男性用体液処理用品
【課題】吸収体3を備えた袋体2に挿入口4が形成された男性用体液処理用品1において、挿入口から袋体内に挿入したペニスPを袋体内で下向きの姿勢に長時間にわたって安定して保持する。
【解決手段】挿入口4に近接して袋体2の内面に帯状の保持長体13の両端を固定し、挿入口から挿入されたペニスPに保持長体13を係止することでぺニスPを下向きに保持する。挿入口の左右に吸収部が設けられた構成においても、体液吸収状態がすべての体位で左右の吸収部について平準化・安定化され、吸収体の利用可能な吸収容量が増大し、使用時間の延長が可能となる。
【解決手段】挿入口4に近接して袋体2の内面に帯状の保持長体13の両端を固定し、挿入口から挿入されたペニスPに保持長体13を係止することでぺニスPを下向きに保持する。挿入口の左右に吸収部が設けられた構成においても、体液吸収状態がすべての体位で左右の吸収部について平準化・安定化され、吸収体の利用可能な吸収容量が増大し、使用時間の延長が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペニスの挿入口が形成された袋体内に体液の吸収体を設けてなる男性用体液処理用品に係り、特にこの男性用体液処理用品を着用する際に、男性用体液処理用品の挿入口に挿入した着用者のペニスが挿入口に対してずれないように保持することで好適な装着状態を維持できるようにした男性用体液処理用品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸収体物品、例えば子供用おむつ、大人用おむつ、女性用生理用品、女性用失禁用品等は、ナプキン形状であれ、テープ型形状であれ、あるいはパンツ型形状を持つものであれ、共通している構造は、液透過性トップシートと、液不透過性のバックシートとの間に、SAPとパルプを混合した吸収体を介在させるという基本構造を持っている。
【0003】
これらの吸収体製品のうち、男性用体液処理用品は、男性である着用者の体液排出はペニスを通じてを行うことが前提となるので、かかる人体の構造上の特徴に適した構造を有していることが必要とされる。このような男性用体液処理用品としては、下記特許文献1、2に示すように、吸収体を備えた袋部にペニス挿入口が形成された吸収体物品が知られている。
【特許文献1】特開平11−172502号公報
【特許文献2】特開2004−65857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の男性用体液処理用品では、ペニスから排出された体液が袋部内の吸収体に適正に吸収されるようにするため、袋部の挿入口からペニスを挿入して下向きの状態で長時間にわたって安定に保つ必要がある。しかし、従来の男性用体液処理用品では、挿入口から挿入したペニスと袋体乃至挿入口との位置関係を適正に固定し、挿入口から挿入したペニスを下向きに安定して保つための手段がなかった。このため、着用者が立ち姿勢から着座したり、屈伸運動をしたり、走る等の行動をとった場合に、袋部に対して着用者の腰が引けることにより、袋体に挿入したペニスが袋体内で下向きの状態を維持できず、あるいはペニスがずれて挿入口からだんだん出てきて抜ける等、固定乃至位置保持が不十分であるための位置ずれの問題が生じていた。また、着用者が、横臥位や仰臥位などの体位をとると、男性用体液処理用品の体液の吸収性能は装着状態によって影響を受け易いため、利用可能な体液の吸収容量が減少したり、使用可能時間が短縮される等の不都合が生じる場合があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、吸収体を備えた袋体にペニスの挿入口が形成された男性用体液処理用品において、挿入口から袋体内に挿入したペニスを袋体内で下向きの姿勢に長時間にわたって安定して保持することができ、ペニスの袋体乃至挿入口に対するずれを防止し、またずれが生じてもある程度の位置復元性を発揮することができる柔軟性を備えた男性用体液処理用品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された男性用体液処理用品は、
着用者のペニスを挿入する挿入口が形成された袋体の内部に体液の吸収体が設けられてなる男性用体液処理用品において、
前記袋体の前記挿入口が形成された側の内面に取り付けられて前記挿入口の下端部に近接して配置され、前記挿入口から挿入されたペニスを保持する保持長体を有することを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載された男性用体液処理用品は、
着用者のペニスを挿入する挿入口が形成されたペニス格納部及び前記ペニス格納部の両側に前記ペニス格納部にそれぞれ連通して設けられた少なくとも一対の吸収部を有する防漏性の袋体と、前記袋体の前記吸収部内に設けられた体液の吸収体とを備えた男性用体液処理用品において、
前記袋体の前記挿入口が形成された側の内面に取り付けられて前記挿入口の下端部に近接して配置され、前記挿入口から挿入されたペニスを下向きに保持する弾性を備えた保持長体を有することを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載された男性用体液処理用品は、請求項1又は2記載の男性用体液処理用品において、
1本の前記保持長体の両端部が、前記挿入口の両側部において前記袋体の内面にそれぞれ取り付けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載された男性用体液処理用品は、請求項1又は2記載の男性用体液処理用品において、
1本の前記保持長体の一端部が、前記挿入口の一側部において前記袋体の内面に取り付けられ、その他端部が前記挿入口の他側部において前記袋体の内面に着脱可能に接合可能であることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載された男性用体液処理用品は、請求項1又は2記載の男性用体液処理用品において、
2本の前記保持長体が、各一端部を前記挿入口の両側において前記袋体の内面にそれぞれ取り付けられ、自由端とされた各他端部を互いに連結することでペニスに係止することを特徴としている
【0011】
請求項6に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至5記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体が直帯状であることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至5記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体が糸状であることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至3記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体が、非装着時には着用者の前方に向けて突出した配置となる湾曲部と、該湾曲部の両端に設けられて前記袋体の内面に回動可能に取り付けられた取付け端部とを有し、
装着時には、前記湾曲部を上方に回動して着用者のペニスを挿通させた後に、前記湾曲部を下方に回動して該湾曲部の突端部でペニスを下向きに押さえるように構成されたことを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至3記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体が、前記袋体の前記挿入口が形成された面内において略C字形とされた曲帯状であることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至9記載の男性用体液処理用品において、
前記袋体に対する前記保持長体の取付け部分の下縁が、前記挿入口の下端よりも上方にあることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至9記載の男性用体液処理用品において、
前記袋体に対する前記保持長体の取付け部分の下縁が、前記挿入口の下端よりも下方にあることを特徴としている。
【0017】
請求項12に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至11記載の男性用体液処理用品において、
前記挿入口の外側に位置するように、その下端部が前記挿入口の下端部に近接して前記袋体の表面に取り付けられ、挿入口に挿入しようとするペニスが挿入されて抵抗を以って係止する開口を備えたゲートコネクターを有することを特徴としている。
【0018】
請求項13に記載された男性用体液処理用品は、請求項12記載の男性用体液処理用品において、
前記ゲートコネクターは、ペニスの装着後に自由端である上端部を前記袋体の表面に接合することを特徴としている。
【0019】
請求項14に記載された男性用体液処理用品は、請求項12記載の男性用体液処理用品において、
前記ゲートコネクターは、ペニスの装着後に自由端である上端部を前記挿入口の内部に挿入することを特徴としている。
【0020】
請求項15に記載された男性用体液処理用品は、請求項12記載の男性用体液処理用品において、
前記ゲートコネクターは、その上端部に係止部が形成され、ペニスの装着後に上端部を前記挿入口の内部に挿入するとともに前記保持長体を前記係止部に係止することを特徴としている。
【0021】
請求項16に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至15記載の男性用体液処理用品において、
前記袋体の表側には、前記挿入口に挿入したペニスを結束する結束手段が設けられたことを特徴としている。
【0022】
請求項17に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至16記載の男性用体液処理用品において、
ペニスと接触する前記挿入口の下端縁部に緩衝部材が設けられたことを特徴としている。
【0023】
請求項18に記載された男性用体液処理用品は、請求項4又は5記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体によるペニスの保持力が調整可能であることを特徴としている。
