説明

画像記録装置

【課題】光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置において、光ファイバーアレイの副走査方向の端部、光ファイバーアレイに含まれる光ファイバー列の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減する。
【解決手段】光ファイバーアレイの副走査方向Yの両端の光ファイバー41,54のコア径r1及び各光ファイバー列4,5の両端の光ファイバー44,51のコア径r3を中間の光ファイバー42,43,52,53のコア径r2より大きくした(r1>r2,r3>r2)。グラッド径は同一で等間隔に配置した。他の構成として、グラッド径及びコア径が同一の光ファイバーを用い、光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーのみ隣接する光ファイバーとの間隔を広げた。5〜10本置きにコア径の異なる光ファイバーを配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ等の光源と接続された複数本の光ファイバーから出射される光ビームを、結像光学系等の光学系を介して記録材料上に照射すると共に、この光学系と記録材料とを相対的に主走査方向及びび副走査方向に移動させて主走査および副走査を実行することにより画像を記録する構成の画像記録装置が知られる。
また、複数本の光ファイバーが構成する光ファイバー列を主走査方向に対して所望の角度傾けることにより、走査線間の隙間の発生を防止している構成が知られる(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−361911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図4に、2列の光ファイバーアレイの簡易なモデルを示した。図中に主走査方向X、副走査方向Y、光ファイバーピッチA、副走査方向チャンネルピッチPを示した。図4に示すように、本光ファイバーアレイは、光ファイバー列1と光ファイバー列2からなる。光ファイバー列1は光ファイバー11〜14からなり、光ファイバー列2は光ファイバー21〜24からなる。
各光ファイバーのクラッド径及びコア径は一定であり、これらが隣接して一列に配置されることによって、グラット径とほぼ等しい一定の光ファイバーピッチAとなる。また、光ファイバー列1と光ファイバー列2が図に示すように配置され、副走査方向チャンネルピッチPが一定とされている。
【0004】
以上のような光ファイバーアレイから出射される光ビームアレイによって画像を記録する場合を考える。
チャンネル端にある光ファイバー11の主走査ラインと光ファイバー24の主走査ラインは副走査により隣接することとなるが、副走査方向の速度ムラによりこれらの主走査ラインの副走査方向の間隔に誤差が生じ、重なり又は隙間となって、画像に濃度ムラが生じることが知られる。
【0005】
また、次のような問題がある。
光ファイバー12は、その両側に光ファイバー11,13が隣接している。すなわち、光ファイバー12は、2つの光ファイバー11,13に挟まれている。同様に光ファイバー13、22,23も、その両側に光ファイバーが隣接している。
一の光ファイバーによる露光は、隣接する光ファイバーからの光の影響を受けることがある。その影響は、2つの光ファイバーに挟まれた光ファイバー12,13,22,23であれば、両側から受けやすい。
一方、副走査方向の両端に位置する光ファイバー11と光ファイバー24には、片側にしか光ファイバーは隣接していないため、隣接する光ファイバーからの光の影響は、片側からのみ受けやすい。光ファイバー11,24による主走査ラインの片側は、それぞれ光ファイバー12,23により露光されるが、その反対側が露光されるのは、ほぼ1主走査前又は1主走査後であり、ほぼ1主走査分の時間差が生じる。
両側で同時に露光が行われている光ファイバー12,13,22,23の主走査ラインに比較すると、片側が同時に露光されその反対側がほぼ1主走査分の時間差をもって露光される光ファイバー11,24の主走査ラインは同時に露光されない片側が反応しにくく、従って、光ファイバー12,13,22,23と光ファイバー11,24とで光量が同一であっても、光ファイバー11,24の露光ラインの光ファイバーが隣接しない片側が薄くなる場合がある。
【0006】
また、副走査方向の両端ではないが、光ファイバー列の端に位置する光ファイバー14と光ファイバー21には、片側にしか光ファイバーは隣接していないため、隣接する光ファイバーからの光の影響は、片側からのみ受けやすい。光ファイバー14による主走査ラインの片側は、光ファイバー13により露光されるが、その反対側の露光は光ファイバー21によってなされる。したがって、光ファイバー14による露光と光ファイバー21による露光とでは、ほぼ光ファイバー14と光ファイバー21との間の主走査方向の距離を主走査するのにかかる時間分の時間差が生じる。すなわち、ほぼ光ファイバー列の主走査方向長さを主走査するのにかかる時間分の時間差が生じる。
したがって、光ファイバー12,13,22,23と光ファイバー14,21とで光量が同一であっても、光ファイバー14,21の主走査ラインの光ファイバーが隣接しない片側が薄くなる場合がある。
また、光量が同一であっても、光ファイバー11,24による露光ラインと光ファイバー14,21による露光ラインとで、発色濃度が異なる場合がある。
以上のことを原因として、画像に濃度ムラが生じることがあった。
