説明

生物学的物質およびそれらの使用

本発明は、Gに富むオリゴヌクレオチドを用いて、腫瘍を有する患者(成人または小児)を治療する方法に関する。本発明の実施形態では、Gに富むオリゴヌクレオチドおよび化学療法剤の組合せを用いて、腫瘍を有する患者を治療する方法が提供される。本発明の方法において使用される医薬組成物およびキットもまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌を治療するための物質および方法に関する。特に、本発明の態様は、化学療法剤と組み合わせたGに富むオリゴヌクレオチドの投与を含む療法に関する。本発明の態様は、小児癌を治療するための、Gに富むオリゴヌクレオチドの投与を含む療法に関する。
【背景技術】
【0002】
オリゴヌクレオチドは、DNAまたはRNAの固有の配列を、顕著な程度に特異的に認識する可能性を有する。この理由で、オリゴヌクレオチドは、悪性疾患、ウイルス性疾患、および炎症性疾患を治療するための、遺伝子特異的な療法を実現する有望な候補物質として考えられている。オリゴヌクレオチドを介する治療的介入の2つの主要な戦略、すなわち、アンチセンス法およびアンチジーン法が開発されている。
【0003】
アンチセンス戦略は、特定のm RNAに対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションにより、特定遺伝子の発現を下方調節し、この結果として翻訳を阻害することを目的とする。Gewirtzら(1998年)、Blood、第92巻、712〜736頁; Crooke (1998年)、Antisense Nucleic Acid Drug Dev、第8巻、115〜122頁; Branch (1998年)、Trends Biochem. Sci.、第23巻、45〜50頁; Agrawalら(1998年)、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.、第8巻、135〜139頁。
【0004】
アンチジーン戦略は、オリゴヌクレオチドと、二本鎖ゲノムDNA内の特異的配列との間における三重螺旋の形成により、標的遺伝子転写の阻害を提示する。Heleneら(1997年)、Ciba Found. Symp.、第209巻、94〜102頁。
【0005】
アンチセンス戦略およびアンチジーン戦略共に、ある程度の成功を収めてはいるが、近年では、生物の構成要素とのオリゴヌクレオチドの相互作用が、標的核酸との配列特異的なハイブリダイゼーションをはるかに超えることが明らかとなっている。初期のアンチセンスデータに対する近年の研究および再検討により、アンチセンスオリゴヌクレオチドについて観察された生物学的効果の一部は、標的m RNAとのワトソン-クリック的ハイブリダイゼーションに完全に起因するわけではありえないことが示唆されている。所期の生物学的効果(例えば、細胞増殖または細胞のアポトーシスの阻害)が達成された場合もあるが、これは標的タンパク質の下方調節を伴わず、したがって、これが真のアンチセンス効果であった可能性は低い。Whiteら(1996年)、Biochem. Biophys. Res. Commun.、第227巻、118〜124頁; Drydenら(1998年)、J. Endocrinol.、第157巻、169〜175頁。
【0006】
多くの場合において、配列特異的でない他のオリゴヌクレオチドが、アンチセンス配列と同等であるかまたはこれを上回る生物学的効果を及ぼした可能性があることが示された。Bartonら(1995年)、Br.J. Cancer、第71巻、429〜437頁; Burgessら(1995年)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.、第92巻、4051〜4055頁; Benimetskayaら(1997年)、Nucleic Acids Res.、第25巻、2648〜2656頁。
【0007】
今日では、適切な対照オリゴヌクレオチドの重要性、および標的タンパク質生成の阻害を裏付ける必要性について、アンチセンス研究者の間でも意識が高まっているが(Stein (1998年)、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.、第6巻、129〜132頁)、非アンチセンス効果の機構についてはほとんど理解されていない。
【0008】
特に、連続するグアノシン(G)を含有するホスホジエステルオリゴデオキシヌクレオチドおよびホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドは、培養中における細胞の増殖に対して、非アンチセンス効果を及ぼすことが繰り返し見出されている。Burgessら(1995年)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.、第92巻、4051〜4055頁; Benimetskayaら(1997年)、Nucleic Acids Res.、第25巻、2648〜2656頁; Saijoら(1997年)、Jpn. J. Cancer Res.、第88巻、26〜33頁。この活性は、これらのオリゴヌクレオチドが分子内または分子間におけるGカルテットを伴う安定的な構造を形成する能力と関連するという証拠が存在する。Burgessら(1995年)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.、第92巻、4051〜4055頁; Benimetskayaら(1997年)、Nucleic Acids Res.、第25巻、2648〜2656頁。Gカルテットとは、1価の陽イオンにより安定化する、水素結合した4つのグアニンによる矩形の平面配置である。
【0009】
このような構造は、in vivoにおいて重要な役割を果たすと考えられており、推定のカルテット形成配列は、テロメアDNA (Sundquistら(1989年)、Nature、第342巻、825〜829頁)、免疫グロブリンスイッチ領域の配列(Senら(1988年)、Nature、第334巻、364〜366頁)、HIV1 RNA (Sundquistら(1993年)、Proc. Natl. Acad. Sci U. S. A.、第90巻、3393〜3397頁)、フラジャイルX反復配列(Fryら(1994年)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.、第91巻、4950〜4954頁)、および網膜芽腫遺伝子(Murchieら(1992年) Nucleic Acids Res.、第20巻、49〜53頁)において同定されている。
【0010】
本出願人らは既に、予期されるアンチセンス活性またはアンチジーン活性と関連しない、強力な増殖阻害効果を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド(GRO)について説明している。これらのオリゴヌクレオチドの抗増殖効果は、それらが特定の細胞内タンパク質に結合する能力と関連するものとして、本出願人らにより同定されている。GRO結合タンパク質はまた、抗ヌクレオリン抗体によっても認識されるので、本出願人らは、このタンパク質が、ヌクレオリン自体であるか、またはヌクレオリンと類似の免疫原性を共有する、同様のサイズのタンパク質であると結論付けた。
【0011】
ヌクレオリンとは、増殖する細胞の主に核内に局在化すると考えられる、豊富で多機能性の110kDaのリンタンパク質である(総説については、Tutejaら(1998年)、Crit. Rev. Biochem. Mol, Biol、第33巻、407〜436頁; Ginistyら(1999年)、J. Cell Sci.、第112巻、761〜772頁を参照されたい)。ヌクレオリンは、rDNA転写の制御、プレリボソームのパッケージング、および核内クロマチンの組織化を含めた、リボソーム生合成の多くの側面に関与している。Tutejaら(1998年)、Crit. Rev. Biochem. Mol, Biol、第33巻、407〜436頁; Ginistyら(1999年)、J. Cell Sci.、第112巻、761〜772頁; Ginistyら(1998年)、EMBO J.、第17巻、1476〜1486頁。
【0012】
ヌクレオリンの別の役割は、細胞の細胞質と核/核小体との間において、ウイルスタンパク質および細胞タンパク質を輸送するシャトルタンパク質としてのものである。Kibbeyら(1995年)、J. Neurosci. Res.、第42巻、314〜322頁; Leeら(1998年)、J. Biol. Chem.、第273巻、7650〜7656頁; Waggonerら(1998年)、J. Virol.、第72巻、6699〜6709頁。
【0013】
ヌクレオリンはまた、核マトリックス構造(Gotzmannら(1997年)、Electrophoresis、第18巻、2645〜2653頁)、細胞質分裂および核分裂(Leger-Silvestreら(1997年)、Chromosoma、第105巻、542〜52頁)、ならびにRNAヘリカーゼおよびDNAヘリカーゼとしての役割(Tutejaら(1995年)、Gene、第160巻、143〜148頁)を含めた他の役割にも、直接的または間接的に関与している。
【0014】
ヌクレオリンの多機能的性格は、ヒストン様のN末端、RNA認識モチーフを含有する中央ドメイン、およびグリシン/アルギニンに富むC末端からなるその多重ドメイン構造において反映されている。Lapeyreら(1987年)、Proc. Natl.Acad. Sci. U. S. A.、第84巻、1472〜1476頁。
【0015】
ヌクレオリンのレベルは、細胞増殖速度と関連することが知られ(Derenziniら(1995年)、Lab. Invest.、第73巻、497〜502頁; Rousselら(1994年)、Exp. Cell Res.、第214巻、465〜472頁)、悪性細胞などの急速に増殖する細胞においては上昇し、より緩徐に分裂する細胞においては低下する。
【0016】
癌の治療においては、化学療法剤が用いられる。トポイソメラーゼII阻害剤は、G2/M期における細胞周期の進行に影響を及ぼして、G2期の停止をもたらす、一群の有用な化学療法剤を含む(Progress in Cell Cycle Research,、第5巻、295〜300頁、2003年)。
【0017】
ドキソルビシン(ヒドロキシルダウノルビシン;アドリアマイシンとしても知られる)は、癌、例えば、白血病、ホジキンリンパ腫、膀胱癌、乳癌、胃癌、肺癌、卵巣癌、甲状腺癌、軟組織肉腫、および多発性骨髄腫の治療において一般的に用いられるトポイソメラーゼII阻害剤である。ドキソルビシンは、例えば、Adriamycin(商標)の商標名で、Pharmacia社から市販されており、また、ジェネリック品としても市販されている。ドキソルビシンは、(8S,1OS)-10-(4-アミノ-5-ヒドロキシ-6-メチル-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-6,8,11-トリヒドロキシ-8-(2-ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-7,8,9,10-テトラヒドロテトラセン-5,12-ジオンの化学名:
【0018】
【化1】

