等しいか僅かに長い。制御部材2718は、図示されている方向に段階的に内腔2716から引き戻して、真空供給内腔2714内の真空をサンプル内腔2712に供給することができる。制御部材2718が段階的に引き戻される度に、真空制御内腔2716の一対の横流ポート2719が覆われなくなり、サンプル内腔2712に真空が供給される。別法では、任意の他の適当な構造、機能構造、装置、または技術を用いてサンプル内腔2712に選択的に真空を供給することができる。
【0053】
この例では、組織サンプル内腔2712は、サンプル移送チューブ2030に直接または間接的に接続することができる。内腔2714は、真空源(例えば、真空制御モジュール5000)に接続することができる。制御部材2718は、手作業で引き戻すことができ、別法では、生検装置10に接続された巻取り機構(不図示)によって自動的に引き戻すことができる。
【0054】
図13は、カニューレ100の遠位部分の模式図である。図14は、カッター120が組織受容開口114に対してカッター内腔104内を前進または引き戻される際に真空内腔108に供給することができる真空レベルの模式図である。図13は、真空内腔108とカッター内腔104との間を連通させるためにカニューレ100の内部構造に設けることができる通路を例示する図である。通路107は、一般に開口114の下側に位置配置され、通路109は、開口114の遠位側に配置されている。
【0055】
図15は、この例の生検装置10と共に用いることができる空気圧回路の模式図である。
この空気圧システムは、真空ポンプ4010、調整器4020、真空キャニスター/レザバー4030、主制御弁4060、および生理食塩水/真空弁4080を含むことができる。
【0056】
真空ポンプ4010によって生成された真空が、弁を用いずに、真空ライン4012および組織保管組立体2000を介してカッター120およびカッター内腔104に供給されるため、カッター120の内部およびカニューレ100のカッター内腔104に供給される真空は、真空ポンプ4010の運転中は常に供給される。別法では、1または複数の弁または他の機能構造や機構を、このような流路に沿って設けることができる。真空内腔108の空気圧回路は、2つの弁4060および4080を含む。弁4080は、2つの入口ポートを備えた3ポート/2位置弁を含むことができる。一方の入口ポートを真空ライン4012に接続することができ、他方の入口ポートを生理食塩水の供給源4016に接続する(またはフィルター4018を介して大気にベントする)ことができる。弁4080の出口ポートは、主制御弁4060の入口ポートに連通している。
【0057】
弁4080の位置は、カッター120の位置に一致するように構成されている。カッター120が近位側に引き戻されると(例えば、組織開口が開くように)、弁4080から主制御弁4060に真空が供給される。カッター120が遠位側に前進すると(例えば、組織受容開口114が閉じるように)、弁4080から主制御弁4060に生理食塩水が供給される。別法では、生理食塩水が利用できない、または必要ない場合は、弁4080から主制御弁4060にフィルター4018を介した大気が供給される。弁4080は、ソレノイドやモータを含む任意の適当な方式で、カッター120への機械連結または他の方法によって作動させることができる。弁4080は、ある位置でバネ荷重がかかるようにし、カッター120の運動(カッター120の遠位位置への移動など)を利用して、弁4080の位置を変更することができる。
【0058】
主制御弁4060は、3ポート/3位置弁を含むことができる。第1の入口ポートは、弁4080の出口ポートに接続することができる。第2の入口ポートは、フィルター処理した大気にベントすることができる。弁4060の出口ポートは、カニューレ100の真空内腔108の近位端部に接続することができる。弁4060の位置は、図16に列記されている制御ボタンなどの1または複数のユーザー制御インターフェイスを用いて生検装置10の操作用者が操作することができる。制御ボタン(図10には不図示)は、例えばハンドピース30や他の部分(例えば、真空制御モジュール5000上)などの生検装置10の本体のあらゆる便利な位置に配置することができる。弁4060は、ソレノイド、モータ、カッター120に対するリンク、または他の方法で作動させることができる。
【0059】
もちろん、図15に示されている空気圧回路は単なる例示であり、異なる構成要素、構成要素の配置、および構成要素の動作を含め、任意の他の適当な回路を用いることもできる。
【0060】
図16は、生検装置10の制御に用いることができる複数の制御状態を例示している。図16を参照すると、生検装置10の「準備完了状態」は、最遠位位置に前進したカッター120および閉じた組織開口114に一致している。この準備完了状態では、弁4080が、主制御弁4060に生理食塩水を供給し、この主制御弁は、真空内腔108に連通した出口ポートを含む他のポートを密閉する位置にある。準備完了状態で真空内腔108に対するポートを閉じることで、装置を通る空気の流れが最小にすることができ、ポンプ4010が、真空キャニスター4030における所望の真空レベルを容易に維持することができる。
【0061】
この例では、操作者が「サンプル」ボタン170を押下すると、カッターモータが作動して、カッター120が近位側に引き戻される。カッターが引き戻されると、弁4080の位置が変更され、真空が主制御弁4060に供給される。同時に、主制御弁の位置が変更され、真空が真空内腔108に供給される。組織開口114が開いた状態では、真空が、真空ポンプ4010からカッター120(組織保管組立体2000などを介して)およびカッター内腔104(カッター120を介して)、ならびに真空内腔108(弁4080および4060を介して)に供給される。カッター内腔104および真空内腔108の両方に供給される真空により、カニューレ100の開口114内への組織の引き込みが助けられる。
【0062】
この真空状態が2秒以上維持して組織が開口114内に引き込まれたら、カッター120を遠位側に前進させて(同時に回転させて)開口114を閉じ、中空カッター120の遠位部分における組織サンプル42を切除する。カッター120が遠位側に前進すると、カッター120は、接触または他の方法で弁4080を作動させて、この弁の位置を変更して、生理食塩水を主制御弁4060に供給する。また、カッター120が前進したら、マイクロプロセッサを用いて、主制御弁4060の位置を変更して、フィルター処理した大気を真空内腔108に供給し、次にこの大気を、通路107、109を介して、中空カッター120の遠位部分に受容された切除組織サンプル42の遠位面に供給することができる。組織サンプル42の遠位面に対する大気により、組織サンプル42が近位側に押されると同時に、カッター120に供給された真空(組織保管組立体2000を介して)により、切除された組織サンプル42が近位側に吸引される。結果として生じたこの組織サンプル42を近位側に押す力により、組織サンプル42が中空カッター120を介して組織保管組立体2000内に移送される。もちろん、任意の他の適当な構造または技術を用いて、組織サンプル42を捕捉して組織保管組立体2000に移送することができる。
【0063】
代替の実施形態では、マイクロプロセッサを用いて主制御弁4060の位置を変更して、まず生理食塩水を真空内腔108に所定時間供給し、次に主制御弁の位置を変更して大気を真空内腔108に供給する。したがって、所定量の生理食塩水が、通路107、109を介して中空カッター120の遠位端部に供給されるため、切除された組織サンプルが中空カッター120を介して組織保管組立体2000まで近位側に移動するのが助けられる。制御システムは、所定時間(例えば、1秒または数秒)の後に準備完了状態に戻るようにプログラムすることができる。
【0064】
生検装置の操作者は、マイクロプロセッサの制御により、数分の1インチ(例えば、0.2インチ(約5mm))または任意の適当な距離、カッター120が往復運動して開口114が開閉するように、準備完了状態(例えば、「サンプル」ボタン170を押して組織を切除した後)で「プローブ洗浄」ボタン172を押下することができる。このカッター120の往復運動により、組織サンプル42を除去する、または他の方法で組織サンプル42が存在しないようにして、組織サンプル42が中空カッター120内を自由に移動できるようにすることができる。カッター120が往復運動している間、真空制御弁4060を再配置して、生理食塩水を、通路107、109を介して真空内腔108に供給し、組織サンプル42の遠位面を押圧する。所定時間後に、マイクロプロセッサが空気圧系を準備完了状態に戻すことができる。
【0065】
操作者が、装置が準備完了状態の時に「吸引/注入」ボタン174を押下または解除して、サンプリングされた組織内、または組織サンプルが既に除去されたまたはこれから除去される部位に薬物または組織マーカーを注入することができる。この例では、ボタン174が押下されると、カッター120が近位側に移動して開口114が開く。主制御弁4060の位置が変更されて、大気が真空内腔108に供給される。「吸引/注入」ボタン174を押下すると、真空の供給が停止される(例えば、ポンプ4010をオフにするか、または調整器4020を開けてポンプ4010の出口を大気にベントして)。組織マーカー(または薬物)アプライヤを、組織保管組立体2000などを介して、中空カッター120からカニューレ100の近位端部に送り、カニューレ100の開いた開口114からマーカー(または薬物)を供給することができる。マーカーまたは薬物が供給されたら、使用者は、主制御弁4060が上の位置にある状態で、カッター120を前進させることができる任意のボタンを押して、準備完了状態に戻すことができる。
【0066】
操作者は、「吸引/注入」ボタン174を押下してその状態を維持し、開口114の近傍の流体を吸引することができる。この例では、操作者がボタン174を押下すると、カッター120が近位側に移動して開口114が開く。カッターが近位側に位置する状態で、弁4080が真空を主制御弁4060に供給すると、この主制御弁4060の位置が変更されて、真空が真空内腔108に供給される。したがって、真空が、真空内腔108およびカッター内腔104の両方に供給される(この例では、ポンプ4010が動作している間、真空がカッター120を介してカッター内腔104に連続的に供給されるため)。カッター内腔104および真空内腔108に供給される真空が、開口114の近傍のあらゆる流体を吸引する。吸引/注入ボタン174が解放されると、空気圧系は、準備完了状態に戻るように制御される。次に、カッター120が前進して開口114が閉じられる。この例では、カッター120が前進すると、主制御弁4060の位置が変更されて、フィルター処理された大気が真空内腔108に供給される。開口114が閉じると、主制御弁4060の位置が変更され、その全てのポートが閉じられて準備完了状態になる。ここに開示した他の動作シーケンスと同様に、上記動作シーケンスは単なる例示であり、明確に上記した動作シーケンスに加えて、またはこの代わりに、あらゆる他の動作シーケンスを用いることができる。
【0067】
真空ポンプ4010を収容している制御モジュール5000から生検装置10までの真空ライン4012の長さは、手術室での生検装置10の動きに対処するため、または磁気共鳴影像法の環境で制御モジュール5000の位置の制限から、20フィート(約6.1m)(場合によってはこれ以上)と比較的長くすることができる。もちろん、真空ライン4012は、あらゆる所望の長さにすることができる。この例では、真空ライン4012は、組織開口114が開いている時に真空ポンプ4010および真空キャニスター4030によって供給または維持する必要がある流量の相当部分を占めうる。生検真空制御ユニット5000の代わりに、真空ライン4012の遠位端部(この得に端部は生検装置10に接続されている)に生理食塩水/真空弁4080および主制御弁4060を配置することで、比較的小さい真空ポンプ4010および比較的に小さい真空キャニスター4030を用いることができる。ある種の従来の生検装置では、弁を、真空ポンプを含む制御ユニット内に配置することができ、この制御ユニットを、その重量と大きさから車輪に取り付けることができる。図16では、弁4060、4080は、生検装置10内に配置されている。これらの弁4060、4080は、カニューレ100およびカッター120(例えば、ハンドピース30)を含む使い捨てプローブ部分および/または生検装置10の非使い捨て部分(例えば、ホルスター)に配置することができる。このような弁の配置により、80L/分を超える流量を必要とする従来のポンプと弁の構成とは対照的に、流量が約18L/分の比較的軽量のダイヤフラム真空ポンプ4010を用いることができる。もちろん、あらゆる所望の特性を有するあらゆる所望の真空ポンプを用いることができる。
【0068】
同様に、真空キャニスター4030は、保管容積が1200cc以上の従来の真空キャニスターとは対照的に、容積が約300cm3未満と比較的小さくすることができる。この結果、比較的軽量で、手で持ち運べる真空制御モジュール5000を利用することができる。真空制御モジュール5000(図15)は、重量を25ポンド(約11.4kg)未満とし、片手で持ち運びでき、高さ、幅、および長さをそれぞれ約1.5フィート(約45.7cm)未満の寸法にすることができる。別法では、真空キャニスター4030および制御モジュール5000は、任意の他の適当な容積、大きさ、重量、または他の特性を有することができる。
【0069】
所望に応じて、フットベダル(不図示)または遠隔キーパッド(不図示)を用いて、制御入力すなわち命令を、直接に生検装置10および/または真空制御モジュール5000に供給することができる。フットペダルおよび遠隔キーパッドは、係留することができる(例えば、フットペダル/キーパッドから真空制御モジュール5000まで延びた1または複数のワイヤなどを用いて)。別法では、フットペダル/キーパッドと制御モジュール5000および/または生検装置10との間の「無線」通信を用いることができる。例えば、無線「ブルートゥース」通信および関連するハードウエアおよびソフトウエアを用いて、信号の送受信のために「見通し線(line of sight)」を必要とすることなく、真空制御モジュール5000および/または生検装置10に無線制御信号を供給することができる。別法では、赤外線送信機および受信機を用いて、制御信号を送信および受信することができる。有線、無線、または他の手段にかかわらず、生検システムの構成要素間(例えば、フットペダル/キーパッドと制御モジュール5000との間)で通信を確立する他の方法が、当業者には本開示から明らかであろう。
【0070】
本発明の好適な実施形態を図示および説明してきたが、当業者には、このような実施形態が単なる例示であることが明らかであろう。当業者であれば、添付の特許請求の範囲および概念から逸脱することなく、様々な変更形態、変形形態、および置換形態に想到するであろう。加えて、本発明に関連して説明した各要素は、これらの各要素の機能を果たすための手段として表すこともできる。
【0071】
〔実施の態様〕
(1)生検装置において、
(a)前記生検装置から遠位側に延びたカニューレと、
(b)前記カニューレに対して移動可能なチューブカッターであって、近位端部、および、前記カニューレ内に受容された組織を切除するための遠位端部を有する、チューブカッターと、
(c)前記チューブカッターの近位側に配置された、前記チューブカッターによって切除された組織サンプルを受容するための組織保管組立体であって、
(i)前記生検装置の近位端部に配置されたほぼ透明なカバー、
(ii)前記ほぼ透明なカバーの中に少なくとも部分的に配置された回転部材、および、
(iii)前記回転部材によって取り外し可能に保持された、複数の組織サンプルを受容するように構成された少なくとも1つの組織ホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
を含む、生検装置。
(2)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記回転部材は、真空を、前記組織ホルダーの部分に案内するためのマニホールドを含む、生検装置。
(3)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記回転部材は、前記チューブカッターが移動すると、所定の角度回転するように構成されている、生検装置。
