発光素子モジュール、及び照明器具

【課題】金属基板に発光素子を実装し、電線の端子を、金属基板に貫通させたねじ等の端子固定用部材に結合する場合でも、端子と金属基板の間に十分な沿面距離を得ること。
【解決手段】LED32、及び前記LED32に通電する回路パターン38が表面35Aに設けられ、表裏に貫通する貫通孔80が設けられた金属基板35と、前記金属基板35の貫通孔80に挿通され、電線71の圧着端子79が結合される端子固定用ねじ78と、を備え、電線71の圧着端子79と前記回路パターン38の接触部分である接触部76を前記貫通孔80から離間配置し、前記接触部76と前記貫通孔80の間を絶縁材で覆ったLEDモジュール30を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDや有機EL等の発光素子を備えた発光素子モジュールと、当該発光素子モジュールを有する照明器具とに関する。
【背景技術】
【0002】
地下に設けられた電力ケーブル、ガス管、通信ケーブル等の共同溝、或いは石油化学プラント等の工場では漏洩ガスによる着火のおそれがあるため、照明器具には耐圧防爆形または安全増防爆形の器具が使用されている。また防爆形の照明器具において、発光素子の一例たるLEDを光源に用いた器具が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
一方、電気機器の安全増防爆構造の技術指針が独立行政法人産業安全研究所によって示されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−150003号公報
【特許文献2】特許第4720539号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】産業安全研究所 編、「工場電気設備防爆指針 ガス蒸気防爆2006」、産業安全研究所技術指針 NIIS−TR−No.39、独立行政法人 産業安全研究所、2006年3月、p.52−58
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般に、LEDへの電線の接続には、コネクター接続や半田接続が一般的に用いられている。しかしながら、上記安全増防爆構造の技術指針によると機械的接続として認められているものは、「緩み止めを施したねじ止め」、「溶接」、「硬ろう付け」、「スリーブ・バインド線などで補強したはんだ付け」、及び「リベット締め又は圧着接続」の5項目のみであり、コネクター接続や半田接続などの一般的な接続は認められていない。
【0006】
一方、LEDの出力を高めると発熱が増大することから、放熱対策が必要となる。そこで、高熱伝導性を有し放熱性が優れた材料から成る例えばアルミニウム等の金属基板にLEDを実装してモジュール化することで、放熱性能に優れたLEDモジュールが得られる。
【0007】
このようなLEDモジュールにあっては、金属基板が充電部となることから、防爆形の照明器具の光源に採用する際には、上記安全増防爆構造の技術指針で示された要件が適用される。
そこで、LEDモジュールへの導電部の接続に、「緩み止めを施したねじ止め」、及び「圧着接続」の機械的接続を用いることで、接続についての要件は満たされる。具体的には、LEDモジュールの金属基板の表面に回路パターンを形成するとともに、この金属性基板に表裏に貫通する貫通孔を形成し、裏側から貫通孔に、緩み止めを施したねじを挿入し、電線を接続した圧着端子を表側からねじに嵌め込んで回路パターンに接触させ導通させる。
しかしながら、LEDモジュールに金属基板を用いていることから、圧着端子と金属基板の間の沿面距離が非常に短く、上記安全増防爆構造の技術指針で示されている沿面距離を実現するには容易ではない。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、金属基板に発光素子を実装し、電線を接続する端子を、金属基板に貫通させたねじ等の端子固定用部材に結合する場合でも、端子と金属基板の間に十分な沿面距離を得ることができる発光素子モジュール、及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、発光素子、及び前記発光素子に通電する回路パターンが表面に設けられ、表裏に貫通する貫通孔が設けられた金属基板と、前記金属基板の貫通孔に挿通され、電線の端子が結合される棒状の端子固定用部材と、を備え、電線の端子と前記回路パターンの接触部分を前記貫通孔から離間配置し、前記接触部分と前記貫通孔の間を絶縁材で覆った、ことを特徴とする発光素子モジュールを提供する。
