画像処理装置
【課題】注目領域以外のデータを付随させず、ユーザの要求により近い注目領域画像を抽出し得る画像処理装置を提供する。
【解決手段】注目領域について、そこに含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報と、JPEG2000ファイル上での注目領域の位置をあらわす領域位置情報とを取得する。領域位置情報及び属性情報に基づき、注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させる。選択された注目領域を含むタイルの符号データをJPEG2000ファイルから抽出する。抽出された符号データの中に注目領域以外の部分に対応する符号データがある場合に、その符号データを置換用の符号データと置換する。置換後の符号データに、少なくともヘッダ情報を含む所定の符号データを付加して、注目領域に対応したJPEG2000ファイルを作成し、それを画像として表示する。
【解決手段】注目領域について、そこに含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報と、JPEG2000ファイル上での注目領域の位置をあらわす領域位置情報とを取得する。領域位置情報及び属性情報に基づき、注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させる。選択された注目領域を含むタイルの符号データをJPEG2000ファイルから抽出する。抽出された符号データの中に注目領域以外の部分に対応する符号データがある場合に、その符号データを置換用の符号データと置換する。置換後の符号データに、少なくともヘッダ情報を含む所定の符号データを付加して、注目領域に対応したJPEG2000ファイルを作成し、それを画像として表示する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、JPEG2000ファイルを処理し得る画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像から特定の領域を抽出する方法として、原稿画像に複数種類の画像が存在する場合に、それぞれの画像の境界線を抽出することにより、領域判別を正確に行い、各領域に対して属性に応じた適切な画像処理を行う方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−283476号公報 (第4頁,第2,3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、画像データの圧縮性能の改善と機能拡張を図り、画像データをウェーブレット変換して圧縮するJPEG2000方式の開発及び普及が進められているが、このJPEG2000方式においては、ファイルから注目すべき領域(以下、注目領域という)を抽出する場合に、符号化処理及び復号化の処理単位として設定されるタイル単位で、注目領域を含む符号データが抽出されることが一般的である。従来知られる技術では、JPEG2000ファイルに対して設定されるタイルの境界と注目領域の境界とが異なる場合に、注目領域周辺にある余計な符号データも抽出し表示してしまい、場合によっては、ユーザの要求からはほど遠い画像が取得されることがあった。
【0005】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、注目領域に対応する符号データをタイル単位で抽出し表示する際に、タイルに含まれる注目領域以外の部分に対応した符号データが画像として表示されることを防止し得る画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、JPEG2000ファイルから所定のオブジェクトを含む注目領域を抽出するに際し、該JPEG2000ファイルがその処理単位として分割されてなるタイル単位で符号データを抽出する画像処理装置において、少なくともJPEG2000ファイル上での該注目領域の位置をあらわす領域位置情報を取得する領域情報取得手段と、該領域取得手段により取得された領域位置情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させる注目領域選択手段と、該注目領域選択手段を介してユーザにより選択された注目領域を含むタイルの符号データをJPEG2000ファイルから抽出する抽出手段と、該抽出手段により抽出された符号データの中に上記注目領域以外の部分に対応する符号データがある場合に、該注目領域以外の部分に対応する符号データを、置換用の符号データと置換するデータ置換手段と、該データ置換手段から出力された符号データに、少なくともヘッダ情報を含む所定の符号データを付加して、上記注目領域に対応したJPEG2000ファイルを作成するJPEG2000ファイル作成手段と、該JPEG2000ファイル作成手段により作成されたJPEG2000ファイルを画像として表示する表示手段と、を有していることを特徴としたものである。
【0007】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記データ置換手段が、m×n画素から構成されるコードブロック単位(m,nはいずれも2のべき乗)で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴としたものである。
【0008】
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記データ置換手段が、上記JPEG2000における符号化及び復号化処理のウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換の処理単位であり、該JPEG2000ファイルが上記タイル以下のサイズに分割されてなるセル単位で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴としたものである。
【0009】
また、更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記データ置換手段が、上記JPEG2000における符号化処理のウェーブレット変換後に、又は、該JPEG2000における復号化処理の逆ウェーブレット変換前に、上記JPEG2000ファイルが上記タイルよりも小さいサイズに分割されてなるprecinct単位で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴としたものである。
【0010】
また、更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜4に係る発明のいずれか一において、上記データ置換手段が、上記置換用の符号データとして、白データ,黒データ、又は、処理対象であるJPEG2000ファイルの下地データを用いることを特徴としたものである。
【0011】
また、更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項1〜5に係る発明のいずれか一において、上記領域情報取得手段は、更に、上記注目領域に含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報を取得し、上記注目領域選択手段は、取得された領域位置情報及び属性情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させることを特徴としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る多機能複合機を含むネットワークシステムを概略的に示す図である。このネットワークシステム1は、パーソナルコンピュータ等の複数の端末機器10と、プリンタ,ファクス,コピー,スキャナ等の多機能を備えた多機能複合機(Multiple Function Peripheral:以下、MFPと略記)20と、を有している。各機器は、データ送受信可能に、ネットワークバス2を介して互いに接続されている。このネットワークシステム1では、例えば、端末機器10からMFP20へ情報データ(画像データを含む)を送信してプリントしたり、MFP20のスキャナ11(図2参照)で原稿を読み取ることにより情報データを取得し、これを端末機器10へ送信して保存したりすることが可能である。
