説明

発光する靴下類

【課題】 発光ダイオードの装着を忘れ難くし、靴下の絵柄や刺繍や模様等に効果的に発光ダイオード(LED)を照射するとともに、雨等で濡れたり洗濯をしたとしても、発光ダイオード(LED)の制御回路が故障するようなことがないようにする。
【解決手段】 靴下、ソックス、ストッキングや足用サポータ等の靴下類1に、所定のスイッチング動作により発光素子3aが発光する発光ダイオード(LED)3が取り付けられている。発光ダイオード(LED)3は、歩行や運動のときの足に伝わる衝撃を感知する衝撃感知センサー3cと、これら衝撃感知センサー3cに連結される複数の発光素子3aと、これらと連結される電源3dと、衝撃感知センサー3cからの信号によって前記複数の発光素子3aを所定時間発光させる制御回路3bを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行や運動のときに発光する発光ダイオード(LED)が取り付けられている発光する靴下類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リストバンドやバンダナ(ヘッドバンド)では、蛍光塗料等の反射材を施すことで、夜間での使用の際に所定の光(例えば車のライト)により反射させて運動している人の確認や、夜間のスポーツをカラフルに演出したりするために使用されることがある。
【0003】
他方、発光ダイオード(LED)は、その普及が進み、玩具やスポーツの分野でも使用されるような小型化が進み、消費電力も少なく出来るものが普及している。そして、衣類(シャツ類)に発光ダイオード(LED)取り付けるものや(特許文献1)、靴に発光ダイオード(LED)を取り付けるものが既に開示されている(特許文献2や3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7278758号公報
【特許文献2】特開2004−103265号公報
【特許文献3】特開平10−234423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記リストバンド等を装着すれば、夜間、ジョギングやウォーキング等の運動をする人や、高齢者や子どもが夜に外出するときに、車のライト等で反射して安全性を確保することが出来るが、上記反射材を使用しているために、所定の光がないと、その人の存在(位置)を確認できない問題を有する。また、高齢者や子供では、上記リストバンド等を装着することを嫌がったり、そもそも大人でもその装着を忘れるおそれがある。そして、上記リストバンド等では、その洗濯により反射材が落ちたりするが、そもそもその発光量が少なく、その対象(例えば上記リストバンド)に模様等が施されていたとしても、その模様等を光らせることまではできなかった。
この点、特許文献1のような衣類(シャツ類)に発光ダイオード(LED)を取り付けるものがあるが、シャツ類では、歩行や運動の衝撃が伝わり難いものである。また、特許文献2や3のような靴に発光ダイオード(LED)を取り付けるものがあるが、靴を使用しない場合にはそもそも効果がなく(例えば、夜間に空手や柔道のような練習をするときや、裸足で運動をするときには、光らせることが出来ない)、また、靴のデザインは限られており(絵柄や刺繍や模様は少ない。)、それらを照らしてファッション性を高めるような工夫ができないものである。
また、発光ダイオード(LED)は電子素子であるから、特許文献2や3のような靴に発光ダイオード(LED)をただ取り付けでも、雨や水溜りで濡れて、制御回路等が故障するおそれを有する。
【0006】
そこで本発明の目的は、発光ダイオードの装着を忘れ難くし、靴下の絵柄や刺繍や模様等に効果的に発光ダイオード(LED)を照射するとともに、雨等で濡れたり洗濯をしたとしても、発光ダイオード(LED)の制御回路が故障するようなことがない発光する靴下類を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載の発光する靴下類は、靴下、ソックス、ストッキングや足用サポータ等の靴下類に、所定のスイッチング動作により発光素子が発光する発光ダイオード(LED)が取り付けられていることを特徴とする。ここで、本願での「靴下類」とは、靴下、ソックス、ストッキングや足用サポータを含むものであり、足用サポータとしては、膝用サポータ、脹脛用サポータ、足首用サポータを含むものとする。
この発明によれば、靴下類に発光ダイオード(LED)が取り付けられているので、発光ダイオード(LED)を装着することを忘れ難くし(靴を履かないで歩行や運動をするときも点滅させることが出来る)、発光ダイオード(LED)を点滅させることが出来る。そして、靴下類の絵柄や刺繍や模様が施された箇所に取り付けられていることにより(請求項4と5)、これらを効果的に光らせて浮かび上がらせることができる。