【0010】
また本発明は、上記発光素子モジュールにおいて、前記回路パターンに接触する脚部と、前記端子固定用部材が貫通する貫通部と、を備え、当該貫通部を貫通した前記端子固定用部材に結合された前記電線の端子を前記回路パターンに電気的に接続する導通用部材を備えたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記発光素子モジュールにおいて、前記貫通孔に嵌合する絶縁性の絶縁ブロックを備え、前記絶縁ブロックを貫通させて前記端子固定用部材を前記金属基板に固定したことを特徴とする。
【0012】
また上記目的を達成するために、本発明は、上記発光素子モジュールの金属基板を高熱伝導性の取付部材に取り付けたことを特徴とする照明器具を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、金属基板の貫通孔に挿通された棒状の端子固定用部材に電線の端子が結合されることで、機械的接続による電線の接続が得られる。これに加え、電線の端子と回路パターンの接触部分を貫通孔から離間配置し、接触部分と貫通孔の間を絶縁材で覆う構成としたため、これら接触部分と貫通孔の間に十分な沿面距離を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る防爆形照明器具の設置状態を示す図であり、(A)は下側から見た斜視図、(B)は上側からみた斜視図である。
【図2】防爆形照明器具の内部構造を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図3】LEDモジュールの構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は側面図である。
【図4】LEDモジュールの斜視図である。
【図5】金属基板の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のII−II線における断面の模式図である。
【図6】固定部を拡大して示す斜視図である。
【図7】図3のI−I線における断面図である。
【図8】図7の接触部の周辺の拡大図である。
【図9】参考構成例に係るLEDモジュールを示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図10】LEDモジュールの応用例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第1変形例に係るLEDモジュールの概略構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2変形例に係るLEDモジュールの固定部の断面図である。
【図13】本発明の第3変形例に係るLEDモジュールの固定部の断面図である。
【図14】本発明の第4変形例に係るLEDモジュールの固定部の斜視図である。
【図15】固定部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、フォークリフトの作業車が往来する工場施設に用いて好適な安全増防爆形の照明器具(以下、単に「防爆形照明器具」と称する)を例示するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0016】
図1は本実施形態に係る防爆形照明器具1の設置状態を示す図であり、図1(A)は下側から見た斜視図、図1(B)は上側からみた斜視図である。
防爆形照明器具1は、図1に示すように、天井面に既設の端子ボックス2を取り付けて設置される。端子ボックス2は、防爆形照明器具1の取付ベースとして供されるとともに、商用電力を防爆形照明器具1に供給するものであり、複数の固定脚4を備え、当該固定脚4を天井面にボルト等で防爆形照明器具1の荷重に耐え得るように強固に固定して設置されている。この端子ボックス2には、商用電力の電力線を引き込むための開口5と、防爆形照明器具1の電力線を引き込む開口(図示略)が設けられており、それぞれから引き込まれた電力線が端子ボックス2の中で結線され、防爆形照明器具1に商用電力が供給される。なお、端子ボックス2には、4方向に開口5が設けられ、適宜の開口5から電力線を引き込み、また他の防爆形照明器具1への送り配線を引き出し可能に構成されており、使用しない開口5は例えばプラグ等で閉塞される。
【0017】