【0013】
また、このネットワークシステム1は、ネットワークバス2を介して、インターネット50に接続されてもよい。この場合、MFP20は、必要に応じて、例えば他のネットワーク上にある遠隔の端末機器からの情報データを、インターネット50経由で受信し、プリントすることも可能である。
【0014】
図2は、端末機器10の基本構成を示すブロック図である。この端末機器10は、所定のオペレーティングプログラムに基づき各種の命令を実行させるなどして、MFP20内の各構成を制御するCPU3と、ユーザからキーボード,マウス等の各種設定入力を行うための操作部4と、データ入出力ポートとして、ネットワークシステム1(図1参照)上の外部機器に接続するネットワークインターフェースカード(図中では「NIC」と表記)12と、JPEG2000ファイルを含む各形式のファイルを画像として表示する表示部13と、上記のオペレーティングシステム等を格納するROM14と、各処理に際してデータを一時的に保存するためのRAM15とを有している。
【0015】
この端末機器10は、JPEG2000ファイルに含まれる注目領域を、JPEG2000ファイルにて規定されるタイル単位で抽出して表示することができ、この表示に際し、抽出した符号データについて、タイルの境界と注目領域の境界とが異なる場合に、注目領域以外の部分に対応する符号データを、所定の置換用データに置換し、これにより、ユーザの要求に一層応じた注目領域の表示を実現することが可能である。かかる処理を行うために、端末機器10は、上記の構成に加え、領域情報取得部6と、注目領域選択部7と、注目領域抽出部8と、データ置換部9と、JPEG2000ファイル作成部11とを有している。
【0016】
領域情報取得部6は、JPEG2000ファイルに対応する画像データ上での特定のオブジェクトを含む注目領域の位置をあらわす領域位置情報を取得するとともに、予め判別されたその注目領域に含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報を取得する。領域位置情報は、JPEG2000ファイルとともに予め外部で作成され、NIC12から入力される、若しくは、端末機器10本体でユーザにより操作部4を介して設定される。
【0017】
注目領域選択部7は、領域情報取得部6により取得された領域位置情報及び属性情報をユーザに参照させ、いずれかの注目領域を選択させる。
注目領域抽出部8は、元のJPEG2000ファイルから、注目領域選択部7を介してユーザにより選択された注目領域を含むタイルの符号データを抽出する。
また、データ置換部9は、注目領域抽出部8で抽出された符号データのうち、注目領域以外の符号データを、予め用意された置換用の符号データと置換する。
更に、JPEG2000ファイル作成部11は、データ置換部9によりその一部が置換されてなる符号データに、JPEG2000ファイルのヘッダ情報を含む所定の情報を付加して、最終的なJPEG2000ファイルを作成する。
【0018】
図3に、領域情報取得部6で取得される領域位置情報及び属性情報、及び、それらの情報に基づいて、JPEG2000ファイルに対応した画像データ上に注目領域A,B及びCが設定された状態を概念的に示す。各注目領域A,B,Cは、JPEG2000ファイルに対応した画像データ30中の文字や画像等のオブジェクトを取り囲むように指定される領域である。
【0019】
図から分かるように、各注目領域A,B,Cが矩形状に規定され、その位置情報は、画像データ30に指定された注目領域の1対角線上にある頂点の座標であらわされている。具体的には、注目領域Aが、座標P1(X1,Y1)及びP2(X2,Y2)で、また、注目領域Bが、座標P3(X3,Y3)及びP4(X4,Y4)で、更に、注目領域Cが、座標P5(X5,Y5)及びP6(X6,Y6)であらわされている。注目領域A,B,Cの属性情報は、それぞれ、各領域に含まれるオブジェクトの種類に基づき、画像,画像,文字とされている。
【0020】
この実施の形態では、端末機器10でJPEG2000ファイルが取得されると、各注目領域についての領域位置情報及び属性情報が、表示部13に表示されるようになっている。これらの参照情報に基づき、ユーザは、操作部4を介していずれかの注目領域を選択することができる。
【0021】
なお、注目領域を選択すべくユーザが参照する情報の表示部13による表示形式としては、領域位置情報及び属性情報を表示する形式に限定されることなく、例えば、図3の右側に示すように、具体的に、JPEG2000ファイルに対応する画像データよりも低解像度の画像データを表示部13に出力し、その画像データ上に領域位置情報に基づく領域枠を設定する表示形式を用いてもよい。属性情報については、例えば、領域枠内を画像及び文字領域別に特定の色で塗り分けることにより反映させてもよい。この表示形式によれば、ユーザは、画像データの構成をより適確に把握することができ、注目領域の選択を迅速に行うことができる。
【0022】
また、前述した実施の形態では、ユーザが、表示部12において、その領域位置情報に基づき予め所定位置に設定された注目領域を選択するようになっているが、これに限定されることはなく、ユーザ自身が、表示部12を確認しながら、操作部4を介し、例えば矩形状の選択フレームを用いて、注目領域を設定してもよい。
【0023】
図4に、JPEG2000ファイルに対応した画像データ上に設定される各注目領域と、符号化及び復号化の処理単位としてJPEG2000ファイルが分割されてなるタイルとの関係を示す。ここでは、JPEG2000ファイルが、計9枚(3×3枚)のタイルT1〜T9から構成される例が取り上げられている。
【0024】
また、図4に関連して、図5の(a)及び(b)には、9枚のタイルにより構成されるJPEG2000ファイルのビットストリームを示す。JPEG2000ファイル40は、SOC(start of codestream)マーカ41で始まり、EOC(end of codestream)マーカ44で終わる。SOCマーカ41とEOCマーカ44との間では、ヘッダ42を先頭に、図4に示すタイルT1〜T9にそれぞれ対応した第1〜第9タイルデータが続いている。
【0025】
ここで、図5の(a)から分かるように、ヘッダ42内にはSIZマーカ42aが含まれ、このSIZマーカ42aに、タイルサイズ情報が含まれている。このタイルサイズ情報に基づき、JPEG2000ファイルが複数のタイルに分割される。また、一方、図5の(b)から分かるように、第1タイルデータ43は、タイル開始マーカであるSOT(start of tile)マーカ43aと、タイルヘッダ43bと、データ開始マーカであるSODマーカ43cと、実際のタイルデータである符号データ43dとから構成されている。特に図示しないが、第2〜第9タイルデータ43も、第1タイルデータ43と同様の構成を有する。各タイルデータ43は、そのSOTマーカ43a及びSODマーカ43cを検出することで特定可能である。
【0026】
ユーザにより注目領域Aが選択された場合には、注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5に対応した第1,第2,第4,第5のタイルデータ43が抽出される。また、ユーザにより注目領域Bが選択された場合には、注目領域Bを含むタイルT2,T3,T5,T6に対応した第2,第3,第5,第6のタイルデータ43が抽出される。更に、ユーザにより注目領域Cが選択された場合には、注目領域Cを含むタイルT4,T5,T6,T7,T8,T9に対応した第4,第5,第6,第7,第8,第9のタイルデータ43が抽出される。
【0027】
