説明

用紙収納ケース及びこれを備えた記載台

【課題】省スペースで種々のサイズの用紙を収納できる収納ケースを提供する。
【解決手段】ケース1は、用紙を出し入れできるように上端が開口したケース本体10と、ケース本体10の内部を水平方向に隣接する2つの収納空間X、Yに仕切る仕切り板2と、各収納空間X、Yに収納される用紙の下端を支持するべくケース本体10と仕切り板2とに架け渡して着脱可能に取り付けられる支持体41(A、B)、42(A、B)と、収納する用紙の種類に応じて支持体41、42の取り付け位置を各収納空間X、Yごとに変更可能とするべく配置された支持体取付部31、32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関、役所、病院等で使用される各種手続き書面を記載するための記載台に設けられた用紙収納ケース及びこれを備えた記載台に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関、役所、病院等には、各種手続きを行うために、それぞれ所定の用紙があり、手続きを行う者がその用紙に記入できるよう、記載台が設置されている(例えば、特許文献1)。用紙は、記載台の近くに用意されていれば手続きを行う者にとって便利であり、通常、記載台の上に用意されていることが多い。この場合、記載台には、手続きを行う者が用紙に記入するためのスペースを確保するだけでなく、用紙を収納するスペース(収納ケースを設置するスペース)も確保する必要がある。
【0003】
一方、用紙は、手続きの種類に応じて数種用意されていることが多い。例えば、金融機関であれば、新規口座開設の申込書、振込用紙、両替依頼書等がある。そのため、記載台に設置される収納ケースは、異なる種類の用紙に対応できるものが望ましい。
【0004】
特許文献2では、書類トレイを複数個積み重ねた多段式のレターケースが提案されており、これを記載台の上に設置すれば、種々の用紙を収納して使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−104554号公報
【特許文献2】特開2004−249608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このレターケースでは、少なくとも用紙の大きさと同じだけ、平面上のスペースが必要となる。そのため、記載台の上に設置すると、記載台の上の作業スペースが大きく制限されることとなる。
【0007】
また、通常、金融機関、役所、病院等では、用件に応じて数種類の記入用紙が用意されており、それらの記入用紙は、サイズが一定ではなく、例えば、A4サイズ、B5サイズ、さらに、規格外のサイズもある。しかしながら、このレターケースは、1つ1つの書類トレイの大きさが一定であるため、異なるサイズの用紙を収納するには適さない。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、省スペースで種々のサイズの用紙を収納できる用紙収納ケース及びこれを備えた記載台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、用紙を出し入れできるようにその上端が開口したケース本体と、前記ケース本体の内部を水平方向に隣接する第1及び第2収納空間に仕切る仕切り板と、前記第1収納空間に収納された用紙の下端を支持するべく前記ケース本体と前記仕切り板とに架け渡して着脱可能に取り付けられる第1支持体と、前記第2収納空間に収納された用紙の下端を支持するべく前記ケース本体と前記仕切り板とに架け渡して着脱可能に取り付けられる第2支持体と、前記第1支持体の取り付け位置を、第1収納空間に収納する用紙の種類に応じて変更可能とするべく配置された第1支持体取付部と、前記第2支持体の取り付け位置を、第2収納空間に収納する用紙の種類に応じて変更可能とするべく配置された第2支持体取付部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
