説明

画像ファイル及びオーディオファイルを同期再生するコンテンツ再生システム

【課題】オーディオファイルの不正使用を防止しつつ、画像ファイルに適したオーディオファイルを同期再生できるコンテンツ再生システムを提供する。
【解決手段】
サーバ10は、画像ファイルと、画像ファイルに対応したオーディオファイル検索情報とを転送ファイルデータベース11に蓄積する。再生装置30は、画像ファイル及びオーディオファイル検索情報をサーバ10から取得する。検索アプリ31は、オーディオファイル検索情報に対応するオーディオファイルをオーディオデータベース33から検索する。再生アプリ23は、検索されたオーディオファイルと画像ファイルとを同期して再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生システムに関し、さらに詳しくは、サーバと、再生装置とを備え、再生装置が画像ファイルとオーディオファイルとを同期再生するコンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近のデジタルカメラやデジタルビデオカメラの普及により、一般ユーザは、自身が撮影した静止画や動画に基づいて、静止画ファイルや静止画のスライドショーファイル、動画ファイルといった画像ファイルを容易に作成できる。そして、ユーザは作成した画像ファイルをサーバにアップロードすることができ、他のユーザはアップローダされた画像ファイルを容易に閲覧できる。
【0003】
このような画像ファイルには、音楽や音声といったオーディオファイルを付加することもできる。特開2003−255957号公報(特許文献1)は、サーバに格納された音素材データをダウンロードし、ダウンロードした音素材データを映像データに付加し、音素材データをBGM(Background Music)として映像データと同期再生できるように編集する技術を開示している。このような画像ファイルがサーバにアップロードされた場合、視聴ユーザの使用する端末では、オーディオファイルが画像ファイルと同期して再生される。
【0004】
しかしながらこの場合、画像ファイルに付加されたオーディオファイルの著作権が問題となる場合がある。たとえば、画像ファイルの作成者が、著作者の許諾を得ていないオーディオファイルを添付した画像ファイルをサーバにアップロードすれば、その行為は著作権の侵害に該当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−255957号公報
【特許文献2】特開2003−309795号公報
【特許文献3】特開2005−050374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、オーディオファイルの不正使用を防止しつつ、画像ファイルに適したオーディオファイルを同期再生できるコンテンツ再生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明によるコンテンツ再生システムは、サーバと、再生装置とを備える。サーバは、サーバ記憶手段を備える。サーバ記憶手段は、複数の画像ファイルと、複数の画像ファイルに対応する複数のオーディオファイル検索情報とを蓄積する。再生装置は、オーディオファイル記憶手段と、取得手段と、再生手段とを備える。オーディオファイル記憶手段は、複数のオーディオファイルを蓄積する。取得手段は、サーバから画像ファイルと、画像ファイルに対応するオーディオファイル検索情報とを取得する。検索手段は、オーディオファイル検索情報に対応するオーディオファイルを検索する。再生手段は、検索手段により検索されたオーディオファイルと画像ファイルとを同期再生する。ここで、画像ファイルとはたとえば、静止画ファイルや動画ファイルであり、静止画のスライドショーファイルも含まれる。また、オーディオファイルとは、たとえば、音楽ファイルや音声ファイルである。再生装置内の各手段は、1つの筐体に収納されていなくてもよい。たとえば、オーディオファイル記憶手段と検索手段が1つの筐体に収納され、再生手段が他の筐体に収納され、これらが互いに接続されたものであってもよい。
【0008】
本発明によるコンテンツ再生システムでは、サーバは画像ファイルに対応するオーディオファイルを記憶せず、オーディオファイルを検索するためのオーディオファイル検索情報を記憶する。そして、再生装置は画像ファイルに対応するオーディオファイル検索情報に基づいて、自身が蓄積するオーディオファイルの中から画像ファイルに適したオーディオファイルを検索し、同期再生する。そのため、オーディオファイルが不正に使用されることを防止でき、かつ、再生装置は、画像ファイルに適したオーディオファイルを同期再生できる。
【0009】