防爆形照明器具1は、照射面(本実施形態では床面)に対面する底面側が開放して照射開口11として構成された箱型の器具本体10を備える。器具本体10は、熱伝導性が高い例えばアルミニウム合金等の金属材をダイカストで成形して成り、図1(B)に示すように、設置面(本実施形態では天井面)に対面する本体上面10Aには、放熱性を高めるための複数本の凸条12と、端子ボックス2と連結される連結部14とが設けられている。
【0018】
また防爆形照明器具1は、照射開口11を閉塞する所定厚みの強化ガラス製であって平面視矩形状の平板状の前面ガラス16と、当該前面ガラス16を保護する格子状のガード18とを備えている。なお、図1では、防爆形照明器具1の内部構成を理解し易くするためにガード18を点線で示している。
【0019】
図2は防爆形照明器具1の内部構造を示す図であり、図2(A)は断面図、図2(B)は平面図である。
器具本体10の内部は、仕切板24によって照射開口11側の光源収納室26と、取付面側の電源収納室28とに上下に仕切られている。仕切板24は、高反射率、及び高熱伝導率を有する例えば金属板等から成り、器具本体10の天面10Kに立設した複数の支持体29で支持されている。この仕切板24の光源収納室26の側の面上には、光源たる複数のLEDモジュール30が一定間隔に並べて配置されている。一方、電源収納室28には、耐圧防爆構造を有する鋳物の容器体22が収納されねじなどで強固に固定されており、この容器体22にLEDモジュール30の電源回路が収められている。
【0020】
光源収納室26は、照射開口11が前面ガラス16で覆われることで閉塞されるが、図1及び図2に示すように、器具本体10の照射開口11の全周には外側に膨出したフランジ部40が一体に形成され、このフランジ部40の全周に亘って嵌込溝44が形成され、この嵌込溝に防水用のパッキン42が嵌め込まれている。図2(A)に示すように、このフランジ部40に上記前面ガラス16がパッキン42を挟んで嵌め込まれることで防水性が高められている。
この前面ガラス16は、その一辺が器具本体10のフランジ部40にヒンジ19でヒンジ結合されて開閉自在に成されるとともに、その開閉端側の一辺が器具本体10にねじ止めされて固定される。具体的には、照射開口11の縁部であるフランジ部40には外側に膨出するように一体に突設された前面ガラス固定部20が同じ辺上で離間した2箇のそれぞれに設けられ、これら前面ガラス固定部20に、固定片48が送りねじ46(図2(B))でねじ止めされ、この固定片48に前面ガラス16の開閉端側がねじ止めされている。
また、ヒンジ19、及び固定片48に、前面ガラス16を物体(例えば、工場施設内を往来するフォークリフト等)の衝突から保護する上記ガード18が取り付けられている。
【0021】
前面ガラス固定部20とフランジ部40と繋がる接続端部20Aは、他の箇所よりも設置面側(電源収納室28側)に膨出して肉厚になされており、器具本体10と強固に結合されている。そして、これら2つの前面ガラス固定部20を連結する連結棒50を一体に成形することで、手で掴んで把持できる把持部51が設けられ、防爆形照明器具1の運搬時には把持部51を把持することで容易に持ち運ぶことができる。さらに設置時には、把持部51を把持して端子ボックス2に取り付けることができ、設置作業が容易となる。また前面ガラス固定部20を連結して把持部51を一体に設けたため、把持部51が器具本体10に強固に設けられる。
【0022】
光源収納室26について更に詳述すると、前掲図2(A)に示すように、器具本体10の内側壁10Lには、天面10Kから照射開口11に向かって延びる複数のリブ60が形成されており、これらリブ60に仕切板24が載置されて熱的に結合し、支持体29で支持されている。上述の通り、この仕切板24の面上には、LEDモジュール30が絶縁性及び放熱性を有する絶縁放熱シート27(図7、図8参照)を挟んで固定されている。これにより、各LEDモジュール30の発熱が仕切板24を通じて器具本体10に効率良く伝えられて放熱されることとなる。
さらに、図2(A)に示すように、仕切板24は、リブ60によって器具本体10のフランジ部40の近傍に位置する高さに保持されることから、フランジ部40がヒートマスとなって仕切板24の熱が吸収され易くなり、LEDモジュール30の冷却性能が高められる。
【0023】
図3はLEDモジュール30の構成を示す図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は正面図、図3(C)は底面図、図3(D)は側面図である。また図4はLEDモジュール30の斜視図である。
LEDモジュール30は、発光素子の一例たるLED32を有する発光部34と、この発光部34が表面35Aに実装された金属基板35とを備え、金属基板35に取付ねじ70を通して上記仕切板24に絶縁放熱シート27を挟んでねじ止めされる。