例えば、請求項4記載のように1本の保持長体の一端部だけが固定されている構造の場合は、装着時に、該一端部を挿入口から摘み出し、ペニスに掛けて他端を袋体に接合する際に、他端の接合位置を適宜調節することによりペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整してペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整できる。
また、例えば、請求項5記載のように2本の保持長体の各一端が固定されている構造の場合は、装着時に、各他端部を結んだり、又は一方の他端部を他方の他端部の孔に通して摩擦で固定したり、又は各他端部を留め具で締める等の手法により、ペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整してペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整できる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載された男性用体液処理用品によれば、挿入口から挿入したペニスを下向きの状態に長期にわたって保持することができるので、ペニスの存在位置が横方向や上向き方向に変位して体液吸収状態が不安定化したり、ペニスが挿入口から抜ける等の使用上の不都合が防止される。
【0025】
請求項2に記載された男性用体液処理用品によれば、特に中央のペニス格納部の左右に吸収部がそれぞれ連通して設けられた構造においても、左右の吸収部について、全体位における体液吸収状態を平準化・安定化して吸収体の利用可能な吸収容量を増大させ、使用時間が延長される効果がある。
【0026】
請求項3に記載された男性用体液処理用品によれば、装着時に、1本の前記保持長体の中央部を指で摘んで挿入口から外に引き出し、ペニスをその中央に挿通させれば、ペニスを保持長体に係止して下向きの状態に保持する効果を得ることができる。
【0027】
請求項4に記載された男性用体液処理用品によれば、装着時に、一端部だけが袋体に固定されている前記保持長体を挿入口から摘み出し、ペニスに掛けて他端を袋体に接合すれば、ペニスを保持長体に係止して下向きの状態に保持することができる他、他端の接合位置を適宜調節すればペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整できるので、これによりペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整することができる。
【0028】
請求項5に記載された男性用体液処理用品によれば、装着時に、各一端部を固定された2本の保持長体を結んだり、又は一方の他端部を他方の他端部の孔に通して摩擦で固定したり、又は両保持長体の各他端部を留め具で閉める等の手法により、ペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整できるので、これによりペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整することができる。
【0029】
請求項6に記載された男性用体液処理用品によれば、ペニスに対する接触面積・保持面積の大きい直帯状の保持長体によって請求項1乃至5記載の効果を得ることができる。
【0030】
請求項7に記載された男性用体液処理用品によれば、袋体内で嵩張らないため装着操作がし易く、弾性変形し易い糸状の保持長体によって請求項1乃至5記載の効果を得ることができる。
【0031】
請求項8に記載された男性用体液処理用品によれば、中央の湾曲部を持ち上げてペニスを挿通させ、その後湾曲部を下げることにより、湾曲部の突端部でペニスを下向きに押さえるて請求項1乃至3記載の効果を得ることができる。
【0032】
請求項9に記載された男性用体液処理用品によれば、略C字形とされた曲帯状の保持長体によって請求項1乃至3記載の効果を得ることができる。
【0033】
請求項10に記載された男性用体液処理用品によれば、前記保持長体の下縁が、前記挿入口の下端よりも上方にくるので、ペニスへの装着がし易くなる。
【0034】
請求項11に記載された男性用体液処理用品によれば、前記保持長体の下縁が、前記挿入口の下端よりも下方にくるので、装着した状態でペニスに対する保持が確実である。
【0035】
請求項12に記載された男性用体液処理用品によれば、前記挿入口の外側に設けられたゲートコネクターの開口にペニスを挿入・固定することでペニスの挿入口に対する挿入状態を確実とし、さらに挿入口に挿入されたペニスを保持長体で保持するので、袋体内におけるペニスの下向き状態の保持がさらに確実になる。
【0036】
請求項13に記載された男性用体液処理用品によれば、ペニスの装着後に前記ゲートコネクターの上端部を前記袋体の表面に接合することで、請求項12記載の発明の効果を確実にすることができる。
【0037】
請求項14に記載された男性用体液処理用品によれば、ペニスの装着後に前記ゲートコネクターの上端部を前記挿入口の内部に挿入することで、請求項12記載の発明の効果を確実にすることができる。
【0038】
請求項15に記載された男性用体液処理用品によれば、ペニスの装着後に前記ゲートコネクターの上端部を前記挿入口の内部に挿入し、前記保持長体を前記ゲートコネクターの前記係止部に係止して間接的にペニスを下向きに保持することにより、請求項12記載の発明の効果を確実にすることができる。
【0039】
請求項16に記載された男性用体液処理用品によれば、前記袋体の表側に設けた結束手段で前記挿入口に挿入したペニスを結束することができるので、挿入口に挿入して下向きに設定されたペニスの状態保持がさらに確実になる。
【0040】
請求項17に記載された男性用体液処理用品によれば、挿入口から挿入されて保持長体で下向きに保持されたペニスは前記挿入口の下端縁部の緩衝部材に当接するので、ペニスの下側の尿道への圧迫が和らげられる。
【0041】
請求項18に記載された男性用体液処理用品によれば、前記保持長体によるペニスの保持力が調整可能であるという効果がある。
すなわち、1本の保持長体の一端だけが固定されている構造の場合は、装着時に、一端部を挿入口から摘み出し、ペニスに掛けて他端を袋体に接合すれば、ペニスを保持長体に係止して下向きの状態に保持することができる他、他端の接合位置を適宜調節すればペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整できるので、これによりペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整することができる。
また、2本の保持長体の各一端が固定されている構造の場合は、装着時に、各他端部を結んだり、又は一方の他端部を他方の他端部の孔に通して摩擦で固定したり、又は各他端部を留め具で締める等の手法により、ペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整できるので、これによりペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整することができる。
【0042】
このように、本発明の男性用体液処理用品は、着用者のペニスを挿入する挿入口が形成された袋体の中に体液の吸収体を設けた製品であるが、この袋体の挿入口が形成された側の内面には、挿入口に近接して保持長体が設けられ、挿入口から挿入したペニスに保持長体を係止することでペニスを袋体内で下向きの状態に長時間にわたって安定して保持することができるので、ペニスの存在位置が横方向や上向き方向に変位して体液吸収状態が不安定化することが防止される。従って、男性用体液処理用品の全体形状が、挿入口が形成された中央のペニス格納部の両側に吸収部をそれぞれ連通して設けた実質的に左右対称な構造であっても、全体位における体液吸収状態が左右の吸収部について平準化・安定化されて吸収体の利用可能な吸収容量が増大し、使用時間の延長が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
次に、本願出願時において本発明者等が最良と認識する本願発明の実施の形態を説明する。
(1)基本構造(図1〜図5)
図1〜図3に示す本例の男性用体液処理用品1(以下、本製品1とも呼ぶ)は、男性の着用者が下腹部に身につけ、内部に尿等の体液の吸収体3を設けた袋体2の挿入口4からペニスを挿入して使用する衛生用品である。
【0044】
本製品1は、不織布に樹脂製フィルムを圧着して構成した薄い防漏性シート材料からなる袋体2を有している。この袋体2は、前記防漏性シート材料の不織布を外側として使用し、図1及び図2に示すように前面側(着用者側)及び背面側から見て全体として図中上方を尖端として左右にウイングを有する矢羽根形状(略逆V字形)となるように、かつ全体としては内部空間を有する袋状となるように、その外周縁に沿って圧着して袋状に形成したものである。
【0045】
この袋体2は、中央部の空間がペニス格納部5とされており、その前面側(着用者側)に形成された縦に長いスリットがペニスの挿入口4である。図示の挿入口4は縦に長い楕円形であるが、後述するように縦長の矩形でもよいし、縦長の三角形でもよい。また、場合によっては横長であってもよい。
【0046】
このペニス格納部5の両側は、ペニス格納部5にそれぞれ連通する第1吸収部6とされており、また袋体2の背面側には、ペニス格納部5の両側において、第1吸収部6及びペニス格納部5に連通する別空間である第2吸収部7が内側への折り返し部8を介してそれぞれ形成されている。なお、使用時にこの折り返し部分8が伸張すれば袋体2の内部空間は拡大される。
【0047】
これら第1及び第2吸収部6,7内には、体液を吸収するための高分子吸収体シート3がそれぞれ設けられている。さらに、第1吸収部6、第2吸収部7、ペニス格納部5の間には、これらの各部の間で体液の移動を容易にするための液体ガイド層9が設けられており、ペニス格納部5に一時に大量の体液が排出された場合には、この液体ガイド層9を介して体液は左右の第1吸収部6及び第2吸収部7に分散して案内され、各部の高分子吸収体シート3に吸収されるため、排出された体液がペニス格納部5に滞留することがない。
【0048】