図6には、ユーザにより注目領域Aが選択された場合に、注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5に対応して抽出される符号データの集合を示す。注目領域抽出部8では、ユーザによる選択に応じて、注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5に対応する符号データが抽出される。各タイルデータのフレーム枠に含まれる斜線部分が、それぞれ、注目領域Aを構成する符号データ(コードブロックデータ)に対応し、それ以外の白抜き部分が、注目領域A以外の部分を構成する符号データに対応する。
【0028】
図7は、図6に示される符号データの集合に基づき表示される画像を示す図である。この図から分かるように、ユーザにより注目領域Aが選択された場合、タイル単位で符号データが抽出されるため、まず、注目領域A以外の部分に対応した符号データも同時に抽出されることとなる。
【0029】
図8は、注目領域A以外の部分に対応した符号データが、置換用の符号データに置換されてなる符号データの集合を示す図である。データ置換部9では、図7で示した符号データのうち、注目領域A以外の部分に対応した符号データが、予め準備された置換用データ(コードブロックデータ)と置換される。ここで、置換用データとしては、2値化データとしての0データ(白データ)又は1データ(黒データ)、若しくは、処理対象であるJPEG2000ファイルの下地データが用いられる。下地データは、属性情報として、領域位置情報とともに、外部からNIC12を介して入力され、領域情報取得部6により取得されるものとする。なお、置換用データとしては、前述したデータに限定されることなく、注目領域とそれ以外の部分とを識別し易い画像を実現し得るものであれば、いかなるデータが用いられてもよい。
【0030】
図9に、図8に示される符号データの集合に基づき表示される画像を示す。この図から分かるように、注目領域A以外の部分に対応した符号データを置換用データに置換することで、注目領域A以外の部分(特に他の注目領域B,C)の余分で紛らわしい表示を防止することができる。
【0031】
タイル単位で抽出された符号データの集合にて、ユーザにより選択された注目領域以外の部分に対応した符号データを、置換用データに置換する場合に、「コードブロック単位」,「セル単位」,「precinct単位」という各種の置換単位を用いることができる。以下、図10〜12を参照して、図7に示す注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5のうち、同時に注目領域B,Cを含むタイルT5を置換する例を取り上げ、各置換単位について順に説明する。
【0032】
まず、図10の(a)及び(b)は、「コードブロック単位」で置換を行う例を示し、それぞれ、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換前及び置換後の状態を示す図である。「コードブロック」とは、m×n画素で構成されるブロックであらわす。ここで、m,nはいずれも2のべき乗であり、その範囲は、4≦m≦1024,4≦n≦1024である。また、コードブロックの面積は、m×n≦4096と定められている。この例では、タイルT5が、8×8のコードブロックに分割されている。
【0033】
図から分かるように、置換時には、各タイルにおいて、注目領域Aを含まないコードブロックに対応する符号データ、すなわち、高周波成分については、右側3列及び下側3列をなすコードブロックに対応する符号データが、置換用データと置換され、また、一方、低周波成分については、右端列及び下端列をなすコードブロックに対応する符号データが、置換用データと置換される。
【0034】
次に、図11の(a)及び(b)は、「セル単位」で置換を行う例を示し、それぞれ、タイルT5の置換前及び置換後の状態を示す図である。「セル」とは、タイルに含まれる画素に対してウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換が行われる単位であり、そのサイズはタイルと同じである、若しくは、それより小さいものになる。この例では、タイル5が、3×3のセルに分割されている。図から分かるように、置換時には、注目領域Aを含まないセル、すなわち、右端例及び下端列をなすセルに対応する符号データが、置換用データと置換される。
【0035】
図12の(a)及び(b)は、「precinct単位」で置換を行う例を示し、それぞれ、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換前及び置換後の状態を示す図である。「precinct」とは、JPEG2000における符号化処理のウェーブレット変換後の画像及び復号化処理の逆ウェーブレット変換前の画像に対して、分割が可能である小領域をあらわす。この例では、タイルT5に対応する領域が、3×3のprecinctに分割されている。図から分かるように、置換時には、注目領域Aを含まないprecinct、すなわち、右端列及び下端列をなすprecinctに対応する符号データが、置換用データと置換される。
【0036】
続いて、図13に、注目領域Aに対応したJPEG2000ファイルのビットストリームを示す。JPEG2000ファイル作成部11では、図8に示す符号データに対して、SOCマーカ41,ヘッダ42及びEOCマーカ44が付加される。これにより、ユーザにより選択された注目領域を含むタイルのJPEG2000ファイルが作成される。このJPEG2000ファイルにおいて、注目領域以外の部分に対応する符号データは、実際にユーザにより選択された注目領域の視認性を妨げない置換用データとなっている。
【0037】
図14は、前述したJPEG2000ファイルからの注目領域の抽出処理についてのフローチャートである。この処理では、まず、JPEG2000ファイルが取得されると(ステップS21)、領域情報取得部6により取得された領域情報(領域位置情報及び属性情報)を取得し、表示部13に表示する(ステップS22)。ユーザが、表示部13上の情報を参照して、1つの注目領域を選択すると(ステップS23)、JPEG2000ファイルから、そのヘッダに記載されているタイルサイズ情報を取得する(ステップS24)。
【0038】
次に、タイルサイズ情報に基づき、注目領域を含むタイルに対応する符号データを抽出する(ステップS25)。続いて、処理中のタイルに注目領域の境界が含まれているか否かを判定する(ステップS26)。この結果、注目領域の境界が含まれていないと判定した場合には、ステップS29へ進み、そのまま、注目領域に対応するJPEG2000ファイルのビットストリームを作成する。他方、注目領域の境界が含まれていると判定した場合には、引き続き、置換用データを取得して(ステップS27)、タイル中の注目領域以外のデータを、置換用データに置換する(ステップS28)。その後、ステップS28で得られた符号データに対してマーカ,ヘッダ等を付加することにより、ユーザにより選択された注目領域のJPEG2000ファイルとしてのビットストリームを作成する(ステップS29)。以上で、処理を終了する。
【0039】
このように、本実施の形態では、注目領域Aに対応する符号データをタイル単位で抽出し表示しようとした場合に、注目領域Aとともにタイルに含まれる注目領域以外の部分に対応する符号データを、置換用データに置換する処理を行うことで、選択された注目領域A以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを抑制することができ、これにより、ユーザの要求に一層応じた注目領域画像を取得することができる。
【0040】
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願の請求項1に係る発明によれば、注目領域に対応する符号データをタイル単位で抽出し表示する際に、注目領域以外の部分に対応する符号データを、置換用データに置換する処理を行うので、選択された注目領域以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを抑制することができ、その結果、ユーザの要求に一層応じた注目領域画像を取得することができる。
【0042】
