畝整形器
【課題】軽量で扱い易く、畝高や畝幅の変更も簡易構造で達成できる上、条植えや条播き及びビニールマルチングなどにも簡易に対応でき、さらには牽引操作性も良好な一般家庭向きの農具としての畝整形器を提供する。
【解決手段】縦断面L字形で一対の軸受板3と基準板を備えた地均フレーム1と、該軸受板3、3に取付角度調整自在に軸支される上部柄と下部柄とから成り、上部柄に上部ハンドルと牽引ハンドルを備えた牽引柄4と、地均フレーム1に接合される軸体(六角軸8)を介して上下変更自在に、かつ、広狭変更自在に接合される斜面地均板2とを基本構造とする。また、牽引柄4の下部柄の下端部上面に添設される中央条溝成形具15と地均フレーム1の横片1bの係合突起6に取着される側方条溝成形具18とが付属品として提供される。
【解決手段】縦断面L字形で一対の軸受板3と基準板を備えた地均フレーム1と、該軸受板3、3に取付角度調整自在に軸支される上部柄と下部柄とから成り、上部柄に上部ハンドルと牽引ハンドルを備えた牽引柄4と、地均フレーム1に接合される軸体(六角軸8)を介して上下変更自在に、かつ、広狭変更自在に接合される斜面地均板2とを基本構造とする。また、牽引柄4の下部柄の下端部上面に添設される中央条溝成形具15と地均フレーム1の横片1bの係合突起6に取着される側方条溝成形具18とが付属品として提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農作物を植え付けるため、耕起した土を盛り上げた畝の形状を整える畝整形器に関する。
【背景技術】
【0002】
手作業で畝整形のできる技術は、特開平8−140402号公報(特許文献1)に提案されている。特許文献1における畝整形技術は、畝上面及び両側面の整形に係わる構造が複雑である上、重量もかさみ。牽引が重くて整形作業が重労働となり、農作業に不馴れな一般家庭での農具としては不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−140402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記に鑑みて、軽量で扱い易く、畝高や畝幅の変更も簡易な構造で達成できる上、条植えや条播き及びビニールマルチングなどにも簡易に対応でき、さらには牽引操作性も良好な一般家庭向きの農具としての畝整形器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載した畝整形器は、畝の上面を整形する地均フレームと該地均フレームに接合されて畝の両側面を整形する斜面地均板と、該地均フレームに接合される牽引柄とから成る畝整形器において、
前記地均フレームが、縦片と横片とからなる縦断面L字形で、該縦片には長手方向に沿って所要ピッチでボルト孔が貫設され、横片の先端部上面には長手方向両端から所要長さに渡って係合突起を立設し、長手方向中央部に横片の先端部に向けて一対の軸受板を突設し、両軸受板には軸支孔と支持孔と、該軸支孔を中心とする所要円弧上で上下2個の調整支持孔とを貫設し、縦片の外面には前記軸受板と反対方向に一対の基準板を突設して成り、
前記斜面地均板は、縦片と横片とからなる縦断面L字形で、該横片には長手方向に沿って所要ピッチで一対のボルト孔を多段に貫設し、縦片の下端部には横片に向けて排土板を接合して成る整形本体と、該整形本体の横片の下面に接合する所要角度の傾斜面と前記地均フレームの横片への載置平面とを有し、軸長が地均フレームの横片長と整形本体の横片長との合算長より所要長さ分長尺で、一方の軸端にネジ孔を螺設するとともに、該軸端から所要位置に前記載置平面から上に凹状の係合溝を凹設してなる軸体とから成り、
前記牽引柄が、上部柄と該上部柄にその一端が着脱自在に接合される下部柄とからなり、下部柄の他端には左右側面に渡って軸支孔と2個の支持孔が貫設され、上部柄には上端部と上端から所要寸法隔てた位置にそれぞれ上部ハンドルと牽引ハンドルとを設けて成る。
請求項2に記載した畝整形器は、請求項1に記載した畝整形器において、
前記牽引柄の下部柄の下端部上面に添設される中央条溝成形具と、前記地均フレームの横片の係合突起に取着される側方条溝成形具とを設けて成る。
請求項3に記載した畝整形器は、請求項1又は2に記載した畝整形器において、
前記軸体が六角軸から成り、二面幅部の一面が前記載置平面となり、該二面幅部の他面に隣接するいずれか一面を前記傾斜面として成る。
【発明の効果】
【0006】
