説明

直接リモート・アナログ/ディジット印刷装置、プロセス、および媒体

非一様または一様な被印刷物/媒体上に直接デジタル印刷を施すことのできる直接リモートデジタル/アナログ印刷装置および媒体を開発した。装置の実施例は、無線デジタルまたはアナログ信号を認識して、(アナログまたはデジタル的に)符号化された情報を用いて被印刷物を処理して印刷するかまたは直接走査することもできる。読取り/書込み装置は、リモートに位置して別個に動作するか、または既存の通信装置および製品に付属させることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、3月31日に出願され開示が参照として本明細書に組み入れられる米国特許仮出願第60/459,499号の出願日に対する(35U.S.C.§119(e)に基づく)優先権を主張する。
【0002】
多くの場合、既存のアナログ・デジタル印刷プロセスに対する制限を無くすのが望ましい。たとえば、印刷プロセスは連続的な直線運動に制限される。デジタル印刷ヘッドは、固定位置で動作するか、または印刷装置内の精密な機構を用いて横切って移動するように構成される。多くの場合、固定された印刷機器をリモート位置に移動させるのは実際的ではない。携帯型プリンタは存在するが、通常、携帯型レシート生成装置などの完全なユニットの一部である。
【0003】
在庫管理またはスーパーマーケットにおいては、無線伝達情報、日付情報、および他の関連する記憶情報を必要に応じて組み合わせるリモート・デジタル印刷プロセスを有することが望ましい。
【0004】
たいていの印刷プロセスは、印刷用の平坦な平面を必要とする。一般的な平面に制限するのではなく非一様に対応した面に印刷するのが望ましいことが多い。たとえば、パッケージは折り畳まれるかまたは折り目を付けられる。乳製品ケース内の肉製品は通常、非平面を有する。
【0005】
多くの例では、従来の表面とは異なる表面に印刷を施して視覚効果を高めることが望ましい。現在、従来のデジタル・プロセスおよび適用可能な印刷媒体のうちで、皮膚に直接印刷するものはない。多くの場合、印刷手段を用いて皮膚の状態を変化させかつ皮膚の外観と健康の両方を向上させる好都合で費用有効性が高く高速で正確な手段を提供することが重要である。
【0006】
非平面に対して動作することができ、複数の方向に印刷を施すことができ、高分解能印刷結果を得ることができる直接デジタル印刷プロセスおよびそれに適合する印刷媒体は、従来の制限された印刷プロセスおよび被印刷物では予想されずかつ不可能な多数の用途を有する。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
非一様または一様な被印刷物/媒体に直接デジタル印刷を施すことのできる直接リモート・デジタル/アナログ印刷装置および媒体を開発した。装置の実施例は、無線デジタルまたはアナログ信号を認識して、(アナログまたはデジタル的に)符号化された情報を用いて被印刷物を処理して印刷するかまたは直接走査することもできる。読取り/書込み装置は、リモートに位置して別個に動作するか、または既存の通信装置および製品に付属させることができる。
【0008】
発明の特徴
本発明は、被印刷物に印刷する方法を提供し、この方法の特徴は、印刷ヘッドを被印刷物上の少なくとも一部をアナログ的に横切って移動させることである。ある態様では、印刷ヘッドを少なくともx方向が変化するように被印刷物上を横切って移動させる。ある態様では、印刷ヘッドをx方向とy方向の両方が変化するように被印刷物上を横切って移動させる。ある態様では、印刷ヘッドをx方向とy方向の少なくとも一方で速度が変化するように被印刷物上を横切って移動させる。ある態様では、印刷ヘッドをx方向とy方向の両方で速度が変化するように被印刷物上を横切って移動させる。ある態様では、印刷ヘッドを非直線的に被印刷物上を横切って移動させる。ある態様では、印刷ヘッドを被印刷物上を横切って曲線状に移動させる。ある態様では、印刷ヘッドを手動で直接的または間接的に被印刷物上を横切って移動させる。ある態様では、印刷ヘッドは、印刷ヘッドが少なくともx方向およびy方向において全運動範囲を有する装置の一部である。ある態様では、印刷ヘッドは、印刷ヘッドがx方向、y方向、およびz方向において全運動範囲を有する装置の一部である。ある態様では、印刷ヘッドはコンプライアントである。ある態様では、被印刷物は非一様な被印刷物である。ある態様では、印刷ヘッドは、流体付着印刷ヘッドではない。ある態様では、印刷ヘッドは、描画装置、たとえばレクリエーション用描画装置の一部である。ある態様では、印刷ヘッドはデジタル指先印刷装置の一部である。ある態様では、印刷ヘッドは自己印字機能を持つ書籍装置の一部である。ある態様では、印刷ヘッドは自己画像印刷カメラ付属装置の一部である。ある態様では、印刷ヘッドは携帯電話印刷装置の一部である。ある態様では、印刷ヘッドはコンピュータ周辺プリンタ付属装置の一部である。ある態様では、印刷ヘッドはデジタル皮膚増大装置の一部である。上記の方法を実行できる装置も提供される。
【0009】
特定の態様の説明
非一様または一様な被印刷物/媒体に直接デジタル印刷することのできる直接リモート・デジタル/アナログ印刷装置および媒体を開発した。装置の実施例は、無線デジタルまたはアナログ信号を認識し、符号化された情報(アナログまたはデジタル)を用いて被印刷物を処理して印刷するかまたは直接走査することもできる。読取り/書込み装置は、リモートに位置して別個に動作するか、または既存の通信装置および製品に付属させることができる。
【0010】
このシステムは、直接的な手持ち携帯性、指先取付け、手持ち装置取付け、手のひら保持、セグメント化形成または脱着形状、微細化またはマイクロエッチングまたは機械加工された部材、生物学的または生理学的な接続構成、移植構成、および直接的な書込み、印刷、または符号化機能と、直接的または間接的なデジタルまたはアナログ情報受信機能を提供する任意の実際的な形態を実現する。直接リモート・デジタル印刷ユニットは、携帯電話、デジタル電子装置、ノート型コンピュータ、玩具、自動車、手のひらサイズ・コンピュータ、腕時計、GP(Global Positioning)ユニット、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオ・レコーダ、デジタル・ボイス・レコーダ、ラジオ、デジタル・ミュージック・プレーヤ、デスク・トップ・コンピュータ、電気機器、DVDプレーヤ、様々な電子装置、遠隔軍用装置、航空機電話システム、ポケット・ベル、ロジスティクス記録ユニット、現場監視機器、医療記録機器、超音波機器、ビデオ・アーケード・ゲーム、Balckberry(商標)装置、Palm Pilots(商標) PDA装置、Blackberry(商標) PDA装置、Symbol(商標)装置、UPS(商標)電子ノート・パッドなどに取り付けるかまたはこれらの機器と一緒に使用することができる。
【0011】
具体的には、このシステムは、情報を遠隔から受信し、かつ光学的、磁気的、熱的、または機械的に被印刷物に埋め込まれるか、放射線または超小型電子技術によって被印刷物に埋め込まれるか、あるいは電気的または圧電化学的に被印刷物に埋め込まれた符号化情報をアナログ的またはデジタル的(無線による)または直接的に走査することができる。符号化情報は、その後処理し、以後の印刷プロセスで使用されるパラメータを指定するのに用いることができる。受信される情報は、音声アナログ信号、ボイス・オーバーIDアナログ信号、パラレル・アナログ信号、シリアル・アナログ信号、無線波アナログ信号、高周波数アナログ信号、広帯域にわたって光学的に符号化されたアナログ信号、電子的に広帯域符号化されたアナログ信号、デジタル的に圧縮されるかまたは圧縮されないアナログ信号であり、書き込まれるかまたは印刷されるか、タイプされるかまたはグラフィック表示されるか、文字認識されるか、バーコード化されるか、エンボス加工されるか、封入されるか、順次的または非順次的、照明されるかまたは照明されず、埋め込まれるか、セキュリティ符号化されるか、ホログラフィによって符号化されるか、生物学的に符号化されるか、2個以上または20個程度の手段によって部分的に光学的に部分的に磁気的に符号化されたり部分的に符号化されるように複数の手段によって符号化される。より好ましくは、少なくとも2個から10個の手段、および、さらに好ましくは、少なくとも2個から5個の手段で符号化される。符号化情報は、連続的であってもセグメント化してもよく、地域的に符号化されるか、パラレル情報であるか、セクタ化されるか、または非順次的である。
【0012】
システムは、デジタル英数字処理機能、シリアル処理機能、または処理機能とマイクロ処理機能の組合せを有するか、またはこれらの機能を有することができる。プロセスは、受信(読取り)構成部材および書込み(印刷)構成部材に直接的または間接的に関連付けすることができる。処理は、集積回路に埋め込んでも、認識ソフトウェアに符号化しても、オペレーティング・システムの一部であっても、装置に対してリモート位置に位置してもよい。ニューラル・インタフェースは検流計インパルスを活用することができる。
【0013】
人工知能およびニューラル処理を利用して、読み取られるかまたは書き込まれたデータの処理を助けることができる。中央演算処理装置との様々なインタフェースを利用して、データ転送および無線通信を助け、処理速度および暗号化を向上させ、印刷プロセスに関するファイルにアクセスし、印刷すべきファイルをダウンロードし、印刷されるリアルタイム情報を受信することができる。
【0014】
受信された広帯域デジタル情報およびアナログ情報の音声認識および文字認識、符号化情報および復号情報の処理に様々なソフトウェア・プログラムを利用することができる。ソフトウェアおよびプログラムは装置内に含めるか、または遠隔から操作し、処理の一部もしくはすべてが完了した後で装置に送信することができる。
【0015】
システムの処理機能は、様々なシステム構成部材と直接的または間接的に接続することができる。処理、読取りまたは書込み、記憶、待ち時間、あるいは後処理全体にわたって受信されたかまたは受信されている情報を、システムの所望の読取り/書込みモードと一緒に使用することができる。たとえば、デジタル的に書き込んでいる間、テキスト・メッセージ印刷時に更新を行うか、または問い合わされた情報を同時に処理して現させることができる。処理は、書込み/被印刷媒体または被印刷物から受け取った情報のみから行うことも、遠隔から受信された情報と一緒に行うこともできる。
【0016】
