説明

画像形成装置

【課題】高精細な表示部を必要とすることなく、仕上がりイメージをユーザが確認できるようにし、所望の画像形成を行うための設定を容易に行えるようにした画像形成装置を提供する。
【解決手段】操作パネルに設けられた仕上がり確認印刷ボタン115が押下されたときに、制御部106による制御のもとで、操作パネルが入力を受け付ける各設定項目の設定内容と、該設定内容に従って画像形成を行った場合の仕上がりイメージとを対応付けて表す仕上がり確認画像を、プリンタ102が記録紙に印刷して出力する。これにより、操作パネルに高精細な表示部を設けることなく、入力する設定内容に対する仕上がりイメージをユーザに確認させることができ、所望の画像形成を行うための設定を容易に行えるようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいて画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに基づいて画像形成を行う画像形成装置は、近年の多機能化に伴って、変倍/集約/両面印刷などの編集機能や、ステープル/パンチ/折りなどの後処理機能等が搭載され、様々な組み合わせで画像形成処理が行えるようになっている。このため所望の画像形成を行うための設定が複雑になってきている。
【0003】
このような設定の複雑化に対応して、ユーザが所望する画像形成を適切に行えるようにするために、仕上がりイメージをプレビュー画像として表示する画像形成装置が提案されている。例えば、特許文献1には、変倍複写の際の仕上がりイメージを表示する画像形成装置が記載されている。また、特許文献2には、ページ連写や拡大連写を行う際の仕上がりイメージを表示する画像形成装置が記載されている。また、特許文献3には、ステープル処理を行う際の仕上がりイメージを表示する画像形成装置が記載されている。また、特許文献4には、折り処理を行う際の仕上がりイメージを表示する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−77616号公報
【特許文献2】特許第3542428号公報
【特許文献3】特開2007−36809号公報
【特許文献4】特開2007−201761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、仕上がりイメージをプレビュー画像として表示する従来の画像形成装置では、仕上がりイメージを表示するための高精細な表示部が必要とされるため、装置のコストアップになってしまうという問題がある。逆に言えば、表示部に安価なキャラクタディスプレイを採用することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高精細な表示部を必要とすることなく、仕上がりイメージをユーザが確認できるようにし、所望の画像形成を行うための設定を容易に行えるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、画像データを取得する取得手段と、前記画像データに基づいて画像形成を行う画像形成手段と、前記画像形成の方法を設定するための設定内容の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段が受け付ける設定内容と該設定内容に従って画像形成を行った場合の仕上がりイメージとを対応付けて表す仕上がり確認画像を印刷して出力する仕上がり確認画像印刷手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入力手段が受け付ける設定内容と該設定内容に従って画像形成を行った場合の仕上がりイメージとを対応付けて表す仕上がり確認画像を印刷して出力するようにしているので、高精細な表示部を必要とすることなく、入力する設定内容に対する仕上がりイメージをユーザに確認させることができ、所望の画像形成を行うための設定を容易に行えるようにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態にかかる複写機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施の形態にかかる複写機が備える操作パネルの一例を示す図である。
【図3】図3は、両面印刷を行う場合の原稿読み取りと画像形成に関わる設定項目の一覧を示した図である。
【図4】図4は、仕上がり確認画像の一例を示す図である。
【図5】図5は、仕上がり確認画像の印刷に関わる制御部の機能構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、原稿の画像データを読み取るスキャナとスキャナで読み取った画像データに基づいて記録紙に画像を印刷するプリンタとを備えた複写機に対して本発明を適用した例である。
【0011】
(複写機の構成)
図1は、本実施の形態にかかる複写機の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる複写機は、図1に示すように、スキャナ101、プリンタ102、画像処理部103、画像メモリ104、操作パネル105、制御部106、ROM107およびRAM108を備え、これら各部がバス109により相互に接続された構成である。
