畜産用のラック・システム及び監視方法
複数の使い捨て可能な動物用ケージを支持すべく構成された棚部を有するラック・システムは、製造の間において所望のラック・サイズを容易に提供し得るモジュール式構成を含み得る。ラック・システムはまた、使い捨て可能なケージを受容すべく構成された棚部であって、上記使い捨て可能なケージの縁部を受容すべく構成されたスプリング付勢レールであって、ケージの開孔を当該棚部のノズルに対して押圧することでそれらの間にシールを提供するスプリング付勢力を提供するスプリング付勢レールを有する棚部を含んでも良い。ラック・システムはまた、使い捨て可能なケージであって、ラック・アセンブリ内への解除可能な係合のために偏向すべく、且つ、ノズルと差込口とを通る空気の制御可能な流れのためにそれらの間にシールを確立すべく構成された弾性的可撓性の蓋体を有する使い捨て可能なケージを受容すべく構成された棚部を含んでも良い。ラック・システムはまた、ケージの排出マニフォルドと連通する少なくとも1つのセンサであって、ケージ状態をグラフィック・ユーザ・インタフェースを介してユーザに伝えるコントローラに対して情報を提供する少なくとも1つのセンサを含む監視システムを含んでも良い。上記コントローラは、センサ・データから独立して、ユーザに対して情報を提供しても良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜産の分野、及び、動物の収容法に関する。
関連出願
本出願は、“畜産用のラック・システム及び監視方法”と称されると共にDee L. Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1008−PVが付与されて2008年11月7日に出願された米国仮特許出願第61/112,588号の優先権を主張するものであり、その全体が言及したことにより本明細書中に援用される。
本出願はまた、“畜産用の引出しケージ・システム及び構成要素”と称されると共にDee L. Conger、Thomas M. Perazzo、Francesca McGuffie及びMatthew D. d’Artenayを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1005−PVが付与されて2007年4月11日に出願された米国仮特許出願第60/911,271号、及び、“畜産用の引出しケージ”と称されると共にDee L. Conger及びThomas M. Perazzoを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1005−PV2が付与されて2007年10月12日に出願された米国仮特許出願第60/979,721号にも関連しており、両件ともに、それらの全体が言及したことにより本明細書中に援用される。本出願はまた、いずれもが“動物収容システム及び構成要素”と称されると共にThomas Perazzo及びDee Congerを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PV、INO−1001−PV2及びINO−1001−PV3が付与されて2004年12月13日、2005年6月14日及び2005年9月16日に出願された米国仮特許出願第60/635,756号、第60/690,811号及び第60/717,826号にも関連している。本出願はまた、“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共に各々がThomas Perazzo及びDee Congerを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PV4及びINO−1001−PV5が付与されて2005年11月7日に出願された米国仮特許出願第60/734,229号及び第60/734,189号にも関連している。本出願はまた、“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PV6が付与されて2006年6月12日に出願された米国仮特許出願第60/804,554号にも関連している。本出願はまた、夫々が“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PV7及びINO−1001−PV8が付与されて2006年8月17日及び2006年8月18日に出願された米国仮特許出願第60/822,755号及び第60/822,914号にも関連している。本出願はまた、各々が“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−UT、INO−1001−PC、INO−1001−UT2及びINO−1001−PC2が付与されて2005年12月13日に出願された米国特許出願第11/300,664号、2005年12月13日に出願された国際特許出願第PCT/US2005/044977号、2006年6月13日に出願された米国特許出願第11/423,949号、及び、国際特許出願PCT/US2006/023038号と、“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee L. Conger、Thomas M. Perazzo、Matthew D. d’Artenay及びFrancesca McGuffieを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PC3が付与されて2007年8月17日に出願された国際特許出願PCT/US2007/018255号とにも関連している。上述の特許出願の各々は、言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
動物の搬送、繁殖及び維持管理の如き種々の用途においては、動物収容システムが利用される。上記システム内に収容される動物は多くの場合、齧歯動物(げっしどうぶつ)(rodent)の如き実験動物であり、斯かる動物は飼育器内に収容されることが多い。収容システムは、動物が収納される動物用ケージと、各ケージが取付けられるラック・ユニットとを含み得る。斯かるシステム内に収容された動物は、数種類の気体状及び粒子状の汚染物質を放出するが、これらは、収納された動物と、上記システムを維持管理する作業員とに対する健康上のリスクである。概略的に、永続的に又は複数回使用されるケージは複数回の使用に対して設計され、このことは、例えば特に優良実験室手順(GLP)を実施する施設などの動物収容施設において、各ケージが2年以上に亙り略々毎週、洗浄且つ殺菌されることを必要とする。複数回使用ケージは概略的に、高重量であると共に比較的に厚寸の壁部を有し、且つ、各構成要素は多くの場合、複数回の洗浄及び殺菌に耐え得る弾性材料から構成される。斯かるケージは、動物を更に効率的に収納するために、複数のケージを保持するラック内に配設され得るが、清浄化及び他の維持管理作業を実施するために斯かるラックから各ケージを取出すことは不便であり得る。
【0003】
典型的な複数回使用の動物収容システムのこれらの見地の故に、動物を収容するための資源の相当の部分は、複数回使用の構成要素の洗浄及び殺菌に対して必要とされる。複数回使用ケージの設計態様はまた、汚染された空気フィルタを取扱うことの必要性、あるいは、例えば、(例えばケージがユーザにより落とされ又はケージが高所から落下するなどのように)ケージが地面に衝当したときにおける環境に対するケージ構成要素の露出の如き、汚染に関する不都合を呈することもあり、このことは特に、高度の生物学的安全性レベルに在る動物施設における動物の取扱いに影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,571,738号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第11/300,664号明細書
【特許文献3】国際特許出願第PCT/US2005/044977号
【特許文献4】米国特許出願公開第11/423,949号明細書
【特許文献5】国際特許出願第PCT/US2006/023038号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
故に、必要とされるのは、各ケージの定期的な洗浄に対する必要性を排除する動物収容ケージ及びシステムであって、収容された動物に対して安全で健康的な環境を提供すると共に、選択的には、限られたスペース内に多数の動物を収納する効率的な手段を提供する動物収容ケージ及びシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書においては、実験室作業員による洗浄及び殺菌を必要としない使い捨て可能な単回使用のケージを含み得る動物収容システムが提供される。該動物収容システム及び構成要素は、例えば研究及び繁殖のために動物を収容するために使用され得る。斯かるシステムのケージ・アセンブリは多くの場合、ポリマから構成された比較的に薄寸の壁部を含んでいる。本明細書において論じられるケージ実施例の特徴は、収容された動物が比較的に薄寸のポリマ材料を破損する可能性を(例えば囓り破損)を実質的に低減又は回避し得る。更に厚寸で剛直な複数回使用ケージと比較して、単回使用ケージの少ない重量及び相対的な可撓性によれば、ユーザによるケージの偶発的な落下による衝撃、又は、他の衝撃時において破断若しくは分解しにくいケージが提供される。幾つかのケージ実施例、及び、その関連構成要素もまた効率的に組重ねられることから、必要とされる貯蔵スペースを好適に低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ラック・システムの斜視図である。
【図2】図1のラック・システムのラック・モジュールのフレーム/マニフォルド・アセンブリの斜視図である。
【図3】図2のモジュールの斜視図であり、ラックのモジュールの壁部分には棚部アセンブリが固着されている。
【図4】図3における囲み部分4により表される図3のラック・モジュールの一部分の拡大破断図である。
【図5】図3のラック・モジュールの断面図である。
【図6】図5において示されたラック・モジュールの囲み部分6の拡大図である。
【図7】夫々のケージ・アセンブリが内部に配設された図1のラック・システムの隣り合う2つの棚部アセンブリを示す図である。
【図8】棚部アセンブリとラック・アセンブリの表板との間の結合部の後方斜視図である。
【図9】棚部アセンブリの斜視図である。
【図10】図9の棚部アセンブリの側面図であり、棚部アセンブリのスプリング負荷レールは断面で示される。
【図11】図9の棚部アセンブリの底面図である。
【図12】図9の棚部アセンブリの前面図である。
【図13】図9の棚部アセンブリの側面図である。
【図14】図9の棚部アセンブリの平面図である。
【図15】図1のラック・システムと共に使用されるに適したケージ・アセンブリの斜視図である。
【図16】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図17】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図18】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図19】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図20】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図21】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図22】ラック・システムの一実施例の斜視図である。
【図23】図22のラック・システムのラック・モジュールのフレーム/マニフォルド・アセンブリの斜視図である。
【図24】図23のモジュールの斜視図であり、ラックのモジュールの壁部分には棚部アセンブリが固着されている。
【図25】図24における囲み部分25により表される図24のラック・モジュールの一部分の拡大破断図である。
【図26】図24のラック・モジュールの断面図である。
【図27】図26において示されたラック・モジュールの囲み部分27の拡大図である。
【図28】夫々のケージ・アセンブリが内部に配設された図22のラック・システムの隣り合う2つの棚部アセンブリを示す図である。
【図29】図28の棚部アセンブリとラック・アセンブリの表板との間の結合部の後方斜視図である。
【図30】棚部アセンブリの別実施例の斜視図である。
【図31】図30の棚部アセンブリの側面図である。
【図32】図30の棚部アセンブリの底面図である。
【図33】図30の棚部アセンブリの前面図である。
【図34】図30の棚部アセンブリの側面図である。
【図35】図30の棚部アセンブリの平面図である。
【図36】ラック・システムの棚部アセンブリ内に係合されたケージ・アセンブリを示す図である。
【図37】上記棚部アセンブリの頂部部分からの係合力に遭遇しているケージの側面図である。
【図38A】図37において囲み部分38Aにより表された図37の棚部アセンブリ及びケージの一部分の拡大破断図である。
【図38B】ケージ・アセンブリがラック・モジュールに係合されておらず、ケージ蓋体の偏向が無い図36のケージ・アセンブリの一部分の正断面図である。
【図38C】図38Aにおいて囲み部分38Cにより表された図38Aの棚部アセンブリ及びケージの一部分の拡大破断図である。
【図38D】図37において囲み部分38Aにより表された図37の棚部アセンブリ及びケージの一部分の破断図である。
【図39】ラック・システムの棚部アセンブリ内に完全に挿入又は係合されたケージの係合状態を示す図である。
【図39A】ラック・システムの棚部アセンブリ内に完全に挿入又は係合されたケージの係合状態を示す図である。
【図40】ブロワ・アセンブリの実施例の後方斜視図である。
【図41】図40のブロワ・アセンブリの平面図である。
【図42】両面式ラック用の排出ブロワに対するブロワ・アセンブリの平面図である。
【図43】両面式ラック用の供給ブロワに対するブロワ・アセンブリの平面図である。
【図44】片面式ラック用の排出ブロワに対するブロワ・アセンブリの平面図である。
【図45】両面式ラック用の供給ブロワに対するブロワ・アセンブリの平面図である。
【図46】作用的なラック・システムに対するシステム・アーキテクチャの実施例を示す図である。
【図47】図46のラック・システムのコントローラの実施例の概略的な一画面を示す図である。
【図48】図46のラック・システムのラック・サーバの概略的な一画面の実施例を示す図である。
【図49】図46のラック・システムのラック・サーバの概略的な一画面の実施例を示す図である。
【図50】図46のラック・システムのラック・サーバの概略的な一画面の実施例を示す図である。
【図51】図46のラック・システムのラック・サーバの概略的な一画面の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において提供される通気システムの実施例は、個々のケージに対してマニフォルド・システムにより結合された1つ以上のブロワ・アセンブリを備えたラック・システムを含み得る。上記1つ以上のブロワ及びマニフォルド・システムは、各ケージにおける空気を効率的に交換すべく、且つ、各ケージ内の温度を効率的に維持すべく構成され得る。斯かる通気システムは、ブロワ/マニフォルド・システム内において比較的に高い空気圧にて、且つ、各ケージに対する調節可能なバルブなしで、作動され得る。調節可能なバルブの代わりに、各ケージ・アセンブリは、固定された断面積の開孔を通して上記マニフォルド・システムの高圧の空気供給部又は排出部と連通し、上記マニフォルド・システムの所定範囲の空気圧に亙り、空気流及び空気圧の均一性及び効率的な空気流制御を提供しても良い。
【0009】
また、多くの場合には容易に分解される構成要素であるモジュール式構成要素を備えて成る動物収容システムも提供される。幾つかの実施例において、ラック・ユニットは、当該ラック・モジュールの洗浄のために容易に分解される1つ以上の取付け可能であり且つ取外し可能なラック・モジュールを含む。本明細書中に開示された構成要素のこれらの及び他の特徴によれば、動物収容のために必要とされる資源の量が低減され得ると共に、収容された動物に対して付与される管理の質が増進され得、且つ、収容された動物を管理し又は研究する作業員に対する健康上のリスクが最小限とされ得る。
【0010】
幾つかの動物収容ケージの実施例は、収容ケージ基礎部材、カバー又は蓋体部材、及び、選択的な挿入部材又はデバイスを含み得る。動物用ケージ基部は一定の場合には蓋体とは別体的に提供され、蓋体は多くの場合にケージ基部に対して取付けられ得ると共に、該蓋体は上記基部から容易に取外し可能とされ得る。齧歯動物の如き動物、及び/又は、選択的な挿入部材は、蓋体が取付けられる前にケージ基部内に載置され得る。本明細書中に記述されたケージ実施例内には、種々の動物が収容され得る。斯かるユニット内には多くの場合、限定的なものとしてでは無く、マウス、ラット、ハムスター、アレチネズミ、テンジクネズミ、チンチラ及びウサギなどの齧歯動物が収容される。上記動物は、遺伝子導入体、同系繁殖体、免疫不全体であり得ると共に、1つ以上の機能遺伝子を欠くこともあり(例えば、ノックアウト動物)、且つ、1つ以上の異種移植片を含み得る。免疫不全マウスの例としては、ヌード・マウス、及び、重症複合型免疫不全(SCID)マウスが挙げられる。異種移植片(例えば、人間からの癌細胞)に対しては、培養された細胞系統、培養された一次細胞から、又は、別の動物若しくは組織(例えば生検)から直接的に得られた細胞が利用され得る。本明細書中に記述されたケージ及びシステム内に収容された動物は、限定的なものとしてでは無く、例えば、癌又は他の疾患の研究、可能的な薬剤のパラメータ(例えば、毒性、有効性、最大許容回分量、有効回分量、及び、他の薬物動態学的パラメータ)の評価、抗体の生成及び単離、及び、融合細胞の調製に有用な細胞の生成及び単離などの、種々の様式で利用され得る。
【0011】
ケージ基部の実施例は、例えば円筒状、略円筒状、円錐状、矩形状、正方形状、立方体状、菱形状などの如く、動物を収納するに適した任意の幾何学形状とされ得る。ケージ基部の実施例は、複数の側部又は側壁部材(例えば、4個の側壁部材)を支持する底部部材を含み得る。1つの側壁部材は“前側壁部材”と称され得ると共に、対置された側壁部材は“後側壁部材”と称され得る。対置された各側壁部材は一定の場合には、平行、略平行、非平行、菱形、略菱形であるか、又は、それらの組み合わせである。幾つかの実施例において、対置された側壁は、平行でなく、且つ、底部に関して垂直又は直角でない。斯かる実施例において、1つの側壁、一定の場合には全ての側壁は、底部に関し、例えば約91°〜約105°の角度、約92°〜約98°の角度、又は、約95°の角度の如く、90°でない角度である。その様に(底部に関して)角度付けされた側壁構成は、ケージ基部の組重ねを促進し得る(本明細書において以下に相当に詳細に記述される)。
【0012】
単一又は複数の壁部及び/又は底部の各縁部接合部又は角隅接合部は、鋭角的な縁部、円滑な縁部又は丸み付けされた縁部の如く、製造及び使用のために好適な幾何学形状を有し得る。動物用収容構成要素における一定の角隅部及び縁部の幾何学形状は、収容動物により引き起こされる破損(例えば、齧歯動物による囓り破損)の可能性を低減又は排除する。収容された動物により引き起こされる破損に対するこの耐性は、(例えば、約0.025cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)の)薄寸のポリマ壁部を有する単回使用の収容構成要素に対して特に当てはまり得る。破損に耐える縁部及び角隅部の配向は、(i)縁部又は角隅部の表面の角度(単位は“°”)と、(ii)縁部又は角隅部の半径(単位はインチ)との組み合わせに基づいて決定されている。2つの表面間の角度αは、動物が存在する方の表面の側部から測定される。αが180°未満であるとき、縁部又は角隅部の最小半径はゼロとされ得る。αが180°〜360°であるとき、最小半径は以下の式により決定され得る:
最小半径=0.25/(tan((π/360)(360−α)))
この関係に従い、例えば、対応する角度αが190°、200°、210°、220°、230°、240°、250°、260°、270°、280°、290°、300°、310°、320°、330°、340°、350°及び355°であるとき、0.051cm(0.02インチ)、0.102cm(0.04インチ)、0.178cm(0.07インチ)、0.229cm(0.09インチ)、0.305cm(0.12インチ)、0.356cm(0.14インチ)、0.457cm(0.18インチ)、0.533cm(0.21インチ)、0.635cm(0.25インチ)、0.762cm(0.30インチ)、0.914cm(0.36インチ)、1.092cm(0.43インチ)、1.372cm(0.54インチ)、1.753cm(0.69インチ)、2.362cm(0.93インチ)、3.607cm(1.42インチ)、7.264cm(2.86インチ)及び14.554cm(5.73インチ)の最小の縁部及び角隅部半径が取入れられることが多い。故に、上記の関係に従う縁部及び角隅部の角度/最小半径の組み合わせが提供される。
【0013】
ケージ基部の実施例は、例えば、収納された動物の囓り又は引掻きにより引き起こされる破損を最小限とし得る適切な半径の丸み付けされた接合部を含み得る。故に、幾つかの実施例において、底部と2つの側壁との接合部に各々が形成される底部角隅部は、多くの場合、鋭角的な角隅部ではなく、且つ、所定半径により定義される平滑な角隅部である。幾つかの実施例において各角隅部は、衝撃に対する崩壊抵抗を改善し得る複数の縁部へと効果的に分割切断され得る。衝撃に対する崩壊抵抗によれば、組重ねの効率が維持され、動物の囓りにより引き起こされる可能的な破損が低減され(例えば、衝撃により、角隅部が崩壊すると共に、動物が囓り得る鋭角的な縁部が生じ得る)、且つ、衝撃時のケージの完全性が維持される(例えば、ケージの内部を外部環境に晒さない)という利点が提供される。一定の実施例において、1つの角隅部は、多くの場合、各々が所定の半径により定義される10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個又は2個の角隅部へと効果的に分割され得る。
【0014】
1つ以上の側壁部材の頂縁部は、多くの場合、該側壁部材の外側面から多くの場合には垂直方向に延在するフランジ又は縁部分と連続的である。上記フランジは一定の場合、上記ケージの頂部周縁部の回りに連続的な表面を形成し、且つ、その表面は、上記ケージの底部部材が水平な表面上に着座するときに略水平とされ得る。上記フランジは、任意の適切な幅、一定の場合には約0.076cm〜約2.54cm(約0.03インチ〜約1インチ)とされ得る。上記フランジは、ケージ基部の剛性を高め得ると共に、一定の場合には、本明細書に更に記述される蓋体部材の一部分に合すべく構成される。幾つかの実施例において、上記フランジは、下方に延在する選択的な唇部材を含み、該唇部材は一定の場合には、蓋体の対応部材と嵌合して取外し可能なシールを形成する。上記基部の上記唇部材の輪郭形状は任意の形状とされることで、蓋体上の対応構造との嵌合が許容され、その場合に上記輪郭形状は一定の場合には湾曲され、且つ、一定の場合にはS形状、V形状又はJ形状である。上記ケージ基部の上記唇部材及び/又はフランジ部材は一定の場合には、蓋体部材と嵌合されたときに偏向することでケージ基部と蓋体との間にシールを形成すべく形状化される。ケージ基部の実施例と、蓋体の実施例との間のシールであって、部分的とされ得るシールは、限定的なものとしてでは無く、例えば接着剤シール、圧縮嵌め又は締まり嵌めなどの任意の好都合な又は有用な形式とされ得る。幾つかのケージ実施例は、ケージ基部と蓋体との間にシールを必要とせず又は含まない。
【0015】
ケージ基部は一定の場合には、側壁部材における1つ以上の陥没部であって、該ケージ基部の内部に向けて延在する1つ以上の陥没部を含む。1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の側壁は一定の場合には、側壁の剛性を高め得る1つ以上の陥没部を含む。側壁の完全性が増進されると、崩壊に対する衝撃抵抗であって、その利点が上述されたという衝撃抵抗を高めるという利点が提供され得る。陥没部の凹状形成表面領域は、台形状又は矩形状とされ得る。当該側壁から上記陥没部が延在する側壁からの垂直方向における該陥没部の凹状形成距離は、多くの場合、該陥没部の頂部から底部まで連続的であり(例えば、その表面は、当該側壁から該陥没部が延在する側壁に対して平行であり)、且つ、該凹状形成距離は、該陥没部の頂部において更に大きくされ、一定の場合には、該陥没部の頂部部分から底部部分に向けてテーパ付けされ得る。斯かる構成によれば、以下に記述される如く、複数のケージ基部が動物を収納していないときに、それらの組重ねが許容される。
【0016】
ケージ基部は、側壁部材の外側面上に配置された1つ以上の取付け部材であって、“外側支持部材”又は“外側案内部材”と称され得ると共に、ラック・ユニット内へのケージの好都合な取付けを許容する1つ以上の取付け部材を含み得る。上記外側支持部材又は外側案内部材は、ラック・ユニット部材又は棚部内への上記ケージ基部の取付けを許容する任意の構成であり、且つ、一定の場合には、ラック・ユニット実施例における対応部材に嵌合し又は該対応部材により支持される。
【0017】
一定の実施例において、案内部材及び/又は支持部材は、基部の底部部材、及び/又は、ケージ側壁部材(例えば、前側壁及び後側壁の近傍の側壁部材)の一方又は両方の外側表面上に配置されたフランジ、突出部、リブ又は溝であり、且つ、上記側壁部材の頂縁部と平行とされ得ることが多い。斯かる案内部材及び支持部材は、一定の場合には側壁部材の前縁部から延在し、一定の場合には側壁部材の後縁部から延在し、一定の場合には上記前縁部から所定距離における側壁部材の箇所から延在し、且つ、一定の場合には上記後縁部から所定距離における側壁部材の箇所から延在する。斯かる部材は、一定の場合には側壁部材の垂直長さの略々中央に配列される共に、一定の場合には上記垂直長さの中央に配列される。幾つかの実施例において、案内部材は低い側面視輪郭であり、且つ、一定の場合には、複数のケージ基部の組重ねを実質的に阻害しない溝又は陥没部である。
【0018】
幾つかのケージ基部の実施例は、約1週間以上の期間に亙り小さな齧歯動物の如き動物を収納するに適した任意の材料から製造され得る。上記材料は剛性であり得ると共に、多くの場合には半剛性又は撓曲可能な材料である。上記ケージ基部は一定の場合には、全体的に又は部分的に、半透明もしく透明な材料から構成される。本明細書中で論じられるケージ基部又は蓋体の各実施例の内の任意のものを製造するために利用され得る材料の例としては、限定的なものとしてでは無く、ポリプロピレン(PE)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン・フルオロエチレン(PEFE)、ポリスチレン(PS)、高密度ポリスチレン、及び、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などが挙げられる。一定の実施例において、ケージはPET又は(例えば高密度PS)から構成される。本明細書において論じられる実施例の内の任意の実施例に対し、埋立地及び他の廃棄物管理保管所に対する使い捨て可能な形式のケージ・アセンブリの使用による影響を低減するために、光分解可能な又は生分解可能な材料を使用することが好適であり得る。1つの斯かる材料としては、バイオランド(Bioland)社により製造された生分解可能PETの如き、生分解可能PETが挙げられる。斯かる生分解可能PET材料は、ポリエチレン・テレフタレートと、微生物に対して高度に吸引されるポリマ鎖の延長部を生成する有機添加剤とを含み得る。上記材料の強度、剛性、衝撃抵抗、耐摩耗性、気体障壁特性、又は、拡散傾向を劣化させない様な、幾つかの添加剤が使用され得る。幾つかの生分解可能PET材料は、約1.3g/cm2の比重と、約7,000psi〜約8,500psiの引張強度とを有し得る。
【0019】
ケージ基部の実施例の側壁部材及び底部部材は、約1週間、2週間、3週間、又は、4週間以上に亙る動物収容に対してケージの完全性を実質的に維持するための任意の厚みとされ得ると共に、該厚みは一定の場合には、約0.025cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)である。上記側壁は多くの場合、略均一な厚みである。ケージ基部は、単一ユニットとして、例えば一定の場合には、射出成形、熱成形、又は、真空成形プロセスにおけるなど、任意の好都合なプロセスにより製造される。ケージ基部は多くの場合、積送のために、一定の場合には単一ユニットとして且つ一定の場合には(例えば、以下に記述される如き組重ねセットとして)他の同様のユニットと共に、パッケージ化される。ケージ基部は一定の場合には、パッケージ化に先立ち洗浄及び/又は殺菌される(例えば、UV照射、ガンマ線照射)。ケージ基部は、限定的なものとしてでは無く、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレンなどを含有する材料などの、任意の材料内にパッケージ化され得る。
【0020】
ケージ基部の床部の幾つかの実施例は、約387.1cm2〜約580.6cm2(約60平方インチ〜約90平方インチ)とされ得ると共に、一定の場合に幾つかの実施例に対しては約75平方インチとされ得る。斯かるケージの高さは一定の場合、約10.16cm〜約15.24cm(約4インチ〜約6インチ)であり、一定の場合には約12.7cm(約5インチ)である。特定実施例において、壁部接合部の半径は約2.54cm(約1インチ)であり、一定の場合には2.692cm(1.06インチ)である。幾つかの実施例において、上記ケージはPETから構成されて約110グラム〜約150グラムであり、一定の場合には約130グラム(例えば、130.4グラム)である。ケージ基部に対し、ケージ床部は一定の場合には約838.7cm2〜約925.8cm2(約130平方インチ〜約150平方インチ)であり、一定の場合には約903.2cm2(約140平方インチ)である。斯かるケージの高さは一定の場合には約12.7cm〜約22.86cm(約5インチ〜約9インチ)であり、一定の場合には約17.78cm(約7インチ)である。
【0021】
ケージ基部と別体的にカバー又は蓋体が配備され得ると共に、該カバー又は蓋体は、一定の場合にはシール取付けにて、多くの場合にはケージ基部と可逆的に嵌合し、且つ、基部の実施例に対する取付けを許容する摺動取付けなどの任意の適切な幾何学形状とされ得る。幾つかの蓋体の実施例は、基部の1つ以上の部材と直接的に嵌合してそれをシールする1つ以上の部材を含み得、一定の場合には側壁部材を有さず、且つ、一定の場合には平坦又は略平坦である。蓋体の幾つかの実施例は、約1週間以上に亙る動物収容を許容する任意の材料で構成され得る。蓋体を構成する材料は一定の場合には、ケージ基部に対するシール又は部分的シール取付けを許容すべく選択される。当該材料から蓋体の実施例が構成され得る材料の例としては、ケージ基部の実施例に対して上述された材料が挙げられる。一定の場合、上記蓋体及び基部は、同一材料から構成されると共に、一定の場合に、対応する基部の厚みと同様の又は同一の厚みである。
【0022】
幾つかの蓋体の実施例は、撓曲可能又は半剛性であり得ると共に、略平坦な領域及びフランジ領域を含む。上記略平坦な領域は、本明細書中に記述された1つ以上の構成要素を含み得る。蓋体の実施例のフランジ領域は一定の場合には、エンボス加工され、隆起され得ると共に、該フランジ領域は、唇部として下方に延在する(本明細書においては“唇部”と称される)領域を含み得る。フランジ及び選択的な唇部領域は、蓋体の実施例の周縁部の回りに連続的に延在し得る。上記フランジ及び選択的な唇部の輪郭形状は多くの場合、ケージ基部上のフランジ及び選択的な唇部に対応し、且つ、上記蓋体が幾つかの基部の実施例をシール又は部分的にシールすることを許容し得る。上記フランジ及び選択的な唇部は、対応する基部の実施例と嵌合する任意の適切な形状を含み得ると共に、一定の場合には、例えば、上向きの又は倒立されたS形状、V形状、J形状及びU形状である。
【0023】
幾つかの蓋体の実施例は、連続的である堅固な表面、無孔の表面領域、及び/又は、有孔の表面領域(例えば、空気孔を含む領域、又は、格子構造)の内の1つ以上を含み得る。蓋体部材は一定の場合には、一定の場合には略平坦な領域内に、開孔、溝、チャネル、凹状形成又は陥没形成された領域、ボス部形成された領域、リブ(例えば、エンボス加工されたリブ又は中実のリブ)、及び、一定の場合には上記の組み合わせを含む。斯かる単一又は複数の構造は、水分供給差込口の回り又は近傍、又は、対応する蓋体なしコネクタを受容するコネクタの回り若しくは近傍の如く、上記蓋体における更に高重量の構造の近傍に配置され得る。蓋体部材は一定の場合には、フィルタ、バッフル、給餌構造、及び/又は、給水構造、上記要素のホルダ、及び、上記要素の組み合わせの如き、他の構成要素を含み、その場合に各構造は、上記蓋体部材と一体的であるか、別体的な構成要素として提供される。蓋体における縁部又は角隅部は、丸み付けされるか、別様に、ケージ基部の実施例に対して本明細書に記述された半径及び/又は角度により定義され得る。一定の実施例における蓋体は、剛性とされ得る。蓋体部材は可撓領域と剛性又は半剛性の領域との組み合わせを備えて成り得ると共に、上記剛性又は半剛性の領域は一定の場合、例えば蓋体をケージ基部に対して固定するときに該蓋体が効率的且つ好適に取扱われることを許容するフレームとして作用する。蓋体の実施例、又は、その単一若しくは複数の部分は、半透明若しくは透明とされ得る。
【0024】
蓋体の実施例は一定の場合には、1つ以上の空気フィルタを含む。斯かる空気フィルタは多くの場合、ケージの内部体積から抜け出す空気中の(例えば粒子などの)成分を濾過すべく構成される。幾つかのフィルタの実施例は、限定的なものとしてでは無く、スパンボンドされたポリエステル、圧縮パルプ(デプス・フィルタ)、Reemayフィルタ(例えばReemay 2024)、高性能微粒子除去(HEPA)フィルタなど(例えば、特許文献1)の、動物を収納する上で有用な任意のフィルタ材料で構成され得る。フィルタの実施例は、約1ミクロン〜約5ミクロンのサイズ、更に詳細には約0.3ミクロン〜約1ミクロンのサイズの粒子を排除又は別様に濾過すべく構成され得る。上記フィルタは多くの場合、蓋体部材の表面領域の一部分に対し、且つ、多くの場合、蓋体部材の表面領域の一部分又は僅かな部分のみに対し、効果的に接続され得る。幾つかの実施例において、上記フィルタは、蓋体部材の表面領域の80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、25%以下、又は、20%以下で効果的に接続され得る。フィルタの実施例は一定の場合には、蓋体と一体化され(例えば、フィルタは蓋体部材に対して可逆的には取付けられず)、且つ、蓋体とは別体的に提供され得る。上記蓋体とは別体的に提供されたとき、フィルタは多くの場合、蓋体の有孔部分(例えば、空気開孔を有する部分、又は、格子構造)であることが多い上記蓋体の一部分と効果的に接続されて載置される。
【0025】
フィルタは、多くの場合に可逆的取付け及び/又はシール取付けにより、任意の適切な様式で蓋体に対して固着され得ると共に、幾つかの実施例において、フィルタの実施例は、一定の場合には該フィルタの外周縁上に、一定の場合には該フィルタの表面領域全体に亙り、且つ、多くの場合には該フィルタの片面上に、接着剤を含み得る。上記フィルタが接着剤を含む場合、それは一定の場合には、該接着剤を露出する剥離式の裏材を備え、且つ、上記接着剤は多くの場合、可逆的な接着を許容する(例えば、上記フィルタは、固着され、蓋体から取り外され又は部分的に剥離され、その後に再び固着され得、それが複数回反復され得る)。フィルタの実施例は、蓋体の製造者により該蓋体に対して固着され得、且つ/又は、ユーザにより取付け/取り外され得る。幾つかの実施例において、フィルタの実施例は可撓フィルムと組み合わされ得ると共に、後者は、表面(例えば、表面全体、又は、表面の一部分)上に接着剤が塗付される。接着剤が利用されるとき、それは多くの場合、ケージ内に収納された動物に対して実質的に毒性が無く、且つ、一定の場合には食品等級の接着剤である。上記フィルタ及び/又はフィルムは多くの場合、上記蓋体の1つ以上の開孔の近傍に又はそれらと効果的に接続されて配設され得る。
【0026】
一定の実施例においてフィルタは、上記蓋体と、該蓋体に対して取付けられた保持部材又はシールドとの間に挟持され得る。上記保持部材は多くの場合、空気が貫通して流れ得る1つ以上の開孔を含み、且つ、該保持部材は多くの場合、上記蓋体に対してシール的に取付けられる(例えば、接着剤により取付けられる)。斯かる実施例においては、上記フィルタの相当の表面領域が上記保持部材に対して直接的には接触されず、これにより、収容された動物により引き起こされる可能的な囓り破損を低減する利点が提供され得る(斯かる保持部材はまた、“フィルタ・シールド”とも称される)。空気フィルタを上記蓋体及び選択的な単一又は複数のフィルタ・シールドの夫々の表面から離間して立設すると、効率的な空気流を許容すると共に、収容された動物により引き起こされる可能的な破損からフィルタ材料を保護するなどの一定の利点が提供される(例えば、動物は実際的に、上記フィルタに接触し得ない)。例えば、幾つかのフィルタの実施例は、約0.5ミクロンの孔径を有し得ると共に、約394個/cm(約1,000個/インチ)の孔が在り得る。この形式のフィルタに対する開放領域の対応割合は、約2%とされ得る。
【0027】
幾つかの実施例においては、比較的に大寸のフィルタ表面が利用されることで、それほどの制限又は圧力低下なしで、該フィルタを通る空気流が許容され得る。上記蓋体におけるフィルタの寸法は一定の場合、約15.24cm〜約5.08cm(約6インチ×約2インチ)である。これらの寸法のフィルタに対して利用可能である結果的な空気流の面積は、約77.4cm2(約12平方インチ)×2%である。もしフィルタ紙が蓋体に対して直接接触されるなら、空気流に対して利用可能な面積は蓋体における排出孔により相当に制限される(例えば、流れに対して利用可能な面積は、各孔の面積であり、それは、(0.125の二乗)/4に孔数である27を乗じて2%を乗じた積であり得る。故に、蓋体と、選択的である単一又は複数のフィルタ・シールドとにおける孔から離間してフィルタを立設すると、フィルタ紙全体が通気することが許容されることにより、空気流は相当に増進され得る。
【0028】
本明細書において提供されるケージの特性は、該ケージが物理的衝撃に晒されたときに破損に耐えるケージ構成要素及び特性を含み得る。例えば、(i)蓋体に対するケージ基部の摺動取付け、(ii)薄寸壁から帰着するケージ基部及び蓋体の軽量さ、(iii)半剛性の基部及び蓋体の可撓性、及び、(iv)(例えば、1つより多い角隅部へと分割された)基部の角隅部の幾何学形状の組み合わせは、ケージの内容物(例えば、動物、動物の排泄物、及び、ケージの添加剤など)が、再使用可能である剛性のケージと比較して、外部環境に露出される可能性を低減すべく構成され得る。ケージが衝撃に晒された(例えば、上昇位置から床部へと落とされ又は落下した)場合、これらの特徴によれば、収容された動物は外部環境から保護されると共に、作業員はケージ内容物から保護され得る。これらの特徴は、例えば、更に高度の生物学的安全性レベルの環境における用途に対して好適であり得る。
【0029】
蓋体の実施例は一定の場合には、ケージ内の動物からの放出物を捕捉する物質を含み得る。放出物は一定の場合には、吐気(例えば、水蒸気、二酸化炭素)、排尿及び排便(例えば、アンモニア、微生物)、及び、表皮剥脱(例えば、フケ、毛嚢、アレルギ誘発物質、接触伝染媒介物、微生物(例えば、細菌、真菌及びウィルスなど)から帰着する如き気体状又は粒子状の組成物である。一定の場合、上記捕捉用物質は触媒であり、又は、該捕捉用物質は、動物からの放出物を無害な物質へと分解する触媒(例えば生体触媒)と組み合わせて利用される。捕捉用物質は一定の場合には、フィルタ内に含まれ又はフィルタの近傍に配置されると共に、一定の場合には、ケージの別の部分(例えば、床部上及び/又は下張り床の下方)に配置される。木炭又は他の形態の炭素の如き、動物に対して使用されるに適した任意の捕捉用物質が使用され得る。
【0030】
蓋体の実施例は一定の場合、収納された動物に対し、空気、水分又は食物などの消耗可能要素を供与する供与構成要素を含んでいる。該供与構成要素は一定の場合には上記蓋体と一体的であり、一定の場合に該蓋体は別体的な供与構成要素と接触し(例えば、蓋体の表面は、給餌槽のフランジ部材と接触し)、一定の場合には上記蓋体は、上記供与構成要素に対するホルダ又は受容器を備えて成り、且つ、一定の場合には上記蓋体は上記供与構成要素を受容し得る孔を含んでいる。
【0031】
幾つかの実施例において、上記蓋体は、給気又は排気構成要素、又は、給水構成要素(例えば、ノズル又はノズル差込口)を受容し得る1つ以上のコネクタを含む。コネクタは、給気、排気又は給水構成要素からの対応コネクタを受容する任意の幾何学形状とされ得る。ケージ蓋体のコネクタは、多くの場合、シール取付けにより、且つ、多くの場合には可逆的な接続により、給気、排気又は給水コネクタと嵌合し、且つ、各コネクタは任意の適切な形式である。例えば、上記接続は、円筒状、正方形状、矩形状又は円錐状の側面幾何学形状と、例えば、頂部又は底部に対する平坦な、丸み付けされた、尖った、又は、先細とされた幾何学形状とにより画成され得る。上記蓋体における接続部材は、対応して嵌合する空隙部又は突出部を夫々受容する突出部又は空隙部(例えば、夫々、凸状又は凹状)とされ得る。
【0032】
幾つかの実施例において、上記蓋体におけるコネクタ構造は、2つの孔、すなわち大寸の孔及び小寸の孔を含む空隙部であり、その場合に大寸の孔は小寸の孔の上方に離間される。斯かる実施例において、嵌合するノズル・コネクタは、多くの場合には可逆的に上記空隙部内に着座されることで、実質的に気密なシールを形成し得る。幾つかの実施例において、上記蓋体における上記コネクタ構造は孔を有する突出部であり、その場合に上記孔は上記突出部の頂点に置かれる。斯かる実施例において、協働するノズル・コネクタにおける空隙部は、多くの場合には可逆的に、上記蓋体における上記突出部上に嵌合すべく構成され得ると共に、略気密なシールを形成する。後に記述される実施例における接続部の幾何学形状は、(a)蓋体コネクタの内壁及び他の蓋体及びケージの表面に沿い給気コネクタを出射する空気を膨張させ、該膨張は、ケージ内の空気を冷やすと共に、収容された動物の熱負荷を補償し、且つ、(b)収容された動物により引き起こされる破損の可能性(例えば、囓り、引掻き)を実質的に低減又は阻止するという利点を提供し得る。
【0033】
収容ケージの幾つかの実施例は、上記蓋体から外方に延在する該蓋体における円錐状差込口を有し、且つ、一定の実施例においては上記接続部材もまた円錐状の凹状部とされ得る。給気構成要素のノズル・コネクタは、手作業で又は他の任意の方法により上記蓋体に着座され得ると共に、接続は、重力嵌合、圧力嵌め、ネジ嵌合、スプリング付勢係合、又は、別の適切な嵌合とされ得る。幾つかの実施例において、上記円錐状コネクタは、該コネクタを蓋体内へと案内するキャリッジ内に保持される。斯かるキャリッジは一定の場合には、ラック・ユニットに対し、多くの場合には該ユニット上の棚部に対して接続され、その実施例は本明細書において以下に記述される。上記円錐状空隙部は一定の場合には、上記蓋体のエンボス加工領域内に配置され得、その場合に該エンボス加工領域の頂面は一定の場合には実質的に楕円形状である。上記蓋体がフランジを備えて成る場合、上記エンボス加工領域の高さは一定の場合には、該フランジの最高点に等しく又は略等しい。
【0034】