本発明の畝整形器によれば、畝上面を整形する地均フレームと畝の両側面を整形する斜面地均板とが共にアルミ合金製の縦断面L字形の簡易構造であるため極めて軽量であり、牽引柄はその長さが地均フレームの全幅と同等以内の長さにニ分割されるから梱包もコンパクトになり、作業上では上部柄の先端部に設けた上部ハンドルが地均フレームの上下及び左右方向の姿勢調整を図るのに供され、牽引ハンドルは上部ハンドルの操作支点ともなり得るとともに、牽引に供されるため安定した姿勢で牽引できるから、整形牽引作業が軽微となる。また、畝の両側面を整形する斜面地均板は、簡易構造の軸体を介して地均フレームに接合されるから、畝幅の変更も簡易であり、しかも、該軸体に接合される斜面地均板の整形本体の接合位置も上下するだけであるから畝高の変更も簡易となるものであり、さらには、畝上面中央に相当する位置で畝全長に渡り、センター線となる紐を張り渡すことにより、該センター線を地均フレームの基準板間に目視して牽引できるため、畝並びも整然となる上、ビニールマルチングにおいては、ビニールシートの両裾が前記整形本体のL字形隅角部で形成したV溝に収められ、排土板で外方へ除けた土を被覆できるから、その作業も軽微で出来映えもよく、きれいな圃場の景観を呈するものであり、その上、付属の中央条溝成形具及び側方条溝成形具の使用によって真っ直ぐな条溝も成形できるから、条植えや条播きも簡単できれいなものとなるなど、一般家庭向き(家庭菜園向き)農具として画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の畝整形器Aの一側面図。
【図2】図1の畝整形器AのA−A矢視要部説明図で、(a)はその平面図、(b)は(a)の右側面図。
【図3】畝整形器Aの要部斜視図。
【図4】斜面地均板2の説明図で、(a)はその正面図、(b)は(a)の右側面図。
【図5】斜面地均板2の地均フレーム1への取付け説明図。
【図6】地均フレーム1の中央部の部分説明図で、(a)はその平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図。
【図7】地均フレーム1の軸受板3における牽引柄4の取付け状態の説明図。
【図8】牽引柄4の上部柄4dの正面図。
【図9】中央条溝成形具15の説明図で、(a)はその平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(b)のC−C矢視断面図、(d)は中央条溝成形具15の他の実施態様における説明図。
【図10】側方条溝成形具18の説明図で、(a)はその地均フレーム1への取付け状態の平面図、(b)は(a)の正面図。
【図11】本発明の畝整形器Aの使用状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
地均フレーム1に斜面地均板2を接合するための軸体は、斜面地均板2の傾斜角度を頻繁に変えるものであるときは、丸軸が都合よいが、傾斜角度が一定であるとする場合は、その傾斜角度に沿う取付け面を有する台形状のものや、傾斜角度が畝上面に対して120°と一定の場合には六角軸8を使用できるから、コスト面では大幅な削減が図られる。また、牽引柄4における上部柄4dと下部柄4aの接合は、ネジ螺合による着脱自在構造のものから、中子14による抜き挿し自在構造のものが選択されるが、ネジ螺合による場合には上部ハンドル12や牽引ハンドル13の水平姿勢保持に各種公知の位置決め技術を要する。さらに、牽引柄4の地均フレーム1に対する取付け姿勢は、軸受板3における軸支孔3dと該軸支孔3dを中心とする所要円弧上の調整支持孔3fとによってその上下姿勢を調整するほか、中子14をヘの字状に折曲成形し、その折曲角度を各種準備(反転も含めて)したもので対応することも挙げられる。このほか、上部柄4dと下部柄4aの長さに関しては、中子使用の場合は中子14を含めて全長が共に地均フレーム1の全幅と同等以内とすることが梱包上要求されることである。なお、上部柄4dにおける牽引ハンドル13は左利き、右利きにより突出する向きが異なるため、中子14を使用した接合の場合は、その接合を解いて反転してもよいが、柄本体に左右に所要螺合分はみ出したネジ軸を固定し、該ネジ軸の一方に牽引ハンドル13を螺着し、他方に袋ナットを螺合して体裁を整えて左右取付け変更自在とすることもできる。
【実施例】
【0009】
本発明の畝整形器Aを実施例により説明すると、図1に示すように、縦断面60mm×40mmのL字形で肉厚5mm、幅820mmの地均フレーム1と、該地均フレーム1の左右所要位置にハの字状に接合される縦断面40mm×20mmのL字形で肉厚3mm、長さ310mmの斜面地均板2と、地均フレーム1の中央に対設される軸受板3、3に所要姿勢で軸支される縦断面30mm×20mmの角筒状の牽引柄4とから成り、これらは全てアルミニウム合金製の軽量型材から成る。そこで、地均フレーム1と斜面地均板2との関係を詳述すると、図2、図3及び図6に示すように、地均フレーム1の縦片1aの長手方向中央部にはその内面に軸受板3、3の縦部材3aがボルト締めされ、各縦部材3aと直角に一体な横部材3b、3b間には所要の間隙3cが配設されるとともに、該横部材3bには先端側に位置する軸支孔3dと、該軸支孔3dから所要寸法隔てて位置する支持孔3eと、該軸支孔3dを中心とする所要半径(前記所要寸法より短尺)の円弧上の上下に位置する2個の調整支持孔3fとがそれぞれ貫設され、また、縦片1aの外面には軸受板3の横部材3bと反対側に整列して突出する一対の基準板5、5をその縦部材5aにおいてボルト締めし、地均フレーム1の横片1bの先端部上面には四角筒状(15mm×15mm)の係合突起6がその両端から所要長さ(軸受板3の横部材3bに干渉しない長さ)に渡ってビス止めされて立設され、さらに、縦片1aには軸受板3の各縦部材3aの端部近傍から両端に向けて同位相のボルト孔1cが所要数貫設されて成る。