【0012】
スキャナ101は、CCD(Charge Coupled Device)もしくはCIS(Contact Image Sensor)を用いたイメージスキャナ等の画像読取装置であり、原稿を走査して、原稿の画像データを所定の解像度で読み取る。
【0013】
プリンタ102は、電子写真方式もしくはインクジェット方式の画像記録装置であり、スキャナ101によって読み取られた原稿の画像データに基づいて、トナーやインクによって記録紙に画像を印刷する。また、図示しないが、プリンタ102には記録紙の反転機構が接続されている。両面印刷を行う場合は、この反転機構により記録紙が反転され、記録紙の両面への印刷が行われる。また、これも図示しないが、プリンタ102には記録紙の後処理機構が接続されている。プリンタ102から印刷済みの記録紙が後処理装置に供給されると、この後処理装置によって記録紙へのステープル処理やパンチ処理などの後処理が行われる。
【0014】
画像処理部103は、制御部106による制御のもとで、スキャナ101によって読み取られた原稿の画像データに対して、黒補正やシェーディング補正などの所定の画像処理を行う。また、画像処理部103は、制御部106による制御のもとで、例えば両面印刷に必要な画像データの変倍や回転などの各種の画像編集処理を実施する。
【0015】
画像メモリ104には、スキャナ101、プリンタ102、画像処理部103が処理を行う画像データが格納される。
【0016】
操作パネル105は、操作キーと表示部により構成され、ユーザの操作入力の受け付けと、ユーザに対する複写機の状態通知などを行う。
【0017】
図2は、本実施の形態にかかる複写機が備える操作パネル105の一例を示す図である。この操作パネル105は、文字や記号のみの表示が可能なキャラクタディスプレイ111と、このキャラクタディスプレイ111上のカーソルを上下左右に移動させるためのカーソルキー112と、Yesボタン113およびNoボタン114と、後述する仕上がり確認画像の印刷を指示する際にユーザが操作する仕上がり確認印刷ボタン115とを有している。この操作パネル105は、例えば両面印刷や後処理などの機能を用いた画像形成の方法を設定するためのユーザによる各種の設定内容の入力を受け付けるインターフェースとして利用される。
【0018】
両面印刷や後処理などの機能を用いて画像形成を行う場合、ユーザが所望する仕上がり状態で画像形成を行うためには、画像形成の方法を設定するための各種設定内容をユーザが正しく入力する必要がある。このとき、ユーザが入力した設定内容に対してどのような仕上がりが得られるかを表す仕上がりイメージをプレビュー画像として表示できれば、ユーザに設定内容の入力操作を適切に行わせることができる。しかしながら、本実施の形態にかかる複写機では、操作パネル105の表示部として文字や記号のみの表示が可能な安価なキャラクタディスプレイ111を採用しているため、仕上がりイメージをプレビュー画像として操作パネル105にて表示することができない。そこで、本実施の形態にかかる複写機では、操作パネル105に仕上がり確認印刷ボタン115を設け、ユーザがこの仕上がり確認印刷ボタン115を押下したときに、制御部106による制御のもとでプリンタ102が後述する仕上がり確認画像を印刷することによって、操作パネル105上でどのような設定内容が入力されるとどのような仕上がりとなるかを、仕上がり確認画像によって確認できるようにしている。
【0019】
制御部106は、CPUなどの演算装置を備えて構成され、画像形成プログラムに従って複写機の各部を制御して、印刷の基本動作や、両面印刷や後処理などの各種機能を実行する。また、制御部106は、操作パネル105に設けられた仕上がり確認印刷ボタン115が押下されたときに、操作パネル105で入力を受け付ける状態にある設定内容と、その設定内容で画像形成を行った場合の仕上がりイメージとを対応付けて表す仕上がり確認画像をプリンタ102に印刷させる制御を行う。
【0020】
ROM107には、制御部106のCPUが実行する各種の画像形成プログラムのプログラムコードや、各種の画像形成プログラムを実行させるための各種データが記憶されている。また、RAM108は、制御部106が各種の画像形成プログラムを実行するためのワークメモリとして利用される。
【0021】
(両面印刷の場合の設定内容)
次に、両面印刷を行う場合を例に挙げて、操作パネル105を用いてユーザが入力する設定内容の具体例について、さらに詳細に説明する。
【0022】
図3は、両面印刷を行う場合の原稿読み取りと画像形成に関わる設定項目の一覧を示した図である。両面印刷を行う場合の原稿読み取りと画像形成に関わる設定項目としては、まず、「原稿面情報設定」として「原稿面」、「両面開き方向(原稿)」、「原稿セット方向」の3種の設定項目がある。また、「コピー出力面情報設定」として「コピー面」、「両面開き方向(コピー)」の2種の設定項目がある。
【0023】
「原稿面」は、原稿のどの面をスキャナ101で読み取って画像形成を行うかを設定する項目であり、設定内容としては「片面」もしくは「両面」を設定する。
【0024】
