説明

用紙折曲装置および画像形成装置

【課題】挟み込み部材によって綴じ具が付与されたシート束をより良好に挟み込む(プレスする)ことが可能な用紙折曲装置および画像形成装置を得る。
【解決手段】用紙折曲装置1は、綴じ具400で綴じられるとともに折り曲げられたシート束Bを挟み込む一対の挟み込み部材219,220を備え、挟み込み部材219,220のシート束Bとの対向面に、綴じ具400との干渉を避ける逃げ部221として貫通孔が設けられた。逃げ部221により、一対の挟み込み部材219,220と綴じ具400との干渉を回避し、挟み込み部材219,220によって綴じ具400が付与されたシート束Bをより良好に挟み込む(プレスする)ことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙折曲装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機等の画像形成装置の後段に設けられて、用紙にステイプル処理や折曲処理を実行する用紙後処理装置が知られている。折曲処理では、一対の挟み込み部材により、折曲された用紙(シートあるいはシート束)に対して挟み込み処理(プレス処理)が施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−220059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の上記挟み込み処理では、ステイプル処理で付加された綴じ具(綴じ針等)が突っ張って、一対の挟み込み部材によるシート束の挟み込みに支障を来す場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、挟み込み部材によって綴じ具が付与されたシート束をより良好に挟み込む(プレスする)ことが可能な用紙折曲装置および画像形成装置を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる用紙折曲装置にあっては、綴じ具で綴じられるとともに折り曲げられた用紙束を挟み込む一対の挟み込み部材を備え、前記一対の挟み込み部材のうち少なくとも一方の前記用紙束との対向面に、前記綴じ具との干渉を避ける逃げ部が設けられたことを特徴の一つとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シート束に綴じ具が付加された場合にあっても、逃げ部によって挟み込み部材と綴じ具とが干渉するのを回避することができるため、一対の挟み込み部材によってシート束をより良好に挟み込んでプレスすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる用紙折曲装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態にかかる用紙折曲装置のプレス部の動作を示す側面図であって、(a)は、ブレードが用紙または用紙束を押し込む前の状態を示す図、(b)は、ブレードが用紙または用紙束を一対の搬送ローラ間へ押し込んだ状態を示す図、(c)は、一対の搬送ローラによってプレス部内へ導入された用紙または用紙束が一対の挟み込み部材によって挟み込まれた状態(プレスされた状態)を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態にかかる用紙折曲装置のプレス部の平面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態にかかる用紙折曲装置のプレス部の正面図である。
【図5】図5は、図3のV−V断面図であって、(a)は、用紙束が一対の挟み込み部材によって挟み込まれる前の状態を示す図、(b)は、用紙束が一対の挟み込み部材によって挟み込まれた後の状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態にかかる用紙折曲装置のプレス部の図5と同等位置での断面図であって、(a)は、用紙束が一対の挟み込み部材によって挟み込まれる前の状態を示す図、(b)は、用紙束が一対の挟み込み部材によって挟み込まれた後の状態を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態にかかる用紙折曲装置のプレス部を示す図であって、(a)は、綴じ具が逃げ部からずれた状態に用紙束が配置された第一の状態でのプレス部の平面図、(b)は、(a)のVIIb−VIIb断面図、(c)は、綴じ具が逃げ部に対応した状態に用紙束が配置された第二の状態でのプレス部の平面図、(d)は、(a)のVIId−VIId断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素については、共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