給気及び/又は排気又は給水コネクタの如きコネクタは、一定の場合にはチャネルと接触する。斯かるチャネルは、幾つかの実施例においては上記蓋体内に形成され得ると共に、該蓋体の各側面上で対応して隆起された部分により形成され得る。上記チャネルは幾つかの実施例において、(a)上記蓋体のボス部形成部分と、(b)フィルタ・バリヤ部材において対応してボス部形成された部分との嵌合により形成され得る。上記チャネルは多くの場合、上記コネクタを通して導入された空気が上記ケージ内に進入し得る如く、上記コネクタと対置された側面上の1つ以上の孔を含む。上記チャネルが部分的にフィルタ・シールドにより形成される実施例において、該フィルタ・シールドは1つ以上の孔を含み得る。幾つかの実施例において上記チャネルの丈の全体に亙り2つ以上の孔が分布され、このことは、上記ケージ又はその一部分の幅の全体に亙り空気流を分布又は排出するという利点を提供し得る。上記チャネルは空気流を許容する任意の適切な形状とされ得、上記チャネルの断面は、例えば、円形、卵状、半円形、半卵状、矩形状、正方形、菱形又は台形とされ得ると共に、上記チャネルの長さは、例えば、直線状、円形、三角形、矩形状、楕円形状、弧状、正弦波状、又は、ジグザグ形状を備えて成り、又は、それらから成り得る。上記チャネルの長さは一定の場合には全体的に直線状ではなく、一定の場合にそれは非線形である。後者の実施例は、蓋体又はフィルタ・バリヤに対するフィルタの付着を低減するという利点を提供する、と言うのも、フィルタ表面は、直線状の陥没部と同じほど容易には非線形の陥没部の全体に亙り陥没し得ないからである。
【0035】
本明細書中に提供される幾つかのケージの実施例は、空気の再循環及びバイパスを最小限とすべく設計されたケージ横断空気流を許容することで、空気交換及び温度調節のための効率的な空気流の使用を実現する。幾つかの実施例においては蓋体及び基部を含む動物収容ケージが提供され、その場合に上記蓋体は、空気取入口及び空気吐出口と、該空気取入口と空気吐出口との間のバッフルであって、上記ケージの内部内へと下方に延在するバッフルとを含み得ると共に、空気は、上記取入口から下方に向かい、ケージの内部を通り、上記排気口から流出する。一定の実施例において、空気は実質的にU形状パターンで流れると共に、一定の場合に上記ケージは動物のための作巣材料を含み、空気は、該作巣材料の近傍を通り又は該作巣材料を貫通して流れる。上記空気取入口は一定の場合には、実質的に上記蓋体の一端に在り、且つ、上記排気口は実質的に上記蓋体の端部に在る。上記空気取入口は一定の場合には給気コネクタを含むと共に、上記空気排出口は一定の場合には、孔の配列、及び/又は、1つ以上の排気コネクタを含む。上記バッフルは、一定の場合には上記ケージの1つの壁部から逆側の壁部まで延在し、且つ、一定の場合には給餌トレイの1つ以上の表面である。上記バッフルは多くの場合、ケージの2つの壁部と実効シール接続される(例えば、対向する2つの側壁の各々に1つとされた、2つの受け台上に着座する給餌槽とされる)ことで、バッフルの側面の回りにおける空気流を阻止又は相当に低減すると共に、バッフルの下方における空気流を許容し得る。
【0036】
幾つかの実施例において、収容ケージの蓋体又は基部は空気流バッフルと接続され得る。空気流バッフルの実施例は多くの場合、蓋体の実施例の内側面から下方に向かい、ケージの内部の一部分内へと延在する。バッフルは多くの場合、空気取入孔と空気吐出孔との間に配置されることで、空気流を該バッフルの回りに導向し得る。バッフルの実施例の各側面は、空気流がケージ基部の底部に向けて導向され且つケージの側壁に沿い当該バッフルをバイパスしない様に、ケージ基部の側壁と密着され又は実質的に接触される。幾つかの実施例において、給餌トレイは、該トレイの壁部がバッフルとして作用する如く構成される。空気流をケージの底部に向けてから、上方に向けて蓋体の頂部を通るべく導向することは、ケージ底部に配置された床敷き材料から気体状の廃棄物を一掃すると共に、動物を維持管理する上で必要な空気流を低減する上で好適であり得る。幾つかの実施例において、バッフルの実施例は、蓋体及び基部に関し、ケージ基部の底部に向けて突出する給餌槽又はトレイにより形成され得る。斯かる実施例における上記給餌槽は多くの場合、上記蓋体及び基部とは別体的な部材であり、且つ、該給餌槽は、ケージ基部内の陥没部内に形成された受け台(すなわち取付け部材)上に着座する。
【0037】
幾つかの蓋体の実施例は、給水構成要素を含み得る。上記蓋体は一定の場合には、放出器が接続又は一体化された一体的な給水リザーバを含む。幾つかの実施例において、上記蓋体は、選択的な放出器を含む給水器が内部に着座する給水用の差込口又はホルダを含み、且つ、一定の実施例において、上記蓋体は孔を含み、該孔を通り、水分リザーバが固定及び/又は懸架される。幾つかの実施例において、上記蓋体は、本明細書において多くの場合に“給餌器”、“給餌槽”又は“給餌トレイ”と称される給餌構成要素に接続され又はそれを備えて成る。上記蓋体は一定の場合には、一体的な給餌トレイを含み、且つ、一定の場合には、蓋体がケージ基部に嵌合されるときに、別体的な給餌トレイ・モジュールの部材と接続される。幾つかの実施例において、上記蓋体は給餌トレイ・ホルダを含み、該ホルダ内へと給餌トレイが着座され、且つ、一定の実施例において、上記蓋体は孔を含み、該孔を通して給餌トレイが固定及び/又は懸架される。
【0038】
蓋体部材は一定の場合には、空気排出コネクタを含まず且つ空気取入コネクタを含まない。故に、幾つかの蓋体部材の実施例において:上記蓋体部材は一定の場合には、剛性、半剛性、又は、撓曲可能であるか、又は、撓曲可能な領域を含み;上記蓋体部材は一定の場合には、撓曲可能な材料及び半剛性の材料、一定の場合にはフィルタを含み;蓋体におけるフィルタは多くの場合、蓋体部材の表面領域全体ではなく、蓋体部材の表面領域の一部分を覆い;上記蓋体部材は一定の場合には、連続的で堅固な表面領域とフィルタとを備えて成り、その場合に堅固な表面領域は、剛性、半剛性、撓曲可能、又は、それらの組み合わせであり;上記蓋体部材は一定の場合には連続的で堅固な表面領域とフィルタとを備えて成り、その場合に連続的で堅固な表面領域は格子ではなく無孔である。
【0039】
ケージ基部及び蓋体に加え、ケージの部材又は構成要素の例としては、ケージ基部又はケージ蓋体とは別体的であるか、それらと一体化された、給水デバイス及び給餌構造が挙げられる。これらの付加的な部材は本明細書において、“挿入部材又は挿入用部材”と称される。ケージ挿入部材は一定の場合には、蓋体が基部実施例の頂部に対して固着される前に、ケージ基部又はケージ蓋体に載置され得る。幾つかの実施例において、挿入部材は、本明細書に記述される給餌槽の実施例内における如く、蓋体の近傍においてケージ基部の頂部の近傍に配置され得る。幾つかの実施例において、挿入部材は、ケージ内に収納された一匹以上の動物に対する収容スペースの頂部部分を画成する。給餌トレイの如き挿入部材は、一定の場合には、ケージ基部の1つ以上の側壁部材の内側面から延在する1つ以上の取付け部材又は受け台上に着座し、又は、それにより位置決めされる。
【0040】
幾つかの実施例において、挿入物は略平坦で平面的な部材であり、その場合に該挿入物の表面は、ケージ基部の底部部材の表面と平行である。上記挿入部材の1つ以上の縁部は多くの場合、1つ以上の側壁部材の上記内側面に対し、実質的に嵌合し、一定の場合には略面一であり、一定の場合には非常に接近され、及び、一定の場合には、シール接触される。幾つかの実施例において、上記挿入物の各縁部は、対応する各側壁部材の上記内側面に対し、実質的に嵌合し、略面一であり、非常に接近され、又は、シール接触される。挿入部材の縁部は、該部材が動物を収納すべく構成される材料に適した任意の厚みであり、一定の場合には、約0.0254cm〜約0.203cm(約0.010インチ〜約0.080インチ)である。挿入部材は、例えば、ケージ基部の製造に対して記述された如き材料及び製造プロセスを使用して、動物を収容するに適した任意の材料で構成される。
【0041】
挿入部材の一例は、給餌トレイである。給餌トレイは多くの場合、4つの壁部材と一体化された底部を含み、且つ、選択的に、該給餌トレイに対してシール的に取付けられ得る蓋体を含む。1つ以上の側壁部材及び/又は底部は、収納された動物に対して給餌構造内の食物を露出する1つ以上の開口又はスロットを含み得る。対置された各側壁は一定の場合には、平行、非平行、湾曲され、楕円形又は菱形であり、その場合に、側壁部材の内の2つ以上は、頂部開口又は蓋体部材の表面積よりも小さい表面積を有する底部部材に向かい下方にテーパ付けされ得る。側壁と底部との間における縁部及び角隅部の接合部は、多くの場合に湾曲されると共に、製造及び動物給餌に適した半径を有する。半径は一定の場合には、収納された動物により引き起こされる摩耗を最小限とすべく選択される。
【0042】
幾つかの給餌トレイの実施例は、該給餌トレイの頂縁部を囲繞するフランジ部材を含み得る。幾つかの実施例において上記給餌トレイの底部は平坦ではなく湾曲され、且つ、一定の実施例において、該給餌トレイは、垂直に配置された複数の筒状構造(例えばワイヤ)から構成される。幾つかの給餌トレイの実施例は、動物に給餌するに適した任意の材料で構成され得ると共に、その例としては、限定的なものとしてでは無く、金属合金、ステンレス鋼、鋼鉄、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、ポリマ、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン・フルオロエチレン、ポリスチレン、高密度ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体など、及び、上記の組み合わせが挙げられる。幾つかの実施例において給餌トレイは、上記蓋体が製造されるのと同一のポリマの如きポリマから構成され得、一定の実施例において上記給餌トレイは金属合金であり、且つ、幾つかの実施例において該給餌トレイは、金属構造と、ポリマ製のフレーム又はハウジング構成要素との組み合わせとされ得る。
【0043】
一定の実施例において、上記トレイは、ポリエチレン・テレフタレート又はポリスチレン(例えば、高密度ポリスチレン)から構成され得る。幾つかの実施例において、上記給餌トレイ、及び、一定の場合には上記ケージ及び/又は蓋体は、相当に硬質のポリマから構成され得る。斯かるポリマは公知であり、且つ、硬度の尺度としては、ロックウェル(例えば、ロックウェルM又はB)、ブリネル、ショア、アイゾット(例えば、アイゾット衝撃、切欠きあり)、シャルピー(例えば、シャルピー衝撃、切欠きあり)、及び、ビッカース硬度が挙げられる。更に軟質のポリマと対照的に、相当に硬質なポリマは、材料厚みを増大せずに又は実質的に増大せずに、収容された動物により引き起こされる囓り破損の可能性を低減し得る。
【0044】
挿入部材の別の例は、本明細書においては“リザーバ”とも称され得る給水器である。該給水器を介し、水分又は別の適切な湿潤液体が、収容された動物に対して放出される。上記給水器又はリザーバ、及び、ケージ構成要素(例えば蓋体)においてリザーバを受容する対応リザーバ・ホルダ又は孔は、水分を供与するに好適である任意の幾何学形状である。リザーバは、ボックス形状の構造とされ得、一定の場合には略円筒状の構造であり、且つ、一定の場合には、穏やかにテーパ付けされた側壁と面取り部とを備えた略円筒状の構造(僅かに円錐状)である。リザーバは一定の場合には、収納された動物により引き起こされる摩耗の可能性を低減(例えば、給水構造を囓る動物により引き起こされる摩耗を低減)すべく幾何学的に構成され得ると共に、幾つかの実施例において、リザーバは、丸み付けされた角隅部(例えば、底縁部と側壁部材の縁部との間にける丸み付けされた接合部)、及び/又は、縁部(例えば、2つの側壁部材の縁部間の丸み付けされた接合部)を備えて成る。
【0045】
本明細書においては、丸み付けされた角隅部の半径が記述される。リザーバは一定の場合には、該リザーバが水分により満たされてから蓋体によりシールされ得る如く、例えば、ネジ取り付け蓋体又は弾性嵌合蓋体の如く、ボトルの好都合な箇所(例えば、頂部又は底部)に配置されてシール的に取付け可能な蓋体又はキャップと嵌合し得る。故に、リザーバは多くの場合、ネジ取り付け蓋体からの螺条を受容し得る雄螺条若しくは雌螺条、又は、弾性嵌合蓋体に対する継手を含む。ケージの内部に露出された上記リザーバの部分(例えば、リザーバの底部、キャップ又は蓋体)は多くの場合、動物により接触されるまで表面張力により水分を保持し得る小寸孔を含む。
【0046】
上記リザーバの側壁領域は、面取りされ得ると共に、一定の場合には、蓋体の差込口における対応する面取り部と嵌合し得る。斯かる面取り部は、上記蓋体における上記リザーバの整列を確実にするキーとして機能し得る。上記孔の半径における段部はまた、リザーバの差込口との締まり嵌めを生成することで、該リザーバと蓋体との間における緊密なシールを確実とすることにより、空気の漏出を低減し又は実質的に阻止し得る。リザーバは、限定的なものとしてでは無く、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン・フルオロエチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、セルロース、ポリマ又は金属箔により裏打ちされたセルロースなどの、動物を潤す流体(例えば水)を収容するに適した任意の材料で構成され得る。
【0047】
蓋体が水分リザーバ・ホルダを備えて成る実施例に対し、該リザーバ・ホルダは一定の場合、僅かにテーパ付けされた各側壁と、側部及び底部に配置されたチャンバとを備えた実質的な円筒状である。上記ホルダの斯かる幾何学形状は、同様に形状化されたリザーバをキー止めすることができ、その場合、上記ホルダとリザーバとの夫々の面取り部は嵌合する。斯かるホルダは多くの場合、収納された動物に対して当該放出器が利用可能である如く、多くの場合には面取り領域における孔であって、リザーバから放出器を受容し得る孔を含む。斯かるホルダは多くの場合、リザーバの頂部部分が下側部分よりも大きな直径を有する如く、半径に段部を含むリザーバを受容し得、これにより、ホルダの内壁との締まり嵌めと、実質的に気密な嵌合とが提供される。
【0048】
幾つかの実施例において、放出器は、一定の場合には該放出器内に配置されたバルブであって、一定の場合には該放出器とリザーバとの接合部に配置されるバルブを包含する。幾つかの実施例において、上記放出器はバルブを含まない。一定の場合、上記放出器は上記リザーバに対し、簡易脱着式継手により接続される。一定の実施例において、上記放出器は、大寸の断面領域は上記リザーバに接続され、且つ、小寸の孔は、収納された動物に対して利用可能な逆端部上とされた、円錐状である。斯かる実施例において、上記孔は、上記リザーバ内に表面張力により水分を保持すべく、且つ、収納された動物により接触されたときには水分を放出すべく寸法設定される。一定の実施例においては、蓋体と併せて使用される水分ボトルであって、平坦な表面により画成されるキャップ面内に水分の本来的な表面張力により水分を保持する孔を有するキャップを備えて成る水分ボトルが配備される。後者の実施例において、上記キャップ面は、円錐状でなく、突出部を含まない。
【0049】
流体供給の実施例は、収容動物が供給構造を破損し得る可能性(例えば囓り破損)を低減すべく構成され得る。例えば、本明細書においては、3つの壁部と、頂部と、底部と、孔と、該孔に実効接続されたバリヤとを備えて成る齧歯動物収容ケージ用ボトルが提供され、その場合、該ボトルはポリマから構成され得、上記壁部の内の2つの壁部は略々直角(例えば、85°〜95°、又は、90°)であると共に、第3の壁部は湾曲され、且つ、該ボトルは、倒立されたときに上記孔に流体を保持し得る。該ボトルの上記頂部、底部及び各壁部は概略的に、略半球状の構造を形成し得ることから、上記湾曲壁部は、(例えば約17.78cm(約7インチ)などの)約12.7cm〜約22.86cm(約5インチ〜約9インチ)の半径を有する。同様に、壁部の接合部及び角隅部は多くの場合に丸み付けられ、且つ、丸み付けられた接合部及び角隅部は一定の場合には、約0.635cm(約0.25インチ)以上の半径により定義される。斯かる水分ボトルが、ケージ基部の1つ以上の壁部の近傍に又はそれに対して実質的に接触して配列された差込口内に載置されたとき、斯かる設計特徴によれば、収容動物が上記ボトル又はその差込口にアクセスしてそれを破損する可能性が最小限とされる。
【0050】
一定の実施例において、上記孔は、上記ボトルと接続された(例えば螺着キャップなどの)キャップ内に配置される。上記ボトルは、水などの流体を収容し得ると共に、上記バリヤは多くの場合、上記孔上の接着タブの如き着脱自在なバリヤとされ得る。幾つかの実施例において、上記バリヤは上記キャップの内側である。上記バリヤは積送の間において、ボトル内に収容された流体の溢流を阻止し得ると共に、該バリヤが除去され又は調節されて上記孔をボトル内の流体内容物に露出したとき、上記ボトルは、倒立されたときに流体の圧力平衡を維持し得る。上記ボトルは、本明細書中に記述されたポリマ(例えばポリエチレン・テレフタレート)から構成され得る。一定の実施例において、ボトルは約13オンスの容量を有すると共に(空のときに)約10グラム〜約25グラム(例えば、約17グラム)の重量であり得、且つ、幾つかの実施例において、ボトルは、約26オンスの容量を有すると共に(空のときに)約20グラム〜約50グラム(例えば、約34グラム)の重量であり得る。上記ボトルは一定の場合には単回使用ボトルであり(例えば、上記壁部は多くの場合に約0.0254cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)の厚みであり)、且つ、一定の実施例において、上記ボトルは複数回使用ボトルである(例えば、各壁部は多くの場合に0.203cm(0.08インチ)より厚い)。
【0051】
他の挿入部材は、例えば、シェルタ構造、床敷き材料、及び/又は、下張り床材の如き、ケージ・アセンブリと関連付けられ得る。シェルタ構造は、動物が該構造に進入して該構造により覆われ又は部分的に覆われることを許容する任意の形状又は幾何学形状とされ得る。動物を収納する任意の好適な構造が使用され得ると共に、幾つかの実施例において、シェルタは有孔パイプ構造である。組み合わされた給餌及びシェルタ構造の例は、その全体が言及したことにより本明細書中に援用される特許文献1に記述されている。ケージ内には、多くの場合に床敷き材料が載置される。例えば、木材チップ又は新聞紙の如き、動物を収納するに適した任意の床敷き材料が使用され得る。幾つかの実施例において、一定の場合には、ケージ基部と組み合わせて、着脱自在な下張り床材が位置決めされる。下張り床材の実施例は、任意の材料から構成され得ると共に、食物、収納された動物からの液体放出物及び/又は固体放出物が下張り床材を通過してケージ基部の底部部材に至るのを許容する幾何学形状であり、且つ、幾つかの実施例において、下張り床材又はその一部は、網状又は有孔である(例えば、httpアドレスwww.ssponline.com/bed.html)。一定の実施例において、下張り床材の下方には、先に記述された捕捉用物質が載置され得る。
【0052】
幾つかの実施例において挿入部材は、接続された2つ以上の平面的部材を含み、その場合に各平面的部材は、別の平面的部材の表面に平行な表面を有し、且つ、1つの平面的部材の底部表面は、別の平面的部材の頂面に関して高位とされる。後者の実施例において、各平面的部材は上昇部材により接続され、その場合に該上昇部材の表面は一定の場合には、接続された各平面的部材の表面に対して直交し、且つ、一定の場合には、各平面的部材を非直交角度(例えば、約10°〜約95°)で接続する。各平面的部材及び1つ以上の上昇部材は多くの場合、多くの場合には継目無し接合部を以て、連続的である。挿入部材は多くの場合、平面的部材と上昇部材との間に縫い目又は不連続部を有さないユニットを提供するプロセスにより製造される。
【0053】
挿入部材の実施例は一定の場合には、収納された動物の要件を満足するに有用な構成要素であって、例えば給餌構造、給水構造及び/又はシェルタ構造の如き構成要素を受容し得る、孔、又は、孔と凹所形成フランジとの組み合わせを含む。挿入部材は一定の場合には、ケージ基礎部材の内部内へと下方に延在する1つ又は複数の側壁部材(例えば、2つ、3つ又は4つの側壁部材)であって、これもまた、収納された動物の要件を満足するに有用な構成要素を支持し得る側壁部材を備えて成る。側壁部材の外側面は多くの場合、該側壁部材が其処から延在する平面的挿入部材の底部表面に対して直交し、且つ、多くの場合、挿入部材の底部表面と連続的である。幾つかの実施例において、側壁部材の底縁部は平面的挿入部材の底部表面に対して平行でなく、且つ、一定の場合、側壁部材の側縁部は平面的挿入部材の底部表面に対して直交しない。
【0054】
挿入部材の実施例は、空気がケージに進入し、及び/又は、ケージから出射することを許容する1つ以上の孔を含み得る。幾つかの実施例において、一定の場合には“通気口”と称される1つ以上の上記孔は、ケージに進入する空気を、上記挿入部材の頂面にて拡散する。一定の実施例においては、一定の場合には層流により、空気がケージの前側から該ケージの後側へと(例えば、前側の近傍における下方から、後側の近傍における上方へと)流れる様に、上記挿入部材の前部には1つ以上の通気口が在る。幾つかの実施例に対し、1つ以上の通気口は、空気層流の如き空気流がケージの後側からケージの前側へと流れる如く配設又は構成され得る。上記各孔は、例えば、円形、矩形、正方形、菱形、及び/又は、網状の如き、空気流を許容する任意の幾何学形状とされ得る。上記孔の内の1つ以上に対してはフィルタが連通して配設され得、該フィルタの下方には保護格子が配設される。フィルタに対しては、多くの場合、挿入部材が接続される。挿入部材は、他の構造を受容するための1つ以上の開口、孔又は凹所を含み得ると共に、一定の場合には、1つ以上の他の構造と一体化される。斯かる構造は一定の場合には、ケージ内に収納された動物に対する給餌、給水及び/又は保護に利用され得る。斯かる構造の2つ以上は一定の場合には、一体化された給餌/保護構造の如く、一体的である。挿入部材が他の構造を受容するための開口、孔又は凹所を含む場合、斯かる他の構造は多くの場合に挿入部材に対して着脱自在に組み合わされ、且つ、幾つかの実施例において、斯かる他の構造は挿入部材に対してシール的に嵌合される。
【0055】
幾つかの実施例において、本明細書においては、単一又は複数の壁部と底部とを含む動物収容ケージが提供され、その場合、上記ケージはポリマから構成され、且つ、各壁部の厚みは約0.0254cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)である。適切なポリマの例は、上述されている。一定の実施例において、上記底部の厚みは約0.0254cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)である。上記単一又は複数の壁部及び底部は多くの場合、略均一な厚みである。上記単一又は複数の壁部又は底部の厚みは、一定の場合には約0.0254cm〜約0.127cm(約0.01インチ〜約0.05インチ)であり、時には約0.051cm〜0.152cm(約0.02インチ〜約0.06インチ)であり、約0.051cm〜0.076cm(約0.02インチ〜約0.03インチ)とされ得る。幾つかの実施例において、上記ケージは半剛性であり、可撓とされ得る。本明細書中で論じられる単回使用のケージの実施例は、撓曲可能又は半剛性とされ得る。
【0056】
幾つかの実施例において、ケージ基部の後壁は、給気構成要素、排気構成要素及び/又は中央給水構成要素を受容し又はそれらに対して接続され得る1つ以上の孔を含み得る。幾つかの実施例において、基部ユニットは、例えば、検知プローブ、水分供与構造又は空気供与構造の如き構成要素を受容するための孔を露出し得る離脱部材を含み得る。一定の場合には“打ち抜き”部材と称される離脱部材は、一定の場合には完全に離脱され、且つ、一定の場合には、破断された後で一部分によりケージに対して取付けられたままである。一定の実施例において、ケージ基部は、フィルタ部材と、1つ以上の選択的な排出ポートとを備えて成り得る。
【0057】
本明細書中で論じられるケージの実施例は、単回使用の実施例とされ得ると共に、一定の場合には、ラック、空気流ユニット、空気流コントローラ、又は、それらの組み合わせ物と組み合わせて使用され得る。本明細書中に記述されるケージの実施例は、一匹以上の動物を含み又は収容し得る。上記動物は一定の場合には、遺伝子導入体、免疫不全体、同系繁殖体であり、1つ以上の異種移植片を含み、且つ/又は、1つ以上の機能遺伝子を欠いている(ノックアウト動物)。上記動物は多くの場合、例えば、マウス、ラット、ハムスター、アレチネズミ、テンジクネズミ、チンチラ及びウサギから成る群から選択された齧歯動物の如き齧歯動物とされ得る。収容されたマウスは一定の場合には、ヌード・マウス、又は、重症複合型免疫不全(SCID)マウスとされ得る。
【0058】
ラック・ユニットは本明細書においては、“ケージ取付けプラットフォーム”又は“ケージ取付けシステム”と称され得る。上記ラックは一定の場合には、モジュール式であり、且つ、可逆的に接続されたラック・モジュールから組立てられ得る。ラック・モジュールは、垂直又は水平な構成での可逆的な積層を許容する任意の構成を有し得る。ラック・モジュールは一定の場合には、底部部材、2つの側壁部材、頂部部材、及び、一定の場合には後側部材及び後側部材(例えば表板)を含み、その場合、各側壁部材は多くの場合に平行又は略平行であり、且つ、頂部部材及び底部部材は多くの場合に平行又は略平行である。幾つかの実施例において、ラック・モジュールは、夫々が該モジュールの各側部上とされた2つの接続部材により接続され、その場合に上記接続部材は、ラック・モジュールにおける孔内に挿入される支柱である。幾つかの実施例において、ラック・モジュールは、矩形の底部部材の各角隅部から垂直に延在された4本の水平支柱であって、矩形の頂部部材に対して接続される4本の水平支柱を備えて成る。ラック・モジュールの実施例は、ラック・ユニットの反復的な組立て及び分解を許容するに十分な弾性を有する任意の材料から構成され得る。ラック・ユニット・モジュールを構成すべく使用される材料の例としては、金属合金(例えば、板金)又はポリマなど、及び、上記の組み合わせが挙げられる。ラック・モジュールは多くの場合、本明細書において以下に記述される気体溜まり、ケージ用供給管、及び、排出ポートの如き、多くの場合には内部に配置される空気流構成要素を備えて成る。
【0059】
1つのラック・モジュールを別のラック・モジュールに連結する接続部材は一定の場合には、複数のラック・ユニット・モジュールの内の1つのラック・ユニット・モジュールに対して一体化され、且つ、一定の場合には、ラック・ユニットにおけるそのモジュール及び/又は他のモジュールから分離される。幾つかの実施例において、接続部材は第1ラック・モジュール及び第2ラック・モジュールにおける対応接続部材に対して係合され、その場合に上記第1及び第2ラック・モジュールは可逆的に接続される。一定の実施例において、第1ラック・モジュールは第1接続部材を備えて成ると共に、第2ラック・モジュールは、上記第1接続部材と相補的な第2接続部材を備えて成り、その場合に上記第1及び第2接続部材は相互に対して係合されることで、上記第1及び第2ラック・モジュール間の可逆的接続を形成し得る。ラック・モジュールにおける接続部材は、接続された別のケージ・モジュールに関して1つのケージ・モジュールの移動を制限する任意の様式であって、各モジュールの好適な接続解除及び再接続を許容する任意の様式で構成され得る。幾つかの実施例において、各接続部材は工具なしで係合及び/又は係合解除される(すなわち、各ラック・モジュールは手作業で組立て及び/又は分解され得る)。一定の実施例において接続部材は、ラック・モジュールの1つ以上の表面上にて、別のラック・モジュール上の又はそのラック・モジュールにおける対応フランジ又は溝を受容し、一定の場合には摺動可能に受容し得る溝又はフランジを含む。
【0060】
幾つかの実施例において、ラック・モジュールは、1つ以上の取外し可能な棚部材を受容すべく構成された1つ以上の取付け部材及び/又はコネクタを含み、且つ、一定の実施例においてラック・モジュールは、1つ以上の棚部材を備えて成る。ラック・モジュールは一定の場合には、別のラック・モジュール以外の別の構成要素に対して接続される。幾つかの実施例において、ラック・モジュールは、一定の場合にはコネクタを介し、トロッコ部材上に取付けられ、その場合にトロッコは、1つのラック・モジュール又は複数のラック・モジュール(すなわちラック・ユニット)を搬送すべく構成される。
【0061】
1つのラック・モジュール上又は該モジュール内には、1つ以上のケージが格納され得ると共に、ケージを格納するための任意の好適な構成が利用され得る。ケージは一定の場合には、ラック・モジュールの表面上に載置されると共に、所定の期間に亙り格納される。ケージは多くの場合、上記ラックに対して接続された棚部上に位置する。ラック・モジュールは一定の場合には、上記ラック・モジュール内又は該ラック・モジュール上に1つ以上のケージを格納するに有用な1つ以上の取付け部材を含んでいる。対応する取付け部材は、一定の場合にはケージの1つ以上の外側面上に配置される共に、ラック・モジュール上に配置された取付け部材に接続され得る。一定の実施例において、取付け部材は、ラック・モジュールの1つ以上の表面上の溝又はフランジであり、且つ、ケージ上又はケージ内において対応するフランジ又は溝を受容し、一定の場合には摺動可能に受容し得る。斯かる実施例においては、取付けられたケージの頂部と、該ケージの上方に配置されたラック・モジュールの下側表面との間には十分な距離が在ることで、ケージから外方に向かう空気流が許容され得る。
【0062】
ラック・モジュールは、ケージを別の構成要素に対して接触させるに適した1つ以上のキャリッジを含み得る。幾つかの実施例において、キャリッジは一定の場合には、1つの構成要素を、1つのケージ又は複数のケージに対して組み合わせる。キャリッジは、例えば、給気コネクタ、排気コネクタ、中央給水コネクタ、及び、検出器又はセンサの如き任意の構成要素に対してケージを接触させるべく利用され得る。斯かる実施例において、キャリッジは多くの場合、ラック・システムの棚部に対して接続される。例えば、ピストン又はレバーを備えて成るキャリッジの如き任意の適切なキャリッジが利用され得ると共に、該キャリッジは、例えば、金属合金及び/又はポリマの如き任意の適切な材料から構成され得る。上記キャリッジは、一定の場合には、直線状、弧状、垂直若しくは水平な動作、又は、それらの組み合わせにより、任意の適切な様式で、構成要素をケージ部材(例えば、ケージ基部又はケージ・カバー)に対して係合させる。上記キャリッジは多くの場合、ケージ部材に対して係合された構成要素を保持するホルダを含んでいる。上記キャリッジは、一定の場合には手作業で操作されると共に、一定の場合には、例えば、機械的操作及び/又はコンピュータ制御式の操作により遠隔的に操作される。幾つかの実施例において、キャリッジは、ラック・ユニットにおけるケージの位置を配向するために部分的に有用である、と言うのも、該キャリッジは、ケージがラック・ユニット上に適切に配向されたときにのみ、該キャリッジが保持する部材を上記ケージに対して係合させ得るからである。幾つかの実施例において、キャリッジはケージに対して機械的圧力を付与することで、それを整列して保持する。幾つかの実施例において、キャリッジは、その位置をケージから離間して保持する機構を備えて成り、該機構は、上記キャリッジの構成要素をケージ構成要素に対して係合させるために係合解除され得る。
【0063】
幾つかの実施例において、上記キャリッジは、ヒンジを介してラック又は棚部ユニットの端部の近傍又は一端に接続されたレバーと、ケージに対して可逆的に組み合わされた1つ以上の構成要素を受容し得るホルダとを備えて成る。斯かるレバーは多くの場合、該レバーが接続された構成要素が上記ケージと組み合わされたときに、該レバーに対して下向きの圧力を付与するスプリングを含む。一定の実施例において、ラック・ユニットは、給気又は排気コネクタ(例えば、1つ、又は、2つ以上の空気コネクタ又はノズル)に接続された1つ以上のキャリッジであって、単一又は複数のコネクタをケージに対して可逆的に接触させる1つ以上のキャリッジを備えて成る。幾つかの実施例において、上記給気コネクタ及び選択的な排気コネクタは円錐状であると共に、上記ケージ・カバー部材は、円錐状の各コネクタとシール的且つ可逆的に接続され得る円錐状の空隙部を含む。幾つかの実施例において、キャリッジは(例えばピンなどの)1つ以上の突出部を含み、該突出部は、該突出部を受容し得る上記ケージの1つ以上の対応構造(例えば、フランジ部材における1つ以上の孔)を貫通して摺動可能に位置決めされ得、このことは、ラック・ユニットにおいてケージを配向させるために有用である。
【0064】
幾つかの実施例に対し、1つ以上のキャリッジは各々、給気又は排気コネクタ、及び、該コネクタと組み合わされたノズルと接続して配設されることにより、上記ラック上へとケージが位置されたときに、上記キャリッジの上記ノズルは自動的に、対応するケージ・ノズルに係合し得る。上記キャリッジは、ラック上にケージが位置されたときに該ケージの表面に沿い自動的に平行移動し得ると共に、上記キャリッジの位置は、該キャリッジのノズルが対応するケージ・ノズル上で定着されるまで、上記ケージの表面に沿い自動的に平行移動し得る。幾つかの実施例において、上記キャリッジ・ノズルは凹状であると共に対応するケージ・ノズルは凸状であり、且つ、一定の場合には、上記キャリッジ・ノズル及びケージ・ノズルは円錐状である。
【0065】
幾つかの実施例において、上記キャリッジは、ラックと接続される枢動軸と、該枢動軸と接続されるアームと、ケージ係合表面と、スプリングとを含み得ると共に、上記ケージ係合表面は上記ノズルと接続される。上記スプリングは一定の場合にはトーションスプリングであり、且つ、上記ケージ係合表面は多くの場合、1つ以上の角度付き表面を含む。該1つ以上の角度付き表面は、水平から約25°〜約45°の角度とされ得る。上記角度付き表面によれば上記キャリッジは、ケージがラック内へと挿入されるときに該ケージの種々の高度に沿い追尾することで、該キャリッジが、ケージの表面に沿う弧状に沿い自動的に平行移動(すなわち枢動軸の回りで回転)すると共に、ケージ・ノズル差込口に対して自動的に係合することが許容される。上記キャリッジを上記ラックに対して接続しているスプリングもまた、ケージの種々の高度に沿いキャリッジが自動的に追尾することを許容し得る。一定の実施例において、上記角度付き表面は、約35°とされ得る。一定の実施例において、1つ以上のキャリッジは、1つ以上の動物収容ケージが取付けられ得る1つ以上の棚部と接続され得る。幾つかの実施例において上記棚部は、該棚部の床部に対して直交するフランジであって、動物収容ケージと係合するフランジを含む。
【0066】
給気及び排気管路は一定の場合にはラック・モジュールの壁部内に配置され得ると共に、幾つかの実施例においては外部配管系統は不要とされ得る。空気管路システムは一定の場合には、ブロワに対して接続された比較的に大容量の管路であって、一定の場合にはラック・モジュールにおいて垂直配向で配置される大容量の管路を含み、該管路は、多くの場合に水平に配置された管路のマニフォルドにおいて一群のケージに対して空気を供給/排出する1つ以上の比較的に小容量の管路に対して接続される。垂直な空気管路は、本明細書においては一定の場合には“管材”と称される。空気管材及び管路は、任意の適切な形状とされ得ると共に、動物に対して空気を提供し又は動物から空気を排出するに適した任意の材料から構成される。幾つかの実施例において、上記マニフォルドは、各ケージに空気を供給し又は各ケージから空気を排出する可撓管材に対して接続された剛性管材から構成され得る。斯かる可撓管材は一定の場合には、一端にては、マニフォルド管路に組み合わされたクランプ又は計量ノズルに対して接続され、且つ、他端にては、ケージに対して係合され得るノズルに対して接続される。空気計量ノズルは多くの場合、給気管路と、ケージに係合する給気ノズルとの間に配置される。可撓管材の各端部は、一定の場合には旋回繋止式又は簡易脱着式の継手により、ノズル又はクランプに対して可逆的に結合され得ると共に、一定の場合には、これらの構成要素の端部と一体化される。ノズル(すなわち吐出部材)は、任意の材料から構成され得ると共に、動物に対して空気を供与するに適した任意の形状である。幾つかの実施例において上記吐出部材は、テーパ付けられた又はテーパ付けされない壁部を有する中空の円筒状構造であるか、又は、針状又はニードル状の構造である。
【0067】
ノズルは、収容された動物に対して空気を提供/排出する任意の好適な様式でケージに対して係合され得る。幾つかの実施例において、上記ノズルは、多くの場合には気密又は実質的に気密で可逆的なシールを形成するケージ・アセンブリにおける対応構造と嵌合するコネクタとされ得る。上記ノズルは、動物用ケージ・アセンブリに対して/から空気を供与/排出するに適した任意の幾何学形状であり、且つ、一定の場合には円錐状である。円錐状のコネクタの実施例において、上記小寸の水平表面領域は、上記ノズルが自身を垂直に通過する空気に対して配向されたときに、上記大寸の水平表面領域の下方に配置され、且つ、上記円錐状コネクタは多くの場合、一定の場合には該コネクタの頂部表面と底部表面とにおける各孔により画成される円筒状又は円錐状の空隙部である、空隙部を含む。幾つかの実施例において、1つ又は2つのノズルは、ケージ・カバー部材を貫通し、一定の場合にはカバーの厚みの一部を貫通し、又は、カバーの厚み全体を貫通する。
【0068】
ノズルの実施例は、カバー部材の外側表面及び内側表面を貫通し得ると共に、一定の場合には、該ノズルを受容する孔又は他の構造を有さないカバー部材を突き通り、且つ、一定の場合には、カバー部材の離脱部分により形成された孔を貫通延在する。ノズルがカバー部材を突き通る場合、該ノズルは上記カバー部材の可撓領域を突き通り得ると共に、上記カバーにおける材料は、上記ノズルの外側面と共に気密又は半気密のシールを形成し得る。空気流システムのノズル及び他の部材は多くの場合、ケージの側壁部材に対しては接続されない(例えば、ケージ基部の側壁部材に対しては接続されない)。空気は、多くの場合にカバー部材を通り、多くの場合には空気流システムからノズルを介して、ケージに進入し、且つ、空気流システムに至る排出ノズル、及び/又は、上記カバー部材におけるフィルタと並置された単一若しくは複数の排出孔を通り排出される。空気は多くの場合、ケージ基部を通しては排出されない。
【0069】
ラックにおける管路システムの実施例は、一定の場合には、調節可能バルブを含まない。一定のラックの実施例において、多くの場合には固定孔を有する計量ノズルが、空気流及び空気圧を調節し得る。一定の実施例において、管路システムは1つ以上のバルブを含み得る。空気流を絞るために有用な任意のバルブが利用され得る。1つ以上のバルブは、主要供給/排出管路、マニフォルド及び/又は可撓管材の間における接合部に配置され、一定の場合には、ケージに対して接続された可撓管材の端部に配置され、且つ、一定の場合には、主要供給/排出管路又はマニフォルドの長さ以内に(例えば、管路の終端では無い領域に)配置される。一定の実施例において、管路の内部断面積(例えば、管材の円形の断面積)は、該管路が接続される更に大寸の管路の内部断面積よりも、小さく、且つ、幾つかの実施例においては相当に小さい。斯かる構成は、システムにおいて、各ケージに対する空気流及び空気圧を調節する制御弁なしで、各ケージに対して実質的に等しい空気流及び空気圧を提供するために有用であり得る。例えば、マニフォルド管路と、ケージに対して連結された可撓管路との間におけるコネクタ(例えば、本明細書中に記述されるクランプ・システム)の内径は一定の場合には約0.127cm(約0.05インチ)であり、且つ、上記マニフォルド管路の内径は約0.635cm(約0.25インチ)以上である。計量ノズル内には多くの場合に制限孔が在り、該孔は一定の場合には、ケージに接続された管路をマニフォルド管路に対して結合するクランプ・アセンブリ内である。
【0070】
幾つかのラック・ユニットの実施例において、ラック・ユニット・モジュールは、前側パネル、後側パネル、及び、2つの側部パネルを含み、且つ、各パネル内に、給気マニフォルドと、該給気マニフォルドに対して各ケージ基部を接続する管材とを含む。斯かるラック・ユニットは一定の場合には、排気マニフォルドと、該排気マニフォルドに対して各ケージ基部を接続する管材とを含む。本明細書において、各パネル内における残存スペースは一定の場合には、“気体溜まり”と称される。空気は、各パネル内に存在する場合における排出マニフォルドに対して各ケージを接続する管材を通り、各ケージから直接的に掃気され得る。空気はまた、(例えば、HVACシステムからの管材を上記気体溜まりに対して接続することにより)上記気体溜まり内に負の空気圧を付与することによっても掃気され得ると共に、ケージのフィルタを介して該ケージを離脱する空気は、各ケージと接触する上記パネルにおける近傍のポートを介して上記気体溜まり内へと排出される。後者の方法は、排出マニフォルドを通しての空気の排出に加えて、又は、その代わりに、利用され得る。上記ラック・ユニットが給気及び排気マニフォルドを含むと共に、各マニフォルドが接続管材と、別体的な供給ノズル及び排出ノズルとを介して各ケージに対して係合され得る場合、正の空気圧及び負の空気圧が制御されることで、正の空気圧のみ、負の空気圧のみ、又は、それらの組み合わせが提供され得る。幾つかのケージの実施例は、カバーにおける孔、又は、斯かる実施例における別の部材(例えば、孔配列)に対して並置された空気フィルタ媒体又は非孔性の媒体を含み得る。
【0071】
幾つかの実施例において、ラック・ユニット・モジュールは別のラック・ユニット・モジュールに対し、給気管路及び/又は排気管路と、上記他のラック・モジュールにおける対応する単一若しくは複数の差込口に対して摺動可能に係合する1つ以上の別体的な挿入部材とに対して接続された可撓管材により接続され得る。後者の実施例において、ラック・モジュールは、各モジュールを相互に対して接続する1つ以上の案内部材を含み得る。斯かる実施例においては、各ラック・ユニットが相互に対して係合/から係合解除されると同時に、給気及び/又は排気配管系統が結合又は結合解除され得る。
【0072】
幾つかの実施例においては、管材と、該管材の一端における給気又は排気接続部(例えば、空気ブロワ接続部)と、上記管材に対して接続された管路であって、上記ブロワからの空気を計量ノズルに対して供与する管路とを含む動物収容ケージ用ラックが提供され、その場合に(例えば上記計量ノズルにおいて測定された)空気圧は、約0.762水柱センチ(約0.3水柱インチ以上)である。斯かるラックは、一定の場合にはモジュール式であり、且つ、幾つかの実施例においてはモジュール式でない。(例えば、上記計量ノズルにおいて測定された)空気圧は、約1.016水柱センチ(約0.4水柱インチ)以上、約1.27水柱センチ(約0.5水柱インチ)以上、約1.524水柱センチ(約0.6水柱インチ)以上、約1.778水柱センチ(約0.7水柱インチ)以上、約2.032水柱センチ(約0.8水柱インチ)以上、約2.286水柱センチ(約0.9水柱インチ)以上、又は、約2.54水柱センチ(約1.0水柱インチ)以上である。幾つかの実施例において、上記空気圧は約2.54水柱センチ〜約7.62水柱センチ(約1水柱インチ〜約3水柱インチ)とされ得、約5.08水柱センチ(約2水柱インチ)とされ得る。各計量ノズルにおいて供給される空気の圧力は、調節可能なバルブにより調整されないことが多く、且つ、多くの場合、その計量ノズルにより調整され得る。上記計量ノズルのオリフィス直径は多くの場合、約0.635cm(約0.25インチ)以下とされ得、一定の場合には約0.152cm〜約0.203cm(約0.06インチ〜約0.08インチ)である。一定の実施例において、ラックは、空気流又は空気圧のセンサを含む。該センサは一定の場合に、管材、管路、及び/又は、計量ノズルの内の1つ以上に対して接続され得る。ラックは幾つかの実施例において、各々が計量ノズルの近傍とされた1つ以上の棚部を含む。
【0073】
幾つかの実施例においては、複数の棚部と、管材と、該管材の一端に接続された給気ブロワと、上記管材に対して接続された複数の管路であって、上記ブロワからの空気を上記棚部の各々に供与する複数の管路と、空気流又は空気圧センサとを含む動物収容ケージ用ラックが提供され、その場合にコントローラは、上記給気ブロワにより供与される空気を、設定点と、上記センサからの信号とに基づいて調節する。斯かる実施例において、上記センサは一定の場合には、管材、管路、空気計量ノズル、ケージ、又は、それらの組み合わせと接続される。上記給気ブロワは一定の場合には、順次に配列された2つ以上のファンを含み、且つ、コントローラは、各ファンの内の1つ以上のファンの速度を調節すべく構成され得る。上記ラックは一定の場合には排気ブロワを含み、且つ、該排気ブロワは順次に配列された2つ以上のファンを含み得ると共に、コントローラは各ファンの内の1つ以上のファンの速度を調節すべく構成され得る。上記コントローラは一定の場合には、配線により、単一又は複数のブロワに対し連結され、且つ、一定の場合にそれは遠隔式である。
