説明

画像データ出力装置及び画像表示装置

【課題】画像データ出力装置の盗難等を抑制することができると共に、見栄えを向上することができる画像データ出力装置および画像表示装置を提供すること。
【解決手段】画像を表示する表示装置20と接続することにより、画像を表示するための画像データを表示装置20に出力する画像データ出力装置10であって、表示装置20を所定の場所に固定する固定装置30と表示装置20との間に配置され、4つのネジ50によって表示装置20及び固定装置30の固定板33と共締め固定可能に形成されている。筐体11と固定板33には、ネジ50の軸部50bを挿通する貫通穴12,35がそれぞれ4つずつ形成され、表示装置20の背面22には、4つのネジ穴23が形成されている。各貫通穴12には、スペーサ13が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等の場所で、電子POP(Point of Presence,Point of Purchase advertising)や電子看板(digital signage:デジタルサイネージ)等と称されるシステム(以下、デジタルサイネージシステムと称する)の一部を構成する画像データ出力装置及び当該画像データ出力装置を備えた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗や公共の場所等で、広告等を表示するために電子表示装置が広く用いられており、電子POPや電子看板等と称されるデジタルサイネージシステムが構築されている。このようなデジタルサイネージシステムの一部を構成する画像データ出力装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
画像データ出力装置は、画像を表示する表示装置(例えば、液晶モニタ)と接続することにより、画像を表示するための画像データを表示装置に出力するものである。画像データ出力装置は、画像データを表示装置に出力するための電子回路基板等を箱状の筐体の内部に有している。また、画像データ出力装置の筐体には、画像データを入出力する信号ケーブルの接続端子(LAN端子コネクタ等)や電源入力端子等、種々の入出力端子を備えている。
【0004】
また、表示装置は、表示画面を有する本体部と、この本体部を支持し、所定の場所に固定するための固定装置を備えて、単体として構成されていることが多い。このような表示装置は、店舗の商品棚や会計コーナーの台等に上記固定装置によって固定される。
【0005】
画像データ出力装置は、上記表示装置とは、通常、別体に構成されており、上記表示装置に対して後付けされることが多い。また、画像データ出力装置は、上記表示装置に比べて、小型であることが多い。
【0006】
したがって、店舗等において上記デジタルサイネージシステムを構築する場合には、画像データ出力装置は、表示装置の近傍に配置され、表示装置と所定のケーブルで接続される。これによって、デジタルサイネージシステムの端末としての画像表示装置が構築されていた。
【0007】
画像データ出力装置の配置形態としては、画像データ出力装置を、店舗の商品棚や会計コーナーの台等に固定することなく、表示装置の近傍に単に置くだけであったり、或いは、画像データ出力装置を固定する場合であっても、画像データ出力装置の筐体を上記商品棚等の所定箇所に両面テープ等で簡易的に固定する程度であった。
【特許文献1】特開2005−251170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、上記従来技術にあっては、画像データ出力装置を、店舗の商品棚や会計コーナーの台等に強固に固定することなく、表示装置の近傍に単に置くだけであったり、或いは、固定する場合であっても、画像データ出力装置の筐体を上記商品棚等の所定箇所に両面テープ等で簡易的に固定する程度であった。加えて、画像データ出力装置は、上記表示装置に比べて、小型であることが多く、店舗等の外部へ持ち出し易かった。したがって、従来の画像データ出力装置は、心ない者によるいたずらや盗難を回避することは困難であった。
【0009】
また、画像データ出力装置は、表示装置の近傍に配置されるものの、表示装置とは別体に設けられているので、表示装置との信号ケーブルの配設作業が煩雑になり易いと共に、見栄えも良くなかった。
【0010】
このように、従来より、画像データ出力装置の盗難等を抑制することができると共に、見栄えを向上することができる画像データ出力装置の提供が望まれていた。
【0011】