「両面開き方向(原稿)」は、両面原稿がどのように面付けされているかを設定する項目であり、設定内容としては「左右開き」もしくは「上下開き」を設定する。なお、「原稿面」の設定内容が「片面」の場合には、この「両面開き方向(原稿)」に関する設定は無視される。
【0025】
「原稿セット方向」は、スキャナ101に原稿をどのようにセットしたかを設定する項目であり、設定内容としては「読める向き」もしくは「読めない向き」を設定する。これは、本実施の形態にかかる複写機が原稿の天地を判断するために用いられる。
【0026】
「コピー面」は、記録紙のどの面に画像を形成(印刷)するかを設定する項目であり、設定内容としては「片面」もしくは「両面」を設定する。
【0027】
「両面開き方向(コピー)」は、記録紙の両面にどのように面付けするかを設定する項目であり、設定内容としては「左右開き」もしくは「上下開き」を設定する。なお、「コピー面」の設定内容が「片面」の場合には、この「両面開き方向(コピー)」に関する設定は無視される。
【0028】
以上のような各設定項目についての設定内容は、ユーザが図2に示した操作パネル105を用いて入力する。以下、この操作パネル105を用いた両面印刷に関する設定内容の入力の具体例について説明する。
【0029】
操作パネル105のキャラクタディスプレイ111は、例えば図2に示すように、その表示領域が上段と下段に分離されている。そして、操作パネル105が両面印刷に関する設定内容の入力を受け付ける状態になると、キャラクタディスプレイ111の上段の表示領域に、まず「原稿面」の設定内容として選択可能な「片面」および「両面」が表示される。ユーザは、カーソルキー112の左右キーを操作して「片面」もしくは「両面」を選択し、Yesボタン113を押下することで選択した設定内容を確定させる。なお、一度確定した設定内容を解除する場合には、Noボタン114を押下する。
【0030】
次に、ユーザがカーソルキー112の下キーを操作してキャラクタディスプレイ111の下段の表示領域にカーソルを移動させ、カーソルキー112の左右キーを操作して右向き矢印の表示を選択してYesボタン113を押下すると、キャラクタディスプレイ111の上段の表示領域には、「原稿面」の次の設定項目である「両面開き方向(原稿)」の設定内容として選択可能な「上下開き」および「左右開き」が表示される。ユーザは、カーソルキー112の上キーを操作してキャラクタディスプレイ111の上段の表示領域にカーソルを戻し、左右キーを操作して「上下開き」もしくは「左右開き」を選択し、Yesボタン113を押下することで選択した設定内容を確定させる。なお、キャラクタディスプレイ111の下段の表示領域に表示される左向きの矢印を選択してYesボタン113を押下した場合には、キャラクタディスプレイ111の上段の表示領域には前の設定項目の選択可能な設定内容が再度表示され、設定内容の再選択が可能となる。
【0031】
次に、ユーザがカーソルキー112の下キーを操作してキャラクタディスプレイ111の下段の表示領域にカーソルを移動させ、カーソルキー112の左右キーを操作して右向き矢印の表示を選択してYesボタン113を押下すると、キャラクタディスプレイ111の上段の表示領域には、「両面開き方向(原稿)」の次の設定項目である「原稿セット方向」の設定内容として選択可能な「読める向き」および「読めない向き」が表示される。ユーザは、カーソルキー112の上キーを操作してキャラクタディスプレイ111の上段の表示領域にカーソルを戻し、左右キーを操作して「読める向き」もしくは「読めない向き」を選択し、Yesボタン113を押下することで選択した設定内容を確定させる。
【0032】
次に、ユーザがカーソルキー112の下キーを操作してキャラクタディスプレイ111の下段の表示領域にカーソルを移動させ、カーソルキー112の左右キーを操作して右向き矢印の表示を選択してYesボタン113を押下すると、キャラクタディスプレイ111の上段の表示領域には、「原稿セット方向」の次の設定項目である「コピー面」の設定内容として選択可能な「片面」および「両面」が表示される。ユーザは、カーソルキー112の上キーを操作してキャラクタディスプレイ111の上段の表示領域にカーソルを戻し、左右キーを操作して「片面」もしくは「両面」を選択し、Yesボタン113を押下することで選択した設定内容を確定させる。
【0033】
次に、ユーザがカーソルキー112の下キーを操作してキャラクタディスプレイ111の下段の表示領域にカーソルを移動させ、カーソルキー112の左右キーを操作して右向き矢印の表示を選択してYesボタン113を押下すると、キャラクタディスプレイ111の上段の表示領域には、「コピー面」の次の設定項目である「両面開き方向(コピー)」の設定内容として選択可能な「上下開き」および「左右開き」が表示される。ユーザは、カーソルキー112の上キーを操作してキャラクタディスプレイ111の上段の表示領域にカーソルを戻し、左右キーを操作して「上下開き」もしくは「左右開き」を選択し、Yesボタン113を押下することで選択した設定内容を確定させる。
【0034】