【0074】
本明細書において論じられる構成要素の内の任意の構成要素は、本明細書中に記述される1つ以上の他の構成要素と、及び/又は、動物収容施設において利用される1つ以上の他の構成要素と組み合わされ得る。例えば、一定の場合に動物収容システムは以下の内の1つ以上を含んでいる:1つ以上のケージ(例えば、ケージ基礎部材、蓋体部材、及び、挿入部材);1つ以上のラック・モジュールを各々が備えて成る1つ以上のラック・ユニット;1つ以上の空気流アセンブリ(例えば、給気ブロワ及び/又は排気ブロワ);及び、1つ以上の検出、監視又は検知デバイス。幾つかの実施例において、空気は動物収容施設における中央空気流システムにより各ケージに対して提供され、且つ、一定の場合に空気は、本明細書中に記述された空気流システム(例えば、ラックの頂部に対して結合された空気流アセンブリ)により提供される。
【0075】
ケージ基部及びケージ蓋体の幾つかの実施例は、厚みが約0.025cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)とされ得るポリマから構成され得る。
【0076】
各々が“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−UT、INO−1001−PC、INO−1001−UT2及びINO−1001−PC2が付与された特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5に示されたラック、通気システム及びケージの一定の特徴は、本明細書中に記述された各実施例に適用可能な構成要素を論じており、且つ、それらは言及したことにより全体的に本明細書中に援用される。
【0077】
幾つかのラック・システム実施例の製造は、反復パターンの構造を備える構成要素を含むモジュール式システムを使用することにより、更に効率的及びコスト効率的とされ得る。斯かる反復パターンの構造によれば、ラック構成要素は、任意の所望の寸法へと切断されると共に、任意の適切な寸法にて、構成要素又は下位構成要素又はラック・システムを構築すべく使用され得る。例えば、任意の所望の長さ又は高さへと寸法設定され得るモジュール構造を有するラック・システムによれば、特注の寸法を有するラック・システムが容易に製造され得る。
【0078】
図1は、相互に重ねて積層された3個のラック・モジュール12を備えるモジュール式のラック・アセンブリの実施例10を示している。該ラック・アセンブリの底部に対しては、4個の車輪を含むトロッコ・アセンブリ14が固着され、可動ラック・システムの実施例10を許容している。トロッコ・アセンブリ14は、上記ラック・システムのフレーム16に対し、又は、上記ラック・システム・アセンブリの他の任意で適切なモジュール若しくは部分に対して固着され得る。各ラック・モジュール12は、複数の棚部アセンブリ18及び対応する収容ケージ・アセンブリ20を収容すべく構成されると共に、各モジュール12が特注寸法に対して容易に寸法設定されることを許容する反復構造を有する構成要素から作成され得る。ラック・システム・アセンブリ10の幾つかの実施例は、略々2個の棚部及び対応するケージ・アセンブリから、略々100個の棚部及び対応するケージ・アセンブリまでを保持すべく構成され得る。通気は供給ブロワ24により提供され得ると共に、空気は、ブロワ・アセンブリ内に配設された選択的な混合ボックスに対して結合され得る排出ブロワ26を介して各ケージ・アセンブリから排出され得る。上記供給ブロワ及び排出ブロワは各々、ラック・アセンブリ10の頂部に示されたコントローラ30に対して、ハード結線、光ファイバ、無線送信などにより通信し得る。
【0079】
図2は、フレーム16を備えたラック・システム・モジュール12であって、垂直供給マニフォルド32と、垂直排出マニフォルド34と、マニフォルド32及び34の間に延在し且つこれらのマニフォルドに対して固着された4本の横方向の二重通路式の気体溜まり38とを含むラック・システム・モジュール12の一部分を示している。垂直供給マニフォルド32は、供給ブロワ・アセンブリ24に対して結合された内側通路40を有し、且つ、上記垂直排出マニフォルドは、排出ブロワ・アセンブリ26に対して結合された内側通路42を有している。垂直マニフォルド32及び34は、隣接する各ラック・モジュール12の対応マニフォルドに対して結合され且つそれらのマニフォルドと連通することで、ラック・システムの各マニフォルドに対する連続的な供給/排出通路を形成すべく構成され得る。各気体溜まり38は、各気体溜まりの丈に沿い延在する供給通路44及び別体的な排出通路46であって、隔壁48により各気体溜まりの全長に沿い相互から分離且つシールされた供給通路44及び別体的な排出通路46を有する。各気体溜まりは垂直マニフォルド32及び34の間に配設され且つそれらのマニフォルドに対して連通され、図5及び図6に示される如く、各気体溜まりの供給通路は、垂直供給マニフォルド32の内側通路40と連通し、且つ、各気体溜まり38の排出通路は、垂直排出マニフォルド34の内側通路42と連通する。各気体溜まり38の排出通路及び供給通路の固有の一貫した垂直位置によれば、各棚部アセンブリ18は、図6に示された第1及び第2の結合器52及び54に対して結合された夫々の供給管路及び排出管路であって、これらの結合器と連通する供給管路及び排出管路を有することも許容される。各気体溜まり38及びマニフォルド32及び34はいずれも、その丈に沿い、上記供給通路及び排出通路と連通する反復孔パターン56を以て略均一構成を有し得ると共に、図4に示された如く、任意の単位長さへと切断されて組立てられることで所望の個数の棚部アセンブリを収容し得る。
【0080】
幾つかの実施例において、棚部アセンブリ実施例18の各管路は(不図示の)夫々の計量ノズルに対して結合され得、その場合に(例えば、各計量ノズルにて測定された)空気圧は、約0.762水柱センチ(約0.3水柱インチ)以上である。(例えば、各計量ノズルにて測定される)空気圧は、一定の場合には、約1.016水柱センチ(約0.4水柱インチ)以上、約1.27水柱センチ(約0.5水柱インチ)以上、約1.524水柱センチ(約0.6水柱インチ)以上、約1.778水柱センチ(約0.7水柱インチ)以上、約2.032水柱センチ(約0.8水柱インチ)以上、約2.286水柱センチ(約0.9水柱インチ)以上、又は、約2.54水柱センチ(約1.0水柱インチ)以上である。幾つかの実施例において、上記空気圧は約2.54水柱センチ〜約7.62水柱センチ(約1水柱インチ〜約3水柱インチ)とされ得、約5.08水柱センチ(約2水柱インチ)とされ得る。各計量ノズルにおいて供給される空気の圧力は、調節可能なバルブにより調整されないことが多く、且つ、多くの場合、その計量ノズルにより調整され得る。上記計量ノズルのオリフィス直径は多くの場合、約0.635cm(約0.25インチ)以下とされ得、一定の場合には約0.152cm〜約0.203cm(約0.06インチ〜約0.08インチ)である。一定の実施例において、ラックは、空気流又は空気圧のセンサを含む。該センサは一定の場合に、管材、管路、及び/又は、計量ノズルの内の1つ以上に対して接続され得る。
【0081】
図3を戻り参照すると、棚部アセンブリ実施例18は、ラック・アセンブリ10の完成されたラック・モジュール12の壁部分58に対して固着して示される。棚部アセンブリ18は、ネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤などの留め具により、壁部分58及び隣接する気体溜まり構造38の取付け孔62に対して固着され得る取付け孔を含んでいる。図4は、ラック・モジュール12の壁部分58又は表板における反復孔パターン56、及び、ラック・アセンブリ10の各棚部アセンブリ18及び対応する収容ケージ・アセンブリ20に対して通気を提供すべく下側に位置する気体溜まりアセンブリ38の拡大図を示している。図8は、例示目的でモジュール構造の残部を示さずに、ラック・アセンブリ・モジュール12の棚部アセンブリ18と壁部分58との間の接続部の後方破断斜視図を示している。棚部アセンブリ18の上記供給管路及び排出管路の後側吐出部分又は結合器52及び54は、ラック・モジュール12の壁部分58を貫通延在することで、吐出部分52及び54は、上記各管路と、図4に示される気体溜まりアセンブリ38の夫々の供給通路44及び排出通路46との間の連通を確立することが視認され得る。図8には、上記棚部アセンブリの(図11に示された)第1ノズル70と連通する(図15に示された)第1の円錐状差込口66と、棚部アセンブリ18の(図11に示された)対応第2ノズル72と連通する(図15に示された)第2の円錐状差込口68とを有する収容ケージ・アセンブリ20も示される。ノズル70及び72と差込口66及び68との夫々の第1及び第2の対は、供給通路ないし排出通路の役割を果たし得る。夫々の差込口及びノズルはスプリング付勢され又は別様に相互に対して押圧されることで、スプリング負荷レール76に依り、解放可能なシール関係を形成し得、該レール上には、収容ケージ・アセンブリの各側にて該収容ケージ20のフランジ部分が着座する。
【0082】
図7は、隣接する各棚部アセンブリ18内に配設された一対の隣接する収容ケージ20の前面図を示している。第1の棚部アセンブリ18は、フレーム16に対して固着されると共に、ケージ・アセンブリ20を受容して支持すべく構成される。第1の棚部アセンブリ18は、該棚部アセンブリ18のフレーム部材78の各側部上に略平行な2本の長手スプリング負荷レール76を夫々有し、各スプリング負荷レール76は、当該上側縁部80に対して係合された使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82の底部表面を受容すべく構成された上側縁部80(図9を参照)を有している。図7において視認され得る如く、個別的な各棚部アセンブリ18は、所定のケージ・アセンブリに対する一方のスプリング付勢レール76を提供し、該棚部のフレーム部材78の逆側上に対置されたスプリング負荷レール76は、隣接する棚部アセンブリ18により提供されるケージ・アセンブリに対するものである。隣接する棚部アセンブリ上のレール76もまた、第1のレールに対して略平行とされ得る。図7の左側に示される如く、複数の棚部アセンブリ18の端部列は、隣接する棚部アセンブリ18が無い箇所にてスプリング負荷レール76を提供するために、左側にて特別なフレーム断片86を必要とする。
【0083】
各スプリング負荷レール76は、収容ケージ・アセンブリ20の差込口66及び68が、棚部アセンブリ18の固定ノズル70及び72に当接して上方に付勢される如く、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82に対して上向きの付勢力を付与するために上向きのスプリング付勢力により垂直方向に平行移動可能である。収容ケージ20に対する上記上向きの付勢力は、棚部アセンブリ18の上部の夫々のノズル70及び72と、該収容ケージ20の円錐状差込口66及び68との間におけるシールを確立する。該シールは、上記ケージ・アセンブリの各差込口と、上記マニフォルド/気体溜まりシステムの内側通路と連通する棚部アセンブリ18の第1管路92及び第2管路94とを通る空気の制御可能な流れを提供する。棚部アセンブリ18の各ノズルとケージ・アセンブリ20の各円錐状差込口との間における上記結合は、上記ケージ・アセンブリが上記棚部アセンブリ内へと完全に挿入されたときに、ケージ・アセンブリは、棚部アセンブリの夫々のノズル内への円錐状差込口によるスプリング付勢力が克服されるまでは、取り外しに抗する如く、ケージ・アセンブリ20と棚部アセンブリ18との間における解放可能な機械的結合も生成し得る。
【0084】
幾つかの実施例に対しては、ケージ・アセンブリ20を支持するために、スプリング付勢レール76と同一又は同様である静止的レール(図24乃至図39、図中の部材276を参照)が使用され得る。斯かるレール実施例は付勢スプリングを含まないが、ケージ・アセンブリ20の蓋体実施例の本来的な弾性の使用により、スプリング付勢レールの結果と類似する結果を達成することが可能である。更に詳細には、ケージ・アセンブリ20の薄寸壁ポリマ蓋体の本来的な可撓性によれば、ノズル70及び72を該ケージ・アセンブリの円錐状差込口66及び68に対して解除可能に結合するに十分である弾性的な垂直偏向が可能とされ得る。斯かる実施例に対し、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ18のノズル70及び72から固定距離に配設された一対の略平行な静止的レールにより支持され得る。上記固定距離は、ケージ・アセンブリ20が棚部アセンブリ18内へと押し込まれるにつれて上記各円錐状差込口は弾性的に下方に付勢されると共に、該円錐状差込口が夫々のノズル70及び72に対して水平方向において整列されたときには上方向に弾性的に復帰する如く、選択され得る。斯かる実施例において、上記蓋体の材料種類、厚み及び構成は、円錐状差込口66及び68とノズル70及び72との間の適切なシールを達成するために所望量の弾性力を提供すべく選択され得る。幾つかの実施例に対し、各レールの上側縁部又は表面80間の間隔は、差込口66及び68がノズル70及び72に対して一旦係合したなら、偏向された蓋体の上向き弾性力は、結合された構成に対して殆ど又は全く残留力が無い様に実質的に弛緩され得る如く選択され得る。
【0085】
ノズル70及び72は、ケージ・アセンブリ20の通気に対する、加圧気体の供給源、又は、負圧の供給源を提供する役割を果たし得る。負圧又は正圧の気体の上記供給源は、通気システムを含み得る。これにより、上記ケージ・アセンブリが使用されているときに、空気は、棚部アセンブリ18に対して結合されたケージ・アセンブリの基部の内部体積内へと下方に向けて、且つ、上記基部の底部に配設された床敷き材料に向けて又は該床敷き材料内へと流れることが許容され得る。ユーザは、蓋体及びケージ基部の各ユニットを直接的に係合することにより該蓋体及びケージ基部をラック10から同時的に引張り得ると共に、上記蓋体及びケージ基部は、スプリング負荷された円錐状差込口により、上記ラックの各ノズルのから自動的に係合解除される。
【0086】
幾つかの実施例に対し、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ18の固定ノズル70及び72に関してケージ・アセンブリ20の円錐状差込口66及び68の一定の移動及び調節を許容するために、横方向又は水平方向において実質的に無拘束的な嵌合を有すべく構成され得る。斯かる横方向の平行移動によれば、ノズル70及び72が夫々の円錐状差込口と完全に整列されない様に上記ケージ・アセンブリが各ノズルの下方に位置されたとしても、各ノズルは、ケージ・アセンブリ20の蓋体の夫々の円錐状差込口に対して結合され得る。この不完全な整列の状況は、大型で重い動物による更に大寸のケージ・アセンブリ20であって、斯かる整列を達成する上でケージ・アセンブリがラック・システムの棚部上で容易には摺動しないという状況において特に顕著であり得る。
【0087】
幾つかの実施例に対し、スプリング付勢レール76は、長さが約12.7cm〜約38.1cm(約5インチ〜約15インチ)とされ得ると共に、ガラス充填ナイロンの如き種々の高強度の射出成形材料から作成され得る。上記棚部アセンブリのフレーム部材78は、アルミニウム、ステンレス鋼などの如き耐食性材料などの任意の適切な高強度材料から作成され得る。フレーム部材78はまた、該フレーム部材78の後側底部における取付け用スロット96であって、ネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤などの如き任意の適切な留め具により上記ラック・アセンブリの壁部分58に対して固着され得る取付け用スロット96も含んでいる。棚部アセンブリ18の頂部部分100は、任意の適切な留め具又は接着剤により棚部アセンブリ18のフレーム部材78に対して固着され得ると共に、同様に、ガラス充填ナイロンの如き高強度の射出成形材料から作成され得る。頂部部分100は棚部取付けフランジ102を含むと共に、該頂部部分は、供給管路又は排出管路のいずれかとして使用され得る第1及び第2のノズル70及び72及び第1及び第2の管路92及び94も収納する。頂部部分100はまた、ケージ20よりも長さが短く、又は、ケージ20と同一長さであり、又は、ケージ20よりも長寸とされ得る。
【0088】
図9乃至図14は、棚部アセンブリ18の実施例を更に詳細に示している。特に図11は、頂部部分100へと型成形された第1管路92及び第2管路94を示しており、該管路92及び94は、頂部部分100の後側における夫々の第1及び第2の管路結合器52及び54から、頂部部分100の底部に向けて配設された夫々の第1及び第2のノズル70及び72まで延在する。第1及び第2のノズル70及び72は夫々、各々がノズルの開口に配設され且つ夫々の保持器プレートにより所定位置に保持される第1弾性シール104及び第2弾性シール106を含んでいる。環状の又は円筒状の弾性シール104及び106は、嵌合するノズル70及び72と、ケージ・アセンブリ20の円錐状差込口66及び68との間の気密シールを促進する弾性ポリマで作成され得る。棚部アセンブリ18の頂部部分100は、略平滑で平坦な頂面と、該頂部部分100の内部構造の輪郭も表す波形の底部表面とを有する。頂部部分100はまた、該頂部部分100の周囲回りに延在する縁部又は唇部108と、該頂部部分100の底部表面上に格子を形成する図11に示された強化リブ110のネットワークとを含んでもいる。頂部部分100の後側における取付けフランジ102もまた、上記頂部部分構造内に型成形される。周縁部108と強化リブ110とを含む上記型成形構造は、棚部アセンブリ18の頂部部分100が、高度の均一性及び強度を維持し乍ら、低コストで射出成形されることを許容する。
【0089】
図10及び図11を参照すると、上記スプリング付勢レール・アセンブリの構成が更に詳細に視認され得る。各スプリング負荷又は付勢レール76は、レール76の第1端部に配設された第1付勢スプリング114と、レール76の第2端部に配設された第2付勢スプリング116とを含んでいる。示された付勢スプリング実施例114及び116は、上記棚部アセンブリのフレーム部材78に対して作用的に連結された第1端部と、レール本体76の内側面に対して作用的に連結された第2端部とを有するコイル・スプリングを含んでいる。コイル・スプリングの実施例が示されるが、リーフ形式のスプリング、リボン形式のスプリング、又は、他の任意で適切なスプリング構成などの、他のスプリング実施例も使用され得る。幾つかの実施例に対し、各付勢スプリング114及び116は、スプリング付勢レール76に対して垂直方向において、約0.45kg〜約4.53kg(約1ポンド〜約10ポンド)を付与すべく構成され得る。故に、幾つかの実施例に対し、各スプリング付勢レール76は、支持されたケージ・アセンブリ20に対して約0.91kg〜約9.06kg(約2ポンド〜約20ポンド)の上向き力を及ぼし得ると共に、各対又はスプリング付勢レール76は、支持されたケージ・アセンブリ20に対して約1.81kg〜約18.12kg(約4ポンド〜約40ポンド)の上向き力を及ぼし得る。幾つかの実施例に対し、各レールの上側縁部又は表面80間の間隔は、差込口66及び68がノズル70及び72に対して一旦係合したなら、偏向された蓋体の上向き弾性力は、差込口とノズルとの間において結合された構成に対して殆ど又は全く残留力が無い様に実質的に弛緩され得る如く選択され得る。
【0090】
幾つかの実施例に対し、スプリング付勢レール部材76は、図10に示された如くシャフト部分118とフランジ部分120とを含む複数の留め具により取付けられ得る。図10に示された如く、各留め具のシャフト部分118は、棚部フレーム部材78から、レール・アセンブリにおける夫々のスロット122を通り堅固に延在する。シャフト部分118の端部におけるフランジ部分120は、スロット122のサイズより大寸とされ得ると共に、シャフト部分118は、該シャフト部分及び担体本体が上記スロット内で概略的に動き回ることを許容するために、スロット122の内径よりも小寸とされ得る。幾つかの実施例に対し、上記スプリング付勢レール・アセンブリは、垂直方向に約0.254cm〜約2.54cm(約0.1インチ〜約1インチ)だけ平行移動すべく構成され得る。
【0091】
図15は、上記で論じられたケージ・アセンブリと同一の特徴、寸法及び材料の幾つかを有し得る収容ケージ・アセンブリ20の実施例を示している。示された実施例に対し、基部130の縁部は、該基部の周囲回りに連続的に延在すると共に、蓋体132の縁部に対して弾性嵌合により取外し可能に固着されるべく構成される。これに加え、基部130の縁部に対して弾性嵌合により嵌合すべく構成された蓋体132の周縁部上のチャネル134もまた、該蓋体の周縁部の回りに連続的に延在する。幾つかの実施例に対し、上記蓋体の周縁部上のチャネルは、減少された横方向寸法へとテーパ付けされた側面を有する長寸チャネルであって、弾性嵌合により機械的に係合すべく構成される長寸チャネルを含む。
【0092】
基部130はポリマ材料を含むと共に、該基部は、連続的な構造で一体的に形成された4つの側部及び1つの底部を有する。蓋体132はまた、概略的に平坦な構造又は構成を有するポリマ材料を含んでいる。蓋体132は、上方に延在する方向に配設された第1の円錐状通気差込口66及び第2の円錐状通気差込口68であって、上記で論じられた棚部アセンブリ18の実施例の第1及び第2のノズル70及び72と夫々嵌合すべく構成された差込口66及び68を含んでいる。蓋体132は、通気構造136と、蓋体132の該通気構造136の近傍に配設された該蓋体における対応孔に係合すべく構成された押し込み支柱結合部材138を備えて成る(不図示の)通気シールドとを含み得る。蓋体132の通気構造136と上記通気シールドとの間には、(不図示の)フィルタ要素が配設され得る。幾つかの実施例に対し、基部130及び蓋体132は、約0.0254cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)の厚みを有するポリマから作成され得ると共に、熱可塑性プラスチック、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン・フルオロエチレン(PEFE)、ポリスチレン(PS)、高密度ポリスチレン、及び、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体の如き材料を含み得る。
【0093】
上記で論じられた如く、基部130及び蓋体132を含め、本明細書において論じられたケージ・システム実施例又はその構成要素の任意のものに対し、埋立地及び他の廃棄物管理保管所に対する使い捨て可能な形式のケージ・アセンブリの使用による影響を低減するために、光分解可能又は生分解可能な材料を使用することが好適であり得る。1つの斯かる材料としては、バイオランド(Bioland)社により製造された生分解可能PETの如き、生分解可能PETが挙げられる。斯かる生分解可能PET材料は、ポリエチレン・テレフタレートと、微生物に対して高度に吸引されるポリマ鎖の延長部を生成する有機添加剤とを含み得る。上記材料の強度、剛性、衝撃抵抗、耐摩耗性、気体障壁特性、又は、拡散傾向を劣化させない様な、幾つかの添加剤が使用され得る。幾つかの生分解可能PET材料は、約1.3g/cm2の比重と、約7,000psi〜約8,500psiの引張強度とを有し得る。
【0094】
ラック・システム、及び、該ラック・システムにより支持されたケージ内に収容された動物に関する問題の1つは、各ケージの内部条件に関する情報を効率的且つ正確に収集し、処理し、且つ、実験室作業員に対して表示することに関している。実験動物を収納する複数の収容ケージを伴うシステムの手入れ及び維持管理、又は、研究に関する多くの状況において、各ケージは、優良実験室手法により決定され得る定期的スケジュールであって、獣医学の専門家の投入も含み得る定期的スケジュールに基づいて、清浄化、交換、又は、別様に維持管理される。動物の周囲環境に対する該動物の相互作用の複雑な性質の故に、維持管理スケジュールは多くの場合、一群のケージに対する最悪の場合の状況展開に基づいて計算又は決定され得る。更に詳細には、全てのケージに対する維持管理スケジュールは、最大の生物学的負担を有するケージにより決定され得る、と言うのも、各ケージを個別的に監視することは時間が掛かりすぎるからである。斯かる配置構成に対し、直ちには維持管理を必要としないケージは、いずれにしてもそれを受け入れ、実験室資源の非効率的な使用、及び、低い生物学的負担を有する幾つかのケージの不必要な維持管理などに帰着する。これに加え、ケージの監視データが実験室作業員により遠隔的に入手可能とされたとしても、実験室作業員に対して多数のケージの監視が課せられるなら、全てのケージ・データを処理することは依然として大きな負担であり得る。
【0095】
故に、一定の状況において実験室作業員は、ケージ状況情報が便利に且つ効率的に表示され乍ら、ラック・システムにより支持された個別的な各ケージの相互接続を確実に且つ便利に監視する能力を有することが重要であり得る。図1に示された如く、ラック・システム実施例10は、ブロワ・アセンブリと一個以上のセンサ140とに対して結合され得るコントローラ実施例30を含んでいる。図6に示された気体溜まり38の供給及び排出通路44及び46内、図11に示された棚部アセンブリ18の管路92及び94内、図15に示されたケージ・アセンブリ20の内部体積内、又は、ラック・アセンブリ10における他の任意で適切な位置に、任意の所望の単一若しくは複数のセンサが配設され得る。各センサ140は、ラック・システム10により支持された個別的な各ケージ20内の状態を監視すべく使用され得る種々の構成又は形式の内の任意の構成又は形式を含む。コントローラ30により各センサ140又は他の情報源から獲得されたデータは、該コントローラ内、又は、上記システムの他の任意で適切な箇所に配設された演算システムにより処理されてから、好適な視覚的表示形態にてグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示され得る。
【0096】
幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースは、所定のラック・システム10により支持された各収容ケージ20に対するアイコンなどを同時的に表示し得る。幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示された各アイコンは、上記ラック・システムの実際の各ケージの構成に対応する構成で、画面上に位置され得る。換言すると、実験室作業員が上記ラック・システム上の各ケージの内の任意のケージの状況を即時に直感的に評価し得る如く、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースの画面上には、実際のラック・システムの側面の前面図の複写物が表示され得る。幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースのケージ・アイコンは色コード化表示を使用することで、ケージ状況情報を実験室作業員に対して効率的且つ迅速に伝え得る。例えば、パラメータが監視且つ処理されると共に、該パラメータが、使い捨て可能なケージを新たな未使用のケージに交換する適切な時期の決定に関連するなら、必要な交換が近いことを表すアイコン色が使用され得る。アイコン色が緑色であれば、交換は不要であり、アイコン色が黄色であれば、交換がすぐに必要となり得、且つ、赤色のアイコンは、即時のケージ交換に対する必要性を表すべく使用され得る。
【0097】
遠隔センサ140又は他の手段により各ケージの内部において監視され得るケージ状況パラメータの幾つかとしては、ウィルス又は細菌の存在又はレベル、アンモニアのレベル、二酸化炭素のレベル、一酸化炭素のレベル、湿気のレベル、空気圧のレベルなどが挙げられる。監視され得る他のパラメータとしては、各ケージ内の動物の総重量、各ケージ内の動物の身体活動度、又は、各ケージ内の動物の他の挙動若しくは動態が挙げられる。幾つかの実施例に対し、上記のパラメータの内の1つ以上を決定すべきセンサ140は、各ケージ内に配設され得るが、上記棚部アセンブリの管路、又は、該棚部アセンブリの近傍の気体溜まり内にも配設され得る。各センサ140はまた、センサの読取値データが処理されてグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示され得る様に、コントローラ30に対してセンサの読取値を通信すべく、上記コントローラに対しても作用的に連結され得る。
【0098】
図16乃至図21は夫々、収容ケージ状況に関する種々の情報を表示するグラフィック・ユーザ・インタフェース実施例142の一画面を示している。図16を参照すると、画面上には、垂直に積層された構成の4つのラック・モジュールを有するラック・システム10の“側面A”の正面図の複写物が示される。ディスプレイ上の各収容ケージ・アイコンは、特定パラメータに関してケージ状況を表す色で示され得る。実験室作業員が上記ラック内のケージ状況の迅速な評価を獲得し得る様に、色コード体系が使用され得る。例えば、上記で論じられたケージ交換状況情報に関し、図16のディスプレイ内に示された各アイコンの色コード化がケージ交換状況情報に関連するなら、実験室作業員は、このパラメータを選択すると同時に各アイコンを視認し、且つ、ディスプレイ上で(文字Rにより表された)任意の赤色アイコンの存在に基づいて、いずれかのケージの交換が即時に必要か否かを決定し得る。アンモニア・レベルの如き他のパラメータに対し、同様の方式が使用され得る。もし実験室の技術者がアンモニア・レベル状況を選択したなら、各アイコンの色コード化は次に、(図16のアイコン上に文字が無いことで表される)白色、(アイコン上の文字Yにより表される)黄色、(アイコン上の文字Pにより表される)ピンク、又は、(アイコン上の文字Gにより表される)灰色に基づき、アンモニア・レベルが低い、高い、又は、中程度であることを表すべく切換えられ得る。色コード化は、幾つかの実施例に対し、獣医学の専門家による注意の必要性を表すために使用され得る。獣医学的な注意を必要とするケージの総数の数値表示144、及び、交換を必要とするケージの総数もまた、示され得る。上記ラック・システムの“側面A”上の各ケージに関する情報の表示から、上記ラック・システムの“側面B”へと切換えるために側面選択スィッチ146は二方向切替えされ得る。
【0099】
上記ディスプレイはまた、画面上の上向き及び下向きの矢印を切替えることにより調節され得る毎時空気転換量“ACH”の値148も示し得る。“DIFF PRES”として表された上記供給管路と排出管路との間の差圧もまた、各ケージ・アセンブリの内部が周囲雰囲気に関して正味で正圧であるか負圧であるかを表すものとして表示され得る。“DIFF PRES”の表示はまた、各ケージ・アセンブリ内で正又は負の内部圧力を達成するために相対圧力を調節するための上向き/下向き矢印150も含んでいる。実験室作業員による参照のために、日付、時刻及び他の情報も示され得る。幾つかのコントローラの実施例に対し、該コントローラのパラメータ及び出力に対する種々のレベルのアクセスは、パスコードを要求することにより制御され得る。図17はユーザ・パスコードを促しているポップアップ・メニュー152を示しており、該ユーザ・パスコードは、入力されたとき、各パラメータの調節及び再設定を行うためにコントローラ・システムに対するユーザ・アクセスを許容する。図18は、“ラックの設定”、“ケージ交換スケジュールの設定”に対する選択肢、及び、他の選択肢を有するポップアップ・メニュー154を示している。斯かる構成設定に対するアクセスは、パスコードによるアクセスにより、獣医学の専門家、又は、他の任意で適切なレベル若しくはグループの作業員のみに制限され得る。図19は、図18に示された表示からの“ラックの設定”選択肢のポップアップ表示156を示している。図19における設定メニューによれば、ユーザは、システム形式、ラック・モジュールの個数、モジュール毎の列数、及び、列毎のケージ数を選択することが許容される。斯かる設定パラメータは、本明細書において論じられると共に寸法設定に関する適合化に良く適した上記モジュール式ラック・システムに対して特に有用であり得る。上記設定用ポップアップ・メニューは、ユーザに対する正しいラック構成の視覚的確認のために、ラック・システムのプレビュー表示も提供する。
【0100】
図20は、上記で論じられた“ケージ交換スケジュールの設定”に対応するポップアップ・メニュー158を示している。上記交換スケジュール・メニューは、“通常”、“繁殖”及び“特注”の如き種々の交換スケジュール選択肢を含む。交換間隔と対比してケージ毎のマウスの頭数を示す検索チャートも示される。図21は、上記ラック・システムにおける特定のケージに対する種々の状況情報を示す“ケージ情報”に関するポップアップ・ウィンドウ160を示している。示された実施例に関し、選択されたケージに対し、通し番号、研究者、及び、注記が示されている。該表示はまた、前回のケージ交換の日付、及び、次回のケージ交換に対する期日も示している。
【0101】
図22乃至図39は、図24乃至図39に示された静止的レール276と、図40乃至図45に更に示された供給ブロワ224及び排出ブロワ226とを備えたモジュール式ラック・アセンブリの実施例を示している。複数の棚部アセンブリ及び複数のケージを含むこのラック・アセンブリ実施例は、上記で論じられた実施例と同一の特徴、寸法及び材料の幾つか若しくは全てを選択的に含み得る。図22は、相互に重ねて積層された3個のラック・モジュール212を備えるモジュール式のラック・アセンブリの実施例210を示している。該ラック・アセンブリの底部に対しては、4個の車輪を含むトロッコ・アセンブリ214が固着され、可動ラック・システムの実施例210を許容している。トロッコ・アセンブリ14は、上記ラック・システムのフレーム216に対し、又は、上記ラック・システム・アセンブリの他の任意で適切なモジュール若しくは部分に対して固着され得る。各ラック・モジュール212は、複数の棚部アセンブリ218及び対応する収容ケージ・アセンブリ20を収容すべく構成されると共に、各モジュール212が特注寸法に対して容易に寸法設定されることを許容する反復構造を有する構成要素から作成され得る。ラック・システム・アセンブリ210の幾つかの実施例は、略々2個の棚部及び対応するケージ・アセンブリから、略々100個の棚部及び対応するケージ・アセンブリまでを保持すべく構成され得る。通気は供給ブロワ224により提供され得ると共に、空気は、ブロワ・アセンブリ内に配設された選択的な混合ボックスに対して結合され得る排出ブロワ226を介して各ケージ・アセンブリから排出され得る。上記供給ブロワ及び排出ブロワは各々、ラック・アセンブリ210の頂部に示されたコントローラ230に対して、ハード結線、光ファイバ、無線送信などにより通信し得る。
【0102】
図23は、フレーム216を備えたラック・システム・モジュール212であって、垂直供給マニフォルド232と、垂直排出マニフォルド234と、マニフォルド232及び234の間に延在し且つこれらのマニフォルドに対して固着された4本の横方向の二重通路式の気体溜まり238とを含むラック・システム・モジュール212の一部分を示している。垂直供給マニフォルド232は、供給ブロワ・アセンブリ224に対して結合された内側通路240を有し、且つ、上記垂直排出マニフォルドは、排出ブロワ・アセンブリ226に対して結合された内側通路242を有している。垂直マニフォルド232及び234は、隣接する各ラック・モジュール212の対応マニフォルドに対して結合され且つそれらのマニフォルドと連通することで、ラック・システムの各マニフォルドに対する連続的な供給/排出通路を形成すべく構成され得る。各気体溜まり238は、各気体溜まりの丈に沿い延在する供給通路244及び別体的な排出通路246であって、隔壁248により各気体溜まりの全長に沿い相互から分離且つシールされた供給通路244及び別体的な排出通路246を有する。各気体溜まりは垂直マニフォルド232及び234の間に配設され且つそれらのマニフォルドに対して連通され、図26及び図27に示される如く、各気体溜まりの供給通路は、垂直供給マニフォルド232の内側通路240と連通し、且つ、各気体溜まり238の排出通路は、垂直排出マニフォルド234の内側通路242と連通する。各気体溜まり238の排出通路及び供給通路の固有の一貫した垂直位置によれば、各棚部アセンブリ218は、図27に示された第1及び第2の結合器252及び254に対して結合された夫々の供給管路及び排出管路であって、これらの結合器と連通する供給管路及び排出管路を有することも許容される。各気体溜まり238及びマニフォルド232及び234はいずれも、その丈に沿い、上記供給通路及び排出通路と連通する反復孔パターン256を以て略均一構成を有し得ると共に、図25に示された如く、任意の単位長さへと切断されて組立てられることで所望の個数の棚部アセンブリを収容し得る。
【0103】
幾つかの実施例において、棚部アセンブリ実施例218の各管路は(不図示の)夫々の計量ノズルに対して結合され得、その場合に(例えば、各計量ノズルにて測定された)空気圧は、約0.762水柱センチ)(約0.3水柱インチ)以上である。(例えば、各計量ノズルにて測定される)空気圧は、一定の場合には、約1.016水柱センチ(約0.4水柱インチ)以上、約1.27水柱センチ(約0.5水柱インチ)以上、約1.524水柱センチ(約0.6水柱インチ)以上、約1.778水柱センチ(約0.7水柱インチ)以上、約2.032水柱センチ(約0.8水柱インチ)以上、約2.286水柱センチ(約0.9水柱インチ)以上、又は、約2.54水柱センチ(約1.0水柱インチ)以上である。幾つかの実施例において、上記空気圧は約2.54水柱センチ〜約7.62水柱センチ(約1水柱インチ〜約3水柱インチ)とされ得、約5.08水柱センチ(約2水柱インチ)とされ得る。各計量ノズルにおいて供給される空気の圧力は、調節可能なバルブにより調整されないことが多く、且つ、多くの場合、その計量ノズルにより調整され得る。上記計量ノズルのオリフィス直径は多くの場合、約0.635cm(約0.25インチ)以下とされ得、一定の場合には約1.524cm〜約0.203cm(約0.06インチ〜約0.08インチ)である。一定の実施例において、ラックは、空気流又は空気圧のセンサを含む。該センサは一定の場合に、管材、管路、及び/又は、計量ノズルの内の1つ以上に対して接続され得る。
【0104】
図24を戻り参照すると、棚部アセンブリ実施例218は、ラック・アセンブリ210の完成されたラック・モジュール212の壁部分258に対して固着して示される。棚部アセンブリ218は、ネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤などの留め具により、壁部分258及び隣接する気体溜まり構造238の取付け孔262に対して固着され得る取付け孔を含んでいる。図25は、ラック・モジュール212の壁部分258又は表板における反復孔パターン256、及び、ラック・アセンブリ210の各棚部アセンブリ218及び対応する収容ケージ・アセンブリ20に対して通気を提供すべく下側に位置する気体溜まりアセンブリ238の拡大図を示している。図29は、例示目的でモジュール構造の残部を示さずに、ラック・アセンブリ・モジュール212の棚部アセンブリ218と壁部分258との間の接続部の後方破断斜視図を示している。棚部アセンブリ218の上記供給管路及び排出管路の後側吐出部分又は結合器252及び254は、ラック・モジュール212の壁部分258を貫通延在することで、吐出部分252及び254は、上記各管路と、図25に示される気体溜まりアセンブリ238の夫々の供給通路244及び排出通路246との間の連通を確立することが視認され得る。図29には、上記棚部アセンブリの(図32に示された)第1ノズル270と連通する(図36に示された)第1の円錐状差込口266と、棚部アセンブリ218の(図32に示された)対応第2ノズル272と連通する(図36に示された)第2の円錐状差込口268とを有する収容ケージ・アセンブリ20も示される。ノズル270及び272と差込口266及び268との夫々の第1及び第2の対は、供給通路ないし排出通路の役割を果たし得る。例えば、一実施例において、上記排出ノズルは図の部材270であり、且つ、上記供給ノズルは図の部材272である。別実施例において、上記排出ノズルは図の部材272であり、且つ、上記供給ノズルは図の部材270である。夫々の円錐状差込口266、268及びノズル270、272は相互に対して押圧されることで、残留偏向力により、解放可能なシール関係を形成し得る。上記残留偏向力は、ケージ蓋体132又は円錐状差込口66及び68と、夫々のノズル270、272との間である。収容ケージ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ218の静止的レール276上に着座する。レール276により支持されているフランジ部分82によれば、円錐状差込口266、268を備えるケージ蓋体132は、上記棚部アセンブリの頂部部分300の下側部に接触すること、特に、夫々のノズル66、68に接触することが許容される。円錐状差込口66、68と夫々のノズル66、68との間の斯かる接触は、蓋体132及び円錐状差込口66、68の残留偏向力に依るものである。上記残留偏向力によれば、各対の円錐状差込口とノズルとの間におけるシールが許容される。
【0105】
図28は、隣接する各棚部アセンブリ218内に配設された一対の隣接する収容ケージ20の前面図を示している。第1の棚部アセンブリ218は、フレーム216に対して固着されると共に、ケージ・アセンブリ20を受容して支持すべく構成される。第1の棚部アセンブリ218は、該棚部アセンブリ218のフレーム部材278の各側部上に略平行な2本の長手レール276を夫々有し、各レール276は、当該上側縁部280に対して係合された使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82の底部表面を受容すべく構成された上側縁部280(図30を参照)を有している。図28において視認され得る如く、個別的な各棚部アセンブリ218は、所定のケージ・アセンブリに対する一方のレール276を提供し、該棚部のフレーム部材278の逆側上に対置されたレール276は、隣接する棚部アセンブリ218により提供されるケージ・アセンブリに対するものである。隣接する棚部アセンブリ上のレール276もまた、第1のレールに対して略平行とされ得る。図28の左側に示される如く、複数の棚部アセンブリ218の端部列は、隣接する棚部アセンブリ218が無い箇所にてレール276を提供するために、左側にて特別なフレーム断片286を必要とする。
【0106】
各レール276は、棚部アセンブリ218の夫々の固定ノズル270、272に対するケージ蓋体132又は円錐状差込口66、68の偏向により、収容ケージ20の円錐状差込口に対する上向きの付勢力が生成される様に、静止的である。この上向きの付勢力は、棚部アセンブリ218の上部の夫々のノズル270及び272と、収容ケージ20の円錐状差込口66及び68との間のシールを確立する。該シールは、上記ケージ・アセンブリの各差込口と、上記マニフォルド/気体溜まりシステムの内側通路と連通する棚部アセンブリ218の第1管路292及び第2管路294とを通る空気の制御可能な流れを提供する。棚部アセンブリ218の各ノズルとケージ・アセンブリ20の各円錐状差込口との間における上記結合は、上記ケージ・アセンブリが上記棚部アセンブリ内へと完全に挿入されたときに、ケージ・アセンブリは、残留偏向に依る、棚部アセンブリの夫々のノズル内への円錐状差込口による力が克服されるまでは、取り外しに抗する如く、ケージ・アセンブリ20と棚部アセンブリ218との間における解放可能な機械的結合も生成し得る。棚部アセンブリと係合されたケージ20の幾つかの実施例を完全に引き出し若しくは係合解除するための最大力は、例えば、約0.45kg〜約4.53kg(約1ポンド〜約10ポンド)、又は、更に詳細には約0.91kg〜約3.62kg(約2ポンド〜約8ポンド)、又は、更に詳細には約1.36kg〜約2.72kg(約3ポンド〜約6ポンド)、又は、更に詳細には約1.81kg〜約2.27kg(約4ポンド〜約5ポンド)とされ得る。逆に、ケージ20の幾つかの実施例を棚部アセンブリに完全に係合させるために必要な最大力は、例えば、約0.45kg〜約4.53kg(約1ポンド〜約10ポンド)、又は、更に詳細には約0.91kg〜約3.62kg(約2ポンド〜約8ポンド)、又は、更に詳細には約1.36kg〜約2.72kg(約3ポンド〜約6ポンド)、又は、更に詳細には約0.45kg〜約4.53kg(約4ポンド〜約5ポンド)とされ得る。