発光部34は、所定個数(本実施形態では42個)のLED32を並列接続し、当該並列接続のLED32を複数列(本実施形態では2列)直列接続した回路の表面を樹脂封止したものであり、厚みが薄い平面視矩形状に形成され、その表面全体から光を放射する。発光部34の厚みは金属基板35の厚みと同程度以下であり、例えば本実施形態では0.5mmとしている。
【0024】
図5は金属基板35の構成を示す図であり、図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)のII−II線における断面の模式図である。
金属基板35は、図5(B)に示すように、例えばアルミニウム等の高熱伝導性を有する金属板材を平面視長方形状に形成した金属ベース板36の表面に絶縁層37、銅等の導電材から形成された回路パターン38、及び絶縁材であるレジスト39を順に積層して成るものである。本実施形態では、金属基板35の厚みは数mm以下であり、本実施形態では、0.85mmとしている。
【0025】
回路パターン38は、図5(A)に示すように、所定の回路パターン形状に形成され、器具本体10に内蔵の電源回路から延びる電線71(図4参照)を通じて供給される電力を発光部34に導いて通電する配線パターンである。
更に詳述すると、前掲図3、及び図4に示すように、発光部34は金属基板35の略中央Oaに配置されており、また、電源回路の高電位側と低電位側の各々から延びる各電線71が固定される固定部72が金属基板35の両端部に配置されている。また、発光部34と両端の固定部72の間の各々に上記取付ねじ70を通すねじ孔73(図5参照)が形成されている。
回路パターン38は、図5に示すように、実装部74と、配線部75とを有する。実装部74は、発光部34の実装位置(すなわち、金属基板35の略中央Oa)に形成され、また配線部75は、この実装部74から両端の固定部72の各々にねじ孔73を避けて延びており、各配線部75を通じて実装部74が電源回路の高電位、及び低電位に接続される。
この回路パターン38は、上述の通り、レジスト39によって覆われることで電気的な絶縁が図られているが、配線部75の固定部72の側には、レジスト39を除去し一部を表面35Aに露出させて形成した接触部76が形成されている。この接触部76を通じて電線71と配線部75が電気的に接続される。
【0026】
図6は固定部72を拡大して示す斜視図であり、図7は図3のI−I線における断面図である。
固定部72は、電線71が接続固定される接続ターミナルを構成するものであり、安全増防爆構造の技術指針で定められた機械的接続により電線71を固定する。具体的には、金属基板35の両端部の固定部72が設けられる箇所には、前掲図5に示すように、表裏に貫通する平面視矩形の貫通孔80が形成されており、また回路パターン38の配線部75にあっては、固定部72側の端部75Aが貫通孔80の周囲を囲む環状パターンに形成され、この環状パターンにおける貫通孔80を挟んだ両側の2箇所に上記接触部76が形成されている。この貫通孔80に、金属基板35の裏面35B側から端子固定用ねじ78を通し、表面35Aの側でダブルナット77で緩み止めして固定部72が大略構成されている。なお、端子固定用ねじ78の緩み止めには、ダブルナット77に限らず、ばねナット等の任意の緩み止めナットを用いることができる。
一方、電線71の先端にはリングターミナル79Aを有する圧着端子79が取り付けられており、この圧着端子79のリングターミナル79Aを、金属基板35の表面35Aから端子固定用ねじ78に通し、ダブルナット77で基板側に押し付けることで、電線71が固定部72に固定される。
【0027】
このとき、圧着端子79のリングターミナル79Aを、貫通孔80の周りに設けた上記接触部76に直接的に接触させる構成とすれば、電線71を配線部75に電気的に接続できる。しかしながら、端子固定用ねじ78の径と同寸程度の開口径のリングターミナル79Aを接触部76に直接的に接触させると、貫通孔80の開口縁部をリングターミナル79Aが覆うこととなり、リングターミナル79Aと貫通孔80に露出する金属ベース板36との間の沿面距離が非常に短くなり、十分な電気的絶縁性能が得られない。
そこで、例えば金属ベース板36に回路パターン38を設けた金属基板35に代えて絶縁性の樹脂基板に回路パターン38を設けたプリント基板等を用いることが考えられるが、そうすると、発光部34の発熱が仕切板24に伝わり難くなってしまい放熱性能が低下しLEDモジュール30の高出力化の障害となる。