以上の態様では、ケース本体の上端が開口しているため、開口部から用紙を出し入れできる。また、ケース本体の内部を水平方向に隣接する2つの収納空間に仕切る仕切り板を設けることで、1つのケースの中に2つの収納空間(第1収納空間、第2収納空間)ができる。このため、第1収納空間、第2収納空間それぞれに異なる種類の用紙を収納することができる。また、ケース本体と仕切り板とに架け渡して取り付けられる支持体を設けることで、収納空間に収納される用紙の下端は、ケース底板ではなく、支持体によって支持される。すなわち、支持体の取り付け位置(ケース上端からの深さ)によって、収納される用紙の下端の位置が決定される。また、支持体は着脱可能であり、支持体の取り付け位置を変更可能とする支持体取付部を設けることで、収納する用紙の種類に応じて支持体の取り付け位置を変更することができる。そして、1つの収納空間において、支持体の取り付け位置を変更することによって、サイズの異なる用紙を入れ替え収納することができる。さらに、第1収納空間、第2収納空間それぞれに、支持体の取り付け位置を変更できる第1支持体取付部、第2支持体取付部を設けることで、第1支持体の取り付け位置と第2支持体の取り付け位置を異なる位置に設定することができ、第1収納空間と第2収納空間に異なるサイズの用紙を収納することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1支持体取付部が、前記第2支持体取付部と干渉しない位置に設けられていることを特徴とする。
【0012】
以上の態様では、第1支持体取付部を、第2支持体取付部と干渉しない位置に設けることで、第1収納空間と第2収納空間に仕切る仕切り板を薄くすることができる。ここで、「干渉しない」とは、第1支持体取付部と第2支持体取付部とが、垂直方向、水平方向ともに同じ位置に設けられていないことを意味する。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記支持体は少なくともその先端部に螺子部を有する棒状体であり、前記支持体取付部は、前記ケース本体と前記仕切り板に同軸的に設けられた貫通孔であり、前記ケース本体の貫通孔に外側から挿入された支持体の先端部が前記仕切り板の貫通孔に螺合連結されていることを特徴とする。
【0014】
以上の態様では、支持体がその先端部に螺子部を有し、ケース本体と仕切り板に同軸的に設けられた貫通孔に螺合連結されるため、支持体がケース本体に確実に固定され、収納する用紙の下端を安定的に支持することができる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記ケース本体の上端周縁にフランジ部を形成することを特徴とする。
【0016】
以上の態様では、記載台の天板に設けられた切欠部にケースを挿入した際、記載台の天板とケース本体の上端周縁に形成されたフランジ部が接することで、ケースを支持することができる。
【0017】
前記記載台の天板に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の用紙収納ケースを挿入して取り付けるための切欠部を備えたことを特徴とする。
【0018】
以上の態様では、記載台の天板に切欠部を設け、ケースを切欠部に挿入することによって、記載台での作業者が、記載台に設置されたケースから容易に用紙を取り出すことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上の本発明によれば、省スペースで種々のサイズの用紙を収納できる用紙収納ケース及びこれを備えた記載台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態の係る記載台の全体斜視図。
【図2】本発明の実施の形態に係る用紙収納ケースの分解図。
【図3】本発明の実施の形態に係る用紙収納ケースの全体斜視図。
【図4】本発明の実施の形態に係る用紙収納ケースを記載台に挿入した状態での断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態という。)について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同様の構成については、適宜説明を省略する場合がある。
【0022】
[1.本実施形態]
[1−1.構成]
(1)全体構成
本実施形態の記載台100は、主たる構成要素は、公知の記載台と同様の構成であり、図1に示すように、天板101と、天板101の短辺下端部に垂直に固定される側板102、102’と、天板101下部と側板102、102’とに固定される幕板103とから構成される。天板101には切欠部104が設けられている。天板101は、手続きを行う者が用紙に記入するための作業スペースである。側板102、102’は、長方形の板であり、天板101の短辺下端部に垂直に固定され、記載台100の脚となる。幕板103は、天板101に垂直に形成された板である。幕板103は、図1に示すように、天板101のやや奥側に位置し、幕板103を設けることによって、記載台100手前からは、切欠部104に挿入された後述する本実施形態の用紙収納ケースは見えないように構成されている。切欠部104は、本実施形態の用紙収納ケースを挿入するために設けられた貫通孔である。切欠部104は、天板101の後縁近傍の左寄りの位置に設けられている。