また、画像データ出力装置の盗難等を抑制することができると共に、見栄えを向上することができる画像表示装置の提供が望まれていた。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像データ出力装置の盗難を抑制することができると共に、見栄えを向上することができる画像データ出力装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、画像データ出力装置の盗難を抑制することができると共に、見栄えを向上することができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、(1)本発明は、画像を表示する表示装置と接続することにより、前記画像を表示するための画像データを前記表示装置に出力する画像データ出力装置であって、前記表示装置を所定の場所に固定する固定装置と前記表示装置との間に配置され、又は、前記表示装置の背後に配置された前記固定装置の更に背後に配置され、締結固定手段によって前記表示装置及び前記固定装置と共締め固定可能に形成されていることを特徴とする。
【0015】
(2) (1)の発明においては、前記画像データ出力装置及び前記固定装置には、締結固定手段であるネジの軸部を挿通する貫通穴がそれぞれ形成され、前記表示装置の背面であって前記貫通穴と対応する位置には、前記ネジの軸部と螺合するネジ穴が形成され、前記画像データ出力装置は、前記ネジによって前記表示装置及び前記固定装置と共締め固定可能であることが好ましい。
【0016】
(3) (2)に記載の発明においては、前記画像データ出力装置の前記貫通穴には、前記ネジの軸部が挿通される筒状のスペーサが固定され、前記スペーサの軸方向の長さは、少なくとも前記画像データ出力装置の前記貫通穴の長さと同じか、又はそれ以上に形成され、前記スペーサは、当該スペーサの軸方向の両端面が前記画像データ出力装置の表面と面一となるように、又は当該表面から所定量突出するように設けられていることが好ましい。
【0017】
(4) (2)又は(3)に記載の発明においては、前記貫通穴は、少なくとも3つ設けられていることが好ましい。
【0018】
(5) (3)に記載の発明においては、前記スペーサの外径は、前記画像データ出力装置が前記ネジによって共締め固定されたときに、前記スペーサが前記画像データ出力装置に対して所定以上の応力を及ぼさないように、前記画像データ出力装置の前記貫通穴の内径よりも小さく形成されていることが好ましい。
【0019】
(6)本発明は、画像を表示する表示装置と、前記表示装置に接続され、前記画像を表示するための画像データを前記表示装置に出力する画像データ出力装置と、前記表示装置を所定の場所に固定する固定装置と、を備えた画像表示装置であって、前記画像データ出力装置は、前記表示装置と前記固定装置との間に配置され、又は、前記表示装置の背後に配置された前記固定装置の更に背後に配置され、締結固定手段によって前記表示装置及び前記固定装置と共締め固定可能に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、画像データ出力装置の盗難等を抑制することができると共に、見栄えを向上することができる画像データ出力装置を提供することができる。
【0021】
また、本発明によれば、画像データ出力装置の盗難等を抑制することができると共に、見栄えを向上することができる画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像データ出力装置を固定する様子を示す組立斜視図、図2は、画像データ出力装置のスペーサ近傍の構造を示す部分断面図である。
【0023】
<画像データ出力装置10の説明>
図1及び図2に示すように、画像データ出力装置10は、画像を表示する表示装置20と接続することにより、画像を表示するための画像データを表示装置20に出力するものである。すなわち、画像データ出力装置10は、店舗等の場所で、電子POPや電子看板等と称されるデジタルサイネージシステムの一部を構成するものである。なお、上記画像データとは、店舗等において販売される商品の広告等の種々の情報をいい、消費者等に告知したいあらゆる文字や写真その他の映像情報を含むものである。また、画像は、静止画であるか動画であるかを問わない。上記画像データは、音声データを排除するものではなく、音声データを含んでもよい。
【0024】