システムに接続されたセンサまたはモニタから直接的または遠隔的に他の情報を受信することができる。たとえば、医学的診断分析中に体温を監視して報告し、情報を、患者に関して受信される他のデジタルまたはアナログ情報と並行して直接処理することができる。パラレル入力を同時に処理して報告するか、書き込むか、または印刷すると、ユーザまたは参加者にただちに役立つ情報を与える好都合な手段が実現される。
【0017】
符号化された時間、汎地球側位位置、ページまたは被印刷物上の位置、あるいは他の関連するロジスティクス情報を記録することもできる。周囲環境情報、in vivo生理学的情報(たとえば、心臓情報)、統計または診断に関する患者データ、産業情報、製造および生産情報、診断、自動車または電機器具情報、通信および軍事情報、交通およびフライト情報、機密情報、学会情報、顧客注文情報、旅行情報、法的情報、政治的情報、ニュース、データ、試験結果、および分類された他のリアルタイム情報または事実情報を含む検知データを、適切な監視手段および情報収集手段を用いて遠隔から受信するかまたは直接検知することができる。
【0018】
システムに入力された情報は、システムの使用時に順次復号し分析し報告するか、または後で評価できるように記憶することができるように順次または並行的に処理することができる。
【0019】
入力された情報を受信し処理した後、情報データまたは結果として得られた生成物をその後出力し、被印刷物に直接書き込むかまたは印刷することができる。出力は、アナログ出力であってもデジタル出力であってもよい。出力は様々な情報転送手段を通して直接被印刷物に向けることができる。出力は、熱、光磁気、幾何学、薬品、流体、触覚、および比色を用いて書き込むかまたは印刷するか、インク付けするか、噴射するか、インク・ジェットするか、エネルギー周波数符号化するか、圧電素子、ペルチエ素子、およびレーザによって符号化するか、LEDによって物理的に刷り込むか、インパクト印刷するか、ホログラフィ印刷するか、圧電作動エンボス加工するか、カンチレバー・チップおよび現在原子間力顕微鏡に一般に用いられている構成部材を用いて超高分解能でエンボス加工するか、あるいは特に感熱印刷ヘッドからの熱放出や関連する刺激などによる化学的認識のような出力装置からの入力に応答する被印刷物に放出することができる。
【0020】
出力は、外に現れ明らかにされるか、または符号化または復号され明らかでないパラレルまたはシリアル情報パケットであってよい。出力は、単純な線、グラフィクス、写真、テキスト、バーコード、図、凹凸構造、外に現れたメッセージ、印刷されたメッセージ、様々なフォント、パラレル処理された可読情報および符号化情報、単色または多色、複数の入力データまたはセンサに基づく出力モードと被印刷物アルゴリズムの組合せによって生成される様々な色相、公式、広告情報、クーポン情報、UPCコード、漫画、出荷時の指示またはロジスティクス情報、包装情報、受領書、ストリーミング・データ、圧縮データ、文書処理用の様々なソフトウェア・ファイル、スプレッド・シート、データベース・ソフトウェア、医学的患者統計、作曲中に生成される音符、メータ読取り情報、交通列挙情報、宝くじ情報、販売およびマーケティング情報、被印刷物としての皮膚の美容およびスキン・ケアの変質、医学的スキン・ケア用途、ペットおよび野生動物のタグ付け、実験所での動物のマーク付けおよび報告、スポーツ・スコアおよび統計、メモ、文書、音声認識処理され出力されたテキスト、オーディオ・ビジュアル情報、デジタル的に記録され処理され印刷された写真、グラフィクスおよびテキスト、再生読取り/書込み被印刷物上の印刷情報の再生、蛍光、レコーディング、埋め込まれた化学的信号、埋め込まれたセキュリティ情報、通貨確認マーク、地図情報、食物直接印刷、客からの注文などのレストラン情報、従業員へのメッセージ、食物確認チェック、在庫など、航空会社スケジュール、切符発行およびセキュリティ情報、切手の郵便および郵便配達情報、郵便料金、配達および追跡番号、日付および有効期限を符号化するための肉、鶏肉、および生鮮食品への直接印刷およびラベル印刷、製品の期限切れの更新、指紋などのセキュリティ符号化情報、軍用の校協調や親子間で共有されている命令情報のような現場からの法医学的情報、学生を助ける教育的補助器具および製品、講義のメモ、マルチメディア入力を選択的に出力できる学習支援などであってよい。
【0021】
後で走査し処理し利用することができるデジタル・レコーディング、トレーシング、出力できるように処理し解読することのできる暗号化メッセージ、著者の望むサブテキストに応じて読取り情報および書込みと共同する出力、ファースト・フード・プリントアウト、個人化されたラベル・テキスト、名刺、情報の教示から得られるインスタント・フラッシュ・カード、衣服およびクリーニング用の取外し可能な印刷ラベル、学習を向上させる家庭学習情報、通常障害者用の外に現れているかまたは外に現すことのできる凹凸構造(たとえば、点字または輪郭付けされた画像)、さらなる情報処理に利用される三次元構造、Sony Game Boy(商標)、Ohio Art Etch-a-Sketch(商標)、などの製品からの直接プリントアウトのような15 Ames、Leap Frog(商標)学習装置などの学習装置から得られるデジタル・プリントアウト、デジタル・レコーディングからの歌詞プリントアウト、通信社からのメッセージ、試験または学習過程に関連する印刷されたグラフィクス、国識別情報プリントアウトなど。
【0022】
隠れたテキストおよびグラフィクスは、印刷が施された被印刷物から現させることができる。たとえば、情報、テキスト・グラフィクスを明瞭には見えないようにまたは部分的に見えるように事前に印刷し、その後情報を出力印刷し、画像を瞬間的に最初とは異なるフォーマットに変更することができる。
【0023】
この例には、子供または成人によって使用されるゲームまたは教育学習装置が含まれる。直接出力は、感熱紙、プラスチック、箔、木材、金属、または皮膚を含む平坦なまたは輪郭付けされたその他の表面などの被印刷物に対して行うことができる。出力は、単一の連続加熱部材のようなアナログであっても、高分解能印刷ヘッドのようにパラレルであっても、並列して隣接する並列印刷ヘッドのように超パラレルであってもよい。
【0024】
出力/印刷は単色であっても多色であってもよく、様々な色変化を被印刷物のアクティブ・マトリックスにおいて誘導することができる。書込みが行われる被印刷物は、平坦で平面状であっても、湾曲し輪郭付けされていても、可とう性であっても剛性であっても、乾燥していても湿っていても、ざらざらしていてもすべすべしていても、輪郭印刷および印刷凹凸構造用の固定二次元形態であっても固定三次元形態であってもよい。被印刷物は、織物、紙、またはその他の従来の印刷可能な表面であってよい。
【0025】
出力プロセスは、被印刷物の非幾何学的視覚変化または形状的変化を誘導することができる。たとえば、被印刷物は、熱変色性インクによって事前に印刷された単なる1枚の紙であってよく、それによって、感熱印刷ヘッドが使用時に被印刷物に接触すると、ユーザおよび装置によって指示された局所的な色の変化およびパターンが生じる。結果として得られる出力は、感熱印刷紙上のアート・デザインまたはプリントアウトであってよい。
【0026】
他の例では、被印刷物は、感熱印刷ヘッドが被印刷物を横切るときに形状を変化させるかまたは瞬間的に溶融する熱応答材料を含んでよい。熱接触被印刷物において単一または複数の効果を実現することができ、それによって、被印刷物は単に加熱部材の接点の形状に一致し、凹凸構造が作製されるか、または被印刷物は複数の応答を有することができ、それによって被印刷物は局所的に色を変化させ、同時に形状を一致させて凹凸構造を現させることができる。可逆性の色変化と不可逆性の色変化を適用することができる。同様に、可逆性の凹凸構造と不可逆性の凹凸構造を形成することができる。
【0027】
たとえば、出力部材によって局所的に溶融することのできる熱切替え媒体と熱溶融媒体の両方を含む被印刷物を形成することができる。媒体は、出力加熱部材が被印刷物を局所的に横切る際にある色から第2の色に変化する可逆性熱変色剤を含んでもよい。被印刷物は、出力部材が熱応答媒体に直接的または間接的に接触するように構成することができる。使用時には、熱出力部材は被印刷物/熱媒体上を横切って移動する。この部材が被印刷物に直接接触する場所にカラー・シフト溶融線(color-shifting melted lines)が発生する。媒体/被印刷物の熱切替え/溶融構成部材は、発熱出力部材を取り外したときに、瞬間的に、印刷された凹凸構造が形成されるような溶融転移を有することができる。同様に、熱変色性色変化構成部材は、部材に接触してもある色のままであり、加熱部材を取り外すかまたは変位させたときにその最初の色に戻る瞬間的な色変化であってよい。熱切替え媒体の可逆性の溶融特性のために、被印刷物に書き込まれるかまたは符号化された物理的な凹凸構造は、被印刷物を元の構成に戻すように溶融させ平滑化することができる。このような熱応答被印刷物は様々な厚さ、形状、およびサイズを有してよい。
【0028】
熱応答被印刷物は、コート紙、含浸被印刷物、下に位置する染料を露出させる溶融ろうを有するか、様々な光学的、熱的、磁気的、化学的、物理的、または生物学的応答層または構成部材を貼り付けることのできる被印刷物上の封入された染料のように被覆することができる。たとえば、酵素または触媒を発生させる比色生成物を被印刷物に埋め込むことができる。印刷すべき媒体にカラー・シフトを誘導する手段として熱活性化または熱非活性化を使用することができる。
【0029】
代表的な印刷媒体を付着させるのに適した被印刷物には、様々な紙ストック、コート紙、プラスチック、金属、箔、ゴム、複合材料、木材およびセルロース・ベースのその他の材料、自然表面、生きている草木および葉の表面、農産物の表面、ガラス、塗装表面、写真フィルム、マイラー、ホログラフィー表面、紙幣などの通貨表面、ナイロン・メッシュ、ナイロン繊維、織物表面、医療用接着剤、接着剤表面、チップ・ボード、カード・ボード、肉および乳製品、カートン、包装材料、電線被覆、印刷後材料、インク、フォトレジスト材料、印画紙、インク・ジェット印刷紙、肉および乳製品上のタグ、浸透を変化させる半浸透被印刷物、収縮包装材料、加熱に応答して形状を変化させる材料、熱作動形状変化材料、鏡面、合金、風船、玩具、液晶ディスプレイ、液晶材料、ろう、蒸着表面、新聞紙、雑誌、書籍、昇華染料、箔押し表面、Indigo(商標)印刷される被印刷物および表面、格納タグおよびセキュリティ・タグ、社内の自動販売機に一般的に使用されている熱紙、ラベル・レシートなどを含めてよい。同様に、印刷可能な被印刷物は、OLED被印刷物、電気活性ポリマー、酵素や熱衝撃タンパク質などの熱活性または非活性生物材料、熱変色性ポリマー、有機被印刷物、および無機被印刷物を組み込んでよい。
【0030】