【0023】
本実施形態の用紙収納ケース(以下、「ケース1」とする)は、ケース本体10と支持体41、42と支持体取付部31、32とから構成される。ケース本体10は、上端11が開口した箱体であり、図2、図3に示すように、対向する垂直2組の側板12、12’、側板13、13’、底板14、14’からなる。ケース本体10の上端11は、用紙を出し入れする部分となっている。ケース本体10の下端は、底板14、14’の部分を除いて大部分が開口している。側板12の下端中央部と仕切り板2の下端中央部、側板12’の下端中央部と仕切り板2の下端中央部は、底板14、14’によりそれぞれ連結されている。
【0024】
ケース1は、図2に示すように、側板12、12’に平行に、ケース本体10の内部を2つの収納空間(第1収納空間、第2収納空間)に仕切る仕切り板2を備える。図4に示すように、仕切り板2で仕切られた側板12側の空間が第1収納空間X、側板12’側の空間が第2収納空間Yである。また、ケース1は、図2に示すように第1収納空間X、第2収納空間Yそれぞれに収納された用紙の下端を支持するべく支持体41、42を備える。第1収納空間Xにおいて、第1支持体41が取り付けられ、第2収納空間Yにおいて、第2支持体42が取り付けられる。第1支持体41と第2支持体42とはケース本体10及び仕切り板2に着脱可能である。ケース1は、第1支持体41の取り付け位置を変更可能とするべく、第1支持体取付部31を備え、第2支持体42の取り付け位置を変更可能とするべく、第2支持体取付部32を備える。
【0025】
ケース1は、ケース本体10の開口部周縁にフランジ部5を有する。フランジ部5は、天板101の上面に係合することにより、切欠部104からケース1が抜け落ちるのを防止している。フランジ部5によって、記載台100の天板101のスペースが大きく制限されないように、フランジ部5の幅は1〜2cmである。フランジ部5の下面には、ケース側板12、12’、13、13’の上縁に沿わせて固定部材62、62’、63、63’が設けられている。固定部材62、62’、63、63’が切欠部側壁104Aに接触することにより、ケース1のがたつきを少なくしている。仕切り板2、支持体取付部31、32、及び支持体41、42についての詳細は後述する。
【0026】
(2)仕切り板の構成
仕切り板2は、長方形の板であって、板厚が3〜7mmのアクリル板より形成される。仕切り板2は、ケース本体10内部を前後2つの収納空間(第1収納空間X、第2収納空間Y)に仕切るための部材であり、2つの収納空間を均等に分割できるように、図3に示すように、側板13、13’の中央に固定されている。また、上端11からケース本体内部を眺めたときに、仕切り板2が目立たないよう美的観点から、仕切り板2の上端部は、図3に示すように、上端11開口部より1〜3cmケース内部に位置する。
【0027】
(3)支持体取付部の構成
本実施形態では、図2に示すように、第1支持体取付部31として、側板12に8個の挿入孔31a〜31d、31a’〜31d’、仕切り板2に8個の螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’を備える。また、第2支持体取付部32として、側板12’に8個の挿入孔32a〜32d、32a’〜32d’、仕切り板2に8個の螺子受け32A〜32D、32A’〜32D’を備える。挿入孔31a〜31d、31a’〜31dと螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’は、同軸上にあり、挿入孔31a〜31d、31a’〜31dから螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’へ、支持体41が側板12に対して直交する方向に挿入できるように形成されている。また、挿入孔32a〜32d、32a’〜32dと螺子受け32A〜32D、32A’〜32D’も、同軸上にあり、挿入孔32a〜32d、32a’〜32dから螺子受け32A〜32D、32A’〜32D’へ、支持体42が側板12’に対して直交する方向に挿入できるように形成されている。
【0028】