また、本願の請求項2に係る発明によれば、上記注目領域以外の部分に対応する符号データが、m×n画素から構成されるコードブロック単位(m,nはいずれも2のべき乗)で置換用の符号データと置換されるので、選択された注目領域以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを適切に抑制することができる。
【0043】
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、上記注目領域以外の部分に対応する符号データが、上記JPEG2000における符号化及び復号化処理のウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換の処理単位であり、該JPEG2000ファイルが上記タイル以下のサイズに分割されてなるセル単位で、置換用の符号データと置換されるので、選択された注目領域以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを適切に抑制することができる。
【0044】
また、更に、本願の請求項4に係る発明によれば、上記注目領域以外の部分に対応する符号データが、上記JPEG2000における符号化処理のウェーブレット変換後に、又は、該JPEG2000における復号化処理の逆ウェーブレット変換前に、JPEG2000ファイルが上記タイルよりも小さいサイズに分割されてなるprecinct単位で、置換用の符号データと置換されるので、選択された注目領域以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを適切に抑制することができる。
【0045】
また、更に、本願の請求項5に係る発明によれば、上記データ置換手段が、上記置換用の符号データとして、白データ,黒データ、又は、処理対象であるJPEG2000ファイルの下地データを用いることで、注目領域とそれ以外の部分とを識別し易い画像を取得することができる。
【0046】
また、更に、本願の請求項6に係る発明によれば、上記領域情報取得手段は、注目領域の領域位置情報に加えて、該注目領域に含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報を取得し、上記注目領域選択手段は、取得された領域位置情報及び属性情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させることで、ユーザは、画像データの構成を適確に把握することができ、注目領域の選択を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る端末機器を含むネットワークシステムの構成を概略的に示す図である。
【図2】上記端末機器の基本構成を示すブロック図である。
【図3】領域位置情報及び属性情報に基づきJPEG2000ファイルに対応した画像データ上に各種注目領域が設定された状態を概念的に示す図である。
【図4】JPEG2000ファイルに対応した画像データ上に設定される各注目領域と、符号化及び復号化の処理単位としてJPEG2000ファイルが分割されてなるタイルとの関係を示す図である。
【図5】(a) ヘッダの詳細構成を示すJPEG2000ファイルのビットストリームを示す図である。
(b) タイルデータの詳細構成を示すJPEG2000ファイルのビットストリームを示す図である。
【図6】注目領域Aの選択に応じて、注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5に対応して抽出される符号データの集合を示す図である。
【図7】図6に示される符号データの集合に基づき表示される画像を示す図である。
【図8】注目領域A以外の部分に対応した符号データが、置換用の符号データに置換されてなる符号データの集合を示す図である。
【図9】図8に示される符号データの集合に基づき表示される画像を示す図である。
【図10】(a)「コードブロック単位」で置換を行う例を示し、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換前の状態を示す図である。
(b)「コードブロック単位」で置換を行う例を示し、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換後の状態を示す図である。
【図11】(a)「セル単位」で置換を行う例を示し、タイルT5の置換前の状態を示す図である。
(b)「セル単位」で置換を行う例を示し、それぞれ、タイルT5の置換後の状態を示す図である。
【図12】(a)「precinct単位」で置換を行う例を示し、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換前の状態を示す図である。
(b)「precinct単位」で置換を行う例を示し、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換後の状態を示す図である。
【図13】注目領域Aに対応したビットストリームを示す図である。
【図14】JPEG2000ファイルからの注目領域の抽出処理についてのフローチャートである。
【符号の説明】
3…CPU
4…操作部
5…HDD
6…領域情報取得部
7…注目領域選択部
8…注目領域抽出部
9…データ置換部
10…端末機器
11…JPEG2000ファイル作成部
13…表示部
20…MFP
41…SOC(start of codestream)マーカ
42…ヘッダ
43…第1〜第9タイルデータ
44…EOC(end of codestream)マーカ
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、JPEG2000ファイルを処理し得る画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像から特定の領域を抽出する方法として、原稿画像に複数種類の画像が存在する場合に、それぞれの画像の境界線を抽出することにより、領域判別を正確に行い、各領域に対して属性に応じた適切な画像処理を行う方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−283476号公報 (第4頁,第2,3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、画像データの圧縮性能の改善と機能拡張を図り、画像データをウェーブレット変換して圧縮するJPEG2000方式の開発及び普及が進められているが、このJPEG2000方式においては、ファイルから注目すべき領域(以下、注目領域という)を抽出する場合に、符号化処理及び復号化の処理単位として設定されるタイル単位で、注目領域を含む符号データが抽出されることが一般的である。従来知られる技術では、JPEG2000ファイルに対して設定されるタイルの境界と注目領域の境界とが異なる場合に、注目領域周辺にある余計な符号データも抽出し表示してしまい、場合によっては、ユーザの要求からはほど遠い画像が取得されることがあった。
【0005】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、注目領域に対応する符号データをタイル単位で抽出し表示する際に、タイルに含まれる注目領域以外の部分に対応した符号データが画像として表示されることを防止し得る画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、JPEG2000ファイルから所定のオブジェクトを含む注目領域を抽出するに際し、該JPEG2000ファイルがその処理単位として分割されてなるタイル単位で符号データを抽出する画像処理装置において、少なくともJPEG2000ファイル上での該注目領域の位置をあらわす領域位置情報を取得する領域情報取得手段と、該領域取得手段により取得された領域位置情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させる注目領域選択手段と、該注目領域選択手段を介してユーザにより選択された注目領域を含むタイルの符号データをJPEG2000ファイルから抽出する抽出手段と、該抽出手段により抽出された符号データの中に上記注目領域以外の部分に対応する符号データがある場合に、該注目領域以外の部分に対応する符号データを、置換用の符号データと置換するデータ置換手段と、該データ置換手段から出力された符号データに、少なくともヘッダ情報を含む所定の符号データを付加して、上記注目領域に対応したJPEG2000ファイルを作成するJPEG2000ファイル作成手段と、該JPEG2000ファイル作成手段により作成されたJPEG2000ファイルを画像として表示する表示手段と、を有していることを特徴としたものである。