【0107】
上記で論じられた如く、ケージ・アセンブリ20を支持すべく、静止的レール276が使用され得る。斯かるレール実施例276は付勢スプリングを含まないが、ケージ・アセンブリ20の蓋体実施例の本来的な弾性の使用により、スプリング付勢レールの結果と類似する結果を達成することが可能である。更に詳細には、ケージ・アセンブリ20の薄寸壁ポリマ蓋体の本来的な可撓性によれば、ノズル270及び272を該ケージ・アセンブリの円錐状差込口66及び68に対して解除可能に結合するに十分である弾性的な垂直偏向が可能とされ得る。斯かる実施例に対し、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ218のノズル270及び272から固定距離に配設された一対の略平行な静止的レールにより支持され得る。上記固定距離は、ケージ・アセンブリ20が棚部アセンブリ218内へと押し込まれるにつれて上記各円錐状差込口は弾性的に下方に付勢されると共に、該円錐状差込口が夫々のノズル270及び272に対して水平方向において整列されたときには上方向に弾性的に復帰する如く、選択され得る。斯かる実施例において、上記蓋体の材料種類、厚み及び構成は、円錐状差込口66及び68とノズル270及び272との間の適切なシールを達成するために所望量の弾性力を提供すべく選択され得る。幾つかの実施例に対し、各レール276の上側縁部又は表面80と、棚部アセンブリ218上のノズルと間の間隔は、差込口66及び68がノズル270及び272に対して一旦係合したなら、偏向された蓋体の上向き弾性力は、結合された構成に対して殆ど又は全く残留力が無い様に実質的に弛緩され得る如く選択され得る。
【0108】
ノズル270及び272は、ケージ・アセンブリ20の通気に対する、加圧気体の供給源、又は、負圧の供給源を提供する役割を果たし得る。負圧又は正圧の気体の上記供給源は、通気システムを含み得る。これにより、上記ケージ・アセンブリが使用されているときに、空気は、棚部アセンブリ218に対して結合されたケージ・アセンブリの基部の内部体積内へと下方に向けて、且つ、上記基部の底部に配設された床敷き材料に向けて又は該床敷き材料内へと流れることが許容され得る。ユーザは、蓋体132及びケージ基部の各ユニットを直接的に係合することにより該蓋体及びケージ基部をラック210から同時的に引張り得ると共に、上記蓋体132及びケージ基部は、蓋体132又は円錐状差込口66、68の弾性により、上記ラックの各ノズル270、272から自動的に係合解除される。
【0109】
幾つかの実施例に対し、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ218の固定ノズル270及び272に関してケージ・アセンブリ20の円錐状差込口66及び68の一定の移動及び調節を許容するために、横方向又は水平方向において実質的に無拘束的な嵌合を有すべく構成され得る。斯かる横方向の平行移動によれば、ノズル270及び272が夫々の円錐状差込口と完全に整列されない様に上記ケージ・アセンブリが各ノズルの下方に位置されたとしても、各ノズルは、ケージ・アセンブリ20の蓋体の夫々の円錐状差込口に対して結合され得る。この不完全な整列の状況は、大型で重い動物による更に大寸のケージ・アセンブリ20であって、斯かる整列を達成する上でケージ・アセンブリがラック・システムの棚部上で容易には摺動しないという状況において特に顕著であり得る。
【0110】
幾つかの実施例に対し、レール276は、長さが約12.7cm〜約38.1cm(約5インチ〜約15インチ)とされ得ると共に、ガラス充填ナイロンの如き種々の高強度の射出成形材料から作成され得る。上記棚部アセンブリのフレーム部材278は、アルミニウム、ステンレス鋼などの如き耐食性材料などの任意の適切な高強度材料から作成され得る。フレーム部材278はまた、該フレーム部材278の後側底部における取付け用スロット296であって、ネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤などの如き任意の適切な留め具により上記ラック・アセンブリの壁部分258に対して固着され得る取付け用スロット296も含んでいる。棚部アセンブリ218の頂部部分300は、任意の適切な留め具又は接着剤により棚部アセンブリ218のフレーム部材278に対して固着され得ると共に、同様に、ガラス充填ナイロンの如き高強度の射出成形材料から作成され得る。頂部部分300は棚部取付けフランジ302を含むと共に、該頂部部分は、供給管路又は排出管路のいずれかとして使用され得る第1及び第2のノズル270及び272及び第1及び第2の管路292及び294も収納する。頂部部分300はまた、ケージ20よりも長さが短く、又は、ケージ20と同一長さであり、又は、ケージ20よりも長寸とされ得る。
【0111】
図30乃至図35は、棚部アセンブリ218の実施例を更に詳細に示している。特に図32は、頂部部分300へと型成形された第1管路292及び第2管路294を示しており、該管路292及び294は、頂部部分300の後側における夫々の第1及び第2の管路結合器252及び254から、頂部部分300の底部に向けて配設された夫々の第1及び第2のノズル270及び272まで延在する。第1及び第2のノズル270及び272は夫々、各々がノズルの開口に配設され且つ夫々の保持器プレートにより所定位置に保持される第1弾性シール304及び第2弾性シール306を含んでいる。環状の又は円筒状の弾性シール304及び306は、嵌合するノズル270及び272と、ケージ・アセンブリ20の円錐状差込口66及び68との間の気密シールを促進する弾性ポリマで作成され得る。棚部アセンブリ218の頂部部分300は、略平滑で平坦な頂面と、該頂部部分300の内部構造の輪郭も表す波形の底部表面とを有する。頂部部分300はまた、該頂部部分300の周囲回りに延在する縁部又は唇部308と、該頂部部分300の底部表面上に格子を形成する図32に示された強化リブ310のネットワークとを含んでもいる。頂部部分300の後側における取付けフランジ302もまた、上記頂部部分構造内に型成形される。周縁部108と強化リブ310とを含む上記型成形構造は、棚部アセンブリ218の頂部部分300が、高度の均一性及び強度を維持し乍ら、低コストで射出成形されることを許容する。
【0112】
図22に示された如く、ラック・システム実施例210は、ブロワ・アセンブリと一個以上のセンサ340(図32参照)とに対して結合され得るコントローラ実施例230を含んでいる。図27に示された気体溜まり238の供給及び排出通路244及び246内、図32に示された棚部アセンブリ218の管路292及び294内、図15に示されたケージ・アセンブリ220の内部体積内、又は、ラック・アセンブリ210における他の任意で適切な位置に、任意の所望の単一又は複数のセンサ340が配設され得る。各センサ340は、ラック・システム210により支持された個別的な各ケージ220内の状態を監視すべく使用され得る種々の構成又は形式の内の任意の構成又は形式を含む。コントローラ230により各センサ340(図32参照)又は他の情報源から獲得されたデータは、該コントローラ内、又は、上記システムの他の任意で適切な箇所に配設された演算システムにより処理されてから、好適な視覚的表示形態にてグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示され得る。
【0113】
幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースは、所定のラック・システム210により支持された各収容ケージ220に対するアイコンなどを同時的に表示し得る。幾つかの実施例に対し、へグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示された各アイコンは、上記ラック・システムの実際の各ケージの構成に対応する構成で、画面上に位置され得る。換言すると、実験室作業員が上記ラック・システム上の各ケージの内の任意のケージの状況を即時に直感的に評価し得る如く、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースの画面上には、実際のラック・システムの側面の前面図の複写物が表示され得る。幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースのケージ・アイコンは色コード化表示を使用することで、ケージ状況情報を実験室作業員に対して効率的且つ迅速に伝え得る。例えば、パラメータが監視且つ処理されると共に、該パラメータが、使い捨て可能なケージを新たな未使用のケージに交換する適切な時期の決定に関連するなら、必要な交換が近いことを表すアイコン色が使用され得る。アイコン色が緑色であれば、交換は不要であり、アイコン色が黄色であれば、交換がすぐに必要となり得、且つ、赤色のアイコンは、即時のケージ交換に対する必要性を表すべく使用され得る。
【0114】
遠隔センサ340又は他の手段により各ケージの内部において監視され得るケージ状況パラメータの幾つかとしては、ウィルス又は細菌の存在又はレベル、アンモニアのレベル、二酸化炭素のレベル、一酸化炭素のレベル、湿気のレベル、空気圧のレベルなどが挙げられる。監視され得る他のパラメータとしては、各ケージ内の動物の総重量、各ケージ内の動物の身体活動度、又は、各ケージ内の動物の他の挙動若しくは動態が挙げられる。幾つかの実施例に対し、測定データを提供することで上記のパラメータの内の1つ以上を決定すべく構成され得るセンサ140、340(図15参照)は、各ケージ内に配設され得るが、上記棚部アセンブリの管路、又は、該棚部アセンブリの近傍の気体溜まり内にも配設され得る。各センサ140、340はまた、センサの読取値データが処理されてグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示され得る様に、コントローラ230に対してセンサの読取値を通信すべく、上記コントローラに対しても作用的に連結され得る。
【0115】
図36乃至図39は、静止的レール276を備えたラック・アセンブリの棚部アセンブリ218内へと摺動される収容ケージ・アセンブリ20を示している。図36乃至図39に関し、これらの図は、動作の例証を目的として、ノズル272、ケージ円錐状差込口68、及び、傾斜部350を示している。これらの図においては、1つ以上のノズル、円錐状差込口又は傾斜部は描かれないが、これらの図における部材に関する全ての参照は、不図示の類似の又は同一の部材に対して当てはまる。
【0116】
図36は、静止的レール276により支持され、棚部アセンブリ218内へと摺動されつつあるケージ20を示しており、その場合にケージ蓋体132及びケージ円錐状通気差込口68は頂部部分300により最小限に偏向されている。図37は、棚部アセンブリ218内へと更に係合されつつあるケージ20を示しており、ケージ蓋体132、ケージ円錐68及びケージ・フランジ部分82に対しては、棚部アセンブリ218の頂部部分300による円錐状差込口68の下方変位により、最大偏向力が付与されている。図37に見られる如く、蓋体132が下方向に変位されるにつれ、ケージ円錐状差込口68は下降される。図38A、図38C及び図38Dは、下方屈曲方向に偏向されることで、棚部アセンブリ218の頂部部分300の底部側におけるノズル272の外縁部に対する隙間を与えている円錐状差込口68を示している。図38Cは、図37の囲み部分38Aにより表された図37のラック・モジュールの一部分の更なる破断図である。図38Cは、ノズル272の外縁部に関する円錐状差込口68の隙間に対するケージ蓋体132の下方偏向を更に描いている。
【0117】
ノズル272の傾斜部350は、上記棚部アセンブリ内へのケージの挿入の間において、円錐状差込口68が傾斜部350の上部から該傾斜部350に接触し且つ傾斜部350の最下部分に向けて該傾斜部に沿い押圧されるにつれ、円錐状差込口68は、該円錐状差込口68が上記蓋体内へと下方に押圧され且つ矢印B及びCにより表される変位量だけ変位される如く、円錐状差込口68を偏向させるべく構成される。図面項目Eである傾斜部角度は、頂部部分300又はレール276のいずれかに対して平行である水平面に対して形成される傾斜部350の角度である。傾斜部角度Eは、ケージ挿入の間において円錐状差込口68又は蓋体132が遭遇し得る係合の時間及び力に影響し得る。例えば、傾斜部角度Eが比較的に大きければ、上記傾斜部と円錐状差込口との間における最大偏向力が生ずる時間及び係合距離は、更に小さな傾斜部角度に対する値と比較して、短くされ得る。更に小さな傾斜部角度に対し、ケージ挿入の間において接触が一旦行われたときの最大偏向に対する係合の時間及び距離は更に大きいが、必要とされる係合力は小さくされ得る。幾つかの実施例に対する傾斜部角度Eは、例えば、約10°〜約70°、更に詳細には、約20°〜約40°であり得る。
【0118】
図38Bは、当該ケージ・アセンブリは棚部アセンブリ218内に係合されておらず、且つ、ケージ蓋体132又は円錐状差込口68の偏向が無い、ケージ・アセンブリを示している。但し、地球の重力によりケージ20の蓋体に及ぼされている最小限の力又は偏向力が在り得ることを銘記すべきである。ケージ20が棚部アセンブリ218内に挿入され且つ円錐状差込口68が棚部アセンブリ218の頂部部分300により変位されつつあるとき、円錐状差込口68又は蓋体132は、(図38Bにおいて点線Aにより示された、蓋体の非偏向状態からの)最小力から始まり、最大の係合力に至る所定範囲の力に遭遇する。上記最大係合力とは、ユーザがケージを棚部アセンブリ内へと更に押し込み続けるために必要な最大量の力を指している。上記最大係合力はまた、ケージ20が最大量の摩擦に遭遇した状況も指し得る。上記最大係合力はまた、最大偏向力が生ずるのと略々同時にも生じ得る。上記最大係合力はまた、当該力の方向が、上記ラック・アセンブリの壁部258に対して直交する方向、又は、棚部アセンブリ218のレール276と同一方向、又は、水平方向である力も指し得る。頂部部分300により上記円錐状差込口上へと最大量の力が及ぼされるとき、円錐状差込口68又は蓋体132は、最大偏向力に到達している。
【0119】
幾つかの実施例において、頂部部分300の最下突出部、又は、頂部部分300に対して接続された最下部材により上記円錐状差込口に対して最大量の力が及ぼされるとき、円錐状差込口68又は蓋体132は、最大偏向力に到達している。斯かる部材としては、例えば、コネクタ、ガスケット、バルブ、ナット、ボルト、フレーム、レール、センサ、結合器、フランジ、シール、縁部又は唇部、リブ、軌道、チャネル、スプリング、スロット、気体溜まり、又は、本明細書中に記述された上記ラック・アセンブリの任意の斯かる構成要素が挙げられる。上記棚部アセンブリ内への上記ケージの押し込みを継続するために、円錐状差込口68が頂部部分300を通り抜けて、非偏向状態に向けて上方向に戻り偏向することで、円錐状差込口68とノズル272との間の適切なシールを達成する様に、上記最大偏向力は克服される必要がある。図38Cは、最大係合力が生じたときの円錐状差込口68における蓋体132の最大偏向を示している。上記蓋体による最大量の偏向は、矢印BとCとの間に示される。図38Dにおいて、上記蓋体に対する最大偏向力は図面項目Dにより示される。
【0120】
図39は、棚部アセンブリ218内へのケージ・アセンブリ20の係合を示している。図39は、ラック・システム内へと完全に挿入されたケージ・アセンブリの側面図であり、その場合、円錐状差込口68とノズル272との間の適切なシールを達成するために、円錐状差込口68は、ノズル272内に隙間を有すると共に、所望量の弾性力を提供する。この弾性力はまた、蓋体132又は円錐状差込口68がノズル272に対して力を及ぼしている場合の残留偏向力を指しており、その場合に弾性力は、蓋体132又は円錐状差込口68の非偏向状態において生成される力と、最大偏向力との間の大きさを有する。非偏向状態において蓋体132又は円錐状差込口68は、例えば図39Aの図面項目Aにより表され得る。最大偏向における蓋体132又は円錐状差込口68は、例えば図38Dの図面項目Dにより表され得る。図39Aにおける実施例に対する係合の残留偏向力は、基準測量点Aと蓋体132の頂面との間の分離距離により表される上記蓋体の残留偏向から帰着する。幾つかの実施例に対し、上記蓋体の残留偏向は、約0cm〜約0.254cm(約0インチ〜約0.1インチ)、更に詳細には、約0.0254cm〜約0.1524cm(約0.01インチ〜約0.06インチ)であり得る。円錐68とノズル272との間の適切なシールは、図32を参照しての弾性シール304、306、又は、任意の類似の構成要素の如き、選択的な構成要素によっても支援され得る。これらの力に対して弾性的であるケージ及び蓋体の他の実施例もまた、上記ラック・アセンブリ内において使用され得る。
【0121】
ケージを、該ケージが棚部アセンブリ内に完全に固着される箇所まで、棚部アセンブリ内へと適切に摺動して挿入(又は、それから取出す)ために、上記ケージ、ケージ蓋体、フランジ部分、円錐状差込口、又は、それらの任意の組み合わせに対して一定量の力又は圧力が及ぼされる必要がある。上記ケージ構成要素の内の任意の構成要素に対して及ぼされる圧力又は力は、上記棚部アセンブリの任意の構成要素から到来し得るか、逆も同様である。これらの圧力又は力は、例えば湿度などの環境要因、又は、例えば塵埃などの汚染物質、又は、材料の耐久性、又は、上記頂部部分の長さ、又は、非偏向状態から下方へと上記蓋体が偏向される上記円錐状差込口の高さ、又は、上記レールの長さ、又は、斯かる他の要因、又は、それらの組み合わせの如き、他の要因により、増大若しくは減少することもある。幾つかの実施例に対し、収容ケージを棚部アセンブリ内へと押し入れるための係合力は、数式により計算され得る。斯かる数式の例としては、以下のものが挙げられる:
F=(((3EJy)/(I3cosθ))2+((3EJy)/(I3sinθ))2)1/2
式中、Fは係合力であり、Eは収容ケージの蓋体材料の弾性率であり、Jはケージ蓋体の幾何学形状に基づく面積慣性モーメントであり、Iはケージ蓋体の名目的表面の主要横方向長であり、yは差込口の高さであり、且つ、θは棚部アセンブリの傾斜部角度である。面積慣性モーメントJはまた、幾つかの実施例に対し、J=(πy4)/8としても表現され得る。システム実施例に対する斯かる数式の適用の特定例としては、約2.81kg(約6.2ポンド)に等しい係合力Fが挙げられ、その場合、Eは約30042kg/cm2(約427861ポンド/平方インチ)であり、Jは約0.01in4であり、Iは約31.5cm(約12.4インチ)であり、yは約1.016cm(約0.4インチ)であり、傾斜部角度であるθは約30°である。斯かる例に対し、本明細書において論じられた変数又は値の任意の適切な又は対応する範囲は、単独で、又は、他の開示された範囲との任意の組合せで、与えられた複数の値の内の任意の値に対して証明され得る。
【0122】
ケージを棚部アセンブリへと摺動して出し入れするために必要とされる力は、少なくとも、最大係合力、最大偏向力、及び、残留偏向力、又は、それらの任意の組み合わせと関係があり、又は、それらの影響を受け得る。上記で論じられた如く、最大係合力は、例えば、約0.45kg〜約4.53kg(約1ポンド〜約10ポンド)、又は、更に詳細には約0.91kg〜約3.62kg(約2ポンド〜約8ポンド)、又は、更に詳細には約1.36kg〜約2.72kg(約3ポンド〜約6ポンド)、又は、更に詳細には約1.81kg〜約2.27kg(約4ポンド〜約5ポンド)とされ得る。幾つかの実施例に対し、最大偏向力は、例えば、約0.45kg〜約6.80kg(約1ポンド〜約15ポンド)、又は、更に詳細には約0.91kg〜約4.53kg(約2ポンド〜約10ポンド)、又は、更に詳細には約1.36kg〜約3.62kg(約3ポンド〜約8ポンド)、又は、更に詳細には約1.81kg〜約3.17kg(約4ポンド〜約7ポンド)とされ得る。幾つかの実施例に対し、残留偏向力は、例えば、約0.05kg〜約2.27kg(約0.1ポンド〜約5ポンド)、又は、更に詳細には約0.23kg〜約1.18kg(約0.5ポンド〜約4ポンド)、又は、更に詳細には約0.32kg〜約1.36kg(約0.7ポンド〜約3ポンド)、又は、更に詳細には約0.45kg〜約0.91kg(約1ポンド〜約2ポンド)とされ得る。幾つかの実施例に対し、図38Cにおいて矢印BとCとの間に示された如く、上記蓋体と、その上に配設された差込口とによる偏向の最大量は、例えば、約1mm〜約25mm、又は、更に詳細には約2mm〜約10mm、又は、更に詳細には約4mm〜約8mm、又は、更に詳細には約5mm〜約7mmとされ得る。幾つかの実施例に対し、上記棚部アセンブリの頂部部分上の傾斜部350の長さは、例えば、約1.27cm〜約6.35cm(約0.5インチ〜約2.5インチ)、更に詳細には約2.54cm〜約5.08cm(約1インチ〜約2インチ)とされ得る。幾つかの実施例に対し、1つの差込口の近傍である蓋体部分の名目的頂面の上方における円錐状差込口の高さは、例えば、約0.254cm〜約3.81cm(約0.1インチ〜約1.5インチ)、更に詳細には約0.508cm〜約2.54cm(約0.2インチ〜約1.0インチ)とされ得る。
【0123】
図40乃至図45は、上記ラック・システムのブロワ・アセンブリ160を示している。図22に示された如く、上記ブロワ・アセンブリは、供給ブロワ224又は排出ブロワ224のいずれかとして、上記ラック・システムの頂部上に見出され得る。供給ブロワ224は、高圧のブロワから成ると共に、少なくとも1つの横方向の二重通路式マニフォルドの供給通路に対して高圧空気又は正圧を提供する。排出ブロワ226は、高真空のブロワから成ると共に、少なくとも1つの横方向の二重通路式マニフォルドの排出通路に対して高真空又は負圧を提供する。図41は、図40のブロワ・アセンブリ160の頂部破断図であり、該アセンブリは、互換的である水平な頂部部分と水平な底部部分とを有する射出成形ケース150であって、電子機器パネル152、空気フィルタ154、1つ以上の電気ファン156、ブロワ・インタフェース158、及び、ハウジング・ユニットを備えて成る射出成形ケース150を備えて成る。ブロワ・アセンブリ160は、各電子ファン156が、供給通路内へと高圧空気を提供するか若しくは該通路内へと空気を付勢する如く配向されるのか、又は、排出通路に対して高真空を提供するか若しくは該通路から空気を外方に付勢する如く配向されるのかに依存して、供給ブロワ224若しくは排出ブロワ224とされ得る。図42は、両面式ラック用の排出ブロワに対するブロワ・アセンブリの頂部破断図である。図43は、両面式ラック用の供給ブロワに対するブロワ・アセンブリの頂部破断図である。図44は、片面式ラック用の排出ブロワに対するブロワ・アセンブリの頂部破断図である。図45は、両面式ラック用の供給ブロワに対するブロワ・アセンブリの頂部破断図である。片面上にのみ複数のケージ・アセンブリを支持するラック・アセンブリは、片面式ラックと称される。図22に示された如く、両側上にケージ・アセンブリを支持するラック・アセンブリは、両面式ラックと称される。ブロワ・アセンブリ160が排出ブロワであるか供給ブロワであるかに依存し、且つ、ラック・アセンブリが片面式アセンブリであるか両面式アセンブリであるかに依存し、図42乃至図45に見られる如く、ブロワ・アセンブリ160内においてブロワ・インタフェース158が何処に配置されるかが定められ得る。ブロワの縁部の上に張り出す突出タブであるブロワ・インタフェース158は少なくとも2つの機能を果たし得る、と言うのも、それは上記ラック・アセンブリとブロワ・アセンブリとの間のインタフェースとして作用すると共に、それは、上記ブロワ・アセンブリを上記ラック・アセンブリに対してシール又は繋止するからである。
【0124】
図46は、収容ケージ状況に関する情報を維持管理するコントローラ230のシステム・アーキテクチャを示している。ラックに対するサーバ、ローカル・サーバ及びメイン・サーバの3つのレベルのサーバは各々、単独で、又は、相互に組み合わされて作用し得る。図46は、各々が、自身のラック・サーバ(RS)、コントローラ30、及び、1つ以上のケージ・アセンブリを有する2つのラック・システムの例を示している。図47は、ラック、すなわちラック番号236に関する情報、すなわち、ACH、DIFF PRES割合、警告ポップアップ・ウィンドウ、及び、ポップアップ・メニューを示す、コントローラに対するグラフィック・ユーザ・インタフェース実施例の一画面を示しており、上記ポップアップ・メニューにおいては、日付、時刻、警報設定、表示設定/スケジュール、及び、背景カスタマイズの如き設定が更新され得る。他の特徴としては、パスワード保護、メッセージ、メニューなどが挙げられる。上記コントローラはまた、インターネット又は他の無線デバイスに対する無線アクセスなどの如き特徴も有し得る。上記コントローラはまた、ビデオ及びオーディオ機能、及び、緊急事態、警報、警告に応じて、又は、催促として、特定の電話機に対する自動音声メッセージ、又は、電子メール、ファックスなどを送信する如き自動的な特徴をサポートし得る。上記コントローラのデータ記憶装置内には、上記コントローラにアクセスした対象者の電子ログ、すなわち、時刻、持続時間、及び、実施された操作、及び、センサ140、340により監視された情報が記憶され得る。上記ディスプレイはまた、タッチスクリーン、及び、該スクリーン上に表示された仮想キーボード、又は、上記デバイスの一部としての手動式キーボードも含み得る。各ラックに対する上記コントローラはまた、ラック・サーバに対して直接接続若しくは無線接続もされ得る。このラック・サーバは、ラック内の全てのケージに対するスケジュールを連携調整し、メンテナンスを管理し、全てのセンサを監視し、且つ、個別的なコントローラの表示と類似するユーザ・フレンドリな表示を通して全ての情報を処理し得る。
【0125】
図48乃至図51は、ラック・サーバからのグラフィック・ユーザ・インタフェース実施例を示している。図48においてディスプレイは、毎時空気転換量“ACH”の値60を示しており、これは画面上の上向き及び下向き矢印を切替えることにより調節され得る。上記ケージ・アセンブリの内部が、周囲雰囲気に関して正味で正圧を有するのか負圧を有するのかを表す、供給管路と排出管路との間の差圧もまた、“DIFF PRES”として表示され得る。該“DIFF PRES”表示はまた、上向き及び下向き矢印であって、一旦選択されたなら、各ケージ・アセンブリ内に正の又は負の内部圧力を達成すべく相対圧力を調節する上向き及び下向き矢印も含んでいる。日付、時刻、及び他の情報もまた、実験室作業員による参照のために示され得る。幾つかのコントローラの実施例に対し、該コントローラのパラメータ及び出力に対する種々のレベルのアクセスは、パスコードを要求することにより制御され得る。上記コントローラのデータ記憶装置内には、上記コントローラにアクセスした対象者の電子ログ、すなわち、時刻、持続時間、及び、実施された操作、並びに、センサ140、340により監視された情報が記憶され得る。上記ディスプレイはまた、タッチスクリーン、及び、該スクリーン上に表示された仮想キーボード、又は、上記デバイスの一部としての手動式キーボードも含み得る。図49は、通し番号、説明、ACH及び差圧(DP)レベル(実際レベル及び目標レベル)、状況、設定、データ、及び、メンテナンスのための色コードを備えた、各ラックのリストを示している。図50は、特定のラック番号、すなわちラック番号1に対するラック設定を、設定内容、説明、記憶値、最終更新日、目標値、現在値、新たな目標値、ラック状況、新たな値の記憶オプション、獣医警報の設定オプション、及び、完了又は終了オプションの如き情報により示している。図51は、直前の5分間、直前の1時間、直前の6時間、直前の12時間、昨日、先週、先月、全てなどの履歴に対する、形式(すなわちACH又はDP)に関する情報、すなわち、値、時刻、及び、参照番号を含み得る、各ラック、すなわちラック番号1のスケジュール又は履歴を示している。
【0126】
上記ラック・システムは、(図46に示された如く)ハードウェア又は無線接続のいずれかにより、ローカル・サーバ(LS)に対して接続され得る。ローカル・サーバ(LS)は、幾つかの機能を提供し得るか、又は、付加的な機能を有すべくプログラム可能とされ得る。上記ローカル・サーバは、フラッシュ・インタフェースの如き所定形式のユーザ・インタフェースを提供し、1つ以上のラック・システムと通信し、メイン・サーバから更新内容を検索読取し、警報を送信又は生成し、包括的状況を上記メイン・サーバに対して報告し、ウェブ・サーバ及びローカル・データベースとして機能し、且つ、個別的なラック・サーバに対してバックアップを提供し得る。上記ローカル・サーバはまた、タブレット式のパーソナルコンピュータの如きユーザ・フレンドリな携帯デバイスであって、ラック・システム内の各ケージに関するメンテナンスを実施し乍らユーザにより携帯されて容易にアクセスされ得る携帯デバイスに対し、直接的に接続されるか、又は、無線で接続され得る。斯かる特徴は、ケージ毎の業務の経過記録を維持し、又は、情報を上記データベース内へと更新するために、使用の簡便さを提供する。上記ローカル・サーバは、ラックの設定及び経過記録の維持管理を監視するプログラム可能なプロセッサであって、上記情報を、上記タブレットPC上で視認され得る棒グラフの如きグラフィック表示へとエクスポートするプロセッサを有し得る。上記メイン・サーバ(例えば、イノビーブ・サーバ(Innovive Server)、IS)は、各サーバに対し、更新内容を送信し、又は、プログラム若しくは機能を維持するために、ローカル・サーバと無線通信し得る。上記メイン・サーバはまた、サイト全体の状況を種々の箇所に関して収集し、ホスト・ネットワークに対して提供しても良い。上記メイン・サーバはまた、ウェブ・サーバとして作用し、必要性が生じたときに顧客サポートを提供し、バックアップ・データベースを維持しても良い。ラック・システムは、ローカル・サーバ又はメイン・サーバを使用する必要はなく、自己充足式ともされ得る。別実施例においては、1つ以上のラック・アセンブリが、一台のみのローカル・サーバを使用しても良い。更に別の実施例において、ラック・システムは、ローカル・サーバなしでメイン・サーバのみを使用しても良い。システム・アーキテクチャの任意の組合せが可能である。
【0127】
これにより、本明細書において言及された各特許、特許出願、公報及び文献は、言及したことにより援用される。上記の特許、特許出願、公報及び文献を引用したことは、それらの内のいずれかが適切な先行技術であることの是認ではなく、これらの公報又は文献の内容又は日付に関する何らかの是認を構成するものでもない。上記内容に対しては、本明細書において論じられた本発明の実施例の基本的見地から逸脱せずに、改変が為され得る。1つ以上の特定実施例に関して相当な詳細が記述されてきたが、本出願において詳細に開示された実施例に対しては変更が為され得ると共に、これらの改変及び改善は、本発明の各実施例の有効範囲及び精神の範囲内であり得る。
【0128】
本明細書において例示的に記述された各実施例は、本明細書において詳細には開示されない任意の単一又は複数の要素が無くても適切に実施され得る。故に、例えば、本明細書における夫々の場合において、“備えて成る”、“本質的に、〜から成る”、及び、“から成る”という語句の内の任意の語句は、他の2つの語句のいずれかと置き換えられ得る。採用された語句及び表現は説明のための語句であって制限的でなく、且つ、斯かる語句及び表現の使用は、示されて記述された特徴又はその一部分の一切の均等物を除外するものでなく、権利請求された発明の有効範囲内において種々の改変が可能である。また、複数の要素の内の1つの要素又は該複数の要素の内の1つ以上の要素のいずれが記述されているかが文脈的に明確でなければ、“a”又は“an”という語句は、それが修飾する要素の内の1つ又は複数の要素を指し得る(例えば、“a device”は1つ以上のデバイスを意味し得る)。本明細書において使用される“約”という語句は、基礎となるパラメータの10%以内(すなわち、±10%)となることもある値、基礎となるパラメータの5%以内(すなわち、±5%)となることもある値、基礎となるパラメータの2.5%以内(すなわち、±2.5%)となることもある値、又は、基礎となるパラメータの1%以内(すなわち、±1%)となることもある値を指しており、且つ、一定の場合には、変動のないパラメータを指している。例えば、“約100グラム”の重量は、90グラム〜110グラムの重量を包含し得る。故に、本発明は代表的実施例及び選択的特徴により具体的に開示されてきたが、当業者であれば、本明細書中に開示された概念の改変及び変更を行い得ると共に、斯かる改変及び変更は本発明の有効範囲内と考えられることを理解すべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜産の分野、及び、動物の収容法に関する。
関連出願
本出願は、“畜産用のラック・システム及び監視方法”と称されると共にDee L. Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1008−PVが付与されて2008年11月7日に出願された米国仮特許出願第61/112,588号の優先権を主張するものであり、その全体が言及したことにより本明細書中に援用される。
本出願はまた、“畜産用の引出しケージ・システム及び構成要素”と称されると共にDee L. Conger、Thomas M. Perazzo、Francesca McGuffie及びMatthew D. d’Artenayを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1005−PVが付与されて2007年4月11日に出願された米国仮特許出願第60/911,271号、及び、“畜産用の引出しケージ”と称されると共にDee L. Conger及びThomas M. Perazzoを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1005−PV2が付与されて2007年10月12日に出願された米国仮特許出願第60/979,721号にも関連しており、両件ともに、それらの全体が言及したことにより本明細書中に援用される。本出願はまた、いずれもが“動物収容システム及び構成要素”と称されると共にThomas Perazzo及びDee Congerを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PV、INO−1001−PV2及びINO−1001−PV3が付与されて2004年12月13日、2005年6月14日及び2005年9月16日に出願された米国仮特許出願第60/635,756号、第60/690,811号及び第60/717,826号にも関連している。本出願はまた、“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共に各々がThomas Perazzo及びDee Congerを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PV4及びINO−1001−PV5が付与されて2005年11月7日に出願された米国仮特許出願第60/734,229号及び第60/734,189号にも関連している。本出願はまた、“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PV6が付与されて2006年6月12日に出願された米国仮特許出願第60/804,554号にも関連している。本出願はまた、夫々が“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PV7及びINO−1001−PV8が付与されて2006年8月17日及び2006年8月18日に出願された米国仮特許出願第60/822,755号及び第60/822,914号にも関連している。本出願はまた、各々が“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−UT、INO−1001−PC、INO−1001−UT2及びINO−1001−PC2が付与されて2005年12月13日に出願された米国特許出願第11/300,664号、2005年12月13日に出願された国際特許出願第PCT/US2005/044977号、2006年6月13日に出願された米国特許出願第11/423,949号、及び、国際特許出願PCT/US2006/023038号と、“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee L. Conger、Thomas M. Perazzo、Matthew D. d’Artenay及びFrancesca McGuffieを発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−PC3が付与されて2007年8月17日に出願された国際特許出願PCT/US2007/018255号とにも関連している。上述の特許出願の各々は、言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
動物の搬送、繁殖及び維持管理の如き種々の用途においては、動物収容システムが利用される。上記システム内に収容される動物は多くの場合、齧歯動物(げっしどうぶつ)(rodent)の如き実験動物であり、斯かる動物は飼育器内に収容されることが多い。収容システムは、動物が収納される動物用ケージと、各ケージが取付けられるラック・ユニットとを含み得る。斯かるシステム内に収容された動物は、数種類の気体状及び粒子状の汚染物質を放出するが、これらは、収納された動物と、上記システムを維持管理する作業員とに対する健康上のリスクである。概略的に、永続的に又は複数回使用されるケージは複数回の使用に対して設計され、このことは、例えば特に優良実験室手順(GLP)を実施する施設などの動物収容施設において、各ケージが2年以上に亙り略々毎週、洗浄且つ殺菌されることを必要とする。複数回使用ケージは概略的に、高重量であると共に比較的に厚寸の壁部を有し、且つ、各構成要素は多くの場合、複数回の洗浄及び殺菌に耐え得る弾性材料から構成される。斯かるケージは、動物を更に効率的に収納するために、複数のケージを保持するラック内に配設され得るが、清浄化及び他の維持管理作業を実施するために斯かるラックから各ケージを取出すことは不便であり得る。
【0003】
典型的な複数回使用の動物収容システムのこれらの見地の故に、動物を収容するための資源の相当の部分は、複数回使用の構成要素の洗浄及び殺菌に対して必要とされる。複数回使用ケージの設計態様はまた、汚染された空気フィルタを取扱うことの必要性、あるいは、例えば、(例えばケージがユーザにより落とされ又はケージが高所から落下するなどのように)ケージが地面に衝当したときにおける環境に対するケージ構成要素の露出の如き、汚染に関する不都合を呈することもあり、このことは特に、高度の生物学的安全性レベルに在る動物施設における動物の取扱いに影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,571,738号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第11/300,664号明細書
【特許文献3】国際特許出願第PCT/US2005/044977号
【特許文献4】米国特許出願公開第11/423,949号明細書
【特許文献5】国際特許出願第PCT/US2006/023038号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
故に、必要とされるのは、各ケージの定期的な洗浄に対する必要性を排除する動物収容ケージ及びシステムであって、収容された動物に対して安全で健康的な環境を提供すると共に、選択的には、限られたスペース内に多数の動物を収納する効率的な手段を提供する動物収容ケージ及びシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書においては、実験室作業員による洗浄及び殺菌を必要としない使い捨て可能な単回使用のケージを含み得る動物収容システムが提供される。該動物収容システム及び構成要素は、例えば研究及び繁殖のために動物を収容するために使用され得る。斯かるシステムのケージ・アセンブリは多くの場合、ポリマから構成された比較的に薄寸の壁部を含んでいる。本明細書において論じられるケージ実施例の特徴は、収容された動物が比較的に薄寸のポリマ材料を破損する可能性を(例えば囓り破損)を実質的に低減又は回避し得る。更に厚寸で剛直な複数回使用ケージと比較して、単回使用ケージの少ない重量及び相対的な可撓性によれば、ユーザによるケージの偶発的な落下による衝撃、又は、他の衝撃時において破断若しくは分解しにくいケージが提供される。幾つかのケージ実施例、及び、その関連構成要素もまた効率的に組重ねられることから、必要とされる貯蔵スペースを好適に低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ラック・システムの斜視図である。
【図2】図1のラック・システムのラック・モジュールのフレーム/マニフォルド・アセンブリの斜視図である。
【図3】図2のモジュールの斜視図であり、ラックのモジュールの壁部分には棚部アセンブリが固着されている。
【図4】図3における囲み部分4により表される図3のラック・モジュールの一部分の拡大破断図である。
【図5】図3のラック・モジュールの断面図である。
【図6】図5において示されたラック・モジュールの囲み部分6の拡大図である。
【図7】夫々のケージ・アセンブリが内部に配設された図1のラック・システムの隣り合う2つの棚部アセンブリを示す図である。
【図8】棚部アセンブリとラック・アセンブリの表板との間の結合部の後方斜視図である。
【図9】棚部アセンブリの斜視図である。
【図10】図9の棚部アセンブリの側面図であり、棚部アセンブリのスプリング負荷レールは断面で示される。
【図11】図9の棚部アセンブリの底面図である。
【図12】図9の棚部アセンブリの前面図である。
【図13】図9の棚部アセンブリの側面図である。
【図14】図9の棚部アセンブリの平面図である。
【図15】図1のラック・システムと共に使用されるに適したケージ・アセンブリの斜視図である。
【図16】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図17】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図18】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図19】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図20】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図21】図1のラック・システムのコントローラの概略的な各画面を示す図である。
【図22】ラック・システムの一実施例の斜視図である。
【図23】図22のラック・システムのラック・モジュールのフレーム/マニフォルド・アセンブリの斜視図である。
【図24】図23のモジュールの斜視図であり、ラックのモジュールの壁部分には棚部アセンブリが固着されている。
【図25】図24における囲み部分25により表される図24のラック・モジュールの一部分の拡大破断図である。
【図26】図24のラック・モジュールの断面図である。
【図27】図26において示されたラック・モジュールの囲み部分27の拡大図である。
【図28】夫々のケージ・アセンブリが内部に配設された図22のラック・システムの隣り合う2つの棚部アセンブリを示す図である。
【図29】図28の棚部アセンブリとラック・アセンブリの表板との間の結合部の後方斜視図である。
【図30】棚部アセンブリの別実施例の斜視図である。
【図31】図30の棚部アセンブリの側面図である。
【図32】図30の棚部アセンブリの底面図である。
【図33】図30の棚部アセンブリの前面図である。
【図34】図30の棚部アセンブリの側面図である。
【図35】図30の棚部アセンブリの平面図である。
【図36】ラック・システムの棚部アセンブリ内に係合されたケージ・アセンブリを示す図である。
【図37】上記棚部アセンブリの頂部部分からの係合力に遭遇しているケージの側面図である。
【図38A】図37において囲み部分38Aにより表された図37の棚部アセンブリ及びケージの一部分の拡大破断図である。
【図38B】ケージ・アセンブリがラック・モジュールに係合されておらず、ケージ蓋体の偏向が無い図36のケージ・アセンブリの一部分の正断面図である。