これに対して本実施形態では、次のようにして、圧着端子79のリングターミナル79Aと、貫通孔80に露出する金属ベース板36との沿面距離を大きくしている。
【0028】
図8は、図7の接触部76の周辺の拡大図である。
図6〜図8に示すように、固定部72にあっては、貫通孔80と上記配線部75の端部75Aの環状パターンとの間に、幅Wの絶縁帯81が設けられており、これにより、図8に示すように、接触部76から貫通孔80に露出する金属基板35の金属ベース板36までの沿面距離Laを長くしている。絶縁帯81の幅Wは、要求される絶縁性能に応じて決定されるものであり、また上記絶縁帯81は、絶縁材であるレジスト39で金属基板35の表面が覆われることで構成されている。
貫通孔80から絶縁帯81の幅W以上離れた位置でリングターミナル79Aが接触部76に接触すれば、リングターミナル79Aと貫通孔80の金属ベース板36の間の沿面距離Laが十分に確保できる。しかしながら、リングターミナル79Aが端子固定用ねじ78の径に応じて決定される既成サイズの汎用品である場合には、貫通孔80の開口縁部近傍に位置し、貫通孔80から幅W離れた接触部76に接触して導通させることはできず、専用のリングターミナル部品を作る必要が生じる。
そこで、本実施形態では、端子固定用ねじ78の径に応じて決定される既成サイズの汎用品をリングターミナル79Aに用いることができるようにすべく、固定部72を次のように構成している。
【0029】
すなわち、本実施形態では、接触部76にリングターミナル79Aを直に接触させるのではなく、図6、図7に示すように、通電用ブリッジ82を間に設けて接続する構成としている。通電用ブリッジ82は、端子固定用ねじ78に結合される部材であって、導電性が高い例えば金属製部材であり、端子固定用ねじ78が貫通する平板部83と、この平板部83の両端部を略L字状に折り曲げて一体に形成され平板部83を金属基板35から離した位置で支持する脚部84とを有し、全体的に略断面コ字状に形成されている。通電用ブリッジ82が端子固定用ねじ78に取り付けられると、それぞれの脚部84の先端部84Aが配線部75の接触部76に接触し、貫通孔80を挟んだ2箇所の接触部76が通電用ブリッジ82で接続される。接触部76に押し付けられる脚部84の先端部84Aは、端部を山折りに折り曲げ角を無くして丸面とされており(いわゆるヘミング加工)、接触部76を傷付けないようになっている。
【0030】
図6、及び図7に示すように、通電用ブリッジ82の平板部83を貫通した端子固定用ねじ78には、金属製ワッシャ85、及び金属製ナット86が通され、その上に圧着端子79のリングターミナル79Aが通され、そして、金属製ワッシャ87を挟んでダブルナット77で押し付けられている。これにより、リングターミナル79Aに、端子固定用ねじ78の径に応じて決定される既成サイズの汎用品が用いられた場合でも、リングターミナル79Aは金属製ワッシャ85、金属製ナット86、及び通電用ブリッジ82を通じて接触部76と電気的に接続される。このとき、リングターミナル79Aは、少なくとも脚部84の高さLb(図7参照)分だけ金属基板35の表面35Aから離れた位置に配置される。
【0031】
また本実施形態では、耐摩耗性、及び強度が高い金属製のねじを端子固定用ねじ78に用いることとしている。この場合、端子固定用ねじ78が圧着端子79や通電用ブリッジ82に接触して導通するため、貫通孔80に露出した金属ベース板36との間を電気的に絶縁する必要がある。そこで、図7に示すように、貫通孔80の開口を端子固定用ねじ78との間に幅Lcの隙間ができる大きさに形成し、この貫通孔80に樹脂材等の絶縁材料から成る絶縁ブロック88を嵌合し、この絶縁ブロック88に端子固定用ねじ78を貫通させて金属基板35に取り付ける構成としている。
【0032】
絶縁ブロック88は、図7に示すように、貫通孔80に嵌合する柱状部88Aと、この柱状部88Aの端部に一体に設けられ貫通孔80の縁部に引っ掛かる引掛部88Bとを備えている。引掛部88Bは、金属基板35の裏面35Bに引っ掛かることで、当該裏面35Bと端子固定用ねじ78の頭部78Aとの間に介在し両者の絶縁が図られる。また、柱状部88Aの内部を端子固定用ねじ78が貫通することで、端子固定用ねじ78と金属基板35の間の絶縁が図られることとなる。
なお、貫通孔80を通った絶縁ブロック88の先端部を通電用ブリッジ82の平板部83の裏面に当接させて、当該通電用ブリッジ82の補強を図るようにしても良い。
【0033】
