説明

画像形成装置

【課題】現像剤の劣化を招くことなく,感光体のフィルミング層を除去して,良好な画像を形成することのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の画像形成装置は,感光体11と,感光体11に現像剤を付与することにより潜像を現像するとともに,感光体11の表面を研磨する機能を有する現像ローラ21とを有する画像形成装置であって,現像ローラ21に現像剤が供給されていない状態にて,感光体11の表面が現像ローラ21により通常時よりも強く研磨される条件で感光体11と現像ローラ21とを相対的に回転させる研磨モードを行う制御部17を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電子写真方式の画像形成装置に関する。さらに詳細には,感光体の表面に生じて画像を劣化させるフィルミング層を,現像ローラと擦り合わせることによって除去するようにした画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では,耐久により,感光体の表面に現像剤の成分がフィルム状に付着するフィルミングと呼ばれる現象が起きることがある。このようになった感光体では,フィルミングが起きていない部分とフィルミングが起きている部分との間で表面電位に差が生じることがある。そのため,形成される画像にノイズが発生するおそれがあった。そのため,画像形成時以外のタイミングで感光体と現像ローラとを擦り合わせ,それによってフィルミング層を除去することが行われている。
【0003】
このフィルミング除去処理を効率よく行うために,画像形成時以外のタイミングで感光体と現像ローラとの周速度の差を大きくする技術が開示されている(例えば,特許文献1,2参照。)。特許文献1に記載の画像形成装置では,非現像時に現像ローラの周速度を現像時の周速度より大きくしている。また,特許文献2に記載の画像形成装置では,非画像形成時に現像ローラを停止させている。これらの技術では,感光体と現像ローラとの周速度の差によってこれらを擦り合わせ,その研磨効果によって感光体表面のフィルミング層を除去するとされている。
【特許文献1】特開平10−31360号公報
【特許文献2】特開2002−215002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,前記した従来の各技術では,擦り合わせを行うときの現像ローラの表面には,現像剤が担持されている。つまり,感光体に直接擦りつけられるのは現像剤ということになる。そのため,逆にさらに現像剤の成分が擦りつけられるおそれがあり,研磨効果はあまり大きくないという問題点があった。さらに,この研磨処理によるストレスを受けた現像剤は,その特性が劣化しがちである。そのため,劣化した現像剤が増加することとなるので,現像ユニットの寿命を短くするおそれがあるという問題点もあった。
【0005】
本発明は,前記した従来の画像形成装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,現像剤の劣化を招くことなく,感光体のフィルミング層を除去して,良好な画像を形成することのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,感光体と,感光体に現像剤を付与することにより潜像を現像するとともに,感光体の表面を研磨する機能を有する現像ローラとを有する画像形成装置であって,現像ローラに現像剤が供給されていない状態にて,感光体の表面が現像ローラにより通常時よりも強く研磨される条件で感光体と現像ローラとを相対的に回転させる研磨モードを行う研磨モード制御部を有するものである。
【0007】
本発明の画像形成装置によれば,現像ローラによって感光体の表面が研磨されるので,フィルミング層が除去される。ここで本発明では,この研磨モードの実行が,現像ローラに現像剤が供給されていない状態で行われるので,感光体の表面は現像剤ではなく現像ローラによって擦られる。従って,現像剤にストレスが加えられることがない。また,研磨モードでは,感光体と現像ローラとが,通常時よりも強く研磨される条件で相対的に回転されるので,感光体のフィルミング層が確実に除去される。これにより,現像剤の劣化を招くことなく,感光体のフィルミング層を除去して,良好な画像を形成することのできる画像形成装置となっている。
【0008】
さらに本発明では,研磨モード制御部が,感光体と現像ローラとの接触圧が通常時よりも大きい条件で研磨モードを行うことが望ましい。接触圧が大きい条件で相対的に回転させれば,より強く研磨される。
【0009】
さらに本発明では,研磨モード制御部が,感光体と現像ローラとの周速の差が通常時よりも大きい条件で研磨モードを行うことが望ましい。周速の差が大きい条件で相対的に回転させれば,より強く研磨される。
【0010】
