説明

画像形成装置

【課題】 帯電器から放出されたオゾンを正規のオゾン排出ダクトに吸引することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体1Yと、該感光体表面を帯電させるコロナ帯電器2Yと、感光体上に静電潜像を形成する画像書込装置3Yと、静電潜像をトナー像にする現像器4Yと、前記コロナ帯電器に近接した吸入口を有し、該コロナ帯電器から出るオゾンを吸入して排出するオゾン排出ダクト110を備えた画像形成装置において、前記コロナ帯電器のオゾン排出空間から前記オゾン排出ダクト110の吸入口までを前記感光体1Yと共同して閉空間とする遮蔽部150を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コロナ帯電器を備えた画像形成装置に関し、特に、コロナ帯電器から発生するオゾンや現像器から飛散するトナー粉末を回収するためのダクトを備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、コロナ放電に伴ってコロナ帯電器からオゾンが発生したり、現像操作に伴って現像器からトナーが飛散したりするが、これらオゾンやトナーが、環境や画質に好ましくない影響を与えることは知られている。
【0003】
オゾンについては、コロナ帯電器の構成を工夫したり、発生したオゾンを吸引ファンで強制的に吸引するとともに、その途上に設けたフィルタで臭気をとる構成などが提案されている。
【0004】
飛散トナーについては、感光体表面と、感光体に対向する現像スリーブ用の開口を形成する現像器基体との間にフィルムシートを設けて密閉空間を作ったり、また、現像領域に浮遊するトナーを吸引手段により吸引し、フィルタで除去する等の提案がされている。
【0005】
しかしながら、上記構成はそれなりに有用ではあるものの、まだ満足できるようなレベルのものではなく、また、例えば、タンデム方式、特に、中間転写方式のタンデム方式のようにスペース的に極めて厳しい画像形成装置に適応できるようなものではなかった。
【0006】
このような問題に対し、特許文献1(特開2003−215993)では、縦方向に4組の画像形成ユニットを備え、中間転写体を使用したタンデム型画像形成装置において、各画像形成ユニット毎にダクトブロックを設けた構成を提案している。このダクトブロックは、コロナ帯電器内に空気を送り込む空気導入ダクトと、コロナ帯電器から発生するオゾンを排出するオゾン排出ダクトと、飛散トナーを回収するトナー排出ダクトとを階層状に設けた構造となっている。
【0007】
このような構成によって、ダクトブロックを小型化し、取り扱いを容易にすることができ、中間転写方式を採用したタンデム型のような、スペース的に極めて厳しい画像形成装置にも設置することが可能になった。
【特許文献1】特開2003−215993号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1では、コロナ帯電器から放出されたオゾンを効果的に吸引できないという問題がある。すなわち、オゾン排出ダクトの吸入口は、帯電器の方向に向いておらず、オゾンが流れる方向と同じ方向に向いている。これは、吸入口の広さを確保するために採用された構成である。帯電器から放出されたオゾンは、感光体の回転方向に流れるのに対し、吸入口が同じ向きを向いているので、オゾンは、一端、現像器下部の空間に漂い、その後、オゾン排出ダクトに吸引され、オゾンフィルターを通過して機外に排出される。それでも、画像形成速度が低速、中速であれば、オゾンの大部分をこのオゾン排出ダクトで吸収することができる。
【0009】
ところで、画像形成装置が高速化すると、オゾンの流れも早くなる。また、現像部内部にあるトナーを撹拌する撹拌スクリューや、現像スリーブなどの回転も上昇し、トナーが摩擦により高温になる。一方、トナーの低温定着化も進んでおり、高温により、トナーが現像器内で溶融して固まりができ易くなっている。そのため、外気温度に近い空気を現像器後方から感光体に向かって送り込んで、現像器を冷却するようになってきた。一方、現像器下部の空間にはオゾンが漂っており、現像器を冷却する風と、オゾンの流れとが衝突して、オゾン排出ダクトに吸引されるはずのオゾンが吸引されずに画像形成装置内に拡散され、冷却ファンなどの意図しない経路から機外に排出される可能性が生じてきた。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みたもので、帯電器から放出されたオゾンを正規のオゾン排出ダクトに吸引することができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために本発明の画像形成装置は、感光体と、該感光体表面を帯電させるコロナ帯電器と、前記感光体上に静電潜像を形成する画像書込装置と、静電潜像をトナー像にする現像器と、前記コロナ帯電器に近接した吸入口を有し、該コロナ帯電器から出るオゾンを吸入して排出するオゾン排出ダクトを備えた画像形成装置において、前記コロナ帯電器のオゾン排出空間から前記オゾン排出ダクトの吸入口までを前記感光体と共同して閉空間とする遮蔽部を設けたことを特徴としている。