【0007】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置において、光ファイバーアレイの副走査方向の端部、光ファイバーアレイに含まれる光ファイバー列の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、出射口が主走査方向に対し傾斜して配列する光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径と異なるコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。
【0009】
したがって請求項1記載の発明によれば、前記両端の光ファイバーのコア径を前記中間の光ファイバーとは異なった適切なものに選択することにより、前記中間の光ファイバーから出射される光ビームと異なるビーム径を有する前記両端の光ファイバーから出射される光ビームが副走査による主走査ラインの重なりや隙間を減少させ、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減する。特に、ビームピッチや両端チャンネルの光量を調整することなく濃度ムラを低減することができるという利点を有する。
【0010】
請求項2記載の発明は、出射口が主走査方向に対し傾斜して配列する光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径より大きいコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。
【0011】
したがって請求項2記載の発明によれば、各光ファイバーの光源光量を同一として照射しても、前記両端の光ファイバーのコア径が前記中間の光ファイバーのコア径より大きいので、前記両端の光ファイバーから出射される光ビームが前記中間の光ファイバーから出射される光ビームより記録材上に広範囲かつ弱く照射される。したがって、副走査による主走査ラインの重なりは比較的濃くならず、隙間は生じ難く、生じても目立ち難い。そのため、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像の濃度ムラが低減される。
特に、ビームピッチや両端チャンネルの光量を調整することなく濃度ムラを低減することができるという利点を有する。
【0012】
請求項3記載の発明は、出射口が主走査方向に対し傾斜して並列する複数の光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバー列の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記光ファイバー列の両端の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径と異なるコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。
【0013】
したがって請求項3記載の発明によれば、各光ファイバー列の両端の光ファイバーのコア径を各光ファイバー列の中間の光ファイバーとは異なった適切なものに選択することにより、前記中間の光ファイバーから出射される光ビームと異なるビーム径を有する前記両端の光ファイバーから出射される光ビームが、光ファイバーアレイの副走査方向の端部を含む光ファイバー列の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減する。
特に、ビームピッチや光ファイバー列の両端チャンネルの光量を調整することなく濃度ムラを低減することができるという利点を有する。
【0014】
請求項4記載の発明は、出射口が主走査方向に対し傾斜して並列する複数の光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバー列の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記光ファイバー列の両端の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径より大きいコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。
【0015】
したがって請求項4記載の発明によれば、各光ファイバーの光源光量を同一として照射しても、各光ファイバー列の両端の光ファイバーのコア径が各光ファイバー列の中間の光ファイバーのコア径より大きいので、各光ファイバー列の両端の光ファイバーから出射される光ビームが各光ファイバー列の中間の光ファイバーから出射される光ビームより記録材上に広範囲かつ、弱く照射される。したがって、副走査による主走査ラインの重なりは比較的濃くならず、隙間は生じ難く目立ち難いとともに、光ファイバー列の副操作方向の継ぎ目における重なりは比較的濃くならず、隙間は生じ難く目立ち難い。そのため、光ファイバーアレイの副走査方向の端部を含む光ファイバー列の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減する。特に、ビームピッチや光ファイバー列の両端チャンネルの光量を調整することなく濃度ムラを低減することができるという利点を有する。
【0016】
