説明

発光装置及びこれを備えた照明器具

【課題】発光管及び電子安定器の少なくとも1つからの熱伝達を抑制することができる発光装置及びこれを備えた照明器具を提供する。
【解決手段】発光装置2は、受け金部材3によって取り付け面4に固定される。発光装置2は、発光管8と、電子安定器9と、口金部材6と、本体5とを備えている。電子安定器9は発光管8を安定的に点灯させる。口金部材6は、電子安定器9に電気的に接続する。本体5は、口金部材6を介して受け金部材3と接合し、発光管8及び電子安定器9を収容している。本体5は、取り付け面4と対向する縁部7を有しているとともに、受け金部材3内の凹部の形状に沿って縁部7を含む凸状領域15がこの凹部に進入可能である。凸状領域15の縁部7には、発光管8及び電子安定器9の少なくとも1つから取り付け面4への熱伝達を抑制する凹部14が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びこれを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を抑制するという時代要請から、消費電力を抑える目的で従来の白熱電球に替わる新規の蛍光発光装置が要求されている。
この蛍光発光装置の小型化を図る目的で、屈曲した発光管が収容されて平面配置された蛍光発光装置が提案されている。このタイプの蛍光発光装置には、発光管を安定的に点灯させる点灯手段である電子安定器が内蔵されている。更に、蛍光発光装置には、電子安定器に外部電源から供給される電気エネルギーを伝達する役割を果たしている、電気的接続手段としての口金が備わっている。
また、電子安定器を内蔵した蛍光発光装置においては、運用性を向上させる目的で薄型化及び軽量化が求められている。この薄型化を図るにあたり、GX53タイプの口金(JIS C 7709-1参照)を備えた発光装置が提案されている。
GX53タイプの口金が用いられた発光装置として、例えば図2に示す発光装置が提案されている(特許文献1)。発光装置11は、蛍光ランプ24と、点灯装置22と、断熱手段32と、本体21とを備えている。蛍光ランプ24は平面状に配置されたバルブ92を有している。点灯装置22はインバータ回路である安定器を構成しており、蛍光ランプ24を点灯させる。断熱手段32はランプ取り付け面と点灯装置22との間に設けられており、点灯装置22で生じる熱を遮断する。本体21は扁平な形状であるとともに口金部23を備えている。この発光装置においては、口金を設けて点灯装置を収容した本体のランプ取り付け面に沿ってバルブが配置されている。これによって、小型かつ薄型の発光装置となることで平面的な光源が実現されている。更に、ランプ取り付け面と点灯装置との間に断熱手段を設けることにより、点灯装置の回路部品の上限規格温度を満足させることが容易となっている。
【特許文献1】特開2007−180011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような発光装置を備えた照明器具では、照明器具の取り付け面と対向する、発光装置の本体の縁部は平坦な形状である。この照明器具を天井、壁などに取り付ける際、取り付け面と本体の縁部との間に隙間が生じる。照明装置の取り付け状態によっては、この隙間の少なくとも一部が閉塞することで本体の縁部が取り付け面と接触する場合が生じる。
その際、発光装置内の発光管及び電子安定器の少なくとも1つからの熱により発光装置内の温度が上昇することで、この縁部は高温となってしまう。更に、縁部が天井、壁などの取り付け面と接触することで縁部内の熱が直接取り付け面に伝わってしまうため、取り付け面を含む壁紙内の温度が高温になる。この高温化が高じて、壁紙の変色を引き起こすといった不具合が生じるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、発光管及び点灯手段の少なくとも1つからの熱伝達を抑制することのできる発光装置及びこれを備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様の発光装置は、受け金部材によって取り付け面に固定される発光装置であって、発光管と、発光管を安定的に点灯させる点灯手段と、点灯手段に電気的に接続する電気的接続手段と、電気的接続手段を介して受け金部材と接合し、発光管及び点灯手段を収容した本体であって、取り付け面と対向する縁部を有しているとともに受け金部材内の凹部の形状に沿って縁部を含む凸状領域が凹部に進入可能な本体と、を有し、凸状領域の縁部には、発光管及び点灯手段の少なくとも1つから取り付け面への熱伝達を抑制する熱伝達抑制手段が設けられている。
本発明の一態様の照明器具は、上述の発光装置と、上述の受け金部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、本体の凸状領域の縁部に、発光管及び点灯手段の少なくとも1つから室内における照明器具取り付け面への熱伝達を抑制する熱伝達抑制手段が設けられている。これにより、本体の縁部から照明器具取り付け面への熱伝達量は低減する。従って、発光管及び点灯手段の少なくとも1つからの熱を抑制することのできる発光装置及びこれを備えた照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1に本発明の一実施形態に係る照明器具の断面図を示す。照明器具1は、発光装置2と受け金部材3とで構成されている。受け金部材3は、発光装置2を天井や壁などの取り付け面4に取り付ける取り付け手段として機能している。発光装置2は受け金部材3によって取り付け面4に固定される。
発光装置2は、本体5と、本体5内部から外部に向かって突出して設けられた口金部材6とで構成されている。
【0007】