一方、斜面地均板2は図4に示すように、縦片7aと横片7bとからなる前記した縦断面L字形の整形本体7と該整形本体7を所要傾斜姿勢(ハの字状)に保持する軸体としての六角軸8とから成り、整形本体7の縦片7aの下端部には横片7bに向けて外方へ傾斜する排土板9が設けられ、横片7bには長手方向に沿って所要ピッチで一対のボルト孔7cを多段に貫設してなり、六角軸8はその軸長(全長)が地均フレーム1の横片長(横片1bの幅寸法)と整形本体7の横片長(横片7bの幅寸法)との合算長より所要長さ分長尺で、一方の軸端にネジ孔8aを螺設するとともに、六角周面の二面幅の一面を載置面8bとして一方の軸端を地均フレーム1の縦片1aの内面に当接した状態で、横片1bの上面に当接すべく該載置面8bに前記係合突起6に嵌着する係合溝8cを上向きに凹設し、載置面8bに対向する面に隣接するいずれかの傾斜面8d(図3に示す右方の六角軸8では右方の傾斜面8d)には他方の軸端から所要分一方寄りの位置で該傾斜面8dと平行に整形本体7の横片7bの肉厚と同等の深さで、横片7bの全幅と同等の幅寸法からなる嵌着溝8eが凹設され、該嵌着溝8eの底面から整形本体7の横片7bに貫設される一対のボルト孔7cと同位相のネジ孔8fを所要深さに螺設して成る。かくして、六角軸8は図5に示すように、一方の軸端が地均フレーム1の縦片1aの内面に当接され、載置面8bがその係合溝8cを地均フレーム1の横片1bに立設した係合突起6に着嵌して横片1bの上面に載置され、所要の畝幅を満足する位置の縦片1aのボルト1cに軸端のネジ孔8aを合致させ、縦片1aの外面から螺着する蝶ボルト10で緊締することにより、それぞれ両側の六角軸8は地均フレーム1に固定される。そして、それぞれの六角軸8の傾斜面8dに凹設された嵌着溝8eにはそれぞれ整形本体7がその横片7bにおいて嵌着され、六角形状の長尺頭部を有する一対のボルト状の止め金11で確実に六角軸8に固定される。
また、図7に示すように、牽引柄4の下部柄4aの下端部は軸支孔4bを各軸受板3の横部材3bに貫設した軸支孔3dと合致させてボルトと蝶ナットで接合するとともに、上方の支持孔4cを該横部材3bに貫設した支持孔3eと合致させてボルトと蝶ナットで接合し、牽引柄4を地均フレーム1に対して取付け角度を所要姿勢にして固定する。なお、牽引柄4を牽引する作業者Mの背丈に応じて上部柄4dを高くしたいときは、下部柄4aの軸支孔4bに近い支持孔4cと軸受板3の横部材3bにおける上方の調整支持孔3fとを合致させて仮想線で示す姿勢でボルトと蝶ナットで接合するものであり、低くしたいときは下部柄4aの前記支持孔4cと軸受板3の横部材3bにおける下方の調整支持孔3fとを合致させて仮想線で示す姿勢でボルトと蝶ナットで接合する。
次に、上記牽引柄4において、軸受板3、3に軸支された下部柄4aに着脱自在に接合される上部柄4dについて詳述すると、このものは図8に示すように、全長が下部柄4aと同長にして、前記地均フレーム1の全幅と同等以内の寸法であり、その柄本体の先端部にはT字状に上部ハンドル12が圧入接合され、さらに、上部ハンドル12から所要寸法隔てた位置で一側に牽引ハンドル13を設け、柄本体の下端には接合部を突出した中子14を接合して成り、該中子14に対して前記の下部柄4aの上端部が着脱自在にビスと蝶ナットとで接合されるものであり、牽引ハンドル13を仮想線で示すように右方へ向けるときは、上部柄4dを反転して下部柄4aに中子14を接合すればよい。なお、中子14を介しての接合に代えてネジ軸とネジ軸に螺合する雌ネジ管との接合もあり得る。
【0010】
次に、条植えや条播きに便利な条溝の成形に使用する条溝成形手段について説明すると、牽引柄4の下部柄4aの上面に接合される中央条溝成形具15は、図9(a)に示すように、軸受板3の横部材3b、3b間の間隙3cに挿入される幅で上方に2個所長孔(取付け孔)16aが貫設された長尺平板状の支持体16と、図9(b)及び(c)に示すように、その下方の下面に下に山形状の掘り込み片17が接合されて成り、このほか分図(d)に示すように、支持体16の下方を所要角度(牽引使用時に垂直方向に向く角度)に折曲してその折曲部の下面に前記掘り込み片17を接合した中央条溝成形具15も提供される。また、地均フレーム1の左右に設けられる側方条溝成形具18は図10に示すように、逆U状に折曲形成された支持体19の長尺片19aの下端部内面に前記の掘り込み片17を接合し、短尺片19bには頭部にローレットを形成したネジ軸20を螺合し、該ネジ軸20の先端に回動自在に押圧子21を係着して成る。したがって、この側方条溝成形具18は条溝成形位置において、地均フレーム1の横片1bに立設した係合突起6に被せられるとともに、掘り込み片17の上端を該横片1bの下面に当接した状態でネジ軸20をネジ込み、長尺片19aの内面と押圧子21とで係合突起6を挟持して接合される。このとき、掘り込み片17の幅Wと深さHが畝の上面に成形される条溝の寸法となる。
【0011】