を有するアントラサイクリン抗生剤である。
【0019】
ドキソルビシンは、挿入によりDNAと相互作用し、トポイソメラーゼIIの活性を阻害すると考えられる。トポイソメラーゼII阻害剤として、ドキソルビシンは、G2期細胞におけるDNA損傷を誘導し(Carcinogenesis、第23巻、第3号、389〜401頁、2002年3月)、細胞周期のG0〜G1期にある細胞のアポトーシスを誘発しうることが報告されている(Cancer Research、第60巻、1901〜1907頁、2000年4月1日)。
【0020】
ドキソルビシンは、それが作用する標的においてあまり選択的でなく、これにより、重篤な副作用を引き起こす点で、大半の化学療法剤の典型である。ドキソルビシンの副作用例には、悪心、嘔吐、心不整脈、好中球減少症(白血球細胞の減少)、全頭性脱毛(頭髪の喪失)、ならびにうっ血性心不全、拡張性心筋症、および死亡を含めた重篤な心副作用が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】WO2000/61597
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】Gewirtzら(1998年)、Blood、第92巻、712〜736頁
【非特許文献2】Crooke (1998年)、Antisense Nucleic Acid Drug Dev、第8巻、115〜122頁
【非特許文献3】Branch (1998年)、Trends Biochem. Sci.、第23巻、45〜50頁
【非特許文献4】Agrawalら(1998年)、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.、第8巻、135〜139頁
【非特許文献5】Heleneら(1997年)、Ciba Found. Symp.、第209巻、94〜102頁
【非特許文献6】Whiteら(1996年)、Biochem. Biophys. Res. Commun.、第227巻、118〜124頁
【非特許文献7】Drydenら(1998年)、J. Endocrinol.、第157巻、169〜175頁
【非特許文献8】Bartonら(1995年)、Br.J. Cancer、第71巻、429〜437頁
【非特許文献9】Burgessら(1995年)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.、第92巻、4051〜4055頁
【非特許文献10】Benimetskayaら(1997年)、Nucleic Acids Res.、第25巻、2648〜2656頁
【非特許文献11】Stein (1998年)、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.、第6巻、129〜132頁
【非特許文献12】Saijoら(1997年)、Jpn. J. Cancer Res.、第88巻、26〜33頁
【非特許文献13】Sundquistら(1989年)、Nature、第342巻、825〜829頁
【非特許文献14】Senら(1988年)、Nature、第334巻、364〜366頁
【非特許文献15】Sundquistら(1993年)、Proc. Natl. Acad. Sci U. S. A.、第90巻、3393〜3397頁
【非特許文献16】Fryら(1994年)、Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.、第91巻、4950〜4954頁
【非特許文献17】Murchieら(1992年) Nucleic Acids Res.、第20巻、49〜53頁
【非特許文献18】Tutejaら(1998年)、Crit. Rev. Biochem. Mol, Biol、第33巻、407〜436頁
【非特許文献19】Ginistyら(1999年)、J. Cell Sci.、第112巻、761〜772頁
【非特許文献20】Ginistyら(1998年)、EMBO J.、第17巻、1476〜1486頁
【非特許文献21】Kibbeyら(1995年)、J. Neurosci. Res.、第42巻、314〜322頁
【非特許文献22】Leeら(1998年)、J. Biol. Chem.、第273巻、7650〜7656頁
【非特許文献23】Waggonerら(1998年)、J. Virol.、第72巻、6699〜6709頁
【非特許文献24】Gotzmannら(1997年)、Electrophoresis、第18巻、2645〜2653頁
【非特許文献25】Leger-Silvestreら(1997年)、Chromosoma、第105巻、542〜52頁
【非特許文献26】Tutejaら(1995年)、Gene、第160巻、143〜148頁
【非特許文献27】Lapeyreら(1987年)、Proc. Natl.Acad. Sci. U. S. A.、第84巻、1472〜1476頁
【非特許文献28】Derenziniら(1995年)、Lab. Invest.、第73巻、497〜502頁
【非特許文献29】Rousselら(1994年)、Exp. Cell Res.、第214巻、465〜472頁
【非特許文献30】Progress in Cell Cycle Research,、第5巻、295〜300頁、2003年
【非特許文献31】Carcinogenesis、第23巻、第3号、389〜401頁、2002年3月
【非特許文献32】Cancer Research、第60巻、1901〜1907頁、2000年4月1日
【非特許文献33】Boklan (2006年)、Mol Cancer Ther、第5巻、第8号、1905〜8頁
【非特許文献34】Balls (2000年)、Oncologis、第5巻、2〜3頁
【非特許文献35】Johnsonら(2003年)、J. Clin. Oncol.、第21巻、第7号、1404〜1411頁
【非特許文献36】Chouら、Adv. Enz. Regul.、第22巻、27〜55頁、1984年
【非特許文献37】Chou, T.-C.、Pharmacological Reviews、第58巻、621〜681頁、2006年
【非特許文献38】Derossiら、1998年、Trends Cell Biol.、第8巻、84〜87頁
【非特許文献39】Remington、「The Science and Practise of Pharmacy」、第19版、The Philadelphia College of Pharmacy and Science、ISBN 0-912734-04-3
【非特許文献40】Cleland、1997年、Pharm. Biotechnol.、第10巻、1〜43頁
【非特許文献41】Cleland、2001年、J. Control. Release、第72巻、13〜24頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
小児癌は、15歳未満の小児600名につき約1名の割合で発生し、成人が罹患する癌とは異なる性格を示すものとして広く認識されている。小児癌は、身体の異なる部分において発生し、異なる組織像を有し、治療に対して異なる応答を示す傾向がある。大半の小児癌は、成人癌に対して確立された治療レジメを用いて治療されている。したがってこれらの小児状態に対して有効なものとして同定されており、関連する成人状態の外挿としてだけ用いられるのではない、小児癌に有効な治療を同定する必要が存在する(Boklan (2006年)、Mol Cancer Ther、第5巻、第8号、1905〜8頁; Balls (2000年)、Oncologis、第5巻、2〜3頁)。
【0024】
異なる患者集団において有効性が改善され、毒性が低減された抗癌剤および治療方法に対する探索が精力的に行われている。本発明は、小児癌を含めた癌を治療するためのさらなる作用物質および方法の提供を試みるものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
単剤療法としてのGに富むオリゴヌクレオチド(GRO)は、各種の血液腫瘍細胞に対する増殖の阻害および/または着実な細胞死滅を示している。本発明者らは、Gに富むオリゴヌクレオチドによる、肉腫、芽細胞腫、およびリンパ腫の治療により、抗癌効果が得られることを確認した。
【0026】
本発明者らはまた、Gに富むオリゴヌクレオチド、およびトポイソメラーゼII阻害剤などの化学療法剤による組合せ治療によっても、抗癌効果が得られることを確認した。
【0027】
本発明者らはまた、Gに富むオリゴヌクレオチドによる小児癌の治療によっても、驚嘆すべき抗癌効果が得られることを確認した。
【0028】
本明細書で用いられる「トポイソメラーゼII阻害剤」という用語には、ドキソルビシン(ヒドロキシルダウノルビシン;アドリアマイシンとしても知られる)、ドキソルビシンリポソーム製剤;ダウノルビシン、ダウノルビシンリポソーム製剤;エピルビシン、イダルビシン、およびネモルビシンなどのアントラサイクリン;アントラキノンであるミトキサントロンおよびロソキサントロン;ならびにポドフィロトキシンであるエトポシドおよびテニポシドが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明者らは、Gに富むオリゴヌクレオチド、およびドキソルビシン(ヒドロキシルダウノルビシン;アドリアマイシンとしても知られる)などの化学療法剤による組合せ療法により、相乗作用的な抗癌効果が得られることもさらに確認した。
【0030】
本発明の第1の態様では、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体と共に、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、およびトポイソメラーゼII阻害剤を含む医薬組成物が提供される。
【0031】
トポイソメラーゼII阻害剤は、ドキソルビシンであることが好ましい。
【0032】
本発明のオリゴヌクレオチドの例は、以下のヌクレオチド配列:
AS1411: 5'-GGTGGTGGTGGTTGTGGTGGTGGTGG-3'(配列番号1) (GR026BおよびAGRO100としても知られる)
GR014A: 5'GTTGTTTGGGGTGG-3'(配列番号2)
GRO15A: 5'-GTTGTTTGGGGTGGT-3'(配列番号3)
GR025A: 5'-GGTTGGGGTGGGTGGGGTGGGTGGG-3'(配列番号4)
GR028A: 5'-TTTGGTGGTGGTGGTTGTGGTGGTGGTG-3'(配列番号5)
GR029A: 5'-TTTGGTGGTGGTGGTTGTGGTGGTGGTGG-3'配列番号6)
GR029-2: 5'-TTTGGTGGTGGTGGTTTTGGTGGTGGTGG-3'(配列番号7)
GR029-3: 5'-TTTGGTGGTGGTGGTGGTGGTGGTGGTGG-3'(配列番号8)
GR029-5: 5'-TTTGGTGGTGGTGGTTTGGGTGGTGG TGG-3'(配列番号9)