係る絶縁ブロック88を貫通孔80に設けることで、図7に示すように、端子固定用ねじ78の頭部78Aが金属基板35の裏面35Bから突出する。このため、金属基板35が取り付けられる仕切板24の面内には、この金属基板35の裏面35Bから突出した端子固定用ねじ78の頭部78Aや絶縁ブロック88の引掛部88Bが入り込むように凹んだ穴部23が設けられている。これにより、仕切板24に金属基板35の裏面35Bを絶縁放熱シート27を挟んで密着させることができるため、金属基板35から仕切板24に効率良く発光部34の熱が伝えられ、高出力なLED32を用いるに十分な放熱性能を実現できる。
【0034】
ところで、LEDモジュール30にあっては、固定部72が機械的接続により電線71を接続固定するため、金属基板35の表面35Aからの固定部72の高さH(図9(B)参照)が高くなる傾向がある。特に、本実施形態のLEDモジュール30にあっては、電線71の圧着端子79と金属基板35の沿面距離を大きくするために、圧着端子79を金属基板35の表面35Aから上方に離した位置に設けているため、圧着端子79の接続位置が発光部34の発光面34A(図4参照)よりも高くなり、結果として、固定部72が発光面34Aよりも高い位置まで突出する。
【0035】
このため、例えば図9(A)に示す参考構成のLEDモジュール530に示すように、金属基板35の両端近傍で仕切板24に取付ねじ70でねじ止めし、各取付ねじ70と発光部34の間に固定部72を配置する構成とした場合、図9(B)に示すように、発光部34と、その両側の固定部72が近付くことから、固定部72によって遮蔽されずに放射される発光部34の放射範囲αが小さくなる。
そこで、例えば金属基板35を長手方向に長くすることで、発光部34と固定部72の間の距離を大きくできるものの、LEDモジュール30が大型化し、またコストが増大する。
【0036】
これに対して、本実施形態のLEDモジュール30においては、前掲図3に示すように、発光部34を挟む両側であり、かつ金属基板35の端部近傍に固定部72を配置した上で、取付けねじ70を通すねじ止め部としてのねじ孔73(図5)を、発光部34と固定部72の間に設ける構成としている。
これにより、金属基板35を大きくせずとも、発光部34から固定部72を遠ざけることができ、固定部72によって遮蔽されずに放射される発光部34の放射範囲αを大きくでき、該固定部72による放射光の遮蔽量を抑制できる。
【0037】
また、発光部34と固定部72の間が大きく離れることから、発光部34と固定部72の間のスペースに、図10に示すように、発光部34に沿って延びる反射板91を配置して配光を制御することもできる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
LED32を有する発光部34を金属基板35に実装し、この金属基板35をねじ止めにて直接灯具等に密着させて固定する構造のLEDモジュール30を構成したため、発光部34の発熱を金属基板35を通じて灯具等に直に伝達することができ高い冷却性能が得られる。また金属基板35の貫通孔80に端子固定用ねじ78を挿通し、これに電線71の圧着端子79を結合したため、機械的接続による電線71の接続が得られる。
これに加え、圧着端子79のリングターミナル79Aと回路パターン38が通電用ブリッジ82を通じて導通する接触部76を貫通孔80から離間配置し、この接触部76と貫通孔80の間を絶縁材であるレジスト39で覆う構成としたため、これら接触部76と貫通孔80に露出する金属ベース板36の間に十分な沿面距離Laを設けることができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、回路パターン38の接触部76に接触する脚部84と、端子固定用ねじ78が貫通する貫通部としての平板部83と、を備え、当該平板部83を貫通した端子固定用ねじ78に結合されたリングターミナル79Aを回路パターン38に電気的に接続する通電用ブリッジ82を備える構成とした。
この構成によれば、端子固定用ねじ78の径に応じて決定される既成サイズの汎用品をリングターミナル79Aに用いた場合でも、上記の沿面距離Laを確保しつつリングターミナル79Aを回路パターン38に導通させることができる。
【0040】
特に本実施形態によれば、通電用ブリッジ82が貫通孔80に跨がった両側に脚部84を有した構成であるため、金属基板35の面に加わる力を均等にできる。これに加え、脚部84の先端部84Aが、いわゆるヘミング加工されているため、接触部76を傷付けることがない。
【0041】
また本実施形態によれば、貫通孔80に絶縁ブロック88を嵌合させ、この絶縁ブロック88に端子固定用ねじ78を貫通させて金属基板35に固定したため、端子固定用ねじ78と貫通孔80の間を十分に絶縁できる。