このようにして成る畝整形器Aは図11に示すように、作業者Mの一方の手で牽引柄4の上部ハンドル12が握られ、牽引方向や地均フレーム1の横片1bによる畝上面の整形状態を見ながら上下左右に操作され、他方の手で牽引ハンドル13が握られて牽引される。このとき、本畝整形器Aは全アルミ合金製で重さは僅か3kg程度であるから整形作業も軽微であり、予め畝上面中央にセンター線としての紐Sを全長に渡って張り渡すと、地均フレーム1の縦片1aの外面に突出する一対の基準板5、5間に紐Sを目視しつつ牽引できるから、畝並びが整然として左右の上部角度が120°の台形状の規格畝を整形できるのである。さらに、所要畝高となるように六角軸8に接合された整形本体7は、地均フレーム1の横片1bの先端に干渉することなく、ハの字状に垂下されたL字形の下端部でV溝22を形成しつつ、排土板9でその外方に土を除けながら畝の左右側部を整形するから、ビニールマルチングにおいては、ビニールシートの両端をV溝22内に収めて簡単に覆土できるから、ビニールシートの被覆作業もし易くなるのである。
そして、畝高を変えるときは、図4に示す斜面地均板2で説明すると、2個のボルト状の止め金11を緩めて整形本体7を六角軸8から外し、上部のボルト孔7cの位置で六角軸8に整形本体7を止め金11で接合すれば畝高は高くなり、下端のボルト孔7cで止め金11により六角軸8に接合すれば、最低の畝高整形となる。また、畝幅を広くするときは、図5に示す蝶ボルト10を緩めて地均フレーム1の縦片1aから六角軸8を外し、図3で示す外方のボルト孔1cにおいて六角軸8を固定すれば、簡単に斜面地均板2は幅広状態で地均フレーム1に接合されるものであり、畝幅を狭くしたいときは、逆に内方のボルト孔1cにおいて六角軸8を固定すれば簡単に畝幅を狭くできるのである。
さらに、条溝を成形する場合には、センター線とした紐Sを畝上面から取り外し、前記した中央条溝成形具15を下部柄4aの下端部上面に長孔16aを介して接合し、側方条溝成形具18を前記した要領で地均フレーム1の横片1bに接合すれば、畝整形と共に所要の条溝も成形できるものである。このほか、本畝整形器Aは、地均フレーム1から斜面地均板2を外せば柄振り(俗称トンボ)として平地の地均しやツララ(氷柱)落としなどにも使用できるものである。
このように本発明の畝整形器Aは軽量で扱い易く、畝づくりに不馴れな人でも簡単に対応でき、しかも、畝幅も畝高も複数段階に簡単に変更でき、付属部品としての前記の条溝成形手段によって条植えや条播き用の条溝成形も簡単であり、さらには、ビニールマルチングにおけるビニールシートの裾も押え易くなり、畝並びが整然となって圃場がきれいになるなど、画期的な農具である。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明の畝整形器は、農作業の不馴れな人でも軽量で扱い易いものであり、畝づくりの助っ人となるものであるから、家庭菜園の要望に十分に対応できる技術であり、この分野での需要が期待できることは勿論のこと、農具製造分野の活性化にも貢献できるものである。
【符号の説明】
【0013】
1:地均フレーム
1a:縦片
1b:横片
1c:ボルト孔
2:斜面地均板
3:軸受板
3a:縦部材
3b:横部材
3c:間隙
3d:軸支孔
3e:支持孔
3f:調整支持孔
4:牽引柄
4a:下部板
4b:軸支孔
4c:支持孔
4d:上部柄
5:基準板
5a:縦部材
6:係合突起
7:整形本体
7a:縦片
7b:横片
7c:ボルト孔
8:六角軸
8a:ネジ孔
8b:載置面
8c:係合溝
8d:傾斜面
8e:嵌着溝
8f:ネジ孔
9:排土板
10:蝶ボルト
11:止め金
12:上部ハンドル
13:牽引ハンドル
14:中子
15:中央条溝成形具
16:支持体
16a:長孔
17:掘り込み片
18:側方条溝成形具
19:支持体
19a:長尺片
19b:短尺片
20:ネジ軸
21:押圧子
22:V溝
M:作業者
S:紐
A:畝整形器
【技術分野】
【0001】
本発明は農作物を植え付けるため、耕起した土を盛り上げた畝の形状を整える畝整形器に関する。
【背景技術】
【0002】
手作業で畝整形のできる技術は、特開平8−140402号公報(特許文献1)に提案されている。特許文献1における畝整形技術は、畝上面及び両側面の整形に係わる構造が複雑である上、重量もかさみ。牽引が重くて整形作業が重労働となり、農作業に不馴れな一般家庭での農具としては不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−140402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記に鑑みて、軽量で扱い易く、畝高や畝幅の変更も簡易な構造で達成できる上、条植えや条播き及びビニールマルチングなどにも簡易に対応でき、さらには牽引操作性も良好な一般家庭向きの農具としての畝整形器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載した畝整形器は、畝の上面を整形する地均フレームと該地均フレームに接合されて畝の両側面を整形する斜面地均板と、該地均フレームに接合される牽引柄とから成る畝整形器において、
前記地均フレームが、縦片と横片とからなる縦断面L字形で、該縦片には長手方向に沿って所要ピッチでボルト孔が貫設され、横片の先端部上面には長手方向両端から所要長さに渡って係合突起を立設し、長手方向中央部に横片の先端部に向けて一対の軸受板を突設し、両軸受板には軸支孔と支持孔と、該軸支孔を中心とする所要円弧上で上下2個の調整支持孔とを貫設し、縦片の外面には前記軸受板と反対方向に一対の基準板を突設して成り、