画像データ出力装置10は、画像データを表示装置20に出力するための電子回路基板等を筐体11の内部に有しているが、当該電子回路基板等の図示及び詳細な説明を省略する。また、画像データ出力装置10の筐体11の適宜位置には、画像データを入出力するケーブルの接続端子(LAN端子コネクタ等)や電源入力端子等、種々の入出力端子を備えているが、これらについても図示及び詳細な説明を省略し、本発明の特徴部分についてのみ、以下に説明する。
【0025】
画像データ出力装置10の筐体11は、例えば合成樹脂等によって扁平な直方体状に形成されている。筐体11には、ネジ(締結固定手段)50によって表示装置20及び固定板33と共締め固定するために、ネジ50の軸部50bを挿通する貫通穴12が4つ設けられている。4つの貫通穴12は、共締め固定時の力学的安定度を高めるために、例えば、長方形状に配置されることが好ましい。なお、4つの貫通穴12は、筐体11内の上記電子回路基板の対応する位置にも設けられている。
【0026】
なお、貫通穴12,12の縦方向における配設ピッチは、規格により例えば75mmに設定されている。また、ネジ50の頭部50aには、ドライバーや六角レンチ等の工具を用いるために適宜のプラス溝、マイナス溝若しくは六角穴等が形成されている。
【0027】
<スペーサ13の説明>
また、図1及び図2に示すように、画像データ出力装置10の各貫通穴12には、ネジ50の軸部50bが挿通される円筒状のスペーサ13が固定されている。スペーサ13は、後述するようにネジ50による軸方向の締結力を受けるため、例えば機械的強度の高い金属素材により形成されていることが好ましい。
【0028】
また、図2に示すように、スペーサ13は、当該スペーサ13の軸方向の両端面が、筐体11の表面11a及び背面(表面)11bから所定量突出するように設けられている。すなわち、スペーサ13の軸方向の長さL1は、貫通穴12の長さL2よりも大きくなるように構成されている。
【0029】
また、スペーサ13の外径は、画像データ出力装置10の筐体11がネジ50によって共締め固定されたときに、スペーサ13が筐体11や内部の部品等に対して所定以上の応力を及ぼさないように、貫通穴12の内径よりも所定量小さく形成されている。ここで、上記所定以上の応力とは、スペーサ13にかかる圧縮、捻れ等の応力であり、筐体11や内部の部品等に対して変形や割れ等の不具合を生じさせる応力をいう。
【0030】
スペーサ13をこのように形成したのは、ネジ50によって表示装置20、筐体11及び固定板33が、ある程度過剰な締結力(応力)によって共締めされても、スペーサ13で当該締結力を受け止めるためである。また、許容範囲内の応力によるスペーサ13の変形等が生じても、貫通穴12とスペーサ13との間に形成される所定の隙間によって当該変形等を吸収し、スペーサ13を介した応力が直接、筐体11の貫通穴12周縁部に及ぶのを抑制するためである。
【0031】
すなわち、スペーサ13を筐体11に設けることによって、上記過剰な共締め固定時においても、筐体11や内部の部品等に対して変形や割れ等の不具合が生じるのを抑制するように構成したものである。
【0032】
<表示装置20の説明>
表示装置20は、画像データ出力装置10から出力された画像データに基づいて画像を表示するものである。表示装置20は、例えば、小型の液晶モニタとして構成されており、表示面21に所定の画像が表示される。
【0033】
図1及び図2に示すように、表示装置20の背面22であって上記貫通穴12,35と対応する位置には、ネジ50の軸部50bと螺合するネジ穴23が4つ設けられている。すなわち、4つのネジ穴23は、貫通穴12,35と同一の配設ピッチで設けられている。また、4つのネジ穴23は、表示装置20の骨格をなすフレーム部材等に所定の深さ(所定の有効ネジ部を有する深さ)で穿設されている。なお、図2において、ネジ穴23における雌ねじ部の詳細な表示は省略してある。
【0034】
<固定装置30の説明>
固定装置30は、店舗の商品棚や会計コーナーの台等に固定される基台31と、基台31に立設された支持柱32と、支持柱32の上端部に固定され、ネジ50によって表示装置20及び画像データ出力装置10と共締め固定される扁平な長方形状の固定板33と、を備えて構成されている。なお、固定装置30は、所定の強度を有する合成樹脂或いは金属にて形成されていることが好ましい。
【0035】
固定板33には、ネジ50の軸部50bを挿通する貫通穴35が4つ設けられている。4つの貫通穴35は、筐体11の4つの貫通穴12と対応する位置に設けられている。4つの貫通穴35は、上記共締め固定時の力学的安定度を高めるために、例えば、長方形状に配置されることが好ましい。
【0036】
<画像表示装置40の説明>
