男性用受尿器具
【課題】コンドーム型の受尿器本体を備える受尿器具において、受尿器本体内の尿の排出を妨げることなく、先端部分に柔軟性を持たせた受尿器本体を備えた受尿器具を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る受尿器具１は、根元側が陰茎に装着されるコンドーム型の受尿器本体５と、受尿器本体５が陰茎から抜けないように固定するための第１固定具１０と、受尿器本体５の先端部に接続されたシリコーンゴム製のチューブ１５と、を備えている。チューブ１５の受尿器本体５との接続側（根元側）の端部は、タコ足状に拡がるようにチューブ１５自体に軸方向の切り込みが複数入れられている。このタコ足部１５ａは、受尿器本体５の先端部内に位置し、受尿器本体５の先端部における内面密着を防止する内面密着防止部材として機能する。
【解決手段】本実施形態に係る受尿器具１は、根元側が陰茎に装着されるコンドーム型の受尿器本体５と、受尿器本体５が陰茎から抜けないように固定するための第１固定具１０と、受尿器本体５の先端部に接続されたシリコーンゴム製のチューブ１５と、を備えている。チューブ１５の受尿器本体５との接続側（根元側）の端部は、タコ足状に拡がるようにチューブ１５自体に軸方向の切り込みが複数入れられている。このタコ足部１５ａは、受尿器本体５の先端部内に位置し、受尿器本体５の先端部における内面密着を防止する内面密着防止部材として機能する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、男性の陰茎に装着し、尿を受けて導尿するための男性用受尿器具に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、寝たきりの老人等の要介護者や失禁性排尿が生じる頸髄損傷者等の排尿の処理を適切に行うのは困難なため、排尿をサポートするための受尿器具が色々と提供されている。例えば、下記特許文献１乃至４に示す受尿器具が知られている。
【０００３】
【特許文献１】特開平１０−２５８０９６号公報
【特許文献２】実開平５−５１２６号公報
【特許文献３】特開平７−２４０１６号公報
【特許文献４】特表平２００６−５０７０１７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来の受尿器具において、受尿器を陰茎に密着して装着させる受尿器本体を採用した場合、受尿器本体のチューブとの接続部も含めて受尿器本体全体を薄い自立性の無い材質（ラテックスゴム製等）で構成すると、受尿器本体の内面が陰茎に密着してしまったり、受尿器内面がチューブの入口端面に密着してしまったりして、受尿器本体内に溜まった尿をチューブへと排出できなくなってしまうといった問題が発生してしまう。
【０００５】
上記問題を解決するために、受尿器本体のチューブとの接続部である先端部分に、外力によって変形させられても直ぐに元の形状に戻る程度の自立性を持たせ、先端部分を他の部分よりも厚めの素材から構成することも考えられるが、受尿器本体の先端部分が自立性を有して硬くなると、装着した際に邪魔になったり、チューブの取り回しの障害となってしまったりするため望ましくない。
【０００６】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、陰茎に装着される受尿器本体を備える受尿器具において、受尿器本体内の尿の排出を妨げることなく、先端部分に柔軟性を持たせた受尿器本体を備えた受尿器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために、本発明に係る男性用受尿器具は、根元側から陰茎に装着される受尿器本体と、前記受尿器本内の尿を排出するために前記受尿器本体の先端に接続されるチューブと、前記受尿器本体の先端部における内面密着を防止するために前記受尿器本体の先端部内に位置する内面密着防止部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明に係る受尿器具によれば、陰茎に装着される受尿器本体を備える受尿器具において、受尿器本体内の尿の排出を妨げることなく、先端部分に柔軟性を持たせた受尿器本体を備えた受尿器具を提供することができる。また、前記内面密着防止部材を、前記チューブの前記受尿器本体側の端部に設置されたタコ足状又は螺旋状に拡がる部材とすれば、チューブの入口端面が受尿器本体の内面によって塞がれることを確実に防止することができ、受尿器本体内の尿を常に安定して外部に排出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。図１は、本実施形態に係る男性用受尿器具の基本構成を示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態に係る受尿器具１は、根元側が陰茎に装着されるコンドーム型の受尿器本体５と、受尿器本体５が陰茎から抜けないように固定するための第１固定具１０と、受尿器本体５の先端部に接続されたシリコーンゴム製のチューブ１５と、を備えている。
【００１０】
受尿器本体５は、拡げた状態のコンドームのようなコンドーム型の形状をしており、薄さ0.02〜0.2mm程度のラテックスゴム製であり、伸縮性や変形性に富んでいる。受尿器本体５は、伸びていない状態では、直径32mm、長さ120mmの筒型をしている。受尿器本体５の根元側には、陰茎を挿入するための筒部と同径の開口が形成されているが、先端側では徐々に径が細くなっており、先端には、チューブ１５を接続するための小孔８が形成されている。