本体5は取り付け面4と対向する縁部7を有している。また、縁部7を含む凸状領域15は受け金部材3内の凹部の形状に沿ってこの凹部に進入可能となっている。凸状領域15が凹部に進入すると凸状領域15の外周面と受け金部材3の内周面とが嵌合することで、発光装置2と受け金部材3との接合は凸状領域が設けられていない形態より確実なものとなる。更に、本体5内部には発光管8、電子安定器9、樹脂ホルダー10、反射板11、及び前面ガラス12が収容されている。電子安定器9は、蛍光管である発光管8を安定的に点灯させる点灯手段として機能する。更に、電子安定器9は口金部材6と接触しており、外部電源(不図示)から供給される電気的エネルギーは口金部材6を介して電子安定器9に伝達される。樹脂ホルダー10は口金部材6と接触している電子安定器9を保持する機能を果たしており、その外面は本体5内面と嵌合している。反射板11は樹脂ホルダー10と発光管8との間に配されており、発光管8から発せられた光は反射板11で反射された後、前面ガラス12及びシリコーンカバー13を介して発光装置2外へ放射される。
口金部材6にはGX53タイプの口金が用いられている。口金部材6は電子安定器9に電気的に接続する電気的接続手段として機能する。更に、発光装置2の本体5が受け金部材3内の凹部に進入し、本体5の縁部7が取り付け面4とある間隔を置いて対向する状態となった際、口金部材6は発光装置2と受け金部材3とを接合する機能を果たす。
【0008】
更に、本体5の凸状領域15の縁部7には凹部14が設けられている。凹部14は、縁部7において取り付け面4側から凸状領域15側へ向かって延びるように構成されている。凹部14以外の縁部7の外周部は突起部分となる。取り付け面4と対向する突起部分の高さが設計寸法を維持した形態が望ましいところではあるが、凹部を形成するような高さの突起部分の形態であれば、この高さは設計寸法に限定されることはない。この突起部分により発光装置2と受け金部材3との間の接合は、突起部分が設けられていない形態に比べより確実なものとすることができる。凹部14は発光管8及び電子安定器9の少なくとも1つから取り付け面4への熱伝達を抑制する熱伝達抑制手段として機能する。また、図1に示す凹部14は発光装置2の中心軸(図1における上下方向)に沿うような円筒状であることが好ましい。しかしながら、凹部の形状は円筒状に限定されるものではなく、円筒状、円錐状、円錐台状、半球状、及び多面体状の少なくとも1つであってもよい。なお、図1に示す本実施形態では、凹部14は縁部7の外周部以外の領域に1つのみ設けられている。しかしながら、本実施形態の凹部14の構成はこの形態に限定されるものではなく、凹部14は縁部7の互いに離間した位置に設けられていてもよい。複数の凹部が縁部に設けられていることにより、凹部が1つのみ設けられている形態に比べ縁部の熱を発光装置外へ放熱する効果を増大できる。
【0009】
熱伝達抑制手段として機能する凹部が本体の凸状領域の縁部に設けられていることにより、縁部が平坦な形状である場合に比べ、縁部の端面と照明装置の取り付け面との間の間隔は拡大する。そのため、この端面上の温度と取り付け面上の温度との差、及び両面間の距離に起因する熱伝達(すなわち、伝導、対流、及び放射の少なくとも1つの熱伝達形態)の量は減少することとなる。すなわち、凹部が縁部に設けられていることで、本体の縁部から照明器具の取り付け面への熱伝達量を低減することができる。従って、この凹部を備えた発光装置により発光管及び電子安定器の少なくとも1つからの熱を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る発光装置を備えた照明器具を示す断面図である。
【図2】従来の発光装置を備えた照明器具の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0011】
1 照明器具
2 発光装置
3 受け金部材
4 取り付け面
5 本体
6 口金部材
7 縁部
8 発光管
9 電子安定器
14 凹部
15 凸状領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け金部材によって取り付け面に固定される発光装置であって、
発光管と、
前記発光管を安定的に点灯させる点灯手段と、
前記点灯手段に電気的に接続する電気的接続手段と、
前記電気的接続手段を介して前記受け金部材と接合し、前記発光管及び前記点灯手段を収容した本体であって、前記取り付け面と対向する縁部を有しているとともに前記受け金部材内の凹部の形状に沿って該縁部を含む凸状領域が該凹部に進入可能な本体と、
を有し、
前記凸状領域の前記縁部には、前記発光管及び前記点灯手段の少なくとも1つから前記取り付け面への熱伝達を抑制する熱伝達抑制手段が設けられている、
発光装置。
【請求項2】
前記熱伝達抑制手段は、前記取り付け面側から前記凸状領域側へ向かって延びる凹部で構成されている、
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記凹部は、前記縁部に1つのみ設けられている、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記凹部は、前記縁部の互いに離間した位置に設けられている、請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記凹部の形状は、円筒状、円錐状、円錐台状、半球状、及び多面体状の少なくとも1つである、請求項2から4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記電気的接続手段はGX53タイプの口金部材で構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記熱伝達は、伝導、対流、及び放射の少なくとも1つである、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記受け金部材と、
を備えた、照明器具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−187782(P2009−187782A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26333(P2008−26333)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】