【図38C】図38Aにおいて囲み部分38Cにより表された図38Aの棚部アセンブリ及びケージの一部分の拡大破断図である。
【図38D】図37において囲み部分38Aにより表された図37の棚部アセンブリ及びケージの一部分の破断図である。
【図39】ラック・システムの棚部アセンブリ内に完全に挿入又は係合されたケージの係合状態を示す図である。
【図39A】ラック・システムの棚部アセンブリ内に完全に挿入又は係合されたケージの係合状態を示す図である。
【図40】ブロワ・アセンブリの実施例の後方斜視図である。
【図41】図40のブロワ・アセンブリの平面図である。
【図42】両面式ラック用の排出ブロワに対するブロワ・アセンブリの平面図である。
【図43】両面式ラック用の供給ブロワに対するブロワ・アセンブリの平面図である。
【図44】片面式ラック用の排出ブロワに対するブロワ・アセンブリの平面図である。
【図45】両面式ラック用の供給ブロワに対するブロワ・アセンブリの平面図である。
【図46】作用的なラック・システムに対するシステム・アーキテクチャの実施例を示す図である。
【図47】図46のラック・システムのコントローラの実施例の概略的な一画面を示す図である。
【図48】図46のラック・システムのラック・サーバの概略的な一画面の実施例を示す図である。
【図49】図46のラック・システムのラック・サーバの概略的な一画面の実施例を示す図である。
【図50】図46のラック・システムのラック・サーバの概略的な一画面の実施例を示す図である。
【図51】図46のラック・システムのラック・サーバの概略的な一画面の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において提供される通気システムの実施例は、個々のケージに対してマニフォルド・システムにより結合された1つ以上のブロワ・アセンブリを備えたラック・システムを含み得る。上記1つ以上のブロワ及びマニフォルド・システムは、各ケージにおける空気を効率的に交換すべく、且つ、各ケージ内の温度を効率的に維持すべく構成され得る。斯かる通気システムは、ブロワ/マニフォルド・システム内において比較的に高い空気圧にて、且つ、各ケージに対する調節可能なバルブなしで、作動され得る。調節可能なバルブの代わりに、各ケージ・アセンブリは、固定された断面積の開孔を通して上記マニフォルド・システムの高圧の空気供給部又は排出部と連通し、上記マニフォルド・システムの所定範囲の空気圧に亙り、空気流及び空気圧の均一性及び効率的な空気流制御を提供しても良い。
【0009】
また、多くの場合には容易に分解される構成要素であるモジュール式構成要素を備えて成る動物収容システムも提供される。幾つかの実施例において、ラック・ユニットは、当該ラック・モジュールの洗浄のために容易に分解される1つ以上の取付け可能であり且つ取外し可能なラック・モジュールを含む。本明細書中に開示された構成要素のこれらの及び他の特徴によれば、動物収容のために必要とされる資源の量が低減され得ると共に、収容された動物に対して付与される管理の質が増進され得、且つ、収容された動物を管理し又は研究する作業員に対する健康上のリスクが最小限とされ得る。
【0010】
幾つかの動物収容ケージの実施例は、収容ケージ基礎部材、カバー又は蓋体部材、及び、選択的な挿入部材又はデバイスを含み得る。動物用ケージ基部は一定の場合には蓋体とは別体的に提供され、蓋体は多くの場合にケージ基部に対して取付けられ得ると共に、該蓋体は上記基部から容易に取外し可能とされ得る。齧歯動物の如き動物、及び/又は、選択的な挿入部材は、蓋体が取付けられる前にケージ基部内に載置され得る。本明細書中に記述されたケージ実施例内には、種々の動物が収容され得る。斯かるユニット内には多くの場合、限定的なものとしてでは無く、マウス、ラット、ハムスター、アレチネズミ、テンジクネズミ、チンチラ及びウサギなどの齧歯動物が収容される。上記動物は、遺伝子導入体、同系繁殖体、免疫不全体であり得ると共に、1つ以上の機能遺伝子を欠くこともあり(例えば、ノックアウト動物)、且つ、1つ以上の異種移植片を含み得る。免疫不全マウスの例としては、ヌード・マウス、及び、重症複合型免疫不全(SCID)マウスが挙げられる。異種移植片(例えば、人間からの癌細胞)に対しては、培養された細胞系統、培養された一次細胞から、又は、別の動物若しくは組織(例えば生検)から直接的に得られた細胞が利用され得る。本明細書中に記述されたケージ及びシステム内に収容された動物は、限定的なものとしてでは無く、例えば、癌又は他の疾患の研究、可能的な薬剤のパラメータ(例えば、毒性、有効性、最大許容回分量、有効回分量、及び、他の薬物動態学的パラメータ)の評価、抗体の生成及び単離、及び、融合細胞の調製に有用な細胞の生成及び単離などの、種々の様式で利用され得る。
【0011】
ケージ基部の実施例は、例えば円筒状、略円筒状、円錐状、矩形状、正方形状、立方体状、菱形状などの如く、動物を収納するに適した任意の幾何学形状とされ得る。ケージ基部の実施例は、複数の側部又は側壁部材(例えば、4個の側壁部材)を支持する底部部材を含み得る。1つの側壁部材は“前側壁部材”と称され得ると共に、対置された側壁部材は“後側壁部材”と称され得る。対置された各側壁部材は一定の場合には、平行、略平行、非平行、菱形、略菱形であるか、又は、それらの組み合わせである。幾つかの実施例において、対置された側壁は、平行でなく、且つ、底部に関して垂直又は直角でない。斯かる実施例において、1つの側壁、一定の場合には全ての側壁は、底部に関し、例えば約91°〜約105°の角度、約92°〜約98°の角度、又は、約95°の角度の如く、90°でない角度である。その様に(底部に関して)角度付けされた側壁構成は、ケージ基部の組重ねを促進し得る(本明細書において以下に相当に詳細に記述される)。
【0012】
単一又は複数の壁部及び/又は底部の各縁部接合部又は角隅接合部は、鋭角的な縁部、円滑な縁部又は丸み付けされた縁部の如く、製造及び使用のために好適な幾何学形状を有し得る。動物用収容構成要素における一定の角隅部及び縁部の幾何学形状は、収容動物により引き起こされる破損(例えば、齧歯動物による囓り破損)の可能性を低減又は排除する。収容された動物により引き起こされる破損に対するこの耐性は、(例えば、約0.025cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)の)薄寸のポリマ壁部を有する単回使用の収容構成要素に対して特に当てはまり得る。破損に耐える縁部及び角隅部の配向は、(i)縁部又は角隅部の表面の角度(単位は“°”)と、(ii)縁部又は角隅部の半径(単位はインチ)との組み合わせに基づいて決定されている。2つの表面間の角度αは、動物が存在する方の表面の側部から測定される。αが180°未満であるとき、縁部又は角隅部の最小半径はゼロとされ得る。αが180°〜360°であるとき、最小半径は以下の式により決定され得る:
最小半径=0.25/(tan((π/360)(360−α)))
この関係に従い、例えば、対応する角度αが190°、200°、210°、220°、230°、240°、250°、260°、270°、280°、290°、300°、310°、320°、330°、340°、350°及び355°であるとき、0.051cm(0.02インチ)、0.102cm(0.04インチ)、0.178cm(0.07インチ)、0.229cm(0.09インチ)、0.305cm(0.12インチ)、0.356cm(0.14インチ)、0.457cm(0.18インチ)、0.533cm(0.21インチ)、0.635cm(0.25インチ)、0.762cm(0.30インチ)、0.914cm(0.36インチ)、1.092cm(0.43インチ)、1.372cm(0.54インチ)、1.753cm(0.69インチ)、2.362cm(0.93インチ)、3.607cm(1.42インチ)、7.264cm(2.86インチ)及び14.554cm(5.73インチ)の最小の縁部及び角隅部半径が取入れられることが多い。故に、上記の関係に従う縁部及び角隅部の角度/最小半径の組み合わせが提供される。
【0013】
ケージ基部の実施例は、例えば、収納された動物の囓り又は引掻きにより引き起こされる破損を最小限とし得る適切な半径の丸み付けされた接合部を含み得る。故に、幾つかの実施例において、底部と2つの側壁との接合部に各々が形成される底部角隅部は、多くの場合、鋭角的な角隅部ではなく、且つ、所定半径により定義される平滑な角隅部である。幾つかの実施例において各角隅部は、衝撃に対する崩壊抵抗を改善し得る複数の縁部へと効果的に分割切断され得る。衝撃に対する崩壊抵抗によれば、組重ねの効率が維持され、動物の囓りにより引き起こされる可能的な破損が低減され(例えば、衝撃により、角隅部が崩壊すると共に、動物が囓り得る鋭角的な縁部が生じ得る)、且つ、衝撃時のケージの完全性が維持される(例えば、ケージの内部を外部環境に晒さない)という利点が提供される。一定の実施例において、1つの角隅部は、多くの場合、各々が所定の半径により定義される10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個又は2個の角隅部へと効果的に分割され得る。
【0014】
1つ以上の側壁部材の頂縁部は、多くの場合、該側壁部材の外側面から多くの場合には垂直方向に延在するフランジ又は縁部分と連続的である。上記フランジは一定の場合、上記ケージの頂部周縁部の回りに連続的な表面を形成し、且つ、その表面は、上記ケージの底部部材が水平な表面上に着座するときに略水平とされ得る。上記フランジは、任意の適切な幅、一定の場合には約0.076cm〜約2.54cm(約0.03インチ〜約1インチ)とされ得る。上記フランジは、ケージ基部の剛性を高め得ると共に、一定の場合には、本明細書に更に記述される蓋体部材の一部分に合すべく構成される。幾つかの実施例において、上記フランジは、下方に延在する選択的な唇部材を含み、該唇部材は一定の場合には、蓋体の対応部材と嵌合して取外し可能なシールを形成する。上記基部の上記唇部材の輪郭形状は任意の形状とされることで、蓋体上の対応構造との嵌合が許容され、その場合に上記輪郭形状は一定の場合には湾曲され、且つ、一定の場合にはS形状、V形状又はJ形状である。上記ケージ基部の上記唇部材及び/又はフランジ部材は一定の場合には、蓋体部材と嵌合されたときに偏向することでケージ基部と蓋体との間にシールを形成すべく形状化される。ケージ基部の実施例と、蓋体の実施例との間のシールであって、部分的とされ得るシールは、限定的なものとしてでは無く、例えば接着剤シール、圧縮嵌め又は締まり嵌めなどの任意の好都合な又は有用な形式とされ得る。幾つかのケージ実施例は、ケージ基部と蓋体との間にシールを必要とせず又は含まない。
【0015】
ケージ基部は一定の場合には、側壁部材における1つ以上の陥没部であって、該ケージ基部の内部に向けて延在する1つ以上の陥没部を含む。1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の側壁は一定の場合には、側壁の剛性を高め得る1つ以上の陥没部を含む。側壁の完全性が増進されると、崩壊に対する衝撃抵抗であって、その利点が上述されたという衝撃抵抗を高めるという利点が提供され得る。陥没部の凹状形成表面領域は、台形状又は矩形状とされ得る。当該側壁から上記陥没部が延在する側壁からの垂直方向における該陥没部の凹状形成距離は、多くの場合、該陥没部の頂部から底部まで連続的であり(例えば、その表面は、当該側壁から該陥没部が延在する側壁に対して平行であり)、且つ、該凹状形成距離は、該陥没部の頂部において更に大きくされ、一定の場合には、該陥没部の頂部部分から底部部分に向けてテーパ付けされ得る。斯かる構成によれば、以下に記述される如く、複数のケージ基部が動物を収納していないときに、それらの組重ねが許容される。
【0016】
ケージ基部は、側壁部材の外側面上に配置された1つ以上の取付け部材であって、“外側支持部材”又は“外側案内部材”と称され得ると共に、ラック・ユニット内へのケージの好都合な取付けを許容する1つ以上の取付け部材を含み得る。上記外側支持部材又は外側案内部材は、ラック・ユニット部材又は棚部内への上記ケージ基部の取付けを許容する任意の構成であり、且つ、一定の場合には、ラック・ユニット実施例における対応部材に嵌合し又は該対応部材により支持される。
【0017】
一定の実施例において、案内部材及び/又は支持部材は、基部の底部部材、及び/又は、ケージ側壁部材(例えば、前側壁及び後側壁の近傍の側壁部材)の一方又は両方の外側表面上に配置されたフランジ、突出部、リブ又は溝であり、且つ、上記側壁部材の頂縁部と平行とされ得ることが多い。斯かる案内部材及び支持部材は、一定の場合には側壁部材の前縁部から延在し、一定の場合には側壁部材の後縁部から延在し、一定の場合には上記前縁部から所定距離における側壁部材の箇所から延在し、且つ、一定の場合には上記後縁部から所定距離における側壁部材の箇所から延在する。斯かる部材は、一定の場合には側壁部材の垂直長さの略々中央に配列される共に、一定の場合には上記垂直長さの中央に配列される。幾つかの実施例において、案内部材は低い側面視輪郭であり、且つ、一定の場合には、複数のケージ基部の組重ねを実質的に阻害しない溝又は陥没部である。
【0018】
幾つかのケージ基部の実施例は、約1週間以上の期間に亙り小さな齧歯動物の如き動物を収納するに適した任意の材料から製造され得る。上記材料は剛性であり得ると共に、多くの場合には半剛性又は撓曲可能な材料である。上記ケージ基部は一定の場合には、全体的に又は部分的に、半透明もしく透明な材料から構成される。本明細書中で論じられるケージ基部又は蓋体の各実施例の内の任意のものを製造するために利用され得る材料の例としては、限定的なものとしてでは無く、ポリプロピレン(PE)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン・フルオロエチレン(PEFE)、ポリスチレン(PS)、高密度ポリスチレン、及び、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などが挙げられる。一定の実施例において、ケージはPET又は(例えば高密度PS)から構成される。本明細書において論じられる実施例の内の任意の実施例に対し、埋立地及び他の廃棄物管理保管所に対する使い捨て可能な形式のケージ・アセンブリの使用による影響を低減するために、光分解可能な又は生分解可能な材料を使用することが好適であり得る。1つの斯かる材料としては、バイオランド(Bioland)社により製造された生分解可能PETの如き、生分解可能PETが挙げられる。斯かる生分解可能PET材料は、ポリエチレン・テレフタレートと、微生物に対して高度に吸引されるポリマ鎖の延長部を生成する有機添加剤とを含み得る。上記材料の強度、剛性、衝撃抵抗、耐摩耗性、気体障壁特性、又は、拡散傾向を劣化させない様な、幾つかの添加剤が使用され得る。幾つかの生分解可能PET材料は、約1.3g/cm2の比重と、約7,000psi〜約8,500psiの引張強度とを有し得る。
【0019】
ケージ基部の実施例の側壁部材及び底部部材は、約1週間、2週間、3週間、又は、4週間以上に亙る動物収容に対してケージの完全性を実質的に維持するための任意の厚みとされ得ると共に、該厚みは一定の場合には、約0.025cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)である。上記側壁は多くの場合、略均一な厚みである。ケージ基部は、単一ユニットとして、例えば一定の場合には、射出成形、熱成形、又は、真空成形プロセスにおけるなど、任意の好都合なプロセスにより製造される。ケージ基部は多くの場合、積送のために、一定の場合には単一ユニットとして且つ一定の場合には(例えば、以下に記述される如き組重ねセットとして)他の同様のユニットと共に、パッケージ化される。ケージ基部は一定の場合には、パッケージ化に先立ち洗浄及び/又は殺菌される(例えば、UV照射、ガンマ線照射)。ケージ基部は、限定的なものとしてでは無く、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレンなどを含有する材料などの、任意の材料内にパッケージ化され得る。
【0020】
ケージ基部の床部の幾つかの実施例は、約387.1cm2〜約580.6cm2(約60平方インチ〜約90平方インチ)とされ得ると共に、一定の場合に幾つかの実施例に対しては約75平方インチとされ得る。斯かるケージの高さは一定の場合、約10.16cm〜約15.24cm(約4インチ〜約6インチ)であり、一定の場合には約12.7cm(約5インチ)である。特定実施例において、壁部接合部の半径は約2.54cm(約1インチ)であり、一定の場合には2.692cm(1.06インチ)である。幾つかの実施例において、上記ケージはPETから構成されて約110グラム〜約150グラムであり、一定の場合には約130グラム(例えば、130.4グラム)である。ケージ基部に対し、ケージ床部は一定の場合には約838.7cm2〜約925.8cm2(約130平方インチ〜約150平方インチ)であり、一定の場合には約903.2cm2(約140平方インチ)である。斯かるケージの高さは一定の場合には約12.7cm〜約22.86cm(約5インチ〜約9インチ)であり、一定の場合には約17.78cm(約7インチ)である。
【0021】
ケージ基部と別体的にカバー又は蓋体が配備され得ると共に、該カバー又は蓋体は、一定の場合にはシール取付けにて、多くの場合にはケージ基部と可逆的に嵌合し、且つ、基部の実施例に対する取付けを許容する摺動取付けなどの任意の適切な幾何学形状とされ得る。幾つかの蓋体の実施例は、基部の1つ以上の部材と直接的に嵌合してそれをシールする1つ以上の部材を含み得、一定の場合には側壁部材を有さず、且つ、一定の場合には平坦又は略平坦である。蓋体の幾つかの実施例は、約1週間以上に亙る動物収容を許容する任意の材料で構成され得る。蓋体を構成する材料は一定の場合には、ケージ基部に対するシール又は部分的シール取付けを許容すべく選択される。当該材料から蓋体の実施例が構成され得る材料の例としては、ケージ基部の実施例に対して上述された材料が挙げられる。一定の場合、上記蓋体及び基部は、同一材料から構成されると共に、一定の場合に、対応する基部の厚みと同様の又は同一の厚みである。
【0022】
幾つかの蓋体の実施例は、撓曲可能又は半剛性であり得ると共に、略平坦な領域及びフランジ領域を含む。上記略平坦な領域は、本明細書中に記述された1つ以上の構成要素を含み得る。蓋体の実施例のフランジ領域は一定の場合には、エンボス加工され、隆起され得ると共に、該フランジ領域は、唇部として下方に延在する(本明細書においては“唇部”と称される)領域を含み得る。フランジ及び選択的な唇部領域は、蓋体の実施例の周縁部の回りに連続的に延在し得る。上記フランジ及び選択的な唇部の輪郭形状は多くの場合、ケージ基部上のフランジ及び選択的な唇部に対応し、且つ、上記蓋体が幾つかの基部の実施例をシール又は部分的にシールすることを許容し得る。上記フランジ及び選択的な唇部は、対応する基部の実施例と嵌合する任意の適切な形状を含み得ると共に、一定の場合には、例えば、上向きの又は倒立されたS形状、V形状、J形状及びU形状である。
【0023】
幾つかの蓋体の実施例は、連続的である堅固な表面、無孔の表面領域、及び/又は、有孔の表面領域(例えば、空気孔を含む領域、又は、格子構造)の内の1つ以上を含み得る。蓋体部材は一定の場合には、一定の場合には略平坦な領域内に、開孔、溝、チャネル、凹状形成又は陥没形成された領域、ボス部形成された領域、リブ(例えば、エンボス加工されたリブ又は中実のリブ)、及び、一定の場合には上記の組み合わせを含む。斯かる単一又は複数の構造は、水分供給差込口の回り又は近傍、又は、対応する蓋体なしコネクタを受容するコネクタの回り若しくは近傍の如く、上記蓋体における更に高重量の構造の近傍に配置され得る。蓋体部材は一定の場合には、フィルタ、バッフル、給餌構造、及び/又は、給水構造、上記要素のホルダ、及び、上記要素の組み合わせの如き、他の構成要素を含み、その場合に各構造は、上記蓋体部材と一体的であるか、別体的な構成要素として提供される。蓋体における縁部又は角隅部は、丸み付けされるか、別様に、ケージ基部の実施例に対して本明細書に記述された半径及び/又は角度により定義され得る。一定の実施例における蓋体は、剛性とされ得る。蓋体部材は可撓領域と剛性又は半剛性の領域との組み合わせを備えて成り得ると共に、上記剛性又は半剛性の領域は一定の場合、例えば蓋体をケージ基部に対して固定するときに該蓋体が効率的且つ好適に取扱われることを許容するフレームとして作用する。蓋体の実施例、又は、その単一若しくは複数の部分は、半透明若しくは透明とされ得る。
【0024】
蓋体の実施例は一定の場合には、1つ以上の空気フィルタを含む。斯かる空気フィルタは多くの場合、ケージの内部体積から抜け出す空気中の(例えば粒子などの)成分を濾過すべく構成される。幾つかのフィルタの実施例は、限定的なものとしてでは無く、スパンボンドされたポリエステル、圧縮パルプ(デプス・フィルタ)、Reemayフィルタ(例えばReemay 2024)、高性能微粒子除去(HEPA)フィルタなど(例えば、特許文献1)の、動物を収納する上で有用な任意のフィルタ材料で構成され得る。フィルタの実施例は、約1ミクロン〜約5ミクロンのサイズ、更に詳細には約0.3ミクロン〜約1ミクロンのサイズの粒子を排除又は別様に濾過すべく構成され得る。上記フィルタは多くの場合、蓋体部材の表面領域の一部分に対し、且つ、多くの場合、蓋体部材の表面領域の一部分又は僅かな部分のみに対し、効果的に接続され得る。幾つかの実施例において、上記フィルタは、蓋体部材の表面領域の80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、25%以下、又は、20%以下で効果的に接続され得る。フィルタの実施例は一定の場合には、蓋体と一体化され(例えば、フィルタは蓋体部材に対して可逆的には取付けられず)、且つ、蓋体とは別体的に提供され得る。上記蓋体とは別体的に提供されたとき、フィルタは多くの場合、蓋体の有孔部分(例えば、空気開孔を有する部分、又は、格子構造)であることが多い上記蓋体の一部分と効果的に接続されて載置される。
【0025】
フィルタは、多くの場合に可逆的取付け及び/又はシール取付けにより、任意の適切な様式で蓋体に対して固着され得ると共に、幾つかの実施例において、フィルタの実施例は、一定の場合には該フィルタの外周縁上に、一定の場合には該フィルタの表面領域全体に亙り、且つ、多くの場合には該フィルタの片面上に、接着剤を含み得る。上記フィルタが接着剤を含む場合、それは一定の場合には、該接着剤を露出する剥離式の裏材を備え、且つ、上記接着剤は多くの場合、可逆的な接着を許容する(例えば、上記フィルタは、固着され、蓋体から取り外され又は部分的に剥離され、その後に再び固着され得、それが複数回反復され得る)。フィルタの実施例は、蓋体の製造者により該蓋体に対して固着され得、且つ/又は、ユーザにより取付け/取り外され得る。幾つかの実施例において、フィルタの実施例は可撓フィルムと組み合わされ得ると共に、後者は、表面(例えば、表面全体、又は、表面の一部分)上に接着剤が塗付される。接着剤が利用されるとき、それは多くの場合、ケージ内に収納された動物に対して実質的に毒性が無く、且つ、一定の場合には食品等級の接着剤である。上記フィルタ及び/又はフィルムは多くの場合、上記蓋体の1つ以上の開孔の近傍に又はそれらと効果的に接続されて配設され得る。
【0026】
一定の実施例においてフィルタは、上記蓋体と、該蓋体に対して取付けられた保持部材又はシールドとの間に挟持され得る。上記保持部材は多くの場合、空気が貫通して流れ得る1つ以上の開孔を含み、且つ、該保持部材は多くの場合、上記蓋体に対してシール的に取付けられる(例えば、接着剤により取付けられる)。斯かる実施例においては、上記フィルタの相当の表面領域が上記保持部材に対して直接的には接触されず、これにより、収容された動物により引き起こされる可能的な囓り破損を低減する利点が提供され得る(斯かる保持部材はまた、“フィルタ・シールド”とも称される)。空気フィルタを上記蓋体及び選択的な単一又は複数のフィルタ・シールドの夫々の表面から離間して立設すると、効率的な空気流を許容すると共に、収容された動物により引き起こされる可能的な破損からフィルタ材料を保護するなどの一定の利点が提供される(例えば、動物は実際的に、上記フィルタに接触し得ない)。例えば、幾つかのフィルタの実施例は、約0.5ミクロンの孔径を有し得ると共に、約394個/cm(約1,000個/インチ)の孔が在り得る。この形式のフィルタに対する開放領域の対応割合は、約2%とされ得る。
【0027】
幾つかの実施例においては、比較的に大寸のフィルタ表面が利用されることで、それほどの制限又は圧力低下なしで、該フィルタを通る空気流が許容され得る。上記蓋体におけるフィルタの寸法は一定の場合、約15.24cm〜約5.08cm(約6インチ×約2インチ)である。これらの寸法のフィルタに対して利用可能である結果的な空気流の面積は、約77.4cm2(約12平方インチ)×2%である。もしフィルタ紙が蓋体に対して直接接触されるなら、空気流に対して利用可能な面積は蓋体における排出孔により相当に制限される(例えば、流れに対して利用可能な面積は、各孔の面積であり、それは、(0.125の二乗)/4に孔数である27を乗じて2%を乗じた積であり得る。故に、蓋体と、選択的である単一又は複数のフィルタ・シールドとにおける孔から離間してフィルタを立設すると、フィルタ紙全体が通気することが許容されることにより、空気流は相当に増進され得る。
【0028】
本明細書において提供されるケージの特性は、該ケージが物理的衝撃に晒されたときに破損に耐えるケージ構成要素及び特性を含み得る。例えば、(i)蓋体に対するケージ基部の摺動取付け、(ii)薄寸壁から帰着するケージ基部及び蓋体の軽量さ、(iii)半剛性の基部及び蓋体の可撓性、及び、(iv)(例えば、1つより多い角隅部へと分割された)基部の角隅部の幾何学形状の組み合わせは、ケージの内容物(例えば、動物、動物の排泄物、及び、ケージの添加剤など)が、再使用可能である剛性のケージと比較して、外部環境に露出される可能性を低減すべく構成され得る。ケージが衝撃に晒された(例えば、上昇位置から床部へと落とされ又は落下した)場合、これらの特徴によれば、収容された動物は外部環境から保護されると共に、作業員はケージ内容物から保護され得る。これらの特徴は、例えば、更に高度の生物学的安全性レベルの環境における用途に対して好適であり得る。
【0029】
蓋体の実施例は一定の場合には、ケージ内の動物からの放出物を捕捉する物質を含み得る。放出物は一定の場合には、吐気(例えば、水蒸気、二酸化炭素)、排尿及び排便(例えば、アンモニア、微生物)、及び、表皮剥脱(例えば、フケ、毛嚢、アレルギ誘発物質、接触伝染媒介物、微生物(例えば、細菌、真菌及びウィルスなど)から帰着する如き気体状又は粒子状の組成物である。一定の場合、上記捕捉用物質は触媒であり、又は、該捕捉用物質は、動物からの放出物を無害な物質へと分解する触媒(例えば生体触媒)と組み合わせて利用される。捕捉用物質は一定の場合には、フィルタ内に含まれ又はフィルタの近傍に配置されると共に、一定の場合には、ケージの別の部分(例えば、床部上及び/又は下張り床の下方)に配置される。木炭又は他の形態の炭素の如き、動物に対して使用されるに適した任意の捕捉用物質が使用され得る。
【0030】
蓋体の実施例は一定の場合、収納された動物に対し、空気、水分又は食物などの消耗可能要素を供与する供与構成要素を含んでいる。該供与構成要素は一定の場合には上記蓋体と一体的であり、一定の場合に該蓋体は別体的な供与構成要素と接触し(例えば、蓋体の表面は、給餌槽のフランジ部材と接触し)、一定の場合には上記蓋体は、上記供与構成要素に対するホルダ又は受容器を備えて成り、且つ、一定の場合には上記蓋体は上記供与構成要素を受容し得る孔を含んでいる。
【0031】
幾つかの実施例において、上記蓋体は、給気又は排気構成要素、又は、給水構成要素(例えば、ノズル又はノズル差込口)を受容し得る1つ以上のコネクタを含む。コネクタは、給気、排気又は給水構成要素からの対応コネクタを受容する任意の幾何学形状とされ得る。ケージ蓋体のコネクタは、多くの場合、シール取付けにより、且つ、多くの場合には可逆的な接続により、給気、排気又は給水コネクタと嵌合し、且つ、各コネクタは任意の適切な形式である。例えば、上記接続は、円筒状、正方形状、矩形状又は円錐状の側面幾何学形状と、例えば、頂部又は底部に対する平坦な、丸み付けされた、尖った、又は、先細とされた幾何学形状とにより画成され得る。上記蓋体における接続部材は、対応して嵌合する空隙部又は突出部を夫々受容する突出部又は空隙部(例えば、夫々、凸状又は凹状)とされ得る。
【0032】
幾つかの実施例において、上記蓋体におけるコネクタ構造は、2つの孔、すなわち大寸の孔及び小寸の孔を含む空隙部であり、その場合に大寸の孔は小寸の孔の上方に離間される。斯かる実施例において、嵌合するノズル・コネクタは、多くの場合には可逆的に上記空隙部内に着座されることで、実質的に気密なシールを形成し得る。幾つかの実施例において、上記蓋体における上記コネクタ構造は孔を有する突出部であり、その場合に上記孔は上記突出部の頂点に置かれる。斯かる実施例において、協働するノズル・コネクタにおける空隙部は、多くの場合には可逆的に、上記蓋体における上記突出部上に嵌合すべく構成され得ると共に、略気密なシールを形成する。後に記述される実施例における接続部の幾何学形状は、(a)蓋体コネクタの内壁及び他の蓋体及びケージの表面に沿い給気コネクタを出射する空気を膨張させ、該膨張は、ケージ内の空気を冷やすと共に、収容された動物の熱負荷を補償し、且つ、(b)収容された動物により引き起こされる破損の可能性(例えば、囓り、引掻き)を実質的に低減又は阻止するという利点を提供し得る。
【0033】
収容ケージの幾つかの実施例は、上記蓋体から外方に延在する該蓋体における円錐状差込口を有し、且つ、一定の実施例においては上記接続部材もまた円錐状の凹状部とされ得る。給気構成要素のノズル・コネクタは、手作業で又は他の任意の方法により上記蓋体に着座され得ると共に、接続は、重力嵌合、圧力嵌め、ネジ嵌合、スプリング付勢係合、又は、別の適切な嵌合とされ得る。幾つかの実施例において、上記円錐状コネクタは、該コネクタを蓋体内へと案内するキャリッジ内に保持される。斯かるキャリッジは一定の場合には、ラック・ユニットに対し、多くの場合には該ユニット上の棚部に対して接続され、その実施例は本明細書において以下に記述される。上記円錐状空隙部は一定の場合には、上記蓋体のエンボス加工領域内に配置され得、その場合に該エンボス加工領域の頂面は一定の場合には実質的に楕円形状である。上記蓋体がフランジを備えて成る場合、上記エンボス加工領域の高さは一定の場合には、該フランジの最高点に等しく又は略等しい。
【0034】
給気及び/又は排気又は給水コネクタの如きコネクタは、一定の場合にはチャネルと接触する。斯かるチャネルは、幾つかの実施例においては上記蓋体内に形成され得ると共に、該蓋体の各側面上で対応して隆起された部分により形成され得る。上記チャネルは幾つかの実施例において、(a)上記蓋体のボス部形成部分と、(b)フィルタ・バリヤ部材において対応してボス部形成された部分との嵌合により形成され得る。上記チャネルは多くの場合、上記コネクタを通して導入された空気が上記ケージ内に進入し得る如く、上記コネクタと対置された側面上の1つ以上の孔を含む。上記チャネルが部分的にフィルタ・シールドにより形成される実施例において、該フィルタ・シールドは1つ以上の孔を含み得る。幾つかの実施例において上記チャネルの丈の全体に亙り2つ以上の孔が分布され、このことは、上記ケージ又はその一部分の幅の全体に亙り空気流を分布又は排出するという利点を提供し得る。上記チャネルは空気流を許容する任意の適切な形状とされ得、上記チャネルの断面は、例えば、円形、卵状、半円形、半卵状、矩形状、正方形、菱形又は台形とされ得ると共に、上記チャネルの長さは、例えば、直線状、円形、三角形、矩形状、楕円形状、弧状、正弦波状、又は、ジグザグ形状を備えて成り、又は、それらから成り得る。上記チャネルの長さは一定の場合には全体的に直線状ではなく、一定の場合にそれは非線形である。後者の実施例は、蓋体又はフィルタ・バリヤに対するフィルタの付着を低減するという利点を提供する、と言うのも、フィルタ表面は、直線状の陥没部と同じほど容易には非線形の陥没部の全体に亙り陥没し得ないからである。
【0035】
本明細書中に提供される幾つかのケージの実施例は、空気の再循環及びバイパスを最小限とすべく設計されたケージ横断空気流を許容することで、空気交換及び温度調節のための効率的な空気流の使用を実現する。幾つかの実施例においては蓋体及び基部を含む動物収容ケージが提供され、その場合に上記蓋体は、空気取入口及び空気吐出口と、該空気取入口と空気吐出口との間のバッフルであって、上記ケージの内部内へと下方に延在するバッフルとを含み得ると共に、空気は、上記取入口から下方に向かい、ケージの内部を通り、上記排気口から流出する。一定の実施例において、空気は実質的にU形状パターンで流れると共に、一定の場合に上記ケージは動物のための作巣材料を含み、空気は、該作巣材料の近傍を通り又は該作巣材料を貫通して流れる。上記空気取入口は一定の場合には、実質的に上記蓋体の一端に在り、且つ、上記排気口は実質的に上記蓋体の端部に在る。上記空気取入口は一定の場合には給気コネクタを含むと共に、上記空気排出口は一定の場合には、孔の配列、及び/又は、1つ以上の排気コネクタを含む。上記バッフルは、一定の場合には上記ケージの1つの壁部から逆側の壁部まで延在し、且つ、一定の場合には給餌トレイの1つ以上の表面である。上記バッフルは多くの場合、ケージの2つの壁部と実効シール接続される(例えば、対向する2つの側壁の各々に1つとされた、2つの受け台上に着座する給餌槽とされる)ことで、バッフルの側面の回りにおける空気流を阻止又は相当に低減すると共に、バッフルの下方における空気流を許容し得る。
【0036】
幾つかの実施例において、収容ケージの蓋体又は基部は空気流バッフルと接続され得る。空気流バッフルの実施例は多くの場合、蓋体の実施例の内側面から下方に向かい、ケージの内部の一部分内へと延在する。バッフルは多くの場合、空気取入孔と空気吐出孔との間に配置されることで、空気流を該バッフルの回りに導向し得る。バッフルの実施例の各側面は、空気流がケージ基部の底部に向けて導向され且つケージの側壁に沿い当該バッフルをバイパスしない様に、ケージ基部の側壁と密着され又は実質的に接触される。幾つかの実施例において、給餌トレイは、該トレイの壁部がバッフルとして作用する如く構成される。空気流をケージの底部に向けてから、上方に向けて蓋体の頂部を通るべく導向することは、ケージ底部に配置された床敷き材料から気体状の廃棄物を一掃すると共に、動物を維持管理する上で必要な空気流を低減する上で好適であり得る。幾つかの実施例において、バッフルの実施例は、蓋体及び基部に関し、ケージ基部の底部に向けて突出する給餌槽又はトレイにより形成され得る。斯かる実施例における上記給餌槽は多くの場合、上記蓋体及び基部とは別体的な部材であり、且つ、該給餌槽は、ケージ基部内の陥没部内に形成された受け台(すなわち取付け部材)上に着座する。
【0037】
幾つかの蓋体の実施例は、給水構成要素を含み得る。上記蓋体は一定の場合には、放出器が接続又は一体化された一体的な給水リザーバを含む。幾つかの実施例において、上記蓋体は、選択的な放出器を含む給水器が内部に着座する給水用の差込口又はホルダを含み、且つ、一定の実施例において、上記蓋体は孔を含み、該孔を通り、水分リザーバが固定及び/又は懸架される。幾つかの実施例において、上記蓋体は、本明細書において多くの場合に“給餌器”、“給餌槽”又は“給餌トレイ”と称される給餌構成要素に接続され又はそれを備えて成る。上記蓋体は一定の場合には、一体的な給餌トレイを含み、且つ、一定の場合には、蓋体がケージ基部に嵌合されるときに、別体的な給餌トレイ・モジュールの部材と接続される。幾つかの実施例において、上記蓋体は給餌トレイ・ホルダを含み、該ホルダ内へと給餌トレイが着座され、且つ、一定の実施例において、上記蓋体は孔を含み、該孔を通して給餌トレイが固定及び/又は懸架される。
【0038】
蓋体部材は一定の場合には、空気排出コネクタを含まず且つ空気取入コネクタを含まない。故に、幾つかの蓋体部材の実施例において:上記蓋体部材は一定の場合には、剛性、半剛性、又は、撓曲可能であるか、又は、撓曲可能な領域を含み;上記蓋体部材は一定の場合には、撓曲可能な材料及び半剛性の材料、一定の場合にはフィルタを含み;蓋体におけるフィルタは多くの場合、蓋体部材の表面領域全体ではなく、蓋体部材の表面領域の一部分を覆い;上記蓋体部材は一定の場合には、連続的で堅固な表面領域とフィルタとを備えて成り、その場合に堅固な表面領域は、剛性、半剛性、撓曲可能、又は、それらの組み合わせであり;上記蓋体部材は一定の場合には連続的で堅固な表面領域とフィルタとを備えて成り、その場合に連続的で堅固な表面領域は格子ではなく無孔である。
【0039】
ケージ基部及び蓋体に加え、ケージの部材又は構成要素の例としては、ケージ基部又はケージ蓋体とは別体的であるか、それらと一体化された、給水デバイス及び給餌構造が挙げられる。これらの付加的な部材は本明細書において、“挿入部材又は挿入用部材”と称される。ケージ挿入部材は一定の場合には、蓋体が基部実施例の頂部に対して固着される前に、ケージ基部又はケージ蓋体に載置され得る。幾つかの実施例において、挿入部材は、本明細書に記述される給餌槽の実施例内における如く、蓋体の近傍においてケージ基部の頂部の近傍に配置され得る。幾つかの実施例において、挿入部材は、ケージ内に収納された一匹以上の動物に対する収容スペースの頂部部分を画成する。給餌トレイの如き挿入部材は、一定の場合には、ケージ基部の1つ以上の側壁部材の内側面から延在する1つ以上の取付け部材又は受け台上に着座し、又は、それにより位置決めされる。
【0040】
幾つかの実施例において、挿入物は略平坦で平面的な部材であり、その場合に該挿入物の表面は、ケージ基部の底部部材の表面と平行である。上記挿入部材の1つ以上の縁部は多くの場合、1つ以上の側壁部材の上記内側面に対し、実質的に嵌合し、一定の場合には略面一であり、一定の場合には非常に接近され、及び、一定の場合には、シール接触される。幾つかの実施例において、上記挿入物の各縁部は、対応する各側壁部材の上記内側面に対し、実質的に嵌合し、略面一であり、非常に接近され、又は、シール接触される。挿入部材の縁部は、該部材が動物を収納すべく構成される材料に適した任意の厚みであり、一定の場合には、約0.0254cm〜約0.203cm(約0.010インチ〜約0.080インチ)である。挿入部材は、例えば、ケージ基部の製造に対して記述された如き材料及び製造プロセスを使用して、動物を収容するに適した任意の材料で構成される。
【0041】
挿入部材の一例は、給餌トレイである。給餌トレイは多くの場合、4つの壁部材と一体化された底部を含み、且つ、選択的に、該給餌トレイに対してシール的に取付けられ得る蓋体を含む。1つ以上の側壁部材及び/又は底部は、収納された動物に対して給餌構造内の食物を露出する1つ以上の開口又はスロットを含み得る。対置された各側壁は一定の場合には、平行、非平行、湾曲され、楕円形又は菱形であり、その場合に、側壁部材の内の2つ以上は、頂部開口又は蓋体部材の表面積よりも小さい表面積を有する底部部材に向かい下方にテーパ付けされ得る。側壁と底部との間における縁部及び角隅部の接合部は、多くの場合に湾曲されると共に、製造及び動物給餌に適した半径を有する。半径は一定の場合には、収納された動物により引き起こされる摩耗を最小限とすべく選択される。
【0042】
幾つかの給餌トレイの実施例は、該給餌トレイの頂縁部を囲繞するフランジ部材を含み得る。幾つかの実施例において上記給餌トレイの底部は平坦ではなく湾曲され、且つ、一定の実施例において、該給餌トレイは、垂直に配置された複数の筒状構造(例えばワイヤ)から構成される。幾つかの給餌トレイの実施例は、動物に給餌するに適した任意の材料で構成され得ると共に、その例としては、限定的なものとしてでは無く、金属合金、ステンレス鋼、鋼鉄、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、ポリマ、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン・フルオロエチレン、ポリスチレン、高密度ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体など、及び、上記の組み合わせが挙げられる。幾つかの実施例において給餌トレイは、上記蓋体が製造されるのと同一のポリマの如きポリマから構成され得、一定の実施例において上記給餌トレイは金属合金であり、且つ、幾つかの実施例において該給餌トレイは、金属構造と、ポリマ製のフレーム又はハウジング構成要素との組み合わせとされ得る。
【0043】
一定の実施例において、上記トレイは、ポリエチレン・テレフタレート又はポリスチレン(例えば、高密度ポリスチレン)から構成され得る。幾つかの実施例において、上記給餌トレイ、及び、一定の場合には上記ケージ及び/又は蓋体は、相当に硬質のポリマから構成され得る。斯かるポリマは公知であり、且つ、硬度の尺度としては、ロックウェル(例えば、ロックウェルM又はB)、ブリネル、ショア、アイゾット(例えば、アイゾット衝撃、切欠きあり)、シャルピー(例えば、シャルピー衝撃、切欠きあり)、及び、ビッカース硬度が挙げられる。更に軟質のポリマと対照的に、相当に硬質なポリマは、材料厚みを増大せずに又は実質的に増大せずに、収容された動物により引き起こされる囓り破損の可能性を低減し得る。
【0044】
挿入部材の別の例は、本明細書においては“リザーバ”とも称され得る給水器である。該給水器を介し、水分又は別の適切な湿潤液体が、収容された動物に対して放出される。上記給水器又はリザーバ、及び、ケージ構成要素(例えば蓋体)においてリザーバを受容する対応リザーバ・ホルダ又は孔は、水分を供与するに好適である任意の幾何学形状である。リザーバは、ボックス形状の構造とされ得、一定の場合には略円筒状の構造であり、且つ、一定の場合には、穏やかにテーパ付けされた側壁と面取り部とを備えた略円筒状の構造(僅かに円錐状)である。リザーバは一定の場合には、収納された動物により引き起こされる摩耗の可能性を低減(例えば、給水構造を囓る動物により引き起こされる摩耗を低減)すべく幾何学的に構成され得ると共に、幾つかの実施例において、リザーバは、丸み付けされた角隅部(例えば、底縁部と側壁部材の縁部との間にける丸み付けされた接合部)、及び/又は、縁部(例えば、2つの側壁部材の縁部間の丸み付けされた接合部)を備えて成る。
【0045】
本明細書においては、丸み付けされた角隅部の半径が記述される。リザーバは一定の場合には、該リザーバが水分により満たされてから蓋体によりシールされ得る如く、例えば、ネジ取り付け蓋体又は弾性嵌合蓋体の如く、ボトルの好都合な箇所(例えば、頂部又は底部)に配置されてシール的に取付け可能な蓋体又はキャップと嵌合し得る。故に、リザーバは多くの場合、ネジ取り付け蓋体からの螺条を受容し得る雄螺条若しくは雌螺条、又は、弾性嵌合蓋体に対する継手を含む。ケージの内部に露出された上記リザーバの部分(例えば、リザーバの底部、キャップ又は蓋体)は多くの場合、動物により接触されるまで表面張力により水分を保持し得る小寸孔を含む。
【0046】
上記リザーバの側壁領域は、面取りされ得ると共に、一定の場合には、蓋体の差込口における対応する面取り部と嵌合し得る。斯かる面取り部は、上記蓋体における上記リザーバの整列を確実にするキーとして機能し得る。上記孔の半径における段部はまた、リザーバの差込口との締まり嵌めを生成することで、該リザーバと蓋体との間における緊密なシールを確実とすることにより、空気の漏出を低減し又は実質的に阻止し得る。リザーバは、限定的なものとしてでは無く、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン・フルオロエチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、セルロース、ポリマ又は金属箔により裏打ちされたセルロースなどの、動物を潤す流体(例えば水)を収容するに適した任意の材料で構成され得る。
【0047】
蓋体が水分リザーバ・ホルダを備えて成る実施例に対し、該リザーバ・ホルダは一定の場合、僅かにテーパ付けされた各側壁と、側部及び底部に配置されたチャンバとを備えた実質的な円筒状である。上記ホルダの斯かる幾何学形状は、同様に形状化されたリザーバをキー止めすることができ、その場合、上記ホルダとリザーバとの夫々の面取り部は嵌合する。斯かるホルダは多くの場合、収納された動物に対して当該放出器が利用可能である如く、多くの場合には面取り領域における孔であって、リザーバから放出器を受容し得る孔を含む。斯かるホルダは多くの場合、リザーバの頂部部分が下側部分よりも大きな直径を有する如く、半径に段部を含むリザーバを受容し得、これにより、ホルダの内壁との締まり嵌めと、実質的に気密な嵌合とが提供される。