【0008】
本発明の請求項2記載の発光する靴下類は、前記発光ダイオード(LED)は、歩行や運動のときの足に伝わる衝撃を感知する衝撃感知センサー又は外部に凸状に突出したスイッチング素子と、これら衝撃感知センサー又は凸状スイッチング素子に連結される複数の発光素子と、これらと連結される電源と、衝撃感知センサー又は凸状スイッチング素子からの信号によって前記複数の発光素子を所定時間発光させる制御回路を備えることを特徴とする。
この発明によれば、衝撃感知センサーを備える場合は、歩行や運動のときの足に伝わる衝撃をトリガーとしてスイッチが入り発光素子が発光するので、そのスイッチ操作を意識せずにLEDを発光させることができる。歩行や運動のとき、その衝撃(振動)は足がその衝撃を最も受ける箇所である。なお、靴下を装着しないときや、靴下を脱ぐと、スイッチは入らないので、電池の無駄な消費が抑制される。一方、凸状スイッチング素子を備える場合は、歩行や運動のときの必要なときに凸状スイッチング素子を押圧してスイッチを入れて発光素子を発光させる。凸状スイッチング素子を地面や靴と接触させて、発光ダイオード(LED)を点滅させることが出来る。
【0009】
本発明の請求項3記載の発光する靴下類は、前記発光ダイオード(LED)は、透明又は光透過性の合成樹脂製又はゴム製のシート状収納具に封入され、このシート状収納具が前記靴下類に着脱されることを特徴とする。
この発明によれば、前記発光ダイオード(LED)は、合成樹脂製又はゴム製のシート状収納具に封入されるので、雨で濡れたり洗濯等が行なわれても、前記発光ダイオード(LED)の誤動作が防止される。シート状収納具は、透明又は光透過性であるから、靴下の絵柄、刺繍、模様や、シート状収納具に施された絵柄、刺繍、模様を照射して浮かび上がらせることができる。
【0010】
本発明の請求項6記載の発光する靴下類は、前記シート状収納具に、前記衝撃感知センサーと接触して衝撃を与える衝突用部材が封入されていることを特徴とする。ここで、衝突用部材としては、自然石や玉形状や板形状の金属や、磁気作用のある金属(所定形状のチタン)等が含まれる。
この発明によれば、歩行の場合のような緩やかな振動しか得られないときでも、前記シート状収納具に衝突用部材が封入されているので、前記衝撃感知センサーが衝突用部材と衝突することで、発光ダイオード(LED)を発光させることができる。また、磁気作用のある金属(所定形状のチタン)等を使用することで、所定の指圧効果や遠赤外線効果等を発揮させることも可能できる。
【0011】
本発明の請求項7記載の発光する靴下類は、前記凸状スイッチング素子の凸部が靴下の一部を折り返すと足に接触して、前記複数の発光素子を所定時間発光させることを特徴とする。
この発明によれば、歩行や運動するとき、靴下類の一部を折りたたむことで、発光ダイオード(LED)を発光させることができる。このとき、磁気作用のある金属(所定形状のチタン)等を使用することで、所定の指圧効果も生じさせることが出来る。なお、発光ダイオード(LED)の点滅を停止させるには、折り畳みを状態を元の状態に戻せば良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の発光する靴下類によれば、所定の光がなくとも、歩行や運動のときの靴下が点滅するので、夜間歩行するときや運動するときの安全性を高めることできるとともに、靴下類の絵柄や刺繍や模様を照らしてその光をカラフルにすることでファッション性を高めることが出来る。特に、衝撃感知センサーを備える場合は、歩行や運動のときに、その衝撃(振動)は足がその衝撃を最も受ける箇所であることから、意識的にスイッチングを行なわなくても、一定期間点滅させることが出来る。
また、前記発光ダイオード(LED)は、光透過性の合成樹脂製又はゴム製のシート状収納具に封入されることで、雨に濡れたり洗濯等が行なわれても、前記発光ダイオード(LED)の誤動作が防止され、又、シート状収納具に衝突用部材が封入されることで、前記衝撃感知センサーに衝突を感知する材料に接触して、歩行のような衝撃が少ないときでも、一定期間発光ダイオード(LED)を発光させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態の発光する靴下類を示す正面図である。
【図2】上記第1の実施の形態の断面図である。
【図3】上記第1の実施の形態の発光ダイオード(LED)を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の発光する靴下類を示す正面図である。