【００１１】
もちろん、受尿器本体５のサイズは適宜変更可能であり、例えば、受尿器本体５の直径は、25〜45mmの範囲内、長さは、100mm〜200mmの範囲内で変更するようにすれば良い。また、複数の大きさのサイズの受尿器本体を用意しておき、装着者の陰茎のサイズに合わせて選択的に使用するようにしても良い。また、受尿器本体５を隙間無く陰茎に密着させるためには、受尿器本体５の直径は、装着される陰茎の直径よりも細いのが望ましい。また、受尿器本体５の先端部形状は、コンドームのような形状に限らず、球形や先端が拡がるような他の形状でも良い。
【００１２】
第１固定具１０は、幅10〜20mm程度の伸縮性包帯であり、図１に示すように、陰茎に装着された受尿器本体５に巻き付けて装着される。なお、第１固定具１０を巻き付ける場所は、陰茎の亀頭の根元側の部分が望ましい。伸縮性包帯の端は、テープで留めるようにしても良いし、結んだり、既に巻いた包帯にねじ込んだりして留めるようにしても良い。このように、第１固定具１０を受尿器本体５の周りに巻き付ければ、受尿器本体５と陰茎との密着性が担保され、受尿器本体５と陰茎との間に生じた隙間から尿が漏れるといったことを防止できる。
【００１３】
チューブ１５は、長さ150mm、内径φ4mmのシリコーンゴム製のチューブである。チューブ１５の一端は、受尿器本体５先端の小孔８に接続されており、受尿器本体５内部とチューブ１５内とで流体の行き来が可能である。また、チューブ１５の受尿器本体５との接続側（根元側）の端部は、図２に示すように、タコ足状に拡がるようにチューブ１５自体に軸方向の切り込みが1cm程度複数入れられている。
【００１４】
このタコ足部１５ａが受尿器本体５の先端部内に位置するように、チューブ１５のタコ足側先端から15mm程度離れた接続部１５ｂにおいて、チューブ１５と受尿器本体５の小孔８部分とが接続されている。なお、図２に点線で示してあるのが、受尿器本体５である。本実施形態に係るタコ足部１５ａは、チューブ１５に切り込みを複数入れて形成された複数の細片から、３本程度間引きを行って形成されている。
【００１５】
このように受尿器本体５の先端部内にタコ足部１５ａが介在していれば、受尿器本体５の内面が亀頭やチューブ１５の入口端面に密着したり、内面同士が密着したりするといったことを防げる。したがって、受尿器本体５内の尿を後述する手動式ポンプによって外部に排出した際に、受尿器本体５内に発生する負圧により受尿器本体５の内面が亀頭やチューブ１５の入口端面に張り付いてしまったり、内面同士が張り付いてしまったりして排出流路が遮断される、といったことを防止できる。もちろん、手動式ポンプを使用しない場合でも、確実に排出流路を確保できる。
【００１６】
チューブ１５には、このチューブ１５内の流路を閉じて流体の流れを止めるためのクリップ式の開閉ストッパー１６が備えられている。ストッパー１６が開状態であれば、チューブ１５の内部流路内を流体等が通過可能であり、ストッパー１６が閉状態であれば、チューブ１５内の流路が閉じられ、チューブ１５内を流体等が通過することはできない。
【００１７】
以上、本実施形態に係る受尿器具１の基本構成について説明したが、続いて、受尿器具１の使用態様について説明する。受尿器具１を使用する際には、受尿器本体５を、その根元側から陰茎に被せ、その後、第１固定具１０を受尿器本体５の周囲に巻き付けることで、受尿器具１を人体に装着する。
【００１８】
また、装着後、受尿器本体５の先端を軽く押さえるなどして受尿器本体５内の空気を抜いてから、チューブ１５のストッパー１６を閉じておくと良い。このとき、装着者が包茎の人の場合には、コンドームを装着する場合と同様に、包皮を剥いて亀頭を露わにしたうえで受尿器本体５を装着する。なお、第１固定具１０で巻かれる部分の包皮は、できるだけ根元側にたぐり寄せて、伸びきった状態で受尿器本体５を装着するのが望ましい。また、コンドームを装着するときと同様に、受尿器本体５の根元側の部分を予めロール状に巻いておき、亀頭側からロール部分を広げることで陰茎を包み込むように装着しても良い。
【００１９】
このような基本構成の受尿器具１は、多少の尿漏れであれば、漏れた尿を受尿器本体５内に溜めておくことが可能である。よって、基本構成の受尿器具１を装着した装着者は、尿漏れがあった場合でも、下着等を汚す心配が無い。排尿をしたい場合には、後述する蓄尿ユニットを接続したり、トイレ等の尿を排出できる場所に移動してストッパー１６を外して排尿と同時に受尿器本体５内の尿をチューブ１５から外部に排出したりすれば良い。
【００２０】
続いて、図３を参照しながら、チューブ１５に接続する蓄尿ユニットの構成について説明する。図３は、本実施形態に係る蓄尿ユニットの構成を示す図である。図３に示すように、蓄尿ユニット３８は、手動式ポンプ３０と蓄尿容器３５とから構成され、受尿器本体５内の尿を蓄尿容器３５に排出するときには、手動式ポンプ３０の一端（上流側）をチューブ１５の先端に接続すると共に、手動式ポンプ３０の他端（下流側）を蓄尿容器３５の流入チューブ３６に接続する。
【００２１】
