説明

画像形成装置

【課題】定着装置の廃熱を利用して熱電変換素子が発生する電力を蓄電する画像形成装置において、定着装置の発熱効率の低下を防止しつつ、廃熱の有効利用率をより高める。
【解決手段】加熱ローラー51及び加圧ローラー52を有する定着装置5と、両ローラーを支持し、定着装置5の外枠を構成するフレーム53と、フレーム53内において移動自在に配置され、加熱ローラー51の熱を利用して発電する熱電変換素子80と、発電した電力を蓄電する2次電池と、フレーム53内において熱電変換素子80の低温側を冷却する排気装置90と、熱電変換素子80を移動させて高温側端部を、第1の位置と、加熱ローラー51からの距離が、第1の位置より遠い第2の位置との間を往復移動させる移動機構100と、移動機構100を制御し、定着器作動時は、高温側の端部を第2の位置に、定着器非作動時は、当該端部を第1の位置に移動させる制御部60と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンター、複写機等の画像形成装置に関し、特に、定着装置の廃熱を有効利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機等の画像形成装置では、記録シート上に形成された未定着画像を熱定着させるための定着装置が備えられている。この定着装置を用いて熱定着を行う際には、多くの廃熱が発生するため、近年、廃熱の有効利用を目的として定着装置に熱電変換素子を配置し、定着装置の廃熱を利用して発電や蓄電を行う画像形成装置が開発されている。
【0003】
熱電変換素子は、異なる2種類の金属やp型半導体とn型半導体とを組み合わせて構成されており、その両端に温度差が与えられると、ゼーベック効果により温度差に応じた大きさの熱起電力が両端に生じる。
この温度差を大きくし、充分な大きさの熱起電力を得るため、特許文献1には、熱電変換素子を定着装置の加熱ローラーの端部に当接させて配置し、熱電変換素子の高温側の温度が高くなるように構成した画像形成装置が開示されており、特許文献2には、熱電変換素子の低温側を外気と接することが可能な外壁に配置し、熱電変換素子の低温側の温度が低くなるように構成した画像形成装置が開示されている。
【0004】
上記の何れの場合においても、熱電変換素子の高温側と低温側の温度差を、当該構成をとらない場合に比べ、大きくすることができるので、熱電変換素子により生じる熱起電力が大きくなり、廃熱の有効利用率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平02−217876号公報
【特許文献2】特開2008−052032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された技術では、加熱ローラーの熱が、熱電変換素子の低温側に回り込みやすく、それによって高温側と低温側の温度差が小さくなり、熱起電力の発生効率が低下してしまうという問題が生じる。
さらに、加熱ローラーの熱の一部が、当該加熱ローラーと接触している熱電変換素子に奪われ、その分、定着装置のウォームアップ時間が長くなったり、熱定着時の発熱効率が低下したりするという問題が生じる。
【0007】
又、特許文献2に開示されている技術では、定着装置が発する熱を、熱伝達手段を用いて外壁に配置された熱電変換素子の高温側に導いているので、定着装置の熱が、熱電変換素子に達する前に熱伝達手段を介して放熱されてしまい、熱電変換素子を定着装置と直接接触させた場合や定着装置の近傍に配置した場合に比べ、熱電変換素子の高温側の温度が小さくなり、その結果、高温側と低温側の温度差が小さくなり、熱起電力の発生効率が低下するという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、熱電変換素子を有し、定着装置の廃熱を利用して熱電変換素子が発生する電力を蓄電する画像形成装置において、定着装置作動時の発熱効率の低下を防止しつつ、定着装置の作動時と非作動時とにおける熱電変換素子による熱起電力の発生効率を最適化し、廃熱の有効利用率をより高めることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る画像形成装置は、加熱部材と加圧部材とを有し、トナー像を記録シートに熱定着する定着器と、前記加熱部材及び加圧部材を支持し、前記定着器の外枠を構成するフレームと、前記フレーム内において移動自在に配置され、前記加熱部材からの熱を利用して発電する熱電変換素子と、前記熱電変換素子が発電した電力を蓄電する蓄電手段と、前記フレーム内において前記熱電変換素子の低温側を冷却する冷却装置と、前記熱電変換素子全体を移動させてその高温側の端部を、第1の位置と、前記加熱部材からの距離が、第1の位置より遠い第2の位置との間を往復移動させる移動機構と、前記移動機構による前記熱電変換素子全体の移動を制御し、前記定着器が作動している間は、前記高温側の端部を第2の位置に移動させ、前記定着器が非作動時に前記高温側の端部を前記第1の位置に移動させる制御手段と、を備える。
【0010】
