説明

男性用下着

【課題】陰嚢に係る皮膚病の予防および治療に適した男性用下着を提供する。
【解決手段】男性用下着1Aは、胴体用開口4Aと、胴体用開口4Aとは反対に開口する1対の脚部用4Bと、胴体用開口4Aと1対の脚部用開口4Bとにつながる前身頃2と、を備えており、前身頃2には窓2aが形成されており、窓2aを塞ぎ、前身頃2に対して脱着可能とされた網状部5を備えている。この網状部5は、素材と目の粗さが異なる、薬剤も収納できる、複数のものが用意されており、その中から、気象、身体、好みなどに最も適した網状部を択ぶことができる。このような構成により、着用者の陰嚢に係る予防および治療を、最適の網状部を選択して行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下腹部のうち特に陰嚢に係る皮膚病の予防および治療に適した男性用下着に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の男性用下着は、その全体がメリヤス織の木綿製とされているものが殆どであり、陰嚢部の通気は特に考慮されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メリヤス織の木綿は、汗を吸い取るのに適しているが、空気を比較的通しにくい。メリヤス織の木綿に覆われた陰嚢は、通気が十分にされないため、蒸れてしまう。陰嚢が蒸れると、菌が繁殖することにより皮膚病にかかりやすく、気分も良くない、などという問題があった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によって提供される男性用下着は、胴体用開口と、その開口とは反対側に開口する1対の脚部用開口と、それら両開口につながる前身頃とを備えており、その前身頃には窓が形成されている。一方、素材や目の粗さの異なる複数の網状部を予め用意しておき、その中から、気象、身体、好みなどに合う最適の網状部を択んで、それでもって、上記前身頃に設けられた窓を、脱着自由に塞ぐ事を特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
このような構成にすれば、着用者の陰嚢は、最適の網状部によって覆われることになる。この網状部は、例えば、メリヤス織りの木綿と比べて、空気を通しやすい。したがって、陰嚢が蒸れることを防止することが可能であり、陰嚢に係る皮膚病の予防と治療を図ることができ、併せて睾丸の冷却効果も期待できる。そして複数の網状部を用意すれば、前記前身頃に装着される前記網状部を常に清潔なものとすることができる。また、素材や目の粗さが異なる複数の網状部から最適のものを択ぶ事が出来るので、最も快適かつ効果的に使用できる。更に、上記網状部に薬剤を塗布すれば、皮膚病の予防と治療に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(イ)図1および図2は、本発明に係る男性用下着の第1実施形態を示している。本実施形態の男性用下着1Aは、前身頃2、後身頃3、および網状部5を備えており、胴体用開口4Aと1対の脚部用開口4Bが形成されている。
(ロ)前身頃2および後身頃3は、たとえばメリヤス織の木綿製である。これにより、男性用下着1Aは、着用者の胴体あよび脚部の付け根部分になじみやすく、汗を吸い取りやすいものとなっている。前身頃2のうち、1対の脚部用開口4B寄り部分には、円形状の窓2aが形成されている。
(ハ)胴体用開口4Aは、着用者の胴体を通すための部分である。1対の脚部用開口4Bは、胴体用開口4Aに対して反対側に開口しており、着用者の脚部を通すための部分である。
(ニ)網状部5は、前身頃2に対して窓2aをふさぐように設けられている。網状部5は、前身頃2および後身頃3と比べて目が粗い網状の布によって形成されており、円形状とされている。網状部5は、着用者が着用したときには、陰嚢を覆う部分となる。網状部5は、円形状のほかに三角形状、四角形状または任意形状など、陰嚢を覆い、通気に適した形状とすればよい。
(ホ)網状部5は、面ファスナ6によって、前身頃2に対して脱着可能とされている。図2に示すように、面ファスナ6は、前身頃2側に設けられたファスナ61と網状部5側に設けられたファスナ62とからなる。網状部5を前身頃2に取り付けるには、ファスナ62をファスナ61に対して押し付ける。網状部5を前身頃2から取り外すには、ファスナ62をファスナ61から引き剥がす。網状部5を前身頃2に装着するための手段は、面ファスナ6に限定されるものではなく、たとえばホック又は嵌め込みなど網状部5を前身頃2に対して脱着可能とするものであればよい。