請求項5記載の発明は、出射口が主走査方向に対し傾斜して配列する光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーを始端、終端として前記光ファイバーアレイの副走査方向に何本か置きに配置される3本以上の光ファイバー(前記両端の光ファイバーを含む。)の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記3本以上の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径と異なるコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。
【0017】
したがって請求項5記載の発明によれば、副走査方向の両端の光ファイバーのコア径を前記中間の光ファイバーとは異なった適切なものに選択することにより、前記中間の光ファイバーから出射される光ビームと異なるビーム径を有する副走査方向の両端の光ファイバーから出射される光ビームが、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減する。特に、ビームピッチや両端チャンネルの光量を調整することなく濃度ムラを低減することができるという利点を有する。
また、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像の濃度ムラにより光ファイバーアレイの副走査方向の幅に相当する間隔のスジが生じることがあるが、このような間隔のスジが生じても、異なるコア径の光ファイバーによりその間隔内にもスジが生じており、これによりスジの空間周波数が上記間隔のそれより高周波化される。スジの空間周波数が上記間隔のそれより高周波化されるため、上記間隔のスジ単独の視認性より、低い視認性のスジとすることができ、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像のスジ状の濃度ムラの視認度を落とすことができる。異なるコア径の光ファイバーは、例えば、5〜10チャンネル置きに配置される。
【0018】
請求項6記載の発明は、前記光ファイバー列内の光ファイバーの出射口が等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の画像記録装置である。
【0019】
したがって請求項6記載の発明によれば、光ファイバー列内の光ファイバーの出射口が等間隔に配置されているので、V溝基板などの保持具を製造しやすく、等間隔のビームピッチにより均一な画像が記録できる。
【0020】
請求項7記載の発明は、出射口が主走査方向に対し傾斜して配列する光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の中間の光ファイバーの出射口が副走査方向に等間隔で配置され、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーの出射口が隣接する光ファイバーの出射口に対し、前記中間の光ファイバーの出射口の副走査方向の間隔より広い副走査方向の間隔で配置され、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。
【0021】
したがって請求項7記載の発明によれば、光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーの出射口が隣接する光ファイバーの出射口に対し、前記中間の光ファイバーの出射口の副走査方向の間隔より広い適切な間隔に設定することにより、前記両端の光ファイバーから出射される光ビームが副走査による主走査ラインの重なりや隙間を減少させ、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減する。特に、前記中間の光ファイバーのビームピッチや両端チャンネルの光量を調整することなく濃度ムラを低減することができるという利点を有する。
【0022】
請求項8記載の発明は、1本又は副走査方向に沿って何本か置きに配置される複数本の光ファイバー(副走査方向の両端の光ファイバーを除く。)のコア径が、前記光ファイバーアレイを構成する他の光ファイバー(副走査方向の両端の光ファイバーを除く。)のコア径と異なり、前記他の光ファイバーが一定のコア径を有することを特徴とする請求項7記載の画像記録装置である。
【0023】
したがって請求項8記載の発明によれば、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像の濃度ムラにより光ファイバーアレイの副走査方向の幅に相当する間隔のスジが生じることがあるが、このような間隔のスジが生じても、異なるコア径の光ファイバーによりその間隔内にもスジが生じており、これによりスジの空間周波数が上記間隔のそれより高周波化される。スジの空間周波数が上記間隔のそれより高周波化されるため、上記間隔のスジ単独の視認性より、低い視認性のスジとすることができ、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像のスジ状の濃度ムラの視認度を落とすことができる。異なるコア径の光ファイバーは、例えば、5〜10チャンネル置きに配置される。
副走査方向の両端の光ファイバーを除くのは、副走査方向の両端の光ファイバーを異なるコア径としても、上記間隔内にスジが生じないからである。副走査方向の両端の光ファイバーは、異なるコア径の光ファイバーとされていても良いし、異なるコア径の光ファイバーとされていなくても良い。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、光ファイバーアレイの副走査方向の端部、光ファイバーアレイに含まれる複数の光ファイバー列の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0026】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態につき図1を参照して説明する。