ここで、前記第1の位置は、前記高温側の端部が前記加熱部材と当接する位置であることとすることができる。又、前記冷却装置は、前記低温側を冷却媒体と接触させることにより、前記低温側を冷却し、前記制御手段は、前記高温側の端部が前記第1の位置にある場合よりも、前記第2の位置にある場合の方が、前記熱電変換素子の低温側における、前記冷却媒体との接触面積が大きくなるように前記熱電変換素子全体を移動させることとすることができる。
【0011】
さらに、前記画像形成装置は、搬送中の記録シートのジャムを検出するジャム検出手段を備え、前記制御手段は、前記定着器の作動中に前記ジャムが検出されると、前記定着器を非作動状態にし、前記高温側の端部を前記第1の位置に移動させることとすることができる。
又、前記制御手段は、作動中の定着器において、所定時間以上熱定着動作が実行されない場合に、前記定着器を非作動状態にし、前記高温側の端部を前記第1の位置に移動させることとすることができる。
【0012】
又、前記冷却装置は、長手方向の所定の位置に開口部を有するダクトと、前記ダクト内に冷却媒体を取り込み、前記ダクト内を長手方向に流通させるファンと、を有し、前記移動機構は、前記熱電変換素子の低温側が、前記開口部を介して冷却媒体の流通する方向と略直交する方向に前記ダクト内を進退するように、前記熱電変換素子全体を往復移動させ、前記冷却装置は、取り込んだ冷却媒体を前記低温側と接触させることにより、前記低温側を冷却することとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
上記構成を備えることにより、定着器が作動している間は、熱電変換素子の高温側の端部が、加熱部材からの距離が第1の位置より遠い第2の位置に位置するように制御されるので、加熱部材の熱が、熱電変換素子と直接接触している場合に比べ、熱電変換素子に奪われにくくし、定着器の作動時における、熱電変換素子との接触による加熱部材の発熱効率の低下を抑制することができる。
【0014】
さらに、熱電変換素子は、定着器が作動している間も定着器の外枠を構成するフレーム内に配置されているので、熱電変換素子の高温側が加熱部材からの熱を受熱しやすい位置にあり、その低温側は、冷却装置によりフレーム内において冷却されるので、高温側の熱が低温側に回り込んで低温側の温度を上昇させるのを有効に防止し、両者の温度差が小さくならないようすることができ、その結果、熱電変換素子による熱起電力の発生量が低下しないようにすることができ、蓄電量の低下を防止することができる。
【0015】
これに加え、定着器の非作動時においては、熱電変換素子の高温側の端部が、加熱部材により近い第1の位置に位置するように制御されるので、非作動状態の加熱部材に残っている余熱を、定着器の作動時における第2の位置の場合より効率よく高温側に伝熱させることができ、その低温側は、冷却装置によりフレーム内において冷却されるので、高温側の熱が低温側に回り込んで低温側の温度を上昇させるのを有効に防止し、両者の温度差が小さくならないようすることができ、その結果、非作動状態の加熱部材に残っている余熱を有効に活用して電力の蓄電量を増やすことができる。
【0016】
これにより、定着器作動時における発熱効率の低下を防止しつつ、定着器の作動時と非作動時とにおける熱電変換素子による熱起電力の発生効率を最適化し、廃熱、特に、非作動時に発生する廃熱の有効利用率を高めることができる。
ここで、前記熱電変換素子の起電電圧を測定する測定手段を備え、前記制御手段は、定着装置が非作動時に測定された起電電圧が、閾値よりも小さい場合に、前記高温側の端部を、前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることとしてもよい。
【0017】
これにより、定着器が非作動時に、加熱部材の温度が低下して、熱電変換素子の高温側の温度が低下し、第1の位置で充分な熱起電力が得られなくなった場合においても、低温側をより冷却されやすい位置に移動するように制御されるので、両者の温度差をより大きくすることができ、それに伴い発生する熱起電力を大きくし、その分、熱電変換素子が発生する電力の蓄電量を稼ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】プリンター1の構成を示す図である。
【図2】定着装置5の構成と熱電変換素子80及び排気装置90との関係を示す詳細図である。
【図3】ダクト92における、熱電変換素子80の低温側(b)が侵入してくる箇所の詳細図を示す。
【図4】熱電変換素子80の移動機構100の構成を示す図である。
【図5】制御部60の構成と制御部60の制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
【図6】制御部60が行う熱電変換素子移動制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6の制御部60が行う熱電変換素子移動制御処理の動作の変形例を示すフローチャートである。
【図8】図2の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態)
以下、本発明に係る一形態の画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンター(以下、単に「プリンター」という。)に適用した場合を例にして説明する。