(4)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記回転部材は、時計回りの方向または半時計回りの方向のいずれかに、選択的に回転可能である、生検装置。
(5)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記生検装置は、前記回転部材によって取り外し可能に保持された複数の組織ホルダーを含み、
前記複数の組織ホルダーの各組織ホルダーは、少なくとも1つの組織サンプルを保持するように構成されている、生検装置。
【0072】
(6)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、複数の凹部を含み、
前記複数の凹部の各凹部は、切除された組織サンプルを受容するように構成されている、生検装置。
(7)実施態様(6)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、径方向内側に面した表面、および、径方向外側に面した表面、を有しており、
前記組織ホルダーは、前記径方向外側に面した表面によって画定された複数の凹部を含む、生検装置。
(8)実施態様(6)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、径方向内側に面した表面、および、径方向外側に面した表面、を有しており、
前記組織ホルダーは、前記径方向内側に面した表面によって画定された複数の凹部を含む、生検装置。
(9)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、前記回転部材の外周の周りに少なくとも部分的に延在する、少なくとも1つの可撓性組織サンプルストリップを含む、生検装置。
(10)実施態様(1)に記載の生検装置において、
少なくとも3つの可撓性組織サンプルストリップ、
を含み、
これらの各組織サンプルストリップは、前記回転部材の外周の周りに部分的に延在している、生検装置。
【0073】
(11)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記回転部材は、周方向に離隔した複数の径方向延長部(a plurality of circumferentially spaced apart radial extensions)を含む、生検装置。
(12)実施態様(11)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、前記回転部材の前記径方向延長部に係合する形状である、生検装置。
(13)実施態様(11)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、可撓性組織サンプルストリップを含み、
前記可撓性組織サンプルストリップは、前記回転部材の近接し合う径方向延長部の間に位置する組織サンプル凹部を提供する形状である、生検装置。
(14)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、複数の組織サンプル凹部を有する少なくとも1つの可撓性組織サンプルストリップを含み、
前記各組織サンプル凹部は、前記可撓性組織サンプルストリップを通って延びる少なくとも1つの真空開口に関連している、生検装置。
(15)生検装置と共に用いるための組織サンプル保管組立体において、
(a)取り外し可能なカバーと、
(b)前記カバー内に少なくとも部分的に配置された、少なくとも1つの真空通路を有する回転式マニホールドと、
(c)前記マニホールドの外面に配置された、前記マニホールドの前記外面の少なくとも一部の周りに延在する、少なくとも1つの組織サンプルストリップと、
を含む、組立体。
【0074】
(16)実施態様(15)に記載の組立体において、
前記取り外し可能なカバーは、ほぼ透明である、組立体。
(17)実施態様(15)に記載の組立体において、
前記組立体は、前記マニホールドの前記外面の周りに配置された複数の組織サンプルストリップをさらに含み、
前記複数の組織サンプルストリップの各組織サンプルストリップは、少なくとも1つの組織サンプルを保持するように構成されている、組立体。
(18)実施態様(15)に記載の組立体において、
前記少なくとも1つの組織サンプルストリップの少なくとも一部は、放射線透過性である、組立体。
(19)生検法において、
(a)カニューレ、移動カッター、および、前記カッターの近位側に配置された組織サンプルホルダーを有する生検装置を提供するステップであって、
前記組織サンプルホルダーの少なくとも一部が、透明であり、
前記組織サンプルホルダーが、複数の組織保管室を提供している、
ステップと、
(b)サンプリングされるべき組織塊の中に、前記カニューレを挿入するステップと、
(c)前記カッターを移動させて、前記組織塊から第1の組織サンプルを切除するステップと、
(d)前記第1の組織サンプルを、前記カッターを介して、前記組織サンプルホルダーの第1の組織保管室まで近位側に移送するステップと、
(e)第2の組織サンプルを得るために、第2の空の組織保管室を生じさせるように、前記組織サンプルホルダーを再配置するステップと、
(f)前記カニューレを前記組織塊から取り外さずに、前記カッターを用いて、前記組織塊から第2の組織サンプルを切除するステップと、
(g)前記第2の組織サンプルを、前記カッターを介して、前記組織サンプルホルダーの前記第2の組織保管室まで近位側に移送するステップと、
を含む、生検方法。
(20)実施態様(19)に記載の方法において、
前記組織サンプルホルダーを再配置する前記ステップは、前記組織サンプルホルダーを回転させて、前記第2の組織保管室をポートに整合させる(align)ステップを含む、方法。
【0075】
(21)生検装置において、
(a)前記生検装置から遠位側に延びたカニューレと、
(b)前記カニューレに対して移動可能なカッターであって、前記カニューレ内に受容された組織を切除するように動作可能である、カッターと、
(c)前記カッターによって切除された組織サンプルを受容するための、前記生検装置により支持された組織保管組立体であって、
(i)前記カニューレの近位側に配置された回転部材、および、
(ii)前記回転部材により取り外し可能に保持される複数の組織サンプルホルダーであって、各組織サンプルホルダーは、前記カッターにより切除された少なくとも1つの組織サンプルを受容するように構成され、各組織サンプルホルダーは、前記回転部材が前記生検装置に支持されている間に、前記回転部材から取り外し可能である、複数の組織サンプルホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
を含む、生検装置。
(22)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーのうち少なくとも1つと連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
(23)実施態様(22)に記載の生検装置において、
前記真空源は、前記回転部材の少なくとも1つの通路を通じて少なくとも1つの組織サンプルと連通する、生検装置。
(24)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体を通じて前記カッターの内腔と連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
(25)実施態様(21)に記載の生検装置において、
液体流路、
をさらに含み、
前記組織保管組立体は、前記液体流路の一部を含む、生検装置。
【0076】
(26)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体の少なくとも一部を通じた選択的な流体の流れをもたらすように動作可能な少なくとも1つの弁、
をさらに含む、生検装置。
(27)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記カッターは、長手方向軸、および少なくとも部分的に内部を通って延びる内腔を有する、チューブカッターを含み、
前記カッターは、前記カニューレの中に少なくとも部分的に配置される、生検装置。
(28)実施態様(27)に記載の生検装置において、
前記カニューレは、前記カニューレの遠位端部に近接した側方組織受容開口を含み、
前記カニューレは、前記チューブカッターの前記長手方向軸に概ね平行に、かつ前記長手方向軸からずれて延びる流体通路をさらに提供する、生検装置。
(29)実施態様(28)に記載の生検装置において、
前記チューブカッターの前記長手方向軸に概ね平行に、かつ前記長手方向軸からずれて延びる前記流体通路を通じて、前記組織受容開口と連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
(30)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記カニューレは、側方組織受容開口を含み、
前記カッターは、前記側方組織受容開口を閉じるように前進可能であり、
前記生検装置は、前記カッターが前記側方組織受容開口を閉じるように前進した状態で、前記カッターの遠位端部に大気圧を選択的に供給するよう動作可能である、生検装置。
【0077】
(31)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体の少なくとも一部分は、透明であり、
組織サンプルホルダーにより受容された組織サンプルは、前記回転部材から前記組織サンプルホルダーを取り外すことなく、前記組織保管組立体の透明な前記一部分を通して見ることができる、生検装置。
(32)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーは、前記回転部材の外部上に嵌められる、生検装置。
(33)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーは、前記回転部材の回転軸を中心として周方向に延びる、生検装置。
(34)実施態様(21)に記載の生検装置において、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成された、少なくとも1つの可撓性部材を含む、生検装置。
(35)実施態様(21)に記載の生検装置において、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成された、可撓性部材を含む、生検装置。
(36)実施態様(21)に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、生検装置。
(37)実施態様(21)に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、1または複数の番号または記号を含み、各番号または記号は、前記組織サンプルホルダーの組織受容凹部と関連する、生検装置。
【0078】
(38)実施態様(21)に記載の生検装置において、
(a)側方組織受容開口を有するカニューレと、
(b)前記組織受容開口に受容された組織を切除するために前記組織受容開口に対して移動可能なカッターと、
(c)組織保管組立体であって、
(i)前記カニューレの近位側で前記生検装置により支持されるマニホールド、および、
(ii)前記マニホールドにより取り外し可能に保持される複数の取り外し可能な組織サンプルホルダーであって、各組織サンプルホルダーは、独立して前記マニホールドから取り外し可能である、複数の取り外し可能な組織サンプルホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
(d)前記マニホールドを通じて前記組織サンプルホルダーに真空を供給する真空源と、
を含む、生検装置。
(39)実施態様(38)に記載の生検装置において、
各取り外し可能な組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成される、生検装置。
(40)実施態様(38)に記載の生検装置において、
前記カニューレは、前記カニューレの長手方向軸を中心として複数の角度位置で組織サンプルを切除および収集することができるように、前記生検装置の比較的静止した部分に対して回転可能である、生検装置。
(41)実施態様(40)に記載の生検装置において、
前記生検装置は、前記複数の角度位置から切除された組織サンプルを保管するように動作可能であり、前記サンプルは、前記組織サンプルホルダーにより、連続した離間関係に保持される、生検装置。
(42)実施態様(41)に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、生検装置。
(43)実施態様(41)に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、複数の組織サンプル凹部を有し、
前記組織サンプルホルダーは、前記複数の組織サンプル凹部のそれぞれと関連する、固有の番号または記号を含む、生検装置。
【0079】
(44)生検装置において、
(a)本体、前記本体から遠位側に延びるカニューレ、前記カニューレ内に受容された組織を切除するように前記カニューレに対して移動可能なチューブカッター、および組織保管組立体を有する、プローブと、
(b)前記カッターの運動をもたらすように動作可能である、再利用可能部分と、
を含み、
前記プローブおよび再利用可能部分は、ハンドピースを提供するために互いに取り外し可能に接続されるように構成され、
前記組織保管組立体は、前記ハンドピースの比較的静止した部分に対して回転可能である、生検装置。
(45)実施態様(44)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、複数の取り外し可能な組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成される、生検装置。
(46)実施態様(44)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、少なくとも1つの組織サンプルホルダーを含み、
前記組織サンプルホルダーは、前記組織保管組立体を前記生検装置から取り外すことなく、前記組織保管組立体から取り外し可能である、生検装置。
(47)実施態様(44)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、少なくとも2つの組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、他方の組織サンプルホルダーを前記組織保管組立体から取り外すことなく、前記組織保管組立体から取り外し可能である、生検装置。
(48)実施態様(44)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、回転部材、前記回転部材により保持される少なくとも2つの組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、前記回転部材を前記生検装置から取り外すことなく、前記回転部材から取り外し可能である、生検装置。
【0080】
(49)生検装置と共に用いるための組織保管組立体において、
(a)少なくとも1つの流体通路を含む回転部材と、
(b)前記回転部材により保持された少なくとも2つの組織サンプルホルダーと、
を含み、
各組織サンプルホルダーは、他方の組織サンプルホルダーを取り外すことなく、前記回転部材から取り外し可能であり、
各組織サンプルホルダーは、前記回転部材の流体通路と連通する真空開口を有する、組織保管組立体。
(50)実施態様(49)に記載の組織保管組立体において、
カバー、
をさらに含み、
前記回転部材は、前記カバーの中に回転可能に配置される、組織保管組立体。
(51)実施態様(49)に記載の組織保管組立体において、
前記組織保管組立体は、生検装置の近位部分と取り外し可能に接続されるように構成される、組織保管組立体。
(52)実施態様(49)に記載の組織保管組立体において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、組織保管組立体。
(53)実施態様(49)に記載の組織保管組立体において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、1または複数の番号または記号を含み、各番号または記号は、前記組織サンプルホルダーの組織受容部分と関連する、組織保管組立体。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図2】生検装置の内部構成要素を例示するために生検装置の一部が取り外され、カッターが引き戻された位置にある、本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図2A】図2の線2A‐2Aに沿って見た模式図である。