図1に示すように、袋体2の前面側において、前記挿入口4の近傍には、下部が一体となった可撓性材料からなる2本の帯状の結束バンド10が設けられている。結束バンド10は、着用者が着用時に挿入口4から挿入したペニスPに巻き付けて使用する。結束バンド10には、袋体2の表面の不織布に接合し易い薄いフック層11が設けられ、着用時に結束バンド10をペニスPに巻き付けた後に袋体2の正面側に接合できる。従って、男性の着用者がペニスPを袋体2の挿入口4から内部に挿入し、2本の結束バンド10,10を互いに反対方向からペニスPにかけ回してペニスPを結束し、これら各結束バンド10のフック層11を袋体2の正面側に接合すれば、着用者のぺニスPに対して本製品1を確実に取り付けることができる。
【0049】
なお、図2に示すように、袋体2の背面側の中央上部には、粘着層12が設けられている。粘着層12は図示しない剥離シートに覆われており、着用時に該剥離シートを剥がせば、着用者の下着の前身頃の内面側に袋体2を貼り付けて本製品1の着装を確実にすることができる。
【0050】
そして、さらに本製品1は、挿入口4から袋体2内に挿入したペニスPを袋体2内で下向きの姿勢に長時間にわたって安定して保持するために、袋体2内でぺニスPを下向きに保持する手段としての保持長体13(インナーバンドとも称する。)を備えている。
【0051】
本例の保持長体13は帯状であり、ゴム等の弾性材料で形成されている。この保持長体13は、図3〜図5に示すように、前記袋体2内において、前記挿入口4の下端部に近接して配置され、前記袋体2の前記挿入口4が形成された側(前面側、着用者側)の内面にその両端の接合部13aが固定され、中央の未接合部13bが袋体2の内面との間にぺニスPが挿入される挿通空間を構成している。本例の帯状の保持長体13の幅Wは2〜40mm(好ましくは5〜30mm)、未接合部の伸張前の長さL1は20〜200mm(好ましくは50〜150mm)、未接合部の伸張前の長さL1と伸張時の長さL2の比L2/L1は1.0〜3.0(好ましくは1.2〜2.0)である。
【0052】
以上のような構成になる本製品1を装着する場合には次のように行う。
図5(a)の状態にある保持長体13を男性の着用者が挿入口4から指で摘んで引き出して伸張させ、図5(b)に示す伸張状態でぺニスPを未接合部13bの下に通して挿入口4から袋体2内に挿入する。そして、保持長体13から指を離し、伸張状態から伸びが緩和された図5(c)に示す状態で保持長体13をぺニスPの上側に係止させる。
【0053】
そして、2本の結束バンド10,10を互いに反対方向からペニスPの根元にかけ回してペニスPを結束し、これら各結束バンド10の先端のフック層11を袋体2の正面側に接合して固定する。さらに、袋体2の背面側の剥離シートを剥がして粘着層12を表し、着用者が下半身に着用している下着の前身頃の内面側に貼り付ける。
【0054】
これによって、袋体2の左右のウイングの各下方部分が着用者の太腿の付け根に相当する下着の裾からでて下腹部に安定して装着した状態が実現でき、日常活動中に支障なく排尿及び尿処理を行うことができる。
【0055】
本例によれば、袋体2内においてぺニスPの上面側には弾性を有する幅広の保持長体13が安定して係止されてぺニスPに下向きの保持力を与えているので、着用者の動作により保持長体13がなければ袋体2に挿入したペニスPが袋体2内で下向きの状態を維持できなくなるような場合であっても、ぺニスPを下向きに安定的に保持することができる。従って、着用者が、横臥位や仰臥位などの体位をとっても、そのような体位でぺニスPから排出される体液は、ぺニス格納部5の左右にある吸収部6,7の一方のみに偏って流入することは少なく、液体ガイド層9の機能とも相俟って体液は各吸収6,7部に可及的均一に流入し各吸収体3に吸収される。また横臥位のように左又は右に偏って流入しても左又は右の吸収容量が満杯となりオーバーフローする前に吸収余力のある左又は右サイドへ流入するように働く。従って、本製品1が有する吸収体3の吸収容量を最大限に利用でき、最大限の使用可能時間を実現することができる。また、保持長体13が帯状で上述したようにある程度の幅があるから、弾性を以てぺニスPを押さえても着用者に苦痛を与えることがない。
【0056】
このように、本製品1の体液の吸収性能は装着状態によって影響を受けにくく、ペニスPから排出された体液は袋体2内の吸収体3に適正に吸収される。そして、結束バンド10の機能とも相俟ってペニスPがずれて挿入口4からだんだん出てきて抜ける等、位置ずれ等の固定不十分の問題も生じない。
【0057】
(2)保持長体の変形例(図6、図7)
本例においては、図5に示すような帯状の保持長体13を例示したが、図6又は図7に示すような形状の保持長体23,33も利用可能である。
図6に示す保持長体23は、ゴム等の弾性材料からなる糸状であり、その太さは0.1〜2mm(好ましくは0.2〜1mm)であり、未接合部の伸張前の長さL1及び未接合部の伸張前の長さL1と伸張時の長さL2の比L2/L1は、図5に示した帯状の保持長体13の場合と同様である。
本例の保持長体23は糸状なので伸長しやすく、ぺニスPを挿入する操作が容易であり、また長さや弾性を上述したように適宜に設定すれば着用者に苦痛を与えることもない。
【0058】
図7に示す保持長体33は、樹脂等のある程度の弾性を有する材料で構成されているが、半円状に突出した湾曲部34と、その両端に設けられて前記袋体2の内面に回動可能な固定支持部33aを介して取り付けられた直線状の取付け端部35とを有する形状に成形されている。図7(a)に示すように、非装着時には湾曲部34が着用者の前方に向けて突出した配置となっており、装着時には、図7(b)に示すように前記湾曲部34を上方に回動して着用者のペニスPを湾曲部34に挿通させた後に、図7(c)に示すように前記湾曲部34を下方に回動して該湾曲部34の突端部でペニスPを下向きに押さえる。従って、湾曲部34の弾性は、装着時に湾曲形状を維持しつつ、ぺニスPに必要な下向きの力を加えうる程度のものである必要がある。
本例の保持長体33によれば、図5及び図6の保持長体13、23と異なり、装着時に指で摘んで挿入口4から外に引っ張りだす動作が不要であり、指で回動させる簡易な操作でぺニスPへの装着を行うことができる。
【0059】
(3)保持長体の配置(図8、図9)
本例における保持長体13,23,33の袋体2内における配置を挿入口4との位置関係で説明する。
図8(a)に示すように、前記袋体2に対する前記保持長体13の取付け部分の下縁R1(すなわち直線帯状の保持長体13であれば、該保持長体13の下縁)が、前記挿入口4の下端R0よりも下方にある位置関係では、下縁R1と下端R0の距離−d(−は保持長体13の下端が挿入口4よりも下方にある場合を示す)を大きくする場合には位置固定効果は大きくなるが挿入しにくくなるので、装着が困難にならない限度において保持長体13の縦幅(前記W)を調節して保持長体13がぺニスから外れないようにするのが好ましい。
【0060】
図8(b)に示すように、前記袋体2に対する前記保持長体13の取付け部分の下縁R1(すなわち直線帯状の保持長体13であれば、該保持長体13の下縁)が、前記挿入口4の下端R0よりも上方にある位置関係ではぺニスは挿入し易くなるが、位置固定効果は少なくなるので、ぺニスを下向きに押さえて位置を固定する効果を保持できる限度において、下縁R1と下端R0の距離+d(+は保持長体13の下端が挿入口4よりも上方にある場合を示す)を大きくすれば、保持長体13をぺニスに装着し易くなる。
【0061】
次に、挿入口4と保持長体13との形状及び位置関係の種々の態様を説明する。
図9(a)は矩形状の挿入口4の下端を矩形帯状の保持長体13が覆うように配置した例である。図9(b)は逆三角形状の挿入口14の下端を矩形帯状の保持長体13が覆うように配置した例である。図9(c)は三角形状の挿入口24の下端の下方に、該下端にかぶさらないように矩形帯状の保持長体13が覆うように配置した例である。図9(d)は矩形状の挿入口4の下端の下方に、該下端にかぶさらないように下に凸形状の略C字形の保持長体43を配置した例である。図9(e)は矩形状の挿入口4の下端の上方に、該下端にかぶさらないように上に凸形状の略C字形の保持長体53を配置した例である。図9(f)は矩形状の挿入口4の下端を矩形帯状の幅広の保持長体13’が覆うように配置した例である。図9(g)は矩形状の挿入口4の下端の下方に、糸状の保持長体23を配置した例である。
【0062】
以上、いずれの例においても、図8を参照して説明した保持長体13の袋体2内における挿入口4との位置関係を踏まえて、ぺニスPを下向きに保持する力、ぺニスPの外れ難さ、及び装着のし易さ等を考慮し、保持長体13の具体的な形状・配置等を設定すればよい。
【0063】
(4)保持手段との併用例(図10及び図11)
以上説明したように、本製品1の基本構造では、袋体2内の保持長体13と、袋体2外の結束バンド10がぺニスの保持手段として設けられているが、さらに図10及び図11に示すように挿入口4にゲートコネクター50を設けてもよい。又は、結束バンド10の代わりにゲートコネクター50を設けてもよい。
【0064】
ゲートコネクター50は、着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口4に所定の位置関係で挿入した状態を確実に保持するための部材であり、図10に示すように挿入口4を覆い隠す寸法を備えた板状の本体の略中央にスリット51を例えば放射状に形成したものである。また、ゲートコネクター50の下端縁は、袋体2の前面側(着用者側)の外側において、挿入口4の下方に固定されており、その他の部分は袋体2に対して自由である。
【0065】
ゲートコネクター50の材質は、スポンジ等の人体にソフトで弾性を有し、かつ人体に対してある程度の摩擦を生じるようなものが好ましい。男性用体液処理用品1の着用者のペニスPに挿入すれば細いスリット51とペニスPとの摩擦で抜けにくく、該ペニスPに着脱可能な状態で固定することができる。その固定力は、着用者に過度の圧迫感や締め付けによる苦痛を与えず、固定に違和感のない程度のものであって、かつ男性用体液処理用品1に対する位置決めの際の固定手段としての十分機能し、着用者の日常的な動作に伴って外れることのない程度のものである。ゲートコネクターに設けられる挿入口の形状は任意に決められる。
【0066】
装着にあたっては、ぺニスPをゲートコネクター50のスリット51に挿入してから、保持長体13を前述したように装着し、さらにぺニスPを挿入口4から袋体2内に挿入する。そして、ゲートコネクター50の上端縁に図示しないフック層を設けておき、図10(b)に示すようにゲートコネクター50の上端縁のフック層を挿入口4の上方において袋体2の表面に接合して固定すればよい。
【0067】