手動式ポンプ３０は、長さ200mm、内径φ8mmのシリコーンゴム製のチューブ３１と、チューブ３１の上流側（図中左側）に設置された逆止弁３２と、チューブ３１の下流側（図中右側）に設置された逆止弁３３とから構成される。逆止弁３２，３３は、図中左側から右側（上流側から下流側）へのみ流体を流すように構成されており、チューブ３１をつまんで放すのを繰り返すと、手動式ポンプ３０の上流側から下流側へと強制的に流体が流されることになる。
【００２２】
よって、ストッパー１６が開いた状態で、装着者等がチューブ３１を複数回シュポシュポとつまんで凹ませることを繰り返せば、一回当たり5〜10cc程度の尿が、手動式ポンプ３０によって受尿器本体５から蓄尿容器３５へと送られる。また、宇宙ステーション等の無重力環境においても、電力等を必要とすることなく簡単な構成で蓄尿容器３５へと尿を排出することができる。なお、蓄尿容器３５内に溜まった尿は、蓄尿容器３５の下部に設けられた排出口３７を開いて排出することができる。
【００２３】
したがって、就寝時や寝たきりの人の場合には、ストッパー１６を開いた状態で蓄尿ユニット３８を常時接続しておけば、排尿により受尿器本体５内に溜まった尿は、排尿圧や受尿器本体５内の収縮圧等によって蓄尿容器３５へと排出される。特に、蓄尿容器３５を受尿器本体５よりも低い位置に設置しておけば、重力によっても蓄尿器本体５内の尿が蓄尿容器３５に送出されることになり、この場合には手動式ポンプ３０はなくても良い。但し、蓄尿容器３５からの逆流を防止するために、蓄尿容器３５の入口部分に逆止弁を設けることが望ましい。
【００２４】
また、装着者が移動する場合でも、蓄尿ユニット３８を接続したうえで、装着者が立ったときに受尿器本体５よりも低くなる位置、例えば、太もも等に蓄尿容器３５を固定しておけば、最初の数回のポンプ動作のみで、後は重力によって受尿器本体５内に溜まった尿を適宜蓄尿容器３５に送出することが可能である。また、蓄尿容器３５が受尿器本体５よりも高い位置に設置されている場合や、無重力環境においては、手動でのポンプ作業によって尿を送出する。本実施形態に係る蓄尿容器３５は、600ccの尿を溜めることができるので、トイレ等の尿を捨てる場所が無い場合であっても、二回分程度の排尿を溜めておくことが可能である。
【００２５】
以上、詳細に説明した本実施形態に係る受尿器具１によれば、図１に示した基本構成であれば、陰茎に装着される受尿器本体５と、ストッパー１６付きのチューブ１５等の小型軽量の部材だけで済むので、装着者は、負担を感じることなく、人体に装着したまま外出が可能である。また、多少の尿漏れ程度であれば受尿器本体５内に溜めることができる。
【００２６】
また、本実施形態においては、受尿器本体５と接続されるチューブ１５の受尿器本体５内に位置する先端に、タコ足状に拡がるタコ足部１５ａを形成している。このタコ足部１５ａは、受尿器本体５の先端部分の内面同士が密着したりするのを防止する、受尿器本体５先端部における内面密着防止部材として機能している。
【００２７】
このような構成によれば、従来のように先端部に自立性を持たせて固くする必要がないので、排尿用のチューブの取り回しを自由に行うことができると共に、装着者にとって受尿器本体５の先端部分が邪魔になったりすることがない。
【００２８】
また、チューブ１５がシリコーンゴム製であるから、受尿器本体５の先端部内に位置するタコ足部１５ａが装着者の亀頭に触れたときに、装着者が痛みや不快を感じることはなく、快適に受尿器本体５を装着することが可能である。
【００２９】
また、本実施形態に係る受尿器具は、市販のシリコーンゴム製のチューブや、コンドームを手に入れて、コンドーム先端に穴を開けてチューブを接続すれば、容易に作ることもでき、交換時には、コンドームだけ交換して、チューブは洗浄して再利用することも可能である。
【００３０】
以上、本実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。例えば、ストッパー１６は、チューブ１５の途中を挟み込むクリップ式ではなく、チューブ１５の先端に差し込んだりねじ込んだりするキャップ式のストッパーなど、チューブ１５内の流路を閉じたり開いたりできる部材であれば適宜他の構成の部材を採用することができる。
【００３１】
チューブ１５の先端を覆うキャップ式のストッパーとしては、チューブ１５の外形と同じか僅かに小さな内径を持つシリコーンゴム製のチューブを2,3cmの長さに切断すると共に、切断したチューブ片の一方の端部を、内面同士を接着剤で密着固定して閉じることで製造することができ、このチューブ片の閉じていない端部側をチューブ１５の先端に伸ばして被せれば、ストッパーとして作用する。
【００３２】
また、チューブ１５の先端にねじ込まれるキャップ式のストッパーとしては、チューブ１５の内径と同じか僅かに大きな外形を持つシリコーンゴム製のチューブを2,3cmの長さの長さに切断すると共に、切断したチューブ片の一方の端部を、内面同士を接着剤で密着固定して閉じることで製造することでき、このチューブ片の閉じていない端部側をチューブの１５の先端内に縮めて挿入すれば、ストッパーとして作用する。このように、ストッパーとして、チューブと同じ軟らかいシリコーンゴム製の物を使用すれば、ストッパーが邪魔にならず、快適に受尿器具を装着することができる。
【００３３】