[1]プリンターの構成
先ず、本実施の形態に係るプリンター1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るプリンター1の構成を示す図である。同図に示すように、このプリンター1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着装置5、制御部60を備えている。
【0020】
プリンター1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)や図示しない表示部を有する操作パネルから印刷指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを記録シートへ多重転写してフルカラーの画像を形成することにより、記録シートへの印刷処理を実行する。以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成要素の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
【0021】
画像プロセス部3は、作像部3Y、3M、3C、3K、露光部10、中間転写ベルト11、二次転写ローラー45などを有している。作像部3Y、3M、3C、3Kの構成は、いずれも同様の構成であるため、以下、主として作像部3Yの構成について説明する。
作像部3Yは、感光体ドラム31Yと、その周囲に配設された帯電器32Y、現像器33Y、一次転写ローラー34Y、および感光体ドラム31Yを清掃するためのクリーナー35Yなどを有しており、感光体ドラム31Y上にY色のトナー像を作像する。現像器33Yは、感光体ドラム31Yに対向し、感光体ドラム31Yに帯電トナーを搬送する。中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラー12と従動ローラー13に張架されて矢印C方向に周回駆動される。又、従動ローラー13の近傍には、中間転写ベルト上に残留するトナーを除去するためのクリーナー21が配置されている。
【0022】
露光部10は、レーザーダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザー光Lを発し、作像部3Y、3M、3C、3Kの各感光体ドラムを露光走査する。この露光走査により、帯電器32Yにより帯電された感光体ドラム31Y上に静電潜像が形成される。作像部3M、3C、3Kの各感光体ドラム上にも同様にして静電潜像が形成される。
【0023】
各感光体ドラム上に形成された静電潜像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの
各現像器により現像されて各感光体ドラム上に対応する色のトナー像が形成され
る。形成されたトナー像は、作像部3Y、3M、3C、3Kの各一次転写ローラー(図1では、作像部3Yに対応する一次転写ローラーのみ符号34Yを付し、他の一次転写ローラーについては、符号を省略している。)により、中間転写ベルト11上の同じ位置で重ね合わされるように、中間転写ベルト11上にタイミングをずらして順次一次転写された後、二次転写ローラー45による静電力の作用により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して記録シート上に二次転写される。
【0024】
トナー像が二次転写された記録シートは、さらに定着装置5に搬送され、記録シート上のトナー像(未定着画像)が、定着装置5において加熱及び加圧されて記録シートに熱定着された後、排出ローラー71により排紙トレイ72に排出される。なお、定着装置5の周辺部には、定着装置5の廃熱を利用して熱起電力を発生することにより、発電する熱電変換素子80、及び定着装置5が駆動することにより発生する熱が、定着装置周辺に滞留しないように、後述するダクト及び排気ファン等を備える排気装置90が設けられている。さらに、定着装置5は、フレーム53でカバーされ、フレーム53内に収容されている。フレーム53の記録シートの出入り口に相当する部分には、隙間が設けられている。
【0025】
図2(a)、(b)は、定着装置5の構成と熱電変換素子80及び排気装置90との関係を示す詳細図である。熱電変換素子80は、2種類の金属又は半導体を組み合わせて構成され、一方の端部周辺領域(図2(a)、(b)の点線矩形aで示す領域、以下、「高温側」という。)を温度が高い側(ここでは、加熱ローラー51側)に位置し、もう一方の端部周辺領域(図2(a)、(b)の点線矩形bで示す領域、以下、「低温側」という。)を温度が低い側(ここでは、排気装置90側)に位置することにより両者の間に温度差が生じ、ゼーベック効果により、両者間の温度差に応じた大きさの熱起電力を発生する。
【0026】
熱電変換素子80は、フレーム53内に移動自在に配置され、その低温側(b)が、加熱ローラー51の回転軸方向(以下、「回転軸方向」という。)に延伸するダクト92内に侵入可能なように構成されている。図3は、ダクト92における、熱電変換素子80の低温側(b)が侵入してくる箇所付近の詳細図を示す。
同図に示すように、低温側(b)が侵入してくる箇所には、開口部94が設けられており、当該開口部94を通して熱電変換素子80が白矢印で示すようにダクト92内に侵入する。