図1に、1列の光ファイバー列からなる光ファイバーアレイの簡易なモデルを示した。図中に主走査方向X、副走査方向Y、光ファイバーピッチA、副走査方向チャンネルピッチPを示した。図1に示すように、本実施形態の画像記録装置における光ファイバーアレイは、光ファイバー列3の一列からなる。光ファイバー列3は光ファイバー31〜34からなる。各光ファイバーが1チャンネルを構成する。チャンネル毎に画像信号が出力される。
各光ファイバーのクラッド径は一定であり、これらが隣接して一列に配置されることによって、グラット径とほぼ等しい一定の光ファイバーピッチAが形成されている。図1に示すように光ファイバー列3が主走査方向Xに対し傾斜して配列し、光ファイバーピッチAより狭い副走査方向チャンネルピッチPが形成されている。各光ファイバーがV溝基板(図示せず)のV溝に保持されることにより光ファイバー列3が構成される。
【0027】
両端の光ファイバーのコア径r1が中間の光ファイバー32,33のコア径r2に対し大きくされている。
本実施形態は4チャンネルモデルであるが,5チャンネル以上にする場合は,中間の光ファイバー32,33を同一クラッド径、同一コア径r2及び同一ピッチAで増設する。例えば、16チャンネル以上にする場合、中間の光ファイバーにおいても5〜10本置きに、その間の光ファイバーと異なるコア径の光ファイバーを配置しても良い。スジ状の濃度ムラの視認性を落とすためである。
【0028】
本実施形態の画像記録装置は、図1に示した光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像してX・Y方向に主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。主走査は、記録材を保持したドラムを回転させることにより行い、副走査は、そのドラムの回転軸方向に図1に示した光ファイバーアレイや結像光学系を含む露光ユニットを移動させることにより行う。
光ビームアレイは、図1に示した光ファイバーアレイの配列を保持したまま、結像光学系により縮小等されて記録材料の露光面(記録面)に結像される。したがって、光ファイバーアレイの配列がそのまま記録材料上に結像されるビームスポットの配列になるものである。記録材料は感熱材料や感熱材料である。各光ファイバーの入射端は半導体レーザダイオード等の光源に接続され、各光源の出力は同一とされている。
【0029】
光ファイバー31による主走査ラインと光ファイバー34による主走査ラインの重なりは、コア径r1を小さくすることにより減少させることができる。r1<r2としてもよい。
光ファイバー31による主走査ラインと光ファイバー34による主走査ラインの隙間は、コア径r1を大きくすることにより減少させることができる。
コア径r1の変更は、グラッド径が同一でコア径の異なる光ファイバーを選択することにより行う。したがって、V溝基板の交換を要さず、低コストに変更できる。
【0030】
また、r1>r2としているので、r1≦r2とする場合に比較して、両端の光ファイバー31,34によるビームスポットは、中間の光ファイバー32,33によるビームスポットより広範囲で弱くなり、光ファイバー31による主走査ラインと光ファイバー34による主走査ラインの重なり及び隙間を目立ち難くする。重なりは比較的濃くならない。隙間は生じにくく、生じた隙間は隣接領域が比較的薄いため目立ち難い。
【0031】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態につき図2を参照して説明する。
本実施形態の画像記録装置における光ファイバーアレイは、光ファイバー列4と光ファイバー列5の二列からなる。光ファイバー列4は光ファイバー41〜44からなる。光ファイバー列5は光ファイバー51〜54からなる。各光ファイバーが1チャンネルを構成する。チャンネル毎に画像信号が出力される。
各光ファイバーのクラッド径は一定である。光ファイバー41〜44が隣接して一列に配置され、光ファイバー51〜54が隣接して一列に配置され、グラット径とほぼ等しい一定の光ファイバーピッチAが形成されている。図1に示すように光ファイバー列4,5が主走査方向Xに対し傾斜して並列し、光ファイバーピッチAより狭い副走査方向チャンネルピッチPが形成されている。光ファイバー列4と光ファイバー列5とは配列方向にA/2ずれて配置されている。各光ファイバーがV溝基板(図示せず)のV溝に保持されることにより光ファイバー列4,5が構成される。
【0032】
各光ファイバー列4,5の両端の光ファイバーのコア径r1,r3が中間の光ファイバー42,43,52,53のコア径r2に対し大きくされている。
本実施形態は8チャンネルモデルであるが,9チャンネル以上にする場合は,中間の光ファイバー42,43,52,53を同一クラッド径、同一コア径r2及び同一ピッチAで増設する。例えば、16チャンネル以上にする場合、各光ファイバー列4,5の中間の光ファイバーにおいても5〜10本置きに、その間の光ファイバーと異なるコア径の光ファイバーを配置しても良い。スジ状の濃度ムラの視認性を落とすためである。
【0033】