さらに本発明では,研磨モード制御部による研磨モードの実行に先立ち,現像ローラに供給されている現像剤を強制的に消費させる現像剤強制消費モードを実行させる現像剤強制消費モード制御部を有することが望ましい。現像ローラの表面には通常,画像形成に備えるために現像剤が担持されている。現像剤強制消費モードを実行させれば,現像ローラに供給されている現像剤が強制的に消費されるので,現像ローラに現像剤が供給されていない状態とすることができる。
【0011】
さらに本発明では,現像剤強制消費モード制御部による現像剤強制消費モードおよび研磨モード制御部による研磨モードの実行を,現像ローラの交換前に行うことが望ましい。現像ローラが交換されると,その中にわずかに残る現像剤は処分される。従って,現像剤強制消費モードを実行しても現像剤を無駄に消費したわけではない。
【0012】
さらに本発明では,研磨モード制御部による研磨モードの実行を,現像ローラが交換された後,新たな現像ローラへの現像剤の供給が開始される前に行うことが望ましい。交換された後で,現像剤の供給が開始される前の現像ローラは,現像剤が全く供給されていない状態である。この状態で研磨モードを実行すれば,現像ローラの研磨性が最大限に発揮される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置によれば,現像剤の劣化を招くことなく,感光体のフィルミング層を除去して,良好な画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
「第1の形態」
以下,本発明を具体化した第1の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,現像装置に現像剤ホッパが接続され,適宜現像剤が補給される画像形成装置に,本発明を適用したものである。なお,本形態の現像装置としては,非磁性1成分の現像方式のものとしている。
【0015】
本形態の画像形成装置は,図1に示すように,感光体11の周囲に,現像装置12,露光装置13,帯電装置14,クリーナ装置15,転写装置16が配置されている。さらに,画像形成装置全体を制御する制御部17を有している。現像装置12には,現像ローラ21,供給ローラ22が設けられている。また,現像装置12の図中上方には,現像剤ホッパ23が接続され,補給口24を介して現像剤が補給される。また,現像装置12の内部には,現像剤残量を検出するためのセンサ25が備えられている。
【0016】
さらに現像装置12は,公知の偏心カムあるいはソレノイド等によって,感光体11と現像ローラ21との接触圧を調整するための圧接力調整部26(具体的には,例えば,特開2002−215002号公報の段落[0084]〜[0086]に記載されているもの等)を有している。また,現像ローラ21の表面には,ウレタン等の弾性層が形成されており,研磨性を有している。
【0017】
本形態の画像形成装置の機械的構成は,いずれも一般的なものであり,本発明の実施のために特に付け加えられたものではない。例えば,センサ25は,現像剤ホッパ23を有する画像形成装置では,画像品質の保持のために通常設けられている。
【0018】
本形態の画像形成装置による一般的な画像形成動作について簡単に説明する。感光体11は,帯電装置14によって所望の電位に一様に帯電され,露光装置13によって画像データに基づいて露光される。これにより,感光体11の表面に静電潜像が形成される。次に,その静電潜像が現像装置12に対面され,現像ローラ21に担持されている現像剤によって現像される。感光体11上に形成された現像剤像は,記録媒体に転写され定着される。さらに,転写が終了した後の感光体11に残留している現像剤は,クリーナ装置15によって掻き取られ,次回の画像形成に備えられる。なお,現像ローラ21に研磨性があるとはいえ,この通常の画像形成動作時には感光体11はほとんど研磨されない。
【0019】
画像形成を繰り返すと,現像装置12中の現像剤は次第に減少する。そして,センサ25によって現像剤残量が少なくなったことが検知されると,制御部17は,現像剤ホッパ23からの現像剤補給のために,補給口24を適切に開放する。現像剤補給時以外は,補給口24は閉止されている。
【0020】
この画像形成装置では,所定枚数の印刷後,あるいは所定回数の現像剤補給後等の所定の条件が満たされたら,感光体11のフィルミング層を除去するフィルミング除去処理を行う。すなわち,非画像形成時に感光体11と現像ローラ21とを擦り合わせ,感光体11の表面に付着した現像剤成分を除去する処理である。本形態では,現像ローラ21上の現像剤量をごく少量の状態にしてから感光体11と擦り合わせることにより,フィルミング除去処理を行う。なお,本形態のフィルミング除去処理は,現像剤残量の低下がセンサ25によって検出されたタイミングで開始することが望ましい。
【0021】
そのために,本形態のフィルミング除去処理では,研磨モードの実行に先立ち,現像剤強制消費モードを実行する。現像剤強制消費モードでは,現像剤ホッパ23からの現像剤の供給を停止して,現像ローラ21に付着している現像剤を強制消費する。例えば,給紙しないで,感光体11上に全面ベタの画像データによるトナー画像を形成させ,クリーナ装置15によって現像剤を回収することを数回繰り返す。なお,画像形成装置が中間転写体を有する構成である場合には,トナー像を中間転写体に転写させた後,中間転写体のクリーナ装置によって回収するようにしてもよい。