【0012】
前記オゾン排出ダクトが、前記画像書込装置が感光体に静電潜像を形成するための書込光路に隣接した位置に設置され、前記遮蔽部の少なくとも一部が前記書込光路を横断し、遮蔽部の少なくとも前記書込光路を横断する部分が透明である構成とすることができる。
【0013】
または、前記遮蔽部と前記感光体との間に隙間を設けた構成としたり、前記コロナ帯電器に空気を送り込む空気導入ダクトを、前記オゾン排出ダクトに階層状に設けたダクトブロックとした構成としたり、前記現像器から発生する飛散トナーを排出するトナー排出ダクトを有し、前記オゾン排出ダクト、空気導入ダクトと合わせて階層状のダクトブロックにした構成とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オゾン排出ダクトに遮蔽部を設けたので、帯電器から発生するオゾンは、遮蔽部にぶつかりオゾン排出ダクトに吸引され、オゾンの殆どを回収し、オゾンが外部に漏れるのを防止することができる、また、感度劣化等の感光体ドラムに及ぼすオゾンの弊害を極力軽減させることができる、という優れた効果を奏する。
【0015】
遮蔽部の少なくとも一部が前記書込光路内にあり、遮蔽部の少なくとも前記書込光路内にある部分が透明である構成とすることによって、オゾン排出ダクトの吸引口の大きさを大きく確保し、オゾンを吸引し易くすることができる。
【0016】
遮蔽部先端と前記感光体との間に隙間を有する構成とすることで、遮蔽部で感光体を傷つけることを防止することができる。
【0017】
前記オゾン排出ダクトと空気導入ダクトとを階層状に配置したり、これらに加えてトナー排出ダクトをも階層状に配置することで、設置場所が狭いタンデム型のカラー画像形成装置でも、ダクトブロックを設けることが可能となる。また、階層構造にすることによって、各ダクトが明確に分離されるので、オゾン風、飛散トナーの風、冷却風という3つの風のコントロールがうまくできるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係わる実施の形態の一例について、以下に、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の1実施例としての画像形成装置の構成を示す図である。ただし、都合によりダクトブロックは省略している。図1に示すように、この画像形成装置はタンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、原稿自動搬送手段30、画像読取装置60、画像書込装置3Y,3M,3C,3K、感光体1Y,1M,1C,1K、帯電器2Y,2M,2C,2K、現像器4Y,4M,4C,4K、定着装置24、中間転写ベルトからなる像担持体6、給紙カセット20a,20b,20c、搬送系22等を有する。
【0020】
5Y,5M,5C,5Kは、現像器4Y,4M,4C,4Kにそれぞれ新規トナーを補給するトナー補給手段である。
【0021】
原稿自動搬送手段30は両面又は片面の原稿dを自動搬送する手段である。画像読取装置60は、走査光学系により画像情報が読み取られる装置で、原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を、3枚の可動ミラー60cで反射し、集光レンズ60bにより、CCDからなる撮像素子60a上に結像して読み取る。
【0022】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体としての感光体1Yの周囲に配置された帯電器2Y、画像書込装置3Y、現像器4Y及びクリーニング装置8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体としての感光体1M、帯電器2M、画像書込装置3M、現像器4M及びクリーニング装置8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体としての感光体1C、帯電器2C、画像書込装置3C、現像器4C及びクリーニング装置8Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Kは、像担持体としての感光体1K、帯電器2K、画像書込装置3K、現像器4K及びクリーニング装置8Kを有する。帯電器2Yと画像書込装置3Y、帯電器2Mと画像書込装置3M、帯電器2Cと画像書込装置3C及び帯電器2Kと画像書込装置3Kとは、各色の潜像形成手段を構成する。