以上の一連の操作により、両面印刷に関する全ての設定項目の設定内容を確定させると、ユーザは、カーソルキー112の下キーを操作してキャラクタディスプレイ111の下段の表示領域にカーソルを移動させ、カーソルキー112の左右キーを操作してYesの表示を選択し、Yesボタン113を押下する。これにより、両面印刷に関する設定内容の入力操作が終了し、制御部106による制御のもとで、入力された設定内容に従った両面印刷が実行される。
【0035】
(仕上がり確認画像)
以上のような操作パネル105を用いた設定内容の入力を行う中で、ユーザが操作パネル105に設けられた仕上がり確認印刷ボタン115を押下すると、制御部106による制御のもとで、プリンタ102により、操作パネル105で入力を受け付ける状態にある設定内容と、その設定内容で画像形成を行った場合の仕上がりイメージとを対応付けて表す仕上がり確認画像が印刷される。
【0036】
図4は、操作パネル105が両面印刷に関する設定内容の入力を受け付ける状態のときに操作パネル105に設けられた仕上がり確認印刷ボタン115が押下された場合にプリンタ102によって印刷される仕上がり確認画像の一例を示したものである。この図4に例示する仕上がり確認画像は、図3に示した各設定項目の選択可能な設定内容と、それぞれの設定内容が選択された場合の原稿イメージ及び仕上がりイメージを集約し、各設定内容とそれに対応する原稿イメージおよび仕上がりイメージを一覧表として表した画像となっている。ユーザは、操作パネル105を用いて設定内容の入力を行う場合に、操作パネル105に設けられた仕上がり確認印刷ボタン115を押下して図4のような仕上がり確認画像を印刷することによって、入力する設定内容に対する仕上がりイメージを確認することができ、所望の画像形成を行うための設定を容易に行うことが可能となる。
【0037】
なお、図4に例示した仕上がり確認画像は、操作パネル105が入力を受け付ける状態にある全ての設定内容、つまり図3に示した各設定項目の選択可能な全ての設定内容と、それぞれの設定内容が選択された場合の原稿イメージ及び仕上がりイメージを集約した画像となっているが、すでに設定内容が確定した設定項目については確定した設定内容以外の設定内容を除外するようにしてもよい。例えば、ユーザが「原稿面」の設定内容を「両面」、「両面開き方向(原稿)」の設定内容を「上下開き」、「原稿セット方向」の設定内容を「読める向き」、「コピー面」の設定内容を「両面」にそれぞれ確定させた後、「両面開き方向(コピー)」の設定内容として「上下開き」と「左右開き」のどちらを選択するかを迷って仕上がり確認印刷ボタン115を押下した場合には、図4の設定No.10および11で示す部分のみを仕上がり確認画像として印刷するようにしてもよい。また、ユーザが全ての設定項目についての設定内容を確定させた後、キャラクタディスプレイ111下段のYesの表示を選択せずに仕上がり確認印刷ボタン115を押下した場合には、確定している設定項目とその設定項目で両面印刷を行った場合の仕上がりイメージのみを仕上がり確認画像として印刷するようにしてもよい。
【0038】
図5は、仕上がり確認画像の印刷に関わる制御部106の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部106は、仕上がり確認画像の印刷に関わる機能構成として、図5に示すように、ボタン操作判定部121と、仕上がり確認画像生成部122と、印刷制御部123とを備える。
【0039】
ボタン操作判定部121は、操作パネル105に設けられた仕上がり確認印刷ボタン115が押下されたか否かを監視し、仕上がり確認印刷ボタン115が押下された場合に、仕上がり確認画像生成部122に対して画像生成指令を供給する。
【0040】
仕上がり確認画像生成部122は、ボタン操作判定部121から画像生成指令が供給されると、仕上がり確認画像の画像データを生成して、生成した画像データを印刷制御部123に供給する。ここで、例えば図4に例示したように、操作パネル105が入力を受け付ける各設定項目についての選択可能な全ての設定内容に対応する仕上がりイメージを集約した仕上がり確認画像を印刷する場合は、複写機がサポートする両面印刷などの機能ごとの仕上がり確認画像の画像データを例えばROM107などに予め格納しておき、仕上がり確認画像生成部122は、操作パネル105が設定内容の入力を受け付けている機能に対応する画像データを読み出して、その画像データをそのまま仕上がり確認画像の画像データとして使用すればよい。また、上述したように、設定内容が確定した設定項目について、確定した設定内容以外の設定内容を除外した仕上がり確認画像を印刷する場合には、仕上がり確認画像生成部122は、ROM107などに予め格納された画像データを読み出し、操作パネル105が受け付けた設定内容に基づいて不要な部分を除外し、仕上がり確認画像の画像データを生成すればよい。なお、仕上がり確認画像に含まれる仕上がりイメージには任意の画像を用いることができるが、スキャナ101によってすでに原稿の画像が読み取られてその画像データが画像メモリ104に格納されている場合には、原稿の画像を用いて仕上がりイメージを生成するようにしてもよい。
【0041】
印刷制御部123は、仕上がり確認画像生成部122から仕上がり確認画像の画像データが供給されると、この仕上がり確認画像の画像データを印刷指令とともにプリンタ102に対して出力する。これにより、プリンタ102によって仕上がり確認画像が記録紙に印刷され、出力される。