特に重要なのは、好都合なことに、使用すべき特定の直接デジタル印刷プロセスに適切な印刷媒体を用いて印刷することのできる印刷可能な被印刷物である。検討すべき被印刷物は、デジタル的に印刷すべきインク、薬剤、または媒体を適切に表示すべきである。同様に、被印刷物は、直接デジタル印刷媒体を付着させる付着プロセスに適合すべきである。
【0031】
通常、印刷可能被印刷物を被覆するのに用いられる高速プロセスに使用される紙、感圧ラベル、フィルムなどの印刷ストック材料を利用するのが望ましいことが多い。さらに、直接デジタル印刷プロセスの大量用途では、ストック印刷可能被印刷物を被覆するのに一般に用いられる印刷被覆プロセスを利用するのが望ましい。たとえば、直接デジタル印刷用途に使用すべきカラー・シフト剤によって紙ストックに印刷する場合、インク・ジェット印刷、印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドラム印刷、スプレー塗装、グラビア印刷、Indigo(商標)印刷、フラッド印刷、蒸着印刷などの互換性のある印刷プロセスを使用するのが望ましい。
【0032】
カラー・シフト材料は、直接、または印刷マトリックス、インク、または樹脂と組み合わせて付着させることができる。カラー・シフト剤は、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロパノールなどの蒸発性溶剤から純粋な形態で付着させることができる。カラー・シフト材料を印刷マトリックス、インク、または樹脂と組み合わせて付着させる場合、通常、0.1重量%から99重量%の濃度で添加することができる。通常、この材料は0.5重量%から50重量%の間の濃度で添加され、1重量%から10重量%の間の濃度で添加されることが最も多い。
【0033】
カラー・シフト材料は、不活性形態で印刷し、次いで被覆プロセスが行われた後で活性化するか、または被印刷物被覆プロセスの前に活性化することができる。活性化状態は、関心対象の所望の直接デジタル印刷用途に依存する。たとえば、直接熱印刷プロセスの場合、印刷プロセスの間活動が保持され、熱変色性カラー・シフト材料を被印刷物上に被覆し、しかも直接印刷できるように活性化すべきである。
【0034】
スタイラスおよび移動部材をx,yプロッティングに利用できるように標準的なEtch-A-Sketchを修正することができる。スタイラスは、視覚的プレートに貼り付けられた被印刷物(平面)の色または触覚の変化を生じさせるのに必要な熱容量および導電性を有する加熱部材のような様々な部材を備えてよい。使用される色の変化またはカラー・シフト被印刷物は、単一または複数の色転移を示し、1つまたは複数の色を露出させ、メッセージを現させ、特定の適用分野に応じて異なる初期色および最終色を有し、下に位置するいくつかの異なる色を現させることなどができる。カラー・シフト機構は、単一または複数の色の可逆性または不可逆性の色変化を含み、デジタルまたはアナログ印刷フォーマットで形状され、高温または低温転移カラー・シフト染料を使用し、転移または永久印刷機構を使用し、読取り専用または読取り/書込み被印刷物を使用することなどができる。
【0035】
被印刷物の紙と加熱部材が熱接触しないように、熱変色剤によって印刷された紙およびプラスチックを平面状のプラスチックまたはガラス被印刷物に貼り付けることができる。加熱部材を熱変色剤の比色熱変色変化に関する温度に調整すると、色が初期色から第2の色に永久的にかつ不か逆的に変化した。
【0036】
様々な(本来熱変色性を有する)熱変色剤および熱感受性剤を利用した。たとえば、重合可逆性ポリジアセチレン化合物および熱変化に関して不可逆性のポリジアセチレン化合物を紙、プラスチック、ガラス、箔、またはその他の被印刷物上に印刷し、安定な平面状プラスチックもしくはガラス透明原稿またはプラスチックに取り付けるかまたはそれに接触させて配置した。加熱したスタイラスを移動させて(ポリジアセチレン・コーティングの熱転移よりも高い温度に)加熱すると、紺色の紙または被印刷物の、スタイラス/加熱部材を移動させた場所に明るい色(赤、オレンジ、青)の線が現れた。線、点、および様々な微細形状を形成した。色の変化は、温度設定に応じて瞬間的な変化であるかまたは低速であった。ポリジアセチレン層の下方に他の色および情報を印刷し、様々な色および効果を現させた。この製品は、芸術、ゲーム、仕事、および教育のための対話型システムを構成する。
【0037】
様々なカラー・シフト剤および熱応答材料を装置において印刷し使用した。液晶、溶融ろう、市販の感熱印刷紙、ポリチオフェン化合物、電気光学ポリマー、配座状態変更ポリマー、トポケミカル・ポリマー、固有カラー・シフト・ポリマー、電荷移動錯体、染料昇華化合物、電荷移動染料、アゼダイ、アゼダイ−ポリジアセチレン組成、スチルベン化合物、光発色性の染料、メカノクロミック染料、感熱インク、封入された感熱染料、従来の熱変色剤、スピロピランロイコ染料、ロイコキニン染料、チアジン、オキサジン、およびフェナジンロイコ染料、発色剤、ロイコトリアリルメタン、フルオランロイコ染料などをリモート・デジタル印刷媒体の1つまたは複数の部材として使用した(使用することができる)。
【0038】
直接デジタル印刷装置および直接アナログ印刷装置を用いた場合、標準的な市販の感熱印刷紙を印刷可能被印刷物として使用することができる。直接デジタル印刷装置の異なる印刷ヘッド・オプションによって可能になる様々な印刷オプションの利点を従来の感熱印刷媒体および感熱印刷紙に適用することができる。市販の感熱印刷紙の供給業者/製造業者には、Appleton(米国)、Jujo(フィンランドAhlstrom)、Kanzan(ドイツ)、Mark-sensing(オーストラリア)、Merley(米国)、三菱(日本)、王子製紙(日本)、日本製紙工業(日本)、Redstone(台湾)、Richo(フランス)、Shingsong Paper Tech Industries(韓国)と、米国および外国の他の企業が含まれる。
【0039】
印刷可能な紙には、感熱印刷が熱転写リボンまたはテープから紙への染料による熱転写によって行われる標準的な白紙またはカラー紙を含めてもよい。熱転写リボンまたはテープは感熱印刷ヘッドと紙との間に位置させることができる。リボンまたはテープと紙の位置合わせは、印刷中の紙に沿った走行速度と同じ速度でリボンまたはテープが解かれるようにローラまたはディスペンサ機構を用いて行うことができる。リボンまたはテープは感熱印刷ヘッドに合ったサイズにすべきである。
【0040】
カラー・シフト剤のみの組合せまたはカラー・シフト剤と一般的な感熱印刷紙および被印刷物との組合せを層形態で使用して複数の色出力を生成することができる。たとえば、青色ポリジアセチレン・コーティングを白色封入緑色感熱印刷紙上に配置することができる。ポリジアセチレン材料の熱転移は、低感熱印刷温度を用いて青色ポリジアセチレン材料をポリマーの赤色形態に変換できるように設定することができる。下に位置する封入緑色感熱印刷紙の熱転移は、下に位置する緑色染料が露出するのが高感熱印刷設定の場合のみになるように最適なより高い温度に設定することができる。青色、緑色、および赤色を現させる3色ポテンシャルの組合せは、印刷において標準的なRGB色出力を実現する。直接デジタル・カラー印刷は、より低温の第1の色変化またはより高温の第2の色変化を活性化することができる2温度直接感熱印刷ヘッドを用いることによって行うことができる。他の色組合せは、色の様々な配列および色の層を用いることによって可能になる。同様に、ポリアジセチレン染料のみを使用しても他の定常染料と組み合わせて使用しても、低温制御の前に様々な初期色を実現し、温度制御後に様々な色相を実現することができる。
【0041】
封入または被覆された染料を使用した感熱印刷紙は、封入染料の様々な色と、封入染料を隠すために上に位置する封入材料の様々な色を備えることができる。赤色、青色、黒色、オレンジ、マジェンタ、黄褐色、黄色と、全範囲の標準Pantone(商標)色およびPMS色を含む、様々な封入色を使用することができる。
【0042】
直接リモート・デジタル印刷アルゴリズムを使用して単一または複数の色変化を生じさせることができる。被印刷物の印刷された領域のみが熱変化に関して可逆性のままであり、一方、印刷された領域が不可逆的に定常色にカラー・シフトする可逆性カラー・シフト媒体を使用することができる。その後被印刷物全体を適度に加熱または冷却すると、印刷されない熱変化に関して活性の領域と比べて印刷された領域のコントラストを向上または低下させることができる。
【0043】
逆に、直接デジタル印刷を用いて、被印刷物上に被覆されたカラー・シフト媒体印刷を非活性化することができる。たとえば、不活性単量体形態のジアセチレン化合物を有する表面を感熱印刷ヘッドに走査させることができる。認識不能な印刷パターンを形成することができ、それによって、印刷された領域は単量体化合物の重合される能力を無効にする。印刷後、被印刷物を紫外線にさらすと、印刷された領域は無色のままになり、一方、印刷されない領域はネガ印刷画像を形成するように色付けされる。
【0044】
様々な感熱印刷ヘッドおよび光学印刷ヘッドを様々な装置構成で利用することができる。たとえば、Brother-P-Touch(商標)ラベル・プリンタおよびBrother Thermalファックス・プリンタなどの感熱プリンタから取り外された並列印刷ヘッドを、スタイラスに取り付けることによって使用することができる。様々な製造業者、サブシステム組立て業者、OEM製造業者、構成部材供給業者、または他の任意の関連供給業者のいずれかから得た感熱印刷ヘッドを利用することができる。
【0045】
印刷ヘッドを指先に取り付けられるように、印刷ヘッドを指先のサイズの小さな担体に取り付けることもできる。この構成によって、スタイラスまたは移動部材が指である直接指先印刷が可能になり、印刷すべき被印刷物上の指先の動きに忠実に従い、かつ指先の動きの調和を図ることができるようになった。
【0046】
一例では、Brother-P-Touch(商標)の感熱印刷ヘッドをこの製品から取り外し、指先ホルダに取り付けることによって利用した。マイクロプロセッサ、電源、およびサポート電子機器をキーパッドおよび表示画面を含むように組み立てた。装置にメッセージを入力し、印刷を開始した。感熱印刷ヘッドが熱変色剤を含む紙に接触すると、フレーズ、グラフィクス、テキスト、テキスト・メッセージ、および情報が指から直接プリンタの熱変色性紙上に印刷された。
【0047】
携帯印刷ユニットによって、音声を直接認識し印刷することができるように音声認識構成部材をユニットに接続することができる。リモート・デジタル印刷プロセスの音声認識副構成部材は、音声コマンドおよび音声記録を瞬間的にデジタル化して変換し、印刷装置を使用しながらデジタル的に印刷することのできる多数の用途を有する。たとえば、ウェイターおよびウェイトレスは、客の注文をとるのと同時に、この注文をカラー・シフト被印刷物にデジタル的に転写することができる。あるいは、学生は、授業中に講義のメモを正確にとることができる。装置内の計算部材は、表記法および講義に関するその他の情報を加えることによって教育プロセスを支援することができる。