画像表示装置40は、上記表示装置20と、上記画像データ出力装置10と、上記固定装置30と、を備え、ネジ50によって表示装置20と画像データ出力装置10と固定板33とを共締め固定して一体的に構成されたものである。画像表示装置40は、固定装置30の基台31が店舗の商品棚や会計コーナーの台等に固定され、商品の広告等の情報を表示する。
【0037】
以上のように、この第1実施形態に係る画像データ出力装置10によれば、画像データ出力装置10が表示装置20と固定装置30との間に配置され、かつ、ネジ50によって表示装置20及び固定装置30と共締め固定されているので、ネジ50を取り外さない限り、画像データ出力装置10を画像表示装置40から物理的に分離することはできない。このため、いたずらや盗難がきわめて困難になると共に、盗難等の抑止効果を高めることもできる。
【0038】
また、画像データ出力装置10を表示装置20と固定装置30との間に配置し、ネジ50によって共締め固定したことにより、画像データ出力装置10を別体で配置する場合と比べて露出部分が少なくなるので、見栄えを向上することができる。
【0039】
また、画像データ出力装置10は、表示装置20と当接して配置されるので、表示装置20との接続ケーブル等も容易かつコンパクトにまとめることができ、見栄えが向上すると共に、設置作業者の作業負担を少なくすることができる。
【0040】
また、画像データ出力装置10は、上記スペーサ13を備えているので、過剰に共締めされたときにおいても、筐体11や内部の部品等に対して変形や割れ等の不具合が生じるのを抑制することができる。したがって、信頼性の高い画像データ出力装置10を提供することができる。
【0041】
すなわち、スペーサ13の軸方向の長さL1は、筐体11の貫通穴12の長さL2よりも大きくなるように構成されているので、ネジ50によって表示装置20、筐体11及び固定板33が、ある程度過剰な締結力によって共締めされても、スペーサ13で当該締結力を受け止めることができる。したがって、筐体11や内部の部品等に対して変形や割れ等の不具合を生じさせることがない。
【0042】
また、スペーサ13の外径が貫通穴12の内径よりも所定量小さく形成されているので、ある程度過剰な締結力によって共締めされ、許容範囲内の応力によるスペーサ13の変形等が生じても、貫通穴12とスペーサ13との間に形成される所定の隙間によって当該変形等を吸収することができ、スペーサ13を介した応力が直接、筐体11の貫通穴12周縁部に及ぶのを抑制することができる。
【0043】
また、画像データ出力装置10には貫通穴12を、固定板33には貫通穴35を、表示装置20にはネジ穴23を、それぞれ4つずつ長方形状に配置して備えているので、共締め固定時の力学的安定度を高めることができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、本発明の他のバリエーションを示すものである。図3は、本発明の第2実施形態に係る画像データ出力装置10を固定する様子を示す組立斜視図である。なお、以下の説明において、既に説明した部材と同一若しくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略又は簡略化する。
【0044】
すなわち、第2実施形態は、図3に示すように、共締め固定する締結固定手段の一部に、ネジ50よりも短寸のネジ52を用い、筐体11を表示装置20の背面22に固定した後に、更に筐体11を固定板33及びネジ50によって表示装置20と共締め固定したものである。ネジ52は、ネジ50と同一規格のものであり、軸部52bの長さが軸部50bよりも短く形成されている。
【0045】
一方、第2実施形態における軸部50bは、第1実施形態における軸部50bよりも、頭部52aの厚みだけ長く形成されている。第2実施形態では、頭部52aが筐体11と固定板33との間に挟持されるからである。その他の構成は、上記第1実施形態の場合と同様である。
【0046】
第2実施形態は、ネジ52の頭部52aが筐体11と固定板33とによって挟持され、頭部52aが固定板33によって覆われているので、締結されたネジ50を取り外して筐体11と固定板33とを分離しない限り、ネジ52を取り外すことはできない。したがって、画像データ出力装置10の取り外しは、全てのネジ50の頭部50aが固定板33の背面に露出している上記第1実施形態の場合よりも更に困難となる。
【0047】
以上のように、この第2実施形態に係る画像データ出力装置10によれば、上記第1実施形態に係る画像データ出力装置10が奏する効果と同様の効果を奏すると共に、いたずらや盗難等を更に抑制することができる。