<用紙の経路>
図1は、第1実施形態にかかる用紙折曲装置としての用紙後処理装置1の概略構成を示す説明図である。図1に示すように、用紙後処理装置1には、画像形成装置2から排出された画像形成済みの用紙としてのシートSを受け入れる導入経路Pt1と、シートSを排紙トレイ22に積載するための搬送経路Pt2と、シート束Bにステイプル処理等が行われる搬送経路Pt3と、搬送経路Pt3からシートSまたはシート束B(図2,3等参照)を折曲機構4へ搬送する搬送経路Pt4と、が設けられている。
【0011】
<用紙の導入>
導入経路Pt1には、入口ローラ10と入口センサ13とが配置されている。入口センサ13は、シートSが用紙後処理装置1内へ搬入されたことを検知する。入口ローラ10の下流にはシートSに穿孔を形成する穿孔形成機構3が配置されており、さらに、その下流には搬送ローラ11,12が配置されている。シートSは、これらを経て搬送経路Pt3へ搬送される。
【0012】
<プルーフ排出>
搬送経路Pt2はシートSを排紙トレイ22へ搬送する経路である。導入経路Pt1から分岐爪20で進行方向を変えられたシートSが、排出ローラ21によって排紙トレイ22へと搬送される。
【0013】
<シフト、スタック>
搬送経路Pt3には、排紙ローラ31,33や排紙センサ35等が配置されている。ソートモード時には、シフト機構(図示せず)を有する搬送ローラ12が駆動機構(図示せず)によってシートSの搬送中にその搬送方向と直角方向に一定量移動することにより、シートSが、一定量シフトし、排紙ローラ33によって排紙トレイ32に排出されて、順次スタックされる。排紙トレイ32への排出口部では、排紙ローラ33と従動ローラ(排紙ローラ)31とで用紙としてのシートSまたは用紙としてのシート束Bが挟持され、排出される。すなわち、排紙ローラ33に対する従動ローラ31を備えた排出ガイド31aの接離動作によって、シートSまたはシート束Bが挟持されて排出可能な閉状態と、挟持されない開状態とが選択され、シートSまたはシート束Bのシフト動作が完了した後、シートSまたはシート束Bが挟持され、排出される。
【0014】
<シフトトレイの上下動作>
排紙口の上方付近には、フィラー34が設けられている。フィラー34は、スタックされたときのシートSの中央付近位置に回動自由に配置され、フィラー34の先端は、シートSの上面に接している。フィラー34の根元付近には、フィラー34の先端の高さ位置を検知する上面検知センサ(図示せず)があり、これによりスタックされたシートSの紙面高さが検知される。排紙トレイ32上の堆積枚数の増大によりシートSの高さが上昇するにしたがって、上面検知センサがONすると、制御部(図示せず)は排紙トレイ32を上下動させる駆動機構(図示せず)を制御して排紙トレイ32を下降させる。制御部は、排紙トレイ32が下降して上面検知センサがOFFすると、排紙トレイ32の下降を停止させる。この動作が繰り返され、排紙トレイ32が規定のトレイ満杯高さまで達すると、用紙後処理装置1から画像形成装置2に停止信号が送出され、画像形成装置2における画像形成動作が停止する。
【0015】
<ステイプル処理>
搬送経路Pt3には、ステイプルトレイ36と叩きローラ30とが配置される。搬送経路Pt3の終端位置には、紙面と直交する方向へ進退するドライバ、クリンチャとで分割されたステイプラ41が配置されている。また、搬送経路Pt3には、紙面と直交する方向に進退してステイプルトレイ36上のシートSの整合を行うジョガーフェンス37,38が設けられている。搬送経路Pt3に搬送されたシートSは、ステイプルトレイ36上に排出され、ジョガーフェンス37,38によって幅方向位置が揃えられる。また、叩きローラ30は、振り子運動を行ってシートSの上面に当接することでステイプラ41方向にスイッチバックする。これにより、基準フェンス39,40にシートSの後端が突き当てられ、シート束Bの縦方向位置が揃えられる。
【0016】
端綴じモードでは、ステイプラ41が紙面と直交する方向に移動してシート束Bの下縁部の適所をステイプルすることによって、基準フェンス39,40に突き当てられて揃えられたシート束Bが綴じ具(例えば綴じ針等)によって綴じられ、排紙ローラ31,33が挟持することで排紙トレイ32上に排紙される。
【0017】