【0027】
熱電変換素子80は、後述する移動機構100により、回転軸方向と垂直の方向(以下、「Y軸方向」という。)に往復移動する。この往復移動により、低温側(b)の端部が開口部94とダクト92の内部との間を行き来し、それに伴い、高温側(a)の端部が加熱ローラー51と当接又は離間されるように構成されている。
図2(a)は、熱電変換素子80の高温側(a)の端部が当接位置に移動した状態を、図2(b)は、熱電変換素子80の高温側(a)の端部が離間位置に移動した状態をそれぞれ示す。図2(a)、(b)の符号Aは、熱電変換素子80が往復移動するY軸方向を示す。なお、図3においては、説明の便宜上、熱電変換素子80の低温側(b)の端部は、開口部94の入口より、ダクト92から離れる方向に後退した位置に示している。
【0028】
図2(a)に示すように、高温側(a)の端部が当接位置に移動した状態にあるときに、低温側(b)の端部が開口部94の位置に来るように、熱電変換素子80のY軸方向の長さが調整されている。又、熱電変換素子80の大きさは、開口部94を介して低温側(b)がダクト92の内部へ移動可能なように開口部94の大きさよりも小さくなるように調整されている。ダクト92内に取り込まれた冷却媒体(ここでは、空気とする。)が、開口部94を介して定着装置5の内部に漏れ出し、加熱ローラー51の発熱効率を低下させないように、熱電変換素子80の大きさは、熱電変換素子80が、開口部94内を往復移動可能な範囲内で、なるべく開口部94の大きさに近い大きさであることが望ましい。
【0029】
熱電変換素子80の往復移動の制御は、制御部60によって行われる。具体的には、定着装置5に電源が供給され、定着装置5が作動している時(定着装置5がウォームアップ状態にある時、待機状態にある時、印刷ジョブ実行状態にある時)には、熱電変換素子80は、離間位置に移動するように制御され、定着装置5への電源供給が停止され、定着装置5が非作動状態に有るとき(スリープ状態にある時、ジャム発生時)には、熱電変換素子80は、当接位置に移動するように制御される。ウォームアップ完了後又は印刷ジョブ終了後、所定時間(例えば、30分間)印刷ジョブが実行されなかった場合に、制御部60は、定着装置5への電源供給を停止し、定着装置5をスリープ状態へ移行させる。
【0030】
図4は、熱電変換素子80の移動機構100の構成を示す図である。移動機構100は、熱電変換素子80を支持する支持部材101、ネジ軸102、駆動モーター103から構成される。制御部60により、駆動モーター103の駆動を制御することにより、駆動モーター103の駆動軸と同軸に設けられたネジ軸102が回転駆動され、回転駆動方向が図3のP方向又はQ方向に切替えられることにより、支持部材101に支持された熱電変換素子80が符号Aで示すY軸方向に往復移動する。駆動モーター103としては、例えば、ステッピングモーターを使用することができる。
【0031】
又、熱電変換素子80の移動機構としては、駆動モーターの駆動軸の回転運動を直線運動に変える機構であればよく、例えば、移動機構100の代わりにピニオン・ラック機構を用いることができる。
図2の説明に戻って、定着装置5は、加熱ローラー51と加圧ローラー52とから構成され、両ローラーの回転軸は、それぞれ、フレーム53に回転自在に固定されている。加熱ローラー51には、ハロゲンヒーター等の発熱体が内包され、この発熱体のオン・オフを制御部60により、制御することで、定着装置5の温度制御が行われる。
【0032】
なお、定着装置の加熱方式は、上記のようなヒーターによる加熱方式に限定されず、例えば、電磁誘導加熱方式であってもよいし、抵抗発熱体による加熱方式であってもよい。又、加熱ローラー51の代わりに、周回駆動する、無端状の加熱ベルトを用いて記録シートを熱定着することとしてもよい。この場合、加熱ベルトの加熱は、ヒーターを用いて行ったり、加熱ベルトに抵抗発熱体層を設けてジュール発熱させたり、或いは、電磁誘導加熱方式を用いて行うことができる。又、加圧ローラー52の代わりに加圧ベルトや固定的に設けられた加圧部材を用いることとしてもよい。
【0033】
排気装置90は、ダクト92がフレーム53の回転軸方向両側に設けられた開口部53a、53bを貫通するようにして配置され、ダクト92は、回転軸方向において加熱ローラー51と対向している。排気装置90は、吸気口91から冷却媒体(空気)を取り込み、排気ファン93を駆動させて取り込んだ冷却媒体(空気)を矢印B方向に流通させることにより、ダクト92内に冷却媒体(空気)の流路を形成する。これにより、熱電変換素子80の低温側(b)を冷却する。
【0034】
熱電変換素子80の低温側(b)は、開口部94に位置するときよりも、ダクト92内部に位置するときの方が、ダクト92内部を流れる冷却媒体(空気)との接触面積が大きくなるので、低温側(b)がより冷却される。
図1の説明に戻って、給紙部4は、記録シート(図1の符号Sで表す)を収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の記録シートを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラー42と、繰り出された記録シートを二次転写位置46に送り出すタイミングをとって記録シートを搬送するタイミングローラー44などを備えている。