GR029-13: 5'-TGGTGGTGGTGGT-3'(配列番号10)
GRO11A: 5'-GGTGGTGGTGG-3'(配列番号11)
GRO14C: 5'-GGTGGTTGTGGTGG- 3'(配列番号12)
GR056A: 5'-GGTGGTGGTGGTTGTGGTGGTGGTGGTTGTGGTGGTGGTGGTTGTGGTGGTGGTGG-3'(配列番号13)
GR032A: 5'-GGTGGTTGTGGTGGTTGTGGTGGTTGTGGTGG-3'(配列番号14)
GR032B: 5'-TTTGGTGGTGGTGGTTGTGGTGGTGGTGGTTT-3'(配列番号15)
GR029-6: 5'-GGTGGTGGTGGTTGTGGTGGTGGTGGTTT-3'(配列番号16)
GR028B: 5'-TTTGGTGGTGGTGGTGTGGTGGTGGTGG-3'(配列番号17)
GR013A: 5'-TGGTGGTGGT-3'(配列番号18)
を有する。
【0033】
同じ活性を有する他のオリゴヌクレオチドもまた意図される。
【0034】
Gに富むオリゴヌクレオチド(GRO)とは、該オリゴヌクレオチドが、DNA、RNA、2'-O-メチル、ホスホロチオエート、または他の化学的に類似の骨格を伴う4〜100ヌクレオチド(10〜30ヌクレオチドであることが好ましい)からなることを意味する。それらの配列は、1つまたは複数のGGTモチーフを含有する。該オリゴヌクレオチドは、細胞に対する抗増殖活性を有し、GRO結合タンパク質および/またはヌクレオリンに結合する。これらの特性は、MTTアッセイまたはEMSA法など、当技術分野でよく知られる技法を用いて示すことができる(WO2000/61597を参照されたい)。
【0035】
本発明のオリゴヌクレオチドは、グアノシンに富み、Gカルテット構造を形成することが可能である。具体的に述べると、本発明のオリゴヌクレオチドは、チミジンおよびグアノシンを主に含み、各オリゴヌクレオチド配列中において少なくとも1つの連続するグアノシン反復を伴う。
【0036】
本明細書で用いられる「オリゴヌクレオチド」という用語は、2つ以上のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを含む分子として定義される。正確なサイズは、標的リガンドに対する特異性および結合親和性を含めた多数の因子に依存する。「塩基」または「ヌクレオチド」に言及しつつ、該用語は、デオキシリボ核酸およびリボ核酸の両方を包含する。
【0037】
Gに富むオリゴヌクレオチドは、配列番号1の配列を有することが好ましい。
【0038】
一実施形態において、Gに富むオリゴヌクレオチドは、3’末端および5’末端を有し、該3’末端および5’末端の一方または両方が、該Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている。
【0039】
オリゴヌクレオチドの特異的な特性を変化させるために、それらの3’末端において該オリゴヌクレオチドを修飾することができる。例えば、血清ヌクレアーゼに対するオリゴヌクレオチドの安定性を増大させることが見出されているプロピルアミン基の付加により、オリゴヌクレオチドの3'末端を修飾することができる。当技術分野でよく知られる他の修飾には、3'修飾および5'修飾、例えば、コレステロールの結合、ならびに、骨格修飾、例えば、ホスホロチオエート置換および/または2'-O-メチルRNAが含まれる。
【0040】
本発明の第2の態様では、
(i) 治療有効量における、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドと、
(ii)治療有効量におけるドキソルビシンと、
(iii)これらを使用するための指示書と
を含むパーツのキットが提供される。
【0041】
本発明者らによれば、「治療有効量」とは、本発明のオリゴヌクレオチドまたはドキソルビシンなどの化学療法剤のある量であって、単独で、または別の作用物質との組合せで対象に投与されると、異形成細胞、過剰増殖細胞、または悪性細胞の増殖を阻害または低減することなどにより、疾患、障害、または状態の症状を改善する量を意味する。治療有効量は、病期、年齢、性別、組織像、および腫瘍再発の可能性が含まれるがこれらに限定されない患者の臨床パラメータに基づき、臨床医などの当業者によって経験的に決定されうる。
【0042】
場合によって、該キットは、
(iv) Gに富むオリゴヌクレオチドおよび/またはドキソルビシンを患者に投与するための手段
をさらに含む。
【0043】
Gに富むオリゴヌクレオチドおよびドキソルビシンは、個別に提供されることが好都合である。
【0044】
代替的に、Gに富むオリゴヌクレオチドおよびドキソルビシンは、混合物として提供される。
【0045】
Gに富むオリゴヌクレオチドは、配列番号1の配列を有することが好ましい。
【0046】
一実施形態において、Gに富むオリゴヌクレオチドは、3’末端および5’末端を有し、該3’末端および5’末端の一方または両方が、該Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている。
【0047】
本発明の第3の態様では、悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞の増殖を阻害する方法であって、化学療法剤であるドキソルビシンと組み合わせて、配列番号1〜18の1つの配列を有する、治療有効量の、Gに富むオリゴヌクレオチドを対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0048】
本発明の特定の実施形態において、化学療法剤であるドキソルビシンとの、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドの組合せは、相乗作用的である。
【0049】
本明細書で用いられる「相乗(synergy)」、「相乗作用(synergism)」および「相乗作用的(synergistic)」という用語は、予期される相加効果を上回る、2つ以上の化学療法剤の調整された作用に関する。
【0050】
Gに富むオリゴヌクレオチドおよび化学療法剤による治療に関する「互いと組み合わせて」には、Gに富むオリゴヌクレオチドおよび化学療法剤が同時投与されるという意味だけでなく、これらが個別投与および逐次投与されるという意味も包含する。
【0051】
Gに富むオリゴヌクレオチドおよび化学療法剤は、最初に投与されたオリゴヌクレオチドまたは化学療法剤とは0〜24時間を置いて投与されることが好ましい。
【0052】
阻害は、in vitroにおける方法の場合もあり、in vivoにおける方法の場合もある。
【0053】
「悪性細胞、異形成細胞、および/または過形成細胞の増殖に対する阻害」という用語は、任意の部分的または全体的な増殖の阻害を包含し、該細胞の増殖または成長速度の低下を包含する。
【0054】
本明細書で用いられる「新生物性」という用語は、例えば、乳癌、白血病、または前立腺癌を含めた癌または腫瘍など、組織および/または細胞の新規で異常な増殖を包含する。「新生物性」という用語はまた、隣接する構造に浸潤してこれを破壊し、かつ/または転移しうる悪性細胞も包含する。
【0055】
本明細書で用いられる「異形成性」という用語は、乾癬などの状態を含めた、細胞、組織、または構造の任意の異常な増殖を包含する。
【0056】
「対象」という用語は、ヒトを含めたすべての動物を意味する。対象の例には、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、およびブタが含まれる。「患者」という用語は、治療を必要とする障害を有する対象を意味する。
【0057】
対象は、成人対象の場合もあり、小児対象の場合もある。ヒト小児個体とは、その誕生日(すなわち、ゼロ(0)歳)〜21歳の任意の年齢にあるヒト個体である。ヒト小児個体は、その誕生日(すなわち、ゼロ(0)歳)〜30日の任意の日齢にあるヒト個体である「新生児(neonate)」または「新産児(newborn)」; 31日〜2歳の任意の日齢および年齢にあるヒト個体である「乳児」; 2〜12歳の任意の年齢にある個体である「小児」; 12〜21歳の任意の年齢にある個体である「若年者」を包含する。ヒト成人とは、21歳を超える個体である。
【0058】
当業者は、癌または乾癬など、それぞれの悪性状態、異形成状態、または過剰増殖状態を有する患者を容易に同定することができる。
【0059】
一実施形態において、Gに富むオリゴヌクレオチドの投与は、化学療法剤による治療に先行する。
【0060】
第2の実施形態において、化学療法剤の治療は、Gに富むオリゴヌクレオチドによる治療に先行する。
【0061】
第3の実施形態では、前記Gに富むオリゴヌクレオチドおよび前記化学療法剤の両方が同時投与される。
【0062】
Gに富むオリゴヌクレオチドは、配列番号1の配列を有することが好ましい。
【0063】
一実施形態において、Gに富むオリゴヌクレオチドは、3’末端および5’末端を有し、該3’末端および5’末端の一方または両方が、該Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている。
【0064】
悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞は、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukaemia)、急性骨髄白血病(acute myeloid leukaemia) (AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、軟組織肉腫および骨肉腫、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、腎癌、ホジキン病、悪性リンパ腫、気管支原性肺癌、小児癌、基底細胞癌、黒色腫、急性前骨髄球性白血病、骨髄異形成症候群、慢性リンパ球性白血病、横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;リンパ腫;非ホジキンリンパ腫;ホジキンリンパ腫、ならびに扁平上皮癌(頭頚部癌、および/または頭頚部の扁平上皮癌など)を含めた充実性腫瘍から選択される障害と関連すると有利である。
【0065】
本発明の第4の態様では、悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞により特徴づけられる疾患を治療する方法であって、該悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞を、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、および化学療法剤であるドキソルビシンの組合せに曝露するステップを含み、該Gに富むオリゴヌクレオチドおよび該化学療法剤が、互いと組み合わせて投与される方法が提供される。
【0066】