挿入孔31a〜31d、31a’〜31d’、32a〜32d、32a’〜32d’は、図2に示すように、側板12、12’において、4段階で取りつけ位置(上端11からの深さ)が異なる位置にあり、1段階につき2つずつ設けられている。また、1段階ごとに設けられた2つの挿入孔は、側板12、12’を左右二等分する縦方向の中心線に対して左右対称に配置されている。側板12には、上端11からの深さが深い方から段階的に、挿入孔31aと31a’、挿入孔31bと31b’、挿入孔31cと31c’、挿入孔31dと31d’とが備えられ、側板12’には、上端11からの深さが深い方から段階的に、挿入孔32aと32a’、挿入孔32bと32b’、挿入孔32cと32c’、挿入孔32dと32d’とが備えられている。挿入孔31aと31a’は、側板12を左右二等分する縦方向の中心線に対して左右対称に配置されている。また、挿入孔31bと31b’、挿入孔31cと31c’、挿入孔31dと31d’、挿入孔32aと32a’、挿入孔32bと32b’、挿入孔32cと32c’、挿入孔32dと32d’とについても同様に、側板12、12’を左右二等分する縦方向の中心線に対して左右対称に配置されている。
【0029】
参考までに、本実施形態のケース1における挿入孔31a〜31d、31a’〜31d’、32a〜32d、32a’〜32d’の取り付け位置を例として示す。取り付け位置は、ケース本体の上端からの距離を「深さ」として表す。挿入孔31a、31a’は上端11から約26cmの深さに位置し、挿入孔31b、31b’は上端11から約22cmの深さに位置し、挿入孔31c、31c’は上端11から約11cmの深さに位置し、挿入孔31d、31d’は上端11から約9cmの深さに位置している。また、挿入孔32a、32a’は上端11から約24cmの深さに位置し、挿入孔32b、32b’は上端11から約20cmの深さに位置し、挿入孔32c、32c’は上端11から約9cmの深さに位置し、挿入孔32d、32d’は上端11から約7cmの深さに位置している。
【0030】
本実施形態では、挿入孔31aと31a’の距離、挿入孔31bと31b’の距離、挿入孔31cと31c’の距離、挿入孔31dと31d’の距離は全て同じであり、また、挿入孔32aと32a’の距離、挿入孔32bと32b’の距離、挿入孔32cと32c’の距離、挿入孔32dと32d’の距離は全て同じである。挿入孔31aと31a’の距離は、挿入孔32aと32a’の距離よりも長くなるように、挿入孔の位置決めがなされている。したがって、側板12に設けられた螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’と側板12’に設けられた螺子受け32A〜32D、32A’〜32D’とが、仕切り板2において、垂直方向、水平方向ともに同じ位置に設けられることはない。
【0031】
挿入孔31a〜31d、31a’〜31d’、32a〜32d、32a’〜32d’と螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’、32A〜32D、32A’〜32D’は、直径3〜10mmの円形の貫通孔である。螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’、32A〜32D、32A’〜32D’には、挿入孔31a〜31d、31a’〜31d’、32a〜32d、32a’〜32d’から挿入された支持体41、42の先端部が螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’、32A〜32D、32A’〜32D’に螺合連結できるように、複数の溝が形成されている。
【0032】
(4)支持体の構成
本実施形態の支持体41、42は、側板12、12’に備えられた挿入孔31a〜31d、31a’〜31d’、32a〜32d、32a’〜32d’から、仕切り板2に備えられた螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’、32A〜32D、32A’〜32D’に向けて挿入される部材である。支持体41、42は、図2に示すように、一方の末端に螺子頭411、421を有し、もう一方の末端に螺子部412、422を有する棒状体である。支持体41、42をケース1に挿入し、その螺子部412、422を仕切り板2の螺子受け31A〜31D、31A’〜31D’、32A〜32D、32A’〜32D’に螺合させ締め付けたときにその螺子頭411、421が側板12、12’に密接するように、支持体41、42の軸の長さは選定されている。
【0033】
[1−2.作用効果]
以上のような本実施形態の構成に基づいて、ケースの作用について説明する。
【0034】
(1)ケースの使用方法