【0035】
給紙カセットは、1つに限定されず、複数であってもよい。記録シートとしては、大きさや厚さの異なる用紙(普通紙、厚紙)やOHPシートなどのフィルムシートを利用できる。給紙カセットが複数ある場合には、大きさ又は厚さ又は材質の異なる記録シートを複数の給紙カセットに収納することとしてもよい。
タイミングローラー44は、中間転写ベルト11上の同じ位置で重ね合わされるように中間転写ベルト11上に一次転写されたトナー像が二次転写位置46に搬送されるタイミングに合わせて、記録シートをニ次転写位置46に搬送する。そして、二次転写位置46において、ニ次転写ローラー45により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して記録シート上に二次転写される。
【0036】
繰り出しローラー42、タイミングローラー44等の各ローラーは、搬送モーター(不図示)を動力源とし、歯車ギヤーやベルトなどの動力伝達機構(不図示)を介して回転駆動される。この搬送モーターとしては、例えば、高精度の回転速度の制御が可能なステッピングモーターが使用される。
[2]制御部の構成
図5は、制御部60の構成と制御部60の制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。制御部60は、所謂コンピュータであって、同図に示されるように、CPU(Central Processing Unit)601、通信インターフェース(I/F)部602、ROM(Read Only Memory)603、RAM(Random Access Memory)604、画像データ記憶部605、電源制御部606などを備える。
【0037】
通信I/F部602は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。ROM603には、画像プロセス部3、給紙部4、定着装置5、画像読取部7、操作パネル8、電圧計81、移動機構100、スイッチ部120、電源部130等を制御するためのプログラム及び後述する熱電変換素子移動制御処理を制御するためのプログラムなどが格納されている。
【0038】
RAM604は、CPU601のプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
画像データ記憶部605は、通信I/F部602や画像読取部7を介して入力された、印刷用の画像データを記憶している。電源制御部606は、電源部130の主電源への通電のオン・オフを切替えることにより、画像プロセス部3、給紙部4、定着装置5への電源供給のオン・オフを切替える制御を行う。なお、電源部130の主電源がオフ状態の場合であっても、電源部130の副電源から制御部60、操作パネル8、移動機構100に電源供給が行われる。
【0039】
画像読取部7は、スキャナーなどの画像入力装置から構成され、用紙等の記録シートに記載されている文字や図形などの情報を読取り、画像データを形成する。
操作パネル8は、複数の入力キーと液晶表示部を備え、液晶表示部の表面にはタッチパネルが積層されている。タッチパネルからのタッチ入力又は入力キーからのキー入力により、ユーザからの指示を受取り、制御部60に通知する。電圧計81は、熱電変換素子80の起電電圧を測定する。
【0040】
スイッチ部120は、電源部130の主電源と排気ファン93との接続をオン・オフするスイッチと、2次電池110と排気ファン93との接続をオン・オフするスイッチとを有し、制御部60により両者のスイッチが切替制御され、排気ファン93への電源供給元が、2次電池110と電源部130との間で切替えられる。2次電池110は、熱電変換素子80の発電した電力を蓄電する。
【0041】
ここでは、定着装置5に電源が供給され、作動している時(定着装置5がウォームアップ状態にある時、待機状態にある時、印刷ジョブ実行状態にある時)には、電源部130から排気ファン93に電源供給がされ、定着装置5が非作動状態に有るとき(スリープ状態にある時、ジャム発生時)には、2次電池110から排気ファン93に電源供給がされるように制御されるものとする。
【0042】
ここで、「待機状態」とは、加熱ローラー51の表面温度を、定着温度(例えば、180℃)近傍の待機温度(例えば、160℃)に維持された状態のことをいい、印刷ジョブの実行が終了した後、所定時間(例えば、30分間)、加熱ローラー51の表面温度が待機温度に維持されるように、制御部60によって温度制御される。
[3]熱電変換素子移動制御処理
次に、制御部60が行う熱電変換素子移動制御処理の動作について説明する。図6は、上記動作を示すフローチャートである。熱電変換素子移動制御処理を制御するためのプログラムが起動されると、制御部60は、自装置が定着装置5のウォームアップ中であるか否か、自装置が待機状態にあるか否かを判定する(ステップS601、ステップS602)。
【0043】
そして、自装置が定着装置5のウォームアップ中又は待機状態である場合には(ステップS601:YES又はステップS602:YES)、制御部60は、移動機構100を制御して熱電変換素子80の高温側(a)の端部を離間位置に移動させ、熱電変換素子80の高温側(a)の端部が加熱ローラー51から離間し、低温側(b)がダクト92内部に位置するように制御する(ステップS606)。