「治療」には、多数の悪性細胞、異形成細胞、および/もしくは過剰増殖細胞が減少し、かつ/またはさらなる悪性細胞、異形成細胞、および/もしくは過剰増殖細胞の増殖が遅延および/もしくは防止され、かつ/または悪性細胞、異形成細胞、および/もしくは過剰増殖細胞が死滅するという意味を包含する。悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞は、腫瘍および癌に特徴的である。
【0067】
本明細書で用いられる「治療すること」という用語は、状態または疾患の少なくとも1つの症状の治癒のほか、その改善も包含することを意図する。例えば、癌の場合、治療に対する応答には、新規薬剤の承認について、米国立癌研究所および米国食品医薬品局により設定された基準によりそれらの各々が測定される、悪液質の軽減、生存期間の増大、腫瘍進行までの時間の延長、腫瘍量の低減、腫瘍負荷の軽減、および/または腫瘍転移までの時間の延長、腫瘍再発までの時間の延長、腫瘍応答、完全寛解、部分寛解、疾患の安定、疾患の進行、進行のない生存、全生存が含まれる。Johnsonら(2003年)、J. Clin. Oncol.、第21巻、第7号、1404〜1411頁を参照されたい。
【0068】
Gに富むオリゴヌクレオチドは、配列番号1の配列を有することが好ましい。
【0069】
一実施形態において、Gに富むオリゴヌクレオチドは、3’末端および5’末端を有し、該3’末端および5’末端の一方または両方が、該Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている。
【0070】
悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞は、急性骨髄性白血病、急性骨髄白血病 (AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、軟組織肉腫および骨肉腫、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、腎癌、ホジキン病、悪性リンパ腫、気管支原性肺癌、小児癌、基底細胞癌、黒色腫、急性前骨髄球性白血病、骨髄異形成症候群、慢性リンパ球性白血病、横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;リンパ腫;非ホジキンリンパ腫;ホジキンリンパ腫、ならびに扁平上皮癌(頭頚部癌、および/または頭頚部の扁平上皮癌など)を含めた充実性腫瘍から選択される障害と関連すると有利である。
【0071】
本発明のGROは、単独で、または医薬組成物の一部として患者または対象に投与することができる。GROは、患者に経口投与、直腸内投与、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、または皮下投与)、大槽内投与、膣内投与、腹腔内投与、膀胱内投与、局所投与(粉末、軟膏、またはドロップ)、または口腔内投与することもでき、鼻腔内噴霧により投与することもできる。
【0072】
本発明の第5の態様では、薬剤として使用される、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、および化学療法剤であるドキソルビシンの組合せが提供される。
【0073】
本発明の第6の態様では、悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞により特徴づけられる疾患を治療するための薬剤の製造における、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、および化学療法剤であるドキソルビシンの組合せの使用が提供される。
【0074】
本発明の第7の態様では、悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞により特徴づけられる疾患を治療するのに用いられる、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、および化学療法剤であるドキソルビシンの組合せが提供される。
【0075】
本発明の第5、第6、および第7の態様のいずれにおいても、Gに富むオリゴヌクレオチドは、配列番号1の配列を有することが好ましい。
【0076】
Gに富むオリゴヌクレオチドは、3’末端および5’末端を有し、該3’末端および5’末端の一方または両方が、該Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されていることがさらに好ましい。
【0077】
本発明の第5、第6、および第7の態様のいずれにおいても、悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞は、以下の障害:急性骨髄性白血病、急性骨髄白血病 (AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、軟組織肉腫および骨肉腫、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、腎癌、ホジキン病、悪性リンパ腫、気管支原性肺癌、小児癌、基底細胞癌、黒色腫、急性前骨髄球性白血病、骨髄異形成症候群、慢性リンパ球性白血病、横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;リンパ腫;非ホジキンリンパ腫;ホジキンリンパ腫、ならびに扁平上皮癌(頭頚部癌、および/または頭頚部の扁平上皮癌など)を含めた充実性腫瘍のうちの少なくとも1つと関連すると有利である。
【0078】
本発明の特定の実施形態において、悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞は、バーキットリンパ腫と関連する。
【0079】
本発明の一部の実施形態において、悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞は、急性骨髄性白血病または急性骨髄白血病(AML)と関連する。
【0080】
本発明の特定の実施形態において、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドは、化学療法剤であるドキソルビシンの活性を強化する。
【0081】
本発明のさらなる態様では、肉腫、芽細胞腫、またはリンパ腫と関連する悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞により特徴づけられる疾患を治療するのに用いられる、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドが提供される。
【0082】
本発明の別の態様では、肉腫、芽細胞腫、またはリンパ腫から選択される癌を治療するための薬剤の製造における、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドの使用が提供される。
【0083】
配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドが、癌を治療するかまたはこれを治療するための薬剤を製造するのに有用な、特定の実施形態において、肉腫、芽細胞腫、またはリンパ腫は、神経芽腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;およびバーキットリンパ腫から選択される。
【0084】
本発明の特定の実施形態において、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドは、バーキットリンパ腫、神経芽腫;横紋筋肉腫;または骨肉腫と関連する悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞を治療するために、患者または対象に投与される。
【0085】
本発明のさらなる態様では、
(i)治療有効量における、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドと、
(ii)神経芽腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;およびバーキットリンパ腫から選択される癌を有する小児癌患者においてこれらを使用するための指示書と
を含むパーツのキットが提供される。
【0086】
該キットはまた、
(iii)Gに富むオリゴヌクレオチドを小児癌患者に投与するための手段
も含むことが好ましい。
【0087】
Gに富むオリゴヌクレオチドは、配列番号1の配列を有することが好ましい。
【0088】
一実施形態において、Gに富むオリゴヌクレオチドは、3’末端および5’末端を有し、該3’末端および5’末端の一方または両方が、該Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている。
【0089】
ここで、以下の図面を参照しながら、本発明の態様を具現化する実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】Namalwa細胞に対するAS1411およびドキソルビシンを示す図である。
【図2】Raji細胞に対するAS1411およびドキソルビシンを示す図である。
【図3】K562細胞に対するAS1411およびドキソルビシンを示す図である。
【図4】Daudi細胞に対するAS1411およびドキソルビシンを示す図である。
【図5】HL-60細胞に対するAS1411およびドキソルビシンを示す図である。
【図6】MV411細胞に対するAS1411およびドキソルビシンを示す図である。
【図7】KG-1細胞に対するAS1411およびドキソルビシンを示す図である。
【図8】Jurkat細胞に対するAS1411およびドキソルビシンを示す図である。
【図9】SRBアッセイを示す図である。小児細胞株アッセイの実施例データを示すSRBアッセイ。小児細胞株は、6日間のアッセイでAS1411へと曝露した場合、同様のIC50値を示す。
【図10】細胞増殖抑制効果を示す図である。AS1411へと曝露したMV4-11 (AML)細胞およびSUP-B15 (ALL)細胞の細胞増殖。
【図11】細胞毒性効果を示す図である。AS1411へと曝露したMV4-11 (AML)細胞およびSUP-B15 (ALL)細胞の生存率。
【図12】ウェスタンブロット解析を示す図である。AS1411曝露後におけるBaxタンパク質レベルの上昇を示すウェスタンブロット解析。
【図13a】Baxter FOLFusor LV10デバイスの線画表示を示す図である。
【図13b】Baxter FOLFusor LV10デバイスの写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
(実施例)
(実施例1)
AS1411 (配列番号1のGRO)およびドキソルビシンの効果
用いた細胞株
用いた細胞株(およびそれらの特性)を、以下のTable 1 (表1)に記載する。
【0092】
【表1A】