【図3】生検装置の内部構成要素を例示するために生検装置の一部が取り外され、カッターが組織受容ポートを横断して前進した、本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図4】生検装置の内部構成要素を例示するために生検装置の一部が取り外され、組織サンプルが組織サンプルホルダーに配置された、本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図5】生検装置の内部構成要素を例示するために生検装置の一部が取り外され、カッターの引戻しおよび組織サンプルホルダーの角度位置合わせを示す、本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図6】例示的な組織保管組立体の拡大図である。
【図7】図6の組織保管組立体の構成要素の組立分解図である。
【図8】図6の組織保管組立体の構成要素の断面図である。
【図9】径方向に延びたフィン、およびこれらの近接するフィンの間に真空を供給するための真空ポートを有するマニホールドの模式図である。
【図10】組織ホルダーの代替の実施形態を例示する図である。
【図11】組織ホルダーの別の代替の実施形態を例示する図である。
【図11A】比較的平坦な構造にある図11の組織ホルダーを例示する図である。
【図12】各組織サンプルの端部が連続して配置されるように組織サンプルを保持するための組織ホルダーを例示する図である。
【図12A】図12の線12A‐12Aに沿って見た模式的な断面図である。
【図12B】図12に示されている組織ホルダーの長さの一部に沿って見た断面図である。
【図13】例示的なカニューレの遠位部分の模式図である。
【図14】カッターが組織受容開口に対してカッター内腔内を前進および引き戻される際に真空内腔に供給される真空レベルの模式図である。
【図15】生検装置と共に用いることができる空気圧制御回路の模式図である。
【図16】生検装置の制御に用いることができる複数の制御状態を例示する図である。
【開示の内容】
【0001】
〔優先権〕
本願は、2006年12月13日に出願された米国仮特許出願第60/869,736号、および、2006年12月13日に出願された同第60/874,792号の優先権を主張するものであり、これらの特許出願を参照して本明細書に組み入れるものとする。
【0002】
〔背景〕
本発明のいくつかの実施形態は、全般的には、生検装置に関し、より詳細には、生検装置の一部の中に離隔して連続的に複数の組織サンプルを保管できる生検装置に関する。
【0003】
疑わしい組織塊が、検査、超音波、MRI、X線イメージング、または同種のものによって患者の乳房または他の部位で見つかった場合、その組織塊が癌性細胞を含むか否かを決定するために、その組織塊から1または複数の組織サンプルを採取するために生検を行う必要がある。生検は、開放法または経皮法によって行うことができる。後のサンプリングおよび/または検査のために組織サンプルを得るための医療装置は、生検分野で周知である。例えば、乳房生検サンプルを得るために用いられるMAMMOTOMEの商標名の生検器具が、エシコン・エンド・サージェリー・インコーポレイテッド(Ethicon Endo-Surgery, Inc.)によって市販されている。
【0004】
開放生検では、乳房に大きな切開部を形成して、組織塊全体を除去する(切除生検と呼ばれる)か、または組織塊の実質的部分を除去する(切開生検として知られている)。開放生検は、病院または外科センターで通院患者用の処置として一般的に行われる外科処置であり、高コストで患者の外傷が大きい。開放生検は、経皮生検よりも感染および出血のリスクが高く、開放生検によって起こり得る外傷による変形が、後の乳房X線像の検査を困難にすることがある。さらに、患者の美観を考慮すると、開放生検は、外傷による変形のリスクから魅力に欠ける。生検により、疑わしい組織塊が癌性でないことが示されることから、開放生検処置は、そのマイナス面により、場合によっては適切でない。
【0005】
経皮生検は、開放生検よりも侵襲性が低い。経皮生検は、微細針吸引(FNA)またはコア生検などで行うことができる。FNAでは、極めて細い針を用いて、疑わしい組織塊から流体や細胞を吸引吸することができる。この方法は、局所麻酔の方がFNA自体よりも痛みが大きい場合があるほど痛みが極めて少なく、局所麻酔を必ずしも行う必要がない。しかしながら、ある種のFNA処置では、1回の処置で少量の細胞しか採取できないため、疑わしい組織の分析や、サンプルが悪性と確認された場合の癌の進行の評価における有用性が比較的低い。
【0006】
ある種のコア生検では、小さな組織サンプルを採取して、見出されたあらゆる癌細胞の進行の評価を含め、組織の病理学的評価を行うことができる。
【0007】
MAMMOTOMEの商標名の生検器具が、エシコン・エンド・サージェリー・インコーポレイテッド(Ethicon Endo-Surgery, Inc.)によって販売されている。この生検器具は、通常は、乳房組織内への1回刺入で、吸引を利用して複数のコア生検サンプルを採取する。具体的には、カッターチューブがプローブ内を前進して、吸引によって側面開口内に引き込まれた組織を切断し、次にカッターが切除位置から完全に引き戻されてサンプルを回収する。
【0008】
カッターの移動距離が比較的長い装置では、サンプルの採取速度が、プローブの回転や再配置に要する時間だけではなく、カッターの移動に要する時間によっても制限される。比較的「ストロークの長い」生検装置の代わりとして、参照して開示内容を本明細書に組み入れる以下に示す自己の特許出願に「ストロークの短い」生検装置が開示されている。すなわち、・米国公開特許出願第2005/0215921号明細書として公開された、2003年9月30日出願のヒブナー(Hibner)等による米国特許出願第10/676,944号明細書(名称:内部サンプル収集機構を備えた生検器具「(Biopsy Instrument with Internal Specimen Collection Mechanism)」)
・米国公開特許出願第2004/0153003号明細書として公開された、2003年12月10日出願のシセナス(Cicenas)等による米国特許出願第10/732,843号明細書(名称:「サンプルチューブを備えた生検装置(Biopsy Device with Sample Tube)」)
カッターが、側面開口の距離に実質的に等しい距離または僅かに短い距離を移動するようにして、サンプル時間を短縮することができる。
【0009】
以下の特許文献は、さまざまな生検装置を開示しており、これら特許文献は、参照して開示内容の全てを本明細書に組み入れるものとする。
・2001年8月14日発行の米国特許第6,273,862号明細書
・2001年5月15日発行の米国特許第6,231,522号明細書
・2001年5月8日発行の米国特許第6,228,055号明細書
・2000年9月19日発行の米国特許第6,120,462号明細書
・2000年7月11日発行の米国特許第6,086,544号明細書
・2000年6月20日発行の米国特許第6,077,230号明細書
・2000年1月25日発行の米国特許第6,017,316号明細書
・1999年12月28日発行の米国特許第6,007,497号明細書
・1999年11月9日発行の米国特許第5,980,469号明細書
・1999年10月12日発行の米国特許第5,964,716号明細書
・1999年7月27日発行の米国特許第5,928,164号明細書
・1998年7月7日発行の米国特許第5,775,333号明細書
・1998年6月23日発行の米国特許第5,769,086号明細書
・1997年7月22日発行の米国特許第5,649,547号明細書
・1996年7月18日発行の米国特許第5,526,822号明細書
・2003年10月23日公開のヒブナー(Hibner)等による米国特許出願第2003/0199753号明細書 参照して開示内容を本明細書に組み入れる米国特許第5,526,822号明細書に、ベルト駆動式の回転サンプルカセットを含む組織サンプルカセットを開示されている。他の組織サンプル保管装置が、参照して開示内容を本明細書に組み入れる、公開特許出願第2006/0074343号明細書として公開された、2004年9月29日出願の米国特許出願第10/953,395号明細書(名称:「サンプル保管部を備えた生検装置(Biopsy Device with Sample Storage)」)および公開特許出願第2007/0032741号明細書として公開された、2005年8が8日出願の米国特許出願第11/198,558号明細書(名称:「交換可能なプローブを備えた、振動挿入支援および静止真空源サンプル積層回収部を含む生検装置(Biopsy Device with Replaceable Probe and Incorporating Vibration Insertion Assist and Static Vacuum Source Sample Stacking Retrieval)」)に開示されている。
【0010】
様々な生検装置が製造および使用され、様々な組織サンプル保管装置および技術が考案されてきたが、本発明の以前には、添付の特許請求の範囲に開示した生検システムは、製造または使用されていないと思われる。
【0011】
〔詳細な説明〕
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、かつ本発明を明確に請求する特許請求の範囲で完結しているが、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読めば本発明をより良く理解できるであろう。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に従った生検装置10を示している。この例の生検装置10は、一般に参照符号30として示されているハンドピースを含む。ハンドピース30は、片手で容易に保持することができ、片手で操作することが可能である。生検装置10は、ハンドピース30から遠位側に延びたカニューレ100などの組織刺入部を含むことができる。カニューレ100は、遠位組織刺入先端部110、およびこの先端部110から近位側に離隔した横組織受容開口114を含むことができる。カニューレ100は、サンプリングされる組織塊の中に挿入することができる。次に、開口114内に引き込まれた組織を、カニューレ100内を移動するチューブカッター120(図2)の遠位端部122によって切除することができる。
【0013】
この例の生検装置10は、カッター120の近位側のハンドピース30の近位端部に配置できる組織保管組立体2000も含む。組織保管組立体2000は、ほぼ透明なカバー2010を含むことができる。このカバー2010は、ハンドピース30の近位端部などで、生検装置10に取り外し可能に接続することができる。もちろん、カバー2010は、実質的に半透明、不透明、透明と不透明の組合せなどにすることができ、任意の他の適当な特性を有することができる。カバー210は、限定するものではないが、スナップ嵌め、差込み、およびネジ結合などを含む任意の適当な取り付け機構または機能構造によってハンドピース30の近位端部に取り外し可能に接続することができる。図1では、カバー2010は、フランジ2012を備えており、このフランジ2012により、ハンドピース30の近位端部との取り外し可能なスナップ嵌めが可能となっている。
【0014】
図示されている組織保管組立体2000は、取り外し可能なカバー2010内に配置された少なくとも1つの組織ホルダー2200も含む。このホルダー2200は、回転部材に取り外し可能に保持されている。この例では、この回転部材は、マニホールド2300(図7)の形態であるが、他の構造または構成を用いることもできる。マニホールド2300は、カバー2010内に少なくとも部分的に配置することができる。組織サンプルホルダー2200は、カッター120によって切除された複数の組織サンプル(一般に参照符号42で示されている)を連続して離隔させて保持できるように構成された形状または他の構造を有することができる。
【0015】
この例の回転式マニホールド2300および組織ホルダー2200は、後述するように、組織サンプル42が切除される度に所定角度の増分による回転位置の調節などによって自動的に回転させることができる。使用者が自動位置合せを望まない場合は、マニホールド2300および組織ホルダー2200を手動で回転できるように手動回転ノブ2020を設けることができる。組織保管組立体2000は、透明なカバー2010内の回転式マニホールド2300および組織ホルダー2200の回転位置合せの方向(時計回りまたは半時計回り)を選択するための制御レバー2040などのアクチュエータも含むことができる。もちろん、本明細書に開示する他の構成要素と同様に、ノブ2020およびレバー2040は、単なるオプションであり、変更、置換、補完、または除去を、所望に応じて行うことができる。
【0016】
図2〜図5に、本発明の一実施形態に従った組織保管組立体2000を利用した生検装置の一連の動作が示されている。図2〜図5では、組織保管組立体2000は、図示されているようにカバー2010が取り外されている。図6〜図8は、この例の組織保管組立体2000の詳細を例示している。
【0017】
ここで図2を参照すると、定位法に用いるのに適した例示的な生検装置10の内部構成要素が示されている。図2では、カニューレ100は、発射機構150によって組織内に案内されたカニューレ100に一致する「発射」位置に示されている。この例の発射組立体150は、発射のエネルギーが発射バネ158に蓄積された状態で、手動撃鉄装置または撃鉄モータ156などによって撃鉄を引くことができる発射フォーク152を含む。別法では、発射組立体150は、任意の他の適当な構造を有しても良いし、完全に省略しても良い。
【0018】
この例では、チューブカッター120が、カニューレ100のカッター内腔104内に配置されている。図2では、カッター120は、引き戻された位置に示されており、カッター120の遠位切断端部122(破線で示されている)が、カニューレ100の組織受容開口114のすぐ近位側に配置されている。カニューレ100が組織内に配置されると、カッター120は、例示的な動作モードで、図2に示されている位置まで引き戻される。
【0019】
ここで図2および図2Aを参照すると、カニューレ100は、カッター内腔104の下側に位置する真空内腔108を含むことができる。カニューレ100が組織内に配置されてカッター120が図2に示されている引戻し位置にある場合、この例の真空内腔108は、複数の通路107(図13)を介してポート開口114のすぐ下側のカッター内腔104に真空を供給して、ポート114内への組織の引込みを助ける。カッター120は、遠位切断端部122からカッター近位端部124まで延びている。カッター120は、遠位切除端部122と近位端部124との間の中間部が、カニューレ100のカッター内腔104を通過するカッター120、真空マニホールド300、生理食塩水/真空弁組立体4080、およびカッター歯車410を通過している。
【0020】
この例では、カッター120の近位端部124は、組織サンプル移送チューブ2030の遠位端部に連通している。サンプル移送チューブ2030は、このチューブ2030に対するカッター端部124の相対的な軸運動および回転を可能にする滑り継手2028または他の適当な連結によってカッター120の近位端部124に接続された可撓性チューブとすることができる。サンプル移送チューブ2030の近位端部は、組織保管組立体2000の近位カバー2050の組織サンプルポート2057に連通している。近位カバー2050は、組織保管組立体2000の近位端部を覆っている。近位カバー2050と、ほぼ透明なカバー2010は共に、マニホールド2300および組織ホルダー2200が少なくとも部分的に配置される組織保管室を提供する。マニホールド2300に真空を供給するためのポート2057および真空ポート2060は、カバー2050と一体形成することができる。しかしながら、本開示から、サンプル移送チューブ2030を、所望に応じて、変更、置換、補完、または省略することができ、カッター120と組織保管組立体2000との間の連通を得るために様々な他の構成要素または構造を用いることができることを理解できよう。