好ましくは、オーディオファイル記憶手段は、オーディオファイルのメタ情報を記憶する。検索手段は、オーディオファイル検索情報及びメタ情報に基づいて、オーディオファイルを検索する。ここでメタ情報とは、オーディオファイルの内容や特徴量を示す情報であり、たとえば、オーディオファイルが音楽ファイルである場合、その音楽のタイトル、アーティストや演奏者名、ジャンル、再生時間、その音楽の発表時期、曲調等である。
【0010】
この場合、再生装置は、メタ情報を用いて、画像ファイルに適したオーディオファイルを容易に検索できる。
【0011】
好ましくは、オーディオファイル検索情報は複数の検索項目に対応した複数の検索値を含み、複数の検索項目には優先度が定義される。メタ情報は、複数の検索項目に対応した複数の被検索値を含む。検索手段は、検索項目の検索値及び優先度と、検索項目に対応した被検索値とに基づいて、オーディオファイルを検索する。
【0012】
この場合、検索項目に優先度が定義されているため、たとえば、優先度の高い検索項目の条件を満たすオーディオファイルを検索できる。そのため、より画像ファイルに適したオーディオファイルが同期再生される。
【0013】
本発明による再生装置は、上述のコンテンツ再生システムに利用される。また、本発明による同期再生プログラムは、再生装置内のコンピュータに実装され、上述の手段を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態によるコンテンツ再生システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示すアップローダで作成されるオーディオファイル検索情報のデータ構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示す再生装置が蓄積するオーディオデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】図1に示すサーバ、アップローダ及び再生装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示すアップローダの動作の詳細を示すフロー図である。
【図6】図1に示す再生装置内の再生アプリの動作の詳細を示すフロー図である。
【図7】図1に示す再生装置内の検索アプリの動作の詳細を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
[全体構成]
図1を参照して、コンテンツ再生システム1は、サーバ10と、アップローダ20と、再生装置30とを備える。サーバ10と、アップローダ20と、再生装置30とはインターネット等に代表されるネットワーク40を介して接続されている。サーバ10はたとえば、動画や静止画の共有サイトを運営する企業が管理している。また、アップローダ20及び再生装置30はたとえば、一般家庭のユーザが使用するコンピュータである。アップローダ20は、ユーザ操作に応じて、静止画ファイルや静止画スライドショーファイル、動画ファイルといった画像ファイルをサーバ10にアップロードする。そして、再生装置30は、ユーザ操作に応じて、サーバ10からユーザ所望の画像ファイルを取得して再生する。図1では、サーバ10、アップローダ20及び再生装置30がそれぞれ1つずつ示されているが、コンテンツ再生システム1は、複数のサーバ10と、複数のアップローダ20と、複数の再生装置30とを備えていてもよい。
【0017】
アップローダ20は、アップローダ20のユーザが所有する複数の画像ファイルを蓄積する画像データベース21と、複数のオーディオファイルを蓄積するオーディオデータベース23と、作成アプリケーション(以下、アプリケーションをアプリという)22とを備える。画像ファイルはたとえば、ユーザが図示しないデジタルビデオカメラ等で撮影した静止画ファイルや動画ファイルである。また、オーディオファイルは、音楽ファイルや音声ファイル等である。本実施の形態では、オーディオアイルを音楽ファイルとして説明を続ける。
【0018】
作成アプリ22は、ユーザ操作に応じて、サーバ10にアップロードする転送ファイルを作成する。転送ファイルは、画像ファイルと同期情報とオーディオファイル検索情報とを含む。オーディオファイル検索情報は、再生装置30が画像ファイルと同期再生するオーディオファイルを検索するための検索条件を含む。オーディオファイル検索情報のデータ構造の一例を図2に示す。図2を参照して、オーディオファイル検索情報は、複数の検索項目と、各検索項目に対応する検索値と、各検索項目の優先度とを含む。検索項目は、オーディオファイルのメタ情報からユーザ操作に応じて選択された項目である。図2の例では、検索項目として、再生時間、曲ジャンル、アーティスト、曲タイトルが選択されている。検索項目の優先度には、検索項目の優先順位が記述される。図2の例では、再生時間が最も優先度が高く、以下、曲ジャンル、アーティスト、曲タイトルの順に低くなる。優先度は、アップローダ20のユーザ操作に応じて設定される。
【0019】