【0048】
幾つかの実施例において、放出器は、一定の場合には該放出器内に配置されたバルブであって、一定の場合には該放出器とリザーバとの接合部に配置されるバルブを包含する。幾つかの実施例において、上記放出器はバルブを含まない。一定の場合、上記放出器は上記リザーバに対し、簡易脱着式継手により接続される。一定の実施例において、上記放出器は、大寸の断面領域は上記リザーバに接続され、且つ、小寸の孔は、収納された動物に対して利用可能な逆端部上とされた、円錐状である。斯かる実施例において、上記孔は、上記リザーバ内に表面張力により水分を保持すべく、且つ、収納された動物により接触されたときには水分を放出すべく寸法設定される。一定の実施例においては、蓋体と併せて使用される水分ボトルであって、平坦な表面により画成されるキャップ面内に水分の本来的な表面張力により水分を保持する孔を有するキャップを備えて成る水分ボトルが配備される。後者の実施例において、上記キャップ面は、円錐状でなく、突出部を含まない。
【0049】
流体供給の実施例は、収容動物が供給構造を破損し得る可能性(例えば囓り破損)を低減すべく構成され得る。例えば、本明細書においては、3つの壁部と、頂部と、底部と、孔と、該孔に実効接続されたバリヤとを備えて成る齧歯動物収容ケージ用ボトルが提供され、その場合、該ボトルはポリマから構成され得、上記壁部の内の2つの壁部は略々直角(例えば、85°〜95°、又は、90°)であると共に、第3の壁部は湾曲され、且つ、該ボトルは、倒立されたときに上記孔に流体を保持し得る。該ボトルの上記頂部、底部及び各壁部は概略的に、略半球状の構造を形成し得ることから、上記湾曲壁部は、(例えば約17.78cm(約7インチ)などの)約12.7cm〜約22.86cm(約5インチ〜約9インチ)の半径を有する。同様に、壁部の接合部及び角隅部は多くの場合に丸み付けられ、且つ、丸み付けられた接合部及び角隅部は一定の場合には、約0.635cm(約0.25インチ)以上の半径により定義される。斯かる水分ボトルが、ケージ基部の1つ以上の壁部の近傍に又はそれに対して実質的に接触して配列された差込口内に載置されたとき、斯かる設計特徴によれば、収容動物が上記ボトル又はその差込口にアクセスしてそれを破損する可能性が最小限とされる。
【0050】
一定の実施例において、上記孔は、上記ボトルと接続された(例えば螺着キャップなどの)キャップ内に配置される。上記ボトルは、水などの流体を収容し得ると共に、上記バリヤは多くの場合、上記孔上の接着タブの如き着脱自在なバリヤとされ得る。幾つかの実施例において、上記バリヤは上記キャップの内側である。上記バリヤは積送の間において、ボトル内に収容された流体の溢流を阻止し得ると共に、該バリヤが除去され又は調節されて上記孔をボトル内の流体内容物に露出したとき、上記ボトルは、倒立されたときに流体の圧力平衡を維持し得る。上記ボトルは、本明細書中に記述されたポリマ(例えばポリエチレン・テレフタレート)から構成され得る。一定の実施例において、ボトルは約13オンスの容量を有すると共に(空のときに)約10グラム〜約25グラム(例えば、約17グラム)の重量であり得、且つ、幾つかの実施例において、ボトルは、約26オンスの容量を有すると共に(空のときに)約20グラム〜約50グラム(例えば、約34グラム)の重量であり得る。上記ボトルは一定の場合には単回使用ボトルであり(例えば、上記壁部は多くの場合に約0.0254cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)の厚みであり)、且つ、一定の実施例において、上記ボトルは複数回使用ボトルである(例えば、各壁部は多くの場合に0.203cm(0.08インチ)より厚い)。
【0051】
他の挿入部材は、例えば、シェルタ構造、床敷き材料、及び/又は、下張り床材の如き、ケージ・アセンブリと関連付けられ得る。シェルタ構造は、動物が該構造に進入して該構造により覆われ又は部分的に覆われることを許容する任意の形状又は幾何学形状とされ得る。動物を収納する任意の好適な構造が使用され得ると共に、幾つかの実施例において、シェルタは有孔パイプ構造である。組み合わされた給餌及びシェルタ構造の例は、その全体が言及したことにより本明細書中に援用される特許文献1に記述されている。ケージ内には、多くの場合に床敷き材料が載置される。例えば、木材チップ又は新聞紙の如き、動物を収納するに適した任意の床敷き材料が使用され得る。幾つかの実施例において、一定の場合には、ケージ基部と組み合わせて、着脱自在な下張り床材が位置決めされる。下張り床材の実施例は、任意の材料から構成され得ると共に、食物、収納された動物からの液体放出物及び/又は固体放出物が下張り床材を通過してケージ基部の底部部材に至るのを許容する幾何学形状であり、且つ、幾つかの実施例において、下張り床材又はその一部は、網状又は有孔である(例えば、httpアドレスwww.ssponline.com/bed.html)。一定の実施例において、下張り床材の下方には、先に記述された捕捉用物質が載置され得る。
【0052】
幾つかの実施例において挿入部材は、接続された2つ以上の平面的部材を含み、その場合に各平面的部材は、別の平面的部材の表面に平行な表面を有し、且つ、1つの平面的部材の底部表面は、別の平面的部材の頂面に関して高位とされる。後者の実施例において、各平面的部材は上昇部材により接続され、その場合に該上昇部材の表面は一定の場合には、接続された各平面的部材の表面に対して直交し、且つ、一定の場合には、各平面的部材を非直交角度(例えば、約10°〜約95°)で接続する。各平面的部材及び1つ以上の上昇部材は多くの場合、多くの場合には継目無し接合部を以て、連続的である。挿入部材は多くの場合、平面的部材と上昇部材との間に縫い目又は不連続部を有さないユニットを提供するプロセスにより製造される。
【0053】
挿入部材の実施例は一定の場合には、収納された動物の要件を満足するに有用な構成要素であって、例えば給餌構造、給水構造及び/又はシェルタ構造の如き構成要素を受容し得る、孔、又は、孔と凹所形成フランジとの組み合わせを含む。挿入部材は一定の場合には、ケージ基礎部材の内部内へと下方に延在する1つ又は複数の側壁部材(例えば、2つ、3つ又は4つの側壁部材)であって、これもまた、収納された動物の要件を満足するに有用な構成要素を支持し得る側壁部材を備えて成る。側壁部材の外側面は多くの場合、該側壁部材が其処から延在する平面的挿入部材の底部表面に対して直交し、且つ、多くの場合、挿入部材の底部表面と連続的である。幾つかの実施例において、側壁部材の底縁部は平面的挿入部材の底部表面に対して平行でなく、且つ、一定の場合、側壁部材の側縁部は平面的挿入部材の底部表面に対して直交しない。
【0054】
挿入部材の実施例は、空気がケージに進入し、及び/又は、ケージから出射することを許容する1つ以上の孔を含み得る。幾つかの実施例において、一定の場合には“通気口”と称される1つ以上の上記孔は、ケージに進入する空気を、上記挿入部材の頂面にて拡散する。一定の実施例においては、一定の場合には層流により、空気がケージの前側から該ケージの後側へと(例えば、前側の近傍における下方から、後側の近傍における上方へと)流れる様に、上記挿入部材の前部には1つ以上の通気口が在る。幾つかの実施例に対し、1つ以上の通気口は、空気層流の如き空気流がケージの後側からケージの前側へと流れる如く配設又は構成され得る。上記各孔は、例えば、円形、矩形、正方形、菱形、及び/又は、網状の如き、空気流を許容する任意の幾何学形状とされ得る。上記孔の内の1つ以上に対してはフィルタが連通して配設され得、該フィルタの下方には保護格子が配設される。フィルタに対しては、多くの場合、挿入部材が接続される。挿入部材は、他の構造を受容するための1つ以上の開口、孔又は凹所を含み得ると共に、一定の場合には、1つ以上の他の構造と一体化される。斯かる構造は一定の場合には、ケージ内に収納された動物に対する給餌、給水及び/又は保護に利用され得る。斯かる構造の2つ以上は一定の場合には、一体化された給餌/保護構造の如く、一体的である。挿入部材が他の構造を受容するための開口、孔又は凹所を含む場合、斯かる他の構造は多くの場合に挿入部材に対して着脱自在に組み合わされ、且つ、幾つかの実施例において、斯かる他の構造は挿入部材に対してシール的に嵌合される。
【0055】
幾つかの実施例において、本明細書においては、単一又は複数の壁部と底部とを含む動物収容ケージが提供され、その場合、上記ケージはポリマから構成され、且つ、各壁部の厚みは約0.0254cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)である。適切なポリマの例は、上述されている。一定の実施例において、上記底部の厚みは約0.0254cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)である。上記単一又は複数の壁部及び底部は多くの場合、略均一な厚みである。上記単一又は複数の壁部又は底部の厚みは、一定の場合には約0.0254cm〜約0.127cm(約0.01インチ〜約0.05インチ)であり、時には約0.051cm〜0.152cm(約0.02インチ〜約0.06インチ)であり、約0.051cm〜0.076cm(約0.02インチ〜約0.03インチ)とされ得る。幾つかの実施例において、上記ケージは半剛性であり、可撓とされ得る。本明細書中で論じられる単回使用のケージの実施例は、撓曲可能又は半剛性とされ得る。
【0056】
幾つかの実施例において、ケージ基部の後壁は、給気構成要素、排気構成要素及び/又は中央給水構成要素を受容し又はそれらに対して接続され得る1つ以上の孔を含み得る。幾つかの実施例において、基部ユニットは、例えば、検知プローブ、水分供与構造又は空気供与構造の如き構成要素を受容するための孔を露出し得る離脱部材を含み得る。一定の場合には“打ち抜き”部材と称される離脱部材は、一定の場合には完全に離脱され、且つ、一定の場合には、破断された後で一部分によりケージに対して取付けられたままである。一定の実施例において、ケージ基部は、フィルタ部材と、1つ以上の選択的な排出ポートとを備えて成り得る。
【0057】
本明細書中で論じられるケージの実施例は、単回使用の実施例とされ得ると共に、一定の場合には、ラック、空気流ユニット、空気流コントローラ、又は、それらの組み合わせ物と組み合わせて使用され得る。本明細書中に記述されるケージの実施例は、一匹以上の動物を含み又は収容し得る。上記動物は一定の場合には、遺伝子導入体、免疫不全体、同系繁殖体であり、1つ以上の異種移植片を含み、且つ/又は、1つ以上の機能遺伝子を欠いている(ノックアウト動物)。上記動物は多くの場合、例えば、マウス、ラット、ハムスター、アレチネズミ、テンジクネズミ、チンチラ及びウサギから成る群から選択された齧歯動物の如き齧歯動物とされ得る。収容されたマウスは一定の場合には、ヌード・マウス、又は、重症複合型免疫不全(SCID)マウスとされ得る。
【0058】
ラック・ユニットは本明細書においては、“ケージ取付けプラットフォーム”又は“ケージ取付けシステム”と称され得る。上記ラックは一定の場合には、モジュール式であり、且つ、可逆的に接続されたラック・モジュールから組立てられ得る。ラック・モジュールは、垂直又は水平な構成での可逆的な積層を許容する任意の構成を有し得る。ラック・モジュールは一定の場合には、底部部材、2つの側壁部材、頂部部材、及び、一定の場合には後側部材及び後側部材(例えば表板)を含み、その場合、各側壁部材は多くの場合に平行又は略平行であり、且つ、頂部部材及び底部部材は多くの場合に平行又は略平行である。幾つかの実施例において、ラック・モジュールは、夫々が該モジュールの各側部上とされた2つの接続部材により接続され、その場合に上記接続部材は、ラック・モジュールにおける孔内に挿入される支柱である。幾つかの実施例において、ラック・モジュールは、矩形の底部部材の各角隅部から垂直に延在された4本の水平支柱であって、矩形の頂部部材に対して接続される4本の水平支柱を備えて成る。ラック・モジュールの実施例は、ラック・ユニットの反復的な組立て及び分解を許容するに十分な弾性を有する任意の材料から構成され得る。ラック・ユニット・モジュールを構成すべく使用される材料の例としては、金属合金(例えば、板金)又はポリマなど、及び、上記の組み合わせが挙げられる。ラック・モジュールは多くの場合、本明細書において以下に記述される気体溜まり、ケージ用供給管、及び、排出ポートの如き、多くの場合には内部に配置される空気流構成要素を備えて成る。
【0059】
1つのラック・モジュールを別のラック・モジュールに連結する接続部材は一定の場合には、複数のラック・ユニット・モジュールの内の1つのラック・ユニット・モジュールに対して一体化され、且つ、一定の場合には、ラック・ユニットにおけるそのモジュール及び/又は他のモジュールから分離される。幾つかの実施例において、接続部材は第1ラック・モジュール及び第2ラック・モジュールにおける対応接続部材に対して係合され、その場合に上記第1及び第2ラック・モジュールは可逆的に接続される。一定の実施例において、第1ラック・モジュールは第1接続部材を備えて成ると共に、第2ラック・モジュールは、上記第1接続部材と相補的な第2接続部材を備えて成り、その場合に上記第1及び第2接続部材は相互に対して係合されることで、上記第1及び第2ラック・モジュール間の可逆的接続を形成し得る。ラック・モジュールにおける接続部材は、接続された別のケージ・モジュールに関して1つのケージ・モジュールの移動を制限する任意の様式であって、各モジュールの好適な接続解除及び再接続を許容する任意の様式で構成され得る。幾つかの実施例において、各接続部材は工具なしで係合及び/又は係合解除される(すなわち、各ラック・モジュールは手作業で組立て及び/又は分解され得る)。一定の実施例において接続部材は、ラック・モジュールの1つ以上の表面上にて、別のラック・モジュール上の又はそのラック・モジュールにおける対応フランジ又は溝を受容し、一定の場合には摺動可能に受容し得る溝又はフランジを含む。
【0060】
幾つかの実施例において、ラック・モジュールは、1つ以上の取外し可能な棚部材を受容すべく構成された1つ以上の取付け部材及び/又はコネクタを含み、且つ、一定の実施例においてラック・モジュールは、1つ以上の棚部材を備えて成る。ラック・モジュールは一定の場合には、別のラック・モジュール以外の別の構成要素に対して接続される。幾つかの実施例において、ラック・モジュールは、一定の場合にはコネクタを介し、トロッコ部材上に取付けられ、その場合にトロッコは、1つのラック・モジュール又は複数のラック・モジュール(すなわちラック・ユニット)を搬送すべく構成される。
【0061】
1つのラック・モジュール上又は該モジュール内には、1つ以上のケージが格納され得ると共に、ケージを格納するための任意の好適な構成が利用され得る。ケージは一定の場合には、ラック・モジュールの表面上に載置されると共に、所定の期間に亙り格納される。ケージは多くの場合、上記ラックに対して接続された棚部上に位置する。ラック・モジュールは一定の場合には、上記ラック・モジュール内又は該ラック・モジュール上に1つ以上のケージを格納するに有用な1つ以上の取付け部材を含んでいる。対応する取付け部材は、一定の場合にはケージの1つ以上の外側面上に配置される共に、ラック・モジュール上に配置された取付け部材に接続され得る。一定の実施例において、取付け部材は、ラック・モジュールの1つ以上の表面上の溝又はフランジであり、且つ、ケージ上又はケージ内において対応するフランジ又は溝を受容し、一定の場合には摺動可能に受容し得る。斯かる実施例においては、取付けられたケージの頂部と、該ケージの上方に配置されたラック・モジュールの下側表面との間には十分な距離が在ることで、ケージから外方に向かう空気流が許容され得る。
【0062】
ラック・モジュールは、ケージを別の構成要素に対して接触させるに適した1つ以上のキャリッジを含み得る。幾つかの実施例において、キャリッジは一定の場合には、1つの構成要素を、1つのケージ又は複数のケージに対して組み合わせる。キャリッジは、例えば、給気コネクタ、排気コネクタ、中央給水コネクタ、及び、検出器又はセンサの如き任意の構成要素に対してケージを接触させるべく利用され得る。斯かる実施例において、キャリッジは多くの場合、ラック・システムの棚部に対して接続される。例えば、ピストン又はレバーを備えて成るキャリッジの如き任意の適切なキャリッジが利用され得ると共に、該キャリッジは、例えば、金属合金及び/又はポリマの如き任意の適切な材料から構成され得る。上記キャリッジは、一定の場合には、直線状、弧状、垂直若しくは水平な動作、又は、それらの組み合わせにより、任意の適切な様式で、構成要素をケージ部材(例えば、ケージ基部又はケージ・カバー)に対して係合させる。上記キャリッジは多くの場合、ケージ部材に対して係合された構成要素を保持するホルダを含んでいる。上記キャリッジは、一定の場合には手作業で操作されると共に、一定の場合には、例えば、機械的操作及び/又はコンピュータ制御式の操作により遠隔的に操作される。幾つかの実施例において、キャリッジは、ラック・ユニットにおけるケージの位置を配向するために部分的に有用である、と言うのも、該キャリッジは、ケージがラック・ユニット上に適切に配向されたときにのみ、該キャリッジが保持する部材を上記ケージに対して係合させ得るからである。幾つかの実施例において、キャリッジはケージに対して機械的圧力を付与することで、それを整列して保持する。幾つかの実施例において、キャリッジは、その位置をケージから離間して保持する機構を備えて成り、該機構は、上記キャリッジの構成要素をケージ構成要素に対して係合させるために係合解除され得る。
【0063】
幾つかの実施例において、上記キャリッジは、ヒンジを介してラック又は棚部ユニットの端部の近傍又は一端に接続されたレバーと、ケージに対して可逆的に組み合わされた1つ以上の構成要素を受容し得るホルダとを備えて成る。斯かるレバーは多くの場合、該レバーが接続された構成要素が上記ケージと組み合わされたときに、該レバーに対して下向きの圧力を付与するスプリングを含む。一定の実施例において、ラック・ユニットは、給気又は排気コネクタ(例えば、1つ、又は、2つ以上の空気コネクタ又はノズル)に接続された1つ以上のキャリッジであって、単一又は複数のコネクタをケージに対して可逆的に接触させる1つ以上のキャリッジを備えて成る。幾つかの実施例において、上記給気コネクタ及び選択的な排気コネクタは円錐状であると共に、上記ケージ・カバー部材は、円錐状の各コネクタとシール的且つ可逆的に接続され得る円錐状の空隙部を含む。幾つかの実施例において、キャリッジは(例えばピンなどの)1つ以上の突出部を含み、該突出部は、該突出部を受容し得る上記ケージの1つ以上の対応構造(例えば、フランジ部材における1つ以上の孔)を貫通して摺動可能に位置決めされ得、このことは、ラック・ユニットにおいてケージを配向させるために有用である。
【0064】
幾つかの実施例に対し、1つ以上のキャリッジは各々、給気又は排気コネクタ、及び、該コネクタと組み合わされたノズルと接続して配設されることにより、上記ラック上へとケージが位置されたときに、上記キャリッジの上記ノズルは自動的に、対応するケージ・ノズルに係合し得る。上記キャリッジは、ラック上にケージが位置されたときに該ケージの表面に沿い自動的に平行移動し得ると共に、上記キャリッジの位置は、該キャリッジのノズルが対応するケージ・ノズル上で定着されるまで、上記ケージの表面に沿い自動的に平行移動し得る。幾つかの実施例において、上記キャリッジ・ノズルは凹状であると共に対応するケージ・ノズルは凸状であり、且つ、一定の場合には、上記キャリッジ・ノズル及びケージ・ノズルは円錐状である。
【0065】
幾つかの実施例において、上記キャリッジは、ラックと接続される枢動軸と、該枢動軸と接続されるアームと、ケージ係合表面と、スプリングとを含み得ると共に、上記ケージ係合表面は上記ノズルと接続される。上記スプリングは一定の場合にはトーションスプリングであり、且つ、上記ケージ係合表面は多くの場合、1つ以上の角度付き表面を含む。該1つ以上の角度付き表面は、水平から約25°〜約45°の角度とされ得る。上記角度付き表面によれば上記キャリッジは、ケージがラック内へと挿入されるときに該ケージの種々の高度に沿い追尾することで、該キャリッジが、ケージの表面に沿う弧状に沿い自動的に平行移動(すなわち枢動軸の回りで回転)すると共に、ケージ・ノズル差込口に対して自動的に係合することが許容される。上記キャリッジを上記ラックに対して接続しているスプリングもまた、ケージの種々の高度に沿いキャリッジが自動的に追尾することを許容し得る。一定の実施例において、上記角度付き表面は、約35°とされ得る。一定の実施例において、1つ以上のキャリッジは、1つ以上の動物収容ケージが取付けられ得る1つ以上の棚部と接続され得る。幾つかの実施例において上記棚部は、該棚部の床部に対して直交するフランジであって、動物収容ケージと係合するフランジを含む。
【0066】
給気及び排気管路は一定の場合にはラック・モジュールの壁部内に配置され得ると共に、幾つかの実施例においては外部配管系統は不要とされ得る。空気管路システムは一定の場合には、ブロワに対して接続された比較的に大容量の管路であって、一定の場合にはラック・モジュールにおいて垂直配向で配置される大容量の管路を含み、該管路は、多くの場合に水平に配置された管路のマニフォルドにおいて一群のケージに対して空気を供給/排出する1つ以上の比較的に小容量の管路に対して接続される。垂直な空気管路は、本明細書においては一定の場合には“管材”と称される。空気管材及び管路は、任意の適切な形状とされ得ると共に、動物に対して空気を提供し又は動物から空気を排出するに適した任意の材料から構成される。幾つかの実施例において、上記マニフォルドは、各ケージに空気を供給し又は各ケージから空気を排出する可撓管材に対して接続された剛性管材から構成され得る。斯かる可撓管材は一定の場合には、一端にては、マニフォルド管路に組み合わされたクランプ又は計量ノズルに対して接続され、且つ、他端にては、ケージに対して係合され得るノズルに対して接続される。空気計量ノズルは多くの場合、給気管路と、ケージに係合する給気ノズルとの間に配置される。可撓管材の各端部は、一定の場合には旋回繋止式又は簡易脱着式の継手により、ノズル又はクランプに対して可逆的に結合され得ると共に、一定の場合には、これらの構成要素の端部と一体化される。ノズル(すなわち吐出部材)は、任意の材料から構成され得ると共に、動物に対して空気を供与するに適した任意の形状である。幾つかの実施例において上記吐出部材は、テーパ付けられた又はテーパ付けされない壁部を有する中空の円筒状構造であるか、又は、針状又はニードル状の構造である。
【0067】
ノズルは、収容された動物に対して空気を提供/排出する任意の好適な様式でケージに対して係合され得る。幾つかの実施例において、上記ノズルは、多くの場合には気密又は実質的に気密で可逆的なシールを形成するケージ・アセンブリにおける対応構造と嵌合するコネクタとされ得る。上記ノズルは、動物用ケージ・アセンブリに対して/から空気を供与/排出するに適した任意の幾何学形状であり、且つ、一定の場合には円錐状である。円錐状のコネクタの実施例において、上記小寸の水平表面領域は、上記ノズルが自身を垂直に通過する空気に対して配向されたときに、上記大寸の水平表面領域の下方に配置され、且つ、上記円錐状コネクタは多くの場合、一定の場合には該コネクタの頂部表面と底部表面とにおける各孔により画成される円筒状又は円錐状の空隙部である、空隙部を含む。幾つかの実施例において、1つ又は2つのノズルは、ケージ・カバー部材を貫通し、一定の場合にはカバーの厚みの一部を貫通し、又は、カバーの厚み全体を貫通する。
【0068】
ノズルの実施例は、カバー部材の外側表面及び内側表面を貫通し得ると共に、一定の場合には、該ノズルを受容する孔又は他の構造を有さないカバー部材を突き通り、且つ、一定の場合には、カバー部材の離脱部分により形成された孔を貫通延在する。ノズルがカバー部材を突き通る場合、該ノズルは上記カバー部材の可撓領域を突き通り得ると共に、上記カバーにおける材料は、上記ノズルの外側面と共に気密又は半気密のシールを形成し得る。空気流システムのノズル及び他の部材は多くの場合、ケージの側壁部材に対しては接続されない(例えば、ケージ基部の側壁部材に対しては接続されない)。空気は、多くの場合にカバー部材を通り、多くの場合には空気流システムからノズルを介して、ケージに進入し、且つ、空気流システムに至る排出ノズル、及び/又は、上記カバー部材におけるフィルタと並置された単一若しくは複数の排出孔を通り排出される。空気は多くの場合、ケージ基部を通しては排出されない。
【0069】
ラックにおける管路システムの実施例は、一定の場合には、調節可能バルブを含まない。一定のラックの実施例において、多くの場合には固定孔を有する計量ノズルが、空気流及び空気圧を調節し得る。一定の実施例において、管路システムは1つ以上のバルブを含み得る。空気流を絞るために有用な任意のバルブが利用され得る。1つ以上のバルブは、主要供給/排出管路、マニフォルド及び/又は可撓管材の間における接合部に配置され、一定の場合には、ケージに対して接続された可撓管材の端部に配置され、且つ、一定の場合には、主要供給/排出管路又はマニフォルドの長さ以内に(例えば、管路の終端では無い領域に)配置される。一定の実施例において、管路の内部断面積(例えば、管材の円形の断面積)は、該管路が接続される更に大寸の管路の内部断面積よりも、小さく、且つ、幾つかの実施例においては相当に小さい。斯かる構成は、システムにおいて、各ケージに対する空気流及び空気圧を調節する制御弁なしで、各ケージに対して実質的に等しい空気流及び空気圧を提供するために有用であり得る。例えば、マニフォルド管路と、ケージに対して連結された可撓管路との間におけるコネクタ(例えば、本明細書中に記述されるクランプ・システム)の内径は一定の場合には約0.127cm(約0.05インチ)であり、且つ、上記マニフォルド管路の内径は約0.635cm(約0.25インチ)以上である。計量ノズル内には多くの場合に制限孔が在り、該孔は一定の場合には、ケージに接続された管路をマニフォルド管路に対して結合するクランプ・アセンブリ内である。
【0070】
幾つかのラック・ユニットの実施例において、ラック・ユニット・モジュールは、前側パネル、後側パネル、及び、2つの側部パネルを含み、且つ、各パネル内に、給気マニフォルドと、該給気マニフォルドに対して各ケージ基部を接続する管材とを含む。斯かるラック・ユニットは一定の場合には、排気マニフォルドと、該排気マニフォルドに対して各ケージ基部を接続する管材とを含む。本明細書において、各パネル内における残存スペースは一定の場合には、“気体溜まり”と称される。空気は、各パネル内に存在する場合における排出マニフォルドに対して各ケージを接続する管材を通り、各ケージから直接的に掃気され得る。空気はまた、(例えば、HVACシステムからの管材を上記気体溜まりに対して接続することにより)上記気体溜まり内に負の空気圧を付与することによっても掃気され得ると共に、ケージのフィルタを介して該ケージを離脱する空気は、各ケージと接触する上記パネルにおける近傍のポートを介して上記気体溜まり内へと排出される。後者の方法は、排出マニフォルドを通しての空気の排出に加えて、又は、その代わりに、利用され得る。上記ラック・ユニットが給気及び排気マニフォルドを含むと共に、各マニフォルドが接続管材と、別体的な供給ノズル及び排出ノズルとを介して各ケージに対して係合され得る場合、正の空気圧及び負の空気圧が制御されることで、正の空気圧のみ、負の空気圧のみ、又は、それらの組み合わせが提供され得る。幾つかのケージの実施例は、カバーにおける孔、又は、斯かる実施例における別の部材(例えば、孔配列)に対して並置された空気フィルタ媒体又は非孔性の媒体を含み得る。
【0071】
幾つかの実施例において、ラック・ユニット・モジュールは別のラック・ユニット・モジュールに対し、給気管路及び/又は排気管路と、上記他のラック・モジュールにおける対応する単一若しくは複数の差込口に対して摺動可能に係合する1つ以上の別体的な挿入部材とに対して接続された可撓管材により接続され得る。後者の実施例において、ラック・モジュールは、各モジュールを相互に対して接続する1つ以上の案内部材を含み得る。斯かる実施例においては、各ラック・ユニットが相互に対して係合/から係合解除されると同時に、給気及び/又は排気配管系統が結合又は結合解除され得る。
【0072】
幾つかの実施例においては、管材と、該管材の一端における給気又は排気接続部(例えば、空気ブロワ接続部)と、上記管材に対して接続された管路であって、上記ブロワからの空気を計量ノズルに対して供与する管路とを含む動物収容ケージ用ラックが提供され、その場合に(例えば上記計量ノズルにおいて測定された)空気圧は、約0.762水柱センチ(約0.3水柱インチ以上)である。斯かるラックは、一定の場合にはモジュール式であり、且つ、幾つかの実施例においてはモジュール式でない。(例えば、上記計量ノズルにおいて測定された)空気圧は、約1.016水柱センチ(約0.4水柱インチ)以上、約1.27水柱センチ(約0.5水柱インチ)以上、約1.524水柱センチ(約0.6水柱インチ)以上、約1.778水柱センチ(約0.7水柱インチ)以上、約2.032水柱センチ(約0.8水柱インチ)以上、約2.286水柱センチ(約0.9水柱インチ)以上、又は、約2.54水柱センチ(約1.0水柱インチ)以上である。幾つかの実施例において、上記空気圧は約2.54水柱センチ〜約7.62水柱センチ(約1水柱インチ〜約3水柱インチ)とされ得、約5.08水柱センチ(約2水柱インチ)とされ得る。各計量ノズルにおいて供給される空気の圧力は、調節可能なバルブにより調整されないことが多く、且つ、多くの場合、その計量ノズルにより調整され得る。上記計量ノズルのオリフィス直径は多くの場合、約0.635cm(約0.25インチ)以下とされ得、一定の場合には約0.152cm〜約0.203cm(約0.06インチ〜約0.08インチ)である。一定の実施例において、ラックは、空気流又は空気圧のセンサを含む。該センサは一定の場合に、管材、管路、及び/又は、計量ノズルの内の1つ以上に対して接続され得る。ラックは幾つかの実施例において、各々が計量ノズルの近傍とされた1つ以上の棚部を含む。
【0073】
幾つかの実施例においては、複数の棚部と、管材と、該管材の一端に接続された給気ブロワと、上記管材に対して接続された複数の管路であって、上記ブロワからの空気を上記棚部の各々に供与する複数の管路と、空気流又は空気圧センサとを含む動物収容ケージ用ラックが提供され、その場合にコントローラは、上記給気ブロワにより供与される空気を、設定点と、上記センサからの信号とに基づいて調節する。斯かる実施例において、上記センサは一定の場合には、管材、管路、空気計量ノズル、ケージ、又は、それらの組み合わせと接続される。上記給気ブロワは一定の場合には、順次に配列された2つ以上のファンを含み、且つ、コントローラは、各ファンの内の1つ以上のファンの速度を調節すべく構成され得る。上記ラックは一定の場合には排気ブロワを含み、且つ、該排気ブロワは順次に配列された2つ以上のファンを含み得ると共に、コントローラは各ファンの内の1つ以上のファンの速度を調節すべく構成され得る。上記コントローラは一定の場合には、配線により、単一又は複数のブロワに対し連結され、且つ、一定の場合にそれは遠隔式である。
【0074】
本明細書において論じられる構成要素の内の任意の構成要素は、本明細書中に記述される1つ以上の他の構成要素と、及び/又は、動物収容施設において利用される1つ以上の他の構成要素と組み合わされ得る。例えば、一定の場合に動物収容システムは以下の内の1つ以上を含んでいる:1つ以上のケージ(例えば、ケージ基礎部材、蓋体部材、及び、挿入部材);1つ以上のラック・モジュールを各々が備えて成る1つ以上のラック・ユニット;1つ以上の空気流アセンブリ(例えば、給気ブロワ及び/又は排気ブロワ);及び、1つ以上の検出、監視又は検知デバイス。幾つかの実施例において、空気は動物収容施設における中央空気流システムにより各ケージに対して提供され、且つ、一定の場合に空気は、本明細書中に記述された空気流システム(例えば、ラックの頂部に対して結合された空気流アセンブリ)により提供される。
【0075】
ケージ基部及びケージ蓋体の幾つかの実施例は、厚みが約0.025cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)とされ得るポリマから構成され得る。
【0076】
各々が“畜産用の収容システム及び構成要素”と称されると共にDee Conger等を発明者として挙げ且つ代理人処理番号INO−1001−UT、INO−1001−PC、INO−1001−UT2及びINO−1001−PC2が付与された特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5に示されたラック、通気システム及びケージの一定の特徴は、本明細書中に記述された各実施例に適用可能な構成要素を論じており、且つ、それらは言及したことにより全体的に本明細書中に援用される。
【0077】
幾つかのラック・システム実施例の製造は、反復パターンの構造を備える構成要素を含むモジュール式システムを使用することにより、更に効率的及びコスト効率的とされ得る。斯かる反復パターンの構造によれば、ラック構成要素は、任意の所望の寸法へと切断されると共に、任意の適切な寸法にて、構成要素又は下位構成要素又はラック・システムを構築すべく使用され得る。例えば、任意の所望の長さ又は高さへと寸法設定され得るモジュール構造を有するラック・システムによれば、特注の寸法を有するラック・システムが容易に製造され得る。
【0078】
図1は、相互に重ねて積層された3個のラック・モジュール12を備えるモジュール式のラック・アセンブリの実施例10を示している。該ラック・アセンブリの底部に対しては、4個の車輪を含むトロッコ・アセンブリ14が固着され、可動ラック・システムの実施例10を許容している。トロッコ・アセンブリ14は、上記ラック・システムのフレーム16に対し、又は、上記ラック・システム・アセンブリの他の任意で適切なモジュール若しくは部分に対して固着され得る。各ラック・モジュール12は、複数の棚部アセンブリ18及び対応する収容ケージ・アセンブリ20を収容すべく構成されると共に、各モジュール12が特注寸法に対して容易に寸法設定されることを許容する反復構造を有する構成要素から作成され得る。ラック・システム・アセンブリ10の幾つかの実施例は、略々2個の棚部及び対応するケージ・アセンブリから、略々100個の棚部及び対応するケージ・アセンブリまでを保持すべく構成され得る。通気は供給ブロワ24により提供され得ると共に、空気は、ブロワ・アセンブリ内に配設された選択的な混合ボックスに対して結合され得る排出ブロワ26を介して各ケージ・アセンブリから排出され得る。上記供給ブロワ及び排出ブロワは各々、ラック・アセンブリ10の頂部に示されたコントローラ30に対して、ハード結線、光ファイバ、無線送信などにより通信し得る。
【0079】
図2は、フレーム16を備えたラック・システム・モジュール12であって、垂直供給マニフォルド32と、垂直排出マニフォルド34と、マニフォルド32及び34の間に延在し且つこれらのマニフォルドに対して固着された4本の横方向の二重通路式の気体溜まり38とを含むラック・システム・モジュール12の一部分を示している。垂直供給マニフォルド32は、供給ブロワ・アセンブリ24に対して結合された内側通路40を有し、且つ、上記垂直排出マニフォルドは、排出ブロワ・アセンブリ26に対して結合された内側通路42を有している。垂直マニフォルド32及び34は、隣接する各ラック・モジュール12の対応マニフォルドに対して結合され且つそれらのマニフォルドと連通することで、ラック・システムの各マニフォルドに対する連続的な供給/排出通路を形成すべく構成され得る。各気体溜まり38は、各気体溜まりの丈に沿い延在する供給通路44及び別体的な排出通路46であって、隔壁48により各気体溜まりの全長に沿い相互から分離且つシールされた供給通路44及び別体的な排出通路46を有する。各気体溜まりは垂直マニフォルド32及び34の間に配設され且つそれらのマニフォルドに対して連通され、図5及び図6に示される如く、各気体溜まりの供給通路は、垂直供給マニフォルド32の内側通路40と連通し、且つ、各気体溜まり38の排出通路は、垂直排出マニフォルド34の内側通路42と連通する。各気体溜まり38の排出通路及び供給通路の固有の一貫した垂直位置によれば、各棚部アセンブリ18は、図6に示された第1及び第2の結合器52及び54に対して結合された夫々の供給管路及び排出管路であって、これらの結合器と連通する供給管路及び排出管路を有することも許容される。各気体溜まり38及びマニフォルド32及び34はいずれも、その丈に沿い、上記供給通路及び排出通路と連通する反復孔パターン56を以て略均一構成を有し得ると共に、図4に示された如く、任意の単位長さへと切断されて組立てられることで所望の個数の棚部アセンブリを収容し得る。
【0080】
幾つかの実施例において、棚部アセンブリ実施例18の各管路は(不図示の)夫々の計量ノズルに対して結合され得、その場合に(例えば、各計量ノズルにて測定された)空気圧は、約0.762水柱センチ(約0.3水柱インチ)以上である。(例えば、各計量ノズルにて測定される)空気圧は、一定の場合には、約1.016水柱センチ(約0.4水柱インチ)以上、約1.27水柱センチ(約0.5水柱インチ)以上、約1.524水柱センチ(約0.6水柱インチ)以上、約1.778水柱センチ(約0.7水柱インチ)以上、約2.032水柱センチ(約0.8水柱インチ)以上、約2.286水柱センチ(約0.9水柱インチ)以上、又は、約2.54水柱センチ(約1.0水柱インチ)以上である。幾つかの実施例において、上記空気圧は約2.54水柱センチ〜約7.62水柱センチ(約1水柱インチ〜約3水柱インチ)とされ得、約5.08水柱センチ(約2水柱インチ)とされ得る。各計量ノズルにおいて供給される空気の圧力は、調節可能なバルブにより調整されないことが多く、且つ、多くの場合、その計量ノズルにより調整され得る。上記計量ノズルのオリフィス直径は多くの場合、約0.635cm(約0.25インチ)以下とされ得、一定の場合には約0.152cm〜約0.203cm(約0.06インチ〜約0.08インチ)である。一定の実施例において、ラックは、空気流又は空気圧のセンサを含む。該センサは一定の場合に、管材、管路、及び/又は、計量ノズルの内の1つ以上に対して接続され得る。
【0081】
図3を戻り参照すると、棚部アセンブリ実施例18は、ラック・アセンブリ10の完成されたラック・モジュール12の壁部分58に対して固着して示される。棚部アセンブリ18は、ネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤などの留め具により、壁部分58及び隣接する気体溜まり構造38の取付け孔62に対して固着され得る取付け孔を含んでいる。図4は、ラック・モジュール12の壁部分58又は表板における反復孔パターン56、及び、ラック・アセンブリ10の各棚部アセンブリ18及び対応する収容ケージ・アセンブリ20に対して通気を提供すべく下側に位置する気体溜まりアセンブリ38の拡大図を示している。図8は、例示目的でモジュール構造の残部を示さずに、ラック・アセンブリ・モジュール12の棚部アセンブリ18と壁部分58との間の接続部の後方破断斜視図を示している。棚部アセンブリ18の上記供給管路及び排出管路の後側吐出部分又は結合器52及び54は、ラック・モジュール12の壁部分58を貫通延在することで、吐出部分52及び54は、上記各管路と、図4に示される気体溜まりアセンブリ38の夫々の供給通路44及び排出通路46との間の連通を確立することが視認され得る。図8には、上記棚部アセンブリの(図11に示された)第1ノズル70と連通する(図15に示された)第1の円錐状差込口66と、棚部アセンブリ18の(図11に示された)対応第2ノズル72と連通する(図15に示された)第2の円錐状差込口68とを有する収容ケージ・アセンブリ20も示される。ノズル70及び72と差込口66及び68との夫々の第1及び第2の対は、供給通路ないし排出通路の役割を果たし得る。夫々の差込口及びノズルはスプリング付勢され又は別様に相互に対して押圧されることで、スプリング負荷レール76に依り、解放可能なシール関係を形成し得、該レール上には、収容ケージ・アセンブリの各側にて該収容ケージ20のフランジ部分が着座する。
【0082】
図7は、隣接する各棚部アセンブリ18内に配設された一対の隣接する収容ケージ20の前面図を示している。第1の棚部アセンブリ18は、フレーム16に対して固着されると共に、ケージ・アセンブリ20を受容して支持すべく構成される。第1の棚部アセンブリ18は、該棚部アセンブリ18のフレーム部材78の各側部上に略平行な2本の長手スプリング負荷レール76を夫々有し、各スプリング負荷レール76は、当該上側縁部80に対して係合された使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82の底部表面を受容すべく構成された上側縁部80(図9を参照)を有している。図7において視認され得る如く、個別的な各棚部アセンブリ18は、所定のケージ・アセンブリに対する一方のスプリング付勢レール76を提供し、該棚部のフレーム部材78の逆側上に対置されたスプリング負荷レール76は、隣接する棚部アセンブリ18により提供されるケージ・アセンブリに対するものである。隣接する棚部アセンブリ上のレール76もまた、第1のレールに対して略平行とされ得る。図7の左側に示される如く、複数の棚部アセンブリ18の端部列は、隣接する棚部アセンブリ18が無い箇所にてスプリング負荷レール76を提供するために、左側にて特別なフレーム断片86を必要とする。
【0083】
各スプリング負荷レール76は、収容ケージ・アセンブリ20の差込口66及び68が、棚部アセンブリ18の固定ノズル70及び72に当接して上方に付勢される如く、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82に対して上向きの付勢力を付与するために上向きのスプリング付勢力により垂直方向に平行移動可能である。収容ケージ20に対する上記上向きの付勢力は、棚部アセンブリ18の上部の夫々のノズル70及び72と、該収容ケージ20の円錐状差込口66及び68との間におけるシールを確立する。該シールは、上記ケージ・アセンブリの各差込口と、上記マニフォルド/気体溜まりシステムの内側通路と連通する棚部アセンブリ18の第1管路92及び第2管路94とを通る空気の制御可能な流れを提供する。棚部アセンブリ18の各ノズルとケージ・アセンブリ20の各円錐状差込口との間における上記結合は、上記ケージ・アセンブリが上記棚部アセンブリ内へと完全に挿入されたときに、ケージ・アセンブリは、棚部アセンブリの夫々のノズル内への円錐状差込口によるスプリング付勢力が克服されるまでは、取り外しに抗する如く、ケージ・アセンブリ20と棚部アセンブリ18との間における解放可能な機械的結合も生成し得る。
【0084】
幾つかの実施例に対しては、ケージ・アセンブリ20を支持するために、スプリング付勢レール76と同一又は同様である静止的レール(図24乃至図39、図中の部材276を参照)が使用され得る。斯かるレール実施例は付勢スプリングを含まないが、ケージ・アセンブリ20の蓋体実施例の本来的な弾性の使用により、スプリング付勢レールの結果と類似する結果を達成することが可能である。更に詳細には、ケージ・アセンブリ20の薄寸壁ポリマ蓋体の本来的な可撓性によれば、ノズル70及び72を該ケージ・アセンブリの円錐状差込口66及び68に対して解除可能に結合するに十分である弾性的な垂直偏向が可能とされ得る。斯かる実施例に対し、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ18のノズル70及び72から固定距離に配設された一対の略平行な静止的レールにより支持され得る。上記固定距離は、ケージ・アセンブリ20が棚部アセンブリ18内へと押し込まれるにつれて上記各円錐状差込口は弾性的に下方に付勢されると共に、該円錐状差込口が夫々のノズル70及び72に対して水平方向において整列されたときには上方向に弾性的に復帰する如く、選択され得る。斯かる実施例において、上記蓋体の材料種類、厚み及び構成は、円錐状差込口66及び68とノズル70及び72との間の適切なシールを達成するために所望量の弾性力を提供すべく選択され得る。幾つかの実施例に対し、各レールの上側縁部又は表面80間の間隔は、差込口66及び68がノズル70及び72に対して一旦係合したなら、偏向された蓋体の上向き弾性力は、結合された構成に対して殆ど又は全く残留力が無い様に実質的に弛緩され得る如く選択され得る。
【0085】