【0021】
カッター120によって切除された組織サンプル42を、カッター120およびサンプル移送チューブ2030を介して移送し、組織保管組立体2000の組織保管室内に配置することができる。真空源からカバー2050の真空ポート2060を介して、または他の方法で組織保管組立体2000に真空を供給することができる。この例では、カバー2050のポート2057を介して組織保管室内に進入する組織サンプル42が、組織ホルダー2200に配置される。
【0022】
近位カバー2050は、図6に示されているように、アクセス開口2052も含むことができる。マニホールド回転歯車2350の歯2354が、開口2052を介して位置合せ爪2362に係合することができる。マニホールド回転歯車2350は、この歯車2350の回転によりマニホールド2300が回転するように、スプライン結合または他の適当な結合によってマニホールド2300に結合することができる。
【0023】
この例では、近位カバー2050は、このカバー2050が組織保管組立体2000の長手方向軸2055(図6)の中心軸を中心に回転できるように、生検装置10の本体の結合する半体と半体(不図示)との間に保持できるフランジ2056を含む。レバー2040を用いて、カバー2050(およびアクセス開口2052)を1時の位置から2時の位置に周方向に回転させることができる。レバー2040が図面(例えば、図1および図6)に示されている位置にある場合、爪2362は、開口2052を介して歯2354に係合する。レバー2040が、生検装置(図1)の外側カバーのスロット62の他端に再配置されると、カバー2050およびアクセス開口2052が回転して、爪2364が歯2354に係合する。爪2362が、軸2055を中心とした一方向におけるマニホールド2300の位置合わせ回転を可能にし、爪2364が、軸2055を中心とした反対方向におけるマニホールド2300の位置合わせ回転を可能にする。
【0024】
レバー2040の位置を変更することにより、この例では、組織サンプル42の組織保管組立体2000内への進入点も変更される。レバー2040の位置が変更されると、ポート2057の位置が周方向に移動し、移送チューブ2030がこの運動に対応する。組織サンプルの進入点は、図示されている実施形態では、12時の位置(真上)からずれている。レバー2040を用いて、約2時の位置または約10時の位置のいずれかに組織進入点を選択し、定位環境で生検装置10を用いる操作者が、サンプルの組織保管組立体2000内への進入をこの組立体2000の透明なカバー2010を介して見ることができる。この際、生検装置10の上部は、定位台の下面に近接して配置することができる。
【0025】
ポート2057を再配置するために、レバー2040の代わりまたはこれに加えて、任意の他の適当な構造または装置を用いることができることを理解されたい。例えば、1または複数のモータまたはトランスミッションを用いて、ポート2057を選択的に再配置することができる。別法では、周方向すなわち角度位置ポート2057を実質的に固定(例えば、12時の位置など)することができる。同様に、所望に応じて、爪2362、2364を変更、置換、補完、または省略することができる。
【0026】
ここで図2を再び参照すると、カッターモータ500によって回転されるカッター親ネジ510が生検装置10に支持されている。親ネジ510の回転により、その回転方向に応じて、カッターキャリッジナット520がネジ510に対して前進または後退する。ナット520は、カッターキャリッジ530に取り付けるか、または一体にすることができる。カッター120は、この例では、カッターキャリッジがカッター120を移動させる時に歯車410によって回転されるように、キャリッジ530に回転可能に支持されている。ネジ510に対するナット520の移動により、キャリッジ530およびカッター120が、モータ500およびネジ510の回転方向に応じて近位側(引戻し)または遠位側(前進)のいずれかの軸方向に移動する。カッター120は、カッター回転歯車410が駆動歯車512に係合すると、このカッター回転歯車410によってその軸を中心に回転する。駆動歯車512の回転は、モータ500によって行うこともできる。したがって、カッター120は、モータ500の作動によって同時に回転および移動することができる。図2では、カッターキャリッジナット520が、開口114のすぐ近位側に配置されているカッター120の遠位端部122に一致する近位側(引戻し)位置に示されている。
【0027】
図2に示されているように、爪2362が爪スレッド2360に回転可能に取り付けられている。図2では、爪スレッド2360は、その最も近位側の位置に示されている。爪スレッド2360は、キャリッジナット520のタブ延長部522によって近位側に押されている。スレッド2360の近位側への移動により、スレッドバネ2361が圧縮される。圧縮されたスレッドバネ2361を用いて、ナット520およびタブ延長部522が親ネジ510に対して遠位側に前進する際にスレッド2360を遠位側に付勢することができる(スレッドの前進)。もちろん、所望に応じて、バネ2361を省いたり、変更することができる。
【0028】
図2に示されている位置では、生検装置10は、組織サンプル42を採取する準備ができている。真空制御モジュール5000(図15)は、組織を開口114内に引き込むために真空を真空内腔108に供給することができる。図3を参照すると、カッター120は、組織サンプル42を切除するためにその最遠位の位置まで前進し、図示されているように、カニューレ100の開口114に亘って延在してこの開口114を閉じている。カッター120が、図2の位置から図3の位置に前進する際に、カッター120は、駆動歯車512によって回転されるカッター回転歯車410の作動で回転もする。図3では、キャリッジ530およびカッター120が、ネジ510に対するナット520の移動によって前進している。ナット520が遠位側に移動する際に、タブ延長部522も遠位側に移動し、爪スレッド2360が、バネ2361の伸長によって遠位側に押される。カッター120が、図2に示されている位置から図3に示されている位置まで遠位側に移動すると、爪2362は、マニホールド歯車2350の歯2354から係合解除され、この上を移動する。
【0029】
ここで図4を参照すると、切除された組織サンプル42が、サンプル移送チューブ2030を介して組織ホルダー2200に配置されている。切除された組織サンプル42をカニューレ100から組織保管組立体2000に移送する際には、カッター120がその最遠位の位置で組織受容開口114を覆っている状態で、真空内腔108の真空をオフにして、真空制御弁を用いて大気圧を真空内腔108に供給する。これに加えてまたは別法では、生理食塩水を供給することもできる。弁の構成を用いて、生理食塩水を、カニューレ100の真空内腔108を介して、1または複数の孔すなわち通路107まで遠位側に供給し、カニューレ100の遠位端部でカッター内腔104と真空内腔108との間で流体を連通させることができる。生理食塩水の流れ、および/または大気圧は、カッター120によって切除された組織サンプルに対して近位側への力を加えるため、カッター120の遠位部分に配置された切除された組織サンプルが近位側に押される。
【0030】
加えて、真空ポート2060に真空を供給する組織保管真空源を設けることができる。ポート2060に供給される真空は、組織保管組立体2000を通り、サンプル移送チューブ2030を介してカッター120に供給される。したがって、ポート2060に供給された真空により、カッター120内の切除された組織サンプルに対して近位側に引く力がかかる。切除された組織サンプルに対する近位側への押す力と引く力との組合せにより、組織サンプル42が、カッター120(カッター遠位端部122からカッター近位端部124まで)およびサンプル移送チューブ2030(図8に示されているようにカバー2050の開口を介して延在することができる)を介して組織保管組立体2000内に移送され、サンプル移送チューブ2030に整合した組織ホルダー2200の部分(凹部または区画など)に配置される。組織サンプル42は、図4の組織ホルダー2200に配置されて示されている。真空ポート2060に供給される真空は、真空圧力が常に中空カッター120内に存在するように、サンプル切除サイクルの間、オンの状態に維持することができる。別法では、真空ポート2060に供給される真空は、所定のスケジュールに従ってオン・オフすることができる。用いることができる構造および装置、ならびに流体連通パラメータを含め、組織サンプル42をカッター遠位端部122から組織ホルダー2200に移送できる他の方法も、本開示を読めば、当業者には明らかであろう。
【0031】
図5を参照すると、マニホールド2300および組織ホルダー2200は、カッター120の引戻しの際に、回転位置を合わせることができる(矢印Rによって示されている)。モータ500によって、親ネジ510が回転し、ナット520、カッターキャリッジ530、およびカッター120を近位側に移動して、カニューレ100の組織開口114が開く。ナット520が近位側に移動する際に、タブ延長部522が、爪スレッド2360を近位方向に押し、これにより爪2362が歯2354に係合して、この歯2354を押し上げるため、マニホールド歯車2350(およびマニホールド2300も)が図5に示されている方向「R」に回転する。組織ホルダー2200は、マニホールド2300と共に回転し、空の凹部すなわち区画がポート2057およびサンプル移送チューブ2030に整合するように配置される。
【0032】
代替の実施形態では、マニホールド2300の角度位置を合せるために爪機構を用いるのではなく、組織受容開口114の回転位置に基づいてマニホールド2300および組織ホルダー2200を回転させることができる。例えば、カニューレ100は、生検装置に対して回転することができ、サムホイールなどを用いて所望の時計位置に開口114を配置することができる。参照して開示内容を本明細書に組み入れる米国特許第6,602,203号明細書に、組織受容開口を回転させるためのサムホイールが開示されている。所望に応じて、組織のサンプリングの際に、組織ホルダー2200における各組織保持凹部すなわち区画が開口114の特定の時計位置に一致するように、マニホールド2300および組織ホルダー2200を開口114と同時に回転するように構成することができる。別の代替の実施形態では、モータ500または別のモータを設けて、組織ホルダー2200およびマニホールド2300を回転させることができる。別法では、マニホールド2300は、任意の他の適当な構成要素、機能構造、装置、または技術を用いて回転させることができる。
【0033】
これに加えてまたは別法として、組織ホルダー2200が、カッター120が前進または引き戻される時のカッター120の移動時に所定角度回転し、カッター120の各ストロークで、回転式マニホールド2300が、このマニホールド2300に支持された組織ホルダー2200を再配置して、組織ホルダー2200が、カッター120のストロークの際に切断される組織サンプル42を受容する時計位置に合わせる。一実施形態では、スイッチまたはレバー(例えば、レバー2040)を用いて、回転式マニホールドの回転方向を時計回りまたは反時計回りの方向に選択することができる。レバーを切り替えることにより、組織サンプルの組織保管組立体への進入点を変更することができる。例えば、組織サンプルの進入点を、12時の位置(真上)からずらすことができる。一実施形態では、レバーを用いて、組織進入点を約2時の位置または約10時の位置に選択し、生検装置10が定位台の下面または他の部分に近接して配置できる定位環境で生検装置10を使用する使用者が、組織保管組立体2000の透明なカバー2010を介してサンプルの保管組立体内への進入を観察できるようにする。
【0034】
図6は、この例の組織保管組立体2000の拡大図である。図7は、組織保管組立体2000の構成要素の組立分解図である。図8は、組織保管組立体2000の構成要素の断面図である。図9は、径方向に延びたフィン2320およびこれらの近接するフィンの間に真空を供給するための真空ポート2324を有するマニホールド2300の模式図である。
【0035】
ここで図6〜図8を参照すると、この例の組織保管組立体2000は、複数の組織ホルダー2200を含むことができる。図7では、組織保管組立体は、3つのサンプルホルダー2200A、2200B、および2200Cを含む。組織ホルダー2200A〜2200Cは、マニホールド2300によって取り外し可能に保持されている。各組織ホルダー2200は、カバー2010を取り外して、組織サンプル42が組織ホルダー2200に保持された状態で組織ホルダー2200をマニホールド2300から持ち上げてスライドさせ、生検装置10から取り外すことができる。
【0036】
図6〜図8に示されている実施形態では、各組織ホルダー2200A〜2200Cは、マニホールド2300の外周面に約120度に亘って延在することができる。別法では、組織ホルダー2200A〜2200Cは、任意の他の適当な範囲(例えば、約90度、約180度、約360度など)に亘って延在することができる。この例の各組織ホルダー2200A〜2200Cは、複数の組織サンプル42を離間して順番に受容および保持できるように成形または他の方法で形成されている。図7では、各組織ホルダー2200A〜2200Cは、可撓性組織サンプルストリップの形態であり、各組織サンプルストリップは、対応する組織サンプル42を受容する複数の凹部2204を含む。
【0037】
ここで図6〜図9を参照すると、マニホールド2300は、径方向に延びたフィン2320などの径方向に延びた複数の突出部を含むことができる。組織ホルダー2200A〜2200Cは、フィン2320に係合して、フィン2320が、マニホールド2300に対するホルダー2200A〜2200Cの周方向の運動を防止し、かつ3つの組織ホルダー2200A〜2200Cをマニホールド2300の所定の位置に維持するように成形または他の方法で形成することができる。組織ホルダー2200A〜2200Cが、マニホールド2300に配置されている場合、各凹部2204は、マニホールド2300の近接する2つのフィン2320の間に配置することができる。別法では、フィン2320以外の径方向などに延びる任意の適当な構造または機能構造をマニホールド2300に設けることができる。
【0038】
組織サンプルホルダー2200A〜2200Cは、薄いポリマーシートストックから、または他の材料、構造、および技術を用いて形成することができる。所望に応じて、組織サンプルホルダー2200A〜2200Cは、概ね放射線透過性(概ねX線透過性)である材料から形成することができる。一実施形態では、サンプルホルダー2200A〜2200Cは、約0.015インチ(0.381mm)または任意の他の適当な厚みのポリプロピレンから形成することができる。サンプルホルダー2200A〜2200Cは、径方向内側に面した表面2203および径方向外側に面した表面2205(図8)を含むことができる。サンプルホルダー2200A〜2200Cは、ストリップの径方向外側に面した表面2205に組織受容凹部2204を備えるように、例えば、成形、真空成形、または圧迫法などで形成することができる。各凹部2204は、フロア2205、径方向外側に延びた側壁2206、および近位後壁2208を有する。各凹部2204は、サンプルホルダー2200A〜2200Cがマニホールド2300に配置された時に、近接する2つのマニホールドフィン2320の間に位置することができる。各サンプルホルダー2200A〜2200Cは、遠位側に延びたリップ2260も含むことができる。
【0039】
別法では、サンプルホルダー2200A〜2200Cは、これらのサンプルホルダー2200A〜2200Cの径方向内側に面した表面2203に組織サンプルを受容するように形成するか、または任意の他の適当な方法で形成することができる。
【0040】
真空をマニホールド2300からサンプルホルダー2200A〜2200Cを介して凹部2204に供給するため、および組織サンプル42をサンプル移送チューブ2030から凹部2204に移送するために、孔やスロットなどの形態の真空開口2212、2214をサンプルホルダー2200A〜2200Cに設けることができる。例えば、真空開口2214は、側壁2206を通って延びることができ、真空開口2212は、フロア2205を通って延びることができる。別法では、任意の適当な位置の任意の他の構造を用いて、サンプルホルダー2200A〜2200C内に連通させることができる。
【0041】