本実施形態の画像記録装置は、図2に示した光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像してX・Y方向に主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。その他装置構成は上記第1実施形態と同様の構成をとる。
【0034】
光ファイバー41による主走査ラインと光ファイバー54による主走査ラインの重なりは、コア径r1を小さくすることにより減少させることができる。r1<r2としてもよい。
光ファイバー41による主走査ラインと光ファイバー54による主走査ラインの隙間は、コア径r1を大きくすることにより減少させることができる。
コア径r1の変更は、グラッド径が同一でコア径の異なる光ファイバーを選択することにより行う。したがって、V溝基板の交換を要さず、低コストに変更できる。
【0035】
また、r1>r2としているので、r1≦r2とする場合に比較して、両端の光ファイバー41,54によるビームスポットは、中間の光ファイバー42,43,52,53によるビームスポットより広範囲で弱くなり、光ファイバー41による主走査ラインと光ファイバー54による主走査ラインの重なり及び隙間を目立ち難くする。重なりは比較的濃くならない。隙間は生じにくく、生じた隙間は隣接領域が比較的薄いため目立ち難い。
【0036】
光ファイバー44による主走査ラインと光ファイバー51による主走査ラインの重なりは、コア径r3を小さくすることにより減少させることができる。r3<r2としてもよい。
光ファイバー44による主走査ラインと光ファイバー51による主走査ラインの隙間は、コア径r3を大きくすることにより減少させることができる。
コア径r3の変更は、グラッド径が同一でコア径の異なる光ファイバーを選択することにより行う。したがって、V溝基板の交換を要さず、低コストに変更できる。
【0037】
また、r3>r2としているので、r3≦r2とする場合に比較して、光ファイバー列4,5の副操作方向の継ぎ目に位置する端部の光ファイバー44,51によるビームスポットは、中間の光ファイバー42,43,52,53によるビームスポットより広範囲で弱くなり、光ファイバー44による主走査ラインと光ファイバー51による主走査ラインの重なり及び隙間を目立ち難くする。重なりは比較的濃くならない。隙間は生じにくく、生じた隙間は隣接領域が比較的薄いため目立ち難い。
光ファイバー44による主走査ラインと光ファイバー51による主走査ラインの重なりや隙間は、副走査方向の速度ムラに原因するものでないため、副走査方向の速度ムラを考慮することなくr3を決定する。
【0038】
〔第3実施形態〕
まず、本発明の第3実施形態につき図3を参照して説明する。
本実施形態の画像記録装置における光ファイバーアレイは、光ファイバー列6の一列からなる。光ファイバー列6は光ファイバー61〜64からなる。各光ファイバーが1チャンネルを構成する。チャンネル毎に画像信号が出力される。
各光ファイバーのクラッド径及びコア径rは一定である。光ファイバー61と光ファイバー62の間隔及び光ファイバー63と光ファイバー64の間隔は、等しくA1である。
光ファイバー62と光ファイバー63の間隔は、A2である。A1>A2とされている。
図1に示すように光ファイバー列6が主走査方向Xに対し傾斜して配列し、各光ファイバーピッチA1、A2より狭い副走査方向チャンネルピッチP1,P2がそれぞれ形成されている。したがって、P1>P2である。各光ファイバーがV溝基板(図示せず)のV溝に保持されることにより光ファイバー列6が構成される。
【0039】
本実施形態は4チャンネルモデルであるが,5チャンネル以上にする場合は,中間の光ファイバー62,63を同一クラッド径、同一コア径r及び同一ピッチA2で増設する。例えば、16チャンネル以上にする場合、中間の光ファイバーにおいても5〜10本置きに、その間の光ファイバーと異なるコア径の光ファイバーを配置しても良い。スジ状の濃度ムラの視認性を落とすためである。
【0040】
本実施形態の画像記録装置は、図3に示した光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像してX・Y方向に主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置である。その他装置構成は上記第1実施形態と同様の構成をとる。
【0041】
光ファイバー61による主走査ラインと光ファイバー64による主走査ラインの重なりは、光ファイバーピッチA1を小さくすることにより減少させることができる。
光ファイバー61による主走査ラインと光ファイバー64による主走査ラインの隙間は、光ファイバーピッチA1を大きくすることにより減少させることができる。
光ファイバーピッチA1の変更は、両端のV溝の間隔が異なるV溝基板に変更することにより行う。
【0042】
現在、コア径50μmでグラッド径127μmの光ファイバー、コア径60μmでグラッド径127μmの光ファイバーが入手でき、これらはグラッド径が共通でコア径が異なるため、上記第1、第2実施形態における光ファイバーとして適用することができる。また、いずれか一方を選択して上記第3実施形態における光ファイバーとして適用することができる。勿論、その他の寸法の光ファイバーを適用しても良い。
【0043】
上記第1〜第3実施形態によれば、副走査による主走査ラインの重なりや隙間を減少させ、光ファイバーアレイの副走査方向の端部によって露光される画像の濃度ムラを低減することができる。