【0048】
他の例では、紫外線光源(254nm)を用いて光学プリンタを作製した。光源は、電源用の電池パックを用いて手持ち式にした。ピン・ホールド(pin hold)コリメート光が生成されるようにCole Farmer and SteriPen(商標)の従来のUV光源にレンズを設けた。光学印刷ヘッドが光発色性の被印刷物上を移動して、光学画像、テキスト、およびグラフィクスを生成した。光学ペンを光学応答被印刷物に対して配置した距離に基づいて線幅を調整することができた。
【0049】
一例として、光学印刷ヘッドをスタイラス上に取り付け、機械的手段によって移動させて光学画像を生成することができる。他の例では、手持ち光学ペンをインク・ペンや鉛筆などの筆記具のように使用して光学テキスト、線、およびグラフィクスを生成した。
【0050】
光源に応じて、光学印刷ヘッドはアナログであってもデジタルであってもよい。光学インパルスの出力はシリアルであってもパラレルであってもよい。多光学光源をパラレル・デジタル印刷に適応させることができる。小型光学ヘッドは、指先(fingerchip)光学プリンタおよびリモート・デジタル印刷製品を実現する。
【0051】
同様に、光学印刷ヘッドおよび感熱印刷ヘッドは、x印刷およびy印刷を実現する形状を有してよい。各印刷ヘッドは、単一の画素印刷ヘッドからマッシブ・パラレルx, y構成まで配置することができる。印刷ヘッドは、ダイヤモンド形、正方形、塗りつぶしパターンで塗りつぶされた正方形を横切るxなどのx, y構成を有してよい。離散した印刷ヘッドの数は、単一のヘッドから、x方向に10,000個の印刷ヘッドを有しy方向に10,000個の小型印刷ヘッドを有するメガ画素アレイまでの範囲であってよい。通常、x方向とy方向の両方に1,000個の印刷ヘッドが配置され、典型的には、x方向とy方向に100個の印刷ヘッドが配置される。
【0052】
印刷ヘッドは、可とう性または剛性の支持体上に作製することができる。印刷ヘッドは、印刷ヘッドが、印刷機構に応答する薬剤を含む被印刷物または表面と相互作用するのを可能にする平面構成または幾何学的形状を有してよい。
【0053】
たとえば、印刷ヘッドは、感熱印刷加熱部材の線状アレイであってよい。線状アレイは剛性のストリップの端部の所に配置することができる。並列100ミクロン印刷ヘッドを含む1cmの線状感熱印刷ヘッドは、100個の並列印刷ヘッドを含んでよい。各ヘッドは、標準的なフレックス印刷エッチング・プロセスを用いて作製することができる。印刷ヘッド・アレイは好都合なことに、線状アレイが終わり、被印刷物ストリップの端部に平行になるように剛性または可とう性の被印刷物の端部上に配置することができる。この構成は、感熱印刷ヘッド・アレイと熱応答剤を含む表面との接触度を最大にする。
【0054】
パラレルx, y印刷ヘッド・アレイは、水平および垂直横断方向の印刷をただちに行うという利点を有する。たとえば、100画素x軸 x 100画素y軸感熱印刷ヘッド・アレイを指向性の印刷エンコーダおよび位置決めエンコーダと組み合わせて利用して、1ページにわたるx方向(左から右へ)またはy方向への印刷ヘッドの完全で柔軟な移動を可能にするか、あるいは印刷ヘッドが1ページにわたって両方向同時に対角方向に完全で柔軟な移動を行うのを可能にする。
【0055】
x, y印刷ヘッド形状を指先の滑らかな移動と組み合わせると、固有の印刷用途および効果が実現され、単一の線状xアレイ印刷ヘッドは、横切って移動し、かつ同時にx, y方向およびx, y-方向に移動して可動光学印刷効果を生じさせることができ、印刷段階中に語、メッセージ、およびグラフィックを歪ませ操作することができる。線、波形グラフィクス、円形テキスト、曲線、x/y階段関数などを生成することができる。より複雑な動きまたは動きのシーケンスを生成することができる。一例として、x方向のみの動きを開始して、次にy方向のみの動きを行うことができる。その後、x+ y+、x+ y-、x- y+、x- y-、x0 y+、x+ y0および直線的または段階的な他の様々な動きを用いて新規の画像およびグラフィクスまたはリアルタイム・グラフィック表示もしくはアート・ショーを生成することができる。
【0056】
印刷ヘッド・アレイを印刷可能媒体に固定的に接触させることのできる大型二次元印刷ヘッド・アレイを作製することができる。媒体表面上で印刷ヘッド・アレイを移動させずに二次元画像を形状できるように印刷ヘッド・アレイにデジタル・コマンドを送信することができる。必要に応じ、一般には印刷ヘッド・アレイと印刷可能媒体との1回の瞬間的な接触が必要とされるタスクについて、バーコードを瞬間的に形成し、デジタル・メッセージをスタンプし、複数の順次出力を生成するのに大型二次元印刷ヘッド・アレイを用いることができる。
【0057】
可とう性対応のデジタル印刷ヘッドを利用して非平面表面と形状を合わせることができる。たとえば、可とう性の印刷ヘッドは、フレックス回路上に取り付けられた線状感熱印刷ヘッド・アレイを有してよい。取り付けられているヘッド/フレックス回路コネクタを、やはり可とう性対応の断熱被印刷物に接着することができる。コンプライアント被印刷物には、ゴム、シリコンゴム、室温加硫化合物、皮革、複合材料、織物、または耐久性を有する任意の適切な絶縁材料を含めてよい。可とう性/コンプライアント印刷ヘッドは、関心対象の用途および印刷される被印刷物に応じた範囲の可とう性をx方向、y方向、およびz方向に有してよい。非平面度の高い表面の場合、適切な可とう性を有する印刷ヘッドを有するのが望ましいことがある。剛性の表面の場合、より可とう性の低い印刷ヘッドを利用するのが望ましいことがある。印刷ヘッドは、特定の用途に予想される可とう性および配座歪みのレベルを調整するように設計することができる。
【0058】
印刷ヘッドの配座を符号化プロセスによって厳密に制御できるように、圧電アクチュエータなどの電子アクチュエータを可とう性印刷ヘッド構成に組み込むことができる。印刷ヘッドは、アクチュエータ手段を用いてそれ自体を可動にし、印刷プロセス中に印刷ヘッドの位置の変化させることもできる。たとえば、感熱印刷ヘッド装置、光学印刷ヘッド装置、または他の印刷ヘッド装置は、ユーザからの物理的な働きかけ無しに、印刷すべき媒体を自動的にかつリモートに横切って移動することができる。
【0059】
ある構成では、リモート・デジタル印刷ヘッドがコンピュータ制御サーボまたはステップ・モータ装置によって移動させられるように小型ロボット・プリンタを構成することができる。ロボットの動きとデジタル印刷プロセスは、所望の印刷出力を物理的な介入なしに得ることができるように協働するようにプログラムすることができる。x方向、y方向、およびz方向における移動は、印刷すべき表面形状の変化に合うように調整することができる。
【0060】
リモートにまたは自動的に動作できるマイクロ・ロボット直接デジタル印刷装置を、印刷プロセスを開始する前にホーム位置を見つけるようにプログラムすることができる。同様に、印刷が完了した後、所望の位置に戻るように装置をプログラムすることができる。たとえば、小型デスクトップ・ユニットを紙の縁を配置するように構成することができる。紙の縁を配置した後、プリンタは、プログラムされた印刷シーケンスを開始することができる。印刷が完了した後、元のホーム位置を見つけるように装置をプログラムすることができる。印刷シーケンスを事前にプログラムしておくか、または印刷装置との無線通信を通じてリアルタイムに確立することができる。自律直接デジタル印刷装置は、不都合な環境または拘束された環境で動作するのに利点を有してよい。たとえば、小型ユニットを、個人ではアクセスできない表面上の狭い空間で動作するように設計することができる。装置は、印刷すべき表面上に配置し、その後所望の出力を印刷することができる。印刷後、元の位置に戻り回収されるように装置をプログラムすることができる。
【0061】
一般に、単一の印刷機能のみを上回る追加的な機能を直接デジタル印刷装置に組み込むことができる。たとえば、切断部材、刻み付け部材、マーク付け部材、光学スキャナまたはリーダ、位置符号化部材、中央演算処理装置への直接的なフィードバックを組み込んだ小型カメラ、センサ、バイオセンサ、化学センサ、およびその他の機能部材を、直接デジタル印刷システムと協働するように組み込むことができる。
【0062】
同様に、直接印刷装置のデジタル・バージョンおよびアナログ・バージョンを、指、手のひら、および手足上の様々な解剖学的取付け具、および障害者に使用される補綴装置用に設計することができる。美容の皮膚の変質が必要である場合、指先または手の上の厳密な解剖学的取付け具が必要になる。装置を障害者に使用する場合、義肢などの補綴装置にプリンタを取り付けることが必要になる場合がある。グラフィック・アーチスト、グラフィック・デザイナ、または他の関連する専門家の場合、通常その専門家によって利用される自然な動きを印刷プロセス中に行えるように直接デジタル・プリンタを手または側腕部に取り付けることが望ましい場合がある。
【0063】
リモート・デジタル印刷プロセスおよびコンプライアント印刷ヘッドおよび表面を用いて他の被印刷物および用途が可能になる。たとえば、美容のため、デジタル分解能および忠実度によって皮膚を直接変質させることができる。皮膚に対する直接デジタル印刷は、スキン・ケアに関する様々な新しい美容整形用途および医学用途を生み出す。直接デジタル皮膚印刷プロセスを用いて皮膚を変質させることができる。外皮層に対する感熱印刷インパクトを、皮膚の引締め、位置の修正、引伸ばし、色素脱失、色素再生、肌目再生、平滑化、美容の変質、一時的な変質、永久的な変質、形態的な変質、または医学的な治癒のために用いることができる。たとえば、皮膚ガン領域をデジタル的に増大して治癒プロセスを助けることができる。局所アプリケータを皮膚レベルで熱または光によって溶融させ、ある医学的な治療を行うことができる。美容のために、皮膚を移植して不要なあざまたは永久的な皮膚の傷を解消することができる。現在の外科的美容整形に代わる方法をデジタル皮膚増大プロセスを用いて実現することができる。
【0064】
特定の皮膚タイプおよび所望の皮膚変質用のデジタル・パターンを形成することができる。高分解能皮膚変質プロセスは、ドット・パターン、デジタル・パターン、線、またはその他のマークが視覚的に解釈できず、かつ見る者に正常に見えないような所望の視覚的変化を可能にする。
【0065】