【0042】
また、LEDモジュール30の金属基板35を高熱伝導性を有するアルミニウムから成る仕切板24に取り付けたため、発光部34の発熱を器具側の仕切板24に金属基板35を通じて効率良く伝え、器具側から放熱させることができる。これにより、出力が大きなLED32を発光部34に用いた場合でも、発光部34を十分に冷却できる。
【0043】
また本実施形態によれば、発光部34と固定部72との間を取付ねじ70でねじ止めする構成としたため、発光部34と固定部72の外側をねじ止めする構成(例えば図9の参考構成)に比べ、金属基板35を大型化することなく発光部34と固定部72を大きく離すことができる。これにより、発光部34の発光面34Aより高い位置で電線71が固定部72に接続固定されている場合でも、固定部72によって遮蔽されずに放射される発光部34の放射範囲αを大きくでき、当該固定部72による放射光の遮蔽量を抑制できる。
【0044】
また本実施形態によれば、発光部34と固定部72の間のスペースに、発光部34に沿って延びる反射板91を配置することで、所望の配光を得るLEDモジュール30を容易に構成できる。
【0045】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0046】
例えば、通電用ブリッジ82の形状は、矩形の平板の両端部をL字状に折り曲げた形状に限らない。
図11は、第1変形例に係るLEDモジュール130の概略構成を示す斜視図である。なお、同図において、既に説明した部材については、同一の符号を付して説明を省略する。
同図に示すように、本変形例では、円錐台形状の通電用ブリッジ182が用いられている。この通電用ブリッジ182においては、天面の円盤状の部位が平板部183となり、端子固定用ねじ78が貫通する孔183Aが形成され、また側面が脚部184となる。脚部184の先端には、金属基板35の接触部176と面接触することで傷付けないようにするためのフランジ184Aが一体に設けられている。
一方、金属基板35にあっては、底面視円形のフランジ184Aに対応して接触部176も円環状に形成されている。
この構成によれば、通電用ブリッジ182と接触部176の接触面積を、上述の実施形態の構成よりも大きくできるから、両者の間の電気的抵抗を低減できる。
【0047】
図12は、第2変形例に係るLEDモジュール230の固定部272の断面図である。なお、同図において、既に説明した部材については、同一の符号を付して説明を省略する。
この図に示すように、圧着端子79を金属基板35の裏面35Bで、金属製の端子固定用ねじ78に結合し、当該端子固定用ねじ78を通じて通電用ブリッジ82と導通させても良い。
【0048】
図13は、第3変形例に係るLEDモジュール330の固定部372の断面図である。なお、同図において、既に説明した部材については、同一の符号を付して説明を省略する。
この図に示すように、通電用ブリッジ282の平板部283を金属基板35の裏面35B側で支持するように脚部284を構成し、この平板部283に圧着端子79を導通させる構成としても良い。
【0049】
また例えば、上述した実施形態では、電線71の圧着端子79のリングターミナル79Aを、通電用ブリッジ82を通じて回路パターン38の接触部76に導通させる構成を例示したが、これに限らず、通電用ブリッジ82を用いずに導通させても良い。
図14は第4変形例に係るLEDモジュール430の固定部472の斜視図であり、図15は固定部472の断面図である。なお、これらの図において、既に説明した部材については、同一の符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、LEDモジュール430の金属基板35には、第1変形例(図11参照)と同様に、円環状の接触部176が形成されており、接触部176と貫通孔80の間には絶縁帯81が設けられている。この接触部176には、電線71が結合した圧着端子79の先端に設けられた通電用端子部489(より正確には、後述する通電用端子部489の平リング489A)が直に接触して導通をとる構成とされている。
【0050】
具体的には、通電用端子部489は、平リング489Aと、係合絶縁部489Bとを備えて構成されている。平リング489Aは、接触部176と接触して導通し電線71と接触部176を電気的に接続する部材である。この平リング489Aは、上記接触部176と平面視略同形、及び、平面視略同一寸法に金属材を成型したものである。係合絶縁部489Bは、端子固定用ねじ78と係合して平リング489Aを上記接触部176に重なる位置に配置する部材である。この係合絶縁部489Bは、平リング489Aの円環内側に嵌め込まれた円板状を成し、端子固定用ねじ78が挿通されて係合する通し孔490が中心に形成されている。