また、受尿器本体５先端部の内面密着防止部材は、上記チューブ１５の先端に形成されたタコ足部１５ａに限定されるものでなく、受尿器本体５の先端部の内面同士が密着したり、内面が陰茎表面に密着したり、内面がチューブ１５の入口端面に密着したりするのを阻止して、受尿器本体５内に溜まった尿の排出が妨害されるのを防止できる部材であれば、内面密着防止部材として適宜他の部材を採用することができる。
【００３４】
例えば、軟らかい布やスポンジ等で作成した構造物を隙間部材（内面密着防止部材）として受尿器本体５の先端部内に入れておくことでも同様の作用効果を得ることができる。また、チューブ１５に切り込みを入れるのではなく、チューブ１５の先端にシリコーンゴム製のタコ足状（放射線状）に拡がった部材や、螺旋状部材等を接続して設置するようにしても良い。
【００３５】
（変形例１）
続いて、本実施形態の変形例１について図４を参照しながら説明する。図４は、本実施形態の変形例１に係る受尿器具の構成を示す斜視図である。本変形例１に係る受尿器具２は、受尿器本体５を人体に装着するための装着具４０を備えたことを特徴としており、その他の構成は、上記実施形態と同様であるため、同様の構成には同じ番号を付し、説明を省略する。
【００３６】
同図に示すように、装着具４０は、第１帯形布状部材４１、第２帯形布状部材４２、接続紐４４から構成されており、第１帯形布状部材４１と第２帯形布状部材４２の側縁部が縫い合わされて、筒部が形成されている。第１帯形布状部材４１は、第２帯形布状部材４２の３分の１程度の長さであり、両者の後側の位置が合わされている。また、筒部の前後端共に開放端であり、装着時には、この筒部内に受尿器本体５が通される。
【００３７】
第２帯形布状部材４２の前側端部の両端には、接続部材としての接続紐４４が縫い付けられ、第２帯形布状部材４２の後側端部の両端には、同じく接続紐４４が縫い付けられている。これら接続紐４４が、腰に装着されたゴム製の腰紐４９の前後に設けられたボタンに引っ掛けられることで、装着具４０が股間の下側に装着されることになる。
【００３８】
本変形例１によれば、接続紐４４によって腰紐４９に接続された装着具４０が、前方から上方へ、且つ、後方から上方へ引っ張られながら人体に装着される。このとき、陰茎が挿入されている受尿器本体５は、装着具４０の下面（第２帯形布状部材４２の上面）によって、面接触で上方へ押されて、股間の下面に押しつけられると共に、第１帯形布状部材４１及び第２帯形布状部材４２のよって囲まれた筒内に保持されている。
【００３９】
よって、本変形例１によれば、股間の下方において人体の前後方向に延在する受尿器本体５から陰茎が抜けようとしても、受尿器本体５と陰茎とが密着した状態で装着具４０によって股間に押しつけられているため、簡単に抜けることを防止することができ、受尿器本体５を安定して人体に対して固定することができる。
【００４０】
なお、本変形例１では、装着具４０の接続紐４４を腰に装着された腰紐４９に取り付けることで受尿器具２を人体に対して装着・固定するように構成したが、腰紐４９ではなく、肩に回された紐に接続したり、受尿器具２を下着の中に装着するようにして、下着の上部に接続固定したりするようにしても良く、装着具４０を前方及び後方から上方に引っ張りながら装着できるのであれば、接続部材としての接続紐４４は任意の位置に固定することができる。
【００４１】
また、本変形例１では、装着具を腰紐４９に固定するために紐とボタンを用いているが、例えば、面ファスナー、いわゆるマジックテープ（登録商標）等、手軽に着脱可能な接続部材であれば、適宜他の接続部材を採用して固定するようにしても良い。
【００４２】
また、本変形例１では、装着具４０を２つの帯形布状部材の側面部を縫い合わせて構成し、この装着具４０の筒内に陰茎に装着した受尿器本体５を挿入するようにしているが、展開された方形状の布を陰茎に装着された受尿器本体５に巻き付けてから、接着テープ、紐、メカニカルファスナー等で布を固定するようにしても良い。このように、装着具側を受尿器本体５に巻き付けるようにして筒部を構成すれば、陰茎に装着した受尿器本体を陰茎ごと装着具の筒部内に挿入する必要がなく、簡単に装着具を人体に装着することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】図１は、本実施形態に係る男性用の受尿器具の基本構成を示す斜視図である。
【図２】図２は、本実施形態に係るチューブのタコ足部を示す斜視図である。
【図３】図３は、本実施形態に係る受尿器具を構成する蓄尿ユニットの構成を示す図である。
【図４】図４は、本実施形態の変形例１に係る受尿器具の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００４４】
１，２ 受尿器具
５ 受尿器本体
１０ 第１固定具
１５ チューブ
１６ ストッパー
３０ 手動式ポンプ
３５ 蓄尿容器
３８ 蓄尿ユニット
４０ 装着具
【技術分野】
【０００１】
本発明は、男性の陰茎に装着し、尿を受けて導尿するための男性用受尿器具に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、寝たきりの老人等の要介護者や失禁性排尿が生じる頸髄損傷者等の排尿の処理を適切に行うのは困難なため、排尿をサポートするための受尿器具が色々と提供されている。例えば、下記特許文献１乃至４に示す受尿器具が知られている。
【０００３】
【特許文献１】特開平１０−２５８０９６号公報
【特許文献２】実開平５−５１２６号公報
【特許文献３】特開平７−２４０１６号公報