一方、中綴じモードでは、シートS(シート束B)の揃えが完了した後に、クランプ可動フェンス120,121によって、シート束Bの後端が挟持される。基準フェンス39,40はシート束Bの搬送に支障を来さないよう、シート束Bの幅方向の外側に待避する。クランプ可動フェンス120,121は、筐体の側板外に配置されたクランプ縦軸106に取り付けられて縦方向および湾曲した搬送経路Pt4に沿って横方向に移動する。クランプ可動フェンス120,121は、縦方向にはクランプ縦軸106によって移動し、横方向には、搬送経路Pt4と同一の軌跡である側板にあるガイドレール110に沿って移動し、シート束Bを搬送経路Pt4に沿って搬送する。後端を挟持されたシート束Bはガイドレール110に沿ってシートサイズに対応した所定位置まで搬送され、ステイプラ41によってシート束Bの長手方向中央部の所定位置をステイプルされ、シート束Bが綴じ具(例えば綴じ針等)によって綴じられる(中綴じされる)。ここで、シートサイズに対応した所定位置とは、クランプ可動フェンスホームポジションセンサ49より所定パルス分送られた位置である。
【0018】
<折曲処理>
図2は、プレス部5の動作を示す側面図であって、(a)は、ブレード203がシートSまたはシート束Bを押し込む前の状態を示す図、(b)は、ブレード203がシートSまたはシート束Bを一対の搬送ローラ206,207間へ押し込んだ状態を示す図、(c)は、一対の搬送ローラ206,207によってプレス部5内へ導入されたシートSまたはシート束Bが一対のプレス板219,220によって挟み込まれた状態を示す図である。
【0019】
シートSまたはシート束Bは、クランプ可動フェンス120,121によってさらに下方へ搬送され、折曲機構4内へ導入される。クランプ可動フェンス120,121は、シートSまたはシート束Bの長手方向中央部が押し込み部材としてのブレード203に対向する位置(図2の(a)に示す位置)で停止する。この後、シートSまたはシート束Bの折曲工程が実施される。シートSまたはシート束Bが停止した位置は、例えば、シートSまたはシート束Bの後端が位置センサ50によって検知され、シートサイズに対応した所定距離分を図示しない駆動機構により送られた位置であることができる。図2の(b)に示すように、ブレード203は、図2の右から左へ移動して、所定位置に停止したシートSまたはシート束Bの長手方向中央部を、一対の搬送ローラ206,207の間に押し込む。
【0020】
次に、搬送ローラ206,207が回転して、それらの間隙に押し込まれたシートSまたはシート束Bを折り曲げながら、プレス部5内へ導入する。このとき、折り曲げられたシートSまたはシート束Bのプレス部5への押し込み量、すなわち、折れ曲がったシートSまたはシート束Bの搬送ローラ206,207による搬送量は、シートSまたはシート束Bの枚数および厚さによって可変される。具体的には、例えば、折り先端検知センサ300によってシートSまたはシート束Bの折り先端Btが検知された位置から、駆動機構(図示せず)によって搬送ローラ206,207を所定回数(角度)回転させることで、シートSまたはシート束Bが所定位置に搬送される。
【0021】
そして、プレス部5内に導入され、折り先端Btが所定位置に停止したシートSまたはシート束Bは、図2の(c)に示すように、挟み込み部材としての一対のプレス板219,220によって、上下からプレスされる。プレスされたシートSまたはシート束Bは、図1に示すように、搬送ローラ206,207と排紙ローラ58によって中綴じトレイ62上に排紙される。
【0022】
中綴じトレイ62に排出されたシートSまたはシート束Bは、シート押さえ60に取り付けられたシート押さえコロ61によって押さえられる。これにより、折られたシートSまたはシート束Bが膨らんで次のシートSまたはシート束Bが排出されにくくなるのが抑制される。なお、穿孔形成機構3および折曲機構4は、用紙後処理装置1に着脱可能に装着される。用紙後処理装置1では、これら穿孔形成機構3および折曲機構4による機能は、使用者のニーズに応じて提供されうる。
【0023】
<プレス部の構成>
図3は、第1実施形態にかかるプレス部5の平面図、図4は、プレス部5の正面図である。図3,4に示すように、一対のプレス板219,220は、平面視で矩形状(長方形状)でありかつ板状の部材として構成されている。これら一対のプレス板219,220は、相互に平行に対向して配置され、それらの間隙Gに、一対の搬送ローラ206,207(図2参照)の回転によって、シート束Bが搬入される。これら一対のプレス板219,220は、付勢部材としてのコイルスプリング222によって相互に近接する方向に付勢されている。間隙Gは、一対のプレス板219,220を相互に離間させる離間機構(図示せず)の動作によって形成される。そして、離間機構によって間隙Gが確保された状態(図2の(b))で、当該間隙G内の所定位置にシート束Bが搬送される。次いで、離間機構による離間状態が解除されて、コイルスプリング222によって一対のプレス板219,220の間にシート束Bが挟み込まれてプレスされる。