【0051】
係合絶縁部489Bは、例えば電気絶縁性の樹脂材から形成されており、図15に示すように、端子固定用ねじ78に係合した状態にあっては、絶縁帯81の上に位置し、この係合絶縁部489Bの外周部に上記平リング489Aが位置して接触部176に直に接触することになり、平リング489Aと貫通孔80の間の沿面距離が確保される。
なお、このような構造の通電用端子部489にあっては、当該通電用端子部489を金属基板35に押し付けるダブルナット77の径が平リング489Aの内径よりも小さい場合、ダブルナット77で通電用端子部489を押し付けたときに平リング489Aが接触部176から浮き上がり接触が悪くなることがある。そこで、平リング489Aに押し付け力が加わるようにすべく、図15に示すように、少なくとも平リング489Aの内径よりも大きな径を有した絶縁材から成る押付用絶縁板492を平リング489Aの上に重ねて設け、当該押付用絶縁板492の上からダブルナット77で通電用端子部489を押し付ける構造としている。これにより、平リング489Aの浮き上がりを抑え、接触部176に確実に接触させることができる。
【0052】
上述した実施形態では、光源となる発光素子としてLED32を例示したが、これに限らず、例えば有機EL等の他の発光素子を用いても良い。
また例えば、上述した実施形態では、電線71の先端の端子を圧着端子79とし、また当該端子が結合される部材を端子固定用ねじ78とした。しかしながら、安全増の必要が無い場合には、端子固定用ねじ78に代えて任意の棒状の固定用部材を用いることができ、この固定用部材に結合可能な任意の端子を圧着端子79に代えて用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 防爆形照明器具(照明器具)
10 器具本体
24 仕切板(取付部材)
30、130、230、330、430 LEDモジュール(発光素子モジュール)
32 LED(発光素子)
34 発光部
35 金属基板
35A 金属基板の表面
36 金属ベース板
37 絶縁層
38 回路パターン
39 レジスト(絶縁材)
71 電線
72、172、272、372、472 固定部
76、176 接触部(接触部分)
77 ダブルナット
79 圧着端子(端子)
80 貫通孔
81 絶縁帯
82、182、282 通電用ブリッジ(導通用部材)
83、183、283 平板部(貫通部)
84、184、284 脚部
84A 先端部
88 絶縁ブロック
489 通電用端子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子、及び前記発光素子に通電する回路パターンが表面に設けられ、表裏に貫通する貫通孔が設けられた金属基板と、
前記金属基板の貫通孔に挿通され、電線の端子が結合される棒状の端子固定用部材と、を備え、
電線の端子と前記回路パターンの接触部分を前記貫通孔から離間配置し、前記接触部分と前記貫通孔の間を絶縁材で覆った、ことを特徴とする発光素子モジュール。
【請求項2】
前記回路パターンに接触する脚部と、前記端子固定用部材が貫通する貫通部と、を備え、当該貫通部を貫通した前記端子固定用部材に結合された前記電線の端子を前記回路パターンに電気的に接続する導通用部材を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子モジュール。
【請求項3】
前記貫通孔に嵌合する絶縁性の絶縁ブロックを備え、
前記絶縁ブロックを貫通させて前記端子固定用部材を前記金属基板に固定した
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子モジュール。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の発光素子モジュールの金属基板を高熱伝導性の取付部材に取り付けたことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−109883(P2013−109883A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252486(P2011−252486)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】