説明

発振回路

【課題】特にLC発振回路において、インダクタをトランス構造とし、1次側の発振による交流信号を2次側より効率的に取り出し、整流した後に、発振回路の電源に帰還させ、省電力化及び電源を供給しない発振継続を可能とする発振回路を提供する。
【解決手段】所定の飽和時の共振条件を満たし、逆流防止回路を通して直流電源に接続され、第一のインダクタL1とトランス構造を構成する第二のインダクタL2と、第一のインダクタL1と直列に接続された第一のコンデンサC1と、第二のインダクタL2と直列に接続された第二のコンデンサC2と、を備え、第二のインダクタL2から出力された交流電流を整流し発振回路の電源に帰還させ省電力化及び発振継続を可能とする発振増幅器を提供する。これにより、LC発振回路において、電源を切断した後の発振回路の発振継続、あるいは発振回路の低消費電力化、あるいは外部への電力供給が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信等の情報通信システムの基準クロック、直流電圧変換回路、及び小型発電回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に従来の水晶振動子等の圧電素子を用いた発振回路を示す。同回路は各種システムの基準クロックに使用される。
【0003】
最近では高いQ値を示すインダクタがMEMS(=Micro Electronic Mechanical System)技術を用いて作成されている。また前記インダクタを備え、圧電素子に匹敵する安定度を持つ図2に示すようなLC発振器が基準クロックとして多用されている。
【0004】
既存の背景技術として、ロータ、ステータ、コイル、及び前記ロータを回転せしめる機構より構成された機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置、前記発電装置のコイルに誘起した交流起電力を整流する整流回路、前記整流回路により整流された電力を蓄える充電可能な2次電源、前記2次電源の過充電を防止する過充電回路からなる発電装置付電子腕時計において、前記過充電防止回路はスイッチング素子と整流素子とが直列接続された構成より成り、かつ前記過充電防止回路は前記発電装置を構成しているコイルに並列接続されている発電装置付電子腕時計のような技術が開示されている(たとえば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−303686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特開2002−303686号に開示されている発明では、腕時計を装着した使用者の腕の振りによりコイル(インダクタ)を振動させ、機械エネルギーをコイルから誘起した交流起電力なる電気エネルギーに変換するため、腕の振りのような機械的に運動エネルギーを発生させることが不可欠である。
【0006】
本発明では、背景技術として例示したように機械的振動により発生したエネルギーを電気エネルギーに変換するのではなく、発振回路の電気的振動から電気エネルギーを取り出すことを目的とする。
【0007】
さらに、圧電素子の電気的等価回路を図3に示す。同図では、圧電振動子の等価直列抵抗をR31、等価直列容量をC31、等価直列インダクタンスをL31、電極間容量をC30としている。ここで、L31とC31は圧電素子の固有振動数f(=1/2π√L31・C31)に依存する定数、R1は振動の減衰に関係する定数である。L31とC31は機械的振動を電気的素子に等価的に置き換えたもので現実には存在しない。従ってL31をトランスの1次コイルのように捉え、2次側に設けたインダクタから出力を得ることは不可能である。
【0008】
しかし、最近のMEMS技術の進歩は、基板上にインダクタとキャパシタを設けた発振回路を容易に構成できるまでに至った。
【0009】
上述のように、従来の圧電素子を用いた発振技術では、L31は等価回路上に表現されるのみであって出力を取り出すことは不可能である。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、特にLC発振回路において、インダクタをトランス構造とし、1次側の発振による交流信号を2次側より効率的に取り出し、整流した後に、発振回路の電源に帰還させ、省電力化及び電源を供給しない発振継続を可能とする発振回路を提供することを目的とする。また現在は構造的に大型化が避けられず作製が難しいが、今後の技術的進歩により、高いQ値を持つ超小型コア入りインダクタを作製できれば、1次側インダクタと1次側容量部分でL・C発振回路を構成し、前記1次側インダクタとトランス構造を成す2次側インダクタからの出力を整流し、発振回路の補助電源としての役割をなすことが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明に係る発振回路は、省電力化及び電源を供給しない発振継続を可能とする発振回路であって、発振源となる発振器に並列に接続された第一のインダクタと、前記第一のインダクタとトランス構造を構成する第二のインダクタと、前記第一のインダクタと直列に接続された第一のコンデンサと、前記第二のインダクタと直列に接続された第二のコンデンサと、を備え、所定の飽和時の共振条件を満たし、逆流防止回路を通して直流電源に接続され、前記第二のインダクタから出力された交流電流を整流し前記発振回路の電源に帰還させることを特徴としている。
【0011】
また、前記発振回路が有する第一のインダクタをL1、第一のコンデンサをC1、第二のインダクタをL2、第二のコンデンサをC2、第一のインダクタと第二のインダクタの相互インダクタンスをM、1次側等価入力抵抗をRe、2次側等価負荷抵抗をRL、入力合成等価抵抗をRz、回路側等価抵抗をRcc、回路側等価容量をCcc、飽和時等価抵抗をRs、前記発振回路の消費電流をId、第一のインダクタと第一のコンデンサの共振電流をI1、2次側の共振電流をI2と表したとき、上記パラメーターの構成を示す等価回路を図4Aに示す。図4A(a)は2次側共振回路、2次側負荷を含む等価回路図であり、図4A(b)は2次側負荷を1次側等価入力抵抗として置換した場合の等価回路である。
【0012】
また、本発明に係る発振回路の所定の共振条件は、以下の数式を満たすことを特徴としている。
【数1】