又は、図10(c)に示すようにゲートコネクター50の上端縁を挿入口4内に押し込んで、ゲートコネクター50の上端縁が返しとなって容易には挿入口4から抜け出ないようにしてもよい。
【0068】
図11は、ゲートコネクターの他の変形例を示すものである。このゲートコネクター52の左右端縁には切欠54が設けられており、保持長体23は糸状とされている。
【0069】
装着にあたっては、ぺニスPをゲートコネクター52のスリット51に挿入し、挿入口4内から保持長体23を引っ張りだし、さらにぺニスP及びゲートコネクター52を挿入口4から袋体2内に挿入するとともに、ゲートコネクター52の切欠54に保持長体23を引っ掛け、保持長体23の弾性力によってぺニスPにゲートコネクター52を介して下向きの作用を与え、ぺニスPを袋体2内で下向きに保持する。
【0070】
なお、図10及び図11では、結束バンド10が記載されていないが、保持長体13,23とゲートコネクター50,52に加えてさらに結束バンド10を併用してもよいことは前述したとおりである。
【0071】
これによって、着用者のペニスPと男性用体液処理用品1は、ゲートコネクター50,52及び保持長体13,23(そして必要に応じて結束バンド10)によって一体となり、着用者のペニスPは男性用体液処理用品1の挿入口4に正規の状態(ペニスPからの排尿を漏れなく男性用体液処理用品1が受け入れることができ、かつペニスPが挿入口4から容易には外れないような状態)に挿入され、しかも袋体2内において下向きの姿勢で保持される。よって、着用者の動作によってペニスPの位置がずれたり、挿入口4から外れてしまう等の不都合は生じず、また袋体2内でのぺニスPの下向き姿勢が確実に保持されることから、着用者が、横臥位や仰臥位などの体位をとっても、体液は各吸収部6,7に均一に流入し、本製品1の吸収容量及び使用可能時間は最大限度に発揮される。
【0072】
(5)挿入口4の緩衝構造(図12及び図13)
以上説明したように、本製品1の基本構造では、挿入口4に挿入されたぺニスPは袋体2内で保持長体1323,33,43,53によって下向きの作用を受けるので、ぺニスPは挿入口4の下端縁に接触することとなり、その下向きの作用の程度によっては、ぺニス下側の尿道に圧迫が加えられる場合も考えられる。そこで、図12に示すように、挿入口4の下端縁に、緩衝部材60を設けて尿道への圧迫を和らげるようにしてもよい。
【0073】
図13に示すように、この緩衝部材60は、ウレタンフォーム製の薄板から一体に成型された2本の結束バンド10,10の根元に結束バンド10と一体に設けてあるが、もちろん結束バンド10とは別体で挿入口4の下端縁に設けても良い。また、この緩衝部材60は尖端が半円形でぺニスPに対する当たりが柔らかくなるように構成してある。
【0074】
(6)保持長体によるペニスの保持力を調整可能とした構成例(図14〜図17)
以上説明した例では、1本の保持長体13、23,33,43,53の両端を袋体2に対して固定していたので、これら保持長体によるペニスPの保持力は一定であった。しかし、図14〜図17に例示するように、保持長体によるペニスPの保持力を調整可能としてもよい。
【0075】
図14は、1本の前記保持長体63の一端部63aを、前記挿入口4の一側部において前記袋体2の内面に固定しておき、その他端部に結束部63bを設け、ぺニスPに掛け回した後に該結束部63bを挿入口4の他側部において袋体2の内面に着脱可能に接合できるようにした例である。この構造によれば、結束部63bを袋体2の内面に接合する位置を変えることで保持長体63によるぺニスPの締め付け具合を適宜に調整することができる。
【0076】
図15〜図17は、2本の保持長体の各一端部を挿入口4の両側において袋体2の内面にそれぞれ固定しておき、自由端とされた各他端部を互いに連結することでペニスPに係止し、これを下向きに保持する構造である。
図15は、装着時に保持長体73の一方の他端部を他方の他端部の孔74に通して摩擦で固定するものであり、図16は、2本の保持長体74,74の各他端部を環状の留め具75で締める構造であり、図17は2本の保持長体73,73の各他端部を結ぶ構造である。これらいずれの構造によっても、保持長体73,73によるぺニスPの締め付け具合を適宜に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態に係る男性用体液処理用品の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る男性用体液処理用品の背面図である。
【図3】図1のA−A切断線における断面図である。
【図4】図3のB−B切断線における断面図である。
【図5】(a)は帯状の保持長体の非使用時の状態を示す図、(b)は同じく装着時の状態を示す図、(c)は同じく使用時の状態を示す図である。
【図6】(a)は糸状の保持長体の非使用時の状態を示す図、(b)は同じく装着時の状態を示す図、(c)は同じく使用時の状態を示す図である。
【図7】(a)は半円形状の湾曲部を有する保持長体の非使用時の状態を示す図、(b)は同じく装着時の状態を示す図、(c)は同じく使用時の状態を示す図である。
【図8】保持長体と挿入口の位置関係を示す図である。
【図9】保持長体と挿入口の位置関係の種々の態様を示す図である。
【図10】(a)はゲートコネクターを備えた本発明の実施形態の要部正面図、(b)は同縦断面図、(c)は変形例の縦断面図である。
【図11】(a)は変形例のゲートコネクターを備えた本発明の実施形態の要部正面図、(b)は同縦断面図である。
【図12】緩衝部材を備えた本発明の実施形態の正面図である。
【図13】(a)は一体構成とされた緩衝部材及び結束バンドの正面図、(b)は緩衝部材の部分拡大図である。
【図14】変形例の保持長体の構成と使用方法を示す図である。
【図15】変形例の保持長体の構成と使用方法を示す図である。
【図16】変形例の保持長体の構成と使用方法を示す図である。
【図17】変形例の保持長体の構成と使用方法を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 男性用体液処理用品
2 袋体
3 吸収体
4,14,24 挿入口
5 ペニス格納部
6 第1吸収部
7 第2吸収部
10 結束バンド
13,23,33,43,53,63,73 保持長体
50,52 ゲートコネクター
60 緩衝部材
75 留め具
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペニスの挿入口が形成された袋体内に体液の吸収体を設けてなる男性用体液処理用品に係り、特にこの男性用体液処理用品を着用する際に、男性用体液処理用品の挿入口に挿入した着用者のペニスが挿入口に対してずれないように保持することで好適な装着状態を維持できるようにした男性用体液処理用品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吸収体物品、例えば子供用おむつ、大人用おむつ、女性用生理用品、女性用失禁用品等は、ナプキン形状であれ、テープ型形状であれ、あるいはパンツ型形状を持つものであれ、共通している構造は、液透過性トップシートと、液不透過性のバックシートとの間に、SAPとパルプを混合した吸収体を介在させるという基本構造を持っている。
【0003】
これらの吸収体製品のうち、男性用体液処理用品は、男性である着用者の体液排出はペニスを通じてを行うことが前提となるので、かかる人体の構造上の特徴に適した構造を有していることが必要とされる。このような男性用体液処理用品としては、下記特許文献1、2に示すように、吸収体を備えた袋部にペニス挿入口が形成された吸収体物品が知られている。
【特許文献1】特開平11−172502号公報
【特許文献2】特開2004−65857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の男性用体液処理用品では、ペニスから排出された体液が袋部内の吸収体に適正に吸収されるようにするため、袋部の挿入口からペニスを挿入して下向きの状態で長時間にわたって安定に保つ必要がある。しかし、従来の男性用体液処理用品では、挿入口から挿入したペニスと袋体乃至挿入口との位置関係を適正に固定し、挿入口から挿入したペニスを下向きに安定して保つための手段がなかった。このため、着用者が立ち姿勢から着座したり、屈伸運動をしたり、走る等の行動をとった場合に、袋部に対して着用者の腰が引けることにより、袋体に挿入したペニスが袋体内で下向きの状態を維持できず、あるいはペニスがずれて挿入口からだんだん出てきて抜ける等、固定乃至位置保持が不十分であるための位置ずれの問題が生じていた。また、着用者が、横臥位や仰臥位などの体位をとると、男性用体液処理用品の体液の吸収性能は装着状態によって影響を受け易いため、利用可能な体液の吸収容量が減少したり、使用可能時間が短縮される等の不都合が生じる場合があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、吸収体を備えた袋体にペニスの挿入口が形成された男性用体液処理用品において、挿入口から袋体内に挿入したペニスを袋体内で下向きの姿勢に長時間にわたって安定して保持することができ、ペニスの袋体乃至挿入口に対するずれを防止し、またずれが生じてもある程度の位置復元性を発揮することができる柔軟性を備えた男性用体液処理用品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された男性用体液処理用品は、
着用者のペニスを挿入する挿入口が形成された袋体の内部に体液の吸収体が設けられてなる男性用体液処理用品において、
前記袋体の前記挿入口が形成された側の内面に取り付けられて前記挿入口の下端部に近接して配置され、前記挿入口から挿入されたペニスを保持する保持長体を有することを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載された男性用体液処理用品は、
着用者のペニスを挿入する挿入口が形成されたペニス格納部及び前記ペニス格納部の両側に前記ペニス格納部にそれぞれ連通して設けられた少なくとも一対の吸収部を有する防漏性の袋体と、前記袋体の前記吸収部内に設けられた体液の吸収体とを備えた男性用体液処理用品において、
前記袋体の前記挿入口が形成された側の内面に取り付けられて前記挿入口の下端部に近接して配置され、前記挿入口から挿入されたペニスを下向きに保持する弾性を備えた保持長体を有することを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載された男性用体液処理用品は、請求項1又は2記載の男性用体液処理用品において、