【0048】
なお、上記第2実施形態においては、頭部52aが筐体11と固定板33との間に挟持されるため、頭部52aの厚み分だけ筐体11と固定板33との間に隙間が生じる。このとき、筐体11と固定板33において上部の貫通穴12,35が形成されている部分(以下、上方隙間部という)には、頭部52aの厚みに相当する部材は何も介在していない。
【0049】
したがって、上記隙間が生じている状態でネジ50を締結し過ぎると、筐体11と固定板33とが必要以上に近接し過ぎてしまい、筐体11や固定板33が変形、破損等する虞がある。
【0050】
そこで、貫通穴12に対して2つのネジ52を対角線状に設けると共に、貫通穴35に対して2つのネジ50を対角線状に設け、かつ、両対角線が交差するように配置することにより、共締め固定時における力学的なバランスを向上させてもよい。
【0051】
また、上方隙間部に、例えば頭部52aと同一の厚さを有する円環状のスペーサ(以下、上方隙間部用スペーサという)を設け、この上方隙間部用スペーサ及び貫通穴12にネジ50の軸部50bを挿通し、ネジ穴23に螺合させれば、筐体11と固定板33とが必要以上に近接し過ぎるのを抑制することができる。
【0052】
或いは、上方隙間部を形成する筐体11と固定板33の両対向面の少なくとも一方から突出部を形成し、上方隙間部用スペーサの機能をもたせてもよい。
【0053】
また、次の手段により、上方隙間部が形成されないようにすることもできる。すなわち、ネジ52の固定状態において、筐体11と固定板33の対向面同士が密着可能となるように、筐体11と固定板33の少なくとも一方の対向面に、頭部52aの全部又は一部が没入可能な凹部を設けることが好ましい。このように、頭部52aの厚みを吸収可能な凹部を設けることにより、上方隙間部が形成されなくなり、ネジ50による共締め固定時における力学的なバランスを保つことができる。
【0054】
〔第3実施形態〕
第3実施形態は、本発明の他のバリエーションを示すものである。図4は、本発明の第3実施形態に係る画像データ出力装置10を固定する様子を示す組立斜視図である。
【0055】
第3実施形態は、固定板33の背面に画像データ出力装置10を配置し、ネジ50によって、表示装置20と固定板33と画像データ出力装置10とを共締め固定したものである。すなわち、第3実施形態は、画像データ出力装置10が表示装置20と固定板33とによって挟持されておらず、固定板33の背面(最後部)に配置されているので、上記第1実施形態及び第2実施形態と比べて、画像データ出力装置10の露出度は大きい。
【0056】
しかしながら、画像データ出力装置10は、4つのネジ50によって表示装置20及び固定板33と強固に共締め固定されていることに変わりはないので、従来技術に比べ、いたずらや盗難がきわめて困難になると共に、盗難等の抑止効果を高めることができる。
【0057】
また、画像データ出力装置10は、上記共締め固定によって固定板33と一体になっているので、従来のように別体で設置する場合よりも、表示装置20との接続ケーブル等も容易かつコンパクトにまとめることができ、見栄えを向上することができる。
【0058】
以上のように、この第3実施形態に係る画像データ出力装置10によれば、画像データ出力装置10へのいたずらや盗難等を抑制することができると共に、見栄えを向上することができる。
【0059】
なお、上記実施形態においては、締結固定手段として、ネジ50,52を図示したが、これに限定されず、上記共締め固定に適したものであれば、六角ボルト等、その他の締結固定手段を用いてもよい。
【0060】
また、上記実施形態においては、スペーサ13の軸方向の両端面が、筐体11の表面11a及び背面11bから所定量突出するものとして説明したが、これに限定されず、スペーサ13の長さを、筐体11の表面11a及び背面11bと面一となるように形成し、配置してもよい。この場合も、過剰に共締め固定されたときに、筐体11や内部の部品等に対して変形や割れ等の不具合が生じるのを抑制することができる。
【0061】
また、上記実施形態においては、貫通穴12,35及びネジ穴23が4つ設けられるものとして説明したが、これに限定されず、表示装置20、画像データ出力装置10及び固定板33を力学的に安定して共締め固定することができれば、少なくとも3つ設けられていればよい。例えば、貫通穴12,35及びネジ穴23を3つ設ける場合には、三角形状に配置することが好ましい。
【0062】