【数2】


【数3】


【数4】

【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以上に示す様な発振回路を構成することにより、LC発振回路において、電源を切断した後にも発振回路の発振の継続、あるいは発振回路の低消費電力化、あるいは外部への電力供給を可能とする技術を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図4Bに本発明の実施形態に関わる発振増幅器の回路ブロック図を示す。直流電源DCより逆流防止回路Cir1を通して発振回路電源VDDに接続する。L1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)を共振素子とするLC共振回路は、発振器OSCに接続される。また、上記L1(第一のインダクタ)はインダクタL2(第二のインダクタ)とトランス構造を構成する。L2(第二のインダクタ)と容量C2(第二のコンデンサ)の共振周波数は、前記インダクタL1(第一のインダクタ)と前記容量C1(第一のコンデンサ)により決定される1次側発振周波数と等しい。前記L2(第二のインダクタ)から得られる出力は整流・平滑回路Cir2を通して直流に変換される。出力の一部は発振回路電源へ帰還され、他を通常の出力信号とする。図4Bにおいて、Idは前記発振回路の消費電流を、I1はL1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の共振電流を、I2は2次側の共振電流を、ILは2次側の直流負荷電流を示す。
【0015】
次に、図5に示す本発明の実施形態に関わる発振増幅器の1例を用いて、本発明を詳細に説明する。インバーターの入出力間に、動作点設定用抵抗R4と、L1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)からなる直列回路と、をそれぞれ並列に挿入する。また、インバーターの入力と接地間、および出力と接地間にそれぞれコンデンサC3、C4を挿入し発振回路を構成する。さらにL2(第二のインダクタ)よりC2(第二のコンデンサ)を通して交流出力を得る。前記出力をダイオードD2、D3、D4、D5で構成する整流回路へ入力し、直流出力をインダクタL3、コンデンサC5、C6で構成する平滑回路を通して発明発振回路の電源VDDへ入力するとともに、外部出力OUTとする。
【0016】
図5のD2、D3、D4、D5、L3、INVIC、C5、C6を合成し、図6Aに示す本発明の実施形態に関わる発振増幅器の回路ブロック図Aの2次側等価入力抵抗RLを得る。さらに上記RLとL1(第一のインダクタ)、L2(第二のインダクタ)、C2(第二のコンデンサ)を合成し、図6Bに示す本発明の実施形態に関わる発振増幅器の回路ブロック図Bの1次側等価入力抵抗Reに変換できる。なお、L1(第一のインダクタ)とL2(第二のインダクタ)のQ値は十分高く、損失(鉄損・銅損)は無視できるものとする。
【0017】
前記の(101)〜(104)式は、以下の過程により導出される。最初に、(101)式を導出する。図6Aに回路解析理論を適応し(1)式、(2)式、(3)式を得る。
また(2)式より(4)式、ω=ω2とすることにより(5)式を得る。尚、(1)式内のkは結合係数である。
【数5】


【数6】


【数7】


【数8】


【数9】

【0018】
(5)式を(1)式へ代入し(6)式に示す入力インピーダンスZinを得る。
【数10】


よって、(5)式と(6)式から数式(101)が導出される。
【0019】
次に、(102)式を導出する。そして、(5)式を(3)式 へ代入し(7)式を得る。
【数11】

【0020】
ここで2次側等価入力抵抗RLの消費電力をPLとし(5)式を代入し(8)式を得る。
【数12】

【0021】
(8)式へ(6)式に示すReを代入し(9)式を得る。
【数13】

【0022】
(9)式と(6)式より1次側電流と2次側電流の関係を示す(10)式を得る。
【数14】


よって、(10)式から(102)式が導出される。
【0023】
次に、(103)式を導出する。そして、(10)式より2次側出力電圧を示す(11)式を得る。
【数15】

