説明

発音玩具

【課題】 操作性に優れ、かつ様々な遊びができる発音玩具を提供する。
【解決手段】 片手で握れる程度の大きさの本体と、この本体に付設され指先で回転操作可能なターンテーブルと、このターンテーブルの回転操作に伴って音を発する音発生手段とを備えることを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、発音玩具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯に適した発音玩具として、録再機能を有するものが知られている。この発音玩具は、録音ボタンを押すことにより、マイクを通じて集めた短い言葉等を録音し、再生ボタンを押すことにより、スピーカーから前記言葉等をそのままあるいは逆さ言葉等に直して再生するようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、この発音玩具にあっては、録音された言葉等が単に再生されるだけであり、使用者が発音を自由にコントロールすることができず、それを用いての遊びの範囲が限定されてしまっていた。
【0004】
本考案は、かかる問題点に鑑みなされたもので、様々な遊びができる発音玩具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発音玩具は、片手で握れる程度の大きさの本体と、この本体に付設され指先で回転操作可能なターンテーブルと、このターンテーブルの回転操作に伴って音を発する音発生手段とを備えることを特徴とする。
この発音玩具によれば、例えば片手で本体を握り、他方の手の指先でターンテーブルを回転操作することによって音が発しられる。このようにターンテーブルの回転操作によって音が発しられるので、操作性に優れるものとなる。
【0006】
請求項2記載の発音玩具は、請求項1記載の発音玩具において、前記音発生手段は、前記ターンテーブルの回転に伴って投入されるスイッチと、このスイッチが投入された際に音声信号を出力する電子回路部品と、前記音声信号に対応した音を発するスピーカーとを含んで構成されていることを特徴とする。この場合の「電子回路部品」としてはICやLSI等が用いられる。
この発音玩具によれば、スイッチが投入された際に所定の電子回路部品から音声信号が出力され、この音声信号に対応した音がスピーカーから発しられる。このように電子回路部品を用いることは、発音玩具をコンパクトかつ軽量とするのに役立つ。
【0007】
請求項3記載の発音玩具は、請求項1または2記載の発音玩具において、前記ターンテーブルはレコード盤模型となっていることを特徴とする。
この発音玩具によれば、ターンテーブルがレコード盤模型となっているので、実物のレコード盤を指で操作しているかのようなイメージが醸し出されることになる。
【0008】
請求項4記載の発音玩具は、請求項1〜3いずれか記載の発音玩具において、前記本体には音の切換えを行う音切換スイッチが設けられていることを特徴とする。
この発音玩具によれば、音切換スイッチを操作することにより音の切換えがなされる。その結果、音の切換えにより様々な音を聞くことができる。
【0009】
請求項5記載の発音玩具は、請求項1〜4いずれか記載の発音玩具において、前記ターンテーブルは正逆に回転できるように構成されていることを特徴とする。
この発音玩具によれば、ターンテーブルが正逆に回転できるようになっているので、このターンテーブルの正逆回転の繰返しにより音を連続して出すことができ、ターンテーブルジョッキー気分を味わえる。
【0010】
請求項6記載の発音玩具は、請求項1〜5いずれか記載の発音玩具によれば、前記スイッチが一旦投入された後所定時間内に再度投入された場合、最初の投入による音発生を途中で停止し、再度の投入による音発生を行うようになっていることを特徴とする。
この発音玩具によれば、ターンテーブルを回転操作している間、次々と音が出力されるので、その分楽しめることになる。
【0011】
請求項7記載の発音玩具は、請求項1〜6いずれか記載の発音玩具において、周囲の音を録音する録音手段を備え、前記音発生手段は、前記ターンテーブルの回転に伴って、録音内容を再生するようなっていることを特徴とする。
この発音玩具によれば、自分の好きな音を録音して、ターンテーブルの回転により自由にアレンジして再生できるので、より興味深いものとなる。
【0012】
【考案の実施の形態】
図1には実施形態に係る発音玩具が示されている。この発音玩具1の本体2は片手で握れる程度の大きさを有している。この本体2の上面にはターンテーブル3が回転自在に設けられていて、指先で回転操作できるようになっている。このターンテーブル3はレコード盤模型として構成されている。
【0013】
また、本体2の上面にはターンテーブル3の隣りに固定アーム4が設けられていて、この固定アーム4は、その基部が、ターンテーブル3の外側位置で本体2に固定され、その先端部が、ターンテーブル3の外周部上方まで延びている。この固定アーム4の先端は円形となっている。この固定アーム4はレコードプレイヤーの音ピックアップを真似てあり、発音玩具1は全体としてレコードプレイヤーの外観を呈している。
【0014】
さらに、固定アーム4の基部には押圧ボタン5が設けられている。この押圧ボタン5は、音色、音階、リズム、メロディまたは言葉等を変えるものとして構成されていても良い。
【0015】
またさらに、本体2には電池収納室6が設けられ、この電池収納室6には電源である電池、例えばボタン電池(図示せず)が収納できるようになっている。
【0016】
次に、発音玩具1の使用の仕方を説明すれば、先ず、発音玩具1を例えば左手で握持し、右手の人差し指をターンテーブル3の上に載せ、ターンテーブル3を回転操作する。このようにすれば本体2の裏側の放音孔7(図3)から音が出力されることになる。なお、この場合、ターンテーブル3を同方向に回転操作しても良いが、正逆に小刻みに回転させても良い。このようにすれば、小刻みに音が出力されることになる。例えば、「おはよう」と言葉を発する発音玩具1では、例えば「おはよう」→「おは」→「おはよ」→「おはよ」→「おは」→「お」を繰り返したりする。なお、この発音玩具1では発音されている間、発光ダイオード16が点滅する。
【0017】