ここで図8および図9を参照すると、マニホールド2300は、概ね円盤型の遠位端部プレート2310から延びたフィン2320を含むことができる。遠位端部プレート2310の遠位面は、マニホールド歯車2350の相補的な凹部(不図示)に係合するスプライン構造2314を含む。端部プレート2310は、この端部プレート2310を通って延びている複数の真空ポート2324も含み、各ポート2324は、近接する2つのフィン2320の間に真空を供給するように配置されている。
【0042】
真空源(例えば、後述する真空ポンプ4010など)から近位カバー2050の真空ポート2060に供給される真空を、カバー2050を通って歯車2350を通って延びる複数の通路2352の1つに供給する。マニホールド歯車2350を通って延びる各通路2352は、スプライン構造2314がマニホールド歯車2350に係合すると、マニホールド端部プレート2310の関連する真空ポート2324に整合することができる。したがって、ポート2060に供給される真空は、カバー2050を通って歯車2350の通路に送られ、次いでマニホールド2300の真空ポート2324を通って近接する2つのフィン2320の間に送られる。サンプル保管組立体への真空の供給によって得られる気流の方向は、図8の矢印によって例示されている。
【0043】
上記した実施形態では、組織ホルダー2200は、複数のサンプルホルダー2200A〜2200Cを含む。別法では、組織ホルダー2200は、マニホールド2300の周りを360度に亘って延在する連続的なリングまたはマニホールドの周りを実質的に360度に亘って延在する単一ストリップの形態などの単一部品とすることができる。別法では、任意の他の適当な構造、機能構造、または装置を用いて、組織サンプル42を保持することができる。
【0044】
図10は、組織サンプルホルダー2200の代替の実施形態を例示している。図10では、サンプルホルダー2200は、4つのセグメント2201A〜2201Dを含む単一ストリップを含む。近接するセグメント2201A〜2201Dは、可撓性蝶番2203によって互いに接続されている。各セグメント2201A〜2201Dは、約90度に亘る概ね弧状の形状を有することができ、概ね凸状の外面が、組織を保持するための複数の凹部を有する。
【0045】
この例のホルダー2200は、放射線不透過性または他の特性を有することができ、組織サンプル42が離間して順番に組織ホルダー2200に配置された状態で、組織保管組立体2000から取り外すことができる。サンプル42は、ホルダー2200から取り外さずに、サンプルの42の順序を乱さず、および/または個々のサンプル42に接触することなく、サンプル42およびホルダー2200を任意の適当な試験器具に配置して、または適当な調製液の中に入れるなどして、試験および/または試験の準備を行うことができる。
【0046】
例えば、患者が微小石灰化について検査される場合、サンプル42を組織ホルダー2200に配置した状態で、サンプル42に対して放射線写真を撮ることができる。得られた放射線写真を微小石灰化について検査する。所望に応じて、微小石灰化を示す組織ホルダー2200のサンプル42を、組織ホルダー2200から取り外すことができる。組織ホルダー2200、この組織ホルダー2200に残っている全ての組織サンプル42、および微小石灰化を含む全ての組織サンプル42を共にホルマリン液に浸漬して、病理学のためのサンプルを用意することができる。別法では、組織ホルダー2200とこの組織ホルダー2200に保持された組織サンプル42を共に、生理食塩水または適当な液体調製剤に浸漬することができる。もちろん、組織サンプル42は、組織ホルダー2200に配置された状態または他の状態で、任意の他の適当な処理を行うことができる。
【0047】
図11および図11Aは、組織サンプルホルダー2200の別の実施形態を例示している。図11では、サンプルホルダー2200は、ハブ2270から径方向に延びた複数のアーム2272を含む。ハブ2270は、概ね円形とし、マニホールド2300の端部を受容できる大きさにすることができる。アーム2272は、マニホールド2300の近接する2つのフィン2320の間に適合する大きさおよび間隔にすることができる。各アーム2272は、組織受容区画2274を含むことができる。組織受容区画2274は、アーム2272と一体形成しても良いし、別個の部品としてアーム2272に結合しても良い。組織受容区画2274は、この例では、カップまたは凹状の構造にすることができるが、他の構造を用いることもできる。各アーム2272は、真空をマニホールド2300から組織受容区画2274に供給するための1または複数の真空開口を含むことができる。
【0048】
各アーム2272は、蝶番2275でハブに接続することができる。各蝶番2275は、例えば、アーム2272を形成する材料からなる薄い可撓性ストリップから形成される可撓性「一体」蝶番とすることができる。別法では、他の構造を用いることもできる。この例の可撓性蝶番2275により、ホルダー2200が組織保管組立体2000内に配置された時にハブ2270の長手方向軸2271に概ね平行に延在するように、径方向内側にアーム2272を折り畳むことができる。ホルダー2200が、組織保管組立体2000から取り外されると、この例の可撓性蝶番2275により、図11Aに示されているように、アーム2272が径方向外側に開いて平坦な構造になる。
【0049】
組織ホルダー2200は、視認でき、および/または放射線透過性である表示(例えば、文字、数字、記号など)を含むことができる。例えば、この表示を用いて、組織ホルダー2200上の個々の組織保持凹部すなわち区画2274を識別することができる。各凹部すなわち区画2274は、固有の番号または関連する記号を有することができ、このような番号または記号は、裸眼で視認することができ、および/または放射線透過性であるホルダー2200に形成または印刷される。したがって、組織ホルダー2200が生検装置10から引き戻されると、個々の組織サンプル42を、ホルダー2200の上で、視覚および/またはX線の両方で一意的に識別することができる。
【0050】
所望に応じて、生検装置10は、この生検装置10が動作している時に切除された組織サンプル42の数を示すためのディスプレイ(不図示)を含むことができる。例えば、生検装置10または制御ユニット5000は、切除され保管された組織サンプル42の数を示すLEDディスプレイなどのディスプレイを含むことができる。加えて、LEDディスプレイは、基準に対して各サンプル42が採取される位置を示す図表ディスプレイを含むことができる。例えば、このディスプレイは、組織開口114の初めの12時の位置(真上)に対して各サンプル42が採取される時計位置を示すことができる。別法では、LEDディスプレイは、組織ホルダー2200上の各区画すなわち凹部2274の位置を示すと同時に、組織サンプル42が特定の区画すなわち凹部2274または組織ホルダー2200の周方向の特定の位置に配置されているか否かも示すことができる。別法では、ディスプレイは、任意の他の適当な方法および位置で生検装置10に含めることができ、あらゆる所望の情報を表示することができる。
【0051】
図12は、各組織サンプルの端部が連続して配置するように組織サンプル42を保持するために用いることができる代替の組織保管装置2700を例示している。図12Aは、線12A‐12Aに沿って見た断面図である。図12Bは、保管装置2700の一部の長さに沿って見た断面図である。この例の保管装置2700は、押出しチューブなどの薄肉可撓性チューブから形成できる可撓性の螺旋組織サンプルホルダー2710を含む。組織サンプルホルダー2710は、この長さに沿って互いに平行に延びた3つの内腔2712、2714、2716を含む。
【0052】
この例のサンプルホルダー2710は、各組織サンプルの端部が連続して配置されるように組織サンプル42を受容するための組織サンプル内腔2712、真空供給内腔2714、および内腔2712と内腔2714に沿ってその間に延在する真空制御内腔2716を含む。細長い可撓性制御部材2718が、制御内腔2716内に配置されている。細長い制御部材2718が制御内腔2716内に完全に挿入されると、制御部材2718は、真空制御内腔2716の長さに沿って離間して配置された一連の横流ポート2719をブロックする役割を果たす。横流ポート2719は、真空制御内腔2716の長さに沿って離隔させることができる。この離隔距離は、生検装置10のカッター120によって切除される組織サンプル42の最大長さにほぼ等しいか僅かに長い。制御部材2718は、図示されている方向に段階的に内腔2716から引き戻して、真空供給内腔2714内の真空をサンプル内腔2712に供給することができる。制御部材2718が段階的に引き戻される度に、真空制御内腔2716の一対の横流ポート2719が覆われなくなり、サンプル内腔2712に真空が供給される。別法では、任意の他の適当な構造、機能構造、装置、または技術を用いてサンプル内腔2712に選択的に真空を供給することができる。
【0053】
この例では、組織サンプル内腔2712は、サンプル移送チューブ2030に直接または間接的に接続することができる。内腔2714は、真空源(例えば、真空制御モジュール5000)に接続することができる。制御部材2718は、手作業で引き戻すことができ、別法では、生検装置10に接続された巻取り機構(不図示)によって自動的に引き戻すことができる。
【0054】
図13は、カニューレ100の遠位部分の模式図である。図14は、カッター120が組織受容開口114に対してカッター内腔104内を前進または引き戻される際に真空内腔108に供給することができる真空レベルの模式図である。図13は、真空内腔108とカッター内腔104との間を連通させるためにカニューレ100の内部構造に設けることができる通路を例示する図である。通路107は、一般に開口114の下側に位置配置され、通路109は、開口114の遠位側に配置されている。
【0055】
図15は、この例の生検装置10と共に用いることができる空気圧回路の模式図である。
この空気圧システムは、真空ポンプ4010、調整器4020、真空キャニスター/レザバー4030、主制御弁4060、および生理食塩水/真空弁4080を含むことができる。
【0056】
真空ポンプ4010によって生成された真空が、弁を用いずに、真空ライン4012および組織保管組立体2000を介してカッター120およびカッター内腔104に供給されるため、カッター120の内部およびカニューレ100のカッター内腔104に供給される真空は、真空ポンプ4010の運転中は常に供給される。別法では、1または複数の弁または他の機能構造や機構を、このような流路に沿って設けることができる。真空内腔108の空気圧回路は、2つの弁4060および4080を含む。弁4080は、2つの入口ポートを備えた3ポート/2位置弁を含むことができる。一方の入口ポートを真空ライン4012に接続することができ、他方の入口ポートを生理食塩水の供給源4016に接続する(またはフィルター4018を介して大気にベントする)ことができる。弁4080の出口ポートは、主制御弁4060の入口ポートに連通している。
【0057】
弁4080の位置は、カッター120の位置に一致するように構成されている。カッター120が近位側に引き戻されると(例えば、組織開口が開くように)、弁4080から主制御弁4060に真空が供給される。カッター120が遠位側に前進すると(例えば、組織受容開口114が閉じるように)、弁4080から主制御弁4060に生理食塩水が供給される。別法では、生理食塩水が利用できない、または必要ない場合は、弁4080から主制御弁4060にフィルター4018を介した大気が供給される。弁4080は、ソレノイドやモータを含む任意の適当な方式で、カッター120への機械連結または他の方法によって作動させることができる。弁4080は、ある位置でバネ荷重がかかるようにし、カッター120の運動(カッター120の遠位位置への移動など)を利用して、弁4080の位置を変更することができる。
【0058】
主制御弁4060は、3ポート/3位置弁を含むことができる。第1の入口ポートは、弁4080の出口ポートに接続することができる。第2の入口ポートは、フィルター処理した大気にベントすることができる。弁4060の出口ポートは、カニューレ100の真空内腔108の近位端部に接続することができる。弁4060の位置は、図16に列記されている制御ボタンなどの1または複数のユーザー制御インターフェイスを用いて生検装置10の操作用者が操作することができる。制御ボタン(図10には不図示)は、例えばハンドピース30や他の部分(例えば、真空制御モジュール5000上)などの生検装置10の本体のあらゆる便利な位置に配置することができる。弁4060は、ソレノイド、モータ、カッター120に対するリンク、または他の方法で作動させることができる。
【0059】
もちろん、図15に示されている空気圧回路は単なる例示であり、異なる構成要素、構成要素の配置、および構成要素の動作を含め、任意の他の適当な回路を用いることもできる。
【0060】
図16は、生検装置10の制御に用いることができる複数の制御状態を例示している。図16を参照すると、生検装置10の「準備完了状態」は、最遠位位置に前進したカッター120および閉じた組織開口114に一致している。この準備完了状態では、弁4080が、主制御弁4060に生理食塩水を供給し、この主制御弁は、真空内腔108に連通した出口ポートを含む他のポートを密閉する位置にある。準備完了状態で真空内腔108に対するポートを閉じることで、装置を通る空気の流れが最小にすることができ、ポンプ4010が、真空キャニスター4030における所望の真空レベルを容易に維持することができる。
【0061】
この例では、操作者が「サンプル」ボタン170を押下すると、カッターモータが作動して、カッター120が近位側に引き戻される。カッターが引き戻されると、弁4080の位置が変更され、真空が主制御弁4060に供給される。同時に、主制御弁の位置が変更され、真空が真空内腔108に供給される。組織開口114が開いた状態では、真空が、真空ポンプ4010からカッター120(組織保管組立体2000などを介して)およびカッター内腔104(カッター120を介して)、ならびに真空内腔108(弁4080および4060を介して)に供給される。カッター内腔104および真空内腔108の両方に供給される真空により、カニューレ100の開口114内への組織の引き込みが助けられる。
【0062】
この真空状態が2秒以上維持して組織が開口114内に引き込まれたら、カッター120を遠位側に前進させて(同時に回転させて)開口114を閉じ、中空カッター120の遠位部分における組織サンプル42を切除する。カッター120が遠位側に前進すると、カッター120は、接触または他の方法で弁4080を作動させて、この弁の位置を変更して、生理食塩水を主制御弁4060に供給する。また、カッター120が前進したら、マイクロプロセッサを用いて、主制御弁4060の位置を変更して、フィルター処理した大気を真空内腔108に供給し、次にこの大気を、通路107、109を介して、中空カッター120の遠位部分に受容された切除組織サンプル42の遠位面に供給することができる。組織サンプル42の遠位面に対する大気により、組織サンプル42が近位側に押されると同時に、カッター120に供給された真空(組織保管組立体2000を介して)により、切除された組織サンプル42が近位側に吸引される。結果として生じたこの組織サンプル42を近位側に押す力により、組織サンプル42が中空カッター120を介して組織保管組立体2000内に移送される。もちろん、任意の他の適当な構造または技術を用いて、組織サンプル42を捕捉して組織保管組立体2000に移送することができる。
【0063】
代替の実施形態では、マイクロプロセッサを用いて主制御弁4060の位置を変更して、まず生理食塩水を真空内腔108に所定時間供給し、次に主制御弁の位置を変更して大気を真空内腔108に供給する。したがって、所定量の生理食塩水が、通路107、109を介して中空カッター120の遠位端部に供給されるため、切除された組織サンプルが中空カッター120を介して組織保管組立体2000まで近位側に移動するのが助けられる。制御システムは、所定時間(例えば、1秒または数秒)の後に準備完了状態に戻るようにプログラムすることができる。
【0064】