【0023】
中間転写ベルトである像担持体6は、無端状のベルトであり、複数のローラにより張架され、回動可能に支持されている。この像担持体6には、クリーニング装置9が設けられている。クリーニング装置9は、クリーニングローラとクリーニングブレードとを備えている。
【0024】
撮像素子60a上に結像した画像情報の信号は、図示しない画像処理部に送られる。画像処理部は、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書込装置3Y,3M,3C,3Kに各色ごとの信号を送る。
【0025】
画像書込装置3Y,3M,3C,3Kでは、レーザ光源としての半導体レーザを用い、半導体レーザが出射した光ビームはポリゴンミラーなどの光学要素により走査光ビームに形成されて被走査体としての感光体1Y,1M,1C,1Kに入射し、各色の静電潜像を形成する。
【0026】
画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する像担持体6上に1次転写装置としての転写装置7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20a,20b,20c内に収容された用紙Pは、給紙手段21a,21b,21cにより給紙され、搬送系22を経て、レジストローラ23でタイミングを合わせて2次転写装置としての転写装置7aに搬送され、用紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0027】
一方、転写装置7aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを分離した像担持体6は、クリーニング装置9によりクリーニングされる。
【0028】
図2は図1の画像形成装置の要部を示す図で、。図3は、図2の1つのダクトブロック100とその周辺を拡大した図、図4は、ダクトブロック100の構成を一部断面で示す斜視図である。
【0029】
イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の4色の画像形成ユニットと、中間転写体としての像担持体6等は、図示しないプロセス架台に取りつけられている。このプロセス架台は、装置本体側に設けられた図示しないレールを介して紙面に対して垂直方向に出し入れできるようになっている。各帯電器2Y,2M,2C,2Kも紙面に対して垂直方向に取り付け、取り外しができる。
【0030】
本発明に係わるダクトブロック100は帯電器2Y,2M,2C,2Kと、各帯電器に対応する現像器4Y,4M,4C,4K、との間に配置されている。以下の説明では、帯電器2Yと現像器4Yとの間に設けられたダクトブロック100について説明するが、特に断りがない限り、他の帯電器2M,2C,2Kと現像器4M,4C,4Kとの間に設けられたダクトブロック100も同じ構成である。
【0031】
前記ダクトブロック100は、仕切壁101,102,103,104により区分された3つのダクト110,120,130を階層状に重ねた構成となっている。
【0032】
中間にある空気導入ダクト120は、外気を帯電器内に導くためのダクトであり、その上に形成された、オゾン排出ダクト110は、帯電器2Yから出るオゾン(コロナ放電電極の作動に伴って発生する)を当該帯電器2Y内またはその周囲から除去・排出するためのダクトである。
【0033】
前記オゾン排出ダクト110は、ダクトブロック100の頂部の仕切壁101と、空気導入ダクト120との境界となる仕切壁102との間に形成されている。オゾン排出ダクト110の吸入口は、感光体1Yの回転方向(反時計方向)に見て帯電器2Yの下流に位置する。
【0034】
前記仕切壁103の感光体1Y寄りには、帯電器2Yを取り付ける取付手段(後記)があり、帯電器2Yを取り付けた状態で、帯電器2Yの底面とその背後に対向する仕切壁103との間に空間121が形成されている。帯電器2Yの底面には、孔が穿設されていて、空気導入ダクト120から供給される空気は、帯電器2Yを通過して感光体1Yに達するようになっている。
【0035】
なお、前記ダクトブロック100の下面(具体的には、左斜め下方に傾斜した前記仕切壁103部分を含む下面)と、前記仕切壁103の下面と同様の形状を持った下側の現像器4Mの仕切壁101の上面とにより、現像領域近傍と前記感光体1Yから離れた位置にある前記トナー排出ダクト130とを連通するトナー排出のための通路105を形成している。仕切壁104の先端には、下側の現像器4Mの仕切壁101との間を閉止するシール104aが設けられている。