ノズル70及び72は、ケージ・アセンブリ20の通気に対する、加圧気体の供給源、又は、負圧の供給源を提供する役割を果たし得る。負圧又は正圧の気体の上記供給源は、通気システムを含み得る。これにより、上記ケージ・アセンブリが使用されているときに、空気は、棚部アセンブリ18に対して結合されたケージ・アセンブリの基部の内部体積内へと下方に向けて、且つ、上記基部の底部に配設された床敷き材料に向けて又は該床敷き材料内へと流れることが許容され得る。ユーザは、蓋体及びケージ基部の各ユニットを直接的に係合することにより該蓋体及びケージ基部をラック10から同時的に引張り得ると共に、上記蓋体及びケージ基部は、スプリング負荷された円錐状差込口により、上記ラックの各ノズルのから自動的に係合解除される。
【0086】
幾つかの実施例に対し、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ18の固定ノズル70及び72に関してケージ・アセンブリ20の円錐状差込口66及び68の一定の移動及び調節を許容するために、横方向又は水平方向において実質的に無拘束的な嵌合を有すべく構成され得る。斯かる横方向の平行移動によれば、ノズル70及び72が夫々の円錐状差込口と完全に整列されない様に上記ケージ・アセンブリが各ノズルの下方に位置されたとしても、各ノズルは、ケージ・アセンブリ20の蓋体の夫々の円錐状差込口に対して結合され得る。この不完全な整列の状況は、大型で重い動物による更に大寸のケージ・アセンブリ20であって、斯かる整列を達成する上でケージ・アセンブリがラック・システムの棚部上で容易には摺動しないという状況において特に顕著であり得る。
【0087】
幾つかの実施例に対し、スプリング付勢レール76は、長さが約12.7cm〜約38.1cm(約5インチ〜約15インチ)とされ得ると共に、ガラス充填ナイロンの如き種々の高強度の射出成形材料から作成され得る。上記棚部アセンブリのフレーム部材78は、アルミニウム、ステンレス鋼などの如き耐食性材料などの任意の適切な高強度材料から作成され得る。フレーム部材78はまた、該フレーム部材78の後側底部における取付け用スロット96であって、ネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤などの如き任意の適切な留め具により上記ラック・アセンブリの壁部分58に対して固着され得る取付け用スロット96も含んでいる。棚部アセンブリ18の頂部部分100は、任意の適切な留め具又は接着剤により棚部アセンブリ18のフレーム部材78に対して固着され得ると共に、同様に、ガラス充填ナイロンの如き高強度の射出成形材料から作成され得る。頂部部分100は棚部取付けフランジ102を含むと共に、該頂部部分は、供給管路又は排出管路のいずれかとして使用され得る第1及び第2のノズル70及び72及び第1及び第2の管路92及び94も収納する。頂部部分100はまた、ケージ20よりも長さが短く、又は、ケージ20と同一長さであり、又は、ケージ20よりも長寸とされ得る。
【0088】
図9乃至図14は、棚部アセンブリ18の実施例を更に詳細に示している。特に図11は、頂部部分100へと型成形された第1管路92及び第2管路94を示しており、該管路92及び94は、頂部部分100の後側における夫々の第1及び第2の管路結合器52及び54から、頂部部分100の底部に向けて配設された夫々の第1及び第2のノズル70及び72まで延在する。第1及び第2のノズル70及び72は夫々、各々がノズルの開口に配設され且つ夫々の保持器プレートにより所定位置に保持される第1弾性シール104及び第2弾性シール106を含んでいる。環状の又は円筒状の弾性シール104及び106は、嵌合するノズル70及び72と、ケージ・アセンブリ20の円錐状差込口66及び68との間の気密シールを促進する弾性ポリマで作成され得る。棚部アセンブリ18の頂部部分100は、略平滑で平坦な頂面と、該頂部部分100の内部構造の輪郭も表す波形の底部表面とを有する。頂部部分100はまた、該頂部部分100の周囲回りに延在する縁部又は唇部108と、該頂部部分100の底部表面上に格子を形成する図11に示された強化リブ110のネットワークとを含んでもいる。頂部部分100の後側における取付けフランジ102もまた、上記頂部部分構造内に型成形される。周縁部108と強化リブ110とを含む上記型成形構造は、棚部アセンブリ18の頂部部分100が、高度の均一性及び強度を維持し乍ら、低コストで射出成形されることを許容する。
【0089】
図10及び図11を参照すると、上記スプリング付勢レール・アセンブリの構成が更に詳細に視認され得る。各スプリング負荷又は付勢レール76は、レール76の第1端部に配設された第1付勢スプリング114と、レール76の第2端部に配設された第2付勢スプリング116とを含んでいる。示された付勢スプリング実施例114及び116は、上記棚部アセンブリのフレーム部材78に対して作用的に連結された第1端部と、レール本体76の内側面に対して作用的に連結された第2端部とを有するコイル・スプリングを含んでいる。コイル・スプリングの実施例が示されるが、リーフ形式のスプリング、リボン形式のスプリング、又は、他の任意で適切なスプリング構成などの、他のスプリング実施例も使用され得る。幾つかの実施例に対し、各付勢スプリング114及び116は、スプリング付勢レール76に対して垂直方向において、約0.45kg〜約4.53kg(約1ポンド〜約10ポンド)を付与すべく構成され得る。故に、幾つかの実施例に対し、各スプリング付勢レール76は、支持されたケージ・アセンブリ20に対して約0.91kg〜約9.06kg(約2ポンド〜約20ポンド)の上向き力を及ぼし得ると共に、各対又はスプリング付勢レール76は、支持されたケージ・アセンブリ20に対して約1.81kg〜約18.12kg(約4ポンド〜約40ポンド)の上向き力を及ぼし得る。幾つかの実施例に対し、各レールの上側縁部又は表面80間の間隔は、差込口66及び68がノズル70及び72に対して一旦係合したなら、偏向された蓋体の上向き弾性力は、差込口とノズルとの間において結合された構成に対して殆ど又は全く残留力が無い様に実質的に弛緩され得る如く選択され得る。
【0090】
幾つかの実施例に対し、スプリング付勢レール部材76は、図10に示された如くシャフト部分118とフランジ部分120とを含む複数の留め具により取付けられ得る。図10に示された如く、各留め具のシャフト部分118は、棚部フレーム部材78から、レール・アセンブリにおける夫々のスロット122を通り堅固に延在する。シャフト部分118の端部におけるフランジ部分120は、スロット122のサイズより大寸とされ得ると共に、シャフト部分118は、該シャフト部分及び担体本体が上記スロット内で概略的に動き回ることを許容するために、スロット122の内径よりも小寸とされ得る。幾つかの実施例に対し、上記スプリング付勢レール・アセンブリは、垂直方向に約0.254cm〜約2.54cm(約0.1インチ〜約1インチ)だけ平行移動すべく構成され得る。
【0091】
図15は、上記で論じられたケージ・アセンブリと同一の特徴、寸法及び材料の幾つかを有し得る収容ケージ・アセンブリ20の実施例を示している。示された実施例に対し、基部130の縁部は、該基部の周囲回りに連続的に延在すると共に、蓋体132の縁部に対して弾性嵌合により取外し可能に固着されるべく構成される。これに加え、基部130の縁部に対して弾性嵌合により嵌合すべく構成された蓋体132の周縁部上のチャネル134もまた、該蓋体の周縁部の回りに連続的に延在する。幾つかの実施例に対し、上記蓋体の周縁部上のチャネルは、減少された横方向寸法へとテーパ付けされた側面を有する長寸チャネルであって、弾性嵌合により機械的に係合すべく構成される長寸チャネルを含む。
【0092】
基部130はポリマ材料を含むと共に、該基部は、連続的な構造で一体的に形成された4つの側部及び1つの底部を有する。蓋体132はまた、概略的に平坦な構造又は構成を有するポリマ材料を含んでいる。蓋体132は、上方に延在する方向に配設された第1の円錐状通気差込口66及び第2の円錐状通気差込口68であって、上記で論じられた棚部アセンブリ18の実施例の第1及び第2のノズル70及び72と夫々嵌合すべく構成された差込口66及び68を含んでいる。蓋体132は、通気構造136と、蓋体132の該通気構造136の近傍に配設された該蓋体における対応孔に係合すべく構成された押し込み支柱結合部材138を備えて成る(不図示の)通気シールドとを含み得る。蓋体132の通気構造136と上記通気シールドとの間には、(不図示の)フィルタ要素が配設され得る。幾つかの実施例に対し、基部130及び蓋体132は、約0.0254cm〜約0.203cm(約0.01インチ〜約0.08インチ)の厚みを有するポリマから作成され得ると共に、熱可塑性プラスチック、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン・フルオロエチレン(PEFE)、ポリスチレン(PS)、高密度ポリスチレン、及び、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体の如き材料を含み得る。
【0093】
上記で論じられた如く、基部130及び蓋体132を含め、本明細書において論じられたケージ・システム実施例又はその構成要素の任意のものに対し、埋立地及び他の廃棄物管理保管所に対する使い捨て可能な形式のケージ・アセンブリの使用による影響を低減するために、光分解可能又は生分解可能な材料を使用することが好適であり得る。1つの斯かる材料としては、バイオランド(Bioland)社により製造された生分解可能PETの如き、生分解可能PETが挙げられる。斯かる生分解可能PET材料は、ポリエチレン・テレフタレートと、微生物に対して高度に吸引されるポリマ鎖の延長部を生成する有機添加剤とを含み得る。上記材料の強度、剛性、衝撃抵抗、耐摩耗性、気体障壁特性、又は、拡散傾向を劣化させない様な、幾つかの添加剤が使用され得る。幾つかの生分解可能PET材料は、約1.3g/cm2の比重と、約7,000psi〜約8,500psiの引張強度とを有し得る。
【0094】
ラック・システム、及び、該ラック・システムにより支持されたケージ内に収容された動物に関する問題の1つは、各ケージの内部条件に関する情報を効率的且つ正確に収集し、処理し、且つ、実験室作業員に対して表示することに関している。実験動物を収納する複数の収容ケージを伴うシステムの手入れ及び維持管理、又は、研究に関する多くの状況において、各ケージは、優良実験室手法により決定され得る定期的スケジュールであって、獣医学の専門家の投入も含み得る定期的スケジュールに基づいて、清浄化、交換、又は、別様に維持管理される。動物の周囲環境に対する該動物の相互作用の複雑な性質の故に、維持管理スケジュールは多くの場合、一群のケージに対する最悪の場合の状況展開に基づいて計算又は決定され得る。更に詳細には、全てのケージに対する維持管理スケジュールは、最大の生物学的負担を有するケージにより決定され得る、と言うのも、各ケージを個別的に監視することは時間が掛かりすぎるからである。斯かる配置構成に対し、直ちには維持管理を必要としないケージは、いずれにしてもそれを受け入れ、実験室資源の非効率的な使用、及び、低い生物学的負担を有する幾つかのケージの不必要な維持管理などに帰着する。これに加え、ケージの監視データが実験室作業員により遠隔的に入手可能とされたとしても、実験室作業員に対して多数のケージの監視が課せられるなら、全てのケージ・データを処理することは依然として大きな負担であり得る。
【0095】
故に、一定の状況において実験室作業員は、ケージ状況情報が便利に且つ効率的に表示され乍ら、ラック・システムにより支持された個別的な各ケージの相互接続を確実に且つ便利に監視する能力を有することが重要であり得る。図1に示された如く、ラック・システム実施例10は、ブロワ・アセンブリと一個以上のセンサ140とに対して結合され得るコントローラ実施例30を含んでいる。図6に示された気体溜まり38の供給及び排出通路44及び46内、図11に示された棚部アセンブリ18の管路92及び94内、図15に示されたケージ・アセンブリ20の内部体積内、又は、ラック・アセンブリ10における他の任意で適切な位置に、任意の所望の単一若しくは複数のセンサが配設され得る。各センサ140は、ラック・システム10により支持された個別的な各ケージ20内の状態を監視すべく使用され得る種々の構成又は形式の内の任意の構成又は形式を含む。コントローラ30により各センサ140又は他の情報源から獲得されたデータは、該コントローラ内、又は、上記システムの他の任意で適切な箇所に配設された演算システムにより処理されてから、好適な視覚的表示形態にてグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示され得る。
【0096】
幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースは、所定のラック・システム10により支持された各収容ケージ20に対するアイコンなどを同時的に表示し得る。幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示された各アイコンは、上記ラック・システムの実際の各ケージの構成に対応する構成で、画面上に位置され得る。換言すると、実験室作業員が上記ラック・システム上の各ケージの内の任意のケージの状況を即時に直感的に評価し得る如く、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースの画面上には、実際のラック・システムの側面の前面図の複写物が表示され得る。幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースのケージ・アイコンは色コード化表示を使用することで、ケージ状況情報を実験室作業員に対して効率的且つ迅速に伝え得る。例えば、パラメータが監視且つ処理されると共に、該パラメータが、使い捨て可能なケージを新たな未使用のケージに交換する適切な時期の決定に関連するなら、必要な交換が近いことを表すアイコン色が使用され得る。アイコン色が緑色であれば、交換は不要であり、アイコン色が黄色であれば、交換がすぐに必要となり得、且つ、赤色のアイコンは、即時のケージ交換に対する必要性を表すべく使用され得る。
【0097】
遠隔センサ140又は他の手段により各ケージの内部において監視され得るケージ状況パラメータの幾つかとしては、ウィルス又は細菌の存在又はレベル、アンモニアのレベル、二酸化炭素のレベル、一酸化炭素のレベル、湿気のレベル、空気圧のレベルなどが挙げられる。監視され得る他のパラメータとしては、各ケージ内の動物の総重量、各ケージ内の動物の身体活動度、又は、各ケージ内の動物の他の挙動若しくは動態が挙げられる。幾つかの実施例に対し、上記のパラメータの内の1つ以上を決定すべきセンサ140は、各ケージ内に配設され得るが、上記棚部アセンブリの管路、又は、該棚部アセンブリの近傍の気体溜まり内にも配設され得る。各センサ140はまた、センサの読取値データが処理されてグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示され得る様に、コントローラ30に対してセンサの読取値を通信すべく、上記コントローラに対しても作用的に連結され得る。
【0098】
図16乃至図21は夫々、収容ケージ状況に関する種々の情報を表示するグラフィック・ユーザ・インタフェース実施例142の一画面を示している。図16を参照すると、画面上には、垂直に積層された構成の4つのラック・モジュールを有するラック・システム10の“側面A”の正面図の複写物が示される。ディスプレイ上の各収容ケージ・アイコンは、特定パラメータに関してケージ状況を表す色で示され得る。実験室作業員が上記ラック内のケージ状況の迅速な評価を獲得し得る様に、色コード体系が使用され得る。例えば、上記で論じられたケージ交換状況情報に関し、図16のディスプレイ内に示された各アイコンの色コード化がケージ交換状況情報に関連するなら、実験室作業員は、このパラメータを選択すると同時に各アイコンを視認し、且つ、ディスプレイ上で(文字Rにより表された)任意の赤色アイコンの存在に基づいて、いずれかのケージの交換が即時に必要か否かを決定し得る。アンモニア・レベルの如き他のパラメータに対し、同様の方式が使用され得る。もし実験室の技術者がアンモニア・レベル状況を選択したなら、各アイコンの色コード化は次に、(図16のアイコン上に文字が無いことで表される)白色、(アイコン上の文字Yにより表される)黄色、(アイコン上の文字Pにより表される)ピンク、又は、(アイコン上の文字Gにより表される)灰色に基づき、アンモニア・レベルが低い、高い、又は、中程度であることを表すべく切換えられ得る。色コード化は、幾つかの実施例に対し、獣医学の専門家による注意の必要性を表すために使用され得る。獣医学的な注意を必要とするケージの総数の数値表示144、及び、交換を必要とするケージの総数もまた、示され得る。上記ラック・システムの“側面A”上の各ケージに関する情報の表示から、上記ラック・システムの“側面B”へと切換えるために側面選択スィッチ146は二方向切替えされ得る。
【0099】
上記ディスプレイはまた、画面上の上向き及び下向きの矢印を切替えることにより調節され得る毎時空気転換量“ACH”の値148も示し得る。“DIFF PRES”として表された上記供給管路と排出管路との間の差圧もまた、各ケージ・アセンブリの内部が周囲雰囲気に関して正味で正圧であるか負圧であるかを表すものとして表示され得る。“DIFF PRES”の表示はまた、各ケージ・アセンブリ内で正又は負の内部圧力を達成するために相対圧力を調節するための上向き/下向き矢印150も含んでいる。実験室作業員による参照のために、日付、時刻及び他の情報も示され得る。幾つかのコントローラの実施例に対し、該コントローラのパラメータ及び出力に対する種々のレベルのアクセスは、パスコードを要求することにより制御され得る。図17はユーザ・パスコードを促しているポップアップ・メニュー152を示しており、該ユーザ・パスコードは、入力されたとき、各パラメータの調節及び再設定を行うためにコントローラ・システムに対するユーザ・アクセスを許容する。図18は、“ラックの設定”、“ケージ交換スケジュールの設定”に対する選択肢、及び、他の選択肢を有するポップアップ・メニュー154を示している。斯かる構成設定に対するアクセスは、パスコードによるアクセスにより、獣医学の専門家、又は、他の任意で適切なレベル若しくはグループの作業員のみに制限され得る。図19は、図18に示された表示からの“ラックの設定”選択肢のポップアップ表示156を示している。図19における設定メニューによれば、ユーザは、システム形式、ラック・モジュールの個数、モジュール毎の列数、及び、列毎のケージ数を選択することが許容される。斯かる設定パラメータは、本明細書において論じられると共に寸法設定に関する適合化に良く適した上記モジュール式ラック・システムに対して特に有用であり得る。上記設定用ポップアップ・メニューは、ユーザに対する正しいラック構成の視覚的確認のために、ラック・システムのプレビュー表示も提供する。
【0100】
図20は、上記で論じられた“ケージ交換スケジュールの設定”に対応するポップアップ・メニュー158を示している。上記交換スケジュール・メニューは、“通常”、“繁殖”及び“特注”の如き種々の交換スケジュール選択肢を含む。交換間隔と対比してケージ毎のマウスの頭数を示す検索チャートも示される。図21は、上記ラック・システムにおける特定のケージに対する種々の状況情報を示す“ケージ情報”に関するポップアップ・ウィンドウ160を示している。示された実施例に関し、選択されたケージに対し、通し番号、研究者、及び、注記が示されている。該表示はまた、前回のケージ交換の日付、及び、次回のケージ交換に対する期日も示している。
【0101】
図22乃至図39は、図24乃至図39に示された静止的レール276と、図40乃至図45に更に示された供給ブロワ224及び排出ブロワ226とを備えたモジュール式ラック・アセンブリの実施例を示している。複数の棚部アセンブリ及び複数のケージを含むこのラック・アセンブリ実施例は、上記で論じられた実施例と同一の特徴、寸法及び材料の幾つか若しくは全てを選択的に含み得る。図22は、相互に重ねて積層された3個のラック・モジュール212を備えるモジュール式のラック・アセンブリの実施例210を示している。該ラック・アセンブリの底部に対しては、4個の車輪を含むトロッコ・アセンブリ214が固着され、可動ラック・システムの実施例210を許容している。トロッコ・アセンブリ14は、上記ラック・システムのフレーム216に対し、又は、上記ラック・システム・アセンブリの他の任意で適切なモジュール若しくは部分に対して固着され得る。各ラック・モジュール212は、複数の棚部アセンブリ218及び対応する収容ケージ・アセンブリ20を収容すべく構成されると共に、各モジュール212が特注寸法に対して容易に寸法設定されることを許容する反復構造を有する構成要素から作成され得る。ラック・システム・アセンブリ210の幾つかの実施例は、略々2個の棚部及び対応するケージ・アセンブリから、略々100個の棚部及び対応するケージ・アセンブリまでを保持すべく構成され得る。通気は供給ブロワ224により提供され得ると共に、空気は、ブロワ・アセンブリ内に配設された選択的な混合ボックスに対して結合され得る排出ブロワ226を介して各ケージ・アセンブリから排出され得る。上記供給ブロワ及び排出ブロワは各々、ラック・アセンブリ210の頂部に示されたコントローラ230に対して、ハード結線、光ファイバ、無線送信などにより通信し得る。
【0102】
図23は、フレーム216を備えたラック・システム・モジュール212であって、垂直供給マニフォルド232と、垂直排出マニフォルド234と、マニフォルド232及び234の間に延在し且つこれらのマニフォルドに対して固着された4本の横方向の二重通路式の気体溜まり238とを含むラック・システム・モジュール212の一部分を示している。垂直供給マニフォルド232は、供給ブロワ・アセンブリ224に対して結合された内側通路240を有し、且つ、上記垂直排出マニフォルドは、排出ブロワ・アセンブリ226に対して結合された内側通路242を有している。垂直マニフォルド232及び234は、隣接する各ラック・モジュール212の対応マニフォルドに対して結合され且つそれらのマニフォルドと連通することで、ラック・システムの各マニフォルドに対する連続的な供給/排出通路を形成すべく構成され得る。各気体溜まり238は、各気体溜まりの丈に沿い延在する供給通路244及び別体的な排出通路246であって、隔壁248により各気体溜まりの全長に沿い相互から分離且つシールされた供給通路244及び別体的な排出通路246を有する。各気体溜まりは垂直マニフォルド232及び234の間に配設され且つそれらのマニフォルドに対して連通され、図26及び図27に示される如く、各気体溜まりの供給通路は、垂直供給マニフォルド232の内側通路240と連通し、且つ、各気体溜まり238の排出通路は、垂直排出マニフォルド234の内側通路242と連通する。各気体溜まり238の排出通路及び供給通路の固有の一貫した垂直位置によれば、各棚部アセンブリ218は、図27に示された第1及び第2の結合器252及び254に対して結合された夫々の供給管路及び排出管路であって、これらの結合器と連通する供給管路及び排出管路を有することも許容される。各気体溜まり238及びマニフォルド232及び234はいずれも、その丈に沿い、上記供給通路及び排出通路と連通する反復孔パターン256を以て略均一構成を有し得ると共に、図25に示された如く、任意の単位長さへと切断されて組立てられることで所望の個数の棚部アセンブリを収容し得る。
【0103】
幾つかの実施例において、棚部アセンブリ実施例218の各管路は(不図示の)夫々の計量ノズルに対して結合され得、その場合に(例えば、各計量ノズルにて測定された)空気圧は、約0.762水柱センチ)(約0.3水柱インチ)以上である。(例えば、各計量ノズルにて測定される)空気圧は、一定の場合には、約1.016水柱センチ(約0.4水柱インチ)以上、約1.27水柱センチ(約0.5水柱インチ)以上、約1.524水柱センチ(約0.6水柱インチ)以上、約1.778水柱センチ(約0.7水柱インチ)以上、約2.032水柱センチ(約0.8水柱インチ)以上、約2.286水柱センチ(約0.9水柱インチ)以上、又は、約2.54水柱センチ(約1.0水柱インチ)以上である。幾つかの実施例において、上記空気圧は約2.54水柱センチ〜約7.62水柱センチ(約1水柱インチ〜約3水柱インチ)とされ得、約5.08水柱センチ(約2水柱インチ)とされ得る。各計量ノズルにおいて供給される空気の圧力は、調節可能なバルブにより調整されないことが多く、且つ、多くの場合、その計量ノズルにより調整され得る。上記計量ノズルのオリフィス直径は多くの場合、約0.635cm(約0.25インチ)以下とされ得、一定の場合には約1.524cm〜約0.203cm(約0.06インチ〜約0.08インチ)である。一定の実施例において、ラックは、空気流又は空気圧のセンサを含む。該センサは一定の場合に、管材、管路、及び/又は、計量ノズルの内の1つ以上に対して接続され得る。
【0104】
図24を戻り参照すると、棚部アセンブリ実施例218は、ラック・アセンブリ210の完成されたラック・モジュール212の壁部分258に対して固着して示される。棚部アセンブリ218は、ネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤などの留め具により、壁部分258及び隣接する気体溜まり構造238の取付け孔262に対して固着され得る取付け孔を含んでいる。図25は、ラック・モジュール212の壁部分258又は表板における反復孔パターン256、及び、ラック・アセンブリ210の各棚部アセンブリ218及び対応する収容ケージ・アセンブリ20に対して通気を提供すべく下側に位置する気体溜まりアセンブリ238の拡大図を示している。図29は、例示目的でモジュール構造の残部を示さずに、ラック・アセンブリ・モジュール212の棚部アセンブリ218と壁部分258との間の接続部の後方破断斜視図を示している。棚部アセンブリ218の上記供給管路及び排出管路の後側吐出部分又は結合器252及び254は、ラック・モジュール212の壁部分258を貫通延在することで、吐出部分252及び254は、上記各管路と、図25に示される気体溜まりアセンブリ238の夫々の供給通路244及び排出通路246との間の連通を確立することが視認され得る。図29には、上記棚部アセンブリの(図32に示された)第1ノズル270と連通する(図36に示された)第1の円錐状差込口266と、棚部アセンブリ218の(図32に示された)対応第2ノズル272と連通する(図36に示された)第2の円錐状差込口268とを有する収容ケージ・アセンブリ20も示される。ノズル270及び272と差込口266及び268との夫々の第1及び第2の対は、供給通路ないし排出通路の役割を果たし得る。例えば、一実施例において、上記排出ノズルは図の部材270であり、且つ、上記供給ノズルは図の部材272である。別実施例において、上記排出ノズルは図の部材272であり、且つ、上記供給ノズルは図の部材270である。夫々の円錐状差込口266、268及びノズル270、272は相互に対して押圧されることで、残留偏向力により、解放可能なシール関係を形成し得る。上記残留偏向力は、ケージ蓋体132又は円錐状差込口66及び68と、夫々のノズル270、272との間である。収容ケージ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ218の静止的レール276上に着座する。レール276により支持されているフランジ部分82によれば、円錐状差込口266、268を備えるケージ蓋体132は、上記棚部アセンブリの頂部部分300の下側部に接触すること、特に、夫々のノズル66、68に接触することが許容される。円錐状差込口66、68と夫々のノズル66、68との間の斯かる接触は、蓋体132及び円錐状差込口66、68の残留偏向力に依るものである。上記残留偏向力によれば、各対の円錐状差込口とノズルとの間におけるシールが許容される。
【0105】
図28は、隣接する各棚部アセンブリ218内に配設された一対の隣接する収容ケージ20の前面図を示している。第1の棚部アセンブリ218は、フレーム216に対して固着されると共に、ケージ・アセンブリ20を受容して支持すべく構成される。第1の棚部アセンブリ218は、該棚部アセンブリ218のフレーム部材278の各側部上に略平行な2本の長手レール276を夫々有し、各レール276は、当該上側縁部280に対して係合された使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82の底部表面を受容すべく構成された上側縁部280(図30を参照)を有している。図28において視認され得る如く、個別的な各棚部アセンブリ218は、所定のケージ・アセンブリに対する一方のレール276を提供し、該棚部のフレーム部材278の逆側上に対置されたレール276は、隣接する棚部アセンブリ218により提供されるケージ・アセンブリに対するものである。隣接する棚部アセンブリ上のレール276もまた、第1のレールに対して略平行とされ得る。図28の左側に示される如く、複数の棚部アセンブリ218の端部列は、隣接する棚部アセンブリ218が無い箇所にてレール276を提供するために、左側にて特別なフレーム断片286を必要とする。
【0106】
各レール276は、棚部アセンブリ218の夫々の固定ノズル270、272に対するケージ蓋体132又は円錐状差込口66、68の偏向により、収容ケージ20の円錐状差込口に対する上向きの付勢力が生成される様に、静止的である。この上向きの付勢力は、棚部アセンブリ218の上部の夫々のノズル270及び272と、収容ケージ20の円錐状差込口66及び68との間のシールを確立する。該シールは、上記ケージ・アセンブリの各差込口と、上記マニフォルド/気体溜まりシステムの内側通路と連通する棚部アセンブリ218の第1管路292及び第2管路294とを通る空気の制御可能な流れを提供する。棚部アセンブリ218の各ノズルとケージ・アセンブリ20の各円錐状差込口との間における上記結合は、上記ケージ・アセンブリが上記棚部アセンブリ内へと完全に挿入されたときに、ケージ・アセンブリは、残留偏向に依る、棚部アセンブリの夫々のノズル内への円錐状差込口による力が克服されるまでは、取り外しに抗する如く、ケージ・アセンブリ20と棚部アセンブリ218との間における解放可能な機械的結合も生成し得る。棚部アセンブリと係合されたケージ20の幾つかの実施例を完全に引き出し若しくは係合解除するための最大力は、例えば、約0.45kg〜約4.53kg(約1ポンド〜約10ポンド)、又は、更に詳細には約0.91kg〜約3.62kg(約2ポンド〜約8ポンド)、又は、更に詳細には約1.36kg〜約2.72kg(約3ポンド〜約6ポンド)、又は、更に詳細には約1.81kg〜約2.27kg(約4ポンド〜約5ポンド)とされ得る。逆に、ケージ20の幾つかの実施例を棚部アセンブリに完全に係合させるために必要な最大力は、例えば、約0.45kg〜約4.53kg(約1ポンド〜約10ポンド)、又は、更に詳細には約0.91kg〜約3.62kg(約2ポンド〜約8ポンド)、又は、更に詳細には約1.36kg〜約2.72kg(約3ポンド〜約6ポンド)、又は、更に詳細には約0.45kg〜約4.53kg(約4ポンド〜約5ポンド)とされ得る。
【0107】
上記で論じられた如く、ケージ・アセンブリ20を支持すべく、静止的レール276が使用され得る。斯かるレール実施例276は付勢スプリングを含まないが、ケージ・アセンブリ20の蓋体実施例の本来的な弾性の使用により、スプリング付勢レールの結果と類似する結果を達成することが可能である。更に詳細には、ケージ・アセンブリ20の薄寸壁ポリマ蓋体の本来的な可撓性によれば、ノズル270及び272を該ケージ・アセンブリの円錐状差込口66及び68に対して解除可能に結合するに十分である弾性的な垂直偏向が可能とされ得る。斯かる実施例に対し、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ218のノズル270及び272から固定距離に配設された一対の略平行な静止的レールにより支持され得る。上記固定距離は、ケージ・アセンブリ20が棚部アセンブリ218内へと押し込まれるにつれて上記各円錐状差込口は弾性的に下方に付勢されると共に、該円錐状差込口が夫々のノズル270及び272に対して水平方向において整列されたときには上方向に弾性的に復帰する如く、選択され得る。斯かる実施例において、上記蓋体の材料種類、厚み及び構成は、円錐状差込口66及び68とノズル270及び272との間の適切なシールを達成するために所望量の弾性力を提供すべく選択され得る。幾つかの実施例に対し、各レール276の上側縁部又は表面80と、棚部アセンブリ218上のノズルと間の間隔は、差込口66及び68がノズル270及び272に対して一旦係合したなら、偏向された蓋体の上向き弾性力は、結合された構成に対して殆ど又は全く残留力が無い様に実質的に弛緩され得る如く選択され得る。
【0108】
ノズル270及び272は、ケージ・アセンブリ20の通気に対する、加圧気体の供給源、又は、負圧の供給源を提供する役割を果たし得る。負圧又は正圧の気体の上記供給源は、通気システムを含み得る。これにより、上記ケージ・アセンブリが使用されているときに、空気は、棚部アセンブリ218に対して結合されたケージ・アセンブリの基部の内部体積内へと下方に向けて、且つ、上記基部の底部に配設された床敷き材料に向けて又は該床敷き材料内へと流れることが許容され得る。ユーザは、蓋体132及びケージ基部の各ユニットを直接的に係合することにより該蓋体及びケージ基部をラック210から同時的に引張り得ると共に、上記蓋体132及びケージ基部は、蓋体132又は円錐状差込口66、68の弾性により、上記ラックの各ノズル270、272から自動的に係合解除される。
【0109】
幾つかの実施例に対し、ケージ・アセンブリ20のフランジ部分82は、棚部アセンブリ218の固定ノズル270及び272に関してケージ・アセンブリ20の円錐状差込口66及び68の一定の移動及び調節を許容するために、横方向又は水平方向において実質的に無拘束的な嵌合を有すべく構成され得る。斯かる横方向の平行移動によれば、ノズル270及び272が夫々の円錐状差込口と完全に整列されない様に上記ケージ・アセンブリが各ノズルの下方に位置されたとしても、各ノズルは、ケージ・アセンブリ20の蓋体の夫々の円錐状差込口に対して結合され得る。この不完全な整列の状況は、大型で重い動物による更に大寸のケージ・アセンブリ20であって、斯かる整列を達成する上でケージ・アセンブリがラック・システムの棚部上で容易には摺動しないという状況において特に顕著であり得る。
【0110】
幾つかの実施例に対し、レール276は、長さが約12.7cm〜約38.1cm(約5インチ〜約15インチ)とされ得ると共に、ガラス充填ナイロンの如き種々の高強度の射出成形材料から作成され得る。上記棚部アセンブリのフレーム部材278は、アルミニウム、ステンレス鋼などの如き耐食性材料などの任意の適切な高強度材料から作成され得る。フレーム部材278はまた、該フレーム部材278の後側底部における取付け用スロット296であって、ネジ、ボルト、リベット、溶接、接着剤などの如き任意の適切な留め具により上記ラック・アセンブリの壁部分258に対して固着され得る取付け用スロット296も含んでいる。棚部アセンブリ218の頂部部分300は、任意の適切な留め具又は接着剤により棚部アセンブリ218のフレーム部材278に対して固着され得ると共に、同様に、ガラス充填ナイロンの如き高強度の射出成形材料から作成され得る。頂部部分300は棚部取付けフランジ302を含むと共に、該頂部部分は、供給管路又は排出管路のいずれかとして使用され得る第1及び第2のノズル270及び272及び第1及び第2の管路292及び294も収納する。頂部部分300はまた、ケージ20よりも長さが短く、又は、ケージ20と同一長さであり、又は、ケージ20よりも長寸とされ得る。
【0111】
図30乃至図35は、棚部アセンブリ218の実施例を更に詳細に示している。特に図32は、頂部部分300へと型成形された第1管路292及び第2管路294を示しており、該管路292及び294は、頂部部分300の後側における夫々の第1及び第2の管路結合器252及び254から、頂部部分300の底部に向けて配設された夫々の第1及び第2のノズル270及び272まで延在する。第1及び第2のノズル270及び272は夫々、各々がノズルの開口に配設され且つ夫々の保持器プレートにより所定位置に保持される第1弾性シール304及び第2弾性シール306を含んでいる。環状の又は円筒状の弾性シール304及び306は、嵌合するノズル270及び272と、ケージ・アセンブリ20の円錐状差込口66及び68との間の気密シールを促進する弾性ポリマで作成され得る。棚部アセンブリ218の頂部部分300は、略平滑で平坦な頂面と、該頂部部分300の内部構造の輪郭も表す波形の底部表面とを有する。頂部部分300はまた、該頂部部分300の周囲回りに延在する縁部又は唇部308と、該頂部部分300の底部表面上に格子を形成する図32に示された強化リブ310のネットワークとを含んでもいる。頂部部分300の後側における取付けフランジ302もまた、上記頂部部分構造内に型成形される。周縁部108と強化リブ310とを含む上記型成形構造は、棚部アセンブリ218の頂部部分300が、高度の均一性及び強度を維持し乍ら、低コストで射出成形されることを許容する。
【0112】
図22に示された如く、ラック・システム実施例210は、ブロワ・アセンブリと一個以上のセンサ340(図32参照)とに対して結合され得るコントローラ実施例230を含んでいる。図27に示された気体溜まり238の供給及び排出通路244及び246内、図32に示された棚部アセンブリ218の管路292及び294内、図15に示されたケージ・アセンブリ220の内部体積内、又は、ラック・アセンブリ210における他の任意で適切な位置に、任意の所望の単一又は複数のセンサ340が配設され得る。各センサ340は、ラック・システム210により支持された個別的な各ケージ220内の状態を監視すべく使用され得る種々の構成又は形式の内の任意の構成又は形式を含む。コントローラ230により各センサ340(図32参照)又は他の情報源から獲得されたデータは、該コントローラ内、又は、上記システムの他の任意で適切な箇所に配設された演算システムにより処理されてから、好適な視覚的表示形態にてグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示され得る。
【0113】
幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースは、所定のラック・システム210により支持された各収容ケージ220に対するアイコンなどを同時的に表示し得る。幾つかの実施例に対し、へグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示された各アイコンは、上記ラック・システムの実際の各ケージの構成に対応する構成で、画面上に位置され得る。換言すると、実験室作業員が上記ラック・システム上の各ケージの内の任意のケージの状況を即時に直感的に評価し得る如く、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースの画面上には、実際のラック・システムの側面の前面図の複写物が表示され得る。幾つかの実施例に対し、上記グラフィック・ユーザ・インタフェースのケージ・アイコンは色コード化表示を使用することで、ケージ状況情報を実験室作業員に対して効率的且つ迅速に伝え得る。例えば、パラメータが監視且つ処理されると共に、該パラメータが、使い捨て可能なケージを新たな未使用のケージに交換する適切な時期の決定に関連するなら、必要な交換が近いことを表すアイコン色が使用され得る。アイコン色が緑色であれば、交換は不要であり、アイコン色が黄色であれば、交換がすぐに必要となり得、且つ、赤色のアイコンは、即時のケージ交換に対する必要性を表すべく使用され得る。
【0114】
遠隔センサ340又は他の手段により各ケージの内部において監視され得るケージ状況パラメータの幾つかとしては、ウィルス又は細菌の存在又はレベル、アンモニアのレベル、二酸化炭素のレベル、一酸化炭素のレベル、湿気のレベル、空気圧のレベルなどが挙げられる。監視され得る他のパラメータとしては、各ケージ内の動物の総重量、各ケージ内の動物の身体活動度、又は、各ケージ内の動物の他の挙動若しくは動態が挙げられる。幾つかの実施例に対し、測定データを提供することで上記のパラメータの内の1つ以上を決定すべく構成され得るセンサ140、340(図15参照)は、各ケージ内に配設され得るが、上記棚部アセンブリの管路、又は、該棚部アセンブリの近傍の気体溜まり内にも配設され得る。各センサ140、340はまた、センサの読取値データが処理されてグラフィック・ユーザ・インタフェース上に表示され得る様に、コントローラ230に対してセンサの読取値を通信すべく、上記コントローラに対しても作用的に連結され得る。
【0115】
図36乃至図39は、静止的レール276を備えたラック・アセンブリの棚部アセンブリ218内へと摺動される収容ケージ・アセンブリ20を示している。図36乃至図39に関し、これらの図は、動作の例証を目的として、ノズル272、ケージ円錐状差込口68、及び、傾斜部350を示している。これらの図においては、1つ以上のノズル、円錐状差込口又は傾斜部は描かれないが、これらの図における部材に関する全ての参照は、不図示の類似の又は同一の部材に対して当てはまる。
【0116】
図36は、静止的レール276により支持され、棚部アセンブリ218内へと摺動されつつあるケージ20を示しており、その場合にケージ蓋体132及びケージ円錐状通気差込口68は頂部部分300により最小限に偏向されている。図37は、棚部アセンブリ218内へと更に係合されつつあるケージ20を示しており、ケージ蓋体132、ケージ円錐68及びケージ・フランジ部分82に対しては、棚部アセンブリ218の頂部部分300による円錐状差込口68の下方変位により、最大偏向力が付与されている。図37に見られる如く、蓋体132が下方向に変位されるにつれ、ケージ円錐状差込口68は下降される。図38A、図38C及び図38Dは、下方屈曲方向に偏向されることで、棚部アセンブリ218の頂部部分300の底部側におけるノズル272の外縁部に対する隙間を与えている円錐状差込口68を示している。図38Cは、図37の囲み部分38Aにより表された図37のラック・モジュールの一部分の更なる破断図である。図38Cは、ノズル272の外縁部に関する円錐状差込口68の隙間に対するケージ蓋体132の下方偏向を更に描いている。
【0117】
ノズル272の傾斜部350は、上記棚部アセンブリ内へのケージの挿入の間において、円錐状差込口68が傾斜部350の上部から該傾斜部350に接触し且つ傾斜部350の最下部分に向けて該傾斜部に沿い押圧されるにつれ、円錐状差込口68は、該円錐状差込口68が上記蓋体内へと下方に押圧され且つ矢印B及びCにより表される変位量だけ変位される如く、円錐状差込口68を偏向させるべく構成される。図面項目Eである傾斜部角度は、頂部部分300又はレール276のいずれかに対して平行である水平面に対して形成される傾斜部350の角度である。傾斜部角度Eは、ケージ挿入の間において円錐状差込口68又は蓋体132が遭遇し得る係合の時間及び力に影響し得る。例えば、傾斜部角度Eが比較的に大きければ、上記傾斜部と円錐状差込口との間における最大偏向力が生ずる時間及び係合距離は、更に小さな傾斜部角度に対する値と比較して、短くされ得る。更に小さな傾斜部角度に対し、ケージ挿入の間において接触が一旦行われたときの最大偏向に対する係合の時間及び距離は更に大きいが、必要とされる係合力は小さくされ得る。幾つかの実施例に対する傾斜部角度Eは、例えば、約10°〜約70°、更に詳細には、約20°〜約40°であり得る。
【0118】
図38Bは、当該ケージ・アセンブリは棚部アセンブリ218内に係合されておらず、且つ、ケージ蓋体132又は円錐状差込口68の偏向が無い、ケージ・アセンブリを示している。但し、地球の重力によりケージ20の蓋体に及ぼされている最小限の力又は偏向力が在り得ることを銘記すべきである。ケージ20が棚部アセンブリ218内に挿入され且つ円錐状差込口68が棚部アセンブリ218の頂部部分300により変位されつつあるとき、円錐状差込口68又は蓋体132は、(図38Bにおいて点線Aにより示された、蓋体の非偏向状態からの)最小力から始まり、最大の係合力に至る所定範囲の力に遭遇する。上記最大係合力とは、ユーザがケージを棚部アセンブリ内へと更に押し込み続けるために必要な最大量の力を指している。上記最大係合力はまた、ケージ20が最大量の摩擦に遭遇した状況も指し得る。上記最大係合力はまた、最大偏向力が生ずるのと略々同時にも生じ得る。上記最大係合力はまた、当該力の方向が、上記ラック・アセンブリの壁部258に対して直交する方向、又は、棚部アセンブリ218のレール276と同一方向、又は、水平方向である力も指し得る。頂部部分300により上記円錐状差込口上へと最大量の力が及ぼされるとき、円錐状差込口68又は蓋体132は、最大偏向力に到達している。