【0093】
【表1B】

【0094】
【表1C】

【0095】
スルホローダミンBアッセイ
上記の種類の細胞を、各細胞株に最適の個数で96ウェルプレートのウェル内に播種した。
【0096】
【表2】

【0097】
ドキソルビシン濃度を変化させながら(0.12nM〜30667.0nMの範囲で)、濃度を固定したAS1411 (1μMまたは2.5μM)を添加し、6日間にわたって細胞をインキュベートした。ドキソルビシンなしでAS1411の濃度を変化させる対照を実施した。ドキソルビシン量を変化させるがAS1411を不在とする第2の対照系列を実施した。
【0098】
次いで、細胞を洗浄し、16%TCAにより96ウェルプレートへと固定し、色素であるスルホローダミンB (SRB;英国、ドーセット、Sigma-Aldrich社から市販される;型番S-1402)へと曝露した。AS1411への曝露後において残存する細胞塊の光学密度を、マイクロプレート分光光度計により測定し、IC50を決定した。
【0099】
実験は2連で実施し、平均光学密度を計算した。
【0100】
Chou, T.-C.およびTalalay, P (Chouら、Adv. Enz. Regul.、第22巻、27〜55頁、1984年;およびChou, T.-C.、Pharmacological Reviews、第58巻、621〜681頁、2006年を参照されたい)の方法を用いるCalcusynソフトウェア(英国、ケンブリッジ、Biosoft社製)を用いて、組合せ指数(CI)を決定する。
【0101】
結果
結果(以下のTable 3〜10 (表3〜10)および図1〜9に示される)は、Gに富むオリゴヌクレオチドと共にドキソルビシンを投与することの相乗効果を裏付ける。
【0102】
【表3】

【0103】
【表4】

【0104】
【表5】

【0105】
【表6】

【0106】
【表7】

【0107】
【表8】

【0108】
【表9】

【0109】
【表10】

【0110】
ドキソルビシン濃度を上昇させながら適用される、固定された非毒性濃度のAS1411 (2.5μM)を用いて観察される、ヒトバーキットリンパ腫細胞株であるNAMALWA (Table 3 (表3)、図1;細胞5000個/ウェル)、Daudi (Table 7 (表7)、図4;細胞10000個/ウェル)、およびRaji (Table 8 (表8)、図2;細胞5000個/ウェル)に対する、ドキソルビシンと組み合わせたAS1411による、in vitroにおける増殖の阻害は、Table 3、7、および9 (表3、7、および9)において示される数値データに基づいてAS1411およびドキソルビシンを組み合わせた場合(n=2)における、各種のバーキットリンパ腫株に対する相乗効果を示す。曲線の最も急な部分の濃度における組合せ指数の解析の結果、NAMALWA細胞、Daudi細胞、およびRaji細胞に対して、それぞれ、0.6、0.3、および0.6の値がもたらされた。
【0111】
【表11】

【0112】
上記のTable 11 (表11)は、互いと組み合わせて投与された場合のドキソルビシンおよびAS1411が及ぼす相乗効果を裏付ける。
【0113】
(実施例2)
癌治療における組合せ治療の使用
実施例1において実験的に調べた組合せ療法は、ヒト腫瘍の治療における使用に適用することができる。
【0114】
ヒト腫瘍の治療には、用いられる化学療法剤に応じた、mg/m2 (mg/kgを37倍することにより、mg/m2が概算される)単位の標準的な臨床化学療法用量の投与が必要とされる。特定の患者に対する標準的な臨床用量は、その患者の具体的な状況に基づき容易に計算することができ、当業者の日常的な活動の一部を形成する。
【0115】
化学療法剤の投与と、Gに富むオリゴヌクレオチドの投与との間の時間は、0〜24時間であることが好ましく、化学療法剤または、Gに富むオリゴヌクレオチドのいずれかが最初に投与される。患者の必要および適切な供給源の入手可能性に基づき、化学療法剤およびGに富むオリゴヌクレオチドを投与するための時間のスケジュールを構築することは、当業者の能力内に十分に収まる。
【0116】
組合せ療法は、治療コース内において投与される。該コース内における治療投与の正確な頻度、および該コース全体の長さは、用いられる具体的な化学療法剤および個々の患者の状況に依存する。治療の適切な長さおよび頻度を決定しうる能力は、完全に当業者の能力の範囲内にある。
【0117】
(実施例3)
静脈内注入を用いる癌治療における組合せ療法の投与
AS1411は、7日間にわたり静脈内注入により患者に施される。患者に投与される毎日の量は、mg/kg単位の用量および患者の体重に基づいて計算される。
【0118】
AS1411薬品を注入バッグ(デキストロースに対する代替物には、生理食塩液など、任意の既知の注入系が含まれる)内の5%デキストロース中へと希釈することにより、各注入日において新鮮な溶液を調製する。適切な注入バッグは、当業者によく知られている。各24時間の開始時において、新鮮な注入バッグを調製することが好ましい。AS1411の必要用量の計算後、当量のデキストロースを該バッグから除去し、最終総量が500mLとなるように、必要用量のAS1411を該バッグへと直接添加する。
【0119】
調製したら、AS1411を含有する注入バッグを、投与まで+2℃〜+5℃で保管することができる。薬剤は、投与の最長6時間前に調製することができる。
【0120】
5%デキストロース中で再構成されたAS1411は、再構成後可能な限り速やかに室温で投与する。AS1411の適切な用量は、500mlの静脈内注入として投与される。AS1411の注入は、可能な限り24時間に近く、これが、注入バッグを交換するか、さもなければ注入ラインで凝血が生じる理由となる。
【0121】
ドキソルビシンは、21〜28日ごとに、単剤としては60〜75mg/m2、また、静脈内注入としては40〜60mg/m2の用量で患者に施される。したがって、適する用量は、40〜75mg/m2である。ドキソルビシンの調製は、販売元の指示書に従い実施する。
【0122】
(実施例4)
小児癌細胞株に対するGに富むオリゴヌクレオチドの効果
方法
細胞培養: T75フラスコ内において細胞を培養し、トリパンブルー色素除外法(無菌の0.4%トリパンブルー溶液(例えば、Sigma社製T-8154)を細胞培養物へと添加すると、死滅細胞は色素を排除できず、このため青色に見える)を用いて、細胞カウントを実施した。
【0123】
スルホローダミンBアッセイ
細胞は、各細胞株に対して以下の通りに、96ウェルプレートのウェル内に播種するのが典型的であった:
R-1059-D 500個
A204 1000個
SK-N-AS 4000個
MC/CAR 10,000個
SUP-B15 10,000個
MV4-11 5000個
【0124】
0、0.1、1、5、または20Mから選択された濃度でAS1411 (配列番号1のGに富むオリゴヌクレオチド)を添加し、6日間にわたり細胞をインキュベートした。
【0125】
次いで、細胞を洗浄し、96ウェルプレートへと固定し、色素であるスルホローダミンB (SRB;英国、ドーセット、Sigma-Aldrich社から市販される;型番S-1402)へと曝露した。AS1411への曝露後において残存する細胞塊の光学密度を、マイクロプレート分光光度計により測定し、IC50を決定した。時間経過実験の場合、言及された時点においてAS1411を細胞から洗い流し、次いで、該細胞に新鮮な培地を適用し、これをアッセイの全6日間にわたり増殖させた。
【0126】
実験は2連で実施し、平均光学密度を計算した。
【0127】
ウェスタンブロット法
4日間にわたり細胞をAS1411と共にインキュベートし、その後、4〜12%のNuPAGEビス-トリスゲル(Invitrogen社製)を用いて、非還元型SDS-PAGE解析により細胞溶解物を解析した。
【0128】
ローリーアッセイ(Sigma-Aldrich社製から市販されるローリー試薬;型番L3540)により評価される、ウェル当たり10μgの全タンパク質(全細胞溶解物)をロードし、ECL Advanceウェスタンブロット法キット(GE Healthcare社製)を用いて検出した。
【0129】
抗ヌクレオリン抗体およびbax抗体はSanta Cruz社から購入し、β-アクチン抗体はQED社から購入した。
【0130】
結果:細胞毒性
細胞毒性試験および細胞増殖抑制試験の結果を、以下の図9、10、および11ならびにTable 12 (表12)に示す。
【0131】
【表12】