【0007】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記データ置換手段が、m×n画素から構成されるコードブロック単位(m,nはいずれも2のべき乗)で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴としたものである。
【0008】
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記データ置換手段が、上記JPEG2000における符号化及び復号化処理のウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換の処理単位であり、該JPEG2000ファイルが上記タイル以下のサイズに分割されてなるセル単位で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴としたものである。
【0009】
また、更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記データ置換手段が、上記JPEG2000における符号化処理のウェーブレット変換後に、又は、該JPEG2000における復号化処理の逆ウェーブレット変換前に、上記JPEG2000ファイルが上記タイルよりも小さいサイズに分割されてなるprecinct単位で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴としたものである。
【0010】
また、更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜4に係る発明のいずれか一において、上記データ置換手段が、上記置換用の符号データとして、白データ,黒データ、又は、処理対象であるJPEG2000ファイルの下地データを用いることを特徴としたものである。
【0011】
また、更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項1〜5に係る発明のいずれか一において、上記領域情報取得手段は、更に、上記注目領域に含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報を取得し、上記注目領域選択手段は、取得された領域位置情報及び属性情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させることを特徴としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る多機能複合機を含むネットワークシステムを概略的に示す図である。このネットワークシステム1は、パーソナルコンピュータ等の複数の端末機器10と、プリンタ,ファクス,コピー,スキャナ等の多機能を備えた多機能複合機(Multiple Function Peripheral:以下、MFPと略記)20と、を有している。各機器は、データ送受信可能に、ネットワークバス2を介して互いに接続されている。このネットワークシステム1では、例えば、端末機器10からMFP20へ情報データ(画像データを含む)を送信してプリントしたり、MFP20のスキャナ11(図2参照)で原稿を読み取ることにより情報データを取得し、これを端末機器10へ送信して保存したりすることが可能である。
【0013】
また、このネットワークシステム1は、ネットワークバス2を介して、インターネット50に接続されてもよい。この場合、MFP20は、必要に応じて、例えば他のネットワーク上にある遠隔の端末機器からの情報データを、インターネット50経由で受信し、プリントすることも可能である。
【0014】
図2は、端末機器10の基本構成を示すブロック図である。この端末機器10は、所定のオペレーティングプログラムに基づき各種の命令を実行させるなどして、MFP20内の各構成を制御するCPU3と、ユーザからキーボード,マウス等の各種設定入力を行うための操作部4と、データ入出力ポートとして、ネットワークシステム1(図1参照)上の外部機器に接続するネットワークインターフェースカード(図中では「NIC」と表記)12と、JPEG2000ファイルを含む各形式のファイルを画像として表示する表示部13と、上記のオペレーティングシステム等を格納するROM14と、各処理に際してデータを一時的に保存するためのRAM15とを有している。
【0015】
この端末機器10は、JPEG2000ファイルに含まれる注目領域を、JPEG2000ファイルにて規定されるタイル単位で抽出して表示することができ、この表示に際し、抽出した符号データについて、タイルの境界と注目領域の境界とが異なる場合に、注目領域以外の部分に対応する符号データを、所定の置換用データに置換し、これにより、ユーザの要求に一層応じた注目領域の表示を実現することが可能である。かかる処理を行うために、端末機器10は、上記の構成に加え、領域情報取得部6と、注目領域選択部7と、注目領域抽出部8と、データ置換部9と、JPEG2000ファイル作成部11とを有している。
【0016】
領域情報取得部6は、JPEG2000ファイルに対応する画像データ上での特定のオブジェクトを含む注目領域の位置をあらわす領域位置情報を取得するとともに、予め判別されたその注目領域に含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報を取得する。領域位置情報は、JPEG2000ファイルとともに予め外部で作成され、NIC12から入力される、若しくは、端末機器10本体でユーザにより操作部4を介して設定される。
【0017】
注目領域選択部7は、領域情報取得部6により取得された領域位置情報及び属性情報をユーザに参照させ、いずれかの注目領域を選択させる。
注目領域抽出部8は、元のJPEG2000ファイルから、注目領域選択部7を介してユーザにより選択された注目領域を含むタイルの符号データを抽出する。
また、データ置換部9は、注目領域抽出部8で抽出された符号データのうち、注目領域以外の符号データを、予め用意された置換用の符号データと置換する。
更に、JPEG2000ファイル作成部11は、データ置換部9によりその一部が置換されてなる符号データに、JPEG2000ファイルのヘッダ情報を含む所定の情報を付加して、最終的なJPEG2000ファイルを作成する。
【0018】
図3に、領域情報取得部6で取得される領域位置情報及び属性情報、及び、それらの情報に基づいて、JPEG2000ファイルに対応した画像データ上に注目領域A,B及びCが設定された状態を概念的に示す。各注目領域A,B,Cは、JPEG2000ファイルに対応した画像データ30中の文字や画像等のオブジェクトを取り囲むように指定される領域である。
【0019】
図から分かるように、各注目領域A,B,Cが矩形状に規定され、その位置情報は、画像データ30に指定された注目領域の1対角線上にある頂点の座標であらわされている。具体的には、注目領域Aが、座標P1(X1,Y1)及びP2(X2,Y2)で、また、注目領域Bが、座標P3(X3,Y3)及びP4(X4,Y4)で、更に、注目領域Cが、座標P5(X5,Y5)及びP6(X6,Y6)であらわされている。注目領域A,B,Cの属性情報は、それぞれ、各領域に含まれるオブジェクトの種類に基づき、画像,画像,文字とされている。
【0020】
この実施の形態では、端末機器10でJPEG2000ファイルが取得されると、各注目領域についての領域位置情報及び属性情報が、表示部13に表示されるようになっている。これらの参照情報に基づき、ユーザは、操作部4を介していずれかの注目領域を選択することができる。