【0044】
自装置が定着装置5のウォームアップ中でも待機状態でもなく(ステップS601:NO、ステップS602:NO))、印刷ジョブ実行中であって(ステップS603:YES)、当該実行中にジャムが発生した場合には(ステップS604:YES)、制御部60は、電源部130から定着装置5への電源供給を停止させ、移動機構100を制御して熱電変換素子80を当接位置に移動させ、熱電変換素子80の高温側(a)の端部が、加熱ローラー51の外周面と当接し、低温側(b)の端部がダクト92の開口部94の位置に来るように制御する(ステップS605)。
【0045】
又、ステップS604の判定結果が否定的である場合には(ステップS604:NO)、制御部60は、ステップS606の処理に移行し、ステップS601〜ステップS603の何れの判定結果も否定的であり、定着装置5がスリープ状態にある場合には(ステップS601:NO、ステップS602:NO、ステップS603:NO)、制御部60は、ステップS605の処理に移行する。
【0046】
制御部60は、上記のステップS601〜ステップS606の処理を、自装置の電源がオフされる(ステップS607:YES)まで繰り返す。
これにより、定着装置5が作動時は、熱電変換素子80の高温側(a)の端部が加熱ローラー51から離間した離間位置に移動するように制御されるので、加熱ローラー51の熱が、熱電変換素子と直接接触している場合に比べ、熱電変換素子に奪われにくくし、定着装置5作動時における、熱電変換素子との接触による加熱ローラー51の発熱効率の低下を抑制することができる。さらに、離間位置は、定着装置5を収容するフレーム53内に位置しており、高温側(a)が加熱ローラー51からの熱を受熱しやすい位置にあり、又、低温側(b)は、ダクト92の内部を流通する冷却媒体(空気)による冷却を受けやすい位置にあるので、高温側(a)の熱が低温側(b)に回り込んで低温側(b)の温度を上昇させるのを有効に防止し、両者の温度差が小さくならないようすることができ、その結果、熱電変換素子80による熱起電力の発生量が低下しないようにすることができ、蓄電量の低下を防止することができる。
【0047】
これに加え、定着装置5の非作動時においては、熱電変換素子80の高温側(a)の端部が加熱ローラー51と当接する当接位置に移動するように制御されるので、非作動状態の加熱ローラー51に残っている余熱を効率よく高温側(a)に伝熱させることができ、又、低温側(b)は、ダクト92の内部を流通する冷却媒体(空気)による冷却が可能な位置(開口部94の位置)にあるので、高温側(a)の熱が低温側(b)に回り込んで低温側(b)の温度を上昇させるのを有効に防止し、両者の温度差が小さくならないようすることができ、その結果、非作動状態の加熱ローラー51に残っている余熱を最大限に利用して熱起電力の蓄電量を増やすことができる。
【0048】
このように、上記処理を行うことにより、定着装置の廃熱を利用して熱電変換素子が発生する電力を蓄電する画像形成装置において、定着装置作動時における発熱効率の低下を防止しつつ、定着装置の作動時と非作動時とにおける熱電変換素子による熱起電力の発生効率を最適化し、廃熱、特に、非作動時に発生する廃熱の有効利用率を高めることができる。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
【0049】
(1)本実施の形態では、定着装置5が非作動状態に有るとき(スリープ状態にある時、ジャム発生時)には、熱電変換素子80は、当接位置に移動するように制御されることとしたが、定着装置5が非作動状態にあるときは、加熱ローラー51に電源が供給されず、加熱ローラー51の外周面の温度は、時間経過とともに、低下するため、加熱ローラー51の外周面が低温になった場合には、当接位置では充分な熱起電力が得られなくなる可能性がある。
【0050】
このため、加熱ローラー51の外周面が低温になった場合には、熱電変換素子80の高温側(a)の端部を離間位置に移動し、熱電変換素子80の低温側(b)をダクト92内部に移動させ、低温側(b)をより冷却するようにし、冷却した分だけ、高温側と低温側の温度差を大きくし、熱起電力を大きくすることとしてもよい。
具体的には、以下のようにして熱電変換素子80の高温側(a)の端部の、当接位置から離間位置への移動のタイミングを決定することとしてもよい。予めプリンター1を用いて、定着装置5が非作動状態にある場合における、熱電変換素子80の起電電圧を、非作動状態に移行後、一定時間間隔毎に熱電変換素子80の高温側(a)の端部が当接位置にある場合と離間位置にある場合とで比較する実験を行い、離間位置にある場合の起電電圧が、当接位置にある場合の起電電圧を上回るようになるときの、当接位置における当該起電電圧を、熱電変換素子80の高温側(a)の端部の位置を当接位置から離間位置に移動させる判定基準となる閾値として決定する。
【0051】
そして、制御部60が、電圧計81による起電電圧の測定結果を監視し、当該閾値以下になったときに、熱電変換素子80の高温側(a)の端部を当接位置から離間位置へ移動させ、低温側(b)をより冷却させることにより、熱電変換素子80から得られる熱起電力がより大きくなるように制御する。