デジタル皮膚変質は、事前皮膚処理および事後皮膚処理によってさらに向上させることができる。たとえば、デジタル皮膚印刷および変質の前に、まず皮膚の温度を変化させることによってこの領域に影響を与えることができる。皮膚の温度は最初、体温よりも高くして90 °Fないし100 °Fまで加熱するか、または体温よりも低くして40 °Fないし60 °Fまで冷却することができる。デジタル印刷プロセスがどのように皮膚に影響を与えるかもたらすために、温度を用いることができる。温度を体温よりも高くすると、印刷の前に血流が増して皮膚がわずかに膨張し、一方、温度を体温よりも低くすると、印刷の前に皮膚が収縮する。
【0066】
あるいは、増大されるべき領域に局所薬剤を塗布することができる。局所処理には、鎮痛薬、乳液、タイトニング・クリーム、スティミュレイティング・クリーム、皮膚トリートメント、クレンジング・クリーム、アルコールおよびその他の乾燥溶剤、天然オイル、長鎖アルコール、およびデジタル皮膚印刷プロセスと協働する任意のいくつかの治療薬を含めてよい。
【0067】
直接リモート・アナログ・デジタル印刷装置は選択的な熱コーティングと一緒に使用することができる。コーティングは、オーバー・プリンティング/デジタル熱処理を用いてコーティングを被印刷物に選択的に融着させることができるように印刷可能な被印刷物上に配置することができる。この選択的融着プロセスを用いて被印刷物を事前に指定されたパターンに密封することができる。このプロセスを用いて、後で選択的に浸透性、可溶性、溶解性などを得るのに用いることのできるデジタル・デザイン、パターン、またはフィーチャを被印刷物上に作製することができる。
【0068】
本発明の様々な態様の特徴には以下のことのうちの1つまたは複数が含まれる。プリンタはx方向にも、y方向にも、z方向にも固定されず、したがって、全範囲の動きが可能であり、固有の効果がもたらされる。従来のプリンタとは異なり、動きと印刷が分断される。手の動きまたは間接的な動きを用いて、印刷ヘッドを、従来の手段では印刷できない輪郭付けされた表面を含む任意の被印刷物上を移動させることができる。システムは、顕著な自由度をおよび相互作用性を実現し、例外的で予期されない効果をもたらす。印刷ヘッドの動きはアナログであり、一方、印刷プロセスは主としてデジタルであり、したがって、効果は自発的にかつ必要に応じてもたらすことができる。システムは、可動部品を有するプリンタを必要とせず、それによって構成が簡略化されコストが低下する。システムは、ソフトウェア出力によるグラフィクスをただちに修正し、さらなるデジタル処理を必要としないオン・デマンド機能を備える。コンプライアント印刷ヘッドによって、凹凸のある表面に対する印刷がかなり容易になる。システムは、印刷のための様々なデジタル出力との互換性を有する。
【0069】
以下の実施例は、例示のために与えられており、制限のためのものではない。
【0070】
実施例
実施例:被覆されたカラー・シフト紙媒体に印刷する。
【0071】
白色、黄色、ピンク、オレンジ、赤色、薄緑色、薄青色、マジェンタ、黄褐色、オフホワイトを含む範囲の色を有する、標準的な8.5 x 11インチの用紙と、パターン・デザインを有する紙に、カラー・シフト剤としてポリジアセチレンを用いて印刷を行った。200mg/mlの10, 12トリコサジイン酸(GFS Chemicals)および20mg/mlの10, 12ペンタコサジイン酸(GES Chemicals)を含む溶剤ベースの溶液を、体積比が9:1のエタノール(USP/NFグレード)とクロロホルムの混合物を用いて準備した。
【0072】
インク・ジェット印刷、スプレー・コーティング、またはフレキソ印刷を用いて用紙に印刷被覆を施した。フレキソ印刷の場合、ジアセチレン単量体を標準的な樹脂ベースの印刷マトリックスと組み合わせて用紙ストックとの良好な付着を実現した。
【0073】
ジアセチレン単量体組成を用紙上に印刷被覆した後、ジアセチレン単量体コーティングを紫外線(254ナノメートル)にさらすことによって活性化し青色ポリジアセチレン・ポリマーに転換した。薄青色相用の低強度照射および紺色相用の高強度を用いて様々な青色相を得た。
【0074】
カラー・シフト印刷被覆紙を様々な直接デジタル印刷用途および直接アナログ印刷用途に使用した。青色ポリジアセチレン・コーティングが白紙に印刷された無地の印刷被覆紙を用いて赤色印刷出力を生成した。青色ポリマーを被覆された黄色紙ストックでは、熱変色変化の前に青色相が得られ、変化後にオレンジ色相が得られた。オレンジ紙ストックは、青色ポリジアセチレン層を被覆すると茶色になり、加熱時には熱変化によってカラー・シフトして金色がかった黄色に変化した。薄青色紙ストックは、ポリジアセチレン層を被覆した後濃い茶色になり、温度制御時には紫がかったマジェンタになった。事前に印刷されたグラフィクスをポリジアセチレン層で隠すかまたは不明瞭にし、カラー・シフト剤の熱変色制御時に現させることができた。
【0075】
実施例:アナログ・カラー・シフト・スケッチング装置および印刷媒体
【0076】
Etch-A-Sketch玩具(Ohio Arts Company)の本体および機構を用いて、光学的なカラー・シフト線、グラフィクス、写真、テキスト、およびその他の視覚的フォーマットをスケッチする装置を組み立てた。この玩具を、加熱部材を保持するのにx位置決め部材およびy位置決め部材が用いられるように修正した。修正されたはんだ付けガン(Weller Company)を用いて加熱部材を組み立てた。はんだ付けガンの加熱部材を取り外し、スケッチング玩具のx, yスタイラスに取り付けた。はんだ付けガンに取り付けられた電気コードがスケッチング玩具のベースから出るように玩具本体を修正した。スケッチング玩具のx, y位置決めスタイラスおよび部材の動きが制限されるのを避けるように加熱部材コードをループ状にした。スケッチング玩具の頂部窓をガラス板から透明な耐衝撃性プラスチックに変えた。頂部プラスチック板を、スケッチング玩具上の利用可能な長穴に容易に嵌るように構成した。嵌められたプラスチック板を用いて、プラスチック板と同じ寸法(6 x 8インチ)の個々の用紙を取り付け挿入した。個々の印刷用紙の一方の面に印刷を施した(実施例:印刷カラー・シフト紙媒体を参照されたい)。
【0077】
カラー・シフト印刷媒体を含む印刷被覆用紙、または標準的な感熱紙を、色付けされた面が上向きになり透明プラスチック板に接触するようにスケッチング装置に配置した。電源プラグおよびオン/オフ・スイッチに取り付けられた電池パックを用いて装置に電力を供給した。動作時に、印刷用紙およびプラスチック板を設置した。装置を作動させ、かつ加熱部材を作動させた。印刷紙媒体上で使用される染料の色変化を引き起こすのに必要な温度を維持するように加熱部材を変調させた(完全な色変化は250 °Fで起こり、加熱部材を300 °Fに維持した)。
【0078】
加熱部材に用紙の表面上を横切らせると、印刷紙媒体上に直接カラー・シフト線および色変化線が描かれた。加熱部材を高速に移動させると線が細くなり、低速移動させかつ加熱を強めると線が太くなった。スタイラスをある位置から次の位置へ高速に移動させることによって線および点を作成した。x部材およびy部材を用いて様々なパターンおよびグラフィック表示を作成した。さらに、加熱部材ヘッドを、様々な幾何学的形状の加熱先端を受け入れるように修正した。幾何学的形状を有する先端を用いて、印刷媒体に様々なパターンおよびカラー・シフト線を作成した。たとえば、平行線パターンを作成する並列先端を形成した。ある移動方向に幅の広い線を作成し、別の移動方向に細い線を作成する細長い面取りされた先端を作製した。描画プロセス中に様々な形状の先端に置き換わる単一図形を作成した。
【0079】
様々な背景色を有する紙および紙被印刷物上に被覆される様々な量のカラー・シフト剤を用いて、様々なカラー・シフト・グラフィクスおよびカラー・シフト線を作成した。事前にパターン化され/色付けされた紙にカラー・シフト剤を被覆し、色変化を誘導したときにパターン化効果を実現した。
【0080】
実施例:リモート・デジタル指先プリンタ装置
【0081】
携帯型ラベルプリンタ(Brother P-Touch Home & Hobby(商標))をその最初のラベル・プリンタの形態から指先印刷装置になるように修正した。すべての内部機械部品を取り外しかつ切り離した。感熱印刷ヘッドを取り外し、印刷ヘッドが自由に動き全可動域を有するように修正した。加熱部材ストリップが小さな0.5 x 0.75パッドになるように感熱印刷ヘッドを機械加工した。付属のコネクタ・ケーブル・ストリップによって感熱印刷ヘッドを元のプリンタに接続されたままにした。感熱印刷ヘッドの裏側に、指先に取外し可能に取り付けられるように接着ストリップを設けた。印刷ヘッド・パッドがコネクタ・ケーブルの長さに適した運動範囲を有するように印刷ヘッド・パッドおよびコネクタ・ケーブルを元のプリンタのハウジングの外側に位置させた(2インチ範囲)。感熱印刷ヘッドを、元のラベル・プリンタ・ハウジング上のキーパッドから完全に操作できるように維持した。
【0082】
作動時には、元のラベル・プリンタ・ハウジングのキーパッド上にメッセージを入力することができた。裏側に接着剤が付けられた感熱印刷ヘッドを1本の指に取り付けるために1本の指が自由になる位置でハウジングを手で保持した。このデジタル指先プリンタ構成では、装置全体の完全な三次元運動が可能になり、指先に取り付けられた印刷ヘッドの、指による移動が非常にうまくできた。印刷時には、キーボードから装置にフレーズを入力した後、装置上の印刷ボタンを押すことによって印刷を開始した。短遅延時間シーケンスを用いてフレーズを書き込み、印刷シーケンスを開始する前に2秒間の遅延を生じさせた。指先印刷ヘッドをカラー・シフト印刷紙の表面に直接接触させた。印刷紙表面上を横切るx, y運動を開始した。入力されたフレーズは、装置にログインされるのとまったく同じ順序で印刷された。いくつかの異なるx, yシーケンス運動を用いてデジタル指先印刷を行った。フレーズを線状または非線状に印刷することができた。フレーズを直線状または波形にすることができた。感熱印刷ヘッドがカラー・シフト印刷紙を横断する際に感熱印刷ヘッドに加えられる動きの比率に応じて文字を縮小または拡大することができた。
【0083】
実施例:付属のデジタル・ペン・スタイラスおよび感熱印刷可能なページを持つ自己印字機能を持つ書籍
【0084】
携帯型ラベルプリンタ(Brother P-Touch Home & Hobby(商標))を、その最初のラベル・プリンタの形態から上述の自己印字機能を持つ書籍装置になるように修正した。すべての内部機械部品を取り外しかつ切り離した。感熱印刷ヘッドを取り外し、印刷ヘッドが自由に動き全可動域を有するように修正した。加熱部材ストリップが小さな0.5 x 0.75パッドになるように感熱印刷ヘッドを機械加工した。付属のコネクタ・ケーブル・ストリップによって感熱印刷ヘッドを元のプリンタに接続されたままにした。印刷ヘッドをプラスチック・ペン長スタイラスに取り付けた。印刷ヘッドをペン長本体に対して30°に傾けた。この角度は、感熱印刷アレイと印刷可能被印刷物との接触を誘導するのに最適な角度であった。