【0132】
これらの結果から、AS1411 (配列番号1)は、多くの小児癌細胞株に対する活性を示す(すなわち、同細胞株の細胞数を減少させる)ことが見て取れる。
【0133】
ウェスタンブロット法
ヌクレオリンは、複数のバンドとして現れ、これらの形態は、文献から予測されるものであり、全細胞溶解物のヌクレオリンレベルに対する影響は観察されない。Baxは、単量体または二量体の両方として観察される。いずれの細胞株においても、AS1411に対する曝露時においてBaxの上方調節が観察され、また、タンパク質濃度を標準化するのにβ-アクチンレベルを用いた。Baxとは、ミトコンドリア膜における小孔の形成に関与し、アポトーシスをもたらすアポトーシス促進タンパク質である。
【0134】
(実施例5)
静脈内注入を用いる癌治療におけるAS1411療法の投与
AS1411は、7日間にわたり静脈内注入により患者に施される。患者に投与される毎日の量は、mg/kg単位の用量および患者の体重に基づいて計算される。
【0135】
AS1411薬品を注入バッグ(デキストロースに対する代替物には、生理食塩液など、任意の既知の注入系が含まれる)内の5%デキストロース中へと希釈することにより、各注入日において新鮮な溶液を調製する。適切な注入バッグは、当業者によく知られている。各24時間の開始時において、新鮮な注入バッグを調製することが好ましい。AS1411の必要用量の計算後、当量のデキストロースを該バッグから除去し、最終総量が500mLとなるように、必要用量のAS1411を該バッグへと直接添加する。
【0136】
調製したら、AS1411を含有する注入バッグを、投与まで+2℃〜+5℃で保管することができる。薬剤は、投与の最長6時間前に調製することができる。
【0137】
5%デキストロース中で再構成されたAS1411は、再構成後可能な限り速やかに室温で投与する。AS1411の適切な用量は、500mlの静脈内注入として投与する。AS1411の注入は、可能な限り24時間に近く、これが、注入バッグを交換するか、さもなければ注入ラインで凝血が生じる理由となる。
【0138】
(実施例6)
携帯デバイスを用いる癌治療におけるGROの投与
患者の運動性の向上を可能とする携帯デバイスを用いて、AS1411の投与を実施する。このような投与経路は、例えば、腎癌を有する患者の治療に有用である。
【0139】
携帯デバイスは、薬学および医学の技術分野でよく知られており、当業者ならば、適切なデバイスを選択することができるであろう。好ましいデバイスは、化学療法治療において広範に用いられており、非アレルギー原性であり、240mlのレザバーから10ml/時間の速度で薬品を供給する、Baxter FOLFusor LV10 (Baxter Parkway、Deerfield、IL 60015-4625、USA;図13)である。FOLFusorは、患者の自由を向上させる「バムバッグ」内において提供され、治療サイクル中の各日において、新鮮で充填されたFOLFusorにより置換される。
【0140】
FOLFusorでは、該デバイス上部に位置する充填ポートに接続されたシリンジを介して、中央のエラストマー製バルーン内へと薬品が導入される。該バルーンには、240mlのAS1411が充填される。デバイスが充填されると、バルーン内の内圧により、バルーンから送達管を経て、ルアロック式接続部を介して、カテーテルへと薬品の流動が誘導される。流速は、送達管内における流量制限器によりもたらされる制限を介して制御される。
【0141】
流速の精度は+/-10%であり、Baxterにより5%デキストロースを用いて校正されている。FOLFusorは、名目容量(240ml)まで充填しなければならず、さもなければ流速が低下する。5ミクロンの直列フィルターにより、任意の小粒子が除去される。FOLFusorは閉鎖システムなので、空気が混入する危険性はない。FOLFusorが全薬品を分注し、空になると、血液が配管を逆流し、遮断を引き起こす危険性がある程度存在する。これは、ヘパリンフラッシュで除去することができる。
【0142】
投与材料の詳細は、
・ AS1411の薬品濃縮物; 20mlのバイアル内に20mg/ml
・ Baxter FOLFusor LV10 (Baxter社製;型番2C4063K)
・ ルアロック式接続具を伴う無菌シリンジ;容量100ml (例えば、Becton-Dickinson社製のPlastipak)
・ 無菌の皮下注射針
・ 5%デキストロース溶液(Baxter社製のViaflex容器;例えば、型番2B0089)
・ 無菌の混合容器(約500mlであることが好ましい)
である。
【0143】
(i) AS1411用量の計算
AS1411は、20mlのバイアル内において20mg/mlの濃縮物として医療機関へと配送される。まず、該医療機関においてAS1411を5%デキストロース中へと希釈して最終容量を240mlとするが、AS1411に対する5%デキストロースの比率は、患者の体重に依存する(下記のTable 13 (表13)を参照されたい)。
【0144】
(ii) AS1411溶液の調製
Table 13 (表13)をガイドとして用いて、必要な本数のAS1411バイアルを冷蔵庫から取り出し、室温で1時間にわたり静置する。皮下注射針を取り付けた無菌の100mlシリンジを用いて、バイアルから必要容量のAS1411濃縮物を吸引し、無菌の混合容器へと添加する。同じシリンジを用いて、今度は、Viaflex容器から必要容量の5%デキストロースを吸引し、混合容器内のAS1411濃縮物へと添加する。該容器内容物をゆっくりと旋回させて混合する。ステップ(ii)および(iii)は、安全キャビネット内で実施しなければならないことに留意されたい。
【0145】
【表13】