【特許文献４】特表平２００６−５０７０１７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来の受尿器具において、受尿器を陰茎に密着して装着させる受尿器本体を採用した場合、受尿器本体のチューブとの接続部も含めて受尿器本体全体を薄い自立性の無い材質（ラテックスゴム製等）で構成すると、受尿器本体の内面が陰茎に密着してしまったり、受尿器内面がチューブの入口端面に密着してしまったりして、受尿器本体内に溜まった尿をチューブへと排出できなくなってしまうといった問題が発生してしまう。
【０００５】
上記問題を解決するために、受尿器本体のチューブとの接続部である先端部分に、外力によって変形させられても直ぐに元の形状に戻る程度の自立性を持たせ、先端部分を他の部分よりも厚めの素材から構成することも考えられるが、受尿器本体の先端部分が自立性を有して硬くなると、装着した際に邪魔になったり、チューブの取り回しの障害となってしまったりするため望ましくない。
【０００６】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、陰茎に装着される受尿器本体を備える受尿器具において、受尿器本体内の尿の排出を妨げることなく、先端部分に柔軟性を持たせた受尿器本体を備えた受尿器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために、本発明に係る男性用受尿器具は、根元側から陰茎に装着される受尿器本体と、前記受尿器本内の尿を排出するために前記受尿器本体の先端に接続されるチューブと、前記受尿器本体の先端部における内面密着を防止するために前記受尿器本体の先端部内に位置する内面密着防止部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明に係る受尿器具によれば、陰茎に装着される受尿器本体を備える受尿器具において、受尿器本体内の尿の排出を妨げることなく、先端部分に柔軟性を持たせた受尿器本体を備えた受尿器具を提供することができる。また、前記内面密着防止部材を、前記チューブの前記受尿器本体側の端部に設置されたタコ足状又は螺旋状に拡がる部材とすれば、チューブの入口端面が受尿器本体の内面によって塞がれることを確実に防止することができ、受尿器本体内の尿を常に安定して外部に排出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。図１は、本実施形態に係る男性用受尿器具の基本構成を示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態に係る受尿器具１は、根元側が陰茎に装着されるコンドーム型の受尿器本体５と、受尿器本体５が陰茎から抜けないように固定するための第１固定具１０と、受尿器本体５の先端部に接続されたシリコーンゴム製のチューブ１５と、を備えている。
【００１０】
受尿器本体５は、拡げた状態のコンドームのようなコンドーム型の形状をしており、薄さ0.02〜0.2mm程度のラテックスゴム製であり、伸縮性や変形性に富んでいる。受尿器本体５は、伸びていない状態では、直径32mm、長さ120mmの筒型をしている。受尿器本体５の根元側には、陰茎を挿入するための筒部と同径の開口が形成されているが、先端側では徐々に径が細くなっており、先端には、チューブ１５を接続するための小孔８が形成されている。
【００１１】
もちろん、受尿器本体５のサイズは適宜変更可能であり、例えば、受尿器本体５の直径は、25〜45mmの範囲内、長さは、100mm〜200mmの範囲内で変更するようにすれば良い。また、複数の大きさのサイズの受尿器本体を用意しておき、装着者の陰茎のサイズに合わせて選択的に使用するようにしても良い。また、受尿器本体５を隙間無く陰茎に密着させるためには、受尿器本体５の直径は、装着される陰茎の直径よりも細いのが望ましい。また、受尿器本体５の先端部形状は、コンドームのような形状に限らず、球形や先端が拡がるような他の形状でも良い。
【００１２】
第１固定具１０は、幅10〜20mm程度の伸縮性包帯であり、図１に示すように、陰茎に装着された受尿器本体５に巻き付けて装着される。なお、第１固定具１０を巻き付ける場所は、陰茎の亀頭の根元側の部分が望ましい。伸縮性包帯の端は、テープで留めるようにしても良いし、結んだり、既に巻いた包帯にねじ込んだりして留めるようにしても良い。このように、第１固定具１０を受尿器本体５の周りに巻き付ければ、受尿器本体５と陰茎との密着性が担保され、受尿器本体５と陰茎との間に生じた隙間から尿が漏れるといったことを防止できる。
【００１３】
チューブ１５は、長さ150mm、内径φ4mmのシリコーンゴム製のチューブである。チューブ１５の一端は、受尿器本体５先端の小孔８に接続されており、受尿器本体５内部とチューブ１５内とで流体の行き来が可能である。また、チューブ１５の受尿器本体５との接続側（根元側）の端部は、図２に示すように、タコ足状に拡がるようにチューブ１５自体に軸方向の切り込みが1cm程度複数入れられている。
【００１４】
このタコ足部１５ａが受尿器本体５の先端部内に位置するように、チューブ１５のタコ足側先端から15mm程度離れた接続部１５ｂにおいて、チューブ１５と受尿器本体５の小孔８部分とが接続されている。なお、図２に点線で示してあるのが、受尿器本体５である。本実施形態に係るタコ足部１５ａは、チューブ１５に切り込みを複数入れて形成された複数の細片から、３本程度間引きを行って形成されている。