1本の前記保持長体の両端部が、前記挿入口の両側部において前記袋体の内面にそれぞれ取り付けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載された男性用体液処理用品は、請求項1又は2記載の男性用体液処理用品において、
1本の前記保持長体の一端部が、前記挿入口の一側部において前記袋体の内面に取り付けられ、その他端部が前記挿入口の他側部において前記袋体の内面に着脱可能に接合可能であることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載された男性用体液処理用品は、請求項1又は2記載の男性用体液処理用品において、
2本の前記保持長体が、各一端部を前記挿入口の両側において前記袋体の内面にそれぞれ取り付けられ、自由端とされた各他端部を互いに連結することでペニスに係止することを特徴としている
【0011】
請求項6に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至5記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体が直帯状であることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至5記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体が糸状であることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至3記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体が、非装着時には着用者の前方に向けて突出した配置となる湾曲部と、該湾曲部の両端に設けられて前記袋体の内面に回動可能に取り付けられた取付け端部とを有し、
装着時には、前記湾曲部を上方に回動して着用者のペニスを挿通させた後に、前記湾曲部を下方に回動して該湾曲部の突端部でペニスを下向きに押さえるように構成されたことを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至3記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体が、前記袋体の前記挿入口が形成された面内において略C字形とされた曲帯状であることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至9記載の男性用体液処理用品において、
前記袋体に対する前記保持長体の取付け部分の下縁が、前記挿入口の下端よりも上方にあることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至9記載の男性用体液処理用品において、
前記袋体に対する前記保持長体の取付け部分の下縁が、前記挿入口の下端よりも下方にあることを特徴としている。
【0017】
請求項12に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至11記載の男性用体液処理用品において、
前記挿入口の外側に位置するように、その下端部が前記挿入口の下端部に近接して前記袋体の表面に取り付けられ、挿入口に挿入しようとするペニスが挿入されて抵抗を以って係止する開口を備えたゲートコネクターを有することを特徴としている。
【0018】
請求項13に記載された男性用体液処理用品は、請求項12記載の男性用体液処理用品において、
前記ゲートコネクターは、ペニスの装着後に自由端である上端部を前記袋体の表面に接合することを特徴としている。
【0019】
請求項14に記載された男性用体液処理用品は、請求項12記載の男性用体液処理用品において、
前記ゲートコネクターは、ペニスの装着後に自由端である上端部を前記挿入口の内部に挿入することを特徴としている。
【0020】
請求項15に記載された男性用体液処理用品は、請求項12記載の男性用体液処理用品において、
前記ゲートコネクターは、その上端部に係止部が形成され、ペニスの装着後に上端部を前記挿入口の内部に挿入するとともに前記保持長体を前記係止部に係止することを特徴としている。
【0021】
請求項16に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至15記載の男性用体液処理用品において、
前記袋体の表側には、前記挿入口に挿入したペニスを結束する結束手段が設けられたことを特徴としている。
【0022】
請求項17に記載された男性用体液処理用品は、請求項1乃至16記載の男性用体液処理用品において、
ペニスと接触する前記挿入口の下端縁部に緩衝部材が設けられたことを特徴としている。
【0023】
請求項18に記載された男性用体液処理用品は、請求項4又は5記載の男性用体液処理用品において、
前記保持長体によるペニスの保持力が調整可能であることを特徴としている。
例えば、請求項4記載のように1本の保持長体の一端部だけが固定されている構造の場合は、装着時に、該一端部を挿入口から摘み出し、ペニスに掛けて他端を袋体に接合する際に、他端の接合位置を適宜調節することによりペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整してペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整できる。
また、例えば、請求項5記載のように2本の保持長体の各一端が固定されている構造の場合は、装着時に、各他端部を結んだり、又は一方の他端部を他方の他端部の孔に通して摩擦で固定したり、又は各他端部を留め具で締める等の手法により、ペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整してペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整できる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載された男性用体液処理用品によれば、挿入口から挿入したペニスを下向きの状態に長期にわたって保持することができるので、ペニスの存在位置が横方向や上向き方向に変位して体液吸収状態が不安定化したり、ペニスが挿入口から抜ける等の使用上の不都合が防止される。
【0025】
請求項2に記載された男性用体液処理用品によれば、特に中央のペニス格納部の左右に吸収部がそれぞれ連通して設けられた構造においても、左右の吸収部について、全体位における体液吸収状態を平準化・安定化して吸収体の利用可能な吸収容量を増大させ、使用時間が延長される効果がある。
【0026】
請求項3に記載された男性用体液処理用品によれば、装着時に、1本の前記保持長体の中央部を指で摘んで挿入口から外に引き出し、ペニスをその中央に挿通させれば、ペニスを保持長体に係止して下向きの状態に保持する効果を得ることができる。
【0027】
請求項4に記載された男性用体液処理用品によれば、装着時に、一端部だけが袋体に固定されている前記保持長体を挿入口から摘み出し、ペニスに掛けて他端を袋体に接合すれば、ペニスを保持長体に係止して下向きの状態に保持することができる他、他端の接合位置を適宜調節すればペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整できるので、これによりペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整することができる。
【0028】
請求項5に記載された男性用体液処理用品によれば、装着時に、各一端部を固定された2本の保持長体を結んだり、又は一方の他端部を他方の他端部の孔に通して摩擦で固定したり、又は両保持長体の各他端部を留め具で閉める等の手法により、ペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整できるので、これによりペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整することができる。
【0029】
請求項6に記載された男性用体液処理用品によれば、ペニスに対する接触面積・保持面積の大きい直帯状の保持長体によって請求項1乃至5記載の効果を得ることができる。
【0030】
請求項7に記載された男性用体液処理用品によれば、袋体内で嵩張らないため装着操作がし易く、弾性変形し易い糸状の保持長体によって請求項1乃至5記載の効果を得ることができる。
【0031】
請求項8に記載された男性用体液処理用品によれば、中央の湾曲部を持ち上げてペニスを挿通させ、その後湾曲部を下げることにより、湾曲部の突端部でペニスを下向きに押さえるて請求項1乃至3記載の効果を得ることができる。
【0032】
請求項9に記載された男性用体液処理用品によれば、略C字形とされた曲帯状の保持長体によって請求項1乃至3記載の効果を得ることができる。
【0033】
請求項10に記載された男性用体液処理用品によれば、前記保持長体の下縁が、前記挿入口の下端よりも上方にくるので、ペニスへの装着がし易くなる。
【0034】
請求項11に記載された男性用体液処理用品によれば、前記保持長体の下縁が、前記挿入口の下端よりも下方にくるので、装着した状態でペニスに対する保持が確実である。
【0035】
請求項12に記載された男性用体液処理用品によれば、前記挿入口の外側に設けられたゲートコネクターの開口にペニスを挿入・固定することでペニスの挿入口に対する挿入状態を確実とし、さらに挿入口に挿入されたペニスを保持長体で保持するので、袋体内におけるペニスの下向き状態の保持がさらに確実になる。
【0036】
請求項13に記載された男性用体液処理用品によれば、ペニスの装着後に前記ゲートコネクターの上端部を前記袋体の表面に接合することで、請求項12記載の発明の効果を確実にすることができる。
【0037】
請求項14に記載された男性用体液処理用品によれば、ペニスの装着後に前記ゲートコネクターの上端部を前記挿入口の内部に挿入することで、請求項12記載の発明の効果を確実にすることができる。
【0038】
請求項15に記載された男性用体液処理用品によれば、ペニスの装着後に前記ゲートコネクターの上端部を前記挿入口の内部に挿入し、前記保持長体を前記ゲートコネクターの前記係止部に係止して間接的にペニスを下向きに保持することにより、請求項12記載の発明の効果を確実にすることができる。