生検装置の操作者は、マイクロプロセッサの制御により、数分の1インチ(例えば、0.2インチ(約5mm))または任意の適当な距離、カッター120が往復運動して開口114が開閉するように、準備完了状態(例えば、「サンプル」ボタン170を押して組織を切除した後)で「プローブ洗浄」ボタン172を押下することができる。このカッター120の往復運動により、組織サンプル42を除去する、または他の方法で組織サンプル42が存在しないようにして、組織サンプル42が中空カッター120内を自由に移動できるようにすることができる。カッター120が往復運動している間、真空制御弁4060を再配置して、生理食塩水を、通路107、109を介して真空内腔108に供給し、組織サンプル42の遠位面を押圧する。所定時間後に、マイクロプロセッサが空気圧系を準備完了状態に戻すことができる。
【0065】
操作者が、装置が準備完了状態の時に「吸引/注入」ボタン174を押下または解除して、サンプリングされた組織内、または組織サンプルが既に除去されたまたはこれから除去される部位に薬物または組織マーカーを注入することができる。この例では、ボタン174が押下されると、カッター120が近位側に移動して開口114が開く。主制御弁4060の位置が変更されて、大気が真空内腔108に供給される。「吸引/注入」ボタン174を押下すると、真空の供給が停止される(例えば、ポンプ4010をオフにするか、または調整器4020を開けてポンプ4010の出口を大気にベントして)。組織マーカー(または薬物)アプライヤを、組織保管組立体2000などを介して、中空カッター120からカニューレ100の近位端部に送り、カニューレ100の開いた開口114からマーカー(または薬物)を供給することができる。マーカーまたは薬物が供給されたら、使用者は、主制御弁4060が上の位置にある状態で、カッター120を前進させることができる任意のボタンを押して、準備完了状態に戻すことができる。
【0066】
操作者は、「吸引/注入」ボタン174を押下してその状態を維持し、開口114の近傍の流体を吸引することができる。この例では、操作者がボタン174を押下すると、カッター120が近位側に移動して開口114が開く。カッターが近位側に位置する状態で、弁4080が真空を主制御弁4060に供給すると、この主制御弁4060の位置が変更されて、真空が真空内腔108に供給される。したがって、真空が、真空内腔108およびカッター内腔104の両方に供給される(この例では、ポンプ4010が動作している間、真空がカッター120を介してカッター内腔104に連続的に供給されるため)。カッター内腔104および真空内腔108に供給される真空が、開口114の近傍のあらゆる流体を吸引する。吸引/注入ボタン174が解放されると、空気圧系は、準備完了状態に戻るように制御される。次に、カッター120が前進して開口114が閉じられる。この例では、カッター120が前進すると、主制御弁4060の位置が変更されて、フィルター処理された大気が真空内腔108に供給される。開口114が閉じると、主制御弁4060の位置が変更され、その全てのポートが閉じられて準備完了状態になる。ここに開示した他の動作シーケンスと同様に、上記動作シーケンスは単なる例示であり、明確に上記した動作シーケンスに加えて、またはこの代わりに、あらゆる他の動作シーケンスを用いることができる。
【0067】
真空ポンプ4010を収容している制御モジュール5000から生検装置10までの真空ライン4012の長さは、手術室での生検装置10の動きに対処するため、または磁気共鳴影像法の環境で制御モジュール5000の位置の制限から、20フィート(約6.1m)(場合によってはこれ以上)と比較的長くすることができる。もちろん、真空ライン4012は、あらゆる所望の長さにすることができる。この例では、真空ライン4012は、組織開口114が開いている時に真空ポンプ4010および真空キャニスター4030によって供給または維持する必要がある流量の相当部分を占めうる。生検真空制御ユニット5000の代わりに、真空ライン4012の遠位端部(この得に端部は生検装置10に接続されている)に生理食塩水/真空弁4080および主制御弁4060を配置することで、比較的小さい真空ポンプ4010および比較的に小さい真空キャニスター4030を用いることができる。ある種の従来の生検装置では、弁を、真空ポンプを含む制御ユニット内に配置することができ、この制御ユニットを、その重量と大きさから車輪に取り付けることができる。図16では、弁4060、4080は、生検装置10内に配置されている。これらの弁4060、4080は、カニューレ100およびカッター120(例えば、ハンドピース30)を含む使い捨てプローブ部分および/または生検装置10の非使い捨て部分(例えば、ホルスター)に配置することができる。このような弁の配置により、80L/分を超える流量を必要とする従来のポンプと弁の構成とは対照的に、流量が約18L/分の比較的軽量のダイヤフラム真空ポンプ4010を用いることができる。もちろん、あらゆる所望の特性を有するあらゆる所望の真空ポンプを用いることができる。
【0068】
同様に、真空キャニスター4030は、保管容積が1200cc以上の従来の真空キャニスターとは対照的に、容積が約300cm3未満と比較的小さくすることができる。この結果、比較的軽量で、手で持ち運べる真空制御モジュール5000を利用することができる。真空制御モジュール5000(図15)は、重量を25ポンド(約11.4kg)未満とし、片手で持ち運びでき、高さ、幅、および長さをそれぞれ約1.5フィート(約45.7cm)未満の寸法にすることができる。別法では、真空キャニスター4030および制御モジュール5000は、任意の他の適当な容積、大きさ、重量、または他の特性を有することができる。
【0069】
所望に応じて、フットベダル(不図示)または遠隔キーパッド(不図示)を用いて、制御入力すなわち命令を、直接に生検装置10および/または真空制御モジュール5000に供給することができる。フットペダルおよび遠隔キーパッドは、係留することができる(例えば、フットペダル/キーパッドから真空制御モジュール5000まで延びた1または複数のワイヤなどを用いて)。別法では、フットペダル/キーパッドと制御モジュール5000および/または生検装置10との間の「無線」通信を用いることができる。例えば、無線「ブルートゥース」通信および関連するハードウエアおよびソフトウエアを用いて、信号の送受信のために「見通し線(line of sight)」を必要とすることなく、真空制御モジュール5000および/または生検装置10に無線制御信号を供給することができる。別法では、赤外線送信機および受信機を用いて、制御信号を送信および受信することができる。有線、無線、または他の手段にかかわらず、生検システムの構成要素間(例えば、フットペダル/キーパッドと制御モジュール5000との間)で通信を確立する他の方法が、当業者には本開示から明らかであろう。
【0070】
本発明の好適な実施形態を図示および説明してきたが、当業者には、このような実施形態が単なる例示であることが明らかであろう。当業者であれば、添付の特許請求の範囲および概念から逸脱することなく、様々な変更形態、変形形態、および置換形態に想到するであろう。加えて、本発明に関連して説明した各要素は、これらの各要素の機能を果たすための手段として表すこともできる。
【0071】
〔実施の態様〕
(1)生検装置において、
(a)前記生検装置から遠位側に延びたカニューレと、
(b)前記カニューレに対して移動可能なチューブカッターであって、近位端部、および、前記カニューレ内に受容された組織を切除するための遠位端部を有する、チューブカッターと、
(c)前記チューブカッターの近位側に配置された、前記チューブカッターによって切除された組織サンプルを受容するための組織保管組立体であって、
(i)前記生検装置の近位端部に配置されたほぼ透明なカバー、
(ii)前記ほぼ透明なカバーの中に少なくとも部分的に配置された回転部材、および、
(iii)前記回転部材によって取り外し可能に保持された、複数の組織サンプルを受容するように構成された少なくとも1つの組織ホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
を含む、生検装置。
(2)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記回転部材は、真空を、前記組織ホルダーの部分に案内するためのマニホールドを含む、生検装置。
(3)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記回転部材は、前記チューブカッターが移動すると、所定の角度回転するように構成されている、生検装置。
(4)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記回転部材は、時計回りの方向または半時計回りの方向のいずれかに、選択的に回転可能である、生検装置。
(5)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記生検装置は、前記回転部材によって取り外し可能に保持された複数の組織ホルダーを含み、
前記複数の組織ホルダーの各組織ホルダーは、少なくとも1つの組織サンプルを保持するように構成されている、生検装置。
【0072】
(6)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、複数の凹部を含み、
前記複数の凹部の各凹部は、切除された組織サンプルを受容するように構成されている、生検装置。
(7)実施態様(6)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、径方向内側に面した表面、および、径方向外側に面した表面、を有しており、
前記組織ホルダーは、前記径方向外側に面した表面によって画定された複数の凹部を含む、生検装置。
(8)実施態様(6)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、径方向内側に面した表面、および、径方向外側に面した表面、を有しており、
前記組織ホルダーは、前記径方向内側に面した表面によって画定された複数の凹部を含む、生検装置。
(9)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、前記回転部材の外周の周りに少なくとも部分的に延在する、少なくとも1つの可撓性組織サンプルストリップを含む、生検装置。
(10)実施態様(1)に記載の生検装置において、
少なくとも3つの可撓性組織サンプルストリップ、
を含み、
これらの各組織サンプルストリップは、前記回転部材の外周の周りに部分的に延在している、生検装置。
【0073】
(11)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記回転部材は、周方向に離隔した複数の径方向延長部(a plurality of circumferentially spaced apart radial extensions)を含む、生検装置。
(12)実施態様(11)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、前記回転部材の前記径方向延長部に係合する形状である、生検装置。
(13)実施態様(11)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、可撓性組織サンプルストリップを含み、
前記可撓性組織サンプルストリップは、前記回転部材の近接し合う径方向延長部の間に位置する組織サンプル凹部を提供する形状である、生検装置。
(14)実施態様(1)に記載の生検装置において、
前記組織ホルダーは、複数の組織サンプル凹部を有する少なくとも1つの可撓性組織サンプルストリップを含み、
前記各組織サンプル凹部は、前記可撓性組織サンプルストリップを通って延びる少なくとも1つの真空開口に関連している、生検装置。
(15)生検装置と共に用いるための組織サンプル保管組立体において、
(a)取り外し可能なカバーと、
(b)前記カバー内に少なくとも部分的に配置された、少なくとも1つの真空通路を有する回転式マニホールドと、
(c)前記マニホールドの外面に配置された、前記マニホールドの前記外面の少なくとも一部の周りに延在する、少なくとも1つの組織サンプルストリップと、
を含む、組立体。
【0074】
(16)実施態様(15)に記載の組立体において、
前記取り外し可能なカバーは、ほぼ透明である、組立体。
(17)実施態様(15)に記載の組立体において、
前記組立体は、前記マニホールドの前記外面の周りに配置された複数の組織サンプルストリップをさらに含み、
前記複数の組織サンプルストリップの各組織サンプルストリップは、少なくとも1つの組織サンプルを保持するように構成されている、組立体。
(18)実施態様(15)に記載の組立体において、
前記少なくとも1つの組織サンプルストリップの少なくとも一部は、放射線透過性である、組立体。
(19)生検法において、
(a)カニューレ、移動カッター、および、前記カッターの近位側に配置された組織サンプルホルダーを有する生検装置を提供するステップであって、
前記組織サンプルホルダーの少なくとも一部が、透明であり、
前記組織サンプルホルダーが、複数の組織保管室を提供している、
ステップと、
(b)サンプリングされるべき組織塊の中に、前記カニューレを挿入するステップと、
(c)前記カッターを移動させて、前記組織塊から第1の組織サンプルを切除するステップと、
(d)前記第1の組織サンプルを、前記カッターを介して、前記組織サンプルホルダーの第1の組織保管室まで近位側に移送するステップと、
(e)第2の組織サンプルを得るために、第2の空の組織保管室を生じさせるように、前記組織サンプルホルダーを再配置するステップと、
(f)前記カニューレを前記組織塊から取り外さずに、前記カッターを用いて、前記組織塊から第2の組織サンプルを切除するステップと、
(g)前記第2の組織サンプルを、前記カッターを介して、前記組織サンプルホルダーの前記第2の組織保管室まで近位側に移送するステップと、
を含む、生検方法。
(20)実施態様(19)に記載の方法において、
前記組織サンプルホルダーを再配置する前記ステップは、前記組織サンプルホルダーを回転させて、前記第2の組織保管室をポートに整合させる(align)ステップを含む、方法。
【0075】
(21)生検装置において、
(a)前記生検装置から遠位側に延びたカニューレと、
(b)前記カニューレに対して移動可能なカッターであって、前記カニューレ内に受容された組織を切除するように動作可能である、カッターと、
(c)前記カッターによって切除された組織サンプルを受容するための、前記生検装置により支持された組織保管組立体であって、
(i)前記カニューレの近位側に配置された回転部材、および、
(ii)前記回転部材により取り外し可能に保持される複数の組織サンプルホルダーであって、各組織サンプルホルダーは、前記カッターにより切除された少なくとも1つの組織サンプルを受容するように構成され、各組織サンプルホルダーは、前記回転部材が前記生検装置に支持されている間に、前記回転部材から取り外し可能である、複数の組織サンプルホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
を含む、生検装置。
(22)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーのうち少なくとも1つと連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
(23)実施態様(22)に記載の生検装置において、
前記真空源は、前記回転部材の少なくとも1つの通路を通じて少なくとも1つの組織サンプルと連通する、生検装置。
(24)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体を通じて前記カッターの内腔と連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
(25)実施態様(21)に記載の生検装置において、
液体流路、
をさらに含み、
前記組織保管組立体は、前記液体流路の一部を含む、生検装置。
【0076】
(26)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体の少なくとも一部を通じた選択的な流体の流れをもたらすように動作可能な少なくとも1つの弁、
をさらに含む、生検装置。
(27)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記カッターは、長手方向軸、および少なくとも部分的に内部を通って延びる内腔を有する、チューブカッターを含み、
前記カッターは、前記カニューレの中に少なくとも部分的に配置される、生検装置。