【００１５】
このように受尿器本体５の先端部内にタコ足部１５ａが介在していれば、受尿器本体５の内面が亀頭やチューブ１５の入口端面に密着したり、内面同士が密着したりするといったことを防げる。したがって、受尿器本体５内の尿を後述する手動式ポンプによって外部に排出した際に、受尿器本体５内に発生する負圧により受尿器本体５の内面が亀頭やチューブ１５の入口端面に張り付いてしまったり、内面同士が張り付いてしまったりして排出流路が遮断される、といったことを防止できる。もちろん、手動式ポンプを使用しない場合でも、確実に排出流路を確保できる。
【００１６】
チューブ１５には、このチューブ１５内の流路を閉じて流体の流れを止めるためのクリップ式の開閉ストッパー１６が備えられている。ストッパー１６が開状態であれば、チューブ１５の内部流路内を流体等が通過可能であり、ストッパー１６が閉状態であれば、チューブ１５内の流路が閉じられ、チューブ１５内を流体等が通過することはできない。
【００１７】
以上、本実施形態に係る受尿器具１の基本構成について説明したが、続いて、受尿器具１の使用態様について説明する。受尿器具１を使用する際には、受尿器本体５を、その根元側から陰茎に被せ、その後、第１固定具１０を受尿器本体５の周囲に巻き付けることで、受尿器具１を人体に装着する。
【００１８】
また、装着後、受尿器本体５の先端を軽く押さえるなどして受尿器本体５内の空気を抜いてから、チューブ１５のストッパー１６を閉じておくと良い。このとき、装着者が包茎の人の場合には、コンドームを装着する場合と同様に、包皮を剥いて亀頭を露わにしたうえで受尿器本体５を装着する。なお、第１固定具１０で巻かれる部分の包皮は、できるだけ根元側にたぐり寄せて、伸びきった状態で受尿器本体５を装着するのが望ましい。また、コンドームを装着するときと同様に、受尿器本体５の根元側の部分を予めロール状に巻いておき、亀頭側からロール部分を広げることで陰茎を包み込むように装着しても良い。
【００１９】
このような基本構成の受尿器具１は、多少の尿漏れであれば、漏れた尿を受尿器本体５内に溜めておくことが可能である。よって、基本構成の受尿器具１を装着した装着者は、尿漏れがあった場合でも、下着等を汚す心配が無い。排尿をしたい場合には、後述する蓄尿ユニットを接続したり、トイレ等の尿を排出できる場所に移動してストッパー１６を外して排尿と同時に受尿器本体５内の尿をチューブ１５から外部に排出したりすれば良い。
【００２０】
続いて、図３を参照しながら、チューブ１５に接続する蓄尿ユニットの構成について説明する。図３は、本実施形態に係る蓄尿ユニットの構成を示す図である。図３に示すように、蓄尿ユニット３８は、手動式ポンプ３０と蓄尿容器３５とから構成され、受尿器本体５内の尿を蓄尿容器３５に排出するときには、手動式ポンプ３０の一端（上流側）をチューブ１５の先端に接続すると共に、手動式ポンプ３０の他端（下流側）を蓄尿容器３５の流入チューブ３６に接続する。
【００２１】
手動式ポンプ３０は、長さ200mm、内径φ8mmのシリコーンゴム製のチューブ３１と、チューブ３１の上流側（図中左側）に設置された逆止弁３２と、チューブ３１の下流側（図中右側）に設置された逆止弁３３とから構成される。逆止弁３２，３３は、図中左側から右側（上流側から下流側）へのみ流体を流すように構成されており、チューブ３１をつまんで放すのを繰り返すと、手動式ポンプ３０の上流側から下流側へと強制的に流体が流されることになる。
【００２２】
よって、ストッパー１６が開いた状態で、装着者等がチューブ３１を複数回シュポシュポとつまんで凹ませることを繰り返せば、一回当たり5〜10cc程度の尿が、手動式ポンプ３０によって受尿器本体５から蓄尿容器３５へと送られる。また、宇宙ステーション等の無重力環境においても、電力等を必要とすることなく簡単な構成で蓄尿容器３５へと尿を排出することができる。なお、蓄尿容器３５内に溜まった尿は、蓄尿容器３５の下部に設けられた排出口３７を開いて排出することができる。
【００２３】
したがって、就寝時や寝たきりの人の場合には、ストッパー１６を開いた状態で蓄尿ユニット３８を常時接続しておけば、排尿により受尿器本体５内に溜まった尿は、排尿圧や受尿器本体５内の収縮圧等によって蓄尿容器３５へと排出される。特に、蓄尿容器３５を受尿器本体５よりも低い位置に設置しておけば、重力によっても蓄尿器本体５内の尿が蓄尿容器３５に送出されることになり、この場合には手動式ポンプ３０はなくても良い。但し、蓄尿容器３５からの逆流を防止するために、蓄尿容器３５の入口部分に逆止弁を設けることが望ましい。
【００２４】
また、装着者が移動する場合でも、蓄尿ユニット３８を接続したうえで、装着者が立ったときに受尿器本体５よりも低くなる位置、例えば、太もも等に蓄尿容器３５を固定しておけば、最初の数回のポンプ動作のみで、後は重力によって受尿器本体５内に溜まった尿を適宜蓄尿容器３５に送出することが可能である。また、蓄尿容器３５が受尿器本体５よりも高い位置に設置されている場合や、無重力環境においては、手動でのポンプ作業によって尿を送出する。本実施形態に係る蓄尿容器３５は、600ccの尿を溜めることができるので、トイレ等の尿を捨てる場所が無い場合であっても、二回分程度の排尿を溜めておくことが可能である。
【００２５】