続いて、発音玩具1の内部構造を説明すれば、ターンテーブル3の軸3aは本体2の内部にまで延びており、この本体2の内部に延在する部分には図2に示すように菱形状の当接片8が付設されている。この当接片8は、ターンテーブル3の回転に伴って回転する。一方、本体2の内部に配設されるプリント配線板9上には開閉スイッチ10が付設されている。この開閉スイッチ10は電源投入スイッチを構成しており、ターンテーブル3の回転に伴う当接片8の角部の当接によって投入されるようになっている。また、前記押圧ボタン5は音切換スイッチ15に連結され、この音切換スイッチは後述の電子回路部品11に電気的に接続されている。
【0018】
前記プリント配線板9には、ICやLSI等の音声信号を発する電子回路部品11が付設されている。この電子回路部品11は前記開閉スイッチ10に電気的に接続されている。また、このプリント配線板9には、必要に応じて抵抗、コンデンサおよびトランジスタ等も付設される。また、このプリント配線板9の下側には図3に示すようにスピーカー12が設置されている。このスピーカー12は電子回路部品11と電気的に接続されている。また、スピーカー12のコーン側が前記放音孔に向けられている。なお、電源投入スイッチと開閉スイッチ10を別個に設けても良い。また、ここで音発生手段は、開閉スイッチ10、電子回路部品11、スピーカー12を含んで構成されている。
【0019】
以上のように構成された発音玩具1によれば下記のような効果を得ることができる。
【0020】
この発音玩具1によれば、ターンテーブル3の回転操作によって音が発しられるので、ボタンの押圧等を通じて音を発する場合に比べて、操作性に優れるものとなる。また、電子回路部品11を用いているので、テープレコーダー等を用いる場合に比べて、発音玩具1をコンパクトかつ軽量とすることができる。
【0021】
さらに、ターンテーブル3がレコード盤模型となっているので、実物のレコード盤を指で操作しているかのようなイメージが醸し出されることになる。また、押圧ボタン5の押圧を通じて音切換スイッチを操作することにより音の切換えがなされるので、音の切換えにより様々な音を聞くことができる。
【0022】
さらに、ターンテーブル3が正逆に回転できるようになっているので、このターンテーブルの正逆回転の繰返しにより音を連続して出すことができ、ターンテーブルジョッキー気分を味わえる。また、ターンテーブル3を回転操作している間、次々と音が出力されるので、その分も楽しめることになる。
【0023】
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0024】
例えば、前記実施形態では、同じメロディや言葉等を繰り返し出力するようにしているが、電子回路部品11に予め記憶されているプログラムに従って単音を順次に出力して全体として1つのメロディを奏でるようにしても良い。
【0025】
また、前記実施形態では、ターンテーブル3の回転により予め記憶されているプログラムに従って音を出力するようになっているが、録音ボタンを設けて、録音ボタンを押すことにより、マイクを通じて集めた短い言葉等を録音し、ターンテーブル3の回転に伴って、録音内容を再生するようにしても良い。この場合、例えば複数の言葉等を別々に録音できるようにし、再生時にそれらの中から1つを選択できるようにしておくことが好ましい。さらに、録音内容も自由に消去できるようにしておくことが好ましい。
【0026】
【考案の効果】
本考案の代表的なものの効果を説明すれば、片手で握れる程度の大きさの本体と、この本体に付設され指先で回転操作可能なターンテーブルと、このターンテーブルの回転操作に伴って音を発する音発生手段とを備えるので、興味深い発音玩具の実現が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る発音玩具の斜視図である。
【図2】本考案に係る発音玩具の底面側から見た横断面図である。
【図3】本考案に係る発音玩具の正面側から見た縦断面図である。
【符号の説明】
1 発音玩具
2 本体
3 ターンテーブル
10 スイッチ
11 電子回路部品
12 スピーカー
15 音切換スイッチ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 片手で握れる程度の大きさの本体と、この本体に付設され指先で回転操作可能なターンテーブルと、このターンテーブルの回転操作に伴って音を発する音発生手段とを備えることを特徴とする発音玩具。
【請求項2】 前記音発生手段は、前記ターンテーブルの回転に伴って投入されるスイッチと、このスイッチが投入された際に音声信号を出力する電子回路部品と、前記音声信号に対応した音を発するスピーカーとを含んで構成されていることを特徴とする請求項1記載の発音玩具。
【請求項3】 前記ターンテーブルはレコード盤模型となっていることを特徴とする請求項1または2記載の発音玩具。
【請求項4】 前記本体には音の切換えを行う音切換スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の発音玩具。
【請求項5】 前記ターンテーブルは正逆に回転できるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の発音玩具。
【請求項6】 前記スイッチが一旦投入された後所定時間内に再度投入された場合、最初の投入による音発生を途中で停止し、再度の投入による音発生を行うようになっていることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の発音玩具。
【請求項7】 周囲の音を録音する録音手段を備え、前記音発生手段は、前記ターンテーブルの回転に伴って、録音内容を再生するようなっていることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の発音玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3054831号
【登録日】平成10年(1998)9月30日
【発行日】平成10年(1998)12月18日
【考案の名称】発音玩具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−4127
【出願日】平成10年(1998)6月10日
【出願人】(000003584)株式会社トミー (248)