【0042】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施の形態にかかる複写機は、操作パネル105が入力を受け付ける各設定項目の設定内容と、該設定内容に従って画像形成を行った場合の仕上がりイメージとを対応付けて表す仕上がり確認画像を印刷して出力するようにしているので、操作パネル105に高精細な表示部を設けることなく、入力する設定内容に対する仕上がりイメージをユーザに確認させることができ、所望の画像形成を行うための設定を容易に行えるようにすることができる。
【0043】
また、本実施の形態にかかる複写機は、ユーザが設定内容の入力に利用する操作パネル105に仕上がり確認印刷ボタン115を設け、この仕上がり確認印刷ボタン115が押下されたときに、操作パネル105で設定内容の入力を受け付けている機能についての仕上がり確認画像を印刷して出力するようにしているので、良好な操作性を実現することができる。
【0044】
また、本実施の形態にかかる複写機は、操作パネル105が入力を受け付ける各設定項目についての選択可能な全ての設定内容に対応する仕上がりイメージを集約した仕上がり確認画像を印刷することで、どの設定項目をどのような設定内容にすれば所望の画像形成を行うことができるかを総体的にユーザに把握させることができ、特に設定項目が多い機能の設定入力操作を効果的に補助することができる。
【0045】
以上説明した本実施の形態にかかる複写機においては、スキャナ101が特許請求の範囲に記載の「取得手段」に相当し、プリンタ102が特許請求の範囲に記載の「画像形成手段」に相当する。また、操作パネル105が特許請求の範囲に記載の「入力手段」に相当し、操作パネル105に設けられたカーソルキー112、Yesボタン113、Noボタン114が特許請求の範囲に記載の「第1の操作部」、仕上がり確認印刷ボタン115が特許請求の範囲に記載の「第2の操作部」に相当する。また、制御部106(ボタン操作判定部121、仕上がり確認画像生成部122、印刷制御部123)およびプリンタ102が特許請求の範囲に記載の「仕上がり確認画像印刷手段」に相当する。
【0046】
なお、上記実施の形態では、本発明を複写機に適用した例について説明したが、本発明は、複写機に限らず、プリンタやファクシミリ装置、複合機など、原稿の画像データを取得して画像データに基づいて画像を形成する機能を有する各種の画像形成装置に対して広く適用することができる。また、上記実施の形態として開示した技術事項は、本発明の好ましい適用例を例示したものであり、本発明の技術的範囲が上記実施の形態として開示した技術事項に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施の形態として開示した具体的な技術事項に加え、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において容易に想到し得る様々な変形例、代替技術を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明は、画像形成装置における画像形成の方法を設定するための設定内容の入力を容易に行えるようにする技術として有用である。
【符号の説明】
【0048】
101 スキャナ
102 プリンタ
103 画像処理部
104 画像メモリ
105 操作パネル
106 制御部
107 ROM
108 RAM
111 キャラクタディスプレイ
112 カーソルキー
113 Yesボタン
114 Noボタン
115 仕上がり確認印刷ボタン
121 ボタン操作判定部
122 仕上がり確認画像生成部
123 印刷制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する取得手段と、
前記画像データに基づいて画像形成を行う画像形成手段と、
前記画像形成の方法を設定するための設定内容の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段が受け付ける設定内容と該設定内容に従って画像形成を行った場合の仕上がりイメージとを対応付けて表す仕上がり確認画像を印刷して出力する仕上がり確認画像印刷手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記入力手段は、前記設定内容を入力する際に操作される第1の操作部と、前記仕上がり確認画像の印刷を指示する際に操作される第2の操作部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記仕上がり確認画像印刷手段は、互いに異なる複数の設定内容と各設定内容に対応する仕上がりイメージとを集約した前記仕上がり確認画像を印刷して出力することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−37641(P2012−37641A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176120(P2010−176120)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】