同期情報は、画像ファイルとオーディオファイルとを同期再生するときの同期条件を含む。同期情報にはたとえば、画像ファイルの再生が開始してからn(nは数値)秒後に曲ファイルの再生を開始する、等の曲ファイルの再生開始タイミングや再生終了タイミング、再生時の音量等の条件が含まれる。同期情報はたとえば、SMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)で記述される。アップローダ20は、作成アプリ22により作成された転送ファイルをサーバに送信する。
【0020】
図1を参照して、サーバ10は、転送ファイルデータベース11を備える。転送ファイルデータベース11は、アップローダ20から送信された複数の転送ファイルを含む。サーバ10は、再生装置30からの要求に応じて、転送ファイルデータベース11から転送ファイルを読み出して再生装置30に配信する。配信方法はダウンロード配信であってもストリーミング配信であってもよい。
【0021】
再生装置30は、検索アプリ31と、再生アプリ32と、オーディオデータベース33とを備える。オーディオデータベース33は、複数のオーディオファイルが蓄積されている。これらのオーディオファイルはたとえば、再生装置30のユーザにより購入され、再生装置30に格納されたものである。
【0022】
図3にオーディオデータベース33のデータ構造の一例を示す。図3を参照して、オーディオデータベース33には、オーディオファイルと、オーディオファイルに対応するメタ情報とが登録されている。メタ情報は、対応するオーディオファイルの再生時間、ジャンル、アーティスト、タイトル等のデータを含む。これらのデータは被検索値として、オーディオファイルの検索に利用される。なお、アップローダ20内のオーディオデータベース23も図3と同様のデータ構造を有する。
【0023】
検索アプリ31は、サーバ10から配信される転送ファイル内のオーディオファイル検索情報に基づいて、オーディオデータベース33の中から最適なオーディオファイルを検索する。再生アプリ32は、転送ファイル内の同期情報に基づいて、転送ファイル内の画像ファイルと、検索アプリ31により検索されたオーディオファイルとを同期再生する。
【0024】
アップローダ20及び再生装置30のハードウェア構成を図4に示す。図4を参照して、アップローダ20及び再生装置30は、いずれも、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)100と、メモリ200と、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)300と、インタフェース400と、ディスプレイ500とを備える。アップローダ20は、HDD300に作成アプリ22と、画像データベース21と、オーディオデータベース23とを格納している。そして、作成アプリ22がメモリ200にロードされ、CPU100で実行されることにより、アップローダ20は動作を実行する。同様に、再生装置30は、HDD300に検索アプリ31と、再生アプリ32と、オーディオデータベース33とを格納している。そして、検索アプリ31及び再生アプリ32がメモリ200にロードされ、CPU100で実行されることにより、再生装置30は動作を実行する。
【0025】
サーバ10も図4に示すハードウェア構成と同様のハードウェア構成を有し、転送ファイルデータベース11はHDD300に格納される。なお、サーバ10は、ディスプレイ500を有していなくてもよい。
【0026】
[動作概要]
サーバ10は、複数の転送ファイルを蓄積するが、転送ファイルにはオーディオファイルは含まれておらず、代わりに、画像ファイルに適したオーディオファイルの条件を示すオーディオファイル検索情報が含まれている。このように、サーバ10は、転送ファイルにオーディオファイルを含まないため、オーディオファイルの不正使用を防止でき、オーディオファイルに対する著作権侵害行為を抑制できる。
【0027】
サーバ10は自身が蓄積する複数の転送ファイルの一覧を閲覧可能なウェブサイトを有しており、再生装置30がそのウェブサイトにアクセスする。再生装置30のユーザは転送ファイル一覧の中から所望の転送ファイルを選択する。このとき、再生装置30は選択された転送ファイルの配信をサーバ10に要求する。
【0028】
再生装置30はサーバ10から配信された転送ファイルを取得し、転送ファイル内のオーディオファイル検索情報を読み出す。そして、オーディオデータベース33の中からオーディオファイル検索情報に対応するオーディオファイルを検索する。つまり、オーディオファイルは、再生装置30に蓄積された複数のオーディオファイルの中から選択される。
【0029】
オーディオファイル検索情報に対応したオーディオファイルが検索されたとき、再生装置30は、転送ファイル内の同期情報に基づいて、画像ファイルと検索されたオーディオファイルとを同期再生する。
【0030】