【0085】
デジタル印刷スタイラスがコネクタ・ケーブルの長さに適した運動範囲を有するように印刷ヘッド・パッドおよびコネクタ・ケーブルを元のプリンタのハウジングおよびプリンタ・ケーブルの外側に位置させた(10インチ範囲)。感熱印刷ヘッドを、元のラベル・プリンタ・ハウジング上のキーパッドから完全に操作できるように維持した。
【0086】
作動時には、元のラベル・プリンタ・ハウジングのキーパッド上にメッセージを入力することができた。プリンタ・ハウジングを10インチ3リーフ3リング・バインダ内に取り付けた。このデジタル・ペン・スタイラス・プリンタ構成では、装置全体の完全な三次元運動が可能になり、あらゆるペンと同程度に容易にスタイラスを使用することができた。印刷時には、キーボードから装置にフレーズを入力した後、書籍に取り付けられた装置本体上の印刷ボタンを押すことによって印刷を開始した。短遅延時間シーケンスを用いてフレーズを書き込みして、印刷シーケンスを開始する前に2秒間の遅延に備える。デジタル印刷ヘッドをカラー・シフト印刷紙の表面に直接接触させた。スタイラス・ペンを通常のペンまたは鉛筆と同様に使用して、印刷紙表面上を横切るx, y運動を開始した。
【0087】
感熱紙に穴を開け、プリンタおよびスタイラスが、書籍の、印刷すべき用紙ページに対して反対側に取り付けられるように、書籍の3リング・バインダに感熱紙を挿入した。入力されたフレーズは、装置にログインされるのとまったく同じ順序で印刷された。いくつかの異なるx, yシーケンス運動を用いてデジタル印刷を行った。フレーズを線状または非線状に印刷することができた。フレーズを直線状または波形にすることができた。感熱印刷ヘッドがカラー・シフト印刷紙を横断する際に感熱印刷ヘッドに加えられる動きの比率に応じて文字を縮小または拡大することができた。
【0088】
実施例:携帯電話に取り付けられ携帯電話と一緒に使用される一体型リモート・デジタル・プリンタ
【0089】
リモート・デジタル・プリンタを、携帯電話のベースに直接取り付けられるように携帯電話に適応させた。電話/プリンタは1つのユニットなり、単に電話/プリンタのベースを手で印刷可能紙被印刷物上を移動させることによって、メッセージおよび出力を携帯電話から直接印刷できるようになった。手の運動と、プリンタのベースとの接触によって、明確に印刷されたメッセージが電話からダウンロードされるようになった。
【0090】
プリンタを電話からのパラレル出力に接続した。電話の電池から独立したプリンタ自体の電源からプリンタに電力を供給した。直接、デジタル・プリンタに出力し、かつ熱応答紙被印刷物上に印刷することのできるテキスト・メッセージを、電話のキーパッドを用いて入力した。
【0091】
プリンタ・モジュール(Brother P-Touch Home & Hobby(商標))を、その最初のラベル・プリンタの形態から上述の付属品になるように修正した。すべての内部機械部品を取り外しかつ切り離した。感熱印刷ヘッドを取り外し、修正して、標準的な携帯電話のベースに取り付け直した。加熱部材ストリップが小さな0.5 x 0.75パッドになるように感熱印刷ヘッドを機械加工した。付属のコネクタ・ケーブル・ストリップによって感熱印刷ヘッドを元のプリンタ電子機器に接続されたままにした。印刷ヘッドを電話本体に対して30°に傾けた。この角度は、感熱印刷アレイと印刷可能被印刷物との接触を誘導するのに最適な角度であった。
【0092】
電話のメモリに記憶されているテキスト・メッセージをプリンタ・メモリに送信できるように、電話とプリンタ電子機器との間に並列アダプタを設けた。電話のキーパッドからの送信コマンドを用いて印刷が開始される電子発信を実現した。
【0093】
印刷可能被印刷物には、名刺の裏側に取り付けられるかまたは被覆される感熱紙、標準的な紙ストック感熱紙、および携帯電話の使用、移動、および機能に適合する適切なサイズの用紙が含まれる。入力されたフレーズは、装置にログインされるのとまったく同じ順序で印刷された。いくつかの異なるx, yシーケンス運動を用いてデジタル印刷を行った。フレーズを線状または非線状に印刷することができた。フレーズを直線状または波形にすることができた。感熱印刷ヘッドがカラー・シフト印刷紙を横断する際に感熱印刷ヘッドに加えられる動きの比率に応じて文字を縮小または拡大することができた。
【0094】
実施例:パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)に取り付けられパーソナル・デジタル・アシスタントと一緒に使用される一体型リモート・デジタル・プリンタ
【0095】
リモート・デジタル・プリンタを、PDAのベースに直接取り付けられるようにBlack Berry(商標) PDAに適応させた。PDA/プリンタは1つのユニットなり、単にPDA/プリンタのベースを手で印刷可能紙被印刷物上を移動させることによって、メッセージおよび出力をPDAから直接印刷できるようになった。手の運動と、プリンタのベースとの接触によって、明確に印刷されたメッセージが電話からダウンロードされるようになった。
【0096】
プリンタをPDAからのパラレル出力に接続した。PDAの電池から独立したプリンタ自体の電源からプリンタに電力を供給した。直接、デジタル・プリンタに出力し、かつ熱応答紙被印刷物上に印刷することのできるテキスト・メッセージを、PDAのキーパッドを用いて入力した。
【0097】
プリンタ・モジュール(Brother P-Touch Home & Hobby(商標))を、その最初のラベル・プリンタの形態から上述の付属品になるように修正した。すべての内部機械部品を取り外しかつ切り離した。感熱印刷ヘッドを取り外し、修正して、PDAのベースに取り付け直した。加熱部材ストリップが小さな0.5 x 0.75パッドになるように感熱印刷ヘッドを機械加工した。付属のコネクタ・ケーブル・ストリップによって感熱印刷ヘッドを元のプリンタ電子機器に接続されたままにした。印刷ヘッドをPDA本体に対して30°に傾けた。この角度は、感熱印刷アレイと印刷可能被印刷物との接触を誘導するのに最適な角度であった。
【0098】
PDAのメモリに記憶されているテキスト・メッセージをプリンタ・メモリに送信できるように、PDAとプリンタ電子機器との間に並列アダプタを設けた。PDAのキーパッドからの送信コマンドを用いて印刷が開始される電子発信を実現した。
【0099】
印刷可能被印刷物には、名刺の裏側に取り付けられるかまたは被覆される感熱紙、標準的な紙ストック感熱紙、およびPDAの使用、移動、および機能に適合する適切なサイズの用紙が含まれる。入力されたフレーズは、装置にログインされるのとまったく同じ順序で印刷された。いくつかの異なるx, yシーケンス運動を用いてデジタル印刷を行った。フレーズを線状または非線状に印刷することができた。フレーズを直線状または波形にすることができた。感熱印刷ヘッドがカラー・シフト印刷紙を横断する際に感熱印刷ヘッドに加えられる動きの比率に応じて文字を縮小または拡大することができた。印刷可能被印刷物には、まず箱や在庫コンテナなどの表面に貼り付け、その後PDA/プリンタ装置からの出力を印刷することのできる感熱粘着ラベルが含まれる。
【0100】
PDAとプリンタの組合せは、様々な在庫管理、郵便、食品の賞味期限を記入する食品提供・準備環境、図書館、薬品在庫、薬局での医薬記録、医師の患者モニタリング、株取引、店内販売促進および在庫記録、必要に応じたレシートおよびクーポン発行、切符発行、犯罪現場の記録に関する法執行、交通違反切符発行などに適用することができた。
【0101】
実施例:アナログ/デジタル印刷効果用のコンピュータ周辺デジタル・ペン印刷スタイラス
【0102】
携帯型デジタル印刷ペン・スタイラスを組み立て、ラップトップ・コンピュータに接続した。携帯型ラベルプリンタ(Brother P-Touch Home & Hobby(商標))を修正することによって、上述のようにデジタル印刷ペンを作製した。すべての内部機械部品を取り外しかつ切り離した。感熱印刷ヘッドを取り外し、印刷ヘッドが自由に動き全可動域を有するように修正した。加熱部材ストリップが小さな0.5 x 0.75パッドになるように感熱印刷ヘッドを機械加工した。付属のコネクタ・ケーブル・ストリップによって感熱印刷ヘッドを元のプリンタに接続されたままにした。印刷ヘッドをプラスチック・ペン長スタイラスに取り付けた。印刷ヘッドをペン長本体に対して30°に傾けた。この角度は、感熱印刷アレイと印刷可能被印刷物との接触を誘導するのに最適な角度であった。
【0103】
携帯型デジタル印刷スタイラスがコネクタ・ケーブルの長さに適した運動範囲を有するように印刷ヘッド・パッドおよびコネクタ・ケーブルを元のプリンタのハウジングおよびプリンタ・ケーブルの外側に位置させた(10インチ範囲)。携帯型デジタルペン印刷スタイラスには、取り付けられた書籍内の任意の所与のページにアドレス指定し書籍内で到達することができるように全可動域を有させた。ラップトップ・コンピュータによって利用されるコンピュータ・ソフトウェア・パッケージからのパラレル出力のコマンド言語を受け入れるように印刷ドライバ・ソフトウェアおよび電子機器を適応させた。
【0104】
作動時には、メッセージを、ラップトップ・キーボード上に入力し、印刷コマンドを用いて携帯型デジタルペン印刷スタイラスに送信することができた。受信されたメッセージは、スタイラス印刷ヘッドから感熱紙上に直接印刷された。このデジタル・ペン・スタイラス・プリンタ構成では、装置全体の完全な三次元運動が可能になり、あらゆるペンと同程度に容易にスタイラスを使用することができた。印刷時には、キーボードから装置にフレーズを入力した後、書籍に取り付けられた装置本体上の印刷ボタンを押すことによって印刷を開始した。短遅延時間シーケンスを用いてフレーズを書き込みして、印刷シーケンスを開始する前に2秒間の遅延に備える。デジタル印刷ヘッドをカラー・シフト印刷紙の表面に直接接触させた。スタイラス・ペンを通常のペンまたは鉛筆と同様に使用して、印刷紙表面上を横切るx, y運動を開始した。
【0105】
入力されたフレーズは、コンピュータ・ソフトウェア・パッケージに入力されるのとまったく同じ順序で印刷された。いくつかの異なるx, yシーケンス運動を用いてデジタル印刷を行った。フレーズを線状または非線状に印刷することができた。フレーズを直線状または波形にすることができた。感熱印刷ヘッドがカラー・シフト印刷紙を横断する際に感熱印刷ヘッドに加えられる動きの比率に応じて文字を縮小または拡大することができた。