前記斜面地均板は、縦片と横片とからなる縦断面L字形で、該横片には長手方向に沿って所要ピッチで一対のボルト孔を多段に貫設し、縦片の下端部には横片に向けて排土板を接合して成る整形本体と、該整形本体の横片の下面に接合する所要角度の傾斜面と前記地均フレームの横片への載置平面とを有し、軸長が地均フレームの横片長と整形本体の横片長との合算長より所要長さ分長尺で、一方の軸端にネジ孔を螺設するとともに、該軸端から所要位置に前記載置平面から上に凹状の係合溝を凹設してなる軸体とから成り、
前記牽引柄が、上部柄と該上部柄にその一端が着脱自在に接合される下部柄とからなり、下部柄の他端には左右側面に渡って軸支孔と2個の支持孔が貫設され、上部柄には上端部と上端から所要寸法隔てた位置にそれぞれ上部ハンドルと牽引ハンドルとを設けて成る。
請求項2に記載した畝整形器は、請求項1に記載した畝整形器において、
前記牽引柄の下部柄の下端部上面に添設される中央条溝成形具と、前記地均フレームの横片の係合突起に取着される側方条溝成形具とを設けて成る。
請求項3に記載した畝整形器は、請求項1又は2に記載した畝整形器において、
前記軸体が六角軸から成り、二面幅部の一面が前記載置平面となり、該二面幅部の他面に隣接するいずれか一面を前記傾斜面として成る。
【発明の効果】
【0006】
本発明の畝整形器によれば、畝上面を整形する地均フレームと畝の両側面を整形する斜面地均板とが共にアルミ合金製の縦断面L字形の簡易構造であるため極めて軽量であり、牽引柄はその長さが地均フレームの全幅と同等以内の長さにニ分割されるから梱包もコンパクトになり、作業上では上部柄の先端部に設けた上部ハンドルが地均フレームの上下及び左右方向の姿勢調整を図るのに供され、牽引ハンドルは上部ハンドルの操作支点ともなり得るとともに、牽引に供されるため安定した姿勢で牽引できるから、整形牽引作業が軽微となる。また、畝の両側面を整形する斜面地均板は、簡易構造の軸体を介して地均フレームに接合されるから、畝幅の変更も簡易であり、しかも、該軸体に接合される斜面地均板の整形本体の接合位置も上下するだけであるから畝高の変更も簡易となるものであり、さらには、畝上面中央に相当する位置で畝全長に渡り、センター線となる紐を張り渡すことにより、該センター線を地均フレームの基準板間に目視して牽引できるため、畝並びも整然となる上、ビニールマルチングにおいては、ビニールシートの両裾が前記整形本体のL字形隅角部で形成したV溝に収められ、排土板で外方へ除けた土を被覆できるから、その作業も軽微で出来映えもよく、きれいな圃場の景観を呈するものであり、その上、付属の中央条溝成形具及び側方条溝成形具の使用によって真っ直ぐな条溝も成形できるから、条植えや条播きも簡単できれいなものとなるなど、一般家庭向き(家庭菜園向き)農具として画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の畝整形器Aの一側面図。
【図2】図1の畝整形器AのA−A矢視要部説明図で、(a)はその平面図、(b)は(a)の右側面図。
【図3】畝整形器Aの要部斜視図。
【図4】斜面地均板2の説明図で、(a)はその正面図、(b)は(a)の右側面図。
【図5】斜面地均板2の地均フレーム1への取付け説明図。
【図6】地均フレーム1の中央部の部分説明図で、(a)はその平面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図。
【図7】地均フレーム1の軸受板3における牽引柄4の取付け状態の説明図。
【図8】牽引柄4の上部柄4dの正面図。
【図9】中央条溝成形具15の説明図で、(a)はその平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(b)のC−C矢視断面図、(d)は中央条溝成形具15の他の実施態様における説明図。
【図10】側方条溝成形具18の説明図で、(a)はその地均フレーム1への取付け状態の平面図、(b)は(a)の正面図。
【図11】本発明の畝整形器Aの使用状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
地均フレーム1に斜面地均板2を接合するための軸体は、斜面地均板2の傾斜角度を頻繁に変えるものであるときは、丸軸が都合よいが、傾斜角度が一定であるとする場合は、その傾斜角度に沿う取付け面を有する台形状のものや、傾斜角度が畝上面に対して120°と一定の場合には六角軸8を使用できるから、コスト面では大幅な削減が図られる。また、牽引柄4における上部柄4dと下部柄4aの接合は、ネジ螺合による着脱自在構造のものから、中子14による抜き挿し自在構造のものが選択されるが、ネジ螺合による場合には上部ハンドル12や牽引ハンドル13の水平姿勢保持に各種公知の位置決め技術を要する。さらに、牽引柄4の地均フレーム1に対する取付け姿勢は、軸受板3における軸支孔3dと該軸支孔3dを中心とする所要円弧上の調整支持孔3fとによってその上下姿勢を調整するほか、中子14をヘの字状に折曲成形し、その折曲角度を各種準備(反転も含めて)したもので対応することも挙げられる。このほか、上部柄4dと下部柄4aの長さに関しては、中子使用の場合は中子14を含めて全長が共に地均フレーム1の全幅と同等以内とすることが梱包上要求されることである。なお、上部柄4dにおける牽引ハンドル13は左利き、右利きにより突出する向きが異なるため、中子14を使用した接合の場合は、その接合を解いて反転してもよいが、柄本体に左右に所要螺合分はみ出したネジ軸を固定し、該ネジ軸の一方に牽引ハンドル13を螺着し、他方に袋ナットを螺合して体裁を整えて左右取付け変更自在とすることもできる。