【0021】
なお、注目領域を選択すべくユーザが参照する情報の表示部13による表示形式としては、領域位置情報及び属性情報を表示する形式に限定されることなく、例えば、図3の右側に示すように、具体的に、JPEG2000ファイルに対応する画像データよりも低解像度の画像データを表示部13に出力し、その画像データ上に領域位置情報に基づく領域枠を設定する表示形式を用いてもよい。属性情報については、例えば、領域枠内を画像及び文字領域別に特定の色で塗り分けることにより反映させてもよい。この表示形式によれば、ユーザは、画像データの構成をより適確に把握することができ、注目領域の選択を迅速に行うことができる。
【0022】
また、前述した実施の形態では、ユーザが、表示部12において、その領域位置情報に基づき予め所定位置に設定された注目領域を選択するようになっているが、これに限定されることはなく、ユーザ自身が、表示部12を確認しながら、操作部4を介し、例えば矩形状の選択フレームを用いて、注目領域を設定してもよい。
【0023】
図4に、JPEG2000ファイルに対応した画像データ上に設定される各注目領域と、符号化及び復号化の処理単位としてJPEG2000ファイルが分割されてなるタイルとの関係を示す。ここでは、JPEG2000ファイルが、計9枚(3×3枚)のタイルT1〜T9から構成される例が取り上げられている。
【0024】
また、図4に関連して、図5の(a)及び(b)には、9枚のタイルにより構成されるJPEG2000ファイルのビットストリームを示す。JPEG2000ファイル40は、SOC(start of codestream)マーカ41で始まり、EOC(end of codestream)マーカ44で終わる。SOCマーカ41とEOCマーカ44との間では、ヘッダ42を先頭に、図4に示すタイルT1〜T9にそれぞれ対応した第1〜第9タイルデータが続いている。
【0025】
ここで、図5の(a)から分かるように、ヘッダ42内にはSIZマーカ42aが含まれ、このSIZマーカ42aに、タイルサイズ情報が含まれている。このタイルサイズ情報に基づき、JPEG2000ファイルが複数のタイルに分割される。また、一方、図5の(b)から分かるように、第1タイルデータ43は、タイル開始マーカであるSOT(start of tile)マーカ43aと、タイルヘッダ43bと、データ開始マーカであるSODマーカ43cと、実際のタイルデータである符号データ43dとから構成されている。特に図示しないが、第2〜第9タイルデータ43も、第1タイルデータ43と同様の構成を有する。各タイルデータ43は、そのSOTマーカ43a及びSODマーカ43cを検出することで特定可能である。
【0026】
ユーザにより注目領域Aが選択された場合には、注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5に対応した第1,第2,第4,第5のタイルデータ43が抽出される。また、ユーザにより注目領域Bが選択された場合には、注目領域Bを含むタイルT2,T3,T5,T6に対応した第2,第3,第5,第6のタイルデータ43が抽出される。更に、ユーザにより注目領域Cが選択された場合には、注目領域Cを含むタイルT4,T5,T6,T7,T8,T9に対応した第4,第5,第6,第7,第8,第9のタイルデータ43が抽出される。
【0027】
図6には、ユーザにより注目領域Aが選択された場合に、注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5に対応して抽出される符号データの集合を示す。注目領域抽出部8では、ユーザによる選択に応じて、注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5に対応する符号データが抽出される。各タイルデータのフレーム枠に含まれる斜線部分が、それぞれ、注目領域Aを構成する符号データ(コードブロックデータ)に対応し、それ以外の白抜き部分が、注目領域A以外の部分を構成する符号データに対応する。
【0028】
図7は、図6に示される符号データの集合に基づき表示される画像を示す図である。この図から分かるように、ユーザにより注目領域Aが選択された場合、タイル単位で符号データが抽出されるため、まず、注目領域A以外の部分に対応した符号データも同時に抽出されることとなる。
【0029】
図8は、注目領域A以外の部分に対応した符号データが、置換用の符号データに置換されてなる符号データの集合を示す図である。データ置換部9では、図7で示した符号データのうち、注目領域A以外の部分に対応した符号データが、予め準備された置換用データ(コードブロックデータ)と置換される。ここで、置換用データとしては、2値化データとしての0データ(白データ)又は1データ(黒データ)、若しくは、処理対象であるJPEG2000ファイルの下地データが用いられる。下地データは、属性情報として、領域位置情報とともに、外部からNIC12を介して入力され、領域情報取得部6により取得されるものとする。なお、置換用データとしては、前述したデータに限定されることなく、注目領域とそれ以外の部分とを識別し易い画像を実現し得るものであれば、いかなるデータが用いられてもよい。
【0030】
図9に、図8に示される符号データの集合に基づき表示される画像を示す。この図から分かるように、注目領域A以外の部分に対応した符号データを置換用データに置換することで、注目領域A以外の部分(特に他の注目領域B,C)の余分で紛らわしい表示を防止することができる。
【0031】
タイル単位で抽出された符号データの集合にて、ユーザにより選択された注目領域以外の部分に対応した符号データを、置換用データに置換する場合に、「コードブロック単位」,「セル単位」,「precinct単位」という各種の置換単位を用いることができる。以下、図10〜12を参照して、図7に示す注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5のうち、同時に注目領域B,Cを含むタイルT5を置換する例を取り上げ、各置換単位について順に説明する。
【0032】
まず、図10の(a)及び(b)は、「コードブロック単位」で置換を行う例を示し、それぞれ、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換前及び置換後の状態を示す図である。「コードブロック」とは、m×n画素で構成されるブロックであらわす。ここで、m,nはいずれも2のべき乗であり、その範囲は、4≦m≦1024,4≦n≦1024である。また、コードブロックの面積は、m×n≦4096と定められている。この例では、タイルT5が、8×8のコードブロックに分割されている。
【0033】
図から分かるように、置換時には、各タイルにおいて、注目領域Aを含まないコードブロックに対応する符号データ、すなわち、高周波成分については、右側3列及び下側3列をなすコードブロックに対応する符号データが、置換用データと置換され、また、一方、低周波成分については、右端列及び下端列をなすコードブロックに対応する符号データが、置換用データと置換される。
【0034】
次に、図11の(a)及び(b)は、「セル単位」で置換を行う例を示し、それぞれ、タイルT5の置換前及び置換後の状態を示す図である。「セル」とは、タイルに含まれる画素に対してウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換が行われる単位であり、そのサイズはタイルと同じである、若しくは、それより小さいものになる。この例では、タイル5が、3×3のセルに分割されている。図から分かるように、置換時には、注目領域Aを含まないセル、すなわち、右端例及び下端列をなすセルに対応する符号データが、置換用データと置換される。
【0035】