【0106】
コンピュータとデジタル・ペン・スタイラス・ドライバ電子機器との間に他の通信も試験した。好都合なことに、CPUとデジタル・ペンとの間の無線通信によって高い自由度が実現され、あらゆるコネクタ・ケーブルから離れその妨害を受けずに手の印刷運動を行うことができた。選択された様々な手の動きを用いて印刷プロセス中にグラフィクス出力を修正することができるため、利用するグラフィクス・ソフトウェアは特に重要である。
【0107】
デジタル的に符号化された線、境界、語、およびパターン出力を、CPUにより、x方向およびy方向における手の様々なアナログ運動および速度を用いることによって、さらに強調し、かつ事後デジタル処理として修正することができた。コンピュータ処理だけでは容易でない新たな芸術的効果が得られるようにグラフィクスを歪ませることができた。コンピュータ・デジタル処理と手のアナログ運動との組合せは、コンピュータ処理だけの場合にはずっと複雑なソフトウェアが必要になる固有のテキストおよびグラフィック出力を必要に応じて実現した。
【0108】
実施例:直接写真出力ができるようにデジタル・カメラに取り付けられたリモート・デジタル・プリンタ
【0109】
リモート・デジタル・プリンタを、デジタル・カメラのパラレル・ポートまたはシリアル・ポートおよびハウジングに直接取り付けられるようにデジタル・カメラに適応させた。カメラ/プリンタは1つのユニットになり、単にカメラ/プリンタのベースを手で印刷可能紙被印刷物上を移動させることによって、メッセージおよび出力を携帯電話から直接印刷できるようになった。手の運動と、プリンタのベースとの接触によって、明確に印刷されたメッセージがカメラからダウンロードされるようになった。
【0110】
プリンタをカメラからのパラレル出力に接続した。カメラの電池から独立したプリンタ自体の電源からプリンタに電力を供給した。直接、デジタル・プリンタに出力し、かつ熱応答紙被印刷物上に印刷することのできるテキスト・メッセージを、カメラのキーパッドを用いて入力した。
【0111】
プリンタ・モジュール(Brother P-Touch Home & Hobby(商標))を、その最初のラベル・プリンタの形態から上述の付属品になるように修正した。すべての内部機械部品を取り外しかつ切り離した。感熱印刷ヘッドを取り外し、修正して、デジタル・カメラのハウジング上に取り付け直した。加熱部材ストリップが小さな0.5 x 0.75パッドになるように感熱印刷ヘッドを機械加工した。付属のコネクタ・ケーブル・ストリップによって感熱印刷ヘッドを元のプリンタ電子機器に接続されたままにした。感熱印刷アレイと印刷可能被印刷物との接触を誘導するように、印刷ヘッドをカメラ本体に対して傾けた。
【0112】
カメラのメモリに記憶されている画像およびメッセージをプリンタ・メモリに送信できるように、カメラとプリンタ電子機器との間に並列アダプタを設けた。カメラのコマンドからの送信コマンドを用いて印刷が開始される電子発信を実現した。
【0113】
印刷可能被印刷物には、名刺の裏側に取り付けられるかまたは被覆される感熱紙、標準的な紙ストック感熱紙、およびカメラの使用、移動、および機能に適合する適切なサイズの用紙が含まれる。入力されたフレーズは、装置にログインされるのとまったく同じ順序で印刷された。いくつかの異なるx, yシーケンス運動を用いてデジタル印刷を行った。写真を線状または非線状に印刷することができた。感熱印刷ヘッドがカラー・シフト印刷紙を横断する際に感熱印刷ヘッドに加えられる動きの比率に応じて画像を縮小または拡大することができた。
【0114】
実施例:デジタル・カラー・シフト・スケッチング装置および印刷媒体
【0115】
上述のEtch-A-Sketch(商標)構成要素とBrother P-Touch 65(商標)構成要素の組合せを用いてデジタル・スケッチング装置を開発した。感熱印刷ヘッドが透明プラスチック・カバーに取り付けられた1枚のカラー・シフト印刷被覆紙に直接接触するように、ラベル・プリンタの感熱印刷ヘッドをスケッチング装置のx, yスタイラスに取り付けた。
【0116】
プリンタに印刷シーケンスを開始させ、スタイラスをx方向およびy方向に移動させながら、x方向およびy方向にデジタル印刷パターンを作成した。運動制御・デジタル印刷プロセスを用いて様々なパターンおよび複雑なグラフィクスを得ることができた。カラー・シフト剤が制御されてより明るい色が現れるまでグラフィクスを不明瞭にするように、印刷されたグラフィクスの上にカラー・シフト剤が位置する紙を用いて、他のグラフィック効果および教育的効果を実現した。注意事項およびメッセージを、ある問題の試験を行ってチェックする手段として使用されるように現させた。
【0117】
実施例:皮膚上の光活性化デジタル・カラー・シフト印刷媒体
【0118】
上述の実施例で説明したリモート・デジタル指先プリンタ装置および方法(実施例:リモート・デジタル指先プリンタ装置を参照されたい)を用いて皮膚上のカラー・シフト印刷媒体に対してデジタル印刷を施した。指先印刷ヘッドおよび本体を、皮膚に直接接触するのが好都合なように適切に取り付け保持した。皮膚のコンプライアントな本質のために、十分なコンプライアント印刷ヘッドシステムを用いないかぎり皮膚に対して直接デジタル印刷を施すことはできなかった。さらに、指先をアクチュエータとして使用すると、高い融通性と、皮膚上の輪郭および骨格構造に従う能力と、適応可能な運動範囲および運動速度が実現された。
【0119】
ジアセチレン化合物の単量体溶液を塗布することによって皮膚上に光活性化カラー・シフト印刷媒体を形成した。250mg/mlのジアセチレン化合物エタノールアミド5, 7ヘキサデカジナミドをエタノール(USP-NFグレード)に溶解させた。溶液を加熱してジアセチレン材料の完全に溶かした。綿を用い、前後運動によって皮膚に直接溶液を塗布した。乾燥後の皮膚コーティングは無色であった。手持ち紫外線光(254ラン)を用いてジアセチレン材料を色付けした。紫外線にさらすと材料は赤色/マジェンタになった。手首/手の裏側の幅0.5インチ長さ2.5インチの領域に色付けした。色付けされた領域は、はっきりと腕輪のように見えた。
【0120】
印刷用のカラー・シフト印刷領域を形成すると、デジタル指先印刷装置を用いてメッセージ:DIGITAL SKINを印刷した。感熱印刷ヘッドが接触することによって、文字が印刷された領域から色が消えて見えなくなり、文字と皮膚と背景カラー・シフト印刷領域とのコントラストによって、溶液が塗布された皮膚領域に直接高分解能印刷メッセージが現れた。
【0121】
実施例:皮膚上の熱感受性デジタルカラー・シフト印刷
【0122】
カラー・シフト・デジタル皮膚印刷媒体が熱変色活性を有し、デジタル皮膚印刷された領域がその後体温よりも高い温度および体温よりも低い温度にさらされることによって領域の色が変化するように媒体に印刷を施すこともできる。たとえば、赤色マジェンタ形態の印刷材料を体温よりも高い温度に加熱して赤色/オレンジを表させることができる。あるいは、印刷媒体を体温よりも低い温度に冷却して深紫−青色を表させることもできる。
【0123】
上述のように形成された皮膚上の色付け/デジタル印刷領域(実施例:皮膚上の光活性化デジタル・カラー・シフト印刷媒体を参照されたい)を(95 °Fよりも高い)風呂の温度および水道水にさらした。デジタル的に印刷された領域はただちに最初のマジェンタ色から赤色に変わった。その後、印刷済みの領域を冷水(62 °Fよりも冷たい水)にさらすと、青紫色へのカラー・シフトが起こった。
【0124】
可逆的なカラー・シフト・デジタル皮膚印刷媒体を利用すると、様々な色変化を順次引き起こすことができ、見た目に魅力的な皮膚になる。同様に、デジタル皮膚印刷領域またはメッセージは、媒体および関連するメッセージを使用する人に情報を与える働きをする。
【0125】
実施例:皮膚上のデジタル的に増大される印刷
【0126】
感熱印刷プロセスを皮膚にデジタル的に直接適用すると、皮膚表面が瞬間的に増大される。皮膚のみを印刷媒体として使用するか、またはカラー・シフト媒体と組み合わせて使用して、フレーズ、メッセージ、記号、テキスト、グラフィクス、タトゥー・アートなどをデジタル印刷によって直接形成することができる。前述の装置(実施例:リモート・デジタル指先プリンタ装置を参照されたい)を用いながらカラー・シフト媒体なしに直接デジタル皮膚印刷を行った。リモート・デジタル指先印刷装置をフレーズDIRECT DIGITAL SKTNを印刷するようにプログラムした。フォント・サイズ12のボールド体を使用した。最初、開始時から12時間以内に、皮膚の印刷領域がわずかに赤くなった。24時間経過するまでに、皮膚表面上にフレーズDIRECT DIGITAL SKINが現れ始めた。48時間経過するまで文字が鮮明になっていった。印刷から3日後までに、目に見える高分解能のかさぶたのようなものがボールド体の文字として現れた。かさぶたのようなものは、明確さを生じさせる周囲の皮膚領域よりも黒くなった。黒く印刷された皮膚領域は、従来の印刷方法によって印刷された高分解能文字のように見えた。文字はかさぶたのようには見えず、魅力的な印刷パターンに見えた。
【0127】
あるいは、事前に色付けされたカラー・シフト媒体を用いて、前の例で説明したようにデジタル皮膚印刷を行うこともできる。前述のカラー・シフト領域上に(実施例:皮膚上の光活性化デジタル・カラー・シフト印刷媒体を参照されたい)上述のように印刷を行った。この場合、文字は最初、カラー・シフト媒体のカラー・シフトによって目立つようになり、次いで24時間後に周囲のカラー・シフト媒体を洗い流すことによって目立つようになった。洗浄後、デジタル的に印刷された皮膚領域は、上述のカラー・シフト媒体なしに直接デジタル皮膚印刷を行った場合と同様に見えた。
【0128】
実施例:デジタル的に増大される表面的な皮膚の変質
【0129】
直接デジタル皮膚印刷プロセス(実施例:皮膚上のデジタル的に増大される印刷)を用いて美容のための皮膚の変質を行った。携帯型プリンタおよび印刷ヘッドを用いて、皮膚のしわの寄った部分の組織を適度に瞬間的に変質させた。感熱印刷ヘッドによって生成される小さな熱ドット・パルスを用いた単純なドット・パターンを用いて、皮膚のしわ同士の間に熱によって小さな傷を作った。各ドットは、注意して調べた場合にやっと見える程度のものであり、印刷プロセスが実行されてから数日間の間しか見えなかった。1週間経過しても肉眼ではかさぶたのようなものもドットも見えず、変質した皮膚領域は、隣接するしわの寄った皮膚領域と比べてぴんと張っていた。ドット密度およびドットの規則性または不規則性を増減させることによって様々なパターンを適用した。デジタル表面的な皮膚の変質は、結果として得られる皮膚の張りと見た目の魅力を最大にする