例えば、図6に示す熱電変換素子移動制御処理のフローチャートにおいて、ステップS605の処理を実行した後に、制御部60が電圧計81より、熱電変換素子80の起電電圧の測定結果を取得し、測定結果が、上記閾値以下である場合には、ステップS606の処理に移行するように、図6のフローチャートを変形することとしてもよい。図7は、当該変形例を示すフローチャートである。同図において、図6のフローチャートと同一の処理については、図6のステップ番号と同じステップ番号を付与し、上記の「制御部60が電圧計81より、熱電変換素子80の起電電圧の測定結果(V)を取得する」処理には、ステップ番号S701が、上記の「制御部60が、測定結果が上記閾値以下であるか否かを判定する」処理には、ステップ番号702が付与されている。
【0052】
これにより、定着装置5が非作動状態にあるときに、加熱ローラー51の温度が低下して、熱電変換素子80の高温側(a)の温度が低下し、当接位置で充分な熱起電力が得られなくなった場合においても、低温側(b)をより冷却可能な位置に移動し、両者の温度差をより大きくすることができるので、それに伴い発生する熱起電力を大きくし、その分、熱電変換素子が発生する電力の蓄電量を稼ぐことができる。
【0053】
(2)本実施の形態の熱電変換素子移動制御処理においては、熱電変換素子80の低温側(b)はダクト92の開口部94とダクト92の内部との間を移動することとしたが、ダクト92の内部に熱電変換素子80の低温側(b)を移動させると、ダクト92内部を流通する冷却媒体(空気)との接触面積が大きくなり、低温側(b)の冷却効率が高まる一方、熱電変換素子80の低温側(b)がダクト内部に侵入することにより、ダクト内の冷却媒体(空気)の流れが一部遮られてしまうことになる。
【0054】
このため、ダクト92の内部の冷却媒体(空気)の流れを遮ることなく、熱電変換素子80の低温側(b)を効率よく冷却するために、図8に示すような排気装置90Aを用いることとしてもよい。同図において、本実施の形態に係る排気装置90と対応する構成要素については、排気装置90の構成要素について付与された番号と同一の番号を付与している。図8(a)(b)に示すように、排気装置90Aでは、開口部94の回転軸方向の左右両側には回動可能な扉95、96が設けられており、この両扉が熱電変換素子80の符号Aで示すY軸方向への移動に伴い、開閉するように構成されている。
【0055】
両扉を開閉させる開閉機構としては、例えば、駆動モーター、減速ギヤー及び両扉をそれぞれ固定する固定軸から構成することができる。具体的には、駆動モーターの回転駆動力を、減速ギヤーを介して固定軸に伝達させることにより、両扉をそれぞれ開閉させることができる。駆動モーターとしては、例えば、正逆方向に所定の回転速度で回転するステッピングモーターを用いることができる。この駆動モーターの回転駆動を制御部60により制御することにより、両扉の開閉が制御される。
【0056】
図8(a)は、熱電変換素子80の高温側(a)の端部が当接位置に有る状態を示す。同図に示すように、当接位置では、熱電変換素子80の低温側(b)が、開口部94から加熱ローラー51側にY軸方向に離れた位置にあるが、熱電変換素子80の端部が当接位置に移動したときに扉95、96が同図に示すように、開状態になることにより、ダクト92内部を流通する冷却媒体(空気)の一部が矢印で示すように熱電変換素子80の低温側(b)の端部に導かれ、低温側(b)の端部が冷却可能なように構成されている。
【0057】
図8(b)は、熱電変換素子80の高温側(a)の端部が離間位置にある状態を示す。同図に示すように、熱電変換素子80の低温側(b)の端部が開口部94の位置にくるように導かれるとともに、扉95、96が閉状態になり、当該端部にダクト92内部を流通する冷却媒体(空気)が接触可能なように構成されている。
これにより、ダクト92内の冷却媒体(空気)の流れを遮ることなく、当接位置及び離間位置の両位置における熱電変換素子80の低温側(b)の冷却が可能となり、定着装置の廃熱を利用して熱電変換素子が発生する電力を蓄電する画像形成装置において、定着装置作動時における発熱効率の低下を防止しつつ、定着装置の作動時と非作動時とにおける熱電変換素子による熱起電力の発生効率を最適化し、廃熱、特に、非作動時に発生する廃熱の有効利用率を高めることができる。
【0058】
(3)本実施の形態では、当接位置及び離間位置における熱電変換素子80の低温側(b)の冷却を、ダクト92内部を流通する冷却媒体(空気)を低温側(b)に直接当てることにより行ったが、低温側(b)の冷却は他の方法により行うこととしてもよい。例えば、低温側(b)の端部に冷却フィンを設け、冷却フィンにダクト92内部を流通する冷却媒体(空気)を当てることにより低温側(b)を冷却することとしてもよいし、空気流の代わりにダクト92内に冷却用の流体(例えば、水)を冷却媒体として流通させ、当該流体を冷却フィンに当てることにより低温側(b)を冷却することとしてもよい。又、ダクトを介さず、冷却ファンで直接冷却フィンを冷却することにより低温側(b)を冷却することとしてもよい。
【0059】