以上、詳細に説明した本実施形態に係る受尿器具１によれば、図１に示した基本構成であれば、陰茎に装着される受尿器本体５と、ストッパー１６付きのチューブ１５等の小型軽量の部材だけで済むので、装着者は、負担を感じることなく、人体に装着したまま外出が可能である。また、多少の尿漏れ程度であれば受尿器本体５内に溜めることができる。
【００２６】
また、本実施形態においては、受尿器本体５と接続されるチューブ１５の受尿器本体５内に位置する先端に、タコ足状に拡がるタコ足部１５ａを形成している。このタコ足部１５ａは、受尿器本体５の先端部分の内面同士が密着したりするのを防止する、受尿器本体５先端部における内面密着防止部材として機能している。
【００２７】
このような構成によれば、従来のように先端部に自立性を持たせて固くする必要がないので、排尿用のチューブの取り回しを自由に行うことができると共に、装着者にとって受尿器本体５の先端部分が邪魔になったりすることがない。
【００２８】
また、チューブ１５がシリコーンゴム製であるから、受尿器本体５の先端部内に位置するタコ足部１５ａが装着者の亀頭に触れたときに、装着者が痛みや不快を感じることはなく、快適に受尿器本体５を装着することが可能である。
【００２９】
また、本実施形態に係る受尿器具は、市販のシリコーンゴム製のチューブや、コンドームを手に入れて、コンドーム先端に穴を開けてチューブを接続すれば、容易に作ることもでき、交換時には、コンドームだけ交換して、チューブは洗浄して再利用することも可能である。
【００３０】
以上、本実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。例えば、ストッパー１６は、チューブ１５の途中を挟み込むクリップ式ではなく、チューブ１５の先端に差し込んだりねじ込んだりするキャップ式のストッパーなど、チューブ１５内の流路を閉じたり開いたりできる部材であれば適宜他の構成の部材を採用することができる。
【００３１】
チューブ１５の先端を覆うキャップ式のストッパーとしては、チューブ１５の外形と同じか僅かに小さな内径を持つシリコーンゴム製のチューブを2,3cmの長さに切断すると共に、切断したチューブ片の一方の端部を、内面同士を接着剤で密着固定して閉じることで製造することができ、このチューブ片の閉じていない端部側をチューブ１５の先端に伸ばして被せれば、ストッパーとして作用する。
【００３２】
また、チューブ１５の先端にねじ込まれるキャップ式のストッパーとしては、チューブ１５の内径と同じか僅かに大きな外形を持つシリコーンゴム製のチューブを2,3cmの長さの長さに切断すると共に、切断したチューブ片の一方の端部を、内面同士を接着剤で密着固定して閉じることで製造することでき、このチューブ片の閉じていない端部側をチューブの１５の先端内に縮めて挿入すれば、ストッパーとして作用する。このように、ストッパーとして、チューブと同じ軟らかいシリコーンゴム製の物を使用すれば、ストッパーが邪魔にならず、快適に受尿器具を装着することができる。
【００３３】
また、受尿器本体５先端部の内面密着防止部材は、上記チューブ１５の先端に形成されたタコ足部１５ａに限定されるものでなく、受尿器本体５の先端部の内面同士が密着したり、内面が陰茎表面に密着したり、内面がチューブ１５の入口端面に密着したりするのを阻止して、受尿器本体５内に溜まった尿の排出が妨害されるのを防止できる部材であれば、内面密着防止部材として適宜他の部材を採用することができる。
【００３４】
例えば、軟らかい布やスポンジ等で作成した構造物を隙間部材（内面密着防止部材）として受尿器本体５の先端部内に入れておくことでも同様の作用効果を得ることができる。また、チューブ１５に切り込みを入れるのではなく、チューブ１５の先端にシリコーンゴム製のタコ足状（放射線状）に拡がった部材や、螺旋状部材等を接続して設置するようにしても良い。
【００３５】
（変形例１）
続いて、本実施形態の変形例１について図４を参照しながら説明する。図４は、本実施形態の変形例１に係る受尿器具の構成を示す斜視図である。本変形例１に係る受尿器具２は、受尿器本体５を人体に装着するための装着具４０を備えたことを特徴としており、その他の構成は、上記実施形態と同様であるため、同様の構成には同じ番号を付し、説明を省略する。
【００３６】
同図に示すように、装着具４０は、第１帯形布状部材４１、第２帯形布状部材４２、接続紐４４から構成されており、第１帯形布状部材４１と第２帯形布状部材４２の側縁部が縫い合わされて、筒部が形成されている。第１帯形布状部材４１は、第２帯形布状部材４２の３分の１程度の長さであり、両者の後側の位置が合わされている。また、筒部の前後端共に開放端であり、装着時には、この筒部内に受尿器本体５が通される。
【００３７】
第２帯形布状部材４２の前側端部の両端には、接続部材としての接続紐４４が縫い付けられ、第２帯形布状部材４２の後側端部の両端には、同じく接続紐４４が縫い付けられている。これら接続紐４４が、腰に装着されたゴム製の腰紐４９の前後に設けられたボタンに引っ掛けられることで、装着具４０が股間の下側に装着されることになる。
【００３８】
本変形例１によれば、接続紐４４によって腰紐４９に接続された装着具４０が、前方から上方へ、且つ、後方から上方へ引っ張られながら人体に装着される。このとき、陰茎が挿入されている受尿器本体５は、装着具４０の下面（第２帯形布状部材４２の上面）によって、面接触で上方へ押されて、股間の下面に押しつけられると共に、第１帯形布状部材４１及び第２帯形布状部材４２のよって囲まれた筒内に保持されている。