【0024】
図6Bの結果を図5へ適用し、図7に示す本発明の実施形態に関わる発振増幅器の等価回路図Aを得る。図7にキルヒホッフの法則を適応し(12)式、(13)式を得る。さらに(13)式を(12)へ代入し、(14)式の回路方程式を得る。
【数16】


【数17】


【数18】


ここで(14)式内のgmpとgmnは、それぞれPchMOSFETとNchMOSFETの相互コンダクタンスである。
【0025】
(15)式に示す各インピーダンス条件を(14)式の回路方程式へ代入し(16)式、(17)式を得る。
【数19】


【数20】


【数21】

【0026】
さらに(17)式を変形し(18A)式、(18B)式を得る。
【数22】


【数23】

【0027】
さらに、図7を変形し、図8の本発明の実施形態に関わる発振増幅器の等価回路図Bを得る。
【0028】
図8から発振条件として(19)式、周波数条件として(20)式を得る。
【数24】


【数25】

【0029】
ここで入力合成等価抵抗Rzを(21)式に設定する。発明発振回路はRz<0で発振可能となる。
【数26】


よって、(21)式から(103)式が導出される。
【0030】
最後に、(104)式を導出する。また発振の飽和状態を想定して(22)式のように値を定め、その結果(23)式に示す回路側等価抵抗Rccと回路側等価容量Cccを得る。(23)式より図9Aに示す本発明の実施形態に関わる発振増幅器の等価回路図Cを得る。ただし、飽和状態においてはL1(第一のインダクタ)の抵抗成分R1は無視できないため、図9AにはR1を付加した。
【数27】


【数28】

【0031】
さらに発振の飽和状態においては、等価負性抵抗RcはRc→0と仮定できる。このとき飽和時等価抵抗Rsを設定すると、振動条件を示す(24)式を得る。
【数29】


よって、(24)式から(104)式が導出される。
【0032】
また、リアクタンスXl1、Xceを設定し(24)式を変形し(25)式を得る。
【数30】


よって、(24)、(25)式から数式4が導出される。
【0033】
図7及び図9Aに示すReの電圧をVRe、L1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の2端子回路の両端電圧をVLC、それぞれの合成電圧をVinとするとき、これらの電圧は図9Bのようにベクトル表示できる。L1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の共振周波数から回路等価容量Ccによる周波数ズレによる影響を加味し(26)式を得る。ここでL1(第一のインダクタ)のリアクタンスをXl1とする。
【数31】

【0034】
また、等価抵抗Rcの主要パラメーターの相互コンダクタンスGm(=gmp+gmn)は、gmp≒gmnとするとき(27)式で与えられ、キャリアの構造とドレイン電流Idで決定される。(27)式ではコンダクタンス係数をK、チャンネル内のキャリア移動度をμ、単位面積あたりのゲート容量をCox、チャンネルの幅をW、チャンネルの長さをLとする。
【数32】