【実施例】
【0009】
本発明の畝整形器Aを実施例により説明すると、図1に示すように、縦断面60mm×40mmのL字形で肉厚5mm、幅820mmの地均フレーム1と、該地均フレーム1の左右所要位置にハの字状に接合される縦断面40mm×20mmのL字形で肉厚3mm、長さ310mmの斜面地均板2と、地均フレーム1の中央に対設される軸受板3、3に所要姿勢で軸支される縦断面30mm×20mmの角筒状の牽引柄4とから成り、これらは全てアルミニウム合金製の軽量型材から成る。そこで、地均フレーム1と斜面地均板2との関係を詳述すると、図2、図3及び図6に示すように、地均フレーム1の縦片1aの長手方向中央部にはその内面に軸受板3、3の縦部材3aがボルト締めされ、各縦部材3aと直角に一体な横部材3b、3b間には所要の間隙3cが配設されるとともに、該横部材3bには先端側に位置する軸支孔3dと、該軸支孔3dから所要寸法隔てて位置する支持孔3eと、該軸支孔3dを中心とする所要半径(前記所要寸法より短尺)の円弧上の上下に位置する2個の調整支持孔3fとがそれぞれ貫設され、また、縦片1aの外面には軸受板3の横部材3bと反対側に整列して突出する一対の基準板5、5をその縦部材5aにおいてボルト締めし、地均フレーム1の横片1bの先端部上面には四角筒状(15mm×15mm)の係合突起6がその両端から所要長さ(軸受板3の横部材3bに干渉しない長さ)に渡ってビス止めされて立設され、さらに、縦片1aには軸受板3の各縦部材3aの端部近傍から両端に向けて同位相のボルト孔1cが所要数貫設されて成る。一方、斜面地均板2は図4に示すように、縦片7aと横片7bとからなる前記した縦断面L字形の整形本体7と該整形本体7を所要傾斜姿勢(ハの字状)に保持する軸体としての六角軸8とから成り、整形本体7の縦片7aの下端部には横片7bに向けて外方へ傾斜する排土板9が設けられ、横片7bには長手方向に沿って所要ピッチで一対のボルト孔7cを多段に貫設してなり、六角軸8はその軸長(全長)が地均フレーム1の横片長(横片1bの幅寸法)と整形本体7の横片長(横片7bの幅寸法)との合算長より所要長さ分長尺で、一方の軸端にネジ孔8aを螺設するとともに、六角周面の二面幅の一面を載置面8bとして一方の軸端を地均フレーム1の縦片1aの内面に当接した状態で、横片1bの上面に当接すべく該載置面8bに前記係合突起6に嵌着する係合溝8cを上向きに凹設し、載置面8bに対向する面に隣接するいずれかの傾斜面8d(図3に示す右方の六角軸8では右方の傾斜面8d)には他方の軸端から所要分一方寄りの位置で該傾斜面8dと平行に整形本体7の横片7bの肉厚と同等の深さで、横片7bの全幅と同等の幅寸法からなる嵌着溝8eが凹設され、該嵌着溝8eの底面から整形本体7の横片7bに貫設される一対のボルト孔7cと同位相のネジ孔8fを所要深さに螺設して成る。かくして、六角軸8は図5に示すように、一方の軸端が地均フレーム1の縦片1aの内面に当接され、載置面8bがその係合溝8cを地均フレーム1の横片1bに立設した係合突起6に着嵌して横片1bの上面に載置され、所要の畝幅を満足する位置の縦片1aのボルト1cに軸端のネジ孔8aを合致させ、縦片1aの外面から螺着する蝶ボルト10で緊締することにより、それぞれ両側の六角軸8は地均フレーム1に固定される。そして、それぞれの六角軸8の傾斜面8dに凹設された嵌着溝8eにはそれぞれ整形本体7がその横片7bにおいて嵌着され、六角形状の長尺頭部を有する一対のボルト状の止め金11で確実に六角軸8に固定される。
また、図7に示すように、牽引柄4の下部柄4aの下端部は軸支孔4bを各軸受板3の横部材3bに貫設した軸支孔3dと合致させてボルトと蝶ナットで接合するとともに、上方の支持孔4cを該横部材3bに貫設した支持孔3eと合致させてボルトと蝶ナットで接合し、牽引柄4を地均フレーム1に対して取付け角度を所要姿勢にして固定する。なお、牽引柄4を牽引する作業者Mの背丈に応じて上部柄4dを高くしたいときは、下部柄4aの軸支孔4bに近い支持孔4cと軸受板3の横部材3bにおける上方の調整支持孔3fとを合致させて仮想線で示す姿勢でボルトと蝶ナットで接合するものであり、低くしたいときは下部柄4aの前記支持孔4cと軸受板3の横部材3bにおける下方の調整支持孔3fとを合致させて仮想線で示す姿勢でボルトと蝶ナットで接合する。
次に、上記牽引柄4において、軸受板3、3に軸支された下部柄4aに着脱自在に接合される上部柄4dについて詳述すると、このものは図8に示すように、全長が下部柄4aと同長にして、前記地均フレーム1の全幅と同等以内の寸法であり、その柄本体の先端部にはT字状に上部ハンドル12が圧入接合され、さらに、上部ハンドル12から所要寸法隔てた位置で一側に牽引ハンドル13を設け、柄本体の下端には接合部を突出した中子14を接合して成り、該中子14に対して前記の下部柄4aの上端部が着脱自在にビスと蝶ナットとで接合されるものであり、牽引ハンドル13を仮想線で示すように右方へ向けるときは、上部柄4dを反転して下部柄4aに中子14を接合すればよい。なお、中子14を介しての接合に代えてネジ軸とネジ軸に螺合する雌ネジ管との接合もあり得る。