また、上記実施形態においては、固定装置30は、基台31と支持柱32と固定板33とを備えるものとして説明したが、表示装置20及び画像データ出力装置10を支持しつつ所望の場所に固定できるものであれば、図示例のものに限定されない。
【0063】
また、上記実施形態においては、デジタルサイネージシステムに係る画像データ出力装置10を、店舗に設けるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、娯楽施設、鉄道やバス停等、広告の表示に適した、いかなる場所にも設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像データ出力装置を固定する様子を示す組立斜視図である。
【図2】画像データ出力装置のスペーサ近傍の構造を示す部分断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る画像データ出力装置を固定する様子を示す組立斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る画像データ出力装置を固定する様子を示す組立斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
10 画像データ出力装置
11a 表面
11b 背面(表面)
12 貫通穴
13 スペーサ
20 表示装置
22 背面
23 ネジ穴
30 固定装置
33 固定板
35 貫通穴
40 画像表示装置
50 ネジ(締結固定手段)
50b 軸部
52 ネジ(締結固定手段)
52b 軸部
L1 スペーサ13の軸方向の長さ
L2 貫通穴12の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示装置と接続することにより、前記画像を表示するための画像データを前記表示装置に出力する画像データ出力装置であって、
前記表示装置を所定の場所に固定する固定装置と前記表示装置との間に配置され、
又は、
前記表示装置の背後に配置された前記固定装置の更に背後に配置され、
締結固定手段によって前記表示装置及び前記固定装置と共締め固定可能に形成されていることを特徴とする画像データ出力装置。
【請求項2】
前記画像データ出力装置及び前記固定装置には、締結固定手段であるネジの軸部を挿通する貫通穴がそれぞれ形成され、
前記表示装置の背面であって前記貫通穴と対応する位置には、前記ネジの軸部と螺合するネジ穴が形成され、
前記画像データ出力装置は、前記ネジによって前記表示装置及び前記固定装置と共締め固定可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像データ出力装置。
【請求項3】
前記画像データ出力装置の前記貫通穴には、前記ネジの軸部が挿通される筒状のスペーサが固定され、
前記スペーサの軸方向の長さは、少なくとも前記画像データ出力装置の前記貫通穴の長さと同じか、又はそれ以上に形成され、
前記スペーサは、当該スペーサの軸方向の両端面が前記画像データ出力装置の表面と面一となるように、又は当該表面から所定量突出するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像データ出力装置。
【請求項4】
前記貫通穴は、少なくとも3つ設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像データ出力装置。
【請求項5】
前記スペーサの外径は、前記画像データ出力装置が前記ネジによって共締め固定されたときに、前記スペーサが前記画像データ出力装置に対して所定以上の応力を及ぼさないように、前記画像データ出力装置の前記貫通穴の内径よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像データ出力装置。
【請求項6】
画像を表示する表示装置と、
前記表示装置に接続され、前記画像を表示するための画像データを前記表示装置に出力する画像データ出力装置と、
前記表示装置を所定の場所に固定する固定装置と、
を備えた画像表示装置であって、
前記画像データ出力装置は、
前記表示装置と前記固定装置との間に配置され、
又は、
前記表示装置の背後に配置された前記固定装置の更に背後に配置され、
締結固定手段によって前記表示装置及び前記固定装置と共締め固定可能に形成されていることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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