(4)本実施の形態では、定着装置5の非作動時に熱電変換素子80の高温側(a)を当接位置に移動させることとしたが、当接位置ではなく、その近傍に移動させることとしてもよい。ここでの「近傍」とは、離間位置における高温側(a)の端部の位置よりもY軸方向において加熱ローラー51側に近い位置のことをいう。
この場合においても、当接位置の場合よりもやや効果は劣るが、定着装置作動時における発熱効率の低下を防止しつつ、定着装置の作動時と非作動時とにおける熱電変換素子による熱起電力の発生効率を最適化し、廃熱、特に、非作動時に発生する廃熱の有効利用率を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、プリンター、複写機等の画像形成装置に関し、特に、定着装置の廃熱を有効利用する技術として利用できる。
【符号の説明】
【0061】
1 プリンター
3 画像プロセス部
3Y〜3K 作像部
4 給紙部
5 定着装置
7 画像読取部
8 操作パネル
10 露光部
11 中間転写ベルト
12 従動ローラー
13 駆動ローラー
21、35Y クリーナー
31Y 感光体ドラム
32Y 帯電器
33Y 現像器
34Y 一次転写ローラー
41 給紙カセット
42 繰り出しローラー
43 搬送路
44 タイミングローラー
45 二次転写ローラー
46 二次転写位置
51 加熱ローラー
52 加圧ローラー
53 フレーム
54 加圧ローラー
60 制御部
71 排出ローラー
72 排紙トレイ
80 熱電変換素子
81 電圧計
90 排気装置
91 吸気口
92 ダクト
93 排気ファン
94 開口部
95、96 扉
100 移動機構
110 2次電池
120 スイッチ部
130 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部材と加圧部材とを有し、トナー像を記録シートに熱定着する定着器と、
前記加熱部材及び加圧部材を支持し、前記定着器の外枠を構成するフレームと、
前記フレーム内において移動自在に配置され、前記加熱部材からの熱を利用して発電する熱電変換素子と、
前記熱電変換素子が発電した電力を蓄電する蓄電手段と、
前記フレーム内において前記熱電変換素子の低温側を冷却する冷却装置と、
前記熱電変換素子全体を移動させてその高温側の端部を、第1の位置と、前記加熱部材からの距離が、第1の位置より遠い第2の位置との間を往復移動させる移動機構と、
前記移動機構による前記熱電変換素子全体の移動を制御し、前記定着器が作動している間は、前記高温側の端部を第2の位置に移動させ、前記定着器が非作動時に前記高温側の端部を前記第1の位置に移動させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の位置は、前記高温側の端部が前記加熱部材と当接する位置である
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記冷却装置は、前記低温側を冷却媒体と接触させることにより、前記低温側を冷却し、
前記制御手段は、前記高温側の端部が前記第1の位置にある場合よりも、前記第2の位置にある場合の方が、前記熱電変換素子の低温側における、前記冷却媒体との接触面積が大きくなるように前記熱電変換素子全体を移動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記熱電変換素子の起電電圧を測定する測定手段を備え、
前記制御手段は、定着装置が非作動時に測定された起電電圧が、閾値よりも小さい場合に、前記高温側の端部を、前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
搬送中の記録シートのジャムを検出するジャム検出手段を備え、
前記制御手段は、前記定着器の作動中に前記ジャムが検出されると、前記定着器を非作動状態にし、前記高温側の端部を前記第1の位置に移動させる
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、作動中の定着器において、所定時間以上熱定着動作が実行されない場合に、前記定着器を非作動状態にし、前記高温側の端部を前記第1の位置に移動させる
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記冷却装置は、
長手方向の所定の位置に開口部を有するダクトと、
前記ダクト内に冷却媒体を取り込み、前記ダクト内を長手方向に流通させるファンと、
を有し、
前記移動機構は、前記熱電変換素子の低温側が、前記開口部を介して冷却媒体の流通する方向と略直交する方向に前記ダクト内を進退するように、前記熱電変換素子全体を往復移動させ、
前記冷却装置は、取り込んだ冷却媒体を前記低温側と接触させることにより、前記低温側を冷却する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−25280(P2013−25280A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162878(P2011−162878)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】