【0024】
一対のプレス板219,220がシート束Bを挟み込む状態では、相互に対向する平面(対向面)219a,220aが、シート束Bに当接する。ここで、図3,4に示すように、シート束Bに綴じ具400が含まれている場合、一対のプレス板219,220がシート束Bを挟み込んだときに、綴じ具400が突っ張ってしまう。よって、綴じ具400の高さ以上にプレス板219,220を相互に近接させにくくなったり、また、場合によっては、綴じ具400から離れた部分だけがプレス板219,220によってプレスされたりして、良好な挟み込み状態(プレス状態)が得られにくくなってしまう。そこで、本実施形態では、図3,4に示すように、挟み込み部材としてのプレス板219,220のシート束Bとの対向面219a,220aに、綴じ具400との干渉を避ける逃げ部221が設けられている。逃げ部221は、例えば、本実施形態のように、プレス板219,220を貫通する貫通孔として設けることができる。
【0025】
図5は、図3のV−V断面図であって、(a)は、シート束Bがプレス板219,220によって挟み込まれる前の状態を示す図、(b)は、シート束Bがプレス板219,220によって挟み込まれた後の状態を示す図である。本実施形態によれば、図5の(a)に示すように、シート束Bが逃げ部221としての貫通孔と綴じ具400とが対向する状態に配置されている。よって、図5の(b)に示すように、付勢部材としてのコイルスプリング222の作用によって一対のプレス板219,220同士が相互に近接して、シート束Bを挟み込んだ場合にあっても、綴じ具400と一対のプレス板219,220とが干渉するのを回避することができる。よって、本実施形態によれば、綴じ具400と一対のプレス板219,220とが干渉することによって不都合が生じるのを抑制することができる。本実施形態の場合、図5の(b)に示すように、逃げ部221を除く部分では、一対のプレス板219,220同士が近接して、シート束Bをより良好に挟み込んでより良好にプレスすることができる。
【0026】
(第2実施形態)
図6は、図5と同等位置でのプレス部5の断面図であって、(a)は、シート束Bがプレス板219,220によって挟み込まれる前の状態を示す図、(b)は、シート束Bがプレス板219,220によって挟み込まれた後の状態を示す図である。本実施形態では、貫通孔としての逃げ部221を貫通してシート束Bを挟み込む一対の第二挟み込み部材223,224が設けられている。したがって、逃げ部221の部分では、一対の第二挟み込み部材223,224がシート束Bをより良好に挟み込んでより良好にプレスすることができる。また、綴じ具400で綴じられていないシートS(図1,2参照)やシート束Bを折曲する場合に、貫通孔としての逃げ部221でも、当該逃げ部221以外の部分と同様に、挟み込み(プレス)を実行することができる。なお、図6に示したプレス部5以外の構成については、上記第1実施形態と同様である。
【0027】
また、図6に示すように、本実施形態では、挟み込み部材としてのプレス板219,220と第二挟み込み部材223,224との間に、プレス板219,220を相互に(図6では上下に)離間させたときに、第二挟み込み部材223,224を係合して離間させる係合部223a,224aが設けられている。本実施形態では、一例として、係合部223a,224aは、プレス板219,220のシート束Bの反対側で、逃げ部221としての貫通孔の径外方向に張り出すフランジ部として設けられている。このような構成によれば、第二挟み込み部材223,224を別途離間させる機構を設けた場合に比べて、装置の構成をより簡素にかつより小型に構成することができる。
【0028】
また、本実施形態では、第二挟み込み部材223,224がプレス板219,220に係合されている状態で、第二挟み込み部材223,224の押圧面223b,224bは、貫通孔としての逃げ部221から対向面219a,220aを超えて突出せず、一例としては、押圧面223b,224bと対向面219a,220aとが連なっている。このような構成により、プレス板219,220が離間機構によって相互に離間された状態で、第二挟み込み部材223,224が間隙G内に突出してシート束Bの搬送に支障を来すのを、抑制することができる。