図3には、側板12、12’が約28cm×約22cmの直方形であるケースを示す。このケースは、A4、B5、A5、B6サイズの用紙を収納することを想定したものである。図3は、側板12と仕切り板2との空間(第1収納空間X)にA4用紙、側板12’と仕切り板との空間(第2収納空間Y)にB6用紙を収納するために、支持体41A、41B、42A、42Bを挿入した状態を示す。図3を参考に、ケースにA4用紙とB6用紙を収納する方法について説明する。
【0035】
まず、挿入孔31aから螺子受け31Aに向けて支持体41Aを挿入し、固定する。次に、挿入孔31a’から螺子受け31A’に向けて支持体41Bを挿入し、固定する。挿入孔31a、31a’は、上端11から約26cmの深さに位置しており、A4用紙(タテ297mm、ヨコ210mm)を縦方向に収納することができる。この場合、A4用紙は上端11から、約4cm突出する。
【0036】
同様の方法で、挿入孔32dから螺子受け32D、挿入孔32d’から螺子受け32D’に向けて支持体42A、42Bを挿入し、固定する。挿入孔32d、32d’は、上端11から約7cmの深さに位置しており、B6用紙(タテ182mm、ヨコ128mm)を横方向に収納することができる。この場合、B6用紙は上端11から、約6cm突出する。
【0037】
次に、ケース1を記載台100の切欠部104に挿入する。その際、記載台100の天板101にケース1が挿入された状態でケース1から用紙が取り出し易いように、上端11から用紙がより高く突出している側、ここでは、側板12’を奥側にする。
【0038】
次に、ケース1に収納する用紙サイズを変更する場合について説明する。
【0039】
まず、記載台100の切欠部104からケース1を取り出し、支持体41A、41Bを取り外す。側板12と仕切り板2との空間(第1収納空間X)にA4用紙を収納した場合は先に説明したとおりであり、B5、A5、B6サイズの用紙を収納できるように、支持体41A、41Bの取り付け位置を変更する方法を説明する。
【0040】
挿入孔31bから螺子受け31B、挿入孔31b’から螺子受け31B’に向けて支持体41A、41Bを挿入し、固定した場合、挿入孔31b、31b’は、上端11から約22cmの深さに位置しており、B5用紙(タテ257mm、ヨコ182mm)を縦方向に収納することができる。
【0041】
また、挿入孔31cから螺子受け31C、挿入孔31c’から螺子受け31C’に向けて支持体41A、41Bを挿入し、固定した場合、挿入孔31c、31c’は、上端11から約11cmの深さに位置しており、A5用紙(タテ210mm、ヨコ148mm)を横方向に収納することができる。
【0042】
また、挿入孔31dから螺子受け31D、挿入孔31d’から螺子受け31D’に向けて支持体41A、41Bを挿入し、固定した場合、挿入孔31d、31d’は、上端11から約9cmの深さに位置しており、B6用紙(タテ182mm、ヨコ128mm)を横方向に収納することができる。
【0043】
側板12’と仕切り板2との空間(第2収納空間Y)にB6用紙を収納した場合は先に説明したとおりであり、A4、B5、A5サイズの用紙を収納できるように、支持体42A、42Bの取り付け位置を変更する方法を説明する。
【0044】
まず、支持体42A、42Bを取り外す。そして、挿入孔32aから螺子受け32A、挿入孔32a’から螺子受け32A’に向けて支持体42A、42Bを挿入し、固定した場合、挿入孔32a、32a’は、上端11から約24cmの深さに位置しており、A4用紙(タテ297mm、ヨコ210mm)を縦方向に収納することができる。
【0045】
また、挿入孔32bから螺子受け32B、挿入孔32b’から螺子受け32B’に向けて支持体42A、42Bを挿入し、固定した場合、挿入孔32b’、32b’は、上端11から約20cmの深さに位置しており、B5用紙(タテ257mm、ヨコ182mm)を縦方向に収納することができる。
【0046】
また、挿入孔32cから螺子受け32C、挿入孔32c’から螺子受け32C’に向けて支持体42A、42Bを挿入し、固定した場合、挿入孔32c、32c’は、上端11から約9cmの深さに位置しており、A5用紙(タテ210mm、ヨコ148mm)を横方向に収納することができる。
【0047】
(2)効果
以上のような本実施形態のケースは、記載台の切欠部に挿入して使用した場合、記載台上のスペースを制限することがない。従来のケースでは、用紙を水平方向に収納する形であったため、例えば、A4サイズの用紙を収納する場合、最低でも、タテ297mm、ヨコ210mm分の面積を記載台の天板上に確保する必要があった。しかし、本実施形態のケースは、図4に示すように、記載台の天板の垂直方向に用紙を収納する形であるため、奥行きは、用紙を収納しておく枚数分の厚さを確保するのみでよい。
【0048】
