説明

発電装置付携帯無線機

【目的】 携帯形無線機のバッテリー切れを無くして無線機本来の機能を確実に果せる。
【構成】 発電装置3は一端6aを中心に無線機2に加わる外部からの振動に合わせて往復移動する作動バネ6と、作動バネ6の他端6bに固設された永久磁石7と、作動バネ6の一端6aを中心とする永久磁石7の移動軌跡上に配設されたコイル8とを備えて構成されている。発電装置3は無線機2を駆動するバッテリー1に装着された状態で、例えば人間の歩行に伴い無線機2に対して外部より振動が加わると、作動バネ6が一端6aを中心に往復移動し、他端6bの永久磁石7がコイル8内を進退してコイル8が永久磁石7の磁束線を切り、コイル8の両端に電気が発生する。この電気は端子9,5を介して携帯無線機2のバッテリー1に充電される。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、コードレス電話や携帯電話等の無線機に発電装置を組み込んで小形、軽量化した発電装置付携帯無線機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばコードレス電話や携帯電話等の無線機に内蔵されている電源装置は、一般的に乾電池や充電式電池による蓄電器が使用されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の無線機は、蓄電器によって駆動されるため、電波を発射したり、機器を動作状態のまま放置しておくと、電池の消耗が激しく、数時間から1日程度で電池の充電または交換を必要としていた。
【0004】
また、駆動源である電池が無くなった場合には、無線機が通信不能となって本来の機能を果たさなくなるため、予備電池を絶えず用意しなければならないという煩わしさがあった。
【0005】
さらに、電池が入手困難な地域、例えば山奥や人里離れた場所では、電池が切れた場合、使用不可能となるという問題があった。
【0006】
ところで、備付けのバッテリーを充電する手段として、太陽電池により充電する方法も考えられるが、無線機は主にポケットや鞄等に収納することが多く、効率的でなかった。
【0007】
そこで、本考案は、無線機本体が絶えず人間に装着または鞄等に入れて持ち運ばれ、移動しているときは絶えず無線機本体が振動していることに着目し、この振動するエネルギーを用いて発電装置を発電し、電気を絶えず無線機内のバッテリーに充電することにより、無線機のバッテリー切れを無くして無線機本来の機能を確実に果たすことができる発電装置付携帯無線機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本考案による発電装置付携帯無線機は、バッテリー1により駆動される無線機2と、該無線機に対して外部より加えられる振動により発電して前記バッテリーに充電する発電装置3とを備えたことを特徴としている。
【0009】
【作用】
無線機2に発電装置3が装着された状態で、無線機2に対して外部より振動が加わると、この振動のエネルギーによって発電装置3が発電し、このとき発生した電気は、無線機駆動用のバッテリー1に充電される。
【0010】
【実施例】
図1は本考案による発電装置付携帯無線機の一実施例を示す外観斜視図、図2は同無線機の回路構成を示す図、図3は同無線機における発電装置の内部構成を示す図である。
この実施例による発電装置付携帯無線機は、例えばコードレス電話や携帯電話等に適用され、図2に示すように、着脱自在に接続された充電式のバッテリー1によって駆動される無線機2と、無線機2に加わる外部からの振動により発電してバッテリー1に充電する発電装置3とを備えて概略構成されている。
【0011】
バッテリー1は無線機2の背面2aに形成された凹部4に対して電気的に着脱自在に接続されるもので、無線機2に装着された状態では、下端部1aに端子5が表出しており、バッテリー1の表面1bと無線機2の背面2aとは面一になっている。
また、無線機2の底面両側には、係止溝が形成されて
【0012】
発電装置3は図1および図3に示すように本体3aに固定された一端6aを中心に無線機2に加わる外部からの振動に合わせて往復移動する作動バネ6と、作動バネ6の他端6bに固設された永久磁石7と、作動バネ6の一端6aを中心とする永久磁石7の移動軌跡上に配設されたコイル8とを備えて構成されている。
また、発電装置3の両側面端部には、無線機2の底面両側に形成された係止溝10に係合する係合爪11が形成されている。この係合爪11の両側には、切り込み12が形成されてバネ性を有しており、発電装置3が無線機2に対して容易に着脱できる構成になっている。そして、この発電装置3では、無線機2に外部から振動が加わって作動バネ6が一端6aを中心に往復振動し、この振動に伴って永久磁石7がコイル8内を進退すると、コイル8が永久磁石7の磁束線を切り、起電力がコイル8に誘起してコイル8の両端に設けられた端子9に電気を発生させる。この端子9は発電装置3が無線機2に取り付けられた状態でバッテリー1の下端部1aに表出した端子5に接続しており、発生した電気をバッテリー1に充電している。
【0013】
すなわち、上記の構成において、無線機2は例えば洋服のポケットや手提げ鞄等に収納された状態で移動しており、人間の歩行により無線機2に対して上下または左右の振動が外部より加えられている。そして、この外部からの振動のエネルギーにより発電装置3が発電し、この発生した電気が無線機2に接続されたバッテリー1に充電される。
【0014】
従って、上述した実施例では、振動するエネルギーにより発電装置3が発電して絶えず無線機2内のバッテリー1に充電されるので、無線機2のバッテリー切れの心配が無くなり、従来のように頻繁に電池を交換する必要がなく、バッテリー1の残量を気にせずに何時でも何処でも安心して使用することができる。
【0015】
また、予備電池を絶えず用意して持ち歩く必要もなく、長時間の使用に耐えることができ、電池切れによって無線機2が突然通信不能になるおそれもなく、無線機本来の機能を確実に果たすことができる。
【0016】
さらに、無線機2に振動が加わっていれば、絶えずバッテリー1が充電される構成なので、バッテリー1も薄く小さくして小型化が図れ、極めて経済的な無線機を提供することができる。
【0017】
なお、無線機2本体は精密機器であり、本来、振動は好ましくない。そこで、本実施例では、図1に示すように発電装置3と無線機1本体とを着脱可能にする結合手段として係合溝10と係合爪11が設けられており、無線機1と発電装置3とを切り離した状態で互いに配線で結び、発電装置3を振動の生じやすい所に収納できるようになっている。
【0018】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の発電装置付携帯無線機によれば、無線機に対して外部より加えられる振動エネルギーにより発電装置が発電して絶えず無線機駆動用のバッテリーに充電されるので、バッテリーの小型化が図れ、無線機のバッテリー切れを無くして頻繁に電池の交換を行う必要がなく、バッテリーの残量を気にせずに何時でも何処でも安心して使用することができる。また、従来のように絶えず予備電池を持ち歩く必要もなく、長時間の使用に耐えることができる。
さらに、電池切れによって無線機が突然通信不能になるおそれもなく、無線機本来の機能を確実に果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による発電装置付携帯無線機の一実施例を示す外観斜視図
【図2】同無線機の回路構成を示す図
【図3】同無線機における発電装置の内部構成を示す図
【符号の説明】
1…バッテリー、2…無線機、3…発電装置、6…作動バネ、7…永久磁石、8…コイル。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 バッテリー(1)により駆動される無線機(2)と、該無線機に対して外部より加えられる振動により発電して前記バッテリーに充電する発電装置(3)とを備えたことを特徴とする発電装置付携帯無線機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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