【0022】
そして,現像ローラ21の表面にほとんど現像剤が付着していない状態となったら,研磨モードを実行する。研磨モードでは,現像ローラ21と感光体11とを通常の画像形成時より強く圧接する。さらに,これらの周速の差を通常の画像形成時より大きくする。なお,ここでの周速とは,回転による各ローラの外周面の速度のことである。回転方向は通常の画像形成時と同様でよいが,いずれかを逆回転としてもよい。
【0023】
本形態では,研磨モードの実行前に現像剤強制消費モードを実行するので,感光体11は,現像剤によって擦られるのではなく,現像ローラ21の表面によって研磨される。従って,現像ローラ21のローラ表面の研磨性によって,感光体11の表面が強く均一に擦られるので,研磨モードの実行は短時間で十分である。また,研磨モードの実行時に現像ローラ21と感光体11との間には現像剤はほとんどないので,現像剤がストレスを受けることはない。よって,強く擦られた現像剤がその後の画像形成に供され,画質を低下させるおそれはない。
【0024】
次に,本形態のフィルミング除去処理について,図2のフローチャートに基づいて説明する。本形態では,所定の枚数以上の印刷がされたり,所定量以上の現像剤が消費されたとき,このフィルミング除去処理を実行する。本処理の実行が開始されると,まず,現像剤ホッパ23からの現像剤供給が停止される(S101)。これにより,制御部17は,センサ25の結果にかかわらず,このフィルミング除去処理が終了するまで現像剤を補給しない状態となる。
【0025】
次に,制御部17は,現像剤強制消費モードを実行する(S102)。例えば,連続ベタ出力およびクリーナ装置15による現像剤回収を繰り返し,現像装置12中に残っている現像剤を強制的に消費させる。これにより,現像ローラ21にはほとんど現像剤が担持されていない状態となる。
【0026】
そこで,一旦感光体11および現像ローラ21を停止させて,感光体11と現像ローラ21との接触圧を研磨モードに設定する(S103)。この研磨モードでは,一般的な画像形成時に比較して,感光体11と現像ローラ21との接触圧が高くされる。この接触圧は,圧接力調整部26によって調整される。次に,現像ローラの回転速度を研磨モードに設定する(S104)。研磨モードでは,現像ローラは通常の画像形成時より速い回転速度で回転される。このS103とS104の順序は逆でも良い。また,このS104においては,実際に回転させるわけではない。
【0027】
次に,このように設定された研磨モードにおいて,現像ローラ21と感光体11との回転を開始する(S105)。このとき,現像ローラ21の回転速度はS104によって設定された速度となっている。一方,感光体11の回転速度は通常と同じ速度に設定されているので,現像ローラ21と感光体11との周速には差が生じる。これにより,現像ローラ21上にはほとんど現像剤がない状態で,通常より強く感光体11に押し付けられて,通常より速く回転される。従って,感光体11の表面は現像ローラ21の表面によって強く擦られるので,フィルミング層が容易に除去される。この状態で,感光体11が所定回数(ここではN回とする)回転されるまで連続して回転する(S106)。
【0028】
次に,S105の回転開始からの感光体11の回転数がN回になったら(S106:Yes),現像ローラ21と感光体11とを停止させる(S107)。そして,現像ローラの回転速度の設定を作像モードとする(S108)。これは,S104で設定した研磨モードより遅い回転速度である。続いて,感光体11と現像ローラ21との接触圧を作像モードに設定する(S109)。これは,S103で設定した研磨モードより接触圧の小さいモードである。
【0029】
さらに,現像剤ホッパ23から現像装置12に現像剤を補給する(S110)。ここでは,センサ25によって現像剤残量が不足していないと検知されるまで現像剤を補給する。そして,現像ローラ21と感光体11とを所定回数(ここではM回とする)回転させる(S111)。これにより,現像ローラ21の表面に適切に現像剤を担持させ,次回の画像形成に備える。M回の回転が終了したら(S112:Yes),このフィルミング除去処理を終了する。
【0030】
以上詳細に説明したように本形態の画像形成装置によれば,現像ローラにほとんど現像剤が付着していない状態としてから研磨処理を行うので,感光体表面が均一に擦られ,研磨効率が良い。さらに,研磨処理によって劣化した現像剤による画質低下は防止される。従って,現像剤の劣化を招くことなく,感光体のフィルミングを除去して,良好な画像を形成することのできる画像形成装置となっている。
【0031】
「第2の形態」
以下,本発明を具体化した第2の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,現像装置がカートリッジ化されて適宜交換される画像形成装置に,本発明を適用したものである。なお,本形態の現像装置としては,非磁性1成分の現像方式のものとしている。