本実施形態のケースは、ケース本体の内部を水平方向に隣接する2つの収納空間に仕切る仕切り板を有する。このため、1つのケースの中に、第1収納空間、第2収納空間という2つの収納空間ができる。このため、それぞれの収納空間に異なる種類の用紙を収納することができる。
【0049】
本実施形態のケースでは、ケース本体と仕切り板とに架け渡して取り付けられる支持体を設けることで、収納空間に収納される用紙の下端は、ケース底板ではなく、支持体によって支持される。すなわち、支持体の取り付け位置(上端からの深さ)によって、収納される用紙の下端の位置が決定される。また、支持体は着脱可能であり、支持体の取り付け位置を変更可能とする支持体取付部を設けることで、収納する用紙の種類に応じて支持体の取り付け位置を変更することができる。そして、1つの収納空間において、支持体の取り付け位置を変更することによって、サイズの異なる用紙を入れ替え収納することができる。さらに、第1収納空間、第2収納空間それぞれに、支持体の取り付け位置を変更できる第1支持体取付部、第2支持体取付部を設けることで、第1支持体の取り付け位置と第2支持体の取り付け位置を異なる位置に設定することができ、第1収納空間と第2収納空間に異なるサイズの用紙を収納することができる。
【0050】
本実施形態の支持体取付部は、取り付け位置(ケース本体の上端からの深さ)が4段階で異なる位置に備えられているため、収納される用紙の下端の位置を4段階で変えることができる。1つの収納空間において、支持体の取り付け位置を変更することによって、サイズの異なる用紙、例えば、A4、B5、A5、B6用紙を入れ替え収納することができる。また、本実施形態では、第1収納空間、第2収納空間それぞれに、支持体の取り付け位置を変更できる第1支持体取付部、第2支持体取付部を設けることで、第1支持体と第2支持体の取り付け位置が異なるように設定することができ、第1収納空間と第2収納空間それぞれに異なるサイズの異なる種類の用紙を収納することができる。
【0051】
本実施形態では、支持体取付部として2つの挿入孔が、上端からの深さが同じ位置に、ケース側板を左右二等分する縦方向の中心線に対して左右対称に設けられている。また、その2つの挿入孔に対応する2つの螺子受けは、同軸上に設けられている。そのため、収納する用紙の下端を2つの支持体で支持することができ、用紙を安定的に保持することができる。
【0052】
本実施形態の支持体はその先端部に螺子部を有し、挿入孔から挿入された支持体は螺子受けに螺合連結されるため、支持体がケースに確実に固定され、収納する用紙の下端を安定的に支持することができる。
【0053】
本実施形態では、一方の側板に設けられた挿入孔に対応する螺子受けと、他方の側板に設けられた挿入孔に対応する螺子受けとが、仕切り板において、垂直方向、水平方向ともに同じ位置に設けられることはない。そのため、仕切り板は、支持体1つを取り付けるための螺子受けを備えられるだけの板厚があればよく、板厚を薄くすることができる。
【0054】
本実施形態の仕切り板は、アクリル板であり、アクリル板は透明であることから、ケース本体の上端開口部からケース本体内部を見たときに仕切り板が目立たず、デザイン的に優れる。さらに、仕切り板の上端部は、ケース本体の上端開口部より1〜3cmケース内部に位置するため、仕切り板がより目立たない。
【0055】
本実施形態では、フランジ部を有するため、記載台の切欠部の下部にケースを支持するための部材を備えることなく、ケースを記載台の切欠部に挿入した状態で保持することができる。さらに、切欠部にケースを挿入した状態で、ケースに備えられた固定部材が切欠部側壁に近接するように形成されているため、ケースがぐらつかない。
【0056】
本実施形態の切欠部は、記載台において、幕板より奥側に備えられているため、ケースが記載台の表側から見えることがなく、デザイン的に優れる。また、記載台の天板手前から幕板までの広いスペースを確保することができ、車椅子で作業を行う場合にも対応することができる。
【0057】
本実施形態では、ケース底板の一部が開口している。このため、ケースに収納すべき用紙ではなく、誤ってゴミ等を投入してしまった場合にも、開口したケース底板から排出させることができる。また、本実施形態では、ケース底板の一部がケース側板と連設されているため、ケースの強度が高い。
【0058】
[2.他の実施形態]
本発明は上記実施形態において示した態様に限定されるものではなく、例えば、以下のような実施形態も包含するものである。
【0059】