【0146】
(iii) FOLFusorへの薬剤の添加
デバイス上部の充填ポートへとネジ固定した100mlのシリンジを用いて、AS1411/デキストロース溶液をFOLFusorへと添加する。シリンジから皮下注射針を取り外し、FOLFusor上の充填ポートからキャップのネジ固定を解除してキャビネット内に保管する。FOLFusorへと取り付けられた送達管の端部から青色キャップを取り外し、キャビネット内に保管する(青色キャップを取り外すことにより、準備中に空気をデバイスから追い出すことできる)。容器からの100mlのAS1411デキストロース溶液をシリンジに充填し、該シリンジを充填ポートへとネジ固定し、シリンジプランダーをゆっくりと押し込んで、該溶液をデバイス内へと移動させる(中央のバルーンが膨張する)。240mlのAS1411デキストロース溶液がFOLFusorへと移動するまで、さらなるシリンジの充填によりこの工程を継続する(今度は、該バルーンが完全に膨張する)。青色キャップを再装着する前に、送達管の端部から薬剤溶液を滴下させる。
【0147】
(iv)カテーテルおよび患者への接続
ここで、充填されたFOLFusorを安全キャビネットから取り出す。滅菌法を用いて送達管の端部から青色キャップを取り外し、ルアロック式接続具によりカテーテルへと取り付ける。患者に装着する前に、カテーテルから薬剤溶液を滴下させる。
【0148】
(v)使用についてのガイドライン
次いで、患者の腰部に装着したパウチ内(腰回りに装着しうるベルトに取り付けられたパウチを指す「バムバッグ」内など)にFOLFusorを設置する。FOLFusorは、患者への注入ポートとほぼ同じ高さに保つものとする。このレベル未満では流速が2.5cm当たり0.5%低下し、このレベルを超えると流速が2.5cm当たり0.5%上昇する。温度および粘稠度もまた、流速に影響を与える。温度が低下すると粘稠度が上昇し、流速が低下する。温度が上昇すると粘稠度が低下し、流速が上昇する。33.3℃が、バムバッグ内における想定温度である。
【0149】
(実施例7)
好ましい医薬製剤ならびに好ましい投与方式および投与用量
本発明のポリヌクレオチドおよび化学療法剤は、注射用徐放薬剤送達系を用いて送達することができる。これらは、注射の頻度を低減するように特別に設計されている。このような系の例は、生体分解性マイクロスフェア内に組換えヒト増殖ホルモン(rhGH)を封入するNutropin Depotであり、これは、注射されると、持続的な期間にわたってゆっくりとrhGHを放出する。
【0150】
本発明のポリヌクレオチドおよび化学療法剤は、必要とされる部位へと直接に薬剤を放出する、手術植え込み型デバイスにより投与することができる。例えば、Vitrasertは、眼内へと直接にガンシクロビルを放出して、CMV網膜炎を治療する。疾患部位へのこの毒性作用物質の直接的な適用により、該薬剤の著明な全身への副作用なしに、有効な治療が達成される。
【0151】
電気穿孔療法(EPT)システムもまた、投与に用いることができる。パルス化された電場を細胞へと送達するデバイスにより、薬剤に対する細胞膜の透過性が上昇し、この結果、細胞内における薬剤送達が著明に増強される。
【0152】
本発明のポリヌクレオチドおよび化学療法剤はまた、エレクトロインコーポレーション(EI)によっても送達することができる。EIは、皮膚表面上における直径が最大30ミクロンの微小粒子が、電気穿孔において用いられる電気パルスと同一であるかまたは同様の電気パルスを受ける場合に生じる。EIでは、これらの粒子が駆動されて角質層を通り、皮膚のさらなる深部層内へと達する。粒子には薬剤または遺伝子をロードするかまたはこれによりコーティングする場合もあり、それを介して薬剤が侵入するための小孔を皮膚内に作製する「弾丸」としてだけ作用させる場合もある。
【0153】
投与の代替的な方法は、熱感受性のReGel注射用システムである。ReGelは、体温未満では注射可能な液体であるのに対し、体温ではゆっくりと浸食されて溶解し、既知の安全な生体分解性ポリマーとなる、ゲルレザバーを即座に形成する。該バイオポリマーが溶解する時間にわたり、活性薬剤が送達される。
【0154】
本発明のポリヌクレオチドおよび化学療法剤は、「トロイのペプチド」により細胞へと導入することができる。これらは、移動特性を有し、細胞膜を隔てて親水性化合物を移送することが可能な、ペネトラチンと呼ばれるポリペプチドのクラスである。この系は細胞質および核をオリゴペプチドの直接的な標的とすることを可能とし、また、細胞型特異的ではないが高度に効果的でありうる(Derossiら、1998年、Trends Cell Biol.、第8巻、84〜87頁)。
【0155】
本発明の医薬製剤は、有効成分の毎日の用量を含有する単位用量、もしくは毎日の単位部分用量、またはその適切な一部であることが好ましい。
【0156】
本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、および抗体は、場合によって、薬学的に許容される剤形にある、非毒性の有機酸添加塩もしくは無機酸添加塩、または有機塩基添加塩もしくは無機塩基添加塩の形態で有効成分を含む医薬製剤の形態において、任意の非経口経路を介して投与することができる。治療される障害および患者のほか、投与経路にも応じて、用量を変化させて組成物を投与することができる。
【0157】
ヒト治療の場合、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、および抗体は単独で投与することもできるが、一般には、意図される投与経路および標準的な薬学的実践との関連で選択される、適切な医薬賦形剤、医薬希釈剤、または医薬担体と混合して投与される。
【0158】
本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、および抗体はまた、非経口投与、例えば、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、または皮下投与も可能であり、注入法により投与することもできる。それらは、他の物質、例えば、溶液を血液と等張とするのに十分な塩またはグルコースを含有しうる無菌水溶液の形態で用いるのが最良である。必要の場合、水溶液は、適切な形で緩衝する(3〜9のpHへと緩衝することが好ましい)ものとする。無菌条件下における適切な非経口製剤の調製は、当業者によく知られる標準的な薬学的技法により容易に達成することができる。
【0159】
非経口投与に適する製剤は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および該製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有しうる水性および非水性の無菌注射溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を包含しうる水性および非水性の無菌懸濁液を包含する。該製剤は、単位用量容器または複数回用量容器、例えば、密封式のアンプルおよびバイアル内において提示することができ、また、使用直前に無菌の液体担体、例えば、注射用水の添加だけを必要とする凍結乾燥(freeze-dried (lyophilised))条件において保管することができる。即時注射溶液および即時注射懸濁液は、既に説明した種類の無菌粉末、無菌顆粒、および無菌錠剤から調製することができる。
【0160】
一般に、ヒトでは、本発明のポリヌクレオチドおよび化学療法剤の持続的な静脈内投与が好ましい投与経路である。
【0161】
獣医科使用の場合、本発明のポリヌクレオチドおよび化学療法剤は、通常の獣医科実践による、適切に許容される製剤として投与され、獣医師は、特定の動物に最も適切な投与レジメンおよび投与経路を決定する。
【0162】
本発明の医薬組成物による製剤は、単位用量形態で提示されると好都合な場合があり、また、薬学の技術分野でよく知られた方法のいずれかにより調製することができる。このような方法は、有効成分を、1つまたは複数の付属成分を構成する担体と混合するステップを包含する。一般に、該製剤は、有効成分を、液体の担体もしくは微粉化された固体担体またはこれらの両方と均一かつ十分に混合し、次いで、必要な場合、該生成物を成形することにより調製することができる。
【0163】
好ましい単位用量製剤は、有効成分の毎日の用量、単位用量、もしくは毎日の単位部分用量、またはその適切な一部を含有する製剤である。
【0164】
上記で具体的に言及された成分に加えて、本発明の製剤は、対象の製剤種類と関連する、当技術分野における他の従来の作用物質も包含しうることを理解されたい。
【0165】
(実施例8)
例示的な医薬製剤
本発明のポリヌクレオチドおよび化学療法剤は単独での投与が可能である一方、1つまたは複数の許容される担体と共に、医薬製剤としてそれを提示することが好ましい。担体は、本発明の化合物に適合し、それらのレシピエントに対して有害ではないという意味において「許容され」なければならない。担体は、無菌であり、かつ発熱物質を含まない水または生理食塩液であることが典型的である。
【0166】
以下の実施例は、有効成分が本発明のポリヌクレオチドおよび/または化学療法剤である、本発明による医薬製剤を例示する。
【0167】
(実施例8A)
眼科溶液
有効成分 0.5g
塩化ナトリウム;分析グレード 0.9g
チオメルサル 0.001g
精製水 100mlとする
pH 7.5に調整する
【0168】
(実施例8B)
カプセル製剤
製剤A
カプセル製剤は、下記実施例Cの製剤Dの成分を混合し、二部型硬質ゼラチンカプセル内に充填することにより調製される。製剤B (下記)も、同様の形で調製される。
【0169】
製剤B
mg/カプセル
有効成分 250
ラクトースB.P. 143
デンプングリコール酸ナトリウム 25
ステアリン酸マグネシウム 2
420
【0170】
製剤C
mg/カプセル
有効成分 250
マクロゴール4000 BP 350
600
【0171】
カプセルは、マクロゴール4000 BPを溶融させ、有効成分を該溶融物中に分散させ、該溶融物を二部型硬質ゼラチンカプセル内へと充填することにより調製される。
【0172】
製剤D
mg/カプセル
有効成分 250
レシチン 100
ラッカセイ油 100
450
【0173】
カプセルは、有効成分をレシチンおよびラッカセイ油中に分散させ、該分散液を、軟質の弾性ゼラチンカプセル内へと充填することにより調製される。
【0174】
製剤E (制御放出カプセル)
以下の制御放出カプセル製剤は、押出し成形機を用いて成分a、b、およびcを押し出した後で、該押出し成形物を球体化し、乾燥させることにより調製される。次いで、乾燥したペレットが、放出制御膜(d)によりコーティングされ、二部型硬質ゼラチンカプセル内へと充填される。
【0175】
mg/カプセル
有効成分 250
微晶質セルロース 125
ラクトースBP 125
エチルセルロース 13
513
【0176】
(実施例8C)
注射用製剤
有効成分 0.200g
無菌で発熱物質を含まないリン酸緩衝液(pH7.0) 10mlとする
【0177】
有効成分を多量のリン酸緩衝液(35〜40℃)中で溶解させ、次いで、容量まで補充し、これを、無菌の微小孔フィルターを介して、無菌の10mlアンバーガラス製バイアル(1型)内へと濾過し、無菌の密栓およびオーバーシーリングにより密封した。
【0178】
代替的に、製剤は、以下:
・ pH7.4としたUSP品質(EMD Chemicals Inc、New Jersey 08027、USA)の二塩基性リン酸カリウム;
・ pH7.4としたUSP品質(EMD Chemicals社製)の一塩基性リン酸カリウム;
・ 20mlとした注射用水;
・ 400mgのAS1411;
を含有しうる。
【0179】
各バッチ内で用いられるこれらの物質の重量は、バッチサイズに依存する。例えば、以下:
・ AS1411 528.5g;
・ 二塩基性リン酸カリウム 39.8g;
・ 一塩基性リン酸カリウム 8.2g ;
・ 注射用水 28339.8gとする;
・ 臨床では該製剤を5%デキストロース(Baxter社製)と混合する
を用いれば、20mg/mlのAS1411 20mlを含有する約1370本のバイアルをもたらすバッチ規模とすることができよう。
【0180】
(実施例8D)
筋肉内注射
有効成分 0.20g
ベンジルアルコール 0.10g
Glycofurol 75(登録商標) 1.45g
適量の注射用水 3.00mlとする
【0181】
有効成分をグリコフロール中に溶解させる。次いで、ベンジルアルコールを添加して溶解させ、水を添加して3mlとする。次いで、該混合物を無菌の微小孔フィルターを介して濾過し、無菌の3mlガラス製バイアル(1型)内に密封する。
【0182】
(実施例8E)
シロップ懸濁液
有効成分 0.2500g
ソルビトール溶液 1.5000g
グリセロール 2.0000g
分散性セルロース 0.0750g
安息香酸ナトリウム 0.0050g
芳香剤; Peach 17.42.3169 0.0125ml
適量の精製水 5.0000mlとする
【0183】
精製水の一部に安息香酸ナトリウムを溶解させ、ソルビトール溶液を添加する。有効成分を添加し、分散させる。グリセロール中に増粘剤(分散性セルロース)を分散させる。2つの分散液を混合し、必要容量まで精製水を補充する。懸濁液に対するさらなるせん断により、必要とされるさらなる増粘化を達成する。
【0184】
(実施例8F)
坐剤
mg/坐剤
有効成分(63μm) * 250
硬質脂肪、BP (Witepsol H15; Dynamit Nobel社製) 1770
2020
【0185】
*有効成分は、粒子の少なくとも90%が63μm以下の直径である粉末として用いられる。
【0186】
最高45℃のスチームジャケットを装着したパン内において5分の1のWitepsol H15を溶融させる。有効成分を200μmの篩に通し、カッターヘッドを取り付けたシルバーソンミキサーを用いて、滑らかな分散が達成されるまで混合しながら、該溶融したベースへと添加する。該混合物を45℃に維持し、残りのWitepsol H15を該懸濁液へと添加し、撹拌して、均一な混合物であることを確認する。全懸濁液を250μmのステンレス鋼製スクリーンに通し、撹拌を続けながら、40℃まで冷却する。38℃〜40℃の温度になったら、2.02gの混合物を、適切なプラスチック製鋳型内へと充填する。坐剤を室温まで冷却する。
【0187】
(実施例8G)
ペッサリー
mg/ペッサリー
有効成分 250
無水デキストロース 380
バレイショデンプン 363
ステアリン酸マグネシウム 7
1000
【0188】
上記の成分を直接に混合し、結果としてもたらされる混合物の直接的な圧縮によりペッサリーを調製する。
【0189】
(実施例8H)
クリームおよび軟膏
Remington、「The Science and Practise of Pharmacy」、第19版、The Philadelphia College of Pharmacy and Science、ISBN 0-912734-04-3において説明されている。
【0190】
(実施例8I)
マイクロスフェア製剤
本発明の化合物はまた、Cleland (1997年、Pharm. Biotechnol.、第10巻、1〜43頁;および2001年、J. Control. Release、第72巻、13〜24頁)において説明される製剤などのマイクロスフェア製剤を用いても送達することができる。
【0191】
本開示の全体では、各種の刊行物、特許、および特許明細書公報を、出典を明らかにして参照する。本発明が関連する技術水準をより完全に説明するため、これらの刊行物、特許、および特許明細書公報の開示を、参照により本明細書に組み込む。
【0192】