さらに上記第2実施形態によれば、複数列の光ファイバー列を設けることができ、光ファイバー列の変わり目において生じる副走査方向の速度ムラによらない濃度ムラを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明第1実施形態の画像記録装置に備えられる光ファイバーアレイの平面図である。
【図2】本発明第2実施形態の画像記録装置に備えられる光ファイバーアレイの平面図である。
【図3】本発明第3実施形態の画像記録装置に備えられる光ファイバーアレイの平面図である。
【図4】本発明の技術的意義を説明するための比較例の画像記録装置に備えられる光ファイバーアレイの平面図である。
【符号の説明】
【0045】
1,2,3,4,5,6光ファイバー列
11〜14 光ファイバー
21〜24 光ファイバー
31〜34 光ファイバー
41〜44 光ファイバー
51〜54 光ファイバー
61〜64 光ファイバー
A,A1,A2 光ファイバーピッチ
P,P1,P2 副走査方向チャンネルピッチ
r,r1,r2,r3 コア径
X 主走査方向
Y 副走査方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出射口が主走査方向に対し傾斜して配列する光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径と異なるコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置。
【請求項2】
出射口が主走査方向に対し傾斜して配列する光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径より大きいコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置。
【請求項3】
出射口が主走査方向に対し傾斜して並列する複数の光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバー列の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記光ファイバー列の両端の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径と異なるコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置。
【請求項4】
出射口が主走査方向に対し傾斜して並列する複数の光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバー列の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記光ファイバー列の両端の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径より大きいコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置。
【請求項5】
出射口が主走査方向に対し傾斜して配列する光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイに配置される光ファイバーが一定のグラッド径を有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーを始端、終端として前記光ファイバーアレイの副走査方向に何本か置きに配置される3本以上の光ファイバー(前記両端の光ファイバーを含む。)の中間の光ファイバーが一定のコア径を有し、
前記3本以上の光ファイバーが、前記中間の光ファイバーのコア径と異なるコア径を有し、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置。
【請求項6】
前記光ファイバー列内の光ファイバーの出射口が等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の画像記録装置。
【請求項7】
出射口が主走査方向に対し傾斜して配列する光ファイバー列からなる光ファイバーアレイを有し、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の中間の光ファイバーの出射口が副走査方向に等間隔で配置され、
前記光ファイバーアレイの副走査方向の両端の光ファイバーの出射口が隣接する光ファイバーの出射口に対し、前記中間の光ファイバーの出射口の副走査方向の間隔より広い副走査方向の間隔で配置され、
前記光ファイバーアレイが形成する光ビームアレイを記録材料上に結像して主走査及び副走査することにより画像を記録する画像記録装置。
【請求項8】
1本又は副走査方向に沿って何本か置きに配置される複数本の光ファイバー(副走査方向の両端の光ファイバーを除く。)のコア径が、前記光ファイバーアレイを構成する他の光ファイバー(副走査方向の両端の光ファイバーを除く。)のコア径と異なり、前記他の光ファイバーが一定のコア径を有することを特徴とする請求項7記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−65214(P2006−65214A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250478(P2004−250478)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】