このように、本実施の形態によるコンテンツ再生システム1では、オーディオファイルがサーバ10にアップロードされないため、オーディオファイルの不正使用を抑制できる。さらに、オーディオファイル検索情報が利用されることにより、画像ファイルをサーバ10にアップロードしたユーザの意図が反映されたオーディオファイルが選択され、画像ファイルとともに再生装置30で同期再生される。以下、アップローダ20及び再生装置30の動作の詳細を説明する。
【0031】
[アップローダの動作]
アップローダ20は、ユーザ操作に応じて転送ファイルを作成し、サーバ10にアップロードする。図5を参照して、アップローダ20内の作成アプリ22はまず、ユーザ操作に応じて画像データベース21の中からユーザ所望の画像ファイルを選択する(S1)。次に、ユーザ操作に応じて、画像ファイルと同期再生するオーディオファイルをオーディオデータベース23から選択する(S2)。このとき、ユーザがこの画像ファイルに適していると考えるオーディオファイルが選択される。
【0032】
上述のとおり、オーディオデータベース23は、図3に示す構造を有し、オーディオファイルとそのオーディオファイルに対応するメタ情報とを含む。そこで、作成アプリ22は、選択されたオーディオファイルのメタ情報内の複数の項目(本例では、再生時間、ジャンル、アーティスト、タイトル)をオーディオデータベース23から読み出す(S3)。そして、読み出された項目を検索項目とし、その値(4分25秒、ロック、AAAA、BBBB)を検索値とするオーディオファイル検索情報を作成する(S4)。
【0033】
このとき、作成アプリ22はさらに、ユーザ操作に応じて、各検索項目の優先度を設定する。たとえば、ステップS2で選択されたオーディオファイルが再生装置30には蓄積されていない可能性もある。ユーザは優先度を設定することにより、ステップS2で選択したオーディオファイルが再生装置30に蓄積されていなかった場合に、どの検索項目を優先して代わりのオーディオファイルを再生装置30に検索させるかを決定できる。本例では図2に示すとおり、優先度を再生時間、曲ジャンル、アーティスト、曲タイトルの順としているが、たとえば、ユーザがアーティストを最優先する場合、検索項目「アーティスト」を最も高い優先度に設定すればよい。優先度の設定により、ステップS2で選択されたオーディオファイルが再生装置30に蓄積されていなくても、転送ファイルの作成者の意図が反映された代わりのオーディオファイルが検索される。
【0034】
作成アプリ22はさらに、画像ファイルの再生時におけるオーディオファイルの再生開始タイミング及び再生終了タイミング、音量等を定義する同期情報を作成する(S5)。作成アプリ22はたとえば、同期情報をSMIL文書で作成する。作成アプリ22は、選択された画像ファイルと、オーディオファイル検索情報と、同期情報とを含む転送ファイルを作成し(S6)、サーバ10に送信する(S7)。
【0035】
[再生装置の動作]
再生装置30内の再生アプリ32の動作フローを図6に示し、検索アプリ31の動作フローを図7に示す。図6を参照して、再生装置30はサーバ10のウェブサイトにアクセスする。そして、ユーザ操作により、ウェブサイト内の転送ファイル一覧表からユーザ所望の転送ファイルが選択されたとき(S11)、再生アプリ32は選択された転送ファイルの配信をサーバ10に要求する(S12)。
【0036】
サーバ10は、再生装置30の要求に応じて、選択された転送ファイルを転送ファイルデータベース11から読み出し、再生装置30に配信する。サーバ10がストリーミング配信を実行するとき、転送ファイルは、オーディオファイル検索情報、同期情報、画像ファイルの順に配信される。
【0037】
再生アプリ32は、オーディオファイル検索情報の受信を監視する(S13)。サーバ10がストリーミング配信をする場合、再生アプリ32は、ストリーミング配信されている転送ファイルのうち、オーディオファイル検索情報の受信を完了したときにオーディオファイル検索情報を取得したと判断する(S13でYES)、一方、サーバ10がダウンロード配信を実行する場合、再生アプリ32は転送ファイルの受信を完了したときにオーディオファイル検索情報を取得したと判断する(S13でYES)。
【0038】
オーディオファイル検索情報を取得したとき、再生アプリ32は、検索アプリ31に対して、オーディオファイル検索情報に対応したオーディオファイルを検索するよう要求する(S14)。
【0039】
図7を参照して、検索アプリ31は、再生アプリ32から検索要求を受けたとき(S21でYES)、オーディオファイルの検索を実行する。再生アプリ32は初めに、再生装置30が取得したオーディオファイル検索情報を読み出す。そして、オーディオファイル検索情報内の4つの検索項目(再生時間、曲ジャンル、アーティスト、及び曲タイトル)の検索値(4分25秒、ロック、AAAA、及びBBBB)を検索条件に設定する(S22)。
【0040】