【0039】
請求項16に記載された男性用体液処理用品によれば、前記袋体の表側に設けた結束手段で前記挿入口に挿入したペニスを結束することができるので、挿入口に挿入して下向きに設定されたペニスの状態保持がさらに確実になる。
【0040】
請求項17に記載された男性用体液処理用品によれば、挿入口から挿入されて保持長体で下向きに保持されたペニスは前記挿入口の下端縁部の緩衝部材に当接するので、ペニスの下側の尿道への圧迫が和らげられる。
【0041】
請求項18に記載された男性用体液処理用品によれば、前記保持長体によるペニスの保持力が調整可能であるという効果がある。
すなわち、1本の保持長体の一端だけが固定されている構造の場合は、装着時に、一端部を挿入口から摘み出し、ペニスに掛けて他端を袋体に接合すれば、ペニスを保持長体に係止して下向きの状態に保持することができる他、他端の接合位置を適宜調節すればペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整できるので、これによりペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整することができる。
また、2本の保持長体の各一端が固定されている構造の場合は、装着時に、各他端部を結んだり、又は一方の他端部を他方の他端部の孔に通して摩擦で固定したり、又は各他端部を留め具で締める等の手法により、ペニスに対する保持長体の締め付け具合(係止力)を調整できるので、これによりペニスを袋体内で下向きに保持する作用を調整することができる。
【0042】
このように、本発明の男性用体液処理用品は、着用者のペニスを挿入する挿入口が形成された袋体の中に体液の吸収体を設けた製品であるが、この袋体の挿入口が形成された側の内面には、挿入口に近接して保持長体が設けられ、挿入口から挿入したペニスに保持長体を係止することでペニスを袋体内で下向きの状態に長時間にわたって安定して保持することができるので、ペニスの存在位置が横方向や上向き方向に変位して体液吸収状態が不安定化することが防止される。従って、男性用体液処理用品の全体形状が、挿入口が形成された中央のペニス格納部の両側に吸収部をそれぞれ連通して設けた実質的に左右対称な構造であっても、全体位における体液吸収状態が左右の吸収部について平準化・安定化されて吸収体の利用可能な吸収容量が増大し、使用時間の延長が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
次に、本願出願時において本発明者等が最良と認識する本願発明の実施の形態を説明する。
(1)基本構造(図1〜図5)
図1〜図3に示す本例の男性用体液処理用品1(以下、本製品1とも呼ぶ)は、男性の着用者が下腹部に身につけ、内部に尿等の体液の吸収体3を設けた袋体2の挿入口4からペニスを挿入して使用する衛生用品である。
【0044】
本製品1は、不織布に樹脂製フィルムを圧着して構成した薄い防漏性シート材料からなる袋体2を有している。この袋体2は、前記防漏性シート材料の不織布を外側として使用し、図1及び図2に示すように前面側(着用者側)及び背面側から見て全体として図中上方を尖端として左右にウイングを有する矢羽根形状(略逆V字形)となるように、かつ全体としては内部空間を有する袋状となるように、その外周縁に沿って圧着して袋状に形成したものである。
【0045】
この袋体2は、中央部の空間がペニス格納部5とされており、その前面側(着用者側)に形成された縦に長いスリットがペニスの挿入口4である。図示の挿入口4は縦に長い楕円形であるが、後述するように縦長の矩形でもよいし、縦長の三角形でもよい。また、場合によっては横長であってもよい。
【0046】
このペニス格納部5の両側は、ペニス格納部5にそれぞれ連通する第1吸収部6とされており、また袋体2の背面側には、ペニス格納部5の両側において、第1吸収部6及びペニス格納部5に連通する別空間である第2吸収部7が内側への折り返し部8を介してそれぞれ形成されている。なお、使用時にこの折り返し部分8が伸張すれば袋体2の内部空間は拡大される。
【0047】
これら第1及び第2吸収部6,7内には、体液を吸収するための高分子吸収体シート3がそれぞれ設けられている。さらに、第1吸収部6、第2吸収部7、ペニス格納部5の間には、これらの各部の間で体液の移動を容易にするための液体ガイド層9が設けられており、ペニス格納部5に一時に大量の体液が排出された場合には、この液体ガイド層9を介して体液は左右の第1吸収部6及び第2吸収部7に分散して案内され、各部の高分子吸収体シート3に吸収されるため、排出された体液がペニス格納部5に滞留することがない。
【0048】
図1に示すように、袋体2の前面側において、前記挿入口4の近傍には、下部が一体となった可撓性材料からなる2本の帯状の結束バンド10が設けられている。結束バンド10は、着用者が着用時に挿入口4から挿入したペニスPに巻き付けて使用する。結束バンド10には、袋体2の表面の不織布に接合し易い薄いフック層11が設けられ、着用時に結束バンド10をペニスPに巻き付けた後に袋体2の正面側に接合できる。従って、男性の着用者がペニスPを袋体2の挿入口4から内部に挿入し、2本の結束バンド10,10を互いに反対方向からペニスPにかけ回してペニスPを結束し、これら各結束バンド10のフック層11を袋体2の正面側に接合すれば、着用者のぺニスPに対して本製品1を確実に取り付けることができる。
【0049】
なお、図2に示すように、袋体2の背面側の中央上部には、粘着層12が設けられている。粘着層12は図示しない剥離シートに覆われており、着用時に該剥離シートを剥がせば、着用者の下着の前身頃の内面側に袋体2を貼り付けて本製品1の着装を確実にすることができる。
【0050】
そして、さらに本製品1は、挿入口4から袋体2内に挿入したペニスPを袋体2内で下向きの姿勢に長時間にわたって安定して保持するために、袋体2内でぺニスPを下向きに保持する手段としての保持長体13(インナーバンドとも称する。)を備えている。
【0051】
本例の保持長体13は帯状であり、ゴム等の弾性材料で形成されている。この保持長体13は、図3〜図5に示すように、前記袋体2内において、前記挿入口4の下端部に近接して配置され、前記袋体2の前記挿入口4が形成された側(前面側、着用者側)の内面にその両端の接合部13aが固定され、中央の未接合部13bが袋体2の内面との間にぺニスPが挿入される挿通空間を構成している。本例の帯状の保持長体13の幅Wは2〜40mm(好ましくは5〜30mm)、未接合部の伸張前の長さL1は20〜200mm(好ましくは50〜150mm)、未接合部の伸張前の長さL1と伸張時の長さL2の比L2/L1は1.0〜3.0(好ましくは1.2〜2.0)である。
【0052】
以上のような構成になる本製品1を装着する場合には次のように行う。
図5(a)の状態にある保持長体13を男性の着用者が挿入口4から指で摘んで引き出して伸張させ、図5(b)に示す伸張状態でぺニスPを未接合部13bの下に通して挿入口4から袋体2内に挿入する。そして、保持長体13から指を離し、伸張状態から伸びが緩和された図5(c)に示す状態で保持長体13をぺニスPの上側に係止させる。
【0053】
そして、2本の結束バンド10,10を互いに反対方向からペニスPの根元にかけ回してペニスPを結束し、これら各結束バンド10の先端のフック層11を袋体2の正面側に接合して固定する。さらに、袋体2の背面側の剥離シートを剥がして粘着層12を表し、着用者が下半身に着用している下着の前身頃の内面側に貼り付ける。
【0054】
これによって、袋体2の左右のウイングの各下方部分が着用者の太腿の付け根に相当する下着の裾からでて下腹部に安定して装着した状態が実現でき、日常活動中に支障なく排尿及び尿処理を行うことができる。
【0055】
本例によれば、袋体2内においてぺニスPの上面側には弾性を有する幅広の保持長体13が安定して係止されてぺニスPに下向きの保持力を与えているので、着用者の動作により保持長体13がなければ袋体2に挿入したペニスPが袋体2内で下向きの状態を維持できなくなるような場合であっても、ぺニスPを下向きに安定的に保持することができる。従って、着用者が、横臥位や仰臥位などの体位をとっても、そのような体位でぺニスPから排出される体液は、ぺニス格納部5の左右にある吸収部6,7の一方のみに偏って流入することは少なく、液体ガイド層9の機能とも相俟って体液は各吸収6,7部に可及的均一に流入し各吸収体3に吸収される。また横臥位のように左又は右に偏って流入しても左又は右の吸収容量が満杯となりオーバーフローする前に吸収余力のある左又は右サイドへ流入するように働く。従って、本製品1が有する吸収体3の吸収容量を最大限に利用でき、最大限の使用可能時間を実現することができる。また、保持長体13が帯状で上述したようにある程度の幅があるから、弾性を以てぺニスPを押さえても着用者に苦痛を与えることがない。
【0056】
このように、本製品1の体液の吸収性能は装着状態によって影響を受けにくく、ペニスPから排出された体液は袋体2内の吸収体3に適正に吸収される。そして、結束バンド10の機能とも相俟ってペニスPがずれて挿入口4からだんだん出てきて抜ける等、位置ずれ等の固定不十分の問題も生じない。
【0057】
(2)保持長体の変形例(図6、図7)
本例においては、図5に示すような帯状の保持長体13を例示したが、図6又は図7に示すような形状の保持長体23,33も利用可能である。
図6に示す保持長体23は、ゴム等の弾性材料からなる糸状であり、その太さは0.1〜2mm(好ましくは0.2〜1mm)であり、未接合部の伸張前の長さL1及び未接合部の伸張前の長さL1と伸張時の長さL2の比L2/L1は、図5に示した帯状の保持長体13の場合と同様である。
本例の保持長体23は糸状なので伸長しやすく、ぺニスPを挿入する操作が容易であり、また長さや弾性を上述したように適宜に設定すれば着用者に苦痛を与えることもない。
【0058】
図7に示す保持長体33は、樹脂等のある程度の弾性を有する材料で構成されているが、半円状に突出した湾曲部34と、その両端に設けられて前記袋体2の内面に回動可能な固定支持部33aを介して取り付けられた直線状の取付け端部35とを有する形状に成形されている。図7(a)に示すように、非装着時には湾曲部34が着用者の前方に向けて突出した配置となっており、装着時には、図7(b)に示すように前記湾曲部34を上方に回動して着用者のペニスPを湾曲部34に挿通させた後に、図7(c)に示すように前記湾曲部34を下方に回動して該湾曲部34の突端部でペニスPを下向きに押さえる。従って、湾曲部34の弾性は、装着時に湾曲形状を維持しつつ、ぺニスPに必要な下向きの力を加えうる程度のものである必要がある。