【0036】
前記ダクトブロック100は、樹脂成型品からなる4つの仕切壁をネジ等で結合することにより構成される。また、前記オゾン排出ダクト110およびトナー排出ダクト130の一方端部は開放されており、図示しないが、プロセス架台に設けられる1つのダクトを介してファン等の吸引手段に繋がっており、その中間には、オゾン除去用の活性炭入りフィルタ、および、トナー吸着用のフィルタがあり、これらは交換可能である。
【0037】
空気導入ダクト120もプロセス架台に設けられる別のダクトに接続される。このダクトには、ファン等が設けられていて、外気を帯電器2Yを通して感光体1Yに送り込む。
【0038】
なお、トナー排出ダクト130は、ダクトブロック100の壁面103と、その下側にある現像器4Mの仕切壁101とで形成される通路105と連通している。トナー排出ダクト130と通路105の接続部となる仕切壁104の先端には、合成樹脂製のシール104aがあり、飛散トナーが通路105からスムーズにトナー排出ダクト130内に流れ込むためのガイドとなっている。
【0039】
最下部の現像器4Kの下側に設けられるダクトブロック100は、その下には次の現像器がないので、現像器の最上の仕切壁101と同じ形状の板を設けることで、通路105を形成することになる。
【0040】
各画像形成ユニットに設けられたダクトブロック100の各3つのダクトのうち、オゾン排出ダクト110とトナー排出ダクト130は、端部において吸引手段に接続され、強制的な空気の流れが安定的に作られ、帯電器や現像器から出るオゾンあるいはトナーがダクト内を移送され、フィルタによりオゾン臭気や飛散トナーが吸着除去される。
【0041】
また、感光体1Yが回転すると、感光体1Yの周囲には空気の流れ(表層流)が生じる。これによって、帯電器2Y近傍の気圧は低下し、空気導入ダクト120から外気が取り込まれる。感光体1Yは回転しているので、帯電器2Yを通過した空気は、感光体1Yの表面に達し、感光体1Yの回転に引き連れられて表層流と合流する。この表層流が、帯電器2Y内やその周囲からのオゾンを、感光体1Yの回転方向に移動させる。
【0042】
図4に示すように、帯電器2Yが位置づけられる仕切壁103の両端部には、前記帯電器2Yを受け入れる枠106を前記仕切壁面と直交する方向に設けてあり、かつ、その手前側(長手方向にみて内側の意)の仕切壁103上に帯電器取付手段107を設けてある。
【0043】
前記帯電器取付手段107は前記帯電器2Yを図において左上方向、即ち、感光体1Yの周面に近接する方向に付勢する付勢手段からなり、具体的には、バネにより一方向に付勢されたコロからなる。この構成により、帯電器2Yの底面と仕切壁103との間に空間121を形成することができる。
【0044】
露光手段108はアレイ状のLEDからなり、帯電器2Yによる帯電前の感光体1Yを照射し、静電画像の痕跡を消去する役割を果たす。
【0045】
ダクトブロック100を構成する仕切壁101,102,103,104は、ダボやねじ109などにより結合され、あるいは、仕切壁104と仕切壁103のように、一方に凹部を他方に突起を準備し、前記突起を前記凹部に嵌め込むことにより接着等によって係合を図ることができる。
【0046】
図4から明らかなように、仕切壁102、および、仕切壁104は垂直に立設された複数の区画壁により区画され、吸入側においてはその長手方向において均一な吸入が達成できるように区画幅等を工夫してある。
【0047】
以上の構成は、特許文献1に記載されたものと同じである。この構成によれば、オゾン排出ダクト110の吸入口は、広いが上向きになっている。低速機や中速機であれば、これでよいが、高速機になると、現像器4Yを冷却するための風が図3の右から矢印に示すように流れる。これが、現像器4Yとダクトブロック100との間の書込光路200内に吹き込み、ここに漂っているオゾンとぶつかり、オゾンが装置内に拡散されてしまう。
【0048】
本発明は、これを防止するために、仕切壁101の先端に遮蔽部150を設けたことに特徴がある。遮蔽部150の材質は、特に限定されず、仕切壁101と同じ材質でも、異なっていてもよい。この実施例では、遮蔽部150は平板状で、仕切壁101と別に形成したものを接着などで接続している。遮蔽部150と仕切壁101との接続は、ねじでもよい。また、仕切壁101を延長して遮蔽部150とした一体構成にすることも可能である。
【0049】
次に、本発明の画像形成装置によるオゾンの排出方法を説明する。
【0050】