本実施形態では、挿入孔を2つの側板に8つずつ、螺子受けを16つ設けているが、収納する用紙のサイズや種類に合わせて、挿入孔と螺子受けの位置と数を設定できる。本実施形態では、ケースに収納される用紙として、A4、B5、A5、B6サイズを例示したが、本発明の挿入孔の位置を変更させて、宅配伝票等の定形外用紙を収納することもできる。
【0060】
また、本実施形態の支持体取付部は、挿入孔と螺子受けに限られず、支持体を取り付けられるものであればよい。また、本実施形態では、支持体として、先端に螺子部を有する棒状体を示したが、収納する用紙の下端を支持することができるものであればよく、例えば、板状であってもよい。
【0061】
本発明の仕切り板は、本実施形態のようにケースの長辺方向に平行に備えるのではなく、短辺方向に平行に備えてもよい。また、さらに仕切り板を設けて、十字状に形成してもよい。この場合、ケース内部には、仕切り板によって隔てられた4つの収納空間ができ、1つの収納空間で用紙の下端を支持する支持体は1本であってもよい。
【0062】
本実施形態では、記載台の切欠部に挿入されたケースを支持する部材として、フランジ部を有するケースを例として挙げたが、ケースはフランジ部を備えていなくてもよい。ケースにフランジ部がない場合には、記載台の切欠部の下に、切欠部を上端開口部とした箱体を設けることで、ケースを支持することができる。
【0063】
本実施形態では、仕切り板に用いる素材としてアクリル板を挙げた。しかしながら、本発明は、仕切り板に用いる素材として、アクリル板に限られず、例えば、他の合成樹脂や、仕切り板としての硬さを有する素材であれば、あらゆる素材によって構成することが可能である。
【0064】
本実施形態では、記載台の切欠部にケースを挿入した状態で、用紙を出し入れする上端が記載台の天板に平行になっている例を示した。しかしながら、本発明は、ケースを記載台に対して傾けて設置してもよい。
【0065】
本発明の記載台は、天板の上に朱肉カレンダートレーを置くことができる。例えば、朱肉カレンダートレーの隣に切欠部を1つ設けるか、または、朱肉カレンダートレーの両隣に1つずつ切欠部を設けることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 用紙収納ケース
2 仕切り板
5 フランジ部
10 ケース本体
11 上端
12、12’、13、13’ 側板
41A、41B、42A、42B 支持体
100 記載台
101 天板
102、102’ 側板
104 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を出し入れできるようにその上端が開口したケース本体と、
前記ケース本体の内部を水平方向に隣接する第1及び第2収納空間に仕切る仕切り板と、
前記第1収納空間に収納された用紙の下端を支持するべく前記ケース本体と前記仕切り板とに架け渡して着脱可能に取り付けられる第1支持体と、
前記第2収納空間に収納された用紙の下端を支持するべく前記ケース本体と前記仕切り板とに架け渡して着脱可能に取り付けられる第2支持体と、
前記第1支持体の取り付け位置を、第1収納空間に収納する用紙の種類に応じて変更可能とするべく配置された第1支持体取付部と、
前記第2支持体の取り付け位置を、第2収納空間に収納する用紙の種類に応じて変更可能とするべく配置された第2支持体取付部と、を備えた用紙収納ケース。
【請求項2】
前記第1支持体取付部が、前記第2支持体取付部と干渉しない位置に設けられている、請求項1に記載の用紙収納ケース。
【請求項3】
前記支持体は少なくともその先端部に螺子部を有する棒状体であり、
前記支持体取付部は、前記ケース本体と前記仕切り板に同軸的に設けられた貫通孔であり、
前記ケース本体の貫通孔に外側から挿入された支持体の先端部が前記仕切り板の貫通孔に螺合連結されている、請求項1または2に記載の用紙収納ケース。
【請求項4】
前記ケース本体の上端周縁にフランジ部を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の用紙収納ケース。
【請求項5】
前記記載台の天板に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の用紙収納ケースを挿入して取り付けるための切欠部を備えた、記載台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−39288(P2013−39288A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179113(P2011−179113)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】