【0010】
次に、条植えや条播きに便利な条溝の成形に使用する条溝成形手段について説明すると、牽引柄4の下部柄4aの上面に接合される中央条溝成形具15は、図9(a)に示すように、軸受板3の横部材3b、3b間の間隙3cに挿入される幅で上方に2個所長孔(取付け孔)16aが貫設された長尺平板状の支持体16と、図9(b)及び(c)に示すように、その下方の下面に下に山形状の掘り込み片17が接合されて成り、このほか分図(d)に示すように、支持体16の下方を所要角度(牽引使用時に垂直方向に向く角度)に折曲してその折曲部の下面に前記掘り込み片17を接合した中央条溝成形具15も提供される。また、地均フレーム1の左右に設けられる側方条溝成形具18は図10に示すように、逆U状に折曲形成された支持体19の長尺片19aの下端部内面に前記の掘り込み片17を接合し、短尺片19bには頭部にローレットを形成したネジ軸20を螺合し、該ネジ軸20の先端に回動自在に押圧子21を係着して成る。したがって、この側方条溝成形具18は条溝成形位置において、地均フレーム1の横片1bに立設した係合突起6に被せられるとともに、掘り込み片17の上端を該横片1bの下面に当接した状態でネジ軸20をネジ込み、長尺片19aの内面と押圧子21とで係合突起6を挟持して接合される。このとき、掘り込み片17の幅Wと深さHが畝の上面に成形される条溝の寸法となる。
【0011】
このようにして成る畝整形器Aは図11に示すように、作業者Mの一方の手で牽引柄4の上部ハンドル12が握られ、牽引方向や地均フレーム1の横片1bによる畝上面の整形状態を見ながら上下左右に操作され、他方の手で牽引ハンドル13が握られて牽引される。このとき、本畝整形器Aは全アルミ合金製で重さは僅か3kg程度であるから整形作業も軽微であり、予め畝上面中央にセンター線としての紐Sを全長に渡って張り渡すと、地均フレーム1の縦片1aの外面に突出する一対の基準板5、5間に紐Sを目視しつつ牽引できるから、畝並びが整然として左右の上部角度が120°の台形状の規格畝を整形できるのである。さらに、所要畝高となるように六角軸8に接合された整形本体7は、地均フレーム1の横片1bの先端に干渉することなく、ハの字状に垂下されたL字形の下端部でV溝22を形成しつつ、排土板9でその外方に土を除けながら畝の左右側部を整形するから、ビニールマルチングにおいては、ビニールシートの両端をV溝22内に収めて簡単に覆土できるから、ビニールシートの被覆作業もし易くなるのである。
そして、畝高を変えるときは、図4に示す斜面地均板2で説明すると、2個のボルト状の止め金11を緩めて整形本体7を六角軸8から外し、上部のボルト孔7cの位置で六角軸8に整形本体7を止め金11で接合すれば畝高は高くなり、下端のボルト孔7cで止め金11により六角軸8に接合すれば、最低の畝高整形となる。また、畝幅を広くするときは、図5に示す蝶ボルト10を緩めて地均フレーム1の縦片1aから六角軸8を外し、図3で示す外方のボルト孔1cにおいて六角軸8を固定すれば、簡単に斜面地均板2は幅広状態で地均フレーム1に接合されるものであり、畝幅を狭くしたいときは、逆に内方のボルト孔1cにおいて六角軸8を固定すれば簡単に畝幅を狭くできるのである。
さらに、条溝を成形する場合には、センター線とした紐Sを畝上面から取り外し、前記した中央条溝成形具15を下部柄4aの下端部上面に長孔16aを介して接合し、側方条溝成形具18を前記した要領で地均フレーム1の横片1bに接合すれば、畝整形と共に所要の条溝も成形できるものである。このほか、本畝整形器Aは、地均フレーム1から斜面地均板2を外せば柄振り(俗称トンボ)として平地の地均しやツララ(氷柱)落としなどにも使用できるものである。
このように本発明の畝整形器Aは軽量で扱い易く、畝づくりに不馴れな人でも簡単に対応でき、しかも、畝幅も畝高も複数段階に簡単に変更でき、付属部品としての前記の条溝成形手段によって条植えや条播き用の条溝成形も簡単であり、さらには、ビニールマルチングにおけるビニールシートの裾も押え易くなり、畝並びが整然となって圃場がきれいになるなど、画期的な農具である。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明の畝整形器は、農作業の不馴れな人でも軽量で扱い易いものであり、畝づくりの助っ人となるものであるから、家庭菜園の要望に十分に対応できる技術であり、この分野での需要が期待できることは勿論のこと、農具製造分野の活性化にも貢献できるものである。
【符号の説明】
【0013】
1:地均フレーム
1a:縦片
1b:横片
1c:ボルト孔
2:斜面地均板
3:軸受板
3a:縦部材
3b:横部材
3c:間隙
3d:軸支孔
3e:支持孔
3f:調整支持孔
4:牽引柄
4a:下部板
4b:軸支孔
4c:支持孔
4d:上部柄
5:基準板
5a:縦部材
6:係合突起
7:整形本体
7a:縦片
7b:横片
7c:ボルト孔
8:六角軸
8a:ネジ孔