【0032】
本形態の画像形成装置は,図3に示すように,感光体31の周囲に,現像装置32,露光装置33,帯電装置34,クリーナ装置35,転写装置36が配置されている。さらに,画像形成装置全体を制御する制御部37を有している。現像装置32には,現像ローラ41,供給ローラ42が設けられている。また,現像装置32は,現像剤収容部とともにカートリッジ化されており,必要に応じて交換される。本形態の現像装置32においても,公知の偏心カムあるいはソレノイド等によって,感光体31と現像ローラ41との接触圧を調整するための圧接力調整部46を有している。また,本形態においても,現像ローラ41の表面は,研磨性を有している。本形態の画像形成装置の機械的構成は,いずれも一般的なものであり,本発明の実施のために特に付け加えられたものではない。
【0033】
本形態の画像形成装置による一般的な画像形成動作について簡単に説明する。感光体31は,帯電装置34によって所望の電位に一様に帯電され,露光装置33によって画像データに基づいて露光される。これにより,感光体31の表面に静電潜像が形成される。次に,その静電潜像が現像装置32に対面され,現像ローラ41に担持されている現像剤によって現像される。感光体31上に形成された現像剤像は,記録媒体に転写され定着される。さらに,転写が終了した後の感光体31に残留している現像剤は,クリーナ装置35によって掻き取られ,次回の画像形成に備えられる。なお,現像ローラ41に研磨性があるとはいえ,この通常の画像形成動作時には感光体31はほとんど研磨されない。
【0034】
画像形成を繰り返すと,現像装置32中の現像剤は次第に減少する。そして,現像剤が残り少なくなり,カートリッジの交換時期が到来すると,制御部17はユーザに交換を促す表示を行う。このときさらに,カートリッジの交換直前にフィルミング除去処理を行うことをユーザに推奨する表示を含める。そして,カートリッジの交換準備が整い,ユーザが所定のキー入力を行うことにより,このフィルミング除去処理が実行される。
【0035】
このフィルミング除去処理の実行が開始されるとまず,現像ローラ41上の現像剤を強制消費する現像剤強制消費モードを実行する。そして,現像ローラ41の表面にほとんど現像剤が付着していない状態としてから,第1の形態と同様に現像ローラ41と感光体31とを擦り合わせる研磨モードの実行を行う。このようにすれば,現像ローラ41のローラ表面によって感光体31の表面が強く均一に擦られるので,短時間の研磨処理で十分である。また,強く擦られた現像剤がその後の画像形成に供され,画質を低下させるおそれはない。
【0036】
研磨処理が終了したら,そのことをユーザに知らせるとともに,カートリッジの交換を促す表示を行う。カートリッジの交換が完了するまで,画像形成処理の実行は行わない。新しいカートリッジが正確に取り付けられたら,通常の画像形成用のモードに設定する。
【0037】
次に,本形態のフィルミング除去処理について,図4のフローチャートに基づいて説明する。本形態では,ユーザが現像装置の交換準備を整え,交換前に研磨処理を行うことを選択した場合に,このフィルミング除去処理を実行する。本処理の実行が開始されると,まず,制御部37は,現像剤強制消費モードを実行する(S201)。例えば,連続ベタ出力およびクリーナ装置35による現像剤回収を繰り返し,現像装置32中にわずかに残っている現像剤を強制的に消費させる。これにより,現像ローラ41にはほとんど現像剤が担持されていない状態となる。
【0038】
そこで,一旦感光体31および現像ローラ41を停止させて,感光体31と現像ローラ41との接触圧を研磨モードに設定する(S202)。この研磨モードは,一般的な画像形成時に比較して,感光体31と現像ローラ41との接触圧を高くしたモードである。この処理は,圧接力調整部46によって行う。次に,現像ローラ41の回転速度を研磨モードに設定する(S203)。研磨モードでは,現像ローラ41は通常の画像形成時より速い回転速度で回転される。このS202とS203の順序は逆でも良い。
【0039】
次に,このように設定された研磨モードにおいて,現像ローラ41と感光体31との回転を開始する(S204)。このとき,現像ローラ41は,ほとんど現像剤が担持されていない状態であり,通常より強く感光体31に押し付けられて,通常より速く回転される。従って,感光体31の表面は現像ローラ41の表面によって強く擦られ,フィルミング層が容易に除去される。この状態で,感光体31が所定回数(N回)回転されるまで連続して回転する(S205)。
【0040】
次に,S204の回転開始からの感光体31の回転数がN回になったら(S205:Yes),現像ローラ41と感光体31とを停止させる(S206)。そして,現像ローラの回転速度の設定を作像モードとする(S207)。これは,S203で設定した研磨モードより遅い回転速度である。続いて,感光体31と現像ローラ41との接触圧を作像モードに設定する(S208)。これは,S202で設定した研磨モードより接触圧の小さいモードである。