本例の保持長体33によれば、図5及び図6の保持長体13、23と異なり、装着時に指で摘んで挿入口4から外に引っ張りだす動作が不要であり、指で回動させる簡易な操作でぺニスPへの装着を行うことができる。
【0059】
(3)保持長体の配置(図8、図9)
本例における保持長体13,23,33の袋体2内における配置を挿入口4との位置関係で説明する。
図8(a)に示すように、前記袋体2に対する前記保持長体13の取付け部分の下縁R1(すなわち直線帯状の保持長体13であれば、該保持長体13の下縁)が、前記挿入口4の下端R0よりも下方にある位置関係では、下縁R1と下端R0の距離−d(−は保持長体13の下端が挿入口4よりも下方にある場合を示す)を大きくする場合には位置固定効果は大きくなるが挿入しにくくなるので、装着が困難にならない限度において保持長体13の縦幅(前記W)を調節して保持長体13がぺニスから外れないようにするのが好ましい。
【0060】
図8(b)に示すように、前記袋体2に対する前記保持長体13の取付け部分の下縁R1(すなわち直線帯状の保持長体13であれば、該保持長体13の下縁)が、前記挿入口4の下端R0よりも上方にある位置関係ではぺニスは挿入し易くなるが、位置固定効果は少なくなるので、ぺニスを下向きに押さえて位置を固定する効果を保持できる限度において、下縁R1と下端R0の距離+d(+は保持長体13の下端が挿入口4よりも上方にある場合を示す)を大きくすれば、保持長体13をぺニスに装着し易くなる。
【0061】
次に、挿入口4と保持長体13との形状及び位置関係の種々の態様を説明する。
図9(a)は矩形状の挿入口4の下端を矩形帯状の保持長体13が覆うように配置した例である。図9(b)は逆三角形状の挿入口14の下端を矩形帯状の保持長体13が覆うように配置した例である。図9(c)は三角形状の挿入口24の下端の下方に、該下端にかぶさらないように矩形帯状の保持長体13が覆うように配置した例である。図9(d)は矩形状の挿入口4の下端の下方に、該下端にかぶさらないように下に凸形状の略C字形の保持長体43を配置した例である。図9(e)は矩形状の挿入口4の下端の上方に、該下端にかぶさらないように上に凸形状の略C字形の保持長体53を配置した例である。図9(f)は矩形状の挿入口4の下端を矩形帯状の幅広の保持長体13’が覆うように配置した例である。図9(g)は矩形状の挿入口4の下端の下方に、糸状の保持長体23を配置した例である。
【0062】
以上、いずれの例においても、図8を参照して説明した保持長体13の袋体2内における挿入口4との位置関係を踏まえて、ぺニスPを下向きに保持する力、ぺニスPの外れ難さ、及び装着のし易さ等を考慮し、保持長体13の具体的な形状・配置等を設定すればよい。
【0063】
(4)保持手段との併用例(図10及び図11)
以上説明したように、本製品1の基本構造では、袋体2内の保持長体13と、袋体2外の結束バンド10がぺニスの保持手段として設けられているが、さらに図10及び図11に示すように挿入口4にゲートコネクター50を設けてもよい。又は、結束バンド10の代わりにゲートコネクター50を設けてもよい。
【0064】
ゲートコネクター50は、着用者のペニスPを男性用体液処理用品1の挿入口4に所定の位置関係で挿入した状態を確実に保持するための部材であり、図10に示すように挿入口4を覆い隠す寸法を備えた板状の本体の略中央にスリット51を例えば放射状に形成したものである。また、ゲートコネクター50の下端縁は、袋体2の前面側(着用者側)の外側において、挿入口4の下方に固定されており、その他の部分は袋体2に対して自由である。
【0065】
ゲートコネクター50の材質は、スポンジ等の人体にソフトで弾性を有し、かつ人体に対してある程度の摩擦を生じるようなものが好ましい。男性用体液処理用品1の着用者のペニスPに挿入すれば細いスリット51とペニスPとの摩擦で抜けにくく、該ペニスPに着脱可能な状態で固定することができる。その固定力は、着用者に過度の圧迫感や締め付けによる苦痛を与えず、固定に違和感のない程度のものであって、かつ男性用体液処理用品1に対する位置決めの際の固定手段としての十分機能し、着用者の日常的な動作に伴って外れることのない程度のものである。ゲートコネクターに設けられる挿入口の形状は任意に決められる。
【0066】
装着にあたっては、ぺニスPをゲートコネクター50のスリット51に挿入してから、保持長体13を前述したように装着し、さらにぺニスPを挿入口4から袋体2内に挿入する。そして、ゲートコネクター50の上端縁に図示しないフック層を設けておき、図10(b)に示すようにゲートコネクター50の上端縁のフック層を挿入口4の上方において袋体2の表面に接合して固定すればよい。
【0067】
又は、図10(c)に示すようにゲートコネクター50の上端縁を挿入口4内に押し込んで、ゲートコネクター50の上端縁が返しとなって容易には挿入口4から抜け出ないようにしてもよい。
【0068】
図11は、ゲートコネクターの他の変形例を示すものである。このゲートコネクター52の左右端縁には切欠54が設けられており、保持長体23は糸状とされている。
【0069】
装着にあたっては、ぺニスPをゲートコネクター52のスリット51に挿入し、挿入口4内から保持長体23を引っ張りだし、さらにぺニスP及びゲートコネクター52を挿入口4から袋体2内に挿入するとともに、ゲートコネクター52の切欠54に保持長体23を引っ掛け、保持長体23の弾性力によってぺニスPにゲートコネクター52を介して下向きの作用を与え、ぺニスPを袋体2内で下向きに保持する。
【0070】
なお、図10及び図11では、結束バンド10が記載されていないが、保持長体13,23とゲートコネクター50,52に加えてさらに結束バンド10を併用してもよいことは前述したとおりである。
【0071】
これによって、着用者のペニスPと男性用体液処理用品1は、ゲートコネクター50,52及び保持長体13,23(そして必要に応じて結束バンド10)によって一体となり、着用者のペニスPは男性用体液処理用品1の挿入口4に正規の状態(ペニスPからの排尿を漏れなく男性用体液処理用品1が受け入れることができ、かつペニスPが挿入口4から容易には外れないような状態)に挿入され、しかも袋体2内において下向きの姿勢で保持される。よって、着用者の動作によってペニスPの位置がずれたり、挿入口4から外れてしまう等の不都合は生じず、また袋体2内でのぺニスPの下向き姿勢が確実に保持されることから、着用者が、横臥位や仰臥位などの体位をとっても、体液は各吸収部6,7に均一に流入し、本製品1の吸収容量及び使用可能時間は最大限度に発揮される。
【0072】
(5)挿入口4の緩衝構造(図12及び図13)
以上説明したように、本製品1の基本構造では、挿入口4に挿入されたぺニスPは袋体2内で保持長体1323,33,43,53によって下向きの作用を受けるので、ぺニスPは挿入口4の下端縁に接触することとなり、その下向きの作用の程度によっては、ぺニス下側の尿道に圧迫が加えられる場合も考えられる。そこで、図12に示すように、挿入口4の下端縁に、緩衝部材60を設けて尿道への圧迫を和らげるようにしてもよい。
【0073】
図13に示すように、この緩衝部材60は、ウレタンフォーム製の薄板から一体に成型された2本の結束バンド10,10の根元に結束バンド10と一体に設けてあるが、もちろん結束バンド10とは別体で挿入口4の下端縁に設けても良い。また、この緩衝部材60は尖端が半円形でぺニスPに対する当たりが柔らかくなるように構成してある。
【0074】
(6)保持長体によるペニスの保持力を調整可能とした構成例(図14〜図17)
以上説明した例では、1本の保持長体13、23,33,43,53の両端を袋体2に対して固定していたので、これら保持長体によるペニスPの保持力は一定であった。しかし、図14〜図17に例示するように、保持長体によるペニスPの保持力を調整可能としてもよい。
【0075】
図14は、1本の前記保持長体63の一端部63aを、前記挿入口4の一側部において前記袋体2の内面に固定しておき、その他端部に結束部63bを設け、ぺニスPに掛け回した後に該結束部63bを挿入口4の他側部において袋体2の内面に着脱可能に接合できるようにした例である。この構造によれば、結束部63bを袋体2の内面に接合する位置を変えることで保持長体63によるぺニスPの締め付け具合を適宜に調整することができる。
【0076】
図15〜図17は、2本の保持長体の各一端部を挿入口4の両側において袋体2の内面にそれぞれ固定しておき、自由端とされた各他端部を互いに連結することでペニスPに係止し、これを下向きに保持する構造である。
図15は、装着時に保持長体73の一方の他端部を他方の他端部の孔74に通して摩擦で固定するものであり、図16は、2本の保持長体74,74の各他端部を環状の留め具75で締める構造であり、図17は2本の保持長体73,73の各他端部を結ぶ構造である。これらいずれの構造によっても、保持長体73,73によるぺニスPの締め付け具合を適宜に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態に係る男性用体液処理用品の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る男性用体液処理用品の背面図である。
【図3】図1のA−A切断線における断面図である。
【図4】図3のB−B切断線における断面図である。
【図5】(a)は帯状の保持長体の非使用時の状態を示す図、(b)は同じく装着時の状態を示す図、(c)は同じく使用時の状態を示す図である。
【図6】(a)は糸状の保持長体の非使用時の状態を示す図、(b)は同じく装着時の状態を示す図、(c)は同じく使用時の状態を示す図である。
【図7】(a)は半円形状の湾曲部を有する保持長体の非使用時の状態を示す図、(b)は同じく装着時の状態を示す図、(c)は同じく使用時の状態を示す図である。
【図8】保持長体と挿入口の位置関係を示す図である。
【図9】保持長体と挿入口の位置関係の種々の態様を示す図である。
【図10】(a)はゲートコネクターを備えた本発明の実施形態の要部正面図、(b)は同縦断面図、(c)は変形例の縦断面図である。
【図11】(a)は変形例のゲートコネクターを備えた本発明の実施形態の要部正面図、(b)は同縦断面図である。