(ヘ)次に、男性用下着1Aの作用について説明する。
(ト)本実施形態によれば、着用者の陰嚢は、網状部5によって覆われることになり、メリヤス織の木綿からなる前身頃2によって覆われることがない。このため、メリヤス織の木綿によって覆われた状態と異なり、陰嚢に対して空気が十分に通ることになる。したがって、陰嚢が過度に蒸れてしまうことを回避可能であり、菌の発生に起因する皮膚病を患うことを予防することができる。
(チ)前身頃2のファスナ61に装着可能なファスナ62が取り付けられた複数の網状部5を用意すれば、これらの網状部5を頻繁に交換することが可能である。このため、前身頃2には常に清潔な網状部5を装着することができる。また、素材と目の粗さが異なる複数の網状部5を用意すれば、その中から、季節や着用者の身体状況そして好みに合う最適の網状部5を選択して、最も快適かつ効果的に使用することができる。
(リ)網状部5に、いんきんたむしなどの皮膚病の症状を緩和させる薬剤を塗布すれば、陰嚢の皮膚病を治療するのに適している。脱着可能である網状部5は、上記薬剤を塗布しやすいという利点がある。
(ヌ)図3および図4は、本発明に係る男性用下着の第2実施形態を示している。本実施形態の男性用下着1Bは、網状部5の構成が上述した第1実施形態と異なっている。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
(ル)本実施形態の網状部5は、開口端5aを有する袋状とされている。図5に示すように網状部5は、2枚の網状布51が重ねあわされた構造とされている。2枚の網状布51の間には、たとえば薬剤を染みこませたガーゼMdを収納することができる。
(オ)このような実施形態によっても、前述した実施形態と同様に、陰嚢に対して十分に通気することにより、皮膚病を予防することができる。さらに、薬剤を染みこませたガーゼMdを網状部5に収納すれば、網状部5に薬剤を塗布する場合と比べて、より長い時間陰嚢に対して薬剤を作用させることが可能である。したがって、皮膚病に対する治療効果をさらに高めることができる。
(ワ)本発明に係る男性用下着は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る男性用下着の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明に係る男性用下着の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】 本発明に係る男性用下着の第1実施形態において、網状部をはずした状態を示す正面図である。
【図3】 本発明に係る男性用下着の第2実施形態を示す正面図である。
【図4】 本発明に係る男性用下着の第2実施形態において、網状部をはずした状態を示す正面図である。
【図5】 図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】 本発明に係る男性用下着の、第1実施形態において使用される、目の粗さが異なる一組の網状部の例で、いずれも正面図である。
【図7】 本発明に係る男性用下着の第1実施形態の一つで、図1とは異なる目の粗さの網状部を着けた一例で、その正面図である。
【符号の説明】
【0008】
1A 第1実施形態の男性用下着
1B 第2実施形態の男性用下着
2 前身頃
2a 前身頃に設けられた円形状の窓
3 後身頃
4A 胴体用開口
4B 脚部用開口
5 網状部
5a 第2実施形態の袋式網状部の開口端
51 第2実施形態の袋式網状部を構成する網状布
6 面ファスナ
61 前身頃に設けられたファスナ
62 網状部に設けられたファスナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体用開口と、その反対側に開口する一対の脚部用開口と、その両方につながる前身頃と、を備えており、その前身頃には窓が形成されており、その窓をふさぎ、前記前身頃に対して脱着可能とされた網状部を備えており、その網状部を、予め用意された、素材と目の粗さが異なる、薬剤も収納できる、複数の網状部の中から、気象、身体、好みなどに合わせて最適になるように択べることを特徴とする男性用下着。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−138344(P2008−138344A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357042(P2006−357042)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(500516838)
【Fターム(参考)】