上記の実施形態との関連で本発明を説明してきたが、前出の説明および実施例は、本発明を例示することを意図するものであり、その範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。本発明の範囲内にある他の態様、利点、および変更は、本発明が関連する当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体と共に、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、およびトポイソメラーゼII阻害剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体と共に、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、およびドキソルビシンを含む医薬組成物。
【請求項3】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、配列番号1の配列を有する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、3’末端および5’末端を有し、前記3’末端および5’末端の一方または両方が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
(i)治療有効量における、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドと、
(ii)治療有効量におけるドキソルビシンと、
(iii)これらを使用するための指示書と
を含むパーツのキット。
【請求項6】
(iv)前記Gに富むオリゴヌクレオチドおよび/またはドキソルビシンを患者に投与するための手段
をさらに含む、請求項5に記載のキット。
【請求項7】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドおよびドキソルビシンが個別に提供される、請求項5または6に記載のキット。
【請求項8】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドおよびドキソルビシンが混合物として提供される、請求項5または6に記載のキット。
【請求項9】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、配列番号1の配列を有する、請求項5から8のいずれか一項に記載のキット。
【請求項10】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、3’末端および5’末端を有し、前記3’末端および5’末端の一方または両方が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている、請求項5から9のいずれか一項に記載のキット。
【請求項11】
対象における悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞の増殖を阻害する方法であって、化学療法剤であるトポイソメラーゼII阻害剤と組み合わせて、配列番号1〜18の1つの配列を有する、治療有効量の、Gに富むオリゴヌクレオチドを前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項12】
対象における悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞の増殖を阻害する方法であって、化学療法剤であるドキソルビシンと組み合わせて、配列番号1〜18の1つの配列を有する、治療有効量の、Gに富むオリゴヌクレオチドを前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項13】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドの投与が、前記化学療法剤による治療に先行する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記化学療法剤の治療が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドによる治療に先行する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項15】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドおよび前記化学療法剤の両方が同時投与される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項16】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、配列番号1の配列を有する、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、3’末端および5’末端を有し、前記3’末端および5’末端の一方または両方が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞が、以下の障害:急性骨髄性白血病、急性骨髄白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、軟組織肉腫および骨肉腫、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、腎癌、ホジキン病、悪性リンパ腫、気管支原性肺癌、小児癌、基底細胞癌、黒色腫、急性前骨髄球性白血病、骨髄異形成症候群、慢性リンパ球性白血病、横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;リンパ腫;非ホジキンリンパ腫;ホジキンリンパ腫、ならびに扁平上皮癌(頭頚部癌、および/または頭頚部の扁平上皮癌など)を含めた充実性腫瘍のうちの少なくとも1つと関連する、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞により特徴づけられる疾患を治療する方法であって、前記悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞を、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、および化学療法剤であるドキソルビシンの組合せに曝露するステップを含み、前記Gに富むオリゴヌクレオチドおよび前記化学療法剤が、互いと組み合わせて投与される方法。
【請求項20】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドの投与が、前記化学療法剤による治療に先行する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記化学療法剤の治療が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドによる治療に先行する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドおよび前記化学療法剤の両方が同時投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、配列番号1の配列を有する、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、3’末端および5’末端を有し、前記3’末端および5’末端の一方または両方が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記腫瘍が、以下の障害:急性骨髄性白血病、急性骨髄白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、軟組織肉腫および骨肉腫、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、腎癌、ホジキン病、悪性リンパ腫、気管支原性肺癌、小児癌、基底細胞癌、黒色腫、急性前骨髄球性白血病、骨髄異形成症候群、慢性リンパ球性白血病、横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;リンパ腫;非ホジキンリンパ腫;ホジキンリンパ腫、ならびに扁平上皮癌(頭頚部癌、および/または頭頚部の扁平上皮癌など)を含めた充実性腫瘍のうちの少なくとも1つと関連する、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記腫瘍が急性骨髄性白血病、急性骨髄白血病 (AML)またはリンパ腫と関連する、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
薬剤として使用される、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、および化学療法剤であるドキソルビシンの組合せ。
【請求項28】
悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞により特徴づけられる疾患を治療するための薬剤の製造における、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、および化学療法剤であるドキソルビシンの組合せの使用。
【請求項29】
悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞により特徴づけられる疾患を治療するのに用いられる、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド、および化学療法剤であるドキソルビシンの組合せ。
【請求項30】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、配列番号1の配列を有する、請求項27から29のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、3’末端および5’末端を有し、前記3’末端および5’末端の一方または両方が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている、請求項27から30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞が、以下の障害:急性骨髄性白血病、急性骨髄白血病 (AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、軟組織肉腫および骨肉腫、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、腎癌、ホジキン病、悪性リンパ腫、気管支原性肺癌、小児癌、基底細胞癌、黒色腫、急性前骨髄球性白血病、骨髄異形成症候群、慢性リンパ球性白血病、横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;リンパ腫;非ホジキンリンパ腫;ホジキンリンパ腫、ならびに扁平上皮癌(頭頚部癌、および/または頭頚部の扁平上皮癌など)を含めた充実性腫瘍のうちの少なくとも1つと関連する、請求項28から31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
前記腫瘍が急性骨髄性白血病、急性骨髄白血病 (AML)またはリンパ腫と関連する、請求項28から31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
神経芽腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;およびバーキットリンパ腫から選択される癌を治療するための薬剤の製造における、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドの使用。
【請求項35】
神経芽腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;およびバーキットリンパ腫から選択される癌を治療するのに用いられる、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチド。
【請求項36】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、配列番号1の配列を有する、請求項34または35に記載の使用。
【請求項37】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、3’末端および5’末端を有し、前記3’末端および5’末端の一方または両方が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている、請求項34から36のいずれか一項に記載の使用。
【請求項38】
対象における悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞の増殖を阻害する方法であって、配列番号1〜18の1つの配列を有する、治療有効量の、Gに富むオリゴヌクレオチドを前記対象に投与するステップを含み、前記悪性細胞、異形成細胞、および/または過剰増殖細胞が、神経芽腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;およびバーキットリンパ腫から選択される癌と関連する方法。
【請求項39】
(i)治療有効量における、配列番号1〜18の1つの配列を有する、Gに富むオリゴヌクレオチドと、
(ii)神経芽腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;髄芽腫;頭蓋咽頭腫;網膜芽腫;ユーイング肉腫;およびバーキットリンパ腫から選択される癌を有する小児癌患者においてこれらを使用するための指示書と
を含むパーツのキット。
【請求項40】
(iii)前記Gに富むオリゴヌクレオチドを小児癌患者に投与するための手段
をさらに含む、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、配列番号1の配列を有する、請求項39または40に記載のキット。
【請求項42】
前記Gに富むオリゴヌクレオチドが、3’末端および5’末端を有し、前記3’末端および5’末端の一方または両方が、前記Gに富むオリゴヌクレオチドの特性を変化させるように修飾されている、請求項39から41のいずれか一項に記載のキット。
【請求項43】
実施例および図面への参照を伴う本明細書に実質的に記載の医薬組成物。
【請求項44】
実施例および図面への参照を伴う本明細書に実質的に記載の方法。
【請求項45】
実施例および図面への参照を伴う本明細書に実質的に記載の使用。
【請求項46】
実施例および図面への参照を伴う本明細書に実質的に記載のキット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13a】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13b】
image rotate


【公表番号】特表2011−511051(P2011−511051A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545549(P2010−545549)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000326
【国際公開番号】WO2009/098464
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(502337664)アンティソマ リサーチ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】