【0041】
以上の準備が整ったら,制御部37は,フィルミング除去処理が終了したのでカートリッジの交換を要求する内容の表示を行う(S209)。そして,現像装置32の交換が終了するまで,一切の作像処理を受け付けない。これで,フィルミング除去処理の説明を終了する。
【0042】
なお,現像装置交換後に研磨処理を行うこともできる。また,現像装置交換前にこのフィルミング除去処理を行うことがユーザによって拒否された場合には,必ず交換後に行うこととしてもよい。この場合には,現像装置に現像剤が供給される前に行うと良い。このようにすれば,現像ローラ41は,現像剤が付着していない状態であるので,先の図4のフローチャートのうち,S201の現像剤強制消費モードの実行は不要である。さらに,この場合には,S209の現像装置の交換要求表示も不要であり,S202〜S208の部分のみを実行すればよい。そしてその後,次回の画像形成のための準備として,図2のS110〜S112に相当する処理を行う。それから,画像形成準備完了のスタンバイ表示をしてもよい。
【0043】
以上詳細に説明したように,本形態の画像形成装置によっても,第1の形態と同様に,現像剤の劣化を招くことなく,感光体のフィルミングを除去して,良好な画像を形成することができる。
【0044】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記の実施の形態では,研磨処理として感光体をN回回転させるとしたが,感光体の回転数に限らず,所定時間実施するとしたり,感光体の状態(例えば,感光層の抵抗異常など)を検知して判断しても良い。また例えば,現像剤収容部分のみがカートリッジ化された現像剤カートリッジを用いる画像形成装置では,現像剤カートリッジが空になって交換される前か,現像剤カートリッジの交換後で供給口を開放する前等のタイミングでこのフィルミング除去処理を行うことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】現像剤補給タイプの現像装置を有する画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】フィルミング除去処理を示すフローチャートである。
【図3】カートリッジタイプの現像装置を有する画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】現像装置装着時のフィルミング除去処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
11,31 感光体
12,32 現像装置
21,41 現像ローラ
17,37 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と,前記感光体に現像剤を付与することにより潜像を現像するとともに,前記感光体の表面を研磨する機能を有する現像ローラとを有する画像形成装置において,
前記現像ローラに現像剤が供給されていない状態にて,前記感光体の表面が前記現像ローラにより通常時よりも強く研磨される条件で前記感光体と前記現像ローラとを相対的に回転させる研磨モードを行う研磨モード制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において,前記研磨モード制御部は,
前記感光体と前記現像ローラとの接触圧が通常時よりも大きい条件で研磨モードを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において,前記研磨モード制御部は,
前記感光体と前記現像ローラとの周速の差が通常時よりも大きい条件で研磨モードを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記研磨モード制御部による研磨モードの実行に先立ち,前記現像ローラに供給されている現像剤を強制的に消費させる現像剤強制消費モードを実行させる現像剤強制消費モード制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において,
前記現像剤強制消費モード制御部による現像剤強制消費モードおよび前記研磨モード制御部による研磨モードの実行を,前記現像ローラの交換前に行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記研磨モード制御部による研磨モードの実行を,前記現像ローラが交換された後,新たな現像ローラへの現像剤の供給が開始される前に行うことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−322833(P2007−322833A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153887(P2006−153887)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】