【図12】緩衝部材を備えた本発明の実施形態の正面図である。
【図13】(a)は一体構成とされた緩衝部材及び結束バンドの正面図、(b)は緩衝部材の部分拡大図である。
【図14】変形例の保持長体の構成と使用方法を示す図である。
【図15】変形例の保持長体の構成と使用方法を示す図である。
【図16】変形例の保持長体の構成と使用方法を示す図である。
【図17】変形例の保持長体の構成と使用方法を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 男性用体液処理用品
2 袋体
3 吸収体
4,14,24 挿入口
5 ペニス格納部
6 第1吸収部
7 第2吸収部
10 結束バンド
13,23,33,43,53,63,73 保持長体
50,52 ゲートコネクター
60 緩衝部材
75 留め具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者のペニスを挿入する挿入口が形成された袋体の内部に体液の吸収体が設けられてなる男性用体液処理用品において、
前記袋体の前記挿入口が形成された側の内面に取り付けられて前記挿入口の下端部に近接して配置され、前記挿入口から挿入されたペニスを保持する保持長体を有することを特徴とする男性用体液処理用品。
【請求項2】
着用者のペニスを挿入する挿入口が形成されたペニス格納部及び前記ペニス格納部の両側に前記ペニス格納部にそれぞれ連通して設けられた少なくとも一対の吸収部を有する防漏性の袋体と、前記袋体の前記吸収部内に設けられた体液の吸収体とを備えた男性用体液処理用品において、
前記袋体の前記挿入口が形成された側の内面に取り付けられて前記挿入口の下端部に近接して配置され、前記挿入口から挿入されたペニスを下向きに保持する弾性を備えた保持長体を有することを特徴とする男性用体液処理用品。
【請求項3】
1本の前記保持長体の両端部が、前記挿入口の両側部において前記袋体の内面にそれぞれ取り付けられている請求項1又は2記載の男性用体液処理用品。
【請求項4】
1本の前記保持長体の一端部が、前記挿入口の一側部において前記袋体の内面に取り付けられ、その他端部が前記挿入口の他側部において前記袋体の内面に着脱可能に接合可能である請求項1又は2記載の男性用体液処理用品。
【請求項5】
2本の前記保持長体が、各一端部を前記挿入口の両側において前記袋体の内面にそれぞれ取り付けられ、自由端とされた各他端部を互いに連結することでペニスに係止することを特徴とする請求項1又は2記載の男性用体液処理用品。
【請求項6】
前記保持長体が直帯状であることを特徴とする請求項1乃至5記載の男性用体液処理用品。
【請求項7】
前記保持長体が糸状であることを特徴とする請求項1乃至5記載の男性用体液処理用品。
【請求項8】
前記保持長体が、非装着時には着用者の前方に向けて突出した配置となる湾曲部と、該湾曲部の両端に設けられて前記袋体の内面に回動可能に取り付けられた取付け端部とを有し、
装着時には、前記湾曲部を上方に回動して着用者のペニスを挿通させた後に、前記湾曲部を下方に回動して該湾曲部の突端部でペニスを下向きに押さえるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3記載の男性用体液処理用品。
【請求項9】
前記保持長体が、前記袋体の前記挿入口が形成された面内において略C字形とされた曲帯状であることを特徴とする請求項1乃至3記載の男性用体液処理用品。
【請求項10】
前記袋体に対する前記保持長体の取付け部分の下縁が、前記挿入口の下端よりも上方にあることを特徴とする請求項1乃至9記載の男性用体液処理用品。
【請求項11】
前記袋体に対する前記保持長体の取付け部分の下縁が、前記挿入口の下端よりも下方にあることを特徴とする請求項1乃至9記載の男性用体液処理用品。
【請求項12】
前記挿入口の外側に位置するように、その下端部が前記挿入口の下端部に近接して前記袋体の表面に取り付けられ、挿入口に挿入しようとするペニスが挿入されて抵抗を以って係止する開口を備えたゲートコネクターを有することを特徴とする請求項1乃至11記載の男性用体液処理用品。
【請求項13】
前記ゲートコネクターは、ペニスの装着後に自由端である上端部を前記袋体の表面に接合することを特徴とする請求項12記載の男性用体液処理用品。
【請求項14】
前記ゲートコネクターは、ペニスの装着後に自由端である上端部を前記挿入口の内部に挿入することを特徴とする請求項12記載の男性用体液処理用品。
【請求項15】
前記ゲートコネクターは、その上端部に係止部が形成され、ペニスの装着後に上端部を前記挿入口の内部に挿入するとともに前記保持長体を前記係止部に係止することを特徴とする請求項12記載の男性用体液処理用品。
【請求項16】
前記袋体の表側には、前記挿入口に挿入したペニスを結束する結束手段が設けられたことを特徴とする請求項1乃至15記載の男性用体液処理用品。
【請求項17】
ペニスと接触する前記挿入口の下端縁部に緩衝部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至16記載の男性用体液処理用品。
【請求項18】
前記保持長体によるペニスの保持力が調整可能であることを特徴とする請求項4又は5記載の男性用体液処理用品。
【請求項1】
着用者のペニスを挿入する挿入口が形成された袋体の内部に体液の吸収体が設けられてなる男性用体液処理用品において、
前記袋体の前記挿入口が形成された側の内面に取り付けられて前記挿入口の下端部に近接して配置され、前記挿入口から挿入されたペニスを保持する保持長体を有することを特徴とする男性用体液処理用品。
【請求項2】
着用者のペニスを挿入する挿入口が形成されたペニス格納部及び前記ペニス格納部の両側に前記ペニス格納部にそれぞれ連通して設けられた少なくとも一対の吸収部を有する防漏性の袋体と、前記袋体の前記吸収部内に設けられた体液の吸収体とを備えた男性用体液処理用品において、
前記袋体の前記挿入口が形成された側の内面に取り付けられて前記挿入口の下端部に近接して配置され、前記挿入口から挿入されたペニスを下向きに保持する弾性を備えた保持長体を有することを特徴とする男性用体液処理用品。
【請求項3】
1本の前記保持長体の両端部が、前記挿入口の両側部において前記袋体の内面にそれぞれ取り付けられている請求項1又は2記載の男性用体液処理用品。
【請求項4】
1本の前記保持長体の一端部が、前記挿入口の一側部において前記袋体の内面に取り付けられ、その他端部が前記挿入口の他側部において前記袋体の内面に着脱可能に接合可能である請求項1又は2記載の男性用体液処理用品。
【請求項5】
2本の前記保持長体が、各一端部を前記挿入口の両側において前記袋体の内面にそれぞれ取り付けられ、自由端とされた各他端部を互いに連結することでペニスに係止することを特徴とする請求項1又は2記載の男性用体液処理用品。
【請求項6】
前記保持長体が直帯状であることを特徴とする請求項1乃至5記載の男性用体液処理用品。
【請求項7】
前記保持長体が糸状であることを特徴とする請求項1乃至5記載の男性用体液処理用品。
【請求項8】
前記保持長体が、非装着時には着用者の前方に向けて突出した配置となる湾曲部と、該湾曲部の両端に設けられて前記袋体の内面に回動可能に取り付けられた取付け端部とを有し、
装着時には、前記湾曲部を上方に回動して着用者のペニスを挿通させた後に、前記湾曲部を下方に回動して該湾曲部の突端部でペニスを下向きに押さえるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3記載の男性用体液処理用品。
【請求項9】
前記保持長体が、前記袋体の前記挿入口が形成された面内において略C字形とされた曲帯状であることを特徴とする請求項1乃至3記載の男性用体液処理用品。
【請求項10】
前記袋体に対する前記保持長体の取付け部分の下縁が、前記挿入口の下端よりも上方にあることを特徴とする請求項1乃至9記載の男性用体液処理用品。
【請求項11】
前記袋体に対する前記保持長体の取付け部分の下縁が、前記挿入口の下端よりも下方にあることを特徴とする請求項1乃至9記載の男性用体液処理用品。
【請求項12】
前記挿入口の外側に位置するように、その下端部が前記挿入口の下端部に近接して前記袋体の表面に取り付けられ、挿入口に挿入しようとするペニスが挿入されて抵抗を以って係止する開口を備えたゲートコネクターを有することを特徴とする請求項1乃至11記載の男性用体液処理用品。
【請求項13】
前記ゲートコネクターは、ペニスの装着後に自由端である上端部を前記袋体の表面に接合することを特徴とする請求項12記載の男性用体液処理用品。
【請求項14】
前記ゲートコネクターは、ペニスの装着後に自由端である上端部を前記挿入口の内部に挿入することを特徴とする請求項12記載の男性用体液処理用品。
【請求項15】
前記ゲートコネクターは、その上端部に係止部が形成され、ペニスの装着後に上端部を前記挿入口の内部に挿入するとともに前記保持長体を前記係止部に係止することを特徴とする請求項12記載の男性用体液処理用品。
【請求項16】
前記袋体の表側には、前記挿入口に挿入したペニスを結束する結束手段が設けられたことを特徴とする請求項1乃至15記載の男性用体液処理用品。
【請求項17】
ペニスと接触する前記挿入口の下端縁部に緩衝部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至16記載の男性用体液処理用品。
【請求項18】
前記保持長体によるペニスの保持力が調整可能であることを特徴とする請求項4又は5記載の男性用体液処理用品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−167205(P2006−167205A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364715(P2004−364715)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(592034744)株式会社日本吸収体技術研究所 (28)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(592034744)株式会社日本吸収体技術研究所 (28)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【Fターム(参考)】
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