【0119】
幾つかの実施例において、頂部部分300の最下突出部、又は、頂部部分300に対して接続された最下部材により上記円錐状差込口に対して最大量の力が及ぼされるとき、円錐状差込口68又は蓋体132は、最大偏向力に到達している。斯かる部材としては、例えば、コネクタ、ガスケット、バルブ、ナット、ボルト、フレーム、レール、センサ、結合器、フランジ、シール、縁部又は唇部、リブ、軌道、チャネル、スプリング、スロット、気体溜まり、又は、本明細書中に記述された上記ラック・アセンブリの任意の斯かる構成要素が挙げられる。上記棚部アセンブリ内への上記ケージの押し込みを継続するために、円錐状差込口68が頂部部分300を通り抜けて、非偏向状態に向けて上方向に戻り偏向することで、円錐状差込口68とノズル272との間の適切なシールを達成する様に、上記最大偏向力は克服される必要がある。図38Cは、最大係合力が生じたときの円錐状差込口68における蓋体132の最大偏向を示している。上記蓋体による最大量の偏向は、矢印BとCとの間に示される。図38Dにおいて、上記蓋体に対する最大偏向力は図面項目Dにより示される。
【0120】
図39は、棚部アセンブリ218内へのケージ・アセンブリ20の係合を示している。図39は、ラック・システム内へと完全に挿入されたケージ・アセンブリの側面図であり、その場合、円錐状差込口68とノズル272との間の適切なシールを達成するために、円錐状差込口68は、ノズル272内に隙間を有すると共に、所望量の弾性力を提供する。この弾性力はまた、蓋体132又は円錐状差込口68がノズル272に対して力を及ぼしている場合の残留偏向力を指しており、その場合に弾性力は、蓋体132又は円錐状差込口68の非偏向状態において生成される力と、最大偏向力との間の大きさを有する。非偏向状態において蓋体132又は円錐状差込口68は、例えば図39Aの図面項目Aにより表され得る。最大偏向における蓋体132又は円錐状差込口68は、例えば図38Dの図面項目Dにより表され得る。図39Aにおける実施例に対する係合の残留偏向力は、基準測量点Aと蓋体132の頂面との間の分離距離により表される上記蓋体の残留偏向から帰着する。幾つかの実施例に対し、上記蓋体の残留偏向は、約0cm〜約0.254cm(約0インチ〜約0.1インチ)、更に詳細には、約0.0254cm〜約0.1524cm(約0.01インチ〜約0.06インチ)であり得る。円錐68とノズル272との間の適切なシールは、図32を参照しての弾性シール304、306、又は、任意の類似の構成要素の如き、選択的な構成要素によっても支援され得る。これらの力に対して弾性的であるケージ及び蓋体の他の実施例もまた、上記ラック・アセンブリ内において使用され得る。
【0121】
ケージを、該ケージが棚部アセンブリ内に完全に固着される箇所まで、棚部アセンブリ内へと適切に摺動して挿入(又は、それから取出す)ために、上記ケージ、ケージ蓋体、フランジ部分、円錐状差込口、又は、それらの任意の組み合わせに対して一定量の力又は圧力が及ぼされる必要がある。上記ケージ構成要素の内の任意の構成要素に対して及ぼされる圧力又は力は、上記棚部アセンブリの任意の構成要素から到来し得るか、逆も同様である。これらの圧力又は力は、例えば湿度などの環境要因、又は、例えば塵埃などの汚染物質、又は、材料の耐久性、又は、上記頂部部分の長さ、又は、非偏向状態から下方へと上記蓋体が偏向される上記円錐状差込口の高さ、又は、上記レールの長さ、又は、斯かる他の要因、又は、それらの組み合わせの如き、他の要因により、増大若しくは減少することもある。幾つかの実施例に対し、収容ケージを棚部アセンブリ内へと押し入れるための係合力は、数式により計算され得る。斯かる数式の例としては、以下のものが挙げられる:
F=(((3EJy)/(I3cosθ))2+((3EJy)/(I3sinθ))2)1/2
式中、Fは係合力であり、Eは収容ケージの蓋体材料の弾性率であり、Jはケージ蓋体の幾何学形状に基づく面積慣性モーメントであり、Iはケージ蓋体の名目的表面の主要横方向長であり、yは差込口の高さであり、且つ、θは棚部アセンブリの傾斜部角度である。面積慣性モーメントJはまた、幾つかの実施例に対し、J=(πy4)/8としても表現され得る。システム実施例に対する斯かる数式の適用の特定例としては、約2.81kg(約6.2ポンド)に等しい係合力Fが挙げられ、その場合、Eは約30042kg/cm2(約427861ポンド/平方インチ)であり、Jは約0.01in4であり、Iは約31.5cm(約12.4インチ)であり、yは約1.016cm(約0.4インチ)であり、傾斜部角度であるθは約30°である。斯かる例に対し、本明細書において論じられた変数又は値の任意の適切な又は対応する範囲は、単独で、又は、他の開示された範囲との任意の組合せで、与えられた複数の値の内の任意の値に対して証明され得る。
【0122】
ケージを棚部アセンブリへと摺動して出し入れするために必要とされる力は、少なくとも、最大係合力、最大偏向力、及び、残留偏向力、又は、それらの任意の組み合わせと関係があり、又は、それらの影響を受け得る。上記で論じられた如く、最大係合力は、例えば、約0.45kg〜約4.53kg(約1ポンド〜約10ポンド)、又は、更に詳細には約0.91kg〜約3.62kg(約2ポンド〜約8ポンド)、又は、更に詳細には約1.36kg〜約2.72kg(約3ポンド〜約6ポンド)、又は、更に詳細には約1.81kg〜約2.27kg(約4ポンド〜約5ポンド)とされ得る。幾つかの実施例に対し、最大偏向力は、例えば、約0.45kg〜約6.80kg(約1ポンド〜約15ポンド)、又は、更に詳細には約0.91kg〜約4.53kg(約2ポンド〜約10ポンド)、又は、更に詳細には約1.36kg〜約3.62kg(約3ポンド〜約8ポンド)、又は、更に詳細には約1.81kg〜約3.17kg(約4ポンド〜約7ポンド)とされ得る。幾つかの実施例に対し、残留偏向力は、例えば、約0.05kg〜約2.27kg(約0.1ポンド〜約5ポンド)、又は、更に詳細には約0.23kg〜約1.18kg(約0.5ポンド〜約4ポンド)、又は、更に詳細には約0.32kg〜約1.36kg(約0.7ポンド〜約3ポンド)、又は、更に詳細には約0.45kg〜約0.91kg(約1ポンド〜約2ポンド)とされ得る。幾つかの実施例に対し、図38Cにおいて矢印BとCとの間に示された如く、上記蓋体と、その上に配設された差込口とによる偏向の最大量は、例えば、約1mm〜約25mm、又は、更に詳細には約2mm〜約10mm、又は、更に詳細には約4mm〜約8mm、又は、更に詳細には約5mm〜約7mmとされ得る。幾つかの実施例に対し、上記棚部アセンブリの頂部部分上の傾斜部350の長さは、例えば、約1.27cm〜約6.35cm(約0.5インチ〜約2.5インチ)、更に詳細には約2.54cm〜約5.08cm(約1インチ〜約2インチ)とされ得る。幾つかの実施例に対し、1つの差込口の近傍である蓋体部分の名目的頂面の上方における円錐状差込口の高さは、例えば、約0.254cm〜約3.81cm(約0.1インチ〜約1.5インチ)、更に詳細には約0.508cm〜約2.54cm(約0.2インチ〜約1.0インチ)とされ得る。
【0123】
図40乃至図45は、上記ラック・システムのブロワ・アセンブリ160を示している。図22に示された如く、上記ブロワ・アセンブリは、供給ブロワ224又は排出ブロワ224のいずれかとして、上記ラック・システムの頂部上に見出され得る。供給ブロワ224は、高圧のブロワから成ると共に、少なくとも1つの横方向の二重通路式マニフォルドの供給通路に対して高圧空気又は正圧を提供する。排出ブロワ226は、高真空のブロワから成ると共に、少なくとも1つの横方向の二重通路式マニフォルドの排出通路に対して高真空又は負圧を提供する。図41は、図40のブロワ・アセンブリ160の頂部破断図であり、該アセンブリは、互換的である水平な頂部部分と水平な底部部分とを有する射出成形ケース150であって、電子機器パネル152、空気フィルタ154、1つ以上の電気ファン156、ブロワ・インタフェース158、及び、ハウジング・ユニットを備えて成る射出成形ケース150を備えて成る。ブロワ・アセンブリ160は、各電子ファン156が、供給通路内へと高圧空気を提供するか若しくは該通路内へと空気を付勢する如く配向されるのか、又は、排出通路に対して高真空を提供するか若しくは該通路から空気を外方に付勢する如く配向されるのかに依存して、供給ブロワ224若しくは排出ブロワ224とされ得る。図42は、両面式ラック用の排出ブロワに対するブロワ・アセンブリの頂部破断図である。図43は、両面式ラック用の供給ブロワに対するブロワ・アセンブリの頂部破断図である。図44は、片面式ラック用の排出ブロワに対するブロワ・アセンブリの頂部破断図である。図45は、両面式ラック用の供給ブロワに対するブロワ・アセンブリの頂部破断図である。片面上にのみ複数のケージ・アセンブリを支持するラック・アセンブリは、片面式ラックと称される。図22に示された如く、両側上にケージ・アセンブリを支持するラック・アセンブリは、両面式ラックと称される。ブロワ・アセンブリ160が排出ブロワであるか供給ブロワであるかに依存し、且つ、ラック・アセンブリが片面式アセンブリであるか両面式アセンブリであるかに依存し、図42乃至図45に見られる如く、ブロワ・アセンブリ160内においてブロワ・インタフェース158が何処に配置されるかが定められ得る。ブロワの縁部の上に張り出す突出タブであるブロワ・インタフェース158は少なくとも2つの機能を果たし得る、と言うのも、それは上記ラック・アセンブリとブロワ・アセンブリとの間のインタフェースとして作用すると共に、それは、上記ブロワ・アセンブリを上記ラック・アセンブリに対してシール又は繋止するからである。
【0124】
図46は、収容ケージ状況に関する情報を維持管理するコントローラ230のシステム・アーキテクチャを示している。ラックに対するサーバ、ローカル・サーバ及びメイン・サーバの3つのレベルのサーバは各々、単独で、又は、相互に組み合わされて作用し得る。図46は、各々が、自身のラック・サーバ(RS)、コントローラ30、及び、1つ以上のケージ・アセンブリを有する2つのラック・システムの例を示している。図47は、ラック、すなわちラック番号236に関する情報、すなわち、ACH、DIFF PRES割合、警告ポップアップ・ウィンドウ、及び、ポップアップ・メニューを示す、コントローラに対するグラフィック・ユーザ・インタフェース実施例の一画面を示しており、上記ポップアップ・メニューにおいては、日付、時刻、警報設定、表示設定/スケジュール、及び、背景カスタマイズの如き設定が更新され得る。他の特徴としては、パスワード保護、メッセージ、メニューなどが挙げられる。上記コントローラはまた、インターネット又は他の無線デバイスに対する無線アクセスなどの如き特徴も有し得る。上記コントローラはまた、ビデオ及びオーディオ機能、及び、緊急事態、警報、警告に応じて、又は、催促として、特定の電話機に対する自動音声メッセージ、又は、電子メール、ファックスなどを送信する如き自動的な特徴をサポートし得る。上記コントローラのデータ記憶装置内には、上記コントローラにアクセスした対象者の電子ログ、すなわち、時刻、持続時間、及び、実施された操作、及び、センサ140、340により監視された情報が記憶され得る。上記ディスプレイはまた、タッチスクリーン、及び、該スクリーン上に表示された仮想キーボード、又は、上記デバイスの一部としての手動式キーボードも含み得る。各ラックに対する上記コントローラはまた、ラック・サーバに対して直接接続若しくは無線接続もされ得る。このラック・サーバは、ラック内の全てのケージに対するスケジュールを連携調整し、メンテナンスを管理し、全てのセンサを監視し、且つ、個別的なコントローラの表示と類似するユーザ・フレンドリな表示を通して全ての情報を処理し得る。
【0125】
図48乃至図51は、ラック・サーバからのグラフィック・ユーザ・インタフェース実施例を示している。図48においてディスプレイは、毎時空気転換量“ACH”の値60を示しており、これは画面上の上向き及び下向き矢印を切替えることにより調節され得る。上記ケージ・アセンブリの内部が、周囲雰囲気に関して正味で正圧を有するのか負圧を有するのかを表す、供給管路と排出管路との間の差圧もまた、“DIFF PRES”として表示され得る。該“DIFF PRES”表示はまた、上向き及び下向き矢印であって、一旦選択されたなら、各ケージ・アセンブリ内に正の又は負の内部圧力を達成すべく相対圧力を調節する上向き及び下向き矢印も含んでいる。日付、時刻、及び他の情報もまた、実験室作業員による参照のために示され得る。幾つかのコントローラの実施例に対し、該コントローラのパラメータ及び出力に対する種々のレベルのアクセスは、パスコードを要求することにより制御され得る。上記コントローラのデータ記憶装置内には、上記コントローラにアクセスした対象者の電子ログ、すなわち、時刻、持続時間、及び、実施された操作、並びに、センサ140、340により監視された情報が記憶され得る。上記ディスプレイはまた、タッチスクリーン、及び、該スクリーン上に表示された仮想キーボード、又は、上記デバイスの一部としての手動式キーボードも含み得る。図49は、通し番号、説明、ACH及び差圧(DP)レベル(実際レベル及び目標レベル)、状況、設定、データ、及び、メンテナンスのための色コードを備えた、各ラックのリストを示している。図50は、特定のラック番号、すなわちラック番号1に対するラック設定を、設定内容、説明、記憶値、最終更新日、目標値、現在値、新たな目標値、ラック状況、新たな値の記憶オプション、獣医警報の設定オプション、及び、完了又は終了オプションの如き情報により示している。図51は、直前の5分間、直前の1時間、直前の6時間、直前の12時間、昨日、先週、先月、全てなどの履歴に対する、形式(すなわちACH又はDP)に関する情報、すなわち、値、時刻、及び、参照番号を含み得る、各ラック、すなわちラック番号1のスケジュール又は履歴を示している。
【0126】
上記ラック・システムは、(図46に示された如く)ハードウェア又は無線接続のいずれかにより、ローカル・サーバ(LS)に対して接続され得る。ローカル・サーバ(LS)は、幾つかの機能を提供し得るか、又は、付加的な機能を有すべくプログラム可能とされ得る。上記ローカル・サーバは、フラッシュ・インタフェースの如き所定形式のユーザ・インタフェースを提供し、1つ以上のラック・システムと通信し、メイン・サーバから更新内容を検索読取し、警報を送信又は生成し、包括的状況を上記メイン・サーバに対して報告し、ウェブ・サーバ及びローカル・データベースとして機能し、且つ、個別的なラック・サーバに対してバックアップを提供し得る。上記ローカル・サーバはまた、タブレット式のパーソナルコンピュータの如きユーザ・フレンドリな携帯デバイスであって、ラック・システム内の各ケージに関するメンテナンスを実施し乍らユーザにより携帯されて容易にアクセスされ得る携帯デバイスに対し、直接的に接続されるか、又は、無線で接続され得る。斯かる特徴は、ケージ毎の業務の経過記録を維持し、又は、情報を上記データベース内へと更新するために、使用の簡便さを提供する。上記ローカル・サーバは、ラックの設定及び経過記録の維持管理を監視するプログラム可能なプロセッサであって、上記情報を、上記タブレットPC上で視認され得る棒グラフの如きグラフィック表示へとエクスポートするプロセッサを有し得る。上記メイン・サーバ(例えば、イノビーブ・サーバ(Innovive Server)、IS)は、各サーバに対し、更新内容を送信し、又は、プログラム若しくは機能を維持するために、ローカル・サーバと無線通信し得る。上記メイン・サーバはまた、サイト全体の状況を種々の箇所に関して収集し、ホスト・ネットワークに対して提供しても良い。上記メイン・サーバはまた、ウェブ・サーバとして作用し、必要性が生じたときに顧客サポートを提供し、バックアップ・データベースを維持しても良い。ラック・システムは、ローカル・サーバ又はメイン・サーバを使用する必要はなく、自己充足式ともされ得る。別実施例においては、1つ以上のラック・アセンブリが、一台のみのローカル・サーバを使用しても良い。更に別の実施例において、ラック・システムは、ローカル・サーバなしでメイン・サーバのみを使用しても良い。システム・アーキテクチャの任意の組合せが可能である。
【0127】
これにより、本明細書において言及された各特許、特許出願、公報及び文献は、言及したことにより援用される。上記の特許、特許出願、公報及び文献を引用したことは、それらの内のいずれかが適切な先行技術であることの是認ではなく、これらの公報又は文献の内容又は日付に関する何らかの是認を構成するものでもない。上記内容に対しては、本明細書において論じられた本発明の実施例の基本的見地から逸脱せずに、改変が為され得る。1つ以上の特定実施例に関して相当な詳細が記述されてきたが、本出願において詳細に開示された実施例に対しては変更が為され得ると共に、これらの改変及び改善は、本発明の各実施例の有効範囲及び精神の範囲内であり得る。
【0128】
本明細書において例示的に記述された各実施例は、本明細書において詳細には開示されない任意の単一又は複数の要素が無くても適切に実施され得る。故に、例えば、本明細書における夫々の場合において、“備えて成る”、“本質的に、〜から成る”、及び、“から成る”という語句の内の任意の語句は、他の2つの語句のいずれかと置き換えられ得る。採用された語句及び表現は説明のための語句であって制限的でなく、且つ、斯かる語句及び表現の使用は、示されて記述された特徴又はその一部分の一切の均等物を除外するものでなく、権利請求された発明の有効範囲内において種々の改変が可能である。また、複数の要素の内の1つの要素又は該複数の要素の内の1つ以上の要素のいずれが記述されているかが文脈的に明確でなければ、“a”又は“an”という語句は、それが修飾する要素の内の1つ又は複数の要素を指し得る(例えば、“a device”は1つ以上のデバイスを意味し得る)。本明細書において使用される“約”という語句は、基礎となるパラメータの10%以内(すなわち、±10%)となることもある値、基礎となるパラメータの5%以内(すなわち、±5%)となることもある値、基礎となるパラメータの2.5%以内(すなわち、±2.5%)となることもある値、又は、基礎となるパラメータの1%以内(すなわち、±1%)となることもある値を指しており、且つ、一定の場合には、変動のないパラメータを指している。例えば、“約100グラム”の重量は、90グラム〜110グラムの重量を包含し得る。故に、本発明は代表的実施例及び選択的特徴により具体的に開示されてきたが、当業者であれば、本明細書中に開示された概念の改変及び変更を行い得ると共に、斯かる改変及び変更は本発明の有効範囲内と考えられることを理解すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の使い捨て可能な動物収容ケージ・アセンブリを取付けるラック・システムであって、
規則的に離間された配列で複数の棚部アセンブリを受容すべく構成されたフレームと、
該フレームのマニフォルド/気体溜まりシステムに対して結合された少なくとも1つのブロワと、
前記フレームに対して固着されると共にケージ・アセンブリを受容且つ支持すべく構成された少なくとも1つの棚部アセンブリであって、該棚部アセンブリが該棚部アセンブリ自体の各側部における略平行な2本の長手レールを有し、該レールが各々、上側縁部であって該上側縁部に対して係合された使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリのフランジ部分の底部表面を受容すべく構成された上側縁部を有し、当該棚部アセンブリのノズルと前記収容ケージ・アセンブリの差込口とを通り且つ前記マニフォルド/気体溜まりシステムの内側通路と連通する当該棚部アセンブリの管路を通る制御可能な空気の流れに対して、前記ノズルと前記差込口との間にシールを確立するために前記差込口が前記ケージ・アセンブリの薄寸ポリマ蓋体の弾性的可撓性に依り当該棚部アセンブリの固定された前記ノズルに当接して上方に付勢されるように、前記各レールが前記ノズルから離間される、少なくとも1つの棚部アセンブリと、
を具備するラック・システム。
【請求項2】
前記棚部アセンブリの固定された前記ノズルが、使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリの円錐状差込口を受容すると共に該差込口に対してシール的に係合すべく構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ブロワ・アセンブリが、当該ラック・システム上のケージ・アセンブリに対して空気を供給すべく構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ブロワ・アセンブリが、当該ラック・システム上のケージ・アセンブリから空気を排出すべく構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ブロワ・システムが高圧ブロワ・システムを具備する請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
使い捨て可能な動物収容ケージをラック・システムの棚部アセンブリ内へと係合する方法であって、
前記収容ケージの2つの側部のフランジ部分を前記棚部システムの各静止的レールの頂面上で摺動させ乍ら、前記収容ケージをラック・システムの前記棚部アセンブリ内へと前進させる段階と、
前記収容ケージの蓋体上に配設された少なくとも1つの突出差込口が、前記棚部アセンブリの前記レールに対して固定された前記棚部アセンブリの一部分により下方に弾性的に偏向されるまで、前記棚部システム内への前記収容ケージの前進を継続する段階と、
前記少なくとも1つの差込口が前記棚部システムの夫々の少なくとも1つのノズルと整列され、且つ、前記差込口が、弾性的に偏向された該突出差込口と、該差込口の近傍に配設された前記収容ケージの蓋体部分との弾性的復帰から帰着する上向き力により前記ノズルと係合するまで、前記棚部システム内への前記収容ケージの前進を継続する段階と、
を含む方法。
【請求項7】
前記ノズルに対する前記差込口の係合が、前記差込口と前記ノズルとの間における気密シールを含むと共にそれらの間における残留力を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の前記差込口と1つ以上のノズルとの間の係合が、約0.23kg〜約1.81kg(約0.5ポンド〜約4ポンド)の残留偏向力を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上の前記差込口と1つ以上のノズルとの間の係合が、約0.45kg〜約0.91kg(約1ポンド〜約2ポンド)の残留偏向力を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記収容ケージの前記蓋体が、前記棚部システムの取入ノズルに係合する取入差込口と、前記棚部システムの排出ノズルに係合する排出差込口とを有する請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記棚部システムに対して前記ケージを係合させる最大係合力が、約0.91kg〜約3.62kg(約2ポンド〜約8ポンド)である請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記棚部システムに対して前記ケージを係合させる最大係合力が、約1.81kg〜約2.27kg(約4ポンド〜約5ポンド)である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記突出差込口及びその近傍のケージ蓋体部分の最大の下向き偏向力が、約0.91kg〜約4.53kg(約2ポンド〜約10ポンド)である請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記突出差込口及びその近傍のケージ蓋体部分の最大の下向き偏向力が、約1.81kg〜約3.17kg(約4ポンド〜約7ポンド)である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの突出差込口が、円形ノズルを備えた夫々のノズルに係合する円錐状の突出差込口を有する請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの差込口を偏向させる前記棚部アセンブリの前記部分が傾斜部を有し、且つ、前記差込口が、前記傾斜部の頂部部分から底部まで移動することにより偏向される請求項6に記載の方法。
【請求項17】
複数の使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリを取付けるラック・システムであって、
マニフォルド/気体溜まりアセンブリを有し且つ複数の棚部アセンブリを受容すべく構成されたフレーム・アセンブリと、
1つ以上のケージ・アセンブリを受容して支持すべく構成された少なくとも1つの棚部アセンブリであって、前記マニフォルド/気体溜まりアセンブリと連通する空気管路と、該空気管路と連通された空気ノズルであって使い捨て可能な収容ケージの差込口をシール的に受容すべく構成された空気ノズルとを有する少なくとも1つの棚部アセンブリと、
前記マニフォルド/気体溜まりアセンブリに対して結合されると共に、該マニフォルド/気体溜まりアセンブリ内の空気を移動させるべく構成された少なくとも1つのブロワ・アセンブリと、
当該ラック・システムの各収容ケージの内の1つ以上の収容ケージに関する情報を受信すべく構成されたコントローラであって、前記少なくとも1つの収容ケージの状況情報を、該1つ以上の収容ケージの各々に対応するディスプレイ上の視覚的アイコンを含む当該コントローラのグラフィック・ユーザ・インタフェースを介してユーザに表示すべく構成されるコントローラと、
を具備するラック・システム。
【請求項18】
当該ラック・システムにより支持された使い捨て可能な収容ケージ内から情報を受けるべく構成されると共に前記コントローラに対して結合された少なくとも1つのセンサを更に具備する請求項17に記載のラック・システム。
【請求項19】
前記グラフィック・ユーザ・インタフェースが、個々のケージ状況を、各ケージ・アイコンに対する色コード体系により前記ディスプレイ上に表示する請求項17に記載のラック・システム。
【請求項20】
プログラム可能なプロセッサと、データの記憶装置と、ユーザ・インタフェースとを有し且つ前記コントローラに対して結合されたラック・サーバを更に具備する請求項17に記載のラック・システム。
【請求項21】
複数の使い捨て可能な動物収容ケージ・アセンブリを取付けるラック・システムであって、
規則的に離間された配列で複数の棚部アセンブリを受容すべく構成されたフレームと、
該フレームのマニフォルド/気体溜まりシステムに対して結合された少なくとも1つのブロワと、
前記フレームに対して固着されると共にケージ・アセンブリを受容且つ支持すべく構成された少なくとも1つの棚部アセンブリであって、該棚部アセンブリは該棚部アセンブリ自体の各側部における2本の長手スプリング負荷レールを有し、該スプリング負荷レールが各々、上側縁部であって当該上側縁部に対して係合された使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリのフランジ部分の底部表面を受容すべく構成された上側縁部を有し、当該棚部アセンブリの固定ノズルと前記収容ケージ・アセンブリの差込口とを通り且つ前記マニフォルド/気体溜まりシステムの内側通路と連通する当該棚部アセンブリの管路を通る制御可能な空気の流れに対して、前記ノズルと差込口との間にシールを確立するために前記差込口が当該棚部アセンブリの前記ノズルに当接して上方に付勢されるように、各前記スプリング負荷レールが、上向きのスプリング付勢力により垂直方向に平行移動して前記ケージ・アセンブリに対して上向きの付勢力を付与し得る、少なくとも1つの棚部アセンブリと、
を具備するラック・システム。
【請求項22】
複数の使い捨て可能な動物収容ケージ・アセンブリを取付けるモジュール式ラック・システムであって、
フレーム・アセンブリと、
内側通路を有する垂直供給マニフォルドと、
内側通路を有する垂直排出マニフォルドと、
当該横方向の二重通路式の気体溜まりの丈に沿い延在する供給通路及び別体的な排出通路を有する少なくとも1つの横方向の二重通路式の気体溜まりであって、当該気体溜まりが前記各垂直マニフォルド間に配設されてそれらと連通し、前記供給通路が前記垂直供給マニフォルドの前記内側通路と連通し且つ前記排出通路が前記垂直排出マニフォルドの前記内側通路と連通し、当該気体溜まりが、前記供給通路及び排出通路と連通する反復孔パターンを以て当該気体溜まりの丈に沿う略均一な構成を有すると共に、該気体溜まりが、任意の単位長さへと切断されて組立てられることで所望の個数の棚部アセンブリを収容し得る、少なくとも1つの横方向の二重通路式の気体溜まりと、
前記垂直供給マニフォルドに対して結合された供給ブロワ・アセンブリと、
前記垂直排出マニフォルドに対して結合された排出ブロワ・アセンブリと、
壁部分に対して固着された少なくとも1つの棚部アセンブリであって、該棚部アセンブリの供給管路及び排出管路が該棚部アセンブリの近傍である前記横方向マニフォルドの対応する供給通路及び排出通路に対して結合される少なくとも1つの棚部アセンブリと、
を具備するモジュール式ラック・システム。
【請求項23】
前記棚部アセンブリが、前記供給管路及び前記排出管路を備えた射出成形されたポリマ製頂部部分であって、使い捨て可能な収容ケージの各円錐状差込口に係合すべく構成された供給ノズル及び排出ノズルを備えたポリマ製頂部部分を有する請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記射出成形された頂部部分が、ガラス充填ナイロン・ポリマを有する請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
連続的な構造で一体的に形成された4つの側部及び1つの底部を有する生分解可能ポリマ材料を含む基部であって、当該基部の頂縁部における上側蓋体係合部材を有する基部と、
ポリマ材料を含む蓋体であって、前記基部の前記上側蓋体係合部材に対して解除可能に係合すべく構成された当該蓋体の周縁部上の基部係合部材と、第1通気差込口と、第2通気差込口とを有する蓋体と、
を具備する使い捨て可能な動物収容ケージ・アセンブリ。
【請求項26】
前記生分解可能ポリマ材料が生分解可能PETを含む請求項25に記載のケージ・アセンブリ。
【請求項1】
複数の使い捨て可能な動物収容ケージ・アセンブリを取付けるラック・システムであって、
規則的に離間された配列で複数の棚部アセンブリを受容すべく構成されたフレームと、
該フレームのマニフォルド/気体溜まりシステムに対して結合された少なくとも1つのブロワと、
前記フレームに対して固着されると共にケージ・アセンブリを受容且つ支持すべく構成された少なくとも1つの棚部アセンブリであって、該棚部アセンブリが該棚部アセンブリ自体の各側部における略平行な2本の長手レールを有し、該レールが各々、上側縁部であって該上側縁部に対して係合された使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリのフランジ部分の底部表面を受容すべく構成された上側縁部を有し、当該棚部アセンブリのノズルと前記収容ケージ・アセンブリの差込口とを通り且つ前記マニフォルド/気体溜まりシステムの内側通路と連通する当該棚部アセンブリの管路を通る制御可能な空気の流れに対して、前記ノズルと前記差込口との間にシールを確立するために前記差込口が前記ケージ・アセンブリの薄寸ポリマ蓋体の弾性的可撓性に依り当該棚部アセンブリの固定された前記ノズルに当接して上方に付勢されるように、前記各レールが前記ノズルから離間される、少なくとも1つの棚部アセンブリと、
を具備するラック・システム。
【請求項2】
前記棚部アセンブリの固定された前記ノズルが、使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリの円錐状差込口を受容すると共に該差込口に対してシール的に係合すべく構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ブロワ・アセンブリが、当該ラック・システム上のケージ・アセンブリに対して空気を供給すべく構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ブロワ・アセンブリが、当該ラック・システム上のケージ・アセンブリから空気を排出すべく構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ブロワ・システムが高圧ブロワ・システムを具備する請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
使い捨て可能な動物収容ケージをラック・システムの棚部アセンブリ内へと係合する方法であって、
前記収容ケージの2つの側部のフランジ部分を前記棚部システムの各静止的レールの頂面上で摺動させ乍ら、前記収容ケージをラック・システムの前記棚部アセンブリ内へと前進させる段階と、
前記収容ケージの蓋体上に配設された少なくとも1つの突出差込口が、前記棚部アセンブリの前記レールに対して固定された前記棚部アセンブリの一部分により下方に弾性的に偏向されるまで、前記棚部システム内への前記収容ケージの前進を継続する段階と、
前記少なくとも1つの差込口が前記棚部システムの夫々の少なくとも1つのノズルと整列され、且つ、前記差込口が、弾性的に偏向された該突出差込口と、該差込口の近傍に配設された前記収容ケージの蓋体部分との弾性的復帰から帰着する上向き力により前記ノズルと係合するまで、前記棚部システム内への前記収容ケージの前進を継続する段階と、
を含む方法。
【請求項7】
前記ノズルに対する前記差込口の係合が、前記差込口と前記ノズルとの間における気密シールを含むと共にそれらの間における残留力を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の前記差込口と1つ以上のノズルとの間の係合が、約0.23kg〜約1.81kg(約0.5ポンド〜約4ポンド)の残留偏向力を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上の前記差込口と1つ以上のノズルとの間の係合が、約0.45kg〜約0.91kg(約1ポンド〜約2ポンド)の残留偏向力を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記収容ケージの前記蓋体が、前記棚部システムの取入ノズルに係合する取入差込口と、前記棚部システムの排出ノズルに係合する排出差込口とを有する請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記棚部システムに対して前記ケージを係合させる最大係合力が、約0.91kg〜約3.62kg(約2ポンド〜約8ポンド)である請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記棚部システムに対して前記ケージを係合させる最大係合力が、約1.81kg〜約2.27kg(約4ポンド〜約5ポンド)である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記突出差込口及びその近傍のケージ蓋体部分の最大の下向き偏向力が、約0.91kg〜約4.53kg(約2ポンド〜約10ポンド)である請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記突出差込口及びその近傍のケージ蓋体部分の最大の下向き偏向力が、約1.81kg〜約3.17kg(約4ポンド〜約7ポンド)である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの突出差込口が、円形ノズルを備えた夫々のノズルに係合する円錐状の突出差込口を有する請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの差込口を偏向させる前記棚部アセンブリの前記部分が傾斜部を有し、且つ、前記差込口が、前記傾斜部の頂部部分から底部まで移動することにより偏向される請求項6に記載の方法。
【請求項17】
複数の使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリを取付けるラック・システムであって、
マニフォルド/気体溜まりアセンブリを有し且つ複数の棚部アセンブリを受容すべく構成されたフレーム・アセンブリと、
1つ以上のケージ・アセンブリを受容して支持すべく構成された少なくとも1つの棚部アセンブリであって、前記マニフォルド/気体溜まりアセンブリと連通する空気管路と、該空気管路と連通された空気ノズルであって使い捨て可能な収容ケージの差込口をシール的に受容すべく構成された空気ノズルとを有する少なくとも1つの棚部アセンブリと、
前記マニフォルド/気体溜まりアセンブリに対して結合されると共に、該マニフォルド/気体溜まりアセンブリ内の空気を移動させるべく構成された少なくとも1つのブロワ・アセンブリと、
当該ラック・システムの各収容ケージの内の1つ以上の収容ケージに関する情報を受信すべく構成されたコントローラであって、前記少なくとも1つの収容ケージの状況情報を、該1つ以上の収容ケージの各々に対応するディスプレイ上の視覚的アイコンを含む当該コントローラのグラフィック・ユーザ・インタフェースを介してユーザに表示すべく構成されるコントローラと、
を具備するラック・システム。
【請求項18】
当該ラック・システムにより支持された使い捨て可能な収容ケージ内から情報を受けるべく構成されると共に前記コントローラに対して結合された少なくとも1つのセンサを更に具備する請求項17に記載のラック・システム。
【請求項19】
前記グラフィック・ユーザ・インタフェースが、個々のケージ状況を、各ケージ・アイコンに対する色コード体系により前記ディスプレイ上に表示する請求項17に記載のラック・システム。
【請求項20】
プログラム可能なプロセッサと、データの記憶装置と、ユーザ・インタフェースとを有し且つ前記コントローラに対して結合されたラック・サーバを更に具備する請求項17に記載のラック・システム。
【請求項21】
複数の使い捨て可能な動物収容ケージ・アセンブリを取付けるラック・システムであって、
規則的に離間された配列で複数の棚部アセンブリを受容すべく構成されたフレームと、
該フレームのマニフォルド/気体溜まりシステムに対して結合された少なくとも1つのブロワと、
前記フレームに対して固着されると共にケージ・アセンブリを受容且つ支持すべく構成された少なくとも1つの棚部アセンブリであって、該棚部アセンブリは該棚部アセンブリ自体の各側部における2本の長手スプリング負荷レールを有し、該スプリング負荷レールが各々、上側縁部であって当該上側縁部に対して係合された使い捨て可能な収容ケージ・アセンブリのフランジ部分の底部表面を受容すべく構成された上側縁部を有し、当該棚部アセンブリの固定ノズルと前記収容ケージ・アセンブリの差込口とを通り且つ前記マニフォルド/気体溜まりシステムの内側通路と連通する当該棚部アセンブリの管路を通る制御可能な空気の流れに対して、前記ノズルと差込口との間にシールを確立するために前記差込口が当該棚部アセンブリの前記ノズルに当接して上方に付勢されるように、各前記スプリング負荷レールが、上向きのスプリング付勢力により垂直方向に平行移動して前記ケージ・アセンブリに対して上向きの付勢力を付与し得る、少なくとも1つの棚部アセンブリと、
を具備するラック・システム。
【請求項22】
複数の使い捨て可能な動物収容ケージ・アセンブリを取付けるモジュール式ラック・システムであって、
フレーム・アセンブリと、
内側通路を有する垂直供給マニフォルドと、
内側通路を有する垂直排出マニフォルドと、
当該横方向の二重通路式の気体溜まりの丈に沿い延在する供給通路及び別体的な排出通路を有する少なくとも1つの横方向の二重通路式の気体溜まりであって、当該気体溜まりが前記各垂直マニフォルド間に配設されてそれらと連通し、前記供給通路が前記垂直供給マニフォルドの前記内側通路と連通し且つ前記排出通路が前記垂直排出マニフォルドの前記内側通路と連通し、当該気体溜まりが、前記供給通路及び排出通路と連通する反復孔パターンを以て当該気体溜まりの丈に沿う略均一な構成を有すると共に、該気体溜まりが、任意の単位長さへと切断されて組立てられることで所望の個数の棚部アセンブリを収容し得る、少なくとも1つの横方向の二重通路式の気体溜まりと、
前記垂直供給マニフォルドに対して結合された供給ブロワ・アセンブリと、
前記垂直排出マニフォルドに対して結合された排出ブロワ・アセンブリと、
壁部分に対して固着された少なくとも1つの棚部アセンブリであって、該棚部アセンブリの供給管路及び排出管路が該棚部アセンブリの近傍である前記横方向マニフォルドの対応する供給通路及び排出通路に対して結合される少なくとも1つの棚部アセンブリと、
を具備するモジュール式ラック・システム。
【請求項23】
前記棚部アセンブリが、前記供給管路及び前記排出管路を備えた射出成形されたポリマ製頂部部分であって、使い捨て可能な収容ケージの各円錐状差込口に係合すべく構成された供給ノズル及び排出ノズルを備えたポリマ製頂部部分を有する請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記射出成形された頂部部分が、ガラス充填ナイロン・ポリマを有する請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
連続的な構造で一体的に形成された4つの側部及び1つの底部を有する生分解可能ポリマ材料を含む基部であって、当該基部の頂縁部における上側蓋体係合部材を有する基部と、
ポリマ材料を含む蓋体であって、前記基部の前記上側蓋体係合部材に対して解除可能に係合すべく構成された当該蓋体の周縁部上の基部係合部材と、第1通気差込口と、第2通気差込口とを有する蓋体と、
を具備する使い捨て可能な動物収容ケージ・アセンブリ。
【請求項26】
前記生分解可能ポリマ材料が生分解可能PETを含む請求項25に記載のケージ・アセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38A】
【図38B】
【図38C】
【図38D】
【図39】
【図39A】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図2】
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【図8】
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【図30】
【図31】
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【図33】
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【図35】
【図36】
【図37】
【図38A】
【図38B】
【図38C】
【図38D】
【図39】
【図39A】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【公表番号】特表2012−508024(P2012−508024A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535708(P2011−535708)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/063638
【国際公開番号】WO2010/054257
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(507196066)イノビーブ,インコーポレイティド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/063638
【国際公開番号】WO2010/054257
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(507196066)イノビーブ,インコーポレイティド (4)
【Fターム(参考)】
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