【0029】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態にかかるプレス部5を示す図であって、(a)は、綴じ具400が逃げ部221からずれた状態にシート束Bが配置された第一の状態でのプレス部5の平面図、(b)は、(a)のVIIb−VIIb断面図、(c)は、綴じ具400が逃げ部221に対応した状態にシート束Bが配置された第二の状態でのプレス部5の平面図、(d)は、(a)のVIId−VIId断面図である。
【0030】
本実施形態では、一対のプレス板219,220が、図7の(a)および(b)に示す、綴じ具400が逃げ部221からずれた状態にシート束Bが配置された第一の状態(シート束Bの位置P1)と、(c)および(d)に示す、綴じ具400が逃げ部221に対応した状態にシート束Bが配置された第二の状態(シート束Bの位置P2)と、の双方で、シート束Bを挟み込む。すなわち、第一の状態では、図7の(b)に示すように、プレス板219,220の逃げ部221以外の部分が、シート束Bの綴じ具400が設けられた部分を挟み込んでプレスし、第二の状態では、図7の(d)に示すように、プレス板219,220の逃げ部221以外の部分が、綴じ具400との干渉を回避しつつ、シート束Bの綴じ具400が設けられた部分以外の部分を挟み込んでプレスすることができる。したがって、シート束Bの全体に亘って、一対のプレス板219,220によってシート束Bをより良好に挟み込んでより良好にプレスすることができる。なお、図7に示したプレス部5以外の構成については、上記第1実施形態と同様である。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、挟み込み部材としてのプレス板は、平板状以外の形状としてもよい。また、挟み込み部材は、相互に異なる構成であってもよい。また、逃げ部は、貫通孔とせず、凹部や切欠等として設けることができる。また、逃げ部は、一対の挟み込み部材の双方に設けることは必須ではなく、一方だけに設けてもよい。また、折曲機構は画像形成装置の後段の一部に設けることができる。また、用紙後処理装置の他の部分の構成を、適宜変更して実施することができる。また、本発明は、ステイプルを施していないシートを折曲する場合にも適用することができる。また、用紙後処理装置や、画像形成装置、綴じ具、用紙束、挟み込み部材、逃げ部、第二挟み込み部材、等のスペック(方式、構成、形状、材質、数、配置、大きさ、長さ、幅、厚さ等)は、適宜に変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように、本発明は、用紙折曲装置や、折曲機構を有した用紙後処理装置および画像形成装置等に有用である。
【符号の説明】
【0033】
1…用紙後処理装置(用紙折曲装置の一例)
2…画像形成装置
219,220…プレス板(挟み込み部材)
219a,220a…対向面
221…逃げ部(貫通孔)
223,224…第二挟み込み部材
400…綴じ具
B…シート束(用紙束)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
綴じ具で綴じられるとともに折り曲げられた用紙束を挟み込む一対の挟み込み部材を備え、
前記一対の挟み込み部材のうち少なくとも一方の前記用紙束との対向面に、前記綴じ具との干渉を避ける逃げ部が設けられたことを特徴とする用紙折曲装置。
【請求項2】
前記一対の挟み込み部材に設けられて前記逃げ部を構成する貫通孔を貫通して前記用紙束を挟み込む一対の第二挟み込み部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の用紙折曲装置。
【請求項3】
前記一対の挟み込み部材は、前記綴じ具が前記逃げ部からずれた状態に前記用紙束が配置された第一の状態と、前記綴じ具が前記逃げ部に対応した状態に前記用紙束が配置された第二の状態とで、前記用紙束を挟み込むことを特徴とする請求項1に記載の用紙折曲装置。
【請求項4】
綴じ具で綴じられるとともに折り曲げられた用紙束を挟み込む一対の挟み込み部材を備え、
前記一対の挟み込み部材のうち少なくとも一方の前記用紙束との対向面に、前記綴じ具との干渉を避ける逃げ部が設けられたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−91916(P2012−91916A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241308(P2010−241308)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】