【0130】
プリンタおよびデジタル印刷プロセスは、しわ取り、傷の除去またはマスキング、皮膚の色素沈着の増大、しみ治療、あざ治療、瞬間的なボディ・タトゥーなどを含む様々な皮膚変質に使用することができる。
【0131】
実施例:デジタル的に付着する化粧用染料用途
【0132】
リモート・デジタル印刷プロセスを用いて化粧用パウダーおよびローションを皮膚に熱アニーリングすることができる。まず、化粧ベースを直接皮膚に塗布する。ベースは、リモート・デジタル印刷装置の感熱印刷ヘッドで実現される温度よりも低い融点を有するように組成されている。
【0133】
化粧ベースを塗布した後、リモート・デジタル印刷装置によって塗布領域にオーバープリントする。化粧ベースは、感熱プリンタによって導かれる画素位置で溶融し皮膚に直接付着する。デジタル皮膚印刷の前に染料を含むパウダーを皮膚の上に広げた。印刷後の最終的な色付けには、感熱印刷プロセスによる色と塗布された化粧パウダーに使用されている付着染料との組合せが含まれた。
【0134】
化粧ベースに利用される色に応じて皮膚に様々な色付けパターンを施すことができる。デジタル皮膚印刷を用いて皮膚の特定の位置を一時的に着色し、一時的なタトゥーを形成するか、傷を隠すか、あるいは増大中の皮膚領域の他の特性を発現させるかまたは変質させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】アナログカラー・シフト・スケッチング装置および印刷媒体を示している。図1Aに示されている装置は、ユーザが一対のノブを持つ加熱部材を操作することによってデザインを作成するのを可能にする。加熱部材をカラー・シフト媒体上を横切って移動させると、加熱部材は、図1Bに示されているようなデザインを作成する。
【図2】元から色付けされている熱変色性インプリント・ペーパーの例を示す図である。グラフィクスを隠すかまたは不明瞭にして、後で熱にさらすことによって表させるか、または感熱印刷部材を用いることによって画像を作成することができる。
【図3】図3Aは、リモート・デジタル指先プリンタ装置を示している。修正された感熱印刷ヘッドを接着剤で指に取り付け、付属のキーパッド上にメッセージを入力することができる。次いで、図3B、3C、および3Dに示されているように、装置を用いて、カラー・シフト表面上を横切って移動させながらメッセージを印刷することができる。
【図4】図4Aおよび4Bは、皮膚に貼り付けられるカラー・シフト媒体を示している。皮膚に媒体を貼り付けた後、図4C、4D、4E、および4Fに示されているように、上記の図に示されている指先プリンタなどの装置を用いて媒体にメッセージを印刷することができる。
【図5】図5Aは、皮膚に貼り付けられたカラー・シフト媒体がその後、体温よりも高いかまたは低い温度にさらされたときにどのように色を変化させるかを示している。図5Bは、湯にさらすことによって赤色が生じることを示し、一方、図5Cは、冷水にさらすことによって紫色が生じることを示している。
【図6】図6Aは、皮膚自体を印刷媒体として用いることによって形成されたメッセージを示している。まずカラー・シフト媒体によって文字を目立たせ、カラー・シフト媒体を洗い流すことができる。カラー・シフト媒体を使用するかどうかにかかわらず、図6Bに示されているように、皮膚に印刷されたメッセージは周囲の皮膚よりも黒い色として残る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階を含む、被印刷物上にデジタル印刷を施す方法:
印刷ヘッドを被印刷物の少なくとも一部を横切ってアナログ的に移動させる段階。
【請求項2】
印刷ヘッドが、少なくともx方向に対して変化する形で、被印刷物を横切って移動する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
印刷ヘッドが、x方向とy方向の両方に対して変化する形で、被印刷物を横切って移動する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
印刷ヘッドが、x方向とy方向の少なくとも一方における速度に対して変化する形で、被印刷物を横切って移動する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
印刷ヘッドが、x方向とy方向の両方における速度に対して変化する形で、被印刷物を横切って移動する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
印刷ヘッドが、被印刷物を非直線状に横切って移動する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
印刷ヘッドが、被印刷物を曲線状に横切って移動する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
被印刷物を横切る印刷ヘッドの移動が、手動で制御される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
手動で制御される移動が、直接手動で制御される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
手動で制御される移動が、間接的に手動で制御される、請求項8記載の方法。
【請求項11】
印刷ヘッドが、印刷ヘッドが少なくともx方向およびy方向において全可動域を有する装置の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
印刷ヘッドが、印刷ヘッドがx方向、y方向、およびz方向において全可動域を有する装置の一部である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
印刷ヘッドが、コンプライアントである、請求項1記載の方法。
【請求項14】
被印刷物が、非一様な被印刷物である、請求項1記載の方法。
【請求項15】
印刷ヘッドが、流体付着印刷ヘッドではない、請求項1記載の方法。
【請求項16】
印刷ヘッドが、描画装置の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項17】
描画装置が、レクリエーション用描画装置である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
印刷ヘッドが、デジタル指先印刷装置の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項19】
印刷ヘッドが、自己印字機能を持つ書籍装置の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項20】
印刷ヘッドが、自己画像印刷カメラ付属装置の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項21】
印刷ヘッドが、携帯電話印刷装置の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
印刷ヘッドが、コンピュータ周辺プリンタ付属装置の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項23】
印刷ヘッドが、デジタル皮膚増大装置の一部である、請求項1記載の方法。
【請求項24】
被印刷物上に印刷を施す装置であって、被印刷物の少なくとも一部を横切ってアナログ的に移動することのできる印刷ヘッドを含む装置。
【請求項25】
印刷ヘッドが、少なくともx方向に対して変化する形で被印刷物上を横切って移動することができる、請求項24記載の装置。
【請求項26】
印刷ヘッドが、x方向とy方向の両方に対して変化する形で被印刷物を横切って移動することができる、請求項24記載の装置。
【請求項27】
印刷ヘッドが、x方向とy方向の少なくとも一方における速度に対して変化する形で被印刷物を横切って移動することができる、請求項24記載の装置。
【請求項28】
印刷ヘッドが、x方向とy方向の両方における速度に対して変化する形で被印刷物を横切って移動することができる、請求項27記載の装置。
【請求項29】
印刷ヘッドが、被印刷物を非直線状に横切って移動することができる、請求項24記載の装置。
【請求項30】
印刷ヘッドが、被印刷物上を曲線状に横切って移動することができる、請求項24記載の装置。
【請求項31】
装置が、印刷ヘッドの移動の手動による制御を提供する、請求項24記載の装置。
【請求項32】
装置が、印刷ヘッドの移動の直接的な手動制御を提供する、請求項31記載の装置。
【請求項33】
装置が、印刷ヘッドの移動の間接的な手動制御を提供する、請求項31記載の装置。
【請求項34】
印刷ヘッドが、少なくともx方向およびy方向において全可動域を有する、請求項31記載の装置。
【請求項35】
印刷ヘッドが、x方向、y方向、およびz方向において全可動域を有する、請求項34記載の装置。
【請求項36】
印刷ヘッドが、コンプライアントである、請求項24記載の装置。
【請求項37】
印刷ヘッドが、非一様な被印刷物上に印刷を施すことができる、請求項24記載の装置。
【請求項38】
印刷ヘッドが、流体付着印刷ヘッドではない、請求項24記載の装置。
【請求項39】
印刷ヘッドが、描画装置の一部である、請求項24記載の装置。
【請求項40】
描画装置が、レクリエーション用描画装置である、請求項39記載の装置。
【請求項41】
装置が、デジタル指先印刷装置である、請求項24記載の装置。
【請求項42】
装置が、自己印字機能を持つ書籍装置である、請求項24記載の装置。
【請求項43】
装置が、自己画像印刷カメラ付属装置である、請求項24記載の装置。
【請求項44】
装置が、携帯電話印刷装置である、請求項24記載の装置。
【請求項45】
装置が、コンピュータ周辺プリンタ付属装置である、請求項24記載の装置。
【請求項46】
装置が、デジタル皮膚増大装置である、請求項24記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−523159(P2006−523159A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509612(P2006−509612)
【出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2004/010128
【国際公開番号】WO2004/090629
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(505366973)セーガン インダストリーズ (1)
【Fターム(参考)】