続いて、検索アプリ31は、設定された検索条件を満たすオーディオファイルを検索する(S23)。検索アプリ31は、オーディオデータベース33内のメタ情報を参照する。そして、メタ情報内の各項目内の値(被検索値)が、検索条件内の対応する検索項目の検索値と全て一致するメタ情報を検索する。ここで、再生時間に関しては、被検索値が検索値の所定のマージン内(たとえば、検索値「4分25秒」の±10%の範囲内)であれば、被検索値は検索値に一致すると判断する。検索条件を満たすメタ情報を見つけたとき(S24でYES)、検索アプリ31は、検索されたメタ情報に対応するオーディオファイルを読み出して再生アプリ32に渡す(S25)。
【0041】
一方、ステップS24での判断の結果、検索条件を満たすメタ情報が見つからなかった場合(S24でNO)、検索アプリ31は検索条件を見直す(S26及びS28)。図2を参照して、オーディオファイル検索情報内の各検索項目には、優先度が設定されている。検索アプリ31は、前回の検索で利用した4つの検索項目のうち、優先度が最も低い検索項目「曲タイトル」を検索条件から除外する(S28)。そして、検索アプリ31は、3つの検索項目「再生時間」、「曲ジャンル」、「アーティスト」の検索値を検索条件に設定し、検索項目に対応する被検索値が検索値と一致するオーディオファイルを検索する(S23)。これにより、転送ファイルの作成者が指定したオーディオファイルが再生装置30に蓄積されていなかった場合でも、検索アプリ31は、転送ファイルの作成者の意図が反映された代わりのオーディオファイルを検索することができる。
【0042】
検索の結果、検索条件を満たすメタ情報が見つかれば(S24でYES)、検索アプリ31は、検索されたメタ情報に対応するオーディオファイルを読み出して再生アプリ32に渡す(S25)。検索条件を満たすメタ情報が複数存在する場合もあり得るが、この場合、検索アプリ31は、検索された複数のメタ情報の中から1つのメタ情報を選択し、選択されたメタ情報に対応するオーディオファイルを再生アプリ32に渡す。
【0043】
一方、検索条件を満たすオーディオファイルが見つからなければ(S24でNO)、検索アプリ31は、検索条件内の3つの検索項目「再生時間」、「曲ジャンル」、「アーティスト」のうち、優先度が最も低い検索項目「アーティスト」を検索条件から外す(S27)。そして、2つの検索項目の検索値を含む検索条件に基づいてオーディオファイルを検索する(S23)。
【0044】
つまり、検索アプリ31は、検索条件を満たすメタ情報(オーディオファイル)を見つけるまで、検索条件内の検索項目を減らし続ける。そして、検索条件内の検索項目数が1以下となったとき(S26でNO)、検索アプリ31は、オーディオファイル検索情報に対応するオーディオファイルが見つからないと判断し、エラー通知を再生アプリ32に出力する(S27)。
【0045】
図6を参照して、再生アプリ32は、検索アプリ31からの応答を待つ(S15)。そして、再生アプリ32は検索アプリ31からの応答を取得したとき(S15でYES)、オーディオファイルを取得したか、エラー通知を取得したかを判断する(S16)。オーディオファイルを取得したとき(S16でYES)、再生アプリ32は、同期情報に基づいて、サーバ10から取得した転送ファイル内の画像ファイルとオーディオファイルとを同期再生する(S17)。一方、検索アプリ31からエラー通知を取得したとき(S16でNO)、再生アプリ32は同期情報を使用することなく画像ファイルを再生する(S18)。この場合、オーディオファイルは再生されないからである。
【0046】
上述の実施の形態では、アップローダ20は、自身に格納された複数のオーディオファイルの中から1つのオーディオファイルを選択し、選択された1つのオーディオファイルに基づいてオーディオファイル検索情報を設定した。しかしながら、たとえば、アップローダ20は、オーディオファイルを選択することなく、検索項目及び検索値を入力してオーディオファイル検索情報を直接作成してもよい。この場合、アップローダ20は、自身が蓄積していないオーディオファイルを、画像ファイルと同期再生するオーディオファイルに指定できる。
【0047】
また、上述の実施の形態では、オーディオファイル検索情報は、1つのオーディオファイルを特定するための検索項目「曲タイトル」を含んだが、作成アプリ22は、オーディオファイル検索情報に検索項目「曲タイトル」を含まなくてもよい。たとえば、オーディオファイル検索情報は、検索項目として、「曲ジャンル」のみを含んでもよいし、「再生時間」及び「曲ジャンル」のみを含んでもよい。
【0048】
本実施の形態では、再生装置30は1つのコンピュータで構成されているが、再生装置30は、家庭内サーバ端末と、家庭内サーバ端末と接続された家庭内クライアント端末とで構成されていてもよい。この場合、検索アプリ31とオーディオデータベース33とは家庭内サーバ端末内のハードディスクドライブに格納され、再生アプリ32は家庭内クライアント端末に格納される。要するに、検索アプリ31、再生アプリ32及びオーディオデータベース33は、別個の筐体(コンピュータ)で構成されていてもよい。