画像形成が始まると、感光体1Yが反時計方向に回転し、帯電器2Yがコロナ放電により感光体1Yの表面に一様に帯電させる。感光体1Yの帯電された表面に、画像書込装置3Yから、書込光路200に沿ってレーザ光ビームを照射し、感光体1Y上にイエロー色の静電潜像を形成する。以下、図1で説明したようにして各色の静電潜像が形成され、トナー画像となり、像担持体6に転写され、用紙上に画像形成がされ、定着装置24で定着される。
【0051】
このような画像形成過程において、感光体1Yが回転すると、感光体1Y表面の空気が一緒に動いて表層流が生じる。また、帯電器2Yからはオゾンが発生する。発生したオゾンは、表層流に乗って現像器4Yの下部に向かって流れる。特許文献1の場合、遮蔽部150が無いので、オゾンは現像器4Yの下部の空間で、現像器4Yを冷却するために送り込まれた空気の流れとぶつかり、画像形成装置内に拡散していた。
【0052】
しかし、本発明では遮蔽部150を設けたので、表層流に乗って現像器4Y下部に向かったオゾンの流れは、遮蔽部150に当たって進行が止められ、オゾン排出ダクト110の負圧によって吸い込まれ、オゾン除去用の活性炭入りフィルタでオゾンが除去され、オゾンの無い空気となって機外に排出される。
【0053】
遮蔽部150の先端が、感光体1Yに接触していると、密閉が良くなり、オゾンの通り抜けを確実に防止できるが、感光体1Yを傷つけるおそれがあり、好ましくない。そこで、遮蔽部150の先端と感光体1Yとの間に、若干の隙間を設けている。隙間があっても僅かな隙間であり、また、オゾン排出ダクト110内が負圧になっているので、殆どのオゾンは隙間を通過できずにオゾン排出ダクト110の吸入口に吸引され、脱臭フィルターに捕捉されてオゾンの拡散を防止することができる。
【0054】
飛散トナーは、通路105に入り、これに連通するトナー排出ダクト130を通過し、フィルタで捕捉される。
【0055】
オゾン排出ダクト110と、トナー排出ダクト130とで帯電器2Y近くの空気を吸引するので、帯電器2Y近傍は低圧になる。そこで、空気導入ダクト120から外気を導入することになる。これら3つのダクトは分離して整然と階層状に配置されているので、オゾンを含む風、飛散トナーを含む風、外から供給される風の3つの風のコントロールがうまくできる。
【0056】
遮蔽部150を、オゾン排出ダクト110の一方の仕切壁101と同じ面内で延長すると、遮蔽部150の先端が帯電器2Yに接近してオゾン排出ダクト110の入口を狭くしてしまう場合には、図示のように、遮蔽部150の先端を若干上方に上げるとよい。ただし、仕切壁101と現像器4Yとの間の空間は、書込光が通過するための空間なので、遮蔽部150の先端が書込光路200を蹴らないようにする必要がある。
【0057】
また、遮蔽部150の形状は、平面に限定されるものではなく、任意の形状でよいが、吸引口付近にボトルネックになるような形状があると、抵抗になってオゾンを吸引しきれなくなるので、留意すべきである。
【0058】
図5は、本発明の画像形成装置の第2実施例の図で、第1実施例の図3に対応する図である。この実施例は、ダクトブロック100と現像器4Yとの間が狭く、遮蔽部150を取りつけると、オゾン排出ダクト110の吸入口が狭くなりすぎる場合に適したものである。
【0059】
この実施例における遮蔽部160は、透明なガラス又は合成樹脂を使用した断面が逆L型で、L型の一方の辺が書込光路200を横断するように設けられ、他方の辺が感光体1Yに近接するように配置されている。遮蔽部160を透明な部材とすることで、書込光を遮断しないようになっている。ただし、書込光の光路長が変化するので、結像位置が感光体1Y上になるように、画像書込装置3Yの位置を調整する必要がある。遮蔽部160はその全てを透明にする必要はなく、書込光路200を横断する部分だけを透明にすればよい。遮蔽部160が書込光路200を横断する部分は、遮蔽部160と書込光路200とが直交するようにすることが望ましい。直交していると感光体1Y上の結像位置は同じ位置になるが、傾斜させた場合は、結像位置が回転方向にずれることになるからである。
【0060】
この実施例2の構成にすることで、オゾン排出ダクト110の吸入口を大きくし、かつ、オゾンが現像器4Yの下部に拡散することを防止して、オゾンの無い空気を外部に排出することができる。
【0061】
中間転写ベルトを使用したタンデム方式の画像形成装置においては、必然的に大型化する装置の大きさをできる限り小さくするように、例えば、感光体ドラム間のピッチが最小になるようにドラム周りの構成を考える。そのため、スペース的には大変厳しいものがあり、また、中間転写ベルトが配設される側の感光体ドラム周りには部材を配置することができないので、よりスペースが小さくなる。