(28)実施態様(27)に記載の生検装置において、
前記カニューレは、前記カニューレの遠位端部に近接した側方組織受容開口を含み、
前記カニューレは、前記チューブカッターの前記長手方向軸に概ね平行に、かつ前記長手方向軸からずれて延びる流体通路をさらに提供する、生検装置。
(29)実施態様(28)に記載の生検装置において、
前記チューブカッターの前記長手方向軸に概ね平行に、かつ前記長手方向軸からずれて延びる前記流体通路を通じて、前記組織受容開口と連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
(30)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記カニューレは、側方組織受容開口を含み、
前記カッターは、前記側方組織受容開口を閉じるように前進可能であり、
前記生検装置は、前記カッターが前記側方組織受容開口を閉じるように前進した状態で、前記カッターの遠位端部に大気圧を選択的に供給するよう動作可能である、生検装置。
【0077】
(31)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体の少なくとも一部分は、透明であり、
組織サンプルホルダーにより受容された組織サンプルは、前記回転部材から前記組織サンプルホルダーを取り外すことなく、前記組織保管組立体の透明な前記一部分を通して見ることができる、生検装置。
(32)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーは、前記回転部材の外部上に嵌められる、生検装置。
(33)実施態様(21)に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーは、前記回転部材の回転軸を中心として周方向に延びる、生検装置。
(34)実施態様(21)に記載の生検装置において、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成された、少なくとも1つの可撓性部材を含む、生検装置。
(35)実施態様(21)に記載の生検装置において、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成された、可撓性部材を含む、生検装置。
(36)実施態様(21)に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、生検装置。
(37)実施態様(21)に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、1または複数の番号または記号を含み、各番号または記号は、前記組織サンプルホルダーの組織受容凹部と関連する、生検装置。
【0078】
(38)実施態様(21)に記載の生検装置において、
(a)側方組織受容開口を有するカニューレと、
(b)前記組織受容開口に受容された組織を切除するために前記組織受容開口に対して移動可能なカッターと、
(c)組織保管組立体であって、
(i)前記カニューレの近位側で前記生検装置により支持されるマニホールド、および、
(ii)前記マニホールドにより取り外し可能に保持される複数の取り外し可能な組織サンプルホルダーであって、各組織サンプルホルダーは、独立して前記マニホールドから取り外し可能である、複数の取り外し可能な組織サンプルホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
(d)前記マニホールドを通じて前記組織サンプルホルダーに真空を供給する真空源と、
を含む、生検装置。
(39)実施態様(38)に記載の生検装置において、
各取り外し可能な組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成される、生検装置。
(40)実施態様(38)に記載の生検装置において、
前記カニューレは、前記カニューレの長手方向軸を中心として複数の角度位置で組織サンプルを切除および収集することができるように、前記生検装置の比較的静止した部分に対して回転可能である、生検装置。
(41)実施態様(40)に記載の生検装置において、
前記生検装置は、前記複数の角度位置から切除された組織サンプルを保管するように動作可能であり、前記サンプルは、前記組織サンプルホルダーにより、連続した離間関係に保持される、生検装置。
(42)実施態様(41)に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、生検装置。
(43)実施態様(41)に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、複数の組織サンプル凹部を有し、
前記組織サンプルホルダーは、前記複数の組織サンプル凹部のそれぞれと関連する、固有の番号または記号を含む、生検装置。
【0079】
(44)生検装置において、
(a)本体、前記本体から遠位側に延びるカニューレ、前記カニューレ内に受容された組織を切除するように前記カニューレに対して移動可能なチューブカッター、および組織保管組立体を有する、プローブと、
(b)前記カッターの運動をもたらすように動作可能である、再利用可能部分と、
を含み、
前記プローブおよび再利用可能部分は、ハンドピースを提供するために互いに取り外し可能に接続されるように構成され、
前記組織保管組立体は、前記ハンドピースの比較的静止した部分に対して回転可能である、生検装置。
(45)実施態様(44)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、複数の取り外し可能な組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成される、生検装置。
(46)実施態様(44)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、少なくとも1つの組織サンプルホルダーを含み、
前記組織サンプルホルダーは、前記組織保管組立体を前記生検装置から取り外すことなく、前記組織保管組立体から取り外し可能である、生検装置。
(47)実施態様(44)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、少なくとも2つの組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、他方の組織サンプルホルダーを前記組織保管組立体から取り外すことなく、前記組織保管組立体から取り外し可能である、生検装置。
(48)実施態様(44)に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、回転部材、前記回転部材により保持される少なくとも2つの組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、前記回転部材を前記生検装置から取り外すことなく、前記回転部材から取り外し可能である、生検装置。
【0080】
(49)生検装置と共に用いるための組織保管組立体において、
(a)少なくとも1つの流体通路を含む回転部材と、
(b)前記回転部材により保持された少なくとも2つの組織サンプルホルダーと、
を含み、
各組織サンプルホルダーは、他方の組織サンプルホルダーを取り外すことなく、前記回転部材から取り外し可能であり、
各組織サンプルホルダーは、前記回転部材の流体通路と連通する真空開口を有する、組織保管組立体。
(50)実施態様(49)に記載の組織保管組立体において、
カバー、
をさらに含み、
前記回転部材は、前記カバーの中に回転可能に配置される、組織保管組立体。
(51)実施態様(49)に記載の組織保管組立体において、
前記組織保管組立体は、生検装置の近位部分と取り外し可能に接続されるように構成される、組織保管組立体。
(52)実施態様(49)に記載の組織保管組立体において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、組織保管組立体。
(53)実施態様(49)に記載の組織保管組立体において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、1または複数の番号または記号を含み、各番号または記号は、前記組織サンプルホルダーの組織受容部分と関連する、組織保管組立体。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図2】生検装置の内部構成要素を例示するために生検装置の一部が取り外され、カッターが引き戻された位置にある、本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図2A】図2の線2A‐2Aに沿って見た模式図である。
【図3】生検装置の内部構成要素を例示するために生検装置の一部が取り外され、カッターが組織受容ポートを横断して前進した、本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図4】生検装置の内部構成要素を例示するために生検装置の一部が取り外され、組織サンプルが組織サンプルホルダーに配置された、本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図5】生検装置の内部構成要素を例示するために生検装置の一部が取り外され、カッターの引戻しおよび組織サンプルホルダーの角度位置合わせを示す、本発明の一実施形態に従った組織サンプル保管組立体を有する生検装置の模式図である。
【図6】例示的な組織保管組立体の拡大図である。
【図7】図6の組織保管組立体の構成要素の組立分解図である。
【図8】図6の組織保管組立体の構成要素の断面図である。
【図9】径方向に延びたフィン、およびこれらの近接するフィンの間に真空を供給するための真空ポートを有するマニホールドの模式図である。
【図10】組織ホルダーの代替の実施形態を例示する図である。
【図11】組織ホルダーの別の代替の実施形態を例示する図である。
【図11A】比較的平坦な構造にある図11の組織ホルダーを例示する図である。
【図12】各組織サンプルの端部が連続して配置されるように組織サンプルを保持するための組織ホルダーを例示する図である。
【図12A】図12の線12A‐12Aに沿って見た模式的な断面図である。
【図12B】図12に示されている組織ホルダーの長さの一部に沿って見た断面図である。
【図13】例示的なカニューレの遠位部分の模式図である。
【図14】カッターが組織受容開口に対してカッター内腔内を前進および引き戻される際に真空内腔に供給される真空レベルの模式図である。
【図15】生検装置と共に用いることができる空気圧制御回路の模式図である。
【図16】生検装置の制御に用いることができる複数の制御状態を例示する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検装置において、
(a)前記生検装置から遠位側に延びたカニューレと、
(b)前記カニューレに対して移動可能なカッターであって、前記カニューレ内に受容された組織を切除するように動作可能である、カッターと、
(c)前記カッターによって切除された組織サンプルを受容するための、前記生検装置により支持された組織保管組立体であって、
(i)前記カニューレの近位側に配置された回転部材、および、
(ii)前記回転部材により取り外し可能に保持される複数の組織サンプルホルダーであって、各組織サンプルホルダーは、前記カッターにより切除された少なくとも1つの組織サンプルを受容するように構成され、各組織サンプルホルダーは、前記回転部材が前記生検装置に支持されている間に、前記回転部材から取り外し可能である、複数の組織サンプルホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
を含む、生検装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーのうち少なくとも1つと連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
【請求項3】
請求項2に記載の生検装置において、
前記真空源は、前記回転部材の少なくとも1つの通路を通じて少なくとも1つの組織サンプルと連通する、生検装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体を通じて前記カッターの内腔と連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
【請求項5】
請求項1に記載の生検装置において、
液体流路、
をさらに含み、
前記組織保管組立体は、前記液体流路の一部を含む、生検装置。
【請求項6】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体の少なくとも一部を通じた選択的な流体の流れをもたらすように動作可能な少なくとも1つの弁、
をさらに含む、生検装置。
【請求項7】
請求項1に記載の生検装置において、
前記カッターは、長手方向軸、および少なくとも部分的に内部を通って延びる内腔を有する、チューブカッターを含み、
前記カッターは、前記カニューレの中に少なくとも部分的に配置される、生検装置。
【請求項8】
請求項7に記載の生検装置において、
前記カニューレは、前記カニューレの遠位端部に近接した側方組織受容開口を含み、
前記カニューレは、前記チューブカッターの前記長手方向軸に概ね平行に、かつ前記長手方向軸からずれて延びる流体通路をさらに提供する、生検装置。
【請求項9】
請求項8に記載の生検装置において、
前記チューブカッターの前記長手方向軸に概ね平行に、かつ前記長手方向軸からずれて延びる前記流体通路を通じて、前記組織受容開口と連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
【請求項10】
請求項1に記載の生検装置において、
前記カニューレは、側方組織受容開口を含み、
前記カッターは、前記側方組織受容開口を閉じるように前進可能であり、
前記生検装置は、前記カッターが前記側方組織受容開口を閉じるように前進した状態で、前記カッターの遠位端部に大気圧を選択的に供給するよう動作可能である、生検装置。
【請求項11】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体の少なくとも一部分は、透明であり、
組織サンプルホルダーにより受容された組織サンプルは、前記回転部材から前記組織サンプルホルダーを取り外すことなく、前記組織保管組立体の透明な前記一部分を通して見ることができる、生検装置。
【請求項12】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーは、前記回転部材の外部上に嵌められる、生検装置。
【請求項13】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーは、前記回転部材の回転軸を中心として周方向に延びる、生検装置。
【請求項14】
請求項1に記載の生検装置において、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成された、少なくとも1つの可撓性部材を含む、生検装置。
【請求項15】
請求項1に記載の生検装置において、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成された、可撓性部材を含む、生検装置。
【請求項16】
請求項1に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、生検装置。
【請求項17】
請求項1に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、1または複数の番号または記号を含み、各番号または記号は、前記組織サンプルホルダーの組織受容凹部と関連する、生検装置。
【請求項18】
生検装置において、
(a)側方組織受容開口を有するカニューレと、
(b)前記組織受容開口に受容された組織を切除するために前記組織受容開口に対して移動可能なカッターと、
(c)組織保管組立体であって、
(i)前記カニューレの近位側で前記生検装置により支持されるマニホールド、および、
(ii)前記マニホールドにより取り外し可能に保持される複数の取り外し可能な組織サンプルホルダーであって、各組織サンプルホルダーは、独立して前記マニホールドから取り外し可能である、複数の取り外し可能な組織サンプルホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