8b:載置面
8c:係合溝
8d:傾斜面
8e:嵌着溝
8f:ネジ孔
9:排土板
10:蝶ボルト
11:止め金
12:上部ハンドル
13:牽引ハンドル
14:中子
15:中央条溝成形具
16:支持体
16a:長孔
17:掘り込み片
18:側方条溝成形具
19:支持体
19a:長尺片
19b:短尺片
20:ネジ軸
21:押圧子
22:V溝
M:作業者
S:紐
A:畝整形器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
畝の上面を整形する地均フレームと該地均フレームに接合されて畝の両側面を整形する斜面地均板と、該地均フレームに接合される牽引柄とから成る畝整形器において、
前記地均フレームが、縦片と横片とからなる縦断面L字形で、該縦片には長手方向に沿って所要ピッチでボルト孔が貫設され、横片の先端部上面には長手方向両端から所要長さに渡って係合突起を立設し、長手方向中央部に横片の先端部に向けて一対の軸受板を突設し、両軸受板には軸支孔と支持孔と、該軸支孔を中心とする所要円弧上で上下2個の調整支持孔とを貫設し、縦片の外面には前記軸受板と反対方向に一対の基準板を突設して成り、
前記斜面地均板は、縦片と横片とからなる縦断面L字形で、該横片には長手方向に沿って所要ピッチで一対のボルト孔を多段に貫設し、縦片の下端部には横片に向けて排土板を接合して成る整形本体と、該整形本体の横片の下面に接合する所要角度の傾斜面と前記地均フレームの横片への載置平面とを有し、軸長が地均フレームの横片長と整形本体の横片長との合算長より所要長さ分長尺で、一方の軸端にネジ孔を螺設するとともに、該軸端から所要位置に前記載置平面から上に凹状の係合溝を凹設してなる軸体とから成り、
前記牽引柄が、上部柄と該上部柄にその一端が着脱自在に接合される下部柄とからなり、下部柄の他端には左右側面に渡って軸支孔と2個の支持孔が貫設され、上部柄には上端部と上端から所要寸法隔てた位置にそれぞれ上部ハンドルと牽引ハンドルとを設けて成る畝整形器。
【請求項2】
前記牽引柄の下部柄の下端部上面に添設される中央条溝成形具と、前記地均フレーム横片の係合突起に取着される側方条溝成形具とを設けて成る請求項1記載の畝整形器。
【請求項3】
前記軸体が六角軸から成り、二面幅部の一面が前記載置平面となり、該二面幅部の他面に隣接するいずれか一面を前記傾斜面として成る請求項1又は2記載の畝整形器。
【請求項1】
畝の上面を整形する地均フレームと該地均フレームに接合されて畝の両側面を整形する斜面地均板と、該地均フレームに接合される牽引柄とから成る畝整形器において、
前記地均フレームが、縦片と横片とからなる縦断面L字形で、該縦片には長手方向に沿って所要ピッチでボルト孔が貫設され、横片の先端部上面には長手方向両端から所要長さに渡って係合突起を立設し、長手方向中央部に横片の先端部に向けて一対の軸受板を突設し、両軸受板には軸支孔と支持孔と、該軸支孔を中心とする所要円弧上で上下2個の調整支持孔とを貫設し、縦片の外面には前記軸受板と反対方向に一対の基準板を突設して成り、
前記斜面地均板は、縦片と横片とからなる縦断面L字形で、該横片には長手方向に沿って所要ピッチで一対のボルト孔を多段に貫設し、縦片の下端部には横片に向けて排土板を接合して成る整形本体と、該整形本体の横片の下面に接合する所要角度の傾斜面と前記地均フレームの横片への載置平面とを有し、軸長が地均フレームの横片長と整形本体の横片長との合算長より所要長さ分長尺で、一方の軸端にネジ孔を螺設するとともに、該軸端から所要位置に前記載置平面から上に凹状の係合溝を凹設してなる軸体とから成り、
前記牽引柄が、上部柄と該上部柄にその一端が着脱自在に接合される下部柄とからなり、下部柄の他端には左右側面に渡って軸支孔と2個の支持孔が貫設され、上部柄には上端部と上端から所要寸法隔てた位置にそれぞれ上部ハンドルと牽引ハンドルとを設けて成る畝整形器。
【請求項2】
前記牽引柄の下部柄の下端部上面に添設される中央条溝成形具と、前記地均フレーム横片の係合突起に取着される側方条溝成形具とを設けて成る請求項1記載の畝整形器。
【請求項3】
前記軸体が六角軸から成り、二面幅部の一面が前記載置平面となり、該二面幅部の他面に隣接するいずれか一面を前記傾斜面として成る請求項1又は2記載の畝整形器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−200667(P2010−200667A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49094(P2009−49094)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成20年11月15日〜16日 開催の「平成20年度第57回秋田県発明展」に出品
【出願人】(509062550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成20年11月15日〜16日 開催の「平成20年度第57回秋田県発明展」に出品
【出願人】(509062550)
【Fターム(参考)】
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