【実施例】
【0035】
以上の結果より、(11)式に示す2次出力電圧VLは、L1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の共振電流I1と相互インダクタンスXmにより決定される。例えばI1=1mArms ,Xm=5kΩとするならばVL(=Xm・I1)=5Vとなる。また、(10)式よりそのときの2次側の共振電流I2(=Xm/RL)よりRL=1kΩのときI2=5mArms,RL=5kΩのときI2=1mArmsとなる。
【0036】
但し、(6)式よりその場合の等価入力抵抗Re(=Xm^2/RL)はRL=1kΩのときRe=25kΩ、RL=5kΩのときRe=5kΩと算出される。よって、図7に示す等価発振回路が発振時に必要とする負性抵抗は、非常に大きい値であることが判る。上記の等価相互インダクタンスXmをパラメーターとする、等価負荷抵抗RLに対するI2、電圧VL、等価入力Reの関係を図10に示す。
【0037】
次に図7及び(18)式、(19)式、(21)式より発振条件を求める。ここで発振に必要とする等価負性抵抗Rc(=−Gm・Xc3・Xc4)のGmは(27)式に示す様にCMOSFETに流す電流Idと構造により決定される。
【0038】
例えば Xc3(=1/ωC3)、Xc4=( 1/ωC4)、C3=C4=20pF、ω=2πf、f=5MHzとするとXc3=Xc4≒1.6kΩとなる。また、(6)式よりM=160μH、f=5MHzとするとXm≒5kΩとなる。
【0039】
図11にgmをパラメーターとした時の、等価リアクタンスXc3,Xc4に対する等価負性抵抗‐Rccの関係(解析結果)を示す。
【0040】
図12にgmをパラメーターとした時の等価負荷抵抗RLに対する|−Rz|の関係及び、等価負荷抵抗RLに対する等価入力抵抗Reと2次側の共振電流I2と、2次電圧VLの関係(解析結果)を示す。gm=1mA/VではRL>20kΩ出発振可能でありRe<1kΩ、I2<0.2mArms以下を示す。gm=10mA/VではRL>2kΩ出発振可能でありRe<12kΩ、I2<2.4mArms以下、を示す。gm=100mA/VではRL>0.2kΩ出発振可能でありRe<120kΩ、I2<24mArms以下を示す。即ち、gmを大きくすることで2次側の共振電流I2として大きい電流を得る事が出来る。
【0041】
例えば、発振回路の電源電圧を5V、消費電流を1mA、CMOSFETのgmをgm=5mA/V(Gm=2*5mA/V)と想定する。VL=5Vrmsであるとき、適切なトランス(ここではXm=5kΩ)を選択し、さらに整流効率として0.7とすれば、直流出力IL≒1.7mAdcを得る。このときgm=10mA /V、RL=2kΩのときI2=2.4mA、2.4×0.7≒1.7mAである。この出力を発振回路の電源へ帰還することで発振を継続することができる。ここでrmsとは交流を直流換算した値であり、5Vrms=5Vdc、Vrms=Vpp/2√2と換算できる。
【0042】
次に(25)式より、図13に等価回路リアクタンスXceをパラメーターとした時のRLに対する入力合成等価抵抗−Rzと−Rsとの関係(解析結果)を示す。図13より、Xce≒10kΩのとき、RL>2kΩの範囲で発振可能となることが分かる。例えば、発振周波数freq=5MHz,Ce=3pFのときXce≒10kΩ、同じくL1=160μHのときXl1≒5kΩとなる。
【0043】
さらに、発明回路が発振飽和時に得られる最大出力を求める。
【0044】
図5及び図7、図9Aにおいて、発振回路が飽和状態であってVin[rms]≒Vinmax(=Vdd)であると仮定するときの、L1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の共振電流I1を求める。
【0045】
(26)式より解析した結果を、図14に示す。図14は、t(=C1/Cc)をパラメーターとした時の負荷抵抗RLに対する入力インピーダンス|Zin|とL1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の共振電流I1の関係を示すグラフである。同図は、L1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の直列共振周波数ω1(=2πf1)と、回路等価容量Ccによるf1からの周波数のズレが入力インピーダンスZinに与える影響を示す。また、tが小さい程Ccのf1に与える影響は小さくなることが分かる。RLが10kΩ以上ではtの影響が大きく、RL=10kΩかつt=0.5のときI1≒1.4mA、t=0.1またはt=0.01のときI1≒2mAの値を示す。
【0046】
ここで(9)式、(10)式、(11)式に基づき、tをパラメーターとするとき、負荷抵抗RLに対する2次側の共振電流I2と、2次出力電圧VLと、2次出力電力PLとの関係を図15に示す。またPLはRL≒10kΩのときPL≒5mW、RL≒50kΩのときPL≒25mW、RL≒250kΩのときPL≒170mWを示す。また同図よりRL>2kΩの範囲でRzは負の値となり発振可能となることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の水晶振動子等の圧電素子を用いた発振回路
【図2】従来のLC発振回路の1例
【図3】圧電素子の電気的等価回路
【図4A】本発明の実施形態に関わる発振増幅器の回路パラメーターの構成を示す等価回路図
【図4B】本発明の実施形態に関わる発振増幅器の回路ブロック図