(d)前記マニホールドを通じて前記組織サンプルホルダーに真空を供給する真空源と、
を含む、生検装置。
【請求項19】
請求項18に記載の生検装置において、
各取り外し可能な組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成される、生検装置。
【請求項20】
請求項18に記載の生検装置において、
前記カニューレは、前記カニューレの長手方向軸を中心として複数の角度位置で組織サンプルを切除および収集することができるように、前記生検装置の比較的静止した部分に対して回転可能である、生検装置。
【請求項21】
請求項20に記載の生検装置において、
前記生検装置は、前記複数の角度位置から切除された組織サンプルを保管するように動作可能であり、前記サンプルは、前記組織サンプルホルダーにより、連続した離間関係に保持される、生検装置。
【請求項22】
請求項21に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、生検装置。
【請求項23】
請求項21に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、複数の組織サンプル凹部を有し、
前記組織サンプルホルダーは、前記複数の組織サンプル凹部のそれぞれと関連する、固有の番号または記号を含む、生検装置。
【請求項24】
生検装置において、
(a)本体、前記本体から遠位側に延びるカニューレ、前記カニューレ内に受容された組織を切除するように前記カニューレに対して移動可能なチューブカッター、および組織保管組立体を有する、プローブと、
(b)前記カッターの運動をもたらすように動作可能である、再利用可能部分と、
を含み、
前記プローブおよび再利用可能部分は、ハンドピースを提供するために互いに取り外し可能に接続されるように構成され、
前記組織保管組立体は、前記ハンドピースの比較的静止した部分に対して回転可能である、生検装置。
【請求項25】
請求項24に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、複数の取り外し可能な組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成される、生検装置。
【請求項26】
請求項24に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、少なくとも1つの組織サンプルホルダーを含み、
前記組織サンプルホルダーは、前記組織保管組立体を前記生検装置から取り外すことなく、前記組織保管組立体から取り外し可能である、生検装置。
【請求項27】
請求項24に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、少なくとも2つの組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、他方の組織サンプルホルダーを前記組織保管組立体から取り外すことなく、前記組織保管組立体から取り外し可能である、生検装置。
【請求項28】
請求項24に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、回転部材、前記回転部材により保持される少なくとも2つの組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、前記回転部材を前記生検装置から取り外すことなく、前記回転部材から取り外し可能である、生検装置。
【請求項29】
生検装置と共に用いるための組織保管組立体において、
(a)少なくとも1つの流体通路を含む回転部材と、
(b)前記回転部材により保持された少なくとも2つの組織サンプルホルダーと、
を含み、
各組織サンプルホルダーは、他方の組織サンプルホルダーを取り外すことなく、前記回転部材から取り外し可能であり、
各組織サンプルホルダーは、前記回転部材の流体通路と連通する真空開口を有する、組織保管組立体。
【請求項30】
請求項29に記載の組織保管組立体において、
カバー、
をさらに含み、
前記回転部材は、前記カバーの中に回転可能に配置される、組織保管組立体。
【請求項31】
請求項29に記載の組織保管組立体において、
前記組織保管組立体は、生検装置の近位部分と取り外し可能に接続されるように構成される、組織保管組立体。
【請求項32】
請求項29に記載の組織保管組立体において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、組織保管組立体。
【請求項33】
請求項29に記載の組織保管組立体において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、1または複数の番号または記号を含み、各番号または記号は、前記組織サンプルホルダーの組織受容部分と関連する、組織保管組立体。
【請求項1】
生検装置において、
(a)前記生検装置から遠位側に延びたカニューレと、
(b)前記カニューレに対して移動可能なカッターであって、前記カニューレ内に受容された組織を切除するように動作可能である、カッターと、
(c)前記カッターによって切除された組織サンプルを受容するための、前記生検装置により支持された組織保管組立体であって、
(i)前記カニューレの近位側に配置された回転部材、および、
(ii)前記回転部材により取り外し可能に保持される複数の組織サンプルホルダーであって、各組織サンプルホルダーは、前記カッターにより切除された少なくとも1つの組織サンプルを受容するように構成され、各組織サンプルホルダーは、前記回転部材が前記生検装置に支持されている間に、前記回転部材から取り外し可能である、複数の組織サンプルホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
を含む、生検装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーのうち少なくとも1つと連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
【請求項3】
請求項2に記載の生検装置において、
前記真空源は、前記回転部材の少なくとも1つの通路を通じて少なくとも1つの組織サンプルと連通する、生検装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体を通じて前記カッターの内腔と連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
【請求項5】
請求項1に記載の生検装置において、
液体流路、
をさらに含み、
前記組織保管組立体は、前記液体流路の一部を含む、生検装置。
【請求項6】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体の少なくとも一部を通じた選択的な流体の流れをもたらすように動作可能な少なくとも1つの弁、
をさらに含む、生検装置。
【請求項7】
請求項1に記載の生検装置において、
前記カッターは、長手方向軸、および少なくとも部分的に内部を通って延びる内腔を有する、チューブカッターを含み、
前記カッターは、前記カニューレの中に少なくとも部分的に配置される、生検装置。
【請求項8】
請求項7に記載の生検装置において、
前記カニューレは、前記カニューレの遠位端部に近接した側方組織受容開口を含み、
前記カニューレは、前記チューブカッターの前記長手方向軸に概ね平行に、かつ前記長手方向軸からずれて延びる流体通路をさらに提供する、生検装置。
【請求項9】
請求項8に記載の生検装置において、
前記チューブカッターの前記長手方向軸に概ね平行に、かつ前記長手方向軸からずれて延びる前記流体通路を通じて、前記組織受容開口と連通する真空源、
をさらに含む、生検装置。
【請求項10】
請求項1に記載の生検装置において、
前記カニューレは、側方組織受容開口を含み、
前記カッターは、前記側方組織受容開口を閉じるように前進可能であり、
前記生検装置は、前記カッターが前記側方組織受容開口を閉じるように前進した状態で、前記カッターの遠位端部に大気圧を選択的に供給するよう動作可能である、生検装置。
【請求項11】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体の少なくとも一部分は、透明であり、
組織サンプルホルダーにより受容された組織サンプルは、前記回転部材から前記組織サンプルホルダーを取り外すことなく、前記組織保管組立体の透明な前記一部分を通して見ることができる、生検装置。
【請求項12】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーは、前記回転部材の外部上に嵌められる、生検装置。
【請求項13】
請求項1に記載の生検装置において、
前記組織サンプルホルダーは、前記回転部材の回転軸を中心として周方向に延びる、生検装置。
【請求項14】
請求項1に記載の生検装置において、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成された、少なくとも1つの可撓性部材を含む、生検装置。
【請求項15】
請求項1に記載の生検装置において、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成された、可撓性部材を含む、生検装置。
【請求項16】
請求項1に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、生検装置。
【請求項17】
請求項1に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、1または複数の番号または記号を含み、各番号または記号は、前記組織サンプルホルダーの組織受容凹部と関連する、生検装置。
【請求項18】
生検装置において、
(a)側方組織受容開口を有するカニューレと、
(b)前記組織受容開口に受容された組織を切除するために前記組織受容開口に対して移動可能なカッターと、
(c)組織保管組立体であって、
(i)前記カニューレの近位側で前記生検装置により支持されるマニホールド、および、
(ii)前記マニホールドにより取り外し可能に保持される複数の取り外し可能な組織サンプルホルダーであって、各組織サンプルホルダーは、独立して前記マニホールドから取り外し可能である、複数の取り外し可能な組織サンプルホルダー、
を有する、組織保管組立体と、
(d)前記マニホールドを通じて前記組織サンプルホルダーに真空を供給する真空源と、
を含む、生検装置。
【請求項19】
請求項18に記載の生検装置において、
各取り外し可能な組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成される、生検装置。
【請求項20】
請求項18に記載の生検装置において、
前記カニューレは、前記カニューレの長手方向軸を中心として複数の角度位置で組織サンプルを切除および収集することができるように、前記生検装置の比較的静止した部分に対して回転可能である、生検装置。
【請求項21】
請求項20に記載の生検装置において、
前記生検装置は、前記複数の角度位置から切除された組織サンプルを保管するように動作可能であり、前記サンプルは、前記組織サンプルホルダーにより、連続した離間関係に保持される、生検装置。
【請求項22】
請求項21に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、生検装置。
【請求項23】
請求項21に記載の生検装置において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、複数の組織サンプル凹部を有し、
前記組織サンプルホルダーは、前記複数の組織サンプル凹部のそれぞれと関連する、固有の番号または記号を含む、生検装置。
【請求項24】
生検装置において、
(a)本体、前記本体から遠位側に延びるカニューレ、前記カニューレ内に受容された組織を切除するように前記カニューレに対して移動可能なチューブカッター、および組織保管組立体を有する、プローブと、
(b)前記カッターの運動をもたらすように動作可能である、再利用可能部分と、
を含み、
前記プローブおよび再利用可能部分は、ハンドピースを提供するために互いに取り外し可能に接続されるように構成され、
前記組織保管組立体は、前記ハンドピースの比較的静止した部分に対して回転可能である、生検装置。
【請求項25】
請求項24に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、複数の取り外し可能な組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、少なくとも2つの組織サンプルを離間関係に保持するように構成される、生検装置。
【請求項26】
請求項24に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、少なくとも1つの組織サンプルホルダーを含み、
前記組織サンプルホルダーは、前記組織保管組立体を前記生検装置から取り外すことなく、前記組織保管組立体から取り外し可能である、生検装置。
【請求項27】
請求項24に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、少なくとも2つの組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、他方の組織サンプルホルダーを前記組織保管組立体から取り外すことなく、前記組織保管組立体から取り外し可能である、生検装置。
【請求項28】
請求項24に記載の生検装置において、
前記組織保管組立体は、回転部材、前記回転部材により保持される少なくとも2つの組織サンプルホルダーを含み、
各組織サンプルホルダーは、前記回転部材を前記生検装置から取り外すことなく、前記回転部材から取り外し可能である、生検装置。
【請求項29】
生検装置と共に用いるための組織保管組立体において、
(a)少なくとも1つの流体通路を含む回転部材と、
(b)前記回転部材により保持された少なくとも2つの組織サンプルホルダーと、
を含み、
各組織サンプルホルダーは、他方の組織サンプルホルダーを取り外すことなく、前記回転部材から取り外し可能であり、
各組織サンプルホルダーは、前記回転部材の流体通路と連通する真空開口を有する、組織保管組立体。
【請求項30】
請求項29に記載の組織保管組立体において、
カバー、
をさらに含み、
前記回転部材は、前記カバーの中に回転可能に配置される、組織保管組立体。
【請求項31】
請求項29に記載の組織保管組立体において、
前記組織保管組立体は、生検装置の近位部分と取り外し可能に接続されるように構成される、組織保管組立体。
【請求項32】
請求項29に記載の組織保管組立体において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、前記組織サンプルホルダーにより保持された個々の組織サンプルを識別するための表示を含む、組織保管組立体。
【請求項33】
請求項29に記載の組織保管組立体において、
少なくとも1つの組織サンプルホルダーは、1または複数の番号または記号を含み、各番号または記号は、前記組織サンプルホルダーの組織受容部分と関連する、組織保管組立体。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図11A】
【図12】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図11A】
【図12】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−31696(P2013−31696A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−224799(P2012−224799)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【分割の表示】特願2007−322137(P2007−322137)の分割
【原出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【分割の表示】特願2007−322137(P2007−322137)の分割
【原出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
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