図12の(a)及び(b)は、「precinct単位」で置換を行う例を示し、それぞれ、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換前及び置換後の状態を示す図である。「precinct」とは、JPEG2000における符号化処理のウェーブレット変換後の画像及び復号化処理の逆ウェーブレット変換前の画像に対して、分割が可能である小領域をあらわす。この例では、タイルT5に対応する領域が、3×3のprecinctに分割されている。図から分かるように、置換時には、注目領域Aを含まないprecinct、すなわち、右端列及び下端列をなすprecinctに対応する符号データが、置換用データと置換される。
【0036】
続いて、図13に、注目領域Aに対応したJPEG2000ファイルのビットストリームを示す。JPEG2000ファイル作成部11では、図8に示す符号データに対して、SOCマーカ41,ヘッダ42及びEOCマーカ44が付加される。これにより、ユーザにより選択された注目領域を含むタイルのJPEG2000ファイルが作成される。このJPEG2000ファイルにおいて、注目領域以外の部分に対応する符号データは、実際にユーザにより選択された注目領域の視認性を妨げない置換用データとなっている。
【0037】
図14は、前述したJPEG2000ファイルからの注目領域の抽出処理についてのフローチャートである。この処理では、まず、JPEG2000ファイルが取得されると(ステップS21)、領域情報取得部6により取得された領域情報(領域位置情報及び属性情報)を取得し、表示部13に表示する(ステップS22)。ユーザが、表示部13上の情報を参照して、1つの注目領域を選択すると(ステップS23)、JPEG2000ファイルから、そのヘッダに記載されているタイルサイズ情報を取得する(ステップS24)。
【0038】
次に、タイルサイズ情報に基づき、注目領域を含むタイルに対応する符号データを抽出する(ステップS25)。続いて、処理中のタイルに注目領域の境界が含まれているか否かを判定する(ステップS26)。この結果、注目領域の境界が含まれていないと判定した場合には、ステップS29へ進み、そのまま、注目領域に対応するJPEG2000ファイルのビットストリームを作成する。他方、注目領域の境界が含まれていると判定した場合には、引き続き、置換用データを取得して(ステップS27)、タイル中の注目領域以外のデータを、置換用データに置換する(ステップS28)。その後、ステップS28で得られた符号データに対してマーカ,ヘッダ等を付加することにより、ユーザにより選択された注目領域のJPEG2000ファイルとしてのビットストリームを作成する(ステップS29)。以上で、処理を終了する。
【0039】
このように、本実施の形態では、注目領域Aに対応する符号データをタイル単位で抽出し表示しようとした場合に、注目領域Aとともにタイルに含まれる注目領域以外の部分に対応する符号データを、置換用データに置換する処理を行うことで、選択された注目領域A以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを抑制することができ、これにより、ユーザの要求に一層応じた注目領域画像を取得することができる。
【0040】
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願の請求項1に係る発明によれば、注目領域に対応する符号データをタイル単位で抽出し表示する際に、注目領域以外の部分に対応する符号データを、置換用データに置換する処理を行うので、選択された注目領域以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを抑制することができ、その結果、ユーザの要求に一層応じた注目領域画像を取得することができる。
【0042】
また、本願の請求項2に係る発明によれば、上記注目領域以外の部分に対応する符号データが、m×n画素から構成されるコードブロック単位(m,nはいずれも2のべき乗)で置換用の符号データと置換されるので、選択された注目領域以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを適切に抑制することができる。
【0043】
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、上記注目領域以外の部分に対応する符号データが、上記JPEG2000における符号化及び復号化処理のウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換の処理単位であり、該JPEG2000ファイルが上記タイル以下のサイズに分割されてなるセル単位で、置換用の符号データと置換されるので、選択された注目領域以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを適切に抑制することができる。
【0044】
また、更に、本願の請求項4に係る発明によれば、上記注目領域以外の部分に対応する符号データが、上記JPEG2000における符号化処理のウェーブレット変換後に、又は、該JPEG2000における復号化処理の逆ウェーブレット変換前に、JPEG2000ファイルが上記タイルよりも小さいサイズに分割されてなるprecinct単位で、置換用の符号データと置換されるので、選択された注目領域以外の部分に対応する符号データが画像として表示されることを適切に抑制することができる。
【0045】
また、更に、本願の請求項5に係る発明によれば、上記データ置換手段が、上記置換用の符号データとして、白データ,黒データ、又は、処理対象であるJPEG2000ファイルの下地データを用いることで、注目領域とそれ以外の部分とを識別し易い画像を取得することができる。
【0046】
また、更に、本願の請求項6に係る発明によれば、上記領域情報取得手段は、注目領域の領域位置情報に加えて、該注目領域に含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報を取得し、上記注目領域選択手段は、取得された領域位置情報及び属性情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させることで、ユーザは、画像データの構成を適確に把握することができ、注目領域の選択を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る端末機器を含むネットワークシステムの構成を概略的に示す図である。
【図2】上記端末機器の基本構成を示すブロック図である。
【図3】領域位置情報及び属性情報に基づきJPEG2000ファイルに対応した画像データ上に各種注目領域が設定された状態を概念的に示す図である。
【図4】JPEG2000ファイルに対応した画像データ上に設定される各注目領域と、符号化及び復号化の処理単位としてJPEG2000ファイルが分割されてなるタイルとの関係を示す図である。
【図5】(a) ヘッダの詳細構成を示すJPEG2000ファイルのビットストリームを示す図である。
(b) タイルデータの詳細構成を示すJPEG2000ファイルのビットストリームを示す図である。
【図6】注目領域Aの選択に応じて、注目領域Aを含むタイルT1,T2,T4,T5に対応して抽出される符号データの集合を示す図である。
【図7】図6に示される符号データの集合に基づき表示される画像を示す図である。
【図8】注目領域A以外の部分に対応した符号データが、置換用の符号データに置換されてなる符号データの集合を示す図である。
【図9】図8に示される符号データの集合に基づき表示される画像を示す図である。
【図10】(a)「コードブロック単位」で置換を行う例を示し、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換前の状態を示す図である。
(b)「コードブロック単位」で置換を行う例を示し、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換後の状態を示す図である。
【図11】(a)「セル単位」で置換を行う例を示し、タイルT5の置換前の状態を示す図である。
(b)「セル単位」で置換を行う例を示し、それぞれ、タイルT5の置換後の状態を示す図である。