【図5】上記第2の実施の形態の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の発光する靴下類を示す正面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の発光する靴下類を示す正面図であり、(a)は靴下の一部を折り曲げる前の状態を示す図であり、(b)靴下の一部を折り曲げた状態を示す図である。
【図8】本発明の各実施の形態の発光ダイオード(LED)とシート状収納具の他の例を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
本実施の形態の発光する靴下類1は、靴下(ソックス)1に本発明を適用したものであり、図1から図3に示すように、シート状収納具2の中に発光ダイオード(LED)3が封入されている。靴下(ソックス)1には、装着したときに踝に近い位置になるように、靴下類の絵柄や刺繍や模様が施され、本実施の形態では、傘のマークの刺繍Mが施されている。
【0016】
シート状収納具2は、透明又は光透過性のプラスチック製のものであり、靴下(ソックス)1に熱圧着により取り付けられたり、又、シート状収納具2の外周に取り付けられる面ファスナ等の接着手段4(靴下1とシート状収納具2との間を符号4は示している。)を介して取り付けられている。シート状収納具2は透明又は光透過性であることにより、発光ダイオード(LED)3の光が外部に向けて照射されるようになっている。また、シート状収納具2は、袋状に形成され、開口部が封止できるものである。
【0017】
発光ダイオード(LED)3は、基盤(マウント部材)3kに、衝撃を感知する衝撃感知センサー3cと、衝撃感知センサー3cに連結される複数の発光素子3aと、これらと連結される電源(電池)3dと、衝撃感知センサー3cからの信号によって前記複数の発光素子3aを所定時間発光させる制御回路3dが組み込まれている(図3)。発光素子(発光体)3aとしては、色の異なるものが数色あることが好ましく、衝撃により電源が入り、停止すると電源が切れる特殊スイッチがさらに組み込まれている。したがって、発光素子(発光体)3aが点滅しても一定時間経過するとスイッチが切れ、発光が停止する。ここで、衝撃を感知する衝撃感知センサー3cの代わりに、外部に凸状に突出したスイッチング素子3eが配され、この凸状スイッチング素子3eの凸状部3e1を押圧すると、スイッチが入るものを使用しても良い(図7(a)(b))。
【0018】
したがって、発光する靴下類1に発光ダイオード(LED)3を封入したシート状収納具2を貼り合わせることにより、靴下類(ソックス)1に取り付けができ、これを装着(履く)ことで発光ダイオード(LED)3を照射させることができ、例えば、夜間ウォーキングやジョギング等を行なうときに、ライトがなくても発光ダイオード(LED)3を点滅させることが出来る。特に、ウォーキングやジョギングは、その衝撃(振動)は足がその衝撃を最も受ける箇所であることから、衝撃感知センサーがこれを敏感に検知して、複数の発光素子3aを点滅させることに有意義である。上記靴下1さえ履いていれば良いので、靴を履かないで歩行したり運動するときにも発光ダイオード(LED)3を点滅させることが出来る。
また、本実施の形態では、シート状収納具2の表面に傘のマークの刺繍Mが施されている。したがって、傘のマークの刺繍Mを複数の発光素子3aにより発光させる(浮かび上がらせる)ことができる。
【0019】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の発光する靴下類は、図4と図5に示すように、靴下21を装着したときに踝に近い位置で、靴下類21の絵柄や刺繍や模様Mが施されている(傘のマーク)。そして、その内側に靴下類にポケット1Pを設けて、このポケット1Pの中に発光ダイオード(LED)3が収納されている。なお、発光ダイオード(LED)3が靴下類21の内側にそのまま(裸で)靴下類1の取り付けられていても良い(例えば縫合されていても良い。)。
【0020】
したがって、上記構成の靴下類(ソックス)21を装着(履く)ことで、夜間ウォーキングやジョギング等を行なうときに、ライトがなくても発光ダイオード(LED)3を点滅させることが出来る。
【0021】
(第3の実施の形態)
本実施の形態の発光する靴下類31は、足用(足首用)サポータに本発明を適用したものであり、図6に示すように、第1の実施の形態のようにシート状収納具2の中に発光ダイオード(LED)3が封入されている。すなわち、シート状収納具2の外側に靴下類の絵柄や刺繍や模様(足首用サポータ31にブランドを表示するマークや文字)Mが施されている。なお、第2の実施の形態のようにサポータに絵柄や刺繍や模様Mが施され、足首用サポータ31の内側に発光ダイオード(LED)3が縫合されている場合や、発光ダイオード(LED)3が封入された上記シート状収納具2が貼り合わせられていても良い。