【0049】
また、上述の実施の形態では、検索アプリ31は、検索条件を満たすメタ情報(オーディオファイル)が存在しない場合に、検索条件から優先度の低い検索項目を外して再度検索したが、他の方法により検索してもよい。たとえば、最も優先度の高い検索項目「再生時間」のみを検索条件として検索する。次に、検索された複数のメタ情報に対して、検索項目「曲ジャンル」で検索する。同様に、検索項目「アーティスト」、「曲タイトル」で順次検索して、検索されるメタ情報(オーディオファイル)を絞り込んでもよい。また、検索時に、検索条件内の複数の検索項目のうち、いくつの検索項目を満たすかをメタ情報ごとにカウントしておき、その結果に基づいて同期再生するオーディオファイルを決定してもよい。なお、上述の実施の形態では、検索のときに、検索項目の優先度を考慮したが、優先度を考慮しなくてもよい。ただし、優先度を考慮すれば、転送ファイルをアップロードしたユーザの意図が反映したオーディオファイルが検索されやすくなる。
【0050】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 コンテンツ再生システム
10 サーバ
11 転送ファイルデータベース
20 アップローダ
21 画像データベース
22 作成アプリ
23,33 オーディオデータベース
30 再生装置
31 検索アプリ
32 再生アプリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、再生装置とを備えたコンテンツ再生システムであって、
前記サーバは、
複数の画像ファイルと、前記複数の画像ファイルに対応する複数のオーディオファイル検索情報とを蓄積するサーバ記憶手段を備え、
前記再生装置は、
複数のオーディオファイルを蓄積するオーディオファイル記憶手段と、
前記サーバから、前記画像ファイルと、前記画像ファイルに対応するオーディオファイル検索情報とを取得する取得手段と、
前記オーディオファイル検索情報に対応するオーディオファイルを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたオーディオファイルと前記画像ファイルとを同期再生する再生手段とを備えることを特徴とするコンテンツ再生システム。
【請求項2】
複数の画像ファイルと前記複数の画像ファイルに対応する複数のオーディオファイル検索情報とを蓄積するサーバと接続可能な再生装置であって、
複数のオーディオファイルを蓄積するオーディオファイル記憶手段と、
前記サーバから、前記画像ファイルと、前記画像ファイルに対応するオーディオファイル検索情報とを取得する取得手段と、
前記オーディオファイル検索情報に対応するオーディオファイルを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索されたオーディオファイルと前記画像ファイルとを同期再生する再生手段とを備えることを特徴とする再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の再生装置であって、
前記オーディオファイル記憶手段は、オーディオファイルのメタ情報を記憶し、
前記検索手段は、前記オーディオファイル検索情報及び前記メタ情報に基づいてオーディオファイルを検索することを特徴とする再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の再生装置であって、
前記オーディオファイル検索情報は、複数の検索項目に対応した複数の検索値を含み、前記複数の検索項目には優先度が設定されており、
前記メタ情報は、前記複数の検索項目に対応した複数の被検索値を含み、
前記検索手段は、前記検索項目の検索値及び優先度と、前記検索項目に対応した被検索値とに基づいて、前記オーディオファイルを検索することを特徴とする再生装置。
【請求項5】
複数の画像ファイルと前記複数の画像ファイルと対応する複数のオーディオファイル検索情報とを蓄積するサーバと接続可能であり、複数のオーディオファイルを蓄積する再生装置内のコンピュータに、
前記サーバから、前記画像ファイルと、前記画像ファイルに対応したオーディオファイル検索情報とを取得するステップと、
前記オーディオファイル検索情報に対応するオーディオファイルを検索するステップと、
前記検索されたオーディオファイルと前記画像ファイルとを同期再生するステップとを実行させることを特徴とする同期再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−171897(P2010−171897A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14634(P2009−14634)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】