【図12】(a)「precinct単位」で置換を行う例を示し、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換前の状態を示す図である。
(b)「precinct単位」で置換を行う例を示し、ウェーブレット分解レベル2で符号化され、高周波成分及び低周波成分からなるサブバンドに分解されたタイルT5の置換後の状態を示す図である。
【図13】注目領域Aに対応したビットストリームを示す図である。
【図14】JPEG2000ファイルからの注目領域の抽出処理についてのフローチャートである。
【符号の説明】
3…CPU
4…操作部
5…HDD
6…領域情報取得部
7…注目領域選択部
8…注目領域抽出部
9…データ置換部
10…端末機器
11…JPEG2000ファイル作成部
13…表示部
20…MFP
41…SOC(start of codestream)マーカ
42…ヘッダ
43…第1〜第9タイルデータ
44…EOC(end of codestream)マーカ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
JPEG2000ファイルから所定のオブジェクトを含む注目領域を抽出するに際し、該JPEG2000ファイルがその処理単位として分割されてなるタイル単位で符号データを抽出する画像処理装置において、
少なくともJPEG2000ファイル上での該注目領域の位置をあらわす領域位置情報を取得する領域情報取得手段と、
上記領域取得手段により取得された領域位置情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させる注目領域選択手段と、
上記注目領域選択手段を介してユーザにより選択された注目領域を含むタイルの符号データをJPEG2000ファイルから抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された符号データの中に上記注目領域以外の部分に対応する符号データがある場合に、該注目領域以外の部分に対応する符号データを、置換用の符号データと置換するデータ置換手段と、
上記データ置換手段から出力された符号データに、少なくともヘッダ情報を含む所定の符号データを付加して、上記注目領域に対応したJPEG2000ファイルを作成するJPEG2000ファイル作成手段と、
上記JPEG2000ファイル作成手段により作成されたJPEG2000ファイルを画像として表示する表示手段と、を有していることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記データ置換手段が、m×n画素から構成されるコードブロック単位(m,nはいずれも2のべき乗)で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記データ置換手段が、上記JPEG2000における符号化及び復号化処理のウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換の処理単位であり、該JPEG2000ファイルが上記タイル以下のサイズに分割されてなるセル単位で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記データ置換手段が、上記JPEG2000における符号化処理のウェーブレット変換後に、又は、該JPEG2000における復号化処理の逆ウェーブレット変換前に、上記JPEG2000ファイルが上記タイルよりも小さいサイズに分割されてなるprecinct単位で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記データ置換手段が、上記置換用の符号データとして、白データ,黒データ、又は、処理対象であるJPEG2000ファイルの下地データを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記領域情報取得手段は、更に、上記注目領域に含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報を取得し、
上記注目領域選択手段は、取得された領域位置情報及び属性情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の画像処理装置。
【請求項1】
JPEG2000ファイルから所定のオブジェクトを含む注目領域を抽出するに際し、該JPEG2000ファイルがその処理単位として分割されてなるタイル単位で符号データを抽出する画像処理装置において、
少なくともJPEG2000ファイル上での該注目領域の位置をあらわす領域位置情報を取得する領域情報取得手段と、
上記領域取得手段により取得された領域位置情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させる注目領域選択手段と、
上記注目領域選択手段を介してユーザにより選択された注目領域を含むタイルの符号データをJPEG2000ファイルから抽出する抽出手段と、
上記抽出手段により抽出された符号データの中に上記注目領域以外の部分に対応する符号データがある場合に、該注目領域以外の部分に対応する符号データを、置換用の符号データと置換するデータ置換手段と、
上記データ置換手段から出力された符号データに、少なくともヘッダ情報を含む所定の符号データを付加して、上記注目領域に対応したJPEG2000ファイルを作成するJPEG2000ファイル作成手段と、
上記JPEG2000ファイル作成手段により作成されたJPEG2000ファイルを画像として表示する表示手段と、を有していることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記データ置換手段が、m×n画素から構成されるコードブロック単位(m,nはいずれも2のべき乗)で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記データ置換手段が、上記JPEG2000における符号化及び復号化処理のウェーブレット変換及び逆ウェーブレット変換の処理単位であり、該JPEG2000ファイルが上記タイル以下のサイズに分割されてなるセル単位で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記データ置換手段が、上記JPEG2000における符号化処理のウェーブレット変換後に、又は、該JPEG2000における復号化処理の逆ウェーブレット変換前に、上記JPEG2000ファイルが上記タイルよりも小さいサイズに分割されてなるprecinct単位で、上記注目領域以外の部分に対応する符号データを置換用の符号データと置換することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記データ置換手段が、上記置換用の符号データとして、白データ,黒データ、又は、処理対象であるJPEG2000ファイルの下地データを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記領域情報取得手段は、更に、上記注目領域に含まれるオブジェクトの種類をあらわす属性情報を取得し、
上記注目領域選択手段は、取得された領域位置情報及び属性情報に基づき、上記注目領域の少なくとも1つをユーザに選択させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2004−289211(P2004−289211A)
【公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−75335(P2003−75335)
【出願日】平成15年3月19日(2003.3.19)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年3月19日(2003.3.19)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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