【００３９】
よって、本変形例１によれば、股間の下方において人体の前後方向に延在する受尿器本体５から陰茎が抜けようとしても、受尿器本体５と陰茎とが密着した状態で装着具４０によって股間に押しつけられているため、簡単に抜けることを防止することができ、受尿器本体５を安定して人体に対して固定することができる。
【００４０】
なお、本変形例１では、装着具４０の接続紐４４を腰に装着された腰紐４９に取り付けることで受尿器具２を人体に対して装着・固定するように構成したが、腰紐４９ではなく、肩に回された紐に接続したり、受尿器具２を下着の中に装着するようにして、下着の上部に接続固定したりするようにしても良く、装着具４０を前方及び後方から上方に引っ張りながら装着できるのであれば、接続部材としての接続紐４４は任意の位置に固定することができる。
【００４１】
また、本変形例１では、装着具を腰紐４９に固定するために紐とボタンを用いているが、例えば、面ファスナー、いわゆるマジックテープ（登録商標）等、手軽に着脱可能な接続部材であれば、適宜他の接続部材を採用して固定するようにしても良い。
【００４２】
また、本変形例１では、装着具４０を２つの帯形布状部材の側面部を縫い合わせて構成し、この装着具４０の筒内に陰茎に装着した受尿器本体５を挿入するようにしているが、展開された方形状の布を陰茎に装着された受尿器本体５に巻き付けてから、接着テープ、紐、メカニカルファスナー等で布を固定するようにしても良い。このように、装着具側を受尿器本体５に巻き付けるようにして筒部を構成すれば、陰茎に装着した受尿器本体を陰茎ごと装着具の筒部内に挿入する必要がなく、簡単に装着具を人体に装着することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】図１は、本実施形態に係る男性用の受尿器具の基本構成を示す斜視図である。
【図２】図２は、本実施形態に係るチューブのタコ足部を示す斜視図である。
【図３】図３は、本実施形態に係る受尿器具を構成する蓄尿ユニットの構成を示す図である。
【図４】図４は、本実施形態の変形例１に係る受尿器具の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００４４】
１，２ 受尿器具
５ 受尿器本体
１０ 第１固定具
１５ チューブ
１６ ストッパー
３０ 手動式ポンプ
３５ 蓄尿容器
３８ 蓄尿ユニット
４０ 装着具
【特許請求の範囲】
【請求項１】
根元側から陰茎に装着される受尿器本体と、
前記受尿器本体内の尿を排出するために前記受尿器本体の先端に接続されるチューブと、
前記受尿器本体の先端部における内面密着を防止するために前記受尿器本体の先端部内に位置する内面密着防止部材と、
を備えることを特徴とする男性用受尿器具。
【請求項２】
前記内面密着防止部材は、前記チューブの前記受尿器本体側の端部に設置されたタコ足状又は螺旋状に拡がる部材であることを特徴とする請求項１記載の男性用受尿器具。
【請求項３】
前記内面密着防止部材は、前記チューブの前記受尿器本体側の端部がタコ足状に拡がるように、当該端部に複数の切り込みを入れることで形成されたタコ足部材であることを特徴とする請求項２記載の男性用受尿器具。
【請求項４】
前記チューブ及び前記内面密着防止部材は、シリコーンゴム製であることを特徴とする請求項２記載の男性用受尿器具。
【請求項１】
根元側から陰茎に装着される受尿器本体と、
前記受尿器本体内の尿を排出するために前記受尿器本体の先端に接続されるチューブと、
前記受尿器本体の先端部における内面密着を防止するために前記受尿器本体の先端部内に位置する内面密着防止部材と、
を備えることを特徴とする男性用受尿器具。
【請求項２】
前記内面密着防止部材は、前記チューブの前記受尿器本体側の端部に設置されたタコ足状又は螺旋状に拡がる部材であることを特徴とする請求項１記載の男性用受尿器具。
【請求項３】
前記内面密着防止部材は、前記チューブの前記受尿器本体側の端部がタコ足状に拡がるように、当該端部に複数の切り込みを入れることで形成されたタコ足部材であることを特徴とする請求項２記載の男性用受尿器具。
【請求項４】
前記チューブ及び前記内面密着防止部材は、シリコーンゴム製であることを特徴とする請求項２記載の男性用受尿器具。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１０−１１５２９０（Ｐ２０１０−１１５２９０Ａ）
【公開日】平成２２年５月２７日（２０１０．５．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２８９３６６（Ｐ２００８−２８９３６６）
【出願日】平成２０年１１月１２日（２００８．１１．１２）
【出願人】（５０８１１４６０５）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年５月２７日（２０１０．５．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１１月１２日（２００８．１１．１２）
【出願人】（５０８１１４６０５）
【Ｆターム（参考）】
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