【0062】
しかし、本発明のように、飛散トナーの除去処理、オゾンの排出処理等のためのダクト構成を階層状に作製することにより取り扱い性がよく、また、小さなスペースしかない装置に搭載しても小型化を維持しつつ、安定した処理性能を発揮させることができる。
【0063】
また、画像形成装置の速度が上がったり、トナーの低温化が進んで現像器に冷却風を送り込むようになっても、冷却風に影響を受けることなくオゾンをオゾン排出ダクトで吸引して外部に漏れないようにすることが可能となる。
【0064】
また、本実施の形態においては、互いに異なる画像形成ユニットに用いられる帯電器と、現像器とを1つのダクトブロックに対応づけた構成を有するが、これとは異なり、例えば、1つの画像形成ユニットの中の帯電器と現像器とを1つのダクトボックスに対応付けた構成とすることができることは言うまでもない。
【0065】
例えば、露光光学系を、前記感光体ドラム内にアレイ状に並べた発光ダイオード(LED)で構成した画像形成装置においても適用可能である。また、帯電器を現像器の上方に置く必要がある場合は、例えば図1における中間転写ベルトの左側に感光体ドラムを設けるようにする。
【0066】
更に、各画像形成ユニットを横長に配置するとともに、帯電器が上に位置するように当該帯電器と現像器とを感光体ドラムの側方に設ける構成でも、1つの画像形成ユニットを構成する帯電器と現像器とを同じダクトブロックに関係づけて設けることができる。
【0067】
この場合、前記と同様に中間転写ベルトを使用するものであれば、各画像形成ユニットの下側に当該転写ベルトを横長に配設すればよく、また、画像形成装置の構成が、中間転写ベルトを使用せずに、転写材上に順次、色毎のトナー画像を転写する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施例の構成を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の要部を示している。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】ダクトブロックの構成を一部断面で示す斜視図である。
【図5】本発明の画像形成装置の第2実施例の図で、第1実施例の図3に対応する図である。
【符号の説明】
【0069】
1Y,1M,1C,1K 感光体
2Y,2M,2C,2K コロナ帯電器
3Y,3M,3C,3K 画像書込装置
4Y,4M,4C,4K 現像器
100 ダクトブロック
110 オゾン排出ダクト
120 空気導入ダクト
130 トナー排出ダクト
150,160 遮蔽部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、該感光体表面を帯電させるコロナ帯電器と、前記感光体上に静電潜像を形成する画像書込装置と、静電潜像をトナー像にする現像器と、前記コロナ帯電器に近接した吸入口を有し、該コロナ帯電器から出るオゾンを吸入して排出するオゾン排出ダクトを備えた画像形成装置において、前記コロナ帯電器のオゾン排出空間から前記オゾン排出ダクトの吸入口までを前記感光体と共同して閉空間とする遮蔽部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記オゾン排出ダクトが、前記画像書込装置が感光体に静電潜像を形成するための書込光路に隣接した位置に設置され、前記遮蔽部の少なくとも一部が前記書込光路を横断し、遮蔽部の少なくとも前記書込光路を横断する部分が透明であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記遮蔽部と前記感光体との間に隙間を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コロナ帯電器に空気を送り込む空気導入ダクトを、前記オゾン排出ダクトに階層状に設けたダクトブロックとしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像器から発生する飛散トナーを排出するトナー排出ダクトを有し、前記オゾン排出ダクト、空気導入ダクトと合わせて階層状のダクトブロックにしたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−241175(P2007−241175A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67190(P2006−67190)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】