【図5】本発明の実施形態に関わる発振増幅器の1例
【図6A】本発明の実施形態に関わる発振増幅器の回路ブロック図A
【図6B】本発明の実施形態に関わる発振増幅器の回路ブロック図B
【図7】本発明の実施形態に関わる発振増幅器の等価回路図A
【図8】本発明の実施形態に関わる発振増幅器の等価回路図B
【図9A】本発明の実施形態に関わる発振増幅器の等価回路図C
【図9B】VreとVLCとVinとの関係を示すベクトル表示
【図10】等価負荷抵抗RLに対するI2、電圧VL、等価入力Reの関係を示すグラフ
【図11】gmをパラメーターとした時の、等価リアクタンスXc3,Xc4に対する等価負性抵抗‐Rccの関係(解析結果)を示すグラフ
【図12A】gmをパラメーターとした時の等価負荷抵抗RLに対する|-Rz|の関係
【図12B】等価負荷抵抗RLに対する等価入力抵抗Reと2次側の共振電流I2と、2次電圧VLの関係(解析結果)を示すグラフ
【図13】等価回路リアクタンスXceをパラメーターとした時のRLに対する等価抵抗−Rzと−Rsとの関係(解析結果)を示すグラフ
【図14】tをパラメーターとした時の、負荷抵抗RLに対する入力インピーダンス|Zin|とL1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の共振電流I1の関係(解析結果)を示すグラフ
【図15】tをパラメーターとするとき、負荷抵抗RLに対する2次側の共振電流I2と、2次出力VLと、2次出力電力PLとの関係を示すグラフ
【符号の説明】
【0048】
R1 L1(第一のインダクタ)の抵抗成分R1
R4 動作点設定用抵抗
C1 第一のコンデンサ
C2 第二のコンデンサ
L1 第一のインダクタ
L2 第二のインダクタ
R12 抵抗
InvIC1 インバーター
Xtal1 水晶振動子
L20 インダクタ
TR21 トランジスタ
R31 圧電振動子の等価直列抵抗
C31 圧電振動子の等価直列容量
L31 圧電振動子の等価直列インダクタンス
C30 圧電振動子の電極間容量
M 第一のインダクタと第二のインダクタの相互インダクタンス
Re 1次側等価入力抵抗
RL 2次側等価負荷抵抗
Rz 入力合成等価抵抗
Rs 飽和時等価抵抗
Rc 等価負性抵抗
Cc 回路等価容量
Rcc 回路側等価抵抗
Ccc 回路側等価容量
Id 発振回路の消費電流、ドレイン電流
I1 第一のインダクタと第一のコンデンサの共振電流
I2 2次側の共振電流
IL 2次側の直流負荷電流
DC 直流電源
Cir1 逆流防止回路
Cir2 整流・平滑回路
VDD 発振回路電源
OSC 発振回路
C3、C4、C5、C6、C12、C13、C14、C15、C21、C22 コンデンサ
D2、D3、D4、D5 ダイオード
OUT 外部出力
ω、ω2 共振周波数
ω1 直列共振周波数
k 結合係数
K コンダクタンス係数
μ チャンネル内のキャリア移動度
Cox 単位面積あたりのゲート容量
W チャンネルの幅
L チャンネルの長さ
Zin 入力インピーダンス
PL 消費電力、2次出力電力
gmp PchMOSFETの相互コンダクタンス
gmn NchMOSFETの相互コンダクタンス
Gm 等価抵抗Rcの主要パラメーターの相互コンダクタンス
Xl1 インダクタL1(第一のインダクタ)のリアクタンス
Xce リアクタンス、等価回路リアクタンス
Xm 相互インダクタンス、等価相互インダクタンスXm
Vre Reの両端電圧
VLC L1(第一のインダクタ)とC1(第一のコンデンサ)の2端子回路の両端電圧
Vin VreとVLCとの合成電圧
VL 2次出力電圧
freq 発振周波数
f 固有振動数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
省電力化及び電源を供給しない発振継続を可能とする発振回路であって、
発振源となる発振器に並列に接続された第一のインダクタと、
前記第一のインダクタとトランス構造を構成する第二のインダクタと、
前記第一のインダクタと直列に接続された第一のコンデンサと、
前記第二のインダクタと直列に接続された第二のコンデンサと、を備え、
所定の飽和時の共振条件を満たし、逆流防止回路を通して直流電源に接続され、前記第二のインダクタから出力された交流電流を整流し前記発振回路の電源に帰還させることを特徴とする発振回路。
【請求項2】
前記所定の飽和時の共振条件として、前記発振回路が有する第一のインダクタのインダクタンス値をL1、第一のコンデンサの容量値をC1、第一のインダクタと第二のインダクタの相互インダクタンス値をM、1次側等価入力抵抗をRe、2次側等価入力抵抗をRL、入力合成等価抵抗をRz、回路側等価抵抗をRcc、回路側等価容量をCcc、飽和時等価抵抗をRs、前記発振回路の消費電流をId、第一のインダクタと第一のコンデンサの共振電流をI1、2次側の共振電流をI2と表したとき、以下の数式を満たすことを特徴とする請求項1記載の発振回路。
【数1】


【数2】


【数3】


【数4】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−45906(P2010−45906A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207638(P2008−207638)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(508245013)
【出願人】(508245220)
【Fターム(参考)】