【0022】
本実施の形態によれば、空手や柔道等の運動をするときでも、つまり靴を装着しなくても、その運動による足に伝わる振動で、発光ダイオード(LED)3を点滅させることが出来る。
なお、上記各実施の形態において、凸状スイッチング素子を備える場合は、歩行や運動のときの必要なときに凸状スイッチング素子3eを押圧してスイッチを入れて、発光素子3aを発光させる。
【0023】
(第4の実施の形態)
本実施の形態の発光する靴下類は、足(足首用)にサポータ41に本発明を適用したものであり、図7(a)(b)に示すように、外部に凸状に突出したスイッチング素子3eが配され、この凸状スイッチング素子3eの凸状部3e1を押圧すると、スイッチが入る構造である。なお、上記刺繍等の模様Mの位置は、図7(a)では表側であってもよく(符号M参照)、図7(b)では裏側であってもよい(符号M参照)。
【0024】
上記スイッチング素子3eは、凸状部3e1が上下動することで、スイッチのオンとオフが行なわれる。したがって、図7(b)のように折り返すと、凸状部3e1が足に接触して押圧されて、スイッチング動作する。これを解除するためには、図7(a)のように折り返しを元に戻すことでスイッチがオフ状態になる。そして、凸状部3e1が足に接触して押圧されるために、所定の指圧効果を発揮させることができる。
【0025】
ここで、上記所定の指圧効果をより発揮させるためには、図8に示すように、基盤5kに発光素子3aや制御回路3bがマウントされているが、上記シート状収納具2や、或いは、靴下類41(1)にもランプ状の発光素子3aを外部に突出させるようにして取り付けても良い。このような構成で、複数の発光素子3aを所定間隔で配することにより、上記所定の指圧効果をより一層高めることができる。
【0026】
以上、上記各実施の形態では、靴下(ソックス)、足用サポータ(足首用サポータ)を例に説明したが、ストッキングにも適用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1,21,31,41 発光する靴下類、
2 シート状収納具、
3 発光ダイオード(LED),
3a 発光素子(発光体),3b 制御回路、
3c 衝撃感知センサー、3d 電源、
3k 基盤(マウント部材)、
3e 凸状スイッチング素子、凸状部3e1、
M 刺繍(模様)、


【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴下、ソックス、ストッキングや足用サポータ等の靴下類に、所定のスイッチング動作により発光素子が発光する発光ダイオード(LED)が取り付けられていることを特徴とする発光する靴下類。
【請求項2】
前記発光ダイオード(LED)は、衝撃を感知する衝撃感知センサー又は外部に凸状に突出したスイッチング素子と、これら衝撃感知センサー又は凸状スイッチング素子に連結される複数の発光素子と、これらと連結される電源と、衝撃感知センサー又は凸状スイッチング素子からの信号によって前記複数の発光素子を所定時間発光させる制御回路とを備えることを特徴とする請求項1記載の発光する靴下類。
【請求項3】
前記発光ダイオード(LED)は、透明又は光透過性の合成樹脂製又はゴム製のシート状収納具に封入され、このシート状収納具が前記靴下類に着脱されることを特徴とする請求項1又は2記載の発光する靴下類。
【請求項4】
前記発光ダイオード(LED)は、靴下類の絵柄や刺繍や模様が施された箇所に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の発光する靴下類。
【請求項5】
前記シート状収納具に、靴下類の絵柄や刺繍や模様が施されていることを特徴とする請求項3記載の発光する靴下類。
【請求項6】
前記シート状収納具に、前記衝撃感知センサーと接触して衝撃を与える衝突用部材が封入されていることを特徴とする請求項3記載の発光する靴下類。
【請求項7】
前記凸状スイッチング素子の凸部が靴下の一部を折り返すと足に接触して、前記複数の発光素子を所定時間発光させることを特徴とする請求項3記載の発光する靴下類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−47073(P2011−47073A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196198(P2009−196198)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(391020687)
【Fターム(参考)】